JP2000011855A - 電界放出カソードおよびその製造方法 - Google Patents

電界放出カソードおよびその製造方法

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JP2000011855A JP10169897A JP16989798A JP2000011855A JP 2000011855 A JP2000011855 A JP 2000011855A JP 10169897 A JP10169897 A JP 10169897A JP 16989798 A JP16989798 A JP 16989798A JP 2000011855 A JP2000011855 A JP 2000011855A
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Kazuyoshi Otsu
和佳 大津
Masateru Taniguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電圧で電子を放出するとともに電界放出電
流を増やすことができる電界放出カソードを提供する。 【解決手段】 ガラス製あるいはセラミック製のカソー
ド基板8上に、カソード電極1、絶縁層2およびゲート
電極3が積層されている。絶縁層2およびゲート電極3
に開口部(ホール)4が形成され、この内部に、例えば
コーン(円錐)状のエミッタチップ5がカソード電極1
の上に形成されている。エミッタチップ5は、Mo等の
抵抗率の小さな金属チップである。エミッタチップ5の
表面は、改質されたフォトレジスト6によって薄く覆わ
れている。改質されたフォトレジスト6は、フォトレジ
スト7がAr+ イオン照射または真空中での加熱処理に
より炭素−炭素結合を有するようになったものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ装
置、撮像装置等の電子源として用いられる電界放出カソ
ード、および、電界放出カソードの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属または半導体表面の印加電界を10
9 [V/m]程度にすると、トンネル効果により電子が
障壁を通過し、常温でも真空中に電子放出が行われるよ
うになる。これを電界放出(Field Emission)と呼び、
このような原理で電子を放出するカソードを電界放出カ
ソード(Field Emission Cathode)と呼んでいる。電界
放出カソードとしては、従来より、金属材料をコーン形
状などのチップ状に形成してエミッタとし、近接したゲ
ート電極との間に電圧をかけて電子を放出させるものが
知られている。しかし、電子を放出する電圧が高いこと
に加え、仕事関数が小さく、かつ、電子放出が安定な材
料をチップ材に選定しなければならず、材料選定の自由
度が小さかった。例えば、Mo(モリブデン),Nb
(ニオブ)のような高融点金属を使用しているが、これ
らの金属は高価である。Moより仕事関数の小さい金属
もあるがさらに高価になる。また、高融点金属のエミッ
タチップ材料は、真空容器内の環境雰囲気の影響を受け
やすく、真空容器中の残留ガスの吸着等により電子放出
特性が変動しやすいという問題がある。金や白金を使う
と環境雰囲気の影響を受けなくなるが高価になる。
【0003】一方、低い電圧で電子を放出するダイアモ
ンドあるいはダイアモンド状炭素(DLC:ダイアモン
ドライクカーボン)を用いた技術が知られている。この
種の電子放出の最近の技術として、フォトレジストをイ
オンビームで改質して電子放出させるものが、例えば、
浅野種正ほか3名、信学技法ED97−175(199
7−12)P.1〜6等で知られている。
【0004】まず、単結晶シリコンでモールドの型材を
作製する。エッチング速度が結晶方位に依存するアルカ
リ性溶液を選び、単結晶シリコン基板に対し、熱酸化膜
のマスクパターンを用いたエッチングを行い、多数の逆
四角錐の穴をあける。この表面にスピンコーティング法
によりフォトレジストを塗布して、穴を埋め、300℃
でベークした後、エッチングによりシリコン基板を裏側
から溶かし去る。フォトレジストの表面を覆う熱酸化膜
を除去した上で、Ar+ イオンを照射してフォトレジス
トを改質すると、レジスト全体が導電性を持つようにな
る。フォトレジストとしては、半導体集積回路(IC)
の製造時のパターニングに広く使用されている、ノボラ
ック樹脂系フォトレジスト(例えば、東京応化株式会社
製のOFPR−800型)を用いる。Ar+ イオン照射
をすると、元のフォトレジストから酸素原子や水素原子
が離脱して改質され、膜厚が減るとともに、炭素−炭素
の共有結合が多くなり導電性を有するようになる。この
炭素−炭素結合中には、結晶化の進んだダイアモンドラ
イクカーボンが混じっている。なお、フォトレジスト
は、イオン照射しなくても高温に加熱しただけでも導電
性に改質されるが、この場合、700〜800℃まで加
熱する必要がある。
【0005】ダイアモンドライクカーボンは、比較的低
い電圧で電子を放出する能力がある。しかし、その抵抗
率が比較的高いため、電圧を上げても電子放出が飽和す
る現象が顕著に現れ、大きな放出電流を得ることが難し
いという問題がある。また、上述したモールドタイプ
は、大きさに制約のあるシリコン単結晶基板を用い、し
かも毎回、型を作らなければならないため、量産が難し
いだけでなく、大型ディスプレイのような大面積に多数
の電界放出カソードを製作する用途に採用することは困
難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたもので、低電圧で電子を
放出するとともに、放出電流を増やすことができる電界
放出カソード、および、この電界放出カソードの製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、カソード基板、カソード電極、絶縁層、ゲー
ト電極およびエミッタを有し、前記エミッタが、前記絶
縁層と該絶縁層上のゲート電極との開口部の内部に形成
され、前記カソード基板上の前記カソード電極に電気的
に接続される電界放出カソードにおいて、前記エミッタ
は、低抵抗率の金属であるエミッタチップにイオンビー
ム照射または真空中での加熱で改質されたフォトレジス
トが被覆されたものである。したがって、ゲート電極と
エミッタチップとの間隔が狭いこと、および、改質され
たフォトレジストの電子放出特性により、低い電圧で電
子を放出させることができるとともに、低抵抗率の金属
エミッタチップにより、放出電流を増やすことができ
る。
【0008】請求項2に記載の発明においては、カソー
ド基板、カソード電極、絶縁層、ゲート電極およびエミ
ッタを有し、前記エミッタが、前記絶縁層と該絶縁層上
のゲート電極との開口部の内部に形成され、前記カソー
ド基板上の前記カソード電極に電気的に接続される電界
放出カソードの製造方法において、前記開口部の内部に
低抵抗率の金属材料でエミッタチップを形成し、少なく
とも前記開口部にネガ型フォトレジストを塗布した後、
露光および現像を行うことにより、前記開口部の内部に
おける前記露光がされなかった部分の前記ネガ型フォト
レジストを除去した後、前記ネガ型フォトレジストに対
しイオンビーム照射または真空中での加熱を行うことに
より、改質されたネガ型フォトレジストを前記エミッタ
チップに被覆して前記エミッタとするものである。した
がって、低電圧で電子を放出することができるととも
に、放出電流を増やすことができる電界放出素子を製造
することができる。ネガ型フォトレジストを用いること
により、前記ゲート電極によりマスクされて露光されな
かった部分に残るネガ型フォトレジストを除去すること
ができ、このネガ型フォトレジストが後工程で高温で加
熱されることにより導電性を持つおそれをなくすること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の電界放出カソー
ドの第1の実施の形態の断面構造図である。図中、1は
カソード電極、2は絶縁層、3はゲート電極、4は開口
部、5はエミッタチップ、6は改質されたフォトレジス
ト、7はフォトレジスト、8はカソード基板である。こ
の実施の形態の電界放出カソードは、カソード基板8上
のカソード電極1に電気的に接続されたエミッタチップ
5が、低抵抗率の金属であり、イオンビーム照射で改質
されたフォトレジスト6により被覆されたものである。
ガラス製のカソード基板8上に、カソード電極1、絶縁
層2およびゲート電極3が積層されている。絶縁層2お
よびゲート電極3に開口部(ホール)4が形成され、こ
の内部に、例えばコーン(円錐)状のエミッタチップ5
がカソード電極1の上に形成されている。
【0010】エミッタチップ5は、Mo等の抵抗率の小
さな金属チップである。エミッタチップ5の表面は、改
質されたフォトレジスト6によって薄く覆われている。
改質されたフォトレジスト6は、従来技術の説明で述べ
たように、フォトレジスト7がAr+ イオン照射を受け
て改質されたものであり、炭素−炭素結合を有するよう
になったものである。この炭素−炭素結合には、ダイア
モンドライクカーボンが混じっている。ゲート電極3、
および、エミッタチップ5の周囲のカソード電極1の上
にも、この改質されたフォトレジスト6に薄く覆われて
いる。開口部4の内部の絶縁層2の内壁には、ゲート電
極3の陰になってAr+ イオン照射を受けなかった元の
フォトレジスト7が残っている。
【0011】元のフォトレジスト7は、露光された部分
がエッチングで除去される性質を有するポジ型のもので
あり、例えば、従来技術で説明したノボラック樹脂系を
用いることができる。フォトレジスト7を用いることに
より、製造工程中において、表層のゲート電極3や、ゲ
ート配線等をパターニングすることができる。しかし、
このようなパターニングに用いない場合には、フォトレ
ジスト7に代えて、有機高分子化合物を主原料とし、塗
布時に適度な粘性を有する材料であってもよい。このよ
うな材料を塗布し、同様にAr+ イオン照射を行えば、
改質されて炭素−炭素結合を有するようになる。
【0012】エミッタチップ5の表面が、炭素−炭素結
合構造の改質されたフォトレジスト6に覆われているた
め、低い電界で電子を放出するとともに、エミッタチッ
プ5が抵抗率の小さい金属であるため、抵抗率の小さな
電界放出カソードが得られる。Moは、従来のスピント
型電界放出エミッタに用いられているものであるが、よ
り安価な材料であってもよい。エミッタチップの材料と
して電子放出特性が低い材料、例えば、Ti,Crなど
も使用することができ、材料選択に自由度がある。内部
の金属材料は、真空容器の雰囲気中にさらされないた
め、残留ガスによる酸化等の影響を受けにくくなる。
【0013】上述したエミッタチップ5にカソード電流
を供給するための電気的結合、言い換えれば、上述した
カソード電極1側の構造には、図示のようにエミッタチ
ップ5が直接的にカソード電極1上に形成されて電気的
に接続される場合の他にも、種々の構造があるが、本発
明においては、この構造は特に限定されるものではな
い。例えば、カソード電極1が島状電極であって、この
島状電極と複数個のエミッタチップ5との間にアモルフ
ァスシリコン(a−Si)等からなる抵抗層が設けら
れ、複数個のエミッタチップ5およびこの島状電極が、
抵抗層を介してカソード基板8の上の別位置に形成され
たカソード電極ラインに電気的に接続される場合があ
る。また、カソード基板8上に抵抗層が形成され、この
抵抗層の上にエミッタチップ5が形成され、エミッタチ
ップ5がこの抵抗層を介して別位置に形成されたカソー
ド電極ラインに接続される場合もある。
【0014】上述したエミッタチップ5の先端部は、ゲ
ート電極2に囲まれた開口部4から、図示を省略したア
ノード電極側を臨むコーン状の構成とされており、エミ
ッタチップ5の先端部に電界が集中する構成になってい
る。したがって、改質されたフォトレジスト6が被覆さ
れたエミッタチップ5の形状自体も、低い電圧で電子を
引き出せる構造になっている。コーン状以外の形状とし
ては、柱状、あるいは柱状の先端のとがった鉛筆形状で
もよい。この場合、後述する製造方法によれば、改質さ
れたフォトレジスト6は、柱状の頭部、鉛筆形状の頭部
に被覆されることになる。上述した電界放出カソードを
表示装置に用いる場合には、この電界放出カソードをカ
ソード基板上に多数個形成する。このカソード基板8
と、蛍光体が被覆されたアノード電極を有するアノード
基板とをわずかな間隔で対向させて貼り合わせ、内部を
真空にする。改質されたフォトレジスト6から放出され
た電子を蛍光面に照射することによって電界放出型表示
装置となる。
【0015】図2は、図1に示した本発明の電界放出カ
ソードの第1の実施の形態の第1の製造工程、図3は、
同じく第2の製造工程を説明する断面図である。図中、
図1と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略す
る。図2においては、ゲート電極3の開口部4内のカソ
ード電極1上にコーン状のエミッタチップ5が既に形成
されている。この段階までの製造方法は、従来のスピン
ト型電界放出カソードと同様な方法で製造することがで
きるが、この方法に限定されるものではない。
【0016】カソード基板8の上に、スパッタリング等
によりカソード電極材料であるNb(ニオブ)等が成膜
され、カソード電極1がパターン形成される。このカソ
ード電極1の上に二酸化シリコン(SiO2 )がCVD
法により成膜されて絶縁層2が形成され、この絶縁層2
の上に、Nb等がスパッタリング蒸着等により成膜され
て積層基板が形成される。ゲート電極3の層上にフォト
レジストを塗布した後、マスクをかけて露光することに
よりレジスト層のパターニングを行い、開口パターンを
形成する。なお、ここでいうフォトレジストは、図1お
よび後述する図3に示すフォトレジスト7と同じ材料で
も異なる材料でもよい。
【0017】SF6 等のガスを用いて、反応性イオンエ
ッチング(RIE)にて異方性エッチングすることによ
り、ゲート電極3に開口部4を形成する。さらに、CH
3+O2 等のガスを用いてドライエッチングすること
により、絶縁層2の部分を胃方性エッチングすることに
より、ゲート電極3および絶縁層2に対して開口部4を
形成する。ゲート電極3の表面に選択的にAl(アルミ
ニウム),Ni等を斜め蒸着をすることにより剥離層を
形成した上で、開口部4の内部の底面である、カソード
電極1の表面に、TiあるいはCr等の金属材料を電子
ビーム蒸着またはイオンプレーティング法等によって蒸
着して、コーン状のエミッタチップ5を形成する。ゲー
ト電極3の表面から剥離層とこの剥離層上に積層された
エミッタ材料とを同時に除去すると、図2に示した構造
が形成される。
【0018】図3に示すように、図2に示されたカソー
ド基板側構造の表面に、スピンコート法等によりフォト
レジスト7を塗布して乾燥させる。フォトレジスト7の
膜厚は、1μ〜数μの開口部4がふさがれないように
0.4μ以下とする。オーブンを用いるときには、30
0℃で30分以上とし、ホットプレートを用いるときに
は300℃で5分以上とする。次に、Ar+ イオンを全
面に照射する。照射条件の一例を示すと、エネルギは1
00keV,注入量は1×1016cm-2以上である。
【0019】フォトレジスト7がAr+ イオン照射され
ると、膜厚が薄くなり、図1に示したような改質された
フォトレジスト6となる。開口部4の穴の中における絶
縁層2の壁面はゲート電極3の開口部4よりも後退して
いるため、絶縁層2の内壁面に付着したフォトレジスト
7は、Ar+ イオン照射を受けずに残る。この電界放出
カソードを表示パネルの電子放出源として用いる場合に
は、カソード基板とアノード基板とを張り合わせる際
に、高温で加熱される工程がある。フォトレジスト7
は、500℃程度までは熱による改質がされず抵抗率1
12Ωcm以上で導電性にならないため、後工程での加
熱温度を高くしなければ、フォトレジスト7をそのまま
にしておいても問題はない。ディスプレイ等の配線のた
め、絶縁層2の表面に複数のゲート電極や配線が形成さ
れる場合には、改質されたフォトレジスト6がこれらの
電極や配線同士を抵抗結合することのないように、この
ような部分のフォトレジスト7はあらかじめ除去してお
く。除去する部分を選択的に露光し、エッチングにより
露光部分を除去してからAr+ イオンエッチングを行え
ばよい。
【0020】図4は、本発明の電界放出カソードの第2
の実施の形態の断面構造図である。図中、図1と同様な
部分には同じ符号を付して説明を省略する。11は改質
されたフォトレジストである。この実施の形態の電界放
出カソードは、抵抗率の小さなエミッタチップ5に、ネ
ガ型のフォトレジストが改質されて形成されたフォトレ
ジスト11が被覆されたものである。図1に示した、ポ
ジ型のフォトレジスト7を用いた場合に比べ、後述する
製造工程上の相違により、開口部4内の絶縁層2の内壁
面に元のネガ型のフォトレジストが残らない点が相違す
る。したがって、後工程で高温に加熱されることがあっ
ても、改質されなかったフォトレジスト12が残らない
ため、信頼性が高くなる。
【0021】図5ないし図7は、図4に示した本発明の
電界放出カソードの第2の実施の形態の第2,第3,第
4の製造工程を説明する断面図である。図中、図1,図
4と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
12はフォトレジストである。第1の製造工程は、図2
に示した第1の実施の形態の第1の製造工程と同様であ
る。図5に示す第2の製造工程においては、図2に示さ
れたカソード基板側構造の表面に、スピンコート法等に
よりネガ型のフォトレジスト12をスピン塗布すること
によってフォトレジスト層を被覆する。プリベークとし
て105℃で2分間加熱する。ノボラック系のネガ型フ
ォトレジストしては、例えば、東京応化株式会社製のT
FN−010(5cP)がある。
【0022】図6に示す第3の製造工程においては、ゲ
ート電極3の上のフォトレジスト12を除去したい部分
にマスクをして紫外線露光を行い現像する。その結果、
ゲート電極3によって遮光された部分のネガ型のフォト
レジスト12が除去される。絶縁層2の表面に複数のゲ
ート電極や配線が形成される場合には、改質されたフォ
トレジスト11がこれらを抵抗結合することのないよう
に、このような部分のフォトレジスト12を除去してお
く。ポストベークとして、オーブンを用いるときには、
300℃で30分以上とし、ホットプレートを用いると
きには300℃で5分以上とする。
【0023】図7に示す第4の製造工程においては、A
+ イオンを全面に照射する。照射条件の一例を示す
と、エネルギは100keV,注入量は1×1016cm
-2以上である。フォトレジスト12がAr+ イオン照射
されると、膜厚が薄くなり、図4に示したような改質さ
れたフォトレジスト11となる。
【0024】また、図7に示す第4の製造工程におい
て、Ar+ イオン照射に代えて、真空中で600℃、1
時間以上の加熱処理を行っても、図4に示したような改
質されたフォトレジスト11となる。この場合、抵抗率
が105 Ωcm以下の改質されたフォトレジスト11の
膜となる。
【0025】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、本発
明によれば、エミッタチップの材料として電子放出特性
が低い材料も使用することができるようになり、材料選
択の自由度が増すという効果がある。また、改質フォト
レジストをエミッタ源に使用するので、低い電圧で駆動
することができるという効果がある。改質フォトレジス
トは、従来の金属エミッタチップに比べて雰囲気ガスの
影響を受けにくいので、電子放出特性が長寿命化すると
いう効果もある。従来のようにシリコン基板を用いない
ため、量産が可能である。また、ガラス基板上に製造す
ることができるため、大型のディスプレイ装置の電子放
出源の用途に用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電界放出カソードの第1の実施の形態
の断面構造図である。
【図2】図1に示した本発明の電界放出カソードの第1
の実施の形態、および、図4に示した本発明の電界放出
カソードの第2の実施の形態の、第1の製造工程を説明
する断面図である。
【図3】図1に示した本発明の電界放出カソードの第1
の実施の形態の第2の製造工程を説明する断面図であ
る。
【図4】本発明の電界放出カソードの第2の実施の形態
の断面構造図である。
【図5】図4に示した本発明の電界放出カソードの第2
の実施の形態の第2の製造工程を説明する断面図であ
る。
【図6】図4に示した本発明の電界放出カソードの第2
の実施の形態の第3の製造工程を説明する断面図であ
る。
【図7】図4に示した本発明の電界放出カソードの第2
の実施の形態の第4の製造工程を説明する断面図であ
る。
【符号の説明】
1 カソード電極、2 絶縁層、3 ゲート電極、4
開口部、5 エミッタチップ、6 改質されたフォトレ
ジスト、7 フォトレジスト、8 カソード基板、11
改質されたフォトレジスト、12 フォトレジスト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソード基板、カソード電極、絶縁層、
    ゲート電極およびエミッタを有し、前記エミッタが、前
    記絶縁層と該絶縁層上のゲート電極との開口部の内部に
    形成され、前記カソード基板上の前記カソード電極に電
    気的に接続される電界放出カソードにおいて、 前記エミッタは、低抵抗率の金属であるエミッタチップ
    にイオンビーム照射または真空中での加熱で改質された
    フォトレジストが被覆されたものであることを特徴とす
    る電界放出カソード。
  2. 【請求項2】 カソード基板、カソード電極、絶縁層、
    ゲート電極およびエミッタを有し、前記エミッタが、前
    記絶縁層と該絶縁層上のゲート電極との開口部の内部に
    形成され、前記カソード基板上の前記カソード電極に電
    気的に接続される電界放出カソードの製造方法におい
    て、 前記開口部の内部に低抵抗率の金属材料でエミッタチッ
    プを形成し、少なくとも前記開口部にネガ型フォトレジ
    ストを塗布した後、露光および現像を行うことにより、
    前記開口部の内部における前記露光がされなかった部分
    の前記ネガ型フォトレジストを除去した後、前記ネガ型
    フォトレジストに対しイオンビーム照射または真空中で
    の加熱を行うことにより、改質されたネガ型フォトレジ
    ストを前記エミッタチップに被覆して前記エミッタとす
    ることを特徴とする電界放出カソードの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007128851A (ja) * 2005-10-31 2007-05-24 Samsung Sdi Co Ltd 電子放出源およびそれを含む電子放出素子
CN1877775B (zh) * 2004-10-19 2010-06-09 三星Sdi株式会社 电子发射源、其制备方法及制备电子发射源的组合物

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