JP2000010121A - 液晶装置及び投射型表示装置 - Google Patents

液晶装置及び投射型表示装置

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JP2000010121A JP17624398A JP17624398A JP2000010121A JP 2000010121 A JP2000010121 A JP 2000010121A JP 17624398 A JP17624398 A JP 17624398A JP 17624398 A JP17624398 A JP 17624398A JP 2000010121 A JP2000010121 A JP 2000010121A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画素スイッチング用TFTの下側に遮光膜を
設けた形式の液晶装置において、遮光能力を高め、しか
も遮光に伴う良品率や装置信頼性の低下及び液晶のディ
スクリネーションの発生を抑制しつつ、高いコントラス
ト比で高品質の画像表示を可能にする。 【解決手段】 液晶装置は、一対の基板間に挟持された
液晶層(50)と、TFTアレイ基板(10)にマトリ
クス状に設けられた画素電極(9a)とを備える。高融
点金属からなると共に複数の島状部分に分断された遮光
膜(11a)が、画素のTFT(30)の下側に夫々形
成されており、各島状部分は、定電位とされる容量線
(3b)にコンタクトホール(13)を介して電気的接
続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランジスタ
(以下適宜、TFTと称する)駆動によるアクティブマ
トリクス駆動方式の液晶装置の技術分野に属し、特に、
液晶プロジェクタ等に用いられる、TFTの下側に遮光
膜を設けた形式の液晶装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の液晶装置が液晶プロジェ
クタ等にライトバルブとして用いられる場合には一般
に、液晶層を挟んでTFTアレイ基板に対向配置される
対向基板の側から投射光が入射される。ここで、投射光
がTFTのa−Si(アモルファスシリコン)膜やp−
Si(ポリシリコン)膜から構成されたチャネル形成用
の領域に入射すると、この領域において光電変換効果に
より光電流が発生してしまい、TFTのトランジスタ特
性が劣化する。このため、対向基板には、各TFTに夫
々対向する位置に、Cr(クロム)などの金属材料や樹
脂ブラックなどからブラックマトリクス或いはブラック
マスクと呼ばれる遮光膜が形成されるのが一般的であ
る。この遮光膜は、各画素の開口領域(即ち、投射光が
透過する領域)を規定することにより、TFTのp−S
i層に対する遮光の他に、コントラストの向上、色材の
混色防止などの機能を果たしている。
【0003】この種の液晶装置においては、特にトップ
ゲート構造(即ち、TFTアレイ基板上においてゲート
電極がチャネルの上側に設けられた構造)を採る正スタ
ガ型又はコプラナー型のa−Si又はp−SiTFTを
用いる場合には、投射光の一部が液晶プロジェクタ内の
投射光学系により戻り光として、TFTアレイ基板の側
からTFTのチャネルに入射するのを防ぐ必要がある。
同様に、投射光が通過する際のTFTアレイ基板の表面
からの反射光や、更にカラー用に複数の液晶装置を組み
合わせて使用する場合の他の液晶装置から出射した後に
投射光学系を突き抜けてくる投射光の一部が、戻り光と
してTFTアレイ基板の側からTFTのチャネルに入射
するのを防ぐ必要もある。このために、特開平9−12
7497号公報、特公平3−52611号公報、特開平
3−125123号公報、特開平8−171101号公
報等では、石英基板等からなるTFTアレイ基板上にお
いてTFTに対向する位置(即ち、TFTの下側)に
も、例えば不透明な高融点金属から遮光膜を形成した液
晶装置を提案している。
【0004】このようにTFTの下側に遮光膜を設ける
第1方式としては、複数の島状部分に分断された遮光膜
を、一画素毎に各TFTの下側に敷く方式がある。この
場合、遮光膜の各島状部分は、各配線や素子から電気的
に絶縁されており、その電位は浮遊電位となる。この第
1方式によれば、当該液晶装置を製造する際に、比較的
簡単にTFTの下側に遮光膜を設けるプロセスを行える
等の利点がある。
【0005】また、このようにTFTの下側に遮光膜を
設ける第2方式としては、各TFTの下側を通すように
且つ画面表示領域の全域に走査線、容量線及びデータ線
等の配線に沿ってその下方に格子状に或いは縞状に遮光
膜を張り巡らして、画面表示領域から外れた基板の縁部
にまで該遮光膜を延設して定電位源に接続する方式があ
る。この第2方式によれば、遮光膜の電位は、接地電位
等の定電位とされるので、遮光膜の電位の変動によって
TFTの特性が劣化する事態を未然に防げ、比較的高品
位の画像表示が可能となるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】液晶装置においては、
画質の向上と共に良品率或いは装置信頼性の向上という
一般的要請が強く、近年、所謂XGA、SXGA等の機
種の如く駆動周波数は非常に高くされて来ており、画素
の微細化も推進されている。
【0007】このような情勢下では、TFTの特性を劣
化させないためにTFTの下側には何らかの方式で遮光
膜を配置する必要性が極めて高い。
【0008】しかしながら、前述した第1方式では、遮
光膜の電位(浮遊電位)の変動によって層間絶縁膜を介
してその真上に形成されたTFTの特性劣化という欠点
があるため、基本的に高品位の画像表示用には適してい
ない。
【0009】他方、前述した第2方式では、遮光膜を形
成するWSi等の高融点金属と、ガラス基板や石英基板
或いは、層間絶縁膜との物性の違いにより、遮光膜と該
遮光膜と共に積層構造をなす基板や他の膜との間でスト
レス(応力)が発生し易く、遮光膜における膜剥がれや
膜変形或いはクラックなどの欠陥が起こったり、更に製
品化後には遮光膜自身のストレスによりTFTの特性の
劣化が生じることが本発明者の研究により判明してい
る。これらの結果、第2方式によれば、良品率が悪く且
つ装置信頼性も低く、更に表示画像上で高いコントラス
ト比が得られないという問題点がある。
【0010】また、前述した第2方式によれば、格子状
やストライプ状に遮光膜が設けられているので、遮光膜
が形成される領域は比較的大きい。即ち、遮光膜が他の
走査線、データ線、層間絶縁膜等と共に積層されており
他の領域に対する段差が大きい領域が広くなってしま
う。或いは、限られた基板上の領域内で、遮光膜の存在
に起因する段差を画素部の開口領域から離すことが困難
となる。この結果、段差により液晶のディスクリネーシ
ョン(配向不良)が発生する箇所を画素部の開口領域か
ら離すためには、当該開口領域を狭くせねばならない
が、これでは画面が暗くなってしまう。或いは、開口領
域を狭くしないのであれば、液晶のディスクリネーショ
ンが表示画像に悪影響を及ぼしてしまうという問題点も
ある。
【0011】更に、前述した第2方式によれば、遮光膜
を配線として、層間絶縁膜を介してデータ線下や走査線
下に張り巡らすので、遮光膜とデータ線や走査線とのカ
ップリング容量により、遮光膜は電位揺れを起こしてし
まう。そして、この電位揺れにより、層間絶縁膜を介し
て当該遮光膜上に形成されたTFTにおける特性劣化が
引き起こされてしまうという問題点もある。
【0012】更にまた、前述した第2方式によれば、遮
光膜を配線として層間絶縁膜を介して容量線下に張り巡
らすので、製造プロセス中に遮光膜上に意図しない突起
等が形成された場合などに半導体層上のゲート絶縁膜が
突き破れる等して半導体層と容量線とがショートしてし
まい、当該液晶装置が不良品化することもあるという問
題点もある。
【0013】本発明は上述した問題点に鑑みなされたも
のであり、薄膜トランジスタに対する遮光能力が高く、
しかも遮光に伴う良品率や信頼性の低下及び液晶のディ
スクリネーションの発生が抑制されており、高いコント
ラスト比で高品質の画像表示が可能な液晶装置を提供す
ることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶装置は上記
課題を解決するために、一対の基板間に液晶が挟持され
てなり、該一対の基板の一方の基板上には、マトリクス
状に配置された複数の画素電極と、該複数の画素電極を
夫々駆動する複数の薄膜トランジスタと、該複数の薄膜
トランジスタに夫々接続されており相交差する複数のデ
ータ線及び複数の走査線と、前記複数の画素電極に対し
蓄積容量を夫々付与するために形成された容量線と、複
数の島状部分に分断されており、該複数の島状部分が前
記複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域を
前記一方の基板の側から見て一画素毎に夫々覆う位置に
設けられていると共に前記容量線に夫々電気的接続され
た導電性の遮光膜と、該遮光膜と前記薄膜トランジスタ
との間に介在する第1層間絶縁膜とを備える。
【0015】本発明の液晶装置によれば、導電性の遮光
膜は、複数の島状部分に分断されている。従って、格子
状やストライプ状に設けられた遮光膜の場合と比較し
て、一体として形成される部分の面積が遥かに小さいた
め、前述した従来例の如く遮光膜とその隣接膜との間の
物性の相違により遮光膜に発生するストレスを大幅に緩
和できる。このため、遮光膜等における膜剥がれや膜変
形或いはクラックの発生防止が図られると共に、遮光膜
自身のストレスにより薄膜トランジスタの特性が劣化す
る事態を未然に防ぐことが出来る。
【0016】同時に、島状に遮光膜が設けられているの
で、格子状やストライプ状に遮光膜が設けられている場
合と比較して、遮光膜が形成される領域は狭い。即ち、
遮光膜が他の走査線、データ線、第1層間絶縁膜等と共
に積層されており他の領域に対する段差が大きい領域を
狭くできる。或いは、遮光膜の存在に起因する段差を画
素部の開口領域から離すことが可能となり、この結果、
段差により液晶のディスクリネーションが発生する箇所
を画素部の開口領域から離すようにする(即ち、液晶の
ディスクリネーションが表示画像に及ぼす悪影響を低減
する)ことも可能となる。
【0017】そして、複数の島状部分は、複数の薄膜ト
ランジスタの少なくともチャネル領域を一方の基板の側
から見て一画素毎に夫々覆う位置に設けられる。従っ
て、薄膜トランジスタのチャネル領域は、一方の基板の
側から入射される戻り光等については、遮光膜により遮
光されており、薄膜トランジスタの戻り光等による特性
劣化を防止できる。
【0018】そして更に、複数の島状部分は、容量線に
夫々電気的接続されている。このため、遮光膜の複数の
島状部分は、定電位源に接続された容量線を介して定電
位とされるか、或いは、少なくとも容量線の容量に応じ
て電位変動が抑えられる。
【0019】これらに加えて、遮光膜と容量線とをでき
るだけ重ならないようにレイアウトすることで、仮に、
製造プロセスにおいて遮光膜上に意図しない突起等が形
成された場合などに遮光膜上に形成された半導体層がそ
の突起の影響を受けてゲート絶縁膜を突き破って容量線
とショートすることがないようにする。これにより、当
該液晶装置の工程歩留まりの低下を招くことがないので
有利である。
【0020】本発明の液晶装置の一の態様では、前記容
量線と前記遮光膜との間には、前記第1層間絶縁膜が介
在しており、前記容量線と前記複数の島状部分とは、前
記第1層間絶縁膜に前記一画素毎に開孔されたコンタク
トホールを介して夫々相互に電気的接続される。
【0021】この態様によれば、容量線と複数の島状部
分とは、第1層間絶縁膜に一画素毎に開孔されたコンタ
クトホールを介して接続されているので、確実に且つ信
頼性の高い電気的接続状態を両者間に実現できる。
【0022】このコンタクトホールが開孔された態様で
は、前記コンタクトホールは、平面的に見てデータ線に
重なる位置に形成されているように構成してもよい。
【0023】このように構成すれば、コンタクトホール
は、データ線の下に開孔されており、即ち、コンタクト
ホールは、画素部の開口領域から外れており、しかも薄
膜トランジスタや該薄膜トランジスタの半導体膜から延
設された蓄積容量の一方の電極が形成されていない第1
層間絶縁膜の部分に設けられているので、画素領域の有
効利用を図れる。
【0024】これらのコンタクトホールが開孔された各
態様では、前記コンタクトホールは、前記一方の基板に
平行な平面形状が、例えば、真円形や楕円形などの円形
であるように構成してもよい。
【0025】このように構成すれば、コンタクトホール
を開孔するためにウエットエッチング工程を製造プロセ
スに用いる場合に、遮光膜とその隣接膜(即ち、第1層
間絶縁膜等)との界面にエッチング溶液が侵入してクラ
ックを発生させる可能性を低減できる。即ち、平面形状
が四角等であるコンタクトホールを開孔しようとすれ
ば、角部分に特にエッチング溶液が侵入し易く且つ応力
集中も起き易いので、この角部分でクラックが生じ易く
なるのである。
【0026】これらのコンタクトホールが開孔された各
態様では更に、前記複数の島状部分は、前記複数のデー
タ線に沿って夫々伸びており、一端部で前記チャネル領
域を夫々覆うと共に他端部に前記コンタクトホールが夫
々開孔されているように構成してもよい。
【0027】このように構成すれば、どれだけ他端部の
先端に近づけてコンタクトホールを開孔するかに応じ
て、製造プロセス中に遮光膜にかかるストレスが緩和さ
れるので、より効果的にクラックを防止し、歩留まりを
向上させることが可能となる。
【0028】本発明の液晶装置の他の態様では、前記複
数の島状部分は夫々、前記チャネル領域を覆う位置を除
き、前記走査線に対向する位置には形成されていない。
【0029】この態様によれば、各島状部分と各走査線
との間の容量カップリングが実践上殆ど又は全く生じな
いので、走査線における電位変動により、遮光膜におけ
る電位揺れが発生することはなく、第1層間絶縁膜を介
して遮光膜上にある薄膜トランジスタの特性がこの電位
揺れにより劣化することを防止できる。更に、仮に第1
層間絶縁膜のうち遮光膜上にある箇所が破れる等の欠陥
があっても、遮光膜上にない走査線がこの破線箇所を介
して遮光膜にショートすることはなく、当該液晶装置は
不良品とならないで済むので有利である。
【0030】本発明の液晶装置の他の態様では、前記容
量線は、定電位源に接続されている。
【0031】この態様によれば、遮光膜は容量線を介し
て定電位源に接続されるので、遮光膜は定電位とされ
る。従って、遮光膜に対向配置される薄膜トランジスタ
に対し遮光膜の電位変動が悪影響を及ぼすことはない。
そして、容量線も定電位とされるので、蓄積容量電極と
して良好に機能し得る。この場合、定電位源の定電位と
しては、例えば接地電位に等しくてもよい。
【0032】この態様では、前記定電位源は、当該液晶
装置を駆動するための周辺回路に供給される定電位源で
あるように構成してもよい。
【0033】このように構成すれば、定電位源は、走査
線駆動回路、データ線駆動回路などの周辺回路に供給さ
れる、負電源、正電源等の定電位源であるので、特別な
電位配線や外部入力端子を設ける必要なく、遮光膜及び
容量線を定電位にできる。
【0034】或いは、前記一対の基板の他方の基板に対
向電極が形成されており、前記定電位源は、該対向電極
に供給される定電位源であるように構成してもよい。
【0035】このように構成すれば、定電位源は、対向
電極に供給される、負電源、正電源等の定電位源である
ので、特別な電位配線や外部入力端子を設ける必要な
く、遮光膜及び容量線を定電位にできる。
【0036】本発明の液晶装置の他の態様では、前記複
数の島状部分は夫々、隣接する段(即ち、前段又は次
段)の前記容量線に電気的接続される。
【0037】このように構成すれば、遮光膜の複数の島
状部分が夫々、自段の容量線に電気的接続される場合と
比較して、遮光膜を形成する領域をより狭くすることが
可能となり、更に、画素部の開口領域の縁に沿ってデー
タ線に重ねて薄膜トランジスタ、容量線及び遮光膜が形
成される領域の他の領域に対する段差が少なくて済む。
ここに、次段の容量線とは、当該島状部分上にチャネル
領域が位置する薄膜トランジスタに接続された画素電極
に蓄積容量を付与する容量線に対して次段の薄膜トラン
ジスタに接続された画素電極に蓄積容量を付与する容量
線であることを意味する。また、自段の容量線とは、当
該島状部分上にチャネル領域が位置する薄膜トランジス
タに対し蓄積容量を付与する容量線を意味する。このよ
うにして段差が少ないと、当該段差に応じて引き起こさ
れる液晶のディスクリネーションを更に低減できる。
【0038】本発明の液晶装置の他の態様では、前記複
数の島状部分は夫々、自段の前記容量線に電気的接続さ
れる。
【0039】このように構成すれば、遮光膜を形成する
領域が比較的広くなり更に、データ線に重ねて薄膜トラ
ンジスタ、容量線及び遮光膜が形成される領域の他の領
域に対する段差は大きくなるが、コンタクトホール等に
より比較的容易に容量線と各島状部分とを電気的接続す
ることが出来る。
【0040】本発明の液晶装置の他の態様では、前記遮
光膜は、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPdのうちの
少なくとも一つを含む。
【0041】この態様によれば、遮光膜は、不透明な高
融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo及びPdの
うちの少なくとも一つを含む、例えば、金属単体、合
金、金属シリサイド等から構成されるため、TFTアレ
イ基板上の遮光膜形成工程の後に行われるTFT形成工
程における高温処理により、遮光膜が破壊されたり溶融
しないようにできる。
【0042】本発明は、光源と、該光源から出射される
光が入射されて画像情報に対応した変調を施す液晶ライ
トバルブと、該液晶ライトバルブにより変調された光を
投射する投射手段とを有する投射型表示装置において、
前記液晶ライトバルブは、光の入射側に配置された第1
基板及び出射側に配置された第2基板との間に液晶が挟
持された液晶装置と、前記第1基板の外側に配置された
第1偏光手段と、前記第2基板の外側に配置された第2
偏光手段とを有し、前記第2基板上には、マトリクス状
に配置された複数の画素電極と、該複数の画素電極を夫
々駆動する複数の薄膜トランジスタと、該複数の薄膜ト
ランジスタに夫々接続されており相交差する複数のデー
タ線及び複数の走査線と、前記複数の画素電極に対し蓄
積容量を夫々付与するために形成された容量線と、複数
の島状部分に分断されており、該複数の島状部分が前記
複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域を前
記一方の基板の側から見て一画素毎に夫々覆う位置に設
けられていると共に前記容量線に夫々電気的接続された
導電性の遮光膜と、該遮光膜と前記薄膜トランジスタと
の間に介在する第1層間絶縁膜とを備えたことを特徴と
する。
【0043】この態様によれば、第2基板と薄膜トラン
ジスタとの間に遮光膜を形成することにより、戻り光に
よるリーク電流を防ぐことができる。また戻り光による
液晶装置への影響を防ぐことができるため、従来のよう
に反射防止膜付き偏光手段を液晶装置に貼りつけなくて
も良い。したがって第2返送手段を液晶装置に貼り付け
ることなく、離間形成が可能であるため、液晶装置の温
度上昇を防止することができる。
【0044】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにする。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0046】(液晶装置の第1実施形態の構成及び動
作)本発明による液晶装置の第1実施形態の構成及び動
作について、図1から図4を参照して説明する。図1
は、液晶装置の画面表示領域を構成するマトリクス状に
形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価
回路である。図2は、データ線、走査線、画素電極、遮
光膜等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数
の画素群の平面図であり、図3は、図2のA−A’断面
図である。図4は、TFTアレイ基板上の画素部及び周
辺回路の具体的な構成を示すブロック図である。尚、図
3においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度
の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならし
めてある。
【0047】図1において、本実施の形態による液晶装
置の画面表示領域を構成するマトリクス状に形成された
複数の画素は、画素電極9aを制御するためのTFT3
0がマトリクス状に複数形成されており、画像信号が供
給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気
的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号
S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても
構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対し
て、グループ毎に供給するようにしても良い。また、T
FT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されてお
り、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査
信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加す
るように構成されている。画素電極9aは、TFT30
のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素
子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じ
ることにより、データ線6aから供給される画像信号S
1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画
素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画
像信号S1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)
に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保
持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集
合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階
調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれ
ば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通
過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、
印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可
能とされ、全体として液晶装置からは画像信号に応じた
コントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された
画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと
対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量
70を付加する。例えば、画素電極9aの電圧は、ソー
ス電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積
容量70により保持される。これにより、保持特性は更
に改善され、コントラスト比の高い液晶装置が実現でき
る。
【0048】図2において、液晶装置のTFTアレイ基
板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a
(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられ
ており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ
線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。
データ線6aは、コンタクトホール5を介してポリシリ
コン膜等からなる半導体層1aのうち後述のソース領域
に電気的接続されており、画素電極9aは、コンタクト
ホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン領
域に電気的接続されている。また、半導体層1aのうち
チャネル領域(図中右下りの斜線の領域)に対向するよ
うに走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート
電極として機能する。
【0049】容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直
線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所か
らデータ線6aに沿って前段側(図中、上向き)に突出
した突出部とを有する。
【0050】そして、図中右上がりの斜線で示した領域
には、複数の島状部分からなる第1遮光膜11aが設け
られている。より具体的には、第1遮光膜11aは、複
数の島状部分に分断されており、これらの島状部分が、
半導体層1aのチャネル領域を含むTFT30をTFT
アレイ基板側から見て、一画素毎に夫々覆う位置に設け
られている。更に、遮光膜11aの各島状部分は、各デ
ータ線6aに沿って(図中、上下方向に)夫々伸びてお
り、一端部(図中、上側の端部)でTFT30のチャネ
ル領域を夫々覆うと共に、他端部(図中、下側の端部)
は、データ線6a下において相隣接する前段あるいは後
段の画素における容量線3bの上向きの突出部の先端と
重ねられており、この重なった箇所に、第1遮光膜11
aと相隣接する前段あるいは後段の画素の容量線3bと
を相互に電気的接続するコンタクトホール13が設けら
れている。即ち、本実施の形態では、第1遮光膜11a
の各段における各島状部分は、コンタクトホール13に
より相隣接する前段あるいは後段の画素の容量線3bに
電気的接続されている。
【0051】次に図3の断面図に示すように、液晶装置
は、透明な一方の基板の一例を構成するTFTアレイ基
板10と、これに対向配置される透明な他方の基板の一
例を構成する対向基板20とを備えている。TFTアレ
イ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板20
は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレ
イ基板10には、画素電極9aが設けられており、その
上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された
配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、
ITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの
透明導電性薄膜からなる。また配向膜16は例えば、ポ
リイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0052】他方、対向基板20には、その全面に渡っ
て対向電極(共通電極)21が設けられており、その下
側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配
向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、I
TO膜などの透明導電性薄膜からなる。また配向膜22
は、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0053】TFTアレイ基板10には、図3に示すよ
うに、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9
aをスイッチング制御する画素スイッチング用TFT3
0が設けられている。
【0054】対向基板20には、更に図3に示すよう
に、各画素部の開口領域以外の領域に第2遮光膜23が
設けられている。このため、対向基板20の側から入射
光が画素スイッチング用TFT30の半導体層1aのチ
ャネル領域1a’やLDD(Lightly Doped Drain)領
域1b及び1cに侵入することはない。更に、第2遮光
膜23は、コントラストの向上、色材の混色防止などの
機能を有する。
【0055】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基
板10と対向基板20との間には、後述のシール材(図
11及び図12参照)により囲まれた空間に液晶が封入
され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電
極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16
及び22により所定の配向状態を採る。液晶層50は、
例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液
晶からなる。シール材は、二つの基板10及び20をそ
れらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂
や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離
を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビ
ーズ等のスペーサが混入されている。
【0056】図3に示すように、画素スイッチング用T
FT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板
10と各画素スイッチング用TFT30との間には、一
画素毎に島状に第1遮光膜11aが設けられている。第
1遮光膜11aは、好ましくは不透明な高融点金属であ
るTi、Cr、W、Ta、Mo及びPdのうちの少なく
とも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等か
ら構成される。このような材料から構成すれば、TFT
アレイ基板10上の第1遮光膜11aの形成工程の後に
行われる画素スイッチング用TFT30の形成工程にお
ける高温処理により、第1遮光膜11aが破壊されたり
溶融しないようにできる。第1遮光膜11aが形成され
ているので、TFTアレイ基板10の側からの戻り光等
が画素スイッチング用TFT30のチャネル領域1a’
やLDD領域1b、1cに入射する事態を未然に防ぐこ
とができ、光電流の発生により画素スイッチング用TF
T30の特性が劣化することはない。
【0057】更に、第1遮光膜11aと複数の画素スイ
ッチング用TFT30との間には、第1層間絶縁膜12
が設けられている。第1層間絶縁膜12は、画素スイッ
チング用TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光
膜11aから電気的絶縁するために設けられるものであ
る。更に、第1層間絶縁膜12は、TFTアレイ基板1
0の全面に形成されることにより、画素スイッチング用
TFT30のための下地膜としての機能をも有する。即
ち、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れ
や、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT3
0の特性の劣化を防止する機能を有する。第1層間絶縁
膜12は、例えば、NSG(ノンドープトシリケートガ
ラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボ
ロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケ
ートガラス)などの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン
膜、窒化シリコン膜等からなる。第1層間絶縁膜12に
より、第1遮光膜11aが画素スイッチング用TFT3
0等を汚染する事態を未然に防ぐこともできる。
【0058】本実施の形態では、ゲート絶縁膜2を走査
線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用
い、半導体膜1aを延設して第1蓄積容量電極1fと
し、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積
容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されて
いる。より詳細には、半導体層1aの高濃度ドレイン領
域1eが、データ線6a及び走査線3aの下に延設され
て、同じくデータ線6a及び走査線3aに沿って伸びる
容量線3b部分に絶縁膜2を介して対向配置されて、第
1蓄積容量電極(半導体層)1fとされている。特に蓄
積容量70の誘電体としての絶縁膜2は、高温酸化によ
りポリシリコン膜上に形成されるTFT30のゲート絶
縁膜2に他ならないので、薄く且つ高耐圧の絶縁膜とす
ることができ、蓄積容量70は比較的小面積で大容量の
蓄積容量として構成できる。
【0059】この結果、データ線6a下の領域及び走査
線3aに沿って液晶のディスクリネーションが発生する
領域(即ち、容量線3bが形成された領域)という開口
領域を外れたスペースを有効に利用して、画素電極9a
の蓄積容量を増やすことが出来る。
【0060】図3において、画素スイッチング用TFT
30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有して
おり、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチ
ャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1
a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶
縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領
域(ソース側LDD領域)1b及び低濃度ドレイン領域
(ドレイン側LDD領域)1c、半導体層1aの高濃度
ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えて
いる。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電極9
aのうちの対応する一つが接続されている。ソース領域
1b及び1d並びにドレイン領域1c及び1eは後述の
ように、半導体層1aに対し、n型又はp型のチャネル
を形成するかに応じて所定濃度のn型用又はp型用のド
ーパントをドープすることにより形成されている。n型
チャネルのTFTは、動作速度が速いという利点があ
り、画素のスイッチング素子である画素スイッチング用
TFT30として用いられることが多い。本実施の形態
では特にデータ線6aは、Al等の低抵抗な金属膜や金
属シリサイド等の合金膜などの遮光性の薄膜から構成さ
れている。また、走査線3a、ゲート絶縁膜2及び第1
層間絶縁膜12の上には、高濃度ソース領域1dへ通じ
るコンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1eへ通
じるコンタクトホール8が各々形成された第2層間絶縁
膜4が形成されている。このソース領域1bへのコンタ
クトホール5を介して、データ線6aは高濃度ソース領
域1dに電気的接続されている。更に、データ線6a及
び第2層間絶縁膜4の上には、高濃度ドレイン領域1e
へのコンタクトホール8が形成された第3層間絶縁膜7
が形成されている。この高濃度ドレイン領域1eへのコ
ンタクトホール8を介して、画素電極9aは高濃度ドレ
イン領域1eに電気的接続されている。前述の画素電極
9aは、このように構成された第3層間絶縁膜7の上面
に設けられている。尚、画素電極9aと高濃度ドレイン
領域1eとは、データ線6aと同一のAl膜や走査線3
bと同一のポリシリコン膜を中継しての電気的接続する
ようにしてもよい。
【0061】画素スイッチング用TFT30は、好まし
くは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの打
ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、ゲー
ト電極3aをマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち
込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形
成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
【0062】また本実施の形態では、画素スイッチング
用TFT30のゲート電極(走査線3a)をソース−ド
レイン領域1b及び1e間に1個のみ配置したシングル
ゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電
極を配置してもよい。この際、各々のゲート電極には同
一の信号が印加されるようにする。このようにデュアル
ゲート(ダブルゲート)或いはトリプルゲート以上でT
FTを構成すれば、チャネルとソース−ドレイン領域接
合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減する
ことができる。これらのゲート電極の少なくとも1個を
LDD構造或いはオフセット構造にすれば、更にオフ電
流を低減でき、安定したスイッチング素子を得ることが
できる。
【0063】ここで、一般には、半導体層1aのチャネ
ル領域1a’、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイ
ン領域1c等のポリシリコン層は、光が入射するとポリ
シリコンが有する光電変換効果により光電流が発生して
しまい画素スイッチング用TFT30のトランジスタ特
性が劣化するが、本実施の形態では、走査線3aを上側
から覆うようにデータ線6aがAl等の遮光性の金属薄
膜から形成されているので、少なくとも半導体層1aの
チャネル領域1a’及びLDD領域1b、1cへの入射
光の入射を効果的に防ぐことが出来る。また、前述のよ
うに、画素スイッチング用TFT30の下側には、第1
遮光膜11aが設けられているので、少なくとも半導体
層1aのチャネル領域1a’及びLDD領域1b、1c
への戻り光の入射を効果的に防ぐことが出来る。
【0064】以上のように本実施の形態では、導電性の
第1遮光膜11aは、複数の島状部分に分断されてい
る。従って、前述した従来例の第1方式の如くに格子状
やストライプ状に設けられた遮光膜の場合と比較して、
一体として形成される部分の面積が遥かに小さいため、
この従来例の如く遮光膜とその隣接膜との間の物性の相
違により遮光膜に発生するストレスを大幅に緩和でき
る。より具体的には、第1遮光膜11aは、WSi等の
高融点金属膜から形成されており、第1遮光膜11aと共
に積層構造をなすTFTアレイ基板10は、ガラス基板
や石英基板等からなり、第1層間絶縁膜12は、高絶縁
性ガラス、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等からなる
ので、特に後述のように高温プロセスを伴う当該液晶装
置の製造プロセス中の加熱冷却に伴い発生するストレス
を大幅に緩和できる。このため、第1遮光膜11aにお
ける膜剥がれや膜変形或いはクラックの発生防止が図ら
れる。同時に、第1遮光膜11a自身のストレスにより
画素スイッチング用TFT30の特性が劣化する事態を
未然に防ぐことが出来る。
【0065】同時に、島状に第1遮光膜11aが設けら
れているので、格子状やストライプ状に遮光膜が設けら
れている場合と比較して、第1遮光膜11aが形成され
る領域は狭い。即ち、第1遮光膜11aが走査線3a、
データ線6a、第1層間絶縁膜12等と共に積層されて
おり、他の領域に対する段差が大きい領域を狭くでき
る。或いは、第1遮光膜11aの存在に起因する段差を
画素部の開口領域から離すことが可能となる。これらの
結果、段差により液晶層50のディスクリネーションが
発生する箇所を画素部の開口領域から離すようにするこ
とが出来、最終的には、液晶層50のディスクリネーシ
ョンが表示画像に及ぼす悪影響を低減できる。
【0066】そして、第1遮光膜11aの複数の島状部
分は、容量線3bに夫々電気的接続されている。このた
め、これらの島状部分は、定電位源に接続された容量線
3bを介して定電位とされる。従って、第1遮光膜11
aに対向配置される画素スイッチング用TFT30に対
し第1遮光膜11aの電位変動が悪影響を及ぼすことは
ない。また、容量線3bは、蓄積容量70の第2蓄積容
量電極として良好に機能し得る。この場合、定電位源と
しては、当該液晶装置を駆動するための周辺回路(例え
ば、走査線駆動回路、データ線駆動回路等)に供給され
る負電源、正電源等の定電位源、接地電源、対向電極2
1に供給される定電位源等が挙げられる。このように周
辺回路等の電源を利用すれば、専用の電位配線や外部入
力端子を設ける必要なく、第1遮光膜11a及び容量線
3bを定電位にできる。但し、容量線3bは比較的大き
な容量を有するので、容量線3bが定電位源に接続され
ていなくても、少なくとも容量線3bの容量に応じて各
島状部分における電位変動が抑えられる。
【0067】これらに加えて、第1遮光膜11aと容量
線3bとをできるだけ重ならないようにレイアウトする
ことで、仮に、後述の製造プロセスにおいて第1遮光膜
11a上に意図しない突起等が形成された場合などに第
1遮光膜上に形成された半導体層がその突起の影響を受
けて、ゲート絶縁膜2を突き破って容量線3bとショー
トすることがないようにする。これにより、当該液晶装
置の工程歩留まりの低下を招くことがないので有利であ
る。
【0068】また、図2及び図3に示したように、本実
施の形態では、コンタクトホール13を介して第1遮光
膜11aの各島状部分は、次段の容量線3bに電気的接
続されている。従って、遮光膜を複数の島状にすること
で、第1遮光膜11aを形成する領域をより小さくする
ことが可能となり、更に、画素部の開口領域の縁に沿っ
てデータ線6aに重ねてTFT30、容量線3b及び第
1遮光膜11aが形成される領域の他の領域に対する段
差が少なくて済む。このようにして段差が少ないと、当
該段差に応じて引き起こされる液晶のディスクリネーシ
ョンを更に低減できるので、画素部の開口領域を広げる
ことが可能となる。
【0069】また、本実施の形態では特に、第1遮光膜
11aの各島状部分は、前述のようにデータ線6aに沿
って伸びており、その他端部(図2で、下側の端部)に
コンタクトホール13が開孔されている。ここで、コン
タクトホール13の開孔箇所としては、第1遮光膜11
aの縁に近い程、ストレスが縁から発散される等の理由
により、クラックが生じ難いことが本願発明者の研究に
より判明している。従ってこの場合、どれだけ他端部の
突出部の先端に近づけてコンタクトホール13を開孔す
るかに応じて(好ましくは、マージンぎりぎりまで先端
に近づけるかに応じて)、製造プロセス中に第1遮光膜
11aにかかるストレスが緩和されて、より効果的にク
ラックを防止し得、歩留まりを向上させることが可能と
なる。
【0070】更に本実施の形態では特に、第1遮光膜1
1aの各島状部分は、チャネル領域1a’を覆う位置を
除き、走査線3aに対向する位置には形成されていな
い。従って、第1遮光膜11aの各島状部分と各走査線
3aとの間の容量カップリングが実践上殆ど又は全く生
じないので、走査線3aにおける電位変動により、第1
遮光膜11aにおける電位揺れが発生することはなく、
その結果、容量線3bにおける電位揺れも発生しない。
よって、第1層間絶縁膜12を介して第1遮光膜11a
上にある画素スイッチング用TFT30の特性がこの電
位揺れにより劣化することを防止できる。更に、仮に第
1層間絶縁膜12のうち第1遮光膜11a上にある箇所が
破れる等の欠陥があっても、第1遮光膜11a上にない
走査線3aが第1遮光膜11aにショートすることはな
く、当該液晶装置は不良品とならないで済むので有利で
ある。
【0071】尚、第1遮光膜11aの各島状部分は、画
素スイッチング用TFT30のチャネル領域1a’に対
する遮光を行う領域と、容量線3bとの電気的接続をと
る(例えば、コンタクトホール13を開孔する)のに必
要な領域にさえ設けられていれば、本発明における第1
遮光膜11aの機能は発揮されるので、その他の領域に
設けられる必要はない。逆に、これらの領域を除く領域
には、第1遮光膜11aをなるべく設けない方が好まし
く、即ち、各島状部分は、なるべく小さい方が好まし
い。何故ならば、各島状部分が大きくなる程、限られた
画素部の非開口領域(即ち、第2遮光膜23により格子
状に覆われて光が通過しない領域)において、データ線
6aや走査線3aと各島状部分(遮光膜)が重なる領域
が増えるため、それだけ、製造プロセス中に、第1遮光
膜11aに意図しない突起等が形成された場合などに第
1遮光膜11aとデータ線6aや走査線3aとがショー
トして、当該液晶装置が不良品化する可能性が高くなる
からである。また、各島状部分の面積が小さい程、当該
各島状部分において前述のように発生するストレスも小
さくなるからである。
【0072】また、容量線3bと走査線3aとは、同一
のポリシリコン膜からなり、蓄積容量70の誘電体膜と
画素スイッチング用TFT30のゲート絶縁膜2とは、
同一の高温酸化膜からなり、第1蓄積容量電極1fと、
画素スイッチング用TFT30のチャネル形成領域1
a’、ソース領域1d、ドレイン領域1e等とは、同一
の半導体層1aからなる。このため、TFTアレイ基板
10上に形成される積層構造を単純化でき、更に、後述
の液晶装置の製造方法において、同一の薄膜形成工程で
容量線3b及び走査線3aを同時に形成でき、蓄積容量
70の誘電体膜及びゲート絶縁膜2を同時に形成でき
る。
【0073】更にまた、コンタクトホール13は、対向
基板20の側から見てデータ線6aの下に開孔されてい
る。このため、コンタクトホール13は、画素部の開口
領域から外れており、しかも画素スイッチング用TFT
30や第1蓄積容量電極1fが形成されていない第1層
間絶縁膜12の部分に設けられているので、画素領域の
有効利用を図りつつ、コンタクトホール13の形成によ
るTFT30や他の配線等の不良化を防ぐことができ
る。
【0074】以上詳細に説明したように第1実施形態に
よれば、第1遮光膜11aを設けることに伴う当該液晶
装置の良品率や信頼性の低下、更には画素スイッチング
用TFT30の特性劣化を極力抑制しつつ、しかも第1
遮光膜11aの電位変動による画素スイッチング用TF
T30の特性劣化を防止しつつ、第1遮光膜11aを設
けることにより画素スイッチング用TFT30に対する
戻り光等に対する遮光能力を高めることができる。この
結果、特性の良好な画素スイッチング用TFT30を用
いて液晶駆動することにより、高いコントラスト比で高
品質の画像表示が可能となる。
【0075】尚、第1実施形態では、相隣接する前段あ
るいは後段の画素に設けられた容量線3bと第1遮光膜
11aとを接続しているため、最上段あるいは最下段の
画素に対して、第1遮光膜11aに定電位を供給するた
めの容量線3bが必要となる。そこで、容量線3bの数
を垂直画素数に対して、1本余分に設けておくようにす
ると良い。
【0076】次に、本実施の形態においてTFTアレイ
基板10上に設けられる周辺回路の構成について、図4
を参照して説明する。
【0077】図4において、液晶装置は周辺回路とし
て、データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101
と、走査線3aを駆動する走査線駆動回路104と、複
数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号
NRSを画像信号VIDに先行して夫々供給するプリチ
ャージ回路201と、画像信号VIDをサンプリングし
て複数のデータ線6aに夫々供給するサンプリング回路
301とを備える。
【0078】走査線駆動回路104は、外部制御回路か
ら供給される電源、基準クロック信号CLY及びその反
転クロック信号等に基づいて、所定タイミングで走査線
3aに走査信号G1、G2、…、Gmをパルス的に線順
次で印加する。
【0079】データ線駆動回路101は、外部制御回路
から供給される電源、基準クロック信号CLX及びその
反転クロック信号等に基づいて、走査線駆動回路104
が走査信号G1、G2、…、Gmを印加するタイミング
に合わせて、画像信号線304夫々について、データ線
6a毎にサンプリング回路駆動信号X1、X2、…、X
nをサンプリング回路301にサンプリング回路駆動信
号線306を介して所定タイミングで供給する。
【0080】プリチャージ回路201は、スイッチング
素子として、例えばTFT202を各データ線6a毎に
備えており、プリチャージ信号線204がTFT202
のドレイン又はソース電極に接続されており、プリチャ
ージ回路駆動信号線206がTFT202のゲート電極
に接続されている。そして、動作時には、プリチャージ
信号線204を介して、外部電源からプリチャージ信号
NRSを書き込むために必要な所定電圧の電源が供給さ
れ、プリチャージ回路駆動信号線206を介して、各デ
ータ線6aについて画像信号S1、S2、…、Snに先
行するタイミングでプリチャージ信号NRSを書き込む
ように、外部制御回路からプリチャージ回路駆動信号N
RGが供給される。プリチャージ回路201は、好まし
くは中間階調レベルの画像信号S1、S2、…、Snに
相当するプリチャージ信号NRS(画像補助信号)を供
給する。
【0081】サンプリング回路301は、TFT302
を各データ線6a毎に備えており、画像信号線304が
TFT302のソース電極に接続されており、サンプリ
ング回路駆動信号線306がTFT302のゲート電極
に接続されている。そして、画像信号線304を介し
て、画像信号VIDが入力されると、これらをサンプリ
ングする。即ち、サンプリング回路駆動信号線306を
介してデータ線駆動回路101からサンプリング回路駆
動信号X1、X2、…、Xnが入力されると、画像信号
線304夫々について画像信号S1、S2、…、Snを
データ線6aに順次印加する。
【0082】このように本実施の形態では、データ線6
aを一本毎に選択するように構成されているが、データ
線6aを複数本毎にまとめて同時選択するように構成し
てもよい。例えば、サンプリング回路301を構成する
TFT302の書き込み特性及び画像信号の周波数に応
じて、複数相(例えば、3相、6相、12相、…)に相
展開された画像信号VIDを画像信号線304から供給
して、これらをグループ毎に同時にサンプリングするよ
うに構成してもよい。この際、少なくとも相展開数だけ
画像信号線304が必要なことは言うまでもない。
【0083】(液晶装置の第1実施形態の製造プロセ
ス)次に、以上のような構成を持つ液晶装置の第1実施
形態の製造プロセスについて、図5から図8を参照して
説明する。尚、図5から図8は各工程におけるTFTア
レイ基板側の各層を、図3と同様に図2のA−A’断面
に対応させて示す工程図である。
【0084】図5の工程(1)に示すように、石英基
板、ハードガラス等のTFTアレイ基板10を用意す
る。ここで、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰
囲気且つ約900〜1300℃の高温でアニール処理
し、後に実施される高温プロセスにおけるTFTアレイ
基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理してお
く。即ち、製造プロセスにおける最高温で高温処理され
る温度に合わせて、事前にTFTアレイ基板10を同じ
温度かそれ以上の温度で熱処理しておく。
【0085】このように処理されたTFTアレイ基板1
0の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の
金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタによ
り、1000〜5000オングストローム程度の層厚、
好ましくは約2000オングストロームの層厚の遮光膜
11を形成する。
【0086】続いて、工程(2)に示すように、該形成
された遮光膜11上にフォトリソグラフィにより第1遮
光膜11aのパターン(図2参照)に対応するレジスト
マスクを形成し、該レジストマスクを介して遮光膜11
に対しエッチングを行うことにより、第1遮光膜11a
を形成する。
【0087】次に工程(3)に示すように、第1遮光膜
11aの上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等により
TEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガ
ス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、T
MOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス
等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどの
シリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜
等からなる第1層間絶縁膜12を形成する。この第1層
間絶縁膜12の層厚は、例えば、約5000〜2000
0オングストロームとする。
【0088】次に工程(4)に示すように、第1層間絶
縁膜12の上に、約450〜550℃、好ましくは約5
00℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600c
c/minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた
減圧CVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)
により、アモルファスシリコン膜を形成する。その後、
窒素雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時
間、好ましくは、4〜6時間のアニール処理を施するこ
とにより、ポリシリコン膜1を約500〜2000オン
グストロームの厚さ、好ましくは約1000オングスト
ロームの厚さとなるまで固相成長させる。
【0089】この際、図3に示した画素スイッチング用
TFT30として、nチャネル型の画素スイッチング用
TFT30を作成する場合には、当該チャネル領域にS
b(アンチモン)、As(砒素)、P(リン)などのV
族元素のドーパントを僅かにイオン注入等によりドープ
しても良い。また、画素スイッチング用TFT30をp
チャネル型とする場合には、B(ボロン)、Ga(ガリ
ウム)、In(インジウム)などのIII族元素のドーパ
ントを僅かにイオン注入等によりドープしても良い。
尚、アモルファスシリコン膜を経ないで、減圧CVD法
等によりポリシリコン膜1を直接形成しても良い。或い
は、減圧CVD法等により堆積したポリシリコン膜にシ
リコンイオンを打ち込んで一旦非晶質化(アモルファス
化)し、その後アニール処理等により再結晶化させてポ
リシリコン膜1を形成しても良い。
【0090】次に工程(5)に示すように、フォトリソ
グラフィ工程、エッチング工程等により、図2に示した
如き所定パターンの半導体層1aを形成する。即ち、特
にデータ線6a下で容量線3bが形成される領域及び走
査線3aに沿って容量線3bが形成される領域には、画
素スイッチング用TFT30を構成する半導体層1aか
ら延設された第1蓄積容量電極1fを形成する。
【0091】次に工程(6)に示すように、画素スイッ
チング用TFT30を構成する半導体層1aと共に第1
蓄積容量電極1fを約900〜1300℃の温度、好ま
しくは約1000℃の温度により熱酸化することによ
り、約300オングストロームの比較的薄い厚さの熱酸
化シリコン膜を形成し、更に減圧CVD法等により高温
酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜を約50
0オングストロームの比較的薄い厚さに堆積し、多層構
造を持つ画素スイッチング用TFT30のゲート絶縁膜
2と共に容量形成用のゲート絶縁膜2を形成する(図3
参照)。この結果、半導体層1a及び第1蓄積容量電極
1fの厚さは、約300〜1500オングストロームの
厚さ、好ましくは約350〜500オングストロームの
厚さとなり、ゲート絶縁膜2の厚さは、約200〜15
00オングストロームの厚さ、好ましくは約300〜1
000オングストロームの厚さとなる。このように高温
熱酸化時間を短くすることにより、特に8インチ程度の
大型ウエーハを使用する場合に熱によるそりを防止する
ことができる。但し、ポリシリコン層1を熱酸化するこ
とのみにより、単一層構造を持つゲート絶縁膜2を形成
してもよい。
【0092】尚、工程(6)において特に限定されない
が、第1蓄積容量電極1fとなる半導体層部分に、例え
ば、Pイオンをドーズ量約3×1012/cmでドー
プして、低抵抗化させてもよい。
【0093】次に、工程(7)において、第1層間絶縁
膜12に第1遮光膜11aに至るコンタクトホール13
を反応性エッチング、反応性イオンビームエッチング等
のドライエッチングにより或いはウエットエッチングに
より形成する。この際、反応性エッチング、反応性イオ
ンビームエッチングのような異方性エッチングにより、
コンタクトホール13等を開孔した方が、開孔形状をマ
スク形状とほぼ同じにできるという利点がある。但し、
ドライエッチングとウエットエッチングとを組み合わせ
て開孔すれば、これらのコンタクトホール13等をテー
パ状にできるので、配線接続時の断線を防止できるとい
う利点が得られる。
【0094】次に工程(8)に示すように、減圧CVD
法等によりポリシリコン層3を堆積した後、リン(P)
を熱拡散し、ポリシリコン膜3を導電化する。又は、P
イオンをポリシリコン膜3の成膜と同時に導入したドー
プトシリコン膜を用いてもよい。
【0095】次に、図6の工程(9)に示すように、レ
ジストマスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチ
ング工程等により、図2に示した如き所定パターンの走
査線3aと共に容量線3bを形成する。これらの容量線
3b及び走査線3aの層厚は、例えば、約3500オン
グストロームとされる。
【0096】次に工程(10)に示すように、図3に示
した画素スイッチング用TFT30をLDD構造を持つ
nチャネル型のTFTとする場合、半導体層1aに、先
ず低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを
形成するために、走査線3a(ゲート電極)を拡散マス
クとして、PなどのV族元素のドーパント60を低濃度
で(例えば、Pイオンを1〜3×1013/cmのド
ーズ量にて)ドープする。これにより走査線3a下の半
導体層1aはチャネル領域1a’となる。この不純物の
ドープにより容量線3b及び走査線3aも低抵抗化され
る。
【0097】続いて、工程(11)に示すように、画素
スイッチング用TFT30を構成する高濃度ソース領域
1b及び高濃度ドレイン領域1cを形成するために、走
査線3aよりも幅の広いマスクでレジスト層62を走査
線3a上に形成した後、同じくPなどのV族元素のドー
パント61を高濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1
15/cmのドーズ量にて)ドープする。また、画
素スイッチング用TFT30をpチャネル型とする場
合、半導体層1aに、低濃度ソース領域1b及び低濃度
ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃
度ドレイン領域1eを形成するために、BなどのIII族
元素のドーパントを用いてドープする。尚、例えば、低
濃度のドープを行わずに、オフセット構造のTFTとし
てもよく、走査線3aをマスクとして、Pイオン、Bイ
オン等を用いたイオン注入技術によりセルフアライン型
のTFTとしてもよい。
【0098】この不純物のドープにより容量線3b及び
走査線3aも更に低抵抗化される。
【0099】また、工程(10)及び工程(11)を再
度繰り返し、B(ボロン)イオンなどのIII族元素のド
ーパントを行なうことにより、pチャネル型TFTを形
成することができる。これにより、nチャネル型TFT
及びpチャネル型TFTから構成される相補型構造を持
つデータ線駆動回路101及び走査線駆動回路104等
の回路をTFTアレイ基板10上の周辺部に形成するこ
とが可能となる。このように、本実施の形態において画
素スイッチング用TFT30は半導体層をポリシリコン
で形成するので、画素スイッチング用TFT30の形成
時にほぼ同一工程で、データ線駆動回路101及び走査
線駆動回路104を形成することができ、製造上有利で
ある。
【0100】次に工程(12)に示すように、画素スイ
ッチング用TFT30における走査線3aと共に容量線
3b及び走査線3aを覆うように、例えば、常圧又は減
圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PS
G、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化
シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜
4を形成する。第2層間絶縁膜4の層厚は、約5000
〜15000オングストロームが好ましい。
【0101】次に工程(13)の段階で、高濃度ソース
領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを活性化するため
に約1000℃のアニール処理を20分程度行った後、
データ線31に対するコンタクトホール5を、反応性エ
ッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエ
ッチングにより或いはウエットエッチングにより形成す
る。また、走査線3aや容量線3bを図示しない配線と
接続するためのコンタクトホールも、コンタクトホール
5と同一の工程により第2層間絶縁膜4に開孔する。
【0102】次に図7の工程(14)に示すように、第
2層間絶縁膜4の上に、スパッタ処理等により、遮光性
のAl等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜6と
して、約1000〜5000オングストロームの厚さ、
好ましくは約3000オングストロームに堆積し、更に
工程(15)に示すように、フォトリソグラフィ工程、
エッチング工程等により、データ線6aを形成する。
【0103】次に工程(16)に示すように、データ線
6a上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法や
TEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、B
PSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸
化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜7を形成する。
第3層間絶縁膜7の層厚は、約5000〜15000オ
ングストロームが好ましい。
【0104】次に図8の工程(17)の段階において、
画素スイッチング用TFT30において、画素電極9a
と高濃度ドレイン領域1eとを電気的接続するためのコ
ンタクトホール8を、反応性エッチング、反応性イオン
ビームエッチング等のドライエッチングにより形成す
る。
【0105】次に工程(18)に示すように、第3層間
絶縁膜7の上に、スパッタ処理等により、ITO膜等の
透明導電性薄膜9を、約500〜2000オングストロ
ームの厚さに堆積し、更に工程(19)に示すように、
フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、画
素電極9aを形成する。尚、当該液晶装置を反射型の液
晶装置に用いる場合には、Al等の反射率の高い不透明
な材料から画素電極9aを形成してもよい。
【0106】続いて、画素電極9aの上にポリイミド系
の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角
を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等
により、配向膜16(図3参照)が形成される。
【0107】他方、図3に示した対向基板20について
は、ガラス基板等が先ず用意され、第2遮光膜23及び
後述の周辺見切りとしての第2遮光膜(図11及び図1
2参照)が、例えば金属クロムをスパッタした後、フォ
トリソグラフィ工程、エッチング工程を経て形成され
る。尚、これらの第2遮光膜は、Cr、Ni、Alなど
の金属材料の他、カーボンやTiをフォトレジストに分
散した樹脂ブラックなどの材料から形成してもよい。
【0108】その後、対向基板20の全面にスパッタ処
理等により、ITO等の透明導電性薄膜を、約500〜
2000オングストロームの厚さに堆積することによ
り、対向電極21を形成する。更に、対向電極21の全
面にポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布した後、所定
のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング
処理を施すこと等により、配向膜22(図3参照)が形
成される。
【0109】最後に、上述のように各層が形成されたT
FTアレイ基板10と対向基板20とは、配向膜16及
び22が対面するようにシール材52により貼り合わさ
れ、真空吸引等により、両基板間の空間に、例えば複数
種類のネマティック液晶を混合してなる液晶が吸引され
て、所定層厚の液晶層50が形成される。
【0110】(液晶装置の第2実施形態)本発明による
液晶装置の第2実施形態について図9を参照して説明す
る。
【0111】上述した第1実施形態では、容量線3bと
遮光膜11aとを電気的接続するためのコンタクトホー
ル13は、平面形状が四角形であるが、第2実施形態で
は、このコンタクトホールの平面形状を、真円、楕円等
の円形にする。その他の構成については、第1実施形態
の場合と同様であるので、図中同一の構成要素には同一
の参照符号を付し、それらの説明を省略する。尚、図9
は、データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成され
たTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図
である。
【0112】図9において、容量線3bと遮光膜11a
とを電気的接続するためのコンタクトホール13’は、
基板に平行な平面形状が、円形であるように構成されて
いる。
【0113】このように構成すれば、コンタクトホール
13’を開孔するためにウエットエッチング工程を製造
プロセスに用いる場合に(図5工程(7)参照)、遮光
膜11aと第1層間絶縁膜12との界面にエッチング溶
液が侵入して、クラックを発生させる可能性を低減でき
る。即ち、第1実施形態のように、平面形状が四角等の
角部分を有するコンタクトホール13を、ウエットエッ
チングにより開孔しようとすれば、角部分に特にエッチ
ング溶液が侵入し易く且つ応力集中も起き易いため、こ
の角部分で第1遮光膜11a等にクラックが生じ易くな
るのである。
【0114】これに対し、第1実施形態におけるコンタ
クトホール13をドライエッチング工程で開孔する場合
には、第1層間絶縁膜12と第1遮光膜11aとの間の
選択比との関係で、極薄い第1遮光膜11aをエッチン
グが突き抜けてしまう可能性が高い。このため本実施の
形態のように、円形のコンタクトホール13’を採用し
てのウエットエッチング工程は、突き抜け防止及びクラ
ック防止の観点から実践上大変有利である。
【0115】以上の結果、第2実施形態により、コンタ
クトホール付近における配線の信頼性を高めることがで
き、当該液晶装置の歩留まりの向上を図れる。
【0116】(液晶装置の第3実施形態)本発明による
液晶装置の第3実施形態について図10を参照して説明
する。
【0117】上述した第1及び第2実施形態では、第1
遮光膜11aの各島状部分は、コンタクトホール13又
は13’を介して前段或いは次段の容量線3bと電気的
接続されているが、第3実施形態では、各島状部分は、
自段の容量線に電気的接続される。その他の構成につい
ては、第2実施形態の場合と同様であるので、図中同一
の構成要素には同一の参照符号を付し、それらの説明を
省略する。尚、図11は、データ線、走査線、画素電
極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接す
る複数の画素群の平面図である。
【0118】図11において、第1遮光膜11a’の各
島状部分は、画素部において半導体層1aのチャネル領
域を含む画素スイッチング用TFT30をTFTアレイ
基板の側から見て覆う位置に設けられておりデータ線6
aに沿って(図中、上下に)伸びている。そして、一端
部(図中、上側の端部)には、自段の容量線3bとを電
気的接続する円形のコンタクトホール13’が設けられ
ている。また、他端部(図中、下側の端部)は、コンタ
クトホール5を覆う位置まで下向きに延びている。即
ち、本実施の形態では、各段(即ち、各画素の行)にお
ける遮光膜11a’の各島状部分は、コンタクトホール
13’により自段の容量線3bに電気的接続されてい
る。
【0119】このように構成すれば、データ線6aに重
ねて画素スイッチング用TFT30、容量線3b及び第
1遮光膜11a’が形成される領域の他の領域に対する
段差は前述の第2実施例と比較して大きくなるが、比較
的容易に容量線3bと第1遮光膜11a’の各島状部分
とを電気的接続することが可能となる。
【0120】第3実施形態では、コンタクトホールを円
形に形成しているが、第1実施形態の場合と同様に四角
形にすることも可能である。また、第3実施形態では、
自段の画素に設けられる容量線3bと第1遮光膜11
a’とを接続しているため、最上段或いは最下段の画素
に余分な容量線3bを設ける必要がないので有利であ
る。
【0121】尚、以上の各実施の形態において、第1遮
光膜11aを配置したことにより、当該第1遮光膜11
aを配置した領域において第3層間絶縁膜7の表面に生
じる他の領域に対する段差を低減するために、第1層間
絶縁膜12、第2層間絶縁膜4及び第3層間絶縁膜7の
うち少なくとも一つを、この第1遮光膜11aを島状に
配置した領域又はこれを含む領域において凹状に形成す
ることにより、平坦化処理を施してもよい。或いは、C
MP(Chemical Mechanical Polishing)処理を施した
り、スピンコート等によりSOG(スピンオンガラス)
を形成して、第3層間絶縁膜7の上面を平坦化してもよ
い。このように平坦化すれば、当該平坦化の度合いに応
じて、第3層間絶縁膜7の表面の凹凸により引き起こさ
れる液晶のディスクリネーション(配向不良)を低減で
きる。この結果、より高品位の画像表示が可能となり、
画素部の開口領域を広げることも可能となる。
【0122】(液晶装置の全体構成)以上のように構成
された液晶装置の各実施の形態の全体構成を図11及び
図12を参照して説明する。尚、図11は、TFTアレ
イ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向
基板20の側から見た平面図であり、図12は、対向基
板20を含めて示す図13のH−H’断面図である。
【0123】図11において、TFTアレイ基板10の
上には、シール材52がその縁に沿って設けられてお
り、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ
或いは異なる材料から成る周辺見切りとしての第3遮光
膜53が設けられている。シール材52の外側の領域に
は、データ線駆動回路101及び実装端子102がTF
Tアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査
線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って
設けられている。走査線3aに供給される走査信号遅延
が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片
側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線
駆動回路101を画面表示領域の辺に沿って両側に配列
してもよい。例えば奇数列のデータ線6aは画面表示領
域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から
画像信号を供給し、偶数列のデータ線は前記画面表示領
域の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路か
ら画像信号を供給するようにしてもよい。この様にデー
タ線6aを櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆
動回路の占有面積を拡張することができるため、複雑な
回路を構成することが可能となる。更にTFTアレイ基
板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられ
た走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線1
05が設けられており、更に、周辺見切りとしての第2
遮光膜53の下に隠れてプリチャージ回路201(図4
参照)が設けられている。また、対向基板20のコーナ
ー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板
10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導
通材からなる銀点106が設けられている。そして、図
12に示すように、図11に示したシール材52とほぼ
同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52により
TFTアレイ基板10に固着されている。
【0124】以上図1から図12を参照して説明した各
実施の形態における液晶装置のTFTアレイ基板10上
には更に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠
陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。ま
た、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104
をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えば
TAB(テープオートメイテッドボンディング基板)上
に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の
周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的
及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基
板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10
の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(ツイス
テッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)
モード、D−STN(ダブル−STN)モード等の動作
モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラ
ックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィル
ム、偏光手段などが所定の方向で配置される。
【0125】以上説明した各実施の形態における液晶装
置は、カラー液晶プロジェクタ(投射型表示装置)に適
用されるため、3枚の液晶装置がRGB用のライトバル
ブとして各々用いられ、各パネルには各々RGB色分解
用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光
が投射光として各々入射されることになる。従って、各
実施の形態では、対向基板20に、カラーフィルタは設
けられていない。しかしながら、第2遮光膜23の形成
されていない画素電極9aに対向する所定領域にRGB
のカラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板20上
に形成してもよい。このようにすれば、液晶プロジェク
タ以外の直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラ
ー液晶装置に各実施の形態における液晶装置を適用でき
る。更に、対向基板20上に1画素1個対応するように
マイクロレンズを形成してもよい。このようにすれば、
入射光の集光効率を向上することで、明るい液晶装置が
実現できる。更にまた、対向基板20上に、何層もの屈
折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利
用して、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを
形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向
基板によれば、より明るいカラー液晶装置が実現でき
る。
【0126】以上説明した各実施の形態における液晶装
置では、従来と同様に入射光を対向基板20の側から入
射することとしたが、第1遮光膜11aを設けているの
で、TFTアレイ基板10の側から入射光を入射し、対
向基板20の側から出射するようにしても良い。即ち、
このように液晶装置を液晶プロジェクタに取り付けて
も、半導体層1aのチャネル領域1a’及びLDD領域
1b、1cに光が入射することを防ぐことが出来、高画
質の画像を表示することが可能である。ここで、従来
は、TFTアレイ基板10の裏面側での反射を防止する
ために、反射防止用のAR(Anti−Reflect
ion)被膜された偏光手段を別途配置したり、ARフ
ィルムを貼り付ける必要があった。しかし、各実施の形
態では、TFTアレイ基板10の表面と半導体層1aの
少なくともチャネル領域1a’及びLDD領域1b、1
cとの間に第1遮光膜11aが形成されているため、こ
のようなAR被膜された偏光手段やARフィルムを用い
たり、TFTアレイ基板10そのものをAR処理した基
板を使用する必要が無くなる。従って、各実施の形態に
よれば、材料コストを削減でき、また偏光手段を貼り付
け時に、ごみ、傷等により、歩留まりを落とすことがな
く大変有利である。また、耐光性が優れているため、明
るい光源を使用したり、偏光ビームスプリッタにより偏
光変換して、光利用効率を向上させても、光によるクロ
ストーク等の画質劣化を生じない。
【0127】また、各画素に設けられるスイッチング素
子としては、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコ
ンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFT
やアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに
対しても、各実施の形態は有効である。
【0128】(電子機器)上記の液晶装置を用いた電子
機器の一例として、投射型表示装置の構成について、図
18を参照して説明する。図18において、投射型表示
装置1100は、上述した液晶装置を3個用意し、夫々
RGB用の液晶装置962R、962G及び962Bと
して用いた投射型液晶装置の光学系の概略構成図を示
す。本例の投射型表示装置の光学系には、前述した光源
装置920と、均一照明光学系923が採用されてい
る。そして、投射型表示装置は、この均一照明光学系9
23から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青
(B)に分離する色分離手段としての色分離光学系92
4と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段としての
3つのライトバルブ925R、925G、925Bと、
変調された後の色光束を再合成する色合成手段としての
色合成プリズム910と、合成された光束を投射面10
0の表面に拡大投射する投射手段としての投射レンズユ
ニット906を備えている。また、青色光束Bを対応す
るライトバルブ925Bに導く導光系927をも備えて
いる。
【0129】均一照明光学系923は、2つのレンズ板
921、922と反射ミラー931を備えており、反射
ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が
直交する状態に配置されている。均一照明光学系923
の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源
装置920から出射された光束は、第1のレンズ板92
1の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の
矩形レンズによって3つのライトバルブ925R、92
5G、925B付近で重畳される。従って、均一照明光
学系923を用いることにより、光源装置920が出射
光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合で
も、3つのライトバルブ925R、925G、925B
を均一な照明光で照明することが可能となる。
【0130】各色分離光学系924は、青緑反射ダイク
ロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー
942と、反射ミラー943から構成される。まず、青
緑反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに
含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射
され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向か
う。赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の
反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出
射部944からプリズムユニット910の側に出射され
る。
【0131】次に、緑反射ダイクロイックミラー942
において、青緑反射ダイクロイックミラー941におい
て反射された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束G
のみが直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945か
ら色合成光学系の側に出射される。緑反射ダイクロイッ
クミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの
出射部946から導光系927の側に出射される。本例
では、均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離
光学系924における各色光束の出射部944、94
5、946までの距離がほぼ等しくなるように設定され
ている。
【0132】色分離光学系924の赤色、緑色光束R、
Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光
レンズ951、952が配置されている。したがって、
各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これら
の集光レンズ951、952に入射して平行化される。
【0133】このように平行化された赤色、緑色光束
R、Gは、ライトバルブ925R、925Gに入射して
変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。す
なわち、これらの液晶装置は、不図示の駆動手段によっ
て画像情報に応じてスイッチング制御されて、これによ
り、ここを通過する各色光の変調が行われる。一方、青
色光束Bは、導光系927を介して対応するライトバル
ブ925Bに導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に
応じて変調が施される。尚、本例のライトバルブ925
R、925G、925Bは、それぞれさらに入射側偏光
手段960R、960G、960Bと、出射側偏光手段
961R、961G、961Bと、これらの間に配置さ
れた液晶装置962R、962G、962Bとからなる
液晶ライトバルブである。
【0134】導光系927は、青色光束Bの出射部94
6の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射
ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの
反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、ライト
バルブ925Bの手前側に配置した集光レンズ953と
から構成されている。集光レンズ946から出射された
青色光束Bは、導光系927を介して液晶装置962B
に導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、
光束Wの出射部から各液晶装置962R、962G、9
62Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したが
って、青色光束の光量損失が最も多くなる。しかし、導
光系927を介在させることにより、光量損失を抑制す
ることができる。
【0135】各ライトバルブ925R、925G、92
5Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成
プリズム910に入射され、ここで合成される。そし
て、この色合成プリズム910によって合成された光が
投射レンズユニット906を介して所定の位置にある投
射面100の表面に拡大投射されるようになっている。
【0136】本例では、液晶装置962R、962G、
962Bには、TFTの下側に遮光層が設けられている
ため、当該液晶装置962R、962G、962Bから
の投射光に基づく液晶プロジェクタ内の投射光学系によ
る反射光、投射光が通過する際のTFTアレイ基板の表
面からの反射光、他の液晶装置から出射した後に投射光
学系を突き抜けてくる投射光の一部等が、戻り光として
TFTアレイ基板の側から入射しても、画素電極のスイ
ッチング用のTFTのチャネルに対する遮光を十分に行
うことができる。
【0137】このため、小型化に適したプリズムユニッ
トを投射光学系に用いても、各液晶装置962R、96
2G、962Bとプリズムユニットとの間において、戻
り光防止用のフィルムを別途配置したり、偏光手段に戻
り光防止処理を施したりすることが不要となるので、構
成を小型且つ簡易化する上で大変有利である。
【0138】また、本実施の形態では、戻り光によるT
FTのチャネル領域への影響を抑えることができるた
め、液晶装置に直接戻り光防止処理を施した偏光手段9
61R、961G、961Bを貼り付けなくてもよい。
そこで、図18に示されるように、偏光手段を液晶装置
から離して形成、より具体的には、一方の偏光手段96
1R、961G、961Bはプリズムユニット910に
貼り付け、他方の偏光手段960R、960G、960
Bは集光レンズ953、945、944に貼り付けるこ
とが可能である。このように、偏光手段をプリズムユニ
ットあるいは集光レンズに貼り付けることにより、偏光
手段の熱は、プリズムユニットあるいは集光レンズで吸
収されるため、液晶装置の温度上昇を防止することがで
きる。
【0139】また、図示を省略するが、液晶装置と偏光
手段とを離間形成することにより、液晶装置と偏光手段
との間には空気層ができるため、冷却手段を設け、液晶
装置と偏光手段との間に冷風等の送風を送り込むことに
より、液晶装置の温度上昇をさらに防ぐことができ、液
晶装置の温度上昇による誤動作を防ぐことができる。
【0140】
【発明の効果】本発明の液晶装置によれば、薄膜トラン
ジスタの下側に遮光膜を設けることに伴う良品率や信頼
性の低下更には薄膜トランジスタの特性劣化を極力抑制
しつつ、しかも遮光膜の電位変動による薄膜トランジス
タの特性劣化を防止しつつ、当該遮光膜を設けることに
より薄膜トランジスタに対する遮光能力を高めて、高い
コントラスト比で高品質の画像表示が可能な液晶装置を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶装置の第1実施形態における画面表示領域
を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種
素子、配線等の等価回路である。
【図2】液晶装置の第1実施形態におけるデータ線、走
査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基
板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図3】図2のA−A’断面図である。
【図4】液晶装置の第1実施形態におけるTFTアレイ
基板上に設けられた画素部及び周辺回路のブロック図で
ある。
【図5】液晶装置の第1実施の形態の製造プロセスを順
を追って示す工程図(その1)である。
【図6】液晶装置の第1実施形態の製造プロセスを順を
追って示す工程図(その2)である。
【図7】液晶装置の第1実施形態の製造プロセスを順を
追って示す工程図(その3)である。
【図8】液晶装置の第1実施形態の製造プロセスを順を
追って示す工程図(その4)である。
【図9】液晶装置の第2実施形態におけるデータ線、走
査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基
板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図10】液晶装置の第3実施形態におけるデータ線、
走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ
基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図11】液晶装置の各実施の形態におけるTFTアレ
イ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板
の側から見た平面図である。
【図12】図13のH−H’断面図である。
【図13】液晶装置を用いた電子機器の一例である投射
型表示装置の構成図である。
【符号の説明】
1a…半導体層 1a’…チャネル領域 1b…低濃度ソース領域(ソース側LDD領域) 1c…低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域) 1d…高濃度ソース領域 1e…高濃度ドレイン領域 1f…第1蓄積容量電極 2…ゲート絶縁膜 3a…走査線(ゲート電極) 3b…容量線(第2蓄積容量電極) 4…第2層間絶縁膜 5…コンタクトホール 6a…データ線(ソース電極) 7…第3層間絶縁膜 8…コンタクトホール 9a…画素電極 10…TFTアレイ基板 11a、11a’…第1遮光膜 12…第1層間絶縁膜 13、13’…コンタクトホール 16…配向膜 20…対向基板 21…対向電極 22…配向膜 23…第2遮光膜 30…画素スイッチング用TFT 50…液晶層 52…シール材 53…第3遮光膜 70…蓄積容量 101…データ線駆動回路 104…走査線駆動回路 201…プリチャージ回路 301…サンプリング回路
フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA60 JA25 JA29 JA33 JA35 JA36 JA38 JA39 JA42 JA43 JA44 JA46 JA47 JB02 JB13 JB23 JB27 JB32 JB33 JB36 JB38 JB52 JB54 JB57 JB63 JB69 KA04 KA07 KA12 KA16 KA18 KB05 KB14 KB23 KB24 MA05 MA08 MA14 MA15 MA16 MA18 MA19 MA20 MA24 MA27 MA29 MA31 MA34 MA35 MA37 MA41 NA01 NA13 NA27 NA29 PA06 PA08 PA09 RA05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間に液晶が挟持されてなり、
    該一対の基板の一方の基板上には、 マトリクス状に配置された複数の画素電極と、 該複数の画素電極を夫々駆動する複数の薄膜トランジス
    タと、 該複数の薄膜トランジスタに夫々接続されており相交差
    する複数のデータ線及び複数の走査線と、 前記複数の画素電極に対し蓄積容量を夫々付与するため
    に形成された容量線と、 複数の島状部分に分断されており、該複数の島状部分が
    前記複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域
    を前記一方の基板の側から見て一画素毎に夫々覆う位置
    に設けられていると共に前記容量線に夫々電気的接続さ
    れた導電性の遮光膜と、 該遮光膜と前記薄膜トランジスタとの間に介在する第1
    層間絶縁膜とを備えたことを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 前記容量線と前記遮光膜との間には、前
    記第1層間絶縁膜が介在しており、 前記容量線と前記複数の島状部分とは、前記第1層間絶
    縁膜に前記一画素毎に開孔されたコンタクトホールを介
    して夫々相互に電気的接続されたことを特徴とする請求
    項1に記載の液晶装置。
  3. 【請求項3】 前記コンタクトホールは、平面的に見て
    データ線に重なる位置に形成されていることを特徴とす
    る請求項2に記載の液晶装置。
  4. 【請求項4】 前記コンタクトホールは、前記一方の基
    板に平行な平面形状が円形であることを特徴とする請求
    項2又は3に記載の液晶装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の島状部分は、前記複数のデー
    タ線に沿って夫々伸びており、一端部で前記チャネル領
    域を夫々覆うと共に他端部に前記コンタクトホールが夫
    々開孔されていることを特徴とする請求項2から4のい
    ずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の島状部分は夫々、前記チャネ
    ル領域を覆う位置を除き、前記走査線に対向する位置に
    は形成されていないことを特徴とする請求項1から5の
    いずれか一項に記載の液晶装置。
  7. 【請求項7】 前記容量線は、定電位源に接続されてい
    ることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記
    載の液晶装置。
  8. 【請求項8】 前記定電位源は、当該液晶装置を駆動す
    るための周辺回路に供給される定電位源であることを特
    徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  9. 【請求項9】 前記一対の基板の他方の基板に対向電極
    が形成されており、 前記定電位源は、該対向電極に供給される定電位源であ
    ることを特徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の島状部分は夫々、隣接する
    段の前記容量線に電気的接続されることを特徴とする請
    求項1から9のいずれか一項に記載の液晶装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の島状部分は夫々、自段の前
    記容量線に電気的接続されることを特徴とする請求項1
    から9のいずれか一項に記載の液晶装置。
  12. 【請求項12】 前記遮光膜は、Ti、Cr、W、T
    a、Mo及びPdのうちの少なくとも一つを含むことを
    特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の液
    晶装置。
  13. 【請求項13】 光源と、該光源から出射される光が入
    射されて画像情報に対応した変調を施す液晶ライトバル
    ブと、該液晶ライトバルブにより変調された光を投射す
    る投射手段とを有する投射型表示装置において、 前記液晶ライトバルブは、光の入射側に配置された第1
    基板及び出射側に配置された第2基板との間に液晶が挟
    持された液晶装置と、前記第1基板の外側に配置された
    第1偏光手段と、前記第2基板の外側に配置された第2
    偏光手段とを有し、 前記第2基板上には、マトリクス状に配置された複数の
    画素電極と、 該複数の画素電極を夫々駆動する複数の薄膜トランジス
    タと、 該複数の薄膜トランジスタに夫々接続されており相交差
    する複数のデータ線及び複数の走査線と、 前記複数の画素電極に対し蓄積容量を夫々付与するため
    に形成された容量線と、 複数の島状部分に分断されており、該複数の島状部分が
    前記複数の薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域
    を前記一方の基板の側から見て一画素毎に夫々覆う位置
    に設けられていると共に前記容量線に夫々電気的接続さ
    れた導電性の遮光膜と、 該遮光膜と前記薄膜トランジスタとの間に介在する第1
    層間絶縁膜とを備えたことを特徴とする投射型表示装
    置。
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