JP2000008951A - 直噴式ディーゼルエンジン - Google Patents

直噴式ディーゼルエンジン

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JP2000008951A
JP2000008951A JP10182263A JP18226398A JP2000008951A JP 2000008951 A JP2000008951 A JP 2000008951A JP 10182263 A JP10182263 A JP 10182263A JP 18226398 A JP18226398 A JP 18226398A JP 2000008951 A JP2000008951 A JP 2000008951A
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cylinder head
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engine
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卓司 笹田
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啓二 荒木
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】カムシャフト4及びロッカーシャフト34がシ
リンダ中心線xに対し一側にオフセット配置されてい
て、燃料噴射弁30がシリンダ中心線xに沿って上下方
向に延びるように配置され、その上端部がロッカーシャ
フト34よりも上方に位置している直噴式ディーゼルエ
ンジンEにおいて、エンジン全高の増大を招くことな
く、ブローバイガスによるエンジンオイルの持出し量を
低減させるとともに、エンジン騒音の低減を図る。 【解決手段】燃料噴射弁30を上端部までシリンダヘッ
ドカバー18内に収容する。カムシャフト4及びロッカ
ーシャフト34の上方に、シリンダ列方向に延びるセパ
レータ室Aを区画形成する。セパレータ室Aを第1室a
1及び第2室a2に区画し、第1室a1の底面に対応す
る第1底壁部64aを第2室a2の底面に対応する第2
底壁部64bよりも低くする。第1室a1の両端部にブ
ローバイガス取入口65,66を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ内の燃焼
室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を有するいわゆる直
噴式ディーゼルエンジンに関し、特に、燃焼室からクラ
ンク室側に漏れ出るブローバイガスを該クランク室から
シリンダヘッドの上方空間を介してエンジンの吸気系に
供給するようにしたものにおいて、ブローバイガス中の
エンジンオイルを分離するためのセパレータ室の構造に
係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の直噴式ディーゼルエ
ンジンとして、例えば特開平8−326550号公報に
示すように、燃料噴射弁をシリンダ中心線に沿って上下
方向に延びるように配置するとともに、動弁系のカムシ
ャフトを前記燃料噴射弁に対し一側にオフセットして配
置したものが知られている。このエンジンでは、各シリ
ンダ毎に2つの吸気バルブと2つの排気バルブとがシリ
ンダ中心線を囲むように配設されていて、それら4つの
バルブがロッカーアームを介して前記カムシャフトによ
り駆動されるようになっている。また、前記燃料噴射弁
の上端部はシリンダヘッドカバーを貫通して上方に突出
していて、その突出部分に、燃料噴射ポンプからの燃料
が供給される燃料供給管や余剰燃料を還流させる燃料戻
し管が接続されている。
【0003】ところで、一般に、エンジンの燃焼室から
ピストンとシリンダとの間を通ってクランク室に漏れ出
るブローバイガスには多量の未燃炭化水素(HC)が含
まれており、このガスを大気中へそのまま排出すること
はできないので、ブローバイガスは前記クランク室から
吸気系に供給するようにしている。すなわち、例えば、
クランク室内のブローバイガスは、シリンダブロック及
びシリンダヘッドに設けられた通路を介してシリンダヘ
ッドカバー内に導かれ、該シリンダヘッドカバー内に設
けたセパレータ室でエンジンオイルの油滴(オイルミス
ト)が分離された後、シリンダヘッドカバーに接続した
ブローバイホース内を流通して吸気通路へ吸い込まれ
る。このように、セパレータ室でブローバイガスからエ
ンジンオイルを分離することで、ブローバイガスによる
エンジンオイルの持ち出しを低減させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の従来の
エンジンでは、エンジン全高の制約からシリンダヘッド
カバー内に十分な容積のセパレータ室を設けることが容
易ではない。そして、このセパレータ室の容積が足りな
い場合、ブローバイガスからのエンジンオイルの分離が
不十分になってしまうので、ブローバイガスによるエン
ジンオイルの持出し量をさらに低減させる余地が残って
いる。
【0005】また、前記の従来のエンジンにおいては、
燃料噴射弁の上端部がシリンダヘッドカバーを貫通して
外部に突出しており、エンジンの燃焼音が直接、燃料噴
射弁を伝わって外部に漏れるので、エンジン騒音が大き
いという不具合もある。
【0006】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、シリンダヘッドカバ
ー及びその内部のセパレータ室の構造に工夫を凝らし
て、エンジン全高の増大を招くことなく、ブローバイガ
スによるエンジンオイルの持出し量を低減させるととも
に、エンジン騒音の低減を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の解決手段では、燃料噴射弁の上端部
をシリンダヘッドカバー内に収容して、エンジンの燃焼
音の遮断性を高めるとともに、前記燃料噴射弁より低い
カムシャフト等の上方にセパレータ室を区画形成した。
【0008】具体的に、請求項1記載の発明では、シリ
ンダヘッドカバー内でシリンダ列方向に延びるカムシャ
フトがシリンダ中心線に対し一側にオフセットして配置
され、シリンダ中心線に対し前記カムシャフトと同じ側
に該カムシャフトにより揺動されるロッカーアームと、
該ロッカーアームを支持するシリンダ列方向に延びるロ
ッカーシャフトとが配置され、各シリンダ毎にシリンダ
中心線に沿って上下方向に延びる燃料噴射弁が上端部を
前記ロッカーシャフトよりも上方に位置せしめて配置さ
れている直噴式ディーゼルエンジンを前提とする。そし
て、前記燃料噴射弁の上端部はシリンダヘッドカバー内
に収容されており、前記カムシャフト及びロッカーシャ
フトの上方のシリンダヘッドカバー内に、ブローバイガ
ス中のエンジンオイルを分離するためのセパレータ室が
区画形成されている構成とする。
【0009】この構成によれば、カムシャフトはシリン
ダ中心線に対し一側にオフセットされ、かつロッカーア
ームを介してバルブを駆動するようになっているので、
直接バルブを駆動する構成のものに比べて低く配置でき
る。そのため、該カムシャフト等の上方にセパレータ室
のためのスペースを比較的大きく確保することができ、
よって、ブローバイガスからの油滴の分離を促進させ
て、エンジンオイルの持出し量を低減できる。
【0010】また、燃料噴射弁が上端部までシリンダヘ
ッドカバー内に収容されているので、該燃料噴射弁を介
して伝わる燃焼音をシリンダヘッドカバーにより遮断で
き、このことによって、エンジン騒音の低減が図られ
る。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、セパレータ室の上方のシリンダヘッドカ
バーは、燃料噴射弁の上方のシリンダヘッドカバーより
も高い位置にあるものとする。このことで、シリンダヘ
ッドカバー内に区画形成されるセパレータ室の容積をさ
らに大きくすることができるので、ブローバイガスによ
るエンジンオイルの持出し量を一層低減できる。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
発明におけるセパレータ室は、シリンダ列方向に延び、
該セパレータ室よりも燃料噴射弁側のシリンダヘッドカ
バー上面には、シリンダ列方向に延びる溝部が形成され
ており、前記燃料噴射弁の上方位置を含むシリンダヘッ
ドカバー上方を覆う遮音カバーが設けられ、該遮音カバ
ーは、前記溝部でシリンダヘッドカバー上面に当接する
当接部を一端側に有する構成とする。
【0013】この構成では、燃料噴射弁上方のシリンダ
ヘッドカバーを覆う遮音カバーによって、エンジン騒音
をより一層低減できる。また、前記遮音カバーの一端側
がシリンダヘッドカバー上面に対し溝部で当接している
ので、その当接部における密着度合を高めつつ、エンジ
ン全高の増大を防止できる。
【0014】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明における直噴式ディーゼルエンジンは、車両にシリ
ンダ列方向が車両左右方向に一致しかつ遮音カバーの当
接部が車両の後側に位置するように搭載されており、前
記遮音カバーの上面は車両後側から車両前側に向かって
徐々に低く傾斜しているものとする。このことで、エン
ジンの最上部に相当する遮音カバーの上面が車両のボン
ネットフード内面に沿う形状とされているので、エンジ
ンルーム内のスペースの有効利用が図られる。
【0015】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
発明において、シリンダ列方向に4つのシリンダが配置
されており、シリンダヘッドカバーには、前記各シリン
ダ毎の4つの燃料噴射弁のうち、シリンダ列方向両端側
で隣り合う各々2つずつの燃料噴射弁をシリンダ中心線
方向から見て取り囲む範囲で上方に膨出させてなる2つ
の膨出部が形成され、その2つの膨出部の間のシリンダ
ヘッドカバーには、シリンダヘッドカバーをシリンダヘ
ッドに締結するボルトが配設されているものとする。
【0016】このことで、シリンダヘッドカバーの各膨
出部の下方に2つの燃料噴射弁が配置され、該燃料噴射
弁の上端部がシリンダヘッドカバー内に収容される。ま
た、前記2つの燃料噴射弁の中間に連結部材を設けてシ
リンダヘッドに連結すれば、該2つの燃料噴射弁を共通
の連結部材によりシリンダヘッドに固定できる。
【0017】一方、前記の2つの膨出部の間には、該シ
リンダヘッドカバーの略中心位置をシリンダヘッドに締
結するボルトが配設されているので、通常、外周側でシ
リンダヘッドに締結されるシリンダヘッドカバーを、外
周側のボルトに加えて、略中央部のボルトによってもシ
リンダヘッドに締結固定できるので、シリンダヘッドと
シリンダヘッドカバーとの間の気密性を高め、遮音性を
向上できる。
【0018】本発明の第2の解決手段では、シリンダヘ
ッドカバー内のカムシャフトやロッカーシャフトの配置
に合わせて、それらの上方に区画形成するセパレータ室
の底面の位置を、相対的に低いカムシャフト側で相対的
に高いロッカーシャフト側よりも低くさせた。
【0019】具体的に、請求項6記載の発明では、シリ
ンダヘッドカバー内でシリンダ列方向に延びるカムシャ
フトがシリンダ中心線に対し一側にオフセットして配置
され、シリンダ中心線に対し前記カムシャフトと同じ側
に、該カムシャフトにより揺動されるロッカーアーム
と、該ロッカーアームを支持するシリンダ列方向に延び
るロッカーシャフトとが前記カムシャフトよりも上方に
配置され、各シリンダ毎に、シリンダ中心線に沿って上
下方向に延びる燃料噴射弁が上端部を前記ロッカーシャ
フトよりも上方に位置せしめて配置されている直噴式デ
ィーゼルエンジンを前提とする。そして、前記カムシャ
フト及びロッカーシャフトの上方のシリンダヘッドカバ
ー内には、シリンダヘッドカバーの内面から上下方向に
延びる側壁部と、該側壁部の下側から略水平方向に広が
る底壁部とにより、ブローバイガスからエンジンオイル
を分離するためのセパレータ室が区画形成され、前記セ
パレータ室の底壁部のカムシャフト側の部分はロッカー
シャフト側よりも低くされている構成とする。
【0020】この構成によれば、カムシャフトはシリン
ダ中心線に対し一側にオフセットされ、かつロッカーア
ームを介してバルブを駆動するものなので、直接バルブ
を駆動するものに比べて、前記カムシャフトを低い位置
に配置できる。そのため、前記カムシャフト等の上方に
セパレータ室のためのスペースを比較的大きく確保でき
る。しかも、セパレータ室の底面に対応する底壁部を、
相対的に低いカムシャフト側で相対的に高いロッカーシ
ャフト側よりも低くさせることで、即ち、セパレータ室
の形状をカムシャフトやロッカーシャフトの配置に合わ
せることで、該セパレータ室の容積を最大限に大きくで
きる。よって、エンジン全高の増大を招くことなく、ブ
ローバイガスからの油滴の分離を促進して、ブローバイ
ガスによるエンジンオイルの持出し量を低減できる。
【0021】請求項7記載の発明では、請求項6記載の
発明におけるセパレータ室は、シリンダ列方向に延びる
ように設けられ、前記セパレータ室をカムシャフト側の
第1室とロッカーシャフト側の第2室とに区画し、かつ
前記第1室及び第2室を互いに連通する開口部を有する
区画壁部が配設され、底壁部は前記第1室及び第2室の
各底面にそれぞれ対応する第1及び第2底壁部からな
り、前記第1底壁部が第2底壁部よりも低くされ、前記
第1室のシリンダ列方向両端部に位置する側壁部には、
ブローバイガス取入口が設けられている構成とする。
【0022】この構成によれば、区画壁部により区画さ
れた第1室及び第2室のうち、第1室に対応する第1底
壁部が第2室に対応する第2底壁部よりも低くされてい
るので、前記第1室及び第2室を連通する画壁部の開口
部は、第1室においては上側に位置している。そのた
め、ブローバイガス中にあって相対的に重量が大きく下
側に偏在する油滴は、ブローバイガスが前記開口部を通
って第1室から第2室に移動するとき、第1室に取り残
されることになり、このことで、ブローバイガスからの
油滴の分離が促進される。
【0023】また、セパレータ室がシリンダ列方向に延
びるように設けられていて、その両端部からブローバイ
ガスを取り入れるようにしているので、下方のカムシャ
フトやロッカーアームから跳ね上がるエンジンオイルが
セパレータ室に入ることはない。
【0024】請求項8記載の発明では、請求項7記載の
発明における第1底壁部のシリンダ列方向両端側には、
それぞれ両端側に向かって下側に傾斜する傾斜部が設け
られているものとする。
【0025】このことで、第1室でブローバイガスから
分離された油滴は第1底壁部の傾斜部に沿って流れて、
ブローバイガス取入口から外部に排出される。よって、
セパレータ室からのエンジンオイルの排出性が高まる。
また、前記ブローバイガス取入口がシリンダ列方向両端
部に設けられているので、例えば車両の姿勢変化に伴い
第1室のエンジンオイルが偏って、いずれか一方のブロ
ーバイガス取入口を塞ぐことがあっても、他方のブロー
バイガス取入口からブローバイガスを取り入れることが
できる。つまり、セパレータ室へのブローバイガスの導
入を安定確保できる。
【0026】請求項9記載の発明では、請求項7又は8
記載の発明における第2室のシリンダ列方向中央部に
は、エンジンの吸気系にブローバイガスを排出するブロ
ーバイガス通路が接続されているものとする。このこと
で、シリンダ列方向両端部から第1室に取り入れられた
ブローバイガスは、第1室から第2室に移動した後、該
第2室のシリンダ列方向中央部に接続されているブロー
バイガス通路を介してエンジンの吸気系に排出される。
すなわち、セパレータ室におけるブローバイガスの移動
経路がシリンダ列方向に十分に長くなるので、その移動
中に油滴を十分に分離できる。
【0027】請求項10記載の発明では、請求項7記載
の発明におけるブローバイガス通路はシリンダヘッドカ
バーの上面よりも低い位置で第2室に接続されており、
第1室は前記ブローバイガス通路の壁部によりシリンダ
列方向に2つの室に分けられていて、該2つの室が前記
ブローバイガス通路よりも下側で互いに連通されている
ものとする。
【0028】このことで、ブローバイガス通路はシリン
ダヘッドカバーの上面よりも低い位置にあるので、該ブ
ローバイガス通路の配置によってエンジン全高が増大す
ることはない。また、第1室は前記ブローバイガス通路
の壁部によりシリンダ列方向に2つの室に分けられるこ
とになるが、その2つの室が互いに連通されているの
で、シリンダ列方向両端部からのブローバイガスの取り
入れを安定確保できる。
【0029】請求項11記載の発明では、請求項7〜1
0のいずれか1つに記載の発明におけるシリンダヘッド
カバー上面のシリンダ列方向一端側にオイル注入口が設
けられており、セパレータ室のシリンダ列方向一端部は
前記オイル注入口の近傍に位置していて、第1底壁部の
みが前記オイル注入口の下方位置まで延びている構成と
する。
【0030】このことで、オイル注入口の下方に配設さ
れたカムシャフトやロッカーアームからエンジンオイル
が跳ね上がっても、そのオイルは第1底壁部により遮ら
れるので、セパレータ室への侵入を防止できる。一方、
前記オイル注入口の下方位置には第1底壁部のみが延び
ていて側壁部はないので、オイル注入口から新しいエン
ジンオイルが供給されるとき、そのオイルの注入性が損
なわれることはない。
【0031】請求項12記載の発明では、請求項6記載
の発明における直噴式ディーゼルエンジンは、車両にシ
リンダ列方向が車両左右方向に一致するように搭載され
ていて、カムシャフト、ロッカーシャフト及びセパレー
タ室はいずれも燃料噴射弁よりも車両後側に位置し、前
記燃料噴射弁よりも車両後側のシリンダヘッドカバー
は、車両前側のシリンダヘッドカバーに比べて高くされ
ているものとする。
【0032】このことで、一般に、車両のボンネットフ
ードは車両前側から車両後側に向かって徐々に高くなっ
ているので、燃料噴射弁よりも車両後側のシリンダヘッ
ドカバーを車両前側よりも高くすることで、該シリンダ
ヘッドカバーは前記ボンネットフードに沿う形状とな
り、よって、エンジンルーム内スペースの有効利用が図
られる。また、セパレータ室の上方位置のシリンダヘッ
ドカバーが高くなるので、前記セパレータ室の容積を容
易に確保できる。
【0033】請求項13記載の発明では、請求項1〜1
2のいずれか1つにおいて、カムシャフトの下方のシリ
ンダヘッドには、シリンダブロック内の通路を介してク
ランク室に連通される複数の孔部が貫通形成され、前記
孔部のうちの少なくとも1つにパイプ部材が嵌挿され、
該パイプ部材の上端部は前記カムシャフトを迂回してそ
の軸心よりも上方に位置している構成とする。
【0034】すなわち、一般に、クランク室内のブロー
バイガスはシリンダブロック内の通路及びシリンダヘッ
ドの孔部によりシリンダヘッドカバー内へ導入される一
方、該シリンダヘッドカバー内のエンジンオイルは前記
孔部内を下方に流れて、オイルパン内に戻すようになっ
ている。加えて、この発明では、前記孔部のうちの少な
くとも1つにパイプ部材を嵌装し、該パイプ部材の上端
部をカムシャフトの軸心よりも上方に位置づけているの
で、その孔部はクランク室に戻るエンジンオイルによっ
て塞がれることがなくなり、クランク室からシリンダヘ
ッドカバー内へのブローバイガスの導入を安定確保でき
る。また、パイプ部材をシリンダヘッドと別に形成する
ことで、カムシャフトを迂回するような形状に容易に形
成できる。
【0035】請求項14記載の発明では、請求項13記
載の発明におけるパイプ部材は樹脂製で、かつシリンダ
ヘッドのシリンダ列方向略中央位置の孔部に嵌挿されて
いるものとする。
【0036】このことで、パイプ部材を樹脂により容易
かつ安価に形成できる。また、前記パイプ部材がシリン
ダ列方向略中央位置の孔部に嵌挿されているので、該パ
イプ部材からシリンダヘッドカバー内に導かれたブロー
バイガスは、シリンダ列方向両端側へ移動してセパレー
タ室に取り入れられるまでの間、シリンダヘッドカバー
内でも油滴が分離されることになり、このことにより、
ブローバイガスからのエンジンオイルの分離をより一層
促進できる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0038】(エンジン全体構成)図2及び図3は、本
発明の実施形態に係るエンジンEの外観を示し、このエ
ンジンEは、図6にも示すように、シリンダブロック1
の上面にシリンダヘッド2(図4参照)が取り付けられ
て一体とされ、その内部に、前記シリンダブロック1に
支持されたクランク軸3の延びる前後方向(図3の上下
方向、図6の左右方向)に沿って4つのシリンダ5,
5,…(図6には1つのみ示す)が所定間隔で形成され
た直列4気筒ディーゼルエンジンである。また、このエ
ンジンEは、前記4つのシリンダ5,5,…が図示しな
い車両の左右方向に1列に並ぶように該車両に横置き搭
載されるもので、前記図2及び図3における右側が車両
前側に、また、上記両図における左側が車両後側になっ
ている。
【0039】尚、この明細書では、説明の便宜のために
前記シリンダブロック1の長手方向、即ちクランク軸3
の延びる方向をエンジン前後方向とし、該クランク軸3
の出力端側(図3の上側、図6の右側)をエンジンEの
後側と呼び、反対側(図3の下側、図6の左側)をエン
ジンEの前側と呼ぶ。また、前記エンジンEの前後方向
に直交する左右方向(図2及び図3における左右方向)
において、前記エンジンEの前側を向いて右側(図2及
び図3における左側)をエンジンEの右側と呼び、反対
側(図2及び図3の右側)をエンジンEの左側と呼ぶも
のとする。
【0040】前記エンジンEの前端には、クランク軸3
により動弁系カムシャフト4(図4及び図5参照)等を
駆動するベルト伝動機構が、シリンダブロック1の前端
面に接合されたシールプレート6と、アッパーカバー7
及びロアカバー8からなる樹脂製のベルトカバーとに収
容されている。また、前記クランク軸3の前端部にはV
プーリ9が取り付けられ、このVプーリ9と、オルタネ
ータ10の入力軸に設けたVプーリ10aと、図示しな
い空調装置用コンプレッサの入力軸に設けたVプーリ1
1とがVベルト12により駆動連結されている。さら
に、前記シリンダブロック1の前端面には、図示しない
エンジンマウントに連結される連結部材13がボルト1
4,14,…により取り付けられている。
【0041】また、前記シリンダヘッド2の上面には、
図3に示すようにシリンダヘッドカバー18が設けられ
ている。このシリンダヘッドカバー18の上面には、内
部に通路が形成された円筒部15が設けられていて、ブ
ローバイガスを吸気系に導くブローバイホース16の上
流端が前記円筒部15に接続されている。さらに、前記
シリンダヘッドカバー18の上方には、該シリンダヘッ
ドカバー18の大部分と、燃料噴射ポンプ17及び燃料
供給管19,19,…を覆う樹脂製の遮音カバー20が
設けられている。
【0042】尚、前記図2において、Bは車両のボンネ
ットフード内面の形状を表すいわゆるボンネットライン
である。また、21はエンジンオイルの注入孔を開閉す
るフィラーキャップ、22はエンジンオイルを貯留する
オイルパン、23はターボ過給機、24はオイルフィル
タであり、25は一端(図の左端)がシリンダヘッド2
に接続される一方、他端が図示しないラジエータに接続
されるウオータホースである。さらに、前記図3におい
て、26はカムシャフト4により駆動されるバキューム
ポンプである。
【0043】(動弁系及びベルト伝動機構の構成)前記
エンジンEは、いわゆるSOHC( Single Over Head
Cam )型エンジンであり、図1及び図4に示すように、
シリンダヘッド2の左右方向中央部よりも僅かに左側
(両図の右側)に偏位した位置にシリンダ5,5,…が
設けられている一方、前記シリンダヘッド2の右側(両
図の左側)に偏位した位置、即ち前記各シリンダ5の中
心線xに対しエンジン右側にオフセットした位置には、
カムシャフト4がエンジン前後方向(シリンダ列方向)
に延びるように配置され、互いに所定間隔を空けて配置
された6つの軸受部28,28,…により回動自在に支
持されている。
【0044】前記図4に示すように、シリンダヘッド2
は各シリンダ5を周方向に等間隔に4カ所で囲むように
配置されたヘッドボルト29,29,…により、シリン
ダブロック1に締結されていて、前記各シリンダ5のボ
ア中心に対応する位置には、燃料噴射弁30,30,…
がそれぞれ噴孔を燃焼室に直接臨ませて、かつ前記シリ
ンダ中心線xに沿って上下方向に延びるように配設され
ている。また、該燃料噴射弁30,30,…をそれぞれ
取り囲むように、各シリンダ5毎に2つの吸気バルブ3
1,31及び2つの排気バルブ32,32が配設されて
いる。そして、前記吸気バルブ及び排気バルブ31,3
2,…は、それぞれ、カムシャフト4に設けられた吸気
用カム4a,4a,…及び排気用カム4b,4b,…に
より、ロッカーアーム33,33,…を介して開閉され
るようになっている。
【0045】詳しくは、図1及び図5に示すように、前
記カムシャフト4よりもエンジン左側の斜め上方には、
ロッカーシャフト34がカムシャフト4に平行に延びる
ように配設されている。そして、ロッカーアーム33,
33,…はそれぞれ前記ロッカーシャフト34に揺動可
能に支持されていて、一端部に設けられたカムローラを
介してカムシャフト4のカム4a,カム4bに摺接する
一方、他端部に設けられた押接ボルトを介して略T字形
状の押接部材35に当接している。
【0046】また、前記カムシャフト4の前端部にはカ
ムプーリ36が取り付けられていて、このカムプーリ3
6と、クランク軸3の前端側に取り付けたクランクプー
リ37と、燃料噴射ポンプの入力軸に取り付けたポンプ
プーリ38とが内周側に歯部を有するタイミングベルト
39により駆動連結されて、ベルト伝動機構が構成され
ている。このベルト伝動機構により、クランク軸3の回
転に同期してカムシャフト4が回転されると、カム4
a,4bによりロッカーアーム33,33,…が揺動さ
れ、吸気バルブ31,31及び排気バルブ32,32が
クランク軸3の回転に同期して、各シリンダ毎に所定の
タイミングで開閉作動される。
【0047】前記タイミングベルト39は、クランクプ
ーリ37からカムプーリ36及びポンププーリ38を経
て、再びクランクプーリ37に回行するようになってい
る。すなわち、前記カムプーリ36はタイミングベルト
39の緩み側スパン(図5の左側のスパン)が進入する
ように配置されており、一方、前記ポンププーリ38は
タイミングベルと39の張り側スパン(図5の右側のス
パン)が進出するように配置されている。また、前記タ
イミングベルト39の緩み側スパンには、ウオータポン
プ(図示せず)を駆動するウオータポンププーリ41
と、オートテンショナ42とが配置されており、一方、
張り側スパンにはアイドラプーリ43が配置されてい
る。
【0048】前記オートテンショナ42は、タイミング
ベルト39の緩み側スパンにベルト外周側から係合する
テンショナプーリ42aと、該テンショナプーリ42a
を外側から回転自在に片持ち支持しかつ支点周りに回動
させる回動アーム42bとを備えており、シリンダブロ
ック1側に締結固定された油圧シリンダ42cにより、
前記回動アーム42bを前記タイミングベルト39側に
回動付勢するようになっている。尚、前記カムプーリ3
6には、バルブ31,32,…の開閉に伴う角速度変動
を減衰させるねじりダンパ44が設けられている。
【0049】(燃料供給系の構成)前記燃料噴射ポンプ
17は、図6及び図7に示すように、シリンダブロック
1及びシリンダヘッド2に跨ってボルト45,45,…
により取り付けられたブラケット46を介してエンジン
側に固定されており、入力軸17a上のポンププーリ3
8によりクランク軸37からの回転入力を受け入れるよ
うになっている。前記燃料噴射ポンプ17は、図示しな
いが、1つのプランジャの作動により各シリンダ毎の燃
料噴射弁30に個別に燃料を供給する分配型のもので、
4つのカム山によりそれぞれプランジャを往復動させる
カムと、該プランジャからの燃料を分配して、燃料供給
管19,19,…により燃料噴射弁30,30,…に個
別に送給する分配器とを備えている。
【0050】そして、クランク軸3の回転に同期して前
記入力軸17aが回転されると、その1回転する間に各
シリンダ毎の所定の燃料噴射タイミングで合計4回プラ
ンジャが作動され、このプランジャの作動により吐出さ
れた燃料は、各シリンダ5毎に設けられた燃料供給管1
9により燃料噴射弁30に送給され、その燃圧によって
燃料噴射弁30の噴孔が開いて、燃焼室に高圧の燃料が
直接噴射されるようになっている。
【0051】詳しくは、図1に示すように、シリンダヘ
ッドカバー18は、その主要部をなすカバー本体部18
aと、該カバー本体部18aとは別体形成され、燃料噴
射ポンプ17に近いエンジン左側側部の一部をなすカバ
ー側壁部18bとにより構成されている。また、前記燃
料噴射弁30,30,…には、それぞれ前記カバー側壁
部18bに向かって略水平方向に延びる受け入れ管30
aが設けられ、該受け入れ管30aは、カバー側壁部1
8bに配設されたコネクター47により燃料供給管19
に接続されている。尚、各燃料噴射弁30で噴射されな
かった余剰燃料は、燃料戻し管48(図1にのみ示す)
を通って、燃料噴射ポンプ17又や燃料タンク(図示せ
ず)に戻されるようになっている。
【0052】前記燃料噴射弁30,30,…は、各シリ
ンダ5の中心線に沿って上下方向に延びるように配設さ
れており、図8にも示すように、エンジン前後方向の両
端側で隣り合う各々2つずつの燃料噴射弁30,30
は、上端側を連結する押え板50と、この押え板50の
中央位置を貫通してシリンダヘッド2のボルト孔52
(図4参照)に螺合されるボルト51とにより固定され
ている。つまり、前記押え板50及び連結ボルト51か
らなる1つの連結部材によって、2つの燃料噴射弁3
0,30が固定されており、このことで、シリンダヘッ
ド2上面の配置スペースの有効利用が図られている。
【0053】また、前記燃料噴射弁30,30,…の上
端部は、本発明の第1の特徴部分であるが、前記シリン
ダヘッドカバー18内に収容されている。すなわち、シ
リンダヘッドカバー18には、図7に示すように、前記
の共通の押え板50により互いに連結されている2つの
燃料噴射弁30,30をシリンダ中心線方向から見て取
り囲む範囲で、上方に膨出した2つの鞍状の膨出部5
3,53が形成されており、図9に示すように、その各
膨出部53の下方に近接して、2つの燃料噴射弁30,
30の上端部が位置づけられている。
【0054】さらに、前記の2つの膨出部53,53の
間のシリンダヘッドカバー18の下面には、上下方向に
延びるボス部54が設けられ、そのボス部54を上下方
向に貫通する貫通孔54aが形成されていて、該貫通孔
54aに挿通されたボルト55がシリンダヘッド2のボ
ルト孔に螺合されている。つまり、シリンダヘッドカバ
ー18は、外周側に配設された複数のボルト56,5
6,…に加えて、平面視で略中心位置に配設されたボル
ト55によってもシリンダヘッド2に固定されている。
【0055】また、前記シリンダヘッドカバー18の上
面は、エンジン右側(車両後側)の高さがエンジン左側
(車両前側)よりも高くされ、その高い側のシリンダヘ
ッドカバー18内に後述のセパレータ室Aがエンジン前
後方向に延びるように設けられていて、該セパレータ室
Aと前記膨出部53,53の間に、エンジン前後方向に
延びる溝部57が形成されている。そして、図1に示す
ように、燃料噴射ポンプ17の上方を覆う遮音カバー2
0のエンジン右端側(一端側)が、前記溝部57におい
てシール部材58を介してシリンダヘッドカバー18の
上面に当接する当接部とされている。このことで、前記
シール部材58により遮音カバー20とシリンダヘッド
カバー18との間の密着度合を高めつつ、そのことによ
るエンジン全高の増大を防止できる。
【0056】さらに、前記遮音カバー20は、車両後側
から車両前側に向かって傾斜して、上方のボンネットラ
インBに沿うように徐々に低くなっており、このよう
に、エンジンEの最上部に相当するシリンダヘッドカバ
ー18及び遮音カバー20が車両のボンネットラインB
に沿う形状とされて、エンジンルーム内スペースが有効
利用されている。
【0057】(セパレータ室の構成)次に、本発明の第
2の特徴部分として、シリンダヘッドカバー18内のセ
パレータ室Aの構成について、図1及び図10〜図13
に基づいて詳細に説明する。
【0058】前記図1に示すように、セパレータ室Aは
シリンダヘッドカバー18の上面が最も高くなっている
エンジン右側(同図の左側)のシリンダヘッドカバー1
8内において、カムシャフト4及びロッカーシャフト3
4の上方に、エンジン前後方向に延びるように設けられ
ている。すなわち、前記シリンダヘッドカバー18の下
面には、図10及び図11にも示すように、エンジン前
端側(両図の左端側)のオイル注入口59の近傍からエ
ンジン後端部(両図の右端部)までに亘って、上下方向
に互いに平行に延びる第1及び第2側壁部61、62
と、そのうちの第2側壁部62と一体的に形成され、平
面視で略コの字形状をなす第3側壁部63(図11にの
み示す)とが形成されている。また、それらの側壁部6
1,62,63の下端には、プレス鋼板からなる底壁部
材64が略水平方向に広がるように配設(ビス止め)さ
れており、前記第1〜第3側壁部61,62,63及び
底壁部64により、ブローバイガスからエンジンオイル
を分離するためのセパレータ室Aが区画形成されてい
る。
【0059】前記第3側壁部63はロッカーシャフト3
4の略真上に設けられていて、その下端部はロッカーア
ーム33の近傍にまで延びている。また、第2側壁部6
2の下端部も前記第1側壁部61と同じ高さに位置して
いるが、第1側壁部61の下端部はそれらに比べてより
低い位置にある。そして、前記底壁部64は、前記第1
側壁部61と第2側壁部62との間が低く、また、該第
2側壁部62と第3側壁部63との間がそれよりも高く
された段付き形状にされている。すなわち、前記セパレ
ータ室Aは、区画壁部としての第2側壁部62によりカ
ムシャフト4側の第1室a1とロッカーシャフト34側
の第2室a2とに区画されており、前記第1室a1の底
面に対応する底壁部材64の第1底壁部64aは、第2
室a2の底面に対応する第2底壁部64bよりも低くさ
れている。
【0060】前記第1室a1のエンジン前後方向両端部
には側壁部が設けられておらず、それぞれ前記第1室a
1にブローバイガスを取り入れるためのブローバイガス
取入口65,66とされている。特に、エンジン前端側
のブローバイガス取入口65はオイル注入口59の近傍
に位置していて、さらに、そこから前記オイル注入口5
9の下方までは、底壁部材64のみが延長されている。
【0061】そして、セパレータ室Aへのブローバイガ
スの取り入れは、図10及び図11に太線の矢印で示す
ように、シリンダヘッド2の前後両端部に位置するブロ
ーバイガス取入口65,66を介して行われるので、カ
ムシャフト4やロッカーアーム33,33,…から跳ね
上がったエンジンオイルが前記セパレータ室Aに侵入す
ることはない。また、前記オイル注入口59の下方に
は、底壁部材64のみが延長されていて、側壁部は設け
られていないので、オイル注入口59から新しいエンジ
ンオイルを供給するときに、オイル注入性が損なわれる
こともない。
【0062】前記第2側壁部62には、エンジン前後方
向に互いに離れた2カ所に、それぞれ前記第1室a1及
び第2室a2を互いに連通する開口部62a,62bが
設けられ、該開口部62a,62bはいずれも第2室a
2における下側位置に開口する一方、第1室a1におけ
る上側位置に開口している。そして、第1室a1に取り
入れられたブローバイガスのうち、オイルミスト(油
滴)をあまり含まない上側のガスは、図10及び図11
に太線の矢印で示すように前記開口部62a、62bか
ら第2室a2に導かれる。一方、ブローバイガス中にあ
って相対的に重量が大きいオイルミストは第一室a1の
下側に偏在しているので、前記開口部62a,62bか
ら第2室a2へ移動し難く、結果として、第1室a1に
取り残されることになる。
【0063】図12に示すように、前記側壁部材64の
第1底壁部64aにおけるエンジン前後方向両端側に
は、それぞれ両端側、即ちブローバイガス取入口65,
66に向かって、下側に傾斜する傾斜部67,68が設
けられている。すなわち、第1室a1でブローバイガス
から分離され、第1底壁部64aに溜まったエンジンオ
イルは、前記傾斜部67,68によりスムーズに第1室
a1の両端側へ流されて、ブローバイガス取入口65,
66から排出される。一方、前記第2底壁部64bに
は、エンジン前後方向に互いに離れた3個のオイル落と
し孔69,69,69が設けられており、第2室a2で
ブローバイガスから分離されたエンジンオイルは前記各
オイル落とし孔69から下方のカムシャフト4等に向か
って滴下するようになっている。尚、前記各オイル落と
し孔69は滴下するエンジンオイルそのものにより密閉
されるので、そこから第2室a2にオイルが侵入するこ
とはない。
【0064】前記第2室a2には、シリンダヘッドカバ
ー18の円筒部15の内部に形成された通路15aが連
通しており、この通路15a及びブローバイホース16
内の通路により構成されるブローバイガス通路を通っ
て、前記第2室a2のブローバイガスがターボ過給機2
3の上流の吸気系に導かれるようになっている。詳しく
は、図13に示すように、シリンダヘッドカバー18の
上面には、下方に窪みかつエンジン右側(同図の右側)
に向かって開口する凹部70が形成され、この凹部70
の側壁部70aは、セパレータ室Aの第2側壁部62と
一体的に形成されている。そして、前記円筒部15が側
壁部70aから略水平に突出し、それらを貫通して、第
2室a2に至る通路15aが形成されている。
【0065】このことで、前記円筒部15に接続される
ブローバイホース16の上流端は、シリンダヘッドカバ
ー18の上面よりも低く位置づけられるので、エンジン
全高の増大を招くことはない。一方、前記凹部70の分
だけ第1室a1は狭くなり、いわば、凹部70を挟んで
エンジン前後方向に2つの室に分けられることになるも
のの、その2つの室は前記凹部70よりも下側で互いに
連通されていて、ブローバイガスが相互に移動できるよ
うになっている。
【0066】上述の如き構成により、図10及び図11
に太線の矢印で示すように、シリンダヘッドカバー18
内のブローバイガスは、エンジン前後方向の両端部から
第1室a1に取り入れられ、該第1室a1から第2室a
2に移動した後、エンジン前後方向の略中央部から吸い
出される。
【0067】次に、クランク室からシリンダヘッドカバ
ー18内へブローバイガスを導く経路の構成について説
明する。この経路は、一般に、シリンダブロック1及び
シリンダヘッド2を貫通して形成されるものであり、こ
の実施形態のエンジンEにおいても、図示しないが、カ
ムシャフト4の下方のシリンダヘッド2には、シリンダ
ブロック1内の通路を介してクランク室に連通される複
数の円形断面の孔部が貫通形成されている。そして、こ
れらの孔部を介して、ブローバイガスがシリンダヘッド
カバー18内に導入される一方、シリンダヘッドカバー
内のエンジンオイルはそれらの孔部内を落下してクラン
ク室に至り、オイルパン内に戻るようになっている。
【0068】加えて、この実施形態では、図4及び図1
4に示すように、カムシャフト4下方の複数の孔部のう
ち、エンジン前後方向の略中央位置に形成された孔部7
2の上側開口端には、カムシャフト4を迂回するように
クランク状に屈曲した樹脂製のパイプ部材73が配設さ
れている。このパイプ部材73は、図15にも示すよう
に上下方向に延びていて、前記孔部72に嵌装されてい
る円筒部73aと、該円筒部73aの上端部からエンジ
ンEの左右方向に延び、そこから上方に折れ曲がって上
下方向に延びる矩形筒部73bとが一体的に構成された
ものである。また、前記パイプ部材73は樹脂製であ
り、例えば射出成形等により、カムシャフト4を迂回す
るクランク形状に容易かつ安価に形成できるものであ
る。
【0069】前記円形筒部73aは略全体が孔部72内
に嵌挿されていて、その上端側に形成した環状突起73
cが孔部72の開口端縁に形成した環状凹部72aに嵌
合して、パイプ部材73をシリンダヘッド2に連結して
いる。一方、前記矩形筒部73bの上端部は、エンジン
オイルが流入しないようにカムシャフト4の軸心よりも
上方に位置しており、このことで、前記孔部72及びパ
イプ部材73により、クランク室からシリンダヘッドカ
バー18内へのブローバイガスの導入を安定確保でき
る。すなわち、前記パイプ部材73が配設されている孔
部72はクランク室からシリンダヘッドカバー18内へ
ブローバイガスを導入する導入専用通路になっている。
【0070】また、前記パイプ部材73はエンジン前後
方向の略中央位置に配置されている。このことで、前記
パイプ部材73からシリンダヘッドカバー18内に導か
れたブローバイガスは、セパレータ室Aの両端部まで前
記シリンダヘッドカバー18内を移動することになり、
この移動の間にオイルミストの分離が期待できるので、
ブローバイガスからのエンジンオイルの分離をより一層
促進できる。
【0071】したがって、この実施形態に係る第1の発
明によれば、燃料噴射弁30,30,…を上端部までシ
リンダヘッドカバー18内に収容して、該燃料噴射弁3
0,30,…を介して伝わる燃焼音を遮断することで、
エンジン騒音を低減できる。しかも、前記シリンダヘッ
ドカバー18は、外周側のボルト56,56,…に加え
て、略中央部のボルト55によってもシリンダヘッド2
に締結されているので、それらの間の気密性が高められ
て、遮音性が向上している。
【0072】加えて、前記燃料噴射弁30,30,…の
上方から燃料噴射ポンプ17の上方に亘って遮音カバー
20を設けるとともに、この遮音カバー20の一端側の
当接部をシリンダヘッドカバー18の上面に設けた溝部
57において、シール部材58を介して該シリンダヘッ
ドカバー18の上面に密着させることで、エンジン騒音
をより一層低減できる。しかも、前記シール部材58は
溝部57内に設けられているので、エンジン全高の増大
を招くことはない。
【0073】また、第2の発明によれば、エンジンEの
シリンダヘッドカバー18の上面が車両のボンネットラ
インBに沿って車両後側で高くされている一方、該シリ
ンダヘッドカバー18内のカムシャフト4及びロッカー
シャフト34は、シリンダ中心線xに対し車両後側にオ
フセットされ、低く配置されていることに着目し、それ
らカムシャフト4及びロッカーシャフト34の上方にセ
パレータ室Aを設けるとともに、それらのうちの相対的
に低いカムシャフト4側で、前記セパレータ室Aの底面
がより低くなるようにして、セパレータ室Aの容積を最
大限に大きくしている。このことで、エンジン全高の増
大を招くことなく、セパレータ室Aの容積を十分に大き
く確保して、ブローバイガスからのオイルミストの分離
を最大限に促進することができ、よって、ブローバイガ
スによるエンジンオイルの持出し量を十分に低減でき
る。
【0074】しかも、前記セパレータ室Aは、相対的に
底面の低い第1室a1と相対的に底面の高い第2室a2
とに区画されており、第1室a1から第2室a2にブロ
ーバイガスが移動する際に、オイルミストが第1室a1
の下側に取り残されて、ブローバイガスからの分離が促
進されるので、このことによっても、ブローバイガスに
よるエンジンオイルの持出し量を低減できる。また、エ
ンジン前後方向に長いセパレータ室Aを移動する間に、
ブローバイガス中のオイルミストが十分に分離される。
【0075】さらに、前記セパレータ室Aにおいては、
第1室a1のエンジン前後方向両端部のブローバイガス
取入口65,66から、ブローバイガスが取り入れられ
るとともに、前記第1室a1の第1底壁部64aに溜ま
ったエンジンオイルは、前記ブローバイガス取入口6
5,66から排出されるようになっている。そのため、
例えば車両の姿勢変化によって、第1室a1に溜まった
エンジンオイルが偏り、いずれか一方のブローバイガス
取入口65,66を塞ぐことがあっても、他方のブロー
バイガス取入口66,65により、ブローバイガスの取
り入れを安定確保できる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における直噴式ディーゼルエンジンによれば、カムシ
ャフト等の上方のシリンダヘッドカバー内に十分に大き
な容積のセパレータ室を設けることができるので、エン
ジンオイルの持出し量を低減できる。また、燃料噴射弁
を上端部までシリンダヘッドカバー内に収容して、燃焼
音を遮断することで、エンジン騒音の低減が図られる。
【0077】請求項2記載の発明によれば、セパレータ
室の容積をさらに大きくして、ブローバイガスによるエ
ンジンオイルの持出し量を一層低減できる。
【0078】請求項3記載の発明によれば、エンジン全
高の増大を防止しつつ、遮音カバーにより、エンジン騒
音をより一層低減できる。
【0079】請求項4記載の発明によれば、エンジン最
上部に相当する遮音カバーの上面を車両のボンネットフ
ード内面に沿う形状とすることで、エンジンルーム内の
スペースの有効利用が図られる。
【0080】請求項5記載の発明では、シリンダヘッド
カバーの略中心位置をボルトによりシリンダヘッドに締
結することで、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバー
との間の気密性を高め、遮音性を向上できる。
【0081】請求項6記載の発明における直噴式ディー
ゼルエンジンによれば、請求項1記載の発明と同様にカ
ムシャフト等の上方に設けるセパレータ室の形状を、カ
ムシャフトやロッカーシャフトの配置に応じて決定する
ことで、前記セパレータ室の容積を最大限に大きくで
き、よって、エンジン全高の増大を招くことなく、ブロ
ーバイガスによるエンジンオイルの持出し量を低減でき
る。
【0082】請求項7記載の発明によれば、第1室から
第2室へのブローバイガスの移動の際に油滴の分離を促
進できる。また、カムシャフト等から跳ね上がるエンジ
ンオイルがセパレータ室へ侵入することを防止できる。
【0083】請求項8記載の発明によれば、第1室から
のエンジンオイルの排出性を高められる。また、車両の
姿勢変化等に依らず、第1室へのブローバイガスの取り
入れを安定確保できる。
【0084】請求項9記載の発明によれば、セパレータ
室におけるブローバイガスの移動経路を十分に長くし
て、その移動中に油滴を十分に分離できる。
【0085】請求項10記載の発明によれば、第1室か
ら第2室へのブローバイガスの取り入れを安定確保でき
る。
【0086】請求項11記載の発明によれば、セパレー
タ室へのエンジンオイルの侵入をより確実に防止でき、
かつオイル注入口からのオイルの注入性を損なわない。
【0087】請求項12記載の発明によれば、請求項4
記載の発明と同様、エンジンルーム内スペースの有効利
用が図られる。
【0088】請求項13記載の発明によれば、パイプ部
材が嵌装された孔部により、クランク室からシリンダヘ
ッドカバー内へのブローバイガスの導入を安定確保でき
る。
【0089】請求項14記載の発明によれば、パイプ部
材を樹脂により容易かつ安価に形成でき、また、シリン
ダヘッドカバー内を移動する間のブローバイガスからの
油滴の分離を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシリンダヘッドカバー
及びセパレータ室Aの構成を示すエンジンの断面図であ
る。
【図2】図1のエンジンの外観を示す正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】ロッカーシャフト等を省略した状態でシリンダ
ヘッドの構成を示す平面図である。
【図5】ベルト伝動機構及び動弁系の構成を示す斜視図
である。
【図6】燃料供給系の構成を示すエンジンEの左側面図
である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】燃料噴射弁の取付構造を示す説明図である。
【図9】シリンダヘッドカバーの鞍部に対する燃料噴射
弁の位置関係を示す、図7のIX-IX線における断面図で
ある。
【図10】セパレータ室Aの構成を示す、図7のX-X線
における断面図である。
【図11】シリンダヘッドカバーを底面から見て、セパ
レータ室Aの構成を示す説明図である。
【図12】底面部材の構成を示す正面図(a)、及び平
面図(b)である。
【図13】ブローバイガス通路の構成を示す、図7のXI
II-XIII線における断面図である。
【図14】パイプ部材の取付構成を示す、図4のXIV-XI
V線における断面図である。
【図15】パイプ部材の構成を示す正面図(a)、及び
平面図(b)である。
【符号の説明】
A セパレータ室 a1 第1室 a2 第2室 B ボンネットライン(ボンネットフード) E ディーゼルエンジン 1 シリンダブロック 2 シリンダヘッド 4 カムシャフト 5 シリンダ 15a 円筒部内の通路(ブローバイガス通路) 16 ブローバイホース(ブローバイガス通
路) 18 シリンダヘッドカバー 20 遮音カバー 30 燃料噴射弁 33 ロッカーアーム 34 ロッカーシャフト 53 膨出部 57 溝部 59 オイル注入口 61,63 側壁部 62 側壁部(区画壁部) 64 底壁部材(底壁部) 64a 第1底壁部 64b 第2底壁部 65,66 ブローバイガス取入口 67,68 傾斜部 72 孔部 73 パイプ部材 x シリンダ中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 1/24 F02F 1/24 F Q R F02M 61/14 320 F02M 61/14 320G Fターム(参考) 3G015 AA05 AA07 BD05 BD06 BD23 BD25 BE07 BE13 BE15 BF04 3G016 AA07 AA12 AA19 BA03 BA06 BA22 BA24 BA27 BB10 CA04 CA05 CA25 CA36 CA37 CA42 CA44 CA45 CA52 EA12 FA27 GA04 3G024 AA13 AA72 BA24 BA29 DA02 DA09 DA18 EA05 EA07 FA05 HA13 3G066 AA07 AB02 AD12 BA22 BA67 CC34 CD04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドカバー内でシリンダ列方
    向に延びるカムシャフトがシリンダ中心線に対し一側に
    オフセットして配置され、 シリンダ中心線に対し前記カムシャフトと同じ側に、該
    カムシャフトにより揺動されるロッカーアームと、該ロ
    ッカーアームを支持するシリンダ列方向に延びるロッカ
    ーシャフトとが配置され、 各シリンダ毎に、シリンダ中心線に沿って上下方向に延
    びる燃料噴射弁が上端部を前記ロッカーシャフトよりも
    上方に位置せしめて配置されている直噴式ディーゼルエ
    ンジンにおいて、 前記燃料噴射弁の上端部はシリンダヘッドカバー内に収
    容されており、 前記カムシャフト及びロッカーシャフトの上方のシリン
    ダヘッドカバー内に、ブローバイガス中のエンジンオイ
    ルを分離するためのセパレータ室が区画形成されている
    ことを特徴とする直噴式ディーゼルエンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 セパレータ室の上方のシリンダヘッドカバーは、燃料噴
    射弁の上方のシリンダヘッドカバーよりも高い位置にあ
    ることを特徴とする直噴式ディーゼルエンジン。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 セパレータ室はシリンダ列方向に延び、 前記セパレータ室よりも燃料噴射弁側のシリンダヘッド
    カバー上面には、シリンダ列方向に延びる溝部が形成さ
    れており、 前記燃料噴射弁の上方位置を含むシリンダヘッドカバー
    上方を覆う遮音カバーが設けられ、 前記遮音カバーは、前記溝部でシリンダヘッドカバー上
    面に当接する当接部を一端側に有することを特徴とする
    直噴式ディーゼルエンジン。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 車両にシリンダ列方向が車両左右方向に一致しかつ遮音
    カバーの当接部が車両の後側に位置するように搭載され
    ており、 前記遮音カバーの上面は車両後側から車両前側に向かっ
    て徐々に低く傾斜していることを特徴とする直噴式ディ
    ーゼルエンジン。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 シリンダ列方向に4つのシリンダが配置されており、 シリンダヘッドカバーには、前記各シリンダ毎の4つの
    燃料噴射弁のうち、シリンダ列方向両端側で隣り合う各
    々2つずつの燃料噴射弁をシリンダ中心線方向から見て
    取り囲む範囲で上方に膨出させてなる2つの膨出部が形
    成され、 前記2つの膨出部の間のシリンダヘッドカバーには、シ
    リンダヘッドカバーをシリンダヘッドに締結するボルト
    が配設されていることを特徴とする直噴式ディーゼルエ
    ンジン。
  6. 【請求項6】 シリンダヘッドカバー内でシリンダ列方
    向に延びるカムシャフトがシリンダ中心線に対し一側に
    オフセットして配置され、 シリンダ中心線に対し前記カムシャフトと同じ側に、該
    カムシャフトにより揺動されるロッカーアームと、該ロ
    ッカーアームを支持するシリンダ列方向に延びるロッカ
    ーシャフトとが前記カムシャフトよりも上方に配置さ
    れ、 各シリンダ毎に、シリンダ中心線に沿って上下方向に延
    びる燃料噴射弁が上端部を前記ロッカーシャフトよりも
    上方に位置せしめて配置されている直噴式ディーゼルエ
    ンジンにおいて、 前記カムシャフト及びロッカーシャフトの上方のシリン
    ダヘッドカバー内には、シリンダヘッドカバーの内面か
    ら上下方向に延びる側壁部と、該側壁部の下側から略水
    平方向に広がる底壁部とにより、ブローバイガスからエ
    ンジンオイルを分離するためのセパレータ室が区画形成
    され、 前記セパレータ室の底壁部のカムシャフト側の部分はロ
    ッカーシャフト側よりも低くされていることを特徴とす
    る直噴式ディーゼルエンジン。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 セパレータ室はシリンダ列方向に延びるように設けら
    れ、 前記セパレータ室をカムシャフト側の第1室とロッカー
    シャフト側の第2室とに区画し、かつ前記第1室及び第
    2室を互いに連通する開口部を有する区画壁部が配設さ
    れ、 底壁部は前記第1室及び第2室の各底面にそれぞれ対応
    する第1及び第2底壁部からなり、前記第1底壁部が第
    2底壁部よりも低くされ、 前記第1室のシリンダ列方向両端部に位置する側壁部に
    は、ブローバイガス取入口が設けられていることを特徴
    とする直噴式ディーゼルエンジン。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 第1底壁部のシリンダ列方向両端側には、それぞれ両端
    側に向かって下側に傾斜する傾斜部が設けられているこ
    とを特徴とする直噴式ディーゼルエンジン。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、 第2室のシリンダ列方向中央部には、エンジンの吸気系
    にブローバイガスを排出するブローバイガス通路が接続
    されていることを特徴とする直噴式ディーゼルエンジ
    ン。
  10. 【請求項10】 請求項7において、 ブローバイガス通路はシリンダヘッドカバーの上面より
    も低い位置で第2室に接続されており、 第1室は前記ブローバイガス通路の壁部によりシリンダ
    列方向に2つの室に分けられていて、該2つの室が前記
    ブローバイガス通路よりも下側で互いに連通されている
    ことを特徴とする直噴式ディーゼルエンジン。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれか1つにおい
    て、 シリンダヘッドカバー上面のシリンダ列方向一端側にオ
    イル注入口が設けられており、 セパレータ室のシリンダ列方向一端部は、前記オイル注
    入口の近傍に位置していて、第1底壁部のみが前記オイ
    ル注入口の下方位置まで延びていることを特徴とする直
    噴式ディーゼルエンジン。
  12. 【請求項12】 請求項6において、 車両にシリンダ列方向が車両左右方向に一致するように
    搭載されていて、 カムシャフト、ロッカーシャフト及びセパレータ室はい
    ずれも燃料噴射弁よりも車両後側に位置し、 前記燃料噴射弁よりも車両後側のシリンダヘッドカバー
    は、車両前側のシリンダヘッドカバーに比べて高くされ
    ていることを特徴とする直噴式ディーゼルエンジン。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1つにおい
    て、 カムシャフトの下方のシリンダヘッドには、シリンダブ
    ロック内の通路を介してクランク室に連通される複数の
    孔部が貫通形成され、 前記孔部のうちの少なくとも1つにパイプ部材が嵌挿さ
    れ、 前記パイプ部材の上端部は、前記カムシャフトを迂回し
    てその軸心よりも上方に位置していることを特徴とする
    直噴式ディーゼルエンジン。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 パイプ部材は樹脂製で、かつシリンダヘッドのシリンダ
    列方向略中央位置の孔部に嵌挿されていることを特徴と
    する直噴式ディーゼルエンジン。
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