JP2000008838A - 内燃機関におけるhc吸着剤の劣化診断装置および劣化診断方法 - Google Patents

内燃機関におけるhc吸着剤の劣化診断装置および劣化診断方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HC吸着剤の劣化診断を上下の空燃比センサ
の検出空燃比差に基づいて行う場合に、HC吸着剤上流
の三元触媒装置の酸素ストレージ作用による精度低下を
回避する。 【解決手段】 HCの脱離条件となったら(ステップ5
1)、空燃比をリーンとし(ステップ54)、三元触媒
装置の酸素ストレージ能力を強制的に飽和させる。予め
触媒の酸素ストレージ能力aを推定しておき、逐次推定
する実酸素ストレージ量O2Sが酸素ストレージ能力a
に達したら、上下の空燃比FA/F,RA/Fに基づい
て総脱離量σHCを逐次積算する(ステップ59)。脱
離終了後に、空燃比を理論空燃比に戻し(ステップ5
2)、総脱離量σHCの大小から劣化を判定する(ステ
ップ61〜63)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、排気浄化のため
に排気中のHCを一時的に吸着するHC吸着剤を備えた
内燃機関において、HC吸着剤の劣化を診断する装置お
よび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気の浄化には、一般に三元
触媒装置が用いられているが、機関の冷間始動直後など
排気温度が低いときには、触媒が活性していないため、
HCを浄化することができない。そのため、ゼオライト
等からなるHC吸着剤を排気通路に介装し、低温時のH
Cを吸着するようにした排気浄化装置が従来から知られ
ている。
【0003】そして、このHC吸着剤の劣化状態を診断
する診断装置を、本出願人は先に提案している(特開平
8−121232号公報)。これは、HC吸着剤が、低
温時にはHCを吸着し、かつ所定の脱離温度以上の高温
となると、吸着していたHCが脱離する、という特徴を
利用したものであって、HC吸着剤の上流側および下流
側の双方に空燃比センサ等の空燃比検出手段を配置し、
HCの脱離時に両者の検出空燃比の差を吸入空気量につ
いて積分することにより脱離したHCの総量を推定し、
その大小から劣化度合を判定するようにしたものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、HC
吸着剤は、多くの場合、三元触媒装置と併用されるもの
であり、例えばHC吸着剤の上流側に三元触媒装置が配
置される。そして、空燃比フィードバック制御のために
は、空燃比センサを三元触媒装置の上流側に配置する必
要があるので、上記のHC吸着剤の診断のために2つの
空燃比センサを設けるとすると、上流側空燃比センサと
下流側空燃比センサとの間に、三元触媒装置とHC吸着
剤の双方が配置されることになる。
【0005】このような場合、三元触媒装置には、酸素
ストレージ作用があり、排気中の酸素が吸収され、ある
いは逆に排気中に酸素が放出されることにより、三元触
媒装置の前後で空燃比差が生じるので、HCの脱離に伴
うHC吸着剤前後の空燃比差に対する検出精度が低下し
てしまう。
【0006】なお、三元触媒装置とHC吸着剤との間に
さらに空燃比センサを配置するとすると、合計3カ所に
空燃比センサを設ける必要が生じ、好ましくない。
【0007】この発明は、三元触媒装置およびHC吸着
剤の前後の2カ所に空燃比検出手段を設けたものにおい
て、さらに診断の精度を高めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に係る内燃機関におけるHC吸着剤の劣
化診断装置は、内燃機関の排気系に介装され、低温時の
吸着作用と高温時の脱離作用とを有するHC吸着剤と、
このHC吸着剤の上流側に配置された三元触媒装置と、
この三元触媒装置の上流側に設けられた上流側空燃比検
出手段および上記HC吸着剤の下流側に設けられた下流
側空燃比検出手段と、上記HC吸着剤の脱離時に、上流
側空燃比検出手段における検出空燃比と下流側空燃比検
出手段における検出空燃比とに基づいて推定される脱離
HC量からHC吸着剤の劣化を診断する劣化診断手段
と、を備えてなるHC吸着剤の劣化診断装置において、
診断時に、上記三元触媒装置の酸素ストレージ能力を飽
和状態とする酸素供給手段を備えていることを特徴とし
ている。
【0009】また、請求項8に係る内燃機関におけるH
C吸着剤の劣化診断方法は、内燃機関の排気系に介装さ
れ、低温時に吸着作用を、高温時に脱離作用をそれぞれ
行うHC吸着剤と、このHC吸着剤の上流側に配置され
た三元触媒装置と、この三元触媒装置の上流側に設けら
れた上流側空燃比検出手段および上記HC吸着剤の下流
側に設けられた下流側空燃比検出手段と、を備え、上記
HC吸着剤の脱離時に、上流側空燃比検出手段における
検出空燃比と上記下流側空燃比検出手段における検出空
燃比とに基づいて脱離HC量を推定し、この脱離HC量
からHC吸着剤の劣化を診断するHC吸着剤の劣化診断
方法において、上記三元触媒装置に過剰な酸素を付与し
て酸素ストレージ能力を強制的に飽和状態とした後に、
両空燃比検出手段における検出空燃比に基づく劣化診断
を行うことを特徴としている。
【0010】このように三元触媒装置に十分な酸素を与
えて酸素ストレージ能力が飽和した状態としておけば、
理論空燃比もしくはリーン空燃比の下でHCの脱離が行
われるときに、酸素ストレージ作用による三元触媒装置
前後の空燃比変化がなく、上流側空燃比検出手段と下流
側空燃比検出手段とで検出される空燃比の差は、HC吸
着剤からの脱離HCのみによるものとなる。従って、上
流側空燃比検出手段が三元触媒装置の上流側にあって
も、脱離HC量ひいてはHC吸着剤の劣化状態を精度よ
く検出できる。
【0011】上記の酸素の供給は、例えば、請求項2の
ように、空燃比を一時的にリーン化する空燃比制御手段
によって達成することができる。このほか、排気系に2
次空気を供給する2次空気供給装置によっても実現でき
る。また、この酸素の供給は、例えば、酸素ストレージ
能力が飽和するのに十分な一定時間もしくは一定期間、
あるいは一定量行うようにしてもよく、あるいは、後述
のように、そのときの三元触媒装置の酸素ストレージ量
を逐次検出し、これが飽和するまで行うようにしてもよ
い。
【0012】また請求項2の発明をさらに具体化した請
求項3の発明では、上記空燃比制御手段は、上記劣化診
断手段による診断の終了まで空燃比をリーンに保持する
ようになっている。
【0013】このようにリーンに保った状態でHCの脱
離を行い、HC吸着剤の劣化診断を行うようにすれば、
酸素ストレージ作用による診断精度の低下が一層確実に
回避されるとともに、脱離したHCが良好に浄化され
る。
【0014】また請求項2の発明を具体化した請求項4
の発明では、上記空燃比制御手段は、三元触媒装置の酸
素ストレージ能力が飽和状態となるまで空燃比をリーン
化し、上記劣化診断手段による診断開始とともに理論空
燃比に戻すようになっている。
【0015】このように酸素ストレージ能力を飽和させ
た後、理論空燃比の下でHCの脱離を行い、HC吸着剤
の劣化診断を行うようにすれば、リーン状態を継続する
ことによるNOxの増加が回避される。
【0016】また、請求項5の発明は、上記上流側空燃
比検出手段により検出された空燃比と吸入空気量とに基
づいて三元触媒装置における実際の酸素ストレージ量を
逐次推定する実酸素ストレージ量推定手段を備えてお
り、この推定した実酸素ストレージ量に基づいて酸素ス
トレージ能力の飽和を判定するようになっている。
【0017】すなわち、リーン状態の排気が三元触媒装
置に流入すれば、三元触媒装置の酸素ストレージ量は増
加し、逆に、リッチ状態の排気が流入すれば、酸素スト
レージ量は減少する。従って、上流側の空燃比と排気量
つまり吸入空気量とによって実酸素ストレージ量を逐次
推定することが可能である。そして、この実酸素ストレ
ージ量が所定の酸素ストレージ能力に達しているか否か
によって飽和状態を判定することができる。
【0018】ここで、飽和しているか否かの判定基準と
なる三元触媒装置の酸素ストレージ能力は、固定値とし
て取り扱ってもよいが、実際には、触媒の劣化に伴って
酸素ストレージ能力が低下してくるので、これを考慮す
ることが望ましい。触媒の劣化は、例えば、運転時間や
その運転条件(負荷、回転数)等の運転履歴によって推
定することができるが、請求項6のようにして検出する
ことも可能である。
【0019】すなわち、請求項6の発明は、上記三元触
媒装置が活性状態にある通常の運転中に、上記上流側空
燃比検出手段の検出信号の変化と下流側空燃比検出手段
の検出信号の変化との関係から三元触媒装置の酸素スト
レージ能力を推定する酸素ストレージ能力推定手段を備
えていることを特徴としている。
【0020】内燃機関の空燃比が例えば空燃比フィード
バック制御によって周期的に変動する場合、上流側空燃
比検出手段の検出信号は、これに応じて周期的に変化す
るが、三元触媒装置の下流側では、酸素ストレージ作用
によって空燃比変化が非常に緩慢なものとなる。しか
し、触媒が劣化し、酸素ストレージ能力が低くなると、
三元触媒装置の下流側の空燃比変化が、上流側での空燃
比変化に近似したものとなってくる。従って、両者の関
係から、実際の酸素ストレージ能力を推定することが可
能である。特に、この方法では、HC吸着剤の劣化診断
のための上流側空燃比検出手段および下流側空燃比検出
手段をそのまま利用して酸素ストレージ能力の推定が行
える。
【0021】一方、請求項7の内燃機関におけるHC吸
着剤の劣化診断装置は、内燃機関の排気系に介装され、
低温時の吸着作用と高温時の脱離作用とを有するHC吸
着剤と、このHC吸着剤の上流側および下流側にそれぞ
れ設けられた空燃比検出手段と、 上記HC吸着剤の脱
離時に、上記上流側空燃比検出手段により検出された空
燃比と吸入空気量とに基づいて三元触媒装置における実
際の酸素ストレージ量を逐次推定する実酸素ストレージ
量推定手段と、この推定した実酸素ストレージ量が0も
しくは酸素ストレージ能力飽和状態に達しているときは
上流側空燃比検出手段による検出空燃比を、実酸素スト
レージ量が酸素ストレージ能力の範囲内であるときは理
論空燃比を、HC吸着剤入口側の空燃比であるとして出
力する吸着剤入口側空燃比推定手段と、この推定した吸
着剤入口側空燃比と上記下流側空燃比検出手段における
検出空燃比とに基づいて脱離HC量を推定し、該脱離H
C量からHC吸着剤の劣化を診断する劣化診断手段と、
を備えて構成されている。
【0022】この発明は、三元触媒装置の酸素ストレー
ジ能力を強制的に飽和させることなく、HC吸着剤入口
側つまり三元触媒装置とHC吸着剤との間における空燃
比を推定することで、HC吸着剤からの脱離HC量の検
出精度を高めるようにしたものである。
【0023】図1は、酸素ストレージ作用による三元触
媒装置上流側および下流側の空燃比の関係を示したもの
である。同図において、(A)は三元触媒装置上流側の
空燃比(通常は内燃機関自体の空燃比に相当する)を、
(B)は三元触媒装置下流側の空燃比を、(C)は三元
触媒装置の実酸素ストレージ量を、それぞれ示してい
る。この図に示すように、上流側の空燃比がリーンとな
ると、実酸素ストレージ量が増加していくが、この実酸
素ストレージ量が酸素ストレージ能力の飽和レベルに達
するまでは、三元触媒装置で酸素が吸収される結果、下
流側の空燃比は、リーンとはならず、理論空燃比に保た
れる。そして、酸素ストレージ能力が飽和すると、下流
側の空燃比も上流側空燃比と同じくリーンとなる。特
に、酸素ストレージ能力が飽和している間は、下流側空
燃比は上流側空燃比と同一となる。
【0024】また、上流側の空燃比がリッチとなった場
合でも、実酸素ストレージ量が0となるまでは、三元触
媒装置から酸素が放出される結果、下流側の空燃比は、
リッチとはならず、理論空燃比に保たれる。そして、実
酸素ストレージ量が0となると直ちに下流側空燃比もリ
ッチとなる。実酸素ストレージ量が0である限りは、下
流側空燃比は上流側空燃比と同一の値となる。
【0025】要するに、実酸素ストレージ量が酸素スト
レージ能力の範囲内で増減変化している状況では、三元
触媒装置下流側の空燃比は、上流側の空燃比に拘わらず
理論空燃比であり、実酸素ストレージ量が0あるいは飽
和状態では、上流側の空燃比の変化がそのまま下流側の
空燃比に現れることになる。
【0026】本発明では、上述した請求項5と同様の実
酸素ストレージ量推定手段によって実酸素ストレージ量
が逐次推定される。そして、この実酸素ストレージ量と
所定の酸素ストレージ能力との関係から、吸着剤入口側
空燃比推定手段によって、HC吸着剤の入口側の空燃比
が推定される。従って、三元触媒装置の酸素ストレージ
作用の影響を排除した形で脱離HC量の検出を行うこと
ができ、HC吸着剤の劣化診断の精度が高くなる。
【0027】
【発明の効果】請求項1〜6もしくは請求項8に係るH
C吸着剤の劣化診断装置もしくは診断方法によれば、三
元触媒装置の酸素ストレージ能力を飽和させた状態でH
C脱離量に基づく劣化診断が行われるので、HC吸着剤
の上流側に三元触媒装置が配置された内燃機関の排気系
においても、酸素ストレージ作用の影響を排除でき、三
元触媒装置上流側とHC吸着剤下流側との2カ所の空燃
比の検出に基づいて一層精度よく劣化診断を行うことが
できる。
【0028】また請求項5の発明によれば、実酸素スト
レージ量を逐次推定するので、酸素ストレージ能力が飽
和するまでの酸素の供給、例えばリーン化する期間を、
過不足のない一層適切なものとすることができ、確実に
飽和させた状態で診断を行うことができる。
【0029】さらに請求項6の発明によれば、触媒の劣
化に伴って減少する酸素ストレージ能力を、上流側空燃
比検出手段と下流側空燃比検出手段とを利用して検出す
るので、飽和状態を一層確実に判定できる。
【0030】また請求項7の発明によれば、酸素ストレ
ージ能力を強制的に飽和させるための手段が不要であ
り、例えば、空燃比のリーン化に伴う不具合を生じるこ
とがなく、また特別なセンサ等の付加を必要とせずに、
診断の精度を高めることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】図2は、この発明に係る内燃機関1の排気
系の構成を示しており、排気通路2の比較的上流位置、
例えば排気マニホルドの出口部に、三元触媒装置3が介
装されているとともに、この三元触媒装置3よりも下流
側に、HC吸着剤4が介装されている。このHC吸着剤
4は、例えばゼオライト等の吸着剤成分を貴金属等の触
媒成分とともにセラミックス等の担体にコーティングし
て担持させたものであり、所定の脱離温度(例えば20
0℃)よりも低い低温時には、排気中のHCを吸着する
吸着作用を有し、また脱離温度以上の高温時には、逆
に、吸着していたHCを脱離する脱離作用を有してい
る。なお、HC吸着剤4としては、触媒成分を含まない
構成のものであってもよい。また、HC吸着剤4のさら
に下流側に第2の三元触媒装置を設けることも可能であ
る。
【0033】上記三元触媒装置3の上流側には、上流側
空燃比検出手段として、上流側空燃比センサ5が配置さ
れており、上記HC吸着剤4の下流側には、下流側空燃
比検出手段として、下流側空燃比センサ6が配置されて
いる。これらの空燃比センサ5,6は、例えば、空燃比
の値を連続的に検出し得る酸素ポンプ型のものが用いら
れており、後述するように、上流側空燃比センサ5が検
出した空燃比に基づいて空燃比フィードバック制御が行
われる。そして、下流側空燃比センサ6の検出信号は、
この上流側空燃比センサ5を用いた空燃比制御の精度を
高めるために、制御系の片寄りを学習補正する際に用い
られるほか、後述するように、三元触媒装置3の劣化つ
まり酸素ストレージ能力の推定や、HC吸着剤4の劣化
診断に用いられる。なお、上流側空燃比センサ5に代え
て、空燃比がリーンであるかリッチであるかを検出する
2センサを用いることもできる。
【0034】上記の両空燃比センサ5,6の検出信号
は、エンジンコントロールユニット7に入力されてい
る。また、機関の運転条件を検出するために、エアフロ
メータ8、クランク角センサ9、水温センサ10等の種
々のセンサ類が設けられており、それぞれの検出信号
は、同様にエンジンコントロールユニット7に入力され
ている。
【0035】そして、内燃機関1の吸気通路11には、
各気筒の吸気弁へ向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁
12が設けられており、エンジンコントロールユニット
7は、この燃料噴射弁12による燃料噴射量や噴射時期
あるいは図示せぬ点火プラグによる点火時期等を総合的
に制御している。
【0036】この内燃機関1の排気浄化は、基本的には
三元触媒装置3によって行われるものであり、空燃比が
フィードバック制御によって基本的に理論空燃比に保持
され、かつ三元触媒装置3の触媒作用によって酸化およ
び還元がなされる。そして、この三元触媒装置3は、触
媒活性温度に達していないと触媒作用を発揮できない
が、冷間始動直後のような低温時に内燃機関1から排出
されるHCは、HC吸着剤4に吸着され、除去される。
この一旦吸着されたHCは、HC吸着剤4が高温とな
り、所定の脱離温度に達した段階で再び脱離する。
【0037】ここで、上記HC吸着剤4が劣化してくる
と、冷間時に吸着されるHC量が減少するが、この吸着
されたHC量は、基本的に、その後脱離するHC量に等
しいので、脱離HC量を空燃比変化から推定することに
よって、劣化の程度を診断することができるのである。
【0038】次に、図3以降のフローチャートに基づい
て、具体的なHC吸着剤4の劣化診断について説明す
る。
【0039】まず図3および図4は、基本的な燃料噴射
量の制御に関連する部分のフローチャートであって、こ
れらのルーチンは、時間同期もしくはクランク角同期で
繰り返し実行される。図3は、フィードバック補正係数
αを決定するルーチンであって、ステップ1で所定のフ
ィードバック制御条件であるか否かが機関運転条件や冷
却水温等に基づいて判別され、例えば低水温時等、フィ
ードバック制御条件でない場合には、ステップ3へ進ん
で、補正係数αを1に固定し、またフィードバック制御
条件である場合には、ステップ2へ進んで、補正係数α
の演算を行う。この実施例では、上流側空燃比センサ5
によって検出された実空燃比と設定空燃比(目標空燃
比)との偏差を設定空燃比で除して、微小な補正量を求
め、これを前回の補正係数α(αold)に加算して新
たな補正係数α(αnew)としている。これにより偏
差に応じたフィードバック補正が加えられることにな
る。なお、図中、「空燃比」をいずれも「A/F」と略
記してある。
【0040】図4は燃料噴射量の演算のルーチンであ
り、ステップ11でエアフロメータ8の出力信号をA/
D変換するとともに、リニアライズして、吸入空気量Q
aを求める。次に、ステップ12で基本燃料噴射量Tp
を、この吸入空気量Qaと機関回転数Nとを用いて、T
p=Qa×K/Nとして求める。なお、Kは、定数であ
る。そして、ステップ13で、燃料噴射弁12に与える
実際の噴射パルス幅Tiを、Ti=Tp×COEF×α
+Tsとして求める。ここで、COEFは、水温等に基
づく各種増量補正係数、Tsは、バッテリ電圧に対する
電圧補正分である。
【0041】次に図5は、三元触媒装置3の劣化を考慮
した最大酸素ストレージ量つまり酸素ストレージ能力a
を求めるルーチンである。このルーチンは、内燃機関1
の暖機が完了した後の定常運転条件の下で実行されるも
のであり、1回の運転について1回行うだけでもよく、
あるいは繰り返し実行するようにしてもよい。
【0042】ステップ21では、上流側空燃比センサ5
の検出空燃比がリッチ,リーンに所定回数(M回)反転
する間における下流側空燃比センサ6の検出空燃比のリ
ッチ,リーンの反転回数Lをカウントする。そして、ス
テップ22で、図12に示すような特性の所定のテーブ
ルに基づき、反転回数Lに対応する酸素ストレージ能力
aを求める。つまり、三元触媒装置3の触媒が劣化して
いなければ、上流側で空燃比が変化しても、下流側では
非常に緩慢に変化するため、反転回数Lは少ない。これ
に対し、三元触媒装置3の触媒が劣化していると、下流
側でも上流側と同様の空燃比変化が現れるようになるの
で、反転回数Lは上流側の反転回数Mに近づく。このよ
うな特性を利用して、三元触媒装置3の実際の酸素スト
レージ能力aを求めることができる。
【0043】この方法では、両空燃比センサ5,6を利
用して実際の酸素ストレージ能力aを検出できるので、
非常に簡単に実現できる。なお、上流側の空燃比のリッ
チ,リーンの反転は、上記の空燃比フィードバック制御
による変化をそのまま利用してもよく、あるいは特定の
運転条件のときに、一定期間強制的に空燃比を変化させ
るようにしてもよい。
【0044】このようにして求めた酸素ストレージ能力
aの値は、後述するように、次回の始動後のHC吸着剤
4の診断の際に用いられる。
【0045】なお、内燃機関1の運転履歴、総運転時間
等によっても三元触媒装置3の劣化の程度はある程度推
定できるので、これらに基づいて、酸素ストレージ能力
aを定めることもできる。
【0046】次に図6は、三元触媒装置3の実酸素スト
レージ量O2Sを演算するルーチンを示すフローチャー
トである。このルーチンは、時間に同期して繰り返し実
行される。
【0047】すなわち、三元触媒装置3に流入する排気
中の酸素の過不足をステップ31において繰り返し加減
算することにより、そのときの実酸素ストレージ量O2
Sを推定している。具体的には、ステップ31では、上
流側空燃比センサ5により検出された実空燃比と理論空
燃比との差に、そのときの吸入空気量Qaおよび所定の
定数kを乗じ、これを前回の実酸素ストレージ量(O2
Sold)に加算して、新たな実酸素ストレージ量(O
2Snew)を求めている。つまり、実空燃比のリーン
の状態が続けば、実酸素ストレージ量O2Sは徐々に増
加し、逆にリッチの状態が続けば、実酸素ストレージ量
O2Sは徐々に減少する。
【0048】そして、ステップ32では、算出した値
を、実酸素ストレージ量O2Sの上限となる酸素ストレ
ージ能力aと比較しており、算出した値がこれ以上であ
った場合には、ステップ33で、実酸素ストレージ量O
2Sとして上限値aを設定する。同様に、算出した値が
負の値であった場合には、実酸素ストレージ量O2Sと
して0を設定するようにしている(ステップ34,3
5)。なお、HC吸着剤4の診断を行う始動直後の段階
では、図5のフローチャートによる酸素ストレージ能力
の推定を十分に行えない可能性があるので、酸素ストレ
ージ能力aの値としては、上述したように、前回の運転
の際に求めておいた値を用いるとよい。
【0049】次に図7は、HC吸着剤4からHCが脱離
する条件(脱離条件)であるか否かを判定するルーチン
である。このルーチンは、やはり時間に同期して繰り返
し実行される。HCの脱離は、主にHC吸着剤4の温度
に依存するので、この実施例では、排気温度ならびこの
排気温度によるHC吸着剤4の温度上昇を推定し、この
HC吸着剤4の温度が一定範囲にあるときに脱離条件で
あると判定している。具体的には、ステップ41で、機
関回転数Nと負荷に相当する基本燃料噴射量Tpとか
ら、演算もしくは所定のテーブルを用いて排気温度T1
を推定する。そして、ステップ42では、この排気温度
T1を、重み係数G,Hを用いた加重平均処理し、吸着
剤温度Tを求めている。つまり、前回の吸着剤温度をT
old、新たな吸着剤温度をTnewとすると、Tne
w=(Told×G+T1×H)/(G+H)として逐
次演算される。なお、始動時における吸着剤温度T(T
old)の初期値として、例えば冷却水温に応じて与え
ることもでき、あるいは固定値を用いることもできる。
【0050】またHC吸着剤4に、該HC吸着剤4の温
度Tを直接検出する温度センサを設け、その検出温度に
基づいて脱離条件の判定を行うようにしてもよい。
【0051】ステップ43では、この推定した吸着剤温
度Tを下限値(脱離開始温度に相当する)Iならびに上
限値(脱離が完了していると思われる温度に相当する)
Jと比較し、I≦T≦Jであれば、脱離条件であると判
定し(ステップ44)、それ以外であれば脱離条件では
ない(つまり未脱離もしくは脱離完了状態)と判定(ス
テップ45)する。なお、この脱離条件であるか否かの
判定の結果は、図示せぬフラグによって示される。
【0052】次に図8は、診断処理の要部を示すフロー
チャートであり、このルーチンは、やはり時間に同期し
て繰り返し実行される。なお、フラグF1は、診断中で
あるか否かを示す診断フラグであり、始動の度に0にリ
セットされるものである。
【0053】まず、ステップ51では、上述した図7の
ルーチンの判定結果を示すフラグに基づいて、HCの脱
離条件であるか否かを判定する。HC吸着剤4の温度が
低い間(つまりHCの吸着が行われている間)は、ここ
でNOとなるので、ステップ52側へ進む。ステップ5
2では、設定空燃比として、理論空燃比を設定する。な
お、この設定空燃比の値は、前述したように図3のステ
ップ2に反映し、この設定空燃比を目標値として燃料噴
射量Tiがフィードバック制御される。そして、ステッ
プ53では診断フラグF1が判定されるが、初期値は0
であるので、NOとなり、そのまま一連のルーチンが終
了する。
【0054】その後、HC吸着剤4の温度が上昇し、ス
テップ51で脱離条件であると判定されると、ステップ
51からステップ54へ進み、設定空燃比として、リー
ン側の適宜な値Cが与えられる。この設定空燃比Cの値
は、固定値であってもよく、あるいは、機関運転条件に
応じて多少異なる値であってもよい。このように設定空
燃比をリーン側にすることで、やはり図3および図4の
ルーチンにより、実際の空燃比も空燃比Cを目標値とし
てリーンとなる。そして、このように空燃比をリーンと
した状態において、図6のルーチンで逐次演算される実
酸素ストレージ量O2Sが飽和状態に達しているか否
か、つまりO2S=aであるか否かをステップ55にお
いて判定する。脱離条件となった直後の初回は、ステッ
プ55はNOであるが、ステップ51,ステップ54,
ステップ55の処理が繰り返されると、やがて実酸素ス
トレージ量O2Sが飽和状態に達する。
【0055】ステップ55でYESとなると、ステップ
56へ進み、診断フラグF1の判定を行う。診断フラグ
F1が0である初回は、ステップ56からステップ57
へ進み、フラグF1を1にセットするとともに、ステッ
プ58へ進み、HCの総脱離量σHCの値を0に初期化
する。そして、ステップ59へ進み、総脱離量σHCの
積算を行う。なお、次回以降は、ステップ56からステ
ップ59へ進むようになる。
【0056】ステップ59では、上流側空燃比センサ5
が検出した上流側空燃比(FA/F)と下流側空燃比セ
ンサ6が検出した下流側空燃比(RA/F)との差(R
A/F−FA/F)、ならびに吸入空気量Qaに基づい
て、総脱離量σHCを逐次求めている。具体的には、前
回の値をσHCold、新たな値をσHCnewとする
と、σHCnew=σHCold−Qa×(RA/F−
FA/F)として、総脱離量σHCを演算している。つ
まり、空燃比差は脱離したHCの濃度に関連し、これに
ガス流量つまり吸入空気量を乗じることによって、脱離
したHCの量を推定することができるのである。このス
テップ59による積算は、脱離が完了するまで、つまり
ステップ51で脱離条件が終了したと判定されるまで継
続される。
【0057】脱離が完了してステップ51で脱離条件外
となると、ステップ52へ進むが、このときには診断フ
ラグF1が1であるので、ステップ61へ進み、脱離中
に積算した総脱離量σHCが判定基準値e以上であるか
否かを判定する。この判定基準値e以上であれば、十分
に多量のHCを吸着し得ることを意味するので、ステッ
プ62へ進み、HC吸着剤4が正常つまり非劣化状態で
あると判定する。また判定基準値e未満の場合は、HC
の吸着能力が低下していることを意味し、ステップ63
へ進んで、HC吸着剤4が劣化状態であると判定する。
そして、この判定後に、ステップ64で診断フラグF1
を0にリセットして一連の診断処理が終了する。
【0058】このように、本実施例では、リーン状態を
継続したまま空燃比差に基づく診断を行うので、三元触
媒装置3は、確実に酸素飽和状態に保持され、酸素スト
レージ作用による精度低下がない。また、HCの脱離
中、排気系内がリーンであることから、脱離したHCが
良好に酸化処理され、最終的に外部へ排出されるHCが
非常に少なくなる。
【0059】なお、この実施例では、脱離条件となって
から空燃比をリーンとし、酸素ストレージ能力が飽和す
るのを待って脱離HC量の積算を開始するようになって
いるが、空燃比をリーンとし始めてから飽和するまでの
期間は、極めて短時間(例えば1〜2秒程度)であるの
で、この遅れが問題となることはない。また、この期間
を予め考慮して脱離条件の下限温度(ステップ43参
照)を設定することも可能である。
【0060】次に、図9は、この発明の第2実施例を示
すフローチャートである。このルーチンは、図8と同じ
く診断処理の要部を示すものであり、図8のルーチンに
代えて、他の図3〜図7のルーチンと組み合わされるよ
うになっている。この図9のフローチャートは、図8の
フローチャートとステップ71〜73の部分を除き、基
本的に同一であるので、重複する説明は省略する。図8
のステップと同一の番号のステップは、基本的に同一の
処理を行っている。
【0061】この第2実施例では、ステップ51で脱離
条件であると判定された場合に、ステップ71におい
て、実酸素ストレージ量O2Sが飽和状態に達したか否
かを判定し、飽和状態に達するまでの間、ステップ72
へ進んで、設定空燃比を、リーン側の所定値Dに設定す
るようにしている。なお、この設定空燃比Dの値は、や
はり固定値であってもよく、あるいは、機関運転条件に
応じて多少異なる値であってもよい。そして、実酸素ス
トレージ量O2Sが飽和状態に達したら、ステップ71
からステップ73へ進み、設定空燃比を理論空燃比に戻
し、この理論空燃比の下で、ステップ56〜ステップ5
9による総脱離量σHCの積算ならびにステップ61〜
63による診断を行うようになっている。
【0062】このように理論空燃比に戻した状態で空燃
比差による診断を行うようにしても、三元触媒装置3の
酸素ストレージ能力は予め飽和しているから、三元触媒
装置3による空燃比変化は発生しない。従って、十分に
高い診断精度を得ることができる。そして、この実施例
では、診断のために強制的にリーンとする期間が最小限
のものとなるので、リーン化に伴うNOxの発生を抑制
できる利点がある。
【0063】次に、図10および図11は、強制的なリ
ーン化を行わずに診断精度の向上を図った第3実施例を
示すフローチャートである。なお、これらのルーチン
は、やはり前述した図3〜図7のルーチンと組み合わさ
れるようになっている。
【0064】図10のルーチンは、図1を用いて既に説
明したように、HC吸着剤4の入口側空燃比(IA/
F)を推定するためのものであり、時間に同期して繰り
返し実行される。ステップ81では、図6の処理により
逐次求められる実酸素ストレージ量O2Sが、0<O2
<aの範囲内であるか否かを判定している。つまり、実
酸素ストレージ量O2Sが0でないか、あるいは飽和し
ていないか、を判定している。0<O2<aの範囲にあ
れば、酸素ストレージ作用によって三元触媒装置3出口
側の空燃比は理論空燃比となるので、ステップ82にお
いて、入口側空燃比(IA/F)として理論空燃比を代
入する。また、実酸素ストレージ量O2Sが0あるいは
飽和状態にあれば、ステップ83において、入口側空燃
比(IA/F)として、上流側空燃比センサ5により検
出されたそのときの実空燃比を代入する。
【0065】図11は、このようにして推定した入口側
空燃比(IA/F)を用いる診断の要部を示すルーチン
である。これは、図8および図9のルーチンに類似した
ものとなっており、やはり、時間に同期して繰り返し実
行される。なお、フラグF1は、前述した各実施例と同
じく診断中であるか否かを示す診断フラグであり、始動
の度に0にリセットされる。
【0066】まず、ステップ91では、前述したステッ
プ51と同様に、図7のルーチンの判定結果を示すフラ
グに基づいて、HCの脱離条件であるか否かを判定す
る。HC吸着剤4の温度が低い間(つまりHCの吸着が
行われている間)は、ここでNOとなるので、ステップ
92側へ進む。ステップ92では、診断フラグF1を判
定するが、初期値は0であるので、NOとなり、そのま
ま一連のルーチンが終了する。
【0067】その後、HC吸着剤4の温度が上昇し、ス
テップ91で脱離条件であると判定されると、ステップ
91からステップ93へ進み、診断フラグF1の判定を
行う。診断フラグF1が0である初回は、ステップ93
からステップ94およびステップ95へ進み、フラグF
1を1にセットするとともに、HCの総脱離量σHCの
値を0に初期化する。そして、ステップ96へ進み、総
脱離量σHCの積算を行う。なお、次回以降は、ステッ
プ93からステップ96へ進むようになる。
【0068】このステップ96における総脱離量σHC
の演算は、基本的には、前述した各実施例のステップ5
9と同様であるが、この実施例では、特に、図10のル
ーチンによって推定した入口側空燃比(IA/F)をH
C吸着剤4上流の空燃比として演算を行う。具体的に
は、前回の値をσHCold、新たな値をσHCne
w、吸入空気量をQaとすると、σHCnew=σHC
old−Qa×(RA/F−IA/F)として、総脱離
量σHCを演算している。このステップ96による積算
は、脱離が完了するまで、つまりステップ91で脱離条
件が終了したと判定されるまで継続される。
【0069】脱離が完了してステップ91で脱離条件外
となると、ステップ92へ進むが、このときには診断フ
ラグF1が1であるので、ステップ97へ進み、脱離中
に積算した総脱離量σHCが判定基準値e以上であるか
否かを判定する。この判定基準値e以上であれば、十分
に多量のHCを吸着し得ることを意味するので、ステッ
プ98へ進み、HC吸着剤4が正常つまり非劣化状態で
あると判定する。また判定基準値e未満の場合は、HC
の吸着能力が低下していることを意味し、ステップ99
へ進んで、HC吸着剤4が劣化状態であると判定する。
そして、この判定後に、ステップ100で診断フラグF
1を0にリセットして一連の診断処理が終了する。
【0070】このように、この実施例では、特に空燃比
をリーン化させることなく三元触媒装置3による酸素ス
トレージ作用を考慮してHC吸着剤4前後の空燃比差を
求め、該HC吸着剤4の劣化診断を行っているので、一
時的な空燃比のリーン化に伴うNOxの増加等の不具合
を全く招来せずに、診断の精度を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】三元触媒装置の実酸素ストレージ量と上流側お
よび下流側の空燃比との関係を示す特性図。
【図2】この発明に係る内燃機関の構成説明図。
【図3】フィードバック補正係数αの演算ルーチンを示
すフローチャート。
【図4】燃料噴射量の演算ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図5】酸素ストレージ能力を推定するルーチンを示す
フローチャート。
【図6】実酸素ストレージ量を推定するルーチンを示す
フローチャート。
【図7】脱離条件の判定ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図8】第1実施例の劣化診断ルーチンを示すフローチ
ャート。
【図9】第2実施例の劣化診断ルーチンを示すフローチ
ャート。
【図10】第3実施例における入口側空燃比の推定ルー
チンを示すフローチャート。
【図11】第3実施例の劣化診断ルーチンを示すフロー
チャート。
【図12】下流側の反転回数と酸素ストレージ能力との
関係を示す特性図。
【符号の説明】
3…三元触媒装置 4…HC吸着剤 5…上流側空燃比センサ 6…下流側空燃比センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 314 F02D 45/00 314Z (72)発明者 西沢 公良 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA13 BA24 EB08 EB12 EB17 EC03 FA20 FA26 FA27 FA29 FA33 3G091 AB03 AB10 BA33 CB02 DA01 DA08 DA10 DB02 DB07 DB08 DB09 DB10 DB13 DC01 DC02 DC06 EA00 EA01 EA05 EA08 EA17 EA18 EA34 EA36 FB11 FC01 FC04 GB05W GB09Y GB17X HA03 HA12 HA19 HA36 HA37

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に介装され、低温時の
    吸着作用と高温時の脱離作用とを有するHC吸着剤と、
    このHC吸着剤の上流側に配置された三元触媒装置と、
    この三元触媒装置の上流側に設けられた上流側空燃比検
    出手段および上記HC吸着剤の下流側に設けられた下流
    側空燃比検出手段と、上記HC吸着剤の脱離時に、上流
    側空燃比検出手段における検出空燃比と上記下流側空燃
    比検出手段における検出空燃比とに基づいて推定される
    脱離HC量からHC吸着剤の劣化を診断する劣化診断手
    段と、を備えてなるHC吸着剤の劣化診断装置におい
    て、 診断時に、上記三元触媒装置の酸素ストレージ能力を飽
    和状態とする酸素供給手段を備えていることを特徴とす
    る内燃機関におけるHC吸着剤の劣化診断装置。
  2. 【請求項2】 上記酸素供給手段が、空燃比を一時的に
    リーン化する空燃比制御手段からなることを特徴とする
    請求項1記載の内燃機関におけるHC吸着剤の劣化診断
    装置。
  3. 【請求項3】 上記空燃比制御手段は、上記劣化診断手
    段による診断の終了まで空燃比をリーンに保持するもの
    であることを特徴とする請求項2記載の内燃機関におけ
    るHC吸着剤の劣化診断装置。
  4. 【請求項4】 上記空燃比制御手段は、三元触媒装置の
    酸素ストレージ能力が飽和状態となるまで空燃比をリー
    ン化し、上記劣化診断手段による診断開始とともに理論
    空燃比に戻すものであることを特徴とする請求項2記載
    の内燃機関におけるHC吸着剤の劣化診断装置。
  5. 【請求項5】 上記上流側空燃比検出手段により検出さ
    れた空燃比と吸入空気量とに基づいて三元触媒装置にお
    ける実際の酸素ストレージ量を逐次推定する実酸素スト
    レージ量推定手段を備えており、この推定した実酸素ス
    トレージ量に基づいて酸素ストレージ能力の飽和を判定
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    内燃機関におけるHC吸着剤の劣化診断装置。
  6. 【請求項6】 上記三元触媒装置が活性状態にある通常
    の運転中に、上記上流側空燃比検出手段の検出信号の変
    化と下流側空燃比検出手段の検出信号の変化との関係か
    ら三元触媒装置の酸素ストレージ能力を推定する酸素ス
    トレージ能力推定手段を備えていることを特徴とする請
    求項5記載の内燃機関におけるHC吸着剤の劣化診断装
    置。
  7. 【請求項7】 内燃機関の排気系に介装され、低温時の
    吸着作用と高温時の脱離作用とを有するHC吸着剤と、 このHC吸着剤の上流側に配置された三元触媒装置と、 この三元触媒装置の上流側に設けられた上流側空燃比検
    出手段および上記HC吸着剤の下流側に設けられた下流
    側空燃比検出手段と、 上記HC吸着剤の脱離時に、上記上流側空燃比検出手段
    により検出された空燃比と吸入空気量とに基づいて上記
    三元触媒装置における実際の酸素ストレージ量を逐次推
    定する実酸素ストレージ量推定手段と、 この推定した実酸素ストレージ量が0もしくは酸素スト
    レージ能力飽和状態に達しているときは上流側空燃比検
    出手段による検出空燃比を、実酸素ストレージ量が酸素
    ストレージ能力の範囲内であるときは理論空燃比を、H
    C吸着剤入口側の空燃比であるとして出力する吸着剤入
    口側空燃比推定手段と、 この推定した吸着剤入口側空燃比と上記下流側空燃比検
    出手段における検出空燃比とに基づいて脱離HC量を推
    定し、該脱離HC量からHC吸着剤の劣化を診断する劣
    化診断手段と、 を備えてなる内燃機関におけるHC吸着剤の劣化診断装
    置。
  8. 【請求項8】 内燃機関の排気系に介装され、低温時に
    吸着作用を、高温時に脱離作用をそれぞれ行うHC吸着
    剤と、このHC吸着剤の上流側に配置された三元触媒装
    置と、この三元触媒装置の上流側に設けられた上流側空
    燃比検出手段および上記HC吸着剤の下流側に設けられ
    た下流側空燃比検出手段と、を備え、上記HC吸着剤の
    脱離時に、上流側空燃比検出手段における検出空燃比と
    上記下流側空燃比検出手段における検出空燃比とに基づ
    いて脱離HC量を推定し、この脱離HC量からHC吸着
    剤の劣化を診断するHC吸着剤の劣化診断方法におい
    て、 上記三元触媒装置に過剰な酸素を付与して酸素ストレー
    ジ能力を強制的に飽和状態とした後に、両空燃比検出手
    段における検出空燃比に基づく劣化診断を行うことを特
    徴とする内燃機関におけるHC吸着剤の劣化診断方法。
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