JP3500968B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP3500968B2
JP3500968B2 JP16957098A JP16957098A JP3500968B2 JP 3500968 B2 JP3500968 B2 JP 3500968B2 JP 16957098 A JP16957098 A JP 16957098A JP 16957098 A JP16957098 A JP 16957098A JP 3500968 B2 JP3500968 B2 JP 3500968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の排気
浄化装置、特にHC(炭化水素成分)を吸着し得る吸着
触媒装置を排気系に複数備えた排気浄化装置の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内燃機関から排出される排気ガ
スの浄化には、貴金属(白金、パラジウム、ロジウム
等)またはその他の金属を担持した触媒が従来から使わ
れている。このような触媒は、排気ガス中の有害成分で
あるHC、CO、NOx等を酸化もしくは還元して浄化
している。ところで、この触媒作用を得るためには、排
気温度が高くなければならず、例えばHCの触媒による
浄化のためには、一般に、200〜300℃程度の温度
が必要である。しかし内燃機関の始動直後では、排気ガ
ス温度が低く、上記の触媒が活性する温度(例えば20
0℃以上)に達しないため、HCの浄化はほとんど行わ
れず、HCの大気への放出量が増大する結果となる。
【0003】そこで、上記の問題を解決するために、内
燃機関の排気系における三元触媒装置の上流側に、低温
条件でHCを吸着するHC吸着剤を配置し、触媒活性前
に排出されるHCを吸着するようにしたものが従来から
知られている。この排気浄化装置で用いられているHC
吸着剤は、ゼオライト等からなり、低温時にHCを吸着
する一方、所定の温度以上となると、吸着したHCが逆
に脱離する特性を有している。
【0004】そして、特開平5−10178号公報に
は、HC吸着剤からの脱離中は空燃比をリーンに制御
し、下流側の三元触媒入口で理論空燃比となるようにし
て触媒転化性能を高いレベルに保ち、脱離HCの浄化を
行うようにした技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ゼオ
ライト等から成る吸着剤がHCを吸着するのは低温時に
限られ、所定の温度以上では、吸着したHCが脱離する
特性を有している。また、下流側の触媒装置における触
媒は、所定温度以上で活性化しHCを転化するが、触媒
活性開始温度は、吸着剤からの脱離開始温度よりも高い
のが一般的であり、この間、脱離したHCは転化されな
いまま放出されてしまう。
【0006】そこで、この初期の脱離HCに対する対策
として、温度上昇勾配の急な場所つまり排気系の上流側
に、HC吸着機能を有する触媒を用いた吸着触媒装置を
配置し、脱離開始温度到達から触媒活性開始温度到達ま
での時間差を短くして、転化されずに脱離するHCの量
を抑制するとともに、その下流側に、同様にHC吸着機
能を有する触媒を用いた吸着触媒装置を配置して、上流
側の吸着触媒装置から脱離したHCを再度吸着し、その
一部を転化する方法が考えられている。
【0007】図12は、このように2個の吸着触媒装置
を直列に配置した場合において、内燃機関の始動から脱
離終了に至るまでの各吸着触媒装置の状態変化の一例を
示している。
【0008】この図に示すように、内燃機関の始動直後
は、主に上流側の吸着触媒装置でHCを吸着する(図の
フェーズ)。その後、両吸着触媒装置における触媒温
度が上昇するが、先に上流側の吸着触媒装置が脱離開始
温度に達し、HCの脱離を開始する。脱離したHCは、
内燃機関から排出されるHCと共に下流側の吸着触媒装
置に吸着される(フェーズ)。さらに時間が経過して
温度が上昇すると、上流側の吸着触媒装置の触媒が活性
を開始し、内燃機関から排出されたHCおよび脱離分の
一部を転化する。また、未転化のHCは下流側の吸着触
媒装置に吸着される(フェーズ)。
【0009】その後、下流側の吸着触媒装置が脱離開始
温度に達すると、この下流側吸着触媒装置に吸着されて
いたHCが脱離し、排出されるが(フェーズ,)、
さらに温度が上昇して触媒活性開始温度に達した後は、
脱離HCは、触媒によって一部が転化される(フェーズ
)。脱離が完了した後は、両吸着触媒装置は、通常の
三元触媒として機能し、内燃機関から排出されるHCを
転化する。
【0010】以上の説明で解るように、排気系に吸着触
媒装置を直列に配置した構成においては、脱離HCが大
気に放出されるのは、主にフェーズ〜の期間であ
る。
【0011】ここで、上述した特開平5−10178号
公報のように、HC脱離中は空燃比をリーンに制御する
とした場合、例えばフェーズ〜の期間で空燃比のリ
ーン化を行うものとすると、上流側吸着触媒装置からの
脱離中(フェーズ)は空燃比がリッチとなり、触媒に
よる浄化作用が十分に行われず、図の期間Aにおいて下
流側吸着触媒装置に流入するHC量が増加し、結果的に
フェーズ〜において排出されるHCが増加するとい
う問題が生じる。
【0012】一方、上流側吸着触媒装置の脱離開始及び
触媒活性開始を温度等から検知し、図のフェーズ以降
でリーン化を行うようにすると、上流側吸着触媒装置か
らの脱離HC濃度と下流側吸着触媒装置からの脱離HC
濃度が異なるため、各吸着触媒装置において空燃比を理
論空燃比に保つように機関の空燃比をリーン化する際の
要求リーン化率が異なる。ここで各吸着触媒装置の要求
を考慮せずに同一のリーン化率として空燃比制御を行う
と、各吸着触媒装置での空燃比がリーンあるいはリッチ
となり、NOxあるいはHCの転化効率が低下し、エミ
ッションが悪化するという問題が生じる。
【0013】また内燃機関の低温始動直後は運転性確保
のため燃料増量を行うのが一般的であり、このとき、内
燃機関からは多量の未燃HCが排出される。従って各吸
着触媒装置の吸着量が増加するので、常温始動時と同一
のリーン化率では各吸着触媒装置での空燃比がリッチに
なり、エミッションが悪化するという問題が生じる。
【0014】さらに、吸着触媒の劣化時には、触媒活性
開始温度が高くなるため、フェーズの期間が伸び、下
流側吸着触媒装置での吸着量が増大する。これにより下
流側吸着触媒装置から脱離するときのHC濃度が触媒新
品時に比べ高くなるので、触媒新品時と同一のリーン化
率では下流側吸着触媒装置での空燃比がリッチになり、
エミッションが悪化するという問題が生じる。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記のよう
な従来の問題点に着目してなされたもので、複数個の吸
着触媒装置の触媒の状態(例えば、吸着・脱離・触媒活
性・劣化度合等)を各々について検知し、その結果を内
燃機関の空燃比制御に反映させ、それぞれからの脱離時
のリーン化率を変更するようにしたものである。
【0016】 すなわち、請求項1に係る発明は、内燃
機関の排気系に配置され、排気ガス中のHC(炭化水素
成分)を吸着する三元触媒からなる上流側吸着触媒装置
と、上記上流側吸着触媒装置に対し直列に配置され、排
気ガス中のHCを吸着する三元触媒からなり、始動後の
暖機運転中に、上記上流側吸着触媒装置からのHCの脱
離が完了した後に触媒活性開始温度に達するように上記
上流側吸着触媒の下流側に離れて位置する下流側吸着触
媒装置と、各々の吸着触媒装置での吸着・脱離状態なら
びに触媒活性状態を検知する手段と、を備え、上記上流
側吸着触媒装置の触媒活性開始後でかつ上記上流側吸着
触媒装置からHCが脱離しているときまたは上記下流側
吸着触媒装置の触媒活性開始後でかつ上記下流側吸着触
媒装置からHCが脱離しているときに内燃機関の空燃比
を理論空燃比よりもリーンに制御することを特徴として
いる。
【0017】特に、請求項2に係る発明は、上記上流側
吸着触媒装置の触媒活性開始後でかつ上記上流側吸着触
媒装置からHCが脱離しているときは上流側吸着触媒用
リーンシフト補正値を用いて空燃比をリーンに制御し、
上記下流側吸着触媒装置の触媒活性開始後でかつ上記下
流側吸着触媒装置からHCが脱離しているときは下流側
吸着触媒用リーンシフト補正値を用いて空燃比をリーン
に制御することを特徴としている。
【0018】
【0019】また、請求項の発明では、各吸着触媒装
置からのHC脱離量を検知し、脱離量が比較的多い吸着
触媒装置の脱離中は、脱離量が比較的少ない吸着触媒装
置の脱離中よりも、上記のリーン制御の際のリーン化率
をより大きく設定する。
【0020】また、請求項の発明では、内燃機関始動
時の温度条件に応じて、低温始動時は常温始動時よりも
リーン制御の際のリーン化率を大きくする。
【0021】また、請求項の発明では、各吸着触媒装
置の触媒の劣化を検知する手段を有し、上流側の吸着触
媒装置の劣化時は、下流側吸着触媒装置の脱離中におけ
るリーン制御のリーン化率を非劣化時よりも大きくす
る。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、複数の吸着触媒装置を
用いた排気浄化装置において、各吸着触媒装置の状態、
例えば吸着・脱離・触媒活性・劣化さらには脱離中のH
C濃度等を検知し、その結果に基づいて、活性を開始し
た触媒での空燃比が理論空燃比となるように機関空燃比
のリーン化を行うので、触媒の浄化作用を有効に活用し
て脱離HCを転化することが可能となり、脱離中に触媒
で空燃比ずれが生じることによるHCあるいはNOxの
悪化を抑制できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を図面に基づいて説明する。
【0024】図1は、本発明の一実施例の構成を示すも
のである。内燃機関1の吸気通路7には、コレクタ6の
上流側にスロットル弁4が介装されているとともに、エ
アフロメータ3およびエアクリーナ2がその上流側に介
装されている。上記スロットル弁4の開度は、スロット
ル弁開度センサ5によって検出される。また、吸気弁9
に向かって燃料を噴射するように、燃料噴射弁8が配置
されている。なお、10は、ピストン11によって画成
される燃焼室、12は点火プラグ、13は排気弁であ
る。
【0025】内燃機関1の排気通路14には、2つの吸
着触媒装置17a,17bが直列に配置されている。つ
まり、上流側吸着触媒装置17aと下流側吸着触媒装置
17bとを備えている。この吸着触媒装置17a,17
bは、例えば、ゼオライト等のHC吸着成分と貴金属等
の三元触媒成分とを混合した吸着触媒を、セラミックス
等からなる担体に担持させたものであって、活性状態で
は三元触媒として機能するとともに、低温時にHCを吸
着するHC吸着機能を有している。各吸着触媒装置17
a,17bには、内部の温度を検出するための温度セン
サ18a,18bがそれぞれ配設されている。
【0026】また、上記上流側吸着触媒装置17aのさ
らに上流側に、排気中の酸素濃度を検出するためのO2
センサ16が設けられている。なお、これに代えて、広
域型空燃比センサを用いることも可能である。そして、
上流側吸着触媒装置17aの下流側および下流側吸着触
媒装置17bの下流側には、それぞれ、各吸着触媒装置
17a,17bの出口側での空燃比を検出する空燃比セ
ンサ19a,19bが配設されている。さらに、15
は、上記内燃機関1の冷却水温度を検出する水温セン
サ、21は、機関回転数センサであって、これらのセン
サ類の検出信号は、エアフロメータ3やスロットル弁開
度センサ5等の検出信号とともに、エンジンコントロー
ルユニット20に入力される。
【0027】エンジンコントロールユニット20は、こ
れらの検出信号に基づいて、燃料噴射弁8からの燃料噴
射量や点火プラグ12による点火時期等を制御してい
る。特に、O2センサ16の活性状態では、O2センサ1
6の検出信号に基づく空燃比フィードバック制御を行う
とともに、空燃比センサ19a,19bの信号に基づい
てこの空燃比フィードバック制御の補正を行っている。
そして、後述するように、各吸着触媒装置17a,17
bの吸着・脱離状態や触媒活性状態の判定を行い、脱離
時に、空燃比のリーン補正を実行するようになってい
る。
【0028】次に作用を説明する。
【0029】図2は、上記実施例の内燃機関1における
空燃比制御に関するフローチャートを示している。この
フローチャートに示す処理は、内燃機関1のイグニッシ
ョンキーONとともに開始されるもので、先ずステップ
1(図中、S1等と略記する)において、始動時水温T
ws及び触媒劣化度CATdを読み込む。
【0030】触媒劣化度CATdは、吸着触媒装置17
a,17bの触媒劣化状態の推定値で、例えば触媒内の
2ストレージ能力の低下度合等から算出する。これ
は、例えば、触媒劣化が進みO2ストレージ能力が低下
してくると、空燃比フィードバック制御中の触媒下流の
空燃比変動周波数が上昇し、触媒上流での空燃比変動周
波数に近付く、という特性に着目し、触媒前後の空燃比
の変動周波数の比が大きい程、触媒劣化度が大であると
するものである。図3は、その周波数比と触媒劣化度C
ATdとの関係の一例を示している。この触媒劣化度C
ATdの推定は常時行う必要はなく、例えば所定の運転
条件において周波数比を測定して触媒劣化度CATdを
求め、その結果を記憶しておいて次回始動時に読み込む
ようにすれば良い。なお、本実施例では、2つの吸着触
媒装置17a,17bの劣化度合いが等しいものとして
取り扱うので、例えば、上流側吸着触媒装置17a前後
の周波数比つまりO2センサ16と空燃比センサ19a
とによりそれぞれ検出された前後の周波数の比から上流
側吸着触媒装置17aの劣化度を求め、その結果を以下
のステップに反映させるようにしている。さらに、ステ
ップ1では、以降のステップで使用する触媒活性開始時
刻Tm1、Tm2に、十分大きな初期値TMAXを代入
する。
【0031】次のステップ2では、触媒活性開始温度推
定値Tca1、Tca2を読み込む。これは、触媒劣化
度CATdに応じて、例えば図4に示すような所定の特
性に沿って定められるものである。ここで下流側吸着触
媒装置17bの活性開始温度Tca2の方が上流側吸着
触媒装置17aの活性開始温度Tca1よりも劣化に伴
う上昇傾向が緩やかである理由は、下流側吸着触媒装置
17bは上流側吸着触媒装置17aほど高温にさらされ
ないため、実際には、上流側吸着触媒装置17aよりも
劣化しにくいことによる。
【0032】次のステップ3では、始動後経過時間T
m、冷却水温Tw、吸入空気量Qa、機関回転数Ne、
スロットル弁開度TVO、O2センサ出力Vo2、空燃
比センサ電圧Va1,Va2および吸着触媒温度Tc
1,Tc2をそれぞれ読み込む。なお、このステップ3
以降のルーチンは、機関運転中、繰り返し実行される。
【0033】ステップ4では、Qa×k/Ne(但し、
kは定数)として、基本燃料噴射量Tpを算出する。
【0034】次のステップ5では、O2センサ出力Vo
2が第1の所定値VsLより小あるいは第2の所定値V
sRより大であるかを判定し、Yesの場合はO2セン
サ16が活性状態であると判断して、ステップ6以降の
空燃比フィードバック制御ルーチンに進む。またNoの
場合は、O2センサ16が活性前であると判断して後述
するステップ27へ進む。
【0035】ステップ6では、目標燃空比TFBYAを
1に設定する。
【0036】ステップ7では、空燃比フィードバック制
御における制御定数PR,PL,IR,ILを読み込
む。空燃比フィードバック制御は、これらの制御定数を
用いた一種の比例積分制御によってフィードバック補正
係数αを求めることにより行われる。なお、空燃比フィ
ードバック制御については、ステップ12以降の説明に
関連して後述する。
【0037】次のステップ8では、上流側吸着触媒装置
17aの温度Tc1が、その活性開始温度Tca1以上
であるか否かを判定し、ここでYesの場合は、ステッ
プ9に進む。次に、ステップ9では、下流側吸着触媒装
置17bの温度Tc2が、その活性開始温度Tca2以
上であるか否かを判定し、ここでYesの場合は、ステ
ップ10に、Noの場合は、ステップ20に、それぞれ
進む。
【0038】ステップ10では、始動後最初にこのステ
ップに入ったときの始動後経過時間Tmを下流側触媒活
性開始時刻Tm2に代入する。この段階では、各吸着触
媒装置17a,17bの状態は、図12のフェーズ〜
にあり、HCの脱離は主として下流側吸着触媒装置1
7bで生じていると考えられる。従って、ステップ11
において、下流側吸着触媒用リーンシフト補正値PS2
を、リッチ用比例定数PRに加算するとともに、リーン
用比例定数PLから減算し、ステップ12に進む。
【0039】一方、ステップ9でNoとなる場合、各吸
着触媒装置17a,17bの状態は、図12のフェーズ
〜にあり、脱離は主として上流側吸着触媒装置17
aで生じていると考えられる。従って、ステップ20で
は、始動後最初にこのステップに入ったときの始動後経
過時間Tmを上流側触媒活性開始時刻Tm1に代入し、
ステップ21において、上流側吸着触媒用リーンシフト
補正値PS1を、リッチ用比例定数PRに加算するとと
もに、リーン用比例定数PLから減算し、ステップ12
に進む。
【0040】またステップ8でNoとなる場合は、各吸
着触媒装置17a,17bの状態は、図12のフェーズ
〜であるため、リーンシフトを行っても脱離HCを
転化することができないため、比例定数PR,PLの補
正は行わず、そのままステップ12に進む。
【0041】ここで各リーンシフト補正値PS1、PS
2は、脱離濃度が高いほど大きくなるように定められ
る。本実施例では、始動時水温Tws、始動後経過時間
Tm、触媒劣化度CATd、触媒温度Tc1,Tc2お
よび活性開始後経過時間Tm−Tm1,Tm−Tm2に
応じて、図5〜図9からそれぞれ求めた補正値の積とし
て、各リーンシフト補正値PS1、PS2を求めてい
る。ここで、図5に示すリーンシフト補正基準値、図6
に示すリーンシフト補正始動後時間補正値、および図7
に示すリーンシフト補正劣化補正値は、上流側吸着触媒
装置17aと下流側吸着触媒装置17bの吸着量差に応
じて、リーンシフト補正値PS1、PS2を補正するた
めのものである。すなわち、図5では、上流側吸着触媒
装置17aと下流側吸着触媒装置17bとで脱離濃度が
異なり、かつ低温始動時は前述のように吸着量が増加す
るので、これを補うように、始動時水温Twsに応じて
リーンシフト補正基準値を定めている。図6では、吸着
時間の増加により吸着量が増加する分に応じた補正を行
うように、リーンシフト補正始動後時間補正値が設定さ
れている。図7では、前述したように、触媒劣化に伴い
下流側吸着触媒装置17bの吸着量が増加するので、こ
れを補うようにリーンシフト補正劣化補正値が設定され
ている。
【0042】一方、図8に示すリーンシフト補正触媒温
度補正値および図9に示すリーンシフト補正経過時間補
正値は、脱離特性に応じて、リーンシフト補正値PS
1、PS2を補正するためのものである。図8では、触
媒温度が高くなるほど脱離濃度が高くなるので、これを
補うように、リーンシフト補正触媒温度補正値が設定さ
れている。図9では、脱離が進むにつれ、触媒内に吸着
されていたHC量が減少し0に近付くため、その脱離濃
度の低下に応じた補正を行うように、リーンシフト補正
経過時間補正値が設定されている。
【0043】なお、図9に基づいて行う脱離濃度低下に
対する補正については、図5〜図7の値と吸入空気量の
積の積分値から図8の値と吸入空気量の積の積分値を減
じることにより、吸着残量を刻々求め、この残量に対し
補正を行う方法も考えられるが、本実施例では計算の簡
略化のため、図9のような特性に基づいて補正する前述
の方法としている。
【0044】一方、リーンシフト補正値PS1、PS2
の別の算出方法として、空燃比センサ19a,19bの
出力から、例えば図12のような特性に基づいて直接求
める方法を用いても良い。
【0045】ステップ12以降は、空燃比フィードバッ
ク制御の具体的な流れを示すルーチンである。また、こ
の空燃比フィードバック制御におけるO2センサ出力V
o2の変化およびこれに伴う空燃比フィードバック補正
係数αの変化の状態を、図11に示す。なお、図11の
(1)は、例えば初期状態としてリッチ用比例定数PR
とリーン用比例定数PLとを等しく設定したときの状態
を示し、(2)は、空燃比のリーン化のために、PR>
PLとしたときの状態を示している。
【0046】先ずステップ12では、O2センサ出力V
o2が所定値Vosより小さいか否かを判定する。所定
値Vosより小さい場合は空燃比がリーンであると判断
し、ステップ13に進む。ステップ13では、前回のO
2センサ出力Vo2bが所定値Vosより小さいか否か
により、リッチからリーンに反転したか否かを判定す
る。前回の出力Vo2bも所定値Vosより小さい場合
には、リーン状態が続いているので、ステップ13から
ステップ14に進み、補正係数αにリーン時補正分(リ
ーン用積分定数)ILを加算する。前回の出力Vo2b
が所定値Vos以上の場合は、リッチ→リーン反転時で
あり、ステップ18に進み、補正係数αに、リーン反転
時補正分(リーン用比例定数)PLを加算する。ここで
比例定数PLは積分定数ILに対し大きな値である。次
のステップ15では、補正後の補正係数αと所定の上限
値αhとの比較を行い、αh以上の場合はステップ19
にてα=αhとする。
【0047】一方、ステップ12で、O2センサ出力V
o2が所定値Vos以上の場合は空燃比がリッチである
と判断し、ステップ22に進む。ステップ22では、前
回のO2センサ出力Vo2bが所定値Vos以上である
か否かにより、リーンからリッチに反転したか否かを判
定する。前回の出力Vo2bも所定値Vosより大きい
場合には、リッチ状態が続いているので、ステップ22
からステップ23に進み、補正係数αからリッチ時補正
分(リッチ用積分定数)IRを減算する。前回の出力V
o2bが所定値Vosより小さい場合は、リーン→リッ
チ反転時であり、ステップ25に進み、補正係数αから
リッチ反転時補正分(リッチ用比例定数)PRを減算す
る。ここで比例定数PRは積分定数IRに対し大きな値
である。次のステップ24では、補正後の補正係数αの
値と所定下限値αlとの比較を行い、αl以下の場合は
ステップ26にてα=αlとする。
【0048】そして、次に、ステップ16において、燃
料噴射量Tiを、基本燃料噴射量Tp、フィードバック
補正係数αおよび目標燃空比TFBYAの積として求め
る。最後に、ステップ17において、今回のO2センサ
出力Vo2の値を、Vo2bに代入する。このような空
燃比フィードバック制御によって、図11の(1)に示
すように、実際の空燃比がリッチ,リーンに周期的に変
化しつつ、時間平均空燃比が目標空燃比である理論空燃
比に収束することになる。
【0049】なお、ステップ5において、O2センサ1
6が活性前であり、フィードバック制御不可と判断した
場合は、ステップ27に進み、オープンループ制御時の
目標燃空比TFBYAを算出する。このときの目標燃空
比TFBYAは、運転性確保のための燃料増量補正係数
であり、始動時水温Twsおよび水温Twが低いほど、
また始動後経過時間Tmが短いほど大きく設定され、1
以上の値をとる。そして、次のステップ28では補正係
数αとして1を代入する。これにより燃料噴射量Ti
(ステップ16)は、オープンループ制御されることに
なる。
【0050】ところで、本実施例では、前述のようにH
C脱離時に空燃比フィードバック制御の比例定数PRの
増量ならびに比例定数PLの減量を行っている。このよ
うにすると、図11(2)に示すように、空燃比の周期
的な変動におけるリッチ→リーンの変化がリーン→リッ
チの変化よりも早められ、空燃比がリーンとなる時間割
合が長くなるため、フィードバック制御を行いながらも
時間平均空燃比がリーン側にシフトすることになる。そ
して、このリーンシフトの程度つまりリーン化率は、比
例定数PRを大きくするほど、また比例定数PLを小さ
くするほど、大きなものとなる。本実施例では、前述し
たように、図12の各フェーズに応じて最適となるよう
に比例定数PR,PLが補正されるため、最適なリーン
化率となり、脱離したHCを触媒作用によって良好に転
化することができる。
【0051】なお、上記実施例では、比例定数PR,P
Lの双方の補正によってリーンシフトを実現している
が、いずれか一方の補正によってもリーンシフトは可能
であり、あるいは、積分定数IR,ILの一方もしくは
双方の補正によってもリーンシフトを実現できる。
【0052】また、本発明は、各吸着触媒装置17a,
17b下流の空燃比センサ19a,19bに代えてそれ
ぞれO2センサを用いた構成においても同様に適用可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気浄化装置の一実施例を示す構
成説明図。
【図2】この実施例における空燃比制御を示すフローチ
ャート。
【図3】触媒上流,下流の空燃比変動周波数比と触媒劣
化度CATdとの関係を示す特性図。
【図4】触媒劣化度CATdと触媒活性開始温度推定値
Tcaiとの関係を示す特性図。
【図5】始動時水温Twsとリーンシフト補正基準値と
の関係を示す特性図。
【図6】始動後経過時間とリーンシフト補正始動後時間
補正値との関係を示す特性図。
【図7】触媒劣化度CATdとリーンシフト補正劣化補
正値との関係を示す特性図。
【図8】触媒温度Tc1,Tc2とリーンシフト補正触
媒温度補正値との関係を示す特性図。
【図9】活性開始後経過時間とリーンシフト補正経過時
間補正値との関係を示す特性図。
【図10】空燃比センサの出力と空燃比フィードバック
係数補正値との関係を示す特性図。
【図11】空燃比フィードバック制御におけるO2セン
サ出力と補正係数αの変化を示し、(1)はPR=PL
のとき、(2)はPR>PLのときのタイムチャート。
【図12】吸着触媒装置を2つ直列に備えた排気浄化装
置における吸着および脱離の状態を示す特性図。
【符号の説明】
1…内燃機関 8…燃料噴射弁 14…排気通路 15…水温センサ 16…O2センサ 17a,17b…吸着触媒装置 18a,18b…触媒温度センサ 20…エンジンコントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F01N 3/24 F01N 3/24 E R U ZAB ZABB F02D 41/06 305 F02D 41/06 305 ZAB ZAB 41/14 310 41/14 310L ZAB ZAB (72)発明者 田山 彰 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−232084(JP,A) 特開 平10−61426(JP,A) 特開 平5−10178(JP,A) 特開 平9−228828(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/04 305 F01N 3/08 F01N 3/18 F01N 3/20 F01N 3/24 F02D 41/06 305 F02D 41/14 310

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に配置され、排気ガス
    中のHC(炭化水素成分)を吸着する三元触媒からなる
    上流側吸着触媒装置と、 上記上流側吸着触媒装置に対し直列に配置され、排気ガ
    ス中のHCを吸着する三元触媒からなり、始動後の暖機
    運転中に、上記上流側吸着触媒装置からのHCの脱離が
    完了した後に触媒活性開始温度に達するように上記上流
    側吸着触媒の下流側に離れて位置する下流側吸着触媒装
    置と、 各々の吸着触媒装置での吸着・脱離状態ならびに触媒活
    性状態を検知する手段と、 を備え、 上記上流側吸着触媒装置の触媒活性開始後でかつ上記上
    流側吸着触媒装置からHCが脱離しているときまたは上
    記下流側吸着触媒装置の触媒活性開始後でかつ上記下流
    側吸着触媒装置からHCが脱離しているときに内燃機関
    の空燃比を理論空燃比よりもリーンに制御することを特
    徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 上記上流側吸着触媒装置の触媒活性開始
    後でかつ上記上流側吸着触媒装置からHCが脱離してい
    るときは上流側吸着触媒用リーンシフト補正値を用いて
    空燃比をリーンに制御し、上記下流側吸着触媒装置の触
    媒活性開始後でかつ上記下流側吸着触媒装置からHCが
    脱離しているときは下流側吸着触媒用リーンシフト補正
    値を用いて空燃比をリーンに制御することを特徴とする
    請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 各吸着触媒装置からのHC脱離量を検知
    し、脱離量が比較的多い吸着触媒装置の脱離中は、脱離
    量が比較的少ない吸着触媒装置の脱離中よりも、上記の
    リーン制御の際のリーン化率をより大きく設定すること
    を特徴とする請求項または記載の内燃機関の排気浄
    化装置。
  4. 【請求項4】 内燃機関始動時の温度条件に応じて、低
    温始動時は常温始動時よりもリーン制御の際のリーン化
    率を大きくすることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 各吸着触媒装置の触媒の劣化を検知する
    手段を有し、上流側の吸着触媒装置の劣化時は、下流側
    吸着触媒装置の脱離中におけるリーン制御のリーン化率
    を非劣化時よりも大きくすることを特徴とする請求項
    〜4のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
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