JP2000007407A - 管状エレメント内充填用コンクリート - Google Patents

管状エレメント内充填用コンクリート

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管状エレメント内に対して良好に充填できる
とともに、この場合に、エレメントの先端部において材
料分離が発生しないような管状エレメント内充填用コン
クリートを提供する。 【解決手段】 管状エレメント内に充填するコンクリー
トのスランプフローの値を55〜65cmの範囲に設定
し、なおかつ、コンクリートの塑性粘度の範囲を65〜
72Pa・sに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管状に形成されて
水平方向に延在配置されたエレメントの内部に充填され
るのに用いて好適な管状エレメント内充填用コンクリー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、道路、鉄道軌道等の活荷
重が作用する場所の下方や、土被り厚を十分に確保する
ことができない部分等を、開削工法を用いずに安全に掘
削することのできる各種工法が近年実現している。
【0003】このような工法における代表的なものとし
ては、地盤における掘削対象部分を一度に掘削せずに、
小断面の鋼製エレメントごとに掘削し、これら鋼製エレ
メントを地盤中に連設して、掘削対象部分の輪郭線を囲
むように設け、しかる後に、これらエレメントに囲まれ
た部分を掘削するものが挙げられる。以下に、その概要
を示す。
【0004】図10は、鉄道軌道1の下方の地盤Gを掘
削する場合の例を示したものであり、図中、符号2は、
地盤G中において鉄道軌道1の両側方に設けられた作業
用の溝を、3は、溝2の内部に配置された架台を、4
は、架台3上において支持された掘進機を示している。
【0005】掘進機4からは、地盤G内部に向けて鋼製
エレメント6が水平方向に延出する構成となっている。
この鋼製エレメント6は、長尺管状に形成されたもので
あり、その内部には、掘進機4から延出するスクリュー
コンベア8と、スクリューコンベア8の先端に位置して
地盤Gに到達するように設けられたカッターヘッド9と
が配置されている。
【0006】地盤Gを掘削する際には、カッターヘッド
9によって地盤Gを掘削していくとともに、スクリュー
コンベア8によって掘削した土砂を排出する。また、カ
ッターヘッド9による地盤Gの掘削と同時に、掘進機4
の後方に設けられたジャッキ10によって、掘進機4を
介して鋼製エレメント6を前方に押し出していく。これ
により、鋼製エレメント6を地盤G中に嵌入して、鉄道
軌道1を隔てて位置する溝2にまで到達させる。
【0007】さらに、上述のようにして設けられた鋼製
エレメント6に隣接させて新たに別の鋼製エレメント6
を地盤G中に嵌入させ、これにより、地盤G中に、鋼製
エレメント6,6,…からなる構造体を形成していく。
この際、鋼製エレメント6として、例えば、図11に示
すように、隣接する鋼製エレメント6に設けられたフッ
ク12と係合するガイド13を有するものを用いるよう
にすれば、鋼製エレメント6同士間の相対位置の精度を
確保することができる。
【0008】このようにして、地盤G中の掘削対象部分
を囲むように鋼製エレメント6,6,…からなる構造体
を形成するとともに、これら鋼製エレメント6の内部に
コンクリートを充填して、各エレメントの強度を確保す
る。さらに、これら鋼製エレメント6,6,…によって
形成された構造体の内部を掘削することによって、溝
2,2間を貫通する掘削坑を形成する。
【0009】この場合、鋼製エレメント6内にコンクリ
ートを充填するにあたっては、通常、図13に示すよう
に、地盤Gの表面から鋼製エレメント6の内部に通じる
コンクリート打設孔15を複数設けておき、鋼製エレメ
ント6の端部6Aおよびこれらコンクリート打設孔15
から鋼製エレメント6の内部にコンクリートを打設する
等の方法が採用されている。
【0010】しかしながら、通行車両等の問題により地
盤G上においてコンクリートの打設作業を行うことが困
難なことがあること、および、コンクリート打設孔15
を設けることによりコストや労務の上で問題が生じるこ
と等の理由により、最近では、高い流動性を有し、これ
により、閉鎖空間内に打設した場合に自己充填性を発揮
することが可能であるような高流動コンクリートを適用
することが検討されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
高流動コンクリートにおいては、ある程度流動距離が長
くなると、材料分離が発生し、品質が低下することが指
摘されている。したがって、高流動コンクリートを上述
のようなエレメントの端部から充填させた場合、エレメ
ントの先端部において粗骨材の分離が発生し、強度・ヤ
ング係数等の硬化後のコンクリートの品質を十分確保で
きないという問題がある。さらに、この場合、狭隘な閉
鎖空間への打設作業であることから、締固め作業が行え
ないか、あるいは、行えたとしても十分な締固めができ
ず、コンクリートの品質の低下が一層顕著なものとな
る。
【0012】一方、このような材料分離を防ぐために
は、コンクリートの流動性を低下させるか、あるいは粘
性を高めるようにすることが有効であるが、この場合、
高流動性コンクリートの自己充填性が失われ、エレメン
トの先端にまでコンクリートを良好に充填できないとい
う問題が発生する。
【0013】上記事情に鑑み、本発明においては、管状
エレメント内に対して良好に充填でき、なおかつ、エレ
メントの先端部において材料分離が発生しないような管
状エレメント内充填用コンクリートを提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては以下の手段を採用した。すなわち、
請求項1記載の管状エレメント内充填用コンクリート
は、管状に形成されて水平方向に延在配置されたエレメ
ントの内部に充填されるコンクリートであって、そのス
ランプフローの値が55〜65cmに設定され、なおか
つ、その塑性粘度が65〜72Pa・sに設定されている
ことを特徴としている。
【0015】請求項2記載の管状エレメント内充填用コ
ンクリートは、 請求項1または2記載の管状エレメン
ト内充填用コンクリートであって、前記エレメントの長
さ寸法が、20m〜40mの範囲のものに対して適用さ
れることを特徴としている。
【0016】このような構成とされるために、請求項2
に係る管状エレメント内充填用コンクリートは、アンダ
ーピンニングや鉄道のアンダーパスを構成する管状エレ
メントに対して良好に適用することが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明における管状エレメント内充填用コンクリ
ートとしては、セメント、水、細骨材、粗骨材および混
和材料が混練されたコンクリートであって、管状エレメ
ント内に良好に充填することのできるように流動性が高
められ、なおかつ、材料分離抵抗性が付与されたものが
用いられる。
【0018】この場合、具体的には、セメントとして
は、ポルトランドセメントや白色セメント、アルミナセ
メント、高炉セメントのような公知のセメントが用いら
れる。また、水としては、例えば水道水が、細骨材とし
ては、例えば、山砂、砕砂等が、粗骨材としては、砕
石、玉砂利等が用いられる。
【0019】また、コンクリートの流動性を高めるため
の手段としては、コンクリート中に高性能AE減水剤を
混入することが行われる。この場合、高性能AE減水剤
としては、ポリカルボン酸系、ナフタレン系など、一般
に使用されているものを用いることができる。
【0020】さらに、コンクリートに対して材料分離抵
抗性を付与するための手段としては、例えば、以下の
からに示すようなものが好適に用いられる。 粉体系分離抵抗性増加方法 この方法は、微粉末の混和材料をコンクリートに混入
し、コンクリート中の粉体含有率を高めて水粉体比を低
くすることにより、コンクリートの塑性粘度を増加さ
せ、材料分離抵抗性を高めるものである。この方法を採
用した場合、コンクリートに対してセメントを増加させ
ることの他に、上記混和材料として、例えば、高炉スラ
グ微粉末、フライアッシュ、石灰石微粉末等が混入され
ることとなる。このような混和材料は、コンクリートの
練り合わせ時に混合される。 増粘剤系分離抵抗性増加方法 この方法は、増粘剤を材料の練り合わせ時に添加して高
流動コンクリートの塑性粘度を増加させ、材料分離抵抗
性を高める方法である。この方法を採用した場合、例え
ば、増粘剤としては、グリコール系増粘剤、セルロース
系増粘剤、その他の増粘剤を好適に用いることができ
る。 併用系分離抵抗性増加方法 この方法は、粉体含有率を増加させる粉体法と、増粘剤
を添加する増粘剤法とを併用してコンクリートの塑性粘
度を増加させる方法である。この方法を採用した場合、
に示したようにセメントを増加させるか混和材料を混
入して粉体量を増加させた上に、に示した増粘剤を混
入させる。
【0021】そして、本発明においては、管状エレメン
ト内に充填されるコンクリートとして、(1)スランプ
フローの値が55〜65cmに調整され、なおかつ、
(2)塑性粘度が65〜72Pa・sの範囲内に調整され
たコンクリートが用いられる。なお、この場合、これら
(1)および(2)の条件を実現するために、上述した
ようなコンクリートの流動性を高めるための手段、ある
いは、コンクリートの材料分離抵抗性(塑性粘度)を高
めるための手段のうちのいずれかが任意に選択される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳細に説明す
る。まず、本実施例において使用したコンクリート材料
とその略記号を以下に示す。
【0023】 [コンクリート材料] 水 (略記号 W) :水道水 セメント (略記号 C) :高炉セメントB種 (比重3.05) 細骨材 (略記号 S1):市原産山砂(比重2.59) 細骨材 (略記号 S2):鳥形山産石灰砕砂(比重2.65) 粗骨材 (略記号 G) :峩朗産石灰砕石(比重2.70) 高性能AE減水剤(略記号 CX):ポリカルボン酸系高性能AE減水剤 増粘剤 (略記号 WX):グリコール系増粘剤
【0024】上述のコンクリート材料の配合設計を、前
記略記号を用いて表1に示した。なお、表1において、
配合No.1は、スランプフローが50〜55cmの場合、配
合No.2は、スランプフローが55〜65cmの場合、配合
No.3は、スランプフローが65〜70cmの場合を表して
おり、これらはいずれも、高性能AE減水剤および増粘
剤を混入することにより高流動コンクリートとしての性
能を付与されたものである。なお、これらの表におい
て、Gmaxは粗骨材の最大粒径を、W/Cは水セメント
比を、s/aは細骨材率を表す。また、%表示は、W/
C、CX、WXについては、重量%であり、s/aにつ
いては、体積%である。
【0025】
【表1】
【0026】[コンクリートの流動実験]次に、以上の
ような配合設計とされた高流動コンクリートを用いて、
実際の管状エレメントを模擬した実物大の流動実験を行
った際の実験結果を示す。この試験は、長さ19.5mおよ
び39.5mの管状エレメントを模擬した型枠内に、上述の
配合がなされた高流動コンクリートを打設し、コンクリ
ートの充填状況、粗骨材の分離の程度、および、そのと
きのフレッシュコンクリートの物性値を調べたものであ
る。実験水準の組み合わせは以下の通りである。
【0027】流動距離:19.5m 配合No.1およびNo.3(スランプフローの範囲50〜55cmお
よび65〜70cm) 流動距離:39.0m 配合No.1およびNo.2(スランプフローの範囲50〜55cmお
よび55〜65cm)
【0028】図1は、長さ19.5mの型枠に、その一端か
ら上述の高流動コンクリートを充填させた場合の充填状
況を示したグラフであり、(a)は、配合No.1のコンク
リートを打設した場合、(b)は、配合No.3のコンクリ
ートを打設した場合の結果である。また、図中、横軸
は、上記一端からの距離(流動距離)を、縦軸は、型枠
底面からの高さ位置を表しており、(a)においては、
充填開始からのコンクリートの表面の位置をコンクリー
トを5m3充填するごとに、(b)においては、コンク
リートを10m3充填するごとに示している。また、図
中、矢印に沿って示された%の値は、打設されたコンク
リートの表面の勾配を表している。これら図中に示すよ
うに、配合No.1およびNo.3のいずれの場合においても、
コンクリートを型枠の先端まで充填させることができ
た。
【0029】また、図2に、型枠内に打設されたコンク
リートから一定量の試料を採取し、その試料中に含まれ
るコンクリートの単位粗骨材量の測定した際の結果を示
す。図中、横軸は、試料の採取された位置の上記一端か
らの距離(流動距離)を、縦軸は、試料に含まれるコン
クリートの単位粗骨材量を表している。この図に示すよ
うに、型枠の先端部においては、配合No.3の場合に、粗
骨材の分離が著しくなった。
【0030】また、図3は、長さ39.0mの型枠に、その
一端から上述の高流動コンクリートを充填させた場合の
状況を示したグラフである。ここに、(a)は、配合N
o.1のコンクリートを打設した場合、(b)は、配合No.
2のコンクリートを打設した場合の結果である。この図
においても、図1と同様に、横軸は、上記一端からの距
離(流動距離)を、縦軸は、型枠底面からの高さ位置を
表している。また、これら各図中において、実線で示す
ものは、充填開始からのコンクリートの表面の位置の時
間的経過であり、図中、矢印に沿って示された%の値
は、打設されたコンクリートの表面の勾配を、時間
(分)の表示は、コンクリートの打設開始からの時間を
表している。
【0031】図3中に示すように、配合No.1の場合に
は、コンクリートの流動が28.5mの位置で停止し、それ
以上コンクリートを供給しても全く先端は流動せず、流
動が不可能となった。一方、配合No.2の場合には、コン
クリートを型枠先端にまで充填することができた。
【0032】また、図4に、配合No.2の場合に、型枠内
に打設されたコンクリートからコアを採取し、そのコア
の端面を整形した場合のコンクリートの粗骨材面積率を
測定した際の結果を示す。図中、横軸は、コアの採取さ
れた位置の上記一端からの距離(流動距離)を、縦軸
は、コアに含まれるコンクリートの粗骨材面積率を表し
ている。また、図中「上側」および「下側」として示し
たものは、測定対象のコンクリートが各断面の上部およ
び下部のいずれかにおいて得られたものであるかを表し
ている。この図に示すように、配合No.2の場合、流動の
ごく先端部分のみは、材料分離が発生し、粗骨材率が減
少しているのが認められたが、概ね均質なコンクリート
を施工することができた。
【0033】以上の流動実験により、流動距離が20m
〜40mに適する長距離流動用コンクリートとしては、
配合No.2の場合、すなわち、コンクリートのスランプフ
ローの値が55〜65cmのものが好適であることが確認
された。
【0034】なお、この場合、図5に示すように、コン
クリートのスランプフローと降伏値とは略線形関係を有
するため、参考値として、降伏値が35〜70Paである
ことを、長距離流動用コンクリートが具備すべき物性で
あることとした。
【0035】さらに、配合No.2の場合において、ロート
試験により、長距離流動用コンクリートの粘性について
の検討を行った。この試験を行ったのは以下のような理
由による。すなわち、コンクリートの粘性は、材料分離
に対する抵抗性と大きな関係があり、これが大きいほど
材料分離が発生しにくくなる。一方で、粘性が大きくな
りすぎると、ポンプの圧力が上昇する等施工性が低下す
る。したがって、用いるべき長距離流動用高流動コンク
リートが、適切な範囲の粘性であることを確認する必要
があるためである。
【0036】ここでは、ロート試験としてSロート流下
試験およびVロート流下試験を行った。Sロート流下試
験は、図6に示すような、φ100mm、長さ800mmの鉛直管
にコンクリートを充填し、その流下時間からコンクリー
トの塑性粘度の概略値を求める方法である。配合No.2の
コンクリートにおいては、流下時間の範囲は3秒から4
秒であった。これを図7に示すようなSロートにおける
コンクリートの流下時間とコンクリートの塑性粘度との
関係(実験結果)に対応させた場合、配合No.2のコンク
リートの塑性粘度は、65〜72Pa・sであると推定さ
れる。
【0037】一方、Vロート流下試験は、図8に示すよ
うな形状および寸法のロート内にコンクリートを投入
し、下部の吐出口20を開いてコンクリートの流下時間
を測定するものである。
【0038】この試験によれば、配合No.2のコンクリー
トの流下時間は8〜10.5秒であり、これを図9に示
すようなVロートにおけるコンクリートの流下時間とコ
ンクリートの塑性粘度との関係(実験結果)にあてはめ
ると、配合No.2のコンクリートの塑性粘度は、65〜7
2Pa・sであると推定される。
【0039】これらの試験により、20〜40m程度の
流動距離に適用する高流動コンクリートとして、塑性粘
度の範囲が65〜72Pa・sのものが好適であることが
確認された。
【0040】
【発明の効果】本発明の管状エレメント内充填用コンク
リートにおいては、そのスランプフローを55〜65cm
の範囲とするとともに、その塑性粘度を65〜72Pa・
sとしたため、流動距離が数十mの長距離にわたる場合
においても、エレメント内に良好に打設することが可能
であり、また、コンクリートの流動中に材料分離が生
じ、硬化後のコンクリートの品質が低下することを防ぐ
ことができる。したがって、本発明の管状エレメント内
充填用コンクリートは、各種工事における管状エレメン
トの施工に良好に適用でき、有害な材料分離の発生を防
止して、施工品質を確保することが可能である。
【0041】さらに、このような管状エレメント内充填
用コンクリートは、エレメントの長さが20〜40mの
場合に特に好適であり、この場合、エレメントを各種工
事への良好に適用することが可能である。さらに、この
場合、エレメント内へのコンクリートの充填作業が容易
に実行できるため、従来に比較して施工性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の効果を確認するために行ったコンク
リートの流動実験の結果を示す図であって、(a)は、
長さ19.5mの型枠に、スランプフローが50〜55cmの
コンクリートを充填した場合、(b)は、長さ19.5mの
型枠に、スランプフローが65〜70cmのコンクリート
を充填した場合の例を示す図である。
【図2】 図1に結果を示したコンクリートの流動実験
におけるコンクリートの流動距離と単位粗骨材量との関
係を示す図である。
【図3】 本発明の効果を確認するために行ったコンク
リートの流動実験の結果を示す図であって、(a)は、
長さ39.5mの型枠に、スランプフローが50〜55cmの
コンクリートを充填した場合、(b)は、長さ39.5mの
型枠に、スランプフローが55〜65cmのコンクリート
を充填した場合の例を示す図である。
【図4】 図3(b)に結果を示したコンクリートの流
動実験におけるコンクリートの流動距離と粗骨材面積率
との関係を示す図である。
【図5】 図3(b)に結果を示したコンクリートの降
伏値の範囲を、コンクリートのスランプフローと関連づ
けて示したグラフである。
【図6】 本発明の効果を確認するために行ったコンク
リートの流動試験に用いられたコンクリートの粘性を試
験するために用いられたSロートの形状を示す斜視図で
ある。
【図7】 図6に示したSロートを用いて行われた試験
結果をコンクリートの塑性粘度と関連づけて示したグラ
フである。
【図8】 本発明の効果を確認するために行ったコンク
リートの流動試験に用いられたコンクリートの粘性を試
験するために用いられたVロートの形状および寸法を示
す斜視図である。
【図9】 図8に示したVロートを用いて行われた試験
結果をコンクリートの塑性粘度と関連づけて示したグラ
フである。
【図10】 本発明の従来の技術を示す図であって、鉄
道軌道下方の地盤を掘削して鋼製エレメントを当該地盤
内に嵌入する際に用いられる工法を概略的に示した立断
面図である。
【図11】 図10に示した工法において用いられる鋼
製エレメントの立断面図である。
【図12】 図10に示した工法によって地盤中に鋼製
エレメントを嵌入した後に、当該鋼製エレメントにコン
クリートを打設するためにコンクリート打設孔を設けた
際の状況を示す立断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名倉 健二 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 宮瀬 文裕 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 Fターム(参考) 4G012 PA04 PA27 PA29 PB16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状に形成されて水平方向に延在配置さ
    れたエレメントの内部に充填されるコンクリートであっ
    て、 そのスランプフローの値が55〜65cmに設定され、な
    おかつ、その塑性粘度が65〜72Pa・sに設定されて
    いることを特徴とする管状エレメント内充填用コンクリ
    ート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の管状エレメント内充填用
    コンクリートであって、 前記エレメントの長さ寸法が、20m〜40mの範囲の
    ものに対して適用されることを特徴とする管状エレメン
    ト内充填用コンクリート。
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