JPH0760742A - 気中打設の締固め不要コンクリートの配合設計法 - Google Patents

気中打設の締固め不要コンクリートの配合設計法

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JPH0760742A
JPH0760742A JP24192193A JP24192193A JPH0760742A JP H0760742 A JPH0760742 A JP H0760742A JP 24192193 A JP24192193 A JP 24192193A JP 24192193 A JP24192193 A JP 24192193A JP H0760742 A JPH0760742 A JP H0760742A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 施工の良否の影響を受けない、締固め不要の
コンクリート用配合設計を提供する。 【構成】 水硬性無機質粉体、細骨材、粗骨材、水、高
性能AE減水剤および/または高性能減水剤、ならびに
所望によりAE剤、高分子材料、および化学混和剤を配
合成分として使用して、下記のa〜fを算出、設定、調
整することにより気中打設の締固め不要コンクリート製
造用組成物を配合設計する方法。 a.製造するコンクリートに使用する水硬性無機質粉体
の拘束水比および粗骨材の実績率。 b.コンクリートの空気量。 c.粗骨材量。 d.細骨材量。 e.水と水硬性無機質粉体との容積比。 f.前記a〜eより設定した配合条件により調整したコ
ンクリート組成物のスランプフロー値。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、社会基盤施設を構築す
るための重要な構造材料であるコンクリートを、気中に
おいて打設作業するに際し、振動締固め作業を不要とす
る気中打設の締固め不要コンクリートを合理的に製造す
るためのコンクリート組成物の配合設計法に関する。さ
らに詳しくは、本発明は、気中打設の締固め不要コンク
リートを製造するに際して、使用する水硬性無機質粉
体、細骨材、粗骨材、水、高性能AE減水剤及び/又は
高性能減水剤、ならびに所望により使用されるAE剤、
高分子材料、化学混和剤の各材料の特性に応じて、各材
料の構成割合を合理的に調整するための配合設計法に関
するものである。この配合設計法を利用することによ
り、気中打設の締固め不要コンクリートを生コンクリー
ト工場やコンクリート二次製品工場において合理的に製
造することができる。
【0002】
【背景技術】本発明者である岡村は、かねてより、「コ
ンクリートが、本来耐久的な材料であるにもかかわら
ず、その耐久性や信頼性に疑問が呈されているのは、施
工過程における人的要因の大きい締固め作業に熟練を要
することが原因の一つであり、施工の良否の影響を受け
ない、締固め不要のコンクリートが開発されれば、コン
クリート構造物の信頼性は格段に向上するはずである」
と提唱した。本発明者らは、先に気中打設の締固め不要
コンクリートの製造方法を提案した。(特開平3−23
7049、特開平4−164849)
【0003】特開平3−237049公報には、耐久性
を考慮して単位水量を制限し、比較的大量の水硬性無機
質粉体を用い、少量の増粘剤等の水溶性高分子材料と適
量の高性能AE減水剤を組み合わせることにより締固め
不要コンクリートを製造する方法が記載され、また、特
開平4−164849公報には、水硬性無機質粉体とし
てセメントとブレーン比表面積が5,000〜10,0
00cm/gの粉末度が非常に細かい高炉スラグ微粉
末を組み合わせるとともに、減水作用を与えるための界
面活性剤を用いることにより締固め不要コンクリートを
製造する方法が示されている。
【0004】締固め不要のコンクリートは、施工作業の
良否によらず信頼性が高く、耐久的な構造物を実現で
き、さらに、施工現場における省人化や締固め作業に伴
う騒音防止にも有効である点で優れたものである。ま
た、締固め作業を前提として施工される従来のコンクリ
ートを、締固め不要コンクリートに交替させることによ
り、施工を合理的に改善することができ、かつコンクリ
ートの打設が困難なために実現できなかった新しい構造
を採用することも可能となるため、締固め不要コンクリ
ートは、将来のコンクリート技術にとって非常に価値の
高いものとして、建設業をはじめ各種産業界から注目を
浴びている。
【0005】一方、生コンクリート工場やコンクリート
二次製品工場において締固め不要コンクリートを製造す
る場合には、コンクリートに要求される品質に応じて水
硬性無機質粉体を選定し、各工場で入手可能な骨材を使
用し、使用する各材料の特性に対応した配合設計を行う
必要がある。また、締固め不要コンクリートに使用され
る材料は、学会やJIS等により品質規格が制定されて
はいるものの、全国で種々の材料が使用されているた
め、その材料特性には幅があり、それぞれの材料特性に
応じた合理的な配合設計法の出現が強く要望されてい
た。
【0006】ところで、締固め不要コンクリートは、基
本的には従来のコンクリートと同様の材料を使用するも
のではあるが、従来のコンクリートとはその配合設計理
論が根本的に異なるために、従来の配合設計法を適用し
て製造することは不可能であった。
【0007】従来のコンクリートは、一般に、フレッシ
ュ性状に対してスランプに基づく配合設計が行われてい
る。一方、締固め不要コンクリートは、スランプでは測
定不可能な領域のコンクリートであり、そのフレッシュ
時の特性を評価する方法もこれまでに確立されていな
い。さらに、従来のコンクリートは、細・粗骨材の隙間
をできるだけ少なくする配合設計体系であり、隙間に存
在するペーストの影響が比較的小さいのに対し、締固め
不要コンクリートは、ペースト量が比較的多いため、そ
の特性の影響を大きく受け、水硬性無機質粉体や高性能
AE減水剤や高性能減水剤の特性を正確に把握すること
が配合設計時には必要不可欠である。
【0008】このため、締固め不要コンクリートを実際
に製造する場合には、多種類のコンクリートについて試
し練りを行い、最適な配合を選定せざるを得ない状況に
あり、締固め不要コンクリートを合理的に製造するため
の配合設計法の確立が強く待望されていた。
【0009】本発明者らは、上記課題を解決するために
鋭意研究を重ねた結果、気中打設の締固め不要コンクリ
ートの配合の範囲を実用的な範囲に限定し、使用する各
材料特性を簡易な試験により評価し、配合設計に用いる
ことにより、合理的に締固め不要コンクリートの製造を
可能にする本発明方法を提供することに成功した。
【0010】以下に詳述する本発明方法においては、フ
レッシュコンクリートを水硬性無機質粉体、細・粗骨材
等の固体粒子と液体である水および気体である空気の多
相材料として捉えている。締固め不要コンクリートを製
造するためには、これらを適切な割合で混合する必要が
あり、特に、コンクリート中の水を固体粒子にその動き
を拘束される流動に寄与しない水(拘束水)とそれ以外
の自由に変形することができ流動に寄与する水(自由
水)に分けて考えている。固体粒子の中でも、最も粒径
の小さい水硬性無機質粉体は、表面積が大きいため、拘
束する水量が最も多く、水硬性無機質粉体の種類が異な
ると大きく変化する。したがって、この拘束水量を評価
する試験方法を開発するとともに、これを配合設計を行
うための特性値(拘束水比)として利用し、合理的に配
合設計を行うものである。
【0011】
【発明の開示】本発明は、気中打設の締固め不要コンク
リートが適用される構造物の種類やそれを製造する生コ
ンクリート工場やコンクリート二次製品工場の設備・品
質管理状況を考慮し、種々の使用材料に対応できる実用
的な気中打設の締固め不要コンクリートを合理的に製造
するための配合設計法を開示し、併せ、この配合設計法
により製造されたコンクリートを気中打設の締固め不要
コンクリートと定義し、気中打設の締固め不要コンクリ
ートの範囲を明確化にしようとするものである。
【0012】すなわち、本発明は、水硬性無機質粉体、
細骨材、粗骨材、水、高性能AE減水剤及び/又は高性
能減水剤、所望によりAE剤、高分子材料、および化学
混和剤を使用して、下記のa〜fの手順により気中打設
の締固め不要コンクリートを合理的に製造するための配
合設計法である。 a.製造するコンクリートに使用する水硬性無機質粉体
の拘束水比(βp vol%)と、粗骨材の実績率(G
lim vol%)とを実験的に求める。 b.コンクリートの空気量(A vol%)を設定す
る。 c.下記(1)式によりG/Glimを0.4〜0.5
5として、粗骨材量(G)を算出する。 粗骨材量 G(vol/m)=(1000−A×10)×実績率×(G/G lim)‥(1) d.下記(2)式によりScを0.35〜0.48とし
て、細骨材量(S)を算出する。 細骨材量S(vol/m)=(1000−A×10−G)×(Sc)‥‥‥ ‥‥‥(2) e.下記(3)式によりkpを0.70〜1.20とし
て、水と水硬性無機質粉体との容積比である水粉体容積
比(W/P)を算出する。 水粉体容積比W/P(vol%)=拘束水比(βp)×(kp)‥‥‥‥‥‥ ‥(3) f.前記a〜eの手順により設定した配合条件によりコ
ンクリート組成物を製造し、そのコンクリート組成物
に、所望によりAE剤を使用して空気を連行し、所望に
より高分子材料及び/又は化学混和剤を添加し、高性能
AE減水剤及び/又は高性能減水剤を添加し、スランプ
フロー値が50〜70cmの範囲になるように調整す
る。
【0013】前記G/Glimを0.5に、前記Scを
0.4に設定し、下記のgの手順により前記kpをモル
タル実験により求める気中打設の締固め不要コンクリー
トの配合設計法。 g.粗骨材およびAE剤を除くモルタルを用い、高性能
AE減水剤及び/又は高性能減水剤(SP)の使用量を
変化させて、モルタルのフロー値を240〜250mm
に設定した場合のロート流下時間が5〜15秒の範囲内
になるkpを選定する。ここで、kpが複数の場合は、
ロート流下時間が10秒に最も近いkpを最適kp値と
する。
【0014】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
方法における水硬性無機質粉体を具体的に例示すると、
水硬性無機質粉体として、(a)セメントまたは(b)
高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム等
のポゾラン材料ならびに石灰石粉、膨張材より選ばれる
1種または2種以上の物質とセメントとの混合物であっ
て、ブレーン比表面積が2,500〜10,000cm
/gである粉体を使用する。また、上記のセメントと
しては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトラン
ドセメント(高ビーライトセメント)、早強ポルトラン
ドセメント、低熱セメント、耐硫酸塩セメントがあげら
れる。
【0015】上記の水硬性無機質粉体のブレーン比表面
積は、2,500〜10,000cm/gの範囲が実
用的であり、2,500cm/gより粗い水硬性無機
質粉体を使用した場合、コンクリート中の単位水量を比
較的少なくすることができるが、単位水量の変動に対し
て、フレッシュコンクリートの性状が敏感すぎ品質管理
が困難となり、材料分離に抵抗するために必要な粘性を
与えることが困難となる。 逆に、10,000cm
/gより細かい水硬性無機質粉体を使用した場合、コン
クリート中の単位水量が非常に多くなり、硬化時の収縮
や硬化後の乾燥収縮等の耐久性に対する初期欠陥の原因
を制御することが困難となる。
【0016】上記の水硬性無機質粉体は、主に、コンク
リートの硬化時や硬化後の品質に応じて選定される。セ
メントして、要求品質に応じて、市販されている各種の
セメントを1種または2種以上混合して使用することが
可能である。水和時の発熱による温度ひびわれが懸念さ
れる場合には、セメントに高炉スラグ微粉末やフライア
ッシュ、石灰石粉を1種または2種以上混合して使用す
る。硬化時や乾燥収縮による収縮ひびわれが懸念される
場合には、膨張材等を混合して使用することが考えられ
る。組織を緻密にし、特に高強度が要求される場合に
は、シリカフューム等の超微粉末を混合使用することも
可能である。
【0017】締固め不要コンクリートの充填性に及ぼす
粗骨材の影響は極めて大きく、最大寸法、粒度分布、粒
形などによって、適切な粗骨材容積は異なる。フレッシ
ュコンクリートが鉄筋等の障害物の間隙を通過するため
には、粗骨材どうしのアーチングによる閉塞を生じない
よう配合設計する必要があり、粗骨材量が多いと、粗骨
材どうしの接触摩擦による抵抗が大きくなる。
【0018】一方、粗骨材量が少ないと、モルタル量が
相対的に多くなり、硬化後の耐久性に問題が生じるケー
スがある。すなわち、モルタル量の増大に伴い、硬化収
縮や乾燥収縮が大きくなり、単位水硬性無機質粉体量の
増大により、硬化時の発熱量も大きくなる。したがっ
て、従来生コンクリート工場で一般に使用される20〜
40mmの最大寸法を持つ粗骨材を使用し、一般の構造
物に適用する場合、鉄筋等の障害物の間隙の大きさを考
慮すると粗骨材量として、空気量を除くコンクリート中
の粗骨材実績率に相当する量に対して、40〜55%の
範囲で使用するのが実用的である。
【0019】粗骨材量をその実績率に相当する量に対し
て表現することで、使用する粗骨材の粒度分布が、コン
クリート標準示方書やJISの規格を満足する範囲にあ
れば、コンクリートの充填性に及ぼす粗骨材の粒度分布
と粒形の影響は、その実績率によって極めて精度よく評
価でき、任意の種類の粗骨材に対しても、この値を適用
することができるのである。一般には、空気量を除くコ
ンクリート中の粗骨材実績率に相当する量に対して、5
0%とするのが好ましい。
【0020】細骨材量の大小も、締固め不要コンクリー
トの充填特性に及ぼす影響が極めて大きく、その値を大
きくし過ぎると、良い充填性レベルのものが得られな
い。細骨材は、粗骨材粒子の間隙に存在し、細骨材量が
多いと粒子どうしの接触摩擦等によるかみ合わせ効果に
よる変形抵抗が大きくなり、締固め不要を実現すること
が困難となるからである。そして、その影響は細骨材の
粒形および粒度分布ならびに水硬性無機質粉体の特性に
よって異なるものである。一方、この値を小さくする
と、コンクリート中のペースト量が相対的に多くなり、
セメント量や水量の増加を招き、硬化後のコンクリート
の特性に悪い影響を与える。したがって、細骨材容積の
値を適切に定めることが重要である。
【0021】通常生コンクリート工場で使用される、コ
ンクリート標準示方書やJISの規格を満足する範囲の
品質を持つ細骨材を用いる場合、細骨材量として、空気
量を除くモルタル中に占める容積として、35〜48%
の範囲で使用するのが実用的である。一般には、細骨材
量として、空気量を除くモルタル中に占める容積とし
て、40%とするのが好ましい。
【0022】水硬性無機質粉体および水は、その容積比
を適切な範囲で使用する必要がある。水硬性無機質粉体
に対して、水量が少ないと、ペーストの粘性が増大しす
ぎ、締固め不要を実現するために必要な変形性をコンク
リートに付与することが困難となる。一方、水硬性無機
質粉体に対する水量が多いと、ペーストの粘性が低下し
すぎ、締固め不要コンクリートに必要な材料分離抵抗性
を付与できなくなる。したがって、コンクリート中のペ
ーストに適切な粘性を付与するためには、その容積比を
適切な範囲で使用する必要があることとなる。
【0023】水量と水硬性無機質粉体量の容積比を水硬
性無機質粉体の拘束水比に対して70〜120%の範囲
とすることにより、一般の生コンクリート工場で使用さ
れる種々の粒度分布を持つ水硬性無機質粉体に対応する
ことができる。水硬性無機質粉体の拘束水比βpは、以
下のように定義される。水粉体体積比を変化させたペー
ストのフロー面積は、当該水粉体体積比と線型関係にあ
ることが知られている。この線型関係から求められる、
フロー面積がフローコーンの面積と一致する場合の水粉
体容積比をその水硬性無機質粉体の拘束水比と定義する
ことができる(図1)。
【0024】すなわち、ペースト試料が自重による変形
を生じはじめる限界の水量を表していると考えられ、使
用する水硬性無機質粉体の粒度、形状、表面性状や初期
水和性状等の化学的特性の影響を受けるものと考えられ
ている。この水硬性無機質粉体の拘束水比に対して、水
粉体体積比を70〜120%の範囲とすることで、ペー
ストに適度な粘性と変形性を付与することができる。
【0025】さらに、水粉体容積比の設定を適切に行う
方法として、モルタルの実験により、以下の手順で求め
ることができる。細骨材量を空気量を除くそのモルタル
中に占める体積として40%とし、所望により高分子材
料及び/又は化学混和剤を添加し、kpを70〜120
%の範囲内で変化させたモルタルを用い、高性能AE減
水剤及び/又は高性能減水剤(SP)の使用量を変化さ
せて、モルタルのフロー値を240〜250mmに設定
した場合のロート流下時間が5〜15秒の範囲内になる
kpを選定する。ここで、kpが複数の場合は、ロート
流下時間が10秒に最も近いkpを最適kpと決定す
る。この最適kp値を水硬性無機質粉体の拘束水比(β
p)に乗じた値を最適水粉体容積比とする。
【0026】モルタルのフロー値とロート(図2)を用
いた試験によるその流下時間を測定することにより、適
切な水粉体容積比を合理的に決定することが可能となる
のである。ペーストではなく、モルタルを用いた試験を
行うのは、試料の練混ぜの状態をできるだけコンクリー
トに近づけるためである。モルタルのフロー値の設定
は、コンクリートとした場合の締固め不要コンクリート
として適切な範囲のスランプフロー値を考慮して決定し
たものである。ロート試験から得られる流下時間は、モ
ルタルに締固め不要コンクリートとして適切な粘性を付
与するために設定した範囲であり、これよりも流下時間
が遅い場合は、粘性が高すぎ、逆に速い場合は、粘性が
小さすぎて材料分離を生じることとなる。
【0027】前記で定まった配合のコンクリートについ
て、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤および所
望によりAE剤の使用量を定める必要があるが、これら
はコンクリートの実験を行うことなく決めることはでき
ない。そこで、前記の手順により設定又は決定した配合
条件により製造されたコンクリート組成物に対し、所望
によりAE剤を使用して空気を連行し、所望により高分
子材料及び/又は化学混和剤を添加し、高性能AE減水
剤及び/又は高性能減水剤を添加し、スランプフロー値
が50〜70cmの範囲になるように調整する。高性能
AE減水剤及び/又は高性能減水剤は、その添加量が少
なく、スランプフロー値が小さいと、締固め不要を実現
するための変形性に乏しく、逆に添加量が多く、スラン
プフロー値が大きすぎると、コンクリートの材料分離や
硬化時の凝結遅延等が問題となる。したがって、高性能
AE減水剤及び/又は高性能減水剤は、コンクリートの
スランプフロー値が、50〜70cmの範囲で使用する
のが実用的である。
【0028】このようにして決定した、粗骨材量、細骨
材量、水粉体容積比、空気量、高性能AE減水剤及び/
又は高性能減水剤の使用量に基づいて、コンクリート1
立方メートル中における各材料の容積を計算することが
でき、さらに各材料の比重を用いると重量配合を計算す
ることができる。このようにして求めた示方配合では、
従来と同様に、骨材は吸水量を含み、表面水は含んでい
ない。なお、粗骨材の吸水量は、従来から用いられてい
るJIS A 1110(粗骨材の比重及び吸水率試験
方法)により求める。細骨材の吸水量は、JIS A
1802(遠心力による細骨材の表面水率試験方法)に
準じて求める。
【0029】上記の高性能AE減水剤および高性能減水
剤は、市販されている各種のセメント添加剤の中から、
任意、適宜に選択することができるが、多量に使用して
も過度の凝結遅延や空気連行性を伴わない分散能力の界
面活性剤は好ましいものである。例示すれば、ナフタリ
ンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、メラミンスルホン酸
ホルマリン縮合物塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリ
カルポン酸塩およびこの誘導体、変性リグニンスルホン
酸塩、芳香族アミノスルホン酸塩等を主成分とするもの
があげられる。なお、同種の流動化剤も高性能減水剤と
同様に利用可能である。
【0030】上記の高分子材料としては、一般的に分離
低減剤、増粘剤と言われているもので、水溶性である非
イオン性セルロースエーテル類、ポリアクリル酸類、ポ
リアクリルアミド類、ポリビニルアルコール等のポリビ
ニル重合体類、ポリエチレングリコール等の多価ヒドロ
キシ化合物類、アラビアゴム、アルギン酸、可溶性デン
プン、難溶性又は不溶性のデキストリン等の天然多糖
類、カードラン、ザンタンガム、プルラン等の微生物多
糖類等があげられる。
【0031】前記の化学混和剤としては、促進剤、凝結
遅延剤、消泡剤、乾燥収縮低減剤、防錆剤等を例示する
ことができる。
【0032】
【実施例】
[試験方法] 1)粗骨材の実積率 粗骨材の実積率は、JIS A 1104(骨材の単位
容積重量及び実績率試験方法)に基づいて試験を行ない
求めた。
【0033】2)水硬性無機質粉体の拘束水比 締固め不要コンクリートに必要な水量を決定するために
は、コンクリートの流動に寄与しない水量、すなわち固
体粒子に拘束される水量、を算定しておく必要がある。
固体粒子に拘束される水量の中で最も大きいのは、水硬
性無機質粉体に拘束される水である。水硬性無機質粉体
の拘束水比は、以下の手順で求める。
【0034】a.ペーストの練り混ぜ 水粉体容積比を、4水準変化させた水硬性無機質粉体ペ
ースト(以下、ペーストという)をつくり、フロー試験
を行う。JIS R 5201(セメントの物理試験方
法)に定めるミキサを使用して、下記の手順で1リット
ルのペーストをつくる。水硬性無機質粉体と一次水とを
低速で60秒練り混ぜた後、ミキサに付いたペーストを
かき落として、さらに高速で60秒練り混ぜ、ついで二
次水を投入して低速で60秒練り混ぜた後、再びミキサ
に付いたペーストをかき落とし、さらに低速で60秒練
り混ぜる。練混ぜ水量の相違によって、ペーストの練混
ぜ効率が変化するため、投入水を二つに分け、まず低水
粉体容積比で効率良く練混ぜた後に、所定の水粉体容積
比のペーストを練り混ぜるのである。この方法によっ
て、異なる水粉体容積比のペーストに対して、同一練混
ぜ時間で、水硬性無機質粉体粒子の分散状態をほぼ同様
にしたペーストをつくることが可能となる。
【0035】b.フロー試験 フロー試験は、JIS R 5201(セメントの物理
試験方法)に定める方法を準用し、フローテーブル又は
水平に設置した磨きガラス上で行う。落下運動は与え
ず、フローコーンを取り去った後、ペーストの変形が終
了した時点での、2方向の直径を測定する。引き続いて
2回行ったフロー試験におけるフロー値の平均を用いて
フロー面積を算定し、これを基準面積(直径100mm
の円の面積)で除した値をペーストの相対フロー面積比
と定義する。
【0036】c.水硬性無機質粉体の拘束水比の算定 相対フロー面積比と水粉体容積比との間には線型関係が
あるので、これを直線回帰して、相対フロー面積比が零
となる水粉体容積比、直線の切片の値を求め、これを水
硬性無機質粉体の拘束水比とする。(図1) 実験に使用した各種の水硬性無機質粉体の拘束水比(β
p)は表2および表3中に示す。
【0037】 3)モルタルのフロー試験およびVロート試験 水粉体容積比の設定は、その充填特性の上から極めて重
要である。適切な水粉体容積比は、モルタルのフロー試
験およびVロート試験を用いて求める。これらの試験
は、以下の手順で行う。
【0038】a.モルタルの練り混ぜ JIS R 5201(セメントの物理試験方法)に定
めるミキサを使用して、一定の手順で1.5リットルの
モルタルをつくる。細骨材および水硬性無機質粉体と一
次水とを低速で60秒練り混ぜた後、ミキサに付いたモ
ルタルをかき落として、さらに低速で60秒練り混ぜ、
ついで二次水と高性能AE減水剤及び/又は高性能減水
剤とを投入して低速で60秒練り混ぜた後、再びミキサ
に付いたモルタルをかき落とし、さらに低速で60秒練
り混ぜる。
【0039】b.フロー試験 モルタルのフロー試験は、前記のペーストの場合と同様
の方法で行い、モルタルのフロー値を求める。
【0040】c.Vロート試験 モルタルのVロート試験は、図2に示すモルタル用Vロ
ートに、ジョッキを用いてロート上面まで試料を流し込
み、試料がロートを全量流下するまでの時間を測定する
ことにより行う。なお、全量流下の判定は、ロート上部
より試料の流下を観察し、ロートを通して下の空間が見
えた瞬間とする。
【0041】4)コンクリートの流動性および充填性 スランプフロー試験はコンクリートの流動性を、ロート
試験はある特定の間隙を通過する性能を、充填性評価試
験はコンクリートの充填性を総合的に評価する試験であ
る。
【0042】a.コンクリートの練り混ぜ 表1に示す各種材料、表2および3に示す配合を用い
て、水平二軸型強制練りミキサで3分30秒間練混ぜを
行い、コンクリートを製造した。まずセメントと細骨材
とを低速で30秒練り混ぜた後、一次水を投入して高速
で90秒練り混ぜ、さらに二次水、高性能AE減水剤及
び/又は高性能減水剤、所望によりAE剤、および粗骨
材を投入して90秒中速で練り混ぜた。得られたコンク
リートに対し、スランプフロー試験、ロート試験および
充填性評価試験を行った。
【0043】b.スランプフロー試験 コンクリートのスランプフロー試験は、土木学会基準、
水中不分離性コンクリート施工指針に記載された方法に
準拠し、スランプコーンにコンクリート試料を詰め、コ
ーンを引き上げたのち、ほぼ円形に広がったコンクリー
トの直径を直交する2方向で測定し、その平均値をスラ
ンプフロー値とするものである。
【0044】c.コンクリートのロート試験 コンクリートのロート試験は、図3に示すV型のロート
状の容器にコンクリートを詰め、上部よりコンクリート
が流下する状況を観察し、ロートを通して下が見える瞬
間までに要する時間を測定し、これを流下時間とする。
【0045】d.コンクリートの充填性評価試験 コンクリートの充填性評価試験は、図4に示す充填性評
価用試験装置内に、ジョッキを用いて、コンクリートを
連続して投入し、コンクリートが充填されていく状況か
ら、その充填性を総合的に判定する評価試験である。装
置内に配置された配筋条件は、一般の構造物と比較し、
厳しい条件となっているが、一般に締固め不要コンクリ
ートとして安心して利用するためには、この程度の条件
をきれいに充填することが望ましい。
【0046】充填性の評価は、図5に示す鉄筋を模擬し
たパイプ周辺のコンクリートの流動状況および図6に示
すコンクリート投入時の全体の流動状況から総合的にA
〜Dに判定する。充填性評価ランクは、 Aランク:最も優れており、下から順次コンクリートが
流動し、コンクリートの圧力が全体に充填したもの。 Bランク:一般的な配筋条件の構造物でほぼ締固め不要
として利用可能と考えられるもので、若干上表面をコン
クリートが流れるものの、流動勾配は小さく鉄筋などの
障害物において図5に示すようなコンクリートの自由落
下がほとんどないもの。表面部にわずかに未充填部(5
cm程度)ができるもののほぼ充填しているもの。 Cランク:一般的な配筋条件の構造物では、締固め不要
コンクリートとして利用困難なもので、表面だけをコン
クリートが流れ、鉄筋などの障害物において図5に示す
ような自由落下が認められるもの。表面部、特に流動先
端部に未充填部(20cm程度)が幾つか認められる
が、ほぼ全域にコンクリートが到達しているもの。 Dランク:一般的な配筋条件の構造物では、締固め不要
コンクリートとして利用困難なもので、コンクリートの
流動性および充填性が悪く、鉄筋などの障害物において
図5に示すような自由落下が顕著に認められ、流動先端
部までコンクリートが到達しないもの。
【0047】実験No.1〜15、実験No.31〜3
9は、コンクリートの空気量を設定し、任意にG/Gl
im、Sc、およびkpを選定し、実験No.1により
例示する下記のa.〜f.の手順によりコンクリート1
立方メートル当たりの配合を設計した。 a.製造するコンクリートに使用する水硬性無機質粉体
の拘束水比(βp vol%)と、粗骨材の実績率(G
lim vol%)を実験的に求めた結果、水硬性無機
質粉体の拘束水比(βp vol%)は、96.6%
であり、粗骨材の実績率(Glim vol%)は、6
3.1%であった。 b.コンクリートの空気量(A vol%)は、2.0
%に設定した。 c.下記(1)式により、G/Glimを0.4とし
て、粗骨材量(G)を算出した。 G(vol/m)=(1000−2.0×10)×63.1/100×0 .4‥‥(1) G(vol/m)=247 d.下記(2)式により、Scを0.42として、細骨
材量(S)を算出した。 S(vol/m)=(1000−2.0×10−247)×0.42‥‥ ‥‥‥(2) S(vol/m)=308 e.下記(3)式により、kpを1.01として、水と
水硬性無機質粉体との容積比である水粉体容積比(W/
P)を算出した。 W/P(vol%)=96.6/100×1.01‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥(3) W/P(vol%)=0.98 また、W+Pが(1000−2.0×10−247−3
08)であるから、水量(W)および水硬性無機質粉体
量(P)は、 W(vol%)=210 P(vol%)=215 となる。 f.前記a.〜e.の手順により設定した配合条件によ
り製造されたコンクリートに、高性能AE減水剤(SP
1) を添加し、スランプフロー値が69cmになるよ
うに調整した。この時のSP1の添加量は、水硬性無機
質粉体の重量に対して、0.50重量%であった。
【0048】実験No.16〜30は、コンクリートの
空気量を設定し、G/Glimを0.5に、Scを0.
4として、kpを粗骨材を除いたモルタルにより実験的
に求め、実験No.16により例示する下記のg.の手
順によりコンクリート1立方メートル当たりの配合を設
計した。なお、拘束水比(βp)、実績率、粗骨材量
(G)、細骨材量(S)は、前記a.〜d.の手順によ
り求めた。 g.粗骨材およびAE剤を除くモルタルを用い、高性能
AE減水剤(SP3)の使用量を変化させて、モルタル
のフロー値を245mmに設定した場合のロート流下時
間が5〜15秒の範囲内になるkpの中で、ロート流下
時間が10秒に最も近いkpは、0.82であった。ま
た、この時のSP3の添加量は、水硬性無機質粉体の重
量に対して、1.25重量%であった。上記g.の結果
を用いた実験No.16のコンクリートの配合は、下記
のとおりとなる。 a.水硬性無機質粉体の拘束水比(βp vol%)
は、93.7%であり、粗骨材の実績率(Glim v
ol%)は、62.7%であった。 b.コンクリートの空気量(A vol%)は、5.0
%に設定した。 c.上記(1)式のG/Glimに0.5を代入し、粗
骨材量(G)を算出した。 G(vol/m)=(1000−5.0×10)×6
2.7/100×0.5 G(vol/m)=298 d.上記(2)式のScに0.4を代入し、細骨材量
(S)を算出した。 S(vol/m)=(1000−5.0×10−29
8)×0.4 S(vol/m)=261 e.上記(3)式のkpに上記g.より求めた0.82
代入し、水粉体容積比(W/P)を算出した。 W/P(vol%)=93.7/100×0.82 W/P(vol%)=0.77 また、W+Pが(1000−5.0×10−298−2
61)であるから、水量(W)および水硬性無機質粉体
量(P)は、 W(vol%)=170 P(vol%)=221 となる。
【0049】表2に示す実験No.1〜6は、水硬性無
機質粉体として中庸熱ポルトランドセメントを用い、本
方法で適切と考えられる、細骨材量を空気量を除く容積
に対して39%とし、水粉体容積比を水硬性無機質粉体
の拘束水比に対して1.01〜1.11倍にモルタルを
調整し、粗骨材量を変化させた試験結果である。
【0050】実験No.1〜3は、粗骨材として砕石を
使用した場合、実験No.4〜6は、粗骨材として川砂
利を使用した場合であり、どちらのケースでも、その使
用量が粗骨材実積率に相当する量対して、58%となる
と(実験No.3、6)、充填性が急激に悪くなる。し
たがって、締固め不要コンクリートを製造するために
は、粗骨材使用量をその実積率に相当する量に対して、
55%以下とする必要がある。
【0051】表2に示す実験No.7〜10は、水硬性
無機質粉体として中庸熱ポルトランドセメントを用い、
粗骨材使用量を適切と考えられる実積率に相当する量に
対し50%とし、細骨材使用量を変化させた試験結果で
ある。細骨材量がモルタル中の空気量を除く容積に対し
て50%未満では(実験No.7〜9)、締固め不要コ
ンクリートとして使用可能であるが、細骨材量がモルタ
ル中の空気量を除く容積に対して51%となると(実験
No.10)、充填性が急激に悪くなる。したがって、
締固め不要コンクリートを製造するためには、細骨材使
用量をモルタル中の空気量を除く容積に対して48%以
下とする必要がある。
【0052】表2に示す実験No.11〜15は、水硬
性無機質粉体として中庸熱ポルトランドセメントおよび
少量の石灰石粉を用い、粗骨材使用量を適切と考えられ
る実積率に相当する量に対し50〜51%とし、細骨材
使用量を適切と考えられるモルタル中の空気量を除く容
積に対して43〜45%とし、水粉体容積比を変化させ
た試験結果である。細・粗骨材量を適切に設定しても、
水粉体容積比が変化するとコンクリートの充填性が変化
し、水粉体容積比が水硬性無機質粉体の拘束水比に対し
て、1.22倍を超えると(実験No.15)充填性は
悪くなる。また、水粉体容積比が小さくなりすぎても、
充填性は悪くなる傾向にあり、水硬性無機質粉体には特
有の水粉体容積比に適切な範囲が存在する。
【0053】表3に示す実験No.16〜39は、各種
材料を用いた試験結果を示す。水硬性無機質粉体、細骨
材、粗骨材および高性能AE減水剤に異なる材料を使用
した場合においても、本方法で示す範囲に配合を調整す
れば、締固め不要コンクリートとしての充填性を有して
いることか分かる。モルタルのロート流下時間に基づい
て水粉体容積比を調整することによっても、コンクリー
トの充填性を調整することが可能であることが分かる
(実験No.16〜30)。
【0054】実験No.16〜22は、水硬性無機質粉
体として、中庸熱ポルトランドセメントを使用した場合
であり、No.16〜19は、細骨材として、富士川産
川砂をNo.20〜22は、木更津産山砂を使用してい
る。実験No.23〜30は、水硬性無機質粉体とし
て、中庸熱ポルトランドセメントに石灰石粉を20%混
合したものを使用した場合であり、細骨材として富士川
産川砂および木更津産山砂を用いても、本方法による調
整方法が妥当であることが分かる。
【0055】実験No.31〜33は、水硬性無機質粉
体として、中庸熱ポルトランドセメント60容積%に対
し、フライアッシュを40容積%混合使用した場合の結
果である。水硬性無機質粉体としての特性がかなり異な
る水硬性無機質粉体の場合にも、本方法による調整方法
が妥当であることが分かる。
【0056】実験No.34〜36は、高性能AE減水
剤の種類か異なる場合の結果を示している。実験No.
37および38は、細骨材として、その特性が大きく異
なる相馬産硅砂および木更津産山砂を使用した場合の結
果である。どちらの場合においても、本方法による調整
方法が妥当であることが分かる。
【0057】実験No.39は、その他の混和剤とし
て、高分子材料を使用した場合を示しており、本方法に
より配合を適切に調整すれば、締固め不要コンクリート
の製造が可能であることが示されている。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】本発明の気中打設の締固め不要コンクリ
ート製造用組成物の配合設計法は、従来、その製造に際
して、多種類のコンクリートについて試し練りを行う必
要があった気中打設の締固め不要コンクリート組成物に
ついて、その配合成分の範囲を実用的な範囲に特定し、
使用する各材料特性を簡易な試験により評価することに
より、合理的な製造を可能にする配合設計法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水硬性無機質粉体の拘束水比を定義するために
用いるグラフである。
【図2】モルタル評価用のV型ロートを示す図である。
【図3】コンクリート用V型ロートを示す図である。
【図4】コンクリートの充填性評価用試験装置を示す図
である。
【図5】コンクリートが流動によって自由落下する状況
を模式的に示した図である。
【図6】コンクリートの充填性試験における評価モデル
のランクを模式的に示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24:04 24:20 24:38) C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水硬性無機質粉体、細骨材、粗骨材、
    水、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤、ならび
    に所望によりAE剤、高分子材料、および化学混和剤を
    配合成分として使用して、下記のa〜fの手順により気
    中打設の締固め不要コンクリート製造用組成物の配合設
    計法。 a.製造するコンクリートに使用する水硬性無機質粉体
    の拘束水比(βp vol%)と、粗骨材の実績率(G
    lim vol%)とを実験的に求める。 b.コンクリートの空気量(A vol%)を設定す
    る。 c.下記(1)式によりG/Glimを0.4〜0.5
    5として、粗骨材量(G)を算出する。 粗骨材量 G(vol/m)=(1000−A×10)×実績率×(G/G lim)‥(1) d.下記(2)式によりScを0.35〜0.48とし
    て、細骨材量(S)を算出する。 細骨材量 S(vol/m)=(1000−A×10−G)×(Sc)‥‥ ‥‥‥‥(2) e.下記(3)式によりkpを0.70〜1.20とし
    て、水と水硬性無機質粉体との容積比である水粉体容積
    比(W/P)を算出する。 水粉体容積比 W/P(vol%)=拘束水比(βp)×(kp)‥‥‥‥‥ ‥‥(3) f.前記a〜eの手順により設定した配合条件によりコ
    ンクリート組成物を製造し、そのコンクリート組成物
    に、所望によりAE剤を使用して空気を連行し、所望に
    より高分子材料及び/又は化学混和剤を添加し、高性能
    AE減水剤及び/又は高性能減水剤を添加し、スランプ
    フロー値が50〜70cmの範囲になるように調整す
    る。
  2. 【請求項2】 前記G/Glimを0.5に、前記S
    cを0.4に設定し、下記のgの手順により前記kpを
    モルタル実験により求める請求項1記載の気中打設の締
    固め不要コンクリートの配合設計法。 g.粗骨材およびAE剤を除くモルタルを用い、高性能
    AE減水剤及び/又は高性能減水剤(SP)の使用量を
    変化させて、モルタルのフロー値を240〜250mm
    に設定した場合のロート流下時間が5〜15秒の範囲内
    になるkpを選定する。ここで、kpが複数の場合は、
    ロート流下時間が10秒に最も近いkpを最適kp値と
    する。
  3. 【請求項3】 前記の水硬性無機質粉体として、
    (a)セメントまたは(b)高炉スラグ微粉末、フライ
    アッシュ、シリカフューム等のポゾラン材料ならびに石
    灰石粉、膨張材より選ばれる1種または2種以上の物質
    とセメントとの混合物であって、ブレーン比表面積が
    2,500〜10,000cm/gである粉体を使用
    する請求項1および2各項に記載の気中打設の締固め不
    要コンクリートの配合設計法。
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