JP3749270B2 - 気中打設の締固め不要コンクリートの配合設計法 - Google Patents

気中打設の締固め不要コンクリートの配合設計法 Download PDF

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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、社会基盤施設を構築するための重要な構造材料であるコンクリートを、気中において打設作業するに際し、振動締固め作業を不要とする気中打設の締固め不要コンクリートを合理的に製造するためのコンクリート組成物の配合設計法に関する。さらに詳しくは、本発明は、気中打設の締固め不要コンクリートを製造するに際して、使用する水硬性無機質粉体、細骨材、粗骨材、水、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤、ならびに所望により使用されるAE剤、高分子材料、化学混和剤の各材料の特性に応じて、各材料の構成割合を合理的に調整するための配合設計法に関するものである。この配合設計法を利用することにより、気中打設の締固め不要コンクリートを生コンクリート工場やコンクリート二次製品工場において合理的に製造することができる。
【0002】
【背景技術】
本発明者である岡村は、かねてより、「コンクリートが、本来耐久的な材料であるにもかかわらず、その耐久性や信頼性に疑問が呈されているのは、施工過程における人的要因の大きい締固め作業に熟練を要することが原因の一つであり、施工の良否の影響を受けない、締固め不要のコンクリートが開発されれば、コンクリート構造物の信頼性は格段に向上するはずである」と提唱した。本発明者らは、先に気中打設の締固め不要コンクリートの製造方法を提案した。(特開平3−237049、特開平4−164849)
【0003】
特開平3−237049公報には、耐久性を考慮して単位水量を制限し、比較的大量の水硬性無機質粉体を用い、少量の増粘剤等の水溶性高分子材料と適量の高性能AE減水剤を組み合わせることにより締固め不要コンクリートを製造する方法が記載され、また、特開平4−164849公報には、水硬性無機質粉体としてセメントとブレーン比表面積が5,000〜10,000cm/gの粉末度が非常に細かい高炉スラグ微粉末を組み合わせるとともに、減水作用を与えるための界面活性剤を用いることにより締固め不要コンクリートを製造する方法が示されている。
【0004】
締固め不要のコンクリートは、施工作業の良否によらず信頼性が高く、耐久的な構造物を実現でき、さらに、施工現場における省人化や締固め作業に伴う騒音防止にも有効である点で優れたものである。また、締固め作業を前提として施工される従来のコンクリートを、締固め不要コンクリートに交替させることにより、施工を合理的に改善することができ、かつコンクリートの打設が困難なために実現できなかった新しい構造を採用することも可能となるため、締固め不要コンクリートは、将来のコンクリート技術にとって非常に価値の高いものとして、建設業をはじめ各種産業界から注目を浴びている。
【0005】
一方、生コンクリート工場やコンクリート二次製品工場において締固め不要コンクリートを製造する場合には、コンクリートに要求される品質に応じて水硬性無機質粉体を選定し、各工場で入手可能な骨材を使用し、使用する各材料の特性に対応した配合設計を行う必要がある。また、締固め不要コンクリートに使用される材料は、学会やJIS等により品質規格が制定されてはいるものの、全国で種々の材料が使用されているため、その材料特性には幅があり、それぞれの材料特性に応じた合理的な配合設計法の出現が強く要望されていた。
【0006】
ところで、締固め不要コンクリートは、基本的には従来のコンクリートと同様の材料を使用するものではあるが、従来のコンクリートとはその配合設計理論が根本的に異なるために、従来の配合設計法を適用して製造することは不可能であった。
【0007】
従来のコンクリートは、一般に、フレッシュ性状に対してスランプに基づく配合設計が行われている。一方、締固め不要コンクリートは、スランプでは測定不可能な領域のコンクリートであり、そのフレッシュ時の特性を評価する方法もこれまでに確立されていない。さらに、従来のコンクリートは、細・粗骨材の隙間をできるだけ少なくする配合設計体系であり、隙間に存在するペーストの影響が比較的小さいのに対し、締固め不要コンクリートは、ペースト量が比較的多いため、その特性の影響を大きく受け、水硬性無機質粉体や高性能AE減水剤や高性能減水剤の特性を正確に把握することが配合設計時には必要不可欠である。
【0008】
このため、締固め不要コンクリートを実際に製造する場合には、多種類のコンクリートについて試し練りを行い、最適な配合を選定せざるを得ない状況にあり、締固め不要コンクリートを合理的に製造するための配合設計法の確立が強く待望されていた。
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、気中打設の締固め不要コンクリートの配合の範囲を実用的な範囲に限定し、使用する各材料特性を簡易な試験により評価し、配合設計に用いることにより、合理的に締固め不要コンクリートの製造を可能にする本発明方法を提供することに成功した。
【0010】
以下に詳述する本発明方法においては、フレッシュコンクリートを水硬性無機質粉体、細・粗骨材等の固体粒子と液体である水および気体である空気の多相材料として捉えている。締固め不要コンクリートを製造するためには、これらを適切な割合で混合する必要があり、特に、コンクリート中の水を固体粒子にその動きを拘束される流動に寄与しない水(拘束水)とそれ以外の自由に変形することができ流動に寄与する水(自由水)に分けて考えている。固体粒子の中でも、最も粒径の小さい水硬性無機質粉体は、表面積が大きいため、拘束する水量が最も多く、水硬性無機質粉体の種類が異なると大きく変化する。したがって、この拘束水量を評価する試験方法を開発するとともに、これを配合設計を行うための特性値(拘束水比)として利用し、合理的に配合設計を行うものである。
【0011】
【発明の開示】
本発明は、気中打設の締固め不要コンクリートが適用される構造物の種類やそれを製造する生コンクリート工場やコンクリート二次製品工場の設備・品質管理状況を考慮し、種々の使用材料に対応できる実用的な気中打設の締固め不要コンクリートを合理的に製造するための配合設計法を開示し、併せ、この配合設計法により製造されたコンクリートを気中打設の締固め不要コンクリートと定義し、気中打設の締固め不要コンクリートの範囲を明確化にしようとするものである。
【0012】
すなわち、本発明は、水硬性無機質粉体、細骨材、粗骨材、水、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤を使用して、下記のa.〜f.の手順により気中打設の締固め不要コンクリートを合理的に製造するための配合設計法である。
a.製造するコンクリートに使用する水硬性無機質粉体の拘束水比(βp vol%)と、粗骨材の実績率(Glim vol%)とを実験的に求める。ここで、拘束水比とは、使用する水硬性無機質粉体の相対フロー面積(横軸)と水粉体容積比(縦軸)との関係を表したグラフ(直線)の切片であり、実績率は、JIS A 1104より求めた粗骨材の実績率である。
b.コンクリートの空気量(A vol%)を設定する。
c.下記(1)式によりG/Glimを0.4〜0.55として、粗骨材量(G)を算出する。
粗骨材量G(vol/m)=(1000−A×10)×実績率×(G/Glim)・・(1)
d.下記(2)式によりScを0.35〜0.48として、細骨材量(S)を算出する。
細骨材量S(vol/m)=(1000−A×10−G)×(Sc)・・・・・・・(2)
e.下記(3)式によりκpを0.79〜1.15として、水と水硬性無機質粉体との容積比である水粉体容積比(W/P)を算出する。
水粉体容積比W/P(vol%)=拘束水比(βp)×(κp)・・・・・・・・・(3)
f.前記a.〜e.の手順により設定した配合条件によりコンクリート組成物を製造し、そのコンクリート組成物に、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤を添加し、スランプフロー値が50〜70cmの範囲になるように調整する。
【0013】
また本発明は、前記コンクリート製造用組成物が、さらにAE剤、高分子材料、および化学混和剤から選択される1種または2種以上を任意に配合成分として含むものであって、手順f.において、
前記a.〜e.の手順により設定した配合条件によりコンクリート組成物を製造し、そのコンクリート組成物に、所望によりAE剤を使用して空気を連行し、所望により高分子材料及び/又は化学混和剤を添加し、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤を添加し、スランプフロー値が50〜70cmの範囲になるように調整する、気中打設の締固め不要コンクリート製造用組成物の配合設計法に関する。
さらに、本発明は、前記G/Glimを0.5に、前記Scを0.4に設定し、下記g.のモルタル実験により求めたκp、水粉体容積比、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤(SP)の使用量を用いてコンクリートの配合設計を行う、気中打設の締固め不要コンクリート製造用組成物の配合設計法に関する。
g.粗骨材およびAE剤を除くモルタルを用い、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤(SP)の使用量を変化させて、モルタルのフロー値を240〜250mmに設定した場合のロート流下時間が5〜15秒の範囲内になるκpを選定する。
ここで、κpが複数の場合は、ロート流下時間が10秒に最も近いκpを最適κp値とする。
【0014】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明方法における水硬性無機質粉体を具体的に例示すると、水硬性無機質粉体として、(a)セメントまたは(b)高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム等のポゾラン材料ならびに石灰石粉、膨張材より選ばれる1種または2種以上の物質とセメントとの混合物であって、ブレーン比表面積が2,500〜10,000cm/gである粉体を使用する。また、上記のセメントとしては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント(高ビーライトセメント)、早強ポルトランドセメント、低熱セメント、耐硫酸塩セメントがあげられる。
【0015】
上記の水硬性無機質粉体のブレーン比表面積は、2,500〜10,000cm/gの範囲が実用的であり、2,500cm/gより粗い水硬性無機質粉体を使用した場合、コンクリート中の単位水量を比較的少なくすることができるが、単位水量の変動に対して、フレッシュコンクリートの性状が敏感すぎ品質管理が困難となり、材料分離に抵抗するために必要な粘性を与えることが困難となる。 逆に、10,000cm/gより細かい水硬性無機質粉体を使用した場合、コンクリート中の単位水量が非常に多くなり、硬化時の収縮や硬化後の乾燥収縮等の耐久性に対する初期欠陥の原因を制御することが困難となる。
【0016】
上記の水硬性無機質粉体は、主に、コンクリートの硬化時や硬化後の品質に応じて選定される。セメントして、要求品質に応じて、市販されている各種のセメントを1種または2種以上混合して使用することが可能である。水和時の発熱による温度ひびわれが懸念される場合には、セメントに高炉スラグ微粉末やフライアッシュ、石灰石粉を1種または2種以上混合して使用する。硬化時や乾燥収縮による収縮ひびわれが懸念される場合には、膨張材等を混合して使用することが考えられる。組織を緻密にし、特に高強度が要求される場合には、シリカフューム等の超微粉末を混合使用することも可能である。
【0017】
締固め不要コンクリートの充填性に及ぼす粗骨材の影響は極めて大きく、最大寸法、粒度分布、粒形などによって、適切な粗骨材容積は異なる。フレッシュコンクリートが鉄筋等の障害物の間隙を通過するためには、粗骨材どうしのアーチングによる閉塞を生じないよう配合設計する必要があり、粗骨材量が多いと、粗骨材どうしの接触摩擦による抵抗が大きくなる。
【0018】
一方、粗骨材量が少ないと、モルタル量が相対的に多くなり、硬化後の耐久性に問題が生じるケースがある。すなわち、モルタル量の増大に伴い、硬化収縮や乾燥収縮が大きくなり、単位水硬性無機質粉体量の増大により、硬化時の発熱量も大きくなる。したがって、従来生コンクリート工場で一般に使用される20〜40mmの最大寸法を持つ粗骨材を使用し、一般の構造物に適用する場合、鉄筋等の障害物の間隙の大きさを考慮すると粗骨材量として、空気量を除くコンクリート中の粗骨材実績率に相当する量に対して、40〜55%の範囲で使用するのが実用的である。
【0019】
粗骨材量をその実績率に相当する量に対して表現することで、使用する粗骨材の粒度分布が、コンクリート標準示方書やJISの規格を満足する範囲にあれば、コンクリートの充填性に及ぼす粗骨材の粒度分布と粒形の影響は、その実績率によって極めて精度よく評価でき、任意の種類の粗骨材に対しても、この値を適用することができるのである。一般には、空気量を除くコンクリート中の粗骨材実績率に相当する量に対して、50%とするのが好ましい。
【0020】
細骨材量の大小も、締固め不要コンクリートの充填特性に及ぼす影響が極めて大きく、その値を大きくし過ぎると、良い充填性レベルのものが得られない。細骨材は、粗骨材粒子の間隙に存在し、細骨材量が多いと粒子どうしの接触摩擦等によるかみ合わせ効果による変形抵抗が大きくなり、締固め不要を実現することが困難となるからである。そして、その影響は細骨材の粒形および粒度分布ならびに水硬性無機質粉体の特性によって異なるものである。一方、この値を小さくすると、コンクリート中のペースト量が相対的に多くなり、セメント量や水量の増加を招き、硬化後のコンクリートの特性に悪い影響を与える。したがって、細骨材容積の値を適切に定めることが重要である。
【0021】
通常生コンクリート工場で使用される、コンクリート標準示方書やJISの規格を満足する範囲の品質を持つ細骨材を用いる場合、細骨材量として、空気量を除くモルタル中に占める容積として、35〜48%の範囲で使用するのが実用的である。一般には、細骨材量として、空気量を除くモルタル中に占める容積として、40%とするのが好ましい。
【0022】
水硬性無機質粉体および水は、その容積比を適切な範囲で使用する必要がある。水硬性無機質粉体に対して、水量が少ないと、ペーストの粘性が増大しすぎ、締固め不要を実現するために必要な変形性をコンクリートに付与することが困難となる。一方、水硬性無機質粉体に対する水量が多いと、ペーストの粘性が低下しすぎ、締固め不要コンクリートに必要な材料分離抵抗性を付与できなくなる。したがって、コンクリート中のペーストに適切な粘性を付与するためには、その容積比を適切な範囲で使用する必要があることとなる。
【0023】
水量と水硬性無機質粉体量の容積比である水粉体容積比(W/P)を水硬性無機質粉体の拘束水比(βp)に対して70〜120%(κp)の範囲とすることにより、一般の生コンクリート工場で使用される種々の粒度分布を持つ水硬性無機質粉体に対応することができる。ここで、κpは水硬性無機質粉体の拘束水比(βp)に対する水粉体容積比(W/P)の比率である。水硬性無機質粉体の拘束水比βp は、以下のように定義される。
水粉体容積比を変化させたペーストのフロー面積は、当該水粉体容積比と線型関係にあることが知られている。この線型関係から求められる、フロー面積がフローコーンの面積と一致する場合の水粉体容積比をその水硬性無機質粉体の拘束水比と定義することができる(図1)。
【0024】
すなわち、ペースト試料が自重による変形を生じはじめる限界の水量を表していると考えられ、使用する水硬性無機質粉体の粒度、形状、表面性状や初期水和性状等の化学的特性の影響を受けるものと考えられている。この水硬性無機質粉体の拘束水比に対して、水粉体積比を70〜120%の範囲とすることで、ペーストに適度な粘性と変形性を付与することができる。
【0025】
さらに、水粉体容積比の設定を適切に行う方法として、モルタルの実験により、以下の手順で求めることができる。細骨材量を空気量を除くそのモルタル中に占める体積として40%とし、所望により高分子材料及び/又は化学混和剤を添加し、kpを70〜120%の範囲内で変化させたモルタルを用い、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤(SP)の使用量を変化させて、モルタルのフロー値を240〜250mmに設定した場合のロート流下時間が5〜15秒の範囲内になるkpを選定する。ここで、kpが複数の場合は、ロート流下時間が10秒に最も近いkpを最適kpと決定する。この最適kp値を水硬性無機質粉体の拘束水比(βp)に乗じた値を最適水粉体容積比とする。
【0026】
モルタルのフロー値とロート(図2)を用いた試験によるその流下時間を測定することにより、適切な水粉体容積比を合理的に決定することが可能となるのである。ペーストではなく、モルタルを用いた試験を行うのは、試料の練混ぜの状態をできるだけコンクリートに近づけるためである。モルタルのフロー値の設定は、コンクリートとした場合の締固め不要コンクリートとして適切な範囲のスランプフロー値を考慮して決定したものである。ロート試験から得られる流下時間は、モルタルに締固め不要コンクリートとして適切な粘性を付与するために設定した範囲であり、これよりも流下時間が遅い場合は、粘性が高すぎ、逆に速い場合は、粘性が小さすぎて材料分離を生じることとなる。
【0027】
前記で定まった配合のコンクリートについて、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤および所望によりAE剤の使用量を定める必要があるが、これらはコンクリートの実験を行うことなく決めることはできない。そこで、前記の手順により設定又は決定した配合条件により製造されたコンクリート組成物に対し、所望によりAE剤を使用して空気を連行し、所望により高分子材料及び/又は化学混和剤を添加し、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤を添加し、スランプフロー値が50〜70cmの範囲になるように調整する。高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤は、その添加量が少なく、スランプフロー値が小さいと、締固め不要を実現するための変形性に乏しく、逆に添加量が多く、スランプフロー値が大きすぎると、コンクリートの材料分離や硬化時の凝結遅延等が問題となる。したがって、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤は、コンクリートのスランプフロー値が、50〜70cmの範囲で使用するのが実用的である。
【0028】
このようにして決定した、粗骨材量、細骨材量、水粉体容積比、空気量、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤の使用量に基づいて、コンクリート1立方メートル中における各材料の容積を計算することができ、さらに各材料の比重を用いると重量配合を計算することができる。このようにして求めた示方配合では、従来と同様に、骨材は吸水量を含み、表面水は含んでいない。なお、粗骨材の吸水量は、従来から用いられているJIS A 1110(粗骨材の比重及び吸水率試験方法)により求める。細骨材の吸水量は、JIS A 1802(遠心力による細骨材の表面水率試験方法)に準じて求める。
【0029】
上記の高性能AE減水剤および高性能減水剤は、市販されている各種のセメント添加剤の中から、任意、適宜に選択することができるが、多量に使用しても過度の凝結遅延や空気連行性を伴わない分散能力の界面活性剤は好ましいものである。例示すれば、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリカルポン酸塩およびこの誘導体、変性リグニンスルホン酸塩、芳香族アミノスルホン酸塩等を主成分とするものがあげられる。なお、同種の流動化剤も高性能減水剤と同様に利用可能である。
【0030】
上記の高分子材料としては、一般的に分離低減剤、増粘剤と言われているもので、水溶性である非イオン性セルロースエーテル類、ポリアクリル酸類、ポリアクリルアミド類、ポリビニルアルコール等のポリビニル重合体類、ポリエチレングリコール等の多価ヒドロキシ化合物類、アラビアゴム、アルギン酸、可溶性デンプン、難溶性又は不溶性のデキストリン等の天然多糖類、カードラン、ザンタンガム、プルラン等の微生物多糖類等があげられる。
【0031】
前記の化学混和剤としては、促進剤、凝結遅延剤、消泡剤、乾燥収縮低減剤、防錆剤等を例示することができる。
【0032】
【実施例】
[試験方法]
1)粗骨材の実積率
粗骨材の実積率は、JIS A 1104(骨材の単位容積重量及び実績率試験方法)に基づいて試験を行ない求めた。
【0033】
2)水硬性無機質粉体の拘束水比
締固め不要コンクリートに必要な水量を決定するためには、コンクリートの流動に寄与しない水量、すなわち固体粒子に拘束される水量、を算定しておく必要がある。固体粒子に拘束される水量の中で最も大きいのは、水硬性無機質粉体に拘束される水である。水硬性無機質粉体の拘束水比は、以下の手順で求める。
【0034】
a.ペーストの練り混ぜ
水粉体容積比を、4水準変化させた水硬性無機質粉体ペースト(以下、ペーストという)をつくり、フロー試験を行う。JIS R 5201(セメントの物理試験方法)に定めるミキサを使用して、下記の手順で1リットルのペーストをつくる。水硬性無機質粉体と一次水とを低速で60秒練り混ぜた後、ミキサに付いたペーストをかき落として、さらに高速で60秒練り混ぜ、ついで二次水を投入して低速で60秒練り混ぜた後、再びミキサに付いたペーストをかき落とし、さらに低速で60秒練り混ぜる。練混ぜ水量の相違によって、ペーストの練混ぜ効率が変化するため、投入水を二つに分け、まず低水粉体容積比で効率良く練混ぜた後に、所定の水粉体容積比のペーストを練り混ぜるのである。この方法によって、異なる水粉体容積比のペーストに対して、同一練混ぜ時間で、水硬性無機質粉体粒子の分散状態をほぼ同様にしたペーストをつくることが可能となる。
【0035】
b.フロー試験
フロー試験は、JIS R 5201(セメントの物理試験方法)に定める方法を準用し、フローテーブル又は水平に設置した磨きガラス上で行う。落下運動は与えず、フローコーンを取り去った後、ペーストの変形が終了した時点での、2方向の直径を測定する。引き続いて2回行ったフロー試験におけるフロー値の平均を用いてフロー面積を算定し、これを基準面積(直径100mmの円の面積)で除した値をペーストの相対フロー面積比と定義する。
【0036】
c.水硬性無機質粉体の拘束水比の算定
相対フロー面積比と水粉体容積比との間には線型関係があるので、これを直線回帰して、相対フロー面積比が零となる水粉体容積比、直線の切片の値を求め、これを水硬性無機質粉体の拘束水比とする。(図1)
実験に使用した各種の水硬性無機質粉体の拘束水比(βp)は表2および表3中に示す。
【0037】
3)モルタルのフロー試験およびVロート試験
水粉体容積比の設定は、その充填特性の上から極めて重要である。適切な水粉体容積比は、モルタルのフロー試験およびVロート試験を用いて求める。これらの試験は、以下の手順で行う。
【0038】
a.モルタルの練り混ぜ
JIS R 5201(セメントの物理試験方法)に定めるミキサを使用して、一定の手順で1.5リットルのモルタルをつくる。細骨材および水硬性無機質粉体と一次水とを低速で60秒練り混ぜた後、ミキサに付いたモルタルをかき落として、さらに低速で60秒練り混ぜ、ついで二次水と高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤とを投入して低速で60秒練り混ぜた後、再びミキサに付いたモルタルをかき落とし、さらに低速で60秒練り混ぜる。
【0039】
b.フロー試験
モルタルのフロー試験は、前記のペーストの場合と同様の方法で行い、モルタルのフロー値を求める。
【0040】
c.Vロート試験
モルタルのVロート試験は、図2に示すモルタル用Vロートに、ジョッキを用いてロート上面まで試料を流し込み、試料がロートを全量流下するまでの時間を測定することにより行う。なお、全量流下の判定は、ロート上部より試料の流下を観察し、ロートを通して下の空間が見えた瞬間とする。
【0041】
4)コンクリートの流動性および充填性
スランプフロー試験はコンクリートの流動性を、ロート試験はある特定の間隙を通過する性能を、充填性評価試験はコンクリートの充填性を総合的に評価する試験である。
【0042】
a.コンクリートの練り混ぜ
表1に示す各種材料、表2および3に示す配合を用いて、水平二軸型強制練りミキサで3分30秒間練混ぜを行い、コンクリートを製造した。まずセメントと細骨材とを低速で30秒練り混ぜた後、一次水を投入して高速で90秒練り混ぜ、さらに二次水、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤、所望によりAE剤、および粗骨材を投入して90秒中速で練り混ぜた。得られたコンクリートに対し、スランプフロー試験、ロート試験および充填性評価試験を行った。
【0043】
b.スランプフロー試験
コンクリートのスランプフロー試験は、土木学会基準、水中不分離性コンクリート施工指針に記載された方法に準拠し、スランプコーンにコンクリート試料を詰め、コーンを引き上げたのち、ほぼ円形に広がったコンクリートの直径を直交する2方向で測定し、その平均値をスランプフロー値とするものである。
【0044】
c.コンクリートのロート試験
コンクリートのロート試験は、図3に示すV型のロート状の容器にコンクリートを詰め、上部よりコンクリートが流下する状況を観察し、ロートを通して下が見える瞬間までに要する時間を測定し、これを流下時間とする。
【0045】
d.コンクリートの充填性評価試験
コンクリートの充填性評価試験は、図4に示す充填性評価用試験装置内に、ジョッキを用いて、コンクリートを連続して投入し、コンクリートが充填されていく状況から、その充填性を総合的に判定する評価試験である。装置内に配置された配筋条件は、一般の構造物と比較し、厳しい条件となっているが、一般に締固め不要コンクリートとして安心して利用するためには、この程度の条件をきれいに充填することが望ましい。
【0046】
充填性の評価は、図5に示す鉄筋を模擬したパイプ周辺のコンクリートの流動状況および図6に示すコンクリート投入時の全体の流動状況から総合的にA〜Dに判定する。
充填性評価ランクは、
Aランク:最も優れており、下から順次コンクリートが流動し、コンクリートの圧力が全体に充填したもの。
Bランク:一般的な配筋条件の構造物でほぼ締固め不要として利用可能と考えられるもので、若干上表面をコンクリートが流れるものの、流動勾配は小さく鉄筋などの障害物において図5に示すようなコンクリートの自由落下がほとんどないもの。表面部にわずかに未充填部(5cm程度)ができるもののほぼ充填しているもの。
Cランク:一般的な配筋条件の構造物では、締固め不要コンクリートとして利用困難なもので、表面だけをコンクリートが流れ、鉄筋などの障害物において図5に示すような自由落下が認められるもの。表面部、特に流動先端部に未充填部(20cm程度)が幾つか認められるが、ほぼ全域にコンクリートが到達しているもの。
Dランク:一般的な配筋条件の構造物では、締固め不要コンクリートとして利用困難なもので、コンクリートの流動性および充填性が悪く、鉄筋などの障害物において図5に示すような自由落下が顕著に認められ、流動先端部までコンクリートが到達しないもの。
【0047】
実験No.1〜15、実験No.31〜39は、コンクリートの空気量を設定し、任意にG/Glim、Sc、およびkpを選定し、実験No.1により例示する下記のa.〜f.の手順によりコンクリート1立方メートル当たりの配合を設計した。
a.製造するコンクリートに使用する水硬性無機質粉体の拘束水比(βp vol%)と、粗骨材の実績率(Glim vol%)を実験的に求めた結果、水硬性無機質粉体の拘束水比(βp vol%)は、96.6% であり、粗骨材の実績率(Glim vol%)は、63.1%であった。
b.コンクリートの空気量(A vol%)は、2.0%に設定した。
c.下記(1)式により、G/Glimを0.4として、粗骨材量(G)を算出した。
G(vol/m)=(1000−2.0×10)×63.1/100×0.4‥‥(1)
G(vol/m)=247
d.下記(2)式により、Scを0.42として、細骨材量(S)を算出した。
S(vol/m)=(1000−2.0×10−247)×0.42‥‥‥‥‥(2)
S(vol/m)=308
e.下記(3)式により、kpを1.01として、水と水硬性無機質粉体との容積比である水粉体容積比(W/P)を算出した。
W/P(vol%)=96.6/100×1.01‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3)
W/P(vol%)=0.98
また、W+Pが(1000−2.0×10−247−308)であるから、水量(W)および水硬性無機質粉体量(P)は、
W(vol%)=210
P(vol%)=215 となる。
f.前記a.〜e.の手順により設定した配合条件により製造されたコンクリートに、高性能AE減水剤(SP1) を添加し、スランプフロー値が69cmになるように調整した。この時のSP1の添加量は、水硬性無機質粉体の重量に対して、0.50重量%であった。
【0048】
実験No.16〜30は、コンクリートの空気量を設定し、G/Glimを0.5に、Scを0.4として、kpを粗骨材を除いたモルタルにより実験的に求め、実験No.16により例示する下記のg.の手順によりコンクリート1立方メートル当たりの配合を設計した。なお、拘束水比(βp)、実績率、粗骨材量(G)、細骨材量(S)は、前記a.〜d.の手順により求めた。
g.粗骨材およびAE剤を除くモルタルを用い、高性能AE減水剤(SP3)の使用量を変化させて、モルタルのフロー値を245mmに設定した場合のロート流下時間が5〜15秒の範囲内になるkpの中で、ロート流下時間が10秒に最も近いkpは、0.82であった。また、この時のSP3の添加量は、水硬性無機質粉体の重量に対して、1.25重量%であった。
上記g.の結果を用いた実験No.16のコンクリートの配合は、下記のとおりとなる。
a.水硬性無機質粉体の拘束水比(βp vol%)は、93.7%であり、粗骨材の実績率(Glim vol%)は、62.7%であった。
b.コンクリートの空気量(A vol%)は、5.0%に設定した。
c.上記(1)式のG/Glimに0.5を代入し、粗骨材量(G)を算出した。
G(vol/m)=(1000−5.0×10)×62.7/100×0.5
G(vol/m)=298
d.上記(2)式のScに0.4を代入し、細骨材量(S)を算出した。
S(vol/m)=(1000−5.0×10−298)×0.4
S(vol/m)=261
e.上記(3)式のkpに上記g.より求めた0.82代入し、水粉体容積比(W/P)を算出した。
W/P(vol%)=93.7/100×0.82
W/P(vol%)=0.77
また、W+Pが(1000−5.0×10−298−261)であるから、水量(W)および水硬性無機質粉体量(P)は、
W(vol%)=170
P(vol%)=221 となる。
【0049】
表2に示す実験No.1〜6は、水硬性無機質粉体として中庸熱ポルトランドセメントを用い、本方法で適切と考えられる、細骨材量を空気量を除く容積に対して39%〜42%とし、水粉体容積比(W/P)を水硬性無機質粉体の拘束水比(βp)に対して1.01〜1.11倍(κp)にモルタルを調整し、粗骨材量(G)を変化させた試験結果である。
【0050】
実験No.1〜3は、粗骨材として砕石を使用した場合、実験No.4〜6は、粗骨材として川砂利を使用した場合であり、どちらのケースでも、その使用量が粗骨材実積率に相当する量対して、58%、60%となると(実験No.3、6)、充填性が急激に悪くなる。
したがって、締固め不要コンクリートを製造するためには、粗骨材使用量をその実積率に相当する量に対して、55%以下とする必要がある。
【0051】
表3に示す実験No.7〜10は、水硬性無機質粉体として中庸熱ポルトランドセメントを用い、粗骨材使用量を適切と考えられる実積率に相当する量に対し49〜51%とし、細骨材使用量を変化させた試験結果である。細骨材量がモルタル中の空気量を除く容積に対して50%未満では(実験No.7〜9)、締固め不要コンクリートとして使用可能であるが、細骨材量がモルタル中の空気量を除く容積に対して51%となると(実験No.10)、充填性が急激に悪くなる。
したがって、締固め不要コンクリートを製造するためには、細骨材使用量をモルタル中の空気量を除く容積に対して48%以下とする必要がある。
【0052】
表3に示す実験No.11〜15は、水硬性無機質粉体として中庸熱ポルトランドセメントおよび少量の石灰石粉を用い、粗骨材使用量を適切と考えられる実積率に相当する量に対し50〜51%とし、細骨材使用量を適切と考えられるモルタル中の空気量を除く容積に対して43〜45%とし、水粉体容積比を変化させた試験結果である。細・粗骨材量を適切に設定しても、水粉体容積比が変化するとコンクリートの充填性が変化し、水粉体容積比が水硬性無機質粉体の拘束水比に対して、1.2倍を超えると(実験No.15)充填性は悪くなる。また、水粉体容積比が小さくなりすぎても、充填性は悪くなる傾向にあり、水硬性無機質粉体には特有の水粉体容積比に適切な範囲が存在する。
【0053】
表3に示す実験No.16〜39は、各種材料を用いた試験結果を示す。水硬性無機質粉体、細骨材、粗骨材および高性能AE減水剤に異なる材料を使用した場合においても、本方法で示す範囲に配合を調整すれば、締固め不要コンクリートとしての充填性を有していることか分かる。モルタルのロート流下時間に基づいて水粉体容積比を調整することによっても、コンクリートの充填性を調整することが可能であることが分かる(実験No.16〜30)。
【0054】
実験No.16〜22は、水硬性無機質粉体として、中庸熱ポルトランドセメントを使用した場合であり、No.16〜19は、細骨材として、富士川産川砂をNo.20〜22は、木更津産山砂を使用している。実験No.23〜30は、水硬性無機質粉体として、中庸熱ポルトランドセメントに石灰石粉を20%混合したものを使用した場合であり、細骨材として富士川産川砂および木更津産山砂を用いても、本方法による調整方法が妥当であることが分かる。
【0055】
実験No.31〜33は、水硬性無機質粉体として、中庸熱ポルトランドセメント60容積%に対し、フライアッシュを40容積%混合使用した場合の結果である。水硬性無機質粉体としての特性がかなり異なる水硬性無機質粉体の場合にも、本方法による調整方法が妥当であることが分かる。
【0056】
実験No.34〜36は、高性能AE減水剤の種類か異なる場合の結果を示している。実験No.37および38は、細骨材として、その特性が大きく異なる相馬産硅砂および木更津産山砂を使用した場合の結果である。どちらの場合においても、本方法による調整方法が妥当であることが分かる。
【0057】
実験No.39は、その他の混和剤として、高分子材料を使用した場合を示しており、本方法により配合を適切に調整すれば、締固め不要コンクリートの製造が可能であることが示されている。
【0058】
【表1】
Figure 0003749270
【0059】
【表2】
Figure 0003749270
【0060】
【表3】
Figure 0003749270
【0061】
【表4】
Figure 0003749270
【0062】
【発明の効果】
本発明の気中打設の締固め不要コンクリート製造用組成物の配合設計法は、従来、その製造に際して、多種類のコンクリートについて試し練りを行う必要があった気中打設の締固め不要コンクリート組成物について、その配合成分の範囲を実用的な範囲に特定し、使用する各材料特性を簡易な試験により評価することにより、合理的な製造を可能にする配合設計法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水硬性無機質粉体の拘束水比を定義するために用いるグラフである。
【図2】モルタル評価用のV型ロートを示す図である。
【図3】コンクリート用V型ロートを示す図である。
【図4】コンクリートの充填性評価用試験装置を示す図である。
【図5】コンクリートが流動によって自由落下する状況を模式的に示した図である。
【図6】コンクリートの充填性試験における評価モデルのランクを模式的に示した図である。

Claims (4)

  1. 水硬性無機質粉体、細骨材、粗骨材、水、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤を使用して、下記のa.〜f.の手順により気中打設の締固め不要コンクリート製造用組成物の配合設計法。
    a.製造するコンクリートに使用する水硬性無機質粉体の拘束水比(βp vol%)と、粗骨材の実績率(Glim vol%)とを実験的に求める。ここで、拘束水比とは、使用する水硬性無機質粉体の相対フロー面積(横軸)と水粉体容積比(縦軸)との関係を表したグラフ(直線)の切片であり、実績率は、JIS A 1104より求めた粗骨材の実績率である。
    b.コンクリートの空気量(A vol%)を設定する。
    c.下記(1)式によりG/Glimを0.4〜0.55として、粗骨材量(G)を算出する。
    粗骨材量 G(vol/m3)=(1000−A×10)×実績率×(G/Glim)・・(1)
    d.下記(2)式によりScを0.35〜0.48として、細骨材量(S)を算出する。
    細骨材量S(vol/m3)=(1000−A×10−G)×(Sc)・・・・・・・(2)
    e.下記(3)式によりκpを0.79〜1.15として、水と水硬性無機質粉体との容積比である水粉体容積比(W/P)を算出する。
    水粉体容積比W/P(vol%)=拘束水比(βp)×(κp)・・・・・・・・・・(3)
    f.前記a.〜e.の手順により設定した配合条件によりコンクリート組成物を製造し、そのコンクリート組成物に、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤を添加し、スランプフロー値が50〜70cmの範囲になるように調整する。
  2. 前記コンクリート製造用組成物が、さらにAE剤、高分子材料、および化学混和剤から選択される1種または2種以上を任意に配合成分として含むものであって、手順f.において、
    前記a.〜e.の手順により設定した配合条件によりコンクリート組成物を製造し、そのコンクリート組成物に、所望によりAE剤を使用して空気を連行し、所望により高分子材料及び/又は化学混和剤を添加し、、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤を添加し、スランプフロー値が50〜70cmの範囲になるように調整する、請求項1に記載の気中打設の締固め不要コンクリート製造用組成物の配合設計法。
  3. 前記G/Glimを0.5に、前記Scを0.4に設定し、下記g.のモルタル実験により求めたκp、水粉体容積比、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤(SP)の使用量を用いてコンクリートの配合設計を行う、請求項1または2に記載の気中打設の締固め不要コンクリート製造用組成物の配合設計法。
    g.粗骨材およびAE剤を除くモルタルを用い、高性能AE減水剤及び/又は高性能減水剤(SP)の使用量を変化させて、モルタルのフロー値を240〜250mmに設定した場合のロート流下時間が5〜15秒の範囲内になるκpを選定する。
    ここで、κpが複数の場合は、ロート流下時間が10秒に最も近いκpを最適κp値とする。
  4. (a)セメントまたは(b)高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム等のポゾラン材料ならびに石灰石粉、膨張材より選ばれる1種または2種以上の物質とセメントとの混合物であって、ブレーン比表面積が2,500〜10,000cm/gである粉体を使用する請求項1〜3の各項に記載の気中打設の締固め不要コンクリートの配合設計法。
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