JP5010936B2 - コンクリートの流動性評価試験方法及びその装置 - Google Patents

コンクリートの流動性評価試験方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、フレッシュコンクリートの流動性評価試験方法及びその試験に用いる試験装置に関する。
一般に、フレッシュコンクリートの流動性評価試験方法は、スランプおよびスランプフロー試験により行われており、スランプ値、スランプフロー値等が流動性の良否の指標とされている。高流動コンクリートに関しては、スランプフロー試験とは別に、コンシステンシーを評価する試験方法が数多く提案されており、実用されている方法も多く認められる。しかしながら、スランプ試験で評価されるコンクリート(以下、「スランプコンクリート」という)のコンシステンシーを評価する試験方法は規格化・規準化がされてなく、評価方法自体が確立されていないのが現状である。そのため、独自の手法による評価の試みも行われており、例えば、スランプコンクリートの材料分離抵抗性評価方法(特許文献1)やテーブルバイブレータを用いる方法(特許文献2)等が提案されている。
特許文献1に記載されているスランプコンクリートの材料分離抵抗性評価方法の概要は以下のとおりである。
(1)スランプ値が18〜23cmのコンクリート試料について、まずスランプ試験を行った後にスランプ台板上のコンクリート試料を囲繞するようにバリア装置を載置する。その後、台板を突き棒で叩いて振動を与え、台板上のコンクリート試料の一部がバリア装置の檻状壁部を通過してバリア装置の外部へ流動するようにして、コンクリート試料のフローをバリア装置の径より大きい所定の径まで拡げる。
(2)バリア装置の内部から採取した試料の粗骨材質量比とバリア装置の外部から採取した試料の粗骨材質量比との比率を、コンクリート試料の材料分離抵抗性の指標値とする。
(3)バリア装置の径が30cmの場合は、スランプフローを拡げる際の所定の径が50〜70cmの範囲内から選択することが望ましく、約60cmとすれば、なお好ましい。
(4)バリア装置の外部から採取した試料とバリア装置の内部から採取した試料それぞれの粗骨材質量比の比率は、分離抵抗性が高ければ極めて1.0に近い数値となる。一般には閾値を1.3とし比率が1.3以上となった場合には、不良なコンクリートと判断される。
特開2003−106973号公報 特開2001−133380号公報
上記の特許文献1では、台板への振動を突き棒の落下させて行っているため、試験者によって試料に与えるエネルギーが異なり、定量的な判定を下すことが困難である。このため、この評価方法は振動条件下での材料分離抵抗性の判定のみに留まり、流動性の判定には適切な方法とはいえない。また、特許文献2のテーブルバイブレータを用いる方法では設備が必要となることから、施工現場あるいは生コン工場で実施するのは困難であった。
良質な天然骨材の枯渇等によって、粒形や粒度分布が必ずしも良好ではない骨材を使用せざるを得ない施工が増えつつある。特に西日本地区においては、これまで一般的に使用されてきた海砂の採取が規制され、海砂の代替骨材として、加工砂、砕砂等の使用が増えつつある。これらの新しい骨材の使用にあたっては、その使用比率や切替えに伴う配合変更が必要となるため、コンクリート試験を行い、性状を確認するのが一般的である。
粒形や粒度分布が良好ではない骨材を使用すると、コンクリートの配合条件が適切でない場合には、現場で施工した際に型枠への充填性や材料分離抵抗性、あるいはポンプ圧送性等が問題となることが多い。最近では、耐震性能確保のため構造物の配筋量が増える方向にあり、以前より配筋が密となっている。配筋が密である箇所では、施工性が低下したコンクリートを用いると施工欠陥が生じる可能性が高くなるため、コンクリートの耐久性確保の観点から施工性に優れたコンクリートが望ましい。
高流動コンクリートについては、充填試験やフロー試験等の流動性評価試験がすでに確立されつつあり、規格・規準案等として実用化されているため、充填性あるいは間隙通過性等のコンクリート性能について評価が可能である。
しかしながら、スランプコンクリートの場合、コンシステンシーの評価はスランプ試験によることが多く、充填性や鉄筋間隙通過性について判断することは難しい。これはスランプコンクリートの場合、例えばポンプ圧送によって打設し、バイブレータで加振するといった施工状況が、スランプ試験の条件とは異なることによると考えられる。そのため、骨材の切替えや配合の変更を行った際に、スランプ試験において同等のフレッシュ性状が得られると判断される配合条件(骨材の使用比率等)を設定しても、実際の施工においては充填性や鉄筋間隙通過性等が問題となる事態が多々生じている。
このため、スランプコンクリートについても、高流動コンクリートと同様に、コンクリートの流動性を適切に評価できる試験方法の確立が望まれている。本発明は、このような要望を満たすために、生コン工場や建設工事現場においても、コンクリートの施工を行う前に施工性の確認が可能であり、スランプが12〜23cmまでのコンクリートの流動性や施工性を評価できる試験方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために試験方法の検討を鋭意行った結果、コンクリートの流動性について定量的な施工性判定を可能にする試験方法を開発するに至った。
すなわち本発明は、スランプコーンを逆さまに設置した状態でコンクリートのスランプ試験を実施し(以下、「逆スランプ試験」という)、逆スランプ試験後、振動機を用いて台板に一定の振動エネルギーを与え、加振前後のコンクリートのフロー面積比(Sb/Si)によって流動性の良否を判断する方法(以下、「振動逆スランプ試験方法」という)に関する。具体的には、コンクリートの流動性評価試験方法であって、台板上に逆さに設置したスランプコーンにコンクリート試料を充填し、スランプコーンを引き抜いた後の台板上のコンクリート試料のフロー面積Sを測定し、次いで、台板に一定の振動エネルギーを与えた後の台板上のコンクリート試料のフロー面積Sを測定し、両者のフロー面積の比(Sb/Si)をコンクリートの流動性評価指標値とする、コンクリートの流動性評価試験方法である。
また、開口部分に鉄筋を配したL形フロー試験装置にコンクリート試料を充填し、仕切り板を引き抜いた後に振動機によって一定の振動エネルギーを与え、コンクリート試料が一定距離に到達するまでの時間によって、鉄筋間隙通過性の良否を判定する試験方法(以下、「振動L形フロー試験方法」という)に関する。具体的には、コンクリートの流動性評価試験方法であって、開口部に鉄筋を縦に配したL形フロー試験装置の試料投入部にコンクリート試料を充填し、L形フロー試験装置に設けられた仕切り板を引き抜いた後に、L形フロー試験装置に一定の振動エネルギーを与え、コンクリート試料が一定距離に到達するまでの流動時間を測定し、この流動時間を、鉄筋間隙通過性に関するコンクリートの流動性評価指標値とする、コンクリートの流動性評価試験方法である。
本発明に係わる振動逆スランプ試験方法及び振動L形フロー試験方法を用いるコンクリートの流動性評価試験方法によれば、コンクリートに一定の振動エネルギーを与えた際の流動性の定量的評価が可能となる。特に、一般的に行われるスランプ試験ではコンクリートの施工性の判断は困難であったが、振動を与えた際の流動性に注目したことで、コンクリートの施工性の評価が可能となった。また、本発明は、特殊な試験装置を用いることなく、これまでのスランプ試験装置やL形フロー試験装置を用いるため、場所を問わず、簡易にコンクリートの施工性の評価を行うことが可能となった。
加えて、振動機を用いて振動を与えることで、振動エネルギーを毎回一定とすることが可能となり、再現性に優れる試験方法となった。なお、本試験では、振動後におけるコンクリート性状を目視で確認できるので、粗骨材の分離状況を確認することも可能である。
以下、本発明について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、コンクリートの流動性評価試験方法に係る本発明の第一の態様である振動逆スランプ試験法の概要を示す図である。振動逆スランプ試験装置1においては、スランプコーン2を逆さに設置してコンクリート試料を充填し逆スランプ試験を行う。コーン2を引き抜き、試料の流動が停止した直後に、台板3上のコンクリート試料のフロー面積(S)を測定し、その後、型枠バイブレータ等の振動機4によって一定の振動エネルギーを与えた後に、再度台板3上のコンクリート試料のフロー面積(S)を測定し、振動前後のフロー面積比(Sb/Si)によって流動性を評価する。
従来のスランプ試験と異なり、以下の理由によりスランプコーン2を逆さにした。コーンを逆さにすることで、実験に供されるコンクリート試料は自重によって加圧され、コーン引き抜き後のコンクリート試料は、あたかもポンプ圧送されたコンクリートのように絞られ、そしてほぐされた状態となる。最近のコンクリート施工においては、ポンプによって打設箇所まで圧送され、ポンプ筒先から吐出後に加振されることが多い。したがって、スランプコーンを逆さにして使用することが、実施工に近い状態を模擬し、流動性を評価・確認するために適切である。
後述の参考例に示すように、一般的なスランプ試験を行った後、同様にコンクリート試料に振動を与えた場合のフロー面積比を用いる評価方法は、細骨材の粗粒率の影響については確認できたが、粗骨材かさ容積による影響は認められず施工性の良否は判断できない。したがって、粗骨材かさ容積による影響をも評価が可能である本発明の振動逆スランプ試験法におけるフロー面積比は、コンクリートの実施工を模擬再現することができる点で、従来の方法に比較して格段に優れていることが理解できる。
なお、本発明においては、逆スランプ試験後のコンクリート試料に振動を与える際には、スランプの台板3に振動を与えることとし、コンクリート試料には直接振動を与えないようにする。コンクリート試料には一定の振動を均等に与えることが望ましいので、例えば台板上に溶接等により剛接合されたような取手5を介して振動を与えるのが好ましい。なお、試験においては、接合された取手に振動を与えることで均等に振動が伝播することが確認された。
なお、試験の際に台板上にバリア(図示せず)を配すると、材料分離抵抗性が小さいコンクリートでは、バリア内に径の大きな粗骨材が留まるため、バリア内外における試料中の粗骨材質量の比較によって分離の程度を確認することも可能である。この時、バリアは振動条件下で試料流動の妨げとなる必要があり、転倒や移動が無いように鋼棒やステンレス材を使用することが好ましい。更には、強化マグネットによって台板に固定することが望ましい。
コンクリート試料に与える振動エネルギーは、好ましくは、1.0〜50(J・s/m3)、より好ましくは5.0〜25(J・s/m3)である。コンクリート試料に与える振動エネルギーが非常に大きい場合(例えば、スランプの台板の振動時間が極端に長い場合)には試料間の差が不明確となる。また、振動エネルギーが非常に小さい場合(スランプの台板の振動時間が極端に短い場合)も同様に試料間の差が不明確となる。適切な振動時間としては、例えば、振動数が140〜180Hzの振動機を用いた場合は、振動時間は、3.0〜30秒、より好ましくは5.0〜20秒である。これらは上記のコンクリート試料に与える振動エネルギーおよびその好ましいエネルギーに相当する。
振動を与えるのに使用するバイブレータは、型枠バイブレータ等の、加振面が平らで振動数が100〜250Hzであるバイブレータを使用することが好ましい。振動数が250Hzを超えるようなバイブレータを使用すると、過剰な振動の影響によりコンクリート性状の良否に関わらず材料分離が生じてしまい、過度に流動するためである。市販されているエクセン社製の壁打用バイブレータを好適に使用することができる。
コンクリート試料に振動を与えた後、再度フロー面積の測定を行い、振動前後のフロー面積比を測定する。種々のコンクリートについて本発明の方法で試験評価した結果、施工性に優れるコンクリートは、振動数が100〜250Hzの振動機を用いて1.0〜50(J・s/m3)の振動エネルギーを与えた場合、振動前後のフロー面積比(Sb/Si)として2.0以上であることが判明した。また、振動前後のフロー面積比が2.5以上であるコンクリートは、施工性がより良好であることが判明した。
図2は、コンクリートの流動性評価試験方法に係る本発明の第一の態様である振動L形フロー試験方法の概要を示す図である。ここで、(イ)はコンクリート試料投入部Aに試料投入後に仕切り板7を引き抜く図、(ロ)は仕切り板7を引き抜いた後に振動機10で振動を与える図、(ハ)は試料流動部Bを正面から見た図である。振動フロー試験装置6は、高流動コンクリートのコンシステンシー評価試験に用いられるL形フロー試験装置を使用し、振動機10によって一定の振動を与えることで、スランプコンクリートについてもコンシステンシーの評価を可能とした。なお、L形フロー試験装置を用いた試験方法としては、土木学会基準「高流動コンクリートのL形フロー試験方法(案)JSCE−F 514−1999」があり、高流動コンクリートの流動速度によってコンシステンシーを評価している。
振動L形フロー試験方法は以下の手順で試験を行う。
まず、仕切り板7で遮られたコンクリート試料投入部8の上面までコンクリート試料を充填し、次いで仕切り板7を引き抜き、振動機10によって振動L形フロー試験装置6に一定の振動エネルギーを与える。振動によってコンクリート試料を40cm流動させ、そのときの流動時間を計測する。振動機10は、上記スランプ試験の場合と同様に、振動数が100〜250Hzのバイブレータを使用することが好ましい。種々のコンクリートについてこの試験法で試験評価した結果、施工性に優れるコンクリートは、振動数が250Hz以下の振動機を用いて1.0〜50(J・s/m3)の振動エネルギーを与えた場合、Lフロー値が40cmに到達するまでの時間T40が40秒以下であることが判明した。
また、振動前後における粗骨材量の偏りのない鉄筋間隙通過性に優れるコンクリートが好ましい。試料が流動時に通過する流動部9に配されるバリア11は、20〜80mmの範囲の間隔とすることが好ましい。なお、バリアとしては土木学会基準(案)「充てん装置を用いた間隙通過性試験方法(JSCE‐F 511−1999」の障害R2相当、すなわちバリア間隔35mm、D13鉄筋3本使用が好ましい。
本発明のコンクリートの流動性評価試験方法において、振動逆スランプ試験方法では、振動下でのコンクリートの流動性能の評価が可能であり、一方の振動L形フロー試験方法では、コンクリートの鉄筋間隙通過性能の評価が可能となる。このため、両試験方法を併用することにより、施工状況に応じた施工性の評価が可能となる。施工上好ましいコンクリートは、(a)振動逆スランプ試験方法において振動前後のフロー面積比が大きく、(b)振動L形フロー試験方法において鉄筋間隙通過性に優れ、振動を与えた際に一定距離までの流動時間が短いコンクリートである。
本試験によって施工性に優れると判断されるコンクリートは、実際に施工される際にも、加振時の流動性や鉄筋間隙通過性に優れ、また振動を与えても材料分離が生じにくいと判断できる。施工性に優れるコンクリートは、耐久性上欠陥となり得るような脆弱な箇所、例えば、ジャンカや豆板等が形成されにくいため、高耐久で堅固な構造物を提供することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
[1.使用材料]
(1)セメント
普通ポルトランドセメント(宇部興産(株)製、密度:3.16g/cm3
(2)骨材
(i)細骨材
砕砂(表乾密度:2.68g/cm3、吸水率:1.65%、粗粒率:2.64)
海砂(表乾密度:2.57g/cm3、吸水率:2.08%、粗粒率:3.12)
(ii)粗骨材
硬質砂岩砕石(実積率:59%、吸水率:0.50%、表乾密度:2.73g/cm3、粗粒率:6.58)
(3)混和剤
多機能型AE減水剤(ポゾリス No.15S:NMB社製)
(4)練混ぜ水
上水道水
[2.コンクリートの調整及び評価]
コンクリートの調整は、普通ポルトランドセメント、細骨材、粗骨材を表1に示す条件で混合し、二軸強制練りミキサで30秒間撹拌した後、混和剤と水道水を混合した練混ぜ水をミキサ内に投入し、更に90秒間撹拌することによって行った。なお、細骨材の粗粒率として、2.64、3.12の2水準、粗骨材かさ容積として、0.56、0.59、0.61(m3/m3)の3水準で試験を行った。コンクリートは、スランプが18cm、空気量が4.5±0.5%を目標として調整を行った。配合条件を表1に示す。
(1)スランプ
JIS A 1101−2005「コンクリートのスランプ試験方法」に記載される方法に準じて行った。
(2)空気量
JIS A 1128−2005「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法(空気室圧力方法)」に記載される方法に準じて行った。
(3)施工性評価
図1に示す振動逆スランプ試験装置を用いて試験を行った。振動は、周波数140〜180Hzのバイブレータ(エクセン社製)を使用して、10秒間加振した。これは、振動エネルギーで約8.0(J・s/m3)に相当した。また、図2に示す振動L形フロー試験装置を用い、鉄筋間隔が35mmになるようにφ13mmの異形鉄筋を配して鉄筋間隙通過試験を行い、同様に型枠バイブレータで加振してフロー値が40cmに到達するまでの時間を測定した。さらに、参考のために行った通常のスランプ試験では、試験後にスランプの台板を型枠バイブレータで10秒間加振して、加振後のフロー値の測定を行った。
[参考例1〜10、実施例1〜10]
配合条件を変化させたコンクリートのスランプ試験結果とコンクリート試料の加振前後のフロー面積比を表2に示す。いずれのコンクリートもスランプ値が18〜19cmの一定となるように混和剤添加率を調整したため、図3の実施例1、5、7及び10に示すように、スランプ試験後の試料からは施工性の判定はできなかった。スランプ試験後の試料に振動を与えた場合は、細骨材の粗粒率が大きいほうが振動前後のフロー面積比は小さくなる傾向が認められたが、粗骨材かさ容積の影響は確認できなかったことから、施工性が劣るコンクリートについての見極めは不十分と判断された。
これに対し、表3に示す本発明の振動逆スランプ試験方法においては、コンクリート試料の加振前後のフロー面積比を比較すると、粗骨材かさ容積が大きいほどフロー面積比が小さくなり、細骨材の粗粒率が大きいほどフロー面積比が小さくなる傾向が認められた。また、細骨材の粒形が異なると、同一の粗粒率であってもフロー面積比が異なっていることも確認できた。振動逆スランプ試験法では、コンクリートを構成する細骨材、粗骨材のそれぞれが施工性に及ぼす影響を直接把握することが可能と考えられ、コンクリートの施工性を十分に判定できると判断された。
[実施例11〜20]
表4に、配合条件を変化させたコンクリートの振動L形フロー試験結果を示す。L形フロー試験装置を用いた鉄筋間隙通過性評価によれば、細骨材の粗粒率が大きい場合には、フロー40cm到達時間T40が大幅に長くなる傾向が確認された。また、粗骨材かさ容積が0.61m3/m3の場合には、細骨材の粗粒率に依存せず、T40が長くなった。
以上の2つの評価結果をまとめた表5によれば、粗骨材かさ容積、細骨材粗粒率の双方が小さいとコンクリートの施工性に優れることがわかる。鉄筋間隔が施工上問題とならない場合には、振動下での流動性のみで施工性の評価が可能であるが、配筋が密な箇所の施工性も含めれば、本発明の振動L形フロー試験方法によるコンクリートの流動性評価が適切である。
振動逆スランプ試験方法の概要を示す図であり、(イ)は逆さにしたスランプコーンに試料を充填しコーンを引き抜く図、(ロ)はスランプコーンを引き抜いた後に振動機で振動を与える図である。 振動L形フロー試験方法の概要を示す図であり、(イ)は試料投入後に仕切り板を引き抜く図であり、(ロ)は仕切り板を引き抜いた後に振動機で振動を与える図、(ハ)は試料流動部を正面から見た図である。 スランプ値が一定値になるように混和剤添加率を調整した試料のスランプ試験後の試料外観を示す写真であり、(a)実施例1、(b)実施例5、(c)実施例7、(d)実施例10を示す。
符号の説明
1 振動逆スランプ試験装置
2 スランプコーン
3 スランプ台板
4 振動機
5 取手
6 振動L形フロー試験装置
7 仕切り版
8 L形フロー試験装置の試料投入部
9 L形フロー試験装置の試料流動部
10 振動機
11 バリア
A 加振部試料
B 流動部試料

Claims (3)

  1. コンクリートの流動性評価試験方法であって、台板上に逆さに設置したスランプコーンにコンクリート試料を充填し、スランプコーンを引き抜いた後の台板上のコンクリート試料のフロー面積Sを測定し、次いで、一定の振動エネルギーを与えた後の台板上のコンクリート試料のフロー面積Sを測定し、両者のフロー面積の比(Sb/Si)をコンクリートの流動性評価指標値とし、
    振動数100〜250Hzを使用し、振動エネルギーとして1.0〜50(J・s/m 3 )を与えた場合、加振前後のフロー面積比S b /S i が2.0以上であることをコンクリートの流動性が優れると判定する、コンクリートの流動性評価試験方法。
  2. 請求項1記載のコンクリートの流動性評価試験方法を併用してコンクリートの施工性を評価する試験方法。
  3. 請求項1記載のコンクリートの流動性評価試験方法を実施するためのコンクリートの流動性評価試験装置であって、スランプコーンを台板上に逆さに設置し逆スランプ試験を行う逆スランプ試験装置と、逆スランプ試験後のコンクリート試料に振動を与える振動機と、を備えることを特徴とするコンクリートの流動性評価試験装置。
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