JP5376848B2 - 免震基礎下部の作製方法 - Google Patents

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本発明は、ベースプレートの水平精度の良い免震基礎下部の作製方法に関する。
建物の基礎構造上の所定の位置に型枠を組み立て、ベースプレートを架台で支えて型枠内の上部に位置させ、ベースプレートに形成された注入孔を介して型枠内にコンクリート部を形成するコンクリートを打設した後に、注入孔を介してコンクリート部の上面とベースプレートの下面との間にモルタル部を形成するモルタルを充填することによって、建物の基礎構造上に免震基礎下部を作製する方法が知られている(例えば特許文献1等参照)。
上記のような方法で作製された場合、図11に示すように、免震基礎下部1は、建物2の基礎構造3上に設けられるコンクリート部4と、コンクリート部4の上面4aに設けられたモルタル部5と、モルタル部5の上面5aに設けられたベースプレート6とを備える。例えば厚さ10〜20mm程度の金属平板により円形や正方形に形成されたベースプレート6の中央部には、ベースプレート6の上面9と下面16とに貫通する上記注入孔20が形成される。積層ゴム免震装置のような免震部材7の下部取付プレート8が免震基礎下部1のベースプレート6の上面9に取り付けられ、免震部材7の上部取付プレート10が建物2の下部に形成された免震基礎上部11の下面12に取り付けられる。ボルト孔15に延長するようにベースプレート6の下面16に取り付けられた袋ナット17と袋ナット17に締結されるボルト18とによって、免震部材7の下部取付プレート8と免震基礎下部1のベースプレート6とが連結され、また、ボルト孔15に延長するように上部取付プレート10の上面19に取り付けられた袋ナット17と袋ナット17に締結されるボルト18とによって、免震部材7の上部取付プレート10と免震基礎上部11とが連結される。
特開平11−293933号公報
免震基礎下部においては、免震部材が受ける軸力やせん断力をベースプレート及びモルタルを介して建物の基礎構造に確実に伝達できるようにする必要があるが、このような免震基礎下部を得るためには、少なくとも、ベースプレート下にレイタンスや気泡等の浮きが少なくベースプレートの下面下にモルタルが満遍なく充填されていてベースプレートの水平度が維持されていることが要求される。しかしながら、この要求を満たす免震基礎下部を得るためのモルタルの打設時期についての明確な基準はなかった。現状では、施工者の経験にたよって免震基礎下部を作製していることが多く、ベースプレートの水平精度の良い免震基礎下部を容易に作製できないという問題点があった。
本発明は、ベースプレートの水平精度の良い免震基礎下部を容易に作製できる免震基礎下部の作製方法を提供する。
本発明に係る免震基礎下部の作製方法は、建物の基礎構造上に設けられるコンクリート部と、コンクリート部の上面に設けられるモルタル部と、モルタル部の上面に設けられるベースプレートとを備え、このベースプレートの上に免震部材が取り付けられる免震基礎下部を作製する場合に、ベースプレートを架台で支えて型枠内の上部に位置させ、型枠内にコンクリート部を形成するコンクリートを打設した後にコンクリート部の上面とベースプレートの下面との間にモルタル部を形成するモルタルを充填して免震基礎下部を作製する方法において、上記モルタルとして、フロー試験の20cmフロー時間が20秒〜60秒、フロー試験の5分フローが250±25mm、pH試験値が12.0以下、空気量が4.0%以下、ブリーディングが0という条件を満たし、かつ、セメントと膨張材粉末とから成る結合材と、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物から成る第1の粉体とアニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物から成る第2の粉体とから成る増粘材と、細骨材と、セメント混和剤粉末と、水とが混ぜ合わされて形成され、単位水量が380〜440kg/m 、水と結合材との比が34.0〜60.0%、第1の粉体の量と第2の粉体の量との和が2.50〜4.00kg/m 、セメント混和剤粉末の量が0.90〜2.00kg/m であるモルタルを用い、上記コンクリート部を形成するために使用するコンクリートに関してコンクリート打設後の時間経過に伴うブリーディング量の変化を観測して、当該コンクリートのブリーディング終了時点から遡ってブリーディング終了時点までのブリーディング量が0.03cm/cmとなるモルタル打設基準時点を求めておき、免震基礎下部を作製する際には、コンクリートを打設してから30分経過後でかつモルタル打設基準時点からブリーディング終了後4時間経過するまでの間にコンクリートの上面に当該上面に浮いた水を除去せずに上記モルタルを打設したことを特徴とする
本発明の免震基礎下部の作製方法によれば、ベースプレートの水平精度の良い免震基礎下部を容易に作製できる。
また、使用するモルタルによって、免震部材が受ける軸力やせん断力をベースプレート及びモルタルを介して建物の基礎構造に確実に伝達できる性能の良い免震基礎下部を容易に作製できる。
試験体作製装置を用いて、モルタル部を形成するモルタルの打設時期を異ならせて、複数の免震基礎下部の試験体を作製し、作製した各試験体のモルタル部の表面状況の良否を目視観察で評価するとともに各試験体のモルタルの付着強度を測定した。
各試験体のコンクリート部を形成するために用いたコンクリートは、一例として図9(a)に示したような、27−21−20N、33−21−20N、49−60−20Nという、3種類のコンクリートを用いた。尚、コンクリートの種類を示す左の数値(27、33、49)は呼び強度(N/mm)、コンクリートの種類を示す中央の数値(21、21、60)は呼びスランプ及びスランプフロー(cm)、コンクリートの種類を示す右の数値(20、20、20)は骨材の径(mm)、コンクリートの種類を示す右の記号(N、N、N)はセメントの種類を示す。各コンクリートの材料組成は、図9(a)に示すとおりである。図9(a)において、W/Cは水セメント比、S/aは細骨材率、Wは単位水量、Cはセメント(普通ポルトランドセメント、ρ=3.16g/cm)の単位量、S1は神栖(茨城県)産の陸砂(ρ=2.60g/cm、FM=2.40)の単位量、S2は佐野(栃木県)産の砕砂(ρ=2.70g/cm、FM=3.10)の単位量、G1は石岡(茨城県)産の砕石(ρ=2.60g/cm、実績率=60.0)の単位量、G2は佐野(栃木県)産の砕石(ρ=2.74g/cm、実績率=60.0)の単位量、Ad1はAE減水剤(BASFポゾリス社製、製品名「ポゾリスNo.70」)の単位量、Ad2は高性能AE減水剤(BASFポゾリス社製、製品名「レオビルドSP−8SV」)の単位量である。
図9(b)に上述した3種類のコンクリートの特性を示す。図9(b)において、温度はコンクリートの温度、ブリーディング量は雰囲気温度20°C中でのブリーディング量(総量)を示す。図10に、3種類の各コンクリートにおける、コンクリート打設後の時間経過に伴うブリーディング量の変化を示す。図9(b);図10から解かるように、49−60−20Nというコンクリートのブリーディング量(総量)は0.03cm/cm以下であり、その他の2つのコンクリートのブリーディング量(総量)は0.03cm/cm以上である。
各試験体のモルタル部を形成するために用いたモルタルは、一例として図8に示したような、セメント(C)、膨張材粉末(CSA)、増粘性混和剤粉末(Vt)、細骨材(S)、セメント混和剤粉末(SP)、消泡剤粉末(E)、水(W)が混ぜ合わされて形成されたモルタルである。尚、使用したモルタルは、図6に示したように、セメント混和剤粉末の量(SP使用量)が適正範囲0.90〜2.00kg/m3であり、第1の粉体の量と第2の粉体の量との和、即ち、増粘性混和剤粉末の量(Vt使用量)が適正範囲2.50〜4.00kg/m3であり、水と結合材との比(以下、水結合材比(W/B)という)が適正範囲34.0〜60.0%であり、単位体積当たりの水量(以下、単位水量(W)という)が適正範囲380〜440kg/m3であるという条件を満たすモルタルである。上記条件を満たすモルタルは、図7に示した評価値条件を満たす特性を持つモルタルである。即ち、フロー試験の20cmフロー時間が20秒〜60秒、フロー試験の5分フローが250±25mm、pH試験の結果が12.0以下、空気量測定方法で求めた空気量が4.0%以下、ブリーディングが0という条件を満たすモルタルである。結合材(B)=セメント(C)+膨張材粉末(CSA)である。
具体的には、SP使用量が1.65kg/m3、Vt使用量が3.7kg/m3、単位水量(W)が425kg/m3、セメント(C)が1194kg/m3、膨張材粉末(CSA)が20kg/m3、結合材(B)が1214kg/m3、水結合材比(W/B)が35%、細骨材(S)が485kg/m3、消泡剤粉末(E)が0.2kg/m3、アルミ粉0.02kg/m3の組成から成るモルタルを用いて試験体を作製した。
増粘材としての増粘性混和剤粉末(Vt)は、第1の粉体と第2の粉体とからなる。第1の粉体は、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物の粉体や、第1の水溶性低分子化合物を含む液体を乾燥させたことにより形成された第1の水溶性低分子化合物の粉体を用いた。第2の粉体は、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物の粉体や、第2の水溶性低分子化合物を含む液体を乾燥させたことにより形成された第2の水溶性低分子化合物の粉体を用いた。セメント混和剤粉末(SP)は、増粘性混和剤粉末(Vt)と相溶性に優れたカルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤粉末を用いた。セメント(C)と膨張材粉末(CSA)とにより結合材(B)が形成される。
第1の水溶性低分子化合物としては、4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルアンモニウム塩を主成分とする添加剤が好ましい。また、第2の水溶性低分子化合物としては、芳香環を有するスルフォン酸塩が好ましく、特に、アルキルアリルスルフォン酸塩を主成分とする添加剤が好ましい。セメント(C)は、石灰石・粘土・酸化鉄などを原料とした普通ポルトランドセメント,早強ポルトランドセメント,中庸熱ポルトランドセメント,白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメントや、高炉セメント,フライアッシュセメント,シリカセメントなどの混合セメントを用いる。細骨材(S)は、川砂から得られた珪砂などを用いる。膨張材粉末(CSA)は、石灰複合系膨張材粉末を用いる。消泡剤粉末(E)は、シリコン系の消泡剤粉末を用いる。消泡剤粉末(E)は、混練の際に泡が発生してモルタルの空気量が多くなって強度の低下や比重の減少等が起こることを防止するために、用いる方が好ましい。
図4に示すように、試験体作製装置50は、上部開口の直方体箱形状の型枠21と、蓋22と、ホッパ23とを備える。蓋22は蓋22を貫通する孔により形成された注入孔24を備える。ホッパ23は、円錐形の筒体により形成され、円錐を上下反対向きにして用いられるものであり、下端開口25が注入孔24に繋がるように設置されて注入孔24にモルタルを導くものである。型枠21と蓋22は合板により形成した。
試験体は次のように作製した。型枠21内にコンクリートの天端が型枠21の上端よりも2cm下方の位置に到達するまでコンクリートを打設した後、蓋22の一側縁26と型枠21の4つの側板の上端面のうちの1つの上端面27との間に隙間28を空けて型枠21の上部をほぼ塞ぐように蓋22を型枠21の上端面に設置する。そして、蓋22の注入孔24に繋がるようにホッパ23を設置し、ホッパ23及び注入孔24を介して型枠21内のコンクリートの上面(天端)29と蓋22の下面30との間にモルタルを打設充填した。そして、上記隙間28よりモルタルがオーバーフローした時点でモルタルの打設充填を終了した後、モルタルの固化を待って蓋22を取り除くことで試験体を作製した。
試験体は、3つのコンクリートの種類毎に、コンクリートを打設してからモルタルを打設充填するまでの時間条件を異ならせたものを作製した。コンクリートを打設してからモルタルの打設充填を開始するまでの時間条件は、コンクリートを打設した直後(図2;3では「打設直後」と示す)、コンクリートを打設してから30分経過直後(図2;3では「30分後」と示す)、コンクリートのブリーディング終了直後(図2;3では「ブリーディング後」と示す)、コンクリートを打設してから24時間経過直後(図2;3では「24時間後」と示す)という、4つの異なる時間条件である。即ち、3つのコンクリートの種類毎に4つの時間条件による合計12種類の試験体を作製して、各試験体におけるモルタル部の表面状況の良否を観察した後、各試験体のモルタルの付着強度を測定した。図10に示したように、コンクリート27−21−20Nのブリーディングが終了するまでの時間はコンクリートを打設してから8時間であり、コンクリート33−21−20Nのブリーディングが終了するまでの時間はコンクリートを打設してから6時間であり、コンクリート49−60−20Nのブリーディングが終了するまでの時間はコンクリートを打設してから7時間である。本実験では、図10に示したように、3つのコンクリートについて、コンクリートを打設してからコンクリートのブリーディングが終了するまでの時間を知徳していたので、コンクリートのブリーディングが終了するまでの時間を経過した直後に、コンクリート部4の上面4aに浮いた水等を除去せずに、コンクリート部4の上面4aにモルタルを打設充填して試験体を作製した。この場合、コンクリート部4の上面4aに浮いた水等は打設充填されたモルタルに押されて上記隙間28より排出される。
試験体におけるモルタル部の表面状況の良否の観察評価は、試験体のモルタル部の表面を目視観察して評価した。図3(a)にコンクリート種類とコンクリートの打設後モルタルの打設充填を開始するまでの時間条件とを違わせた各試験体におけるモルタル部の表面状況良否結果(図3(a)では表面観察試験結果と示す)を示す。表面状況の評価基準は、モルタル部の表面の全体にレイタンスやエアー等の浮きがある場合を不可(×)、モルタル部の表面に部分的にレイタンスやエアー等の浮きがある場合を可(△)、モルタル部の表面にレイタンスやエアー等の浮きが少ない場合を良好(○)とした。
試験体のモルタルの付着強度測定は建研式接着力試験機を用いた。つまり、コアドリルを用いて、図5に示すように、試験体40のモルタル41の表面42から下方に向けて円筒状の溝43を形成し、溝43で区画された円柱状の部分44の表面45に接着力試験機のアタッチメント46を接着し、アタッチメント46に引っ張り荷重を加えて円柱状の部分44が破断した時の荷重の値を付着強度として測定した。図3(b)にコンクリート種類とコンクリートの打設後モルタルの打設充填を開始するまでの時間条件とを違わせた各試験体におけるモルタルの付着強度の測定結果を示す。付着強度の評価基準は、1N/mm未満を不可(×)、1N/mm以上1.5N/mm未満を可(△)、1.5N/mm以上を良好(○)とした。
図2に各試験体におけるモルタル部の表面状況良否結果とモルタルの付着強度の測定結果とをまとめて示し、さらに、2つの結果を評価した総合評価を示した。総合評価は、2つの結果のうちの1つ以上が不可(×)の場合は×(不可)、2つの結果のうちの一方が可(△)で他方が○(良好)の場合は○(可)、2つの結果がともに○(良好)である場合は◎(良好)とした。
図3(a)から解かるように、3種類のうちのいずれのコンクリートを用いた場合であっても、ブリーディング終了直後にモルタルを打設充填して作製した試験体は、モルタル部の表面状況が良好あるいは可である。従って、免震基礎下部を形成する場合において、図9に示すコンクリートと図6乃至図8に示すモルタルとを用い、ブリーディング終了直後にベースプレート下にモルタルを打設充填することによって、ベースプレート下にレイタンスや気泡等の浮きがなくベースプレートの下面下にモルタルが満遍なく充填されてベースプレートの水平精度の良い免震基礎下部を容易に作製できる。
図3(a)から解かるように、コンクリート49−60−20Nを用い、コンクリートを打設してから30分経過直後にモルタルを打設充填して作製した試験体は、モルタル部の表面状況が可である。従って、免震基礎下部を形成する場合において、コンクリート49−60−20Nと図6乃至図8に示すモルタルとを用い、コンクリートを打設してから30分経過直後にモルタルを打設充填することによって、ベースプレート下にレイタンスや気泡等の浮きがなくベースプレートの下面下にモルタルが満遍なく充填されてベースプレートの水平精度の良い免震基礎下部を容易に作製できる。
尚、図3(a)から、モルタル部の表面状況は、モルタルを打設充填する時期が遅いほど良いという傾向があることがわかる。
また、図3(b)から、モルタルの付着強度は、モルタルを打設充填する時期が早いほど良いという傾向があることがわかる。
つまり、モルタル部の表面状況を良くするための条件とモルタルの付着強度を大きくするための条件とは互いに相反する。
図2に示した結果から解かるように、3つのコンクリートを用い、かつ、ブリーディング終了直後にモルタルを打設充填して作製した試験体は、総合評価○である。従って、ベースプレート6を図外の架台で支えて図外の型枠内の上部に位置させ、ベースプレート6に形成された注入孔20を介して型枠内にコンクリート部4を形成するコンクリートを打設した後に、注入孔20を介してコンクリート部4の上面4aとベースプレート6の下面16との間にモルタル部5を形成するモルタルを充填して免震基礎下部1を形成する場合(図11参照)において、上記3つのコンクリートと図6乃至図8に示すモルタルとを用い、コンクリートのブリーディング終了直後にモルタルを打設充填することによって、図11に示すように、ベースプレート6下にレイタンスや気泡等の浮きがなくベースプレート6の下面16下にモルタルが満遍なく充填されてベースプレート6の水平精度が良く、しかも、モルタルの付着強度が大きいという要求を満たす免震基礎下部1、即ち、免震部材7が受ける軸力やせん断力をベースプレート6及びモルタル部5を介して建物2の基礎構造3に確実に伝達できる性能の良い免震基礎下部1を容易に作製できる。
図2に示した結果から解かるように、コンクリート49−60−20Nを用い、コンクリートを打設してから30分経過直後にモルタルを打設充填して作製した試験体は、総合評価○である。従って、免震基礎下部を形成する場合において、コンクリート49−60−20Nと図6乃至図8に示すモルタルとを用い、コンクリートを打設してから30分経過直後にモルタルを打設充填することによって、上述した性能の良い免震基礎下部1を容易に作製できる。
つまり、免震基礎下部を作製する場合において、例えば上記3つのコンクリートと同等の組成や特性を持つコンクリートと図6乃至図8に示すモルタルとを用い、そして、使用するコンクリートのブリーディング量が0.03cm/cm以上の場合は、コンクリートのブリーディング終了後から所定期間経過するまでの間(例えば、ブリーディングが終了してからコンクリートの乾燥;凝結の進行に伴って付着強度が低下すると考えられるブリーディング終了後4時間程度経過するまでの期間を言う)にコンクリートの上面にモルタルを打設し、コンクリートのブリーディング量が0.03cm/cm以下の場合は、コンクリートのブリーディング終了前から所定期間経過するまでの間(例えば、コンクリートの打設後30分経過してからコンクリートの乾燥;凝結の進行に伴って付着強度が低下すると考えられるブリーディング終了後4時間程度経過するまでの期間を言う)にコンクリートの上面にモルタルを打設することによって、上述した性能の良い免震基礎下部1を容易に作製できると考えられる。
尚、図2から解かるように、コンクリート49−60−20Nを用い、コンクリートを打設してから24時間経過直後にモルタルを打設充填して作製した試験体は総合評価◎である。これは、コンクリート49−60−20Nに含まれた高性能AE減水剤の影響であると考えられる。但し、コンクリートを打設してから24時間経過後では、工程が2日になってしまうという弊害がある。従って、短工期で上述した性能の良い免震基礎下部1を作製するためには、コンクリートのブリーディング終了後から所定期間経過するまでの間、あるいは、コンクリートのブリーディング終了前から所定期間経過するまでの間にモルタルを打設すればよい。
また、コンクリートの打設後30分経過前にモルタルを打設する場合には、コンクリートが流動性を維持しているため、コンクリートを押し出したり、空気の浮きにより、モルタル部の表面状況が悪くなると考えられる。
本発明者は、以上の結果を検討して、以下のことを見出した。図3(a)から解かるように、49−60−20Nというコンクリートを使用した場合は、コンクリートの打設終了時点から30分経過直後にモルタルを打設充填してもモルタル部の表面状況は可である。そして、図10から解かるように、コンクリート49−60−20Nは、ブリーディング量(総量)が0.03cm/cmであって、コンクリートの打設終了時点から30分経過直後までのブリーディング量は0である。つまり、コンクリートの打設終了時点から30分経過直後にモルタルを打設充填した場合、その後、コンクリートのブリーディング量がブリーディング終了まで0.03cm/cmだけ生ずる。このことから、モルタルを打設充填した後、ブリーディングが発生するとしても、そのブリーディング量が0.03cm/cm以下であれば、モルタル部の表面状況は可になると考えられる。つまり、どのようなコンクリートを用いる場合でも、モルタルを打設充填した後のコンクリートのブリーディング量が0.03cm/cm以下であれば、モルタル部の表面状況を可とできると考えられる。
そこで、免震基礎下部のコンクリート部を形成するために使用するコンクリートに関して、予めそのコンクリートの打設後の時間経過に伴うブリーディング量の変化を観測しておき、図1に示すようにそのブリーディング量の変化を示すグラフXを作成する。そのグラフXに基いて、当該コンクリートのブリーディング終了時点Eと、ブリーディング終了時点Eから遡ってブリーディング終了時点Eまでのブリーディング量が0.03cm/cmとなるモルタル打設基準時点Aとを求めておく。そして、コンクリート部4のコンクリートの上面4aにモルタルを打設して免震基礎下部1を作製する際に、モルタル打設基準時点Aから所定期間経過するまでの間にコンクリートの上面4aにモルタルを打設する。これにより、モルタル部5の表面状況を可とできて、ベースプレート6の水平精度の良い免震基礎下部1を容易に作製できる。
また、図10から以下のことがわかる。コンクリート27−21−20Nを使用する場合、コンクリート27−21−20Nのモルタル打設基準時点Aは、そのコンクリートの打設終了時から6時間45分程度経過した時点である。コンクリート33−21−20Nを使用する場合、コンクリート33−21−20Nのモルタル打設基準時点Aは、そのコンクリートの打設終了時から5時間程度経過した時点である。コンクリート49−60−20Nを使用する場合、コンクリート49−60−20Nのモルタル打設基準時点Aは、そのコンクリートの打設終了時から3時間程度経過した時点である。
従って、3種類のコンクリートと図6乃至図8に示すモルタルとを用い、かつ、その使用するコンクリートのモルタル打設基準時点Aから所定期間経過するまでの間(例えば、モルタル打設基準時点Aからコンクリートの乾燥;凝結の進行に伴って付着強度が低下すると考えられるブリーディング終了後4時間程度経過するまでの期間を言う)にコンクリートの上面にモルタルを打設して免震基礎下部を作製することによって、上述した性能の良い免震基礎下部1を容易に作製できる。
本発明によれば、免震基礎下部を作製する場合において、上述したコンクリートやモルタル以外のコンクリートやモルタルを用いた場合でも、例えば、上述したコンクリートやモルタルと同等のコンクリートやモルタルを選定して使用することとして、コンクリート部を形成するために使用するコンクリートに関するモルタル打設基準時点Aを求めておき、上記コンクリート部のコンクリートの上面にモルタルを打設して免震基礎下部を作製する際に、モルタル打設基準時点Aから所定期間経過するまでの間にコンクリートの上面にモルタルを打設して免震基礎下部を作製すれば、上述した性能の良い免震基礎下部1を容易に作製できると考えられる。
また、本発明は、所謂、逆打ち工法における充填材の打設充填にも適用できる。
免震基礎下部の作製に使用するコンクリートのブリーディング終了時点及びモルタル打設基準時点の説明図(最良の形態)。 試験体の総合評価を示す図(最良の形態)。 (a)は試験体のモルタル部の表面状況良否結果を示す図、(b)は試験体のモルタルの付着強度の測定結果を示す図(最良の形態)。 試験体作製装置を示す図(最良の形態)。 試験体のモルタルの付着強度試験の概要を示す図(最良の形態)。 試験体の作製に使用したモルタルの主要組成の範囲を示す図(最良の形態)。 試験体の作製に使用したモルタルの特性を示す図(最良の形態)。 試験体の作製に使用したモルタルの組成材料の詳細を示す図(最良の形態)。 (a)は試験体の作製に使用したコンクリートの組成を示す図、(b)は試験体の作製に使用したコンクリートの特性を示す図(最良の形態)。 試験体の作製に使用したコンクリートの打設後の時間経過に伴うブリーディング量の変化を示す図(最良の形態)。 免震基礎下部を示す図。
符号の説明
1 免震基礎下部、2 建物、3 基礎構造、4 コンクリート部、
4a コンクリート部の上面、5 モルタル部、5a モルタル部の上面、
6 ベースプレート、7 免震部材、E コンクリートのブリーディング終了時点、
A モルタル打設基準時点。

Claims (1)

  1. 建物の基礎構造上に設けられるコンクリート部と、コンクリート部の上面に設けられるモルタル部と、モルタル部の上面に設けられるベースプレートとを備え、このベースプレートの上に免震部材が取り付けられる免震基礎下部を作製する場合に、ベースプレートを架台で支えて型枠内の上部に位置させ、型枠内にコンクリート部を形成するコンクリートを打設した後にコンクリート部の上面とベースプレートの下面との間にモルタル部を形成するモルタルを充填して免震基礎下部を作製する方法において、
    上記モルタルとして、フロー試験の20cmフロー時間が20秒〜60秒、フロー試験の5分フローが250±25mm、pH試験値が12.0以下、空気量が4.0%以下、ブリーディングが0という条件を満たし、かつ、セメントと膨張材粉末とから成る結合材と、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物から成る第1の粉体とアニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物から成る第2の粉体とから成る増粘材と、細骨材と、セメント混和剤粉末と、水とが混ぜ合わされて形成され、単位水量が380〜440kg/m 、水と結合材との比が34.0〜60.0%、第1の粉体の量と第2の粉体の量との和が2.50〜4.00kg/m 、セメント混和剤粉末の量が0.90〜2.00kg/m であるモルタルを用い、
    上記コンクリート部を形成するために使用するコンクリートに関してコンクリート打設後の時間経過に伴うブリーディング量の変化を観測して、当該コンクリートのブリーディング終了時点から遡ってブリーディング終了時点までのブリーディング量が0.03cm/cmとなるモルタル打設基準時点を求めておき、
    免震基礎下部を作製する際には、コンクリートを打設してから30分経過後でかつモルタル打設基準時点からブリーディング終了後4時間経過するまでの間にコンクリートの上面に当該上面に浮いた水を除去せずに上記モルタルを打設したことを特徴とする免震基礎下部の作製方法
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