JP2000006418A - 静電型インクジェット記録装置 - Google Patents

静電型インクジェット記録装置

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JP2000006418A
JP2000006418A JP10176872A JP17687298A JP2000006418A JP 2000006418 A JP2000006418 A JP 2000006418A JP 10176872 A JP10176872 A JP 10176872A JP 17687298 A JP17687298 A JP 17687298A JP 2000006418 A JP2000006418 A JP 2000006418A
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electrode
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meniscus
recording electrode
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Yosuke Mizuyama
洋右 水山
Masaharu Oyama
正治 大山
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の静電型インクジェットにおいては、極
端に印字濃度が低いことによる、にじみや裏映り等の問
題や、濃度を上げすぎることによる色再現範囲の低下、
記録速度の低下、および高温定着工程によるコストアッ
プという問題があった。 【解決手段】 記録電極1と対向電極2間に記録信号電
圧を与えてインクを飛翔させる静電型インクジェット記
録装置において、記録電極1先端におけるインクメニス
カスの角度を0〜65°、または記録電極1先端からの
距離を0〜1500μmに設定することにより、光学濃
度が0.8〜2.0までの任意の値を得ることができ、
最適な色彩や応答性、定着性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電型インクジェッ
ト記録装置に関し、特に、印字濃度の制御を容易にし、
適正印字濃度を得やすくすることを図った静電型インク
ジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット技術は安価で高い画質と
高速な印字技術として、オフィスオートメーションやパ
ーソナル用の情報記録装置として、複写機、ファクシミ
リ、プリンタ、ワードプロセッサなどに広く用いられて
いる。
【0003】インクジェットの記録原理には、色材を飛
翔させるためのエネルギー発生手段として、電気熱変換
素子などの発熱抵抗体をもちいたもの、電気機械変換素
子などのピエゾ素子をもちいたもの、さらに電気エネル
ギーをそのまま用いる静電型のものなどがある。
【0004】その中でも静電型のインクジェットにおい
ては、記録ヘッドの作成が他の方式と比較して簡易で、
記録電極に印加する電気信号を制御することにより階調
記録を行うことができる。また、記録時に消費される電
流量は著しく少なく、省エネルギーの機器としても将来
的に利用価値のある記録技術であるということができ
る。さらに油性顔料インクを用いることにより、耐水性
に優れた印字を行うことができ、特にオフィスオートメ
ーション用途としての利用価値が高い。
【0005】ここで簡単に静電型インクジェットの原理
的な側面について説明する。特開昭56−4467によ
り報告されているように、インクの充填された記録電極
と、記録媒体を保持する対向電極の間に数kVの記録電
圧を印加すると、記録電圧がある閾値を越えた時に、イ
ンクに働く静電的な力がインクの表面張力に打ち勝ち、
インク液滴が記録電極から対向電極へ吐出し、飛翔す
る。
【0006】この原理によるヘッドの構成については、
例えば米国特許第4271416号明細書、特開昭56
−4467号公報に開示されている。この例における構
成においては、図11に示すように、個々の記録電極に
ノズル穴を必ずしも必要とせず、インク吐出口を複数の
記録電極に対して共通のいわゆるスリット型とすること
ができる。このような構成の特徴はノズルを設けないこ
とにより、インクの乾燥による目詰まりが低減されるこ
とである。したがってこの構成は、記録電極が数百本で
構成され、記録媒体の幅方向に走査を行ういわゆるシリ
アル型のヘッドだけでなく、記録媒体の幅の長さだけ記
録電極をもついわゆるフルライン型ヘッドにも非常に有
効である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この静電型インクジェ
ットにおいては、個々の記録電極を独立に動作させるた
めに、隣接電極と閉ループを作ることによる電荷のリー
クを防ぐ必要がある。このために、通常、インクの溶媒
として、電気抵抗の高い油性溶媒が用いられる。特開昭
58−215353に見られる例では、比抵抗約108
Ωcm、表面張力18dyne/cm、粘度2〜30c
P、比重1.0g/cm3の油性インクが用いられてい
る。しかしながら、油性溶媒は水性溶媒(表面長力約7
0〜80dyne/cm)と比較して表面張力が低いた
めに、印字を行うと、色材粒子と溶媒がともに記録用紙
の繊維中にすばやく浸透し、印字濃度の低下、にじみ、
そして裏映りが生じるという問題があった。これは色材
粒子と、その溶媒である油性キャリア液が同時に飛翔す
ることが原因であった。
【0008】これに対して、特開平8−295023、
特開平9−193389に開示されているように、色材
粒子のみをインクから吐出させることにより、これらの
問題点を解決する試みがなされた。これらの例において
は、その吐出原理が必ずしも明らかには説明されていな
いが、色材粒子のみに静電力を作用させ、色材粒子のみ
を飛翔させるので、吐出インク中にはキャリア液が含ま
れず、上述の問題が解決される。特開平9−19338
9に開示されている内容によると、1010Ωcm以上の
比抵抗を持つインクを使用することにより、印字濃度が
非常に高く、輪郭先鋭度などにおいて特に好ましい効果
が得られる。
【0009】しかしながら、色材粒子のみを吐出させる
と記録媒体への染込みが全くないか、非常に少なくなる
ので、印字濃度が高くなりすぎて、印字物の光学反射率
を著しく落とすことになる。その結果、カラー画像にお
いて、画像の明度が低下することにより、色再現範囲が
狭くなり、全体的に暗い画質となるという新たな欠点が
見出された。
【0010】さらに、従来の技術においては、色材粒子
のみをインクから吐出させるという原理のために、記録
電極先端におけるインク濃度は非常に高くなり、粘度が
上昇するため、吐出速度が低下するという問題や、イン
クの乾燥による不吐出の問題もあった。また、色材粒子
のみが吐出すると、記録媒体に付着する色材は固体状と
なるため、それを定着させるために、温度または圧力に
よる定着工程が必要となり、コストアップの問題もあっ
た。
【0011】本発明は、記録媒体上において、適切な色
材印字濃度を得、極端な印字濃度の低下、にじみ、そし
て裏映り等の静電型インクジェットにおける従来の問題
点を解決し、さらに、濃度を上げすぎることによる色再
現範囲の低下、記録速度の低下、および高温定着工程に
よるコストアップという問題を解決することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明者は、最適な印字濃度を得、最適な色を再現
し、応答性や定着性に優れた静電型インクジェットヘッ
ドを得るべく、インクメニスカスの幾何学的ディメンジ
ョンに関して鋭意研究を行った。その結果、記録電極先
端におけるインクメニスカスの電極に対する角度が0〜
65°、またはインクメニスカスの電極先端からの距離
が0〜1500μmの場合に、光学濃度が0.8〜2.
0までの任意の値を得ることができ、色彩や応答性、定
着性を制御することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、溶媒中に溶解または一部溶解または分散した色材粒
子を含むインクと、該インクを収納するインク室と、該
インク室に連通した吐出口と、前記インク室から該吐出
口へ連通するインク流路と、前記吐出口に配置された記
録電極と、該記録電極に対向して設けられた対向電極か
らなり、前記記録電極と前記対向電極間に記録信号電圧
を与えてインクを飛翔させる静電型インクジェット記録
装置において、前記記録電極先端におけるインクメニス
カスの電極に対する角度が0〜65°の範囲にあること
を特徴とし、この範囲でメニスカス表面の角度を制御す
ることにより、キャリア液が電界から力を受ける面積を
制御することができ、吐出インク中のキャリア液の含量
を制御することができるので、最適な印字濃度を実現す
ることができる。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、溶媒中
に溶解または一部溶解または分散した色材粒子を含むイ
ンクと、該インクを収納するインク室と、該インク室に
連通した吐出口と、前記インク室から該吐出口へ連通す
るインク流路と、前記吐出口に配置された記録電極と、
該記録電極に対向して設けられた対向電極からなり、前
記記録電極と前記対向電極間に記録信号電圧を与えてイ
ンクを飛翔させる静電型インクジェット記録装置におい
て、前記記録電極先端におけるインクメニスカスの電極
先端からの距離が、インク層の厚みを除き、0〜150
0μmの範囲にあることを特徴とし、メニスカス表面の
位置をこの範囲に設定することにより、色材粒子が記録
電極先端まで移流する距離を制御することができ、吐出
インク中の色材粒子の含量を制御することができるの
で、最適な印字濃度を実現することができる。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、溶媒中
に溶解または一部溶解または分散した色材粒子を含むイ
ンクと、該インクを収納するインク室と、該インク室に
連通した吐出口と、前記インク室から該吐出口へ連通す
るインク流路と、前記吐出口に配置された記録電極と、
該記録電極に対向して設けられた対向電極からなり、前
記記録電極と前記対向電極間に記録信号電圧を与えてイ
ンクを飛翔させる静電型インクジェット記録装置におい
て、前記記録電極先端におけるインクメニスカスの電極
に対する角度が0〜65°の範囲にあり、なおかつ、前
記記録電極先端におけるインクメニスカスの電極先端か
らの距離が、インク層の厚みを除き、0〜1500μm
の範囲にあることを特徴とするもので、吐出インク中の
キャリア液と色材粒子の比率を同時に調整することによ
り、より効果的に最適な印字濃度を実現することができ
る。
【0016】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1、請求項2、または請求項3に記載の発明において、
記録電極先端の曲率半径を40〜500μmの範囲にし
たことを特徴とするもので、曲率半径を変化させると、
電界強度の集中度合いが変化するので、色材粒子とキャ
リア液が力を受ける比率が変わり、より効果的に最適な
印字濃度を実現することができる。
【0017】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1、請求項2、請求項3、または請求項4に記載の発明
において、前記インクの比抵抗が1×109Ω.cm以
上であることを特徴とするもので、この範囲の比抵抗の
インクを用いることにより、適切な量の表面電荷がメニ
スカス表面に充電され、適切な量の範囲でキャリア液の
吐出を制御できるので、最適な印字濃度を実現すること
ができる。
【0018】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1、請求項2、請求項3、請求項4、または請求項5に
記載の発明において、前記インクの背圧が−300Pa
以上+300Paの範囲であることを特徴とするもの
で、この範囲で背圧を変化させることで、0°〜30°
の範囲でメニスカス表面の角度を制御させることがで
き、スリット形状、印加電圧と組み合わせて0°〜65
°の範囲でメニスカス角度の調整を行うことができ、よ
り効果的に印字濃度の制御を行うことができる。
【0019】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、または
請求項6に記載の発明において、前記記録信号電圧が直
流電圧とパルス電圧の重畳電圧であることを特徴とする
もので、メニスカスを安定に形成するために常時印加し
ておく電圧と、吐出に必要な電圧を分けることにより、
メニスカス形状を安定させることができるので、安定な
印字濃度の調節を行うことができる。
【0020】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
7に記載の発明において、前記直流電圧の絶対値が50
0Vから3000Vの範囲であることを特徴とするもの
で、この範囲の直流電圧によって約3×107V/mま
での電界強度を得ることができ、この電界により0°〜
10°の範囲でメニスカス表面の角度を制御させること
ができるので、スリット形状、印加電圧と組み合わせて
0°〜65°の範囲でメニスカス角度の調整を行うこと
ができ、より効果的に印字濃度の制御効果を得ることが
できる。
【0021】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
7に記載の発明において、前記パルス電圧の絶対値が5
Vから300Vの範囲であることを特徴とするもので、
この範囲のパルス電圧を用いることにより、安価なドラ
イバを使用することができるので、より安価に適切な印
字濃度の調節を行うことができる。
【0022】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求
項6、請求項7、請求項8、または請求項9に記載の発
明において、前記インク流路およびインクタンクの、外
面または内面に密着した第二電極を、別途設けたことを
特徴とするもので、この構成により、色材粒子を記録電
極先端に強制的に安定に供給することができるので、適
切な印字濃度を維持できる時間が長くなり、より効果的
である。
【0023】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項10に記載の発明において、前記泳動電極に印加する
電圧が500V〜3000Vの範囲であることを特徴と
するもので、この範囲の電圧を用いることにより、記録
電極先端に集まる色材の量が適切になり、より適切な印
字濃度の調節を行うことができる。
【0024】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求
項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、ま
たは請求項11に記載の発明において、流入用インク流
路と流出用インク流路の両方を備え、インクタンク、流
入用インク流路、流出用インク流路が閉じた循環系を構
成することを特徴とするもので、この構成により、記録
電極先端における色材粒子の濃度が一定に保たれるの
で、適正な印字濃度をより長時間安定に与えることがで
きる。
【0025】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求
項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請
求項11、または請求項12に記載の発明において、前
記インクが比誘電率5以上を有する誘電性材料を含むこ
とを特徴とするもので、キャリア液よりも大きな比誘電
率を持つ材質をインクに混ぜることにより、インクに働
く分極力を発生させることができ、キャリア液の吐出比
率を制御することができるので、印字濃度を調整できる
範囲がより広がる。
【0026】本発明の請求項14に記載の発明は、請求
項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求
項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請
求項11、請求項12、または請求項13に記載の発明
において、前記誘電性材料のインク中における含有量が
0〜20重量%の範囲であることを特徴とするもので、
20重量%以下に設定することにより、分極抵抗による
電圧降下が著しく大きくなることを防ぐことができ、キ
ャリア液の表面電荷に対する力を制御するのに、著しく
大きい電圧を必要とすることがなくなる。
【0027】上記ディメンジョンを持つ静電型インクジ
ェットヘッドが、何故任意の光学濃度を再現できるの
か、その理由は明確ではないが、以下に推察を述べる。 <ヘッド構成>まず、静電型インクジェットヘッドの構
成について図1を用いて説明する。図1はインク吐出口
が複数の記録電極につき共通である、いわゆるスリット
型静電インクジェットの斜視図である。記録ヘッドは、
インクに記録信号となる電界を与えてインク液滴を飛翔
させるための記録電極1、記録電極1を形成するための
基板または下板3、記録電極先端でインクを保持する上
板2、前記記録電極へ前記インクを供給するためのイン
ク流路、またはインクの共通吐出口としてのスリット
4、そして記録電極に対向して前記インクの吐出と飛翔
を助ける対向電極(図示しない)から構成される。 <インク>一方、インクは、特開昭64−11844に
より報告されているように、キャリア液と、その中で溶
解もしくは分散した色材粒子および樹脂、およびインク
の物性を制御するための添加剤よりなる。
【0028】キャリア液にはミネラルスピリットやヘキ
サン、またはイソパラフィン系の石油系溶剤などの脂肪
族炭化水素系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族炭
化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
系溶剤、さらに、ケトン系溶剤、グリコール系溶剤、グ
リコールエーテル系溶剤、グリコールエーテルエステル
系溶剤等が用いられる。静電型インクジェットにおいて
は通常比抵抗の高いものが用いられ、特開昭64−11
844に引用されている例としては、イソパラフィン系
溶剤、シリコーンオイル等がある。これらの溶剤は比抵
抗が1010Ωcm以上で、誘電率がおよそ2である。こ
こで用いられるキャリア液の従来の技術における役割
は、「キャリア」という言葉が意味する通り、色材粒子
および添加剤に流動性を与えるためのものであり、重要
な役割を果たさない。しかしながら、本発明において
は、単に色材粒子に流動性を与えるだけではなく、印字
濃度を調節するという、機能的で重要な役割をこのキャ
リア液に与えるものである。
【0029】樹脂にはロジンなどの天然樹脂、ロジンエ
ステルなどの天然樹脂誘導体、アクリル樹脂、アルキド
樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂などがあり、粘
度調整や定着の目的の他、色材粒子の分散、沈降防止な
ど、色材粒子とキャリア液を結合する目的で用いられ
る。
【0030】色材粒子は静電写真用の液体現像剤や印刷
インキ等で用いられる一般的な着色剤が使われる。具体
的には黒色顔料としてカーボンブラック、黄色顔料とし
てジスアゾイエロー系顔料、赤としてアゾレーキ顔料、
青色顔料としてフタロシアニンブルーなどが用いられて
いる。その他数多くの色材が使用できるが、溶媒、添加
剤等との相溶性などの化学的特性や、色材粒子の帯電性
などの物理的特性、さらに色再現性などの色彩特性を考
慮した選択が行われる。
【0031】添加剤として代表的なものとして分散剤や
帯電制御剤、アルコール等がある。分散剤に用いられる
のはレシチンや金属石けんで、色材粒子表面のぬれをよ
くすることで色材粒子の沈降を防いだり、インクの分散
工程時間を短縮したり、粒度分布を調整する効果を有す
る。
【0032】一方、帯電制御剤にはナフテン酸やオクチ
ル酸などのカルボン酸の金属塩による金属石けんが一般
に用いられ、色材粒子にある安定な電位を与える。この
ような金属石けんが色材粒子に電位を与える仕組みは、
コロイド粒子に電解質を与えた場合の理論や、プラズマ
中のイオン周辺の電荷分布の理論などによって、比較的
明らかにされている。
【0033】アルコール類はインクの誘電率を制御する
ために加えられる。メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコールなどが用いられる。アルコールの誘電率
は、キャリア液として用いられるような液体(比誘電率
がおよそ2)よりも、かなり誘電率が大きく、およそ2
0に近い比誘電率を持つ。従って、本明細書ではアルコ
ールを含めて、比誘電率が20近くか、またはそれより
大きいような材料のことを誘電性材料とよぶ。従って、
ISOPAR等の誘電率が2くらいの液体は本明細書に
おいては誘電性材料と呼ばない。
【0034】ここで静電型インクジェットの動作につい
て詳しく述べる。インク中における各種成分どうしの化
学的または物理的な状態はよく理解されていないが、キ
ャリア液とその中の色材粒子のみに着目したイメージは
図2に示すようになっていると考えられている。
【0035】顔料6は接触帯電もしくは別の原因により
あらかじめ自然に帯電している。図2においは顔料が正
に帯電している様子を示している。その顔料に解離し
た、もしくは解離しない帯電制御剤7が物理吸着または
化学吸着し、ある値の安定な電位を与えていると考えら
れる。キャリア液8中には解離した帯電制御剤のイオン
やキャリア液自身のもつ若干の自由な電荷を含みうる。 <吐出原理>このような状態において、対向電極に対し
て信号電圧を記録電極に印加した場合、上述の電荷の他
に、記録電極と対向電極の静電容量に対応する表面電荷
が、(キャリア液の抵抗)×(静電容量)で表される時
定数で充電される。また、アルコール等の誘電性材料は
誘電分極を起こし、分極電荷を生ずる。この場合にイン
クに働く主な力を以下に示す。 キャリア液に加わる力(圧力): (c1) 大気圧 (c2) 表面張力圧;〜 σ/r (σ:表面張力、
r:メニスカスの曲率半径) (c3) 静電圧力;〜 ε E2 (ε:インクの誘
電率) (c4) 表面電荷に作用するクーロン力;〜 ρq
(ρq:電荷面密度、E:電界) (c5) 重力圧;ρmgH (ρm:インクの密度、
g:重力加速度、H:キャリア液面差) 誘電性材料に作用する分極力: (d1) 〜▽ E2 (▽= d2 /dx2 + d2
/dy2 + d2 /dz2) 色材粒子にかかる力: (p1) 色材電荷に作用するクーロン力(体積力);
q E (q:電荷量) (p2) 色材電荷に作用する重力;mgh(m:色材
質量、h:流路底面からの高さ) これらの力のバランスが崩れて、インクが対向電極側に
受ける力が勝ったときにインクの吐出が行われる。これ
らの力がどのように静止状態でバランスし、どのように
してそのバランスが崩れるかは、理論的にも、実験的に
も容易に見出されるものではない。そこで、これらの力
とインクメニスカス形状のディメンジョンについての研
究を詳細に行った結果、上述した、ある特定の範囲のデ
ィメンジョンにおいて、電場に関係する力c3、c4、
d1、p1が非常にクリティカルにインクメニスカス形
状のディメンジョンに反応することを、本発明者は見出
した。
【0036】この範囲のディメンジョンにおいて、幅広
い光学濃度を再現できる理由は、キャリア液に加わる力
c3、c4と、誘電性材料に加わる力d1、および色材
粒子に加わる力p1の大きさのバランスがクリティカル
に変化し、従って、吐出するインクのキャリア液と色材
粒子の比率もまた、クリティカルに変化するからである
と推測している。 <電界強度分布>次にどのようにして上述のように、キ
ャリア液と色材粒子に加わる力のバランスが変化するか
を考察するために、記録電極の周りの電界がどのように
分布しており、どのような値を取るのかを以下に示す。
記録電極先端近傍の電界強度は、電極形状が固定されて
いる場合、インクメニスカスの形状と、色材粒子の量と
分布によって完全に決定される。この場合、電界(Eと
する)は次のPoisson方程式 d2φ /dx2 + d2φ /dy2 + d2φ /
dz2 = ρ(x,y,z;t) / ε(x,y,
z) で決定される電位φから、 E=(dφ /dx,dφ /dy,dφ /dZ) で求められる。
【0037】ここで、ρ(x,y,z;t)、ε(x,
y,z)はそれぞれ位置x,y,z,時刻tにおける電
荷密度、および位置x,y,zにおけるその材質の誘電
率を表わす。この支配方程式において決定されるべき未
知数は電界Eで、与えるべき既知数は電荷密度ρおよび
誘電率εである。
【0038】電荷密度ρは色材粒子がキャリア液中を運
動するときの仕方に依存するので、Navier−St
okes方程式などに支配されて、インクメニスカスの
形状に従って決定される。具体的な電荷密度の大きさは
数10〜数1000Coulomb/m3と考えられて
いる。
【0039】一方、誘電率εも同様にメニスカスの形状
に従って与えられる。具体的な大きさは上記の炭化水素
系キャリア溶剤であれば、およそ2ε0くらいの値をと
る。ここでε0は真空の誘電率である。
【0040】このようにして、メニスカスの形状によっ
て記録電極先端近傍の電界強度が一意的に決定される。
記録電極と対向電極に1300Vの電位差を与えた場合
の、あるメニスカスにおける記録電極近傍の電界強度分
布を図3に示す。これらの値は有限要素法解析により得
られた値で、記録電極1とそれを覆うインクメニスカス
10の近傍の等電界強度線が描かれている。図中の値の
単位は106V/mである。このモデルにおいては、お
よそ数MV/mの電界強度が記録電極先端に存在するこ
とが分かる。 <力の比率>図4に図3における記録電極先端の拡大図
を示す。電界強度は記録電極先端にいくほど大きくなる
ことが分かる。また電界強度はインクメニスカスと空気
の界面において、不連続となる。その後、いったん後方
に回り込んで、先端へ走り、閉ループをつくるように形
成されている。従って、キャリア液とそれに含まれる色
材粒子は、両方とも、記録電極の先端にいくほど大きな
力を受けることが理解される。また、別の言葉で表現す
れば、メニスカスの記録電極に対する角度が大きくなる
ほど、大きな力を受けるということができる。図4に
は、記録電極先端までの距離は同じで、記録電極に対す
る角度の違う2つのメニスカスPおよびQが示されてい
る。また、それぞれのメニスカスに対応する3.3MV
/mの等電界強度線が示されている。実線がメニスカス
Pに、破線がメニスカスQに対応している。図4によれ
ば、より大きな角度をもつメニスカスPにおいて、3.
3MV/mの電界強度による電気圧力を受ける面積は高
さaと対応する。一方、メニスカスPよりも浅い角度を
もつ、メニスカスQにおいては、同じ3.3MV/mの
電界強度による電気圧力を受ける面積は高さbに対応す
る。従って、メニスカスPにおいてはメニスカスQより
も、より多くのキャリア液が力を受け、吐出するので、
メニスカスの違いにより、印字濃度に大小が生ずる。こ
のように、インクメニスカスの記録電極に対する角度
は、主に力を受けるキャリア液の量に関係していること
が予測される。
【0041】他方、図5に示すように、インクメニスカ
スの位置を変える場合にどうなるかを説明する。キャリ
ア液9はメニスカスの位置が記録電極先端から後退して
も、ある程度の量が毛細管現象により、薄い層11を形
成し、先端まで運ばれる。一方で、色材粒子はインクメ
ニスカス位置が後退すると、先端に供給されにくくなる
傾向にあると予測される。従って、メニスカス位置が先
端に近いと、力を受ける粒子の数が多くなり、先端から
遠いと、その逆になる。つまり、メニスカス位置が先端
に近いと、遠いものより多くの色材粒子が力を受け、吐
出するので、メニスカス位置の違いにより、印字濃度に
差が生ずる。このようにメニスカスの位置が、力を受け
る色材粒子の数と関係していることが予測される。
【0042】さらに、これらの効果を組み合わせて使う
ことにより、キャリア液と色材粒子に加わる力のバラン
スは、多様な組み合わせを示すので、結果的に幅広い濃
度変化を達成することができる。従って最適な印字濃度
を実現することができるので、印字濃度の低下、にじ
み、そして裏映り等の問題点を解決し、且つ、濃度を上
げすぎることによる色再現範囲の低下と記録速度の低
下、および高温定着工程によるコストアップという問題
を同時に解決することが可能となる。
【0043】このような理論的考察をもとに本発明者
は、メニスカス形状の幾何学的ディメンジョンと印字濃
度の関係を詳細に調べた結果、それらの間に密接な関係
があることを発見し、本発明に至った。
【0044】以下、本発明の実施の形態について図5〜
7を用いて説明する。 (実施の形態1)図5はいわゆるエッジ型ヘッドにおけ
る、記録電極1の先端におけるインク9が形成するメニ
スカス10を示す。エッジ型ヘッドの特徴は、記録電極
を形成する基板が、対向電極と垂直で、従って、インク
液滴は基板に対して、水平に飛翔することである。ノズ
ルまたはスリットの位置関係によってメニスカス10の
記録電極に対する角度と、記録電極先端までの距離が決
められる。図5においては、上板2の端面が記録電極1
の上方140μmに配置されており、メニスカスが形成
する曲面をほぼ線形とみることができる。メニスカスの
記録電極に対する角度は40°、記録電極先端までの距
離は50μmに設定されている。この設定において、記
録電極1と対向電極(図示されていない)の間に電位差
を与えると、それによって記録電極1の近傍の電界強度
分布が決まり、色材粒子とキャリア液に加わる力が決定
し、色材粒子とキャリア液の吐出インクにおける比率が
与えられる。
【0045】メニスカスの記録電極に対する角度をおよ
そ20°くらいに設定し、記録電極先端までの距離を5
0μmほどにすることにより、色材粒子の比率が高くな
り、比較的高い印字濃度が得られる。なお、メニスカス
位置を記録電極先端から適度に後退させるだけでも、キ
ャリア液が受ける力が小さくなり、同じ効果が得られ
る。
【0046】また、メニスカスの角度を60°くらいに
設定すれば、印字濃度はやや低下するが、印字直後にキ
ャリア液が浸透、蒸発することにより、自発的な定着が
可能となる。なお、メニスカス位置を記録電極先端から
大きく後退させるだけでも、色材粒子が飛翔位置に移流
する量が少なくなり、結果的に、吐出インク中のキャリ
ア液の比率が大きくなるので、同様の効果が得られる。
【0047】このように、メニスカスの角度と位置を調
整することにより、印字濃度の差を生じさせることがで
きるが、実際には、単なる理論的な考察からは、本発明
の特異な効果は見出されない。例えば、記録電極先端か
らのメニスカス位置を大きくすればするほど、色材やキ
ャリア液に加わる力は小さくなるが、単にこのような考
察からは、どちらに働く力がより小さくなるかというこ
とは理解されないので、従って、印字濃度がどのように
なるかは想像できない。メニスカス位置を後退させれ
ば、キャリア液に働く力は小さくなり、また力を受ける
面積も小さくなるので、色材粒子に働く力よりも速く小
さくなり、結果的に印字濃度が上がると予想されるが、
実際には、そうはならない。この場合、本発明が示すよ
うに、メニスカス位置を大きくすると、あるところか
ら、印字濃度は低下し始める。このような効果は単なる
理論的推察からは容易には見出されない。
【0048】上板2および下板3はガラスまたはプラス
ティックなどの絶縁体から構成される。用いるプラステ
ィックはインク成分から侵されず、加工性に優れた材質
が選択される。例えば、インクがアクリル系樹脂を含ん
でいれば、アクリル系以外のエポキシ樹脂やポリカーボ
ネートなどの材質が選ばれる。また、インクとぬれ性の
悪い材質や表面状態にすることにより、メニスカス形状
の制御を容易にすることができる。その意味ではテフロ
ンを用いるのが最も好ましいが、ガラスやポリイミドな
ど安価な材料を用いることもできる。記録電極は導伝体
であれば基本的に何を用いてもよい。例えば、銅や金、
ニッケル、ステンレスなどを用いてもよい。記録電極
は、上板や下板とは逆に、インクとのぬれ性がよい材質
を用いるのが好ましい。
【0049】(実施の形態2)図6、図7はインクメニ
スカスのいくつかの形態を示す。図6はインク圧力が負
圧の場合に起こるような、負の曲率をもったメニスカス
の場合を示す。このような場合は、記録電極とメニスカ
スの接触角はいつもゼロであるので、記録電極とメニス
カスの角度を何らかの方法で規定しなければならない。
本発明者はこのような場合の角度を決めるために、メニ
スカス先端Mと、上板との接触点Lとの、メニスカス測
度における中点Nにおける接線が、記録電極となす角度
を用いた。この形態の場合には、メニスカスの角度だけ
ではなく、メニスカスの距離も制御することができる。
背圧を負に大きくするにつれてその距離は大きくなり、
インクはメニスカス先端から記録電極先端まで毛細管現
象によって供給されインク層11を形成する。
【0050】一方、図7に示すように、背圧を正の値に
設定すると、インクメニスカスの曲率は正になる。この
形態の場合は、メニスカス距離が常にゼロとなり、角度
のみを制御することができる。また、上板と記録電極先
端を結ぶ線が記録電極となす角より大きな角度だけを制
御することができる。
【0051】(実施の形態3)図8はいわゆるサイド型
ヘッドにおける記録電極を示す。サイド型ヘッドの特徴
は、記録電極を形成する基板が、対向電極と平行であ
り、インク液滴は基板に対して、垂直に飛翔することで
ある。本発明は、この形態においても有効である。図8
には曲率が負の場合を示しているが、この場合の角度の
規定は、図6に示した方法と同じである。図8の場合、
メニスカス距離が20μm、メニスカス角度が20°に
設定されている。
【0052】
【実施例】次に発明の具体例を図5および図9、10を
用いて説明する。図5に示した構成で、記録電極1をN
iメッキにより、ガラス基板3上に厚さ40μm、その
上から金メッキを約10μm施した。上板2はテフロン
を加工してガラス基板3と接着した。インクはエクソン
社製ISOPAR Lをキャリア液とし、銅フタロシア
ニンを成分とするHoechist社製青色顔料を色材
粒子、分子量約20000の炭化水素系樹脂を定着用樹
脂、ナフテン酸マンガン(金属石けん)を帯電制御剤と
して含むものを用いた。また、誘電性材料として、イソ
プロピルアルコールを使用した。電気的条件は記録電極
と対向電極間のDC電圧を−1.5kV、パルス電圧を
+500Vに設定した。記録電極先端と対向電極との距
離は1.5mmに固定した。記録媒体はXEROX社製
の普通紙4024を用いた。また、光学濃度はGRET
AG社製SPM100−IIを用いて、D65光源により
測定した。濃度は−Log(反射率)で定義された値で
評価した。また、彩度および明度はL***系におい
て、それぞれ(a*2+b*20.5、L*で評価した。
【0053】図9に、この構成におけるメニスカス角度
と光学濃度の関係を調べた結果を示す。図中A、B、C
は、それぞれ成分の異なるインクによって測定された結
果を示す。それぞれのインクにおける、帯電制御剤と誘
電性材料の含有量を(表1)に示す。
【0054】
【表1】
【0055】図9には、高品位な画質を得るために好ま
しいと考えられる濃度範囲を併せて示した。光学濃度
は、印刷する記録媒体や、インク色に応じて、その適正
値が決められる。例えば、同じインクを用いても、専用
紙においては、普通紙よりも大きな印字濃度が得られる
ので、最適な印字濃度は、普通紙のそれよりも低く設定
することができる。また、イエローは幾分少なくても画
質に重大な影響を与えないことから、目標とすべき印字
濃度は他の色と比較して、低くてもよい。このように、
一概に好ましい印字濃度の範囲を限定することはできな
いが、さまざまな記録媒体、すべての色における最適範
囲の最大公約数をとることによって、一般的な最適印字
濃度範囲として、0.8〜2.0を本発明者は決定し
た。印字濃度が0.8未満であると、一般の印刷物と比
較して、著しくコントラストのない、薄い画像となる。
一方、印字濃度が2.0以上であると、カラー画像にお
いて彩度と明度が落ちる。画像における輪郭ははっきり
するが、全体的に透明感のない硬調な画質となり、一般
の印刷物と比較して著しく画質が低下する。これは濃度
と彩度、明度にある一定の関係があることによる。ま
た、カラー画像において、高品質を得るために、彩度、
明度の好ましい範囲を、それぞれ、30以上、45以上
と定めた。比較のために、市販されている、水性インク
ジェットにおける代表的な光学濃度、彩度、明度の値
は、普通紙において、それぞれ、1.2〜1.6、25
〜50、50〜90の範囲に入っている。
【0056】図9に示すように、角度がゼロに近い場合
を除いて、それぞれのインクで、メニスカス角度ととも
に光学濃度が減少するという結果が得られた。角度がゼ
ロに近い場合、前述の傾向と逆の性質を示す。これは、
理論的考察からは全く推測され得ない。角度が浅いとこ
ろでは、キャリア液の厚みが小さすぎて、色材粒子の易
動度が通常の場合と違ってくる可能性があるが、いずれ
にせよ、その変化の仕方は説明され得ない。
【0057】印字濃度の変化が最も線形に近かったの
は、インク中のアルコール含有量が1〜8%のものを用
いた場合であった。なお、インクの種類によって、濃度
が大きく変化するものと、変化の緩やかなものがある
が、どのようなインクを用いても、メニスカス角度を0
〜65°以内に設定しておけば、0.8〜2.0の濃度
範囲に入ることが、他の実験結果により見出された。
【0058】また、インク吐出口の高さが200μmを
越えるように大きい場合は、メニスカスが図6のように
曲線をなすことが多い。発明者は、前述のような角度の
規定のもとで、この場合においても、メニスカス角度と
印字濃度との関係を調べたが、最適濃度を再現する角度
の上限値が70°であった。メニスカスの形態によって
は、65°以上の範囲においても最適温度を達成するこ
とができるが、65°以下の範囲でメニスカス角度を設
定すればどのようなメニスカス形態においても最適な印
字濃度を得ることができる。
【0059】次に、図示しないが、メニスカスの記録電
極先端からの距離を100μmに固定し、メニスカス角
度を0〜65°まで変化させて光学濃度との関係を調べ
た結果、角度を15°にした場合に、光学濃度1.8を
得た。また、このときの印字物の色測定を行った結果、
彩度、明度はそれぞれ31.1、63.6と適切な値を
得た。さらに記録周波数の測定を行った結果、9kHz
の周波数応答性が観察された。この印字物の定着性を折
り曲げ試験法および、メンディングテープによる剥離法
により調べた結果、良好な定着状態であった。
【0060】また、同じ条件下でも、記録電極の曲率半
径を20μmにした場合、光学濃度、彩度、明度は、そ
れぞれ2.1、17.0、40.2と、高い濃度は得ら
れたが、彩度、明度とも低い値を示した。また色材粒子
が立体的に記録紙に付着したため、指による引っかきに
よって容易に印字部が汚れ、定着性の悪さを示した。
【0061】以上はメニスカス位置を固定して行った実
験結果であるが、その他1500μm以内のどのような
距離に設定しても、印字濃度はメニスカスの角度に応答
する。
【0062】民生用など量産を目的としたプリント用に
応用するようなヘッドの場合、コストやメンテナンスの
関係から1000μm以内に設定するのが好ましい。特
にメニスカスの安定度などを考慮した場合800μm以
内が最も適当である。一方、業務用やプロフェッショナ
ル向けのプリンタヘッドを目的とする場合ヘッドにコス
トをかけることができるので、1500μm以内のどの
範囲を用いてもよい。また、本発明者はステンレス製の
針状電極を用いて同様の効果を確認したが、この場合1
500μm以上でも最適な濃度範囲を達成することがで
きることを発見した。しかしながら、1500μm以内
の範囲にメニスカス位置を決めることによりさまざまな
形態のヘッドにおいて最適な印字濃度を得ることができ
る。
【0063】次に、図10には、図5に示した構成にお
いてメニスカス角度を30°に固定し、メニスカス位置
を変化させて光学濃度との関係を調べた実験結果を示
す。この場合、メニスカス距離が0というのはメニスカ
スと記録電極先端が含まれる場合である。逆にメニスカ
ス距離が1500μmというのはメニスカスが記録電極
先端から後方に1500μm下がっている場合に実現さ
れる。このとき、メニスカスは記録電極先端から150
0μm後方にあるが、インクはそこから毛細管現象によ
り、記録電極先端まで1500μm運ばれる。そのた
め、薄いインク層11が記録電極の全体を覆っているこ
とになる。この実験においても、先述の3種類のインク
を用いた。光学濃度はメニスカス距離とともに、いった
ん大きくなり、減少する。メニスカス距離が小さいと、
キャリア液の受ける力と、力を受ける面積が大きくなる
ので、キャリア液が色材粒子とともに多く吐出し、印字
濃度が下がることが推測される。この推論によると、逆
に、距離が大きくなると、キャリア液の比率が低下する
ことになるが、このデータではそうはなっていない。3
00μmを越えると、再び印字濃度は低下することを図
10は示している。この理由も、必ずしも明確ではない
が、メニスカス距離が大きくなると、色材粒子の易動度
が著しく小さくなることが考えられる。このような効果
も、単なる推論から演繹されるものではない。
【0064】この設定においては、Aのインクを用いた
場合に、1.0〜2.0と最も大きな濃度変化が得られ
た。このインクにおいて、メニスカス距離が180μm
の場合、光学濃度、彩度、明度はそれぞれ1.9、3
2.8、75.7と良好なデータが得られた。また定着
性も加熱なしの自己定着で良好な状態であった。記録周
波数は13.5kHzが達成された。
【0065】以上のデータは全てサイアンインクについ
て取られたが、全く同様の傾向がマゼンタおよびイエロ
ーにおいても得られた。従って、サイアン、マゼンタ、
イエロー、全カラー3色について、本発明におけるメニ
スカスディメンジョンを持つ場合に最適な印字濃度を得
ることができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、溶媒中に溶解また
は一部溶解または分散した色材粒子を含むインクと、該
インクを収納するインク室と、該インク室に連通した吐
出口と、前記インク室から該吐出口へ連通するインク流
路と、前記吐出口に配置された記録電極と、該記録電極
に対向して設けられた対向電極からなり、前記記録電極
と前記対向電極間に記録信号電圧を与えてインクを飛翔
させる静電型インクジェット記録装置において、記録電
極先端におけるインクメニスカスの角度、または、記録
電極先端からの距離を所定の値に設定することによっ
て、吐出インクの記録媒体上の色材濃度、彩度、明度、
定着性、記録周波数を最適な値にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による静電型インクジェットヘッドの斜
視図
【図2】インク中の帯電状態を示す図
【図3】記録電極先端断面における等電界強度線の計算
結果を示す図
【図4】記録電極先端断面における等電界強度線を表わ
す図
【図5】本発明のエッジ型ヘッドの形態における記録電
極先端の断面図
【図6】本発明のエッジ型ヘッドの別の形態における記
録電極先端の断面図
【図7】本発明のエッジ型ヘッドの別の形態における記
録電極先端の断面図
【図8】本発明のサイド型ヘッドの形態における記録電
極先端の断面図
【図9】本発明を示すメニスカス角度と光学濃度の関係
を示す図
【図10】本発明を示すメニスカス距離と光学濃度の関
係を示す図
【図11】従来の静電型インクジェットヘッドの斜視図
【符号の説明】
1 記録電極 2 上板 3 下板 4 吐出口またはスリット 5 対向電極 6 顔料 7 帯電制御剤 8 キャリア液 9 インク 10 インクメニスカス 11 インク層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月28日(1999.5.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】記録電極先端の曲率半径を40〜500μ
mの範囲にしたことを特徴とする請求項1、または請求
2に記載の静電型インクジェット記録装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、溶媒中に溶解または一部溶解または分散した色材粒
子を含むインクと、該インクを収納するインク室と、該
インク室に連通した吐出口と、前記インク室から該吐出
口へ連通するインク流路と、前記吐出口に配置された記
録電極と、該記録電極に対向して設けられた対向電極か
らなり、前記記録電極と前記対向電極間に記録信号電圧
を与えてインクを飛翔させる静電型インクジェット記録
装置において、前記記録電極に付着したインクメニスカ
表面と前記記録電極の該インクメニスカスに覆われた
部分とのなすインク側の角度が0〜65°の範囲にある
ことを特徴とし、この範囲でメニスカス表面の角度を制
御することにより、キャリア液が電界から力を受ける面
積を制御することができ、吐出インク中のキャリア液の
含量を制御することができるので、最適な印字濃度を実
現することができる。本発明の請求項2に記載の発明
は、溶媒中に溶解または一部溶解または分散した色材粒
子を含むインクと、該インクを収納するインク室と、該
インク室に連通した吐出口と、前記インク室から該吐出
口へ連通するインク流路と、前記吐出口に配置された記
録電極と、該記録電極に対向して設けられた対向電極か
らなり、前記記録電極と前記対向電極間に記録信号電圧
を与えてインクを飛翔させる静電型インクジェット記録
装置において、前記記録電極に付着したインクメニスカ
スが形成する曲面がほぼ線形の場合におけるメニスカス
表面と前記記録電極の該インクメニスカスに覆われた部
分とのなすインク側の角度が0〜65°の範囲にあるこ
とを特徴とし、この範囲でメニスカス表面の角度を制御
することにより、キャリア液が電界から力を受ける面積
を制御することができ、吐出インク中のキャリア液の含
量を制御することができるので、最適な印字濃度を実現
することができる。本発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1、または請求項2に記載の発明において、記録
電極先端の曲率半径を40〜500μmの範囲にしたこ
とを特徴とするもので、曲率半径を変化させると、電界
強度の集中度合いが変化するので、色材粒子とキャリア
液が力を受ける比率が変わり、より効果的に最適な印字
濃度を実現することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明のの発明は、溶媒中に溶解または
一部溶解または分散した色材粒子を含むインクと、該イ
ンクを収納するインク室と、該インク室に連通した吐出
口と、前記インク室から該吐出口へ連通するインク流路
と、前記吐出口に配置された記録電極と、該記録電極に
対向して設けられた対向電極からなり、前記記録電極と
前記対向電極間に記録信号電圧を与えてインクを飛翔さ
せる静電型インクジェット記録装置において、前記記録
電極先端におけるインクメニスカスの電極先端からの距
離が、インク層の厚みを除き、0〜1500μmの範囲
にあることを特徴とし、メニスカス表面の位置をこの範
囲に設定することにより、色材粒子が記録電極先端まで
移流する距離を制御することができ、吐出インク中の色
材粒子の含量を制御することができるので、最適な印字
濃度を実現することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明のの発明は、溶媒中に溶解または
一部溶解または分散した色材粒子を含むインクと、該イ
ンクを収納するインク室と、該インク室に連通した吐出
口と、前記インク室から該吐出口へ連通するインク流路
と、前記吐出口に配置された記録電極と、該記録電極に
対向して設けられた対向電極からなり、前記記録電極と
前記対向電極間に記録信号電圧を与えてインクを飛翔さ
せる静電型インクジェット記録装置において、前記記録
電極先端におけるインクメニスカスの電極に対する角度
が0〜65°の範囲にあり、なおかつ、前記記録電極先
端におけるインクメニスカスの電極先端からの距離が、
インク層の厚みを除き、0〜1500μmの範囲にある
ことを特徴とするもので、吐出インク中のキャリア液と
色材粒子の比率を同時に調整することにより、より効果
的に最適な印字濃度を実現することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明のの発明は、インクの比抵抗が1
×109Ω.cm以上であることを特徴とするもので、
この範囲の比抵抗のインクを用いることにより、適切な
量の表面電荷がメニスカス表面に充電され、適切な量の
範囲でキャリア液の吐出を制御できるので、最適な印字
濃度を実現することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】本発明のの発明は、インクの背圧が−3
00Pa以上+300Paの範囲であることを特徴とす
るもので、この範囲で背圧を変化させることで、0°〜
30°の範囲でメニスカス表面の角度を制御させること
ができ、スリット形状、印加電圧と組み合わせて0°〜
65°の範囲でメニスカス角度の調整を行うことがで
き、より効果的に印字濃度の制御を行うことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明のの発明は、記録信号電圧が直流
電圧とパルス電圧の重畳電圧であることを特徴とするも
ので、メニスカスを安定に形成するために常時印加して
おく電圧と、吐出に必要な電圧を分けることにより、メ
ニスカス形状を安定させることができるので、安定な印
字濃度の調節を行うことができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本発明のの発明は、直流電圧の絶対値が
500Vから3000Vの範囲であることを特徴とする
もので、この範囲の直流電圧によって約3×107V/
mまでの電界強度を得ることができ、この電界により0
°〜10°の範囲でメニスカス表面の角度を制御させる
ことができるので、スリット形状、印加電圧と組み合わ
せて0°〜65°の範囲でメニスカス角度の調整を行う
ことができ、より効果的に印字濃度の制御効果を得るこ
とができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明のの発明は、パルス電圧の絶対値
が5Vから300Vの範囲であることを特徴とするもの
で、この範囲のパルス電圧を用いることにより、安価な
ドライバを使用することができるので、より安価に適切
な印字濃度の調節を行うことができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】本発明のの発明は、インク流路およびイ
ンクタンクの、外面または内面に密着した第二電極を、
別途設けたことを特徴とするもので、この構成により、
色材粒子を記録電極先端に強制的に安定に供給すること
ができるので、適切な印字濃度を維持できる時間が長く
なり、より効果的である。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】本発明のの発明は、泳動電極に印加する
電圧が500V〜3000Vの範囲であることを特徴と
するもので、この範囲の電圧を用いることにより、記録
電極先端に集まる色材の量が適切になり、より適切な印
字濃度の調節を行うことができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】本発明のの発明は、流入用インク流路と
流出用インク流路の両方を備え、インクタンク、流入用
インク流路、流出用インク流路が閉じた循環系を構成す
ることを特徴とするもので、この構成により、記録電極
先端における色材粒子の濃度が一定に保たれるので、適
正な印字濃度をより長時間安定に与えることができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明のの発明は、インクが比誘電率5
以上を有する誘電性材料を含むことを特徴とするもの
で、キャリア液よりも大きな比誘電率を持つ材質をイン
クに混ぜることにより、インクに働く分極力を発生させ
ることができ、キャリア液の吐出比率を制御することが
できるので、印字濃度を調整できる範囲がより広がる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】本発明のの発明は、誘電性材料のインク
中における含有量が0〜20重量%の範囲であることを
特徴とするもので、20重量%以下に設定することによ
り、分極抵抗による電圧降下が著しく大きくなることを
防ぐことができ、キャリア液の表面電荷に対する力を制
御するのに、著しく大きい電圧を必要とすることがなく
なる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒中に溶解または一部溶解または分散し
    た色材粒子を含むインクと、該インクを収納するインク
    室と、該インク室に連通した吐出口と、前記インク室か
    ら該吐出口へ連通するインク流路と、前記吐出口に配置
    された記録電極と、該記録電極に対向して設けられた対
    向電極からなり、前記記録電極と前記対向電極間に記録
    信号電圧を与えてインクを飛翔させる静電型インクジェ
    ット記録装置において、 前記記録電極に付着したインク表面と前記記録電極との
    なす角が0〜65°の範囲にあることを特徴とする静電
    型インクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】溶媒中に溶解または一部溶解または分散し
    た色材粒子を含むインクと、該インクを収納するインク
    室と、該インク室に連通した吐出口と、前記インク室か
    ら該吐出口へ連通するインク流路と、前記吐出口に配置
    された記録電極と、該記録電極に対向して設けられた対
    向電極からなり、前記記録電極と前記対向電極間に記録
    信号電圧を与えてインクを飛翔させる静電型インクジェ
    ット記録装置において、 前記記録電極先端におけるインクメニスカスの電極先端
    からの距離が、インク層の厚みを除き、0〜1500μ
    mの範囲にあることを特徴とする静電型インクジェット
    記録装置。
  3. 【請求項3】溶媒中に溶解または一部溶解または分散し
    た色材粒子を含むインクと、該インクを収納するインク
    室と、該インク室に連通した吐出口と、前記インク室か
    ら該吐出口へ連通するインク流路と、前記吐出口に配置
    された記録電極と、該記録電極に対向して設けられた対
    向電極からなり、前記記録電極と前記対向電極間に記録
    信号電圧を与えてインクを飛翔させる静電型インクジェ
    ット記録装置において、 前記記録電極先端におけるインクメニスカスの電極に対
    する角度が0〜65°の範囲にあり、なおかつ、前記記
    録電極先端におけるインクメニスカスの電極先端からの
    距離が、インク層の厚みを除き、0〜1500μmの範
    囲にあることを特徴とする静電型インクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】記録電極先端の曲率半径を40〜500μ
    mの範囲にしたことを特徴とする請求項1、請求項2、
    または請求項3に記載の静電型インクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】前記インクの比抵抗が1×109Ω.cm
    以上であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求
    項3、または請求項4に記載の静電型インクジェット記
    録装置。
  6. 【請求項6】前記インクの背圧が−300Pa以上+5
    00Paの範囲であることを特徴とする請求項1、請求
    項2、請求項3、請求項4、または請求項5に記載の静
    電型インクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】前記記録電極と前記対向電極間に印加され
    る電圧が直流電圧とパルス電圧からなることを特徴とす
    る請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項
    5、または請求項6に記載の静電型インクジェット記録
    装置。
  8. 【請求項8】前記直流電圧の絶対値が500Vから30
    00Vの範囲であることを特徴とする請求項7に記載の
    静電型インクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】前記パルス電圧の絶対値が5Vから300
    Vの範囲であることを特徴とする請求項7に記載の静電
    型インクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】前記インク流路およびインクタンクの、
    外面または内面に密着した第二電極を、別途設けたこと
    を特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、または
    請求項9に記載の静電型インクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】前記第二電極に印加する電圧が500V
    〜10000Vの範囲であることを特徴とする請求項1
    0に記載の静電型インクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】流入用インク流路と流出用インク流路の
    両方を備え、インクタンク、流入用インク流路、流出用
    インク流路が閉じた循環系を構成することを特徴とする
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、
    請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項1
    0、または請求項11に記載の静電型インクジェット記
    録装置。
  13. 【請求項13】前記インクが比誘電率5以上を有する誘
    電性材料を含むことを特徴とする請求項1、請求項2、
    請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、
    請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、または
    請求項12に記載の静電型インクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】前記誘電性材料のインク中における含有
    量が0〜20重量%の範囲であることを特徴とする請求
    項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求
    項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請
    求項11、請求項12、または請求項13に記載の静電
    型インクジェット記録装置。
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