JP2001212963A - インクジェット式印刷方法及び印刷装置 - Google Patents

インクジェット式印刷方法及び印刷装置

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JP2001212963A
JP2001212963A JP2000025545A JP2000025545A JP2001212963A JP 2001212963 A JP2001212963 A JP 2001212963A JP 2000025545 A JP2000025545 A JP 2000025545A JP 2000025545 A JP2000025545 A JP 2000025545A JP 2001212963 A JP2001212963 A JP 2001212963A
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oil
head
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JP2000025545A
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English (en)
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Yusuke Nakazawa
雄祐 中沢
Kazuo Ishii
一夫 石井
Eiichi Kato
栄一 加藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル画像データに対応でき、印刷媒体に
各々異なる画像を鮮明に、安価にかつ高速に印刷できる
インクジェット印刷方法及び装置を提供する。 【解決手段】 画像データの信号に基づき、印刷媒体上
に、直接画像を形成するインクジェット印刷方法におい
て、インクヘッド内に設けた電極に一定のバイアス電圧
を印加した静電界を形成した状態で、デジタル画像信号
に応じて強度変調された光を印加することにより油性イ
ンクを吐出させる方式で画像の形成を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷媒体に直接印
刷画像を形成する印刷方法に関し、さらに詳細には、油
性インクを使用した静電式インクジェット記録による印
刷画質が良好で、かつ高速印刷が可能なインクジェット
式印刷方法及び印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像データ信号に基づき、印刷媒体に印
刷画像を形成する印刷方法として、電子写真方式、昇華
型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがあ
る。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光に
より静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システム
が複雑となり高価な装置となる。熱転写方式は、装置は
安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニング
コストが高くかつ廃材が出る。一方、インクジェット方
式は、安価な装置で、かつ必要とされる画像部のみにイ
ンクを吐出し印刷媒体上に直接印刷を行なうため、色剤
を効率良く使用できランニングコストも安い。
【0003】インクジェット技術を印刷システムへ応用
する方法として、例えば、特開平10−286939公
報には、輪転印刷機に、インクジェット印刷装置を付設
し、同一印刷紙上に、可変する番号やマーク等を付加的
にインクジェットシステムで印刷する方法が開示されて
いる。上記インクジェットシステムは、染料又は顔料を
色剤として含む水系あるいは有機溶媒系インクを用いる
ため、噴射された液滴には溶媒が多く含まれており、滲
みの原因となる。従って、印刷紙上の一部にマーク等を
付加的に印刷するような用途には向いているものの、印
刷紙全面に写真画像の様な高度な画像情報を印刷する場
合には、滲みが生じ難い吸水性を有する専用紙が必要と
なる。従って、通常の印刷用紙あるいは非吸収性媒体で
あるプラスチックシート等への印刷には不向きである。
【0004】また、インクジェット技術の一つとして、
常温で固体状態のインクを加熱溶融し、液状となったイ
ンクを噴出し画像を形成する方法がある。このインクを
用いると印字画像の滲みは軽減されるが、吐出時のイン
ク粘度が高いために、微小な液滴の噴出が困難であり、
得られる個々のドット画像は、面積が大きくかつ厚くな
り、高精細な画像を形成しがたい。
【0005】さらに、インクジェット技術は、本質的
に、溶媒の蒸発や揮発によって局部的なインクの濃縮が
生じ易く、これが解像度に対応した個別の細いノズルで
の目詰まるの原因となる。特に、インクジェットの形成
に蒸気の圧力を使う方式では、インクとの熱的或いは化
学的な反応などによる不溶物の付着が、また圧電素子に
よる圧力を使う方式では、インク流路などでの複雑な構
造がさらに目詰まりを誘起し易くする。さらに、数十〜
百数十程度のノズルを使用するシリアル走査型ヘッドよ
りもさらに多い数千もの多数のノズルを必要とするライ
ン走査型ヘッドでは、確率的にかなり高い頻度で目詰ま
りが発生し、信頼性の点で大きな問題となる。
【0006】さらに、従来のインクジェト技術は、解像
度の向上には適していないという問題点もある。つまり
蒸気の圧力を使う方法では、直径20μm以下の粒径の
インク粒を生成するのが難しく、さらに、インク粒は記
録媒体上において滲みを生じるため、直径50数μm以
下の記録ドットを生成するのは困難となる。また、圧電
素子が発生する圧力を使う方式では、ヘッドが複雑な構
造となるために、加工技術上の問題でも解像度の高いヘ
ッドが作り難い。
【0007】これらの欠点を克服するために、薄膜の電
極アレイに電圧を印加し、静電力を用いてインク液面か
らインク或いはその中の色剤成分を飛翔させる技術が考
案されている。具体的には、インクを静電的引力を使っ
て飛翔させる方式(特開昭49−62024号、特開昭
56−4467号など)や、帯電した色剤粒子を含むイ
ンクを用い色剤の濃度を高めて飛翔させる方式(WO9
3/11866:PCT/AU92/00665)など
が提案されている。
【0008】これらの方式では、ヘッドの構成が個別の
ドット毎のノズルを必要としないスリット状ノズル構成
か、或いは個別のドット毎のインク流路の隔壁を必要と
しないノズルレス構成であるために、ライン走査型ヘッ
ドを実現する上で大きな障害であった目詰まりの防止と
復旧に対して有効である。また、特に、後者は非常に小
さい径のインク粒を安定に生成して補償させることがで
き、さらにインク中の色剤粒子が主として飛翔するため
に滲みがなく、高解像度化に適している。このような静
電力で色剤を飛翔させる方式を用いた従来の技術では、
前述のように電極は配列した電極アレイを有するヘッド
を用い、この電極アレイの各電極に数百V〜数KVの高
電圧を印加することによりインクを飛翔させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな電極アレイを用いてライン走査型記録ヘッドのごと
き複数のインク吐出口を有するマルチノズルヘッドを構
成する場合、電極への印加電圧が高いと隣接電極間の電
界干渉が問題となる。また通常飛翔のための電圧信号は
高圧電源からの出力電圧を駆動用ドライバによりオンオ
フ制御して作成するのが一般的であり、印加電圧が高い
場合には耐圧性の高いドライバを使用する必要があり、
高価なものとなってしまう。これらの問題を防ぐために
は、記録ヘッドと記録媒体間の距離を小さくして印加電
圧を下げればよいが、その場合には記録媒体の厚みや、
紙粉・埃の影響が出やすく、安定に描画することが難し
い。
【0010】本発明は、上記事情に着目して成されたも
ので、鮮明で高画質な画像の印刷物が印刷可能であると
ともに、安定駆動、ラインヘッド化が容易なヘッドを用
いたインクジェット式印刷方法及び印刷装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の印刷方法は、画像データの信号に基
づき、印刷媒体上に直接画像を形成し、該画像を定着す
ることにより印刷物を作成する印刷方法において、油性
インクを前記記録媒体に対向配置される吐出ヘッドへ供
給し、該吐出ヘッドに静電界を形成した状態で、前記画
像データの信号に基づいて強度変調された光を前記油性
インクに照射することにより前記油性インクを前記吐出
ヘッドから飛翔させて前記記録媒体上に直接画像を形成
することを特徴とする。
【0012】請求項2記載の印刷方法は、前記油性イン
クが吐出しない程度の静電界を予め前記吐出ヘッドに印
加した状態で、前記油性インクに前記光を照射して前記
油性インクを前記吐出ヘッドから飛翔させる。
【0013】請求項3記載の印刷方法は、前記油性イン
クが、固有電気抵抗値109 Ωcm以上かつ誘電率3.
5以下の非水溶媒中に、少なくとも着色粒子を分散した
ものであることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の印刷方法は、前記光が前記
油性インクに吸収される波長を含む。
【0015】請求項5記載の印刷装置は、画像データの
信号に基づき、印刷媒体上に直接画像を形成する画像形
成手段と、該画像形成手段で形成された画像を定着して
印刷物を得る画像定着手段と、を備える印刷装置におい
て、前記印刷媒体に対向配置され、油性インクを前記印
刷媒体に飛翔する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに静電
界を形成する静電界形成手段と、前記油性インクに前記
画像データの信号に基づいて強度変調された光を照射す
る光照射手段と、を備えるインクジェット描画装置を有
し、前記静電界形成手段により前記吐出ヘッドに静電界
を形成した状態で、前記光照射手段により前記油性イン
クに前記光を照射することにより、前記油性インクを前
記吐出ヘッドから前記印刷媒体に飛翔させて前記印刷媒
体上に直接画像を形成することを特徴とする。
【0016】請求項6記載の印刷装置は、前記静電界形
成手段により前記油性インクが吐出しない程度の静電界
を予め前記吐出ヘッドに印加した状態で、前記光照射手
段により前記油性インクに前記光を照射して前記油性イ
ンクを前記吐出ヘッドから飛翔させる。
【0017】請求項7記載の印刷装置は、前記油性イン
クが、固有電気抵抗値109 Ωcm以上かつ誘電率3.
5以下の非水溶媒中に、少なくとも着色粒子を分散した
ものであることを特徴とする。
【0018】請求項8記載の印刷装置は、前記光照射手
段が、前記油性インクに吸収される波長を含む光を照射
する。
【0019】請求項9記載の印刷装置は、前記印刷媒体
への印刷前及び/又は印刷中に、前記印刷媒体表面に存
在する埃を除去する埃除去手段を有することを特徴とす
る。
【0020】請求項10記載の印刷装置は、前記印刷媒
体への描画時に、前記印刷媒体を介して、前記吐出ヘッ
ドと対向する位置に配置された対向ドラムを回転させて
前記印刷媒体を移動させることにより描画を行なうこと
を特徴とする。
【0021】請求項11記載の印刷装置は、前記吐出ヘ
ッドがシングルチャンネルヘッド又はマルチチャンネル
ヘッドからなり、前記吐出ヘッドを対向ドラムの軸方向
に移動することにより描画を行なうことを特徴とする。
【0022】請求項12記載の印刷装置は、前記印刷媒
体への描画時に、少なくとも一対のキャップスタンロー
ラにより前記印刷媒体を挟持して走行させることによ
り、描画を行なうことを特徴とする。
【0023】請求項13記載の印刷装置は、前記吐出ヘ
ッドがシングルチャンネルヘッド又はマルチチャンネル
ヘッドからなり、前記印刷媒体の走行方向と直交する方
向に前記吐出ヘッドを移動することにより描画を行なう
ことを特徴とする。
【0024】請求項14記載の印刷装置は、前記吐出ヘ
ッドが前記印刷媒体の幅と略同じ長さを有するフルライ
ンヘッドからなることを特徴とする。
【0025】請求項15記載の印刷装置は、前記インク
ジェット描画装置が、前記吐出ヘッドに前記油性インク
を供給するインク供給手段を有することを特徴とする。
【0026】請求項16記載の印刷装置は、前記吐出ヘ
ッドから前記油性インクを回収するインク回収手段を有
し、インク循環を行なうことを特徴とする。
【0027】請求項17記載の印刷装置は、前記インク
ジェット描画装置が、前記油性インクを格納するインク
タンク内の前記油性インクを攪拌する攪拌手段を有する
ことを特徴とする。
【0028】請求項18記載の印刷装置は、前記インク
ジェット描画装置が、前記油性インクを格納するインク
タンク内の前記油性インクの温度を管理するインク温度
管理手段を有することを特徴とする。
【0029】請求項19記載の印刷装置は、前記インク
ジェット描画装置が、前記油性インクの濃度を制御する
インク濃度制御手段を有することを特徴とする。
【0030】請求項20記載の印刷装置は、前記吐出ヘ
ッドをクリーニングするクリーニング手段を有すること
を特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、印刷装置に供給される印
刷媒体に、油性インクを静電界によって吐出するインク
ジェット法で画像を形成することを特徴としている。
【0032】本発明に関わるインクジェット法は、PC
T公開WO93/11866号明細書に記載のものであ
り、このインクジェット法においては絶縁性溶媒中に、
少なくとも着色した粒子を分散した高抵抗を有するイン
クを使用し、このインクに吐出位置で強電界を作用させ
ることにより、該着色粒子の凝集物を吐出位置に形成
し、さらに静電手段により該凝集物を吐出位置から吐出
させる。このように、着色粒子は高濃度化した凝集物と
して吐出され、インキ滴は僅かな溶媒しか含まない。こ
のことにより、記録媒体として用いられる印刷用紙上あ
るいは印刷用プラスチックフイルム上等で滲みのない、
高濃度で鮮明な画像が形成される。また、本インクジェ
ット法では、吐出したインク滴の大きさは吐出電極先端
部の大きさあるいは電界形成条件によって決まる。この
ため、小さな吐出電極及び適切な電界形成条件を用いれ
ば、吐出ノズル径あるいはスリット幅を小さくすること
なく、小さなインク滴が得られる。したがって、ヘッド
のインク詰まりの問題なしに、微小な画像のコントロー
ルが可能であり、本発明は、鮮明で高画質な画像の印刷
物が印刷可能なインクジェット印刷方法を提供する。
【0033】本発明のインクジェット印刷方法を実施す
るのに用いられる印刷装置の構成例を以下に示す。ただ
し、本発明は以下の構成例に限定されるものではない。
【0034】図1〜図6は、本発明にかかる対向ドラム
の回転により印刷媒体を移動することにより描画を行な
う印刷装置の概略構成例を示す図である。図1〜図4は
ロール状印刷媒体を対向ドラムと印刷媒体供給ロール及
び印刷媒体巻き取りロール或いはガイドロールで張架し
たWeb式印刷装置の概略構成例を示す図である。図1
は片面単色、図2は片面4色の印刷を行なうWeb式装
置であり、図3及び図4は両面4色印刷装置の概略構成
例を示す図である。また、図5はロール状印刷媒体をカ
ットして、対向ドラムに巻き付け印刷を行なう片面4色
印刷装置の概略構成例を示す図であり、図6はシート状
記録媒体を用いた印刷装置の概略構成例を示す図であ
る。一方、図7及び図8は、さらに本発明にかかるキャ
ップスタンローラにより印刷媒体を挟持して走行させる
ことにより描画を行なう印刷装置の概略構成例を示す図
であり、このうち図7はロール状印刷媒体を用いた印刷
装置、図8はシート状記録媒体を用いた印刷装置の概略
構成例を示す図である。図9は描画装置の制御部、イン
ク供給部、ヘッド離接機構を含めた描画装置の概略構成
例である。また図10から 図16は、図9の描画装置
が具備するインクジェット記録装置を説明するためのも
のである。
【0035】まず、図1に示すロール状印刷媒体に片面
1色印刷を行なう装置の全体構成図を用いて本発明によ
る印刷工程について説明する。図1に示される,インク
ジェット印刷装置(以下「印刷装置」ともいう)は、ロ
ール状印刷媒体の供給ロール1、埃・紙粉除去装置2、
描画装置3、描画装置3と印刷媒体を介して対向する位
置に配置された対向(描画)ドラム4、定着装置5、及
び印刷媒体巻き取りロール6から構成される。供給ロー
ルから送り出された印刷媒体上の埃等を埃・紙粉除去装
置2で除去した後、該印刷媒体上に、描画装置3のイン
ク吐出部(後述)から描画ドラム4上の印刷媒体へ向け
てインクが画像様に吐出され、印刷画像が記録される。
この画像を定着装置5を用いて印刷媒体上に定着させた
後、印刷済みの印刷媒体が印刷媒体巻き取りロール6に
巻き取られる。
【0036】対向(描画)ドラム4は、インク吐出部の
吐出電極に対して、対向電極とするため金属製ロール又
は表面に導電性ゴム層を有するロール又はプラスチッ
ク、硝子、セラミック等の絶縁性ドラム表面に蒸着、メ
ッキ等により金属層を設けたもの等を用いる。これによ
り、描画装置3の吐出部との間で有効な電界を形成でき
る。また、描画ドラム4に加熱手段を設け、ドラム温度
を高めることも描画画質の向上に有効である。吐出され
たインク液滴の印刷媒体上での速やかな定着を促進する
ためより一層滲みが抑制される。また、ドラム温度を一
定とすることで、印刷媒体上の吐出されたインク液滴の
物性値が制御され、安定で均質なドット形成が可能とな
る。ドラム温度を一定化するために、冷却手段を兼ね備
えることがより好ましい。
【0037】埃・紙粉等の除去手段としては公知の吸引
除去、吹き飛ばし除去、静電除去等の非接触法の他、ブ
ラシやローラー等による接触法が使用できる。本発明で
は好ましくはエアー吸引、あるいはエアーによる吹き飛
ばしのいずれか、あるいはそれらを組み合わせて使用さ
れる。
【0038】さらに、描画装置3は、図9のようなイン
クジェット記録装置20を有している。インクジェット
記録装置20では、画像データ演算制御部21より送ら
れてくる画像データに対応して、吐出ヘッド22と対向
ドラム4との間に形成する静電界により、印刷媒体上に
油性インクを吐出し、描画画像を形成する。
【0039】画像データ演算制御部21は、画像スキャ
ナ、磁気ディスク装置、画像データ伝送装置等からの画
像データを受け、色分解を行なうと共に、分解されたデ
ータに対して適当な画素数、階調数に分割演算し、各ヘ
ッドに振り分ける。さらに、インクジェット記録装置2
0が有するインクジェット吐出ヘッド22(図10参
照。後述)を用いて油性インク画像を網点化していくた
めに、網点面積率の演算も行なう。
【0040】また、後述するように、画像データ演算制
御部21は、インクジェットヘッド22の移動、油性イ
ンクの吐出タイミングを制御すると共に、必要に応じて
印刷媒体動作タイミングの制御も行う。
【0041】図1及び図9を参照にして印刷装置による
印刷工程を以下に詳細に説明する。
【0042】印刷媒体供給ロールから送り出された印刷
媒体は、印刷媒体巻き取りロールの駆動によりテンショ
ンが与えられ、描画(対向)ドラム上に当接する。これ
により、印刷媒体ウエッブが振動して描画時にインクジ
ェット記録装置に接触し破損することを防止できる。ま
た、インクジェット記録装置の描画位置周辺のみで印刷
媒体を描画(対向)ドラムに密着させる手段を配し、少
なくとも描画を行う時にはこれを作用させることによっ
て、印刷媒体がインクジェット記録装置に接触すること
を防止することもできる。具体的には、例えば描画ドラ
ムの描画位置の上流及び下流に押さえローラを配する、
ガイド、静電吸着を利用するなどが有効である。
【0043】磁気ディスク装置等からの画像データは、
画像データ演算制御部21に与えられ、画像データ演算
制御部21は、入力画像データに応じて油性インクの吐
出位置、その位置における網点面積率の演算を行う。こ
れらの演算データは一旦バッファに格納される。画像デ
ータ演算制御部21は、吐出ヘッド22をヘッド離接装
置31により、描画ドラムと当接する印刷媒体と近接さ
せた位置に近づける。吐出ヘッド22と描画ドラム表面
との距離は、付き当てローラのような機械的距離制御、
あるいは光学的距離検出器からの信号によるヘッド離接
装置の制御により、描画中、所定距離に保たれる。吐出
ヘッド22としてはシングルチャンネルヘッド、マルチ
チャンネルヘッド、あるいはフルラインヘッドを使用す
ることができる。吐出ヘッドとしてシングルチャンネル
ヘッド、マルチチャンネルヘッドを使用した場合には、
吐出部の配列方向は印刷媒体の走行方向と平行又は略平
行に設置し、吐出ヘッドの前記対向ドラムの軸方向の移
動により主走査を、前記対向ドラムの回転により副走査
を行い印字を行なう。以上の対向ドラム及び吐出ヘッド
の移動制御は、画像データ演算制御部21により行わ
れ、吐出ヘッドは上記演算により得られた吐出位置およ
び網点面積率で油性インクを印刷媒体上に吐出する。こ
れにより、印刷媒体には、印刷原稿の濃淡に応じた網点
画像が油性インクで描画される。この動作は、印刷媒体
上に所定のインク画像が形成されるまで続く。一方、吐
出ヘッド22がドラムの幅と略同じ長さを有するフルラ
インヘッドである場合には、吐出部の配列方向は印刷媒
体の走行方向と直角又は略直角に設置し、対向ドラムの
回転により印刷媒体が描画部を通過することによって油
性インク画像が形成され印刷物ができあがる。
【0044】印刷終了後は、必要に応じて、吐出ヘッド
22を保護するために吐出ヘッド22は、描画ドラムと
近接された位置から離れるように退避させられる。この
時、吐出ヘッド22のみを離接しても良いが、吐出ヘッ
ド22とインク供給部24とを一緒に離接することもで
きる。
【0045】この離接手段は、描画時以外は記録ヘッド
を描画ドラムに対し少なくとも500μm以上離すよう
に動作する。離接動作はスライド式にしても良いし、あ
る軸に固定されたアームでヘッドを固定し、軸まわりに
アームを動かし振り子状に移動してもよい。このように
非描画時にヘッドを退避させることにより、ヘッドを物
理的破損、あるいは汚染から保護し、長寿命化を達成す
ることができる。
【0046】また、形成された油性インク画像は、定着
装置5により強化される。インクの定着手段としては、
加熱定着、溶媒定着などの公知の手段が使用できる。加
熱定着では赤外線ランプ又はハロゲンランプやキセノン
フラッシュランプ照射、あるいはヒーターを利用した熱
風定着、ヒートロール定着が一般的である。キセノンラ
ンプ等を使用してのフラッシュ定着は電子写真トナーの
定着法として公知であり、定着を短時間に行えるという
利点がある。またラミネート紙を用いた場合には、急激
な温度上昇により紙内部の水分が急激に蒸発し、紙表面
に凹凸が発生するブリスターと呼ばれる現像が生じるた
め、複数の定着器を配置し、紙が徐々に昇温するよう
に、電力供給及び/又は定着器の記録媒体までの距離を
変えることが、ブリスターを防止する上で好ましい。
【0047】溶媒定着ではメタノール、酢酸エチル等の
インク中の樹脂成分を溶解しうる溶媒を噴霧又は蒸気の
暴露をし、余分な溶媒蒸気は回収する。なお、少なくと
も吐出ヘッド22による油性インク画像形成から、定着
装置5による定着までの行程では、印刷媒体上の画像に
は何物も接触しないように保たれることが望ましい。
【0048】図2〜図4は片面及び両面4色印刷装置の
構成例であるが、その動作原理等、上記の片面単色印刷
装置の説明から容易に類推されるため、説明は省略す
る。またここでは4色印刷装置の構成例を示したが、こ
れに限定されるものではなく、色数は必要に応じて任意
に決定される。
【0049】図5および図6は本発明にかかる別の構成
例であり、自動排出装置7を有し、印刷媒体を対向ドラ
ムに巻き付けて使用する印刷装置の説明図である。図6
は自動供給装置9を有するシート状印刷媒体を用いた装
置構成例である。ここでは、図5のロール状印刷媒体を
用いた装置構成例を用いて説明する。
【0050】まず、対向ドラムに印刷媒体供給ロール1
により引き出され、カッター8で任意の大きさにカット
された印刷媒体を装着する。この時、公知のシート頭/
尻くわえ装置、エア吸引装置などによる機械的方法、あ
るいは静電的な方法等により印刷媒体はドラム上に密着
固定され、これにより紙尻がばたついて描画時にインク
吐出描画装置3に接触し破損することを防止できる。ま
た、インク吐出描画装置の描画位置周辺のみで印刷媒体
をドラムに密着させる手段を配し、少なくとも描画を行
なう時にはこれを作用させることによって印刷媒体がイ
ンクジエット記録装置に接触することを防止することも
できる。具体的には例えば対向ドラムの描画位置の上流
及び下流に押さえローラを配する等の方法がある。さら
に、描画を行わない場合には、ヘッドを印刷媒体から離
しておくことが望ましく、それによってインク吐出描画
装置に接触破損等の不具合が発生することを有効に防止
できる。
【0051】吐出ヘッド22としてはシングルチャンネ
ルヘッド、マルチチャンネルヘッド、あるいはフルライ
ンヘッドを使用することができ、対向ドラム4の回転に
より主走査を行なう。複数の吐出部を有するマルチチャ
ンネルヘッドあるいはフルラインヘッドの場合には、吐
出部の配列方向は対向ドラム4の軸方向に設置する。さ
らに、シングルチャンネルヘッドあるいはマルチチャン
ネルヘッドの場合には、画像データ演算制御部21によ
りヘッド22を対向ドラムの軸方向に連続的或いは逐次
的に移動して、画像データ演算制御部21の演算により
得られた吐出位置および網点面積率で油性インクをドラ
ム11に装着した印刷媒体に吐出する。これにより、印
刷媒体上には、印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が油性
インクで描画される。この動作は、印刷媒体上に所定の
油性インク画像が形成されるまで続く。一方、吐出ヘッ
ド22がドラムの幅と略同じ長さを有するフルラインヘ
ッドである場合には、ドラムが一回転することによって
印刷媒体上に油性インク画像が形成され印刷物ができあ
がる。この様にドラム回転により主走査を行なうことに
より、主走査方向の位置精度を高め、高速描画を行なう
ことができる。印字された印刷媒体は、定着装置5によ
り定着を行い、自動排出装置7により排出される。
【0052】ここでは片面4色印刷機の構成例を示した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、色数及び
片面/両面印刷は必要に応じて装置構成は任意に決定さ
れる。
【0053】一方、図7及び図8は、さらに本発明に係
るキャップスタンローラにより印刷媒体を挟持して走行
させることにより描画を行なう印刷装置の概略構成例を
示す図であり、図7はロール状印刷媒体を用いた印刷装
置、図8はシート状記録媒体を用いた印刷装置の概略構
成例を示す図である。
【0054】ここでは、図7に示すロール状印刷媒体に
片面4色印刷を行なう装置の全体構成図を用いて説明す
る。印刷媒体Mは2対のキャップスタンローラ10によ
り挟持されて搬送され、画像データ演算制御部(図9の
21)により適当な画素数、階調数に分割演算されたデ
ータを用いてインク吐出描画装置3により描画される。
インク吐出描画装置3により描画がなされる部位では、
静電界吐出において、吐出ヘッド電極の対極となるため
のアース手段11が設けられることが好ましく、これに
より描画は容易になる。
【0055】また、図7ではロール状印刷媒体のカット
のため、自動排出装置7の上流に、シートカッター8を
有しているが、シートカッターは適宜任意の場所に配置
できる。
【0056】次に、図7を参照して本発明の印刷装置に
よる印刷物の作成工程を以下に更に詳細に説明する。
【0057】まず、キャップスタンローラ10を用いて
印刷媒体を搬送する。この時、必要に応じて、図示され
ない印刷媒体ガイド手段を設けることにより、印刷媒体
の頭/尻がばたついてインク吐出描画装置3に接触し破
損することを防止できる。またインク吐出描画装置の描
画位置周辺のみで印刷媒体をたるまないようにする手段
を配し、少なくとも描画を行なう時にはこれを作用させ
ることによって印刷媒体がインク吐出描画装置に接触す
ることを防止することもできる。具体的には例えば描画
位置の上流及び下流に押さえローラを配する等の方法が
ある。さらに、描画を行わない場合には、ヘッドを印刷
媒体から離しておくことが望ましく、それによってイン
ク吐出描画装置に接触破損等の不具合が発生することを
有効に防止できる。
【0058】磁気ディスク装置等からの画像データは、
図9の画像データ演算制御部21に与えられ、画像デー
タ演算制御部21は、入力画像データに応じて油性イン
クの吐出位置、その位置における網点面積率の演算を行
う。これらの演算データは一旦バッファに格納される。
画像データ演算制御部21は、インクジェットヘッド2
2の移動、油性インクの吐出タイミング制御、キャップ
スタンローラの動作タイミング制御を行なうと共に必要
に応じて吐出ヘッド22をヘッド離接装置31により印
刷媒体と近接させた位置に近づける。吐出ヘッド22と
印刷媒体表面との距離は、付き当てローラのような機械
的距離制御、あるいは光学的距離検出器からの信号によ
るヘッド離接装置の制御により、描画中、所定距離に保
たれる。かかる距離制御により、印刷媒体の浮きなどに
よりドット径が不均一になったり、特に印刷装置に振動
が加わった際などにもドット径が変化したりせず、良好
な印刷を行なうことができる。
【0059】吐出ヘッド22としてはシングルチャンネ
ルヘッド、マルチチャンネルヘッド、あるいはフルライ
ンヘッドを使用することができ、印刷媒体の搬送により
副走査を行なう。複数の吐出部を有するマルチチャンネ
ルヘッドの場合には吐出部の配列方向は印刷媒体の走行
方向と略平行に設置する。さらにシングルチャンネルヘ
ッドあるいはマルチチャンネルヘッドの場合には、画像
データ演算制御部21によりヘッド22を印刷媒体の走
行方向と直角方向に移動して、上記演算により得られた
吐出位置および網点面積率で油性インクを吐出する。こ
れにより、印刷媒体上には、印刷原稿の濃淡に応じた網
点画像が油性インクで描画される。この動作は、印刷媒
体上に所定の油性インク画像が形成されるまで続く。一
方、吐出ヘッド22がドラムの幅と略同じ長さを有する
フルラインヘッドである場合には、吐出部の配列方向は
印刷媒体の走行方向と略直角に設置し、印刷媒体が描画
部を通過することによって印刷媒体上に油性インク画像
が形成される。印字された印刷媒体は定着装置5により
定着を行い、自動排出装置により排出される。
【0060】ここでは片面4色印刷機の構成例を示した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、色数及び
片面/両面印刷は必要に応じて任意に決定される。
【0061】次に、インク吐出描画装置3について図9
を用いて詳細に説明する。
【0062】図9に示されるように、本インクジェット
印刷方法に使用される描画装置は、画像データの信号に
基づいて電気光学変調器55で強度変調した光Lが照射
される吐出ヘッド22、インク供給部24から成る。イ
ンク供給部24はさらに、インクタンク25、インク供
給装置26、インク濃度制御手段29を有し、インクタ
ンク内には攪拌手段27、インク温度管理手段28を含
む。インクはヘッド内を循環させてもよく、この場合、
インク供給部は回収循環機能も有する。攪拌手段27は
インクの固形成分の沈殿・凝集を抑制する。攪拌手段と
しては、回転羽、超音波振動子、循環ポンプが使用で
き、これらの中から、あるいは組み合わせて使用され
る。インク温度管理手段28は、周りの温度変化により
インクの物性が変化し、ドット径が変化したりすること
なく高画質な画像が安定して形成できる様に配置され
る。インク温度管理手段としては、インクタンク内にヒ
ーター、ペルチェ素子等の発熱素子あるいは冷却素子
を、該タンク内の温度分布を一定にするように攪拌手段
と共に配し、温度センサ、例えばサーモスタット等によ
り制御するなどの公知の方法が使用できる。なお、イン
クタンク内のインク温度は15℃以上60℃以下が望ま
しく、より好ましくは20℃以上50℃以下である。ま
た、タンク内の温度分布を一定に保つ攪拌手段は前記の
インクの固形成分の沈殿・凝集を抑制を目的とする攪拌
手段と共用しても良い。また、本描画印刷装置では、高
画質な描画を行うためインク濃度制御手段29を有す
る。インク濃度は光学的検出、電導度測定、粘度測定な
どの物性測定、あるいは描画枚数による管理等により行
う。物性測定による管理を行う場合には、インクタンク
内、あるいはインク流路内に、光学検出器、電導度測定
器、粘度測定器を単独、あるいはそれらを組み合わせて
設け、その出力信号により、また描画枚数による管理を
行う場合には、印刷枚数、及び頻度によりインクタンク
へ図示されない補給用濃縮インクタンク、あるいは希釈
用インクキャリアタンクからの液供給を制御する。
【0063】画像データ演算制御部21は前述のよう
に、入力画像データの演算、またヘッド離接装置31、
対向ドラムあるいはキャップスタンローラに設置したエ
ンコーダー30からのタイミングパルスを取り込み、そ
のタイミングパルスに従って、ヘッドの駆動を行う。ま
た、インクジェット記録装置による描画を行う際に、描
画ドラムの駆動は、高精度な駆動手段を使用する。具体
的には、例えば高精度モータからの出力を高精度ギア、
あるいはスチールベルト等により減速して描画ドラムを
駆動させる方法などがある。この様な手段を単独、ある
いは複数組み合わせて使用することで、より高画質な描
画を行なうことができる。
【0064】次に、吐出ヘッドについて図10〜16を
使用して説明する。ただし本発明の内容は以下の例に限
定されるものではない。
【0065】図10および図11はインクジェット記録
装置に備えられているヘッドの一例である。ヘッド22
は、絶縁性基材からなる上部ユニット221と下部ユニ
ット222とで挟まれたスリットを有し、その先端は吐
出スリット22aとなっており、スリット内には吐出電
極22bが配置され、インク供給装置から供給されたイ
ンク23がスリット内に満たされた状態になっている。
絶縁性基材としてはたとえば、プラスチック、ガラス、
セラミックスなどが適用できる。また、吐出電極22b
は、絶縁性基材からなる下部ユニット222上にアルミ
ニウム、ニッケル、クロム、金、白金などの導電性材料
を真空蒸着、スパッタ、あるいは無電界メッキを行い、
この上にフォトレジストを塗布し、所定の電極パターン
のマスクを介してフォトレジストを露光し、現像して吐
出電極22bのフォトレジストパターンを形成したの
ち、これをエッチングする方法もしくは機械的に除去す
る方法、あるいはそれらを組み合わせた方法など公知の
方法により形成される。
【0066】ヘッド22では、吐出電極22bにバイア
ス電圧が印加されるとともに、画像のパターン情報のデ
ジタル信号に基づいて強度変調された光Lが照射され
る。図10に示されるように、吐出電極22bに対向す
る形で対向電極となる描画ドラムが設置されており、描
画ドラム上には印刷媒体が設けられている。電圧を印加
することにより、吐出電極22bと、対向電極となる描
画ドラムとの間には回路が形成され、ヘッド22の吐出
スリット22aから油性インク23が吐出され対向電極
となる描画ドラム上に設けられた印刷媒体上に画像が形
成される。ここで、光照射は図示しない光照射手段から
の該インクに吸収される波長を含む光によって行われ、
光照射手段としては電子写真、製版の技術分野で使用さ
れている露光装置が使用でき、たとえばレーザー、LE
D、プラズマ発光アレイ、ハロゲンランプ、キセノンラ
ンプ、蛍光灯等の光源など公知のものが使用できる。光
照射手段の波長は使用するインクの吸収を勘案して選ば
れる。
【0067】吐出電極22bの幅は、高画質の画像形成
を行うためにその先端はできるだけ細いことが好まし
い。具体的な数値は、印加電圧、インク物性等の条件に
よって異なるが、通常5〜100μmの先端幅の範囲で
用いられる。
【0068】さらに図12および図13はそれぞれ、他
の吐出ヘッドの例のインク吐出部近傍の断面概略図、前
面概略図を示すものである。図中22は吐出ヘッドで、
この吐出ヘッド22は漸減形状をした第1の絶縁性基材
33を有している。上記第1の絶縁性基材33には第2
の絶縁性基材34が離間対向して設けられ、この第2の
絶縁性基材34の先端部には斜面部35が形成されてい
る。上記第1、第2の絶縁性基材は例えばプラスチッ
ク、ガラス、セラミックス等で形成されている。上記第
2の絶縁性基材34の斜面部35と鋭角をなす上面部3
6には、吐出部に静電界を形成する静電界形成手段とし
て複数の吐出電極22bが設けられている。これら複数
の吐出電極22bの先端部は上記上面部36の先端近傍
まで延長され、かつ、その先端部は上記第1の絶縁性基
材33よりも前方に突き出され吐出部を形成している。
上記第1および第2の絶縁性基材33、34間には前記
吐出部へのインク23の供給手段としてインク流入路3
7が形成され、前記第2の絶縁性基材34の下部側には
インク回収路38が形成されている。上記吐出電極22
bは、第2の絶縁性基材34上にアルミニウム、ニッケ
ル、クロム、金、白金などの導電性材料を用い、前述と
同様、公知の方法により形成される。吐出電極22bの
先端が絶縁性基材33の先端より突き出す量は2mm以
下が好ましい。この突き出し量を上記範囲に限定する理
由は、突き出し量が大きすぎるとインクメニスカスが吐
出部先端まで届かず、吐出しにくくなったり、記録周波
数が低下するためである。また、上記第1及び第2の絶
縁性基材33、34間のスペースは0.1〜3mmの範
囲が好ましい。このスペースを上記範囲に限定する理由
は、スペースが狭すぎるとインクの供給がしにくくなり
吐出しにくくなったり、記録周波数が低下したりするた
めであり、スペースが広すぎるとメニスカスが安定せず
吐出が不安定になるためである。上記吐出電極22bは
画像データ演算制御部21に接続され、記録を行う際に
は、一定のバイアス電圧を印加した状態で、画像情報に
基づいて強度変調された光Lを吐出電極に照射すること
により該吐出電極上のインクを吐出させ、吐出部と対向
配置された図示されない印刷媒体上に描画が行われる。
上記インク流入路37のインク滴吐出方向と逆方向は、
図示しないインク供給装置の送インク手段に接続されて
いる。上記第2の絶縁性基材34の吐出電極形成面の反
対面にはバッキング39が離間対向して設けられ、両者
間にはインク回収路38が設けられている。前記インク
回収路38のスペースは0.1mm以上が望ましい。こ
のスペースを上記範囲に限定する理由は、スペースが狭
すぎるとインクの回収がしにくくなり、インク漏れを起
こしたりするためである。また前記インク回収路38は
図示しないインク供給装置のインク回収手段に接続され
ている。吐出部上での均一なインクフローを必要とする
場合には吐出部と前記インク回収路の間に溝40を設け
てもよい。図13は吐出ヘッドのインク吐出部近傍の前
面概略図を示しているが、第2の絶縁性基材34の斜面
には吐出電極22bとの境界近傍からインク回収路38
に向かって複数の溝40が設けられている。この溝40
は、上記吐出電極22bの配列方向に複数並んでおり、
吐出電極22b側の開口部から、その開口径に応じた毛
細管力により一定量の吐出電極先端近傍のインクを導
き、導かれたインクをインク回収路38に排出する機能
を有する。このため、吐出電極先端近傍に一定の液厚を
有するインクフローを形成する機能を有している。溝4
0の形状は毛細管力が働く範囲であればよいが、特に望
ましくは幅は10〜200μm、深さは10〜300μ
mの範囲である。また溝40はヘッド全面にわたって均
一なインクフローを形成できるように必要数設けられ
る。
【0069】吐出電極22bの幅は、高画質の画像形成
を行うためにその先端はできるだけ細いことが好まし
い。具体的な数値は、印加電圧、インク物性などによっ
て異なるが、通常5〜100μmの先端幅の範囲で用い
られる。
【0070】また、本発明を実施するのに用いられる吐
出ヘッドの他の例を図14および図15に示す。図14
は説明のためヘッドの一部分のみを示した概略図であ
る。記録ヘッド22は、図14に示すようにプラスチッ
ク、セラミック、ガラス等の絶縁性材料から作成された
ヘッド本体41とメニスカス規制板42、42′からな
る。図中、22bは吐出部に静電界を形成するために電
圧印加を行う吐出電極である。さらにヘッドから規制板
42、42′を取り除いた図15によりヘッド本体につ
いて詳述する。ヘッド本体41にはヘッド本体のエッジ
に垂直に、インクを循環させるためのインク溝43が複
数設けてある。このインク溝43の形状は均一なインク
フローを形成できるように毛細管力が働く範囲に設定さ
れていればよいが、特に望ましくは幅は10〜200μ
m、深さは10〜300μmである。インク溝43の内
部には吐出電極22bが設けられている。この吐出電極
22bは、絶縁性材料からなるヘッド本体40上にアル
ミニウム、ニッケル、クロム、金、白金などの導電性材
料を使って、上述の装置実施例の場合と同様な公知の方
法により、インク溝43内全面に配置してもよいし、一
部分のみに形成してもよい。隣り合う2つのインク溝は
1つのセルを形成し、その中心にある隔壁44の先端部
には吐出部45、45′を設けている。吐出部45、4
5′では隔壁は他の隔壁部分44に比べ薄くなってお
り、尖鋭化されている。このようなヘッド本体は絶縁性
材料ブロックの機械加工、エッチング、あるいはモール
ディング等公知の方法により作成される。吐出部での隔
壁の厚さは望ましくは5〜100μmであり、尖鋭化さ
れた先端の曲率半径は5〜50μmの範囲であることが
望ましい。なお、吐出部は45′の様に先端をわずかに
面取りされていてもよい。図中には2つのセルのみを示
しているが、セルの間は隔壁46で仕切られ、その先端
部47は吐出部45、45′よりも引っ込むように面取
りされている。このヘッドに対し、図示されないインク
供給装置の送インク手段によりI方向からインク溝を通
してインクを流し、吐出部にインクを供給する。さらに
図示されないインク回収手段により余剰なインクはO方
向に回収され、その結果、吐出部には常時、新鮮なイン
クが供給される。この状態で、吐出部に対向する形で設
けられ、その表面に印刷媒体が当接された図示されない
描画ドラム(対向ドラム)に対して、一定のバイアス電
圧を印加した状態で、吐出電極22bに画像情報に基づ
いて強度変調された光Lを照射することにより、吐出部
からインクが吐出され印刷媒体上に画像が形成される。
【0071】さらに吐出ヘッドの他の実施例について図
16を用いて説明する。図16に示すように、吐出ヘッ
ド22は、略矩形板状の一対の支持部材50、50′を
有している。これらの支持部材50、50′は、絶縁性
を有する1〜10mmの厚さの板状のプラスチック、ガ
ラス、セラミック等から形成され、それぞれの一方の面
には、記録解像度に応じて互いに平行に延びた複数の矩
形の溝51、51′が形成されている。各溝51、5
1′は、幅10〜200μm、深さ10〜300μmの
範囲であることが望ましく、その内部全体あるいは一部
に吐出電極22bが形成されている。このように、支持
部材50、50′の一面に複数の溝51、51′を形成
することにより、各溝51の間には、複数の矩形の隔壁
52が必然的に設けられる。各支持部材50、50′
は、溝51、51′を形成していない面を対向させるよ
うに組合わされる。つまり、吐出ヘッド22は、その外
周面上にインクを流通させるための複数の溝を有する。
各支持部材50、50′に形成された溝51、51′
は、吐出ヘッド22の矩形部分54を介して1対1に対
応して連結され、各溝が連結された矩形部分54は、吐
出ヘッド22の上端53より所定距離(50〜500μ
m)だけ後退している。つまり、各矩形部分54の両側
には、各支持部材50、50′の各隔壁52の上端55
が矩形部分54より突出するように設けられている。そ
して、各矩形部分54から、前述したような絶縁性材料
からなるガイド突起56が突出されて設けられ吐出部を
形成している。上記のように構成された吐出ヘッド22
にインクを循環させる場合、一方の支持部材50の外周
面に形成された各溝51を介して各矩形部分54にイン
クを供給し、反対側の支持部材50′に形成された各溝
51′を介して排出する。この場合、円滑なインクの流
通を可能とするため、吐出ヘッド22を所定角度で傾斜
させている。つまり、インクの供給側(支持部材50)
が上方に位置し、インクの排出側(支持部材50′)が
下方に位置するように吐出ヘッド22が傾斜されてい
る。このように、吐出ヘッド22にインクを循環させる
と、各矩形部分54を通過するインクが各突起56に沿
って濡れ上がり、矩形部分54、突起56の近くにイン
クメニスカスが形成される。そして、各矩形部分54に
てそれぞれ独立したインクメニスカスが形成された状態
で、吐出部に対向する形で設けられ、その表面に印刷媒
体を当接した図示されない描画ドラムに対して、一定の
バイアス電圧を印加した状態で、吐出電極22bに画像
情報に基づいて強度変調された光Lを照射することによ
り、吐出部からインクが吐出され印刷媒体上に画像が形
成される。なお、各支持部材50、50′の外周面上に
溝を覆うカバーを設けることにより、各支持部材50、
50′の外周面に沿ったパイプ状のインク流路を形成
し、このインク流路によりインクを強制的に循環させて
も良い。この場合、吐出ヘッド22を傾斜させる必要は
ない。
【0072】図10〜図16で上述したヘッド22は必
要に応じてヘッドクリーニング手段などのメンテナンス
装置を含むこともできる。例えば休止状態が続く様な場
合や、画質に問題が発生した場合には、吐出ヘッド先端
を柔軟性を有するハケ、ブラシ、布等で拭う、インク溶
媒のみを循環させる、インク溶媒のみを供給、あるいは
循環させながら吐出部を吸引する、などの手段を単独、
あるいは組み合わせて行うことにより、良好な描画状態
を維持できる。また、インクの固着防止には吐出ヘッド
をインク溶媒蒸気を充満させたカバー内に入れておく、
ヘッド部を冷却し、インク溶媒の蒸発を抑えることも有
効である。さらに汚れがひどい場合には、吐出部から強
制的にインク吸引するか、インク流路から強制的にエ
ア、インク、あるいはインク溶媒のジェットを入れる、
あるいはインク溶媒中にヘッドを浸漬した状態で超音波
を印加する、等も有効であり、これらの方法を単独、あ
るいは組み合わせて使用できる。
【0073】つぎに、本発明に用いられる印刷媒体につ
いて説明する。印刷媒体として、通常用いられる印刷用
紙である上質紙、微コート紙、コート紙が挙げられる。
また表面に樹脂フィルム層を有する、例えばポリオレフ
ィンラミネート紙、及びプラスチックフィルム、例えば
ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビ
ニルフィルム、ポリオレフィンフィルム等も使用でき
る。さらに、表面に金属が蒸着されたり、又は金属箔が
張り合わされたプラスチックフィルム、加工紙も使用で
きる。、勿論、インクジェット用の専用紙、専用フィル
ムも使用できる。
【0074】以下に本発明に用いられる油性インクにつ
いて説明する。
【0075】本発明に供される油性インクは、固有電気
抵抗109Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒
中に、少なくとも着色粒子を分散してなるものである。
【0076】本発明に用いる固有電気抵抗109Ωcm
以上、かつ誘電率3.5以下の非水溶媒として好ましく
は直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化
水素、又は芳香族炭化水素、及びこれらの炭化水素のハ
ロゲン置換体がある。例えばヘキサン、ヘプタン、オク
タン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、
ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シ
クロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、ア
イソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパ
ー;エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェル
ゾール71(シェルゾール;シェルオイル社の商品
名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムス
コ;スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル等を単
独あるいは混合して用いる。なお、このような非水溶媒
の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であり、誘
電率の下限値は1.9程度である。
【0077】用いる非水溶媒の電気抵抗を上記範囲とす
るのは、電気抵抗が低くなると、着色粒子等の濃縮が起
こりにくくなり、形成されたドットの色が薄くなった
り、滲みを生じたりするからであり、誘電率を上記範囲
とするのは、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界
が緩和され、これによりインクの吐出が悪くなりやすく
なるからである。
【0078】上記の非水溶媒中に、分散される着色粒子
は、色材自身を分散粒子として非水溶媒中に分散させて
も良いし、定着性を向上させるための分散樹脂粒子中に
含有させてもよい。含有させる場合、顔料などは分散樹
脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法な
どが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して
着色粒子とする方法などが一般的である。
【0079】色材としては、従来から油性インク組成物
あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料及
び染料であればどれでも使用可能である。
【0080】顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わ
ず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用
することができる。具体的には、例えば、カーボンブラ
ック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイ
エロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化ク
ロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリン
ブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔
料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソ
インドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔
料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系
顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公
知の顔料を特に限定することなく用いることができる。
【0081】染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、
ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、
カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染
料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロ
シアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染
料が好ましい。
【0082】これらの顔料及び染料は、単独で用いても
よいし、適宜組み合わせて使用することも可能である
が、インク全体に対して0.5〜5重量%の範囲で含有
されることが望ましい。
【0083】本発明に供される油性インク中には、前記
の着色粒子とともに、印刷後の画像の定着性を向上させ
るための分散樹脂粒子を含有させることが好ましい。
【0084】上記の非水溶媒中に、分散される樹脂粒子
としては、35℃以下の温度で固体で非水溶媒との親和
性のよい疎水性の樹脂の粒子であればよいが、更にその
ガラス転移点が−5℃〜110℃もしくは軟化点33℃
〜140℃の樹脂(P)が好ましく、より好ましくはガ
ラス転移点10℃〜100℃もしくは軟化点38℃〜1
20℃であり、さらに好ましくはガラス転移点15℃〜
80℃、もしくは軟化点38℃〜100℃である。
【0085】このようなガラス転移点もしくは軟化点の
樹脂を用いることによって、印刷媒体の表面と樹脂粒子
との親和性が増し、また、印刷媒体上での樹脂粒子同士
の結合が強くなるので、画像部と印刷媒体表面との密着
性が向上し、耐コスレ性が向上する。これに対し、ガラ
ス転移点もしくは軟化点が低くなっても高くなっても印
刷媒体表面と樹脂粒子の親和性が低下したり、樹脂粒子
同士の結合が弱くなってしまう。
【0086】樹脂(P)の重量平均分子量Mwは、1×
103〜1×106であり、好ましくは5×103〜8×
105、より好ましくは1×104〜5×105である。
【0087】このような樹脂(P)として具体的には、
オレフィン重合体及び共重合体(例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、エチ
レン−メタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル
酸共重合体等)、塩化ビニル重合体および共重合体(例
えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体等)、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重
合体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び共重合
体、スチレン及びその誘導体の重合体ならびに共重合体
(例えばブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−
スチレン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合
体、スチレン−アクリレート共重合体等)、アクリロニ
トリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキ
ルビニルエーテル共重合体、アクリル酸エステル重合体
及び共重合体、メタクリル酸エステル重合体及び共重合
体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マ
レイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリ
ルアミド共重合体、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、
シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカルボキシル基
変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂、ウレタン樹脂、ロジン系樹脂、水素添加
ロジン樹脂、石油樹脂、水素添加石油樹脂、マレイン酸
樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、クマロン
−インデン樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エステル共重
合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、窒素原
子を含有しない複素環を含有する共重合体(複素環とし
て例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェ
ン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクトン環、
ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジオキ
セタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0088】本発明の油性インクにおける分散された着
色粒子および樹脂粒子の合計された含有量は、インク全
体の0.5〜20重量%とすることが好ましい。含有量
が少なくなると印刷画像濃度が不足したり、インクと印
刷媒体表面との親和性が得られ難くくなって強固な画像
が得られなくなったりするなどの問題が生じやすくな
り、一方、含有量が多くなると均一な分散液が得られに
くくなったり、吐出ヘッドでのインクの流れが不均一と
なりやすく、安定なインク吐出が得られにくい等の問題
がある。
【0089】本発明の非水溶媒中に、分散された着色粒
子、更には樹脂粒子等を含めて、これらの粒子の平均粒
径は0.05μm〜5μmが好ましい。より好ましくは
0.1μm〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4
μm〜1.0μmの範囲である。この粒径はCAPA−
500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたもの
である。
【0090】本発明に用いられる非水系分散着色粒子
は、従来公知の機械的粉砕方法又は重合造粒方法によっ
て製造することができる。機械的粉砕方法としては、必
要に応じて、色剤と樹脂を混合し、溶融、混練を経て従
来公知の粉砕機で直接粉砕して、微粒子とし、分散ポリ
マーを併用して、更に湿式分散機(例えばボールミル・
ペイントシェーカー、ケデイミル、ダイノミル等)で分
散する方法、着色粒子成分となる色剤材料と、分散補助
ポリマー(又は被覆ポリマー)を予め混練して混練物と
した後粉砕し、次に分散ポリマーを共存させて分散する
方法等が挙げられる。具体的には、塗料又は静電写真用
液体現像剤の製造方法を利用することができ、これらに
ついては、例えば、植木憲二監訳「塗料の流動と顔料分
散」共立出版(1971年)、ソロモン「塗料の科学」
広川書店(1969)、原崎勇次「コーティング工学」
朝倉書店(1971年)、原崎勇次「コーティングの基
礎科学」槇書店(1977年)等の成書に記載されてい
る。
【0091】また、重合造粒法により造粒した樹脂粒子
を染色により着色し、着色粒子を製造する方法もある。
重合造粒法としては、従来公知の非水系分散重合方法が
挙げられ、具体的には、室井宗一監修「超微粒子ポリマ
ーの最新技術」第2章CMC出版(1991年)、中村
孝一編「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開
発・実用化」第3章、(日本科学情報(株)1985年
刊)、K. E. J. Barrett「Dispersion Polymerization
in Organic Media」 John Wiley(1975年)等の成
書に記載されている。
【0092】通常、分散粒子を非水溶媒中で分散安定化
するために、分散ポリマーを併用する。分散ポリマーは
非水溶媒に可溶性の繰り返し単位を主成分として含有
し、かつ平均分子量が、重量平均分子量Mwで1×10
3 〜1×106 が好ましく、より好ましくは5×103
〜5×105の範囲である。
【0093】本発明に供される分散ポリマーの好ましい
可溶性の繰り返し単位として、下記一般式(1)で示さ
れる重合成分が挙げられる。
【0094】
【化1】
【0095】一般式(I)において、X1は−COO
−、−OCO−又は−O−を表す。
【0096】Rは、炭素数10〜32のアルキル基又は
アルケニル基を表し、好ましくは炭素数10〜22のア
ルキル基又はアルケニル基を表し、これらは直鎖状でも
分岐状でもよく、無置換のものが好ましいが、置換基を
有していてもよい。
【0097】具体的には、デシル基、ドデシル基、トリ
デシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、エイコサニル基、ドコサニル基、デセニル基、
ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オ
クタデセニル基、リノレニル基等が挙げられる。
【0098】a1 及びa2 は、互いに同じでも異なって
いてもよく、水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル
基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、−
COO−Z1 又は−CH2 COO−Z1 〔Z1 は、置換
されていてもよい炭素数22以下の炭化水素基(例え
ば、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式
基、アリール基等)を表す〕を表す。
【0099】Z1 で表される炭化水素基のうち、好まし
い炭化水素基としては、炭素数1〜22の置換されても
よいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エ
イコサニル基、ドコサニル基、2−クロロエチル基、2
−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシ
カルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロ
モプロピル基等)、炭素数4〜18の置換されてもよい
アルケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル
基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−
2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル
基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル
基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキ
サデセニル基、オクタデセニル基、リノレニル基等)、
炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロ
ベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エ
チルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジ
ル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換
されてもよい脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2
−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル
基等)、及び炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族
基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシ
リル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オク
チルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシ
ルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチ
ルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキ
シカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル
基、アセトアミドフェニル基、プロピオンアミドフェニ
ル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)が挙げられ
る。
【0100】分散ポリマーにおいて一般式(I)で示さ
れる繰り返し単位とともに、他の繰り返し単位を共重合
成分として含有してもよい。他の共重合成分としては、
一般式(I)の繰り返し単位に相当する単量体と共重合
可能な単量体よりなるものであればいずれの化合物でも
よい。
【0101】分散ポリマーにおける一般式(I)で示さ
れる重合体成分の存在割合は、好ましくは50重量%以
上であり、より好ましくは60重量%以上である。
【0102】これらの分散ポリマーの具体例としては、
実施例で使用されている分散安定用樹脂(Q−1)等が
挙げられ、また、市販品(ソルプレン1205、旭化成
(株)製)を用いることもできる。
【0103】分散ポリマーは、前記の樹脂(P)粒子を
分散物(ラテックス)等として製造するときには重合に
際し予め添加しておくことが好ましい。
【0104】分散ポリマーの添加量は粒子用樹脂(P)
に対し1〜50重量%程度とする。
【0105】本発明の油性インク中の着色粒子(あるい
は色材粒子)及び分散樹脂粒子は、好ましくは正荷電又
は負荷電の検電性粒子である。
【0106】これら粒子に検電性を付与するには、湿式
静電写真用現像剤の技術を適宜利用することで達成可能
である。具体的には、前記の「最近の電子写真現像シス
テムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、
電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜
505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子
写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記
載の荷電調節剤などの検電材料及び他の添加剤を用いる
ことで行なわれる。
【0107】具体的には、例えば、英国特許第8934
29号、同第934038号、同第1122397号、
米国特許第3900412号、同第4606989号、
特開昭60−179751号、同60−185963
号、特開平2−13965号等に記載されている。
【0108】上述のような荷電調節剤は、担体液体であ
る分散媒1000重量部に対して0.001〜1.0重
量部が好ましい。更に所望により各種添加剤を加えても
よく、それら添加物の総量は、油性インクの電気抵抗に
よってその上限が規制される。即ち、分散粒子を除去し
た状態のインクの固有電気抵抗が109 Ωcmより低く
なると良質の連続階調像が得られ難くなるので、各添加
物の添加量を、この限度内でコントロールすることが望
ましい。
【0109】本発明において滲みのない高解像度のドッ
トを描画できるメカニズムとしては、光照射を受けた着
色粒子がバイアス電界下で電極からのキャリア注入によ
り帯電することにより、液表面に電気泳動し、濃縮され
た後、吐出が起こると推定しているが、詳細は不明であ
る。ただし本発明は上記推定メカニズムに制約を受け得
るものではない。
【0110】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
ず、インク用樹脂粒子(PL−1)の製造例について示
す。
【0111】製造例1 樹脂粒子(PL−1)の製造 下記構造の分散安定用樹脂(Q−1)10g、酢酸ビニ
ル100g及びアイソパーH384gの混合溶液を窒素
気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重合開始剤
として2,2′−アゾビス(イソバレロニトリル)(略
称A.I.V.N.)0.8gを加え、3時間反応し
た。開始剤を添加して20分後に白濁を生じ、反応温度
は88℃まで上昇した。更に、この開始剤0.5gを加
え、2時間反応した後、温度を100℃に上げ2時間攪
拌し未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メッ
シュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合率
90%で平均粒径0.23μmの単分散性良好なラテッ
クスであった。粒径はCAPA−500(堀場製作所
(株)製)で測定した。
【0112】
【化2】
【0113】上記白色分散物の一部を、遠心分離機(回
転数1×104 r.p.m.、回転時間60分)にかけて、沈
降した樹脂粒子分を、捕集・乾燥した。樹脂粒子分の重
量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算GPC値)は2
×105 、ガラス転移点(Tg)は38℃であった。
【0114】実施例1 まず、油性インクを作成した。 〈油性インク(IK−1)〉ドデシルメタクリレート/
アクリル酸共重合体(共重合比;95/5重量比)を1
0g、ニグロシン10g及びシェルゾール71の30g
をガラスビーズとともにペイントシェーカー(東洋精機
(株)製)に入れ、4時間分散し、ニグロシンの微小な
分散物を得た。
【0115】インク用樹脂粒子の製造例1の樹脂粒子
(PL−1)30g(固体分量として)、上記ニグロシ
ン分散物を20g、FOC−1400(日産化学(株)
製、テトラデシルアルコール)15g、及びオクタデセ
ン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.08
gをアイソパーGの1リットルに希釈することにより黒
色油性インクを作成した。
【0116】次に、図1に示す印刷装置の描画装置のイ
ンクジェット記録装置に上記のように作成した油性イン
ク(IK−1)2Lをインクタンクに充填した。ここで
は吐出ヘッドとして図12に示すタイプの900dp
i、フルラインヘッドを使用した。インク温度管理手段
として投げ込みヒータと攪拌羽をインクタンク内に設
け、インク温度は30℃に設定し、攪拌羽を30rpm
で回転しながらサーモスタットで温度コントロールし
た。ここで攪拌羽は沈降・凝集防止用の攪拌手段として
も使用した。また、インク流路を一部透明とし、それを
挟んでLED発光素子と光検知素子を配置し、その出力
シグナルによりインクの希釈液(アイソパーG)あるい
は濃縮インク(上記IK−1インクの固形分濃度を2倍
に調整したもの)投入による濃度管理を行った。印刷媒
体としてロール状微コート紙を、対向ドラム上に設け搬
送した。エアーポンプ吸引により印刷媒体表面の埃除去
を行った後、吐出ヘッドを描画位置まで印刷媒体に近づ
け、印刷すべき画像データを画像データ演算制御部に伝
送し、対向ドラムの回転により印刷媒体を搬送させなが
らフルラインマルチチャンネルヘッドから油性インクを
吐出して画像を形成した。この際、インクジェットヘッ
ドの吐出電極の先端幅は10μmとし、光学的ギャップ
検出装置による出力によりヘッドと印刷媒体の距離は1
mmに保った。バイアス電圧として2.5KVの電圧を
印加した状態で、100W白色光源(Cold Light HLS21
00R; HOYA社製)の出力光を電気光学変調した後、光フ
ァイバーを介して各吐出電極上に照射した。この場合、
画像情報に基づいて光強度を256段階で変化させるこ
とで、ドットの面積を変化させながら描画を行った。そ
の結果、埃による描画不良等は全く見られず、また、外
気温の変化、印刷時間の増加によってもドット径変化等
による画像劣化は全く見られず、良好な印刷が可能であ
った。
【0117】さらにキセノンフラッシュ定着装置(ウシ
オ電機(株)社製、発光強度200J/パルス)による
加熱により画像を強固にした。印刷終了後は、インクジ
ェットヘッドを保護するためにインクジェット記録装置
を描画ドラムと近接した位置から50mm退避させた。
【0118】得られた印刷物は、印刷画像に飛びやカス
レがなく極めて鮮明な画像であった。また印刷終了後1
0分間、ヘッドにアイソパーGを供給し、ヘッド開口部
からアイソパーGを滴らせてクリーニングした後、アイ
ソパーGの蒸気を充満させたカバーにヘッドを格納して
おくことにより、3ヶ月の間、保守作業の必要なしに、
良好な印刷物を作製できた。
【0119】実施例2 図2および図3に示した印刷装置を用い、攪拌手段(図
9の27)として循環ポンプを用い、図12に示すタイ
プの150dpi64チャンネルマルチチャンネルヘッ
ドを4つ使用し、64チャンネル分の吐出部はドラムの
軸方向と直角方向に配列するようヘッドを配置した。油
性インクとして、黒色インクIK−1と、IK−1イン
クの色剤として用いたニグロシンをフタロシアニン・ブ
ルーに置き換えた他は、IK−1インクと同様に作製し
たシアンインクIK−2と、IK−1インクの色剤とし
て用いたニグロシンをCIピグメントレッド57:1に
置き換えた他は、IK−1インクと同様に作製したマゼ
ンタインクIK−3と、IK−1インクの色剤として用
いたニグロシンをCIピグメントイエロー14に置き換
えた他は、IK−1インクと同様に作製したイエローイ
ンクIK−4の4色のインクを用い、それぞれ4つのヘ
ッドに充填した。ここではポンプを使用し、このポンプ
と吐出ヘッドのインク流入路、そして吐出ヘッドのイン
ク回収路とインクタンクの間にそれぞれインク溜を設
け、それらの静水圧差によりインク循環を行い、インク
温度管理手段としてはヒータと上述のポンプを使用し、
インク温度は35℃に設定し、サーモスタットでコント
ロールした。ここで循環ポンプは沈殿・凝集防止用の攪
拌手段としても使用した。また、インク流路に電導度測
定装置を配置し、その出力シグナルによりインクの希釈
あるいは濃縮インク投入による濃度管理を行った。ナイ
ロン製回転ブラシにより印刷媒体表面の埃除去を行った
後、印刷すべき画像データを画像データ演算制御部に伝
送し、ヘッドをドラム軸方向に移動し主走査を行なうと
共に、描画ドラムを回転させながら副走査を行い、描画
させることにより、ロール状微コート紙にインクを吐出
して画像を形成した。吐出の際には、バイアス電圧とし
て2.5KVの電圧を印加した状態で、4つの各ヘッド
に対し、100W白色光源(Cold Light HLS2100R; HOY
A社製)の出力光を電気光学変調した後、64本の光フ
ァイバーを介して各吐出電極上に照射した。この場合、
画像情報に基づいて光強度を256段階で変化させるこ
とで、ドットの面積を変化させながら描画を行った。そ
の結果、埃による描画不良等は全く見られず、また、外
気温の変化、印刷枚数の増加によってもドット径変化等
による画像劣化は全く見られず、図12および図14の
いづれのタイプのヘッドを用いた場合も、良好な片面及
び両面フルカラー印刷が可能であった。また、印刷終了
後にヘッドにアイソパーGの循環を行った後、アイソパ
ーGを含ませた不繊布をヘッド先端に接触させクリーニ
ングを行ったところ、3ヶ月の間、保守作業の必要なし
に、良好な印刷物を作製できた。更に、上記図12に示
すタイプにインクジェットヘッドの代わりに、図14に
示すタイプの150dpi64チャンネルマルチチャン
ネルヘッドを用いて同様に行ったところ、上記と同様に
良好な結果が得られた。
【0120】実施例3 図5に示した印刷装置を用いて、片面4色のフルカラー
印刷を行った。油性インクとして、実施例2で説明した
4色のインクを4組のインクジェット描画装置の各々に
用いて、図16に示すタイプの100dpi256チャ
ンネルマルチチャンネルヘッド4個を使用し、吐出部を
対向ドラムの軸と平行に配置し、対向ドラムの回転によ
り主走査を行い、ヘッドをドラムの軸方向に一回転毎に
逐次移動することによりコート紙上に900dpiの画
像を描画し、鮮明で高画質なフルカラー印刷物を得た。
吐出の際には、バイアス電圧として2.5KVの電圧を
印加した状態で、4つの各ヘッドに対し、100W白色
光源(Cold Light HLS2100R; HOYA社製)の出力光を電
気光学変調した後、256本の光ファイバーを介して各
吐出電極上に照射した。この場合、画像情報に基づいて
光強度を256段階で変化させることで、ドットの面積
を変化させながら描画を行った。
【0121】実施例4 図7および図8に示した印刷装置を用いて、片面4色の
フルカラー印刷を行った。油性インクは、実施例3と同
じ4色のインクを用いた。ここでは、吐出ヘッドとして
図12に示すタイプの600dpi、64チャンネルマ
ルチチャンネルヘッドを使用し、吐出部を印刷媒体の走
行方向と約60度の角度をなすように配置した。印刷す
べき画像データを画像データ演算制御部に伝送し、64
チャンネルマルチチャンネルヘッドを印刷媒体と直角方
向に移動させながら、キャップスタンローラの回転によ
り印刷媒体を搬送させることにより、700dpiの画
像をインクジェット専用紙上に形成した。吐出の際に
は、バイアス電圧として2.5KVの電圧を印加した状
態で、4つの各ヘッドに対し、100W白色光源(Cold
Light HLS2100R; HOYA社製)の出力光を電気光学変調
した後、64本の光ファイバーを介して各吐出電極上に
照射した。この場合、画像情報に基づいて光強度を25
6段階で変化させることで、ドットの面積を変化させな
がら描画を行った。その他は、実施例1と同様の操作を
行い、4色フルカラーの良好な印刷が可能であった。
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、画像データの信号に基
づき、印刷媒体上に直接画像を形成し、該画像を定着す
ることにより印刷物を作成する印刷方法において、静電
界を利用して油性インクを吐出させるインクジェット方
式で前記画像の形成を行なうので、高価な専用紙を使用
しなくて通常の印刷用紙あるいは非吸収性媒体であるプ
ラスチックシート等へ印刷しても画像に滲みを生じず、
微小な液滴の吐出が可能となる。得られる個々のドット
画像は面積が小さくかつ薄くなり、写真画像の様な高度
な画像情報の印刷を、安価でかつ高速で行うことが可能
となる。さらに、ヘッドに一定のバイアス電圧を印加し
た状態で強度変調された光を照射することにより、ヘッ
ドに印加される電圧を低くすることができるので、ヘッ
ドの安定駆動、ラインヘッド化を容易に達成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット印刷装置の一例である
片面単色の印刷を行なうWeb式装置を模式的に示す全
体構成図である。
【図2】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であ
る片面4色の印刷を行なうWeb式装置を模式的に示す
全体構成図である。
【図3】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であ
る両面4色印刷装置を模式的に示す全体構成図である。
【図4】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であ
る両面4色印刷装置を模式的に示す全体構成図である。
【図5】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であ
るロール状印刷媒体をカットして、対向ドラムに巻き付
け印刷を行なう片面4色印刷装置を模式的に示す全体構
成図である。
【図6】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であ
るシート状記録媒体を用いた印刷装置を模式的に示す全
体構成図である。
【図7】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であ
るキャップスタンローラによりロール状印刷媒体を挟持
して走行させることにより描画を行なう印刷装置を模式
的に示す全体構成図である。
【図8】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であ
るキャップスタンローラによりシート状記録媒体を挟持
して走行させることにより描画を行なう印刷装置を模式
的に示す全体構成図である。
【図9】本発明のインクジェット印刷装置の描画装置の
制御部、インク供給部、ヘッド離接機構を含めた描画装
置の概略構成例である。
【図10】図9の描画装置が具備するインクジェット記
録装置を説明する図である。
【図11】図10のインクジェット記録装置の拡大断面
を説明するための図である。
【図12】他の吐出ヘッドの例のインク吐出部近傍の断
面概略を示す図である。
【図13】他の吐出ヘッドの例のインク吐出部近傍の前
面概略図を示す図である。
【図14】他の例の吐出ヘッドの一部分のみを示した概
略図である。
【図15】図14の記録ヘッドから規制板42、42′
を取り除いた概略図である。
【図16】本発明に用いる更に他のインクジェット記録
装置のヘッドの概要図である。
【符号の説明】
1 印刷媒体供給ロール 2 埃除去装置 3 インク吐出描画装置 4 対向(描画)ドラム 5 定着装置 6 印刷媒体巻き取りロール 7 自動排出装置 8 カッター 9 自動供給装置 10 キャップスタンローラ 11 アース手段 20 インクジェット記録装置 21 画像データ演算制御部 22 吐出ヘッド 221 上部ユニット 222 下部ユニット 22a 吐出スリット 22b 吐出電極 23 油性インク 24 インク供給部 25 インクタンク 26 インク供給装置 27 攪拌手段 28 インク温度管理手段 29 インク温度制御手段 30 エンコーダー 31 ヘッド離接装置 32 ヘッド副走査手段 33 第1の絶縁性基材 34 第2の絶縁性基材 35 第2の絶縁性基材の斜面部 36 第2の絶縁性基材の上面部 37 インク流入路 38 インク回収路 39 バッキング 40 溝 41 ヘッド本体 42、42’ メニスカス規制版 43 インク溝 44 隔壁 45、45’ 吐出部 46 隔壁 47 隔壁先端部 48、50’ 支持部材 49、51 溝 50 隔壁 51 上端部 52 矩形部分 53 隔壁の上端 54 ガイド突起 55 電気光学変調器 M 印刷媒体 L 照射光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 栄一 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 EA24 EB20 EB29 EB30 EC03 EC07 EC19 EC28 EC29 EC43 EC72 FA10 FA13 FA14 FB01 FC02 HA03 HA06 HA10 HA20 HA29 HA46 HA47 JA25 JB02 JC20 KB16 KC02 KC30 2C057 AF27 AF55 AG22 AG32 AG39 AG43 AJ01 AL14 AL24 AL40 AM03 AM15 AM40 AN01 AN05 AN06 AP22 AP31 AP52 AP54 AP55 AP73 AQ01 AQ03 AR06 AR12 BD07 2H086 BA02 BA03 BA05 BA54 BA60

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データの信号に基づき、印刷媒体上
    に直接画像を形成し、該画像を定着することにより印刷
    物を作成する印刷方法において、 油性インクを前記記録媒体に対向配置される吐出ヘッド
    へ供給し、該吐出ヘッドに静電界を形成した状態で、前
    記画像データの信号に基づいて強度変調された光を前記
    油性インクに照射することにより前記油性インクを前記
    吐出ヘッドから飛翔させて前記記録媒体上に直接画像を
    形成することを特徴とするインクジェット式印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記油性インクが吐出しない程度の静電
    界を予め前記吐出ヘッドに印加した状態で、前記油性イ
    ンクに前記光を照射して前記油性インクを前記吐出ヘッ
    ドから飛翔させる請求項1記載のインクジェット式印刷
    方法。
  3. 【請求項3】 前記油性インクが、固有電気抵抗値10
    9 Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少
    なくとも着色粒子を分散したものであることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のインクジェット式印刷方法。
  4. 【請求項4】 前記光が前記油性インクに吸収される波
    長を含む請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェ
    ット式印刷方法。
  5. 【請求項5】 画像データの信号に基づき、印刷媒体上
    に直接画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段
    で形成された画像を定着して印刷物を得る画像定着手段
    と、を備える印刷装置において、 前記印刷媒体に対向配置され、油性インクを前記印刷媒
    体に飛翔する吐出ヘッドと、 前記吐出ヘッドに静電界を形成する静電界形成手段と、 前記油性インクに前記画像データの信号に基づいて強度
    変調された光を照射する光照射手段と、を備えるインク
    ジェット描画装置を有し、 前記静電界形成手段により前記吐出ヘッドに静電界を形
    成した状態で、前記光照射手段により前記油性インクに
    前記光を照射することにより、前記油性インクを前記吐
    出ヘッドから前記印刷媒体に飛翔させて前記印刷媒体上
    に直接画像を形成することを特徴とする印刷装置。
  6. 【請求項6】 前記静電界形成手段により前記油性イン
    クが吐出しない程度の静電界を予め前記吐出ヘッドに印
    加した状態で、前記光照射手段により前記油性インクに
    前記光を照射して前記油性インクを前記吐出ヘッドから
    飛翔させる請求項5記載の印刷装置。
  7. 【請求項7】 前記油性インクが、固有電気抵抗値10
    9 Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少
    なくとも着色粒子を分散したものであることを特徴とす
    る請求項5又は6記載の印刷装置。
  8. 【請求項8】 前記光照射手段が、前記油性インクに吸
    収される波長を含む光を照射する請求項5〜7のいずれ
    か1項記載の印刷装置。
  9. 【請求項9】 前記印刷媒体への印刷前及び/又は印刷
    中に、前記印刷媒体表面に存在する埃を除去する埃除去
    手段を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか
    1項記載の印刷装置。
  10. 【請求項10】 前記印刷媒体への描画時に、前記印刷
    媒体を介して、前記吐出ヘッドと対向する位置に配置さ
    れた対向ドラムを回転させて前記印刷媒体を移動させる
    ことにより描画を行なうことを特徴とする請求項5〜9
    のいずれか1項記載の印刷装置。
  11. 【請求項11】 前記吐出ヘッドがシングルチャンネル
    ヘッド又はマルチチャンネルヘッドからなり、ヘッドを
    対向ドラムの軸方向に移動することにより描画を行なう
    ことを特徴とする請求項10記載の印刷装置。
  12. 【請求項12】 前記印刷媒体への描画時に、少なくと
    も一対のキャップスタンローラにより前記印刷媒体を挟
    持して走行させることにより、描画を行なうことを特徴
    とする請求項5〜9のいずれか1項記載の印刷装置。
  13. 【請求項13】 前記吐出ヘッドがシングルチャンネル
    ヘッド又はマルチチャンネルヘッドからなり、前記印刷
    媒体の走行方向と直交する方向に前記吐出ヘッドを移動
    することにより描画を行なうことを特徴とする請求項1
    2記載の印刷装置。
  14. 【請求項14】 前記吐出ヘッドが前記印刷媒体の幅と
    略同じ長さを有するフルラインヘッドからなることを特
    徴とする請求項10又は12記載の印刷装置。
  15. 【請求項15】 前記インクジェット描画装置が、前記
    吐出ヘッドに前記油性インクを供給するインク供給手段
    を有することを特徴とする請求項5〜14のいずれか1
    項記載の印刷装置。
  16. 【請求項16】 前記吐出ヘッドから前記油性インクを
    回収するインク回収手段を有し、インク循環を行なうこ
    とを特徴とする請求項15記載の印刷装置。
  17. 【請求項17】 前記インクジェット描画装置が、前記
    油性インクを格納するインクタンク内の前記油性インク
    を攪拌する攪拌手段を有することを特徴とする請求項5
    〜16のいずれか1項記載の印刷装置。
  18. 【請求項18】 前記インクジェット描画装置が、前記
    油性インクを格納するインクタンク内の前記油性インク
    の温度を管理するインク温度管理手段を有することを特
    徴とする請求項5〜17のいずれか1項記載の印刷装
    置。
  19. 【請求項19】 前記インクジェット描画装置が、前記
    油性インクの濃度を制御するインク濃度制御手段を有す
    ることを特徴とする請求項5〜18のいずれか1項記載
    の印刷装置。
  20. 【請求項20】 前記吐出ヘッドをクリーニングするク
    リーニング手段を有することを特徴とする請求項5〜1
    9のいずれか1項記載の印刷装置。
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