JP4253469B2 - インクジェット式印刷方法及び印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷媒体に直接印刷画像を形成する印刷方法に関し、さらに詳細には、油性インクを使用したインクジェット記録による印刷画質が良好で、かつ高速印刷が可能なインクジェット式印刷方法及び印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データ信号に基づき、印刷媒体に印刷画像を形成する印刷方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり高価な装置となる。
熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高くかつ廃材が出る。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、かつ必要とされる画像部のみにインクを吐出し印刷媒体上に直接印刷を行なうため、色剤を効率良く使用できランニングコストも安い。
【0003】
インクジェット技術を印刷システムへ応用する方法として、例えば、特開平10−286939公報には、輪転印刷機に、インクジェット印刷装置を付設し、同一印刷紙上に、可変する番号やマーク等を付加的にインクジェットシステムで印刷する方法が開示されている。
【0004】
ただし、インクジェット方式は描画速度が遅いという欠点があり、インク吐出量・吐出時間の調節等を利用して描画ドットの大きさを変化させることで、必要階調数を保ったまま解像度を落とし描画速度を改善する施策が必要である。
【0005】
そこで、2個以上のインク吐出手段を同時に用いて、さらなる効率化を行う試みもなされている。この場合、インターレース走査法を用いることによってインク吐出手段の間隔より細かいドット間隔の画像を描画することも可能となる。しかしながら、複数のインク吐出手段を同時に用いる場合、僅かな吐出特性の差異で描画ムラが生じてしまうため、等しい吐出特性を持つインク吐出手段を作製しなければならず、装置コストの増加を招いていた。
【0006】
また、隣り合った記録ドットを重ね合わせて画像を形成するインクジェット方式の場合、各々のインク吐出手段が僅かながら持つ記録位置ズレ特性により、隣接する記録ドットに対応するインク吐出手段の組み合わせによって、隣接する記録ドットの重ね合わせ量が変化し、画像濃度が異なってしまうことがある。
これを図4に基づいて説明する。図4において、インク吐出手段1とインク吐出手段2があり、インク吐出手段1のインク吐出特性は着弾目標位置より紙面上で若干右に偏向する傾向にあるものと仮定し、インク吐出手段2のそれは正確に着弾目標位置に向かうものと仮定する。図4(a)は正常なインク吐出手段2が2個隣接する場合を示している。この場合、2個のインク吐出手段のうち紙面上で左側の吐出手段2が記録するドット2Lおよび右側の吐出手段2が記録するドット2Rは共に着弾目標位置に着弾しているので、2つのドット2Lと2Rが重なる部分Saは目標通りの面積となる。
一方、図4(b)は右に偏向する傾向にあるインク吐出手段1が2個隣接する場合であり、左側の吐出手段1が記録するドット1Lおよび右側の吐出手段1が記録するドット1Rは共に着弾目標位置から偏芯している。この場合、偏芯量が等しければ結果的に重なる部分SbはSaと同じ量となる。
これに対し、図4(c)はインク吐出手段1が紙面で左側にインク吐出手段2が右側に隣接する場合である。この場合、左側の吐出手段1が記録するドット1Lは着弾目標位置から右に偏芯し、右側の吐出手段2が記録するドット2Rの中心は着弾目標位置となっている。したがって、この場合、重なる部分Scは所定の面積よりも広くなる。
逆に、図4(d)はインク吐出手段2が紙面で左側にインク吐出手段1が右側に隣接する場合を示している。この場合、右側の吐出手段1が記録するドット1Lは着弾目標位置から右に偏芯し、左側の吐出手段2が記録するドット2Rの中心は着弾目標位置となっている。したがって、この場合、重なる部分Scは所定の面積よりも狭くなる。
このようなインク吐出手段の飛翔特性に起因するドットの重なり部分に増減があると、所定の濃度が得られなくなってしまう欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、第一に、現像処理が不要なデジタル対応の印刷方法及び印刷装置を提供することである。
第二に、インク吐出手段の飛翔特性にばらつきがあっても安価な装置および簡便な方法で画像ドットの濃度が正確な高速描画を実現するインクジェット方式で画像描画を行う印刷方法及び印刷装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明にかかるインクジェット式印刷方法は、画像データの信号に基づき、印刷媒体上に直接画像を形成し、該画像を定着することにより印刷物を作成するインクジェット式印刷方法であって、前記画像データの各々の画像ドットの濃度レベルを記録ドットの大きさに変換して階調記録する画像形成手段を用い、少なくとも親油性成分を含むインクを吐出して、前記印刷媒体に画像を形成するインクジェット式印刷方法において、画像の全部又は一部の複数画像ドットに対し各々の画像ドットと各々のインク吐出手段との対応を示したインク吐出手段配列データを予め作製しておき、前記インク吐出手段配列データを用いて各々の画像ドットに対応するインク第1吐出手段を求め、該当するインク第1吐出手段の吐出特性テーブルを使用してインク吐出量制御値を定めるとき、該当画像ドットに隣接する画像ドットに対応するインク第2吐出手段も求め、インク第1吐出手段の吐出特性テーブルと、予め求めたインク第1吐出手段とインク第2吐出手段が記録した記録ドットが隣接する時のドット濃度を入力し、ドット補正濃度を出力するテーブルであり、前記ドット補正濃度が、前記インク第1吐出手段と前記インク第2吐出手段を隣接してオーバーラップ有り又は無しに前記記録ドットを描画したときの濃度差を測定し、測定した濃度差をそれぞれの前記ドット濃度の比率で分配するように算出されたドットオーバーラップ補正テーブルと、を用いて該当画像ドットに対応する記録ドットのインク吐出量制御値を決定することを特徴とする。
また、本発明にかかるインクジェット式印刷装置は、画像データの信号に基づき、印刷媒体上に直接画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段で形成された画像を定着して印刷物を得る画像定着手段と、を少なくとも備えたインクジェット式印刷装置であって、該画像形成手段が、画像データの各々の画像ドットの濃度レベルを記録ドットの大きさに変換して階調記録するものであり、かつ少なくとも親油性成分を含むインクを同時又は順次に吐出可能な2個以上のインク吐出手段から吐出させるインクジェット式印刷装置において、予め画像の全部又は一部の複数画像ドットに対し各々の画像ドットと各々のインク吐出手段との対応をメモリ内に記憶するインク吐出手段配列 データと、このインク吐出手段配列データを参照して各々の画像ドットに対応するインク吐出手段を求めるインク吐出手段選択手段と、各インク吐出手段に対し用意された各インク吐出手段の記録する画像ドット濃度に相当するインク吐出量制御値との関係を予め実験的に求めてメモリに記憶された吐出特性テーブルと、前記インク吐出手段選択手段で選択されたインク吐出手段の記録する目的の大きさの記録ドットに対するインク吐出量制御値をこの吐出特性テーブルを利用して決定するインク吐出量制御値決定手段と、隣接する記録ドットの重なり合いによる記録ドット面積の誤差を修正するドットオーバーラップ補正テーブル、を記憶する第3の記憶装置と、前記ドットオーバーラップ補正テーブルが、予め求めたインク第1吐出手段とインク第2吐出手段が記録した記録ドットが隣接する時のドット濃度を入力し、ドット補正濃度を出力するテーブルであり、前記インク第1吐出手段と前記インク第2吐出手段を隣接してオーバーラップ有り又は無しに前記記録ドットを描画したときの濃度差を測定し、測定した濃度差をそれぞれの前記ドット濃度の比率で分配するように算出された前記ドット補正濃度に基いて、該当画像ドットの濃度を補正する第3の制御演算装置と、を有することを特徴とする。
【0009】
その他の発明として、次の構成の構成のものが考えられる。
(1)上記印刷方法において、上記インク吐出手段配列データを用いて各々の画像ドットに対応するインク第1吐出手段を求め、該当するインク第1吐出手段の吐出特性テーブルを使用してインク吐出量制御値を定めるとき、該当画像ドットに隣接する画像ドットに対応するインク第2吐出手段も求め、インク第1吐出手段の吐出特性テーブルと、予め求めたインク第1吐出手段とインク第2吐出手段が記録した記録ドットが隣接する時のドットオーバーラップ補正テーブルと、を用いて該当画像ドットに対応する記録ドットのインク吐出量制御値を決定する。
(2)上記印刷方法において、インク吐出手段を用いて前記インクジェット方式で前記印刷媒体へ描画する前および/または描画中に前記印刷媒体表面に存在する埃を除去しおよび/または少なくとも印刷終了後に前記インク吐出手段のクリーニングを行う。
(3)上記印刷装置において、隣接する記録ドットの重なり合いによる記録ドット面積の誤差を修正するドットオーバーラップ補正テーブル、を記憶する第3の記憶装置と、このドットオーバーラップ補正テーブルを用いて、該当画像ドットの濃度を補正する第3の制御演算装置と、を有する。
(4)上記印刷装置において、前記直接画像形成手段が、前記印刷媒体への描画前および/または描画中に印刷媒体表面に存在する埃を除去する印刷媒体表面埃除去手段を備えている。
(5)上記印刷装置において、前記印刷媒体への描画時に、前記画像形成手段が、前記印刷媒体の装着された描画ドラムの回転により、主走査を行う。
(6)上記印刷装置において、前記画像形成手段が、前記印刷媒体への描画時に該インク吐出手段が前記描画ドラムの軸方向に移動する事により副走査を行う。
(7)上記印刷装置において、前記画像形成手段が描画ドラムの幅と略同じ長さを有するフルラインヘッドからなるようにする。
(8)上記印刷装置において、前記インクジェット記録装置が前記印刷媒体への描画時に前記インク吐出手段を前記印刷媒体へ接近させ、該印刷媒体への描画時以外は該インク吐出手段を該描画ドラムから離すインク吐出手段離接手段を備えている。
(9)上記印刷装置において、前記直接画像形成手段が少なくとも印刷終了後に前記インク吐出手段のクリーニングを行うインク吐出手段クリーニング手段を備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、印刷媒体上に、少なくとも親油性成分を含むインクを吐出するインクジェット法で画像を形成し、複数のインク吐出手段を用い、予め作成したインク吐出手段配列データを参照して隣り合うインク吐出手段の組み合わせから生じる濃度誤差を補正し、使用するインク吐出手段に応じた吐出補正テーブルからインク吐出量制御値を求めて描画することを特徴とする。
【0011】
本発明にかかるインクジェット法としては、親油性成分を含むインクを吐出できれば方式を問わず使用でき、具体的には、例えば、電子写真学会編「イメージング part2 最新のハードコピープリンタ技術」第3章 写真工業出版社(1988)、小門宏編集「記録・記憶技術ハンドブック」丸善株式会社(1992年)、等の成書に記載されているピエゾ方式、サーマルジェット方式、静電方式、放電方式等が使用できる。また、特開平10−175300号、特開平6−23986号、特開平5−131633号、特開平10−114073号、特開平10−34967号、特開平3−104650号、特開平8−300803号、等の公報に開示の発明を応用または込み合わせた方式も好適に使用される。
この様に本発明によれば、インクジェット法により印刷を行うとき、複数インク吐出手段を用いインク吐出手段毎の特性をそれぞれ補正することで、安価な装置および簡便な方法で、鮮明で高画質な画像の印刷物を得ることが可能となる。
【0012】
本発明のインクジェット印刷方法を実施するのに用いられる印刷装置の構成例を以下に示す。ただし、本発明は以下の構成例に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明にかかる対向ドラムの回転により印刷媒体を移動することにより描画を行なう印刷装置の概略構成例を示す図で、ロール状印刷媒体を対向ドラムと印刷媒体供給ロール及び印刷媒体巻き取りロール或いはガイドロールで張架したWeb式印刷装置の片面単色の印刷を行う概略構成例を示す図である。
図2は描画装置の制御部、インク供給部、インク吐出手段離接機構を含めた描画装置の概略構成例である。
【0014】
まず、図1に示すロール状印刷媒体に片面1色印刷を行なう装置の全体構成図を用いて本発明による印刷工程について説明する。
図1に示される、インクジェット印刷装置(以下「印刷装置」ともいう)は、ロール状印刷媒体の供給ロール1、粘着ローラ2、描画装置3、描画装置3と印刷媒体を介して対向する位置に配置された対向(描画)ドラム4、定着装置5、及び印刷媒体巻き取りロール6から構成される。
供給ロールから送り出された印刷媒体上の埃等を粘着ローラ2で除去した後、該印刷媒体上に、描画装置3のインク吐出部(後述)から描画ドラム4上の印刷媒体へ向けてインクが画像様に吐出され、印刷画像が記録される。この画像を定着装置5を用いて印刷媒体上に定着させた後、印刷済みの印刷媒体が印刷媒体巻き取りロール6に巻き取られる。
【0015】
描画ドラム4に加熱手段を設け、ドラム温度を高めることも描画画質の向上に有効である。吐出されたインク液滴の印刷媒体上での速やかな定着を促進するためより一層滲みが抑制される。
また、ドラム温度を一定とすることで、印刷媒体上の吐出されたインク液滴の物性値が制御され、安定で均質なドット形成が可能となる。ドラム温度を一定化するために、冷却手段を兼ね備えることがより好ましい。
【0016】
粘着ローラ2は、1つのもので構成する他、粘着力の異なる2つ以上の粘着ローラによって構成してもよい。ここでは、粘着ローラ2を、2つの粘着ローラ2a、2bで構成している。このような構成では、1つの粘着ローラ2aを印刷媒体上に転動させ、かつ他の粘着ローラ2bを、この1つの粘着ローラ2aに直接的又は間接的に接触させて、1つの粘着ローラ2aに付着した粉塵を吸着除去するようにしている。
【0017】
さらに、描画装置3は、図2のようなインクジェット記録装置20を有している。インクジェット記録装置20では、画像データ演算制御部21より送られてくる画像データに対応して、印刷媒体上に油性インクを吐出し、描画画像を形成する。
【0018】
画像データ演算制御部21は、画像スキャナ、磁気ディスク装置、画像データ伝送装置等からの画像データを受け、色分解を行なうと共に、分解されたデータに対して適当な画素数、階調数に分割演算し、各インク吐出手段に振り分ける。さらに、インクジェット記録装置20が有するインク吐出手段22(図3参照。後述)を用いて油性インク画像を網点化していくために、網点面積率の演算も行なう。さらに、本発明による後述の吐出特性テーブルを用いて吐出量を決定する。
【0019】
また、後述するように、画像データ演算制御部21は、インク吐出手段22の移動、油性インクの吐出タイミングを制御すると共に、必要に応じて印刷媒体動作タイミングの制御も行う。
【0020】
次に、インク吐出描画装置3について図2を用いて詳細に説明する。
【0021】
図2に示されるように、本インクジェット印刷方法に使用される描画装置は、インク吐出手段22、インク吐出手段保護手段221、インク供給部24から成る。
インク供給部24はさらに、インクタンク25、インク供給装置26、インク濃度制御手段29を有し、インクタンク内には攪拌手段27、インク温度管理手段28を含む。インクはインク吐出手段内を循環させてもよく、この場合、インク供給部は回収循環機能も有する。攪拌手段27はインクの固形成分の沈殿・凝集を抑制する。攪拌手段としては、回転羽、超音波振動子、循環ポンプが使用でき、これらの中から、あるいは組み合わせて使用される。インク温度管理手段28は、周りの温度変化によりインクの物性が変化し、ドット径が変化したりすることなく高画質な画像が安定して形成できる様に配置される。インク温度管理手段としては、インクタンク内にヒーター、ペルチェ素子等の発熱素子あるいは冷却素子を、該タンク内の温度分布を一定にするように攪拌手段と共に配し、温度センサ、例えばサーモスタット等により制御するなどの公知の方法が使用できる。なお、インクタンク内のインク温度は15℃以上60℃以下が望ましく、より好ましくは20℃以上50℃以下である。また、タンク内の温度分布を一定に保つ攪拌手段は前記のインクの固形成分の沈殿・凝集を抑制を目的とする攪拌手段と共用しても良い。また、本描画印刷装置では、高画質な描画を行うためインク濃度制御手段29を有する。インク濃度は光学的検出、電導度測定、粘度測定などの物性測定、あるいは描画枚数による管理等により行う。物性測定による管理を行う場合には、インクタンク内、あるいはインク流路内に、光学検出器、電導度測定器、粘度測定器を単独、あるいはそれらを組み合わせて設け、その出力信号により、また描画枚数による管理を行う場合には、印刷枚数、及び頻度によりインクタンクへ図示されない補給用濃縮インクタンク、あるいは希釈用インクキャリアタンクからの液供給を制御する。
インク吐出手段保護手段221としては、インク吐出手段への異物付着防止手段、異常発生時描画停止手段等があり、異物付着防止手段としては、例えばインク吐出保護カバー等がある。すなわち描画を行っていないときにはインク吐出手段をカバー内に格納することにより異物の付着を防止できる。図3はカバーの本発明にかかる一実施例を示すが、図3のようにインク吐出手段はシャッター付きのカバー内に格納されており、描画時にはシャッターを開け、インク吐出手段部を描画位置まで前進させて描画を行う。カバー内部にはインクあるいは、インク溶媒を充満させておくこともでき、その場合には長期間描画を行わない場合でも、インク吐出手段へのインクの固着によるトラブルを防止することができる。異常発生時描画停止手段としては、例えば埃感知装置、あるいはヘッドの異常電流感知装置を画像データ演算制御部21に接続し、該装置からの異常信号が発生した場合には、インク吐出手段への電圧信号を停止するような機構を設けることにより、インク吐出手段の破損を防止できる。
【0022】
画像データ演算制御部21は前述のように、入力画像データの演算、またインク吐出手段離接装置31、対向ドラムあるいはキャップスタンローラに設置したエンコーダー30からのタイミングパルスを取り込み、そのタイミングパルスに従って、インク吐出手段の駆動を行う。また、インクジェット記録装置による描画を行う際に、描画ドラムの駆動は、高精度な駆動手段を使用する。具体的には、例えば高精度モータからの出力を高精度ギア、あるいはスチールベルト等により減速して描画ドラムを駆動させる方法などがある。この様な手段を単独、あるいは複数組み合わせて使用することで、より高画質な描画を行なうことができる。
さらに前述のインク吐出手段保護手段の221の制御も行う。
【0023】
インク吐出手段22は必要に応じてクリーニング手段などのメンテナンス装置を含むこともできる。例えば休止状態が続くような場合や、画質に問題が発生した場合には、インク吐出手段先端を柔軟性を有するハケ、ブラシ、布等で拭う、インク溶媒のみを循環させる、インク溶媒のみを供給、あるいは循環させながら吐出部を吸引する、などの手段を単独、あるいは組み合わせて行うことにより良好な描画状態を維持できる。またインクの固着防止にはインク吐出手段部を冷却し、インク溶媒の蒸発おさえることも有効である。さらに汚れがひどい場合には吐出部から強制的にインク吸引するかインク流路から強制的にエア、インク、あるいはインク溶媒のジェットをいれる、あるいはインク溶媒中にヘッドを浸漬した状態で超音波を印加する、等も有効であり、これらの方法を単独、あるいは組み合わせて使用できる。
【0024】
図1及び図2を参照にして印刷装置による印刷工程を以下に詳細に説明する。
【0025】
印刷媒体供給ロールから送り出された印刷媒体は、印刷媒体巻き取りロールの駆動によりテンションが与えられ、描画(対向)ドラム上に当接する。これにより、印刷媒体ウエッブが振動して描画時にインクジェット記録装置に接触し破損することを防止できる。
また、インクジェット記録装置の描画位置周辺のみで印刷媒体を描画(対向)ドラムに密着させる手段を配し、少なくとも描画を行う時にはこれを作用させることによって、印刷媒体がインクジェット記録装置に接触することを防止することもできる。具体的には、例えば描画ドラムの描画位置の上流及び下流に押さえローラを配する、ガイド、静電吸着を用いるなどが有効である。
【0026】
磁気ディスク装置等からの画像データは、画像データ演算制御部21に与えられ、画像データ演算制御部21は、入力画像データに応じて油性インクの吐出位置、その位置における網点面積率の演算を行う。さらに、本発明による後述の吐出特性テーブルを用いて吐出量を決定する。これらの演算データは一旦バッファに格納される。画像データ演算制御部21は、インク吐出手段22をインク吐出手段離接装置31により、描画ドラムと当接する印刷媒体と近接させた位置に近づける。インク吐出手段22と描画ドラム表面との距離は、付き当てローラのような機械的距離制御、あるいは光学的距離検出器からの信号によるインク吐出手段離接装置の制御により、描画中、所定距離に保たれる。インク吐出手段22としてはマルチチャンネルヘッド、あるいはフルラインヘッドを使用することができる。
インク吐出手段としてマルチチャンネルヘッドを使用した場合には、吐出部の配列方向は印刷媒体の走行方向と略平行に設置し、インク吐出手段の前記対向ドラムの軸方向の移動により主走査を、前記対向ドラムの回転により副走査を行い印字を行なう。また、図2に示す対向ドラムを使用した場合には、対向ドラムの回転により主走査を行うことが出来、このときにはヘッドの吐出部は対向ドラムの略軸方向に配置し、該ヘッドを対向ドラム軸方向に副走査することによって印字を行う。
以上の対向ドラム及びインク吐出手段の移動制御は、画像データ演算制御部21により行われ、インク吐出手段は後述の演算により得られた吐出量で油性インクを印刷媒体上に吐出する。これにより、印刷媒体には、印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が油性インクで描画される。この動作は、印刷媒体上に所定のインク画像が形成されるまで続く。
一方、インク吐出手段22がドラムの幅と略同じ長さを有するフルラインヘッドである場合には、吐出部の配列方向は印刷媒体の走行方向と略直角に設置し、対向ドラムの回転により印刷媒体が描画部を通過することによって油性インク画像が形成され印刷物が出来上がる。
さらに対向ドラムの代わりに、記録媒体搬送ベルトを使用することが出来、その場合には該ベルト上に、1枚又は複数の記録媒体を保持することによって高速搬送の難しいシート状記録媒体の高速印字にも対応できる。該搬送ベルトは寸度安定性に優れた金属、絶縁性シートあるいはその複合体で構成することが出来、駆動ローラ、テンションローラ、従動ローラ等の駆動精度を達成するように任意に選ばれた複数のローラ間で張架されて搬送される。記録媒体は該搬送ベルト上に静電吸着、吸引吸着、粘着力吸着等により吸着保持され、特に静電吸着は好適に使用される。その場合には描画部上流の搬送ベルトに対向する位置にコロナ帯電器あるいは帯電ローラが配置され、該搬送ベルトは表面に絶縁層あるいは半導電性層を有する接地または任意の電圧印加された金属ベルトで構成されるか、絶縁性ベルトの上記帯電手段に対応する裏面に接地又は任意の電圧を印加された金属プラテンあるいは金属ローラを配置する。
【0027】
印刷終了後は、必要に応じて、インク吐出手段22を保護するためにインク吐出手段22は、描画ドラムと近接された位置から離れるように退避させられる。この時、インク吐出手段22のみを離接しても良いが、インク吐出手段22とインク供給部24とを一緒に離接することもできる。
【0028】
この離接手段は、描画時以外はインク吐出手段を描画ドラムに対し少なくとも500μm以上離すように動作する。離接動作はスライド式にしても良いし、ある軸に固定されたアームでインク吐出手段を固定し、軸まわりにアームを動かし振り子状に移動してもよい。このように非描画時にインク吐出手段を退避させることにより、インク吐出手段を物理的破損、あるいは汚染から保護し、長寿命化を達成することができる。
【0029】
また、形成された油性インク画像は、定着装置5により強化される。インクの定着手段としては、加熱定着、溶媒定着などの公知の手段が使用できる。加熱定着では赤外線ランプ、ハロゲンランプやキセノンフラッシュランプ照射、あるいはヒーターを利用した熱風定着、ヒートロール定着が一般的である。キセノンランプ等を使用してのフラッシュ定着は電子写真トナーの定着法として公知であり、定着を短時間に行えるという利点がある。またラミネート紙を用いた場合には、急激な温度上昇により紙内部の水分が急激に蒸発し、紙表面に凹凸が発生するブリスターと呼ばれる現像が生じるため、複数の定着器を配置し、紙が徐々に昇温するように、電力供給及び/又は定着器の印刷媒体までの距離を変えることが、ブリスターを防止する上で好ましい。
【0030】
溶媒定着ではメタノール、酢酸エチル等のインク中の樹脂成分を溶解しうる溶媒を噴霧又は蒸気の暴露をし、余分な溶媒蒸気は回収する。
なお、少なくともインク吐出手段22による油性インク画像形成から、定着装置5による定着までの行程では、印刷媒体上の画像には何物も接触しないように保たれることが望ましい。
【0031】
次に、インク吐出量制御値の決定方法について説明する。
まず、出力画像上の記録ドットが各々どのインク吐出手段によって描画されるかについて記述したインク吐出手段配列データを、記録ドット密度・インク吐出手段間隔・インク吐出手段走査送りピッチから事前に作成する。
図5はそのインク吐出手段配列データの作成手法の1例を説明する図である。図5において、インク吐出手段Hは4個の単位吐出手段H1、H2、H3、H4の連続チャンネルから成るもので、記録開始当初は図5(a)の位置、すなわち、印刷媒体Pの左上の位置にあるとする。そして印刷媒体Pは図の白抜き矢印方向に移動するとインク吐出手段Hは印刷媒体Pに対して図示の主走査方向に相対移動する。このとき吐出手段H1は印刷媒体Pの1で示す列に記録可能であり、以下同様に吐出手段H2は印刷媒体Pの2で示す列に、吐出手段H3は印刷媒体Pの3で示す列に、吐出手段H4は印刷媒体Pの4で示す列にそれぞれ記録することができる。インク吐出手段Hが主走査方向Mの記録端部まで記録したら、次に印刷媒体Pは図5(a)の位置へ戻り、インク吐出手段Hは副走査方向に移動し、吐出手段H1が印刷媒体Pの4で示す列の隣の未記録列に移動したところで停止する。図5(b)はこの状態を示している。そこで印刷媒体Pが図の白抜き矢印方向に移動すると、インク吐出手段Hは再び主走査方向Mに相対移動しながら、吐出手段H1は印刷媒体Pの1で示す列に、吐出手段H2は印刷媒体Pの2で示す列に、吐出手段H3は印刷媒体Pの3で示す列に、そして吐出手段H4は印刷媒体Pの4で示す列にそれぞれ記録可能となる。以下、同様にこのように記録を続けることで、図5(c)のような印刷媒体Pの主および副走査方向に縦横に並ぶ各画素に対してどの吐出手段が記録を担当するかのインク吐出手段配列データが得られることとなる。
【0032】
このインク吐出手段配列データは、入力画像の全画像ドットに対応して用意する方法もあるが、インク吐出手段の配置や走査方法により、主走査方向もしくは副走査方向に対してインク吐出手段の配列が変化しない場合、1ライン分の配列データのみを用意して、それを繰り返し用いるようにすればよい。
【0033】
図6はそのインク吐出手段配列データの作成手法の別の例を説明する図である。
図6において、インク吐出手段Hは4個の単位吐出手段H1、H2、H3、H4がそれぞれ1チャンネル間隔を開けて配列されて成るもので、記録開始当初は図6(a)の位置、すなわち、印刷媒体Pの左上の位置にある。そこで印刷媒体Pが図の白抜き矢印方向に移動することでインク吐出手段Hは図示の主走査方向に相対移動しながら、吐出手段H1は印刷媒体Pの1で示す位置に記録し、以下同様に吐出手段H2は印刷媒体Pの1チャンネル分副走査方向に飛び越した2で示す位置に、同様に吐出手段H3は印刷媒体Pの3で示す位置に、吐出手段H4は印刷媒体Pの4で示す位置にそれぞれ1チャンネル分飛び越した位置に記録することになる。インク吐出手段Hが主走査方向Mの端部まで記録したら、次に印刷媒体Pは図5(a)の位置へ戻り、インク吐出手段Hは印刷媒体Pの既記録位置1の隣の未記録位置に吐出手段H1が来るように図6(b)の副走査方向に移動し、再びインク吐出手段Hは主走査方向Mに移動しながら、吐出手段H1で印刷媒体Pの1で示す位置に、吐出手段H2で印刷媒体Pの2で示す位置に、吐出手段H3で印刷媒体Pの3で示す位置に、そして吐出手段H4で印刷媒体Pの4で示す位置にそれぞれ記録することとなる。このように記録を続けることで、図6(c)のような印刷媒体Pの縦横に並ぶ各画素に対してどの吐出手段が記録を行うのかのインク吐出手段配列データが得られる。
【0034】
次に、予め全てのインク吐出手段に関して、それぞれ実験的に吐出特性テーブルを作成する。吐出特性テーブルとは、各々のインク吐出手段における、描画する画像ドット濃度とインク吐出制御値とを関連付けるテーブルであり、吐出特性テーブルを用いることで目的の画像ドット濃度に対応する記録ドットサイズを出力できるインク吐出制御値を求めることができる。
【0035】
吐出特性テーブルを作成する方法として、インク吐出手段が記録した例えば、図7に示すような任意のドット数毎に描画ドット濃度を徐々に変化させたグレースケール画像Aを入力データとして使用する。図7(a)はグレースケール画像Aの全体図、(b)は高濃度部、(c)は低濃度部のそれぞれ拡大図である。そこで図に示すような任意のドット数毎に描画ドット濃度を徐々に変化させたグレースケール画像Aを入力データとし、対象のインク吐出手段のみを用いて、仮の吐出特性テーブル、例えば画像最低濃度から画像最高濃度までの直線的に増加するドット濃度に対しインク吐出制御値も直線的に最大値から最小値まで減少、ないし最小値から最大値まで増加するように対応するようなテーブル、を用いて求めたインク吐出制御値で描画した記録ドットの画像濃度を計測する。計測した画像濃度と対応するインク吐出制御値とから、真の吐出特性テーブルを作成する。
Cx:画像ドットxの濃度
CM:記録ドットxの測定濃度
TEtemp(C):仮の吐出特性テーブル
TEi(C):インク吐出手段iの吐出特性テーブル
TEi(CM)=TEtemp(Cx)
【0036】
この時用いるグレースケール画像A(図7)は、記録ドットの測定濃度とインク吐出制御値の関係を正確に求めるため、各々の記録ドットが他の記録ドットとオーバーラップしていない必要があり、図7(b)[高濃度スケール]および(c)[低濃度スケール]のようにいずれも1ドット以上おきの格子状に画像ドットを配し、その間は最低濃度ドット、例えば白点(図で+印)で埋める。
【0037】
次に、予めドットオーバーラップ補正テーブルを実験的に作成する。
ドットオーバーラップ補正テーブルとは、隣接する記録ドットの重なり合いによる記録ドットサイズの誤差を修正するデータである。
ドットオーバーラップ補正テーブルを作成する方法として、例えば、図8(e)に示すような任意のドット数毎に描画ドット濃度を徐々に変化させたグレースケール画像Bを、隣接する記録ドットを描画する2つのインク吐出手段1および2で描画し、この描画した記録ドットの計測濃度と、記録ドットがオーバーラップしないよう隣接させずに描画したグレースケール画像C(図9(e))の記録ドットの計測濃度との濃度差を、使用した2つのインク吐出手段のインク吐出制御値をインデックスとするテーブル値とし、ドットオーバーラップ補正テーブルを作成する。
【0038】
図8は互いに隣接する2つのインク吐出手段1,2を同一行で記録させた場合を示し、図8(e)に示すグレースケール画像Bは、縦軸の上から下へインク吐出手段1の記録する大ドット〜小ドット、横軸の左から右へインク吐出手段2の記録する大ドット〜小ドットと変化する。したがって、図8(a)は両ドッドともに大きくて重なり部分のある高濃度部、(b)および(c)はいずれも一方が大きく、他方が小さなドットで互いに重なる臨界状態の中濃度部、(d)は両ドッドともに小さくて重なり部分のない低濃度部をそれぞれ示している。
【0039】
図9は互いに隣接する2つのインク吐出手段1,2を各行で交互に記録させた場合を示し、図9(e)に示すグレースケール画像Bは、縦軸の上から下へインク吐出手段1の記録する大ドット〜小ドット、横軸の左から右へインク吐出手段2の記録する大ドット〜小ドットと変化する。したがって、図9(a)は両ドッドともに大きい場合、(b)および(c)はいずれも一方が大きく、他方が小さなドットの場合、(d)は両ドッドともに小さな場合示し、いずれの場合も重なり部が存在しないのが特徴である。
このように本発明によれば、ドット位置が正常であるか無いかにかかわらず、隣接インク吐出手段同士のドットの重なりを補正するもので、その基準として図9のようなドットの重なりのない画像を用いる理由は、本発明によるドットの重なりを補正する方法がドットの重ならない場合の画像濃度を基準としているからである。このことは、それぞれのインク吐出手段の吐出特性テーブルから求めた各々のドットの画像濃度と実際に測定した画像濃度とから、オーバーラップ補正テーブルを作製していることに起因する。
TCi−j(Cx,Cy):インク吐出手段iが描画した測定濃度Cxの記録ドットxとその左側に位置するインク吐出手段jが描画した測定濃度Cyの記録ドットyとのドットオーバーラップ補正テーブル
CMol:オーバーラップ可能なように隣接して描画した記録ドットx,yの測定濃度
Cmop:オーバーラップ不可能なように間を空けて描画した記録ドットx,yの測定濃度
TCi-j(Cx,Cy)= Cx ×(CMop−CMol)/CMop
【0040】
このときのグレースケール画像B(図8)は、2つのインク吐出手段1,2で描画されたそれぞれの記録ドットが1カ所のみでオーバーラップできるように、オーバーラップをさせないドットとの間には1ドット以上の最低濃度ドット、例えば白点を配置する。
【0041】
まず、記録ドット同士のオーバーラップによる濃度誤差を補正する手順を説明する。図10において、まず、出力すべき入力画像データの画像ドットaに対して、インク吐出手段配列データを参照しその画像ドットaを描画するインク吐出手段1を求める。さらに、インク吐出手段配列データを参照して、隣接する記録ドットb,c,d,eのそれぞれに対して描画するインク吐出手段も求め(ドットb、dについてはインク吐出手段1、ドットc、eについてはインク吐出手段2と判明。)、それらに応じたドットオーバーラップ補正テーブルを使って濃度補正値ΔCa−b、ΔCa−c、ΔCa−d、ΔCa−eを求め、それらを画像ドットaの濃度に加算して補正濃度を得る。
ΔCa−b:測定濃度Caの記録ドットaと測定濃度Cbの記録ドットbのオーバーラップ濃度補正値
ΔCa−c:測定濃度Caの記録ドットaと測定濃度Ccの記録ドットcのオーバーラップ濃度補正値
ΔCa−d:測定濃度Caの記録ドットaと測定濃度Cdの記録ドットdのオーバーラップ濃度補正値
ΔCa−e:測定濃度Caの記録ドットaと測定濃度Ceの記録ドットeのオーバーラップ濃度補正値
Ca’:画像ドットaの補正濃度
Tci−i(Cx,Cy):インク吐出手段iが描画した測定濃度Cxの記録ドットxと、測定濃度Cyの記録ドットyとのドットオーバーラップ補正テーブルTCi−j(Cx,Cy):インク吐出手段iが描画した測定濃度Cxの記録ドットxとその左側に位置するインク吐出手段jが描画した測定濃度Cyの記録ドットyとのドットオーバーラップ補正テーブル
ΔCa−b=Tc1−1(Ca,Cb)
ΔCa−c=Tc1−2(Ca,Cc)
ΔCa−d=Tc1−1(Ca,Cd)
ΔCa−e=Tc2−1(Ce,Ca)
Ca’=Ca+ΔCa−b+ΔCa−c+ΔCa−d+ΔCa−e
以上のように、ドットオーバーラップ補正テーブルは、入力を隣接2ドットのドット濃度(単一のインク吐出手段で重なりなく描いたドット濃度)、出力をドット補正濃度とする2次元テーブルであり、対象の2つのインク吐出手段を隣接してオーバーラップ有り/無しにドットを描画(予め求めた各々の吐出特性テーブルを利用して描画)したときの濃度差を測定し、その測定濃度差を(すなわち、ドットの重なりによる濃度損失)を各々のドット濃度の比率で分配したドット補正濃度を算出し、そのドット補正濃度が(描画した2つのドットの濃度に対する)ドットオーバーラップ補正テーブルとなる。
【0042】
次に、インク吐出量制御値が決定される手順を説明する。
図11は本発明によるインク吐出量制御値が決定される手順の概要を図示したものである。図11(a)は各画素の入力データ(画像ドット濃度)であり、図11(b)はインク吐出手段配列データ、図11(c)は本発明による上記ドットオーバーラップ補正テーブルを用いて補正された各画素の画像ドット補正濃度、図11(d)はインク吐出手段1の吐出特性テーブル、図11(e)は各画素のインク吐出量制御値を表している。そこで、出力すべき画像データの各画像ドットa(例えば、第1行第1列のドットa)に対して、まず、インク吐出手段配列データ(図11(b))を参照しその画像ドットを描画するインク吐出手段を求める(図では、第1行第1列のドットaの担当はインク吐出手段1と判明。)。
一方、画像ドットaの入力データの濃度(図11(a)の値28)の補正を次のように行う。まず、図11(b)のインク吐出手段配列データを用いて、対象ドットaを描画するインク吐出手段と、対象ドットaに隣接するドットを描画するインク吐出手段とを求め(ここでは、インク吐出手段1と2)、画像ドットaの補正濃度Ca’の式に基づき対象ドットaに対して上下左右に隣接するドットとの間でドットオーバーラップ補正テーブルを用いてオーバーラップ濃度補正値を求め、このようにして求めたオーバーラップ濃度補正値を全て対象ドットa濃度に加えて、これを対象ドットの補正濃度とする。ここでは補正濃度(図11(c)の値30)を得る。
そして、対象ドットaを描画するインク吐出手段(ここでは、インク吐出手段1)の吐出特性テーブルを用いて、対象ドットの上記補正濃度(図11(c)の値30)に対するインク吐出量制御値(図11(e)の値1.5)を求める。
Ea:測定濃度Caの記録ドットaのインク吐出量制御値
TEi(C):インク吐出手段iの吐出特性テーブル
Ca’:画像ドットaの補正濃度
Ea=TE1(Ca’)
【0043】
図12〜図14はロール状印刷媒体を対向ドラムと印刷媒体供給ロール及び印刷媒体巻き取りロール或いはガイドロールで張架したWeb式印刷装置の他の概略構成例を示す図である。図1は片面単色であったのに対して、図12は片面4色の印刷を行なうWeb式装置であり、図13及び図14は両面4色印刷装置の概略構成例を示す図である。
また、図15はロール状印刷媒体をカットして、対向ドラムに巻き付け印刷を行なう片面4色印刷装置の概略構成例を示す図であり、図16はシート状印刷媒体を用いた印刷装置の概略構成例を示す図である。
一方、図17及び図18は、さらに本発明にかかるキャップスタンローラにより印刷媒体を挟持して走行させることにより描画を行なう印刷装置の概略構成例を示す図であり、このうち図17はロール状印刷媒体を用いた印刷装置、図18はシート状印刷媒体を用いた印刷装置の概略構成例を示す図である。
図21から図24は、図2の描画装置が具備する他のインクジェット記録装置を説明するためのものである。
【0044】
図12〜図14は片面及び両面4色印刷装置の構成例である。なお、図14中、2cは、押し当てローラを示す。押し当てローラ2cは、図示しない離接機構によって、押し当てローラ2cに対して接触、離間自在となる他、一定位置に固設するものであってもよい。また、押し当てローラ2cは、粘着ローラ2に従動回転する他、粘着ローラ2に同期して自転するものであってもよい。押し当てローラ2cを備えた粘着ローラ2では、描画ドラム4を有しない印刷装置の場合であっても、粘着ローラ2を印刷媒体上に押し当てながら、印刷媒体上の粉塵を確実に除去することができる。その他の構成例における動作原理等、上記の片面単色印刷装置の説明から容易に類推されるため、説明は省略する。
またここでは4色印刷装置の構成例を示したが、これに限定されるものではなく、色数は必要に応じて任意に決定される。
【0045】
図15および図16は本発明にかかる別の構成例であり、自動排出装置7を有し、印刷媒体を対向ドラムに巻き付けて使用する印刷装置の説明図である。図16は自動供給装置9を有するシート状印刷媒体を用いた装置構成例である。ここでは、図15のロール状印刷媒体を用いた装置構成例を用いて説明する。
まず、対向ドラムに印刷媒体供給ロール1により引き出され、カッター8で任意の大きさにカットされた印刷媒体を装着する。この時、公知のシート頭/尻くわえ装置、エア吸引装置などによる機械的方法、あるいは静電的な方法等により印刷媒体はドラム上に密着固定され、これにより紙尻がばたついて描画時にインク吐出描画装置3に接触し破損することを防止できる。
また、インク吐出描画装置の描画位置周辺のみで印刷媒体をドラムに密着させる手段を配し、少なくとも描画を行なう時にはこれを作用させることによって印刷媒体がインクジエット記録装置に接触することを防止することもできる。具体的には例えば対向ドラムの描画位置の上流及び下流に押さえローラを配する等の方法がある。
さらに、描画を行わない場合には、インク吐出手段を印刷媒体から離しておくことが望ましく、それによってインク吐出描画装置に接触破損等の不具合が発生することを有効に防止できる。
【0046】
インク吐出手段22としてはマルチチャンネルヘッド、あるいはフルラインヘッドを使用することができ、対向ドラム4の回転により主走査を行なう。複数の吐出部を有するマルチチャンネルヘッドあるいはフルラインヘッドの場合には、吐出部の配列方向は対向ドラム4の軸方向に設置する。
さらに、マルチチャンネルヘッドの場合には、画像データ演算制御部21によりインク吐出手段22を対向ドラムの軸方向に連続的或いは逐次的に移動して、画像データ演算制御部21の演算により得られた吐出量で油性インクをドラム11に装着した印刷媒体に吐出する。これにより、印刷媒体上には、印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が油性インクで描画される。この動作は、印刷媒体上に所定の油性インク画像が形成されるまで続く。
一方、インク吐出手段22がドラムの幅と略同じ長さを有するフルラインヘッドである場合には、ドラムが一回転することによって印刷媒体上に油性インク画像が形成され印刷物が出来上がる。この様にドラム回転により主走査を行なうことにより、主走査方向の位置精度を高め、高速描画を行なうことができる。印字された印刷媒体は、定着装置5により定着を行い、自動排出装置7により排出される。
【0047】
一方、図17及び図18は、さらに本発明に係るキャップスタンローラにより印刷媒体を挟持して走行させることにより描画を行なう印刷装置の概略構成例を示す図であり、図17はロール状印刷媒体を用いた印刷装置、図18はシート状印刷媒体を用いた印刷装置の概略構成例を示す図である。
【0048】
ここでは、図17に示すロール状印刷媒体に片面4色印刷を行なう装置の全体構成図を用いて説明する。印刷媒体Mは2対のキャップスタンローラ10により挟持されて搬送され、画像データ演算制御部(図2の21)により適当な画素数、階調数に分割演算されたデータを用いてインク吐出描画装置3により描画される。
【0049】
また、図17ではロール状印刷媒体のカットのため、自動排出装置7の上流に、シートカッター8を有しているが、シートカッターは適宜任意の場所に配置できる。
【0050】
次に、図17を参照して本発明の印刷装置による印刷物の作成工程を以下に更に詳細に説明する。
【0051】
まず、キャップスタンローラ10を用いて印刷媒体を搬送する。この時、必要に応じて、図示されない印刷媒体ガイド手段を設けることにより、印刷媒体の頭/尻がばたついてインク吐出描画装置3に接触し破損することを防止できる。またインク吐出描画装置の描画位置周辺のみで印刷媒体をたるまないようにする手段を配し、少なくとも描画を行なう時にはこれを作用させることによって印刷媒体がインク吐出描画装置に接触することを防止することもできる。具体的には例えば描画位置の上流及び下流に押さえローラを配する等の方法がある。
さらに、描画を行わない場合には、インク吐出手段を印刷媒体から離しておくことが望ましく、それによってインク吐出描画装置に接触破損等の不具合が発生することを有効に防止できる。
【0052】
ここでは片面4色印刷機の構成例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、色数及び片面/両面印刷は必要に応じて装置構成は任意に決定される。
【0053】
磁気ディスク装置等からの画像データは、図2の画像データ演算制御部21に与えられ、画像データ演算制御部21は、入力画像データに応じて油性インクの吐出位置、その位置における網点面積率の演算を行う。さらに、本発明による前述の吐出特性テーブルを用いて吐出量を決定する。これらの演算データは一旦バッファに格納される。
画像データ演算制御部21は、インク吐出手段22の移動、油性インクの吐出タイミング制御、キャップスタンローラの動作タイミング制御を行なうと共に必要に応じてインク吐出手段22をインク吐出手段離接装置31により印刷媒体と近接させた位置に近づける。インク吐出手段22と印刷媒体表面との距離は、付き当てローラのような機械的距離制御、あるいは光学的距離検出器からの信号によるインク吐出手段離接装置の制御により、描画中、所定距離に保たれる。かかる距離制御により、印刷媒体の浮きなどによりドット径が不均一になったり、特に印刷装置に振動が加わった際などにもドット径が変化したりせず、良好な印刷を行なうことができる。
【0054】
インク吐出手段22としてはマルチチャンネルヘッド、あるいはフルラインヘッドを使用することができ、印刷媒体の搬送により副走査を行なう。複数の吐出部を有するマルチチャンネルヘッドの場合には吐出部の配列方向は印刷媒体の走行方向と略平行に設置する。さらにマルチチャンネルヘッドの場合には、画像データ演算制御部21によりインク吐出手段22を印刷媒体の走行方向と直角方向に移動して、上記演算により得られた吐出量で油性インクを吐出する。これにより、印刷媒体上には、印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が油性インクで描画される。この動作は、印刷媒体上に所定の油性インク画像が形成されるまで続く。一方、インク吐出手段22がドラムの幅と略同じ長さを有するフルラインヘッドである場合には、吐出部の配列方向は印刷媒体の走行方向と略直角に設置し、印刷媒体が描画部を通過することによって印刷媒体上に油性インク画像が形成される。印字された印刷媒体は定着装置5により定着を行い、自動排出装置により排出される。
【0055】
ここでは片面4色印刷機の構成例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、色数及び片面/両面印刷は必要に応じて任意に決定される。
【0056】
つぎに、本発明に用いられる印刷媒体について説明する。
印刷媒体として、通常用いられる印刷用紙である上質紙、微コート紙、コート紙が挙げられる。また表面に樹脂フィルム層を有する、例えばポリオレフィンラミネート紙、及びプラスチックフィルム、例えばポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリオレフィンフィルム等も使用できる。さらに、表面に金属が蒸着されたり、又は金属箔が張り合わされたプラスチックフィルム、加工紙も使用できる。、勿論、インクジェット用の専用紙、専用フィルムも使用できる。
【0057】
以下に本発明に用いられる油性インクについて説明する。
【0058】
本発明に供される油性インクの溶媒として好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、又は芳香族炭化水素、及びこれらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー;エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール;シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル等を単独あるいは混合して用いる。
【0059】
上記の非水溶媒中に、分散される着色粒子は、色材自身を分散粒子として非水溶媒中に分散させても良いし、定着性を向上させるための分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。
【0060】
色材としては、従来から油性インク組成物あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料及び染料であればどれでも使用可能である。
【0061】
顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定することなく用いることができる。
【0062】
染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましい。
【0063】
これらの顔料及び染料は、単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて使用することも可能であるが、インク全体に対して0.5〜5重量%の範囲で含有されることが望ましい。
【0064】
本発明に供される油性インク中には、前記の着色粒子とともに、印刷後の画像の定着性を向上させるための分散樹脂粒子を含有させることが好ましい。
【0065】
上記の非水溶媒中に、分散される樹脂粒子としては、35℃以下の温度で固体で非水溶媒との親和性のよい疎水性の樹脂の粒子であればよいが、更にそのガラス転移点が−5℃〜110℃もしくは軟化点33℃〜140℃の樹脂(P)が好ましく、より好ましくはガラス転移点10℃〜100℃もしくは軟化点38℃〜120℃であり、さらに好ましくはガラス転移点15℃〜80℃、もしくは軟化点38℃〜100℃である。
【0066】
このようなガラス転移点もしくは軟化点の樹脂を用いることによって、印刷媒体の表面と樹脂粒子との親和性が増し、また、印刷媒体上での樹脂粒子同士の結合が強くなるので、画像部と印刷媒体表面との密着性が向上し、耐コスレ性が向上する。これに対し、ガラス転移点もしくは軟化点が低くなっても高くなっても印刷媒体表面と樹脂粒子の親和性が低下したり、樹脂粒子同士の結合が弱くなってしまう。
【0067】
樹脂(P)の重量平均分子量Mwは、1×103〜1×106であり、好ましくは5×103〜8×105、より好ましくは1×104〜5×105である。
【0068】
このような樹脂(P)として具体的には、オレフィン重合体及び共重合体(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等)、塩化ビニル重合体および共重合体(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等)、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び共重合体、スチレン及びその誘導体の重合体ならびに共重合体(例えばブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体等)、アクリロニトリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキルビニルエーテル共重合体、アクリル酸エステル重合体及び共重合体、メタクリル酸エステル重合体及び共重合体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド共重合体、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカルボキシル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ロジン系樹脂、水素添加ロジン樹脂、石油樹脂、水素添加石油樹脂、マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エステル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共重合体(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジオキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0069】
本発明の油性インクにおける分散された着色粒子および樹脂粒子の合計された含有量は、インク全体の0.5〜20重量%とすることが好ましい。含有量が少なくなると印刷画像濃度が不足したり、インクと印刷媒体表面との親和性が得られ難くくなって強固な画像が得られなくなったりするなどの問題が生じやすくなり、一方、含有量が多くなると均一な分散液が得られにくくなったり、インク吐出手段でのインクの流れが不均一となりやすく、安定なインク吐出が得られにくい等の問題がある。
【0070】
本発明の非水溶媒中に、分散された着色粒子、更には樹脂粒子等を含めて、これらの粒子の平均粒径は0.05μm〜5μmが好ましい。より好ましくは0.1μm〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4μm〜1.0μmの範囲である。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
【0071】
本発明に用いられる非水系分散着色粒子は、従来公知の機械的粉砕方法又は重合造粒方法によって製造することができる。機械的粉砕方法としては、必要に応じて、色剤と樹脂を混合し、溶融、混練を経て従来公知の粉砕機で直接粉砕して、微粒子とし、分散ポリマーを併用して、更に湿式分散機(例えばボールミル・ペイントシェーカー、ケデイミル、ダイノミル等)で分散する方法、着色粒子成分となる色剤材料と、分散補助ポリマー(又は被覆ポリマー)を予め混練して混練物とした後粉砕し、次に分散ポリマーを共存させて分散する方法等が挙げられる。具体的には、塗料又は静電写真用液体現像剤の製造方法を利用することができ、これらについては、例えば、植木憲二監訳「塗料の流動と顔料分散」共立出版(1971年)、ソロモン「塗料の科学」広川書店(1969)、原崎勇次「コーティング工学」朝倉書店(1971年)、原崎勇次「コーティングの基礎科学」槇書店(1977年)等の成書に記載されている。
【0072】
また、重合造粒法により造粒した樹脂粒子を染色により着色し、着色粒子を製造する方法もある。重合造粒法としては、従来公知の非水系分散重合方法が挙げられ、具体的には、室井宗一監修「超微粒子ポリマーの最新技術」第2章CMC出版(1991年)、中村孝一編「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」第3章、(日本科学情報(株)1985年刊)、K. E. J. Barrett「Dispersion Polymerization in Organic Media」 John Wiley(1975年)等の成書に記載されている。
【0073】
通常、分散粒子を非水溶媒中で分散安定化するために、分散ポリマーを併用する。分散ポリマーは非水溶媒に可溶性の繰り返し単位を主成分として含有し、かつ平均分子量が、重量平均分子量Mwで1×103 〜1×106 が好ましく、より好ましくは5×103〜5×105の範囲である。
【0074】
本発明に供される分散ポリマーの好ましい可溶性の繰り返し単位として、下記一般式(1)で示される重合成分が挙げられる。
【0075】
【化1】
Figure 0004253469
【0076】
一般式(I)において、X1 は−COO−、−OCO−又は−O−を表す。
【0077】
Rは、炭素数10〜32のアルキル基又はアルケニル基を表し、好ましくは炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を表し、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、無置換のものが好ましいが、置換基を有していてもよい。
【0078】
具体的には、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレニル基等が挙げられる。
【0079】
a1 及びa2 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、−COO−Z1 又は−CH2 COO−Z1 〔Z1 は、置換されていてもよい炭素数22以下の炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基、アリール基等)を表す〕を表す。
【0080】
Z1 で表される炭化水素基のうち、好ましい炭化水素基としては、炭素数1〜22の置換されてもよいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18の置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレニル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基等)、及び炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオンアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)が挙げられる。
【0081】
分散ポリマーにおいて一般式(I)で示される繰り返し単位とともに、他の繰り返し単位を共重合成分として含有してもよい。他の共重合成分としては、一般式(I)の繰り返し単位に相当する単量体と共重合可能な単量体よりなるものであればいずれの化合物でもよい。
【0082】
分散ポリマーにおける一般式(I)で示される重合体成分の存在割合は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは60重量%以上である。
【0083】
これらの分散ポリマーの具体例としては、実施例で使用されている分散安定用樹脂(Q−1)等が挙げられ、また、市販品(ソルプレン1205、旭化成(株)製)を用いることもできる。
【0084】
分散ポリマーは、前記の樹脂(P)粒子を分散物(ラテックス)等として製造するときには重合に際し予め添加しておくことが好ましい。
【0085】
分散ポリマーの添加量は粒子用樹脂(P)に対し1〜50重量%程度とする。
【0086】
本発明の油性インク中の着色粒子(あるいは色材粒子)及び分散樹脂粒子は、好ましくは正荷電又は負荷電の検電性粒子である。
【0087】
これら粒子に検電性を付与するには、湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用することで達成可能である。具体的には、前記の「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の荷電調節剤などの検電材料及び他の添加剤を用いることで行なわれる。
【0088】
具体的には、例えば、英国特許第893429号、同第934038号、同第1122397号、米国特許第3900412号、同第4606989号、特開昭60−179751号、同60−185963号、特開平2−13965号等に記載されている。
【0089】
上述のような荷電調節剤は、担体液体である分散媒1000重量部に対して0.001〜1.0重量部が好ましい。更に所望により各種添加剤を加えてもよい。
【0090】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、インク用樹脂粒子(PL−1)の製造例について示す。
【0091】
製造例1
樹脂粒子(PL−1)の製造
下記構造の分散安定用樹脂(Q−1)10g、酢酸ビニル100g及びアイソパーH384gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重合開始剤として2,2′−アゾビス(イソバレロニトリル)(略称A.I.V.N.)0.8gを加え、3時間反応した。開始剤を添加して20分後に白濁を生じ、反応温度は88℃まで上昇した。更に、この開始剤0.5gを加え、2時間反応した後、温度を100℃に上げ2時間攪拌し未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メッシュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合率90%で平均粒径0.23μmの単分散性良好なラテックスであった。粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製)で測定した。
【0092】
【化2】
Figure 0004253469
【0093】
上記白色分散物の一部を、遠心分離機(回転数1×104 r.p.m.、回転時間60分)にかけて、沈降した樹脂粒子分を、捕集・乾燥した。樹脂粒子分の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算GPC値)は2×105 、ガラス転移点(Tg)は38℃であった。
【0094】
次に、油性インクを作成した。
〈油性インク(IK−1)〉
ドデシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比;95/5重量比)を10g、ニグロシン10g及びシェルゾール71の30gをガラスビーズとともにペイントシェーカー(東洋精機(株)製)に入れ、4時間分散し、ニグロシンの微小な分散物を得た。
【0095】
インク用樹脂粒子の製造例1の樹脂粒子(PL−1)30g(固体分量として)、上記ニグロシン分散物を20g、FOC−1400(日産化学(株)製、テトラデシルアルコール)15g、及びオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.08gをアイソパーGの1リットルに希釈することにより黒色油性インクを作成した。
【0096】
次に、図1に示す印刷装置の描画装置のインクジェット記録装置に上記のように作成した油性インク(IK−1)2リットルをインクタンクに充填した。ここではインク吐出手段として900dpi、フルラインヘッドを使用した。インク温度管理手段として投げ込みヒータと攪拌羽をインクタンク内に設け、インク温度は30℃に設定し、攪拌羽を30rpmで回転しながらサーモスタットで温度コントロールした。ここで攪拌羽は沈降・凝集防止用の攪拌手段としても使用した。また、インク流路を一部透明とし、それを挟んでLED発光素子と光検知素子を配置し、その出力シグナルによりインクの希釈液(アイソパーG)あるいは濃縮インク(上記IK−1インクの固形分濃度を2倍に調整したもの)投入による濃度管理を行った。印刷媒体としてロール状微コート紙を、対向ドラム上に設け搬送した。粘着ローラにより印刷媒体表面の粉塵除去を行った後、インク吐出手段を描画位置まで印刷媒体に近づけ、印刷すべき画像データを画像データ演算制御部に伝送し、その際、インク吐出手段配列データを参照して各々の画像ドットに対応するインク吐出手段をインク吐出手段選択手段で求め、各インク吐出手段に対し吐出特性テーブルからインク吐出量制御値を決定して描画を行った。対向ドラムの回転により印刷媒体を搬送させながらフルラインマルチチャンネルヘッドから油性インクを吐出して画像を形成した。この結果、各インク吐出手段の飛翔特性のばらつきが補正され、所望の濃度の描画が行われた。
これに対して吐出特性テーブルを備えない印刷装置にあっては、各インク吐出手段の飛翔特性のばらつきがそのまま描画されるので、ドッド同士の重なりが生じ、所望の濃度の描画が行われなかった。
【0097】
さらにキセノンフラッシュ定着装置(ウシオ電機(株)社製、発光強度200J/パルス)による加熱により画像を強固にした。印刷終了後は、インク吐出手段を保護するためにインクジェット記録装置を描画ドラムと近接した位置から50mm退避させた。
【0098】
得られた印刷物は、印刷画像に飛びやカスレや、不測のドットの重なりがなく極めて鮮明で所望の濃度の画像であった。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、画像データの信号に基づき、印刷媒体上に直接画像を形成し、該画像を定着することにより印刷物を作成するインクジェット式印刷方法であって、前記画像データの各々の画像ドットの濃度レベルを記録ドットの大きさに変換して階調記録する画像形成手段を用い、少なくとも親油性成分を含むインクを吐出して、前記印刷媒体に画像を形成するインクジェット式印刷方法において、画像の全部又は一部の複数画像ドットに対し各々の画像ドットと各々のインク吐出手段との対応を示したインク吐出手段配列データを予め作製しておき、このインク吐出手段配列データを参照して各々の画像ドットに対応するインク吐出手段を求め、このインク吐出手段に対応した予め実験的に求めた画像ドット濃度とインク吐出量制御値との吐出特性テーブルを利用して、前記求まった該当するインク吐出手段の各々の画像ドット濃度に対応する記録ドットサイズが得られるように、各々の画像ドットのインク吐出量制御値を決定することにより、インク吐出手段の飛翔特性にばらつきがあっても安価で簡便な方法で画像ドットの濃度が正確な描画を高速で行うことができ、安定した高画質の印刷が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット印刷装置の一例である片面単色の印刷を行なうWeb式装置を模式的に示す全体構成図である。
【図2】本発明のインクジェット印刷装置の描画装置の制御部、インク供給部、インク吐出手段離接機構を含めた描画装置の概略構成例である。
【図3】本発明に用いるインク吐出手段保護カバーの一実施例を模式的に示す構成図である。
【図4】隣接する記録ドットを描画したときに、それぞれ描画するのに用いたインク吐出手段の特性の差によって、記録ドットの重なり方が変化することを示す模式図である。
【図5】インク吐出手段の走査方法と、それに対応するインク吐出手段配列データの1例を示す模式図である。
【図6】インク吐出手段の別の走査方法と、それに対応するインク吐出手段配列データの別の例を示す模式図である。
【図7】本発明において、吐出特性テーブルやドットオーバーラップ補正テーブルを、実験的に求めるときに使用するグレースケール画像の例を示した模式図である。図8(a)はグレースケール画像Aの全体図、(b)は高濃度部、(c)は低濃度部のそれぞれ拡大図である。
【図8】互いに隣接する2つのインク吐出手段を同一行で記録させた場合を示し、図9(a)は両ドッドともに大きくて重なり部分のある高濃度部、(b)および(c)はいずれも一方が大きく、他方が小さなドットで互いに重なる臨界状態の中濃度部、(d)は両ドッドともに小さくて重なり部分のない低濃度部、(e)はグレースケール画像を、それぞれ示している。
【図9】互いに隣接する2つのインク吐出手段を各行で交互に記録させた場合を示し、図10(a)は両ドッドともに大きくて重なり部分のある高濃度部、(b)および(c)はいずれも一方が大きく、他方が小さなドットで互いに重なる臨界状態の中濃度部、(d)は両ドッドともに小さくて重なり部分のない低濃度部、(e)はグレースケール画像を、それぞれ示している。
【図10】隣接する記録ドットの重なり合いの例を示す模式図である。
【図11】吐出特性テーブルを用いてインク吐出量制御値を求める方法の模式図である。
【図12】本発明のインクジェット印刷装置の別の例である片面4色の印刷を行なうWeb式装置を模式的に示す全体構成図である。
【図13】本発明のインクジェット印刷装置の別の例である両面4色印刷装置を模式的に示す全体構成図である。
【図14】本発明のインクジェット印刷装置の別の例である両面4色印刷装置を模式的に示す全体構成図である。
【図15】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であるロール状印刷媒体をカットして、対向ドラムに巻き付け印刷を行なう片面4色印刷装置を模式的に示す全体構成図である。
【図16】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であるシート状印刷媒体を用いた印刷装置を模式的に示す全体構成図である。
【図17】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であるキャップスタンローラによりロール状印刷媒体を挟持して走行させることにより描画を行なう印刷装置を模式的に示す全体構成図である。
【図18】本発明のインクジェット印刷装置の別の例であるキャップスタンローラによりシート状印刷媒体を挟持して走行させることにより描画を行なう印刷装置を模式的に示す全体構成図である。
【符号の説明】
1 印刷媒体供給ロール
2 粘着ローラ
3 インク吐出描画装置
4 対向(描画)ドラム
5 定着装置
6 印刷媒体巻き取りロール
7 自動排出装置
8 カッター
9 自動供給装置
10 キャップスタンローラ
11 アース手段
20 インクジェット記録装置
21 画像データ演算制御部
22 インク吐出手段
221 インク吐出手段保護手段
23 油性インク
24 インク供給部
25 インクタンク
26 インク供給装置
27 攪拌手段
28 インク温度管理手段
29 インク温度制御手段
30 エンコーダー
31 インク吐出手段離接装置
32 インク吐出手段副走査手段
M 印刷媒体

Claims (2)

  1. 画像データの信号に基づき、印刷媒体上に直接画像を形成し、該画像を定着することにより印刷物を作成するインクジェット式印刷方法であって、前記画像データの各々の画像ドットの濃度レベルを記録ドットの大きさに変換して階調記録する画像形成手段を用い、少なくとも親油性成分を含むインクを吐出して、前記印刷媒体に画像を形成するインクジェット式印刷方法において、
    画像の全部又は一部の複数画像ドットに対し各々の画像ドットと各々のインク吐出手段との対応を示したインク吐出手段配列データを予め作製しておき、前記インク吐出手段配列データを用いて各々の画像ドットに対応するインク第1吐出手段を求め、該当するインク第1吐出手段の吐出特性テーブルを使用してインク吐出量制御値を定めるとき、該当画像ドットに隣接する画像ドットに対応するインク第2吐出手段も求め、インク第1吐出手段の吐出特性テーブルと、予め求めたインク第1吐出手段とインク第2吐出手段が記録した記録ドットが隣接する時のドット濃度を入力し、ドット補正濃度を出力するテーブルであり、前記ドット補正濃度が、前記インク第1吐出手段と前記インク第2吐出手段を隣接してオーバーラップ有り又は無しに前記記録ドットを描画したときの濃度差を測定し、測定した濃度差をそれぞれの前記ドット濃度の比率で分配するように算出されたドットオーバーラップ補正テーブルと、を用いて該当画像ドットに対応する記録ドットのインク吐出量制御値を決定することを特徴とするインクジェット式印刷方法。
  2. 画像データの信号に基づき、印刷媒体上に直接画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段で形成された画像を定着して印刷物を得る画像定着手段と、を少なくとも備えたインクジェット式印刷装置であって、該画像形成手段が、画像データの各々の画像ドットの濃度レベルを記録ドットの大きさに変換して階調記録するものであり、かつ少なくとも親油性成分を含むインクを同時又は順次に吐出可能な2個以上のインク吐出手段から吐出させるインクジェット式印刷装置において、
    予め画像の全部又は一部の複数画像ドットに対し各々の画像ドットと各々のインク吐出手段との対応をメモリ内に記憶するインク吐出手段配列データと、このインク吐出手段配列データを参照して各々の画像ドットに対応するインク吐出手段を求めるインク吐出手段選択手段と、各インク吐出手段に対し用意された各インク吐出手段の記録する画像ドット濃度に相当するインク吐出量制御値との関係を予め実験的に求めてメモリに記憶された吐出特性テーブルと、前記インク吐出手段選択手段で選択されたインク吐出手段の記録する目的の大きさの記録ドットに対するインク吐出量制御値をこの吐出特性テーブルを利用して決定するインク吐出量制御値決定手段と、隣接する記録ドットの重なり合いによる記録ドット面積の誤差を修正するドットオーバーラップ補正テーブル、を記憶する第3の記憶装置と、前記ドットオーバーラップ補正テーブルが、予め求めたインク第1吐出手段とインク第2吐出手段が記録した記録ドットが隣接する時のドット濃度を入力し、ドット補正濃度を出力するテーブルであり、前記インク第1吐出手段と前記インク第2吐出手段を隣接してオーバーラップ有り又は無しに前記記録ドットを描画したときの濃度差を測定し、測定した濃度差をそれぞれの前記ドット濃度の比率で分配するように算出された前記ドット補正濃度に基いて、該当画像ドットの濃度を補正する第3の制御演算装置と、を有することを特徴とするインクジェット式印刷装置。
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