JP2001232745A - 製版方法及び製版装置 - Google Patents

製版方法及び製版装置

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JP2001232745A
JP2001232745A JP2000047816A JP2000047816A JP2001232745A JP 2001232745 A JP2001232745 A JP 2001232745A JP 2000047816 A JP2000047816 A JP 2000047816A JP 2000047816 A JP2000047816 A JP 2000047816A JP 2001232745 A JP2001232745 A JP 2001232745A
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plate
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oil
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JP2000047816A
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English (en)
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Yusuke Nakazawa
雄祐 中沢
Sadao Osawa
定男 大澤
Kazuo Ishii
一夫 石井
Eiichi Kato
栄一 加藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル画像データに対応でき、安価かつ高
速で鮮明な画像の印刷物を多数枚印刷できる版材の製版
方法及び製版装置を提供する。 【解決手段】 画像データの信号に基づき、版材9上に
直接画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段で
形成された画像を定着して刷版を得る画像定着手段5
と、を備え、前記画像形成手段が、静電界を利用して油
性インクを吐出ヘッドから吐出させるインクジェット描
画装置2である製版装置1であって、前記吐出ヘッドを
クリーニング液中に浸漬した状態で、前記吐出ヘッドに
電圧を印加することによりクリーニングするクリーニン
グ手段60を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル製版を行
う製版方法及び製版装置に関し、さらに詳細には、油性
インクを使用した製版画質および印刷画質が良好な製版
方法及び製版装置に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷においては、印刷版の表面に画
像原稿に対応して印刷インキ受容性と印刷インキ反発性
の領域を設け、印刷インキをインキ受容性の領域に付着
させて印刷を行う。通常は印刷版の表面に、親水性およ
び親油性(インキ受容性)の領域を画像様に形成し、湿
し水を用いて親水性領域をインキ反発性とする。
【0003】印刷原版への画像の記録(製版)は、一旦
画像原稿をアナログ的またはデジタル的に銀塩写真フィ
ルムに出力し、これを通してジアゾ樹脂や光重合性のフ
ォトポリマー感光材料(印刷原版)を露光し、非画像部
を主にアルカリ性溶液を用いて溶出除去して行うのが一
般的な方法である。
【0004】近年、平版印刷方法において、最近のデジ
タル描画技術の向上と、プロセスの効率化の要求から、
印刷原版上に、直接デジタル画像情報を描画するシステ
ムが数多く提案されている。これは、CTP(Computer
-to-plate )、あるいはDDPP(Digital Direct Pri
nting Plate )と呼ばれる技術である。製版方法として
は、例えばレーザーを用いて、光モードまたは熱モード
で画像を記録するシステムがあり、一部は実用化され始
めている。
【0005】しかし、この製版方法は、光モード、熱モ
ードともに、一般には、レーザー記録後にアルカリ性現
像液で処理して非画像部を溶解除去して製版が行われ、
アルカリ性廃液が排出され、環境保全上好ましくない。
【0006】一方、上記のレーザーを用いる方法は、高
価でかつ大きな装置となってしまうため、安価でかつコ
ンパクトな描画装置であるインクジェット法を応用した
システムが試みられている。
【0007】特開昭64−27953号公報には、親水
性の版材に親油性のワックスインクを使用してインクジ
ェットで描画を行い、製版を行う方法が開示されてい
る。この方法では画像がワックスで形成されるため画像
部の機械的強度が弱く且つ版材親水性表面との密着性が
不足するため耐刷性は低い。
【0008】また、高画質の画像を得るためには、イン
クジェットの吐出状態を良好に保つ必要がある。すなわ
ち、ヘッドを使用するにつれて、インク成分がヘッドに
付着するため、この付着成分を除去する必要がある。従
来、ヘッドのクリーニングは、所定の使用時間を経過し
たとき、若しくは画質が低下したときを目処に実行して
いるため、ヘッドが汚れた状態で使用されることも多
い。また、インク成分によってはインク成分が固着して
しまい、通常のクリーニング手段では除去し難い場合も
多い。この場合、十分にヘッドの汚れを除去することが
でききないため、頻繁にクリーニングを繰り返す必要が
生じるとともに、除去しきれない汚れが堆積し、ヘッド
の老朽化を早める結果となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目してなされたものであり、現像処理が不要なデ
ジタル対応の製版方法及び製版装置を提供するととも
に、安価及び簡便な方法にて、高画質な画像を版材に形
成することができる製版方法及び製版装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の製版方法は、画像データの信号に
基づき、静電界を利用して吐出ヘッドから油性インクを
吐出させる静電式インクジェット方式により、版材上に
直接画像を形成し、該画像を定着して刷版を作成する製
版方法であって、前記吐出ヘッドをクリーニング液中に
浸漬し、前記吐出ヘッドに電圧を印加することにより前
記吐出ヘッドをクリーニングすることを特徴とする。
【0011】請求項2記載の製版方法は、前記油性イン
クが、固有電気抵抗値109Ωcm以上かつ誘電率3.
5以下の非水溶媒中に、少なくとも常温で固体かつ疎水
性の樹脂粒子を分散したものである。
【0012】請求項3記載の製版装置は、画像データの
信号に基づき、版材上に直接画像を形成する画像形成手
段と、該画像形成手段で形成された画像を定着して刷版
を得る画像定着手段と、を備え、前記画像形成手段が、
静電界を利用して油性インクを吐出ヘッドから吐出させ
るインクジェット描画装置である製版装置であって、前
記吐出ヘッドをクリーニング液中に浸漬した状態で、前
記吐出ヘッドに電圧を印加することによりクリーニング
するクリーニング手段を備えたことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の製版装置は、前記油性イン
クが、固有電気抵抗値109Ωcm以上かつ誘電率3.
5以下の非水溶媒中に、少なくとも常温で固体かつ疎水
性の樹脂粒子を分散したものである。
【0014】請求項5記載の製版装置は、前記画像定着
手段が、ヒートローラ及び/又は赤外線ランプ、ハロゲ
ンランプ若しくはキセノンフラッシュランプを用いた加
熱手段を有する。
【0015】請求項6記載の製版装置は、前記加熱手段
が、前記画像を定着するときに、前記版材の温度を徐々
に昇温するように配置及び/又は制御される。
【0016】請求項7記載の製版装置は、前記版材への
描画時に、前記版材が装着されたドラムを回転すること
により主走査を行う。
【0017】請求項8記載の製版装置は、前記吐出ヘッ
ドが、シングルチャンネルヘッド又はマルチチャンネル
ヘッドからなり、前記ドラムの軸方向に前記吐出ヘッド
を移動することにより副走査を行う。
【0018】請求項9記載の製版装置は、前記版材への
描画時に、少なくとも一対のキャプスタンローラにより
前記版材を挟持して走行させることにより副走査を行
う。
【0019】請求項10記載の製版装置は、前記吐出ヘ
ッドが、シングルチャンネルヘッド又はマルチチャンネ
ルヘッドからなり、前記版材の走行方向と直交する方向
に前記吐出ヘッドを移動することにより主走査を行う。
【0020】請求項11記載の製版装置は、前記吐出ヘ
ッドが、前記版材の幅と略同じ長さを有するフルライン
ヘッドからなる。
【0021】請求項12記載の製版装置は、前記インク
ジェット描画装置が、前記吐出ヘッドに前記油性インク
を供給するインク供給手段を有する。
【0022】請求項13記載の製版装置は、前記吐出ヘ
ッドから前記油性インクを回収するインク回収手段を有
し、インク循環を行う。
【0023】請求項14記載の製版装置は、前記版材へ
の描画前及び/又は描画中に、前記版材表面に存在する
埃を除去する埃除去手段を有する。
【0024】請求項15記載の製版装置は、前記インク
ジェット描画装置が、前記油性インクを格納するインク
タンク内の前記油性インクを攪拌する攪拌手段を有す
る。
【0025】請求項16記載の製版装置は、前記インク
ジェット描画装置が、前記油性インクを格納するインク
タンク内の前記油性インクの温度を管理するインク温度
管理手段を有する。
【0026】請求項17記載の製版装置は、前記インク
ジェット描画装置が、前記油性インクの濃度を制御する
インク濃度制御手段を有する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、版材(印刷原版)上に、
油性インクを静電界によって吐出するインクジェット法
で画像を形成することを特徴とする。
【0028】本発明においては吐出したインク滴の大き
さは吐出電極先端部の大きさあるいは電界形成条件によ
って決まる。このため、小さな吐出電極を用いるかある
いは電界形成条件を調整することにより、吐出ノズル
径、あるいは吐出スリット幅を小さくすることなく、小
さなインク滴が得られる。したがって、ヘッドのインク
詰まりの問題なしに、微小な画像のコントロールが可能
であり、鮮明な画像の印刷物が多数枚印刷可能な刷版が
得られる製版方法及び製版装置を本発明は提供する。
【0029】本発明の製版方法を実施するのに用いられ
る製版装置の構成例を以下に示す。図1及び図2は、製
版装置の全体構成図である。図3は製版装置の制御部、
インク供給部、ヘッド離接機構を含めた描画部の概略構
成例である。また、図4〜図10は、図1及び図2の製
版装置が具備するインクジェット描画装置を説明するた
めのものである。また、図11及び図12は、本発明に
係わるクリーニング手段を説明するためのものである。
【0030】まず、図1に示すように版材を描画ドラム
11に装着した構造を有する製版装置の全体構成図を用
いて本発明による製版工程について説明する。ただし本
発明は以下の構成例に限定されるものではない。
【0031】ドラム11は、通常、アルミニウム、ステ
ンレスや鉄などの金属、プラスチック、硝子等で形成さ
れる。特に金属製ドラムの場合にはその表面は耐摩耗性
や防錆性を強化するために例えばアルマイト処理やクロ
ムメッキが施されていることが多い。ドラム11は後述
のようにその表面に断熱材を有してもよい。また、ドラ
ム11は静電界吐出において、吐出ヘッド電極の対極と
してアース機能を有することが好ましい。一方、版材の
基体の絶縁性が高い場合には基体上に導電層を設けるこ
とが好ましく、この場合にはこの導電層にアースを取る
手段を設けることが望ましい。さらに前述のようにドラ
ム11上に断熱材を設ける場合にも、版材にアースを取
る手段を設けることにより描画は容易になる。この場合
には公知の導電性を有するブラシ、板バネ、ローラ等の
手段を使用できる。
【0032】さらに、製版装置1はインクジェット描画
装置2を有し、これにより、画像データ演算制御部21
より送られてくる画像データに対応して、ドラム11上
に装着された版材9上に油性インクを吐出し画像を形成
する。
【0033】また、製版装置1は、版材9上に描画され
た油性インク画像を強固にするための定着装置5を有す
る。版材9表面の親水性強化の目的で必要に応じて用い
る版面不感脂化装置6を設置してもよい。また、製版装
置1は、版材9への描画前及び/又は描画中に版材9表
面に存在する埃を除去する埃除去手段10を有する。こ
れにより、製版中にヘッドと版材の間に入った埃を伝っ
てインクが版材9上に付着することを有効に防止し、良
好な製版が行われる。埃除去手段10としては公知の吸
引除去、吹き飛ばし除去、静電除去等の非接触法の他、
ブラシ、ローラー等による接触法が使用でき、本発明で
は望ましくはエアー吸引、またはエアーによる吹き飛ば
しのいずれか、あるいはそれらを組み合わせて使用する
ことができる。また、製版装置1は本発明によるクリー
ニング手段60を有し、吐出ヘッドのクリーニングを行
う。クリーニング手段60については後述する。
【0034】さらに、版材9をドラム11上に自動的に
供給する自動給版装置7、および描画終了後の版材9を
ドラム11上から自動的に取り除く自動排版装置8を設
置してもよい。自動給版装置7及び自動排版装置8を用
いることで、製版操作がより簡便となり、また製版時間
の短縮が図られることから、本発明の効果をより一層高
められる。
【0035】図1、及び一部図3を参照して製版装置1
による刷版の作成工程を以下に説明する。
【0036】まず、ドラム11に自動給版装置7を用い
て版材9を装着する。この時、公知の版頭/尻くわえ装
置、エア吸引装置などによる機械的方法、あるいは静電
的な方法等により版材9はドラム11上に密着固定さ
れ、これにより版尻がばたついて描画時にインクジェッ
ト描画装置2に接触し破損する事を防止できる。またイ
ンクジェット描画装置2の描画位置周辺のみで版材9を
ドラム11に密着させる手段を配し、少なくとも描画を
行う時にはこれを作用させることによって版材9がイン
クジェット描画装置2に接触する事を防止することもで
きる。具体的には例えばドラム11上の描画位置の上
流、及び下流に押さえローラを配する等の方法がある。
さらに描画を行わない場合には、ヘッドを版材から離し
ておくことが望ましく、それによってインクジェット描
画装置2に接触破損等の不具合が発生することを有効に
防止できる。
【0037】画像データ演算制御部21は、画像スキャ
ナ、磁気ディスク装置、画像データ伝送装置等からの画
像データを受け、必要に応じて色分解を行うと共に、分
解されたデータに対して適当な画素数、階調数に分割演
算する。さらに、インクジェット描画装置2が有するイ
ンクジェット吐出ヘッド22(図3参照、後に詳述す
る。)を用いて油性インク画像を網点化して描くため
に、網点面積率の演算も行う。また、後述するように、
画像データ演算制御部21は、インクジェット吐出ヘッ
ド22の移動、油性インクの吐出タイミングを制御する
と共に、必要に応じてドラム11等の動作タイミングの
制御も行う。画像データ演算制御部21に入力された演
算データは一旦バッファに格納される。画像データ演算
制御部21は、ドラム11を回転させ、吐出ヘッド22
をヘッド離接装置31によりドラム11と近接された位
置に近づける。吐出ヘッド22とドラム11上の版材9
表面との距離は、付き当てローラのような機械的距離制
御、あるいは光学的距離検出器からの信号によるヘッド
離接装置の制御により、描画中、所定距離に制御され
る。かかる距離制御により、版材の浮きなどによりドッ
ト径が不均一になったり、特に製版機に振動が加わった
際などにもドット径が変化したりせず、良好な製版を行
うことができる。
【0038】吐出ヘッド22としてはシングルチャンネ
ルヘッド、マルチチャンネルヘッド、あるいはフルライ
ンヘッドを使用することができ、ドラム11の回転によ
り主走査を行う。複数の吐出部を有するマルチチャンネ
ルヘッド、あるいはフルラインヘッドの場合には吐出部
の配列方向はドラム11の軸方向に設定する。さらにシ
ングルチャンネルヘッドあるいはマルチチャンネルヘッ
ドの場合には、画像データ演算制御部21によりドラム
11一回転毎に吐出ヘッド22をドラム11の軸方向に
移動して、上記演算により得られた吐出位置および網点
面積率で油性インクをドラム11に装着した版材9に吐
出する。これにより、版材9には、印刷原稿の濃淡に応
じた網点画像が油性インクで描画される。この動作は、
版材9上に印刷原稿一色分の油性インク画像が形成され
刷版ができあがるまで続く。一方、吐出ヘッド22がド
ラム11の幅と略同じ長さを有するフルラインヘッドで
ある場合には、ドラム11が一回転することによって版
材9上に印刷原稿一色分の油性インク画像が形成され刷
版ができあがる。この様にドラム11の回転により主走
査を行うことにより、主走査方向の位置精度を高め、高
速描画を行うことができる。
【0039】ついで吐出ヘッド22を保護するために吐
出ヘッド22は、ドラム11と近接された位置から離れ
るように退避させられる。この離接手段は描画時以外は
吐出ヘッドをドラムに対し少なくとも500μm以上離
すように動作する。離接動作はスライド式にしても良い
し、ある軸に固定されたアームで吐出ヘッド22を固定
し、軸まわりにアームを動かし振り子状に移動しても良
い。このように非描画時に吐出ヘッド22を退避させる
ことにより、吐出ヘッド22を物理的破損あるいは汚染
から保護し、長寿命化を達成する事が出来る。
【0040】また、形成された油性インク画像は、定着
装置5により強化される。インクの定着手段としては、
加熱定着、溶媒定着などの公知の手段が使用できる。加
熱定着では赤外線ランプ、ハロゲンランプやキセノンフ
ラッシュランプ照射、あるいはヒーターを利用した熱風
定着、ヒートロール定着が一般的である。この場合には
定着性を高めるために、ドラムを加熱しておく、版材9
を予め加熱しておく、熱風を当てながら描画を行う、ド
ラム11を断熱材でコートする、定着時にはドラム11
から版材9を離して、版材9のみを加熱する、等の手段
を単独、あるいは組み合わせてとることが有効である。
キセノンランプ等を使用してのフラッシュ定着は電子写
真トナーの定着法として公知であり、定着を短時間に行
えるという利点がある。また紙版材を用いた場合には、
急激な温度上昇により版材内部の水分が急激に蒸発し、
版材表面に凹凸が発生するブリスターと呼ばれる現象が
生じるため、紙版材が徐々に昇温するように、ドラム1
1を回転させながら熱源への電力供給を徐々に高めるこ
とや、電力供給一定で回転速度を高速から低速へと変化
させることが好ましい。またドラム11の回転方向に複
数個の定着器を配置し、それらの版材9までの距離及び
/又は供給電力を変えることにより、紙版材が徐々に昇
温するようにしても良い。
【0041】溶媒定着ではメタノール、酢酸エチル等の
インク中の樹脂成分を溶解しうる溶媒を噴霧または蒸気
の暴露をし、余分な溶媒蒸気は回収する。なお、少なく
とも吐出ヘッド22による油性インク画像形成から、定
着装置5による定着までの行程では、版材9上の画像に
は何物も接触しないように保たれることが望ましい。
【0042】また、版材9を走行させることにより副走
査を行う製版装置の構成例を図2を用いて説明する。た
だし本発明は以下の構成例に限定されるものではない。
【0043】版材9は、2対のキャップスタンローラ1
2により挟持搬送され、画像データ演算制御部21によ
り適当な画素数、階調数に分割演算されたデータを用い
てインクジェット描画装置2により描画される。インク
ジェット描画装置2により描画がなされる部位では、静
電界吐出において、吐出ヘッド電極の対極となるための
アース手段13が設けられることが好ましく、これによ
り描画は容易になる。一方、版材9の基体の絶縁性が高
い場合には基体上に導電層を設けることが好ましく、こ
の場合には公知の導電性を有するブラシ、板バネ、ロー
ラ等の手段によりこの導電層にアースを取ることが望ま
しい。
【0044】また図2ではシート版材を用いる装置を示
しているが、ロール版材も好適に使用され、この場合に
は自動排版装置の上流に、シートカッターを具備するこ
とが望ましい。
【0045】また、製版装置1は、版材9上に描画され
た油性インク画像を強固にするための定着装置5を有す
る。また版材9表面の親水性強化の目的で必要に応じて
用いる版面不感脂化装置6を設置してもよい。また、製
版装置1は、版材9への描面前及び/又は描画中に版材
表面に存在する埃を除去する埃除去手段10を有する。
これにより、製版中に吐出ヘッドと版材の間に入った埃
を伝ってインクが版材上に付着することを有効に防止
し、良好な製版が行われる。埃除去手段10としては公
知の吸引除去、吹き飛ばし除去、静電除去等の非接触法
の他、ブラシ、ローラー等による接触法が使用でき、本
発明では望ましくはエアー吸引、またはエアーによる吹
き飛ばしのいずれか、あるいはそれらを組み合わせて使
用することができる。
【0046】さらに、版材9を自動的に供給する自動給
版装置7、および描画終了後の版材9を自動的に取り除
く自動排版装置8を設置する事が好ましい。自動給版装
置7及び自動排版装置8を用いることで、製版操作がよ
り簡便となり、また製版時間の短縮が図られることか
ら、本発明の効果をより一層高められる。
【0047】図2、及び一部図3を参照して製版装置1
による刷版の作成工程を以下に更に詳細に説明する。
【0048】まず、自動給版装置7及びキャップスタン
ローラ12を用いて版材9を搬送する。この時、必要に
応じて、図示されない版材ガイド手段等を設けることに
より、版材の版頭/尻がばたついてインクジェット描画
装置2に接触し破損する事を防止できる。またインクジ
ェット描画装置2の描画位置周辺のみで版材9が弛まな
いようにする手段を配し、少なくとも描画を行う時には
これを作用させることによって版材9がインクジェット
描画装置2に接触する事を防止することもできる。具体
的には例えば描画位置の上流、及び下流に押さえローラ
を配する等の方法がある。さらに描画を行わない場合に
は、吐出ヘッドを版材9から離しておくことが望まし
く、それによってインクジェット描画装置2に接触破損
等の不具合が発生することを有効に防止できる。
【0049】磁気ディスク装置等からの画像データは、
画像データ演算制御部21に与えられ、画像データ演算
制御部21は、入力画像データに応じて油性インクの吐
出位置、その位置における網点面積率の演算を行う。こ
れらの演算データは一旦バッファに格納される。画像デ
ータ演算制御部21は、吐出ヘッド22の移動、油性イ
ンクの吐出タイミング制御、キャップスタンローラの動
作タイミング制御を行うと共に、必要に応じて吐出ヘッ
ド22をヘッド離接装置31により版材9と近接された
位置に近づける。吐出ヘッド22と版材9表面との距離
は、付き当てローラのような機械的距離制御、あるいは
光学的距離検出器からの信号によるヘッド離接装置の制
御により、描画中、所定距離に保たれる。かかる距離制
御により、版材の浮きなどによりドット径が不均一にな
ったり、特に製版機に振動が加わった際などにもドット
径が変化したりせず、良好な製版を行うことができる。
【0050】吐出ヘッド22としてはシングルチャンネ
ルヘッド、マルチチャンネルヘッド、あるいはフルライ
ンヘッドを使用することができ、版材9の搬送により副
走査を行う。複数の吐出部を有するマルチチャンネルヘ
ッドの場合には吐出部の配列方向を版材の走行方向と略
平行に設定する。さらにシングルチャンネルヘッドある
いはマルチチャンネルヘッドの場合には、画像データ演
算制御部21により版材移動毎に吐出ヘッド22を版材
9の走行方向と直交方向に移動して、上記演算により得
られた吐出位置および網点面積率で油性インクを版材9
に吐出する。これにより、版材9には、印刷原稿の濃淡
に応じた網点画像が油性インクで描画される。この動作
は、版材9上に印刷原稿一色分の油性インク画像が形成
され刷版ができあがるまで続く。一方、吐出ヘッド22
が版材9の幅と略同じ長さを有するフルラインヘッドで
ある場合には、吐出部の配列方向を版材の走行方向と略
直交する方向に設定し、版材9が描画部を通過すること
によって版材9上に印刷原稿一色分の油性インク画像が
形成され刷版ができあがる。
【0051】吐出ヘッド22を保護するために吐出ヘッ
ド22は、版材9と近接された位置から離れるように退
避させられることが好ましい。この離接手段は描画時以
外は吐出ヘッドを版材9に対し少なくとも500μm以
上離すように動作する。離接動作はスライド式にしても
良いし、ある軸に固定されたアームで吐出ヘッドを固定
し、軸まわりにアームを動かし振り子状に移動しても良
い。このように非描画時に吐出ヘッドを退避させること
により、吐出ヘッドを物理的破損あるいは汚染から保護
し、長寿命化を達成する事が出来る。
【0052】また、形成された油性インク画像は、定着
装置5により強化される。インクの定着手段としては、
加熱定着、溶媒定着などの公知の手段が使用できる。加
熱定着では赤外線ランプ、ハロゲンランプやキセノンフ
ラッシュランプ照射、あるいはヒーターを利用した熱風
定着、ヒートロール定着が一般的である。キセノンラン
プ等を使用してのフラッシュ定着は電子写真トナーの定
着法として公知であり、定着を短時間に行えるという利
点がある。また紙版材を用いた場合には、急激な温度上
昇により版材内部の水分が急激に蒸発し、版材表面に凹
凸が発生するブリスターと呼ばれる現象が生じるため、
複数の定着器を配置し、紙版材が徐々に昇温するよう
に、電力供給及び/又は定着器の版材9までの距離を変
えることが、版材9のブリスターを防止する上で好まし
い。
【0053】溶媒定着ではメタノール、酢酸エチル等の
インク中の樹脂成分を溶解しうる溶媒を噴務または蒸気
の暴露をし、余分な溶媒蒸気は回収する。なお、少なく
とも吐出ヘッド22による油性インク画像形成から、定
着装置5による定着までの行程では、版材9上の画像に
は何物も接触しないように保たれることが望ましい。
【0054】得られた印刷版は、公知の平版印刷方法に
より印刷される。すなわち、この油性インク画像が形成
された刷版を印刷機に装着し、印刷インキおよび湿し水
を与え印刷インキ画像を形成し、この印刷インキ画像を
版胴と共に回転しているブランケット胴上に転写し、つ
いでブランケット胴と圧胴との間を通過する印刷用紙上
にブランケット胴上の印刷インキ画像を転移させること
で一色分の印刷が行われる。印刷終了後の刷版は、版胴
から取り除かれ、ブランケット胴上のブランケットはブ
ランケット洗浄装置により洗浄され、次の印刷可能な状
態となる。
【0055】次に、インクジェット描画装置2について
説明する。図3に示されるように、製版装置に使用され
るインクジェット描画装置2は、インクジェット吐出ヘ
ッド22、インク供給部24からなる。インク供給部2
4はさらにインクタンク25、インク供給装置26、イ
ンク濃度制御手段29を有し、インクタンク25内には
撹拌手段27、インク温度管理手段28を含む。インク
は吐出ヘッド22内で循環させてもよく、この場合、イ
ンク供給部24は回収循環機能も有する。撹拌手段27
はインクの固形成分の沈殿・凝集を抑制し、インクタン
ク25の清掃の必要性が低減される。撹拌手段27とし
ては回転羽、超音波振動子、循環ポンプが使用でき、こ
れらの中から、あるいは組み合わせて使用される。イン
ク温度管理手段28は、周りの温度変化によりインクの
物性が変化し、ドット径が変化したりすることなく高画
質な画像が安定して形成できる様に配置される。インク
の温度制御手段としてはインクタンク25内にヒータ
ー、ペルチェ素子などの発熱素子、あるいは冷却素子
を、インクタンク25内の温度分布を一定にするように
撹拌手段27と共に配し、温度センサ、例えばサーモス
タット等により制御するなど公知の方法が使用できる。
なおインクタンク27内のインク温度は15℃以上60
℃以下が望ましく、より好ましくは20℃以上50℃以
下である。またインクタンク25内の温度分布を一定に
保つ攪拌手段はインクの固形成分の沈殿・凝集の抑制を
目的とする撹拌手段と共用しても良い。
【0056】また本製版装置では高画質な描画を行うた
めインク濃度制御手段29を有することが好ましい。こ
れによりインク中の固形分濃度の低下による版上での滲
みの発生や印刷画像の飛びやカスレ、あるいは固形分濃
度の上昇による版上のドット径の変化などを有効に抑制
することができる。インク濃度は光学的検出、電導度測
定、粘度測定などの物性測定、あるいは描画枚数による
管理等により行う。物性測定による管理を行う場合には
インクタンク25内、あるいはインク流路内に、光学検
出器、電導度測定器、粘度測定器を単独、あるいはそれ
らを組み合わせて設け、その出力信号により、また描画
枚数による管理を行う場合には、製版枚数、及び頻度に
よりインクタンク25ヘ図示されない補給用濃縮インク
タンクあるいは希釈用インクキャリアタンクからの液供
給を制御する。
【0057】画像データ演算制御部21は前述のよう
に、入力画像データの演算、またヘッド離接装置31、
あるいはヘッド副走査手段32により吐出ヘッド22の
移動を行うほかに、ドラム11或いはキャップスタンロ
ーラに設置したエンコーダー30からのタイミングパル
スを取り込み、そのタイミングパルスに従って、吐出ヘ
ッド22の駆動をおこなう。これにより、位置精度を高
められる。
【0058】次に、吐出ヘッド22について図4〜図1
0を使用して説明する。但し、本発明の内容は以下に限
定されるものではない。
【0059】図4、図5はインクジェット描画装置に備
えられている吐出ヘッドの一例である。吐出ヘッド22
は、絶縁性基材からなる上部ユニット221と下部ユニ
ット222とで挟まれたスリットを有し、その先端は吐
出スリット22aとなっており、スリット内には吐出電
極22bが配置され、インク供給装置から供給されたイ
ンク23がスリット内に満たされた状態になっている。
絶縁性基材としてはたとえば、プラスチック、ガラス、
セラミックスなどが適用できる。また吐出電極22b
は、絶縁性基材からなる下部ユニット222上にアルミ
ニウム、ニッケル、クロム、金、白金などの導電性材料
を真空蒸着、スパッタ、あるいは無電界メッキを行い、
この上にフォトレジストを塗布し、所定の電極パターン
のマスクを介してフォトレジストを露光し、現像して吐
出電極22bのフォトレジストパターンを形成したの
ち、これをエッチングする方法もしくは機械的に除去す
る方法、あるいはそれらを組み合わせた方法など公知の
方法により形成される。
【0060】吐出ヘッド22では、画像のパターン情報
のデジタル信号に従って、吐出電極22bに電圧が印加
される。図4に示されるように、吐出電極22bに対向
する形で対向電極となるドラム11が設置されており、
対向電極となるドラム11上には版材9が設けられてい
る。電圧の印加により、吐出電極22bと、対向電極と
なるドラム11との間には回路が形成され、ヘッド22
の吐出スリット22aから油性インク23が吐出され対
向電極となるドラム11上に設けられた版材9上に画像
が形成される。
【0061】吐出電極22bの幅は、高画質の画像形成
を行うためにその先端はできるだけ細いことが好まし
い。具体的な数値は印加電圧、インク物性等の条件によ
って異なるが、通常5〜100μmの先端幅の範囲で用
いられる。例えば先端が20μm幅の吐出電極22bを
用い、吐出電極22bと対向電極となるドラム11の間
隔を1.0mmとして、この電極間に3KVの電圧を
0.1ミリ秒印加することで40μmのドットを版材9
上に形成することができる。
【0062】さらに図6、図7はそれぞれ、他の吐出ヘ
ッドの例のインク吐出部近傍の断面概略図、前面概略図
を示すものである。図中22は吐出ヘッドで、この吐出
ヘッド22は漸減形状をした第1の絶縁性基材33を有
している。上記第1の絶縁性基材33には第2の絶縁性
基材34が離間対向して設けられ、この第2の絶縁性基
材34の先端部には斜面部35が形成されている。上記
第1、第2の絶縁性基材はたとえば、プラスチック、ガ
ラス、セラミックスなどで形成されている。上記第2の
絶縁性基材34の斜面部35と鋭角をなす上面部36に
は吐出部に静電界を形成する静電界形成手段として複数
の吐出電極22bが設けられている。これら複数の吐出
電極22bの先端部は上記上面部36の先端近傍まで延
長され、かつ、その先端部は上記第1の絶縁性基材33
よりも前方に突き出され吐出部を形成している。上記第
1および第2の絶縁性基材33、34間には前記吐出部
へのインク23の供給手段としてインク流入路37が形
成され、前記第2の絶縁性基材34の下部側にはインク
回収路38が形成されている。上記吐出電極22bは、
第2の絶縁性基材34上にアルミニウム、ニッケル、ク
ロム、金、白金などの導電性材料を用い、前述と同様、
公知の方法により形成される。個々の電極22bは電気
的には互いに絶縁状態となるように構成されている。
【0063】吐出電極22bの先端が絶縁性基材33の
先端より突き出す量は2mm以下が好ましい。この突き
出し量が上記範囲にて好ましい理由は、突き出し量が大
きすぎるとインクメニスカスが吐出部先端まで届かず、
吐出し難くなったり、記録周波数が低下するためであ
る。また上記第1および第2の絶縁性基材33、34間
のスペースは0.1〜3mmの範囲が好ましい。このス
ペースが上記範囲にて好ましい理由は、スペースが狭す
ぎるとインクの供給がしにくくなり吐出し難くなった
り、記録周波数が低下したりするためであり、スペース
が広すぎるとメニスカスが安定せず吐出が不安定になる
ためである。
【0064】上記吐出電極22bは画像データ演算制御
部21に接続され、記録を行う際には画像情報に基づき
吐出電極に電圧印加を行うことにより該吐出電極上のイ
ンクが吐出し、吐出部と対向配置された図示されない版
材上に描画が行われる。上記インク流入路37のインク
滴吐出方向と逆方向は、図示しないインク供給装置の送
インク手段に接続されている。上記第2の絶縁性基材3
4の吐出電極形成面の反対面にはバッキング39が離間
対向して設けられ、両者間にはインク回収路38が設け
られている。前記インク回収路38のスペースは0.1
mm以上が望ましい。このスペースが上記範囲にて好ま
しい理由は、スペースが狭すぎるとインクの回収がし難
くなり、インク漏れを起こしたりするためである。また
前記インク回収路38は図示しないインク供給装置のイ
ンク回収手段に接続されている。
【0065】吐出部上での均一なインクフローを必要と
する場合には吐出部と前記インク回収部の間に溝40を
設けてもよい。図7は吐出ヘッドのインク吐出部近傍の
前面概略図を示しているが、第2の絶縁性基材34の斜
面には吐出電極22bとの境界近傍からインク回収路3
8に向かって複数の溝40が設けられている。この溝4
0は、上記吐出電極22bの配列方向に複数並んでお
り、吐出電極22b側の開口部から、その開口経に応じ
た毛細管力により一定量の吐出電極先端近傍のインクを
導き、導かれたインクをインク回収路38に排出する機
能を有する。このため、吐出電極先端近傍に一定の液厚
を有するインクフローを形成する機能を有している。溝
40の形状は毛細管力が働く範囲であればよいが、特に
望ましくは幅は10〜200μm、深さは10〜300
μmの範囲である。また溝40は吐出ヘッド全面にわた
って均一なインクフローを形成できるように必要数設け
られる。
【0066】吐出電極22bの幅は、高画質の画像形成
を行うためにその先端はできるだけ細いことが好まし
い。具体的な数値は、印加電圧、インク物性等の条件に
よって異なるが、通常5〜100μmの先端幅の範囲で
用いられる。
【0067】また本発明を実施するのに用いられる吐出
ヘッドの他の例を図8から図9に示す。図8は説明のた
めヘッドの一部分のみを示した概略図である、吐出ヘッ
ド22は図8に示すようにプラスチック、セラミック、
ガラス等の絶縁性材料から作成されたヘッド本体41と
メニスカス規制板42、42′からなる。図中、22b
は吐出部に静電界を形成するために電圧印加を行う吐出
電極である。さらに吐出ヘッド22から規制板42、4
2′を取り除いた図9によりヘッド本体について詳述す
る。
【0068】ヘッド本体41にはヘッド本体のエッジに
垂直に、インクを循環させるためのインク溝43が複数
設けてある。このインク溝43の形状は均一なインクフ
ローを形成できるように毛細管力が働く範囲に設定され
ていればよいが、特に望ましくは幅は10〜200μ
m、深さは10〜300μmである。インク溝43の内
部には吐出電極22bが設けられている。この吐出電極
22bは、絶縁性材料からなるヘッド本体40上にアル
ミニウム、ニッケル、クロム、金、白金などの導電性材
料を使って、上述の装置実施例の場合と同様な公知の方
法により、インク溝43内全面に配置してもよいし、一
部分のみに形成してもよい。なお吐出電極間は電気的に
隔離されている。隣り合う2つのインク溝は1つのセル
を形成し、その中心にある隔壁44の先端部には吐出部
45,45′を設けている。吐出部45,45′では隔
壁は他の隔壁部分44に比べ薄くなっており、尖鋭化さ
れている。このようなヘッド本体は絶縁性材料ブロック
の機械加工、エッチング、あるいはモールディング等公
知の方法により作成される。吐出部での隔壁の厚さは望
ましくは5〜100μmであり、尖鋭化された先端の曲
率半径は5〜50μmの範囲であることが望ましい。な
お吐出部は45′の様に先端をわずかに面取りされてい
てもよい。図中には2つのセルのみを示しているが、セ
ルの間は隔壁46で仕切られ、その先端部47は吐出部
45,45′よりも引っ込むように面取りされている。
この吐出ヘッドに対し、図示されないインク供給装置の
送インク手段によりI方向からインク溝を通してインク
を流し、吐出部にインクを供給する。さらに図示されな
いインク回収手段により余剰なインクはO方向に回収さ
れ、その結果、吐出部には常時、新鮮なインクが供給さ
れる。この状態で、吐出部に対向する形で設けられ、そ
の表面に版材を保持した図示されないドラムに対して吐
出電極に画像情報に応じて電圧印加することにより、吐
出部からインクが吐出され版材上に画像が形成される。
【0069】さらに吐出ヘッドの他の実施例について図
10を用いて説明する。図10に示すように、吐出ヘッ
ド22は、略矩形板状の一対の支持部材50、50′を
有している。これらの支持部材50、50′は、絶縁性
を有する1〜10mmの厚さの板状のプラスチック、ガ
ラス、セラミック等から形成され、それぞれの一方の面
には、記録解像度に応じて互いに平行に延びた複数の矩
形の溝51,51′が形成されている、各溝51、5
1′は、幅10〜200μm、深さ10〜300μmの
範囲であることが望ましく、その内部全体あるいは一部
に吐出電極22bが形成されている。このように、支持
部材50、50′の一面に複数の構51、51′を形成
することにより、各構51の間には、複数の矩形の隔壁
52が必然的に設けられる。各支持部材50、50′
は、溝51、51′を形成していない面を対向させるよ
うに組合わされる。つまり、吐出ヘッド22は、その外
周面上にインクを流通させるための複数の溝を有する。
各支持部材50、50′に形成された溝51、51′
は、吐出ヘッド22の矩形部分54を介して1対1に対
応して連結され、各溝が連結された矩形部分54は、吐
出ヘッド22の上端53より所定距離(50〜500μ
m)だけ後退している。つまり、各矩形部分54の両側
には、各支持部材50、50′の各隔壁52の上端55
が矩形部分54より突出するように設けられている。そ
して、各矩形部分54から、前述したような絶縁性材料
からなるガイド突起56が突出されて設けられ吐出部を
形成している。
【0070】上記のように構成された吐出ヘッド22に
インクを循環させる場合、一方の支持部材50の外周面
に形成された各溝51を介して各矩形部分54にインク
を供給し、反対側の支持部材50′に形成された各溝5
1′を介して排出する。この場合、円滑なインクの流通
を可能とするため、吐出ヘッド22を所定角度で傾斜さ
せている。つまり、インクの供給側(支持部材50)が
上方に位置し、インクの排出側(支持部材50′)が下
方に位置するように吐出ヘッド22が傾斜されている。
このように、吐出ヘッド22にインクを循環させると、
各矩形部分54を通過するインクが各突起56に沿って
濡れ上がり、矩形部分54、突起56の近くにインクメ
ニスカスが形成される。そして、各矩形部分54にてそ
れぞれ独立したインクメニスカスが形成された状態で、
吐出部に対向する形で設けられ、その表面に版材を保持
した図示されないドラムに対して吐出電極22bに画像
情報に基づき電圧を印加することにより、吐出部からイ
ンクが吐出され版材上に画像が形成される。尚、各支持
部材50、50′の外周面上に溝を覆うカバーを設ける
ことにより、各支持部材50、50′の外周面に沿った
パイプ状のインク流路を形成し、このインク流路により
インクを強制的に循環させてもよい。この場合、吐出ヘ
ッド22を傾斜させる必要はない。
【0071】図4〜図10で上述した吐出ヘッド22
は、図11に示す本発明のクリーニング手段60を備え
る。クリーニング手段60は、図示のない搬送機構が吐
出ヘッド22をこのクリーニング手段60まで搬送した
後、少なくとも吐出ヘッド22の吐出先端部をクリーニ
ング液57中に浸漬し、該吐出ヘッド22の吐出電極に
インク中の固体荷電成分と同極性の電圧を電源59から
導線591を介して印加し、電源59の他方の導線59
2をクリーニング液入れ58の金属製シャーシに接続し
ている。このように接続することにより、該固体荷電成
分は吐出電極より反発され強力に除去されることとな
る。この場合、印加される電圧は交流電圧でも良く、ま
た固体荷電成分と同極性の電圧に交流電圧を重畳しても
良い。特に、交流電圧を重畳した場合には、固体荷電成
分の振動が起こり、クリーニング効果が高められる。ま
た、電圧印加と共に超音波を印加することによって、一
層効果は高められる。クリーニング液としては,前記吐
出ヘッドを侵さないものなら何でも良いが、このような
液体としては、アルコール、インク溶媒あるいはインク
自身が好適に使用される。
【0072】図12は、図11のクリーニング手段60
の動作を説明するためのフローチャートである。このク
リーニング手段60は、この印刷装置の休止状態が長く
続く場合と、画像や画質に問題が発生した場合に動作す
るもので、印刷装置の休止状態をカウントする休止期間
カウンタ(図示なし)が休止期間のカウントをし、所定
期間(例えば、1カ月)を過ぎる(ステップ1)とクリ
ーニング手段60が動作をする(ステップ3)。また、
公知の方法で、例えばCCDカメラで画像や画質を常時
検出してメモリ内の基準画像と画質をCPUで比較して
いる。そして比較の結果、画像や画質に問題があれば
(ステップ2)、印刷装置の休止期間が所定期間内であ
っても、クリーニング手段60が動作をする(ステップ
3)。クリーニング手段60が動作すると、上述の図1
1のように、少なくとも吐出ヘッド22の吐出先端部を
クリーニング液57中に浸漬してクリーニングを行うも
のである。クリーニング終了後は、印刷装置の休止状態
をカウントする休止期間カウンタをリセットさせて、再
び印刷装置の休止状態のカウントを開始する。上記吐出
ヘッドのクリーニング方法は、他のクリーニング方法、
例えば、吐出ヘッド先端を柔軟性を有するハケ、ブラ
シ、布等で払う、インク溶媒のみを循環させる、インク
溶媒のみを供給あるいは循環させながら吐出部を吸引す
る、吐出部から強制的にインク吸引する、インク流路か
ら強制的にエア、インクあるいはインク溶媒のジェット
をいれる等に比べて、操作が簡便で且つクリーニング効
果が高いという利点がある。なお、インクの固着を防止
するためには、ヘッド部を冷却し、インク溶媒の蒸発を
抑えることも有効である。
【0073】次に、本発明に用いられる版材(印刷原
版)について説明する。印刷原版としては、アルミ、ク
ロムメッキを施した鋼板などの金属版が挙げられる。特
に砂目立て、陽極酸化処理により表面の保水性および耐
摩耗性が優れるアルミ版が好ましい。より安価な版材と
して、耐水性を付与した紙、プラスチックフィルム、プ
ラスチックをラミネートした紙などの耐水性支持体上に
画像受理層を設けた版材が使用できる。この版材の膜厚
は100〜300μmの範囲が適当であり、そのうち設
けられる画像受理層の厚さは5〜30μmの範囲が適当
である。
【0074】画像受理層としては、無機顔料と結着剤か
らなる親水性層、あるいは不感脂化処理によって親水化
が可能になる層を用いることができる。
【0075】親水性の画像受理層に用いられる無機顔料
は、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化
アルミニウム、硫酸バリウムなどを用いることができ
る。また結着剤としてはポリビニルアルコール、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カゼイン、ゼラチン、ポリアクリル酸塩、ポリビ
ニルピロリドン、ポリメチルエーテル−無水マレイン酸
共重合体等の親水性結着剤が使用できる。また、必要に
応じて耐水性を付与するメラミンホルマリン樹脂、尿素
ホルマリン樹脂、その他架橋剤を添加してもよい。
【0076】一方、不感脂化処理をして用いる画像受理
層としては、例えば酸化亜鉛と疎水性結着剤を用いる層
が挙げられる。
【0077】本発明に供される酸化亜鉛は、例えば日本
顔料技術協会編「新版顔料便覧」319頁、(株)誠文
堂、(1968年刊)に記載のように、酸化亜鉛、亜鉛
華、湿式亜鉛華あるいは活性亜鉛華として市販されてい
るもののいずれでもよい。即ち、酸化亜鉛は、出発原料
および製造方法により、乾式法としてフランス法(間接
法)、アメリカ法(直接法)および湿式法と呼ばれるも
のがあり、例えば正同化学(株)、堺化学(株)、白水
化学(株)、本荘ケミカル(株)、東邦亜鉛(株)、三
井金属工業(株)等の各社から市販されているものが挙
げられる。
【0078】また結着剤として用いる樹脂として、具体
的には、スチレン共重合体、メタクリレート共重合体、
アクリレート共重合体、酢酸ビニル共重合体、ポリビニ
ルブチラール、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ
エステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等
が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし2
種以上を併用してもよい。画像受理層における樹脂の含
有量は、樹脂/酸化亜鉛の重量比で示して9/91〜2
0/80とすることが好ましい。
【0079】酸化亜鉛の不感脂化は不感脂化処理液を用
いて常法により行われ、従来よりこの種の不感脂化処理
液として、フェロシアン塩、フェリシアン塩を主成分と
するシアン化合物含有処理液、アンミンコバルト錯体、
フィチン酸およびその誘導体、グアニジン誘導体を主成
分としたシアンフリー処理液、亜鉛イオンとキレートを
形成する無機酸あるいは有機酸を主成分とした処理液、
あるいは水溶性ポリマーを含有した処理液等が知られて
いる。例えば、シアン化合物含有処理液として、特公平
44−9045号、同46−39403号、特開昭52
−76101号、同57−107889号、同54−1
17201号公報等に記載のものが挙げられる。
【0080】また版材の画像受理層とは反対の表面は、
そのベック平滑度が150〜700(秒/10cc)の範
囲であることが好ましい。これにより、形成された印刷
版は印刷中でも版胴上でズレや滑りを起こすことなく、
良好な印刷が行われる。
【0081】ここでベック平滑度は、ベック平滑度試験
機により測定することが出来る。ベック平滑度試験機と
は、高度に平滑に仕上げられた中央に穴のある円形の硝
子板上に、試験片を一定圧力(1kgf/cm2 (9.8N
/cm2 ))で押しつけ、減圧下で一定量(10cc)の空
気が、硝子面と試験片との間を通過するのに要する時間
を測定するものである。
【0082】以下に本発明に用いられる油性インクにつ
いて説明する。本発明に供される油性インクは、固有電
気抵抗109 Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶
媒中に、少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を
分散してなるものである。
【0083】本発明に用いる固有電気抵抗109 Ωcm
以上、かつ誘電率3.5以下の非水溶媒として好ましく
は直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化
水素、または芳香族炭化水素、およびこれらの炭化水素
のハロゲン置換体がある。例えばヘキサン、ヘプタン、
オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリ
ン、ノナン、ドデカン、インドデカン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパー
E、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイ
ソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シ
ェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品
名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムス
コ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル等を単
独あるいは混合して用いる。なお、このような非水溶媒
の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であり、誘
電率の下限値は1.9程度である。
【0084】用いる非水溶媒の電気抵抗を上記範囲とす
るのは、電気抵抗が低くなると、樹脂粒子等の濃縮が起
こりにくくなり、十分な耐刷性が得られなくなるからで
あり、誘電率を上記範囲とするのは、誘電率が高くなる
と溶媒の分極により電界が緩和され、これによりインク
の吐出が悪くなりやすくなるからである。
【0085】上記の非水溶媒中に、分散される樹脂粒子
としては、35℃以下の温度で固体で非水溶媒との親和
性のよい疎水性の樹脂の粒子であればよいが、更にその
ガラス転移点が−5℃〜110℃もしくは軟化点33℃
〜140℃の樹脂(P)が好ましく、より好ましくはガ
ラス転移点10℃〜100℃もしくは軟化点38℃〜1
20℃であり、さらに好ましくはガラス転移点15℃〜
80℃、もしくは軟化点38℃〜100℃である。
【0086】このようなガラス転移点もしくは軟化点の
樹脂を用いることによって、印刷原版の画像受理層表面
と樹脂粒子との親和性が増し、また印刷原版上での樹脂
粒子同士の結合が強くなるので、画像部と画像受理層と
の密着性が向上し、耐刷性が向上する。これに対し、ガ
ラス転移点もしくは軟化点が低くなっても高くなっても
画像受理表面と樹脂粒子の親和性が低下したり、樹脂粒
子同士の結合が弱くなってしまう。
【0087】樹脂(P)の重量平均分子量Mwは、1×
103 〜1×106 であり、好ましくは5×103 〜8
×105 、より好ましくは1×104 〜5×105 であ
る。
【0088】このような樹脂(P)として具体的には、
オレフィン重合体および共重合体(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、
エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体等)、塩化ビニル重合体および共重合体
(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体等)、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニ
ル重合体および共重合体、アルカン酸アリル重合体およ
び共重合体、スチレンおよびその誘導体の重合体ならび
に共重合体(例えばブタジエン−スチレン共重合体、イ
ソプレン−スチレン共重合体、スチレン−メタクリレー
ト共重合体、スチレン−アクリレート共重合体等)、ア
クリロニトリル共重合体、メタクリロニトリル共重合
体、アルキルビニルエーテル共重合体、アクリル酸エス
テル重合体および共重合体、メタクリル酸エステル重合
体および共重合体、イタコン酸ジエステル重合体および
共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共
重合体、メタクリルアミド共重合体、フニノール樹脂、
アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポ
リエステル樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基お
よびカルボキシル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ロジ
ン系樹脂、水素添加ロジン樹脂、石油樹脂、水素添加石
油樹脂、マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、水素添加テル
ペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、環化ゴム−メタク
リル酸エステル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステ
ル共重合体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共
重合体(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロ
フラン環、チオフエン環、ジオキサン環、ジオキソフラ
ン環、ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン
環、1,3−ジオキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙
げられる。
【0089】本発明の油性インクにおける分散された樹
脂粒子の含有量は、インク全体の0.5〜20wt%と
することが好ましい。含有量が少なくなるとインクと印
刷原版の表面との親和性が得られにくくなって良好な画
像が得られなくなったり、耐刷性が低下したりするなど
の問題が生じやすくなり、一方、含有量が多くなると均
一な分散液が得られにくくなったり、吐出ヘッドでのイ
ンクの流れが不均一となりやすく、安定なインク吐出が
得られにくいなどの問題がある。
【0090】本発明に供される油性インク中には、前記
の分散樹脂粒子とともに、製版後の版を検版する等のた
めに着色成分として色材を含有させることが好ましい。
色材としては、従来から油性インク組成物あるいは静電
写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であ
ればどれでも使用可能である。
【0091】顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わ
ず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用
することができる、具体的には、例えば、カーボンブラ
ック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイ
エロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化ク
ロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリン
ブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔
料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソ
インドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔
料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系
顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公
知の顔料を特に限定することなく用いることができる。
【0092】染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、
ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、
カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染
料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロ
シアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染
料が好ましい。これらの顔料および染料は、単独で用い
てもよいし、適宜組み合わせて使用することも可能であ
るが、インク全体に対して0.01〜5重量%の範囲で
含有されることが望ましい。
【0093】これらの色材は、分散樹脂粒子とは別に色
材自身を分散粒子として非水溶媒中に分散させてもよい
し、分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場
合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂
被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分
散樹脂粒子の表面部を着色して着色粒子とする方法など
が一般的である。
【0094】本発明の非水溶媒中に、分散された樹脂粒
子、更には着色粒子等を含めて、これらの粒子の平均粒
径は0.05μm〜5μmが好ましい。より好ましくは
0.1μm〜1.0μmである。この粒径はCAPA−
500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたもの
である。
【0095】本発明に用いられる非水系分散樹脂粒子
は、従来公知の機械的粉砕方法または重合造粒方法によ
って製造することができる。機械的粉砕方法としては、
必要に応じて、樹脂粒子とする材料を混合し、溶融、混
練を経て従来公知の粉砕機で直接粉砕して、微粒子と
し、分散ポリマーを併用して、更に湿式分散機(例えば
ボールミル、ペイントシェーカー、ケデイミル、ダイノ
ミル等)で分散する方法、樹脂粒子成分となる材料と、
分散補助ポリマー(または被覆ポリマー)を予め混練し
て混練物とした後粉砕し、次に分散ポリマーを共存させ
て分散する方法等が挙げられる。具体的には、塗料また
は静電写真用液体現像剤の製造方法を利用することがで
き、これらについては、例えば、植木憲二監訳「塗料の
流動と顔料分散」共立出版(1971年)、ソロモン
「塗料の科学」広川書店(1969)、長崎勇次「コー
ティング工学」朝倉書店(1971年)、原崎勇次「コ
ーティングの基礎科学」槇書店(1977年)等の成書
に記載されている。
【0096】また、重合造粒法としては、従来公知の非
水系分散重合方法が挙げられ、具体的には、室井宗一監
修「超微粒子ポリマーの最新技術」等2章、CMC出版
(1991年)、中村孝一著「最近の電子写真現像シス
テムとトナー材料の開発・実用化」第3章、(日本科学
情報(株)1985年刊)、K.E.J.Barrett 「Dispersi
on Polymerization Organic Media 」John Wiley(19
75年)等の成書に記載されている。
【0097】通常、分散粒子を非水溶媒中で分散安定化
するために、分散ポリマーを併用する。分散ポリマーは
非水溶媒に可溶性の繰り返し単位を主成分として含有
し、かつ平均分子量が、重量平均分子量Mwで1×10
3 〜1×106 が好ましく、より好ましくは5×103
〜5×105 の範囲である。
【0098】本発明に供される分散ポリマーの好ましい
可溶性の繰り返し単位として、下記一般式(I)で示さ
れる重合成分が挙げられる。
【0099】
【化1】
【0100】一般式(I)において、X1 は−COO
−、−OCO−または−O−を表す。Rは、炭素数10
〜32のアルキル基またはアルケニル基を表し、好まし
くは炭素数10〜22のアルキル基またはアルケニル基
を表し、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、無置換の
ものが好ましいが、置換基を有していてもよい。具体的
には、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデ
シル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサニ
ル基、ドコサニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリ
デセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リ
ノレニル基等が挙げられる。
【0101】a1 およびa2 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素
原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜3のアルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、
−COO−Z1 または−CH 2 COO−Z1 〔Z1 は、
置換されていてもよい炭素数22以下の炭化水素基(例
えば、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環
式基、アリール基等)を表す〕を表す。
【0102】Z1 で表される炭化水素基のうち、好まし
い炭化水素基としては、炭素数1〜22の置換されても
よいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エ
イコサニル基、ドコサニル基、2−クロロエチル基、2
−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシ
カルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロ
モプロピル基等)、炭素数4〜18の置換されてもよい
アルケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル
基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−
2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル
基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル
基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキ
サデセニル基、オクタデセニル基、リノレニル基等)、
炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロ
ベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エ
チルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジ
ル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換
されてもよい脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2
−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル
基等)、および炭素数6〜12の置換されてもよい芳香
族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キ
シリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オ
クチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェ
ニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デ
シルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフ
ェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセ
チルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エト
キシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニ
ル基、アセトアミドフェニル基、プロピオンアミドフェ
ニル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)が挙げられ
る。
【0103】分散ポリマーにおいて一般式(I)で示さ
れる繰り返し単位とともに、他の繰り返し単位を共重合
成分として含有してもよい。他の共重合成分としては、
一般式(I)の繰り返し単位に相当する単量体と共重合
可能な単量体よりなるものであればいずれの化合物でも
よい。
【0104】分散ポリマーにおける一般式(I)で示さ
れる重合体成分の存在割合は、好ましくは50重量%以
上であり、より好ましくは60重量%以上である。これ
らの分散ポリマーの具体例としては、実施例で使用され
ている分散安定用樹脂(Q−1)等が挙げられ、また市
販品(ソルプレン1205、旭化成(株)製)を用いる
こともできる。
【0105】分散ポリマーは、前記の樹脂(P)粒子を
分散物(ラテックス)等として製造するときには重合に
際し予め添加しておくことが好ましい。分散ポリマーを
用いるときの添加量は粒子用樹脂(P)に対し1〜50
重量%程度とする。
【0106】本発明の油性インク中の分散樹脂粒子およ
び着色粒子(あるいは色材粒子)は、好ましくは正荷電
または負荷電の検電性粒子である。これら粒子に検電性
を付与するには、湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利
用することで達成可能である。具体的には、前記の「最
近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用
化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術
の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988
年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44
頁(1977年)等に記載の荷電調節剤などの検電材料
および他の添加剤を用いることで行なわれる。
【0107】具体的には、例えば、英国特許第8934
29号、同第934038号、同第1122397号、
米国特許第3900412号、同等4606989号、
特開昭60−179751号、同60−185963
号、特開平2−13965号公報等に記載されている。
上述のような荷電調節剤は、担体液体である分散媒10
00重量部に対して0.001〜1.0重量部が好まし
い。更に所望により各種添加剤を加えてもよく、それら
添加物の総量は、油性インクの電気抵抗によってその上
限が規制される。即ち、分散粒子を除去した状態のイン
クの固有電気抵抗が109 Ωcmより低くなると良質の
連続階調像が得られ難くなるので、各添加物の添加量
を、この限度内でコントロールすることが望ましい。
【0108】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
ず、インク用樹脂粒子(PL)の製造例について示す。
【0109】樹脂粒子(PL−1)の製造例1 下記構造の分散安定用樹脂(Q−1)10g、酢酸ビニ
ル100gおよびアイソパーH384gの混合溶液を窒
素気流下撹拌しながら温度70℃に加温した。重合開始
剤として2,2′−アソビス(イソバレロニトリル)
(略称A.I.V.N.)0.8gを加え、3時間反応
した。開始剤を添加して20分後に白濁を生じ、反応温
度は88℃まで上昇した。更に、この開始剤0.5gを
加え、2時間反応した後、温度を100℃に上げ2時間
撹拌し未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メ
ッシュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合
率90%で平均粒径0.23μmの単分散性良好なラテ
ックスであった。粒径はCAPA−500(堀場製作所
(株)製)で測定した。
【0110】
【化2】
【0111】上記白色分散物の一部を、遠心分離機(回
転数1×104 r.p.m.、回転時間60分)にかけ
て、沈降した樹脂粒子分を、捕集・乾燥した。樹脂粒子
分の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算GPC
値)は2×105 、ガラス転移点(Tg)は38℃であ
った。
【0112】実施例1 まず、油性インクを作成した。 <油性インク(IK−1)の作成>ドデシルメタクリレ
ート/アクリル酸共重合体(共重合比;95/5重量
比)を10g、ニグロシン10gおよびシェルゾール7
1の30gをガラスビーズとともにペイントシェーカー
(東洋精機(株)製)に入れ、4時間分散し、ニグロシ
ンの微小な分散物を得た。インク用樹脂粒子の製造例1
で製造した樹脂粒子(PL−1)60g(固体分量とし
て)、上記ニグロシン分散物を2.5g、FOC−14
00(日産化学(株)製、テトラデシルアルコール)1
5g、およびオクタデセン−半マレイン酸オクタデシル
アミド共重合体0.08gをアイソパーGの1リットル
に希釈することにより黒色油性インクを作成した。
【0113】次に、製版装置(図1、図3参照)1のイ
ンクジェット描画装置2に上記のように作成した油性イ
ンク(IK−1)2リットルをインクタンクに充填し
た。ここでは吐出ヘッドとして図4に示す900dp
i、64チャンネルマルチチャンネルヘッドを使用し
た。インク温度管理手段として投げ込みヒータと撹拌羽
をインクタンク内に設け、インク温度は30℃に設定
し、撹拌羽を30rpmで回転しながらサーモスタット
で温度コントロールした。ここで撹拌羽は沈降・凝集防
止用の攪拌手段としても使用した。またインク流路を一
部透明とし、それを挟んでLED発光素子と光検知素子
を配置し、その出力シグナルによりインクの希釈液(ア
イソパーG)あるいは濃縮インク(上記インク(IK−
1)の固形分濃度を2倍に調整したもの)投入による濃
度管理を行った。
【0114】版材として、砂目立ておよび陽極酸化処理
を施した0.12mm厚みのアルミ版を、製版装置のド
ラムに設けた機械的装置により版頭および版尻をくわえ
て装着した。エアーポンプ吸引により版材表面の埃除去
を行った後、吐出へッドを描画位置まで版材に近づけ、
製版すべき画像データを画像データ演算制御部に伝送
し、ドラムを回転させながら64チャンネル吐出ヘッド
を移動させることにより、アルミ版上に油性インクを吐
出して画像を形成した。この際、インクジェットヘッド
の吐出電極の先端幅は10μmとし、光学的ギャップ検
出装置からの出力によりヘッドと版材の距離は1mmと
なるように制御した。バイアス電圧として2.5KVの
電圧を常時印加しておき、吐出を行う際には500Vの
パルス電圧をさらに重畳し、そのパルス電圧を0.2ミ
リ秒から0.05ミリ秒の範囲で256段階で変化させ
ることでドットの面積を変化させながら描画を行った。
挨による描画不良等は全く見られず、また外気温の変
化、製版数の増加によってもドット径変化等による画像
劣化は全く見られず、良好な製版が可能であった。
【0115】さらにキセノンフラッシュ定着装置(ウシ
オ電機(株)製、発光強度200J/パルス)による加
熱により画像を強固にし、刷版を作成した。インクジェ
ットヘッドを保護するためにインクジェット描画装置を
副走査手段ごとドラムと近接した位置から50mm退避
させ、次に刷版を製版装置から取り出して、オリバー2
66EPZ印刷機の版胴に装着し印刷をした。
【0116】得られた印刷物は通し枚数一万枚後でも印
刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であっ
た。また製版終了後、吐出へッド先端部をアイソパーG
に浸漬し、1kVの正の直流電圧を30秒間印加するこ
とで6ヶ月の間、保守作業の必要なしに、良好な印刷物
を与える印刷版を作製できた。
【0117】実施例2 図2に示す装置に、図6に示すタイプの600dpiフ
ルラインインクジェットヘッドを配置した。インク循環
にはポンプを使用し、このポンプと吐出ヘッドのインク
流入路、そして吐出ヘッドのインク回収路とインクタン
クの間にそれぞれインク溜を設け、それらの静水圧差に
よりインク循環を行い、インク温度管理手段としてはヒ
ータと上述のポンプを使用し、インク温度は35℃に設
定し、サーモスタットでコントロールした。ここで循環
ポンプは沈殿・凝集防止用の撹拌手段としても使用し
た。またインク流路に電導度測定装置を配置し、その出
力シグナルによりインクの希釈あるいは濃縮インク投入
による濃度管理を行った。版材として、上述のアルミ版
を、製版装置のドラムに同様に装着した。ナイロン製回
転ブラシにより版材表面の埃除去を行った後、製版すべ
き画像データを画像データ演算制御部に伝送し、キャッ
プスタンローラにより版材を搬送しながらフルラインヘ
ッドで描画させることにより、アルミ版上に油性インク
を吐出して画像を形成した。埃による描画不良等は全く
見られず、また外気温の変化、製版数の増加によっても
ドット径変化等による画像劣化は全く見られず、良好な
製版が可能であった。さらにヒートローラ(300Wハ
ロゲンランプ内包テフロンシールシリコンゴムローラ)
定着による加熱により(圧力:3kgf/cm2 (29.4
N/cm2))画像を強固にし、刷版を作成した。
【0118】また製版した版で実施例1と同様にして印
刷を行ったところ、通し枚数一万枚後でも印刷画像に飛
びやカスレがなく極めて鮮明な画像であった。また製版
終了後に吐出ヘッド先端部をアイソパーGに浸漬し、
0.5kV/1kHzの交流電圧を40秒間印加するす
ることによりクリーニングを行ったところ、6ヶ月の
間、保守作業の必要なしに、良好な印刷物を与える印刷
版を作製できた。更に、上記図6に示すタイプのインク
ジェットヘッドの代わりに、図8及び図10に示すタイ
プの600dpiフルラインインクジェットヘッドを用
いて同様に行ったところ、各々上記と同様に良好な結果
が得られた。
【0119】実施例3 実施例1のアルミニウム版の替わりに、以下に示す表面
に不感脂化処理により親水化が可能になる画像受理層を
設けた版材を用い、刷版作成後に版面不感脂化処理装置
を用いて非画像部を親水化し、描画の際に導電性板バネ
(燐青銅製)接触により版材導電層の接地をとり、版材
に熱風を当てることにより定着を行った以外は実施例1
と同じ操作を行った。
【0120】基体として坪量100g/m2 の上質紙を
用い、基体の両面にポリエチレンフィルムを20μmの
厚みにラミネートし耐水性とした紙支持体上に下記組成
で下記のようにして調製した導電層用塗料を片面に塗布
し、乾燥後塗布量として10g/m2 となるようにし、
さらにその上に分散液Aを乾燥後塗布量として15g/
2となるように画像受理層を設けて版材とした。
【0121】・導電層用塗料;カーボンブラック(30
%水分散液)5.4部、クレー(50%水分散液)5
4.6部、SBRラテックス(固形分50%、Tg25
℃)36部、メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツ
レジンSR−613)4部を混合し、全体の固形分が2
5%となるように水を加えて塗料とした。
【0122】・分散液A;乾式酸化亜鉛100g、下記
構造の結着樹脂(B−1)3g、結着樹脂(B−2)1
7g、安息香酸0.15gおよびトルエン155gの混
合物を湿式分散機ホモジナイザー(日本精機(株)製)
を用いて回転数6,000rpmで8分間分散した。
【0123】
【化3】
【0124】版材に熱風を当てることにより定着を行っ
た際、ブリスターが発生した。そこで熱風に使用したヒ
ータに対し供給電力を徐々に連続的に高める、あるいは
供給電力は変化させずにドラムの回転速度を高速から低
速に徐々に連続的に低下することにより定着を行った。
その結果、ブリスターは発生せず、その刷版を印刷する
ことにより得られた印刷物は、通し枚数五千枚でも印刷
画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であった。
また、製版終了後に吐出ヘッド先端部をイソプロパノー
ルに浸漬し、0.5kVの交流電圧を20秒間印加する
ことによりクリーニングをしたところ、6ヶ月の間、保
守作業なしに、良好な印刷物を作製できた。
【0125】
【発明の効果】本発明によれば、鮮明な画像の印刷物を
多数枚印刷可能な刷版を作成できる。また直接デジタル
画像データに対応した刷版が安定して高画質に作成で
き、安価で高速の平版印刷が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる製版装置の一例を模式的に示す
全体構成図である。
【図2】本発明に用いる製版装置の他の一例を模式的に
示す全体構成図である。
【図3】本発明に用いる製版装置の描画部の一例を模式
的に示す構成図である。
【図4】本発明に用いるインクジエット描画装置に備え
られる吐出ヘッドの一例を示す概略構成図である。
【図5】図4のインク吐出部近傍の断面概略図である。
【図6】本発明に用いるインクジェット描画装置に備え
られる他の吐出ヘッドの一例におけるインク吐出部近傍
の断面概略図である。
【図7】図6のインク吐出部近傍の前面概略図である。
【図8】本発明に用いるインクジェット描画装置に備え
られる他の吐出ヘッドの一例の要部を示す概略構成図で
ある。
【図9】図8の吐出ヘッドから規制板を取り除いたヘッ
ドの概略構成図である。
【図10】本発明に用いるインクジェット描画装置に備
えられる他の吐出ヘッドの一例の要部を示す概略構成図
である。
【図11】本発明のクリーニング手段を説明するための
説明図である。
【図12】図11のクリーニング手段の動作を説明する
ためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 製版装置 2 インクジェット描画装置 5 定着装置 6 版面不感脂化装置 7 版材自動給版装置 8 版材自動排版装置 9 版材(印刷原版) 10 埃除去手段 11 ドラム 12 キャップスタンローラ 13 アース手段 21 画像データ演算制御部 22 吐出ヘッド 221 上部ユニット 222 下部ユニット 22a 吐出スリット 22b 吐出電極 23 油性インク 24 インク供給部 25 インクタンク 26 インク供給装置 27 撹拌手段 28 インク温度管理手段 29 インク濃度制御手段 30 エンコーダー 31 ヘッド離接装置 32 ヘツド副走査手段 33 第1の絶縁性基材 34 第2の絶縁性基材 35 第2の絶縁性基材の斜面部 36 第2の絶縁性基材の上面部 37 インク流入路 38 インク回収路 39 バッキング 40 溝 41 ヘッド本体 42、42′ メニスカス規制版 43 インク溝 44 隔壁 45、45′ 吐出部 46 隔壁 47 隔壁先端部 50、50′ 支持部材 51、51′ 溝 52 隔壁 53 上端部 54 矩形部分 55 隔壁の上端 56 ガイド突起 57 クリーニング液 58 クリーニング液入れ 59 電源 60 クリーニング手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 一夫 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 加藤 栄一 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA16 FA07 FB01 FB08 HA46 JB15 2H084 AA25 AE05 BB02 BB04 BB16 CC05

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データの信号に基づき、静電界を利
    用して吐出ヘッドから油性インクを吐出させる静電式イ
    ンクジェット方式により、版材上に直接画像を形成し、
    該画像を定着して刷版を作成する製版方法であって、前
    記吐出ヘッドをクリーニング液中に浸漬し、前記吐出ヘ
    ッドに電圧を印加することにより前記吐出ヘッドをクリ
    ーニングすることを特徴とする製版方法。
  2. 【請求項2】 前記油性インクが、固有電気抵抗値10
    9Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少
    なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したも
    のである請求項1に記載の製版方法。
  3. 【請求項3】 画像データの信号に基づき、版材上に直
    接画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段で形
    成された画像を定着して刷版を得る画像定着手段と、を
    備え、前記画像形成手段が、静電界を利用して油性イン
    クを吐出ヘッドから吐出させるインクジェット描画装置
    である製版装置であって、 前記吐出ヘッドをクリーニング液中に浸漬した状態で、
    前記吐出ヘッドに電圧を印加することによりクリーニン
    グするクリーニング手段を備えたことを特徴とする製版
    装置。
  4. 【請求項4】 前記油性インクが、固有電気抵抗値10
    9Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少
    なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したも
    のである請求項3に記載の製版装置。
  5. 【請求項5】 前記画像定着手段が、ヒートローラ及び
    /又は赤外線ランプ、ハロゲンランプ若しくはキセノン
    フラッシュランプを用いた加熱手段を有する請求項3又
    は4に記載の製版装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱手段が、前記画像を定着すると
    きに、前記版材の温度を徐々に昇温するように配置及び
    /又は制御される請求項5に記載の製版装置。
  7. 【請求項7】 前記版材への描画時に、前記版材が装着
    されたドラムを回転することにより主走査を行う請求項
    3乃至6の何れか1項に記載の製版装置。
  8. 【請求項8】 前記吐出ヘッドが、シングルチャンネル
    ヘッド又はマルチチャンネルヘッドからなり、前記ドラ
    ムの軸方向に前記吐出ヘッドを移動することにより副走
    査を行う請求項7に記載の製版装置。
  9. 【請求項9】 前記版材への描画時に、少なくとも一対
    のキャプスタンローラにより前記版材を挟持して走行さ
    せることにより副走査を行う請求項3乃至6の何れか1
    項に記載の製版装置。
  10. 【請求項10】 前記吐出ヘッドが、シングルチャンネ
    ルヘッド又はマルチチャンネルヘッドからなり、前記版
    材の走行方向と直交する方向に前記吐出ヘッドを移動す
    ることにより主走査を行う請求項9に記載の製版装置。
  11. 【請求項11】 前記吐出ヘッドが、前記版材の幅と略
    同じ長さを有するフルラインヘッドからなる請求項7又
    は9に記載の製版装置。
  12. 【請求項12】 前記インクジェット描画装置が、前記
    吐出ヘッドに前記油性インクを供給するインク供給手段
    を有する請求項3乃至11の何れか1項に記載の製版装
    置。
  13. 【請求項13】 前記吐出ヘッドから前記油性インクを
    回収するインク回収手段を有し、インク循環を行う請求
    項12に記載の製版装置。
  14. 【請求項14】 前記版材への描画前及び/又は描画中
    に、前記版材表面に存在する埃を除去する埃除去手段を
    有する請求項3乃至13の何れか1項に記載の製版装
    置。
  15. 【請求項15】 前記インクジェット描画装置が、前記
    油性インクを格納するインクタンク内の前記油性インク
    を攪拌する攪拌手段を有する請求項3乃至14の何れか
    1項に記載の製版装置。
  16. 【請求項16】 前記インクジェット描画装置が、前記
    油性インクを格納するインクタンク内の前記油性インク
    の温度を管理するインク温度管理手段を有する請求項3
    乃至15の何れか1項に記載の製版装置。
  17. 【請求項17】 前記インクジェット描画装置が、前記
    油性インクの濃度を制御するインク濃度制御手段を有す
    る請求項3乃至16の何れか1項に記載の製版装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005017352A (ja) * 2003-06-23 2005-01-20 Fuji Photo Film Co Ltd フレキソ印刷版の製版方法
JP2009067057A (ja) * 2008-10-29 2009-04-02 Fujifilm Corp フレキソ印刷版の製版方法

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