JPH09254372A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH09254372A
JPH09254372A JP6840696A JP6840696A JPH09254372A JP H09254372 A JPH09254372 A JP H09254372A JP 6840696 A JP6840696 A JP 6840696A JP 6840696 A JP6840696 A JP 6840696A JP H09254372 A JPH09254372 A JP H09254372A
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Mitsuaki Kamiyama
三明 神山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、高い記録周波数を有し、高濃度で
良質な画像を安定して形成できる画像形成装置を提供す
る。 【解決手段】インクジェットプリンタの記録ヘッド42
は、内面に複数の溝51aを形成した一対の支持部材5
1、52と、支持部材51、52の間に挟持され、先端
に複数の突起59を並んで有するガイドフィルムと、を
有している。突起59は、一対の支持部材51、52を
組合わせた際に形成された開口56に対応して設けら
れ、開口56から突出した尖鋭な先端を有している。各
開口56の間には、開口56より突出した隔壁55が設
けられ、隣接した隔壁55の間であって、開口56の縁
から支持部材の外周面に向って傾斜したインク回収溝5
7が形成されている。トナーから分離されたキャリア液
は、インク回収溝57の毛管作用により吸引されて排出
され、インクメニスカスが安定して維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、色剤粒子を絶縁
性液体キャリアに分散させてなるインクに静電気力を作
用させ、インク滴を記録媒体上に飛翔させて画像を形成
する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルプリンタ分野ではイン
クジェット記録方式を用いたインクジェットプリンタが
広く普及している。しかし、従来のインクジェットプリ
ンタでは、染料性インクを用いていることから、画像の
保存性および耐光性が悪い、等の問題があった。
【0003】これに対し、既に、色剤として顔料粒子の
使用を可能とする記録方法として、特開昭62−528
2号においてこの問題を解決する基礎となる提案が為さ
れている。これは絶縁性の溶媒中に帯電性粒子(トナ
ー)を分散した記録液を電極を配置した開口部に案内す
ると共に、対向する記録媒体に近接させて記録媒体と開
口部との間に電界を形成することにより、記録液中から
帯電粒子のみを分離吐出させることにより、画像を形成
するものである。これは液体中から固形粒子を分離吐出
させて非接触記録を可能とするもので利用価値の高い技
術である。
【0004】また、色剤として顔料粒子の使用を可能と
し、染料性インクの上記問題点を解決した画像形成装置
がWO93/11866号公報に開示されている。この
装置は、導電性のインク供給チューブを具備し、インク
供給チューブとこの先端に対向する対向電極との間に電
圧が付与される。そして、インク供給チューブの電位と
同極性に帯電した顔料粒子(以下帯電トナーと称する)
を含むインクがインク供給チューブに供給される。
【0005】インク内の帯電トナーは、インク供給チュ
ーブの先端近傍の吐出ポイントで、対向電極から静電吸
引力を受け半円球状のインクメニスカスを形成する。し
かし、インクの溶媒の表面張力によりトナーはインクメ
ニスカスから飛翔することができず、インクメニスカス
の先端に留まる。この様にして、多くのトナーがインク
メニスカスの先端に集まり、凝集物となる。インク供給
チューブと対向電極との間の電圧を更に上げると、イン
クの溶媒の表面張力よりも静電吸引力が勝り、インクメ
ニスカスからトナー凝集物が飛翔する。
【0006】上述の飛翔原理に基づく画像形成装置で
は、従来のインクジェット記録のような飛翔小滴サイズ
を決定するノズルがないため、顔料粒子を用いることが
できる。このため、従来のインクジェットプリンタの問
題点であった、画像の保存性、耐光性等の問題が解決さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの装置、
技術においては、問題も多く残している。まず、特開昭
62−5282号においては、個々の記録画素に対応す
る開口部にメニスカスを形成するための手段や電気信号
を送るための手段などの具体的な手段が開示されておら
ずインクジェット技術として利用するには不十分なもの
である。
【0008】また、WO93/11866号による画像
形成技術に於いては、吐出ポイントに三角形の電極を利
用しているため、先端の電界が最も強くなる。このた
め、供給される帯電粒子であるトナーは電極に印加され
るバイアス電圧と同極性であるために反発力を受けて吐
出点である先端に到達することができないか、できても
極めて遅く微小となるために、記録が途絶えたり、急激
に記録ドット(画素)が小さくなったりする。また、こ
のため記録周波数も極めて不安定である等の問題を有し
ている。
【0009】また、スリット構造ではその内部でインク
が繋がっているため、特定の電極からインクを吐出させ
た時に発生する振動が他に及んだり、吐出した電極上の
メニスカス自身も不要な振動を生じてしまいインクの吐
出方向が変化して不鮮明な画像を生じる等の問題が生じ
る。更に重大なことにスリット内部に配列された電極に
電圧が印加されると、近傍の帯電着色粒子が反発されて
移動、局在化して電極以外の部分に沈着凝集してしまう
ことが判明した。このため有効な着色粒子が失われた
り、時に開口部を塞いでしまう問題を引き起こし、継続
して使用することができない等の多くの問題を抱えてい
た。
【0010】この発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、高い記録周波数を有し、高濃度で良質
な画像を安定して形成できる画像形成装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る画像形成装置は、帯電した色剤粒子
を絶縁性液体中に分散して成るインクを、記録媒体から
所定距離離間して配置された複数の吐出位置へ供給する
供給手段と、上記各吐出位置間で上記記録媒体に向けて
設けられ、上記供給手段にて上記各吐出位置へ供給され
たインクを仕切るための複数の隔壁と、上記供給手段に
て上記各吐出位置へ供給されたインクを回収する回収手
段と、隣接した上記隔壁間に設けられ、上記供給手段に
て上記各吐出位置へ供給されたインクを上記回収手段へ
導くための複数の回収路と、画像信号に応じて選択され
た吐出位置から上記記録媒体に向う電界を形成し、上記
選択された吐出位置において上記インク内の色剤粒子を
凝集し、凝集した色剤粒子を上記記録媒体に向けて飛翔
させる記録手段と、を備えている。
【0012】上記画像形成装置によると、記録媒体から
所定距離離間した複数の吐出位置へインクを供給し、各
吐出位置へ供給したインクを回収路を介して回収する。
各吐出位置の間にはインクを仕切るための隔壁が設けら
れ、各隔壁の間に回収路が形成されている。このように
インクを吐出位置へ供給した状態で、画像信号に応じて
選択された吐出位置から記録媒体に向かう電界を形成
し、この吐出位置において色剤粒子を凝集し、凝集した
色剤粒子を記録媒体に向けて飛翔させる。
【0013】上記のように、各吐出位置の間に隔壁を設
けることにより、各吐出位置から選択的にインク内の色
剤粒子を飛翔させる際に、隣接した吐出位置に振動が伝
達されることを防止でき、色剤粒子の安定した吐出が可
能となる。また、各隔壁の間に回収路を形成したことに
より、色剤粒子の凝集に伴い色剤粒子が分離されたキャ
リア液を効率良く回収できるため、色剤粒子の凝集効率
を高めることができ、吐出周波数を高めて高濃度で良質
な画像を形成できる。
【0014】また、この発明の画像形成装置は、帯電し
た色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成るインクを、記
録媒体から所定距離離間して配置された複数の吐出位置
へ供給する供給手段と、上記各吐出位置から上記記録媒
体に向けて突出して設けられた複数の突起と、上記各吐
出位置間で上記記録媒体に向けて設けられ、上記供給手
段にて上記各吐出位置へ供給されたインクを仕切るため
の複数の隔壁と、上記供給手段にて上記各吐出位置へ供
給されたインクを回収する回収手段と、隣接した上記隔
壁間に設けられ、上記供給手段にて上記各吐出位置へ供
給されたインクを上記回収手段へ導くための複数の回収
路と、画像信号に応じて選択された吐出位置から上記記
録媒体に向う電界を形成し、上記選択された吐出位置に
おいて上記突起の先端近くに上記インク内の色剤粒子を
凝集し、凝集した色剤粒子を上記記録媒体に向けて飛翔
させる記録手段と、を備えている。
【0015】上記画像形成装置によると、各吐出位置に
記録媒体に向けて突出した突起が設けられている。この
ように、各吐出位置に突起を設けることにより、インク
の濡れ上りにより色剤粒子の凝集効率を更に高めること
ができ、色剤粒子の吐出位置を更に安定させることがで
きる。
【0016】また、この発明の画像形成装置は、互いに
対向するように配置された第1および第2の支持部材
と、前記第1および第2の支持部材の各対向面上に形成
され、前記第1および第2の支持部材とを近接対向させ
た状態において、その先端に開口を形成する複数の溝
と、前記複数の溝の表面に設けられた複数の電極と、前
記第1および第2の支持部材の各対向面上に形成され、
前記複数の溝の間を仕切る隔壁と、帯電した色剤粒子を
絶縁性液体中に分散してなるインクを前記溝を介して前
記開口へ向けて供給する供給手段と、前記開口へ向けて
供給されたインク中の色剤粒子を前記開口部近傍におい
て、凝集させる凝集手段と、前記凝集手段により、凝集
した色剤粒子を記録媒体に向けて飛翔させる飛翔手段
と、前記隔壁間に設けられ、前記開口からインクを所定
の方向に排出させるインク回収路と、前記インク回収路
から排出されたインクを回収する回収手段とを備えてい
る。
【0017】更に、この発明の画像形成装置は、互いに
対向するように配置された第1および第2の支持部材
と、前記第1および第2の支持部材の各対向面上に形成
され、前記第1および第2の支持部材とを近接対向させ
た状態において、その先端に開口を形成する複数の溝
と、前記複数の溝の表面に設けられた複数の電極と、帯
電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散してなるインクを
前記溝を介して前記開口へ向けて供給する供給手段と、
記録媒体と対向して設けられた複数の突起部を有すると
ともに、前記第1および第2の支持部材とに挟持され、
インクを所定の位置にガイドするガイド部材と、前記第
1および第2の支持部材の各対向面上に形成され、前記
複数の溝の間を仕切る隔壁と、前記開口へ向けて供給さ
れたインク中の色剤粒子を前記開口近傍において、凝集
させる凝集手段と、前記凝集手段により、凝集した色剤
粒子を記録媒体に向けて飛翔させる飛翔手段と、前記隔
壁間に設けられ、前記開口からインクを所定の方向に排
出させるインク回収路と、前記インク回収路から排出さ
れたインクを回収する回収手段と、を備えている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。図1に示すよ
うに、この発明の画像形成装置としてのインクジェット
プリンタ1は、ハウジング2を備えている。ハウジング
2内の略中央の所定位置には、記録媒体としての記録紙
Pを保持するとともに所定方向に搬送するための円筒形
のプラテンローラ4が設けられている。プラテンローラ
4は、導電性材料から成り、接地され、或いは必要に応
じて所定の電位が与えられて対向電極として作用する。
【0019】ハウジング2の図中右側上方には、複数枚
の記録紙Pを集積した給紙カセット6が設けられてい
る。給紙カセット6は、傾斜した状態でハウジング2に
装着され、その先端がハウジング2内に位置している。
給紙カセット6の先端に隣接した位置には、給紙カセッ
ト6内に集積した最上端の記録紙Pから順に一枚づつ取
出すための給紙ローラ8が設けられている。
【0020】給紙ローラ8の下流側の記録紙Pの搬送路
上には、記録紙Pの各面に対向して配置された一対の搬
送ガイド10a、10bが設けられている。また、搬送
ガイド10a、10bの下流側には、搬送ガイド10
a、10bを介して搬送された記録紙Pを挟持してプラ
テンローラ4の外周面の再下端に向けて搬送する一対の
搬送ローラ12が設けられている。更に、搬送ローラ1
2とプラテンローラ4の最下端との間には、搬送ローラ
12により搬送された記録紙Pをガイドする一対の搬送
ガイド14a、14bが設けられている。
【0021】搬送路の下側の搬送ガイド14bとプラテ
ンローラ4の再下端との間には、記録紙Pをプラテンロ
ーラ4の外周面に押し付けて記録紙Pをプラテンローラ
4の外周面に密着させるための案内ローラ15が設けら
れている。また、案内ローラ15に対してプラテンロー
ラ4の最下端を挟んだ位置、即ちプラテンローラ4の下
流側には、案内ローラ15と共働する案内ローラ16が
設けられている。これら一対の案内ローラ15、16に
より記録紙Pがプラテンローラ4の外周面に密着されて
搬送されるようになっている。
【0022】プラテンローラ4の下流側には、プラテン
ローラ4と案内ローラ16とで挟持されて搬送された記
録紙Pをガイドする一対の搬送ガイド18a、18bが
設けられている。搬送ガイド18a、18bの下流側に
は、一対の搬送ローラ19、一対の搬送ガイド20、お
よび一対の搬送ローラ21が順に設けられ、搬送ローラ
21の下流側に排紙トレー22が設けられている。排紙
トレー22は、ハウジング2の外へ突出して設けられて
いる。
【0023】しかして、給紙ローラ8により給紙カセッ
ト6から一枚づつ取り出された記録紙Pは、搬送ガイド
10、搬送ローラ12、搬送ガイド14を介してプラテ
ンローラ4の外周面の再下端に向けて搬送される。プラ
テンローラ4の下端近くでは、記録紙Pは、一対の案内
ローラ15、16によりプラテンローラ4の外周面に押
し付けられた状態で搬送される。この際、プラテンロー
ラ4の最下端に対向して設けられた記録ユニット(後述
する)から鉛直上方にインク滴が吐出されて記録紙P上
に所定の画像が形成される。そして、プラテンローラ4
と記録ユニットとの間を通過されて画像が形成された記
録紙Pは、搬送ガイド18、搬送ローラ19、搬送ガイ
ド20、および搬送ローラ21を介して排紙トレー22
上に排出される。
【0024】プラテンローラ4の下方に所定距離離間し
た位置には、プラテンローラ4により搬送される記録紙
Pに対して、画像信号に応じてインク滴を飛翔して、記
録紙P上に所望の画像を形成するための記録装置30が
設けてある。
【0025】図2は、記録装置30を詳細に示してあ
る。記録装置30は、プラテンローラ4の下方に所定距
離離間して配置された記録ユニット40と、記録ユニッ
ト40へ循環させるインクを収容したインクタンク32
と、を備えている。尚、ここで用いるインクは、絶縁性
のキャリア液に帯電した色剤粒子(以下、トナーと称す
る)を分散して成る。
【0026】記録ユニット40は、プラテンローラ4の
下方で鉛直下方に延びて配置された略直方体形状の記録
ヘッド42(後に詳述する)を有している。記録ヘッド
42は、プラテンローラ4の最下端から所定距離離間し
て対向した上端42aを有し、この上端42aの長手軸
が記録紙Pの搬送方向を横切るように、即ちプラテンロ
ーラ4の回転軸と略平行となるように配置されている。
尚、本実施の形態においては、記録ヘッド42の上端4
2aは、搬送される記録紙Pから0.1乃至3mm離間
して配置されている。
【0027】記録ヘッド42の上端42a近くには、そ
の長手軸方向に並んで設けられた複数の開口が形成され
ている。記録ヘッド42の内部には、記録ヘッド42の
下端42b近くから上記各開口に向けてそれぞれ独立し
てインクを流通させるための複数のインク供給路43が
形成されている。各インク供給路43は、互いに平行且
つ鉛直方向に延びている。
【0028】また、記録ユニット40は、記録ヘッド4
2の側面および下面側を包囲するガイド部材44を有し
ている。ガイド部材44は、記録ヘッド42を所定位置
に支持するとともに、記録ヘッド42の外壁との間で、
インク回収路45を形成している。つまり、各インク供
給路43を介して記録ヘッド42へ供給されたインク
は、記録ヘッド42内を上昇されて上端42aの開口か
ら溢れる。そして、開口から溢れた余剰インクがインク
回収路45を介して回収されるようになっている。
【0029】ガイド部材44の下方であってインク回収
路45に連通した空間には、回収した余剰インクを通過
させてインク内の異物を除去するためのフィルター46
が設けられている。フィルター46は、インク内のトナ
ー粒子の流通に支障のない程度の目開きを有している。
【0030】更に、記録ユニット40は、記録ヘッド4
2内の各インク供給路43の内面に沿ってそれぞれ設け
られた複数の電極41を有している。各電極41は、画
像信号に応じて選択された電極に記録電圧を選択的に印
加するための駆動回路48(凝集手段、飛翔手段、また
は記録手段)に接続されている。
【0031】記録ヘッド40の図中右側には、インクを
収容したインクタンク32が設けられている。記録ユニ
ット40とインクタンク32との間には、インクタンク
32内に収容したインクを記録ヘッド42内のインク供
給路43へ供給するためのインク供給管34が接続され
ている。インク供給管34の途中には、インクタンク3
2内のインクを所定の流量および圧力で汲上げるための
ポンプP1が設けられている。
【0032】また、記録ユニット40とインクタンク3
2との間には、インク回収路45を介して回収されてフ
ィルター46を通過された余剰インクをインクタンク3
2へ回収するためのインク回収管36が接続されてい
る。インク回収管36の途中には、記録ヘッド42の先
端から溢れた余剰インクをインクタンク32へ送り込む
ためのポンプP2が設けられている。尚、ポンプP1、
インク供給管34、およびインク供給路43は、この発
明の供給手段として作用し、インク回収路45(ガイド
部材)、インク回収管36、およびポンプP2は、この
発明の回収手段として作用する。
【0033】インクタンク32内には、インクタンク3
2内に収容されたインクの光学的透過率を測定してイン
クのトナー濃度を測定する濃度測定装置31と、所定の
濃度を有するトナーを収容したトナー収容室33と、キ
ャリア液を収容したキャリア液収容室35と、インクタ
ンク32内に収容されたインクを攪拌する攪拌装置37
と、が設けられている。トナー収容室33には、濃度測
定装置31により測定されたトナー濃度に応じて、消費
されたトナーをインク内に補給するトナー供給機33a
が設けられ、キャリア液収容室35には、インク内に不
足したキャリア液を補給するキャリア液供給機35aが
設けられている。よって、インクタンク32内のインク
は、常時攪拌されるとともに、そのトナー濃度が常時監
視されて所定の値に調整されるようになっている。
【0034】以上のように構成された記録装置30内に
インクを循環させる場合、まず、ポンプP1によりイン
クタンク32から汲み上げられたインクが、インク供給
管34を介して記録ヘッド42内の複数のインク供給路
43へ供給される。各インク供給路43へ供給されたイ
ンクは、それぞれインク供給路43内を上昇されて記録
ヘッド42の上端42aの開口から溢れる。この際、記
録ヘッド42の上端42a付近には、各インク供給路4
3の開口に対応した複数のインクメニスカス47が形成
される。記録ヘッド42の上端42aの開口から溢れた
余剰インクは、インク回収路45を通って下方に流れ、
フィルター46へ導かれる。フィルター46を通過した
インクは、異物が除去された後、ポンプP2により吸引
され、インクタンク32へ回収される。
【0035】また、インクジェットプリンタ1(図1参
照)のハウジング2の下端近くには、画像信号を処理す
る信号処理部24、この信号処理部24にて処理した信
号を上述した駆動回路48へ出力する信号出力部26、
およびインクジェットプリンタ1の上述した各機構(プ
ラテンローラ、搬送ローラ、攪拌装置、ポンプ等)を駆
動制御する制御部28が設けられている。
【0036】しかして、上記のように構成されたインク
ジェットプリンタ1は以下のように作動される。まず、
上述したようにプラテンローラ4を介して記録紙Pを所
定方向に搬送し、上述したように記録ユニット40内で
インクを循環させる。そして、記録ヘッド42の先端の
各開口にて複数のインクメニスカス47を形成する。
【0037】この状態で、画像信号に応じて選択された
電極41に対して駆動回路48を介して所定の記録電圧
を印加する。すると、選択された電極41とプラテンロ
ーラ4との間に所定の電界が形成され、この電界によ
り、帯電したトナーがインクから分離吐出されて記録紙
Pに向けて飛翔される。これにより、記録紙P上に画像
信号に応じた所定の画像が形成される。
【0038】次に、上記記録ユニット40に組込まれた
この発明の第1の実施の形態に係る記録ヘッド42につ
いて図3乃至図8を用いて更に詳細に説明する。図3は
記録ヘッド42の斜視図であり、図4は記録ヘッド42
をその上端42a方向から見た平面図である。記録ヘッ
ド42は、略矩形板状の一対の支持部材51、52と、
これらの支持部材51、52の間で挟持される略矩形の
ガイドフィルム54(ガイド部材)と、を有している。
【0039】支持部材51、52は、高い電気抵抗率を
有する材料、好ましくは1012オームセンチ以上の絶縁
性を有するプラスティック(電気抵抗が高い程良いが、
高精度な機械加工に適したポリエーテルケトン、ポリカ
ーボネート、ABS樹脂などが好ましい)やセラミック
等から構成され、1〜10mmの厚さに形成されてい
る。
【0040】また、ガイドフィルム54は、厚さ30〜
200μmの高抵抗材料(例えば、ポリエーテルサイフ
ォン、ポリエステル、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリ
イミド、ポリプロピレン等の樹脂材料や各種セラミック
等、1011オームセンチ以上の電気抵抗を有する材料)
から形成されている。
【0041】図5には、一方の支持部材51を代表して
示してある。支持部材51の一方の面、即ちガイドフィ
ルム54に対向する内面(対向面)には、互いに平行に
延びた複数の矩形の溝51aが形成されている。溝51
aは、記録ヘッド42が組立てられた状態(図3に示す
状態)で他方の支持部材52に同様に形成された溝(図
示省略)とともに上述した複数のインク供給路43を形
成すべく、記録解像度に応じた本数だけ形成されてい
る。
【0042】各溝51aは、深さ50〜500μm、幅
100〜1000μmに形成され、各溝51aの先端は
支持部材51の先端(組合わされた際に記録ヘッド42
の上端42aを形成する)より僅かに手前まで延び、各
溝51aの基端は支持部材51の中央を超えた位置まで
延びている。支持部材51の略中央まで延びた各溝51
aの基端は、溝51aと同じ深さを有する矩形の凹所5
1bにそれぞれ連通されている。また、この凹所51b
は、他方の支持部材52に同様に形成された凹所(図示
省略)とともにインク室53を形成し、このインク室5
3には、インクを供給するための上述したインク供給管
34が接続されている。
【0043】このように、支持部材51の内面に複数の
溝51aを形成することにより、各溝51aの間には、
各インク供給路43を境界する複数の矩形の隔壁55が
必然的に設けられる。そして、各隔壁55の間を延びた
溝51a(インク供給路43)の先端は、隔壁55の上
端55a、即ち記録ヘッド42の上端42aから所定距
離(50〜500μm)後退した位置で、インク供給路
43の開口56(図4参照)を形成している。
【0044】また、隣接する隔壁55の間であって、イ
ンク供給路43の先端の開口56の縁には、支持部材5
1の外周面51cに向って下方に傾斜したインク回収溝
57(回収路)が形成されている。各インク回収溝57
の幅は、開口56の幅と同じ幅に形成され、その傾斜角
度は、60度以下の鋭角となるように設定されている。
【0045】更に、支持部材51に形成された各溝51
aの表面、即ちインク供給路43の内面には、無電界メ
ッキにより導電性材料からなる電極41がそれぞれ開口
56まで延びて形成されている。各電極41は、例え
ば、銅、クロム、アルミ、ニッケル等の金属により形成
されており、上述した駆動回路48にそれぞれ電気的に
接続されている。
【0046】尚、他方の支持部材52は、上記支持部材
51とは対象形に形成され、各支持部材51、52の溝
が一致するように対向して配置されて貼り合わせられ
る。この場合、各支持部材51、52の間には以下に説
明するガイドフィルム54が挟まれて記録ヘッド42が
形成される。
【0047】図6に示すように、ガイドフィルム54
は、略矩形板状に形成され、一対の支持部材51、52
により挟持された状態で記録ヘッド42の上端42aの
幅と略一致する長さの上端54aを有している。ガイド
フィルム54は、この上端54aから突出した尖鋭な先
端を有する略三角板状の突起59を、その上端54aに
沿って支持部材の溝の数(記録解像度)に応じた数だけ
有している。つまり、ガイドフィルム54の上端54a
に一体に形成された複数の突起59は、支持部材51
(52)に形成された溝51aのピッチと同じピッチで
設けられ、ガイドフィルム54は、各突起59が各イン
ク供給路43の先端の開口56から所定の長さで突出す
るように配置される。この場合、ガイドフィルム54の
上端54aが開口56から上方に突出することなく、突
起59のみが開口56の中央から突出するように、ガイ
ドフィルム54が配置される。
【0048】図7には、上記のように、一対の支持部材
51、52によりガイドフィルム54を挟持して形成し
た記録ヘッド42の上端42a近く、即ちインクの吐出
位置近傍を部分的に拡大して示してある。
【0049】ガイドフィルム54の上端54aに設けら
れた突起59の大きさは、インク供給路43を介して供
給されるインクの供給量、インク供給路43の開口56
の大きさ、または突起59のインクの濡れ性などにより
適宜選択されるものであり、少なくとも、開口56の近
くに形成されるインクメニスカスによって突起59の先
端が水没することがない大きさに設定される。
【0050】例えば、開口56の幅が500μmである
場合には、突起59の底辺の長さは300〜400μm
の範囲内に設定され、突起59の高さは300〜120
0μmの範囲内に設定される。突起59の幅および高さ
を種々変更させて記録ヘッド42の記録特性を調べたと
ころ、突起59の底辺の長さを開口の幅の約半分に設定
し、高さを底辺の長さと同じ長さから3倍の長さの間に
設定することにより、安定した記録特性が得られること
が分った。
【0051】また、突起59の形状は、例えば、図8
(a)〜(d)に示すような形とすることができる。つ
まり、突起59の形状は、ガイドフィルム54の上端5
4a上に配置された底辺から先端に向けて尖鋭ないわゆ
る尖塔形であれば良い。また、突起59は、例えば図8
に示すような形の平板をその中心軸の回りに回転した回
転体であっても良く、この場合、突起59を、インク供
給路43の開口56を塞ぐことのない大きさに形成する
必要がある。
【0052】つまり、突起59は、インク供給路43を
介して供給されたインクに対してプラテンローラ4に向
う電界が作用された場合に、インク内のトナーが突起の
先端にスムーズに移動できるような外形を有し、インク
との間に良好な濡れ性(親油性)を有するものであれば
良い。特に、突起59は、濡れ性を示す臨界表面張力が
25dyne/cm 以上の材料から成ることが望ましい。
【0053】隣接した2つの突起59の間、即ち隣接し
た2つの開口56の間には、各突起59に沿って各開口
56の近くに個々に形成されるインクメニスカス47同
士を分離させるための隔壁55が設けられている。各隔
壁55は、各インク供給路43の先端の開口56より記
録紙P方向(上方)に50〜500μm程度突出した上
端55a(記録ヘッド42の上端42a)を有してい
る。また、隔壁55がインク供給路43またはインク回
収溝57に対面した角部は、それぞれ僅かに面取りさ
れ、或いは全く面取りされていないことが望ましい。つ
まり、隔壁55の角部を面取りしないことにより、この
角部においてインクの濡れ広がりを阻止することができ
各インクメニスカス47の架橋を防止できる。
【0054】また、各隔壁55の上端55aには、イン
クをはじく撥油面60が設けられている。撥油面60
は、インクとしてイソパラフィン系溶媒を用いた場合に
は、フッ素樹脂、フッ素塗料、シリコーン樹脂、シリコ
ーン塗料等の臨界表面張力が25dyne/cm 以下の材料に
より形成することにより、良好な撥油性(濡れ防止性)
を発揮することができる。このように、各隔壁55の上
端55aに撥油面60を設けることにより、隣接したイ
ンクメニスカスの架橋を防止できる。また、撥油面60
を設けることにより、隔壁55の高さをインク供給路4
3の先端の開口56と同一の高さとした場合であっても
インクメニスカスの架橋を防止することができる。
【0055】上記のように構成した隔壁55を各突起5
9の間に設けることにより、隣接するインクメニスカス
47の架橋を防止でき、インクの架橋によるインク滴の
吐出方向の乱れや吐出周波数の乱れを防止でき、インク
滴を安定して吐出させることができる。また、各隔壁5
5は、各開口56の縁から支持部材の外周面に向けて傾
斜して設けられたインク回収溝57の両端を規定するよ
うに機能する。
【0056】ここで、上記記録装置30において用いら
れるインクの成分について説明する。インクは、帯電さ
れた色剤粒子としてのトナーを絶縁性液体としてのキャ
リア液内に2〜7重量%程度の比率で分散させて構成さ
れている。
【0057】キャリア液は、電気抵抗率が少なくとも1
9 オーム・センチ以上、好ましくは絶縁性の液体であ
るイソパラフィン系溶媒(例えば、1012〜1013以上
の電気抵抗を有するアイソパーG、H、K、L、M(商
品名))やシリコンオイル、ヘキサン、ペンタン、オク
タン等の有機溶媒からなる分散媒である。尚、上記電気
抵抗率は、HEWLETTPACKARD社製PRECISION LCR METER 42
84A;測定ヘッドとして、LIQUID TEST FIXTURE 16452Aを
使用して測定した。
【0058】トナーは、0.01〜5μm程度の粒子径
を有し、キャリア液中で所定の電位(ここでは正電位)
に帯電させるためのオクチル酸ジルコニウムやオクチル
酸リチウム等の帯電付与のための金属石鹸や着色成分等
を含有させた樹脂粒子である。
【0059】上記インクは、基本的には電子写真等で用
いられている液体現像剤と同じであるが、液体現像剤よ
り電気抵抗の高いものが要求される。つまり、インクの
電気抵抗が低い場合には、帯電したトナーのみに電界が
作用しなくなり、卜ナーの分離作用が弱くなくなるとい
う致命的故障が生じる。また、インクの電気抵抗が低い
と、従来の静電気式インクジェットと同様にキャリアー
液そのものに通電されてしまうため、記録液全体が帯電
してトナーとキャリアー液との区別も無く全部吐出して
しまい、本発明の効果は全く失われてしまう。このた
め、より高い電気抵抗を有するインクが必要とされるの
である。
【0060】電気抵抗を不所望に低下させる要因として
は、一般にトナー分散、あるいは帯電性改良の為に添加
するナフテン酸、オクチル酸、あるいはステアリン酸等
の金属石鹸(例えば、ナフテン酸ジルコニウム、オクチ
ル酸ジルコニウム)や、各種界面活性剤などを付加する
ことが考えられる。これらは一般に記録液の電気抵抗を
低下させる為、極力微量にするための工夫が必要であ
る。
【0061】本実施の形態の記録装置30に用いて良好
な記録特性(記録液中から主にトナーのみが分離されて
吐出する状態を良好と呼ぶ)が得られるインクの電気抵
抗は、108 オーム・センチ以上であり、この程度の電
気抵抗で通常の記録紙P上での流動や滲みが軽減し、1
10オーム・センチ以上の電気抵抗では更に画像の輪郭
の鮮鋭度が一層改善される。このことから、インクの電
気抵抗は極力高い事が望ましいことが分かる。
【0062】記録液としてこのような高い電気抵抗を得
るためには、トナーを分散する前のキャリアー液の電気
抵抗としては更に高いものが必要である。上述した添加
剤の影響を考慮すると1010オームセンチ以上は必要で
ある。この程度の電気抵抗を有するキャリア液にトナー
を分散するために上記添加剤を必要最小限加え、略10
8 オームセンチ程度の電気抵抗に低下する。ここでいう
必要最小限とは、トナーの帯電や分散安定性等の評価か
ら実用上問題のないレベルを維持するのに必要な、とい
う意味であり、具体的な値は用いる材料により異なる。
したがって、元になるキャリア液の電気抵抗が高いほど
記録液の調合の際の分散助剤や帯電制御剤の使用が容易
になる。
【0063】このように、インクの構成成分としては基
本的に電子写真等で用いられている液体現像剤と同じで
あるが、キャリア液の電気抵抗はこれらより高いものが
要求される。一般的に知られる電子写真で用いる液体現
像剤のように、溶液中で着色剤を含むモノマーを重合さ
せて粘性を有する重合体分散粒子として作成したものは
分散剤他の導電性成分が比較的多く、好ましい記録か得
られない。従って、本発明の目的に合わせて導電成分を
減量する必要がある。
【0064】また、トナーの沈殿を抑止するための増粘
剤も極力加えるべきではない。本発明で用いるインクと
しては、樹脂と着色剤、帯電制御剤を熱混練し、冷却後
所望の粒子径に粉砕して得たトナー微粒子を少量の分散
助剤で被覆処理し、必要により少量の膨潤性溶剤等を加
えて、キャリアー液中に分散したものが、電気抵抗の高
いインクを作るのに適している。
【0065】また、電気的反発力を利用してトナーを吐
出させるために、トナーの帯電量も安定していることが
要求され、ゼータ電位として測定した場合、60ミリボ
ルト以上有ることが好ましい。
【0066】一方、トナーの粒子径については、大きい
ものが電気泳動速度が速く適している反面、沈殿を起こ
しやすいという不利益を有している。トナーの吐出に関
して平均粒径が0.01マイクロメートル以下ではキャ
リアー液との分離か困難となる為と思われる滲みを伴う
画像が生じた。液体を全く吸収しない、例えば金属面に
記録しても滲みや流動を生じない為には、トナー粒径と
しては、0.1マイクロメートル以上有ることが好まし
い。また、大きい粒子は記録装置における沈殿防止機構
にも依存するが、およそ5マイクロメートルを越えるも
のは、極めて短時間で沈殿するため、用いるのは困難に
なる。適宜装置に合わせて選択する必要がある。間欠的
に使うものであれば、4マイクロメートル以下であるこ
とが好ましい。なおゼータ電位の測定には、米国PEN
KEM社のLAZER ZEEMETER M−50
1を使用した。
【0067】次に、上記のように構成された記録ヘッド
42におけるインク滴の飛翔動作について図9を用いて
説明する。まず、ポンプP1によりインク供給管34を
介してインクタンク32内に収容された上記インク70
が汲み上げられ、インク70がインク室53内へ供給さ
れる。インク室53内がインク70により満たされる
と、インク70は、複数のインク供給路43を介して上
昇され、各インク供給路43先端の開口56から溢れ
る。
【0068】各インク供給路43の開口56から溢れた
インク70は、各開口56の両側に設けられた隔壁55
により規定されたインク回収溝57を介して流れ出し、
各支持部材51、52の外周壁51c、52cに沿って
下方に流れる。そして、外周壁51c、52cに沿って
流れたインク70は、インク回収路45、フィルター4
6、およびインク回収管36を介してインクタンク32
へ回収される。
【0069】このようにインク70が記録ユニット40
内を循環されると、各インク供給路43の開口56近傍
においては、インク70がガイドフィルム54の突起5
9に沿って濡れ上がり、インク70の供給圧力、インク
70の表面張力、およびインク回収溝57の毛管作用に
より、図9に示すようなインクメニスカス47が形成さ
れる。
【0070】この場合、各開口56の間に設けられた隔
壁55の上端55aを開口56より高くし、上端55a
上に撥油面60を形成し、隔壁55の角を面取りしない
ことにより、各開口56に個別に形成されるインクメニ
スカス同士の架橋を防止できる。
【0071】このように各開口56の近くにインクメニ
スカス47が形成された状態で、各インク供給路43の
内面に沿って設けられた電極41に電源77を介して1
000〜1600ボルト程度のバイアス電圧を印加する
と、各電極41からプラテンローラ4(記録紙P)に向
う電界が形成される。この電界の影響により、インク7
0内のトナー71が電極41から静電的反発力を受け、
トナーがインクメニスカス47の頂点、即ちガイドフィ
ルム54の突起59の頂点に向けて泳動される。
【0072】この場合、インクメニスカス47が頂点に
向うにつれて先細になっていることから、インクメニス
カス47の頂点に向けて泳動されたトナー71は、突起
59の頂点付近で凝集され、ここにトナーの凝集物74
が形成される。トナー71が凝集されると、より大きな
静電気力が凝集物74に作用されるが、ここでは凝集物
74がインクメニスカス47から飛翔することのないよ
うに、バイアス電圧が設定されている。また、各電極4
1にバイアス電圧を印加した際に凝集物74が飛翔する
ことのないように、記録ヘッド42の先端とプラテンロ
ーラ4との間の距離が設定されている。
【0073】一方、各電極41にバイアス電圧が印加さ
れてトナー71と分離されたキャリア液72は、インク
メニスカス47の頂点に向けて移動されることなく、イ
ンク回収溝57を介してインクメニスカス47の裾から
流出される。つまり、キャリア液72は、トナー71
(正極性)との相互帯電作用により負極性イオンを有し
ており、インクメニスカス47に作用する電界により上
昇されることはない。従って、トナー71と分離された
キャリア液72は、インクの表面張力(インク回収溝5
7の毛管作用)、重力、および部分的に生じる静電気的
吸引力により、インクメニスカス47の裾から強制的に
流出される。
【0074】キャリア液72の排出経路として、各開口
56に隣接して形成されたインク回収溝57は、トナー
71の凝集により分離されたキャリア液72を効率良く
排出できる形状とすることが望ましい。キャリア液72
を効率良く排出することにより、インクメニスカス47
を安定させることができ、記録速度を高めることがで
き、吐出周波数を高めることができる。
【0075】また、インク回収溝57は、開口56の両
側に設けられずに片側のみに設けられても良いが、イン
クメニスカスの対称性を維持するために両側に設けるこ
とが望ましい。更に、キャリア液72を効率良く排出す
るため、インク供給路43とインク回収溝57との間の
縁部は面取りされることが望ましいが、本実施の形態の
ように、電極41の先端を露出した構造としても良い。
このように、電極41の先端を開口56の縁部にて露出
することにより、強い電界を発生することができる。
【0076】以上のようにトナー71とキャリア液72
が分離された状態で、画像信号に応じて選択された電極
41に対して吐出電圧が選択的に重畳印加される。重畳
印加される吐出電圧は、150〜800ボルト程度であ
り、吐出電圧が印加された電極41を有する開口56近
くのインクメニスカス47において、バイアス電圧印加
時より強い電界が発生される。
【0077】この電界により、凝集物74に作用してい
る表面張力等の束縛力より強い静電気力が凝集物74に
作用し、凝集物74がインクメニスカス47から分離さ
れて記録紙Pに向けてインク滴76として飛翔される。
これにより、記録紙P上にインク滴76によるドットが
形成され、複数の電極41を画像信号に応じて作動させ
ることにより、記録紙P上に所望の画像が形成される。
【0078】以上のように、本実施の形態に係る記録ヘ
ッド42によると、トナーと分離されたキャリア液をイ
ンク回収溝57を介して強制的に排出できるため、トナ
ーとキャリア液との分離を効率良くでき、トナーの凝集
効率を高めることができ、インク滴の吐出周波数を高め
ることができる。例えば、上述した記録ヘッド42にお
いては、500ヘルツから1キロヘルツの吐出周波数を
達成することができた。尚、この吐出周波数は、インク
供給路43の開口径を小さくするに従って高くなる傾向
を示し、開口径を100μmに設定した場合の吐出周波
数は2キロヘルツを示した。
【0079】また、開口径を小さくすることなく吐出周
波数を高める方法として、ガイドフィルム54の突起5
9の先端近くに導電性材料を設ける方法がある。この方
法によると、突起59の先端に30〜100μm程度の
金属領域を形成することにより、開口径を500μmに
設定した場合に2キロヘルツの吐出周波数を達成でき
た。
【0080】また、上記インク回収溝57の両側を規定
する隔壁55、およびその上面55aに設けられた撥油
面60により、各開口56に形成されるインクメニスカ
ス同士の架橋を防止でき、インク滴の飛翔時に発生する
インクメニスカスの不所望な振動および吐出方向の乱れ
を防止でき、安定した記録が可能となり、良質な画像を
形成できる。
【0081】更に、開口56から飛翔されるインク滴の
径は、印加する吐出電圧の大きさおよび印加時間により
変化されることが知られており、平均粒径1μmのトナ
ーを含むインクを用いると、吐出電圧を150〜600
ボルトに変化させた場合、インク滴の径は約15〜12
0μm程度の範囲で変化する。また、信号電圧の印加時
間を50〜500マイクロセカンド(1KHzの記録周
波数時)変化させると、10μm〜300μmの変化を
示す。このように、印加電圧や時間を調整することによ
り、インク滴の粒径を変更できるため、大きい開口から
小さな粒径を有するインク滴を飛翔させることができ、
インクの乾燥によるインク供給路の目詰まりを防止でき
るとともに高密度記録が可能となる。
【0082】以上のように、第1の実施の形態に係る記
録ヘッドによると、従来のインクジェットプリンタのよ
うに、液体を記録像として形成することなく、固形又は
半固形成分であるトナー凝集物をインクから分離して記
録像として形成することができる。このため、インク滴
が記録紙P上に到達してから流動したり、記録紙Pの繊
維間に毛管現象により浸透して滲む、いわゆるフェザリ
ング等の画像不良を生じることはない。尚、インク滴の
吐出時にキャリア液とトナーは分離するが完全に100
パーセント分離するものではなく、トナーはキャリア液
により濡れた状態で記録紙Pに到達する。しかし、付随
するキャリア液は僅かなため、記録像が流動を起こす事
はない。このため、金属やプラスチック等の吸収性のな
い受像体に対しても鮮鋭な画像を記録する事が出来、こ
の点においても従来のインクジェットプリンタには無い
利点である。
【0083】次に、この発明の第2の実施の形態に係る
記録ヘッド80について図10および図11を用いて説
明する。尚、記録ヘッド80は、概ね上述した第1の実
施の形態の記録ヘッド42を2つ重ねた構造を有し、基
本的な構成は記録ヘッド42と同じである。従って、第
1の実施の形態と同一の部分については同一符号を用い
て説明を省略し、第1の実施の形態と異なる部分につい
てのみ説明する。
【0084】図10(a)は記録ヘッド80の側面図で
あり、図10(b)は記録ヘッド80をその上端側から
見た平面図である。記録ヘッド80は、上述した第1の
実施の形態の記録ヘッド42と略同一の構成を有する2
つの記録ヘッド82、82′をその上端が同一面内に配
置されるように重ね合わせて構成されている。各記録ヘ
ッド82、82′は、その上端の長手方向に一列に並ん
だ複数の開口56を有し、それぞれの開口56が長手方
向に1/2ピッチづつずれるように設定されている。ま
た、各記録ヘッド82、82′の先端(ガイドフィルム
54の突起59の先端)が同じ高さとなるように、記録
ヘッド82、82′が組合わされている。
【0085】各記録ヘッド82、82′は、それぞれ一
対の支持部材を有し、それぞれ片方の支持部材81、8
1′は、図11に示すように、溝51aを形成した面と
反対側の面上にインクを排出するための排出溝83を有
している。また、各溝51aと排出溝83との間には、
各溝51aの両側に設けられた隔壁55により境界さ
れ、溝51aから排出溝83に向かって下方に傾斜した
インク回収溝57がそれぞれ形成されている。そして、
この排出溝83が形成された片方の支持部材81、8
1′同士が隣接対向するように、即ち排出溝83が一致
するように2つの記録ヘッド82、82′が組合わさ
れ、本実施の形態の記録ヘッド80が形成されている。
尚、対向する支持部材81、81′にそれぞれ形成され
た排出溝83は、記録ヘッド80を形成した際にインク
排出路85を形成する。
【0086】しかして、上記記録ヘッド80内にインク
を循環させる場合、複数のインク供給路43を介して供
給されたインクは、各開口56から溢れて各開口56の
両側に設けられたインク回収溝57を介して流出され、
記録ヘッド80の外周壁およびインク排出路85を介し
て回収される。このようにインクが循環されると、各開
口56から突出された突起59に沿ってインクメニスカ
スが形成される。インクメニスカスが形成された状態
で、画像信号に応じて選択された電極41に記録電圧を
選択的に印加することにより、記録紙P上に所望の画像
が形成される。
【0087】従って、本実施の形態の記録ヘッド80に
おいても、上述した第1の実施の形態の記録ヘッド42
と同様の効果を得ることができ、その上、より高密度な
開口56の配置が可能となり、より高精細な画像形成に
対応できる。尚、本実施の形態においては、2つの記録
ヘッドを組合わせたが、必要に応じて更に多くの記録ヘ
ッドを組合わせることも可能である。
【0088】また、本実施の形態に係る記録ヘッド80
によると、薄型の、しかも長尺の記録ヘッドが容易に実
現できるため、例えば4つの記録ヘッドにそれぞれ、
黒、シアン、マゼンタ、イェローのいわゆるカラー記録
用の3原色と墨入れ用の黒のトナーを分散した記録液を
充填して、記録紙に順次色分解画像を記録することでカ
ラーが像が形成できる。この場合、インク滴が記録紙P
に到達した時点で流動性を失っているため、1色毎に乾
燥する必要が無く直ちに次の色の記録行程に進める為、
従来のインクジェットと比較して高速記録にも適してい
る。
【0089】次に、上述した第1(または第2)の実施
の形態に係る記録ヘッド42において、複数のインク供
給路43内に形成された各電極41にコーティング88
を施した例について説明する。
【0090】図12に示すように、記録ヘッド42の各
インク供給路43内に設けられた電極41の表面には、
開口56まで延びたコーティング88が施されている。
コーティング88は、インク70に不溶な樹脂(ポリカ
ーボネート、エポキシ、アクリル、シリコン等)や窒化
珪素や非晶質珪素等の高い電気抵抗を有する材料から成
り、1ないし20ミクロン程度の厚さで電極41の表面
を開口56の端部まで完全に覆っている。つまり、各電
極41の先端は、各開口56に露出している。
【0091】このように高い電気抵抗を有するコーティ
ング88を電極41の表面に設けることにより、電極4
1からインク70への電荷の授受(通電)が全く絶たれ
るため、キャリア液72の電気抵抗が低い場合であって
も、キャリア液72が充電されて帯電することが防止で
きる。このため、キャリア液72が吐出することなくト
ナ−71のみが吐出する状態を保つことが出来る。この
場合、106オームセンチ程度にまで抵抗を下げたイン
クを用いても比較的良好な記録が可能となり、インク7
0の製造が容易になる。ただし、インク70の供給系が
途中で交わっている構造を採用する場合には、印加電圧
の電気的クロストークが生じるので、構造上の注意が必
要である。電極41に絶縁被覆を施す効果は、インク7
0の経時変化による抵抗変化などによる記録ドット径の
変化抑止、特に電圧変調により記録粒子の大きさを制御
しようとする場合には必要性が高くなる。
【0092】次に、この発明の第3の実施の形態に係る
記録ヘッド90について図13を用いて説明する。図1
3に示すように、記録ヘッド90は、略矩形板状の一対
の支持部材91、92を有している。これらの支持部材
91、92は、上述した第1の実施の形態に係る記録ヘ
ッド42の支持部材51、52と同様に形成されてい
る。各支持部材91、92は、各支持部材91、92の
一方の面に形成した溝91a(92a)を対向させず
に、溝を形成していない他方の面を対向させるように組
合わされる。つまり、記録ヘッド90は、その外周面上
にインクを流通させるための複数の溝を有し、各支持部
材91、92の溝が形成されていない他方の面によりガ
イドフィルム54を挟持して構成されている。尚、ガイ
ドフィルム54の上端54aに設けられた複数の突起5
9は、各支持部材91、92に形成された溝に対応して
記録ヘッド90の上端90aから突出して設けられてい
る。
【0093】各支持部材91、92に形成された溝91
a、92aは、記録ヘッド90の上端90aを介して1
対1に対応して連結され、各溝が連結された矩形部分9
3は、記録ヘッド90の上端90aより所定距離だけ後
退している。つまり、各矩形部分93の両側には、各支
持部材91、92に形成された各溝を境界した隔壁55
の先端部分が介在され、各隔壁55の上端55aが矩形
部分93より突出するように設けられている。そして、
各矩形部分93からガイドフィルム54の突起59が突
出され、各矩形部分93には、これらの突起59を囲む
ようにリング状の電極94がそれぞれ設けられている。
【0094】上記のように構成された記録ヘッド90に
インクを循環させる場合、一方の支持部材91の外周面
に形成された各溝91aを介して各矩形部分93にイン
クを供給し、反対側の支持部材92に形成された各溝9
2a(図示せず)を介して排出する。この場合、上述し
た第1の実施の形態においては記録ヘッド42を記録紙
Pに対して略直交させて(鉛直方向に延びて)対峙させ
たが、本実施の形態に係る記録ヘッド90においては、
インクの流通を可能とするため、記録ヘッド90を所定
角度で傾斜させている。つまり、インクの供給側(支持
部材91)が上方に位置し、インクの排出側(支持部材
92)が下方に位置するように記録ヘッド90が傾斜さ
れている。
【0095】このように、記録ヘッド90にインクを循
環させると、各矩形部分93を通過するインクが各突起
59に沿って濡れ上がり、矩形部分93、突起59、お
よび電極94の近くにインクメニスカスが形成される。
そして、各矩形部分93にてそれぞれ独立したインクメ
ニスカスが形成された状態で、画像信号に応じて選択さ
れた電極94に対して上述した駆動回路48から記録電
圧が選択的に印加されて記録紙Pに向けてインク滴が飛
翔され、記録紙P上に所望の画像が形成される。
【0096】以上のように、本実施の形態に係る記録ヘ
ッド90を用いた場合であっても、上述した第1の実施
の形態に係る記録ヘッド42を用いた場合と同様の効果
を得ることができる。尚、各支持部材91、92の外周
面上に溝を覆うカバーを設けることにより、各支持部材
91、92の外周面に沿ったパイプ状のインク流路を形
成し、このインク流路によりインクを強制的に循環させ
ても良い。この場合、記録ヘッド90を傾斜させる必要
はない。
【0097】次に、この発明の第4の実施の形態に係る
記録ヘッド100について図14および図15を用いて
説明する。図14は記録ヘッド100の斜視図であり、
図15は記録ヘッド100を図中A−A線に沿って切断
した断面図である。
【0098】記録ヘッド100は、ガイドフィルム54
を有していない以外は上述した第1の実施の形態に係る
記録ヘッド42と同一の構成を有している。よって、第
1の実施の形態と同一の部分については同一符号を付し
て説明を省略し、第1の実施の形態と異なる部分につい
てのみ説明する。
【0099】ところで、上述した第1乃至第3の実施の
形態にかかる記録ヘッドは、開口又はリング状電極近傍
のインクの吐出位置に突起59を配置したが、この突起
59は、突出位置近傍に形成したインクメニスカスを安
定させてトナーを高効率で凝集し、インク滴の吐出時に
生じるインクメニスカスの振動をすばやく吸収し、次の
インク滴の吐出に影響を及ぼさないようにするためのも
のである。つまり、突起59を設けることにより、イン
ク滴の吐出安定性を向上させることができる。
【0100】しかしながら、これらの突起59は本発明
にとって絶対に必要なものではない。従って、ガイドフ
ィルムを持たない本実施の形態の記録ヘッド100を用
いた場合であっても、上述した各実施の形態と同様の効
果を得ることができる。
【0101】つまり、記録ヘッド100によると、主に
隔壁55およびインク回収溝57による毛細管効果によ
り、開口56から溢れるインクの排出を安定させること
ができ、開口56上のインクメニスカスの形状を安定さ
せることができる。これにより、インクメニスカスの復
元性を向上でき、インク滴の吐出周波数を安定させるこ
とができる。
【0102】また、上述した第1の実施の形態に係る記
録ヘッド42と比較して、インクの目詰まりを低減する
ことができる。つまり、本実施の形態の記録ヘッド10
0によると、装置休止時に突起59の先端に乾燥による
トナーの固着が発生するといった問題が生じない利点が
あり、実用上高速を必要としない記録装置には価格やメ
ンテナンス上の利点がある。
【0103】尚、この発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可
能である。例えば、インク供給路43の先端の開口56
の形状は四角形である必要はなく、電極41の断面形状
は開口56の中央部即ち突起59の先端部の電界が周辺
部よりやや低い井戸型あるいはリング状(ドーナツ状)
の電界を形成する構造であれば良い。つまり、実質的に
突起59の麓を囲む如き形状を有していれば良い。具体
的には、円形(リング状)、楕円形等あらゆる断面形状
が可能である。また開口端全域を電極で覆わずとも、コ
の字状、平行板状、ストライプ状とするなど不連続な
(部分的な)電極配置であっても良い。
【0104】また、上述した各実施の形態においては、
隔壁55の幅(隣接した開口間の距離)は開口56と同
じレベルの大きさとして描いたが、これに限定されるも
のではなく更に小さくすることが可能である。この場
合、隔壁55の高さを十分に高くすることに加えて、隔
壁55の全ての角を鋭利にすることにより、インクの広
がりを絶つ効果が大きくなる。本発明で用いた表面張力
が18〜30ミリニュートン/メートル程度のインクを
用いて、ポリカーボネート樹脂等により隔壁55を形成
した場合には、隔壁55の角部の面取りは100ミクロ
ン以下、曲面とする場合には、半径100ミクロン以下
であれば、通常の記録時に隣接する開口56同士でイン
クメニスカスが架橋する事はなかった。
【0105】更に、突起59の配置方向は、上述した各
実施の形態とは90度異なる方向に設定してもよく、突
起59の形状も適宜選択できる。突起59の底辺を小さ
くすると、突起周辺に形成されるインクメニスカスの裾
野の広がりが小さくなり隔壁にインクが這いあがり難く
なるが、トナーの凝集量が少なくなるので目的に合わせ
て調整されるべきである。また、上記各本実の形態で
は、突起59をガイドフィルム54と一体に形成するこ
とにより突起59を高精度に配置したが、突起59を複
数に分割したり開口部だけに配置するような大きさや構
造にする等種種変形可能である。また、実施例では、突
起は全て電極の中央部に配置させたが、これは好ましい
配置例として示したもので、多少記録効果は低下する
が、装置構造の簡素化を図るために溝の片側に突起を配
置することなども本発明の主旨に含まれるものである。
【0106】また、本実施の形態では電極にバイアス電
圧を印加するようにしたが、対向電極であるプラテンロ
ーラ4側にバイアス電圧を印加するようにしても良く、
要するにプラテンローラ4と電極との間に記録するのに
十分なバイアス電圧が印加されれば良い。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の画像形
成装置は、上記のような構成および作用を有しているの
で、高い記録周波数を達成でき、高濃度で良質な画像を
安定して形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の画像形成装置としてのイン
クジェットプリンタを示す概略図。
【図2】図2は、図1のインクジェットプリンタに組込
まれた記録装置を示す概略図。
【図3】図3は、図2の記録装置に組込まれた記録ヘッ
ドを示す斜視図。
【図4】図4は、図3の記録ヘッドをその上端から見た
平面図。
【図5】図5(A)は、図3の記録ヘッドを構成した支
持部材を示す正面図。図5(B)は、図5(A)の支持
部材を示す側面図。
【図6】図6は、図3の記録ヘッドに組込まれたガイド
フィルムを示す概略図。
【図7】図7は、図3の記録ヘッドの上端近くを拡大し
て示す部分拡大図。
【図8】図8は、図6のガイドフィルムの突起の変形例
を示す図。
【図9】図9は、図3の記録ヘッドにおける記録動作を
説明するための動作説明図。
【図10】図10(a)は、この発明の第2の実施の形
態に係る記録ヘッドを示す側面図。図10(b)は、図
10(a)の記録ヘッドを示す平面図。
【図11】図11は、図10の記録ヘッドを構成した一
方の支持部材を示す概略図。
【図12】図12は、電極上にコーティングを施した記
録ヘッドを示す概略図。
【図13】図13は、この発明の第3の実施の形態に係
る記録ヘッドを示す斜視図。
【図14】図14は、この発明の第4の実施の形態に係
る記録ヘッドを示す斜視図。
【図15】図15は、図14の記録ヘッドをA−A線に
沿って切断した断面図。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ、 4…プラテンローラ、 30…記録装置、 32…インクタンク、 40…記録ユニット、 41…電極、 42…記録ヘッド、 43…インク供給路、 44…ガイド部材、 45…インク回収路、 51、52…支持部材、 51a…溝、 54…ガイドフィルム、 55…隔壁、 56…開口、 57…インク回収溝、 59…突起。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散
    して成るインクを、記録媒体から所定距離離間して配置
    された複数の吐出位置へ供給する供給手段と、 上記各吐出位置間で上記記録媒体に向けて設けられ、上
    記供給手段にて上記各吐出位置へ供給されたインクを仕
    切るための複数の隔壁と、 上記供給手段にて上記各吐出位置へ供給されたインクを
    回収する回収手段と、 隣接した上記隔壁間に設けられ、上記供給手段にて上記
    各吐出位置へ供給されたインクを上記回収手段へ導くた
    めの複数の回収路と、 画像信号に応じて選択された吐出位置から上記記録媒体
    に向う電界を形成し、上記選択された吐出位置において
    上記インク内の色剤粒子を凝集し、凝集した色剤粒子を
    上記記録媒体に向けて飛翔させる記録手段と、 を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 上記各隔壁が上記記録媒体に対向する上
    端は上記インクに対して撥油性の材料を有し、上記回収
    路は上記インクに対して親油性の材料から成ることを特
    徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 上記回収路は、隣接した上記隔壁の間で
    規定され、毛管作用により上記インクを上記吐出位置か
    ら上記回収手段へ導くインク回収溝であることを特徴と
    する請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散
    して成るインクを、記録媒体から所定距離離間して配置
    された複数の吐出位置へ供給する供給手段と、 上記各吐出位置から上記記録媒体に向けて突出して設け
    られた複数の突起と、 上記各吐出位置間で上記記録媒体に向けて設けられ、上
    記供給手段にて上記各吐出位置へ供給されたインクを仕
    切るための複数の隔壁と、 上記供給手段にて上記各吐出位置へ供給されたインクを
    回収する回収手段と、 隣接した上記隔壁間に設けられ、上記供給手段にて上記
    各吐出位置へ供給されたインクを上記回収手段へ導くた
    めの複数の回収路と、 画像信号に応じて選択された吐出位置から上記記録媒体
    に向う電界を形成し、上記選択された吐出位置において
    上記突起の先端近くに上記インク内の色剤粒子を凝集
    し、凝集した色剤粒子を上記記録媒体に向けて飛翔させ
    る記録手段と、 を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 上記突起は、高い電気抵抗を有し、上記
    インクに対して親油性の材料により形成され、上記吐出
    位置の幅以下の幅を有する基端部と、上記隔壁より上記
    記録媒体に向けて突出した尖鋭な先端部を有することを
    特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 互いに対向するように配置された第1お
    よび第2の支持部材と、 前記第1および第2の支持部材の各対向面上に形成さ
    れ、前記第1および第2の支持部材とを近接対向させた
    状態において、その先端に開口を形成する複数の溝と、 前記複数の溝の表面に設けられた複数の電極と、 前記第1および第2の支持部材の各対向面上に形成さ
    れ、前記複数の溝の間を仕切る隔壁と、 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散してなるインク
    を前記溝を介して前記開口へ向けて供給する供給手段
    と、 前記開口へ向けて供給されたインク中の色剤粒子を前記
    開口部近傍において、凝集させる凝集手段と、 前記凝集手段により、凝集した色剤粒子を記録媒体に向
    けて飛翔させる飛翔手段と、 前記隔壁間に設けられ、前記開口からインクを所定の方
    向に排出させるインク回収路と、 前記インク回収路から排出されたインクを回収する回収
    手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 上記隔壁先端は記録媒体と対向して設け
    られ、上記開口より所定距離だけ突出していることを特
    徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 上記インク回収路は、上記開口から前記
    第1および第2の支持部材の外周面に向けてインクを排
    出するため傾斜した形状を有することを特徴とする請求
    項6に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 上記隔壁が上記記録媒体に対向した上端
    は上記インクに対して撥油性の材料を有し、上記インク
    回収路は上記インクに対して親油性の材料から成ること
    を特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 上記インク回収路は、隣接した上記隔
    壁の間で規定され、毛管作用により上記インクを上記開
    口から上記回収手段へ導くインク回収溝であることを特
    徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 上記各電極が上記インクに露出した表
    面には、絶縁性の材料が被覆されていることを特徴とす
    る請求項6に記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 互いに対向するように配置された第1
    および第2の支持部材と、 前記第1および第2の支持部材の各対向面上に形成さ
    れ、前記第1および第2の支持部材とを近接対向させた
    状態において、その先端に開口を形成する複数の溝と、 前記複数の溝の表面に設けられた複数の電極と、 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散してなるインク
    を前記溝を介して前記開口へ向けて供給する供給手段
    と、 記録媒体と対向して設けられた複数の突起部を有すると
    ともに、前記第1および第2の支持部材とに挟持され、
    インクを所定の位置にガイドするガイド部材と、 前記第1および第2の支持部材の各対向面上に形成さ
    れ、前記複数の溝の間を仕切る隔壁と、 前記開口へ向けて供給されたインク中の色剤粒子を前記
    開口近傍において、凝集させる凝集手段と、 前記凝集手段により、凝集した色剤粒子を記録媒体に向
    けて飛翔させる飛翔手段と、 前記隔壁間に設けられ、前記開口からインクを所定の方
    向に排出させるインク回収路と、 前記インク回収路から排出されたインクを回収する回収
    手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 上記隔壁先端は記録媒体と対向して設
    けられ、上記開口より所定距離だけ突出していることを
    特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 上記インク回収路は、上記開口から前
    記第1および第2の支持部材の外周面に向けてインクを
    排出するため傾斜した形状を有することを特徴とする請
    求項12に記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 上記隔壁が上記記録媒体に対向した上
    端は上記インクに対して撥油性の材料を有し、上記イン
    ク回収路は上記インクに対して親油性の材料から成るこ
    とを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 上記インク回収路は、隣接した上記隔
    壁の間で規定され、毛管作用により上記インクを上記開
    口から上記回収手段へ導くインク回収溝であることを特
    徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 上記各電極が上記インクに露出した表
    面には、絶縁性の材料が被覆されていることを特徴とす
    る請求項12に記載の画像形成装置。
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