JP2000006332A - オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシート - Google Patents
オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシートInfo
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Abstract
やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等からなるフィルム
・シートが元来有する高周波ウエルダー適性を損なうこ
となく、耐傷性、耐熱性及び裁断性を改良する。 【解決手段】 エチレン−(メタ)アクリル酸エステル
共重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から選
ばれる樹脂を主体とするオレフィン系樹脂からなる中間
層の両面に、密度が0.91〜0.93g/m3 の範囲
にあるエチレン−ヘキセン共重合体又は/及びエチレン
−オクテン共重合体を主体とするオレフィン系樹脂から
なる外層を形成し、オレフィン系樹脂製多層フィルム・
シートとする。
Description
ス類用、包装用、農業用、等として使用されるオレフィ
ン系樹脂からなる軟質多層フィルム又はシート(以下、
「フィルム・シート」と記すことがある)に関し、詳し
くは、高周波ウエルダー適性、耐傷性、耐熱性、裁断性
に優れたオレフィン系樹脂からなる軟質多層フィルム・
シートに関するものである。
装用、農業用、等として、合成樹脂からなる軟質フィル
ム・シートが使用されている。また、このフィルム・シ
ートとしては、エチレン−メチルメタクリレート共重合
樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる単層フ
ィルム・シート等が知られている。
ルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂からなる単層フィルム・シートは、柔軟性があ
り、また、高周波ウエルダー適性に優れるという利点を
有する点では、二次加工を必要とすることが多い上記用
途での使用に適していると言えるが、反面、表面に傷が
付き易い(耐傷性に劣る)という欠点を有しており、従
来からこれを改善するための種々の提案、具体的には、
脂肪酸アマイドを添加したり、表面に塗膜を形成する等
の提案がなされている。
を改善しようとした場合、エチレン−メチルメタクリレ
ート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から
なるフィルム・シートが元来有している高周波ウエルダ
ー適性に優れるといったような特性を損なう場合が多
い。また、上記のように、脂肪酸アマイドを添加したよ
うな場合には、この脂肪酸アマイドがフィルム・シート
の表面にブリードして、外観を損なうようなこともあっ
た。
重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる単
層フィルム・シートは、耐熱性に劣り、80〜90℃程
度の温度でも、変形が生じてしまい易いという欠点、或
いは、裁断性に劣り、裁断時に刃が入りにくいため、端
部(裁断することによってできる端部)近傍が伸びて変
形が生じ易いという欠点も有していた。
り、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂やエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂からなるフィルム・シート
が元来有する高周波ウエルダー適性に優れるという特性
を損なうことなく、表面に耐傷性、耐熱性及び裁断性を
改善したフィルム・シートを提供するものである。
になされた本発明のフィルム・シートは、オレフィン系
樹脂からなる中間層及び外層から構成され、中間層を形
成するオレフィン系樹脂が、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂から選ばれる一種以上を主体とするオレフィン系
樹脂であり、外層を形成するオレフィン系樹脂が、密度
が0.91〜0.93g/m3 の範囲にある、エチレン
−ヘキセン共重合体又は/及びエチレン−オクテン共重
合体を主体とするオレフィン系樹脂であることを特徴と
するオレフィン系樹脂製多層フィルム・シートである。
・シートの中間層を形成するエチレン系樹脂は、上記し
た通り、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から選ばれる
樹脂を主体とするオレフィン系樹脂、もしくは、これら
から選ばれる二種以上を混合したものを主体とするオレ
フィン系樹脂である。
重合樹脂は、エチレンと、アクリル酸エステル又は/及
びメタクリル酸エステルを共重合させたものであり、具
体的には、上記したエチレン−メチルメタクリレート共
重合樹脂の他、エチレン−メチルアクリレート共重合樹
脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、等が使
用できる。
エステル共重合樹脂としては、(メタ)アクリル酸エス
テル成分が5〜30重量%のもの、特に高周波ウエルダ
ー適性の観点から15〜30重量%のものが好適であ
る。
エステル共重合樹脂としては、エチレンと共重合する
(メタ)アクリル酸エステルの種類やその含有量等が異
なるものを混合したものであってもよい。また、得られ
るフィルム・シートの特性を損なわない範囲であれば、
エチレン及び(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体
成分が共重合したものであっても差し支えない。
は、酢酸ビニル成分が5〜30重量%のもの、特に高周
波ウエルダー適性の観点から15〜30重量%のものが
好適である。
脂は、酢酸ビニル含有量が異なるものを混合したもので
あってもよい。また、得られるフィルム・シートの特性
を損なわない範囲であれば、エチレン及び酢酸ビニル以
外の単量体成分が共重合したものであっても差し支えな
い。
リル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂から選ばれる一種以上のオレフィン系樹脂に
は、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダー
ドアミン系化合物等の光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、
無機充填剤、顔料等の着色剤、等の各種添加剤を添加し
てもよい。
・シートの中間層は、必要に応じて各種添加剤が添加さ
れたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂
及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から選ばれる一種
以上のエチレン系樹脂により形成されるものであるが、
得られるフィルム・シートの特性を損なわない範囲であ
れば、上記のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂に、それ
以外の重合体、具体的には、低密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン等のポリエチレン;ポリプロピレン(ホモポリ
プロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプ
ロピレン等);ポリブテン;エチレン系エラストマー;
オレフィン系ゴム;等を混合しても差し支えない。
・シートは、上記したような中間層の両面に、密度が
0.91〜0.93g/m3 の範囲にあるエチレン−ヘ
キセン共重合体又は/及びエチレン−オクテン共重合体
を主体とするオレフィン系樹脂からなる外層が形成され
る。
間層を形成するオレフィン系樹脂と同様に、必要に応じ
て、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合
物等の光安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸
収剤、無機充填剤、顔料等の着色剤、等の各種添加剤を
添加してもよい。
損なわない範囲であれば、上記のオレフィン系樹脂以外
の重合体、具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密
度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等のポリエチレ
ン;エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系共重合
体;ポリプロピレン(プロピレンとエチレンのランダ
ム、ブロック共重合体、即ち、ランダムポリプロピレ
ン、ブロックポリプロピレン等も含む);ポリブテン、
ブテン−α−オレフィン共重合体等のブテン系重合体;
オレフィン系ゴム;水素添加スチレン−ブタジエンゴ
ム、水素添加スチレン−イソプレンゴム等の水素添加ゴ
ム;等を混合しても差し支えない。
ン共重合体又は/及びエチレン−オクテン共重合体の密
度は、上記した通り、0.91〜0.93g/m3 、好
ましくは0.915〜0.925g/m3 の範囲であ
る。エチレン−ヘキセン共重合体又は/及びエチレン−
オクテン共重合体の密度が小さすぎると、得られるフィ
ルム・シートの表面がべたつくと共に、耐熱性も低下す
る。逆に、エチレン−ヘキセン共重合体又は/及びエチ
レン−オクテン共重合体の密度が大きすぎると、得られ
るフィルム・シートの柔軟性が損なわれ、また、着色剤
を添加しない或いはその添加量が少ないときの透明性が
低下する。
及びエチレン−オクテン共重合体としては、得られるフ
ィルム・シートの表面のべたつきが特に少ない、メタロ
セン触媒を用いて重合せしめられたもの、或いは、Do
w社が開発したインサイト触媒を用いて重合せしめられ
たものを使用するのが望ましい。
・シートは、中間層の両面に外層を形成してなるが、本
発明の多層フィルム・シートにおいては、中間層と外層
との層間接着性に優れ、両層の間に接着剤を介する必要
がないので、その形成手段として好ましくは、製造工程
が簡略である共押出法や共押出インフレーション法であ
る。勿論、中間層と外層とを、カレンダー法、押出法、
インフレーション法等の手段によって別々に成形し、そ
れらを熱ラミネートもしくは適宜の接着剤による接着等
の手段で積層する等によっても本発明の多層フィルム・
シートを得ることができる。
・シートの厚さについては、特に限定されるものではな
いが、上記用途として一般的には、0.03〜2.0m
m程度である。
ィルム・シートにおける中間層と各外層との厚さの比
は、それぞれ2:1〜40:1(すなわち、1/2/1
〜1/40/1)の範囲とするのが望ましい。中間層と
外層との厚さの比が、上記範囲を著しく逸脱した場合、
本発明の課題を解決し得る多層フィルム・シートを得る
ことができない。尚、両外層の厚さは必ずしも同じであ
ることを要しない。
・シートは、片面もしくは両面に、梨地や絹目等のエン
ボス絞を形成することもできるし、通常の印刷によるプ
リント模様を形成することもできる。また、水系、溶剤
系、紫外線硬化型等の各種塗料による塗膜を形成するこ
とも可能であるが、塗膜を形成した部分は、高周波ウエ
ルダー適性が著しく低下するので、塗膜を形成する場合
には、この点に留意する必要がある。勿論、プリント模
様を形成する場合も同様である。
樹脂製多層フィルム・シートは、軟質で、耐傷性、耐熱
性に優れており、また着色剤を含まない、或いは着色剤
の添加量が少ない場合(即ち、着色透明フィルム・シー
トとした場合)には、透明性にも優れるものである。ま
た、高周波ウエルダー適性や裁断性にも優れるので、二
次加工を要する用途への使用に好適である。
が、本発明は以下に挙げる実施例に限定されるものでは
ない。
す配合からなる中間層用エチレン系樹脂組成物及び外層
用プロピレン系樹脂組成物を用い、三層Tダイ押出機で
共押出して、全体厚さ0.3mm、中間層の厚さ0.2
5mm、各外層の厚さがそれぞれ0.025mmのオレ
フィン系樹脂製多層フィルムを得た。但し、比較例1、
2については、外層を形成せず、厚さ0.3mmの単層
フィルムとしたものである。また、得られたフィルムに
ついて、高周波ウエルダー適性、高周波ウエルダー溶着
部の溶着強度、耐傷性、透明性、層間接着性、耐熱性及
び裁断性を、下記基準にて評価した。結果を表1に併せ
て示す。
0回摩擦した後のフィルム表面を目視により観察した。 ○:傷の発生が僅か △:傷がやや目立つ ×:傷が著しく目立つ (c)耐ブロッキング性 得られたフィルムを10cm×10cmに裁断して得た
二枚の試験片を同じ大きさのガラス板で挟み、100g
の荷重をかけ、80℃の温度条件下で8時間放置した後
の二枚の試験片同志のブロッキング状態を確認した。 (d)透明性 ○:ヘイズ値が10%未満 ×:ヘイズ値が10%以上 (e)層間接着性 ○:良好(高周波ウエルダー加工時、各層の層間で容易
に剥離せず) ×:不良(高周波ウエルダー加工時、各層の層間で容易
に剥離する) (f)耐熱性 ○:100℃中に1時間放置しても、変形が見られない ×:100℃中に1時間放置したとき、変形が見られる (g)裁断性 ○:フィルムを50枚重ねて裁断した時に、フィルム端
部の変形が見られない ×:フィルムを50枚重ねて裁断した時に、フィルム端
部に変形が見られる
樹脂製多層フィルムの部分拡大断面図を図1に示す。図
中の符号1はオレフィン系樹脂製多層フィルムを、符号
11は中間層を、符号12(a)及び(b)は外層を、
それぞれ示している。
系樹脂製多層フィルム・シートは、高周波ウエルダー適
性、耐傷性、耐熱性、裁断性に優れ、文具用、各種ケー
ス類用、包装用、農業用、等として好適に使用できる。
また、着色剤の添加量が少ない場合や、着色剤を全く添
加しないような場合では、透明性にも優れるという利点
もある。
になされた本発明のフィルム・シートは、オレフィン系
樹脂からなる中間層及び外層から構成され、中間層を形
成するオレフィン系樹脂が、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂から選ばれる一種以上を主体とするオレフィン系
樹脂であり、外層を形成するオレフィン系樹脂が、密度
が0.91〜0.93g/cm3 の範囲にある、エチレ
ン−ヘキセン共重合体又は/及びエチレン−オクテン共
重合体を主体とするオレフィン系樹脂であることを特徴
とするオレフィン系樹脂製多層フィルム・シートであ
る。
・シートは、上記したような中間層の両面に、密度が
0.91〜0.93g/cm3 の範囲にあるエチレン−
ヘキセン共重合体又は/及びエチレン−オクテン共重合
体を主体とするオレフィン系樹脂からなる外層が形成さ
れる。
ン共重合体又は/及びエチレン−オクテン共重合体の密
度は、上記した通り、0.91〜0.93g/cm3 、
好ましくは0.915〜0.925g/cm3 の範囲で
ある。エチレン−ヘキセン共重合体又は/及びエチレン
−オクテン共重合体の密度が小さすぎると、得られるフ
ィルム・シートの表面がべたつくと共に、耐熱性も低下
する。逆に、エチレン−ヘキセン共重合体又は/及びエ
チレン−オクテン共重合体の密度が大きすぎると、得ら
れるフィルム・シートの柔軟性が損なわれ、また、着色
剤を添加しない或いはその添加量が少ないときの透明性
が低下する。
Claims (3)
- 【請求項1】 オレフィン系樹脂からなる中間層及びそ
の両面に形成されたオレフィン系樹脂からなる外層とか
ら構成されるオレフィン系樹脂製多層フィルム又はシー
トであって、 中間層を形成するオレフィン系樹脂が、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂から選ばれる一種以上を主体とするオ
レフィン系樹脂であり、 外層を形成するオレフィン系樹脂が、密度が0.91〜
0.93g/m3 の範囲にある、エチレン−ヘキセン共
重合体又は/及びエチレン−オクテン共重合体を主体と
するオレフィン系樹脂である、オレフィン系樹脂製多層
フィルム又はシート。 - 【請求項2】 外層を形成するオレフィン系樹脂が、メ
タロセン触媒或いはインサイト触媒により重合せしめら
れた、密度が0.91〜0.93g/m3 の範囲にある
エチレン−ヘキセン共重合体又は/及びエチレン−オク
テン共重合体を主体とするオレフィン系樹脂である、請
求項1記載のオレフィン系樹脂製多層フィルム又はシー
ト。 - 【請求項3】 中間層と外層との厚さの比が、2:1〜
40:1の範囲である請求項1又は2記載のオレフィン
系樹脂製多層フィルム又はシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17256698A JP3977926B2 (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17256698A JP3977926B2 (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000006332A true JP2000006332A (ja) | 2000-01-11 |
JP3977926B2 JP3977926B2 (ja) | 2007-09-19 |
Family
ID=15944222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17256698A Expired - Lifetime JP3977926B2 (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3977926B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000025172A (ja) * | 1998-07-07 | 2000-01-25 | Nippon Unicar Co Ltd | 農業用積層フィルムおよびその製造方法 |
-
1998
- 1998-06-19 JP JP17256698A patent/JP3977926B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000025172A (ja) * | 1998-07-07 | 2000-01-25 | Nippon Unicar Co Ltd | 農業用積層フィルムおよびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3977926B2 (ja) | 2007-09-19 |
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