JP2000006328A - アクリル系積層物とその製造方法、及び、レジン・トランスファー・モールディング用アクリル系ディスパージョン - Google Patents

アクリル系積層物とその製造方法、及び、レジン・トランスファー・モールディング用アクリル系ディスパージョン

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JP2000006328A
JP2000006328A JP17831398A JP17831398A JP2000006328A JP 2000006328 A JP2000006328 A JP 2000006328A JP 17831398 A JP17831398 A JP 17831398A JP 17831398 A JP17831398 A JP 17831398A JP 2000006328 A JP2000006328 A JP 2000006328A
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Japan
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acrylic
curing
minutes
laminate
dispersion
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JP17831398A
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English (en)
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Seiya Koyanagi
精也 小柳
Yuichi Matsuyama
裕一 松山
Yuichiro Kishimoto
祐一郎 岸本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂成形品とバックアップ剤との密着力に優
れたアクリル系積層物を高い生産速度で生産する。 【解決手段】 無機充填剤及び繊維補強剤を含有するア
クリル系樹脂が、アクリル系熱可塑性樹脂成形品上に積
層されてなるアクリル系積層物、アクリル系熱可塑性樹
脂成形品上に繊維補強剤を積層し、該繊維補強剤に、ア
クリル系単量体(a)、アクリル系重合体(b)、無機
充填剤(c)、硬化剤(d)、及び硬化促進剤(e)を
構成成分とするアクリル系ディスパージョンを、レジン
・トランスファー・モールディング法により含浸・硬化
させて一体化させるアクリル系積層物の製造方法、及び
前記該アクリル系ディスパージョンにおいて、特定粘度
以下であり、かつ、JIS K6901の常温硬化特性
を測定した際に、ゲル化時間と最小硬化時間がそれぞれ
特定時間内にあり、最高発熱温度が特定温度以下にあ
る、レジン・トランスファー・モールディング用アクリ
ル系ディスパージョン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系熱可塑
性樹脂成形品を無機充填剤及び繊維補強剤を含有するア
クリル系樹脂により補強したアクリル系積層物に関する
ものであり、該アクリル系積層物の製造方法に関するも
のであり、レジン・トランスファー・モールディング
(RTM)用のアクリル系ディスパージョンに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】アクリル系熱可塑性樹脂成形品を表面と
し、裏面を繊維強化樹脂によりバックアップした積層物
は、バスタブをはじめとして様々な用途に使用されてい
る。これらの積層物はの裏面の繊維強化樹脂層は、通
常、不飽和ポリエステル樹脂を使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの積層
物は、表面と裏面とで種類の異なる樹脂を積層している
ため、表面と裏面との間の密着力が悪く、長時間使用す
ると、表面と裏面の界面が剥離する等の問題が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意検討した結果、バックアップ剤と
して無機充填剤及び繊維補強剤を含有するアクリル系樹
脂を用いることによって、樹脂成形品とバックアップ剤
との密着力に優れたアクリル系積層物が得られることを
見いだし、また、特定の粘度と硬化特性を有するアクリ
ル系ディスパージョンを用いることによって、該アクリ
ル系積層物を得るための生産性に優れた製造方法を見い
だし、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、無機充填剤及び繊維
補強剤を含有するアクリル系樹脂が、アクリル系熱可塑
性樹脂成形品上に積層されてなるアクリル系積層物に関
するものであり;アクリル系熱可塑性樹脂成形品上に繊
維補強剤を積層し、該繊維補強剤に、アクリル系単量体
(a)、アクリル系重合体(b)、無機充填剤(c)、
硬化剤(d)、及び硬化促進剤(e)を構成成分とする
アクリル系ディスパージョンを、レジン・トランスファ
ー・モールディング法により含浸・硬化させて一体化さ
せることを特徴とする、アクリル系積層物の製造方法に
関するものであり;アクリル系単量体(a)、アクリル
系重合体(b)、無機充填剤(c)、硬化剤(d)、及
び硬化促進剤(e)を構成成分とするアクリル系ディス
パージョンにおいて、25℃で測定した粘度が1000
mPa・s以下であり、かつ、JIS K6901の常
温硬化特性を測定した際に、ゲル化時間が10分以上4
0分以下の範囲内にあり、最小硬化時間が20分以上6
0分以下の範囲内にあり、最高発熱温度が160℃以下
の範囲にあることを特徴とする、レジン・トランスファ
ー・モールディング用アクリル系ディスパージョンに関
するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル系積層物は、ア
クリル系熱可塑性樹脂成形品上に、無機充填剤及び繊維
補強剤を含有するアクリル系樹脂が積層されてなる。
【0007】アクリル系熱可塑性樹脂成形品としては、
公知のアクリル系樹脂板を使用することができる。アク
リル系樹脂板としては、特に制限はなく、押し出し成形
板、ガラスキャスト成形板、ベルト方式による連続キャ
スト成形板等が使用できる。
【0008】また、アクリル系熱可塑性樹脂成形品とし
ては、前記の板状の形状以外にも、3次元形状の成形品
も使用できる。3次元形状の成形品としては、特に制限
はなく、キャスト成形により3次元形状の成形品を得て
もよいし、また、前記の板を、真空成形、圧空成形、プ
レス成形等により成形して得られる3次元形状の成形品
でもよい。これらの中では、真空成形して得られる成形
品がコスト的に有利であるため好ましい。
【0009】無機充填剤及び繊維補強剤を含有するアク
リル系樹脂は、アクリル系熱可塑性樹脂成形品を裏面か
ら補強するパックアップ剤である。
【0010】無機充填剤としては、特に制限されない
が、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ、溶融シリ
カ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、リン
酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ガラスパウダ
ー等が挙げられ、これらを必要に応じて適宜使用するこ
とができる。これらは、2種以上を併用して使用しても
よい。
【0011】繊維補強剤としては、特に制限されない
が、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、
ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、アラ
ミド繊維、フェノール繊維等を使用することができる。
これらは、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0012】アクリル系樹脂は、後述するアクリル系単
量体(a)及びアクリル系重合体(b)からなるアクリ
ル系シラップを硬化させたものである。本発明では、樹
脂成形品とバックアップ剤とで同じアクリル系樹脂を使
用することで、樹脂成形品とバックアップ剤との密着力
に優れたアクリル系積層物が得られる。
【0013】次に、本発明のアクリル系積層物の製造方
法について説明する。本発明のアクリル系積層物は、ア
クリル系熱可塑性樹脂成形品上に繊維補強剤(f)を積
層し、該繊維補強剤に、アクリル系単量体(a)、アク
リル系重合体(b)、無機充填剤(c)、硬化剤
(d)、及び硬化促進剤(e)を構成成分とするアクリ
ル系ディスパージョンを、レジン・トランスファー・モ
ールディング法により含浸・硬化させて一体化させて製
造する。
【0014】繊維補強剤(f)としては、前述の繊維補
強剤を使用することができる。また、繊維補強剤は、予
め、織布や不織布等にマット化したものや、吹き付けや
プレス等によりプリフォーム化したものを使用してもよ
い。
【0015】アクリル系ディスパージョンを構成するア
クリル系単量体(a)は、アクリル系ディスパージョン
に適度な流動性を付与する成分であり、また、繊維補強
剤に対する含浸性を付与する成分である。
【0016】(a)成分の含有量は、特に制限されない
が、本発明のアクリル系ディスパージョン100重量%
中、20〜70重量%の範囲内であることが好ましい。
(a)成分の含有量が20重量%以上の場合には、アク
リル系ディスパージョンの流動性がよくなり、繊維補強
剤に対する含浸性が良好となる傾向にあり、また、
(a)成分の含有量が70重量%以下の場合には、アク
リル系ディスパージョンの硬化収縮が小さくなる傾向に
ある。(a)成分の含有量の下限値は30重量%以上が
より好ましく、また、(a)成分の含有量の上限値は6
0重量%以下がより好ましい。
【0017】アクリル系単量体(a)としては、メタク
リロイル基及び/又はアクリロイル基を有する単量体又
はそれらの混合物であり、特に限定されない。
【0018】具体例としては、例えば、メチル(メタ)
アクリレート、炭素数2〜20のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレート、炭素数1〜20のヒドロ
キシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族
環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロヘキサン
環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート等のビシクロ環を持つ
エステル基を有する(メタ)アクリレート、トリシクロ
[5・2・1・02,6]デカニル(メタ)アクリレート
等のトリシクロ環を持つエステル基を有する(メタ)ア
クリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)
アクリレート等のフッ素原子を持つエステル基を有する
(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の環状エ
ーテル構造を持つエステル基を有する(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸金属
塩、(メタ)アクリル酸アミド等のアクリル系単官能性
単量体や、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ(メ
タ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパン
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メ
タ)アクリレート、及び、(メタ)アクリル酸と多価ア
ルコール[ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール等]との多価エステル、アリール(メタ)アクリレ
ート等のアクリル系多官能性単量体が挙げられる。
【0019】これらは、必要に応じて単独であるいは2
種以上を併用して使用することができる。
【0020】また、前記アクリル系単量体以外にも、ス
チレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル、酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、無水マレ
イン酸、マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸、
フマル酸エステル等の単量体を含有しても良い。
【0021】アクリル系ディスパージョンを構成するア
クリル系重合体(b)は、本発明のアクリル系ディスパ
ージョンに適度な粘度を付与する成分である。
【0022】(b)成分の含有量は、特に制限されない
が、本発明のアクリル系ディスパージョン100重量%
中、1〜30重量%の範囲内であることが好ましい。
【0023】これは、(b)成分の含有量がこの範囲内
において、アクリル系ディスパージョンの粘度が適正と
なる傾向にあるからである。(b)成分の含有量の下限
値は5重量%以上がより好ましく、また、(b)成分の
含有量の上限値は20重量%以下がより好ましい。
【0024】(b)成分は、アクリル系単量体を主成分
として重合してなる重合体である。このアクリル系重合
体(b)を得るために使用される構成成分(重合用単量
体)としては、例えば、先の(a)成分として例示した
各種単量体をそのまま適用することができる。それら構
成成分は、必要に応じて、単独で使用して単独重合体を
得ても良いし、2種以上を併用して共重合体を得ても良
いし、さらに必要に応じて多官能性単量体を共重合させ
て架橋重合体を得ても良い。
【0025】(b)成分の重量平均分子量は、特に制限
されないが、アクリル系ディスパージョンの粘度と流動
性を考慮に入れると、15,000〜2,000,00
0の範囲内であることが好ましい。
【0026】(b)成分は、予め(a)成分を部分重合
して(a)成分中にその重合体である(b)成分を生成
させてシラップとして使用してもよいし、予め溶液重合
法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法等の方法によ
って製造した(b)成分を(a)成分に溶解させてシラ
ップとした後に使用してもよい。
【0027】アクリル系ディスパージョンを構成する無
機充填剤(c)は、本発明のアクリル系ディスパージョ
ンの硬化収縮と硬化発熱を低くする成分である。
【0028】(c)成分の使用量は、特に制限されない
が、本発明のアクリル系ディスパージョン100重量%
中、10〜90重量%の範囲内である。
【0029】(c)成分の含有量が10重量%以上の場
合に、アクリル系ディスパージョンの硬化収縮と硬化発
熱が小さくなる傾向にあり、また、90重量%以下の場
合に、アクリル系ディスパージョンの流動性が良好とな
る傾向にある。(c)成分の含有量の下限値は20重量
%以上がより好ましく、30重量%以上が特に好まし
い。また、(c)成分の含有量の上限値は80重量%以
下がより好ましく、70重量%以下が特に好ましい。
【0030】(c)成分としては、特に制限はなく、前
記の無機充填剤を使用することができ、これらは、必要
に応じて2種以上を併用することができる。アクリル系
ディスパージョンを構成する(d)成分は硬化剤であ
る。
【0031】(d)成分の含有量は、特に制限されない
が、本発明のアクリル系ディスパージョン100重量%
中0.01〜10重量%の範囲内が好ましい。(d)成
分の含有量がこの範囲内である場合に、アクリル系ディ
スパージョンのプレミックスの硬化性が十分となる傾向
にある。(d)成分の含有量の下限値は0.1重量%以
上がより好ましく、また、(d)成分の含有量の上限値
は5重量%以下がより好ましい。
【0032】(d)成分としては、特に制限はなく、例
えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキ
サノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイ
ド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハ
イドロパーオキサイド等の有機過酸化物を使用すること
ができる。これらは、必要に応じて2種以上を併用する
ことができる。
【0033】アクリル系ディスパージョンを構成する
(e)成分は、硬化促進剤である。(e)成分の含有量
は、特に制限されないが、アクリル系ディスパージョン
100重量%中、0.01〜5重量%の範囲内であるこ
とが好ましい。
【0034】(e)成分の含有量がこの範囲内である場
合に、アクリル系ディスパージョンの硬化性が十分とな
る傾向にある。(e)成分の含有量の下限値は0.1重
量%以上であることがより好ましく、また、(e)成分
の含有量の上限値は1重量%以下であることがより好ま
しい。
【0035】(e)成分としては、特に制限はなく、ジ
メチルパラトルイジン、ジイソプロピオールパラトルイ
ジン等のアミンや、ナフテン酸コバルト等の金属塩を使
用することができる。
【0036】本発明のアクリル系ディスパージョンの2
5℃における粘度は、1000mPa・s以下である。
これは、アクリル系ディスパージョンの粘度が1000
mPa・s以下の場合に、アクリル系ディスパージョン
の流動性が良好となり、繊維補強剤に対する含浸性が良
好となるからである。アクリル系ディスパージョンの2
5℃における粘度の上限値は800mPa・s以下がよ
り好ましく、500mPa・s以下が特に好ましい。ま
た、アクリル系ディスパージョンの25℃における粘度
の下限値は10mPa・s以上がより好ましく、50m
Pa・s以上が特に好ましい。
【0037】本発明のアクリル系ディスパージョンは、
JIS K6901常温硬化特性を評価すると、ゲル化
時間が10分以上40分以下の範囲内にあり、最小硬化
時間が20分以上60分以下の範囲内にあり、最高発熱
温度が160℃以下の範囲内にある。
【0038】ゲル化時間が10分以上40分以下である
場合に、アクリルディスパージョンの繊維補強剤への充
填性・含浸性が良好となり、最小硬化時間が20分以上
60分以下である場合に、生産性が良好となり、また、
最高発熱温度が160℃以下である場合に、アクリル系
熱可塑性樹脂成形品の変形が起こらない傾向にある。ゲ
ル化時間のより好ましい範囲は15分以上30分以下で
あり、最小硬化時間のより好ましい範囲は30分以上5
0分以下であり、最高発熱温度の上限値は150℃以下
がより好ましい。
【0039】また、本発明のアクリル系ディスパージョ
ンには、前述の(a)〜(e)成分以外にも、必要に応
じて、着色剤、着色粒子、内部離型剤、低収縮剤、重合
禁止剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0040】本発明のアクリル系積層物は、アクリル系
熱可塑性樹脂成形品上に繊維補強剤(f)を積層し、該
繊維補強剤に、該アクリル系ディスパージョンを、レジ
ン・トランスファー・モールディング法により含浸・硬
化させて一体化させて製造する。
【0041】硬化温度は、特に制限されないが、20℃
〜100℃の範囲内であることが好ましい。硬化温度が
20℃以上の場合に、硬化時間が短くなり、生産性が向
上する傾向にあり、また、100℃以下の場合に、アク
リル系樹脂成形品が硬化時に変形しない傾向にある。硬
化温度の下限値は30℃以上がより好ましく、また、上
限値は80℃以下がより好ましい。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。例中の部および%は、全て重量基準である。
【0043】[アクリル系ディスパージョンの物性] ・粘度:アクリルディスパージョンを25℃の恒温水槽
中に2時間以上浸漬した後、BL型粘度計((株)トキ
メック製)で測定した。 ・硬化特性:JIS K6901の常温硬化特性に基づ
いて測定した。
【0044】(1)アクリル系重合体(b−1)の製造
例 冷却管、温度計、撹拌機、窒素導入管を備えた反応装置
に、純水800部及びポリビニルアルコール(けん化度
88%、重合度1000)1部を溶解させた後、メチル
メタクリレート400部にノルマルドデシルメルカプタ
ン2部及びアゾビスイソブチロニトリル2部を溶解させ
た単量体溶液を投入し、窒素雰囲気下、300rpmで
撹拌しながら1時間で80℃に昇温し、そのまま2時間
加熱した。その後、90℃に昇温し2時間加熱した後、
室温まで冷却して懸濁重合を終了した。得られたサスペ
ンジョンを濾過、洗浄した後、50℃の熱風乾燥機で乾
燥し、重量平均分子量が4万のアクリル系重合体(b−
1)を得た。
【0045】[実施例1]メチルメタクリレート37.
4部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート
5.5部からなるアクリル系単量体に、硬化促進剤とし
てジイソプロピオールパラトルイジン0.165部、及
び禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール0.0165部を添加した後、アクリル系重合
体(b−1)12.1部を添加して、50℃で2時間溶
解させて、アクリル系シラップを製造した。室温まで冷
却した後、このアクリル系シラップに、無機充填剤とし
て炭酸カルシウム(日東粉化工業(株)製、商品名Sラ
イト#1200)45部を添加して、充分撹拌してアク
リル系ディスパージョンを得た。このアクリル系ディス
パージョンの25℃における粘度は240mPa・sで
あった。また、このアクリル系ディスパージョン100
部に、硬化剤としてベンゾイルパーオキサイド(日本油
脂(株)製、商品名ナイパーBMT−K40)を純分で
0.4部添加して、常温硬化特性を測定したところ、ゲ
ル化時間は25分、最小硬化時間は36分、最高発熱温
度は142℃であった。一方、アクリル系熱可塑性樹脂
成形品として、アクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)
製、商品名アクリライトPX−200)を真空成形法に
よりバスタブの形状に成形した。
【0046】また、繊維補強剤として、ガラス繊維をバ
スタブの形状にプリフォームした。次に、真空成形した
成形品を一方の型とし、もう一方の型としてこの成形品
と相似形の温調可能なアルミニウム製の型を用意し、こ
の2つの型を組み合わせてセルを形成した。次いで、こ
の2つの型の間にガラス繊維プリフォームを入れ、アル
ミニウム製の型を40℃に温調した。そこへ、アクリル
系ディスパージョン100部にたいして、硬化剤として
ベンゾイルパーオキサイドを純分で0.4部となるよう
スタティックミキサーで混合してながら流し込み、ガラ
ス繊維プリフォームにアクリル系ディスパージョンを含
浸させて、硬化させ、レジン・トランスファー・モール
ディング成形した。1時間後、アルミニウム製の型を離
型して、アクリル系熱可塑性樹脂成形品を、無機充填剤
及び繊維補強剤を含有するアクリル系樹脂でバックアッ
プしたアクリル系積層物を得た。このアクリル系積層物
のアクリル系熱可塑性樹脂成形品とバックアップ層との
間の密着性は極めて良好であった。
【0047】[実施例2]炭酸カルシウムの代わりに、
水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名ハイジ
ライトH−310)を用いること以外は、実施例1と同
様の方法で、アクリル系ディスパージョンを得た。この
アクリル系ディスパージョンの25℃における粘度は、
180mPa・sで、ゲル化時間は26分、最小硬化時
間は37分、最高発熱温度は142℃であった。このア
クリル系ディスパージョンを用いて、実施例1と同様の
方法でアクリル系積層物を得た。このアクリル系積層物
のアクリル系熱可塑性樹脂成形品とバックアップ層との
間の密着性は極めて良好であった。
【0048】[実施例3]炭酸カルシウムの代わりに、
溶融シリカ((株)龍森製、商品名ヒューズレックスR
D−8)を用いること以外は、実施例1と同様の方法
で、アクリル系ディスパージョンを得た。このアクリル
系ディスパージョンの25℃における粘度は、180m
Pa・sで、ゲル化時間は26分、最小硬化時間は37
分、最高発熱温度は142℃であった。このアクリル系
ディスパージョンを用いて、実施例1と同様の方法でア
クリル系積層物を得た。このアクリル系積層物のアクリ
ル系熱可塑性樹脂成形品とバックアップ層との間の密着
性は極めて良好であった。
【0049】[実施例4]アクリル系シラップが、メチ
ルメタクリレート20.9部、スチレン11部、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート11部、ジイソプ
ロピオールパラトルイジン0.165部、及び、アクリ
ル系重合体(b−1)12.1部からなるアクリル系シ
ラップであること以外は実施例1と同様にして、アクリ
ル系ディスパージョンを得た。このアクリル系ディスパ
ージョンの25℃における粘度は310mPa・sであ
った。また、このアクリル系ディスパージョン100部
に、硬化剤としてベンゾイルパーオキサイドを純分で
0.4部添加して、常温硬化特性を測定したところ、ゲ
ル化時間は19分、最小硬化時間は44分、最高発熱温
度は122℃であった。このアクリル系ディスパージョ
ンを用いて、実施例1と同様の方法でアクリル系積層物
を得た。このアクリル系積層物のアクリル系熱可塑性樹
脂成形品とバックアップ層との間の密着性は極めて良好
であった。
【0050】[実施例5]アクリル系シラップが、メチ
ルメタクリレート27.5部、イソボルニルメタクリレ
ート11部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート5.5部、ジイソプロピオールパラトルイジン0.
165部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール0.0165部、及び、アクリル系重合体(b−
1)11部からなることからなるアクリル系シラップで
あること以外は実施例1と同様にして、アクリル系ディ
スパージョンを得た。このアクリル系ディスパージョン
の25℃における粘度は280mPa・sであった。ま
た、このアクリル系ディスパージョン100部に、硬化
剤としてベンゾイルパーオキサイドを純分で0.4部添
加して、常温硬化特性を測定したところ、ゲル化時間は
29分、最小硬化時間は40分、最高発熱温度は128
℃であった。このアクリル系ディスパージョンを用い
て、実施例1と同様の方法でアクリル系積層物を得た。
このアクリル系積層物のアクリル系熱可塑性樹脂成形品
とバックアップ層との間の密着性は極めて良好であっ
た。
【0051】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、バ
ックアップ剤として無機充填剤及び繊維補強剤を含有す
るアクリル系樹脂を用いることによって、樹脂成形品と
バックアップ剤との密着力に優れたアクリル系積層物が
得ることが可能になり、また、特定の粘度と硬化特性を
有するアクリル系ディスパージョンを用いることによっ
て、該アクリル系積層物を高い生産速度で生産すること
が可能となり、工業上非常に有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA01A AA08 AA08H AG00 AG00H AH02A AK25A AK25B BA02 CA02A CA23A DG01A EH112 EJ082 EJ822 GB07 GB81 JK06 4J002 BB032 BB122 BE022 BG041 BG051 BG061 BG071 BG081 CC032 CF002 CH053 CL002 CL062 DA017 DE136 DE146 DE236 DG046 DH046 DJ016 DJ036 DJ046 DL006 DL007 EF048 EG089 EH078 EK029 EK049 EK079 EK089 EL038 EN079 EN109 EP018 FA042 FA047 FD012 FD016 FD017 FD143 FD148 FD149 FD159 GC00 GF00 GL00 HA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機充填剤及び繊維補強剤を含有するア
    クリル系樹脂が、アクリル系熱可塑性樹脂成形品上に積
    層されてなるアクリル系積層物。
  2. 【請求項2】 アクリル系熱可塑性樹脂成形品上に繊維
    補強剤(f)を積層し、該繊維補強剤に、アクリル系単
    量体(a)、アクリル系重合体(b)、無機充填剤
    (c)、硬化剤(d)、及び硬化促進剤(e)を構成成
    分とするアクリル系ディスパージョンを、レジン・トラ
    ンスファー・モールディング法により含浸・硬化させて
    一体化させることを特徴とする、請求項1記載のアクリ
    ル系積層物の製造方法。
  3. 【請求項3】 アクリル系熱可塑性樹脂成形品が、真空
    成形されてなることを特徴とする、請求項2記載のアク
    リル系積層物の製造方法。
  4. 【請求項4】 アクリル系ディスパージョンが、25℃
    で測定した粘度が1000mPa・s以下であり、か
    つ、JIS K6901の常温硬化特性を測定した際
    に、ゲル化時間が10分以上40分以下の範囲内にあ
    り、最小硬化時間が20分以上60分以下の範囲内にあ
    り、最高発熱温度が160℃以下の範囲にあることを特
    徴とする、請求項2記載のアクリル系積層物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アクリル系単量体(a)、アクリル系重
    合体(b)、無機充填剤(c)、硬化剤(d)、及び硬
    化促進剤(e)を構成成分とするアクリル系ディスパー
    ジョンにおいて、25℃で測定した粘度が1000mP
    a・s以下であり、かつ、JIS K6901の常温硬
    化特性を測定した際に、ゲル化時間が10分以上40分
    以下の範囲内にあり、最小硬化時間が20分以上60分
    以下の範囲内にあり、最高発熱温度が160℃以下の範
    囲にあることを特徴とするレジン・トランスファー・モ
    ールディング用アクリル系ディスパージョン。
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