JP2000005827A - 増厚絞り加工用金型 - Google Patents

増厚絞り加工用金型

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JP2000005827A
JP2000005827A JP10177806A JP17780698A JP2000005827A JP 2000005827 A JP2000005827 A JP 2000005827A JP 10177806 A JP10177806 A JP 10177806A JP 17780698 A JP17780698 A JP 17780698A JP 2000005827 A JP2000005827 A JP 2000005827A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性を低下させることなく増厚絞り加工で
きる増厚絞り加工用金型を得る。 【解決手段】 本金型10は、孔部56へパンチ24を
挿入した状態でパンチ24の外周部とダイス54の孔部
56との間に増厚絞り加工前の状態における筒部74の
肉厚の2.1〜2.8倍で好ましくは2.4〜2.5倍
の寸法を有する隙間Lが形成されるように、ダイス54
の孔部56の内径寸法を設定した。このため、ワーク7
0を孔部56内へ圧入しても筒部74に引張力を作用さ
せることなく、十分に筒部74の肉厚を増加させること
ができる。また、クッションプレート28の上型50側
の端部は単なる平板状であるため、加工が終了してダイ
ス54を離間させるとワーク70はクッションプレート
28上に単に載置されているだけの状態となり、ワーク
70を容易に取り出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属の絞り加工に
おいて筒状のワークの外周部の肉厚の減少を防止しつつ
成形する増厚絞りに適用される増厚絞り加工用金型に関
する。
【0002】
【従来の技術】電機子や永久磁石等、モータを構成する
部材を収容すると共に、内部に配置された永久磁石で生
じた磁束の通路としてのヨークを構成するハウジングと
しては、金属平板を絞り加工によって有底筒形状に成形
することで形成されるものがある。
【0003】ところで、一般的な絞り加工でハウジング
を形成すると、加工途中でハウジングの筒部に引張応力
がかかり、加工前の金属板の板厚に比べて加工終了後の
ハウジングの筒部の肉厚が薄くなる。上述したように、
ハウジングは単なるモータを構成する部品を収容するた
めのみならず、磁束が通るヨークとして用いられるた
め、筒部の肉厚が薄くなることで予め設定した磁束量よ
りも実際の磁束量が少なくなる。そこで、肉厚が薄くな
ることをみこんで予め板厚の厚い金属板を使用すること
が考えられるが、この場合には、ハウジングの底部に肉
厚が不要に厚くなるため、ハウジングの重量が増加して
しまい、更には、板厚の厚い金属板を使用することでコ
スト高になってしまう。そこで、増厚絞りと称される絞
り加工によって所定のハウジングの筒部の肉厚を所定の
肉厚に設定していた。
【0004】ここで、実開平4−43415号には筒部
の肉厚を所定の肉厚に設定できる金型(公報では、『圧
縮絞り金型』と称している)が開示されている。この金
型では、下型に上方へ向けて開口した凹部が形成されて
いる。有底筒状で且つ開口端が半径方向外側へ向けて延
出されたワークの開口端を凹部へ係合させた状態でセッ
トし、上型のダイスを下降させダイスの孔部へワークを
圧入すると、ワークは孔部の内周部により絞られて圧縮
される。さらに、このとき凹部内周によって開口端の外
周が支持され、ワークが孔部内周によって押圧されるこ
とによる絞り力に耐える。
【0005】また、下型には、下型に対して上下動可能
な変形阻止部材が設けられており、ワークが下型にセッ
トされた状態では変形阻止部材がワークに被嵌されてワ
ークの内底部へ変形阻止部材の上端部が当接し、ワーク
の半径方向内側への変形を制限する。この金型によって
成形されたワークは、成形中にワークの筒部に引張力が
付与されずに圧縮されるため、ワークの筒部の肉厚を増
加させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな金型では、下型の凹部内周でワークの開口端の外周
を支持するために、成形終了後には凹部内周へワークの
開口端が噛み込み、ワークの取り出しが困難となり、作
業性を低下させるという欠点がある。
【0007】本発明は、上記事実を考慮して作業性を低
下させることなく増厚絞り加工できる増厚絞り加工用金
型を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の増厚絞り
加工用金型は、開口端が略軸直交方向へ向けて延出され
てフランジ部とされた有底円筒状のワークの前記フラン
ジ部と対向した状態で前記ワークを載置可能な平板状で
且つ前記ワークの内径寸法よりも小径とされた貫通孔が
形成された載置部と、前記貫通孔を貫通し前記ワークの
開口端から内底部までの深さ以下の寸法だけ前記載置部
から前記ワーク側へ突出して前記ワークの内部へ挿入さ
れるパンチと、内径寸法が前記ワークの外径寸法よりも
小径で且つ前記パンチの外径寸法との差が前記ワークの
外周部の肉厚の2.1倍以上2.8倍以下で、好ましく
は2.4倍以上2.5倍以下とされた孔部が前記パンチ
に対して同軸的に形成され、前記貫通孔の軸方向に沿っ
て前記載置部に対して相対的に接近移動して前記孔部へ
前記ワークを圧入させるダイスと、を備えている。
【0009】上記構成の増厚絞り加工用金型で絞り加工
を行う際には、先ず、有底円筒状のワークの開口端に形
成されたフランジ部と載置部とが互いに対向した状態で
載置部上にワークを載置部に形成された貫通孔と同軸的
に載置し、次いで、この状態で載置部の貫通孔にパンチ
を貫通させ、さらに、貫通孔の軸方向に沿って載置部に
対して相対的にダイスを接近移動させてダイスの孔部へ
ワークを圧入する。載置部に対してダイスが所定の位置
まで接近移動すると、ダイスと載置部とでワークのフラ
ンジ部を挟み込み保持する。
【0010】ここで、ダイスの孔部の内径寸法はワーク
の外径寸法よりも小さいためにダイスの孔の内部へワー
クを圧入することでワークは絞り加工される。しかしな
がら、パンチの貫通孔からの突出寸法はワークの開口端
から内底部までの寸法以下であるために、ワークの軸方
向に沿った方向の引張応力をワークに生じさせることは
ない。しかも、パンチの外径寸法とダイスの孔部の内径
寸法との差がダイスの孔部へ圧入される前のワークの外
周部の肉厚の2.1倍以上2.8倍以下で、好ましくは
2.4倍以上2.5倍以下とされているためワークの内
径寸法の寸法精度や真円度等が保たれつつワークの筒部
の肉厚寸法が増加される。
【0011】このように、本増厚絞り加工用金型では、
載置部が平板状であってもワークの内径精度や真円度等
を保ちつつワークの筒部の肉厚寸法が増加させることが
できるため、加工時のワークの載置や加工終了後のワー
クの取り出し及び搬送が容易であり、作業効率が向上す
る。
【0012】請求項2記載の増厚絞り加工用金型は、請
求項1記載の増厚絞り加工用金型において、前記パンチ
を、前記載置部に対して前記載置部の貫通孔に沿って相
対的にスライド可能としたことを特徴としている。
【0013】上記構成の増厚絞り加工用金型によれば、
載置部の貫通孔に沿ってパンチがスライド可能とされて
いる。したがって、加工が終了して際に、載置部の貫通
孔の軸方向に沿って載置部に対して相対的にダイスを離
間させると共に、パンチをワークの内部から引き抜く方
向へスライドさせることで、加工終了の状態でパンチに
嵌まり込んでいるワークが容易に取り出される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1には本発明の一実施の形態に
係る増厚絞り用金型10(以下、単に『金型10』と称
する)の構造が断面図によって示されている。この図に
示されるように、本金型10は下型14を備えている。
この下型14には上端で開口したシリンダ部16が形成
されている。シリンダ部16の底部略中央には外径寸法
がシリンダ部16の内径寸法よりも十分に小さい平板状
のバッキングプレート18が載置されており、さらに、
バッキングプレート18上にはバッキングプレート18
と同様に外径寸法がシリンダ部16の内径寸法よりも十
分に小さいパンチプレート20が載置されている。パン
チプレート20の中心にはパンチプレート20の厚さ方
向に沿って貫通した円孔22が形成されている。パンチ
プレート20の円孔22の内側にはパンチ24が設けら
れている。パンチ24は外径寸法が円孔22の内径寸法
よりも僅かに小さい円柱形状とされている。また、パン
チ24の円孔22に挿入された側の端部は軸直交方向に
沿ってカットされた平面形状とされており、円孔22を
貫通してバッキングプレート18の上面へ当接してい
る。一方、円孔22に挿入された側の端部とは反対側の
端部は略半球形状の球面部26とされている。また、パ
ンチ24の外径寸法は製品内径寸法(すなわち、加工終
了後のワーク70の内径寸法)に設定されている。
【0015】また、パンチプレート20上には載置部と
してのクッションプレート28が載置されている。クッ
ションプレート28の外径寸法はシリンダ部16の内径
寸法よりも小さいが、上述したバッキングプレート18
及びパンチプレート20の外径寸法よりも十分に大き
い。クッションプレート28の外周部の軸方向中間部か
らシリンダ部16の底部側の端部までの間には、クッシ
ョンプレート28の半径方向外側へ向けてフランジ部3
0が延出されている。フランジ部30が形成された部分
でのクッションプレート28の外径寸法は、シリンダ部
16の内径寸法よりも僅かに小さい程度とされており、
クッションプレート28がシリンダ部16の軸方向に沿
って摺動できる。
【0016】また、クッションプレート28の半径方向
中央には貫通孔としての円孔32が形成されている。円
孔32は内径寸法が上述したパンチプレート20の円孔
22の内径寸法と略等しく、パンチ24の球面部26側
が貫通している。したがって、クッションプレート28
は、シリンダ部16とパンチ24の双方に案内されて、
シリンダ部16及びパンチ24の軸方向に沿ってスライ
ドできる。
【0017】さらに、下型14の開口端の端面上には、
リング状のストッパ34が設けられている。ストッパ3
4は内径寸法がクッションプレート28の外径寸法より
も大きいが、フランジ部30が形成された部分でのクッ
ションプレート28の外径寸法よりも小さい。したがっ
て、クッションプレート28がシリンダ部16及びパン
チ24の軸方向に沿ってシリンダ部16の開口端側へ向
けてスライドすると、フランジ部30がストッパ34へ
当接し、これ以上のクッションプレート28のスライド
を制限する。
【0018】また、図1に示されるように、シリンダ部
16の底部にはシリンダ部16の開口端とは反対側へ向
けて貫通した複数の透孔36が形成されている。これら
の透孔36はシリンダ部16の底部中心を中心とする仮
想円の円周方向に沿って等間隔に設けられており、各透
孔36にはクッション棒38が貫通配置されている。ク
ッション棒38の一端はクッションプレート28のシリ
ンダ部16の底部と対向する側の端部へ当接しており、
他端はクッション棒38を透孔36に沿って移動させる
クッション圧調整手段としてのシリンダ(何れも図示省
略)へ差し込まれ、シリンダ内の油圧や水圧或いは空気
等のガス圧等を加減することでクッション棒38をスラ
イドさせることができるようになっている。
【0019】一方、下型14の上方には平板状の上型5
0が設けられている。上型50はプレス装置のスライダ
(何れも図示省略)に保持されており、プレス装置に設
けられた駆動手段の駆動力により、スライダが円孔22
の軸方向に沿って移動することで下型14に対して接離
移動するようになっている。上型50の下型14側の端
部にはダイスホルダ52が固定されており、更に、ダイ
スホルダ52と下型14側の端部にはダイス54が固定
されている。ダイス54の略中央には上述したパンチ2
4の軸方向に沿って貫通した孔部56が形成されてお
り、孔部56及び上述したパンチ24の軸方向に沿って
孔部56がパンチ24と同軸となるようにダイス54が
ダイスホルダ52へ取り付けられる。
【0020】また、孔部56の内径寸法は、本金型10
により加工前のワーク70の外径寸法よりも小さく、且
つ、加工前のワーク70の上端部の曲率半径(すなわ
ち、加工前のワーク70の底部と筒部74とが成すコー
ナ部の曲率半径)の中心径よりも大きい。したがって、
孔部56の内側にパンチ24を挿入した状態では、孔部
56の内周部とパンチ24の外周部との間に加工前のワ
ーク70の板厚寸法の2.1倍以上2.8倍以下で、好
ましくは2.4倍以上2.5倍以下の寸法を有する隙間
Lが形成される。特に、孔部56の内径寸法及びパンチ
24の外径寸法について言えば、上記の条件を備え、且
つ、ワーク70の増厚絞り加工における絞り率が85%
以上90%以下となるように孔部56の内径寸法及びパ
ンチ24の外径寸法を設定することが好ましいことが、
実験的に確認されている。
【0021】さらに、孔部56の内周部の下型14側の
端部近傍は所定の曲率半径で下型14側へ向けて漸次内
径寸法が大きくなる湾曲部58とされている。
【0022】さらに、図1に示されるように本金型10
は押さえシャフト60を備えている。押さえシャフト6
0は、上述したパンチ24及び孔部56の軸芯位置をそ
の軸方向に沿って上型50及びダイスホルダ52を貫通
しており、プレス装置の駆動手段の駆動力により、パン
チ24及び孔部56の軸方向に沿ってダイス54に対し
て相対的に移動できる。また、押さえシャフト60の下
型14側の端部には押さえブロック62が設けられてい
る。押さえブロック62は下型14側の端部がワーク7
0の底部形状に対応した湾曲面とされている。
【0023】次に、本金型10を用いたワーク70の増
厚絞り加工工程の説明を通して、本実施の形態の作用並
びに効果について説明する。
【0024】本金型10で加工されるワーク70は、そ
の前工程(すなわち、通常の絞り加工工程等)で底部が
略半球形状とされた有底の円筒形状で且つ筒部74の開
口端には半径方向外方へ向けて延出されたフランジ部7
2が形成されている。
【0025】ワーク70を金型10にセットする際に
は、先ず、クッション棒38をスライドさせるプレス装
置のクッション圧調整手段によってフランジ部30がス
トッパ34へ当接するまでクッション棒38が下型14
側へ向けてスライドさせられると共に、上型50が下型
14から離間させる方向へ向けて移動させられ、ダイス
54が下型14の上型50側の端部から十分に離間させ
られる。この状態で、フランジ部72とクッションプレ
ート28の上型50側の端部とが互いに対向し、且つ、
ワーク70と円孔32が略同軸となるようにワーク70
をクッションプレート28上に載置する。
【0026】次いで、この状態から上型50を下型14
へ接近させる方向へ移動させると、ワーク70の底部が
ダイス54の湾曲部58へ当接する。この状態から更に
上型50を下型14へ接近させる方向へ移動させると、
クッション圧調整手段の圧力に抗してダイス54がワー
ク70及びクッションプレート28を介してクッション
棒38を押し下げ、クッションプレート28がシリンダ
部16の底部側へ向けてスライドする。これにより、ワ
ーク70の内部にパンチ24が挿入される。このよう
に、クッションプレート28がスライドすると、図1に
示されるように、クッションプレート28がパンチプレ
ート20へ当接してパンチプレート20によってクッシ
ョンプレート28のスライドが制限される。このスライ
ド制限状態では、押さえシャフト60が下型14側へス
ライドして押さえブロック62がワーク70の内底部を
パンチ24の球面部26へ押し付ける。
【0027】この状態から更に上型50を移動させると
ワーク70がダイス54の孔部56内へ圧入される。孔
部56の内径寸法は加工前のワーク70の外径寸法より
も小さいため、ワーク70は孔部56内へ圧入されて絞
り加工されることで圧縮されて内外径共に縮径され、こ
れによってワーク70の肉厚が増加する。なお、このと
きの上型50の移動に連動して押さえシャフト60が所
定の位置まで下型14から離間する方向へスライドす
る。また、ダイス54の孔部56内へワーク70を圧入
させようとすると、孔部56の下側開放端のコーナ部が
ワーク70の底部近傍をワーク70の半径方向内側で且
つ開放端(すなわち、下方)へ向けて押圧する。このよ
うな押圧力を受けたワーク70の底部は上方、すなわ
ち、ダイス54の孔部56内へ逃げようとする力が発生
する。これによっても、ワーク70の底部はパンチ24
の上端部(すなわち、球面部26)から離間する如く延
びる。また、この際には、下降するダイス54によって
ワーク70に下方(すなわち、下方14側)へ向いた圧
縮力が作用するが、上述したように、本金型10での増
厚絞り加工における絞り率の下限が85%となるように
孔部56の内径寸法を設定することで、筒部74に作用
する圧縮力に伴うワーク70の座屈が防止される。な
お、ダイス54の下降時にワーク70の底部近傍にワー
ク70の半径方向内側で且つ開放端(すなわち、下方)
への押圧力を付与する孔部56の下側開放端のコーナ部
の曲率半径の寸法は、ワーク70の内外径の寸法により
変化するが、概ね5〜15mm程度とすることが好まし
い。
【0028】ここで、図3には、ダイクリアランス(す
なわち、肉厚に対する比率でダイス54の孔部56の内
径寸法とパンチ24の外径寸法との差)と肉厚増加率
(すなわち、加工前の肉厚に対する加工後の肉厚の比
率)との関係を実験的に調べた結果がグラフにより示さ
れている。このグラフに示されるように、ダイクリアラ
ンスを筒部74の肉厚の2.1〜2.8倍の範囲に設定
した場合に、肉厚の増加率が1倍以上となり、更に、ダ
イクリアランスを筒部74の肉厚の2.4〜2.5倍の
範囲に設定した場合に肉厚の増加率がピークを示す。以
上の結果に基づいて本金型10では、ダイス54の孔部
56の内径寸法とパンチ24の外径寸法との差が加工前
のワーク70の筒部74の肉厚の2.1倍以上2.8倍
以下で、好ましくは2.4倍以上2.5倍以下とされて
いるため、上述した増厚絞り加工(すなわち、ワーク7
0を孔部56内へ圧入する工程)において筒部74に引
張応力を作用させることなく、十分にワーク70の筒部
74の肉厚を増加させつつ、しかも、ワーク70の筒部
74の内径寸法精度や真円度を所定の公差範囲内におさ
めることができる。したがって、このようにして加工さ
れたワーク70をモータのヨークを兼ねるハウジングと
して使用した場合には、単なる絞り加工(すなわち、ワ
ーク70の肉厚の増加を伴わない絞り加工)だけで形成
したハウジングと比べてハウジングの材料内部を通過す
る磁束量を増加させることができ、モータの回転トルク
を向上させることができる。また、単なる絞り加工だけ
で形成したハウジングで本金型10を用いて形成される
ハウジングと同様の効果をえるためには、予め、肉厚の
減少分を見越して厚手の金属平板を用いなければならな
いが、本金型10を用いた場合には、肉厚の減少分を見
越す必要がないため製造コストが安価になる。
【0029】このようにして増厚絞り加工が終了した後
には、所謂型開きを行って型内からワーク70を取り出
すが、このときには、先ず、上型50が下型14から離
間するように上昇させられて、上型50が下型14から
離間する方向へ向けて移動させられ、ダイス54が下型
14の上型50側の端部から十分に離間させられる。こ
れによって、ワーク70が孔部56から抜け出る。次い
で、プレス装置のクッション圧調整手段によってフラン
ジ部30がストッパ34へ当接するまでクッション棒3
8が下型14側へ向けてスライドさせられ、パンチ24
がワーク70から抜け出る。ここで、本金型10では、
上述したように、ダイス54の孔部56の内径寸法とパ
ンチ24の外径寸法との差を加工前のワーク70の筒部
74の肉厚の2.1倍以上2.8倍以下で、好ましくは
2.4倍以上2.5倍以下とすることで増厚絞り加工
(すなわち、ワーク70を孔部56内へ圧入する工程)
において筒部74に引張応力を作用させることなく、十
分にワーク70の筒部74の肉厚を増加させつつ、ワー
ク70の筒部74の内径寸法精度や真円度を所定の公差
範囲内におさめる構成であり、本金型10では、クッシ
ョンプレート28の上型50側の端部は単なる平板状で
ある。このため、この状態でのワーク70はクッション
プレート28上に単に載置されているだけの状態であ
り、ワーク70を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る増厚絞り加工用金
型の断面図である。
【図2】増厚絞り加工状態の図1に対応した断面図であ
る。
【図3】ダイクリアランスと肉厚増加率との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
10 増厚絞り加工用金型 24 パンチ 28 クッションプレート(載置部) 32 円孔(貫通孔) 54 ダイス 70 ワーク 72 フランジ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口端が略軸直交方向へ向けて延出され
    てフランジ部とされた有底円筒状のワークの前記フラン
    ジ部と対向した状態で前記ワークを載置可能な平板状で
    且つ前記ワークの内径寸法よりも小径とされた貫通孔が
    形成された載置部と、 前記貫通孔を貫通し前記ワークの開口端から内底部まで
    の深さ以下の寸法だけ前記載置部から前記ワーク側へ突
    出して前記ワークの内部へ挿入されるパンチと、 内径寸法が前記ワークの外径寸法よりも小径で且つ前記
    パンチの外径寸法との差が前記ワークの外周部の肉厚の
    2.1倍以上2.8倍以下で、好ましくは2.4倍以上
    2.5倍以下とされた孔部が前記パンチに対して同軸的
    に形成され、前記貫通孔の軸方向に沿って前記載置部に
    対して相対的に接近移動して前記孔部へ前記ワークを圧
    入させるダイスと、 を備える増厚絞り加工用金型。
  2. 【請求項2】 前記パンチを、前記載置部に対して前記
    載置部の貫通孔に沿って相対的にスライド可能としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の増厚絞り加工用金型。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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