JP2000004828A - 食品もしくは飲料用退色防止剤、色調安定性を有する食品および色調安定性を有する肉類食品 - Google Patents
食品もしくは飲料用退色防止剤、色調安定性を有する食品および色調安定性を有する肉類食品Info
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- JP2000004828A JP2000004828A JP10196721A JP19672198A JP2000004828A JP 2000004828 A JP2000004828 A JP 2000004828A JP 10196721 A JP10196721 A JP 10196721A JP 19672198 A JP19672198 A JP 19672198A JP 2000004828 A JP2000004828 A JP 2000004828A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 食品に添加しても安全であり、食品色素を含
有しない食品さらに天然色素のような食品色素が添加さ
れた食品に対して十分な退色防止作用を有する食品用退
色防止剤さらにはそれらを含有し色調安定性を有する食
品を提供する。 【解決手段】 本発明の食品もしくは飲料用退色防止剤
は、絹部分加水分解物を主成分としている。本発明の飲
料は、食品色素と絹部分加水分解物を主成分とする退色
防止剤を含有している。また、本発明の食品は、食品色
素と絹部分加水分解物を主成分とする退色防止剤を含有
し色調安定性を有している。
有しない食品さらに天然色素のような食品色素が添加さ
れた食品に対して十分な退色防止作用を有する食品用退
色防止剤さらにはそれらを含有し色調安定性を有する食
品を提供する。 【解決手段】 本発明の食品もしくは飲料用退色防止剤
は、絹部分加水分解物を主成分としている。本発明の飲
料は、食品色素と絹部分加水分解物を主成分とする退色
防止剤を含有している。また、本発明の食品は、食品色
素と絹部分加水分解物を主成分とする退色防止剤を含有
し色調安定性を有している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品用退色防止剤
およびそれを含有する食品に関する。
およびそれを含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】肉類食品は、美しい色調を有することが
よいとされている。従来より、美しい色調を出すために
亜硝酸塩、硝酸塩、重合リン酸塩が使用され、また、発
色助剤もしくは退色防止剤として、L−アスコルビン
酸、エリソルビン酸またはそれらのナトリウム塩、ニコ
チン酸アミド、ルチン、ポリフェノール類などが使用さ
れている。さらに、システイン、グルタチオンの使用も
提案されている。
よいとされている。従来より、美しい色調を出すために
亜硝酸塩、硝酸塩、重合リン酸塩が使用され、また、発
色助剤もしくは退色防止剤として、L−アスコルビン
酸、エリソルビン酸またはそれらのナトリウム塩、ニコ
チン酸アミド、ルチン、ポリフェノール類などが使用さ
れている。さらに、システイン、グルタチオンの使用も
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのもの
では、十分な効果を発揮できなかった。特に、天然色素
の退色防止を行うことが難しく、天然色素に対して十分
な退色防止作用を有するものが求められていた。本発明
の目的は、食品に添加しても安全であり、食品色素を含
有しない食品さらに天然色素のような食品色素が添加さ
れた食品に対して十分な退色防止作用を有する食品用退
色防止剤さらにはそれらを含有し色調安定性を有する食
品を提供するものである。
では、十分な効果を発揮できなかった。特に、天然色素
の退色防止を行うことが難しく、天然色素に対して十分
な退色防止作用を有するものが求められていた。本発明
の目的は、食品に添加しても安全であり、食品色素を含
有しない食品さらに天然色素のような食品色素が添加さ
れた食品に対して十分な退色防止作用を有する食品用退
色防止剤さらにはそれらを含有し色調安定性を有する食
品を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、絹部分加水分解物もしくは絹粉末を主成分とする食
品もしくは飲料用退色防止剤である。
は、絹部分加水分解物もしくは絹粉末を主成分とする食
品もしくは飲料用退色防止剤である。
【0005】そして、前記絹部分加水分解物は、平均分
子量が90以上であることが好ましい。さらに、前記絹
部分加水分解物は、粉末状であることが好ましい。
子量が90以上であることが好ましい。さらに、前記絹
部分加水分解物は、粉末状であることが好ましい。
【0006】また、上記目的を達成するものは、上記の
退色防止剤と、食品色素とを含有し、色調安定性を有す
ることを特徴とする食品である。
退色防止剤と、食品色素とを含有し、色調安定性を有す
ることを特徴とする食品である。
【0007】そして、前記食品は、前記退色防止剤を
0.05〜1.0重量%含有していることが好ましい。
0.05〜1.0重量%含有していることが好ましい。
【0008】また、上記目的を達成するものは、上記の
退色防止剤を含有し、色調安定性を有する肉類食品であ
る。
退色防止剤を含有し、色調安定性を有する肉類食品であ
る。
【0009】また、上記目的を達成するものは、上記の
絹部分加水分解物を主成分とする飲料用退色防止剤と、
食品色素とを含有し、色調安定性を有する飲料である。
絹部分加水分解物を主成分とする飲料用退色防止剤と、
食品色素とを含有し、色調安定性を有する飲料である。
【0010】そして、前記飲料は、前記退色防止剤を
0.05〜1.0重量%含有していることが好ましい。
0.05〜1.0重量%含有していることが好ましい。
【0011】さらに、上述したすべての退色防止剤は、
L−アスコルビン酸、エリソルビン酸またはそれらのナ
トリウム塩、ニコチン酸アミド、ルチン、ポリフェノー
ル類、グルタチオンより選ばれた発色補助剤を含有して
いてもよい。
L−アスコルビン酸、エリソルビン酸またはそれらのナ
トリウム塩、ニコチン酸アミド、ルチン、ポリフェノー
ル類、グルタチオンより選ばれた発色補助剤を含有して
いてもよい。
【0012】また、前記絹粉末は、実質的にセリシンが
除去された絹粉末であることが好ましい。
除去された絹粉末であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の食品もしくは飲料用退色
防止剤について説明する。本発明の食品もしくは飲料用
退色防止剤は、絹部分加水分解物もしくは絹粉末を主成
分とするものである。
防止剤について説明する。本発明の食品もしくは飲料用
退色防止剤は、絹部分加水分解物もしくは絹粉末を主成
分とするものである。
【0014】絹部分加水分解物とは、絹を部分的に分解
したものであり、言い換えれば、完全加水分解しすべて
が遊離のアミノ酸となる状態まで分解していないものを
いう。絹を部分加水分解することにより、未加水分解前
の分子量に比べて分子量が小さくなった絹タンパク質、
また、かなり分子量が小さくなったいわゆるペプチド、
および遊離のアミノ酸が得られる。特に、低分子量化し
た絹タンパク質および絹タンパク質由来のペプチドが食
品もしくは食品色素に対して高い退色防止作用を発揮す
る。これら絹部分加水分解物が食品もしくは食品色素に
対して高い退色防止作用を有することの理論は判明して
いなが、絹糸に紫外線防止の機能があること、そのペプ
タイドが微量のミネラルをキャッチすることなどより、
絹部分加水分解物が食用色素と共存する事でインターラ
クション的な作用などが総合的に働くことにより、退色
が防止されているものと予想する。
したものであり、言い換えれば、完全加水分解しすべて
が遊離のアミノ酸となる状態まで分解していないものを
いう。絹を部分加水分解することにより、未加水分解前
の分子量に比べて分子量が小さくなった絹タンパク質、
また、かなり分子量が小さくなったいわゆるペプチド、
および遊離のアミノ酸が得られる。特に、低分子量化し
た絹タンパク質および絹タンパク質由来のペプチドが食
品もしくは食品色素に対して高い退色防止作用を発揮す
る。これら絹部分加水分解物が食品もしくは食品色素に
対して高い退色防止作用を有することの理論は判明して
いなが、絹糸に紫外線防止の機能があること、そのペプ
タイドが微量のミネラルをキャッチすることなどより、
絹部分加水分解物が食用色素と共存する事でインターラ
クション的な作用などが総合的に働くことにより、退色
が防止されているものと予想する。
【0015】絹部分加水分解物は、絹糸を酸、アルカリ
または酵素で加水分解し、中和、脱塩処理を施した後、
粉末化したものである。主成分は絹蛋白質(部分加水分
解絹タンパク質パウダー)、絹タンパク質由来のペプチ
ド、アミノ酸で前2者が褪色防止効果があることが本発
明者の検討によりわかった。部分加水分解絹タンパク質
(シルクパウダー)としては、平均分子量は約90以
上、好ましくは、300〜30,000程度、より好ま
しくは、500〜20,000程度、特に、好ましく
は、500〜10,000程度とすることである。低分
子量とすることにより、消化吸収され栄養源をして有効
となるが、必ずしも消化される必要はなく、ある程度の
分子量として、消化されずに排泄されるものとしてもよ
い。この場合、いわゆる食物繊維のような整腸作用を期
待できる。
または酵素で加水分解し、中和、脱塩処理を施した後、
粉末化したものである。主成分は絹蛋白質(部分加水分
解絹タンパク質パウダー)、絹タンパク質由来のペプチ
ド、アミノ酸で前2者が褪色防止効果があることが本発
明者の検討によりわかった。部分加水分解絹タンパク質
(シルクパウダー)としては、平均分子量は約90以
上、好ましくは、300〜30,000程度、より好ま
しくは、500〜20,000程度、特に、好ましく
は、500〜10,000程度とすることである。低分
子量とすることにより、消化吸収され栄養源をして有効
となるが、必ずしも消化される必要はなく、ある程度の
分子量として、消化されずに排泄されるものとしてもよ
い。この場合、いわゆる食物繊維のような整腸作用を期
待できる。
【0016】また、絹タンパク質由来のペプチドとして
は、構成アミノ酸残基数が2〜300程度、好ましく
は、3〜100程度のものをいう。なお、部分加水分解
絹タンパク質(シルクパウダー)は、構成アミノ酸残基
数が50程度以上のものをいう。
は、構成アミノ酸残基数が2〜300程度、好ましく
は、3〜100程度のものをいう。なお、部分加水分解
絹タンパク質(シルクパウダー)は、構成アミノ酸残基
数が50程度以上のものをいう。
【0017】絹部分加水分解物の製造に利用される絹糸
は、家蚕、野蚕又は両者を併用した繭が使用される。特
に、本発明において使用する絹部分加水分解物中には、
遊離のアミノ酸が実質的に含まれていないことが望まし
い。このようにすることにより、本発明の退色防止剤を
食品に添加しても遊離のアミノ酸により食品の味が変わ
ることを防止できる。
は、家蚕、野蚕又は両者を併用した繭が使用される。特
に、本発明において使用する絹部分加水分解物中には、
遊離のアミノ酸が実質的に含まれていないことが望まし
い。このようにすることにより、本発明の退色防止剤を
食品に添加しても遊離のアミノ酸により食品の味が変わ
ることを防止できる。
【0018】絹糸はカイコのいわゆる絹糸膜より分泌さ
れる繊維状タンパク質であり、2本のフィブロイン繊維
がセリシンで固められた状態のものである。
れる繊維状タンパク質であり、2本のフィブロイン繊維
がセリシンで固められた状態のものである。
【0019】絹部分加水分解物は、絹糸中のセリシンを
溶解除去し、フィブロイン溶液とし、それを酸、アルカ
リまたは酵素で加水分解することにより得ることができ
る。
溶解除去し、フィブロイン溶液とし、それを酸、アルカ
リまたは酵素で加水分解することにより得ることができ
る。
【0020】絹部分加水分解物の製造方法の具体例とし
ては、例えば、以下のような方法を用いることができ
る。最初に、精練工程と呼ばれる、絹糸中のセリシンを
溶解除去工程を行う。精練工程は、主に、シルクフィブ
ロインを覆っているセリシンを除去するためのものであ
り、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ
性水溶液中にて加熱(例えば、1時間程度の煮沸)する
ことにより行われる。続いて、部分加水分解工程を行
う。部分加水分解工程とは、絹フィブロイン(絹蛋白)
のすべてが、完全にアミノ酸まで分解されない程度に加
水分解を終了させるものである。部分加水分解工程は、
例えば、酸加水分解法、酵素加水分解法などいずれでも
よい。酸加水分解法としては、例えば、加熱した燐酸も
しくは硫酸水溶液中に、上述の精練工程を経た絹糸を添
加し、所定時間浸漬することにより行われる。また、酵
素加水分解法としては、使用する酵素の至適pHに調節
した液体中に精練工程を経た絹糸および酵素を添加し、
酵素により加水分解を起こさせるものである。いずれの
加水分解法においても、絹フィブロイン(絹蛋白)のす
べてが完全にアミノ酸まで分解される以前に、その工程
は終了する。次に、添加した、酸を中和し、中和工程に
おいて形成された沈殿物を濾過する。さらに、必要によ
り、活性炭などを用いて脱色工程を行う。そして、この
ようにして、作製された絹部分加水分解物は、乾燥(例
えば、スプレードライ、風乾、減圧乾燥、凍結乾燥など
の方法、できれば、加熱しないことが好ましい)により
乾燥され、粉末状となる。なお、本発明の退色防止剤に
おいて、飲料に使用する場合には、水への溶解もしくは
分散が良好である絹部分加水分解物を使用することが好
ましい。なお、飲料でも、乳化飲料などの場合には、後
述する絹粉末を用いることもできる。
ては、例えば、以下のような方法を用いることができ
る。最初に、精練工程と呼ばれる、絹糸中のセリシンを
溶解除去工程を行う。精練工程は、主に、シルクフィブ
ロインを覆っているセリシンを除去するためのものであ
り、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ
性水溶液中にて加熱(例えば、1時間程度の煮沸)する
ことにより行われる。続いて、部分加水分解工程を行
う。部分加水分解工程とは、絹フィブロイン(絹蛋白)
のすべてが、完全にアミノ酸まで分解されない程度に加
水分解を終了させるものである。部分加水分解工程は、
例えば、酸加水分解法、酵素加水分解法などいずれでも
よい。酸加水分解法としては、例えば、加熱した燐酸も
しくは硫酸水溶液中に、上述の精練工程を経た絹糸を添
加し、所定時間浸漬することにより行われる。また、酵
素加水分解法としては、使用する酵素の至適pHに調節
した液体中に精練工程を経た絹糸および酵素を添加し、
酵素により加水分解を起こさせるものである。いずれの
加水分解法においても、絹フィブロイン(絹蛋白)のす
べてが完全にアミノ酸まで分解される以前に、その工程
は終了する。次に、添加した、酸を中和し、中和工程に
おいて形成された沈殿物を濾過する。さらに、必要によ
り、活性炭などを用いて脱色工程を行う。そして、この
ようにして、作製された絹部分加水分解物は、乾燥(例
えば、スプレードライ、風乾、減圧乾燥、凍結乾燥など
の方法、できれば、加熱しないことが好ましい)により
乾燥され、粉末状となる。なお、本発明の退色防止剤に
おいて、飲料に使用する場合には、水への溶解もしくは
分散が良好である絹部分加水分解物を使用することが好
ましい。なお、飲料でも、乳化飲料などの場合には、後
述する絹粉末を用いることもできる。
【0021】また、本発明において使用される絹粉末と
は、絹繊維を、必要により精練し、さらに、降解(解
繊)した後、物理的粉砕により、粒径1〜5μm程度の
粉末状とした、実質的に表面のセリシンが除去された絹
粉末(セリシン除去絹微粉末)であることが好ましい。
実質的にセリシンが除去されたとは、完全に除去された
ものに限らず、数%程度のセリシンが残留しているもの
を含むものである。ここで除去されるセリシンは、絹タ
ンパク質の表面に存在しているものであり、内部に存在
しているものまでを含むものではない。なお、このよう
にセリシンを除去することが好ましいが、セリシンを除
去しないものでもよい。
は、絹繊維を、必要により精練し、さらに、降解(解
繊)した後、物理的粉砕により、粒径1〜5μm程度の
粉末状とした、実質的に表面のセリシンが除去された絹
粉末(セリシン除去絹微粉末)であることが好ましい。
実質的にセリシンが除去されたとは、完全に除去された
ものに限らず、数%程度のセリシンが残留しているもの
を含むものである。ここで除去されるセリシンは、絹タ
ンパク質の表面に存在しているものであり、内部に存在
しているものまでを含むものではない。なお、このよう
にセリシンを除去することが好ましいが、セリシンを除
去しないものでもよい。
【0022】絹粉末は、絹糸中のセリシンを溶解除去
し、さらに、降解(解繊,繊維を解きほぐすこと)する
ことにより、フィブロイン液とし、それを乾燥させた
後、物理的に粉砕することにより得ることができる。精
練工程は、主に、シルクフィブロインを覆っているセリ
シンを除去するためのものであり、炭酸ナトリウム、水
酸化ナトリウムなどのアルカリ性水溶液中にて加熱する
ものである。次に、添加したアルカリを中和するために
酸(例えば、塩酸)を添加する。続いて、必要により水
洗し、乾燥させる。乾燥方法は、いずれの方法でもよい
が、加熱されない乾燥方法が好ましく、例えば、スプレ
ードライ、風乾、減圧乾燥、凍結乾燥などが好適であ
る。そして、次に、物理的粉砕工程を行う。物理的粉砕
方法は、乳鉢と乳棒を用いた方法などのようなものでも
よい。好ましくは、湿式もしくは乾式の超微粒摩砕機を
用いることが好ましい。なお、湿式粉砕を行う場合に
は、上述した乾燥工程は、粉砕工程の後に行われる。
し、さらに、降解(解繊,繊維を解きほぐすこと)する
ことにより、フィブロイン液とし、それを乾燥させた
後、物理的に粉砕することにより得ることができる。精
練工程は、主に、シルクフィブロインを覆っているセリ
シンを除去するためのものであり、炭酸ナトリウム、水
酸化ナトリウムなどのアルカリ性水溶液中にて加熱する
ものである。次に、添加したアルカリを中和するために
酸(例えば、塩酸)を添加する。続いて、必要により水
洗し、乾燥させる。乾燥方法は、いずれの方法でもよい
が、加熱されない乾燥方法が好ましく、例えば、スプレ
ードライ、風乾、減圧乾燥、凍結乾燥などが好適であ
る。そして、次に、物理的粉砕工程を行う。物理的粉砕
方法は、乳鉢と乳棒を用いた方法などのようなものでも
よい。好ましくは、湿式もしくは乾式の超微粒摩砕機を
用いることが好ましい。なお、湿式粉砕を行う場合に
は、上述した乾燥工程は、粉砕工程の後に行われる。
【0023】また、本発明の退色防止剤には、主成分で
ある絹部分加水分解物以外に、添加を容易にするための
増量剤、発色補助剤、従来の退色防止剤を含有するもの
であってもよい。従来の退色防止剤としては、L−アス
コルビン酸、エリソルビン酸またはそれらのナトリウム
塩、ニコチン酸アミド、ルチン、ポリフェノール類、グ
ルタチオンなどが使用できる。
ある絹部分加水分解物以外に、添加を容易にするための
増量剤、発色補助剤、従来の退色防止剤を含有するもの
であってもよい。従来の退色防止剤としては、L−アス
コルビン酸、エリソルビン酸またはそれらのナトリウム
塩、ニコチン酸アミド、ルチン、ポリフェノール類、グ
ルタチオンなどが使用できる。
【0024】本発明の食品色素用退色防止剤の対象とな
る色素としては、タール系色素、天然色素誘導体または
天然系合成色素などの合成色素、カロチノイド系色素、
アントシアニン系色素、キノン系色素、フラボノイド系
色素、ベタイン系色素、モナスカス色素、ベタシアニン
系色素、アザフィロン系色素、イリドイド系色素その他
の天然物を起源とする色素をいい、また天然色素を含む
植物体、動物体、微生物体またはその加工品、搾汁液、
水もしくは有機溶剤による抽出液または上記搾汁液、抽
出液の精製加工品をいう。
る色素としては、タール系色素、天然色素誘導体または
天然系合成色素などの合成色素、カロチノイド系色素、
アントシアニン系色素、キノン系色素、フラボノイド系
色素、ベタイン系色素、モナスカス色素、ベタシアニン
系色素、アザフィロン系色素、イリドイド系色素その他
の天然物を起源とする色素をいい、また天然色素を含む
植物体、動物体、微生物体またはその加工品、搾汁液、
水もしくは有機溶剤による抽出液または上記搾汁液、抽
出液の精製加工品をいう。
【0025】本発明の対象となる色素について具体例を
挙げて説明する。食用タール系色素としては、食用赤色
2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102
号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色1
06号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、
食用青色2号、食用赤色2号アルミニウムレーキ、食用
赤色3号アルミニウムレーキ、食用赤色40号アルミニ
ウムレーキ、食用黄色な号アルミニウムレーキ、食用黄
色5号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウム
レーキ、食用青色2号アルミウムレーキなどを例示する
ことができる。
挙げて説明する。食用タール系色素としては、食用赤色
2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102
号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色1
06号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、
食用青色2号、食用赤色2号アルミニウムレーキ、食用
赤色3号アルミニウムレーキ、食用赤色40号アルミニ
ウムレーキ、食用黄色な号アルミニウムレーキ、食用黄
色5号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウム
レーキ、食用青色2号アルミウムレーキなどを例示する
ことができる。
【0026】天然色素誘導体として、銅クロロフィル、
銅クロロフィリンナトリウム、ノルビキシンナトリウ
ム、ノルビキシンカリウムが、天然系合成色素としてβ
−カロチン、カンタキサンチン、アスタキサンチン、リ
ボフラビンが挙げられる。カロチノイド系色素として
は、アナトー色素、エビ色素、オキアミ色素、オレンジ
色素、カニ色素、イモ、デュナリエラ、ニンジンまたは
パーム油から抽出した抽出カロチン色素、トマト色素、
パプリカ色素、ファフィア色素、ヘマトコッカス色素、
マリーゴールド色素またはその他動物、植物若しくは微
生物由来のカロチノイド色素が、挙げられる。
銅クロロフィリンナトリウム、ノルビキシンナトリウ
ム、ノルビキシンカリウムが、天然系合成色素としてβ
−カロチン、カンタキサンチン、アスタキサンチン、リ
ボフラビンが挙げられる。カロチノイド系色素として
は、アナトー色素、エビ色素、オキアミ色素、オレンジ
色素、カニ色素、イモ、デュナリエラ、ニンジンまたは
パーム油から抽出した抽出カロチン色素、トマト色素、
パプリカ色素、ファフィア色素、ヘマトコッカス色素、
マリーゴールド色素またはその他動物、植物若しくは微
生物由来のカロチノイド色素が、挙げられる。
【0027】アントシアニン色素としては、赤キャベツ
色素、赤米色素、エルダーベリー色素、カウベリー色
素、グースベリー色素、クランベリー色素、サーモンベ
リー色素、シソ色素、スイムブルーベリー色素、ストロ
ーベリー色素、ダークスイートチェリー色素、チェリー
色素、ハイビスカス色素、ハクルベリー色素、ブドウ果
汁色素、ブドウ果皮色素、ブラックカーラント色素、ブ
ラックベリー色素、ブルーベリー色素、プラム色素、ホ
ワートルベリー色素、ボイセンベリー色素、マルベリー
色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、
ムラサキヤマイモ色素、ラズベリー色素、レッドカーラ
ント色素、ローガンベリー色素、その他アントシアニン
色素が挙げられる。キノン系色素としては、コチニール
色素、シコン色素、ラック色素、その他キノン系色素が
挙げられる。
色素、赤米色素、エルダーベリー色素、カウベリー色
素、グースベリー色素、クランベリー色素、サーモンベ
リー色素、シソ色素、スイムブルーベリー色素、ストロ
ーベリー色素、ダークスイートチェリー色素、チェリー
色素、ハイビスカス色素、ハクルベリー色素、ブドウ果
汁色素、ブドウ果皮色素、ブラックカーラント色素、ブ
ラックベリー色素、ブルーベリー色素、プラム色素、ホ
ワートルベリー色素、ボイセンベリー色素、マルベリー
色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、
ムラサキヤマイモ色素、ラズベリー色素、レッドカーラ
ント色素、ローガンベリー色素、その他アントシアニン
色素が挙げられる。キノン系色素としては、コチニール
色素、シコン色素、ラック色素、その他キノン系色素が
挙げられる。
【0028】フラボノイド系色素としては、カキ色素、
カロブ色素、カンゾウ色素、シタン色素、スオウ色素、
ベニバナ赤色素、ベニバナ黄色素その他が例示される。
ベタイン系色素としては、ビートレッド色素が挙げられ
る。モナスカス色素としては、ベニコウジ色素、ベニコ
ウジ黄色素が挙げられる。その他にウコン色素、クサギ
色素、クチナシ赤色素、クチナシ黄色素、スピルリナ青
色素等も本発明の対象となる天然色素である。
カロブ色素、カンゾウ色素、シタン色素、スオウ色素、
ベニバナ赤色素、ベニバナ黄色素その他が例示される。
ベタイン系色素としては、ビートレッド色素が挙げられ
る。モナスカス色素としては、ベニコウジ色素、ベニコ
ウジ黄色素が挙げられる。その他にウコン色素、クサギ
色素、クチナシ赤色素、クチナシ黄色素、スピルリナ青
色素等も本発明の対象となる天然色素である。
【0029】本発明にかかる食品用退色防止剤は、各種
食品に使用することができる。たとえば、おかき、せん
べい、おこし、まんじゅう、飴などの和菓子、クッキ
ー、ビスケット、クラッカー、パイ、スポンジケーキ、
カステラ、ドーナツ、ワッフル、プリン、バタークリー
ム、カスタードクリーム、シュークリーム、チョコレー
ト、チョコレート菓子、キャラメル、キャンデー、チュ
ーインガム、ゼリー、ホットケーキ、パンなどの各種洋
菓子、ポテトチップスなどのスナック菓子、アイスクリ
ーム、アイスキャンデー、シャーベットなどの氷菓、乳
酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、無果汁
飲料、果肉飲料、機能性飲料、透明炭酸飲料、果汁入り
炭酸飲料、果実着色炭酸飲料などの清涼飲料水などの嗜
好飲料、ワイン、ワインソーダ、リキュール、カクテル
などのアルコール飲料、フルーツヨーグルト、チーズ、
バターなどの乳製品、豆乳などの大豆加工食品、マーマ
レード、ジャム、コンサーブ、果実のシロップ漬、フラ
ワーペースト、ピーナツペースト、フルーツペーストな
どのペースト類、漬物類、ハム、ソーセージ、ベーコ
ン、ドライソーセージ、ビーフジャーキーなどの畜肉製
品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、ちくわ、はん
ぺん、てんぷらなどの魚介類製品またはその干物、う
に、いかの塩辛、貝の干物などの各種珍味類、のり、小
魚、貝類、するめ、野菜、山菜、茸、昆布などで作られ
る佃煮類、即席カレー、レトルトカレーなどのカレー
類、ケチャップ、マヨネーズなどの各種調味料類、各種
レンジ食品または冷凍食品などの各種食品に含まれる原
料由来の色素または添加された色素の安定化の目的に使
用することができる。
食品に使用することができる。たとえば、おかき、せん
べい、おこし、まんじゅう、飴などの和菓子、クッキ
ー、ビスケット、クラッカー、パイ、スポンジケーキ、
カステラ、ドーナツ、ワッフル、プリン、バタークリー
ム、カスタードクリーム、シュークリーム、チョコレー
ト、チョコレート菓子、キャラメル、キャンデー、チュ
ーインガム、ゼリー、ホットケーキ、パンなどの各種洋
菓子、ポテトチップスなどのスナック菓子、アイスクリ
ーム、アイスキャンデー、シャーベットなどの氷菓、乳
酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、無果汁
飲料、果肉飲料、機能性飲料、透明炭酸飲料、果汁入り
炭酸飲料、果実着色炭酸飲料などの清涼飲料水などの嗜
好飲料、ワイン、ワインソーダ、リキュール、カクテル
などのアルコール飲料、フルーツヨーグルト、チーズ、
バターなどの乳製品、豆乳などの大豆加工食品、マーマ
レード、ジャム、コンサーブ、果実のシロップ漬、フラ
ワーペースト、ピーナツペースト、フルーツペーストな
どのペースト類、漬物類、ハム、ソーセージ、ベーコ
ン、ドライソーセージ、ビーフジャーキーなどの畜肉製
品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、ちくわ、はん
ぺん、てんぷらなどの魚介類製品またはその干物、う
に、いかの塩辛、貝の干物などの各種珍味類、のり、小
魚、貝類、するめ、野菜、山菜、茸、昆布などで作られ
る佃煮類、即席カレー、レトルトカレーなどのカレー
類、ケチャップ、マヨネーズなどの各種調味料類、各種
レンジ食品または冷凍食品などの各種食品に含まれる原
料由来の色素または添加された色素の安定化の目的に使
用することができる。
【0030】また、部分加水分解絹タンパク質および絹
タンパク質由来のペプチドは、ハム、ソーセージに見ら
れる亜硝酸塩で固定された血色素の安定性にも効果があ
る事が本発明者の検討によりわかった。つまり、本発明
の退色防止剤は、色素を含有しない食品の退色防止作用
を有している。
タンパク質由来のペプチドは、ハム、ソーセージに見ら
れる亜硝酸塩で固定された血色素の安定性にも効果があ
る事が本発明者の検討によりわかった。つまり、本発明
の退色防止剤は、色素を含有しない食品の退色防止作用
を有している。
【0031】
【実施例】(製造例1)繭220gを約1%炭酸ナトリ
ウム水溶液10L中に添加し、さらに約60分間煮沸
し、絹フィブロインを被覆しているセリシンの除去を行
った(精練)。その後、水溶液中より引き上げ、約5%
水酸化ナトリウム水溶液10L中に添加し、30分間煮
沸し、絹フィブロインの解繊処理を行った。この製錬工
程が終了した溶液中に、2W/V%程度の活性炭を添加
し撹拌し90゜C程度に加熱して脱色工程を行い。その
後濾過を行った。続いて、濾液に、塩酸水溶液を添加
し、中和(pH7)した。その後、水性した後、スプレ
ー乾燥機を用いて乾燥させた。乾燥させたセリシン除去
絹フィブロインを、乾式超微粒摩砕機(スーパーマスコ
ロイダー(登録商標)MKZA10−3LDR,マスコ
ー産業株式会社製)に入れ粉砕処理した。これにより、
粒径が1〜5μm程度の絹フィブロイン粉末を得た。
ウム水溶液10L中に添加し、さらに約60分間煮沸
し、絹フィブロインを被覆しているセリシンの除去を行
った(精練)。その後、水溶液中より引き上げ、約5%
水酸化ナトリウム水溶液10L中に添加し、30分間煮
沸し、絹フィブロインの解繊処理を行った。この製錬工
程が終了した溶液中に、2W/V%程度の活性炭を添加
し撹拌し90゜C程度に加熱して脱色工程を行い。その
後濾過を行った。続いて、濾液に、塩酸水溶液を添加
し、中和(pH7)した。その後、水性した後、スプレ
ー乾燥機を用いて乾燥させた。乾燥させたセリシン除去
絹フィブロインを、乾式超微粒摩砕機(スーパーマスコ
ロイダー(登録商標)MKZA10−3LDR,マスコ
ー産業株式会社製)に入れ粉砕処理した。これにより、
粒径が1〜5μm程度の絹フィブロイン粉末を得た。
【0032】(製造例2)繭220gを約1%炭酸ナト
リウム水溶液10L中に添加し、さらに約60分間煮沸
し、絹フィブロインを被覆しているセリシンの除去を行
った(精練)。その後、よく水洗し60゜Cで数日間乾
燥させた。乾燥させたものを手でよくほぐし、細かく裁
断された状態とした。濃度80%の燐酸水溶液250m
lを100゜Cに加熱したものの中に、上記のように処
理した絹原料25gを添加し、加熱を継続した状態にお
いて約60分間浸漬し、部分加水分解を行った。続い
て、上記の絹原料添加溶液に、生石灰(CaO)と水の
混合液を適量添加して、溶液を中和(pH7)した。続
いて、濾過し、生成された燐酸カルシウム沈殿物を除去
した。続いて、濃縮を行い、生成された沈殿物を濾過し
た。そして、この濾液に、2W/V%程度の活性炭を添
加し撹拌し90゜C程度に加熱して脱色工程を行い。そ
の後濾過を行った。そして、スプレー乾燥機を用いて乾
燥させて絹部分加水分解物を得た。このようにして得ら
れた絹部分加水分解物の平均分子量は、約3000であ
った。なお、この絹部分加水分解物では、遊離のアミノ
酸を除去していないので、部分加水分解により得られた
シルクペプチド以外にアミノ酸も含有している。
リウム水溶液10L中に添加し、さらに約60分間煮沸
し、絹フィブロインを被覆しているセリシンの除去を行
った(精練)。その後、よく水洗し60゜Cで数日間乾
燥させた。乾燥させたものを手でよくほぐし、細かく裁
断された状態とした。濃度80%の燐酸水溶液250m
lを100゜Cに加熱したものの中に、上記のように処
理した絹原料25gを添加し、加熱を継続した状態にお
いて約60分間浸漬し、部分加水分解を行った。続い
て、上記の絹原料添加溶液に、生石灰(CaO)と水の
混合液を適量添加して、溶液を中和(pH7)した。続
いて、濾過し、生成された燐酸カルシウム沈殿物を除去
した。続いて、濃縮を行い、生成された沈殿物を濾過し
た。そして、この濾液に、2W/V%程度の活性炭を添
加し撹拌し90゜C程度に加熱して脱色工程を行い。そ
の後濾過を行った。そして、スプレー乾燥機を用いて乾
燥させて絹部分加水分解物を得た。このようにして得ら
れた絹部分加水分解物の平均分子量は、約3000であ
った。なお、この絹部分加水分解物では、遊離のアミノ
酸を除去していないので、部分加水分解により得られた
シルクペプチド以外にアミノ酸も含有している。
【0033】(実施例1〜5)製造例1および2により
製造したそれぞれの絹粉末および絹部分加水分解物パウ
ダー(絹タンパク質由来のペプチド粉末)を用い、特別
に添加剤を加えることなく退色防止剤とし、実施例1
(製造例1),実施例2(製造例2)の退色防止剤を作
製した。また、製造例1の絹粉末100重量部と製造例
2の絹部分加水分解物100重量部を混合したものを作
製した(実施例3)。さらに、製造例2の絹部分加水分
解物100重量部に抗酸化剤としてルチン製剤(ルチン
含量10%)50重量部を添加し、本発明の退色防止剤
(実施例4)を作製した。さらに、実施例3の絹部分加
水分解物と絹粉末混合物100重量部に抗酸化剤として
ルチン製剤(ルチン含量10%)50重量部を添加し、
本発明の退色防止剤(実施例5)を作製した。
製造したそれぞれの絹粉末および絹部分加水分解物パウ
ダー(絹タンパク質由来のペプチド粉末)を用い、特別
に添加剤を加えることなく退色防止剤とし、実施例1
(製造例1),実施例2(製造例2)の退色防止剤を作
製した。また、製造例1の絹粉末100重量部と製造例
2の絹部分加水分解物100重量部を混合したものを作
製した(実施例3)。さらに、製造例2の絹部分加水分
解物100重量部に抗酸化剤としてルチン製剤(ルチン
含量10%)50重量部を添加し、本発明の退色防止剤
(実施例4)を作製した。さらに、実施例3の絹部分加
水分解物と絹粉末混合物100重量部に抗酸化剤として
ルチン製剤(ルチン含量10%)50重量部を添加し、
本発明の退色防止剤(実施例5)を作製した。
【0034】(実験)実施例1,2,3,4,5、ルチ
ン製剤(ルチン含量10%)、絹加水分解により得られ
たアミノ酸を用いて退色防止作用確認実験を行った。実
験は、表1に示すように、天然色素又は合成色素と、実
施例1〜3の退色防止剤もしくはルチン製剤(ルチン含
量10%)もしくは絹加水分解により得られたアミノ酸
をMcllvaine bufferでpH3.0に調
整した後透明なビンに入れ85℃10分間殺菌後冷却し
たものを試料溶液とした。この試料溶液をLongLi
feFadeMeter(チャンバー内、35℃)に入
れ照射し経時毎に分光光度計でその濃度を側定した。そ
の結果は、表1に示す通りであった。
ン製剤(ルチン含量10%)、絹加水分解により得られ
たアミノ酸を用いて退色防止作用確認実験を行った。実
験は、表1に示すように、天然色素又は合成色素と、実
施例1〜3の退色防止剤もしくはルチン製剤(ルチン含
量10%)もしくは絹加水分解により得られたアミノ酸
をMcllvaine bufferでpH3.0に調
整した後透明なビンに入れ85℃10分間殺菌後冷却し
たものを試料溶液とした。この試料溶液をLongLi
feFadeMeter(チャンバー内、35℃)に入
れ照射し経時毎に分光光度計でその濃度を側定した。そ
の結果は、表1に示す通りであった。
【0035】
【表1】 なお、表1中の添加量はいずれも%を示す。
【0036】(実施例6)グラニュー糖20kg、クエ
ン酸0.4kg、ビタミンC0.1kg、リンゴ果汁6
kg、実施例2の絹タンパク質由来のペプチド(絹部分
加水分解物,製造例2)からなる退色防止剤1kg、赤
キャベツ色素0.3kg、リンゴフレーバー0.2kg
をイオン交換水を添加して200Lとし、本発明の清涼
飲料水(飲料)を作製した。この清涼飲料水を常温に
て、直射日光が当たらないように180日保存したが色
調に変化はなく、また風味の劣化もなかった。
ン酸0.4kg、ビタミンC0.1kg、リンゴ果汁6
kg、実施例2の絹タンパク質由来のペプチド(絹部分
加水分解物,製造例2)からなる退色防止剤1kg、赤
キャベツ色素0.3kg、リンゴフレーバー0.2kg
をイオン交換水を添加して200Lとし、本発明の清涼
飲料水(飲料)を作製した。この清涼飲料水を常温に
て、直射日光が当たらないように180日保存したが色
調に変化はなく、また風味の劣化もなかった。
【0037】(実施例7)グラニュー糖15kg、精製
ハチミツ3kg、シソ抽出物0.48kg、茶の葉0.
02kg、ナイアシンアミド0.01kg、ビタミンB
6 0.005kg、イソロイシン0.005kg、トレ
オニン0.0O5kg、フェニルアラニン0.005k
g、リジン0.005kg、グルタミン酸ナトリウム
0.005kg、実施例2の絹タンパク質由来のペプチ
ド(絹部分加水分解物,製造例2)からなる退色防止剤
0.6kg、アカジソフレーバー0.12kgを30L
のイオン交換水に溶解し、これに炭酸水を添加して12
0Lとし、本発明清涼飲料水(飲料)であるシソドリン
クを作製した。この清涼飲料水を常温にて、直射日光が
当たらないように180日保存したが色調に変化はな
く、また風味の劣化もなかった。
ハチミツ3kg、シソ抽出物0.48kg、茶の葉0.
02kg、ナイアシンアミド0.01kg、ビタミンB
6 0.005kg、イソロイシン0.005kg、トレ
オニン0.0O5kg、フェニルアラニン0.005k
g、リジン0.005kg、グルタミン酸ナトリウム
0.005kg、実施例2の絹タンパク質由来のペプチ
ド(絹部分加水分解物,製造例2)からなる退色防止剤
0.6kg、アカジソフレーバー0.12kgを30L
のイオン交換水に溶解し、これに炭酸水を添加して12
0Lとし、本発明清涼飲料水(飲料)であるシソドリン
クを作製した。この清涼飲料水を常温にて、直射日光が
当たらないように180日保存したが色調に変化はな
く、また風味の劣化もなかった。
【0038】(実施例8)豚(ロース)100kgにビ
ックル液(食塩6kg、重合リン酸塩1kg、亜硝酸塩
0.06kg、ビタミンC0.2kg、卵白アルブミン
2.5kg、大豆蛋白2.5kg、カラギーナン0.5
kg)、実施例2(製造例2)の退色防止剤1.5kg
を氷水に分解溶解して100kgにしたものを50kg
をインジェクターで注入し2日間塩漬後常法通りの方法
によりロースハム(実施例8)を作製した。退色防止剤
の注入を行わない以外同様に方法によりロースハム(比
較例)を作製した。実施例8および比較例のロースハム
を5゜Cで1夜保存後スライスし、室内散乱光下で3時
間放置し観察したところ、比較例のハムに比べて実施例
8のハムの外観は赤く、血色素の退色が少ないことがわ
かった。
ックル液(食塩6kg、重合リン酸塩1kg、亜硝酸塩
0.06kg、ビタミンC0.2kg、卵白アルブミン
2.5kg、大豆蛋白2.5kg、カラギーナン0.5
kg)、実施例2(製造例2)の退色防止剤1.5kg
を氷水に分解溶解して100kgにしたものを50kg
をインジェクターで注入し2日間塩漬後常法通りの方法
によりロースハム(実施例8)を作製した。退色防止剤
の注入を行わない以外同様に方法によりロースハム(比
較例)を作製した。実施例8および比較例のロースハム
を5゜Cで1夜保存後スライスし、室内散乱光下で3時
間放置し観察したところ、比較例のハムに比べて実施例
8のハムの外観は赤く、血色素の退色が少ないことがわ
かった。
【0039】(実施例9)豚(ロース)100kgにビ
ックル液(食塩6kg、重合リン酸塩1kg、亜硝酸塩
0.06kg、ビタミンC0.2kg、卵白アルブミン
2.5kg、大豆蛋白2.5kg、カラギーナン0.5
kg)、実施例1(製造例1)の退色防止剤1.5kg
を氷水に分解溶解して100kgにしたものを50kg
をインジェクターで注入し2日間塩漬後常法通りの方法
によりロースハム(実施例9)を作製した。実施例9お
よび上述した比較例のロースハムを5゜Cで1夜保存後
スライスし、室内散乱光下で3時間放置し観察したとこ
ろ、比較例のハムに比べて実施例9のハムの外観は赤
く、血色素の退色が少ないことがわかった。
ックル液(食塩6kg、重合リン酸塩1kg、亜硝酸塩
0.06kg、ビタミンC0.2kg、卵白アルブミン
2.5kg、大豆蛋白2.5kg、カラギーナン0.5
kg)、実施例1(製造例1)の退色防止剤1.5kg
を氷水に分解溶解して100kgにしたものを50kg
をインジェクターで注入し2日間塩漬後常法通りの方法
によりロースハム(実施例9)を作製した。実施例9お
よび上述した比較例のロースハムを5゜Cで1夜保存後
スライスし、室内散乱光下で3時間放置し観察したとこ
ろ、比較例のハムに比べて実施例9のハムの外観は赤
く、血色素の退色が少ないことがわかった。
【0040】(実施例10)豚(ロース)100kgに
ビックル液(食塩6kg、重合リン酸塩1kg、亜硝酸
塩0.06kg、ビタミンC0.2kg、卵白アルブミ
ン2.5kg、大豆蛋白2.5kg、カラギーナン0.
5kg)、実施例3の退色防止剤1.5kgを氷水に分
解溶解して100kgにしたものを50kgをインジェ
クターで注入し2日間塩漬後常法通りの方法によりロー
スハム(実施例10)を作製した。実施例10および上
述した比較例のロースハムを5゜Cで1夜保存後スライ
スし、室内散乱光下で3時間放置し観察したところ、比
較例のハムに比べて実施例10のハムの外観は赤く、血
色素の退色が少ないことがわかった。
ビックル液(食塩6kg、重合リン酸塩1kg、亜硝酸
塩0.06kg、ビタミンC0.2kg、卵白アルブミ
ン2.5kg、大豆蛋白2.5kg、カラギーナン0.
5kg)、実施例3の退色防止剤1.5kgを氷水に分
解溶解して100kgにしたものを50kgをインジェ
クターで注入し2日間塩漬後常法通りの方法によりロー
スハム(実施例10)を作製した。実施例10および上
述した比較例のロースハムを5゜Cで1夜保存後スライ
スし、室内散乱光下で3時間放置し観察したところ、比
較例のハムに比べて実施例10のハムの外観は赤く、血
色素の退色が少ないことがわかった。
【0041】
【発明の効果】本発明の食品もしくは飲料用退色防止剤
は、絹部分加水分解物もしくは絹粉末を主成分とするも
のであるので、食品に添加しても安全であり、食品色素
を含有しない食品さらに天然色素のような食品色素が添
加された食品に対して十分な退色防止作用を有する。
は、絹部分加水分解物もしくは絹粉末を主成分とするも
のであるので、食品に添加しても安全であり、食品色素
を含有しない食品さらに天然色素のような食品色素が添
加された食品に対して十分な退色防止作用を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B017 LC01 LC10 LG04 LG06 LK04 LK08 LK12 LK14 LK15 LK16 LK20 LL01 LL03 LL07 LL09 4B018 LB06 LB08 LE03 MA02 MA07 MA08 MB04 MB05 MC04 4B042 AC02 AD01 AG03 AH01 AK01 AK02 AK09 AK10 AP13
Claims (8)
- 【請求項1】 絹部分加水分解物もしくは絹粉末を主成
分とする食品もしくは飲料用退色防止剤。 - 【請求項2】 前記絹部分加水分解物は、平均分子量が
90以上である請求項1に記載の退色防止剤。 - 【請求項3】 前記絹部分加水分解物は、粉末状である
請求項1または2に記載の退色防止剤。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの退色防止
剤と、食品色素とを含有し、色調安定性を有することを
特徴とする食品。 - 【請求項5】 前記食品は、前記退色防止剤を0.05
〜1.0重量%含有している請求項4に記載の食品。 - 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかの退色防止
剤を含有し、色調安定性を有することを特徴とする肉類
食品。 - 【請求項7】 請求項1ないし3の絹部分加水分解物を
主成分とする飲料用退色防止剤と、食品色素とを含有
し、色調安定性を有することを特徴とする飲料。 - 【請求項8】 前記飲料は、前記退色防止剤を0.05
〜1.0重量%含有しているものである請求項7に記載
の飲料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10196721A JP2000004828A (ja) | 1998-06-26 | 1998-06-26 | 食品もしくは飲料用退色防止剤、色調安定性を有する食品および色調安定性を有する肉類食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10196721A JP2000004828A (ja) | 1998-06-26 | 1998-06-26 | 食品もしくは飲料用退色防止剤、色調安定性を有する食品および色調安定性を有する肉類食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000004828A true JP2000004828A (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=16362499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10196721A Pending JP2000004828A (ja) | 1998-06-26 | 1998-06-26 | 食品もしくは飲料用退色防止剤、色調安定性を有する食品および色調安定性を有する肉類食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000004828A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008524266A (ja) * | 2004-12-22 | 2008-07-10 | コラローム インコーポレイティド | 天然の水−不溶性カプセル化組成物及びその製造法 |
JP2012019706A (ja) * | 2010-07-12 | 2012-02-02 | Aoba Kasei Kk | 食肉用品質改良剤、食肉用カード抑制剤、冷凍食品およびレトルト食品 |
KR101856639B1 (ko) | 2017-01-12 | 2018-05-14 | 농업회사법인주식회사 색동김치 | 안토시아닌 색소가 안정화된 자색무 김치의 제조방법 |
JPWO2023054522A1 (ja) * | 2021-09-29 | 2023-04-06 | ||
CN116268267A (zh) * | 2022-12-21 | 2023-06-23 | 浙江理工大学 | 一种富含游离氨基酸的辣椒红食用色素的制备方法 |
-
1998
- 1998-06-26 JP JP10196721A patent/JP2000004828A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008524266A (ja) * | 2004-12-22 | 2008-07-10 | コラローム インコーポレイティド | 天然の水−不溶性カプセル化組成物及びその製造法 |
US9687807B2 (en) | 2004-12-22 | 2017-06-27 | Colarome, Inc. | Natural water-insoluble encapsulation compositions and processes for preparing same |
US10981136B2 (en) | 2004-12-22 | 2021-04-20 | Capol Inc. | Natural water-insoluble encapsulation compositions and processes for preparing same |
JP2012019706A (ja) * | 2010-07-12 | 2012-02-02 | Aoba Kasei Kk | 食肉用品質改良剤、食肉用カード抑制剤、冷凍食品およびレトルト食品 |
KR101856639B1 (ko) | 2017-01-12 | 2018-05-14 | 농업회사법인주식회사 색동김치 | 안토시아닌 색소가 안정화된 자색무 김치의 제조방법 |
JPWO2023054522A1 (ja) * | 2021-09-29 | 2023-04-06 | ||
WO2023054522A1 (ja) * | 2021-09-29 | 2023-04-06 | 不二製油グループ本社株式会社 | クロロフィル含有食品の製造方法 |
CN116268267A (zh) * | 2022-12-21 | 2023-06-23 | 浙江理工大学 | 一种富含游离氨基酸的辣椒红食用色素的制备方法 |
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