JP2000003881A - イオン注入装置、イオン発生装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

イオン注入装置、イオン発生装置および半導体装置の製造方法

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JP2000003881A JP11105528A JP10552899A JP2000003881A JP 2000003881 A JP2000003881 A JP 2000003881A JP 11105528 A JP11105528 A JP 11105528A JP 10552899 A JP10552899 A JP 10552899A JP 2000003881 A JP2000003881 A JP 2000003881A
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恭一 須黒
Atsushi Murakoshi
篤 村越
Katsuya Okumura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン注入の打ち分けの工程を簡略化できるイ
オン注入方法を提供すること。 【解決手段】半導体基板1の上方に開口部を有する導電
性マスク2を配置し、この導電性マスク2を介して半導
体基板1の表面にイオンを注入し、イオン注入層4を形
成する。イオン注入の打ち分けを行う場合には、各イオ
ン注入毎にそれ専用の導電性マスク2を用いて必要なイ
オン注入層4を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン注入装置、
イオン発生装置、およびイオン注入工程を有する半導体
装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータや通信機器の重要部
分には、多数のトランジスタや抵抗等を電気回路を達成
するように結びつけ、1チップ上に集積化して形成した
大規模集積回路(LSI)が多用されている。このた
め、機器全体の性能は、LSI単体の性能と大きく結び
ついている。LSI単体の性能向上は、集積度を高める
こと、つまり素子の微細化により実現できる。
【0003】素子の微細化は、例えばソース・ドレイン
拡散層などの拡散層を形成する際のイオン注入およびそ
の後の熱処理(アニール)を最適化することにより可能
となる。これにより、例えば0.2μm以下の浅いソー
ス・ドレイン拡散層を有するMOSトランジスタを実現
することが可能となる。
【0004】このような浅い拡散層を不純物ドーピング
で形成するためには、イオン注入の際に不純物原子を浅
く分布させ、その後の熱処理で不純物原子が深く拡散し
ないように少ない熱予算を組むことが必要である。
【0005】一方、MOSトランジスタ等の素子が形成
されるウェルや、MOSトランジスタのチャネルが誘起
される領域(チャネルドーピング層)を不純物ドーピン
グで形成するためには、注入量を高精度に制御すること
が要求される。
【0006】同一基板内にチャネルの導電型の異なるM
OSトランジスタ、またはしきい値電圧の異なるMOS
トランジスタを作成する場合、ウェル、チャネル、また
はポリシリコン膜(ゲート電極)に対するイオン注入の
際には必ずレジストマスクが必要であった。
【0007】すなわち、全面にレジストを塗布し、次い
でイオン注入の必要な部分のレジストを除去してレジス
トパターンを形成し、次いでこのレジストパターンをマ
スクにしてイオン注入を行う必要があった。
【0008】この方法を用いると、レジスト塗布・光露
光・レジスト現像(レジストパターン形成)、イオン注
入、レジストアッシング、硫酸・過酸化水素水処理など
の湿式処理という一連の工程が必要である。
【0009】ところで、LSIを製造する場合には、例
えばDRAMを製造する場合にはリソグラフィ工程が2
0〜30回程度必要になるが、そのうちの30%程度は
イオン注入の打ち分けのためのものである。
【0010】このようなイオン注入の打ち分けのために
は、上述したように一連の工程が必要となる。そのた
め、LSIの製造に要する時間が長くなり、またコスト
も高くなってしまうという問題があった。
【0011】ところで、イオン注入法(イオン照射法)
は、半導体基板に硼素(B)、燐(P)、砒素(As)
等の不純物を導入してPN接合を形成する方法として、
広く用いられている。このイオン注入法によれば、目的
とする場所に不純物の濃度と深さを精密にコントロール
して導入することができる。
【0012】イオン注入装置(イオン照射装置)の心臓
部となるイオン源チャンバーには、大別して熱電極を用
いたフリーマン型(Freeman Type)、バー
ナス型(Burnus Type)と、マグネトロンを
用いたマイクロ波型がある。
【0013】図16は、従来のバーナス型イオン源チャ
ンバーの断面構造を示したものであり、同図Aはチャン
バーの上面に平行な断面を、同図Bはチャンバーの側面
に平行な断面をそれぞれ示したものである。アークチャ
ンバー71の一方の端面には絶縁支持部75およびリフ
レクター(スペーサー)76を介してタングステンフィ
ラメント77が設けられており、アークチャンバー71
の他方の端面に絶縁支持部75を介して対向電極74が
設けられている。
【0014】次にこの装置を用いてイオンを取り出す方
法を説明する。ガス導入口72から例えばArガスを供
給するとともに、タングステンフィラメント77から熱
電子を放出させ、対向電極74によって熱電子の運動方
向をフィラメントから放出された方向と反対方向に偏向
することにより、アークチャンバー71内に導入された
Arガスと熱電子との衝突確率を高めてイオン化を行
う。そしてフロントプレート78に設けたイオン引き出
し口73からイオンが取り出される一方、図17は従来
のフリーマン型イオン源チャンバーの断面構造を示した
ものであり、同図(a)はチャンバーの上面に平行な断
面を、同図(b)はチャンバーの側面に平行な断面をそ
れぞれ示したものである。アークチャンバー91の対向
する面にそれぞれ絶縁支持部95を介してリフレクター
96が設けられており、この対向するリフレクター96
間に棒状のタングステンフィラメント97が設けられて
いる。
【0015】次にこの装置を用いてイオンを取り出す方
法を説明する。ガス導入口92から例えばArガスを供
給するとともに、タングステンフィラメント97から熱
電子を放出させてプラズマを生じさせる。同時に電磁石
100によりフィラメント97に平行な磁界と、フィラ
メント電流による回転磁界を発生させ、リフレクター9
6の作用によってアークチャンバー91内で電子を複雑
に運動させることにより、タングステンフィラメント9
7から放出される熱電子とガス導入口92から供給させ
るガスとの衝突確率を高めている。そしてフロントプレ
ートに設けたイオン引き出し口93からイオンが取り出
される。
【0016】また、図18は、マイクロ波型のイオン源
チャンバーの断面構造図を示したものである。この装置
を用いてイオンを取り出すには、マグネトロン111で
マイクロ波を発生させ、発生したマイクロ波を導波管1
12を通して放電箱113に導き、上記アークチャンバ
ーに相当する放電箱113内でプラズマを発生させ、引
き出し電極114を通してイオンを取り出すというもの
である。
【0017】これらの従来のイオン源チャンバーでは照
射されるべきイオンは、一般にガス、乃至個体を昇華す
ることで得られた蒸気をアークチャンバーに導入し、上
記プラズマによってイオン化することで得られていた。
すなわち上記従来のイオン源チャンバーでは照射される
べきイオンは、蒸気(気体)として供給されることが必
須要件になっていた。しかしながら、B(ボロン)、T
i(チタン)などの高融点金属ではイオン注入に必要な
1E−4Torr程度の蒸気圧を得るには例えばTiで
は1400℃以上に加熱することが必要であるため、事
実上この方法でのイオン注入は不可能であった。
【0018】また逆に、インジウムはその融点が約15
6℃と低すぎる為に、プラズマ中で容易に融解してしま
い、非常に使い勝手が悪かった。
【0019】これに対して、これらの金属の塩化物ガ
ス、弗化物ガスなどを用いてイオン注入する方法が開発
され、これらの低融点金属も使用可能となった。しかし
ながらこの方法は塩化物ガス、弗化物ガスに起因する、
塩素、弗素ないし塩素化合物、弗素化合物等によるアー
クチャンバー内壁、および熱電子放出用フィラメントの
腐食が不可避であった。
【0020】また、Inについても塩化物ガスを用いた
方法が試みられた。例えば、図16に示した従来型のイ
オン源チャンバーにInCl3を330℃に加熱して得
られた蒸気を導入してイオン化を行った場合には、In
Cl3から解離した塩素イオン又はラジカルがタングス
テンを主成分とするアークチャンバーの内壁面をエッチ
ングする他、タングステンフィラメントまでもエッチン
グしてしまうため、フィラメントの細線化が著しくなっ
て抵抗増大を招き、アーク放電に必要な制御ができなく
なってしまった。また、引き出し電極をもエッチングし
てしまい、安定なイオンの引き出しができなくなってし
まった。その結果、約5時間で異常放電が多発し、イオ
ン打ち込みができなくなってしまった。
【0021】このように、高融点金属、Inのイオン化
を塩素系化合物を用いて行う限り、アークチャンバーの
内壁およびタングステンフィラメントには、イオン化に
より発生する塩素イオンや塩素ラジカルによるエッチン
グ反応が起こり、これを回避することはできなかった。
【0022】更に、塩化インジウムなどの塩化物ガス
と、弗化ホウ素、弗化ゲルマニウムなどの弗化物ガスを
同一のアークチャンバー内に交互に導入してイオン化さ
せると、例えば弗化ホウ素の導入時に弗素が壁面に吸着
して残存し、塩化物ガス導入時に反応して強い酸化剤で
ある弗化塩素が形成され、アルミニウムやステンレスだ
けではなく、タングステン,モリブデン,グラファイトな
どの安定な高融点材料で作られているにもかかわらずア
ークチャンバー内壁、熱電子放出用フィラメントの腐食
が加速されるという問題があった。さらに、排気ガス中
の弗素、塩素の除害が必要になり、装置コストが高くな
るという問題もあった。
【0023】また、酸化物ガスの場合には、イオン発生
装置もしくはイオン照射装置に使用するカーボン(グラ
ファイト)系の部材、特にイオンを引き出す為の電極等
を酸化してしまい装置の寿命を著しく短縮させてしまう
という問題があった。
【0024】特にフィラメントは塩素,弗素により腐食
してしまい安定したアーク放電を長時間得ることが困難
なため長時間作業はきわめて困難であった。また、塩化
物が容易に得られない金、白金等の貴金属は依然として
イオン注入は極めて困難であった。
【0025】更に、固体の弗化物の場合は潮解性があ
り、例えば気化させるために加熱オーブンに充填してい
る最中に、大気中の水分と反応し、溶けてしまうなど非
常に使い勝手が悪かった。
【0026】上記課題に対して本発明者らは、図19に
バーナス型イオン源チャンバーの改良型を例として示し
たように、アークチャンバー71内に所望のイオン源か
らなる板状の材料79を載置し、アークチャンバー71
内にプラズマを発生させ、材料79をスパッタリングし
て所望のイオン(以下、スパッタリングイオンと称す
る)を発生させる方法を開示した(特開平10−188
833公報)。この方法は、上記各方法で事実上不可能
であった高融点金属のイオンを容易に発生させる事がで
きる点で極めて優れた方法であった。なお、ここで、上
述の図19の説明では、図16に記載したイオン源チャ
ンバーと同一部分には同一の符号を付し説明を省略し
た。
【0027】しかしながら、上記スパッタリングイオン
を用いる方法でも、Inのように融点が低い金属、Sb
のように単体の固体が不安定な金属のイオン注入を安定
して行うことは依然として非常に困難であった。
【0028】一方、従来の半導体基板の製造方法ではp
型不純物とn型不純物をイオン注入する場合には、別の
イオン注入装置を用いるか、イオン源となるソースガ
ス、固体ソースを交換して行うのが通常であった。この
ため、別装置を用いる場合には同一の半導体加工に二台
以上のイオン注入装置が必要となり、イオン源を交換し
てイオン注入を行う場合には交換後に安定してイオン注
入が実施できるように条件を確認する準備時間が必要と
なっていた。何れの場合でも、半導体装置の製造コスト
の削減上問題となっていた。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、同一基板
内にチャネルの導電型の異なるMOSトランジスタ等を
製造する場合には、全面にレジストを塗布し、次いでイ
オン注入の必要な部分のレジストを除去してレジストパ
ターンを形成し、次いでこのレジストパターンをマスク
にしてイオン注入を行う必要があった。
【0030】この方法を用いると、レジスト塗布・光露
光・レジスト現像(レジストパターン形成)、イオン注
入、レジストアッシング、硫酸・過酸化水素水処理など
の湿式処理という一連の工程が必要となる。そのため、
DRAMなどのイオン注入の打ち分けの工程が多いLS
Iを製造する場合には、製造時間が長くなったり、コス
トが高くなるという問題があった。
【0031】また、従来の半導体基板の製造方法では、
p型不純物とn型不純物をイオン注入する場合には、別
のイオン注入装置を用いるか、イオン源となるソースガ
ス、固体ソースを交換して行うのが通常であったが、何
れの場合でも、半導体装置の製造コストの削減が困難で
あるという問題があった。
【0032】また、従来のイオン注入装置では、Inの
ように融点が低い金属、Sbのように不安定な材料のイ
オン注入を安定して行うことは非常に困難であるという
問題があった。
【0033】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、イオン注入の打ち分け
の工程を簡略化できるイオン注入装置および半導体装置
の製造方法を提供することにある。
【0034】また、本発明の他の目的は、融点が低い金
属や、不安定な材料のイオン注入を安定して行うことが
できるイオン発生装置、イオン注入装置および半導体装
置の製造方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】[構成]上記目的を達成
するために、本発明に係る第1のイオン注入装置は、被
処理基体から離間して配置され、開口部を有する導電性
マスクと、この導電性マスクを介して前記被処理基体に
イオンを注入するイオン注入手段とを備えていることを
特徴とする。
【0036】なお、本発明において、導電性マスクの導
電性とは、金属のような良好な導電性だけではなく、半
導体のような金属と絶縁体との中間的な導電性も意味し
ている。
【0037】本発明に係るイオン発生装置は、箱状に形
成された容器と、前記容器の内壁面にイオンを生成する
元素を含む材料板を保持可能とする保持手段と、前記容
器内にプラズマを発生させることにより前記保持器に保
持された材料板をスパッタリングして所望のイオンを発
生させうるプラズマ発生手段と、前記スパッタリングに
用いるプラズマを発生しうるガスを前記容器内に導入す
るガス導入手段と、前記スパッタリングで生ずる液体を
保持する液体保持部と、前記材料板に対するスパッタリ
ングで生じたイオンを前記容器外に導出するイオン導出
器とを備えていることを特徴とする。
【0038】また、本発明に係る第2のイオン注入装置
は、上記イオン発生装置と、前記イオン導出手段で導出
されたイオンをそのイオンを照射するべき被処理基体に
誘導するイオン誘導手段とを備えていることを特徴とす
る。
【0039】また、本発明に係る第3のイオン注入装置
は、上記イオン発生装置と、前記イオン導出手段で導出
されたイオンをそのイオンを照射するべき被処理基体に
誘導するイオン誘導手段と、前記被処理基体から離間し
て配置され、前記イオンが通過する開口部を有する導電
性マスクとを備えていることを特徴とする。
【0040】本発明に係る第1の半導体装置の製造方法
は、2種以上の元素からなる固体材料を内部に保持した
容器にガスを導入する工程と、前記容器内で前記ガスを
プラズマ化し、このプラズマ化されたガスを前記材料に
照射して前記材料をスパッタリングすることによって、
前記材料の構成元素のイオンを発生させる工程と、この
イオンを発生させる工程で前記材料面に発生した前記材
料の構成元素からなる液体を液体保持部に収納する工程
と、前記イオンを前記容器外に導出する工程と、前記容
器外に導出されたイオンを照射するべき被処理基体に誘
導する工程と、前記誘導されたイオンを所望の被処理基
体に照射する工程とを有することを特徴とする。
【0041】また、本発明に係る第2の半導体装置の製
造方法は、2種以上の元素からなり所望のイオンを発生
させ得る材料を内部に保持した容器に不活性ガスおよび
窒素ガスを導入する工程と、前記容器内にプラズマを発
生させ、このプラズマによって前記不活性ガスおよび前
記窒素ガスをプラズマ化し、このプラズマ化した不活性
ガスおよび窒素ガスを前記材料に照射して前記材料をス
パッタリングすることによって、前記材料の構成元素の
イオンを発生させる工程と、このイオンを発生させる工
程で前記材料面に発生した前記材料の構成元素のひとつ
からなる液体を前記窒素ガスで窒化する工程と、前記イ
オンを前記容器外に導出する工程と、前記容器外に導出
されたイオンを照射するべき被処理基体に誘導する工程
と、前記誘導されたイオンを所望の被処理基体に照射す
る工程とを有することを特徴とする。
【0042】また、本発明に係る第3の半導体装置の製
造方法は、被処理基体に対してイオン種、注入加速エネ
ルギーおよび注入量の少なくとも一つが異なる複数のイ
オン注入を行うに際し、各イオン注入において、イオン
を注入する領域上に開口部を有する導電性マスクを前記
被処理基体から離間して配置し、前記導電性マスクを介
して前記被処理基体にイオンを注入することを特徴とす
る。
【0043】また、本発明に係る第4の半導体装置の製
造方法は、被処理基体の第1の領域にp型不純物イオン
を、前記被処理基体の第2の領域にn型不純物イオンを
それぞれ注入する際に、前記p型不純物イオンを注入す
る際には、前記第1の領域上に開口部を有し、かつ前記
第2の領域上に開口部を有しない第1の導電性マスクを
前記被処理基体から離間して配置し、前記第1の導電性
マスクを介して前記被処理基体に前記p型不純物イオン
を注入し、前記n型不純物イオンを注入する際には、前
記第2の領域上に開口部を有し、かつ前記第1の領域上
に開口部を有しない第2の導電性マスクを前記被処理基
体から離間して配置し、前記第2の導電性マスクを介し
て前記被処理基体に前記n型不純物イオンを注入するこ
とを特徴とする。
【0044】また、本発明に係る第5の半導体装置の製
造方法は、異なる不純物の注入された第1の不純物領域
と第2の不純物領域を有する半導体装置の製造方法であ
って、2種以上の元素からなり、所望のイオンを発生さ
せ得る材料を内部に保持した容器にガスを導入する工程
と、前記容器内にプラズマを発生させ、このプラズマに
よって前記ガスをプラズマ化し、このプラズマ化したガ
スを前記材料に照射して前記材料をスパッタリングする
ことによって、前記材料の構成元素である2種類以上の
元素の2種以上のイオンを発生させる工程と、前記2種
以上のイオンを前記容器外に導出する工程と、前記容器
外に導出された2種以上のイオンのうちの所望の第1の
イオンを半導体基板の表面に選択的に照射することによ
って、前記半導体基板の表面の前記半導体装置形成予定
領域に前記第1の不純物領域を形成する工程と、前記容
器外に導出された2種以上のイオンのうちの所望の第2
のイオンを半導体基板の表面に選択的に照射することに
よって、前記半導体基板の表面の前記半導体装置形成予
定領域に前記第2の不純物領域を形成する工程とを有す
ることを特徴とする。
【0045】[作用]本発明(請求項1〜8,16〜1
9)によれば、開口部を有する導電性マスクを介して被
処理基体にイオンを注入することによって、被処理基体
の所望の領域にイオンを選択的に注入することができる
ようになる。そのため、イオン注入の打ち分けの際に、
各イオン注入毎に別の導電性マスクを用いることによ
り、レジストパターンを用いずに済むようになる。
【0046】したがって、本発明によれば、レジスト塗
布・光露光・レジスト現像、イオン注入、レジストアッ
シング、硫酸・過酸化水素水処理などの湿式処理という
一連の工程が不要となり、これによりイオン注入の打ち
分けの工程を簡略化できるようになる。また、その結果
として、LSIの製造に要する時間の短縮化、コストの
削減化を図れるようになる。さらに、レジストを除去す
るためのアッシング処理を行うことなく、イオン注入層
中の結晶欠陥を回復させるための熱処理を行えるように
なる。これにより、より欠陥密度の低いイオン注入層を
形成できるようになるので、LSIの素子の性能および
信頼性を著しく向上させることができる。
【0047】また、本発明(請求項9〜15)によれ
ば、スパッタリングで生じた、イオンを生成する元素の
液体を液体保持部に保持することができる。そのため、
上記液体がプラズマに晒されることを防止できる。これ
により、イオンを生成する元素として、融点が低い元素
や、不安定な元素を用いても、異常放電等の不都合を防
止でき、安定したイオン注入を行うことができるように
なる。
【0048】また、本発明(請求項20)によれば、1
つの材料をスパッタリングすることで2種類以上のイオ
ンを発生でき、これにより、p型不純物とn型不純物を
イオン注入する場合に、イオン源を交換せずに、準備時
間無しにp型不純物とn型不純物の打ち分けが可能とな
る。その結果、p型不純物とn型不純物のイオン注入の
打ち分けの工程を簡略化でき、半導体装置の製造コスト
を下げることができるようになる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
【0050】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図
である。
【0051】図中、1はイオン注入装置の試料室内の半
導体基板(被処理基体)を示しており、この半導体基板
1の上方には2つの開口部を有する導電性マスク2が配
置されている。本実施形態で使用するイオン注入装置
は、導電性マスク2を備えている点が従来のイオン注入
装置とは異なっている。したがって、導電性マスク2を
を介して半導体基板1にイオンを注入するための機構は
従来と同じであるので、その説明は省略する。なお、イ
オン注入装置の全体の構成は後で説明する。
【0052】半導体基板1と導電性マスク2との間の距
離dは、一般には、1μm〜100mmの範囲で設定さ
れるが、距離dは後述する値に設定することが好まし
い。
【0053】また、導電性マスク2の反りを防止するた
めには、導電性マスク2の厚さtは1μm以上であるこ
とが好ましい。また、導電性マスク2の材料は、半導体
基板1の汚染を避けるために、半導体基板1と同一の元
素、または同元素を主成分とする材料から構成されてい
ることが好ましい。
【0054】半導体基板1がシリコン基板の場合には、
導電性マスク2を介して、P+ 、B + 、BF2 + 、As
+ 、Sb+ 、In+ 、Ga+ などのイオン3を基板表面
に注入する。イオン3は、例えばBF3 等の気体をイオ
ン源に導入し、プラズマ放電によりF2 +等のイオンを
発生させ、このイオンを加速管内で加速させて生成した
ビーム状のイオンである。
【0055】このようにして基板表面にイオン3を注入
することにより、導電性マスク2の開口部下の基板表面
にイオン注入層4が形成される。このとき、導電性マス
ク2は導電性を有しているので、イオン注入時における
導電性マスク2のチャージアップを防止できる。
【0056】また、導電性マスク2のイオン照射による
温度上昇が50℃以上に及ぶと、例えば幅10mmの導
電性マスク2は1.5μm膨張するため、導電性マスク
2の温度上昇は5℃以下に抑制することが望ましい。
【0057】また、アライメント精度(イオン注入層4
の形成領域と導電性マスク2の開口部との合わせずれ)
を0.15μm以下に抑制する必要がある場合には、導
電性マスク2を冷媒によって冷却し、膨張を十分に小さ
くすることが必要である。
【0058】なお、導電性マスク2の位置合わせは、例
えば半導体基板1に予め合わせマークを形成しておき、
この合わせマークを赤外線レーザで検出するという光学
的な方法で行うと良い。
【0059】また、半導体基板1と導電性マスク2との
間の距離dは15μm以下に設定することが好ましい。
さらに好ましくは3μm以下に設定する。3μm以下に
設定することにより、半導体基板1から導電性マスク2
に電荷が非常に逃げやすくなるため、半導体基板1のチ
ャージアップを効果的に防止できるようになる。
【0060】そして、上述したようにイオン注入層4を
形成した後、イオン注入層4中のイオン3をアニールに
より活性化することにより、不純物拡散層を形成するこ
とができる。
【0061】本実施形態によれば、開口部を有する導電
性マスク2を介して半導体基板1の表面にイオンを注入
することによって、半導体基板1の所望の領域にイオン
層4を選択的に形成できるようになる。
【0062】そのため、イオン注入の打ち分けの際に、
各イオン注入毎にそれ専用の導電性マスク2を用いて必
要なイオン注入層4を形成することにより、レジストパ
ターンを用いずに必要なイオン注入層4を形成できるよ
うになる。
【0063】したがって、本実施形態によれば、レジス
ト塗布・光露光・レジスト現像、イオン注入、レジスト
アッシング、硫酸・過酸化水素水処理などの湿式処理と
いう一連の工程が不要となり、これによりイオン注入の
打ち分けの工程を簡略化できるようになる。
【0064】また、その結果として、LSIの製造に要
する時間の短縮化、コストの削減化を図れるようにな
る。さらに、レジストを除去するためのアッシング処理
を行うことなく、イオン注入層中の結晶欠陥を回復する
ための熱処理を行えるようになる。これにより、より欠
陥密度の低いイオン注入層を形成できるようになるの
で、LSIの素子の性能および信頼性を著しく向上させ
ることができる。
【0065】具体的には、リソグラフィ工程が30%削
減でき、例えばDRAMの場合であればリソグラフィ工
程を30回から21回まで低減できる。これにより製造
開始からLSI完成までの時間(TAT:Turn Around
Time)を30%以上短縮でき、また大幅なコストの削
減化が可能となる。
【0066】また、レジストパターンを用いないことか
らメタルが混入したレジストパターンのアッシング工程
が不要になり、これによりメタル汚染量を低減できる。
【0067】また、イオン注入層4中のイオンを活性化
するためのアニールはイオン注入層4の形成後に引き続
いて行っても良いし、あるいは他のイオン注入層が存在
する場合には、これらのイオン注入層中のイオンを共通
のアニールで活性化しても良い。
【0068】(第2の実施形態)図2は、本発明の第2
の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図
である。なお、図1と対応する部分には図1と同一符号
を付してあり、詳細な説明は省略する(他の実施形態に
ついても同様)。
【0069】本実施形態では、半導体基板1上にd=1
0〜30μm程度離間して4個の開口部を有する導電性
マスク2aを配置し、さらにこの導電性マスク2a上に
は導電性材料からなるシャッター5を配置する。導電性
マスク2aの寸法(図中の左右方向の寸法)は1mm以
上程度と比較大きい。本実施形態で使用するイオン注入
装置は、導電性マスク2aおよびシャッター5を備えて
いる点が従来のイオン注入装置とは異なっている。
【0070】なお、シャッター5を構成する導電性材料
は、半導体基板1の汚染を防止するために、導電性マス
ク2aの場合と同様に、半導体基板1と同一の元素、ま
たは同元素を主成分とする材料であることが好ましい。
【0071】本実施形態では、例えば図2に示すよう
に、外側の2つの開口部をシャッター5で覆った状態
で、イオン注入を行うことにより例えばn型拡散層の形
成領域にイオン注入層4aを形成する。この後、内側の
2つの開口部をシャッター5で覆った状態で、イオン注
入を行うことにより例えばp型拡散層の形成領域にイオ
ン注入層4bを形成する。
【0072】本実施形態でも第1の実施形態と同様な効
果が得られる。また、本実施形態によれば、1枚の導電
性マスク2aで導電型の異なるイオン注入層4a,4b
を形成するので、イオン注入層4a,4bの合わせずれ
の問題は起こらない。なお、本実施形態では、導電性マ
スク2aの開口部の個数を4個としたが、3個以下また
は5個以上でも良い。
【0073】(第3の実施形態)図3は、本発明の第3
の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図
である。
【0074】本実施形態が第1の実施形態と異なる点
は、半導体基板1よりも外側の領域に開口部を有する導
電性マスク2bを用い、さらにこの開口部を通過するイ
オンビームを検出するための、Faraday Cup
などからなるイオンビーム検出器6(検出手段)が設け
られていることにある。
【0075】なお、上記開口部は、半導体基板1と同一
条件でイオンビームが照射される領域に設けることが好
ましい。また、距離dは例えば2〜3μm程度である。
【0076】本実施形態でも第1の実施形態と同様な効
果が得られる。さらに、本実施形態によれば、半導体基
板1に照射されるイオンビームをイオンビーム検出器6
により検出できるので、その検出結果(イオンビーム電
流)をモニタ信号に利用することができる。したがっ
て、このモニタ信号をフィードバックすることによって
イオン注入量を制御することができる。
【0077】(第4の実施形態)図4は、本発明の第4
の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図
である。
【0078】本実施形態が第1の実施形態と異なる点
は、半導体基板1の表面に垂直な直線(法線)lに対し
てθ(<90度)傾いた方向からイオン3を照射するこ
とにある。
【0079】本実施形態でも第1の実施形態と同様な効
果が得られる。さらに、本実施形態によれば、注入加速
電圧が高い場合でも、半導体基板1の表面に浅いイオン
注入層を形成することが可能となる。
【0080】図5に、入射角θ(1.5度、7度、15
度)と距離dとイオン3の横方向のはみ出し距離ΔYと
の関係を示す。はみ出し距離ΔYは図4に示すように導
電性マスク2の開口部端から測った距離である。
【0081】図から、距離dが2μm程度なら、イオン
3が入射角θ=7度でもって入射しても、はみ出し距離
ΔYは0.25μm未満になることが分かる。したがっ
て、チャージアップの心配が無い場合において、距離d
を5μm以上に設定するときには、入射角θを5度以下
にすることが必要となる。
【0082】(第5の実施形態)図6は、本発明の第5
の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す工程断
面図である。
【0083】第4の実施形態のように傾斜イオン注入を
行うときには、図6(a)に示すように、導電性マスク
2の開口部の片側に非注入領域が生じ、導電性マスク2
の開口部とは異なるパターンのイオン注入層4が形成さ
れる。
【0084】そのため、非注入領域が問題となる場合に
は、図6(b)に示すように、半導体基板1を180度
回転させて、傾斜イオン注入を再度行ってイオン注入層
4’を形成して非注入領域を無くす。半導体基板1を回
転させる代わりに、図6(c)に示すように、イオン3
の照射方向を変えても良い。
【0085】さらに望ましい方法としては、図7に示す
ように、イオン3に対して半導体基板1を50〜100
cm/secの速度でもって往復運動(A方向、B方向
に交互に運動)させるとともに、行きと帰りでイオン3
の半導体基板1に対する照射方向を逆方向に変える。こ
のような方法によれば、非注入領域の無い傾斜イオン注
入をより短時間で完了することができる。また、上記往
復運動方向と直交するC方向、D方向に往復運動させて
も良い。
【0086】(第6の実施形態)図8は、本発明の第6
の実施形態に係るCMOS製造工程におけるp型ウェル
およびn型ウェルの形成方法を示す工程断面図である。
【0087】まず、図8(a)に示すように、シリコン
基板11に素子分離絶縁膜12を形成する。
【0088】次に同図8Aに示すように、pチャネルト
ランジスタ形成領域(第1の領域)上にのみに開口部を
有する導電性マスク2pをシリコン基板11の上方に配
置した後、100〜200KeV、2×1013cm-2
条件でもってP+ (リンイオン)のイオン注入を行って
n型イオン注入層4nを選択的に形成する。
【0089】次に図8(b)に示すように、nチャネル
トランジスタ形成領域(第2の領域)上にのみに開口部
を有する導電性マスク2nをシリコン基板11の上方に
配置した後、100〜300KeV、2×1013cm-2
の条件でもってB+ (ボロンイオン)のイオン注入を行
ってp型イオン注入層4pを選択的に形成する。
【0090】最後に、p型イオン注入層4pおよびn型
イオン注入層4n中のイオンをアニールにより活性化し
て、p型ウェルおよびn型ウェルが完成する。
【0091】比較のために、図9に、従来のCMOS製
造工程におけるn型ウェルおよびp型ウェルの形成方法
の工程断面図を示す。
【0092】従来法では、まず、図9(a)に示すよう
に、シリコン基板11に素子分離絶縁膜12を形成す
る。ここまでは、本実施形態と同じである。
【0093】次に全面にレジストを塗布し、光露光し、
レジストを現像して、同図9Aに示すように、pチャネ
ルトランジスタ形成領域上にのみに開口部を有するレジ
ストパターン13pを形成した後、100〜600Ke
V、2×1013cm-2の条件でもってP+ のイオン注入
を行ってn型イオン注入層4nを選択的に形成する。
【0094】次にレジストパターン12pをアッシング
して剥離した後、全面にレジストを再度塗布し、光露光
し、レジストを現像して、図9(b)に示すように、n
チャネルトランジスタ形成領域上にのみに開口部を有す
るレジストパターン13nを形成した後、100〜30
0KeV、2×1013cm-2の条件でもってB+ のイオ
ン注入を行ってp型イオン注入層4pを選択的に形成す
る。
【0095】次にレジストパターン13nをアッシング
して剥離した後、n型イオン注入層4nおよびp型イオ
ン注入層4p中のイオンをアニールにより活性化して、
n型ウェルおよびp型ウェルが完成する。
【0096】このように従来方法では、レジスト塗布、
光露光、レジスト現像、レジスト除去という工程を2回
繰り返す必要があり、そのため本実施形態に比べて工程
数が多くなり、またコストも高くなる。
【0097】(第7の実施形態)図10は、本発明の第
7の実施形態に係るCMOS製造工程におけるp型チャ
ネルドーピング層およびn型チャネルドーピング層の形
成方法を示す工程断面図である。
【0098】まず、第6の実施形態に従って図10
(a)に示すように、シリコン基板11に素子分離絶縁
膜12、p型ウェル4pwおよびn型ウェル4nwを形
成する。
【0099】次に同図10Aに示すように、pチャネル
トランジスタ形成領域上にのみに開口部を有する導電性
マスク2pをシリコン基板11の上方に配置した後、8
0〜130KeV、2×1013cm-2の条件でもってP
+ (リンイオン)のイオン注入を行って、n型ウェル4
nwの表面にn型イオン注入層13nを選択的に形成す
る。
【0100】次に図10(b)に示すように、nチャネ
ルトランジスタ形成領域上にのみに開口部を有する導電
性マスク2nをシリコン基板11の上方に配置した後、
30〜80KeV、1×1013cm-2の条件でもってB
+ (ボロンイオン)のイオン注入を行って、p型ウェル
4pwの表面にp型イオン注入層13pを選択的に形成
する。
【0101】最後に、p型イオン注入層14pおよびn
型イオン注入層14n中のイオンをアニールにより活性
化して、p型チャネルドーピング層およびn型チャネル
ドーピング層が完成する。
【0102】(第8の実施形態)図11は、本発明の第
8の実施形態に係る不純物拡散層を形成するための半導
体製造システムを示す模式図である。
【0103】この半導体製造システムは、大きく分け
て、イオン注入装置20と熱処理装置30とから構成さ
れている。図中、21はイオン注入装置20のビームラ
インチャンバーを示しており、このビームラインチャン
バー21は第1ゲートバルブ221 を介してエンドステ
ーションチャンバー23に接続されている。
【0104】このエンドステーションチャンバー23内
には基板ホルダ24が設けられている。この基板ホルダ
24は、SiC、VC、BN、TiCなどの比熱の高い
材料で形成された、熱容量の大きなものである。また、
基板ホルダ24の表面は図示しないAlNなどの熱伝導
率の高い膜で被覆され、その上に半導体基板1が設置さ
れ、保持されている。
【0105】また、基板ホルダ24は図示しない冷却機
構により必要に応じて予め0℃以下に冷却できるように
なっている。冷却温度は−130℃以下であることが好
ましい。このような低温であれば、イオン注入中におけ
る欠陥を容易に制御でき、欠陥のクラスター化を効果的
に抑制できる。
【0106】また、エンドステーションチャンバー23
内には導電性マスク2が設けられている。この導電性マ
スク2は半導体基板1の上方に配置されている。ビーム
ラインチャンバー21、第1ゲートバルブ221 を通過
したイオンビーム25は、この導電性マスク2の開口部
を通って半導体基板1の表面を照射する。その結果、半
導体基板1の表面にイオン注入層が形成される。
【0107】エンドステーションチャンバー24は、第
2ゲートバルブ222 を介して熱処理装置30の熱処理
室31に接続されている。また、エンドステーションチ
ャンバー24は図示しない排気機構により真空排気でき
るようになっている。また、エンドステーションチャン
バー24内の半導体基板1は図示しない搬送機構により
熱処理室31内に搬送できるようになっている。これに
より、エンドステーションチャンバー24内でイオン注
入層が形成された半導体基板1を真空を破らずに熱処理
室31内に移すことができる。
【0108】熱処理室31内には赤外線ランプ、紫外線
ランプ、またはこれらの両方からなる加熱機構32が設
けられている。熱処理室31内に移動されたイオン注入
層が形成された半導体基板1は、加熱機構32により1
00℃/秒以上のレートによって高速昇温され、600
〜1100℃程度の温度でもって1〜30秒間加熱(ア
ニール)される。この結果、イオン注入層中のイオンが
活性化され、不純物拡散層が形成される。
【0109】なお、本実施形態のイオン注入装置は、第
1の実施形態のイオン注入層の形成方法を実施するもの
であるが、他の実施形態のイオン注入層の形成を実施す
るように変更しても良い。
【0110】(第9の実施形態)図12は、本発明の第
9の実施形態に係る不純物拡散層を形成するための半導
体製造システムを示す模式図である。
【0111】本実施形態が第8の実施形態と異なる点
は、エンドステーションチャンバー24が搬送室40を
介して熱処理室31に接続していることにある。なお、
図中、223 は第3ゲートバルブを示している。
【0112】本実施形態によれば、イオン注入装置20
で第1の半導体基板1にイオン注入層を形成している間
に、熱処理装置30で既にイオン注入層が形成された第
2の半導体基板1をアニールして不純物拡散層を形成で
きるので、第8の実施形態に比べて、半導体基板(ウェ
ハ)の処理速度が向上し、短時間でより多くの不純物拡
散層を形成できるようになる。
【0113】また、レジストパターンを用いずにイオン
注入を行うため、イオン注入層の形成時間が短縮され、
つまりイオン注入層の形成時間とアニールによる不純物
拡散層の形成時間との差が十分に小さくなり、不純物拡
散層の形成後にすぐに別の半導体基板をアニールできる
ようになり、これによりイオン注入層の形成と不純物拡
散の形成とを連続的に行うことが可能となる。
【0114】(第10の実施形態)まず、図13を参照
して、イオン照射(注入)装置の全体構成の概要および
イオン発生方法、照射方法を説明する。なお、本発明
は、後述するようにイオン発生装置となるイオン源チャ
ンバー51(アークチャンバー)にその大きな特徴があ
り、図13に示したその他の構成は従来のイオン照射装
置の構成と同様である。
【0115】図13に示したイオン照射装置では、まず
イオン源チャンバー51でイオンが生成される(その詳
細については後述する)。次に、このイオンはイオン源
チャンバー51に隣接した引き出し電極52によって引
き出され、分離電磁石53に導入され、そこで、電荷と
質量に応じてイオン種毎に質量分離される。分離電磁石
53を通過したイオンは、続いてスリット54に導入さ
れ、そこで所望のイオン種のみが完全に分離される。分
離された所望のイオン種を、加速器55によって所望の
最終エネルギーまで加速または減速する。そして、所望
のエネルギーを持ったイオンビームが四極レンズ56に
よって試料62(例えば半導体基板)の表面に集束点を
持つように集束される。続いて、走査電極57,58に
より試料面全体で注入量が一様になるよに走査される。
そして残留ガスとの衝突で生じる中性粒子を除去するた
めに、偏向電極59によりイオンビームが曲げられ、マ
スク60を通して試料62表面にイオンビームが照射さ
れる。61はアースである。
【0116】以下、図13に示したイオン源チャンバー
51(イオン発生装置)およびそれを用いたイオン発生
方法、イオン照射(注入)方法等の詳細について、図面
を参照して説明する。
【0117】図14は、本発明の第10の実施形態に係
るバーナス型のイオン源チャンバーに材料板79を載置
した時の断面構造を示したものであり、同図Aはチャン
バーの上面に平行な断面を、同図Bはチャンバーの横方
向の側面に平行な断面を、同図Cはチャンバーの縦方向
の側面に平行な断面をそれぞれ示したものである。
【0118】基本的な構成は図19に示した従来のバー
ナス型イオン源チャンバーの構成と同様である。すなわ
ち、タングステンを主成分として構成されたアークチャ
ンバー71の一方の端面には絶縁支持部75およびリフ
レクター76(スペーサー)を介してタングステンフィ
ラメント77が設けてあり、アークチャンバー71の他
方の端面には絶縁支持部75を介して対向電極74が設
けてある。そして、ガス導入口72からはArガスが供
給され、フロントプレート78に設けたイオン引き出し
口73から所望のイオンが取り出される。
【0119】なお、イオン源チャンバー(アークチャン
バー)71は通常、イオン引き出し口73を上面とし、
ガス導入口72が下面に位置するように載置されてい
る。
【0120】本実施形態におけるイオン発生装置では、
アークチャンバー71の内壁に沿ってスリット81が設
けられており、このスリット81に所望のイオンを取り
出すための材料板79が着脱自在となっている。したが
って、取り出したいイオンに応じて材料板を簡単に取り
替えることができる。そして、フィラメント77から熱
電子を放出させてプラズマを発生させ、Arガスのスパ
ッタ作用により材料板79から所望のイオンを取り出す
ことが可能となっている。
【0121】材料板79は、アークチャンバー71の内
壁面上の少なくとも一部に設置されていれば良いが、好
ましくはフィラメント77および対向電極74が取り付
けられている一対の対向面以外の四つの内壁面の内、少
なくとも一つ以上の面上に設置されていることが望まし
い。また、材料板79は、設置面の少なくとも一部に設
置されていれば良いが、その面全体に設置した方が、ス
パッタリングの効率が良い。
【0122】次に本実施形態に係るイオン発生方法、イ
オン照射方法についてインジウム(In)イオンの発生
方法、照射方法を例にとって詳細に説明する。
【0123】本実施形態では、イオン源となる材料板と
してInSb単結晶基板を用いた。InSb基板は単体
のインジウム金属(融点156℃)と異なり、融点は高
い。また、工業的に入手可能であり、常温で安定であ
る。更に、単結晶であるため組成は極めて安定してい
る。
【0124】本実施形態では、このInSbを板状に加
工し、タングステン製アークチャンバー21内壁面のう
ち一対の側壁面および底面の3面に設置した。次に所定
の立上げ作業を行った後、ガス導入口72より、Arガ
スを供給すると共に、フィラメント77から熱電子を放
出させると、Arガスがプラズマ化されそのプラズマ粒
子によるスパッタリング効果により、材料板(InS
b)79からSbおよびInが導出され、放電によりイ
オン化された。発生したSbイオン、Inイオンおよび
Arイオンは、引き出し口73を通して引き出された
が、このうち分離電磁石によりInイオンのみが取り出
され、試料へのイオン注入された。
【0125】この場合、加速電圧180KeVで約4m
Aのビーム電流が約50時間(従来の10倍)安定して
得られた。
【0126】上記従来例に示したように、従来型のイオ
ン源チャンバーにInCl3を330℃に加熱して得ら
れた蒸気を導入してイオン化を行った場合には、約5時
間で異常放電が多発し、イオン打ち込みができなくなっ
てしまっていた。
【0127】本発明の構成を取ることにより極めて安定
的に長時間イオン化を行うことが可能となった。
【0128】本実施形態では、イオン化される金属とし
てInやSbを用いて説明したが、その他のイオンチャ
ンバー内で溶融する恐れがあり、安定な化合物を形成し
得る多くの金属元素のイオン注入に適用可能である。例
えば、アルミニウム(Al:融点660℃)、ガリウム
(Ga:融点30℃)、タリウム(Tl:融点303
℃)、スズ(Sn:融点232℃)、鉛(Pb:融点3
28℃)、亜鉛(Zn:420℃)、カドミウム(C
d:融点321℃)などのイオン発生に用いることがで
きる。特にIII族元素金属は族元素と安定に化合物を
形成するため利用が容易であり、InAs、GaAs、
等各種のIII族化合物が利用可能である。特にInS
b,GaAs等は化合物半導体結晶として利用可能であ
り、安定してイオンを生成可能である。同様に、Zn,
Cdも族化合物として、ZnSe、CdTe等を用
いることにより安定してイオンを生成可能である。S
n,Pbは族元素であるが、Sn酸化物、Pb酸化物
として純粋なSn,Pbよりも融点の高い化合物を形成
することが可能でありイオン発生材料として利用可能で
ある。
【0129】また、板材料に用いる材料は1種類である
必要はなく、各内壁面上に互いに異なる材料(GaAs
とInSb等)を用いた材料板を設置するようにしても
良い。この場合、多種の元素を同時にイオン化すること
が可能であり、電離磁石によって質量分離することで、
イオンの選択をすることが可能である。
【0130】(第11の実施形態)上述した実施形態に
よりInのイオン発生を従来と比較して約10倍の長時
間にわたって安定して継続実施することが可能となっ
た。
【0131】しかしながら上記方法を用いても50時間
を越えて更にイオンの発生を継続して行った場合、異常
放電が発生するなどの問題が起こった。
【0132】上記問題に対して本発明者らが検討を重ね
た結果、異常放電が起こった場合に、アークチャンバー
内壁に単体Inを用いていないにもかかわらずIn金属
の残留が見られることがわかった。また、フィラメント
や電極の周囲にIn金属が見られる場合に特に異常放電
が大きいように思われた。
【0133】上記現象は、InSbを材料として放電を
継続した結果、蒸気圧の高いSbが僅かずつ先に蒸発す
ることによってInが過剰となり、更にはIn金属が単
体で形成され、アークチャンバー内で溶融して移動した
ものと考えられた。特にInが移動してフィラメントや
電極の周囲に来た場合に局部的に放電パスが形成され異
常放電が頻繁に発生したものと推定された。本発明者ら
が解析した結果,上記条件(180V、4mA)では、
チャンバーの寸法が220ml(チャンバー材であるタ
ングステンの総容積100ml)のとき、チャンバー内
は500℃乃至800℃まで昇温すると推定され、In
だけでなく,上記低融点金属は殆ど溶融することが予想
された。
【0134】上記問題を解決するため、イオン発生時に
アークチャンバー内にArガスに加えて窒素ガスを導入
した。窒素ガスの導入により、蒸気圧差によりInSb
表面に過剰に残留したInは窒化されてInNを形成し
て固体となり、表面から移動することが無くなった。
【0135】また,このような方法を用いても窒化され
たInSb表面は常にスパッタリングにより更新されて
いるため、各元素のスパッタレートに変動は無かった。
【0136】上記ようにArに加えて窒素をアークチャ
ンバーに導入することで、更に安定したイオン発生、イ
オン照射が可能となった。
【0137】なお、本実施の形態は上記に限ることはな
く、例えばアークチャンバー内壁に始めからInNを用
いて、不活性ガスまたは不活性ガスと窒素ガスの混合ガ
スを用いて放電を行ってもよい。このような形態でも上
記効果を享受可能である。
【0138】(第12の実施形態)次に上記問題に対
し、本発明の第12の実施形態としてアークチャンバー
の構造を改良することで対応を試みた例を図面を用いて
説明する。
【0139】図15に示した図は何れも図14(b)に
示したアークチャンバーの横方向の側面に平行な断面に
相当する図である。なお、以下の説明で図15(c)と
同一の部分に付いては同一の符号を付し説明を省略す
る。
【0140】図15(a)に示した装置では、材料板7
9はアークチャンバー内壁の対向する両面に載置されて
いる。また、底面には材料板は載置されていない。本実
施形態では、材料板はスリット81に挿入固定されてい
るが、上述の各実施形態と異なり、スリット81は深く
形成されており、また、スリット81上部には上方に広
がった上部傾斜81Aが形成されている。更にスリット
81下部には上部傾斜81Aと逆向きに下方に広がった
下部傾斜31Bが、何れも本図に示した断面に垂直方向
に溝状に形成されている。また、材料板固定部81Cに
は間歇的にスリット81Aとスリット81Bとを接続す
るように貫通孔81Dが形成されている。
【0141】本実施形態に係るアークチャンバーを用い
てイオンを発生させたところ、InSb表面で形成され
た過剰なIn金属はスリット81Aに沿って貫通孔81
Dを経て貫通孔81Bに流れ込み、そこから移動するこ
とが無かった。これにより異常放電等の不都合を防止す
ることができた。
【0142】なお,本実施形態は傾斜81Aが形成され
ているだけでも有効である。また、傾斜81A部がな
く、傾斜81Bと、そこに液体(In金属)が流れ込み
得る経路が確保されているだけでもよい。また、傾斜8
1A,81Bの形状は上記に限定されるものではないこ
とも言うまでも無い。
【0143】図15(b)は、本実施形態の第1の変形
例を示したものである。
【0144】第1の変形例では、材料板79と同等の板
が底面にも載置されている。ただし、この板は、全面に
微小孔79Bが形成された有孔材料板79Aである。ま
た、この有孔材料板79Aの下部のアークチャンバーが
削られて窪み71Aが形成されている。このような構成
により、材料板79または有孔材料板79Aの表面で発
生したIn等の液体は微小孔79Bを経て窪み71Aに
流れ込むことにより、プラズマにさらされることがなく
なり、異常放電等の不都合を防止できた。
【0145】図15(c)は、本実施形態の第2の変形
例を示したものである。本実施形態は上記第1の変形例
とは異なり、材料板79には孔を空けず、側面の材料板
79と底面の材料板79の間に空隙81Eを確保した上
で、アークチャンバー底面の支柱71Cを一部残して削
り、In等の液だめとしたものである。
【0146】以上述べたように、本実施形態、第1の変
形例、および第2の変形例では、In等の液体を材料板
下部に落とすことでプラズマへの露出を避けることが要
件であり、実施の形態は上記に限るものではない。
【0147】次に本実施形態の第3の変形例について説
明する。本変形例では、In等の液体保持部を確保する
代りに、材料板表面にタングステン、モリブデンなどの
高融点金属でできたメッシュ状または金網状の覆いを設
置することを特徴とする。このような覆いを設置するこ
とにより、In等の液体は表面張力が高いため、金網、
メッシュを形成するタングステン等の周囲に凝縮し、周
囲に飛散しない。本変形例は本実施形態、第1の変形
例、および第2の変形例と異なり、アークチャンバーを
加工する必要がなく、単にメッシュ状の覆いを設置する
ことのみで実施可能である。また、このメッシュまたは
金網は材料板から発生する液体よりも高融点の金属であ
れば良いが、アークチャンバーの昇温を考慮して、10
00℃以上の融点を有する金属が望ましい。
【0148】(第13の実施形態)次に第10ないし第
12の実施形態に係るイオン発生方法を用いて半導体基
板に複数種のイオン注入を行う方法についてInイオ
ン、Sbイオンを順次注入する場合を例にとって図1
3、図14を用いて説明する。
【0149】まず、図14に示したようにアークチャン
バー71内壁に材料板79としてInSb板を保持した
後、ガス導入口72から例えばArガスを供給するとと
もに、タングステンフィラメント77から熱電子を放出
させ、対向電極74によって熱電子の運動方向をフィラ
メントから放出された方向と反対方向に偏向することに
より、アークチャンバー71内に導入されたArガスと
熱電子との衝突確率を高めてイオン化を行う。これによ
りフロントプレート78に設けたイオン引き出し口23
からInイオン、Sbイオンを取り出すことができる。
【0150】次に、図13に示したように、このInイ
オン、Sbイオンはイオン源チャンバー1に隣接した引
き出し電極52によって引き出され、分離電磁石53に
導入され、そこで、Inイオンのみがスリット54に導
入されるように電荷と質量に応じて質量分離される。ス
リット54を通過したInイオンは、そこで完全に分離
される。分離された所望のInイオンを、加速器55に
よって所望の最終エネルギーまで加速または減速する。
そして、所望のエネルギーを持ったInイオンビームが
四極レンズ56によって試料62(例えば半導体基板)
の表面に集束点を持つように集束される。続いて、走査
電極57,58により試料面全体で注入量が一様になる
よに走査される。そして残留ガスとの衝突で生じる中性
粒子を除去するために、偏向電極59によりイオンビー
ムが曲げられ、マスク60を通して試料62表面上の半
導体装置形成予定領域の所望の部分にInイオンビーム
が照射される。61はアースである。
【0151】この際、試料62はイオン注入すべき所望
の部分のみ開口され他部分はマスクで覆われている。
【0152】上記イオン注入の終了後、試料62上のマ
スクを交換し、分離電磁石53の印加電圧を変更するこ
とでスリット54に入るイオンをSbイオンに替え,再
度イオン注入を行う。これにより、試料62上の半導体
装置形成予定領域中の上述のInイオン注入部と異なる
所望の領域にSbをイオン注入することができるる。
【0153】この方法を用いることによりアークチャン
バ内部の材料を変更することなく,連続して半導体のn
型不純物領域,p型不純物領域の形成を行うことができ
る。
【0154】なお、上記各実施形態ではInのイオン発
生について述べたが、同一の材料板の構成元素である、
Sbについてもシリコン基板中の不純物として作用する
に足りる程度の不純物量は十分に確保できた。勿論In
についても同程度の不純物量が得られた。
【0155】更に、GaAs、InAs、GaSb等を
用いても、III族元素,族元素ともに,同様に所望の
不純物量を得ることができた。
【0156】以上説明した第10〜第13の各実施形態
は、例えば半導体基板の製造(イオン注入)に適用する
ことが可能である。
【0157】例えば、半導体基板にInイオンを導入す
るすることにより、MOSトランジスタの不純物拡散層
を形成することができる。特に、Inの二価イオンを半
導体基板に導入しようとした場合、InCl3 や、有機
系ガスでのイオン化では、上述の問題点に加えてオーブ
ンや、ガス配管からFe(鉄)が混入してしまい、この
Feもイオン化してしまうという問題がある。このFe
は、Inの二価イオンの曲率半径と一致してしまうた
め、分離電磁石によ質量分解は極めて困難である。この
鉄が半導体基板に導入されると、pn接合の特性を劣化
させてしまうなどの問題を引き起こす。
【0158】しかし、本発明によるスパッタリングイオ
ン注入を行うことにより、コンタミネーションの問題を
引き起こすことなく、極めて容易かつ安定に不純物を基
板に導入することが可能となる。
【0159】また、以上説明した第10〜第13の各実
施形態では、スパッタリングを行うためのサポートガス
としてArを用いた例を説明したが、その他のサポート
ガスを用いることも可能である。また、フィラメントや
チャンバーには、グラファイトなど、タングステン以外
の材料を用いることも可能であることは勿論である。
【0160】さらに、以上説明した第10〜第13の各
実施形態では、バーナス型イオン源を用いる方式につい
て説明したが、その他の方式に対して適用することも可
能であることは言うまでも無い。
【0161】(第14の実施形態)図20は、本発明の
第14の実施形態に係る導電性マスクを示す平面図であ
る。図中、200は導電性マスクを示しており、この導
電性マスク200は4つのマスク領域201〜204を
有している。マスク領域201とマスク領域203の開
口パターン、マスク領域202とマスク領域204の開
口パターンはそれぞれ同じである。マスク領域201と
マスク領域202の開口パターンは互いに異なってい
る。各マスク領域201〜204の寸法は、集積回路の
チップサイズのそれと同じである。
【0162】すなわち、同一の導電性マスク内に集積回
路のチップサイズと同じサイズのマスク領域がn個(n
は自然数)存在し、かつ各マスク領域の横にはそれとは
異なる開口パターンを有するマスク領域が隣接してい
る。その他は、第1の実施形態等で述べた導電性マスク
と同じである。
【0163】半導体基板(ウェハ)がSi基板(Siウ
ェハ)ならば、導電性マスク200を介して、B、G
a、In、As、Sbなどの不純物のイオンを基板表面
(ウェハ表面)に注入する。ドーズ量は、1×1010
-2以上、1×1014cm-2以下に設定する。
【0164】このとき、図21に示すように、導電性マ
スク200を半分ずつ重複するように、半導体基板(ウ
ェハ)を載置したステージ(不図示)を移動させながら
イオン注入を行う。すなわち、不純物イオンは、マスク
領域201,203またはマスク領域202,204を
介して、Si基板(Siウェハ)の表面に注入されるこ
とになる。
【0165】このようにして、不純物イオンが注入され
た領域の最終的なパターンは、図21に示すように、マ
スク領域201,203の開口パターンに、マスク領域
202,204の開口パターンを重ねてできたパターン
となる。なお、図には、ステージを横方向にだけ移動し
た場合のパターンが示されているが、実際には、ステー
ジは縦方向にも移動する。
【0166】このような方法であれば、マスク領域20
1,203を介して注入する第1の不純物イオンと、マ
スク領域202,204を介して注入する第2の不純物
イオンとで、ドーズ量を変えれば、局所的にしきい値電
圧が異なるトランジスタを同一チップ内にリソグラフィ
ーエ程なしに作製することが可能になる。
【0167】第1の不純物イオンと第2の不純物イオン
とは同種でも異種でも良い。異種の場合には、III族元
素とV族元素の化合物(例えばInSb)からなるター
ゲットを用い、このターゲット中のIII族元素とV族元
素をガス化し、イオン源内でこれらのガスを同時にイオ
ン化することによって、例えばInなどのIII族元素と
SbなどのV族元素を交互に注入することができる。タ
ーゲット中のIII族元素とV族元素をガス化は、スパッ
タリングによる加熱や、熱電子による加熱などの蒸発手
段を用いる。
【0168】以上述べた方法では、イオン注入の開始時
と終了時におけるチップ、すなわち一番端のチップで
は、マスク領域201,203またはマスク領域20
2,204を用いたイオン注入しか行われない。
【0169】そのため、一番端のチップについては、ス
テージを移動させることによって、導電性マスク200
の半分(マスク領域201,203またはマスク領域2
02,204)を、チップを取得する領域より外側の領
域上に配置させ、マスク領域201,203およびマス
ク領域202,204を用いたイオン注入を行う。この
ようにして、素子を形成するチップすべてに2回のイオ
ン注入を行う。
【0170】なお、ステージ移動の時間を最短にするた
めには、イオン注入は図22に示すように折り返すよう
に行うことが好ましい。
【0171】(第15の実施形態)図23は、本発明の
第15の実施形態に係る導電性マスクを示す平面図であ
る。図中、210は導電性マスクを示しており、この導
電性マスク210は4つのマスク領域211〜214を
有している。マスク領域211とマスク領域214の開
口パターン、マスク領域212とマスク領域213の開
口パターンはそれぞれ同じである。マスク領域211と
マスク領域212の開口パターンは互いに異なってい
る。各マスク領域211〜214の寸法は、集積回路の
チップサイズのそれと同じである。
【0172】すなわち、同一の導電性マスク内に集積回
路のチップサイズと同じサイズのマスク領域がn個(n
は自然数)存在し、かつ各マスク領域の横にはそれとは
異なる開口パターンを有するマスク領域が隣接し、かつ
横方向に隣り合う2つのマスク領域の開口パターンの重
ね合わせると、内周と外周の形状が長方形となるよう
に、帯の両端を結んだパターンの開口部が形成される。
その他は、第1の実施形態等で述べた導電性マスクと同
じである。
【0173】半導体基板(ウェハ)がSi基板(Siウ
ェハ)ならば、導電性マスク210を介して、B、G
a、In、As、Sbなどの不純物のイオンを基板表面
(ウェハ表面)に注入する。ドーズ量は、1×1010
-2以上、1×1014cm-2以下に設定する。
【0174】このとき、図24に示すように、導電性マ
スク210を半分ずつ重複するように、半導体基板(ウ
ェハ)を載置したステージ(不図示)を移動させながら
イオンを行う。すなわち、不純物イオンは、マスク領域
211,213またはマスク領域212,214を介し
て、Si基板(Siウェハ)の表面に注入されることに
なる。
【0175】このようにして、不純物イオンが注入され
た領域の最終的なパターンは、図24に示すように、マ
スク領域211,213の開口パターンに、マスク領域
212,214の開口パターンを重ねてできたパターン
となる。
【0176】このようなイオン注入法を用いることによ
って、nチャネルMOSトランジスタの周辺をpチャネ
ルMOSトランジスタが配置するような回路、あるいは
pチャネルMOSトランジスタの周辺をnチャネルMO
Sトランジスタが配置するような回路が実現可能にな
る。
【0177】この場合も、イオン注入の開始時と終了時
におけるチップでは、マスク領域211,213または
マスク領域212,214を用いたイオン注入しか行わ
れないので、第14の実施形態で説明した方法によっ
て、チップすべてに2回のイオン注入を行う。同様に、
ステージ移動の時間を最短にするために、イオン注入は
図22に示すように折り返すように行う。
【0178】本実施形態および先の第14の実施形態で
は、不純物イオンが注入された領域の最終的なパターン
は、2つのマスク領域の開口部のパターンを重ね合てで
きたパターンであるが、3つの以上のマスク領域の開口
部のパターンを重ね合てできたパターンであっても良
い。この場合、3つ以上のマスク領域の開口部のパター
ンは互いに異なったものである。また、これらのマスク
領域は横方向に配置する。また、各マスク領域でイオン
注入の条件(例えば、ドーズ量、不純物の導電型)は互
いに異なったものとなる。
【0179】(第16の実施形態)図25は、本発明の
第16の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す
断面図である。図において、301は導電性マスク、3
02は開口部、303はイオン、304は静電チャッ
ク、305は支持部、306は静電チャック、307は
半導体基板(ウェハ)をそれぞれ示している。
【0180】導電性マスク301の温度上昇が5℃にな
り、かつ導電性マスク301のうち、静電チャック30
4で保持されていない、開口部302が存在する領域の
寸法が20〜30mmであると、電導性マスク301は
0.3〜0.45μm程度膨張する。この場合、0.3
μm未満の高精度でマスク合わせを行うことが困難にな
る。したがって、高精度のマスク合わせを行うために
は、導電性マスク301を水または有機液体などの冷媒
を用いて冷却する必要がある。
【0181】本実施形態では、冷却効率を高めるため
に、導電性マスク301はAINなどの熱伝導率の高い
材料を表面に有し、かつ表面凹凸が2〜3μm以下の平
滑な静電チャック304でチャックされている。
【0182】静電チャック304は、熱膨張率が10p
pm/K以下で熱伝導性の高いM0、W、Nb、Ta、
Ti、ZrまたはHfなどの金属でできた支持部305
に支えられている。この支持部305中には図示しない
通路が存在し、この通路を冷媒が通ることによって、静
電チャック304の表面にチャックされた導電牲マスク
301を冷却するようになっている。
【0183】イオン303は、導電性マスク301を介
して半導体基板307の所望の領域308に注入され
る。半導体基板307は冷却された静電チャック306
にチャックている。静電チャック306はSiC、B
N、VCまたはTiCなどで形成されている。さらに静
電チャック306は面凹凸が2〜3μm以下の平滑なA
IN膜で表面を覆われている。静電チャック306の冷
却温度は導電性マスク301の冷却温度よりも低いこと
が望ましい。
【0184】半導体基板307の冷却温度は0℃以下、
望ましくは−130℃以下、さらに望ましくは−180
℃以下に設定すると、イオン303の注入で半導体基板
307中に生じた欠陥の回復に必要な加熱温度を800
℃以下にすることが可能になる。
【0185】(第17の実施形態)本実施形態では、ウ
エハ移動に用いるステージ駆動系について説明する。本
実施形態によれば、以下に説明するようにステージ駆動
系の脱ガスを少なくでき、かつステージ駆動系の耐久性
を高めることができる。
【0186】ステージ移動に必要なポールネジのような
部品には、通常グリースが塗られている。何故なら、こ
の種の部品には、少ない摩擦でもって回転させることが
要求されるからである。
【0187】しかしながら、グリースを用いると、真空
中でグリース中の炭素水素系や炭素フッ素系の高分子が
蒸発し、これらの蒸発した高分子(脱ガス)が半導体基
板に付着し、この付着した高分子がイオン注入の際に半
導体基板中にノックオンされ、不純物として半導体基板
中に混入するという間題が生じる。
【0188】このような脱ガスの問題は、グリースを用
いずに、テフロン膜のような固体潤滑剤を用いることが
考えられる。しかし、べアリングとテフロン膜とが接触
する場合には、1分間に105程度の回転数で摩擦が大
きくなりすぎ、回転不良が生じ、ステージ移動ができな
くなるという問題が生じる。
【0189】この問題を克服するために、本実施形態で
は、図26に示すように、表面に凹凸を有するステンレ
ス部材311上にスプレー法などでテフロン膜等のフッ
素樹膜312を0.3から0.5μmの厚みでコーティ
ングした後、30keVから60keの加速エネルギ
ーで炭素イオンを1015cm−2から1016cm−2
度のドーズ量でステンレス部材311に注入した。な
お、図中、313は炭素イオンとフッ素樹脂との混合層
を示している。
【0190】イオン注入後に100℃から150℃の熱
処理を行った後、同様なベアリングテストで1分間に1
7 回転以上の回転数でもステージの異常不良は起こら
ないことが確認された。なお、フッ素イオンでも加速エ
ネルギーを45keVから75keVに設定すると、炭
素イオンよりは半分程度効果は少なくなるが、同様な長
寿命化が実現できた。
【0191】(第18の実施形態)図27〜図29は、
本発明の第18の本実施形態に係るCMOSトランジス
タの製造方法を示す断面図である。ここでは、ゲート電
極の材料として金属を用いた製造方法について説明す
る。
【0192】まず、図27に示すように、シリコン基板
401の表面に形成した浅い溝を素子分離絶縁膜402
で埋め込むことによって、素子分離を行う(STI:Sh
allow Trench Isolation)。
【0193】次にB、Ga、In等のIII族元素が不純
物としてドーピングされたp型拡散層(ソース/ドレイ
ン領域)403、P、As、Sb等のV族元素が不純物
としてドーピングされたn型拡散層(ソース/ドレイン
領域)404を形成する。
【0194】p型拡散層403、n型拡散層404はL
DD構造を有している。p型拡散層403、n型拡散層
404はそれぞれ2回のイオン注入によって形成され
る。最初のイオン注入は図示しないシリコン膜からなる
ダミーゲートをマスクに用いたものであり、次のイオン
注入はダミーゲートおよびその側壁に形成したシリコン
窒化膜からなるスペーサをマスクに用いたものである。
最初のイオン注入の方がドーズ量は少ない。また、イオ
ン注入した不純物を活性化するためのアニールは各イオ
ン注入の後に行っても良いし、2回目のイオン注入後に
まとめて行っても良い。
【0195】次に図示しないダミーゲートを覆うよう
に、シリコン酸化膜405を全面に形成し、次に機械研
磨法またはCMP(Chemical Mechanical Polishing)
法により図示しないダミーゲートの表面が露出するまで
シリコン酸化膜405の表面を研磨し、次にダミーゲー
トを選択的に除去する。
【0196】次にしきい値電圧を調整するために、チャ
ネルとなる部分に不純物イオンをイオン注入法によって
導入する。次にイオン注入で生じた欠陥を熱処理で回復
させるとともに、注入した不純物イオンを活性化させ
る。
【0197】次にTa2 5 やTiO2 、ZrO2 など
の高誘電率の材料からなるゲート絶縁膜406を全面に
形成した後、TiNまたはTaNからなる厚さ10nm
以下の第1ゲート電極407をゲート絶縁膜406上に
形成する。
【0198】ここで、界面準位密度を1011cm-2以下
に設定する場合には、シリコン基板401とゲート絶縁
膜406との間に、厚さ1nm以下のシリコン酸化膜ま
たはシリコン窒化酸化膜を介在させることが望ましい。
【0199】次にSiまたはSiCからなる厚さ3〜1
0μmの電性マスク408をシリコン基板401の表面
から20μm以下の距離に設置し、nチャネルMOSト
ランジスタ領域に炭素イオン409を選択的に注入した
後、熱処理を行う。
【0200】ここで、加速エネルギーは0.2keV以
上1keV以下、ドーズ量は1015cm-2以上1016
-2以下に設定する。また、熱処理の時間は熱処理温度
が450℃以下の場合で10分から60分、熱処理温度
が500℃〜600℃の場合で1分以内に設定する。こ
のような熱処理を行うと、TiNの仕事関数は4.6e
Vから4.2eV程度に低下し、TaNの仕事関数は
4.5eVから4.1eV程度に低下する。
【0201】このようにして第1ゲート電極(TiN薄
膜またはTaN薄膜)407は、nチャネルMOSトラ
ンジスタ領域では仕事関数が小さくなり、pチャネルM
OSトランジスタ領域では仕事関数はもとのままとな
る。すなわち、第1ゲート電極407の仕事関数を各M
OSトランジスタ毎に適切な値に設定することができ
る。
【0202】次に図28に示すように、AlまたはCu
を主成分とする厚さ0.1〜0.3μmの第2ゲート電
極となる金属膜411を全面に堆積する。
【0203】次に図29に示すように、シリコン酸化膜
405の表面が露出するまで金属膜411を機械研磨法
またはCMP法によって研磨することによって、第2ゲ
一卜電極411を形成する。この後、層間絶縁膜412
を全面に形成する。層間絶縁膜としては、シリコン酸化
膜、SiCx0y膜またはCxFy膜を用いる。
【0204】この後は、周知の方法に従ってコンタクト
ホールを開口し、ゲート引出し配線、ソース引出し配
線、ドレイン引出し配線を形成して、CMOSトランジ
スタが完成する。
【0205】以上述べたように、本実施形態によれば、
導電性マスク409を用いたイオン注入によって、2種
類の仕事関数を有するメタルゲート電極(第1ゲート電
極407、第2ゲート電極411)を容易に実現できる
ようになる。
【0206】なお、pチャネルMOSトランジスタのゲ
ート電極の仕事関数として4.5〜4.6eVでなく、
5e程度が必要な場合には、第1ゲート電極407と
してW膜、WNx膜、WSixNy膜またはCo膜を用
いる。そして、nチャネルMOSトランジスタ領域の上
記膜に、電気陰性度がPaulin gScaleで3
より小さい炭素イオンまたは硼索イオンを注入すること
によって、nチャネルMOSトランジスタのゲート電極
の仕事関数を小さくする。
【0207】また、nチャネルMOSトランジスタのゲ
ート電極の仕事関数として4.5〜4.6eVでなく、
4e程度が必要な場合には、第1ゲート電極407と
してHfN膜またはZrN膜を用いる。そして、pチャ
ネルMOSトランジスタ領域の上記膜に、電気陰性度が
PaulingScalcで3以上の酸素イオンまたは
フッ素イオンを注入することによって、pチャネルMO
Sトランジスタのゲート電極の仕事関数を大きくする。
ただし、上記イオンの濃度は、比抵抗がlmΩ・cm程
度以下になる範囲に設定する必要がある。何故なら、こ
の比抵抗を越えるとトランジスタのスイッチング特性が
劣化するからである。
【0208】ここでは、ゲート電極としての金属膜に対
してのイオン注入の打ち分けの場合について説明した
が、本発明は半導体膜に対してのイオン注入の打ち分け
にも適用できる。
【0209】具体的には、例えばデュアルゲートMOS
トランジスタのプロセスにおけるポリシリコンゲート電
極に対してのイオン注入の打ち分けがあげられる。
【0210】デュアルゲートMOSトランジスタの場
合、nチャネルMOSトランジスタのポリシリコンゲー
ト電極にはn型不純物イオンを選択的に注入する必要が
あり、pチャネルMOSトランジスタのそれにはp型不
純物イオンを選択的に注入する必要がある。
【0211】従来は、レジストをマスクにして各イオン
注入を行っていたので、半導体基板に対するイオン注入
の打ち分けの場合と同様に、工程数やコストの増加の問
題があった。しかし、本発明のイオン注入を用いれば、
レジストを用いずにポリシリコンゲート電極にイオンを
注入できるので、工程数やコストの増加の問題を解決で
きる。
【0212】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。例えば、上記実施形態では、主とし
て、注入するイオンの導電型や注入量が異なる場合のイ
オン注入について説明したが、本発明は、加速エネルギ
ー等の他のパラメータが異なる場合でも適用できる。要
はイオン種、注入加速エネルギーおよび注入量の少なく
とも一つが異なっていれば、本発明の適用が可能であ
る。
【0213】また、上記実施形態を適宜組み合わせても
良い。このような組合せの例としては、例えば、第10
の実施形態等で説明したイオン発生装置で発生したイオ
ンを、第1の実施形態等で説明した導電性マスクを介し
て、被処理基板に注入するイオン注入装置(方法)があ
げられる。
【0214】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施できる。
【0215】
【発明の効果】以上詳説したように本発明(請求項1〜
8,16〜19)によれば、開口部を有する導電性マス
クを介して被処理基体にイオンを注入することによっ
て、レジスト塗布・光露光・レジスト現像、イオン注
入、レジストアッシング、硫酸・過酸化水素水処理など
の湿式処理という一連の工程が不要となり、これにより
イオン注入の打ち分けの工程を簡略化できるようにな
る。
【0216】また、本発明(請求項9〜15)によれ
ば、スパッタリングで生じた、イオンを生成する元素の
液体を液体保持部に保持することができる。そのため、
上記液体がプラズマに晒されることを防止できる。これ
により、イオンを生成する元素として、融点が低い元素
や、不安定な元素を用いても、異常放電等の不都合を防
止できるようになり、安定したイオン注入を行うことが
できる。
【0217】また、本発明(請求項20)によれば、イ
オン源を交換しなくても、2種類以上のイオンを発生で
き、これによりp型不純物とn型不純物の打ち分けの工
程を簡略化できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るイオン注入層の
形成方法を示す断面図
【図2】本発明の第2の実施形態に係るイオン注入層の
形成方法を示す断面図
【図3】本発明の第3の実施形態に係るイオン注入層の
形成方法を示す断面図
【図4】本発明の第4の実施形態に係るイオン注入層の
形成方法を示す断面図
【図5】入射角θと距離dとイオン3の横方向のはみ出
し距離ΔYとの関係を示す図
【図6】本発明の第5の実施形態に係るイオン注入層の
形成方法を示す工程断面図
【図7】第5の実施形態の変形例を示す図
【図8】本発明の第6の実施形態に係るCMOS製造工
程におけるp型ウェルおよびn型ウェルの形成方法を示
す工程断面図
【図9】従来のCMOS製造工程におけるp型ウェルお
よびn型ウェルの形成方法を示す工程断面図
【図10】本発明の第7の実施形態に係るCMOS製造
工程におけるp型チャネルドーピング層およびn型チャ
ネルドーピング層の形成方法を示す工程断面図
【図11】本発明の第8の実施形態に係る不純物拡散層
を形成するための半導体製造システムを示す模式図
【図12】本発明の第9の実施形態に係る不純物拡散層
を形成するための半導体製造システムを示す模式図
【図13】イオン照射(注入)の全体構成を示す図
【図14】本発明の第10の実施形態に係るバーナス型
イオン源チャンバーに材料板を載置したときの断面構造
を示す図
【図15】本発明の第12の実施形態に係るアークチャ
ンバーの断面構造を示す図
【図16】従来のバーナス型チャンバーの断面構造を示
す図
【図17】従来のフリーマン型イオン源チャンバーの断
面構造を示す図
【図18】従来のマイクロ波型イオン源チャンバーの断
面構造を示す図
【図19】改良型のバーナス型チャンバーの断面構造を
示す図
【図20】本発明の第14の実施形態に係る導電性マス
クを示す平面図
【図21】同導電性マスクを用いたイオン注入方法を説
明するための図
【図22】ステージ移動の時間を最短にする方法を示す
【図23】本発明の第15の実施形態に係る導電性マス
クを示す平面図
【図24】同導電性マスクを用いたイオン注入方法を説
明するための図
【図25】本発明の第16の実施形態に係るイオン注入
層の形成方法を示す断面図
【図26】本発明の第17の実施形態に係るステージ駆
動系を説明するための断面図
【図27】本発明の第18の本実施形態に係るCMOS
トランジスタの製造方法を示す断面図
【図28】本発明の第18の本実施形態に係るCMOS
トランジスタの製造方法を示す断面図
【図29】本発明の第18の本実施形態に係るCMOS
トランジスタの製造方法を示す断面図
【符号の説明】
1…半導体基板 2,2a,2b,2n,2p…導電性マスク 3…イオン 4,4a,4b,4’…イオン注入層 4n…n型イオン注入層 4p…p型イオン注入層 4nw…n型ウェル 4pw…p型ウェル 5…シャッター 6…イオンビーム検出器 11…シリコン基板 12…素子分離絶縁膜 13n,13p…レジストパターン 13n…n型イオン注入層 13p…p型イオン注入層 20…イオン注入装置 21…ビームラインチャンバー 221 〜223 …第1ゲートバルブ〜第3ゲートバルブ 23…エンドステーションチャンバー 24…基板ホルダ 25…イオンビーム 30…熱処理装置 31…熱処理室 32…加熱機構 40…搬送室 51…イオン源チャンバー 52…引き出し電極 53…分離電磁石 54…スリット 55…加速器 56…四極レンズ 57,58…走査電極 59…偏向電極 60…マスク 61…アース 62…試料 71…アークチャンバー 72…ガス導入口 73…イオン引き出し口 74…対向電極 75…絶縁支持部 76…リフレクター 77…タングステンフィラメント 78…フロントプレート 79…材料板 81…スリット 200,210…導電性マスク 201〜204,211〜214…マスク領域 301…導電性マスク 302…開口部 303…イオン 304,306…静電チャック 305…支持部 307…半導体基板(ウェハ) 311…ステンレス部材 312…フッ素樹膜 313…混合層 401…シリコン基板 402…素子分離絶縁膜 403…p型拡散層(ソース/ドレイン領域) 404…n型拡散層(ソース/ドレイン領域) 405…シリコン酸化膜 407…第1ゲート電極 406…ゲート絶縁膜 408…導電性マスク 409…炭素イオン 411…第2ゲート電極(金属膜) 412…層間絶縁膜

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理基体から離間して配置され、開口部
    を有する導電性マスクと、 この導電性マスクを介して前記被処理基体にイオンを注
    入するイオン注入手段とを備えていることを特徴とする
    イオン注入装置。
  2. 【請求項2】前記導電性マスクと前記被処理基体との間
    の距離が15μm以下に設定されていることを特徴とす
    る請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 【請求項3】前記導電性マスクは前記開口部とは別の開
    口部を有し、かつこの別の開口部を通過するイオンを検
    出する検出手段を有することを特徴とする請求項1に記
    載のイオン注入装置。
  4. 【請求項4】前記開口部の数は複数であり、かつこれら
    の開口部のうちの一部を選択的に覆うシャッターを有す
    ることを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  5. 【請求項5】前記被処理基体は、半導体基板および半導
    体基板上に形成された半導体膜の一方であることを特徴
    とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  6. 【請求項6】前記導電性マスクは、前記被処理基体と同
    一の元素および前記元素を主成分とする材料の一方で構
    成されていることを特徴とする請求項1に記載のイオン
    注入装置。
  7. 【請求項7】前記導電性マスクは、開口部のパターンが
    互いに異なる複数のマスク領域を有することを特徴とす
    る請求項1に記載のイオン注入装置。
  8. 【請求項8】前記複数のマスク領域の開口部のパターン
    を重ねることによって、所望のパターンが得られるよう
    に、前記複数のマスク領域の開口部のパターンが選ばれ
    ていることを特徴とする請求項7に記載のイオン注入装
    置。
  9. 【請求項9】箱状に形成された容器と、 前記容器の内壁面にイオンを生成する元素を含む材料板
    を保持可能とする保持手段と、 前記容器内にプラズマを発生させることにより前記保持
    器に保持された材料板をスパッタリングして所望のイオ
    ンを発生させうるプラズマ発生手段と、 前記スパッタリングに用いるプラズマを発生しうるガス
    を前記容器内に導入するガス導入手段と、 前記スパッタリングで生ずる液体を保持する液体保持部
    と、 前記材料板に対するスパッタリングで生じたイオンを前
    記容器外に導出するイオン導出手段とを具備してなるこ
    とを特徴とするイオン発生装置。
  10. 【請求項10】前記保持手段は、前記液体保持部を兼ね
    ていることを特徴とする請求項9に記載のイオン発生装
    置。
  11. 【請求項11】箱状に形成された容器と、 前記容器の内壁面にイオンを生成する元素を含む材料板
    を保持可能とする保持手段と、 前記容器内にプラズマを発生させることにより前記保持
    手段に保持された材料板をスパッタリングして所望のイ
    オンを発生させうるプラズマ発生手段と、 前記スパッタリングに用いるプラズマを発生しうるガス
    を前記容器内に導入するガス導入手段と、 前記スパッタリングで生ずる液体を保持する液体保持部
    と、 前記材料板に対するスパッタリングで生じたイオンを前
    記容器外に導出するイオン導出手段と、 前記イオン導出手段で導出されたイオンをそのイオンを
    照射するべき被処理基体に誘導するイオン誘導手段とを
    具備してなることを特徴とするイオン注入装置。
  12. 【請求項12】箱状に形成された容器と、 前記容器の内壁面にイオンを生成する元素を含む材料板
    を保持可能とする保持手段と、 前記容器内にプラズマを発生させることにより前記保持
    手段に保持された材料板をスパッタリングして所望のイ
    オンを発生させうるプラズマ発生手段と、 前記スパッタリングに用いるプラズマを発生しうるガス
    を前記容器内に導入するガス導入手段と、 前記スパッタリングで生ずる液体を保持する液体保持部
    と、 前記材料板に対するスパッタリングで生じたイオンを前
    記容器外に導出するイオン導出手段と、 前記イオン導出手段で導出されたイオンをそのイオンを
    照射するべき被処理基体に誘導するイオン誘導手段と、 前記被処理基体から離間して配置され、前記イオンが通
    過する開口部を有する導電性マスクとを具備してなるこ
    とを特徴とするイオン注入装置。
  13. 【請求項13】2種以上の元素からなる固体材料を内部
    に保持した容器にガスを導入する工程と、 前記容器内で前記ガスをプラズマ化し、このプラズマ化
    されたガスを前記材料に照射して前記材料をスパッタリ
    ングすることによって、前記材料の構成元素のイオンを
    発生させる工程と、 このイオンを発生させる工程で前記材料面に発生した前
    記材料の構成元素からなる液体を液体保持部に収納する
    工程と、 前記イオンを前記容器外に導出する工程と、 前記容器外に導出されたイオンを照射するべき被処理基
    体に誘導する工程と、 前記誘導されたイオンを所望の被処理基体に照射する工
    程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】2種以上の元素からなり所望のイオンを
    発生させ得る材料を内部に保持した容器に不活性ガスお
    よび窒素ガスを導入する工程と、 前記容器内にプラズマを発生させ、このプラズマによっ
    て前記不活性ガスおよび前記窒素ガスをプラズマ化し、
    このプラズマ化した不活性ガスおよび窒素ガスを前記材
    料に照射して前記材料をスパッタリングすることによっ
    て、前記材料の構成元素のイオンを発生させる工程と、 このイオンを発生させる工程で前記材料面に発生した前
    記材料の構成元素のひとつからなる液体を前記窒素ガス
    で窒化する工程と、 前記イオンを前記容器外に導出する工程と、 前記容器外に導出されたイオンを照射するべき被処理基
    体に誘導する工程と、 前記誘導されたイオンを所望の被処理基体に照射する工
    程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】前記液体の融点が800℃以下であるこ
    とを特徴とする請求項13または請求項14に記載の半
    導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】被処理基体に対してイオン種、注入加速
    エネルギーおよび注入量の少なくとも一つが異なる複数
    のイオン注入を行うに際し、各イオン注入において、イ
    オンを注入する領域上に開口部を有する導電性マスクを
    前記被処理基体から離間して配置し、前記導電性マスク
    を介して前記被処理基体にイオンを注入することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】前記イオン注入を真空中で行った後、真
    空を保ったまま前記被処理基体を熱処理装置内に搬送
    し、前記熱処理装置により前記被処理基体に熱処理を施
    す工程をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載
    の半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】前記導電性マスクは、前記被処理基体と
    同一の元素および前記元素を主成分とする材料の一方で
    構成されていることを特徴とする請求項16に記載の半
    導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】被処理基体の第1の領域にp型不純物イ
    オンを、前記被処理基体の第2の領域にn型不純物イオ
    ンをそれぞれ注入する際に、 前記p型不純物イオンを注入する際には、前記第1の領
    域上に開口部を有し、かつ前記第2の領域上に開口部を
    有しない第1の導電性マスクを前記被処理基体から離間
    して配置し、前記第1の導電性マスクを介して前記被処
    理基体に前記p型不純物イオンを注入し、 前記n型不純物イオンを注入する際には、前記第2の領
    域上に開口部を有し、かつ前記第1の領域上に開口部を
    有しない第2の導電性マスクを前記被処理基体から離間
    して配置し、前記第2の導電性マスクを介して前記被処
    理基体に前記n型不純物イオンを注入することを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】前記イオン注入を真空中で行った後、真
    空を保ったまま前記被処理基体を熱処理装置内に搬送
    し、前記熱処理装置により前記被処理基体に熱処理を施
    す工程をさらにを含むことを特徴とする請求項19に記
    載の半導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】前記導電性マスクは、前記被処理基体と
    同一の元素および前記元素を主成分とする材料の一方で
    構成されていることを特徴とする請求項19に記載の半
    導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】異なる不純物の注入された第1の不純物
    領域と第2の不純物領域を有する半導体装置の製造方法
    において、 2種以上の元素からなり、所望のイオンを発生させ得る
    材料を内部に保持した容器にガスを導入する工程と、 前記容器内にプラズマを発生させ、このプラズマによっ
    て前記ガスをプラズマ化し、このプラズマ化したガスを
    前記材料に照射して前記材料をスパッタリングすること
    によって、前記材料の構成元素である2種類以上の元素
    の2種以上のイオンを発生させる工程と、 前記2種以上のイオンを前記容器外に導出する工程と、 前記容器外に導出された2種以上のイオンのうちの所望
    の第1のイオンを半導体基板の表面に選択的に照射する
    ことによって、前記半導体基板の表面の前記半導体装置
    形成予定領域に前記第1の不純物領域を形成する工程
    と、 前記容器外に導出された2種以上のイオンのうちの所望
    の第2のイオンを半導体基板の表面に選択的に照射する
    ことによって、前記半導体基板の表面の前記半導体装置
    形成予定領域に前記第2の不純物領域を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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