JP3660457B2 - イオン発生装置及びイオン照射装置 - Google Patents

イオン発生装置及びイオン照射装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体装置等の製造に用いるイオン発生装置、イオン照射装置及びイオン照射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イオン注入法(イオン照射法)は、半導体基板に硼素(B)、燐(P)、砒素(As)等の不純物を導入してpn接合を形成する方法として、広く用いられている。このイオン注入法によれば、目的とする場所に不純物の濃度と深さを精密にコントロールして導入することができる。
【0003】
イオン注入装置(イオン照射装置)の心臓部となるイオン源チャンバーには、熱電極を用いたフリーマン型及びバーナス型、マグネトロンを用いたマイクロ波型がある。
【0004】
図4は、バーナス型のイオン源チャンバーの断面構造を示したものであり、同図(a)はチャンバーの上面に平行な断面を、同図(b)はチャンバーの側面に平行な断面をそれぞれ示したものである。アークチャンバー21の一方の端面には絶縁支持部25及びリフレクター26(スペーサー)を介してフィラメント27が設けてあり、アークチャンバー21の他方の端面には絶縁支持部25を介して対向電極24が設けてある。ガス導入口22から例えばArガスを供給するとともに、フィラメント27から熱電子を放出させ、対向電極24によって熱電子の運動方向を反対方向に偏向することにより、アークチャンバー21内に導入されたArガスとの衝突確率を高めてイオン化を行う。そして、フロントプレート28に設けたイオン引き出し口23からイオンが取り出される。
【0005】
図5は、フリーマン型のイオン源チャンバーの断面構造を示したものであり、同図(a)はチャンバーの上面に平行な断面を、同図(b)はチャンバーの側面に平行な断面をそれぞれ示したものである。アークチャンバー41の対向する面にそれぞれ絶縁支持部45を介してリフレクター46が設けてあり、この対向するリフレクター46間に棒状のフィラメント47が設けてある。このフィラメント47から熱電子を放出させてプラズマを生じさせるとともに、電磁石50によるフィラメント47に平行な磁界と、フィラメント電流による回転磁界を発生させ、リフレクタ46の作用によってアークチャンバー41内で電子を複雑に運動させることにより、フィラメント47から放出される熱電子とガス導入口42から供給させるガスとの衝突確率を高めている。そして、フロントプレート48に設けたイオン引き出し口43からイオンが取り出される。
【0006】
図6は、マイクロ波型のイオン源チャンバーの断面構造を示したものである。これは、マグネトロン61で発生したマイク口波を導波管62を通して放電箱63に導き、放電箱63内でプラズマを発生させ、引き出し電極64を通してイオンを取り出すというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなイオン照射装置(イオン発生装置)の場合、一般的には、ガス或いは固体を昇華させてその蒸気をアークチャンバー内に導入し、イオン化放電を行っている。しかしながら、例えばB(ボロン)、Ti(チタン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)といった1000℃以上の高融点を有する金属をイオン化させるためには、使用限界温度が約800℃のベーパライザー(昇温ルツボ)等を用いて固体から蒸気を得ることは不可能である。例えば、Tiで10-4torrの蒸気圧を得るためには、1442℃の高温に加熱する必要がある。
【0008】
そこで、このような高融点金属のイオン化を行うためには、例えば塩素と結び付けて特殊材料ガスとして使用する方法が取られている。例えば、Tiに対しては、TiCl2 、Feに対してはFeCl2 ,Coに対してはCoCl2 など、塩素と結び付けたガスが使用されている。これは、塩素との結びつきが極めて安定であり、容易に形成できるためである。
【0009】
しかしながら、このような塩素系ガスを使用した場合には、アークチャンバー内でのエッチング反応が強い。したがって、熱電子を放出させるフィラメントをも腐食してしまい、安定なアーク放電が得られず、長時間の作業は極めて困難であった。また、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Au(金)といった金属に対しては、その化合物が極めて不安定でガスとしての生成が困難であり、また、1000℃以上の高融点金属、アルカリ金属であることから、ベーパライザーによって蒸気を得ることも困難であり、事実上イオン化は不可能であった。
【0010】
本発明の目的は、容易かつ安定的に所望のイオンを発生させることが可能なイオン発生装置、イオン照射装置及びイオン照射方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明におけるイオン発生装置は、容器と、所望のイオンを生じさせるための材料からなる材料板を前記容器内に保持する保持手段と、前記容器内にプラズマを発生させることにより前記保持手段に保持された材料板をスパッタリングして所望のイオンを発生させるプラズマ発生手段と、前記材料板に対するスパッタリングに用いるガスを前記容器内に導入するガス導入手段と、前記材料板に対するスパッタリングで生じたイオンを前記容器外に導出するイオン導出手段とを有する。
【0012】
また、本発明におけるイオン発生装置は、容器と、所望のイオンを生じさせるための材料からなり前記容器内に保持された材料板と、前記容器内にプラズマを発生させることにより前記材料板をスパッタリングして所望のイオンを発生させるプラズマ発生手段と、前記材料板に対するスパッタリングに用いるガスを前記容器内に導入するガス導入手段と、前記材料板に対するスパッタリングで生じたイオンを前記容器外に導出するイオン導出手段とを有する。
【0013】
本発明におけるイオン照射装置は、容器と、所望のイオンを生じさせるための材料からなる材料板を前記容器内に保持する保持手段と、前記容器内にプラズマを発生させることにより前記保持手段に保持された材料板をスパッタリングして所望のイオンを発生させるプラズマ発生手段と、前記材料板に対するスパッタリングに用いるガスを前記容器内に導入するガス導入手段と、前記材料板に対するスパッタリングで生じたイオンを前記容器外に導出するイオン導出手段と、このイオン導出手段で導出されたイオンを該イオンが照射される試料に誘導する誘導手段とを有する。
【0014】
前記保持手段としては、例えば前記容器の内壁面に沿って設けたスリットを用いることができる。
【0015】
前記材料板は前記容器の内壁面上の少なくとも一部に設置されていることが好ましい。
【0016】
また、前記プラズマ発生手段は熱電子を放出するフィラメントを用いて構成するとが好ましい。
【0017】
また、前記材料板には、前記プラズマ発生手段でイオン化される所望の金属 (高融点金属やアルカリ金属)の単体を用いて構成してもよいし、該金属を含む化合物(何種類かの高融点金属やアルカリ金属の化合物)を用いて構成してもよい。
【0018】
前記イオン発生装置及びイオン照射装置によれば、容器内に設けた材料板をスパッタリングすることにより所望のイオンを発生させるので、例えば高融点金属やアルカリ金属等であっても容易かつ安定的にイオンを発生させることができる。したがって、例えば半導体装置の製造におけるイオン注入工程に用いることにより、大きな効果を発揮することができる。
【0019】
また、容器の内壁面に沿ってスリット(溝)を設け、このスリットに材料板を保持するようにすれば、材料板を容易に交換することができる。
【0020】
本発明におけるイオン照射方法は、所望のイオンを生じさせるための材料からなる材料板が保持された容器内にスパッタリングガスを導入する工程と、前記容器内にプラズマを発生させることにより前記スパッタリングガスを用いて前記材料板をスパッタリングして所望のイオンを発生する工程と、前記スパッタリングによって生じたイオンを前記容器外に導出する工程と、前記容器外に導出されたイオンを所望の試料に照射する工程とを有する。
【0021】
前記イオン照射方法によれば、容器内に設けた材料板をスパッタリングすることにより所望のイオンを発生させ、このイオンを所望の試料に照射するので、例えば高融点金属やアルカリ金属等であっても容易かつ安定的にイオンを発生させ、これを所望の試料に照射することができる。
【0022】
また、本発明におけるイオン照射方法は、所望のイオンを生じさせるための材料が保持された容器内にスパッタリングガスを導入する工程と、前記容器内にプラズマを発生させることにより前記スパッタリングガスを用いて前記容器内に保持された材料をスパッタリングしてクラスタ状のイオンを発生する工程と、スパッタリングによって生じた前記クラスタ状のイオンを前記容器外に導出する工程と、前記容器外に導出された前記クラスタ状のイオンを所望の試料に照射する工程とを有する。
【0023】
前記イオン照射方法によれば、スパッタリングによってイオンを発生させるため、クラスタ状のイオン(例えばB12)を発生させることが可能である。このようなクラスタ状のイオンを試料に照射(注入)することにより、従来よりも浅い領域にイオンを導入することが可能になるとともに、イオンの輸送量を少なくすることができるため照射時間(注入時間)の短縮をはかることが可能となる。したがって、例えばMOSトランジスタのソース・ドレインの拡散層形成に用いた場合には、短い注入時間で浅い接合を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0025】
まず、図1を参照して、イオン照射装置の全体構成の概要を説明する。なお、本発明は、後述するようにイオン発生装置となるイオン源チャンバー1にその大きな特徴があり、図1に示したその他の構成は従来のイオン照射装置の構成と同様である。
【0026】
図1に示したイオン照射装置では、まずイオン源チャンバー1でイオンが生成され(その詳細については後述する。)、このイオンが引き出し電極2によって引き出され、分離電磁石3によって質量分離される。続いて、スリット4で完全に分離された所望のイオンを、加速器5によって最終エネルギーまで加速又は減速する。そして、イオンビームが四極レンズ6によって試料12(例えば半導体基板)の表面に収束点を持つように収束される。続いて、走査電極7及び8により試料面全体で注入量が一様に分布するよう走査される。そして、残留ガスとの衝突で生じる中性粒子を除去するために偏向電極9によりイオンビームが曲げられ、マスク10を通して試料12表面にイオンビームが照射される。11はアースである。
【0027】
以下、図1に示したイオン源チャンバー1(イオン発生装置)及びその使用方法等の詳細について、図2及び図3を参照して説明する。
【0028】
まず、図2を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
【0029】
図2は、本実施形態に係るバーナス型のイオン源チャンバーの断面構造を示したものであり、同図(a)はチャンバーの上面に平行な断面を、同図(b)はチャンバーの横方向の側面に平行な断面を、同図(c)はチャンバーの縦方向の側面に平行な断面を、それぞれ示したものである。
【0030】
基本的な構成は、図4に示した従来のバーナス型のイオン源チャンバーの構成と同様である。すなわち、タングステンを主成分として構成されたアークチャンバー21の一方の端面には絶縁支持部25及びリフレクター26(スペーサー)を介してタングステンフィラメント27が設けてあり、アークチャンバー21の他方の端面には絶縁支持部25を介して対向電極24が設けてある。そして、ガス導入口22からはArガスが供給され、フロントプレート28に設けたイオン引き出し口23から所望のイオンが取り出される。
【0031】
本実施形態におけるイオン発生装置では、アークチャンバー21の内壁に沿ってスリット31を設け、このスリット31に所望のイオンを取り出すための材料板29を着脱自在に保持している。したがって、取り出したいイオンに応じて材料板を簡単に取り替えることができる。そして、フィラメント27から熱電子を放出させてプラズマを発生させ、Arガスのスパッタ作用によりに材料板29から所望のイオンを取り出すようにしている。
【0032】
材料板29は、アークチャンバー21の内壁面上の少なくとも一部に設置されていればよいが、より好ましくはフィラメント27及び対向電極24が取り付けられている一対の対向面以外の四つの内壁面の少なくとも一つ以上の面上に設置されていればよい。また、材料板29は、材料板29が設置される面の少なくとも一部に設置されればよいが、その面全体に設置した方がスパッタリングの効率がよい。また、材料板29の構成材料には、イオン化される所望の金属の単体又は該金属を含む化合物が用いられる。
【0033】
本実施形態では、材料板29の構成材料にTiを用い、これをアークチャンバー21の内壁面のうち一対の側壁面及び底面の3面に設置している。ガス導入口22よりArガスを供給するとともに、フィラメント27から熱電子を放出させると、Arガスによるスパッタリング効果により材料板29からTiが導出され、放電によりイオン化される。発生したTiイオン及びArイオンは、引き出し口23を通して引き出されるが、このうち分離電磁石によりTiイオンのみを取り出し、試料へのイオン注入を行った。この場合、加速電圧150keVで約4mAのビーム電流が約40時間(従来の約10倍)安定して得られた。
【0034】
一方、図4に示した従来型のイオン源チャンバーにTiCl2 ガスを導入してイオン化を行った場合には、TiCl2 から分離したClイオン又はラジカルが、タングステンを主成分とするアークチャンバーの内壁面をエッチングする他、タングステンフィラメントまでもエッチングしてしまうため、フィラメントの細線化が著しくなって抵抗増大を招き、アーク放電に必要な制御ができなくなってしまう。その結果、使用時間約6時間で異常放電が多発し、イオン打ち込みができなくなってしまった。
【0035】
このように、Tiのイオン化を塩素系ガスを用いて行う限り、アークチャンバ−の内壁面及びタングステンフィラメントには、イオン化により発生する塩素イオンや塩素ラジカルによるエッチング反応が起こり、これを回避することはできない。
【0036】
本実施形態のように、Tiの材料板をアークチャンバ−の内壁面に設置し、Arガスのスパッタリング効果を利用してイオン化を行う場合には、フィラメントへのエッチング反応は起こらず、極めて安定的に長時間イオン化を行うことが可能である。
【0037】
つぎに、図3を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
【0038】
図3は、本実施形態に係るフリーマン型のイオン源チャンバーの断面構造を示したものであり、同図(a)はチャンバーの上面に平行な断面を、同図(b)はチャンバーの横方向の側面に平行な断面を、同図(c)はチャンバーの縦方向の側面に平行な断面を、それぞれ示したものである。
【0039】
基本的な構成は、図5に示した従来のフリーマン型のイオン源チャンバーの構成と同様である。すなわち、アークチャンバー41の対向する面にそれぞれ絶縁支持部45を介してリフレクター46が設けてあり、この対向するリフレクター46間に棒状のフィラメント47が設けてある。そして、ガス導入口42からはArガスが供給され、フロントプレート48に設けたイオン引き出し口43から所望のイオンが取り出される。
【0040】
本実施形態におけるイオン発生装置では、図2に示した例と同様、アークチャンバー41の内壁に沿ってスリット51を設け、このスリット51に所望のイオンを取り出すための材料板49を着脱自在に保持している。そして、フィラメント47から熱電子を放出させてプラズマを発生させ、Arガスのスパッタ作用によりに材料板49から所望のイオンを取り出すようにしている。
【0041】
材料板49は、アークチャンバー41の内壁面上の少なくとも一部に設置されていればよいが、より好ましくは一対のリフレクター46が取り付けられている一対の対向面以外の四つの内壁面の少なくとも一つ以上の面上に設置されていればよい。また、材料板49は、材料板49が設置される面の少なくとも一部に設置されればよいが、その面全体に設置した方がスパッタリングの効率がよい。また、材料板49の構成材料には、イオン化される所望の金属の単体又は該金属を含む化合物が用いられる。
【0042】
本実施形態では、材料板49の構成材料にTiを用い、これをモリブデンを用いたアークチャンバー41の内壁面のうち一対の側壁面及び底面の3面に設置した。チャンバーのサイズは例えば横7cm、高さ4cm、奥行き4cmである。直径約2mmのフィラメント47にはWを使用している。
【0043】
ガス導入口42よりArガスを供給するとともに、フィラメント47から熱電子を放出させると、Arガスによるスパッタリング効果により材料板49からTiが導出され、放電によりイオン化される。発生したTiイオン及びArイオンは、引き出し口43を通して引き出されるが、このうち分離電磁石によりTiイオンのみを取り出し、試料へのイオン注入を行う。
【0044】
なお、絶縁支持部材45は、チャンバー41の外側から取り付けられた状態となっている。これにより、チャンバー41とスペーサー46との間において狭い空間が形成され、絶縁支持部材45が直接プラズマに晒されるのが防止される。ここで、図3に示すように、この空間を構成する領域に対応する部分の長さをx及びyとすると、x/yが1以上となるような構造としている。このようにすることで、絶縁支持部材45が直接プラズマに晒されないことに加え、ランダムに運動するイオンやラジカル等の絶縁支持部材45への侵入が防止される。よって、金属をイオン化することで懸念される絶縁不良を抑制することができる。
【0045】
本実施形態では、yを2〜3mmとし、xを3〜4mmとしている。x/yを1以上とすることで隙間が狭くなり、脱離した金属が隙間部分に付着することによってショートが生じる可能性はあるが、従来よりも絶縁不良に対する抑制効果を高くすることができる。
【0046】
このような構造とすることにより、従来のフリーマン型のイオン源チャンバーの問題であった絶縁不良の問題を抑制している。このような構造と、塩素系ガスを使用しないことにより、フィラメントの寿命が改善され、長時間安定したTiのイオン化が可能となる。
【0047】
つぎに、図2を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
【0048】
本実施形態は、先に説明した第1実施形態と同様のバーナス型のイオン源チャンバーを用いており、イオン源チャンバーの基本的な構成や材料板の設置位置等については第1実施形態と同様であるため、これらの詳細な説明は第1実施形態の対応する説明を参照するものとする。
【0049】
本実施形態では、材料板29の構成材料にB(ボロン)を用い、これをアークチャンバー21の内壁面のうち一対の側壁面及び底面の3面に設置している。ガス導入口22よりArガスを供給するとともに、フィラメント27から熱電子を放出させると、Arガスによるスパッタリング効果により材料板29からボロンが導出される。この場合、単体のボロンの他にクラスタ状のボロン(B12等)が導出され、クラスタ状のボロンはフィラメント27から放出される熱電子と衝突してイオン化する。したがって、クラスタの形態のままイオン化することが可能となる。総電流量に対して、単体Bが約45%、クラスタ状のボロンが約40%、その他の多価イオンが約15%であった。発生したBイオンのうち、所望のBイオンのみを分離電磁石によって分離すれば、例えばB12のみを取り出して試料に照射することができる。
【0050】
このように、クラスタ状のイオンを試料に照射(注入)することにより、同じ加速電圧でも、より浅い領域にB等のイオンを導入することが可能になる。また、イオンの輸送量を少なくすることができるため照射時間(注入時間)の短縮をはかることが可能となる。
【0051】
一方、図5に示した従来型のイオン源チャンバーにBF3 ガスを導入してイオン化を行った場合には、総電流量に対して、単体Bが約20%、BF2 の形態が約60%、その他の多価イオンやBF+ 、F+ 等の形態が約20%であった。したがって、クラスタ状のBイオンが得られないばかりか、単体Bを効率よく取り出すことも困難である。
【0052】
以上説明した装置は、例えば半導体装置の製造に適用することが可能である。例えば、半導体基板にBイオンを導入することにより、MOSトランジスタのソース・ドレインの不純物拡散層を形成することができる。特にクラスタ状のイオン(例えばB12)を導入することにより、“単体Bイオン注入の加速電圧×クラスタイオンの個数(ここでは12個)”でイオン注入時の加速電圧を設定できることから、低加速化に伴うスループットの低下や、注入時の反射及びスパッタリング効果に伴う実効注入量の低下を引き起こすことなく、極めて容易に不純物を導入することが可能となる。また、イオン輸送量(ドーズ)も“単体Bイオン注入時のドーズ(個数)/クラスタイオンの個数(ここでは12個)”で制御できることから、極めて容易に短時間で所望の不純物量を基板に導入することが可能となる。
【0053】
また、酸化膜中にタンタル、イリジウム等の高融点金属やアルカリ金属を注入することにより、高誘電体に対する電極を形成することも可能である。さらに、Ti、Co、Ni等のイオンをシリコン基板に注入し、600℃以上の温度で加熱してTiSi2 、CoSi2 、NiSi2 等を形成することにより、拡散層抵抗を低減したり、拡散層と配線との間の接触抵抗を低減することも可能である。
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されるものではない。
【0054】
以上説明した各実施形態では、イオン化される金属としてTiやBを用いて説明したが、その他の高融点金属やアルカリ金属を用いることができる。
【0055】
また、材料板に用いる材料は1種類である必要はなく、各内壁面上に互いに異なる材料(互いに異なる高融点金属やアルカリ金属)を用いた材料板を設置するようにしてもよい。この場合、多種の高融点金属やアルカリ金属を同時にイオン化することが可能であり、電離磁石によって質量分離することで、イオンの選択をすることが可能である。
【0056】
また、以上説明した各実施形態では、スパッタリングを行うためのサポートガスとしてArを用いて説明したが、その他のサポートガスを用いることも可能である。また、フィラメントやチャンバーには、タングステン以外の材料を用いることも可能である。
【0057】
さらに、以上説明した各実施形態では、フリーマン型イオン源或いはバーナス型イオン源を用いる方式について説明したが、その他の方式に対して適用することも可能である。
【0058】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施可能である。
【0059】
【発明の効果】
本発明では、容器内に設けた材料板をスパッタリングすることにより所望のイオンを発生させるので、例えば高融点金属やアルカリ金属等であっても容易かつ安定的にイオンを発生させることができる。したがって、例えば半導体装置の製造におけるイオン注入工程に用いることにより、大きな効果を発揮することができる。
【0060】
また、本発明では、スパッタリングによってイオンを発生させるため、クラスタ状のイオンを発生させることが可能である。このようなクラスタ状のイオンを試料に照射することにより、“単体Bイオン注入の加速電圧×クラスタイオンの個数”でイオン注入時の加速電圧を制御できることから、浅い領域への不純物の導入が極めて容易になり、かつ、イオン輸送量(ドーズ)は、“単体Bイオン注入時のドーズ/クラスタイオンの個数”で制御できるために、イオンの輸送量を実効的に少なくすることが可能となり、注入時間の短縮をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン照射装置の全体構成についてその一例を示した図。
【図2】本発明に係るイオン発生装置の一例を示した図。
【図3】本発明に係るイオン発生装置の他の例を示した図。
【図4】従来技術に係るイオン発生装置の一例を示した図。
【図5】従来技術に係るイオン発生装置の他の例を示した図。
【図6】従来技術に係るイオン発生装置の他の例を示した図。
【符号の説明】
21、41…アークチャンバー(容器)
22、42…ガス導入口(ガス導入手段)
23、43…イオン引き出し口(イオン導出手段)
27、47…フィラメント(プラズマ発生手段)
29、49…材料板
31、51…スリット(保持手段)

Claims (6)

  1. 容器と、
    所望のイオンを生じさせるための材料からなる材料板を前記容器内に保持する保持手段と、
    前記容器内にプラズマを発生させることにより前記保持手段に保持された材料板をスパッタリングして所望のイオンを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記材料板に対するスパッタリングに用いるガスを前記容器内に導入するガス導入手段と、
    前記材料板に対するスパッタリングで生じたイオンを前記容器外に導出するイオン導出手段と
    を有し、
    前記保持手段は前記容器の内壁面に沿って設けたスリットであることを特徴とするイオン発生装置。
  2. 前記プラズマ発生手段は熱電子を放出するフィラメントを用いて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
  3. 前記材料板は前記プラズマ発生手段でイオン化される所望の金属の単体又は該金属を含む化合物を用いて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
  4. 容器と、
    所望のイオンを生じさせるための材料からなる材料板を前記容器内に保持する保持手段と、
    前記容器内にプラズマを発生させることにより前記保持手段に保持された材料板をスパッタリングして所望のイオンを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記材料板に対するスパッタリングに用いるガスを前記容器内に導入するガス導入手段と、
    前記材料板に対するスパッタリングで生じたイオンを前記容器外に導出するイオン導出手段と、
    このイオン導出手段で導出されたイオンを該イオンが照射される試料に誘導する誘導手段と
    を有し、
    前記保持手段は前記容器の内壁面に沿って設けたスリットであることを特徴とするイオン照射装置。
  5. 所望のイオンを生じさせるための材料からなる材料板が保持手段によって保持された容器内にスパッタリングガスを導入する工程と、
    前記容器内にプラズマを発生させることにより前記スパッタリングガスを用いて前記保持手段によって保持された材料板をスパッタリングして所望のイオンを発生する工程と、
    前記スパッタリングによって生じたイオンを前記容器外に導出する工程と、
    前記容器外に導出されたイオンを所望の試料に照射する工程と
    を有し、
    前記保持手段は前記容器の内壁面に沿って設けたスリットであることを特徴とするイオン照射方法。
  6. 所望のイオンを生じさせるための材料からなる材料板が保持手段によって保持された容器内にスパッタリングガスを導入する工程と、
    前記容器内にプラズマを発生させることにより前記スパッタリングガスを用いて前記保持手段によって保持された材料板をスパッタリングしてクラスタ状のイオンを発生する工程と、
    スパッタリングによって生じた前記クラスタ状のイオンを前記容器外に導出する工程と、
    前記容器外に導出された前記クラスタ状のイオンを所望の試料に照射する工程と
    を有し、
    前記保持手段は前記容器の内壁面に沿って設けたスリットであることを特徴とするイオン照射方法。
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