JP4363694B2 - イオン注入装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

イオン注入装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン注入装置およびイオン注入工程を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータや通信機器の重要部分には、多数のトランジスタや抵抗等を電気回路を達成するように結びつけ、1チップ上に集積化して形成した大規模集積回路(LSI)が多用されている。このため、機器全体の性能は、LSI単体の性能と大きく結びついている。LSI単体の性能向上は、集積度を高めること、つまり素子の微細化により実現できる。
【0003】
素子の微細化は、例えばソース・ドレイン拡散層などの拡散層を形成する際のイオン注入およびその後の熱処理(アニール)を最適化することにより可能となる。これにより、例えば0.2μm以下の浅いソース・ドレイン拡散層を有するMOSトランジスタを実現することが可能となる。
【0004】
このような浅い拡散層を不純物ドーピングで形成するためには、イオン注入の際に不純物原子を浅く分布させ、その後の熱処理で不純物原子が深く拡散しないように少ない熱予算を組むことが必要である。
【0005】
一方、MOSトランジスタ等の素子が形成されるウェルや、MOSトランジスタのチャネルが誘起される領域(チャネルドーピング層)を不純物ドーピングで形成するためには、注入量を高精度に制御することが要求される。
【0006】
同一基板内にチャネルの導電型の異なるMOSトランジスタ、またはしきい値電圧の異なるMOSトランジスタを作成する場合、ウェル、チャネル、またはポリシリコン膜(ゲート電極)に対するイオン注入の際には必ずレジストマスクが必要であった。
【0007】
すなわち、全面にレジストを塗布し、次いでイオン注入の必要な部分のレジストを除去してレジストパターンを形成し、次いでこのレジストパターンをマスクにしてイオン注入を行う必要があった。
【0008】
この方法を用いると、レジスト塗布・光露光・レジスト現像(レジストパターン形成)、イオン注入、レジストアッシング、硫酸・過酸化水素水処理などの湿式処理という一連の工程が必要である。
【0009】
ところで、LSIを製造する場合には、例えばDRAMを製造する場合にはリソグラフィ工程が20〜30回程度必要になるが、そのうちの30%程度はイオン注入の打ち分けのためのものである。
【0010】
このようなイオン注入の打ち分けのためには、上述したように一連の工程が必要となる。そのため、LSIの製造に要する時間が長くなり、またコストも高くなってしまうという問題があった。
【0011】
ところで、イオン注入法(イオン照射法)は、半導体基板に硼素(B)、燐(P)、砒素(As)等の不純物を導入してPN接合を形成する方法として、広く用いられている。このイオン注入法によれば、目的とする場所に不純物の濃度と深さを精密にコントロールして導入することができる。
【0012】
イオン注入装置(イオン照射装置)の心臓部となるイオン源チャンバーには、大別して熱電極を用いたフリーマン型(Freeman Type)、バーナス型(Burnus Type)と、マグネトロンを用いたマイクロ波型がある。
【0013】
図16は、従来のバーナス型イオン源チャンバーの断面構造を示したものであり、同図Aはチャンバーの上面に平行な断面を、同図Bはチャンバーの側面に平行な断面をそれぞれ示したものである。アークチャンバー71の一方の端面には絶縁支持部75およびリフレクター(スペーサー)76を介してタングステンフィラメント77が設けられており、アークチャンバー71の他方の端面に絶縁支持部75を介して対向電極74が設けられている。
【0014】
次にこの装置を用いてイオンを取り出す方法を説明する。ガス導入口72から例えばArガスを供給するとともに、タングステンフィラメント77から熱電子を放出させ、対向電極74によって熱電子の運動方向をフィラメントから放出された方向と反対方向に偏向することにより、アークチャンバー71内に導入されたArガスと熱電子との衝突確率を高めてイオン化を行う。そしてフロントプレート78に設けたイオン引き出し口73からイオンが取り出される
一方、図17は従来のフリーマン型イオン源チャンバーの断面構造を示したものであり、同図(a)はチャンバーの上面に平行な断面を、同図(b)はチャンバーの側面に平行な断面をそれぞれ示したものである。アークチャンバー91の対向する面にそれぞれ絶縁支持部95を介してリフレクター96が設けられており、この対向するリフレクター96間に棒状のタングステンフィラメント97が設けられている。
【0015】
次にこの装置を用いてイオンを取り出す方法を説明する。ガス導入口92から例えばArガスを供給するとともに、タングステンフィラメント97から熱電子を放出させてプラズマを生じさせる。同時に電磁石100によりフィラメント97に平行な磁界と、フィラメント電流による回転磁界を発生させ、リフレクター96の作用によってアークチャンバー91内で電子を複雑に運動させることにより、タングステンフィラメント97から放出される熱電子とガス導入口92から供給させるガスとの衝突確率を高めている。そしてフロントプレートに設けたイオン引き出し口93からイオンが取り出される。
【0016】
また、図18は、マイクロ波型のイオン源チャンバーの断面構造図を示したものである。この装置を用いてイオンを取り出すには、マグネトロン111でマイクロ波を発生させ、発生したマイクロ波を導波管112を通して放電箱113に導き、上記アークチャンバーに相当する放電箱113内でプラズマを発生させ、引き出し電極114を通してイオンを取り出すというものである。
【0017】
これらの従来のイオン源チャンバーでは照射されるべきイオンは、一般にガス、乃至個体を昇華することで得られた蒸気をアークチャンバーに導入し、上記プラズマによってイオン化することで得られていた。すなわち上記従来のイオン源チャンバーでは照射されるべきイオンは、蒸気(気体)として供給されることが必須要件になっていた。しかしながら、B(ボロン)、Ti(チタン)などの高融点金属ではイオン注入に必要な1E−4Torr程度の蒸気圧を得るには例えばTiでは1400℃以上に加熱することが必要であるため、事実上この方法でのイオン注入は不可能であった。
【0018】
また逆に、インジウムはその融点が約156℃と低すぎる為に、プラズマ中で容易に融解してしまい、非常に使い勝手が悪かった。
【0019】
これに対して、これらの金属の塩化物ガス、弗化物ガスなどを用いてイオン注入する方法が開発され、これらの低融点金属も使用可能となった。しかしながらこの方法は塩化物ガス、弗化物ガスに起因する、塩素、弗素ないし塩素化合物、弗素化合物等によるアークチャンバー内壁、および熱電子放出用フィラメントの腐食が不可避であった。
【0020】
また、Inについても塩化物ガスを用いた方法が試みられた。例えば、図16に示した従来型のイオン源チャンバーにInCl3を330℃に加熱して得られた蒸気を導入してイオン化を行った場合には、InCl3から解離した塩素イオン又はラジカルがタングステンを主成分とするアークチャンバーの内壁面をエッチングする他、タングステンフィラメントまでもエッチングしてしまうため、フィラメントの細線化が著しくなって抵抗増大を招き、アーク放電に必要な制御ができなくなってしまった。また、引き出し電極をもエッチングしてしまい、安定なイオンの引き出しができなくなってしまった。その結果、約5時間で異常放電が多発し、イオン打ち込みができなくなってしまった。
【0021】
このように、高融点金属、Inのイオン化を塩素系化合物を用いて行う限り、アークチャンバーの内壁およびタングステンフィラメントには、イオン化により発生する塩素イオンや塩素ラジカルによるエッチング反応が起こり、これを回避することはできなかった。
【0022】
更に、塩化インジウムなどの塩化物ガスと、弗化ホウ素、弗化ゲルマニウムなどの弗化物ガスを同一のアークチャンバー内に交互に導入してイオン化させると、例えば弗化ホウ素の導入時に弗素が壁面に吸着して残存し、塩化物ガス導入時に反応して強い酸化剤である弗化塩素が形成され、アルミニウムやステンレスだけではなく、タングステン,モリブデン,グラファイトなどの安定な高融点材料で作られているにもかかわらずアークチャンバー内壁、熱電子放出用フィラメントの腐食が加速されるという問題があった。さらに、排気ガス中の弗素、塩素の除害が必要になり、装置コストが高くなるという問題もあった。
【0023】
また、酸化物ガスの場合には、イオン発生装置もしくはイオン照射装置に使用するカーボン(グラファイト)系の部材、特にイオンを引き出す為の電極等を酸化してしまい装置の寿命を著しく短縮させてしまうという問題があった。
【0024】
特にフィラメントは塩素,弗素により腐食してしまい安定したアーク放電を長時間得ることが困難なため長時間作業はきわめて困難であった。また、塩化物が容易に得られない金、白金等の貴金属は依然としてイオン注入は極めて困難であった。
【0025】
更に、固体の弗化物の場合は潮解性があり、例えば気化させるために加熱オーブンに充填している最中に、大気中の水分と反応し、溶けてしまうなど非常に使い勝手が悪かった。
【0026】
上記課題に対して本発明者らは、図19にバーナス型イオン源チャンバーの改良型を例として示したように、アークチャンバー71内に所望のイオン源からなる板状の材料79を載置し、アークチャンバー71内にプラズマを発生させ、材料79をスパッタリングして所望のイオン(以下、スパッタリングイオンと称する)を発生させる方法を開示した(特開平10−188833公報)。この方法は、上記各方法で事実上不可能であった高融点金属のイオンを容易に発生させる事ができる点で極めて優れた方法であった。なお、ここで、上述の図19の説明では、図16に記載したイオン源チャンバーと同一部分には同一の符号を付し説明を省略した。
【0027】
しかしながら、上記スパッタリングイオンを用いる方法でも、Inのように融点が低い金属、Sbのように単体の固体が不安定な金属のイオン注入を安定して行うことは依然として非常に困難であった。
【0028】
一方、従来の半導体基板の製造方法ではp型不純物とn型不純物をイオン注入する場合には、別のイオン注入装置を用いるか、イオン源となるソースガス、固体ソースを交換して行うのが通常であった。このため、別装置を用いる場合には同一の半導体加工に二台以上のイオン注入装置が必要となり、イオン源を交換してイオン注入を行う場合には交換後に安定してイオン注入が実施できるように条件を確認する準備時間が必要となっていた。何れの場合でも、半導体装置の製造コストの削減上問題となっていた。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、同一基板内にチャネルの導電型の異なるMOSトランジスタ等を製造する場合には、全面にレジストを塗布し、次いでイオン注入の必要な部分のレジストを除去してレジストパターンを形成し、次いでこのレジストパターンをマスクにしてイオン注入を行う必要があった。
【0030】
この方法を用いると、レジスト塗布・光露光・レジスト現像(レジストパターン形成)、イオン注入、レジストアッシング、硫酸・過酸化水素水処理などの湿式処理という一連の工程が必要となる。そのため、DRAMなどのイオン注入の打ち分けの工程が多いLSIを製造する場合には、製造時間が長くなったり、コストが高くなるという問題があった。
【0031】
また、従来の半導体基板の製造方法では、p型不純物とn型不純物をイオン注入する場合には、別のイオン注入装置を用いるか、イオン源となるソースガス、固体ソースを交換して行うのが通常であったが、何れの場合でも、半導体装置の製造コストの削減が困難であるという問題があった。
【0032】
また、従来のイオン注入装置では、Inのように融点が低い金属、Sbのように不安定な材料のイオン注入を安定して行うことは非常に困難であるという問題があった。
【0033】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、イオン注入の打ち分けの工程を簡略化できるイオン注入装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
[構成]
上記目的を達成するために、本発明に係るイオン注入装置は、被処理基体から離間して配置され、パターンが互いに異なる複数の開口部を有する導電性マスクと、この導電性マスクを介して前記被処理基体にイオンを注入するイオン注入手段とを備え、前記複数の開口部のパターンを重ねることによって、前記イオンを注入しない領域の周囲を取り囲むように形成されたパターンが得られるように前記複数の開口部のパターンが選ばれていることを特徴とする。
【0036】
なお、本発明において、導電性マスクの導電性とは、金属のような良好な導電性だけではなく、半導体のような金属と絶縁体との中間的な導電性も意味している。
【0042】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、被処理基体に対してイオン種、注入加速エネルギーおよび注入量の少なくとも一つが異なるイオン注入を行うに際し、各イオン注入において、イオンを注入する領域上に開口部を有し、パターンが互いに異なる複数の開口部を有する導電性マスクを被処理基体から離間して配置し、前記複数の開口部のパターンを重ねることによって、前記イオンを注入しない領域の周囲を取り囲むように形成されたパターンが得られるように前記導電性マスクを介して前記被処理基体に複数回イオンを注入することを特徴とする。
【0045】
[作用]
本発明(請求項1〜10)によれば、開口部を有する導電性マスクを介して被処理基体にイオンを注入することによって、被処理基体の所望の領域にイオンを選択的に注入することができるようになる。そのため、イオン注入の打ち分けの際に、各イオン注入毎に別の導電性マスクを用いることにより、レジストパターンを用いずに済むようになる。
【0046】
したがって、本発明によれば、レジスト塗布・光露光・レジスト現像、イオン注入、レジストアッシング、硫酸・過酸化水素水処理などの湿式処理という一連の工程が不要となり、これによりイオン注入の打ち分けの工程を簡略化できるようになる。また、その結果として、LSIの製造に要する時間の短縮化、コストの削減化を図れるようになる。さらに、レジストを除去するためのアッシング処理を行うことなく、イオン注入層中の結晶欠陥を回復させるための熱処理を行えるようになる。これにより、より欠陥密度の低いイオン注入層を形成できるようになるので、LSIの素子の性能および信頼性を著しく向上させることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
【0050】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図である。
【0051】
図中、1はイオン注入装置の試料室内の半導体基板(被処理基体)を示しており、この半導体基板1の上方には2つの開口部を有する導電性マスク2が配置されている。本実施形態で使用するイオン注入装置は、導電性マスク2を備えている点が従来のイオン注入装置とは異なっている。したがって、導電性マスク2をを介して半導体基板1にイオンを注入するための機構は従来と同じであるので、その説明は省略する。なお、イオン注入装置の全体の構成は後で説明する。
【0052】
半導体基板1と導電性マスク2との間の距離dは、一般には、1μm〜100mmの範囲で設定されるが、距離dは後述する値に設定することが好ましい。
【0053】
また、導電性マスク2の反りを防止するためには、導電性マスク2の厚さtは1μm以上であることが好ましい。また、導電性マスク2の材料は、半導体基板1の汚染を避けるために、半導体基板1と同一の元素、または同元素を主成分とする材料から構成されていることが好ましい。
【0054】
半導体基板1がシリコン基板の場合には、導電性マスク2を介して、P+ 、B+ 、BF2 + 、As+ 、Sb+ 、In+ 、Ga+ などのイオン3を基板表面に注入する。イオン3は、例えばBF3 等の気体をイオン源に導入し、プラズマ放電によりF2 +等のイオンを発生させ、このイオンを加速管内で加速させて生成したビーム状のイオンである。
【0055】
このようにして基板表面にイオン3を注入することにより、導電性マスク2の開口部下の基板表面にイオン注入層4が形成される。このとき、導電性マスク2は導電性を有しているので、イオン注入時における導電性マスク2のチャージアップを防止できる。
【0056】
また、導電性マスク2のイオン照射による温度上昇が50℃以上に及ぶと、例えば幅10mmの導電性マスク2は1.5μm膨張するため、導電性マスク2の温度上昇は5℃以下に抑制することが望ましい。
【0057】
また、アライメント精度(イオン注入層4の形成領域と導電性マスク2の開口部との合わせずれ)を0.15μm以下に抑制する必要がある場合には、導電性マスク2を冷媒によって冷却し、膨張を十分に小さくすることが必要である。
【0058】
なお、導電性マスク2の位置合わせは、例えば半導体基板1に予め合わせマークを形成しておき、この合わせマークを赤外線レーザで検出するという光学的な方法で行うと良い。
【0059】
また、半導体基板1と導電性マスク2との間の距離dは15μm以下に設定することが好ましい。さらに好ましくは3μm以下に設定する。3μm以下に設定することにより、半導体基板1から導電性マスク2に電荷が非常に逃げやすくなるため、半導体基板1のチャージアップを効果的に防止できるようになる。
【0060】
そして、上述したようにイオン注入層4を形成した後、イオン注入層4中のイオン3をアニールにより活性化することにより、不純物拡散層を形成することができる。
【0061】
本実施形態によれば、開口部を有する導電性マスク2を介して半導体基板1の表面にイオンを注入することによって、半導体基板1の所望の領域にイオン層4を選択的に形成できるようになる。
【0062】
そのため、イオン注入の打ち分けの際に、各イオン注入毎にそれ専用の導電性マスク2を用いて必要なイオン注入層4を形成することにより、レジストパターンを用いずに必要なイオン注入層4を形成できるようになる。
【0063】
したがって、本実施形態によれば、レジスト塗布・光露光・レジスト現像、イオン注入、レジストアッシング、硫酸・過酸化水素水処理などの湿式処理という一連の工程が不要となり、これによりイオン注入の打ち分けの工程を簡略化できるようになる。
【0064】
また、その結果として、LSIの製造に要する時間の短縮化、コストの削減化を図れるようになる。さらに、レジストを除去するためのアッシング処理を行うことなく、イオン注入層中の結晶欠陥を回復するための熱処理を行えるようになる。これにより、より欠陥密度の低いイオン注入層を形成できるようになるので、LSIの素子の性能および信頼性を著しく向上させることができる。
【0065】
具体的には、リソグラフィ工程が30%削減でき、例えばDRAMの場合であればリソグラフィ工程を30回から21回まで低減できる。これにより製造開始からLSI完成までの時間(TAT:Turn Around Time)を30%以上短縮でき、また大幅なコストの削減化が可能となる。
【0066】
また、レジストパターンを用いないことからメタルが混入したレジストパターンのアッシング工程が不要になり、これによりメタル汚染量を低減できる。
【0067】
また、イオン注入層4中のイオンを活性化するためのアニールはイオン注入層4の形成後に引き続いて行っても良いし、あるいは他のイオン注入層が存在する場合には、これらのイオン注入層中のイオンを共通のアニールで活性化しても良い。
【0068】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図である。なお、図1と対応する部分には図1と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する(他の実施形態についても同様)。
【0069】
本実施形態では、半導体基板1上にd=10〜30μm程度離間して4個の開口部を有する導電性マスク2aを配置し、さらにこの導電性マスク2a上には導電性材料からなるシャッター5を配置する。導電性マスク2aの寸法(図中の左右方向の寸法)は1mm以上程度と比較大きい。本実施形態で使用するイオン注入装置は、導電性マスク2aおよびシャッター5を備えている点が従来のイオン注入装置とは異なっている。
【0070】
なお、シャッター5を構成する導電性材料は、半導体基板1の汚染を防止するために、導電性マスク2aの場合と同様に、半導体基板1と同一の元素、または同元素を主成分とする材料であることが好ましい。
【0071】
本実施形態では、例えば図2に示すように、外側の2つの開口部をシャッター5で覆った状態で、イオン注入を行うことにより例えばn型拡散層の形成領域にイオン注入層4aを形成する。この後、内側の2つの開口部をシャッター5で覆った状態で、イオン注入を行うことにより例えばp型拡散層の形成領域にイオン注入層4bを形成する。
【0072】
本実施形態でも第1の実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態によれば、1枚の導電性マスク2aで導電型の異なるイオン注入層4a,4bを形成するので、イオン注入層4a,4bの合わせずれの問題は起こらない。なお、本実施形態では、導電性マスク2aの開口部の個数を4個としたが、3個以下または5個以上でも良い。
【0073】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図である。
【0074】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、半導体基板1よりも外側の領域に開口部を有する導電性マスク2bを用い、さらにこの開口部を通過するイオンビームを検出するための、Faraday Cupなどからなるイオンビーム検出器6(検出手段)が設けられていることにある。
【0075】
なお、上記開口部は、半導体基板1と同一条件でイオンビームが照射される領域に設けることが好ましい。また、距離dは例えば2〜3μm程度である。
【0076】
本実施形態でも第1の実施形態と同様な効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、半導体基板1に照射されるイオンビームをイオンビーム検出器6により検出できるので、その検出結果(イオンビーム電流)をモニタ信号に利用することができる。したがって、このモニタ信号をフィードバックすることによってイオン注入量を制御することができる。
【0077】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図である。
【0078】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、半導体基板1の表面に垂直な直線(法線)lに対してθ(<90度)傾いた方向からイオン3を照射することにある。
【0079】
本実施形態でも第1の実施形態と同様な効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、注入加速電圧が高い場合でも、半導体基板1の表面に浅いイオン注入層を形成することが可能となる。
【0080】
図5に、入射角θ(1.5度、7度、15度)と距離dとイオン3の横方向のはみ出し距離ΔYとの関係を示す。はみ出し距離ΔYは図4に示すように導電性マスク2の開口部端から測った距離である。
【0081】
図から、距離dが2μm程度なら、イオン3が入射角θ=7度でもって入射しても、はみ出し距離ΔYは0.25μm未満になることが分かる。したがって、チャージアップの心配が無い場合において、距離dを5μm以上に設定するときには、入射角θを5度以下にすることが必要となる。
【0082】
(第5の実施形態)
図6は、本発明の第5の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す工程断面図である。
【0083】
第4の実施形態のように傾斜イオン注入を行うときには、図6(a)に示すように、導電性マスク2の開口部の片側に非注入領域が生じ、導電性マスク2の開口部とは異なるパターンのイオン注入層4が形成される。
【0084】
そのため、非注入領域が問題となる場合には、図6(b)に示すように、半導体基板1を180度回転させて、傾斜イオン注入を再度行ってイオン注入層4’を形成して非注入領域を無くす。半導体基板1を回転させる代わりに、図6(c)に示すように、イオン3の照射方向を変えても良い。
【0085】
さらに望ましい方法としては、図7に示すように、イオン3に対して半導体基板1を50〜100cm/secの速度でもって往復運動(A方向、B方向に交互に運動)させるとともに、行きと帰りでイオン3の半導体基板1に対する照射方向を逆方向に変える。このような方法によれば、非注入領域の無い傾斜イオン注入をより短時間で完了することができる。また、上記往復運動方向と直交するC方向、D方向に往復運動させても良い。
【0086】
(第6の実施形態)
図8は、本発明の第6の実施形態に係るCMOS製造工程におけるp型ウェルおよびn型ウェルの形成方法を示す工程断面図である。
【0087】
まず、図8(a)に示すように、シリコン基板11に素子分離絶縁膜12を形成する。
【0088】
次に同図8Aに示すように、pチャネルトランジスタ形成領域(第1の領域)上にのみに開口部を有する導電性マスク2pをシリコン基板11の上方に配置した後、100〜200KeV、2×1013cm-2の条件でもってP+ (リンイオン)のイオン注入を行ってn型イオン注入層4nを選択的に形成する。
【0089】
次に図8(b)に示すように、nチャネルトランジスタ形成領域(第2の領域)上にのみに開口部を有する導電性マスク2nをシリコン基板11の上方に配置した後、100〜300KeV、2×1013cm-2の条件でもってB+ (ボロンイオン)のイオン注入を行ってp型イオン注入層4pを選択的に形成する。
【0090】
最後に、p型イオン注入層4pおよびn型イオン注入層4n中のイオンをアニールにより活性化して、p型ウェルおよびn型ウェルが完成する。
【0091】
比較のために、図9に、従来のCMOS製造工程におけるn型ウェルおよびp型ウェルの形成方法の工程断面図を示す。
【0092】
従来法では、まず、図9(a)に示すように、シリコン基板11に素子分離絶縁膜12を形成する。ここまでは、本実施形態と同じである。
【0093】
次に全面にレジストを塗布し、光露光し、レジストを現像して、同図9Aに示すように、pチャネルトランジスタ形成領域上にのみに開口部を有するレジストパターン13pを形成した後、100〜600KeV、2×1013cm-2の条件でもってP+ のイオン注入を行ってn型イオン注入層4nを選択的に形成する。
【0094】
次にレジストパターン12pをアッシングして剥離した後、全面にレジストを再度塗布し、光露光し、レジストを現像して、図9(b)に示すように、nチャネルトランジスタ形成領域上にのみに開口部を有するレジストパターン13nを形成した後、100〜300KeV、2×1013cm-2の条件でもってB+ のイオン注入を行ってp型イオン注入層4pを選択的に形成する。
【0095】
次にレジストパターン13nをアッシングして剥離した後、n型イオン注入層4nおよびp型イオン注入層4p中のイオンをアニールにより活性化して、n型ウェルおよびp型ウェルが完成する。
【0096】
このように従来方法では、レジスト塗布、光露光、レジスト現像、レジスト除去という工程を2回繰り返す必要があり、そのため本実施形態に比べて工程数が多くなり、またコストも高くなる。
【0097】
(第7の実施形態)
図10は、本発明の第7の実施形態に係るCMOS製造工程におけるp型チャネルドーピング層およびn型チャネルドーピング層の形成方法を示す工程断面図である。
【0098】
まず、第6の実施形態に従って図10(a)に示すように、シリコン基板11に素子分離絶縁膜12、p型ウェル4pwおよびn型ウェル4nwを形成する。
【0099】
次に同図10Aに示すように、pチャネルトランジスタ形成領域上にのみに開口部を有する導電性マスク2pをシリコン基板11の上方に配置した後、80〜130KeV、2×1013cm-2の条件でもってP+ (リンイオン)のイオン注入を行って、n型ウェル4nwの表面にn型イオン注入層13nを選択的に形成する。
【0100】
次に図10(b)に示すように、nチャネルトランジスタ形成領域上にのみに開口部を有する導電性マスク2nをシリコン基板11の上方に配置した後、30〜80KeV、1×1013cm-2の条件でもってB+ (ボロンイオン)のイオン注入を行って、p型ウェル4pwの表面にp型イオン注入層13pを選択的に形成する。
【0101】
最後に、p型イオン注入層14pおよびn型イオン注入層14n中のイオンをアニールにより活性化して、p型チャネルドーピング層およびn型チャネルドーピング層が完成する。
【0102】
(第8の実施形態)
図11は、本発明の第8の実施形態に係る不純物拡散層を形成するための半導体製造システムを示す模式図である。
【0103】
この半導体製造システムは、大きく分けて、イオン注入装置20と熱処理装置30とから構成されている。図中、21はイオン注入装置20のビームラインチャンバーを示しており、このビームラインチャンバー21は第1ゲートバルブ221 を介してエンドステーションチャンバー23に接続されている。
【0104】
このエンドステーションチャンバー23内には基板ホルダ24が設けられている。この基板ホルダ24は、SiC、VC、BN、TiCなどの比熱の高い材料で形成された、熱容量の大きなものである。また、基板ホルダ24の表面は図示しないAlNなどの熱伝導率の高い膜で被覆され、その上に半導体基板1が設置され、保持されている。
【0105】
また、基板ホルダ24は図示しない冷却機構により必要に応じて予め0℃以下に冷却できるようになっている。冷却温度は−130℃以下であることが好ましい。このような低温であれば、イオン注入中における欠陥を容易に制御でき、欠陥のクラスター化を効果的に抑制できる。
【0106】
また、エンドステーションチャンバー23内には導電性マスク2が設けられている。この導電性マスク2は半導体基板1の上方に配置されている。ビームラインチャンバー21、第1ゲートバルブ221 を通過したイオンビーム25は、この導電性マスク2の開口部を通って半導体基板1の表面を照射する。その結果、半導体基板1の表面にイオン注入層が形成される。
【0107】
エンドステーションチャンバー24は、第2ゲートバルブ222 を介して熱処理装置30の熱処理室31に接続されている。また、エンドステーションチャンバー24は図示しない排気機構により真空排気できるようになっている。また、エンドステーションチャンバー24内の半導体基板1は図示しない搬送機構により熱処理室31内に搬送できるようになっている。これにより、エンドステーションチャンバー24内でイオン注入層が形成された半導体基板1を真空を破らずに熱処理室31内に移すことができる。
【0108】
熱処理室31内には赤外線ランプ、紫外線ランプ、またはこれらの両方からなる加熱機構32が設けられている。熱処理室31内に移動されたイオン注入層が形成された半導体基板1は、加熱機構32により100℃/秒以上のレートによって高速昇温され、600〜1100℃程度の温度でもって1〜30秒間加熱(アニール)される。この結果、イオン注入層中のイオンが活性化され、不純物拡散層が形成される。
【0109】
なお、本実施形態のイオン注入装置は、第1の実施形態のイオン注入層の形成方法を実施するものであるが、他の実施形態のイオン注入層の形成を実施するように変更しても良い。
【0110】
(第9の実施形態)
図12は、本発明の第9の実施形態に係る不純物拡散層を形成するための半導体製造システムを示す模式図である。
【0111】
本実施形態が第8の実施形態と異なる点は、エンドステーションチャンバー24が搬送室40を介して熱処理室31に接続していることにある。なお、図中、223 は第3ゲートバルブを示している。
【0112】
本実施形態によれば、イオン注入装置20で第1の半導体基板1にイオン注入層を形成している間に、熱処理装置30で既にイオン注入層が形成された第2の半導体基板1をアニールして不純物拡散層を形成できるので、第8の実施形態に比べて、半導体基板(ウェハ)の処理速度が向上し、短時間でより多くの不純物拡散層を形成できるようになる。
【0113】
また、レジストパターンを用いずにイオン注入を行うため、イオン注入層の形成時間が短縮され、つまりイオン注入層の形成時間とアニールによる不純物拡散層の形成時間との差が十分に小さくなり、不純物拡散層の形成後にすぐに別の半導体基板をアニールできるようになり、これによりイオン注入層の形成と不純物拡散の形成とを連続的に行うことが可能となる。
【0114】
(第10の実施形態)
まず、図13を参照して、イオン照射(注入)装置の全体構成の概要およびイオン発生方法、照射方法を説明する。なお、本発明は、後述するようにイオン発生装置となるイオン源チャンバー51(アークチャンバー)にその大きな特徴があり、図13に示したその他の構成は従来のイオン照射装置の構成と同様である。
【0115】
図13に示したイオン照射装置では、まずイオン源チャンバー51でイオンが生成される(その詳細については後述する)。次に、このイオンはイオン源チャンバー51に隣接した引き出し電極52によって引き出され、分離電磁石53に導入され、そこで、電荷と質量に応じてイオン種毎に質量分離される。分離電磁石53を通過したイオンは、続いてスリット54に導入され、そこで所望のイオン種のみが完全に分離される。分離された所望のイオン種を、加速器55によって所望の最終エネルギーまで加速または減速する。そして、所望のエネルギーを持ったイオンビームが四極レンズ56によって試料62(例えば半導体基板)の表面に集束点を持つように集束される。続いて、走査電極57,58により試料面全体で注入量が一様になるよに走査される。そして残留ガスとの衝突で生じる中性粒子を除去するために、偏向電極59によりイオンビームが曲げられ、マスク60を通して試料62表面にイオンビームが照射される。61はアースである。
【0116】
以下、図13に示したイオン源チャンバー51(イオン発生装置)およびそれを用いたイオン発生方法、イオン照射(注入)方法等の詳細について、図面を参照して説明する。
【0117】
図14は、本発明の第10の実施形態に係るバーナス型のイオン源チャンバーに材料板79を載置した時の断面構造を示したものであり、同図Aはチャンバーの上面に平行な断面を、同図Bはチャンバーの横方向の側面に平行な断面を、同図Cはチャンバーの縦方向の側面に平行な断面をそれぞれ示したものである。
【0118】
基本的な構成は図19に示した従来のバーナス型イオン源チャンバーの構成と同様である。すなわち、タングステンを主成分として構成されたアークチャンバー71の一方の端面には絶縁支持部75およびリフレクター76(スペーサー)を介してタングステンフィラメント77が設けてあり、アークチャンバー71の他方の端面には絶縁支持部75を介して対向電極74が設けてある。そして、ガス導入口72からはArガスが供給され、フロントプレート78に設けたイオン引き出し口73から所望のイオンが取り出される。
【0119】
なお、イオン源チャンバー(アークチャンバー)71は通常、イオン引き出し口73を上面とし、ガス導入口72が下面に位置するように載置されている。
【0120】
本実施形態におけるイオン発生装置では、アークチャンバー71の内壁に沿ってスリット81が設けられており、このスリット81に所望のイオンを取り出すための材料板79が着脱自在となっている。したがって、取り出したいイオンに応じて材料板を簡単に取り替えることができる。そして、フィラメント77から熱電子を放出させてプラズマを発生させ、Arガスのスパッタ作用により材料板79から所望のイオンを取り出すことが可能となっている。
【0121】
材料板79は、アークチャンバー71の内壁面上の少なくとも一部に設置されていれば良いが、好ましくはフィラメント77および対向電極74が取り付けられている一対の対向面以外の四つの内壁面の内、少なくとも一つ以上の面上に設置されていることが望ましい。また、材料板79は、設置面の少なくとも一部に設置されていれば良いが、その面全体に設置した方が、スパッタリングの効率が良い。
【0122】
次に本実施形態に係るイオン発生方法、イオン照射方法についてインジウム(In)イオンの発生方法、照射方法を例にとって詳細に説明する。
【0123】
本実施形態では、イオン源となる材料板としてInSb単結晶基板を用いた。InSb基板は単体のインジウム金属(融点156℃)と異なり、融点は高い。また、工業的に入手可能であり、常温で安定である。更に、単結晶であるため組成は極めて安定している。
【0124】
本実施形態では、このInSbを板状に加工し、タングステン製アークチャンバー21内壁面のうち一対の側壁面および底面の3面に設置した。次に所定の立上げ作業を行った後、ガス導入口72より、Arガスを供給すると共に、フィラメント77から熱電子を放出させると、Arガスがプラズマ化されそのプラズマ粒子によるスパッタリング効果により、材料板(InSb)79からSbおよびInが導出され、放電によりイオン化された。発生したSbイオン、InイオンおよびArイオンは、引き出し口73を通して引き出されたが、このうち分離電磁石によりInイオンのみが取り出され、試料へのイオン注入された。
【0125】
この場合、加速電圧180KeVで約4mAのビーム電流が約50時間(従来の10倍)安定して得られた。
【0126】
上記従来例に示したように、従来型のイオン源チャンバーにInCl3を330℃に加熱して得られた蒸気を導入してイオン化を行った場合には、約5時間で異常放電が多発し、イオン打ち込みができなくなってしまっていた。
【0127】
本発明の構成を取ることにより極めて安定的に長時間イオン化を行うことが可能となった。
【0128】
本実施形態では、イオン化される金属としてInやSbを用いて説明したが、その他のイオンチャンバー内で溶融する恐れがあり、安定な化合物を形成し得る多くの金属元素のイオン注入に適用可能である。例えば、アルミニウム(Al:融点660℃)、ガリウム(Ga:融点30℃)、タリウム(Tl:融点303℃)、スズ(Sn:融点232℃)、鉛(Pb:融点328℃)、亜鉛(Zn:420℃)、カドミウム(Cd:融点321℃)などのイオン発生に用いることができる。特にIII族元素金属は▲5▼族元素と安定に化合物を形成するため利用が容易であり、InAs、GaAs、等各種のIII▲5▼族化合物が利用可能である。特にInSb,GaAs等は化合物半導体結晶として利用可能であり、安定してイオンを生成可能である。同様に、Zn,Cdも▲2▼▲6▼族化合物として、ZnSe、CdTe等を用いることにより安定してイオンを生成可能である。Sn,Pbは▲4▼族元素であるが、Sn酸化物、Pb酸化物として純粋なSn,Pbよりも融点の高い化合物を形成することが可能でありイオン発生材料として利用可能である。
【0129】
また、板材料に用いる材料は1種類である必要はなく、各内壁面上に互いに異なる材料(GaAsとInSb等)を用いた材料板を設置するようにしても良い。この場合、多種の元素を同時にイオン化することが可能であり、電離磁石によって質量分離することで、イオンの選択をすることが可能である。
【0130】
(第11の実施形態)
上述した実施形態によりInのイオン発生を従来と比較して約10倍の長時間にわたって安定して継続実施することが可能となった。
【0131】
しかしながら上記方法を用いても50時間を越えて更にイオンの発生を継続して行った場合、異常放電が発生するなどの問題が起こった。
【0132】
上記問題に対して本発明者らが検討を重ねた結果、異常放電が起こった場合に、アークチャンバー内壁に単体Inを用いていないにもかかわらずIn金属の残留が見られることがわかった。また、フィラメントや電極の周囲にIn金属が見られる場合に特に異常放電が大きいように思われた。
【0133】
上記現象は、InSbを材料として放電を継続した結果、蒸気圧の高いSbが僅かずつ先に蒸発することによってInが過剰となり、更にはIn金属が単体で形成され、アークチャンバー内で溶融して移動したものと考えられた。特にInが移動してフィラメントや電極の周囲に来た場合に局部的に放電パスが形成され異常放電が頻繁に発生したものと推定された。本発明者らが解析した結果,上記条件(180V、4mA)では、チャンバーの寸法が220ml(チャンバー材であるタングステンの総容積100ml)のとき、チャンバー内は500℃乃至800℃まで昇温すると推定され、Inだけでなく,上記低融点金属は殆ど溶融することが予想された。
【0134】
上記問題を解決するため、イオン発生時にアークチャンバー内にArガスに加えて窒素ガスを導入した。窒素ガスの導入により、蒸気圧差によりInSb表面に過剰に残留したInは窒化されてInNを形成して固体となり、表面から移動することが無くなった。
【0135】
また,このような方法を用いても窒化されたInSb表面は常にスパッタリングにより更新されているため、各元素のスパッタレートに変動は無かった。
【0136】
上記ようにArに加えて窒素をアークチャンバーに導入することで、更に安定したイオン発生、イオン照射が可能となった。
【0137】
なお、本実施の形態は上記に限ることはなく、例えばアークチャンバー内壁に始めからInNを用いて、不活性ガスまたは不活性ガスと窒素ガスの混合ガスを用いて放電を行ってもよい。このような形態でも上記効果を享受可能である。
【0138】
(第12の実施形態)
次に上記問題に対し、本発明の第12の実施形態としてアークチャンバーの構造を改良することで対応を試みた例を図面を用いて説明する。
【0139】
図15に示した図は何れも図14(b)に示したアークチャンバーの横方向の側面に平行な断面に相当する図である。なお、以下の説明で図15(c)と同一の部分に付いては同一の符号を付し説明を省略する。
【0140】
図15(a)に示した装置では、材料板79はアークチャンバー内壁の対向する両面に載置されている。また、底面には材料板は載置されていない。本実施形態では、材料板はスリット81に挿入固定されているが、上述の各実施形態と異なり、スリット81は深く形成されており、また、スリット81上部には上方に広がった上部傾斜81Aが形成されている。更にスリット81下部には上部傾斜81Aと逆向きに下方に広がった下部傾斜31Bが、何れも本図に示した断面に垂直方向に溝状に形成されている。また、材料板固定部81Cには間歇的にスリット81Aとスリット81Bとを接続するように貫通孔81Dが形成されている。
【0141】
本実施形態に係るアークチャンバーを用いてイオンを発生させたところ、InSb表面で形成された過剰なIn金属はスリット81Aに沿って貫通孔81Dを経て貫通孔81Bに流れ込み、そこから移動することが無かった。これにより異常放電等の不都合を防止することができた。
【0142】
なお,本実施形態は傾斜81Aが形成されているだけでも有効である。また、傾斜81A部がなく、傾斜81Bと、そこに液体(In金属)が流れ込み得る経路が確保されているだけでもよい。また、傾斜81A,81Bの形状は上記に限定されるものではないことも言うまでも無い。
【0143】
図15(b)は、本実施形態の第1の変形例を示したものである。
【0144】
第1の変形例では、材料板79と同等の板が底面にも載置されている。ただし、この板は、全面に微小孔79Bが形成された有孔材料板79Aである。また、この有孔材料板79Aの下部のアークチャンバーが削られて窪み71Aが形成されている。このような構成により、材料板79または有孔材料板79Aの表面で発生したIn等の液体は微小孔79Bを経て窪み71Aに流れ込むことにより、プラズマにさらされることがなくなり、異常放電等の不都合を防止できた。
【0145】
図15(c)は、本実施形態の第2の変形例を示したものである。本実施形態は上記第1の変形例とは異なり、材料板79には孔を空けず、側面の材料板79と底面の材料板79の間に空隙81Eを確保した上で、アークチャンバー底面の支柱71Cを一部残して削り、In等の液だめとしたものである。
【0146】
以上述べたように、本実施形態、第1の変形例、および第2の変形例では、In等の液体を材料板下部に落とすことでプラズマへの露出を避けることが要件であり、実施の形態は上記に限るものではない。
【0147】
次に本実施形態の第3の変形例について説明する。本変形例では、In等の液体保持部を確保する代りに、材料板表面にタングステン、モリブデンなどの高融点金属でできたメッシュ状または金網状の覆いを設置することを特徴とする。このような覆いを設置することにより、In等の液体は表面張力が高いため、金網、メッシュを形成するタングステン等の周囲に凝縮し、周囲に飛散しない。本変形例は本実施形態、第1の変形例、および第2の変形例と異なり、アークチャンバーを加工する必要がなく、単にメッシュ状の覆いを設置することのみで実施可能である。また、このメッシュまたは金網は材料板から発生する液体よりも高融点の金属であれば良いが、アークチャンバーの昇温を考慮して、1000℃以上の融点を有する金属が望ましい。
【0148】
(第13の実施形態)
次に第10ないし第12の実施形態に係るイオン発生方法を用いて半導体基板に複数種のイオン注入を行う方法についてInイオン、Sbイオンを順次注入する場合を例にとって図13、図14を用いて説明する。
【0149】
まず、図14に示したようにアークチャンバー71内壁に材料板79としてInSb板を保持した後、ガス導入口72から例えばArガスを供給するとともに、タングステンフィラメント77から熱電子を放出させ、対向電極74によって熱電子の運動方向をフィラメントから放出された方向と反対方向に偏向することにより、アークチャンバー71内に導入されたArガスと熱電子との衝突確率を高めてイオン化を行う。これによりフロントプレート78に設けたイオン引き出し口23からInイオン、Sbイオンを取り出すことができる。
【0150】
次に、図13に示したように、このInイオン、Sbイオンはイオン源チャンバー1に隣接した引き出し電極52によって引き出され、分離電磁石53に導入され、そこで、Inイオンのみがスリット54に導入されるように電荷と質量に応じて質量分離される。スリット54を通過したInイオンは、そこで完全に分離される。分離された所望のInイオンを、加速器55によって所望の最終エネルギーまで加速または減速する。そして、所望のエネルギーを持ったInイオンビームが四極レンズ56によって試料62(例えば半導体基板)の表面に集束点を持つように集束される。続いて、走査電極57,58により試料面全体で注入量が一様になるよに走査される。そして残留ガスとの衝突で生じる中性粒子を除去するために、偏向電極59によりイオンビームが曲げられ、マスク60を通して試料62表面上の半導体装置形成予定領域の所望の部分にInイオンビームが照射される。61はアースである。
【0151】
この際、試料62はイオン注入すべき所望の部分のみ開口され他部分はマスクで覆われている。
【0152】
上記イオン注入の終了後、試料62上のマスクを交換し、分離電磁石53の印加電圧を変更することでスリット54に入るイオンをSbイオンに替え,再度イオン注入を行う。これにより、試料62上の半導体装置形成予定領域中の上述のInイオン注入部と異なる所望の領域にSbをイオン注入することができるる。
【0153】
この方法を用いることによりアークチャンバ内部の材料を変更することなく,連続して半導体のn型不純物領域,p型不純物領域の形成を行うことができる。
【0154】
なお、上記各実施形態ではInのイオン発生について述べたが、同一の材料板の構成元素である、Sbについてもシリコン基板中の不純物として作用するに足りる程度の不純物量は十分に確保できた。勿論Inについても同程度の不純物量が得られた。
【0155】
更に、GaAs、InAs、GaSb等を用いても、III族元素,▲5▼族元素ともに,同様に所望の不純物量を得ることができた。
【0156】
以上説明した第10〜第13の各実施形態は、例えば半導体基板の製造(イオン注入)に適用することが可能である。
【0157】
例えば、半導体基板にInイオンを導入するすることにより、MOSトランジスタの不純物拡散層を形成することができる。特に、Inの二価イオンを半導体基板に導入しようとした場合、InCl3 や、有機系ガスでのイオン化では、上述の問題点に加えてオーブンや、ガス配管からFe(鉄)が混入してしまい、このFeもイオン化してしまうという問題がある。このFeは、Inの二価イオンの曲率半径と一致してしまうため、分離電磁石によ質量分解は極めて困難である。この鉄が半導体基板に導入されると、pn接合の特性を劣化させてしまうなどの問題を引き起こす。
【0158】
しかし、本発明によるスパッタリングイオン注入を行うことにより、コンタミネーションの問題を引き起こすことなく、極めて容易かつ安定に不純物を基板に導入することが可能となる。
【0159】
また、以上説明した第10〜第13の各実施形態では、スパッタリングを行うためのサポートガスとしてArを用いた例を説明したが、その他のサポートガスを用いることも可能である。また、フィラメントやチャンバーには、グラファイトなど、タングステン以外の材料を用いることも可能であることは勿論である。
【0160】
さらに、以上説明した第10〜第13の各実施形態では、バーナス型イオン源を用いる方式について説明したが、その他の方式に対して適用することも可能であることは言うまでも無い。
【0161】
(第14の実施形態)
図20は、本発明の第14の実施形態に係る導電性マスクを示す平面図である。図中、200は導電性マスクを示しており、この導電性マスク200は4つのマスク領域201〜204を有している。マスク領域201とマスク領域203の開口パターン、マスク領域202とマスク領域204の開口パターンはそれぞれ同じである。マスク領域201とマスク領域202の開口パターンは互いに異なっている。各マスク領域201〜204の寸法は、集積回路のチップサイズのそれと同じである。
【0162】
すなわち、同一の導電性マスク内に集積回路のチップサイズと同じサイズのマスク領域がn個(nは自然数)存在し、かつ各マスク領域の横にはそれとは異なる開口パターンを有するマスク領域が隣接している。その他は、第1の実施形態等で述べた導電性マスクと同じである。
【0163】
半導体基板(ウェハ)がSi基板(Siウェハ)ならば、導電性マスク200を介して、B、Ga、In、As、Sbなどの不純物のイオンを基板表面(ウェハ表面)に注入する。ドーズ量は、1×1010cm-2以上、1×1014cm-2以下に設定する。
【0164】
このとき、図21に示すように、導電性マスク200を半分ずつ重複するように、半導体基板(ウェハ)を載置したステージ(不図示)を移動させながらイオン注入を行う。すなわち、不純物イオンは、マスク領域201,203またはマスク領域202,204を介して、Si基板(Siウェハ)の表面に注入されることになる。
【0165】
このようにして、不純物イオンが注入された領域の最終的なパターンは、図21に示すように、マスク領域201,203の開口パターンに、マスク領域202,204の開口パターンを重ねてできたパターンとなる。なお、図には、ステージを横方向にだけ移動した場合のパターンが示されているが、実際には、ステージは縦方向にも移動する。
【0166】
このような方法であれば、マスク領域201,203を介して注入する第1の不純物イオンと、マスク領域202,204を介して注入する第2の不純物イオンとで、ドーズ量を変えれば、局所的にしきい値電圧が異なるトランジスタを同一チップ内にリソグラフィーエ程なしに作製することが可能になる。
【0167】
第1の不純物イオンと第2の不純物イオンとは同種でも異種でも良い。異種の場合には、III族元素とV族元素の化合物(例えばInSb)からなるターゲットを用い、このターゲット中のIII族元素とV族元素をガス化し、イオン源内でこれらのガスを同時にイオン化することによって、例えばInなどのIII族元素とSbなどのV族元素を交互に注入することができる。ターゲット中のIII族元素とV族元素をガス化は、スパッタリングによる加熱や、熱電子による加熱などの蒸発手段を用いる。
【0168】
以上述べた方法では、イオン注入の開始時と終了時におけるチップ、すなわち一番端のチップでは、マスク領域201,203またはマスク領域202,204を用いたイオン注入しか行われない。
【0169】
そのため、一番端のチップについては、ステージを移動させることによって、導電性マスク200の半分(マスク領域201,203またはマスク領域202,204)を、チップを取得する領域より外側の領域上に配置させ、マスク領域201,203およびマスク領域202,204を用いたイオン注入を行う。このようにして、素子を形成するチップすべてに2回のイオン注入を行う。
【0170】
なお、ステージ移動の時間を最短にするためには、イオン注入は図22に示すように折り返すように行うことが好ましい。
【0171】
(第15の実施形態)
図23は、本発明の第15の実施形態に係る導電性マスクを示す平面図である。図中、210は導電性マスクを示しており、この導電性マスク210は4つのマスク領域211〜214を有している。マスク領域211とマスク領域214の開口パターン、マスク領域212とマスク領域213の開口パターンはそれぞれ同じである。マスク領域211とマスク領域212の開口パターンは互いに異なっている。各マスク領域211〜214の寸法は、集積回路のチップサイズのそれと同じである。
【0172】
すなわち、同一の導電性マスク内に集積回路のチップサイズと同じサイズのマスク領域がn個(nは自然数)存在し、かつ各マスク領域の横にはそれとは異なる開口パターンを有するマスク領域が隣接し、かつ横方向に隣り合う2つのマスク領域の開口パターンの重ね合わせると、内周と外周の形状が長方形となるように、帯の両端を結んだパターンの開口部が形成される。その他は、第1の実施形態等で述べた導電性マスクと同じである。
【0173】
半導体基板(ウェハ)がSi基板(Siウェハ)ならば、導電性マスク210を介して、B、Ga、In、As、Sbなどの不純物のイオンを基板表面(ウェハ表面)に注入する。ドーズ量は、1×1010cm-2以上、1×1014cm-2以下に設定する。
【0174】
このとき、図24に示すように、導電性マスク210を半分ずつ重複するように、半導体基板(ウェハ)を載置したステージ(不図示)を移動させながらイオンを行う。すなわち、不純物イオンは、マスク領域211,213またはマスク領域212,214を介して、Si基板(Siウェハ)の表面に注入されることになる。
【0175】
このようにして、不純物イオンが注入された領域の最終的なパターンは、図24に示すように、マスク領域211,213の開口パターンに、マスク領域212,214の開口パターンを重ねてできたパターンとなる。
【0176】
このようなイオン注入法を用いることによって、nチャネルMOSトランジスタの周辺をpチャネルMOSトランジスタが配置するような回路、あるいはpチャネルMOSトランジスタの周辺をnチャネルMOSトランジスタが配置するような回路が実現可能になる。
【0177】
この場合も、イオン注入の開始時と終了時におけるチップでは、マスク領域211,213またはマスク領域212,214を用いたイオン注入しか行われないので、第14の実施形態で説明した方法によって、チップすべてに2回のイオン注入を行う。同様に、ステージ移動の時間を最短にするために、イオン注入は図22に示すように折り返すように行う。
【0178】
本実施形態および先の第14の実施形態では、不純物イオンが注入された領域の最終的なパターンは、2つのマスク領域の開口部のパターンを重ね合てできたパターンであるが、3つの以上のマスク領域の開口部のパターンを重ね合てできたパターンであっても良い。この場合、3つ以上のマスク領域の開口部のパターンは互いに異なったものである。また、これらのマスク領域は横方向に配置する。また、各マスク領域でイオン注入の条件(例えば、ドーズ量、不純物の導電型)は互いに異なったものとなる。
【0179】
(第16の実施形態)
図25は、本発明の第16の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図である。図において、301は導電性マスク、302は開口部、303はイオン、304は静電チャック、305は支持部、306は静電チャック、307は半導体基板(ウェハ)をそれぞれ示している。
【0180】
導電性マスク301の温度上昇が5℃になり、かつ導電性マスク301のうち、静電チャック304で保持されていない、開口部302が存在する領域の寸法が20〜30mmであると、電導性マスク301は0.3〜0.45μm程度膨張する。この場合、0.3μm未満の高精度でマスク合わせを行うことが困難になる。したがって、高精度のマスク合わせを行うためには、導電性マスク301を水または有機液体などの冷媒を用いて冷却する必要がある。
【0181】
本実施形態では、冷却効率を高めるために、導電性マスク301はAINなどの熱伝導率の高い材料を表面に有し、かつ表面凹凸が2〜3μm以下の平滑な静電チャック304でチャックされている。
【0182】
静電チャック304は、熱膨張率が10ppm/K以下で熱伝導性の高いM0、W、Nb、Ta、Ti、ZrまたはHfなどの金属でできた支持部305に支えられている。この支持部305中には図示しない通路が存在し、この通路を冷媒が通ることによって、静電チャック304の表面にチャックされた導電牲マスク301を冷却するようになっている。
【0183】
イオン303は、導電性マスク301を介して半導体基板307の所望の領域308に注入される。半導体基板307は冷却された静電チャック306にチャックている。静電チャック306はSiC、BN、VCまたはTiCなどで形成されている。さらに静電チャック306は面凹凸が2〜3μm以下の平滑なAIN膜で表面を覆われている。静電チャック306の冷却温度は導電性マスク301の冷却温度よりも低いことが望ましい。
【0184】
半導体基板307の冷却温度は0℃以下、望ましくは−130℃以下、さらに望ましくは−180℃以下に設定すると、イオン303の注入で半導体基板307中に生じた欠陥の回復に必要な加熱温度を800℃以下にすることが可能になる。
【0185】
(第17の実施形態)
本実施形態では、ウエハ移動に用いるステージ駆動系について説明する。本実施形態によれば、以下に説明するようにステージ駆動系の脱ガスを少なくでき、かつステージ駆動系の耐久性を高めることができる。
【0186】
ステージ移動に必要なポールネジのような部品には、通常グリースが塗られている。何故なら、この種の部品には、少ない摩擦でもって回転させることが要求されるからである。
【0187】
しかしながら、グリースを用いると、真空中でグリース中の炭素水素系や炭素フッ素系の高分子が蒸発し、これらの蒸発した高分子(脱ガス)が半導体基板に付着し、この付着した高分子がイオン注入の際に半導体基板中にノックオンされ、不純物として半導体基板中に混入するという間題が生じる。
【0188】
このような脱ガスの問題は、グリースを用いずに、テフロン膜のような固体潤滑剤を用いることが考えられる。しかし、べアリングとテフロン膜とが接触する場合には、1分間に105程度の回転数で摩擦が大きくなりすぎ、回転不良が生じ、ステージ移動ができなくなるという問題が生じる。
【0189】
この問題を克服するために、本実施形態では、図26に示すように、表面に凹凸を有するステンレス部材311上にスプレー法などでテフロン膜等のフッ素樹膜312を0.3から0.5μmの厚みでコーティングした後、30keVから60ke▲5▼の加速エネルギーで炭素イオンを1015cm−2から1016cm−2程度のドーズ量でステンレス部材311に注入した。なお、図中、313は炭素イオンとフッ素樹脂との混合層を示している。
【0190】
イオン注入後に100℃から150℃の熱処理を行った後、同様なベアリングテストで1分間に107 回転以上の回転数でもステージの異常不良は起こらないことが確認された。なお、フッ素イオンでも加速エネルギーを45keVから75keVに設定すると、炭素イオンよりは半分程度効果は少なくなるが、同様な長寿命化が実現できた。
【0191】
(第18の実施形態)
図27〜図29は、本発明の第18の本実施形態に係るCMOSトランジスタの製造方法を示す断面図である。ここでは、ゲート電極の材料として金属を用いた製造方法について説明する。
【0192】
まず、図27に示すように、シリコン基板401の表面に形成した浅い溝を素子分離絶縁膜402で埋め込むことによって、素子分離を行う(STI:Shallow Trench Isolation)。
【0193】
次にB、Ga、In等のIII族元素が不純物としてドーピングされたp型拡散層(ソース/ドレイン領域)403、P、As、Sb等のV族元素が不純物としてドーピングされたn型拡散層(ソース/ドレイン領域)404を形成する。
【0194】
p型拡散層403、n型拡散層404はLDD構造を有している。p型拡散層403、n型拡散層404はそれぞれ2回のイオン注入によって形成される。最初のイオン注入は図示しないシリコン膜からなるダミーゲートをマスクに用いたものであり、次のイオン注入はダミーゲートおよびその側壁に形成したシリコン窒化膜からなるスペーサをマスクに用いたものである。最初のイオン注入の方がドーズ量は少ない。また、イオン注入した不純物を活性化するためのアニールは各イオン注入の後に行っても良いし、2回目のイオン注入後にまとめて行っても良い。
【0195】
次に図示しないダミーゲートを覆うように、シリコン酸化膜405を全面に形成し、次に機械研磨法またはCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により図示しないダミーゲートの表面が露出するまでシリコン酸化膜405の表面を研磨し、次にダミーゲートを選択的に除去する。
【0196】
次にしきい値電圧を調整するために、チャネルとなる部分に不純物イオンをイオン注入法によって導入する。次にイオン注入で生じた欠陥を熱処理で回復させるとともに、注入した不純物イオンを活性化させる。
【0197】
次にTa2 5 やTiO2 ZrO2 などの高誘電率の材料からなるゲート絶縁膜406を全面に形成した後、TiNまたはTaNからなる厚さ10nm以下の第1ゲート電極407をゲート絶縁膜406上に形成する。
【0198】
ここで、界面準位密度を1011cm-2以下に設定する場合には、シリコン基板401とゲート絶縁膜406との間に、厚さ1nm以下のシリコン酸化膜またはシリコン窒化酸化膜を介在させることが望ましい。
【0199】
次にSiまたはSiCからなる厚さ3〜10μmの電性マスク408をシリコン基板401の表面から20μm以下の距離に設置し、nチャネルMOSトランジスタ領域に炭素イオン409を選択的に注入した後、熱処理を行う。
【0200】
ここで、加速エネルギーは0.2keV以上1keV以下、ドーズ量は1015cm-2以上1016cm-2以下に設定する。また、熱処理の時間は熱処理温度が450℃以下の場合で10分から60分、熱処理温度が500℃〜600℃の場合で1分以内に設定する。このような熱処理を行うと、TiNの仕事関数は4.6eVから4.2eV程度に低下し、TaNの仕事関数は4.5eVから4.1eV程度に低下する。
【0201】
このようにして第1ゲート電極(TiN薄膜またはTaN薄膜)407は、nチャネルMOSトランジスタ領域では仕事関数が小さくなり、pチャネルMOSトランジスタ領域では仕事関数はもとのままとなる。すなわち、第1ゲート電極407の仕事関数を各MOSトランジスタ毎に適切な値に設定することができる。
【0202】
次に図28に示すように、AlまたはCuを主成分とする厚さ0.1〜0.3μmの第2ゲート電極となる金属膜411を全面に堆積する。
【0203】
次に図29に示すように、シリコン酸化膜405の表面が露出するまで金属膜411を機械研磨法またはCMP法によって研磨することによって、第2ゲ一卜電極411を形成する。この後、層間絶縁膜412を全面に形成する。層間絶縁膜としては、シリコン酸化膜、SiCx0y膜またはCxFy膜を用いる。
【0204】
この後は、周知の方法に従ってコンタクトホールを開口し、ゲート引出し配線、ソース引出し配線、ドレイン引出し配線を形成して、CMOSトランジスタが完成する。
【0205】
以上述べたように、本実施形態によれば、導電性マスク409を用いたイオン注入によって、2種類の仕事関数を有するメタルゲート電極(第1ゲート電極407、第2ゲート電極411)を容易に実現できるようになる。
【0206】
なお、pチャネルMOSトランジスタのゲート電極の仕事関数として4.5〜4.6eVでなく、5e▲5▼程度が必要な場合には、第1ゲート電極407としてW膜、WNx膜、WSixNy膜またはCo膜を用いる。そして、nチャネルMOSトランジスタ領域の上記膜に、電気陰性度がPaulin gScaleで3より小さい炭素イオンまたは硼索イオンを注入することによって、nチャネルMOSトランジスタのゲート電極の仕事関数を小さくする。
【0207】
また、nチャネルMOSトランジスタのゲート電極の仕事関数として4.5〜4.6eVでなく、4e▲5▼程度が必要な場合には、第1ゲート電極407としてHfN膜またはZrN膜を用いる。そして、pチャネルMOSトランジスタ領域の上記膜に、電気陰性度がPaulingScalcで3以上の酸素イオンまたはフッ素イオンを注入することによって、pチャネルMOSトランジスタのゲート電極の仕事関数を大きくする。ただし、上記イオンの濃度は、比抵抗がlmΩ・cm程度以下になる範囲に設定する必要がある。何故なら、この比抵抗を越えるとトランジスタのスイッチング特性が劣化するからである。
【0208】
ここでは、ゲート電極としての金属膜に対してのイオン注入の打ち分けの場合について説明したが、本発明は半導体膜に対してのイオン注入の打ち分けにも適用できる。
【0209】
具体的には、例えばデュアルゲートMOSトランジスタのプロセスにおけるポリシリコンゲート電極に対してのイオン注入の打ち分けがあげられる。
【0210】
デュアルゲートMOSトランジスタの場合、nチャネルMOSトランジスタのポリシリコンゲート電極にはn型不純物イオンを選択的に注入する必要があり、pチャネルMOSトランジスタのそれにはp型不純物イオンを選択的に注入する必要がある。
【0211】
従来は、レジストをマスクにして各イオン注入を行っていたので、半導体基板に対するイオン注入の打ち分けの場合と同様に、工程数やコストの増加の問題があった。しかし、本発明のイオン注入を用いれば、レジストを用いずにポリシリコンゲート電極にイオンを注入できるので、工程数やコストの増加の問題を解決できる。
【0212】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、主として、注入するイオンの導電型や注入量が異なる場合のイオン注入について説明したが、本発明は、加速エネルギー等の他のパラメータが異なる場合でも適用できる。要はイオン種、注入加速エネルギーおよび注入量の少なくとも一つが異なっていれば、本発明の適用が可能である。
【0213】
また、上記実施形態を適宜組み合わせても良い。このような組合せの例としては、例えば、第10の実施形態等で説明したイオン発生装置で発生したイオンを、第1の実施形態等で説明した導電性マスクを介して、被処理基板に注入するイオン注入装置(方法)があげられる。
【0214】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【0215】
【発明の効果】
以上詳説したように本発明(請求項1〜10)によれば、開口部を有する導電性マスクを介して被処理基体にイオンを注入することによって、レジスト塗布・光露光・レジスト現像、イオン注入、レジストアッシング、硫酸・過酸化水素水処理などの湿式処理という一連の工程が不要となり、これによりイオン注入の打ち分けの工程を簡略化できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図
【図2】本発明の第2の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図
【図3】本発明の第3の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図
【図4】本発明の第4の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図
【図5】入射角θと距離dとイオン3の横方向のはみ出し距離ΔYとの関係を示す図
【図6】本発明の第5の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す工程断面図
【図7】第5の実施形態の変形例を示す図
【図8】本発明の第6の実施形態に係るCMOS製造工程におけるp型ウェルおよびn型ウェルの形成方法を示す工程断面図
【図9】従来のCMOS製造工程におけるp型ウェルおよびn型ウェルの形成方法を示す工程断面図
【図10】本発明の第7の実施形態に係るCMOS製造工程におけるp型チャネルドーピング層およびn型チャネルドーピング層の形成方法を示す工程断面図
【図11】本発明の第8の実施形態に係る不純物拡散層を形成するための半導体製造システムを示す模式図
【図12】本発明の第9の実施形態に係る不純物拡散層を形成するための半導体製造システムを示す模式図
【図13】イオン照射(注入)の全体構成を示す図
【図14】本発明の第10の実施形態に係るバーナス型イオン源チャンバーに材料板を載置したときの断面構造を示す図
【図15】本発明の第12の実施形態に係るアークチャンバーの断面構造を示す図
【図16】従来のバーナス型チャンバーの断面構造を示す図
【図17】従来のフリーマン型イオン源チャンバーの断面構造を示す図
【図18】従来のマイクロ波型イオン源チャンバーの断面構造を示す図
【図19】改良型のバーナス型チャンバーの断面構造を示す図
【図20】本発明の第14の実施形態に係る導電性マスクを示す平面図
【図21】同導電性マスクを用いたイオン注入方法を説明するための図
【図22】ステージ移動の時間を最短にする方法を示す図
【図23】本発明の第15の実施形態に係る導電性マスクを示す平面図
【図24】同導電性マスクを用いたイオン注入方法を説明するための図
【図25】本発明の第16の実施形態に係るイオン注入層の形成方法を示す断面図
【図26】本発明の第17の実施形態に係るステージ駆動系を説明するための断面図
【図27】本発明の第18の本実施形態に係るCMOSトランジスタの製造方法を示す断面図
【図28】本発明の第18の本実施形態に係るCMOSトランジスタの製造方法を示す断面図
【図29】本発明の第18の本実施形態に係るCMOSトランジスタの製造方法を示す断面図
【符号の説明】
1…半導体基板
2,2a,2b,2n,2p…導電性マスク
3…イオン
4,4a,4b,4’…イオン注入層
4n…n型イオン注入層
4p…p型イオン注入層
4nw…n型ウェル
4pw…p型ウェル
5…シャッター
6…イオンビーム検出器
11…シリコン基板
12…素子分離絶縁膜
13n,13p…レジストパターン
13n…n型イオン注入層
13p…p型イオン注入層
20…イオン注入装置
21…ビームラインチャンバー
221 〜223 …第1ゲートバルブ〜第3ゲートバルブ
23…エンドステーションチャンバー
24…基板ホルダ
25…イオンビーム
30…熱処理装置
31…熱処理室
32…加熱機構
40…搬送室
51…イオン源チャンバー
52…引き出し電極
53…分離電磁石
54…スリット
55…加速器
56…四極レンズ
57,58…走査電極
59…偏向電極
60…マスク
61…アース
62…試料
71…アークチャンバー
72…ガス導入口
73…イオン引き出し口
74…対向電極
75…絶縁支持部
76…リフレクター
77…タングステンフィラメント
78…フロントプレート
79…材料板
81…スリット
200,210…導電性マスク
201〜204,211〜214…マスク領域
301…導電性マスク
302…開口部
303…イオン
304,306…静電チャック
305…支持部
307…半導体基板(ウェハ)
311…ステンレス部材
312…フッ素樹膜
313…混合層
401…シリコン基板
402…素子分離絶縁膜
403…p型拡散層(ソース/ドレイン領域)
404…n型拡散層(ソース/ドレイン領域)
405…シリコン酸化膜
407…第1ゲート電極
406…ゲート絶縁膜
408…導電性マスク
409…炭素イオン
411…第2ゲート電極(金属膜)
412…層間絶縁膜

Claims (10)

  1. 被処理基体から離間して配置され、パターンが互いに異なる複数の開口部を有する導電性マスクと、
    この導電性マスクを介して前記被処理基体にイオンを注入するイオン注入手段と
    を備え
    前記複数の開口部のパターンを重ねることによって、前記イオンを注入しない領域の周囲を取り囲むように形成されたパターンが得られるように前記複数の開口部のパターンが選ばれていることを特徴とするイオン注入装置。
  2. 前記導電性マスクと前記被処理基体との間の距離が15μm以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 前記導電性マスクは前記複数の開口部とは別の開口部を有し、かつこの別の開口部を通過するイオンを検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  4. 前記複数の開口部のうちの一部を選択的に覆うシャッターを有することを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  5. 前記被処理基体は、半導体基板および半導体基板上に形成された半導体膜の一方であることを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  6. 前記導電性マスクは、前記被処理基体と同一の元素および前記元素を主成分とする材料の一方で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  7. 前記被処理基板を保持するための第1の静電チャックと、前記導電性マスクを保持するための第2の静電チャックとをさらに備えていることを特徴とする請求項に記載のイオン注入装置。
  8. 被処理基体に対してイオン種、注入加速エネルギーおよび注入量の少なくとも一つが異なるイオン注入を行うに際し、各イオン注入において、イオンを注入する領域上に開口部を有し、パターンが互いに異なる複数の開口部を有する導電性マスクを被処理基体から離間して配置し、前記複数の開口部のパターンを重ねることによって、前記イオンを注入しない領域の周囲を取り囲むように形成されたパターンが得られるように前記導電性マスクを介して前記被処理基体に複数回イオンを注入することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記イオン注入を真空中で行った後、真空を保ったまま前記被処理基体を熱処理装置内に搬送し、前記熱処理装置により前記被処理基体に熱処理を施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記導電性マスクは、前記被処理基体と同一の元素および前記元素を主成分とする材料の一方で構成されていることを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
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