JP2000002241A - 直線案内装置 - Google Patents

直線案内装置

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JP2000002241A
JP2000002241A JP16668998A JP16668998A JP2000002241A JP 2000002241 A JP2000002241 A JP 2000002241A JP 16668998 A JP16668998 A JP 16668998A JP 16668998 A JP16668998 A JP 16668998A JP 2000002241 A JP2000002241 A JP 2000002241A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保持器をスライダに装着する際の作業性や転動
体の交換を行う際の作業性が良好であり、しかもスライ
ダの組立を容易に行い、ひいては該組立作業の自動化を
も図ることが可能な直線案内装置を提供する。 【解決手段】多数の転動体3と、これら転動体3の転走
する軌道11が長手方向に沿って形成された軌道レール
1と、上記軌道11に対向する負荷軌道25を含む転動
体3の無限循環路を有し、かかる転動体3の無限循環に
伴い上記軌道レール1に沿って移動するスライダ2と、
このスライダ2に装着されて、該スライダ2を上記軌道
レール1から取り外した際に、上記転動体3が負荷軌道
25から離脱するのを防止する保持器4とを備えた直線
案内装置において、上記保持器4がスライダ2に装着さ
れた状態で、上記転動体3が負荷軌道25から離脱する
のを防止するための転動体保持位置と、上記無限循環路
に転動体3を充填するための退避位置とに自在に設定し
得るように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無限循環する多数
の転動体を介して軌道レールとスライダとが係合し、か
かる軌道レールに沿ってスライダが直線運動を行う直線
案内装置に係り、詳細には、スライダの負荷軌道の対向
位置に保持器を装着することにより、かかる負荷軌道か
ら転動体が脱落するのを防止する直線案内装置の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、この種の直線案内装置は、例
えば工作機械が備えるベッド等の固定部に対して固定さ
れる軌道レールと、テーブル等の可動体が装着されると
共に転動体としての多数のボールを介して上記軌道レー
ルに係合し、該軌道レールに沿って自在に直線運動する
スライダとから構成されている。上記軌道レールにはボ
ールが転走する軌道としてボール転走溝が形成される一
方、上記スライダには軌道レールのボール転走溝と対向
する負荷軌道としての負荷ボール転走溝が形成され、ボ
ールはこれらボール転走溝と負荷ボール転走溝の間で荷
重を受けながら転走するようになっている。また、スラ
イダには上記負荷ボール転走溝の一端から他端へボール
を戻すための通路が形成されており、この通路と上記負
荷ボール転走溝とでボールの無限循環路が形成されてい
る。ボールはスライダの運動に伴ってこの無限循環路内
を循環し、これによって上記スライダが軌道レールに沿
って円滑に運動する。
【0003】ところで、このように構成された従来の直
線案内装置では、固定部に対する軌道レールの組み付け
作業等のためにスライダを軌道レールから取り外すと、
スライダの負荷ボール転走溝と軌道レールのボール転走
溝との間に挟まれていたボールはその拘束から開放され
るので、かかるスライダの負荷ボール溝上に位置してい
るボールが該スライダから転がり落ちてしまうといった
不都合がある。従って、このようにスライダと軌道レー
ルを分離した際に該スライダからボールが脱落するのを
防止すべく、従来より、かかるスライダには負荷ボール
転走溝と対向する位置に保持器が取り付けられている。
【0004】従来、このような保持器としては、金属板
をプレス成形して長孔を形成し、スライダの負荷ボール
転走溝を転走するボールの一部を上記長孔から突出させ
て軌道レールのボール転走溝に接触させるように構成し
たもの(特開昭61−274117号公報等)や、スラ
イダの負荷ボール転走溝と対向するようにして該スライ
ダの移動方向の両端部間にワイヤ等からなる棒状部材を
張り渡し、この棒状部材によってボールを負荷ボール転
走溝上に保持するように構成したもの(特開平8−93
762号公報、特開平8−232953号公報、実開平
6−14544号公報等)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の保持器は、これをスライダに装着した後では該スラ
イダの無限循環路にボールを充填することができないこ
とから、かかる無限循環路に対してボールの充填を行っ
た後にその装着を行う必要があり、保持器をスライダに
装着する作業の際に、せっかく無限循環路に充填したボ
ールが転がり落ちてしまう等、スライダの組立作業が行
い難いといった問題点があった。
【0006】また、直線案内装置では、スライダの作動
に所定の剛性を与えるために予圧を調整したり、隙間を
調整することが行われるが、従来はこの調整作業が必ず
しも容易ではなく、製造コストの低減などを図る上で簡
略化することが望まれている。ここで、予圧とは、上記
ボール転走溝及び負荷ボール転走溝とボールとの負の軸
受隙間をいい、従来、かかる調整作業は具体的に次のよ
うになされていた。
【0007】すなわち、直径が極僅かずつ異なる複数種
のボールを用意し、各径のボールにおける予圧又は隙間
を測定し、所望の予圧又は隙間が得られるボールを選定
する。この選定作業の完了までにはボールの交換を何回
か繰り返さなければならないが、その際、上記保持器の
装着、解除を逐一していては作業能率が低下することか
ら、通常は装着しないまま該作業を行う。従って、予圧
又は隙間測定の結果、その時点のボールが適合すると判
明したら、保持器を装着するためにスライダを軌道レー
ルから一旦取り外さなければならない。これにより、せ
っかく適合したボールをスライダから脱落させてしまう
こととなり、保持器の装着と併せて、新たに同径のボー
ルを装填しなおさなければならない。
【0008】このように、従来は、適合ボールが判明し
ても、保持器の装着時に該適合ボールが脱落してしまう
ので、作業者は再度同径のボールを装填しなければなら
ず、その作業に煩わしさを感じると共に該作業の能率を
高める上で問題であった。
【0009】更に、スライダの無限循環路に既にボール
が充填された不安定な状態で保持器を該スライダに装着
しなければならないことから、かかる保持器の装着には
細心の注意が必要であり、このことがスライダの組立を
ロボット等によって自動化することの障害となってい
た。
【0010】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、保持器をスライ
ダに装着する際の作業性やボールの交換を行う際の作業
性が良好であり、しかもスライダの組立を容易に行い、
ひいては該組立作業の自動化をも図ることが可能な直線
案内装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の直線案内装置は、多数の転動体と、これら
転動体の転走する軌道が長手方向に沿って形成された軌
道レールと、上記軌道に対向する負荷軌道を含む転動体
の無限循環路を有し、かかる転動体の無限循環に伴い上
記軌道レールに沿って移動するスライダと、このスライ
ダに装着されて、該スライダを上記軌道レールから取り
外した際に、上記転動体が負荷軌道から離脱するのを防
止する保持器とを備えた直線案内装置において、上記保
持器はスライダに装着された状態で、上記転動体が負荷
軌道から離脱するのを防止するための転動体保持位置
と、上記無限循環路に転動体を充填するための退避位置
とに自在に設定可能であることを特徴とするものであ
る。
【0012】このような技術的手段によれば、上記スラ
イダに装着された保持器は該スライダに装着された状態
で上記転動体保持位置又は退避位置に自在に設定可能な
ので、スライダの無限循環路に対する転動体の充填作業
に先立って予め保持器をスライダに装着すると共にこれ
を退避位置に設定しておくことにより、転動体の充填作
業が既にスライダへ装着されている保持器によって阻害
されることがない。また、無限循環路に対する転動体の
充填作業の終了後は保持器を退避位置から転動体保持位
置に設定し直すだけで、転動体を負荷転動体溝上に保持
することができ、従来のように既に適合が判明した転動
体を保持器の装着作業のために充填しなおす必要もな
い。従って、無限循環路に対する転動体の充填作業を含
め、スライダの組立作業を容易に行うことができるもの
である。
【0013】本発明において、上記保持器はスライダに
装着された状態において、上記転動体保持位置と退避位
置のいずれかに設定し得るものであれば、スライダへの
装着の態様は如何なるものであっても差し支えないが、
単純な動作で退避位置から転動体保持位置へ保持器を設
定し直すことができるという観点からすれば、かかる保
持器がスライダに対して係合する連結部を有すると共
に、該スライダに対して揺動自在に装着され、かかる揺
動範囲の両端に転動体保持位置及び退避位置を設けるの
が好ましい。
【0014】また、上記保持器は如何なる形状のもので
あっても差し支えないが、前述の如くスライダに対して
揺動自在に装着するという観点からすれば、屈曲形状に
形成する一方、スライダには断面略円形の一対の支持孔
を形成し、保持器の両端に形成された連結部をこれら支
持孔に夫々回転自在に嵌合させるのが好ましい。このよ
うに構成すれば、極めて簡単に保持器をスライダに対し
て揺動自在に装着することが可能となる。
【0015】更に、保持器を転動体保持位置に確実に設
定して負荷軌道上の転動体がスライダから脱落するのを
防止するという観点からすれば、かかるスライダには上
記転動体保持位置に設定された保持器を係止するための
位置決め溝を形成するのが好ましく、このように構成す
れば、保持器の設定位置を変更した際に、該保持器が転
動体保持位置に確実に設定されたことを確認することも
可能となる。
【0016】また更に、保持器のスライダへの装着を容
易にすると共に、無限循環路に対する転動体の充填作業
の際に保持器を退避位置に確実に係止しておくという観
点からすれば、上記スライダには保持器の連結部をスラ
イダの支持孔に導くと共に、該保持器を退避位置に係止
するための案内溝を形成するのが好ましい。
【0017】また、軌道レールを引抜加工により形成す
ることとした場合、かかる軌道レールの加工性等に鑑み
れば、上記保持器は負荷軌道と対向して転動体を保持す
る拘束部が板状に形成される一方、上記軌道レールの軌
道内には上記保持器の拘束部を収容する逃げ溝を形成す
るのが好ましい。このように保持器の拘束部を偏平な板
状とすれば、軌道レールの軌道内に形成する逃げ溝は浅
く形成すれば足り、軌道レールの引抜加工が容易である
と共に、引抜ダイスが磨耗し難くなって寿命が延命化
し、軌道レールの断面寸法も安定する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の直線案内装置を詳細に説明する。図1乃至図4は本発
明の直線案内装置の一実施例を示すものである。この直
線案内装置は、例えば工作機械が備えるベッド等の固定
部(図示せず)に対して固定される軌道レール1と、テ
ーブル等の可動体(図示せず)を搭載すると共に上記軌
道レール1に沿って直線往復運動を行うスライダ2と、
これら軌道レール1とスライダ2との間で荷重を受けな
がら転動すると共に、上記スライダ2に具備された無限
循環路を循環する転動体としての多数のボール3と、上
記スライダ2を軌道レール1から取り外した際に該スラ
イダ2からボール3が脱落するのを防止する保持器4と
から構成されている。
【0019】上記軌道レール1は断面略矩形状に形成さ
れると共に、その両側面には上記ボール3が転動する軌
道としてのボール転走溝11が長手方向に沿って夫々一
条ずつ形成されている。また、これらボール転走溝11
の底部には、上記保持器4を収容するための逃げ溝12
が形成されており、該保持器4と軌道レール1との干渉
が防止されるようになっている。尚、図中において符号
13は上記固定部に螺合する固定ボルト(図示せず)の
貫通孔であり、軌道レール1の長手方向に沿って所定の
間隔で形成されている。
【0020】一方、上記スライダ2は、前述の可動体が
取り付けられるスライダ本体21と、このスライダ本体
21の移動方向の前後両端面に固定される一対のエンド
キャップ22,22と、このエンドキャップ22上に装
着されてスライダ2と軌道レール1との隙間を外部から
密封する一対のエンドシール23とから構成されてお
り、全体として断面略サドル状に形成されると共に上記
軌道レール2を跨ぐようにして配設されている。
【0021】図3から明らかなように、上記スライダ本
体21は、前記可動体(テーブル等)が固定される取付
面24を備えた水平部21a及びこの水平部21aの両
端から垂下する一対のスカート部21b,21bを有し
て断面略サドル状に形成されており、各スカート部21
bの内側面には軌道レール1のボール転走溝11に対向
する負荷軌道としての負荷ボール転走溝25が形成され
ている。また、各スカート部21bには上記負荷ボール
転走溝25と平行にボール戻し孔26が穿設される一
方、水平部21aには可動体の取り付けボルト(図示せ
ず)が螺合するタップ孔27が形成されている。
【0022】また、図4に示すように、各エンドキャッ
プ22にはボール3の方向転換路28が断面略U字型に
形成されており、これらエンドキャップ22をボルト2
9を用いてスライダ本体21の両端面に装着すると、ス
ライダ本体21の負荷ボール転走溝25とボール戻し孔
26とが上記方向転換路28によって連通連結され、ス
ライダ2の負荷ボール転走溝25を転走し終えたボール
3が方向転換路28、ボール戻し孔26、方向転換路2
8を経て再度負荷ボール転走溝25に転がり込むボール
3の無限循環路が形成されるようになっている。
【0023】更に、上記エンドシール23は、ビス30
を用いて上記エンドキャップ22に固定される金属製の
補強板31と、この補強板31の表面を覆うようにして
該補強板31に固着されたゴム層32とから構成されて
おり、かかるゴム層32に設けられたリップ部34を軌
道レール1の表面に摺接させることにより、軌道レール
1に付着した塵芥等の異物がスライダ2と該軌道レール
1との隙間に入り込むのを防止している。
【0024】一方、図5に示すように、上記保持器4は
例えば断面略円形状の棒状部材を折り曲げて全体として
略C字状の屈曲形状に形成されており、スライダ2に装
着された際に上記負荷ボール転走溝25と対向してボー
ル3を保持する直線状のボール拘束部41を有すると共
に、このボール拘束部41の両端には該保持器4をスラ
イダ2に係合させるための連結部42がアーム部43を
介して設けられている。
【0025】図4乃至図7に示すように、上記エンドシ
ール23が装着されるエンドキャップ22の表面には上
記保持器4を装着するための断面略円形の支持孔35が
各負荷ボール転走溝25に対応して設けられており、保
持器4はその両端に形成された連結部42をこの支持孔
に嵌合させることで、スライダ2に装着されるようにな
っている。また、保持器4の連結部42はエンドキャッ
プ22の支持孔35に対して隙間なく嵌合しているので
はなく、僅かな隙間をもって遊嵌しており、これによっ
て上記保持器4はスライダ2に装着された状態で上記支
持孔35を中心として自由に揺動し、スライダ2の負荷
ボール転走溝25と対向してボール3が負荷ボール転走
溝25から離脱するのを防止するボール保持位置(転動
体保持位置:図6に実線で示す保持器4の設定位置)
と、負荷ボール転走溝25上のボール3を自由に取り出
し、又更に充填することが可能な退避位置(図6中に二
点鎖線で示す位置)とに自由に設定し得るようになって
いる。尚、図6ではスライダ2を軌道レール1に組み付
けた状態が描かれているが、このようにスライダ2を軌
道レール1に組み付けたままの状態では、かかる軌道レ
ール1が邪魔となり、保持器4をボール保持位置から退
避位置へ設定することは出来ない。
【0026】更に、スライダ2に装着された保持器4を
上記ボール保持位置又は退避位置に確実に係止し、スラ
イダ2が軌道レール1に沿って運動している最中や、ス
ライダ2の無限循環路に対してボール3を充填している
最中に、かかるボール保持器4が不意に各設定位置から
離脱するのを防止するため、図6及び図7に示すよう
に、上記エンドキャップ22の表面にはボール保持位置
及び退避位置に対応して位置決め溝36及び案内溝37
が形成されており、保持器4を各位置に設定した際にそ
のアーム部43がこれら溝36,37に嵌まり込み、保
持器4の揺動が係止されるように構成されている。ま
た、退避位置に設定されていた保持器4をボール保持位
置へ設定し直す際に、保持器4のアーム部43が案内溝
37から離脱し易いよう、各案内溝37の支持孔35と
反対側の端部には面取り部38が設けられている。これ
により、退避位置に設定された保持器4のボール拘束部
41をボール保持位置に向けて軽く押圧するだけで、保
持器4のアーム部43は案内溝37から離脱し、かかる
保持器4を容易にボール保持位置に設定し直すことがで
きる。尚、上記案内溝37は保持器4の連結部42をエ
ンドキャップ22の支持孔35に嵌合させる際に、かか
る連結部42を支持孔35に誘導する役割をも果たして
いる。
【0027】図8は上記スライダ2に対する保持器4の
装着手順を示すものである。かかるスライダ2の組立に
当たっては、先ず、スライダ本体21の前後両端面にエ
ンドキャップ22を固定してボール3の無限循環路を完
成させ、次に、保持器4をエンドキャップ22の案内溝
37に沿ってスライダ2に装着して上記退避位置に設定
する。保持器4の連結部42をエンドキャップ22の支
持孔35に嵌合させるに当たっては、保持器4の両端に
位置する一対のアーム部43を互いに拡開させる必要が
あるが、保持器4それ自体は針金等の棒状部材で形成さ
れていることから、ボール拘束部41を撓ませることに
よって容易に拡開させることができると共に、前述の如
く連結部42は案内溝37に沿って支持孔35に誘導さ
れることから、連結部42を容易に且つ確実に支持孔3
5に嵌合させることができる。
【0028】そして、このようにして保持器4を退避位
置に設定した状態でスライダ2の無限循環路に対してボ
ール3の充填を行う。ボール3の充填は図8に示す如く
スライダ2を天地逆さまに配設した後、かかるボール3
を負荷ボール転走溝25からエンドキャップ22の方向
転換路28及びスライダ本体21のボール戻し孔26に
流し込むようにして行われる。このとき、上記保持器4
は退避位置に設定されており、しかもエンドキャップ2
2に形成された案内溝37によって確実に係止されてい
ることから、ボール3を負荷ボール転走溝25に流し込
む際に保持器4がこれを邪魔することは一切なく、円滑
にボール3の充填作業を行うことができる。
【0029】尚、ボール4を負荷ボール転走溝25に充
填する際に、かかるボール3が負荷ボール転走溝25か
ら転がり落ちるのを防止するため、図8に示すように、
スライダ2の凹所39内には、負荷ボール転走溝25と
相まってボール3を支える治具40が挿入される。
【0030】スライダ2の無限循環路に対するボール3
の充填が終了したならば、保持器4を二点鎖線で示す退
避位置から実践で示すボール保持位置に設定し、保持器
4のボール拘束部41をスライダ2の負荷ボール転走溝
25に対向させる。これにより、負荷ボール転走溝25
上に位置しているボール3は保持器4によって保持され
ることとなり、スライダ2の凹所39内から治具40を
抜き出しても、ボール3が負荷ボール転走溝25から転
がり落ちることがない。保持器4を退避位置からボール
保持位置に設定する際には、前述したように保持器4の
ボール拘束部41を軽く押圧するだけで良いので、ボー
ル3を充填した際の姿勢からスライダ2を動かす必要が
なく、保持器4の揺動の際に負荷ボール転走溝25上に
位置しているボール3が転がり落ちる心配もない。ま
た、保持器4がボール保持位置に設定されると、そのア
ーム部43がエンドキャップ22の位置決め溝36に嵌
まり込むことから、保持器4を確実にボール保持位置に
固定することができる。
【0031】ここで、当該直線案内装置では、スライダ
2の作動に所定の剛性を与えるために予圧を調整した
り、隙間を調整することが行われる。予圧とは、上記ボ
ール転走溝11及び負荷ボール転走溝25とボール3と
の負の軸受隙間をいう。この調整作業は次のようにして
なされる。
【00032】すなわち、直径が極僅か(例えば0.5
μm)ずつ異なる複数種のボール3を用意し、各径のボ
ール3における予圧又は隙間を測定し、所定の予圧又は
隙間が得られるボール3を選定する。その際、上記保持
器4はスライダ2に装着しておき、ボール3の入れ替え
の度毎にボール保持位置から退避位置へ、退避位置から
ボール保持位置へ設定し直す。本実施例の直線案内装置
では前述の如く保持器4を退避位置とボール保持位置と
の間で揺動させるのみで、ボール3の入れ替えを容易に
行うことができ、ボール3の入れ替えに際しても保持器
4をスライダ2に対して着脱する必要がないので、かか
る保持器4をスライダ2に装着したままの状態で上記調
整作業を行い得る。従って、従来の如くボール3の選定
作業の終了後、保持器4の装着のためにスライダ2を軌
道レール1から取り外す必要がなく、適合が判明したボ
ール3を保持器4の装着時に脱落させてしまうといった
不都合がない。
【0033】上記のようにして予圧調整が完了したら、
保持器4のアーム部43を覆うようにしてエンドシール
23をエンドキャップ22上に装着する。これにより、
保持器4のアーム部43が位置決め溝36から離脱不能
となり、保持器4がボール保持位置に固定されて本実施
例のスライダ2が完成する。この状態では、既に負荷ボ
ール転走溝25上に位置するボール3が保持器4によっ
て係止されていることから、スライダ2に如何なる姿勢
を与えても、ボール3が無限循環路から抜け出ることは
なく、かかるスライダ2を軌道レール1に組み付ける作
業を容易に行うことができるものである。
【0034】ところで、本実施例においては、図5及び
図9(a)から明らかなように、保持器4の連結部42
及び該連結部42が嵌合するエンドキャップ22の支持
孔35が共に断面円形状に形成されている。これによ
り、該連結部42が支持孔35内で自由に回転すること
ができ、保持器4が揺動自在となっている。しかし、保
持器4を揺動自在とするのであれば、該支持孔35の断
面形状を円形とする一方、該連結部42の断面形状は図
9の(b)乃至(d)示す四角形、六角形、三角形等の
多角形の他、楕円形(図示せず)等、如何様な形状を採
用しても良い。尚、保持器4の揺動を可能とするために
は、少なくとも連結部42の断面形状がこれらの態様を
採れば良く、ボール拘束部41及びアーム部43の断面
形状に関してはこの限りでない。
【0035】また、保持器4の連結部42の断面形状が
円形の場合、逆に、上記支持孔35の断面形状は多角形
等でも良い。
【0036】更に、上記実施例においては、保持器4が
その全長にわたって均等な断面形状を有しているが、こ
の他、図10に示すように、ボール3を保持する部位で
あるボール拘束部41を偏平した板状に形成しても良
い。スライダ2を軌道レール1に組み付けると、図11
に示すように、該ボール拘束部41は軌道レール1のボ
ール転走溝11の内部に形成された逃げ溝12に収容さ
れるが、このように保持器4のボール拘束部41を板状
に形成すれば、その分だけ軌道レール1側の逃げ溝12
は浅く形成することができ、軌道レール1を引抜加工で
形成する場合にその加工が容易なものとなる。また、引
抜加工に用いるダイスの摩耗を抑えることができ、かか
るダイスの寿命の延命化が図られる他、形成される軌道
レール1の断面寸法も安定し、軌道レール1の加工性が
良好なものとなる。
【0037】更に、この実施例では軌道レール1の側面
に夫々一条ずつのボール転走溝11が形成されている直
線案内装置を例に挙げて説明したが、複数条のボール転
走溝が形成されている場合であっても、本発明を同様に
適用することが可能である。図12は、軌道レール1の
左右両側面に2条ずつ、合計4条のボール転走溝11が
形成された直線案内装置に本発明を適用した例を示すも
のである。この場合、上記保持器4としては互いにアー
ム部43の長さが異なる2種類のものを用意し、夫々の
揺動中心を異ならしめるようにスライダ2に装着する。
各保持器4の揺動半径は保持器4のアーム部42の長さ
に依存しているので、アーム部42の長さを適宜決定す
ることにより、各保持器4が揺動の際にスライダ2と干
渉するのを避けることが可能である。
【0038】また、上記保持器4はステンレス鋼等の金
属、合成樹脂のいずれで形成しても差し支えない。針金
等の金属製棒状部材を素材とする場合はこれに曲げ加工
を施すことによって、金属板を素材とする場合にはこれ
に打抜加工を施すことによって、図5に示すような屈曲
形状の保持器4を得ることができる。また、合成樹脂を
素材とする場合には型成形によって所望の形状の保持器
4を形成することができる。
【0039】更に、上記実施例では転動体としてボール
3が使用されているが、本発明はローラを転動体として
用いた直線案内装置にも使用可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の直線
案内装置によれば、スライダに装着された保持器を転動
体保持位置又は退避位置に自在に設定可能であり、スラ
イダの無限循環路に対する転動体の充填作業の終了後に
該保持器を退避位置から転動体保持位置に設定し直すだ
けで、転動体を負荷軌道上に確実に保持することができ
るので、従来のように既に充填されて適合が判明した転
動体を保持器の装着作業のために充填し直す必要がな
く、保持器をスライダに装着する際の作業性や転動体の
交換を行う際の作業性が良好なものとなる他、スライダ
の組立作業を容易に行うことが可能となり、スライダの
組立作業をロボット等を用いて自動的に行わせることも
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の直線案内装置の実施例を示す斜視図
である。
【図2】 実施例に係る直線案内装置の側面図である。
【図3】 実施例に係る直線案内装置の正面図(半断面
図を含む)である。
【図4】 実施例に係る直線案内装置の底面図(一部断
面図を含む)である。
【図5】 実施例に係る保持器を示す斜視図である。
【図6】 図2のVI−VI断面図である。
【図7】 実施例に係る保持器とエンドキャップとの関
係を示す側面図である。
【図8】 実施例に係るスライダへ保持器を装着する手
順を示すである。
【図9】 実施例に係る保持器の連結部の形状とスライ
ダに形成した支持孔との関係を示す図である。
【図10】 保持器の他の例を示す斜視図である。
【図11】 図10に示した保持器と軌道レールの逃げ
溝との関係を示す要部拡大図である。
【図12】 軌道レールの側面にボール転走溝が2条ず
つ形成されたタイプの直線案内装置に本発明を適用した
例を示す図である。
【符号の説明】
1…軌道レール、2…スライダ、3…ボール(転動
体)、4…保持器、11…ボール転走溝(軌道)、25
…負荷ボール転走溝(負荷軌道)、36…位置決め溝、
37…案内溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の転動体と、これら転動体の転走す
    る軌道が長手方向に沿って形成された軌道レールと、上
    記軌道に対向する負荷軌道を含む転動体の無限循環路を
    有し、かかる転動体の無限循環に伴い上記軌道レールに
    沿って移動するスライダと、このスライダに装着され
    て、該スライダを上記軌道レールから取り外した際に、
    上記転動体が負荷軌道から離脱するのを防止する保持器
    とを備えた直線案内装置において、 上記保持器はスライダに装着された状態で、上記転動体
    が負荷軌道から離脱するのを防止するための転動体保持
    位置と、上記無限循環路に転動体を充填するための退避
    位置とに自在に設定可能であることを特徴とする直線案
    内装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の直線案内装置において、
    上記保持器はスライダに対して係合する連結部を有する
    と共に、該スライダに対して揺動自在に装着され、かか
    る揺動範囲の両端に上記転動体保持位置及び退避位置が
    設けられていることを特徴とする直線案内装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の直線案内装置において、
    上記保持器は屈曲形状に形成されており、その両端に形
    成された連結部を上記スライダに形成された一対の支持
    孔に夫々回転自在に嵌合させることにより、該スライダ
    に対して揺動自在に装着されることを特徴とする直線案
    内装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の直線
    案内装置において、上記スライダには、上記転動体保持
    位置に設定された保持器を係止するための位置決め溝が
    形成されていることを特徴とする直線案内装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の直線案内装置にお
    いて、上記スライダには、上記保持器を該スライダに装
    着する際に、かかる保持器の連結部をスライダの支持孔
    に導くと共に上記退避位置に係止するための案内溝が形
    成されていることを特徴とする直線案内装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の直線
    案内装置において、上記保持器は負荷軌道と対向して転
    動体を保持する拘束部が板状に形成される一方、上記軌
    道レールの軌道内には上記保持器の拘束部を収容する逃
    げ溝が形成されていることを特徴とする直線案内装置。
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