JP2000001961A - 建築物の壁面の補修方法及びその補修治具 - Google Patents

建築物の壁面の補修方法及びその補修治具

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JP2000001961A JP16718698A JP16718698A JP2000001961A JP 2000001961 A JP2000001961 A JP 2000001961A JP 16718698 A JP16718698 A JP 16718698A JP 16718698 A JP16718698 A JP 16718698A JP 2000001961 A JP2000001961 A JP 2000001961A
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Hiroshi Yoshida
洋 吉田
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NICHIEE YOSHIDA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】欠陥凹部に盛られたモルタルの表面にも小孔を
造成し、より補修品質の高い壁面の補修方法及びその補
修治具を提供することにある。 【解決手段】打放しコンクリート意匠が施された建築物
の壁面の補修方法であって、 A.壁面に生じた欠陥凹部にこれを埋めるため、モルタ
ルを充填する。 B.その後、該モルタルが乾燥しないうちに、小さな突
起が多数個突設した小孔形成具を、該モルタルの表面に
押し当てて、該表面に小さな小孔を造成する。 C.該モルタルの乾燥を待って、型枠模様形成具にて該
表面に型枠模様を造成する。 上記工程を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】この発明は、打放しコンクリート
意匠が施された建築物の壁面の補修方法及びその補修治
具に関する。
【0002】
【従来の技術】打放しコンクリート意匠は自然の美しさ
や重厚な趣が建築物の壁面の意匠性を向上させることか
ら、近年広く採用されている。この打放しコンクリート
意匠は、型枠内にコンクリートを打設し、その乾燥を待
って脱型するとコンクリートの壁面に型枠上の型枠模様
が転写されることによって造成される。ところで、完成
したコンクリートの壁面には、ジャンカといわれる巣穴
やコーナー部壁面の一部欠落など、正常な壁面より凹ん
だ部分(以下「欠陥凹部」という。)が生ずることがあ
る。この欠陥凹部は、打設するコンクリートの成分不
良、型枠の形状不良、型枠の組み付け不良などが原因し
ていると考えられている。
【0003】いずれにしても、この欠陥凹部は打放しコ
ンクリート意匠の意匠性を損なうので、従来次の工程に
て補修されていた。即ち、欠陥凹部を含む壁面全体を
化学洗浄剤等で洗浄し、壁面に付着した鉄筋の錆やセメ
ントのノロ等を洗い流す。欠陥凹部にモルタルを充填
し、周囲の正常な壁面と略同一高さに盛る。充填した
モルタルの外周部の取り合い部でその表面が周囲の壁面
より若干盛り上がっている場合には、その盛り上がり部
をサンダー等を使って切除し、周囲の正常な壁面と同一
の高さとする。尚、この盛り上がり部が無い場合には、
この工程は省略する。周囲の正常な壁面の色調と同等
の顔料等を含浸材に含ませた模様形成具にて、モルタル
の表面に周囲の打放しコンクリート意匠と同等の型枠模
様を造成する。補修した表面を含む壁面全体に透明の
防水・防汚材(トップコート)を塗布する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様に、欠陥凹部
は、モルタルが充填されて埋められ、また模様形成具に
て周囲の正常な壁面と同等の型枠模様が造成され、よっ
て、表面形状的にも、また表面意匠的にも周囲の正常な
壁面と違和感の少ない仕上がりとなる。ところで、型枠
内にコンクリートを打設したとき、型枠とコンクリート
との境界面に多くの小さな気泡が析出し、その多くは上
方に逃げて外部に排出されるが、その一部がその境界面
に取り残され、この状態でコンクリートが固化する。そ
して、取り残された気泡が壁面上に小孔となって現れ
る。即ち、型枠を脱型したとき、コンクリートの表面に
直径1〜2mm程度、深さ2〜3mm程度の小さな多数の小
孔が現れるのである。今日ではこの小孔が、前記打放し
コンクリート意匠のデザイン上の一要素として定着しつ
つある。しかしながら、前記方法にて欠陥凹部を補修し
たのでは、型枠模様は造成されても、前記小孔までは造
成され得なかった。
【0005】従来、補修部分における、この程度のデザ
イン上の相違は見過ごされてきたが、今日のより高い補
修品質の要求から、これをも考慮した補修方法が望まれ
つつある。そこで、本発明者は、係る要求に応えるべく
鋭意研究を重ね、後述の工程を加えることにより、補修
部分と正常壁面との違和感をなくし、よりレベルの高い
打放しコンクリート意匠を造成することに成功した。而
して、本発明の目的は、欠陥凹部に盛られたモルタルの
表面にも小孔を造成し、より補修品質の高い壁面の補修
方法及びその補修治具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、次の構成を備えたことを特徴とする。即ち、請求項
1記載の発明は、打放しコンクリート意匠が施された建
築物の壁面の補修方法であって、 A.壁面に生じた欠陥凹部にこれを埋めるため、モルタ
ルを充填する。 B.その後、該モルタルが乾燥しないうちに、小さな突
起が多数個突設した小孔形成具を、該モルタルの表面に
押し当てて、該表面に小さな小孔を造成する。 C.該モルタルの乾燥を待って、型枠模様形成具にて該
表面に型枠模様を造成する。を備えてなる壁面の補修方
法である。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の壁
面の補修方法であって、前記B工程と前記C工程の間
に、 D.該モルタルの乾燥を待って、サンダー等の切除具に
て該モルタルの取り合い部の該表面をその周辺の壁面と
略同一面になるように切除する。上記D工程を備えてな
る壁面の補修方法である。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の壁面の補修方法であって前記A工程の前に、請求項
1又は2記載の壁面の補修方法であって、前記A工程の
前に、 E.該欠陥凹部付近の表面を清掃する。 F.その後、該壁面全体の表面に浸透性吸水防止材を塗
布する。 上記2工程を備えてなる壁面の補修方法である。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記
載の壁面の補修方法であって、前記C工程の後に、 G.該型枠模様を造成した表面を含む壁面全体に浸透性
吸水防止材を塗布する。 H.該壁面全体に透明の防水・防汚材を塗布する。 上記2工程を備えてなる壁面の補修方法である。
【0010】請求項5記載の発明は、平板状の主体の背
後に握り部を有すると共に、該主体の表面には間隔をお
いて多数個の突起を突設して設けてなる請求項1〜4記
載の補修方法を実施するための小孔形成具である。請求
項6記載の発明は、請求項5記載の小孔形成具であっ
て、該突起の断面形状が他の突起のそれと異なる突起を
含むことを特徴とする小孔形成具である。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項5又は6記
載の小孔形成具であって、該突起の外径が他の突起のそ
れと異なる突起を含むことを特徴とする小孔形成具であ
る。
【0012】請求項8記載の発明は、 請求項5、6又
は7記載の小孔形成具であって、突起の突出量が他の突
起のそれと異なる突起を含むことを特徴とする小孔形成
具である。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明によれば、欠陥凹部に充填
したモルタルが乾燥しないうちに小孔形成具で小孔を造
成する。小孔形成具には多数の突起が形成され、これを
該モルタルの表面に押し当てると一遍に多数の小孔が造
成される。その後、時間経過と共に該モルタルが乾燥し
固化する。該モルタルの乾燥後、型枠模様形成具にて該
表面に型枠模様を造成する。
【0014】請求項2記載の発明によれば、該モルタル
の乾燥を待って、サンダー等の切除具にて取り合い部の
該表面を切除し、その周辺の正常な表面と略同一面とす
る。
【0015】請求項5記載の発明によれば、作業者が握
り部を握り、補修部分に突起を向けて押し当てると一遍
に多数の小孔がモルタルに造成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。まず、図9及び図10を用いて本補
修方法を実施するための補修治具、即ち、小孔形成具7
0の構成を説明する。
【0017】70は小孔形成具であり、この小孔形成具
70は正面視略正方形(一辺が150mm)の基板72
を有する。この基板72の背面には側面視T字状の握り
部78が固着され、正面には後述する小孔14aに対応
した突起74が基板72に対し垂直状に複数個突設され
ている。この突起74は円形74a、正方形74b、楕
円形74c、半月状74dなど種々の断面形状に構成さ
れている。また、突起74は後述する小孔14aと略同
一分布に配置されている。なお、本実施例では、全ての
突起74が略同一の突出量(約7mm)であるが、壁面
12の小孔14aの深さに対応して、種々の突出量のも
のにすることも出来る。
【0018】次に、図11を用いて本補修方法を実施す
るためのもう一つの補修治具、即ち、型枠模様形成具8
0の構成を説明する。
【0019】80は型枠模様形成具であり、この80型
枠模様形成具は、正面視長方形の基板82を有する。こ
の基板82の背面には側面視T字状の握り部88が固着
され、正面にはスポンジ製の弾性シート83が固着され
ている。また、この弾性シート83には、型枠模様85
が刻印された軽質シリコンゴム製のシート版84が固着
され、更に、このシート版84の表面にはガーゼ等の薄
い布材からなる含浸材86が被覆されている。
【0020】次に、壁面12に型枠模様14が形成され
る工程を説明する。型枠(不図示)内にコンクリートを
打設し、そのコンクリートの乾燥を待って、型枠を脱型
すると、図1に示すように、建築物の躯体10の壁面1
2が形成されると共に、その壁面12には型枠模様14
が同時に形成される。この型枠模様14は型枠(不図
示)の表面に形成された型枠模様が転写されることによ
り形成される。この型枠模様14には正目模様、板目模
様等の木目模様、更には、斑点模様等の種々の模様があ
るが、これは、型枠の表面に形成された型枠模様に依存
する。
【0021】また、この型枠模様14中には、型枠とコ
ンクリートとの境界面に取り残された小さな気泡によっ
て形成された、直径約1mm〜2mm、深さ約2mm〜
3mm程の小孔14aが多数存在する。この小孔14a
と前記型枠模様14によって、打放しコンクリート意匠
が構成される。一方、壁面12には、ジャンカ等の欠陥
凹部20も形成される。この欠陥凹部20は、状況にも
よるが直径20mm〜100mm、深さ30mm〜50
mm程度の半球状をしたものが多い。
【0022】この欠陥凹部20は、先の打放しコンクリ
ート意匠のデザイン性を阻害するので、以下の工程にて
補修される。以下図1〜図8を用いてそれぞれの工程を
説明する。
【0023】まず、欠陥凹部20の底面22や、型枠模
様14が形成された壁面12等に付着した鉄筋の錆やセ
メントのノロ等の汚れを除去する(図1)。例えば、化
学洗浄剤と水とを混合した混合水を高圧水洗浄機(不図
示)を用いて壁面12等に噴射し、壁面12から汚れを
除去する。ここで、化学洗浄剤として、例えばケミカル
エースR(ニチエー吉田株式会社の商品名)を用いるの
が好ましい。なお、この工程では、化学洗浄剤を用いず
サンダー(不図示)等を用いてこの汚れを機械的に除去
することも可能である。
【0024】次に、図2に示す様に、欠陥凹部20の底
面22を含む壁面12全体にわたり、刷毛或いはスプレ
ー等にて浸透性吸水防止材を均一に塗布し、下地層16
を形成する。ここで、浸透性吸水防止材として、シリコ
ン系浸透性吸水防止材、非シリコン系浸透性吸水防止
材、或いはこれらの混合系等の何れも採用可能である。
シリコン系浸透性吸水防止材は、シラン、シリコン、シ
リコネートなどを主成分とし、非シリコン系浸透性吸水
防止材は、アクリル、ウレタンなどを主成分とする。
尚、ここでは、シランを主成分とするシリコン系浸透性
吸水防止材の一つである、NY−Aシーラー(ニチエー
吉田株式会社の商品名)を使用した。この浸透性吸水防
止材は壁面12及び底面22の内部に約3〜5mm程度
浸透し、下地層16として形成される。この下地層16
は雨など外部から水分が壁面12内に付着したとき、水
分が内部に浸透するのを防止する機能を有する。特に、
工事中断等で工事完了までに長期となって壁面12が長
期に亘って雨等に晒されるときなどに大きな効果を発揮
する。
【0025】次に、図3に示す様に、欠陥凹部20内に
モルタル30をコテ(不図示)などを用いて充填する。
欠陥凹部20と正常な壁面12との境界部、即ち、充填
したモルタル30の外周部と正常な壁面12との取り合
い部では、モルタル30を若干多めに充填するので、こ
の取り合い部の表面30bが周囲の壁面12又は表面1
2aから若干盛り上がって形成される。なお、ここで用
いるモルタル30としては、生地仕上げ用のポリマーセ
メントモルタルが好ましい。ここでのポリマーセメント
モルタルとしては、再乳化型粉末樹脂(粉末エマルジョ
ン)又は、ゴムラテックス、樹脂エマルジョン、混合デ
ィスパージョンからなる水性ポリマーディスパージョン
に、セメント及び骨材を加えたものが挙げられる。この
ポリマーセメントモルタルは接着性があり、盛ったモル
タル30が欠陥凹部20から脱落するのを防止できる。
【0026】次に、充填したモルタル30が乾燥する前
で、所謂半乾き状態の時(雰囲気温度等にもよるが、モ
ルタル30の充填後、例えば、5〜30分後)、前述の
小孔形成具70を用いて、モルタル30の表面30aに
小孔40を造成する。即ち、作業者が小孔形成具70の
握り部78(図9及び図10参照)を持って、突起74
をモルタル30の表面30a側にしてモルタル30の表
面30aを小孔形成具70で押し当てると、モルタル3
0の表面30aは未だ変形可能であるので、突起74が
モルタル30内に進入し、小孔40が造成される。この
小孔40は小孔形成具70に設けられた該突起74に対
応した数・外径・深さとなる(図4)。尚、モルタル3
0の表面30aが小孔形成具30より面積が大のときに
は、小孔形成具30を順次場所を変えて押し当てること
により、また、造成した小孔40の密度が壁面12の小
孔14aのそれより粗のときには、同じ箇所を複数回押
し当てることにより、全表面30aに同程度の密度の小
孔40が造成できる。
【0027】なお、突起74の外径、高さ、密度・形状
などが種々異なる小孔形成具70を複数個用意し、壁面
12の状況に応じて選択使用することにより、造成され
た小孔40が周囲の正常な壁面12とより近いデザイン
に仕上がる。次に、前記モルタル30が完全に乾燥する
まで、例えば24時間位、モルタル30を自然乾燥させ
る。
【0028】前記モルタル30の乾燥を待って、次の工
程に移行する。即ち、取り合い部のモルタル30の表面
30bが、モルタル30のその他の表面30aや正常な
壁面より盛り上がっている場合には、これを平滑化する
ため、次の工程を実施する。即ち、図3に示したモルタ
ル30の盛り上がった表面30bをサンダー(不図示)
等を用いて切除し、周囲の正常な壁面12やその他の表
面30aと同一高さの表面30cとする(図5参照)。
なお、その際、小孔40形成したときにその周囲に生じ
た盛り上がった部分(不図示)も併せて切除して、これ
を平滑化すると良い。
【0029】次に、前述の模様形成具80を用いて、モ
ルタル30の表面30bに型枠模様52を造成する(図
6参照)。即ち、含浸材86に壁面12と略同色に調合
した調合樹脂液を刷毛等により塗布して含浸させ、しか
る後、作業者が握り部88を持ち、型枠模様85側を前
述した表面30bに押し当て、表面30bに型枠模様5
2、例えば、板目の模様或いは正目の模様等を造成す
る。即ち、上記模様形成具80をモルタル30の表面3
0bに押し当てると、弾性シート83及びシート版84
が厚さ方向に伸縮及び屈曲して、その型枠模様85がモ
ルタル30の表面30bに沿って良好に馴染み、モルタ
ル30の表面30bに型枠模様52が鮮明に転写され
る。
【0030】次に、型枠模様52が造成された表面30
bを中心に、壁面12全体に刷毛又はスプレー等にて浸
透性吸水材を均一に塗布する(図7参照)。浸透性吸水
防止材は先の工程(図2)にても塗布されているので、
本工程では先の工程で塗布されてない部分、即ち型枠模
様52を含むモルタル30を中心に行う。ここでの浸透
性吸水防止材を塗布する理由は、モルタル30の変色を
防止し、また後述するトップコートのしみ込みを防止す
ることにある。
【0031】本工程で用いる浸透性吸水防止材として、
先の工程と同様の材料を用いるものとする。即ち、浸透
性吸水防止材として、シリコン系浸透性吸水防止材、非
シリコン系浸透性吸水防止材、或いはこれらの混合系等
の何れも採用可能である。シリコン系浸透性吸水防止材
は、シラン、シリコン、シリコネートなどを主成分と
し、非シリコン系浸透性吸水防止材は、アクリル、ウレ
タンなどを主成分とする。尚、ここでは、シランを主成
分とするシリコン系浸透性吸水防止材の一つである、N
Y−Aシーラー(ニチエー吉田株式会社の商品名)を使
用した。
【0032】次に、表面30bを含む壁面12の全体に
わたり透明の防水・防汚材、即ちトップコート60を塗
布する。トップコート60は刷毛、ローラー、吹付け等
の手段を用いて塗布する。すると、図8に示すように、
壁面12の全体にトップコート60の層が形成され、表
面30bと壁面12とで吸水性を一定化させることがで
きる。
【0033】ここでの最終工程で塗布するトップコート
の材料としては、フッ素樹脂系、アクリルシリコン樹脂
系が好ましい。アクリルシリコン樹脂系の材料として
は、NY−9090(ニチエー吉田株式会社の商品名)
を用いた。トップコートの厚さは、約0.1〜0.2m
m程度が好ましい。なお、この工程では、必要対候性
能、予算等を勘案して、トップコートの塗布を1回のみ
ならず、2回或いはそれ以上に分けて実施しても良い。
【0034】なお、型枠模様52を造成する工程(図
6)の後に、次の工程を加えることも可能である。即
ち、造成した型枠模様52の部分がその周囲の壁面12
の色調と異なる様な場合には、その色調と適合する用
に、顔料(例えば、Fe3O4を主成分とするバイフェ
ロックス(バイエル株式会社の商品名)をNY−700
0(ニチエー吉田株式会社の商品名)に溶解したもの)
を調合し、これを塗布具(不図示)に含浸させて、前記
型枠模様52の上に該顔料を塗布する。該顔料が乾燥す
るのを待って、次の工程(図7)を実施することとな
る。勿論、この色調を合わせる工程は任意であり、必須
ではない。
【0035】尚、以上は新築の建築物の例について説明
したが、本発明は既設の建築物にも同様に適用できるこ
とは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、モルタル
が乾燥しないうちに小孔が造成されるので、自然の小孔
が容易に造成でき、自然な打放しコンクリート意匠が再
現できる。また、小孔形成具にて造成するので、能率良
く且つ熟練を要さずに作業が出来る。請求項2記載の発
明によれば、モルタルが乾燥した後、切除具で該表面を
切除するので、小孔が潰れることなく、自然な打放しコ
ンクリート意匠が再現できる。請求項3記載の発明によ
れば、表面が清掃された後、該壁面全体の表面に浸透性
吸水防止材が塗布されるので、その後の工事中断等で壁
面が雨などに晒されても内部に水が浸透せず綺麗な壁面
を維持できる。
【0037】請求項5記載の発明によれば、補修作業が
単純化でき、また能率良く行えるので、熟練作業者でな
くても補修が可能となる。請求項6記載の発明によれ
ば、正常な壁面の小孔の断面形状が個々に異なる場合に
はそれにあわせた突起を有する小孔形成具を用意すれ
ば、熟練を要することなく、簡単に周囲のそれと同等の
小孔を造成することが可能となる。請求項7記載の発明
によれば、正常な壁面の小孔の内径が個々に異なる場合
にはそれにあわせた直径の突起を有する小孔形成具を用
意すれば、熟練を要することなく、簡単に周囲のそれと
同等の小孔を造成することが可能となる。請求項8記載
の発明によれば、正常な壁面の小孔の深さが個々に異な
る場合にはそれにあわせた突出量の突起を有する小孔形
成具を用意すれば、熟練を要することなく、簡単に周囲
のそれと同等の小孔を造成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1〜図8は本発明の実施の形態を示す各工程の断面図
である。
【図1】表面を清掃した状態を示す壁面の断面図であ
る。
【図2】表面に浸透性吸水防止材を塗布した状態を示す
壁面の断面図である。
【図3】欠陥凹部にモルタルを充填した状態を示す壁面
の断面図である。
【図4】モルタルに小孔を造成した状態を示す壁面の断
面図である。
【図5】モルタルの取り合い部を切除し平滑にした状態
を示す壁面の断面図である。
【図6】モルタルの表面に型枠模様を造成した状態を示
す壁面の断面図である。
【図7】壁面全体に浸透性吸水防止材を塗布した状態を
示す壁面の断面図である。
【図8】壁面全体に透明の防水・防汚材を塗布した状態
を示す壁面の断面図である。
【図9】小孔を造成するための小孔形成具の正面図であ
る。
【図10】その底面図である。
【図11】模様形成具の中央縦断面図である。
【符号の説明】
10・・・・躯体 12・・・・壁面 14・・・・型枠模様 14a・・・小孔 16・・・・下地層 20・・・・欠陥凹部 22・・・・底部 30・・・・モルタル 30a・・・モルタルの表面 30b・・・取り合い部の表面(切除前) 30c・・・取り合い部の表面(切除後) 36・・・・浸透性吸水防止材層 40・・・・小孔 52・・・・型枠模様 60・・・・防水・防汚材(トップコート) 70・・・・小孔形成具 72・・・・基板 74・・・・突起 78・・・・握り部 80・・・・模様形成具 82・・・・基板 83・・・・弾性シート 84・・・・シート版 85・・・・型枠模様 86・・・・含浸材 88・・・・握り部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】打放しコンクリート意匠が施された建築物
    の壁面の補修方法であって、下記工程を備えてなる壁面
    の補修方法。 A.壁面に生じた欠陥凹部にこれを埋めるため、モルタ
    ルを充填する。 B.その後、該モルタルが乾燥しないうちに、小さな突
    起が多数個突設した小孔形成具を、該モルタルの表面に
    押し当てて、該表面に小さな小孔を造成する。 C.該モルタルの乾燥を待って、型枠模様形成具にて該
    表面に型枠模様を造成する。
  2. 【請求項2】請求項1記載の壁面の補修方法であって、
    前記B工程と前記C工程の間に次の工程を備えてなる壁
    面の補修方法。 D.該モルタルの乾燥を待って、サンダー等の切除具に
    て該モルタルの取り合い部の該表面をその周辺の壁面と
    略同一面になるように切除する。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の壁面の補修方法であ
    って、前記A工程の前に次の2工程を備えてなる壁面の
    補修方法。 E.該欠陥凹部付近の表面を清掃する。 F.その後、該壁面全体の表面に浸透性吸水防止材を塗
    布する。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載の壁面の補修方法であ
    って、前記C工程の後に次の2工程を備えてなる壁面の
    補修方法。 G.該型枠模様を造成した表面を含む壁面全体に浸透性
    吸水防止材を塗布する。 H.該壁面全体に透明の防水・防汚材を塗布する。
  5. 【請求項5】平板状の主体の背後に握り部を有すると共
    に、該主体の表面には間隔をおいて多数個の突起を突設
    して設けてなる請求項1〜3記載の補修方法を実施する
    ための小孔形成具。
  6. 【請求項6】請求項5記載の小孔形成具において、突起
    の断面形状が他の突起のそれと異なる突起を含むことを
    特徴とする小孔形成具。
  7. 【請求項7】請求項5又は6記載の小孔形成具におい
    て、突起の外径が他の突起のそれと異なる突起を含むこ
    とを特徴とする小孔形成具。
  8. 【請求項8】請求項5、6又は7記載の小孔形成具であ
    って、突起の突出量が他の突起のそれと異なる突起を含
    むことを特徴とする小孔形成具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008200623A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 East Japan Railway Co 表面処理方法
JP2010265734A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Goei Seisakusho:Kk 打ち放コンクリート仕上面の再補修工法
CN104499669A (zh) * 2015-01-03 2015-04-08 王旭东 一种彩色墙面污迹油漆修补方法
JP7082849B1 (ja) * 2022-03-09 2022-06-09 株式会社満天 外壁の補修方法

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