JP2000001367A - 圧電磁器組成物及びその製造方法 - Google Patents

圧電磁器組成物及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000001367A
JP2000001367A JP16662198A JP16662198A JP2000001367A JP 2000001367 A JP2000001367 A JP 2000001367A JP 16662198 A JP16662198 A JP 16662198A JP 16662198 A JP16662198 A JP 16662198A JP 2000001367 A JP2000001367 A JP 2000001367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
piezoelectric ceramic
ceramic composition
composition according
main component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16662198A
Other languages
English (en)
Inventor
Rui Nakao
類 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP16662198A priority Critical patent/JP2000001367A/ja
Publication of JP2000001367A publication Critical patent/JP2000001367A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタや発振子などの共振子に用いる圧電
磁器組成物に係わり、共振させる周波数に応じた結晶粒
径の焼結体を、また広い周波数範囲の共振子に使用でき
る圧電磁器組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 (化1)を主成分とし、この主成分1モ
ルの重量を100重量%とし、この主成分100重量%
に対して、副成分としてZrO2を5.0重量%以下
(0重量%を除く)、かつMnO2を0.05〜2.0
重量%の組成となるように調整した原料粉を混合、仮焼
した後、粉砕時に主成分100重量%に対してNb25
を0.05〜2.5重量%、CuOを0〜2.5重量%
添加し、酸素分圧80%以上の雰囲気中で焼成する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルタや発振子な
どの共振子に用いられる圧電磁器組成物及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子部品の小型化、高性能化の要
求は高く、そこで使われる電子部品用材料に対しても小
型化、高品質化の厳しい要求基準が掲げられる。高周波
発振子で用いられる圧電磁器組成物については、従来よ
り小型化に有利な3倍波共振が適用できるPbTiO3
系材料でPbの一部をLaで置換したチタン酸鉛や、さ
らに添加物を加えた材料系が主に使われてきた。特開昭
57−47768号公報、特開昭57−47769号公
報などによれば、温度特性改善のための各種添加物を加
えた材料系が提案、使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】圧電磁器組成物の焼結
体の結晶粒径は、共振のダイナミックレンジに大きな影
響を及ぼす。結晶粒径を小さくすることにより、周波数
での共振のダイナミックレンジをより大きくすることが
できる。しかし、従来の組成では焼結性に問題があり結
晶粒径が小さすぎ不揃いになる傾向があった。そのため
特に20MHz以下の発振子に用いた場合、厚み縦振動
の3倍波共振と同時に5倍波共振のダイナミックレンジ
も大きくなり、不必要な5倍波共振で発振してしまうと
いう問題点を有していた。さらに従来の組成では焼結反
応の均一性に問題があり、すべり振動の基本波における
共振周波数の温度特性が悪く、すべり振動の基本波共振
を用いた発振子への展開が出来ないという問題点も有し
ていた。
【0004】そこで本発明は上記従来の問題点を解決す
るもので、厚み縦振動の3倍波共振とすべり振動の基本
波共振との両方に利用でき、広い周波数範囲での共振子
に使用できる圧電磁器組成物を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、(化3)を主成分とし、副成分としてNb
25とMnO2を含有したものであり、焼結性と焼結反
応の均一性が向上し、使用する周波数に適した結晶粒径
の焼結体を得ることができ、厚み縦振動において発振周
波数が3倍共振から5倍共振へ移ることがなく、すべり
振動においては基本波の共振周波数の温度特性が良好な
高信頼性の共振子に適した圧電磁器組成物を得ることが
できるものである。
【0006】
【化3】
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、(化3)を主成分とし、副成分としてNb 25とM
nO2を含有したことを特徴とする圧電磁器組成物であ
り、焼結性の高いものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、Pbの25原子
%以下をCa,Sr,Baのうち少なくとも一種以上で
置換したことを特徴とする請求項1に記載の圧電磁器組
成物であり、焼結性を高めるという作用を有する。
【0009】請求項3に記載の発明は、主成分1モルの
重量を100重量%としたとき、Nb25の含有量は、
0.05〜2.5重量%、MnO2の含有量は0.05
〜2.0重量%であることを特徴とする請求項1あるい
は請求項2に記載の圧電磁器組成物であり、焼結性に優
れ、厚み縦振動において発振周波数が3倍共振から5倍
共振へ移ることなく、すべり振動においては基本波の共
振周波数の温度特性を良好にすることができるという作
用を有する。
【0010】請求項4に記載の発明は、副成分としてさ
らに、ZrO2を含有したことを特徴とする請求項1か
ら請求項3のいずれか一つに記載の圧電磁器組成物であ
り、焼結体の結晶粒径を制御できるという作用を有す
る。
【0011】請求項5に記載の発明は、ZrO2の含有
量は、主成分1モルの重量を100重量%としたとき
0.5重量%以下(0重量%を除く)であることを特徴
とする請求項4に記載の圧電磁器組成物であり、焼結体
の結晶粒径を1〜3μmの間で任意の大きさに制御する
ことができるという作用を有する。
【0012】請求項6に記載の発明は、副成分としてさ
らに、CuOを含有したことを特徴とする請求項1から
請求項5のいずれか一つに記載の圧電磁器組成物であ
り、焼結性を高めるという作用を有する。
【0013】請求項7に記載の発明は、CuOの含有量
は、主成分1モルの重量を100重量%としたとき2.
5重量%以下(0重量%を除く)であることを特徴とす
る請求項6に記載の圧電磁器組成物であり、焼結性を高
めるという作用を有する。
【0014】請求項8に記載の発明は、主成分が(化
3)の組成となるような原料粉末と、副成分としてMn
化合物の原料粉末とを混合した混合物を仮焼する第1の
工程と、次にこの仮焼粉に副成分としてNb化合物の原
料粉末を混合した後再度仮焼する第2の工程と、次にこ
の仮焼粉を成形して成形体を得る第3の工程と、次にこ
の成形体を焼成する第4の工程を備えた圧電磁器組成物
の製造方法であり、焼結性向上の効果を高めるという作
用を有する。
【0015】請求項9に記載の発明は、第1の工程にお
いて、Mn化合物の添加量は、MnO2に換算し、主成
分1モルの重量を100重量%としたとき、0.05〜
2.0重量%、第3の工程においてNb化合物の添加量
は、Nb25に換算し、主成分1モルの重量を100重
量%としたとき、0.05〜2.5重量%であることを
特徴とする請求項8に記載の圧電磁器組成物の製造方法
であり、焼結性に優れ、厚み縦振動において発振周波数
が3倍共振から5倍共振へ移ることなく、すべり振動に
おいては基本波の共振周波数の温度特性を良好にするこ
とができるという作用を有する。
【0016】請求項10に記載の発明は、第1の工程に
おいて副成分としてZrの化合物の原料粉末を添加する
ことを特徴とする請求項8あるいは請求項9に記載の圧
電磁器組成物の製造方法であり、焼結体の結晶粒径を制
御できるという作用を有する。
【0017】請求項11に記載の発明は、Zrの化合物
の添加量はZrO2に換算し、主成分1モルの重量を1
00重量%としたとき、5.0重量%以下(0重量%を
除く)であることを特徴とする請求項10に記載の圧電
磁器組成物の製造方法であり、焼結体の結晶粒径を1〜
3μmの間で任意の大きさに制御することができるとい
う作用を有する。
【0018】請求項12に記載の発明は、第2の工程に
おいて副成分としてCuの化合物の原料粉末を添加する
ことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか一
つに記載の圧電磁器組成物の製造方法であり、焼結性を
高めるという作用を有する。
【0019】請求項13に記載の発明は、Cuの化合物
の添加量はCuOに換算し、主成分1モルの重量を10
0重量%としたとき、2.5重量%以下(0重量%を除
く)であることを特徴とする請求項12に記載の圧電磁
器組成物の製造方法であり、焼結性を高めるという作用
を有する。
【0020】請求項14に記載の発明は、第1の工程に
おいて、原料粉末の平均粒径が3μm以下のものを用い
ることを特徴とする請求項8から請求項13のいずれか
一つに記載の圧電磁器組成物の製造方法であり、均一な
焼結反応を起こすことができるという作用を有する。
【0021】請求項15に記載の発明は、第1の工程に
おいて、La,Nd,Pr,Ce,Smの化合物として
水酸化物を用いることを特徴とする請求項8から請求項
14のいずれか一つに記載の圧電磁器組成物の製造方法
であり、吸水性が低く環境変化に対して安定した原料粉
末を用いることで、均一な焼結反応を起こすことができ
るという作用を有する。
【0022】請求項16に記載の発明は、第4の工程に
おいて、酸素分圧80%以上の雰囲気中で焼成すること
を特徴とする請求項8から請求項15のいずれか一つに
記載の圧電磁器組成物の製造方法であり、欠陥生成を抑
制することで緻密な焼結体を得ることができるという作
用を有する。
【0023】以下、本発明の一実施の形態について説明
する。 (実施の形態1)まず化学的に純度99%以上で平均粒
径が3μm以下のPbO,TiO2,La(OH)3,N
d(OH)3,Pr(OH)3,MnO2,ZrO2,Ca
CO3,SrCO3を用いて、(化4)においてPbの2
5原子%以下をCa,Srの内少なくとも一種以上で置
換したものが主成分となるように、またこの主成分1モ
ルの重量を100重量%とし、副成分として主成分10
0重量%に対して、MnO2を0.05〜1.0重量
%、ZrO2を0〜5.0重量(0重量%を除く)を添
加して、ボールミルで混合し、混合粉末を得た。
【0024】
【化4】
【0025】次に、混合粉末粉を950℃で仮焼して第
一仮焼粉を得た後、この第一仮焼粉に化学的に純度99
%以上で平均粒径3μm以下のNb25を主成分100
重量%に対して、0.05〜2.5重量%の範囲内で添
加しボールミルで粉砕し、第一粉砕粉を得た。この第一
粉砕粉を800℃で仮焼し、第二仮焼粉を得た後、この
第二仮焼粉をボールミルで粉砕し第二粉砕粉を得た。次
にこの第二粉砕粉を1000kg/cm2の圧力で成形
して成形体を得た後、この成形体を酸素分圧80%以上
の雰囲気中で1000〜1300℃の温度で焼成し焼結
体を得た。
【0026】得られた焼結体を縦横20mm、厚さ5m
mの角板に加工し、両面に銀電極を形成した。これを1
00℃のシリコンオイル中で、5kV/mm、30分の
条件で分極処理した。この後電極を形成した焼結体を1
0MHzにおいてすべり基本振動するための最適厚みに
分極方向と同一方向に切断し、重なり幅1mmの重なり
電極を形成した後、幅1mmに切断した。分極後24〜
36時間経てから、すべり基本振動のダイナミックレン
ジと共振周波数の温度特性について測定を行った。その
結果、ダイナミックレンジが十分大きく、温度特性が−
20〜80℃の範囲で±0.5%以内に収まり、高信頼
性のすべり振動の基本波共振子を実現していることを確
認した。次に焼結体を電子顕微鏡にて観察し、結晶粒度
と欠陥の状態を観察した。平均粒径は1〜3μm程度の
粒度の揃った均一な状態で欠陥の少ない緻密な焼結体で
あることを確認した。
【0027】本実施の形態で示したように主成分原料に
La,Nd,Prを用いることで、すべり振動の共振周
波数の温度特性がより優れ、La,Nd,Prの含有量
xを0.05≦x≦0.20の範囲内にすると、高いキ
ュリー点となり、耐熱性と温度特性の優れた高い信頼性
の共振子を実現できる。さらに、MnO2の添加量が主
成分100重量%に対し、0.05〜1.0重量%では
すべり振動の基本波共振子に適したQm値を得ることが
できる。また第一仮焼粉にNb25を添加することで、
最初の原料混合時に添加するよりも効果的に粒子成長を
抑制し、抵抗値を下げることなく焼結性を高め、緻密な
焼結体を得ることができる。
【0028】なお、(化3)で示される主成分の原料が
Pb化合物と、Ti化合物と、La,Nd,Pr,C
e,Smのうち少なくとも一種以上の化合物であっても
良く、La,Nd,Pr,Ce,Smのうち少なくとも
一種以上の含有量は0.01≦x≦0.40の範囲にお
いて有効である。更にPbの25原子%以下をCa,S
r,Baのうち少なくとも一種以上で置換しても有効で
ある。その場合は化学的に純度99%以上で平均粒径3
μm以下のCaCO3,SrCO3,BaCCO3を出発
原料として用いることが好ましい。さらに第一仮焼粉に
化学的に純度99%以上で平均粒径3μm以下のNb2
5とCuOとを主成分1モルの重量を100重量%と
した時、それぞれ0.05〜2.5重量%、0〜2.5
重量%(0重量%を除く)添加しても同様の効果を得る
ことができる。
【0029】また、La,Nd,Pr,Ce,Smの含
有量xが0.01より少ないと焼結性が悪く、0.40
より多いと焼結体の緻密性が低下し、すべり振動の基本
波共振にスプリアスが生じる。次にNb25の添加量が
主成分1モルの重量を100重量%としたとき、0.0
5重量%より少ない場合は焼結性が悪く、Nb25とC
uOのそれぞれの添加量が主成分1モルの重量を100
重量%としたとき、2.5重量%を超えると上記主成分
に固溶しきれず析出するため、焼結体の緻密性が劣化し
共振しなくなる。さらにMnO2の添加量が主成分1モ
ルの重量を100重量%としたとき、0.05重量%よ
り少ない場合は焼結性が悪く、すべり振動の基本波共振
のダイナミックレンジが小さくなり、2.0重量%を超
えると焼結体の緻密性が低下し共振しなくなる。ZrO
2の添加量が主成分1モルの重量を100重量%とした
とき、0.5重量%を超えると結晶粒径の粒成長が進
み、すべり振動の基本波共振が劣化するため好ましくな
い。次に、副成分Nb25を最初の原料混合時に添加す
ると、仮焼の際に主成分と反応してしまうために、焼結
時に液相が結晶粒界に存在し難くなり、焼結性向上の効
果が薄れてしまう。さらに、原料粉末の粒径が3μmよ
り大きいと焼結反応が不均一となり、結晶粒径にばらつ
きが生じ、すべり振動の基本波における共振周波数の温
度特性が大きくなるため好ましくない。また原料粉末の
粒径が1μm以下のものを用いると、すべり振動の基本
波における共振周波数の温度特性が−20〜80℃の範
囲で±0.3%以内に収まり信頼性が高く好ましい。さ
らに、La,Nd,Pr,Ce,Smの化合物として酸
化物を使うと、原料粉末の吸水性が高く環境変化に対し
て不安定な副成分を用いることとなり、均一な焼結反応
を起こすのに問題が残る。また焼成工程においては、酸
素分圧が80%より低い場合は密度も低く、焼結体内部
に気孔や欠陥を有し共振特性のばらつきを発生する原因
を内在している状態となり信頼性に欠ける。
【0030】なお、上記実施の形態ではすべり振動の基
本波での効果を述べたが、上記圧電磁器組成物の組成と
製造方法については、本発明の領域のすべてにおいて厚
み縦振動の3倍共振子でも有効である。
【0031】(実施の形態2)原料として化学的に純度
99%以上で平均粒径が3μm以下のPbO,Ti
2,La(OH)3,Nd(OH)3,Pr(OH)3
Ce(OH)3,Sm(OH)3,MnO2,ZrO2を準
備する。
【0032】まず化学的に純度99%以上で平均粒径が
3μm以下のPbO,TiO2,La(OH)3,Nd
(OH)3,Pr(OH)3,Ce(OH)3,Sm(O
H)3,MnO2,ZrO2,CaCO3,SrCO3,B
aCO3を用いて、(化5)においてPbの25原子%
以下をCa,Sr,Baの内少なくとも一種以上で置換
したものが主成分となるように、またこの主成分1モル
の重量を100重量%とし、副成分として100重量%
に対して、MnO2を0.05〜1.0重量%、ZrO2
を0〜5.0重量%(0重量%を除く)を添加して、ボ
ールミルで混合し、混合粉末を得た。
【0033】
【化5】
【0034】次に、混合粉末粉を950℃で仮焼して第
一仮焼粉を得た後、この第一仮焼粉に化学的に純度99
%以上で平均粒径3μm以下のNb25とCuOとを主
成分100重量%に対してそれぞれ0.05〜2.5重
量%の範囲内で添加し、ボールミルで粉砕し第一粉砕粉
を得た。この第一粉砕粉を1000kg/cm2の圧力
で成形して成形体を得た後、この成形体を酸素分圧80
%以上の雰囲気中で1000〜1300℃の温度で焼成
し焼結体を得た。
【0035】得られた焼結体を直径15mm、厚さ0.
5mmの円板に加工し、両面に銀電極を形成した。これ
を120℃のシリコンオイル中で、9kV/mm、30
分の条件で分極処理を行った。この後電極を形成した焼
結体を、20MHzにおいて3倍共振するための最適厚
みに両面研磨し、直径1〜2mmの閉じ込め電極を円板
中央部に形成し、厚み縦振動の3倍共振と5倍共振で各
々のダイナミックレンジを分極後24〜36時間を経て
から測定した。その結果、厚み縦振動の3倍共振時のダ
イナミックレンジが大きく5倍共振時のダイナミックレ
ンジが抑制された状態であり、発振周波数が3倍共振か
ら5倍共振へ移ることのない高信頼性の共振子を実現し
ていることを確認した。
【0036】本実施の形態で示したように主成分原料に
La,Nd,Pr,Ce,Smを用いることで、厚み縦
振動の3倍共振特性がより優れ、La,Nd,Pr,C
e,Smの含有量xを0.05≦x≦0.20の範囲内
にすると、厚み縦振動の3倍共振のダイナミックレンジ
を十分に大きく、5倍共振のダイナミックレンジを十分
に抑制することができ、高い信頼性の共振子を実現でき
る。さらに、MnO2の添加量が主成分100重量%に
対し、0.05〜1.0重量%では厚み縦振動の3倍共
振子に適したQm値を得ることができる。また第一仮焼
粉にNb25とCuOを添加することで、最初の原料混
合時に添加するよりも効果的に粒子成長を抑制し、抵抗
値を下げることなく焼結性を高め、緻密な焼結体を得る
ことができる。
【0037】なお、(化3)で示される主成分の原料が
Pb化合物と、Ti化合物と、La,Nd,Pr,C
e,Smのうち少なくとも一種以上の化合物であっても
良く、La,Nd,Pr,Ce,Smのうち少なくとも
一種以上の含有量は0.01≦x≦0.40の範囲にお
いて有効である。更にPbの25原子%以下をCa,S
r,Baのうち少なくとも一種以上で置換しても有効で
ある。その場合は化学的に純度99%以上で平均粒径3
μm以下のCaCO3,SrCO3,BaCCO3を出発
原料として用いることが好ましい。さらに第一仮焼粉に
化学的に純度99%以上で平均粒径3μm以下のNb2
5とCuOとを主成分1モルの重量を100重量%と
した時、それぞれ0.05〜2.5重量%、0〜2.5
重量%(0重量%を除く)添加しても同様の効果を得る
ことができる。
【0038】またLa,Nd,Pr,Ce,Smの含有
量xが0.01より少ないと焼結性が悪く、0.40よ
り多いと焼結体の緻密性が低下し、厚み縦振動の3倍共
振のダイナミックレンジが得られない。次にNb25
添加量が主成分1モルの重量を100重量%としたと
き、0.05重量%より少ない場合は焼結性が悪く、N
25とCuOのそれぞれの添加量が主成分1モルの重
量を100重量%としたとき、2.5重量%を超えると
上記主成分に固溶しきれず析出するため、焼結体の緻密
性が劣化し共振しなくなる。さらにMnO2の添加量が
主成分1モルの重量を100重量%としたとき、0.0
5重量%より少ない場合は焼結性が悪く、厚み縦振動の
3倍共振、5倍共振ともにダイナミックレンジが小さく
なり、2.0重量%を超えると焼結体の緻密性が低下し
共振しなくなる。ZrO2の添加量が主成分1モルの重
量を100重量%としたとき、0.5重量%を超えると
結晶粒径の粒成長が進み、厚み縦振動の3倍、5倍共振
ともにダイナミックレンジが劣化するため好ましくな
い。次に、副成分Nb25とCuOとを最初の原料混合
時に添加すると、仮焼の際に主成分と反応してしまうた
めに、焼結時に液相が結晶粒界に存在し難くなり、焼結
性向上の効果が薄れてしまう。さらに、原料粉末の粒径
が3μmより大きいと焼結反応が不均一となり、結晶粒
径にばらつきが生じ、厚み縦振動の3倍共振にスプリア
スが発生するため好ましくない。また原料粉末の粒径が
1μm以下のものを用いると緻密性が高まり、厚み縦振
動の3倍共振のダイナミックレンジが十分大きくなり好
ましい。さらに、La,Nd,Pr,Ce,Smの化合
物として酸化物を使うと、原料粉末の吸水性が高く環境
変化に対して不安定な副成分を用いることとなり、均一
な焼結反応を起こすのに問題が残る。焼成工程において
は、酸素分圧が80%より低い場合は密度も低く、焼結
体内部に気孔や欠陥を有し共振特性のばらつきを発生す
る原因を内在している状態となり信頼性に欠ける。
【0039】なお、上記実施の形態では厚み縦振動の3
倍共振の効果を述べたが、上記圧電磁器組成物の組成と
製造方法については、本発明の領域のすべてにおいてす
べり振動の基本共振子でも有効である。
【0040】
【発明の効果】以上本発明によると、焼結性と焼結反応
の均一性が向上し、使用する周波数に適した結晶粒径の
焼結体を得ることができ、厚み縦振動において発振周波
数が3倍共振から5倍共振へ移ることがなく、すべり振
動においては基本波の共振周波数の温度特性が良好な高
信頼性の共振子に適した圧電磁器組成物を得ることがで
きるものである。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (化1)を主成分とし、副成分としてN
    25とMnO2を含有したことを特徴とする圧電磁器
    組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 Pbの25原子%以下をCa,Sr,B
    aのうち少なくとも一種以上で置換したことを特徴とす
    る請求項1に記載の圧電磁器組成物。
  3. 【請求項3】 主成分1モルの重量を100重量%とし
    たとき、Nb25の含有量は、0.05〜2.5重量
    %、MnO2の含有量は0.05〜2.0重量%である
    ことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の圧
    電磁器組成物。
  4. 【請求項4】 副成分としてさらに、ZrO2を含有し
    たことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一
    つに記載の圧電磁器組成物。
  5. 【請求項5】 ZrO2の含有量は、主成分1モルの重
    量を100重量%としたとき0.5重量%以下(0重量
    %を除く)であることを特徴とする請求項4に記載の圧
    電磁器組成物。
  6. 【請求項6】 副成分としてさらに、CuOを含有した
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つ
    に記載の圧電磁器組成物。
  7. 【請求項7】 CuOの含有量は、主成分1モルの重量
    を100重量%としたとき2.5重量%以下(0重量%
    を除く)であることを特徴とする請求項6に記載の圧電
    磁器組成物。
  8. 【請求項8】 主成分が(化2)の組成となるような原
    料粉末と、副成分としてMn化合物の原料粉末とを混合
    した混合物を仮焼する第1の工程と、次にこの仮焼粉に
    副成分としてNb化合物の原料粉末を混合した後再度仮
    焼する第2の工程と、次にこの仮焼粉を成形して成形体
    を得る第3の工程と、次にこの成形体を焼成する第4の
    工程を備えた圧電磁器組成物の製造方法。 【化2】
  9. 【請求項9】 第1の工程において、Mn化合物の添加
    量は、MnO2に換算し、主成分1モルの重量を100
    重量%としたとき、0.05〜2.0重量%、第3の工
    程においてNb化合物の添加量は、Nb25に換算し、
    主成分1モルの重量を100重量%としたとき、0.0
    5〜2.5重量%であることを特徴とする請求項8に記
    載の圧電磁器組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 第1の工程において副成分としてZr
    の化合物の原料粉末を添加することを特徴とする請求項
    8あるいは請求項9に記載の圧電磁器組成物の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 Zrの化合物の添加量はZrO2に換
    算し、主成分1モルの重量を100重量%としたとき、
    5.0重量%以下(0重量%を除く)であることを特徴
    とする請求項10に記載の圧電磁器組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 第2の工程において副成分としてCu
    の化合物の原料粉末を添加することを特徴とする請求項
    8から請求項11のいずれか一つに記載の圧電磁器組成
    物の製造方法。
  13. 【請求項13】 Cuの化合物の添加量はCuOに換算
    し、主成分1モルの重量を100重量%としたとき、
    2.5重量%以下(0重量%を除く)であることを特徴
    とする請求項12に記載の圧電磁器組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】 第1の工程において、原料粉末の平均
    粒径が3μm以下のものを用いることを特徴とする請求
    項8から請求項13のいずれか一つに記載の圧電磁器組
    成物の製造方法。
  15. 【請求項15】 第1の工程において、La,Nd,P
    r,Ce,Smの化合物として水酸化物を用いることを
    特徴とする請求項8から請求項14のいずれか一つに記
    載の圧電磁器組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】 第4の工程において、酸素分圧80%
    以上の雰囲気中で焼成することを特徴とする請求項8か
    ら請求項15のいずれか一つに記載の圧電磁器組成物の
    製造方法。
JP16662198A 1998-06-15 1998-06-15 圧電磁器組成物及びその製造方法 Pending JP2000001367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16662198A JP2000001367A (ja) 1998-06-15 1998-06-15 圧電磁器組成物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16662198A JP2000001367A (ja) 1998-06-15 1998-06-15 圧電磁器組成物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000001367A true JP2000001367A (ja) 2000-01-07

Family

ID=15834696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16662198A Pending JP2000001367A (ja) 1998-06-15 1998-06-15 圧電磁器組成物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000001367A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005029412A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電磁器組成物
US7839060B2 (en) 2007-10-18 2010-11-23 Tdk Corporation Piezoelectric ceramic composition and oscillator
US8212457B2 (en) 2010-03-23 2012-07-03 Tdk Corporation Piezoelectric ceramic composition, piezoelectric element, and resonator

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005029412A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電磁器組成物
US7839060B2 (en) 2007-10-18 2010-11-23 Tdk Corporation Piezoelectric ceramic composition and oscillator
US8212457B2 (en) 2010-03-23 2012-07-03 Tdk Corporation Piezoelectric ceramic composition, piezoelectric element, and resonator

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1032057B1 (en) Alkali metal-containing niobate-based piezoelectric material composition and a method for producing the same
JP3482394B2 (ja) 圧電磁器組成物
KR100282598B1 (ko) 압전 세라믹 조성물
KR20010050207A (ko) 압전 세라믹 조성물 및 그 조성물을 사용하는 압전 세라믹소자
JP4493226B2 (ja) 圧電磁器および圧電素子
JP4544712B2 (ja) 圧電磁器および圧電素子
JP2000001367A (ja) 圧電磁器組成物及びその製造方法
JPH0812424A (ja) 圧電磁器組成物とその製造方法
JP4449331B2 (ja) 圧電磁器およびそれを用いた圧電磁器素子
JP4432280B2 (ja) 圧電磁器
JP3125624B2 (ja) 圧電磁器
JP2000313662A (ja) 磁器組成物
JP3419679B2 (ja) 圧電セラミックス
JP2000178068A (ja) 圧電磁器組成物
JP2001199763A (ja) 誘電体磁器組成物
JP4355115B2 (ja) 圧電磁器および圧電素子
JPH08301653A (ja) 圧電磁器組成物及びその製造方法
JP4092542B2 (ja) 圧電体磁器組成物、及びそれを用いた圧電素子
JP4467168B2 (ja) 圧電磁器および圧電素子
KR910007119B1 (ko) 산화물 압전재료 및 그 제조방법
JPH0826824A (ja) 圧電磁器組成物およびその製造方法
JPH10291855A (ja) 圧電磁器組成物及びその製造方法
JPH07206517A (ja) 圧電磁器組成物及びその製造方法
JP2932297B2 (ja) 強誘電体磁器組成物
JPH08301654A (ja) 圧電磁器組成物及びその製造方法