JP4092542B2 - 圧電体磁器組成物、及びそれを用いた圧電素子 - Google Patents

圧電体磁器組成物、及びそれを用いた圧電素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電体磁器組成物、及び圧電素子に関し、特に圧電発振子等の圧電素子に使用される圧電体磁器組成物、及び該圧電体磁器組成物を使用して製造される圧電発振子等の圧電素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電発振子等の圧電素子には、従来より、Pb(Ti,Zr)O(チタン酸ジルコン酸鉛)やPbTiO(チタン酸鉛)を主成分とした圧電体磁器が広く使用されている。
【0003】
そして、今日では、圧電素子の高性能化が要請されてきており、このため製造コストの低廉化と共に、圧電体の電極間に加えられた電気エネルギの機械的エネルギへの変換効率を示す電気機械結合係数Kを高く維持することが要求されてきている。
【0004】
そこで、このような観点から、ガラス材としての2PbO・WOを磁器組成物に1wt%〜10wt%添加した技術が提案されている(特開平1−148744号公報;以下「第1の従来技術」という)。
【0005】
該第1の従来技術では、2PbO・WOガラス成分が、低温焼結作用及び電気機械結合係数Kの低下抑制作用を有することから、例えば、(Pb0.85La0.1)TiO+0.5wt%MnOで示される磁器組成物に2PbO・WOのガラス粉粒体を1wt%〜10wt%添加し、これにより電気機械結合係数Kの低下を抑制しつつ、1050℃以下の低温での焼結を可能にしている。
【0006】
また、高温環境下での使用を可能とするためには強誘電体が常誘電相に転移するキュリー点が高いことが要求され、高周波領域での使用に適合させるためには誘電率が低いことが必要とされることから、チタン酸鉛を主成分とし、副成分としてマンガン化合物、タングステン化合物を含有し、ケイ素化合物を添加させた技術も提案されている(特開2001−80956号公報;以下、「第2の従来技術」という)。
【0007】
該第2の従来技術では、キュリー点が高く誘電率が低いという長所を有するPbTiO(チタン酸鉛)を主成分とし、一般式(Pb(1−1.5x))TiO+Pb(Mn(1−y))O+SiO(MはLa、Nd、Ceのうちの少なくとも1種)で示される磁気組成物をセラミック素体として使用することにより、高温環境下で高周波領域の使用にも適合した圧電発振子を得ている。
【0008】
しかも、該第2の従来技術では、磁気組成物にケイ素化合物を添加しているので、Pb−W系からなるガラス相が焼結体中に偏析するのを防止することができ、これにより圧電素子間での電気的特性がばらついたり機械的強度が低下するのを防止することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の従来技術では、磁器組成物に2PbO・WOからなるガラス材を1wt%〜10wt%添加することにより製造コストの低廉化と電気機械結合係数Kの低下抑制を図っているものの、焼成段階で形成されたPb−W系ガラス相(凝集塊)が結晶体中に粒界偏析してしまうおそれがある。そして、Pb−W系ガラス相の偏析が生じると、製品化された圧電素子間での電気特性にバラツキが生じたり、機械的強度の低下を招来するという問題点があった。
【0010】
また、上記第2の従来技術では、ケイ素化合物を磁器組成物に添加することによりPb−W系ガラス相の偏析を防止することができる一方で、Pb−W系ガラス相の偏析がないため、結晶粒界に生じた気孔が埋められることなく残存するおそれがある。このため焼結体の緻密性が低下し、共振周波数が温度によって変化してしまうという問題点があった。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、共振周波数の温度特性や発振特性等の圧電特性に優れた圧電素子を製造することのできる圧電体磁器組成物、及びそれを用いた圧電素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
圧電発振子等の圧電素子における共振周波数の温度特性や発振特性の低下の原因は、セラミック素体である磁組成物の緻密性が低いためと考えられるが、緻密な磁組成物を得るためにはPb−W系のガラス質を主成分とするガラス相を結晶体に或る程度偏析させ、これにより結晶粒界に残存する気孔を埋めることが効果的であると考えられる。
【0013】
そこで、本発明者らは斯かる観点から鋭意研究を進めたところ、Pb−W系ガラス相を形成する第1のガラス材以外の第2のガラス材を磁器組成物に添加することにより、結晶体中のガラス相の偏析状態を制御することができるという知見を得た。具体的には、第1のガラス材以外に0.015wt%〜0.040wt%の第2のガラス材を添加させることにより、焼成過程において第2のガラス材は第1のガラス材と共に結晶粒界或いは結晶粒子の三重点に凝集してガラス相を形成し、これにより粒径2μm〜40μmのPb−W系ガラス成分を主成分とするガラス相が結晶体中に均一に分散した形態で粒界偏析し、結晶粒界に生じた気孔を前記ガラス相で埋めることができるという知見を得た。
一方、圧電素子を高周波領域での使用に適合させるためには、該圧電素子を研磨処理して薄肉化する必要があり、そのためには研磨処理中に割れやクラック等が生じないように良好な機械的強度を確保する必要がある。したがって、第2のガラス材としては、偏析状態を制御する作用を有する他、良好な機械的強度を有する材料を使用する必要である。このような観点から、第2のガラス材としては少なくともSiOを含有したガラス材を使用するのが望ましい。
【0014】
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る圧電体磁器組成物は、鉛−タングステン系ガラス相を形成する第1のガラス材が圧電性セラミックス材料に添加された圧電体磁器組成物において、前記第1のガラス材以外の少なくともSiOを含有した第2のガラス材が、重量%で、0.015%〜0.040%添加され、前記第2のガラス材は、前記第1のガラス材と共に結晶粒界又は結晶粒子の三重点に存在してガラス相を形成すると共に、該ガラス相は粒径2μm〜40μmの粒子からなり、前記結晶粒界に生じた気孔が前記ガラス相で埋められていることを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、第1のガラス材以外に少なくともSiOを含有した第2のガラス材が0.015%〜0.040%添加され、前記第2のガラス材は、前記第1のガラス材と共に結晶粒界又は結晶粒子の三重点に存在してガラス相を形成すると共に、該ガラス相は粒径2μm〜40μmの粒子からなり、前記結晶粒界に生じた気孔が前記ガラス相で埋められているので、Pb−W系ガラス成分を主成分とするガラス相は結晶体中に均一に分散した形態で粒界偏析されて結晶粒界の気孔が埋められ、これにより機械的強度が良好でかつ電気的特性にバラツキが生じることなく緻密化された圧電体磁器組成物を得ることが可能となる。
【0016】
また、圧電性セラミックス材料としては、Pb(Ti,Zr)OやPbTiO更にはBaTiO等各種存在するが、この内、PbTiOを主成分とするセラミックス材料は、キュリー点が高く誘電率を低く抑えることができるため、高温環境下や高周波領域での使用に好適した圧電素子を得ることが可能である。そして、本発明者らの鋭意研究により、PbTiOに含有されるPb成分の一部をLa(ランタン)、又はLa及びNd(ネオジム)で置換することにより、圧電素子の発振特性を向上させることのできることが判明した。
【0017】
そこで、本発明の圧電体磁器組成物は、前記圧電性セラミック材料が、PbTiOを主成分とし、Pb成分の一部がLa、又はLa及びNdで置換されていることを特徴としている。
【0022】
また、本発明の圧電体磁器組成物は、一般式PbyTiO+αMnO+βWO+γNuv(MはLa、又はLa/Nd、Nuvは前記第2のガラス材の酸化物組成を示す)で表わされ、上記第2のガラス材の添加重量γが、重量%で、0.015≦γ≦0.040に設定されると共に、Pb成分の含有モル量x、Mの含有モル量yが、夫々0.790≦x≦0.910、0.060≦y≦0.135(但し、x=1−(1.5y+z)であって且つ0.000≦z≦0.070)に設定され、かつ、上記MnOの添加モル量α、及びWOの添加モル量βが、夫々0.010≦α≦0.032、0.007≦β≦0.020(但し、0.500≦α/β≦4.000)に設定されていることを特徴としている。
【0023】
焼成中でのPb成分の蒸発防止や製品コストの低廉化等を考慮すると焼成温度を極力低く抑えるのが望ましく、斯かる観点からはW酸化物を添加するのが好ましい。そして、本発明者らは所望の圧電特性を得るべく更に鋭意研究を進めた結果、Pb成分の含有モル量x、M成分の含有モル量y、MnOの添加モル量α、及びWOの添加モル量βの最適範囲を見出した。すなわち、上記含有モル量x、y、及び添加モル量α、βを上述した範囲に設定することにより、周波数温度特性や発振特性その他の圧電特性に優れた圧電体磁器組成物を得ることが可能となる。
【0024】
また、上記一般式でM成分として(La/Nd)を使用した場合は、周波数温度特性や発振特性の低下を回避する必要性からLa/Nd≧1.0に設定するのが好ましい。
【0025】
したがって、本発明の圧電体磁組成物は、上記一般式においてNd成分に対するLa成分のモル比La/Ndが、La/Nd≧1.0に設定されていることを特徴としている。
【0026】
また、本発明に係る圧電素子は、上述した圧電体磁器組成物でセラミック素体が形成されていることを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、セラミック素体が上記圧電体磁器組成物で形成されているので、機械的強度に優れ、かつ発振特性や共振周波数の温度特性の優れた圧電素子を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施の形態として圧電発振子用の圧電体磁器組成物について説明する。
【0029】
本実施の形態に係る圧電体磁器組成物は、一般式(1)で表わされる。
【0030】
PbxLayTiO+αMnO+βWO+γNuv …(1)
ここで、NuvはPb−W系ガラス相を形成する第1のガラス材以外の第2のガラス材を形成する酸化物組成を示している。
【0031】
以下、上記圧電体磁器組成物の成分組成について説明する。
【0032】
圧電性セラミックス材料としては、上述したようにPb(Ti,Zr)OやPbTiO更にはBaTiO等各種存在するが、高温下でも安定した良好な圧電性を維持するためには、強誘電相から常誘電相に転移して圧電性の消失する臨界点、すなわちキュリー点が極力高いことが望ましく、また10MHz〜80MHzの高周波領域での使用に適合するためには誘電率の低いことが要求される。このため、本実施の形態では圧電性セラミックス材料の主成分としてPbTiOを使用している。
【0033】
また、この種の圧電発振子は、圧電体磁器組成物の厚み縦振動モードの3倍波が広く使用されており、良好な発振特性を得るためには3倍波位相角θの高いことが要求される。このため本実施の形態ではPbTiOにおけるPb成分の一部をLa成分で置換している。
【0034】
また、製造コストを低廉化すると共に、焼成過程でのPb成分の蒸発を阻止して磁器組成物の組成変動を防止するためには、可能な限り低温で焼成するのが好ましく、斯かる観点から本実施の形態では磁器組成物にWOを添加している。
【0035】
さらに、共振周波数の温度特性や発振特性等の電気的特性を向上させるためには、2PbO・WO等のPb−W系ガラス相を結晶体中に或る程度偏析させて焼結体の緻密化を図る必要があり、そのためにはW酸化物としてのWOを添加する必要がある。
【0036】
ところで、磁器組成物にWOのみを添加し、ガラス成分としてPb−W系のみが結晶中に存在するように磁器組成物を形成した場合は、大粒径のPb−W系ガラス成分が結晶体中に凝集塊となって偏析するため、電気的特性にバラツキが生じたり機械的強度の低下を招来する虞がある。一方、Pb−W系ガラス成分の偏析が結晶体中に全く形成されなくなると結晶粒界に気孔が残存して緻密な焼結体を得ることができず、その結果発振特性等の圧電特性の低下を招来する。
【0037】
このため本実施の形態では、上記第1のガラス材以外の第2のガラス材を磁器組成物に所定量添加し、これにより結晶体の偏析状態を制御し、焼結体を緻密化させている。
【0038】
すなわち、Pb−W系ガラス相を形成する第1のガラス材以外の第2のガラス材を磁気組成物に0.015wt%〜0.040wt%添加することにより、粒径2μm〜40μmのPb−W系ガラス成分を主成分とするガラス相が偏析粒子となって結晶体中に均一に分散し、これにより結晶粒界に形成される気孔を偏析粒子で埋めて磁気組成物の緻密化を図ることができる。
【0039】
前記第2のガラス材としては、上記Pb−W系ガラス成分を主成分とするガラス相の偏析状態を制御できるガラス材であれば可能であるが、機械的強度を考慮すると少なくともSiO を含有するのが望ましい。すなわち、50MHz以上の高周波領域で使用するためには焼成された磁器組成物を研磨して120μm程度まで薄肉化する必要があり、したがって研磨処理中での割れや破損、クラックを回避する必要がある。そして、研磨処理中での割れや破損、クラックを回避するためには抗折強度Pが200MPa以上の機械的強度が必要であり、そのためには第2のガラス材としてPb−Si系ガラス相を形成するSiO含有するのが望ましい。したがって、第2のガラス材としては、少なくともSiOを含み、必要に応じてPb−Bi系、Pb−Ge系、Pb−P系等の各ガラス相を形成するBi、GeO、Pを使用するのが好ましい。
【0040】
そして、本実施の形態では、上記一般式(1)において、第2のガラス材の添加重量γが、上述したように0.015≦γ≦0.045に設定される他、Pb成分及びM成分の含有モル量x、yは、夫々0.790≦x≦0.910、0.060≦y≦0.135に設定されている。しかも、含有モル量xと含有モル量yとは数式(2)の関係を満たすように決定される。
【0041】
x=1−(1.5y+z)…(2)
ここで、変数zは0≦z≦0.070に設定される。
【0042】
また、MnO及びWOの添加モル量α、βは、夫々0.010≦α≦0.032、0.007≦β≦0.020(但し、0.50≦α/β≦3.50)に設定される。
【0043】
以下、(1)上記含有モル量x、y、変数z、(2)添加モル量α、β、モル比α/β、及び(3)添加重量γを上述の範囲に設定した理由を述べる。
【0044】
(1)Pb成分の含有モル量x、La成分の含有モル量y、及び変数z
Pb成分は圧電体磁器組成物の主成分であるが、その含有モル量xが0.790mol未満になると磁器組成物中のPb成分が不足して圧電特性に優れた所望の緻密な磁器組成物を得ることができなくなる。一方、Pb成分の含有モル量yが0.910molを超えると焼結性が低下する。
【0045】
また、Pb成分の一部をLa成分で置換することにより、発振特性、すなわち厚み縦振動モードの3倍波位相角(以下、単に「3倍波位相角」という)θを向上させることができるが、La成分の含有モル量yが0.060mol未満の場合は含有量が少なすぎるため発振特性の向上に寄与することができず、一方、La成分の含有モル量yが0.135molを超えると温度変化率ηが大きくなって温度特性が悪化する。
【0046】
一方、Pb成分含有モル量x及びLa成分の含有モル量yを決定する際に、上記数式(2)における変数zが0.070を超えた場合は焼結性が低下して発振特性が悪化し、また変数zが0未満になると共振周波数の温度変化率(以下、単に「温度変化率」という)ηが大きくなって周波数温度特性の悪化を招来する。
【0047】
そこで、本実施の形態では、Pb成分の含有モル量xを0.790≦x≦0.910、好ましくは0.800≦x≦0.905に設定し、La成分の含有モル量yを0.060≦y≦0.135、好ましくは0.084≦y≦0.092に設定し、変数zを0≦z≦0.070、好ましくは0≦z≦0.060に設定した。
【0048】
(2)MnOの添加モル量α、WOの添加モル量β、及びモル比α/βMnOは発振特性を向上させる作用を有することから磁器組成物に添加されるが、MnOの添加モル量αが0.010mol未満の場合、又は0.032molを超えた場合は発振特性が低下する。
【0049】
そこで、本実施の形態では、MnOの添加モル量αを0.010≦α≦0.032、好ましくは0.010≦α≦0.024に設定した。
【0050】
WOはPbO等のPb酸化物と反応してPb−W系ガラス相を形成する物質であり、低焼成温度であっても高い電気機械結合係数Kを得るために添加されるが、WOの添加モル量βが0.007mol未満の場合はガラス成分が十分に形成されず温度変化率ηが大きくなる。一方、WOの添加モル量βが0.020molを超えると焼結体中にガラス相が過剰に形成されて緻密な焼結体を形成することができず、しかも電気的特性にバラツキが生じたり、機械的強度の低下を招来する。
【0051】
そこで、本実施の形態ではWOの添加モル量βを、0.007≦β≦0.020、好ましくは0.007≦β≦0.016に設定した。
【0052】
また、このようにMnO及びWOを添加することにより、焼成温度を低く設定しつつ大きな電気機械結合係数Kを得ることができるが、モル比α/βが4.000を超えると温度変化率ηが大きくなる。一方、上述したようにα≧0.010、β≦0.020であることからα/β≧0.500が成立する。したがって、本実施の形態ではモル比α/βは0.500≦α/β≦4.000、好ましくは0.625≦α/β≦3.500に設定した。
【0053】
すなわち、MnO及びWOの添加モル量α、βは、モル比α/βが0.500≦α/β≦4.000(好ましくは0.625≦α/β≦3.500)の範囲内で上述の範囲に設定される。
【0054】
(3)第2のガラス材(N)の添加重量γ
第2のガラス材は、Pb−W系ガラス成分を主成分とするガラス相を結晶体中に偏析させて該ガラス相を結晶体中に均一に分散させ、これにより結晶粒界に形成される気孔を埋めて焼結体を緻密化させることができる。しかるに、偏析粒子の粒径が2μm未満の場合は、粒径が小さすぎて前記気孔を埋めることができず発振特性や温度特性等の圧電特性を向上させることができない。一方、偏析粒子の粒径が40μmを超えると偏析部分の体積が大きくなり、このため製品化された圧電素子間で電気的特性にバラツキが生じ、また機械的強度が低下して割れやクラックが発生する虞がある。したがって、偏析粒子としては粒径が2μm〜40μm、好ましくは2μm〜20μmに制御する必要がある。
【0055】
しかるに、第2のガラス材の添加重量γが総計で0.015wt%未満の場合は偏析粒子が40μmを超え、機械的強度が低下する。一方、第2のガラス材の添加重量γが総計で0.040wt%を超えると2μm以上の粒径を有する偏析粒子を形成することができず、緻密化した焼結体を得ることができない。そこで、本実施の形態では第2のガラス材の添加重量γを0.015≦γ≦0.040、好ましくは0.015≦γ≦0.020に設定した。
【0056】
次に、上記圧電体磁器組成物の製造方法を説明する。
【0057】
まず、出発原料として、Pb化合物、La化合物、Ti化合物、Mn化合物、WO、及び第2のガラス材(N)としてSiO、必要に応じてBi、GeO、Pを準備する。
【0058】
Pb化合物としては、化学的に高純度であって焼成により酸化物となる物質であれば特に限定されるものではなく、例えばPbOやPb等のPb酸化物を使用することができる。
【0059】
La化合物も焼成により酸化物となる物質であれば特に限定されるものではなく、例えばLaを使用することができる。
【0060】
また、Ti化合物、Mn化合物についても、略同様、焼成により酸化物となる物質であれば特に限定されるものではなく、TiOやTiO等のTi酸化物、更にはTi(OH)を使用することができ、Mn化合物の場合であればMnCOやMnOを使用することができる。
【0061】
そして、これら各化合物及び酸化物の粉末を、所定組成となるように秤量する。すなわち、Pb成分の含有モル量xが0.790≦x≦0.910、La成分の含有モル量yが0.060≦y≦0.135、MnOの添加モル量αが0.010≦α≦0.032、WOの添加モル量βが0.007≦β≦0.020(但し、変数zが0.000≦z≦0.007、モル比α/βは0.500≦α/β≦4.000)、第2のガラス材(N)の添加重量γが総計で0.015≦γ≦0.040となるように各化合物及び酸化物を夫々秤量する。
【0062】
次いで、これら秤量物をジルコニア等の粉砕媒体が内有されたボールミルに投入して混合し、純水を加えて湿式粉砕し、スラリーを作製する。
【0063】
次に、このようにして得られたスラリーに脱水・乾燥処理を施した後、所定の仮焼温度で仮焼し、その後再度上記ボールミルに仮焼物を投入して湿式粉砕し、乾燥させて仮焼粉末を作製する。
【0064】
そしてこの後、前記仮焼粉末に適量のバインダ(例えば、ポリビニルアルコール樹脂)を加えて混合し、脱水して成形用粉末を作製し、この後プレス成形を施して角板状の成形体を作製する。そして、最後に酸素雰囲気中、所定の焼成温度で焼成処理を施し、これにより焼結体としての圧電体磁器組成物が製造される。
【0065】
このようにして製造された圧電体磁器組成物は、第1のガラス材以外に0.015wt%〜0.040wt%の第2のガラス材が添加されているので、焼成過程において第2のガラス材は第1のガラス材と共に結晶粒界或いは結晶粒子の三重点に凝集してガラス相を形成し、これにより粒径2μm〜40μのPb−W系ガラス成分を主成分とするガラス相が結晶体中に均一に分散した形態で粒界偏析し、結晶粒界の気孔が前記ガラス相で埋められる。したがって磁気組成物が緻密化し、製品化された圧電素子の発振特性や共振周波数の温度特性を向上させることができる。
【0066】
図1は本発明に係る圧電素子としての圧電発振子の一実施の形態を示す圧電発振子の斜視図であって、該圧電発振子は、板状の圧電体セラミック1と、圧電体セラミック1の主面上に形成された上下一対の振動電極2a、2bと、該振動電極2a、2bに電気的に接続された外部電極(不図示)とを備えている。また、振動電極2a、2bは、圧電体セラミック1の中央近傍に形成された励振部3a、3bと、該励振部3a、3bと前記外部電極とを電気的に接続している引出部4a、4bとを有している。そして、圧電セラミック1は上述した圧電体磁器組成物を板状に切り出して製造される。
【0067】
このようにして形成された圧電発振子は、セラミック素体としての圧電体セラミック1が、粒径2μm〜40μmのガラス相を結晶体中に均一に分散・偏析させてなるので、圧電体セラミック1は緻密化しており、したがって厚み縦振動モードにおける3倍波位相角θも81.0deg以上の良好な数値となって発振特性も優れたものとなる。また、斯かるガラス相の存在によりコンプライアンスも変わり、温度変化率ηも温度−40℃〜125℃の範囲で±0.1%の範囲内に抑制することができ、良好な温度特性を得ることができる。
【0068】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態ではPb成分の一部をLaで置換することにより発振特性の向上を図っているが、NdもLaと略同様の作用を有する。したがって、Pb成分の置換元素としてLa単独に代えて、或いはLaと共にNdを使用するのも好ましい。
【0069】
そして、この場合、圧電体磁器組成物は、一般式(3)で表わされることになる。
【0070】
Pbx(La/Nd)yTiO+αMnO+βWO+γNuv …(3)
ところで、本発明者らの研究により、一般式(3)でLaの含有モル量がNdの含有モル量よりも少ない場合は温度変化率ηが大きくなって発振特性が低下することが判明した。したがって、この場合はLaの含有モル量をNdの含有モル量よりも同等以上となるように、すなわちLa/Nd≧1となるようにLa及びNdの夫々の含有モル量を調整する必要がある。
【0071】
尚、上記実施の形態では圧電発振子用の磁器組成物について説明したが、本発明は圧電発振子用の磁器組成物に限定されることはなく、その他の圧電セラミック材料や圧電素子にも適用可能なことはいうまでもない。
【0072】
また、上記実施の形態では、プレス成形を施すことにより成形体を作製しているが、成形方法も特に限定されるものではなく、他の成形法を使用してもよいのはいうまでもない。
【0073】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0074】
〔第1の実施例〕
本発明者らは、PbO、TiO、La、MnCO、WO、SiOを出発原料とし、Pb成分の含有モル量xが0.853mol、La成分の含有モル量yが0.085mol、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.013mol、WOの添加モル量βが0.008molとなるように上記出発原料を秤量し、さらに0.010wt%〜0.100wt%の範囲内で所定量のSiOを秤量した。
【0075】
そして、これら各秤量物を粉砕媒体としてのジルコニア製ボールが内有された内容積が9×10−3のボールミルに純水4.5kgと共に投入し、前記秤量物を混合して2時間湿式粉砕してスラリーを作製し、次いで該スラリーを脱水・乾燥し、温度800〜1000℃で4時間仮焼した。
【0076】
次に、このようにして得られた仮焼粉末にバインダとしてのポリビニルアルコールを0.45kg加えて混合し、湿式粉砕した後、乾燥させて成形用粉末を作製し、プレス成形して縦35mm、横25mm、厚み1.0mmの角板状成形体を作製した。そして、該成形体を酸素雰囲気中で温度1100℃〜1300℃で3時間保持して焼成処理を施し、これによりSiOの添加重量γが異なる6種類の試験片を作製した。
【0077】
そして、本発明者らは、上記作製した6種類の試験片について、3点曲げ式抗折強度測定機(サンサイエティフィック社製レオメータCR−200D)を使用し、JIS R 1601に準拠して各々抗折強度Pを測定した。尚、磁器組成物のモル組成比は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP)(セイコーインスツルメンツ社製SPS4000)で測定した。
【0078】
図2は抗折強度の測定結果であって、横軸はSiOの添加重量(wt%)、縦軸は抗折強度P(MPa)を示している。
【0079】
この図2から明らかなように、SiOの添加重量が0.015wt%未満の場合、及び0.040wt%を超えた場合は、抗折強度Pが200MPa未満となって十分な機械的強度を得ることができないことが分かった。
【0080】
すなわち、50MHz以上の高周波領域で使用可能な圧電発振子を磁器組成物から製造する場合、120μm程度まで均一に表面研磨して薄肉化するが、研磨処理中に破損したりクラックが発生するのを回避するためには抗折強度Pが200MPa以上必要とされており、斯かる200MPa以上の抗折強度Pを確保するためにはSiOの添加重量γとして、0.015wt%〜0.040wt%が必要であることが分かった。
【0081】
〔第2の実施例〕
次に、本発明者らは、第1の実施例と同様、PbO、TiO、La、MnCO、WO、SiOを出発原料とし、Pb成分の含有モル量xが0.853mol、La成分の含有モル量yが0.085mol、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.013mol、WOの添加モル量βが0.008molとなるように上記出発原料を秤量し、さらに0.010wt%〜0.065wt%の範囲内で所定量のSiOを秤量し、上記第1の実施例と同様の手順で圧電体磁器組成物を製造した。
【0082】
次に、本発明者らは、上記磁器組成物を板厚が250μmとなるまで表面研磨し、その後電極を形成し、油温60℃〜80℃、6.0kV/mm〜10.0kV/mmの条件で電界を印加し、分極処理を行なった。次いで、温度150℃で時効処理を1時間施し、SiOの添加重量γが異なる5種類の試験片を作製した。
【0083】
そして、本発明者らは、インピーダンスアナライザ(YHP社製4194A)を使用し、共振周波数が30MHz(室温20℃基準)の場合の125℃における温度変化率ηを測定した。
【0084】
図3は温度変化率の測定結果であって、横軸はSiOの添加重量(wt%)、縦軸は温度変化率η(%)を示している。
【0085】
この図3から明らかなように、SiOの添加量が0.040wt%を超えると温度変化率ηが0.10%を超え、温度特性が悪化することが確認された。
【0086】
〔第3の実施例〕
本発明者らは、上記第1の実施例と同様、PbO、TiO、La、MnCO、WO、SiOを出発原料とし、Pb成分の含有モル量xが0.853mol、La成分の含有モル量yが0.085mol、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.013mol、WOの添加モル量βが0.008mol、SiOの添加量γが0.018wt%となるように上記出発原料を秤量し、上記第1の実施例と同様の手順で、圧電体磁器組成物を作製した。
【0087】
そして、本発明者らは、作製した圧電体磁器磁器組成物の断面を波長分散型X線マイクロアナライザ(日本電子社製JXA−8800R/RL)で観察した。
【0088】
図4はその観察結果を示すマッピングイメージであって、図中、白く見える点がPb−W系ガラス成分を主成分とするガラス相であって、粒径2μm〜20μmの偏析粒子が均一に分散しており、これにより結晶粒界の気孔が前記偏析粒子で埋められ、緻密化した磁気組成物を得ることのできることが分かった。
【0089】
〔第4の実施例〕
本発明者らは、第2のガラス材としてSiO、及びBiを使用し、第2のガラス材の添加重量が異なる圧電体磁器組成物、及び圧電発振子を作製し、作製された磁器組成物の抗折強度P、及び圧電発振子の温度変化率η、3倍波位相角θを測定した。
【0090】
すなわち、PbO、TiO、La、MnCO、WO、SiO、Biを出発原料とし、Pb成分の含有モル量xが0.865mol、La成分の含有モル量yが0.090mol、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.013mol、WOの添加モル量βが0.008mol、SiO及びBiの添加量γが総計で0.015wt%〜0.040wt%となるように秤量し、第2の実施例と同様の手順で圧電体磁器組成物及び圧電発振子を作製した(実施例1〜4)。
【0091】
また、本発明者らは、比較例としてSiO及びBiの添加重量γが総計で0.010wt%、及び0.045wt%とした圧電体磁器組成物及び圧電発振子を作製した(比較例1、2)。
【0092】
そして、本発明者らは第1の実施例及び第2の実施例と同様にして各試験片の抗折強度P、及び温度変化率ηを測定し、さらにインピーダンスアナライザ(YHP社製4194A)を使用して3倍波位相角θを測定した。
【0093】
表1はこれらの測定結果を示している。
【0094】
【表1】
Figure 0004092542
この表1から明らかなように、比較例1は、第2のガラス材であるSiO及びBiの添加重量γが総計で0.010wt%と少なく、特にSiOの添加量γが0.005wt%と少ないため抗折強度Pが150MPaと小さく機械的強度の低下することが分かった。
【0095】
また、比較例2は、SiOの添加重量γは0.035wt%と、0.015wt%以上のSiO量が添加されているため、抗析強度Pは200MPaと満足すべき値が得られたが、Biを含めた第2のガラス材の総添加重量が0.045wt%と多すぎるため、ガラス相の偏析が形成されず、したがって結晶粒界に気孔が残存して所望の緻密な焼結体を得ることができず、このため温度変化率ηが0.12%となって温度特性が悪化し、また3倍波位相角θも80.8degとなって発振特性が悪化することが確認された。
【0096】
これに対して実施例1〜4はSiO及びBiの添加重量γが総計で0.015wt%〜0.040wt%の範囲内にあるため、抗折強度Pは200MPa以上を確保することができ、薄肉の圧電発振子の場合であっても機械的強度が低下せず、また温度変化率ηも±0.10%の範囲内に収まり、3倍角位相角θも81.0deg以上となり、温度特性や発振特性に優れた高周波領域の使用に適合した圧電発振子を得ることができることが分かった。
【0097】
〔第5の実施例〕
次に、本発明者らは、PbO、TiO、La、MnCO、WO、SiOを出発原料とし、各含有モル量x、y、変数z、添加モル量α、β、及び添加重量γの異なる磁器組成物を作製し、該磁器組成物から圧電発振子を作製して、温度変化率η及び3倍波位相角θを測定した。
【0098】
表2は実施例の測定結果を示し、表3は比較例の測定結果を示している。
【0099】
【表2】
Figure 0004092542
【0100】
【表3】
Figure 0004092542
以下、表2及び表3の各実施例及び比較例について説明する。
【0101】
(実施例11)
Pb成分の含有モル量xが0.910mol、La成分の含有モル量yが0.060mol(変数zは0)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.024mol、WOの添加モル量βが0.016mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、第2の実施例と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0102】
(実施例12)
Pb成分の含有モル量xが0.865mol、La成分の含有モル量yが0.090mol(変数zは0)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.010mol、WOの添加モル量βが0.016mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、実施例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0103】
(実施例13)
MnOの添加モル量αを0.020molとした以外は実施例12と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0104】
(実施例14)
MnOの添加モル量αを0.016mol、WOの添加モル量βを0.008molとした以外は実施例12と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0105】
(実施例15)
MnOの添加モル量αを0.024mol、WOの添加モル量βを0.012molとした以外は実施例12と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0106】
(実施例16)
MnOの添加モル量αを0.024mol、WOの添加mol量βを0.016mol、SiOの添加重量γを0.040wt%とした以外は実施例12と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0107】
(実施例17)
La成分の含有モル量yを0.060mol(変数zを0.045)、MnOの添加モル量αを0.024molとした以外は実施例12と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0108】
(実施例18)
Pb成分の含有モル量xを0.845mol、La成分の含有モル量yを0.090mol(変数zを0.020)、MnOの添加モル量αを0.024molとした以外は実施例12と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0109】
(実施例19)
MnOの添加モル量αを0.028mol、WOの添加モル量βを0.007molとした以外は実施例18と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0110】
(実施例20)
Pb成分の含有モル量xが0.843mol、La成分の含有モル量yが0.105mol(変数zは0)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.020mol、WOの添加mol量βが0.012mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、実施例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0111】
(実施例21)
Pb成分の含有モル量xを0.820mol、La成分の含有モル量yを0.120mol(変数zは0)とした以外は実施例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0112】
(実施例22)
Pb成分の含有モル量xを0.818mol、La成分の含有モル量yを0.075mol(変数zは0.070)とした以外は実施例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0113】
(実施例23)
Pb成分の含有モル量xを0.790mol、La成分の含有モル量yを0.135mol(変数zは0.007)とした以外は実施例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0114】
(比較例11)
Pb成分の含有モル量xが0.780mol、La成分の含有モル量yが0.135mol(変数zは0.018)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.032mol、WOの添加モル量βが0.020mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、上記実施例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0115】
(比較例12)
Pb成分の含有モル量xが0.900mol、La成分の含有モル量yが0.055mol(変数zは0.018)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.024mol、WOの添加モル量βが0.016mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、上記実施例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0116】
(比較例13)
Pb成分の含有モル量xを0.790mol、La成分の含有モル量yを0.140mol(変数zは0)とした以外は比較例12と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0117】
(比較例14)
Pb成分の含有モル量xを0.865mol、La成分の含有モル量yを0.105mol(変数zは−0.023)とした以外は比較例12と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0118】
(比較例15)
Pb成分の含有モル量xが0.790mol、La成分の含有モル量yが0.090mol(変数zは0.075)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.016mol、WOの添加モル量βが0.016mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、上記比較例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0119】
(比較例16)
Pbの含有モル量xが0.865mol、La成分の含有モル量yが0.090mol(変数zは0)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.008mol、WOの添加モル量βが0.020mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、上記比較例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0120】
(比較例17)
Pb成分の含有モル量xが0.845mol、La成分の含有モル量yが0.090mol(変数zは0.020)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.036mol、WOの添加モル量βが0.016mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、上記比較例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0121】
(比較例18)
Pb成分の含有モル量xが0.865mol、La成分の含有モル量yが0.090mol(変数zは0)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.016mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、上記比較例11と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0122】
(比較例19)
MnOの添加モル量αを0.024mol、WOの添加モル量βを0.004molとした以外は比較例18と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0123】
(比較例20)
MnOの添加モル量αを0.024mol、WOの添加モル量βを0.024molとした以外は比較例18と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0124】
(比較例21)
MnOの添加モル量αを0.032mol、WOの添加モル量βを0.024molとした以外は比較例18と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0125】
(比較例22)
MnOの添加モル量αを0.030mol、WOの添加モル量βを0.007molとした以外は比較例18と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0126】
(比較例23)
MnOの添加モル量αを0.024mol、WOの添加モル量βを0.016mol、SiOの添加重量γを0.045wt%とした以外は比較例18と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0127】
次に、各測定結果について説明する。
【0128】
比較例11は、Pb成分の含有モル量xが0.780molと少なく、緻密な磁気組成物を得ることができないため、温度変化率ηは0.12%と悪化し、3倍波位相角θも80.8degと悪く、温度特性や発振特性が悪化することが分かった。
【0129】
比較例12は、La成分の含有モル量yが0.055molと少ないため、3倍波位相角θが80.1degと小さく、発振特性が低下した。
【0130】
比較例13は、La成分の含有モル量yが0.140molと多いため、発振特性は良好であるものの温度変化率が0.14%と大きく、温度特性の悪化が認められた。
【0131】
比較例14は、Pb成分の含有モル量x及びLa成分の含有モル量yは本発明の範囲内であるが、変数zが−0.023と0未満であるため、温度変化率ηが悪化した。
【0132】
比較例15も、Pb成分の含有モル量x及びLa成分の含有モル量yは本発明の範囲内であるが、変数zが0.075と大きいために磁気組成物の焼結性が不足し、このため3倍波位相角θが80.3degと小さく、発振特性が低下することが分かった。
【0133】
比較例16はMnOが0.008molと少なく、また比較例17はMnOが0.036molと多すぎるため、いずれの場合も3倍波位相角θが81.0deg未満となって発振特性の低下が認められた。
【0134】
比較例18はPb−W系ガラス相を形成すべきWOが添加されておらず、また比較例19はWOが添加されているものの、その添加モル量βが0.004molと少なく、このため十分なガラス相を形成することができず、温度特性が悪化することが分かった。
【0135】
比較例20及び比較例21は、WOの添加モル量βが0.024molと多すぎるため、ガラス相が過剰に形成されて緻密な磁気組成物を得ることができず、3倍波位相角θが81.0deg未満に悪化することが分かった。
【0136】
比較例22は、WOの添加モル量βに比しMnOの添加モル量αが多すぎ、したがってモル比α/βが大きすぎるため、緻密な磁気組成物を得ることができず、発振特性が81.0deg未満に悪化することが分かった。
【0137】
比較例23は、SiOの添加重量γが0.045wt%と多すぎるため、2μm以上の偏析粒子を形成することができず、温度変化率ηが悪化することが確認された。
【0138】
これに対して実施例11〜23は全て本発明の範囲内にあり、温度変化率ηは±0.10%以内、3倍波位相角θは81.0deg以上であり、共振周波数の温度特性や発振特性の良好な圧電発振子を得ることができることが確認された。
【0139】
〔第6の実施例〕
本発明者らは、PbO、TiO、La、Nd、MnCO、WO、SiOを出発原料とし、各含有モル量x、y、変数z、添加モル量α、β、及び添加重量γの異なる磁器組成物を作製し、該磁器組成物から圧電発振子を作製して温度変化率η及び3倍波位相角θを測定した。
【0140】
表4はその測定結果を示している。
【0141】
【表4】
Figure 0004092542
以下、表4の各実施例及び比較例について説明する。
【0142】
(実施例31)
Pb成分の含有モル量xが0.865mol、La成分の含有モル量yが0.075mol及びNd成分の含有モル量が0.008mol(総計で0.083mol)、(変数zは0.011)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.020mol、WOの添加モル量βが0.020mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、第2の実施例と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0143】
(実施例32)
Pb成分の含有モル量xが0.865mol、La成分の含有モル量yが0.060mol及びNd成分の含有モル量が0.008mol(総計で0.068mol)、(変数zは0.034)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.024mol、WOの添加モル量βが0.016mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、実施例31と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0144】
(実施例33)
Pb成分の含有モル量xが0.845mol、La成分の含有モル量yが0.060mol及びNd成分の含有モル量が0.030mol(総計で0.090mol)、(変数zは0.020)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.032mol、WOの添加モル量βが0.016mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、実施例31と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0145】
(実施例34)
Pb成分の含有モル量xが0.845mol、La成分の含有モル量yが0.045mol及びNd成分の含有モル量が0.025mol(総計で0.070mol)、(変数zは0.050)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.016mol、WOの添加モル量βが0.020mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、実施例31と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0146】
(実施例35)
Pb成分の含有モル量xが0.805mol、La成分の含有モル量yが0.045mol及びNd成分の含有モル量が0.045mol(総計で0.090mol)、(変数zは0.060)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.025mol、WOの添加モル量βが0.017mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、実施例31と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0147】
(比較例31)
Pb成分の含有モル量xが0.820mol、La成分の含有モル量yが0.045mol及びNd成分の含有モル量が0.060mol(総計で0.105mol)、(変数zは0.023)、Ti成分の含有モル量が1.000mol、MnOの添加モル量αが0.024mol、WOの添加モル量βが0.016mol、SiOの添加重量γが0.020wt%となるように秤量し、実施例31と同様の手順で圧電発振子を作製した。
【0148】
そして、この表4から明らかなように比較例31はLa/Ndが0.750と1.0未満であるため、温度変化率ηが大きくなって温度特性が悪化し、また3倍波位相角θも小さくなって発振特性が悪化することが確認された。
【0149】
これに対して実施例31〜35はいずれもLa/Ndが1以上であり、その他の組成も本発明の範囲内であり、したがって温度変化率ηは±0.10%以内、3倍波位相角θは81.0deg以上であり、共振周波数の温度特性や発振特性の良好な圧電発振子を得ることができることが確認された。
【0150】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る圧電体磁器組成物は、鉛−タングステン系ガラス相を形成する第1のガラス材が圧電性セラミックス材料に添加された圧電体磁器組成物において、前記第1のガラス材以外の少なくともSiOを含有した第2のガラス材が、重量%で、0.015%〜0.040%添加され、前記第2のガラス材は、前記第1のガラス材と共に結晶粒界又は結晶粒子の三重点に存在してガラス相を形成すると共に、該ガラス相は粒径2μm〜40μmの粒子からなり、前記結晶粒界に生じた気孔が前記ガラス相で埋められているので、大きな偏析粒子が偏在することもなく結晶粒界の気孔が埋められ、緻密化された焼結体を得ることができる。そしてこれにより、機械的強度が良好でかつ共振周波数の温度特性や発振周波数に優れた圧電素子を得ることが可能となる。
【0151】
また、前記圧電性セラミック材料が、PbTiOを主成分とし、Pb成分の一部がLa成分、又はLa成分及びNd成分で置換されているので、キュリー点が高く誘電率を低く抑制することのできる磁器組成物を得ることができ、高温環境下で高周波領域で周波数温度特性や発振特性に優れた圧電素子を得ることが可能となる。
【0154】
また、本発明の圧電体磁組成物は、一般式PbTiO+αMnO+βWO+γN(MはLa、又はLa/Nd、Nは前記第2のガラス材の化合物組成を示す)で表わされ、上記第2のガラス材の添加重量γは、重量%で、0.015≦γ≦0.040に設定されると共に、Pb成分の含有モル量x、M成分の含有モル量yが、夫々0.790≦x≦0.910、0.060≦y≦0.135(但し、x=1−(1.5y+z)であって0.000≦z≦0.070)に設定され、かつ、上記MnOの添加モル量α、及びWOの添加モル量βが、夫々0.010≦α≦0.032、0.007≦β≦0.020(但し、0.50≦α/β≦3.50)に設定されているので、種々の圧電特性に優れた所望の圧電素子を得ることが可能となる。
【0155】
また、Nd成分に対するLa成分のモル比La/Ndを、La/Nd≧1.0に設定することにより、優れた発振特性を維持することができる。
【0156】
さらに、本発明に係る圧電素子は、上記圧電体磁器組成物でセラミック素体が形成されているので、共振周波数の温度特性や発振特性に優れた高周波領域での使用に好適した圧電発振子等の各種圧電素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電素子としての圧電発振子の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】SiOの添加重量と抗折強度との関係を示す特性図である。
【図3】SiOの添加重量と共振周波数の温度変化率との関係を示す特性図である。
【図4】磁器組成物中のガラス相の分散状態を示すマッピングイメージである。
【符号の説明】
1 圧電体セラミック(セラミック素体)

Claims (5)

  1. 鉛−タングステン系ガラス相を形成する第1のガラス材が圧電性セラミックス材料に添加された圧電体磁器組成物において、
    前記第1のガラス材以外の少なくともSiOを含有した第2のガラス材が、重量%で、0.015%〜0.040%添加され
    前記第2のガラス材は、前記第1のガラス材と共に結晶粒界又は結晶粒子の三重点に存在してガラス相を形成すると共に、該ガラス相は粒径2μm〜40μmの粒子からなり、前記結晶粒界に生じた気孔が前記ガラス相で埋められていることを特徴とする圧電体磁器組成物。
  2. 前記圧電性セラミック材料はチタン酸鉛を主成分とし、鉛成分の一部がランタン、又はランタン及びネオジムで置換されていることを特徴とする請求項1記載の圧電体磁器組成物。
  3. 一般式Pb TiO +αMnO +βWO +γN (MはLa、又はLa/Nd、N は前記第2のガラス材の酸化物組成を示す)で表わされ、上記第2のガラス材の添加重量γが、重量%で、0.015≦γ≦0.040に設定されると共に、
    Pb成分の含有モル量x、M成分の含有モル量yが、夫々0.790≦x≦0.910、0.060≦y≦0.135(但し、x=1−(1.5y+z)であって0.000≦z≦0.070)に設定され、
    かつ、上記MnO の添加モル量α、及びWO の添加モル量βが、夫々0.010≦α≦0.032、0.007≦β≦0.020(但し、0.500≦α/β≦4.000)に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の圧電体磁器組成物。
  4. Nd成分に対するLa成分のモル比La/Ndが、La/Nd≧1.0に設定されていることを特徴とする請求項3記載の圧電体磁器組成物。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧電体磁器組成物でセラミック素体が形成されていることを特徴とする圧電素子。
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