JP2000001221A - 穀槽における穀物排出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 穀物排出オーガが穀物層の上に浮上する現象
をなくし、堆積穀物の排出能力を向上させ、効率よく、
しかも穀物を残留させることなく排出することができる
ようにする。 【解決手段】 穀槽１は、円筒形で底面床２が平面状で
ある。底面床２の中央部に穀物排出口７を設ける。底面
床２の中央部から穀槽１の内周近傍まで延び、かつ底面
床２の中央部を中心として底面床２に沿って旋回する穀
物排出オーガ１０を設ける。穀物排出オーガ１０には、
その長さ方向に隣接する上面開放状の穀物滞留部を設け
る。穀物滞留部に滞留する穀物の重量により穀物排出オ
ーガ１０の浮上旋回を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、穀物を貯蔵したり
乾燥する施設等の穀槽において、穀槽内に貯留した穀物
を排出するための穀槽における穀物排出装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】通気壁により区画して上部に穀物貯留室
を、かつ下部に通気室を形成してなる円筒形の穀槽にお
いて、穀物貯留室の底面床をなす通気壁の中央部に穀物
排出口を設けるとともに、穀物排出口側を公転（旋回）
中心とし、自転しながら穀物を排出する穀物排出オーガ
を設けた穀物排出装置は、実公昭６２−１８５７９号公
報に記載されたものなどが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記実公昭６２−１８
５７９号公報に記載されている穀物排出装置において
は、公転する穀物排出オーガの公転先端側に、自転する
螺旋体軸と一体回転する走行輪を設け、この走行輪を穀
槽の内周に敷設したレールに案内させて走行させること
により穀物排出オーガを公転させて、穀槽内の穀物を排
出するように構成されているので、穀物排出オーガの公
転構造が甚だ複雑であるばかりでなく、穀槽の内周部の
床板上にはレールが敷設されているので、この部分に穀
物が残留して完全排出ができないという欠点がある。

【０００４】そこで、上記のような穀物排出装置におい
ては、穀物排出オーガの公転先端側の走行輪を案内する
レールを排除し、穀物排出オーガを、穀槽の中央部を公
転中心として走行輪を穀槽の底面床上を転動させる構成
とすることにより、穀槽の内周部分に穀物が残留しない
ようにすることが考えられる。しかしながら、この種の
穀物排出装置は、穀槽内の穀物をその底面床の穀物排出
口から自然排出を行った後に稼動して、底面床上に残留
した穀物を中央部に集めて穀物排出口から排出するもの
であるから、底面床の中央部を旋回中心とする穀物排出
オーガは、底面床上に堆積する穀物層の上に乗り上がる
現象を呈して、穀物の排出ができなくなることがある。

【０００５】本発明は、上述のような問題点に鑑み、穀
物排出オーガに上面開放状の穀物滞留部を設けて、底面
床の中央部を旋回中心として旋回中において穀物滞留部
に穀物を滞留させることにより、その重量によって穀物
排出オーガが穀物層の上に浮上する現象をなくし、もっ
て、堆積穀物の排出能力を向上させ、効率よく、しかも
穀物を残留させることなく排出することができる穀槽に
おける穀物排出装置を提供することを目的とするもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項１の
穀槽における穀物排出装置は、底面床が平面状で円筒形
の穀槽において、底面床の中央部に穀物排出口を設ける
とともに、底面床の中央部から穀槽の内周近傍まで延
び、かつ底面床の中央部を中心として底面床に沿って旋
回する穀物排出オーガを設け、上記穀物排出オーガに
は、その長さ方向に隣接する上面開放状の穀物滞留部を
設けてなり、上記穀物滞留部に滞留する穀物の重量によ
り穀物排出オーガの浮上旋回を防止するように構成した
ことを特徴とするものである。

【０００７】本発明に係る請求項２の穀槽における穀物
排出装置は、請求項１の構成において、穀物滞留部は、
穀物排出オーガの旋回先端側に設けたことを特徴とする
ものである。

【０００８】本発明に係る請求項３の穀槽における穀物
排出装置は、請求項１または２の構成において、穀物滞
留部は、その側面が開閉自在であって穀物排出オーガの
旋回１周毎に開放して滞留穀物を排出するように構成し
たことを特徴とするものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る穀物排出装置
を備えた穀槽の一部を破断して示す斜視図、図２は同上
縦断側面図、図３は本発明に係る穀物排出装置の構成を
示す側面図、図４は同上その一部の拡大断面図、図５は
同上一部の平面図、図６は同上一部の斜視図である。

【００１０】１は穀槽であって、この穀槽１は円筒形で
かつ密閉状のものであり、その下部は通気性の底面床２
で上下に区画され、上部が穀物貯留室３、下部が通気室
４となっている。底面床２は水平の平面状をなしてい
る。穀物貯留室３には穀物が貯蔵される。通気室４に
は、穀物貯留室３の方向に空気を循環流通させるため送
風装置５が接続されている。６は空気循環ダクトであ
る。

【００１１】上記穀槽１の穀物貯留室３内において、底
面床２の中央部には穀物排出口７が開口されており、通
気室４内に形成された穀物排出樋８に接続されている。
穀物排出樋８内には、穀物排出コンベア９が設けられて
いる。また、上記底面床２上には、中央部の穀物排出口
７側を旋回中心として穀槽１の内周近傍まで延びる穀物
排出オーガ１０が設けられており、この穀物排出オーガ
１０の旋回中心側にはその回転螺旋体１１を回転させる
駆動源１２が備えられている。この駆動源１２は、モー
タ１３およびギア機構１４からなるものであり、穀物排
出オーガ１０の回転螺旋体１１の螺旋軸１５がギア機構
１４に連結されている。穀槽１の底面床には、穀物排出
樋８に対応して、上記中央部の穀物排出口７のほか複数
の穀物排出口１６が設けられている。

【００１２】図３に詳細を示すように、上記穀物排出オ
ーガ１０の旋回先端部には、その回転螺旋体１１の螺旋
軸１５に連結した走行輪１７が設けられており、この走
行輪１７は回転螺旋体１１とともに回転して、穀物排出
オーガ１０を底面床２の中央部を旋回中心として旋回さ
せるものである。

【００１３】穀槽１の上部中心部には穀物搬入口１８が
あり、この穀物搬入口１８には穀物搬送装置（図示せ
ず）が接続される。１９は穀物均等配分装置である。２
０は穀物攪拌オーガであって、穀槽１の中心から内周部
にわたる旋回案内体２１に従って穀槽１内を移動しなが
ら上下方向に堆積穀物を攪拌するものである。

【００１４】前記穀物排出オーガ１０には、その長手方
向の一側に隣接して穀物滞留部２２が一体に設けられて
いる。この穀物滞留部２２は上面開放状をなし、かつそ
の側面が開閉壁２３となっており、開閉壁２３は、穀物
貯留部２２の下端の軸２４を中心にして自重または弾力
付勢により下方に開く開閉自在の構成をなしている。す
なわち、開閉壁２３は周辺方向に弾力付勢された係止部
材２５により閉じ保持され、係止部材２５を内方に押す
ことによりその閉じ保持が解除されるようになってお
り、穀槽１の内周面には、係止部材２５を内方に押し出
す案内部２６が設けられていて、穀物排出オーガ１０の
旋回１周毎に係止部材２５を内方に押して開閉壁２３を
開放し滞留穀物を排出するように構成している。

【００１５】穀物排出オーガ１０に一体に設ける穀物貯
留部２２は、それに穀物を貯留させて穀物排出オーガ１
０が穀物層の上に浮上するのを防止するためのものであ
るから、穀物貯留部２２は穀物排出オーガ１０の旋回先
端側に設けてもよい。

【００１６】穀槽１の穀物貯留室３には、貯蔵または乾
燥する穀物を堆積貯留するが、穀槽１の穀物貯留室３か
ら穀物を排出するにあたっては、先ず穀物排出口７，１
６のシャッタを開き、穀物を穀物排出口７，１６からの
自然排出で穀物排出コンベア９により穀物を排出する。
そして、穀物の自然排出を行うだけでは、穀槽１内には
図２に示すように穀物が残留するので、穀物の自然排出
後は、穀物排出オーガ１０を稼動して、穀槽１内に残留
した穀物を穀物排出口７から穀物排出コンベア９に排出
する。

【００１７】穀物排出オーガ１０による穀物の排出は、
穀物排出オーガ１０を旋回させながら回転螺旋体１１の
回転により穀物を中央部に集送し、穀物排出口７から穀
物排出コンベア９によって排出するが、穀物排出オーガ
１０には穀物貯留部２２が一体に設けられているので、
穀物貯留部２２に滞留する穀物の重量が加わって旋回中
に堆積穀物層の上に乗り上がることを防止する。

【００１８】そして、穀物排出オーガ１０が旋回１周す
ると、穀物貯留部２２の開閉壁２３を閉じ保持している
係止部材２５が案内部２６により内方に押し出されるの
で、開閉壁２３の閉じ保持が解除される。このため、穀
物貯留部２２に滞留する穀物は穀物排出オーガ１０の旋
回１周毎に排除されたうえ、穀物排出オーガ１０の次の
旋回に伴って穀物貯留部２２に新たに穀物が貯留され
る。したがって、穀物貯留部２２に貯留される穀物は常
に入れ替わることになり、排出の最終段階では穀物貯留
部２２に滞留した穀物も穀物排出口７を経て穀物排出コ
ンベア９により排出される。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、穀物排出オーガに上面
開放状の穀物滞留部を設けて、底面床の中央部を旋回中
心として旋回中において穀物滞留部に穀物を滞留させる
ことにより、その重量によって穀物排出オーガが穀物層
の上に浮上する現象をなくし、もって、堆積穀物の排出
能力を向上させ、効率よく、しかも穀物を残留させるこ
となく排出することができる穀槽における穀物排出装置
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る穀物排出装置を備えた穀槽の一部
を破断して示す斜視図である。

【図２】本発明に係る穀物排出装置を備えた穀槽の縦断
側面図である。

【図３】本発明に係る穀物排出装置の構成を示す側面図
である。

【図４】本発明に係る穀物排出装置の一部の拡大断面図
である。

【図５】本発明に係る穀物排出装置の一部の平面図であ
る。

【図６】本発明に係る穀物排出装置の一部の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 穀槽 ２ 底面床 ３ 穀物貯留室 ４ 通気室 ５ 送風装置 ６ 空気循環ダクト ７ 穀物排出口 ８ 穀物排出樋 ９ 穀物排出コンベア １０ 穀物排出オーガ １１ 回転螺旋体 １２ 駆動源 １３ モータ １４ ギア機構 １５ 回転螺旋体 １６ 穀物排出口 １７ 走行輪 １８ 穀物搬入口 １９ 穀物均等配分装置 ２０ 穀物攪拌オーガ ２１ 旋回案内体 ２２ 穀物滞留部 ２３ 開閉壁 ２４ 下端の軸 ２５ 係止部材 ２６ 案内部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面床が平面状で円筒形の穀槽におい
   て、底面床の中央部に穀物排出口を設けるとともに、底
   面床の中央部から穀槽の内周近傍まで延び、かつ底面床
   の中央部を中心として底面床に沿って旋回する穀物排出
   オーガを設け、上記穀物排出オーガには、その長さ方向
   に隣接する上面開放状の穀物滞留部を設けてなり、上記
   穀物滞留部に滞留する穀物の重量により穀物排出オーガ
   の浮上旋回を防止するように構成したことを特徴とする
   穀槽における穀物排出装置。
2. 【請求項２】 穀物滞留部は、穀物排出オーガの旋回先
   端側に設けたことを特徴とする請求項１記載の穀槽にお
   ける穀物排出装置。
3. 【請求項３】 穀物滞留部は、その側面が開閉自在であ
   って穀物排出オーガの旋回１周毎に開放して滞留穀物を
   排出するように構成したことを特徴とする請求項１また
   は２記載の穀槽における穀物排出装置。