JP2000001096A - 昇華転写法による水回り樹脂成形品の加飾方法 - Google Patents

昇華転写法による水回り樹脂成形品の加飾方法

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JP2000001096A
JP2000001096A JP10186839A JP18683998A JP2000001096A JP 2000001096 A JP2000001096 A JP 2000001096A JP 10186839 A JP10186839 A JP 10186839A JP 18683998 A JP18683998 A JP 18683998A JP 2000001096 A JP2000001096 A JP 2000001096A
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JP10186839A
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Yoshihiko Sugioka
佳彦 杉岡
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Original Assignee
Inax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐薬品性,耐温水性に優れ、劣化によって加飾
層が層間剥離を起さず、当初の加飾状態を長期に亘って
維持可能な水回り樹脂成形品の加飾方法を提供する。 【解決手段】水回り樹脂成形品16に対する加飾方法で
あって、熱により昇華する昇華性の加飾材料14を基材
シート(紙シート12)上に所定パターン模様で印刷し
て成る昇華転写シート10を、水回り樹脂成形品16の
加飾対象面18に当て、熱プレスにより加飾材料14を
昇華及び加飾対象面18内部に染み込ませることによ
り、昇華転写シート10のパターン模様を加飾対象面1
8に転写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は昇華転写法による
水回り樹脂成形品の加飾方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水回り樹脂成形品、例えば浴室の防水床
パンや浴槽,浴室の壁パネル,キッチンや洗面室のカウ
ンター等の加飾方法として、従来図18(A),(B)に示
すような方法が用いられていた。
【0003】このうち同図(A)に示す方法は、チタン
紙200の表面に顔料を所定パターン模様で印刷し(同
図中202)、そしてチタン紙200の表裏両面にDA
P樹脂(ジアリルフタレート樹脂)をコーティングして
(同図中204)成る加飾シート206を、樹脂成形品
の成形材料(例えばSMC)208上に積層し、それら
をともに成形型にセットした状態で樹脂成形品の成形を
行うと同時にその表面に加飾を施すといったものであ
る。
【0004】他方同図(B)の方法は、樹脂成形品20
9の表面に塗料をスパッタ塗装等により所定パターン模
様で施し(同図中210)、更にその表面にクリア塗装
を施してクリアコート層212を形成するといったもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記のような
浴室の防水床パンや浴槽,浴室の壁パネル,キッチンや
洗面室のカウンター等の水回り樹脂成形品にあっては耐
水性,耐薬品性、とりわけ温水に対する耐性が求められ
る。
【0006】しかるに上記従来の加飾方法においては、
加飾層が成形品の素地とは独立した層として形成される
こととなるため、加飾層,成形品の劣化等により加飾層
が層界面から層間剥離を起すといった問題を生じてい
た。
【0007】また図18(A)に示す加飾方法の場合、
樹脂成形品のプレス成形と同時に加飾をせざるを得ず、
この場合単に樹脂成形品を成形するだけの場合に比べ
て、加飾シート206を成形型の中にセットしたりする
などの手間が必要となって段取り作業を含めた成形のた
めの時間が長くなり、その分プレス機をより長く占有す
ることとなって、このことが生産性を落す要因となって
いた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の発明の昇華転写法
による水回り樹脂成形品の加飾方法はこのような課題を
解決するために案出されたものである。而して請求項1
の加飾方法は、水回り樹脂成形品に対する加飾方法であ
って、熱により昇華する昇華性の加飾材料を基材シート
上に所定パターン模様で印刷して成る昇華転写シートを
該水回り樹脂成形品の加飾対象面に当て、熱プレスによ
り加飾材料を昇華及び該加飾対象面内部に染み込ませる
ことにより該昇華転写シートのパターン模様を該加飾対
象面に転写することを特徴とする。
【0009】請求項2の加飾方法は、前記水回り樹脂成
形品が浴室の防水床パンであることを特徴とする。
【0010】請求項3の加飾方法は、前記水回り樹脂成
形品が浴槽であることを特徴とする。
【0011】請求項4の加飾方法は、前記水回り樹脂成
形品が浴室の壁パネルであることを特徴とする。
【0012】請求項5の加飾方法は、前記水回り樹脂成
形品がカウンターであることを特徴とする。
【0013】請求項6の加飾方法は、請求項1〜5の何
れかにおいて、前記昇華転写シートを予め成形された水
回り樹脂成形品の加飾対象面に当てるとともに、該昇華
転写シートをクッション部材を介して該加飾対象面に押
圧し、その状態で熱プレスを加えて前記転写による加飾
を行うことを特徴とする。
【0014】請求項7の加飾方法は、請求項6におい
て、前記クッション部材として、可撓性シートと該可撓
性シートの背後に形成されたエア圧室とを有するものを
用いるとともに、該エア圧室内部に加熱体を配置し、該
エア圧の作用で該可撓性シートを前記昇華転写シートに
押圧した状態で熱プレスによる転写加飾を行うことを特
徴とする。
【0015】請求項8の加飾方法は、請求項7におい
て、容器内面を加飾対象面として加飾を施すに際し、前
記昇華転写シートを袋状に加工形成しておくとともに前
記可撓性シートを対応する袋状となし、該袋状の可撓性
シートにより該袋状の昇華転写シートを前記エア圧で加
飾対象面に押圧しつつ熱プレスを施して加飾を行うこと
を特徴とする。
【0016】請求項9の加飾方法は、請求項1〜8の何
れかにおいて、前記水回り樹脂成形品における加飾対象
部を、成形品本体部と別体に予め成形しておいて、その
加飾対象部に昇華転写による加飾を施し、その後に該加
飾対象部を該成形品本体部と一体化することによって該
水回り樹脂成形品に加飾を施すことを特徴とする。
【0017】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1の加飾方
法は、昇華性の加飾材料を所定パターン模様で印刷して
成る昇華転写シートを水回り樹脂成形品の加飾位置にセ
ットし、加熱によりその加飾材料を昇華させて成形品内
部に染み込ませ、以って昇華転写シートの所定パターン
模様を成形品の加飾対象面に転写して加飾を施すもの
で、この加飾方法の場合、昇華性の加飾材料が加飾対象
面からその内部に染み込んで加飾模様を形成するため、
上記図18に示したような従来の加飾方法と異なって加
飾層が成形品の素地とは独立した加飾層を形成すること
がない。
【0018】即ち加飾層は水回り樹脂成形品の素地と混
然一体化しており、従ってこの加飾方法によれば、水回
り樹脂成形品に施した加飾層が劣化等により層間剥離を
起すといった心配がなく、かかる加飾層が良好な耐水
性,耐薬品性とりわけ耐温水性を有する。
【0019】またこの加飾方法の場合、加飾材料が水回
り樹脂成形品の表面からその内部に染み込んで加飾模様
を形成するため、深み感のある加飾模様が得られる。
【0020】本発明は、浴室の防水床パンに対して加飾
を施すに際して好適に適用することができる(請求項
2)。また本発明は、浴槽に対して加飾を施すに際して
好適に適用することができる(請求項3)。更に本発明
は、浴室の壁パネルに対して加飾を施すに際し、更には
カウンターに対して加飾を施すに際して好適に適用する
ことができる(請求項4,請求項5)。
【0021】これらは何れも耐水性,耐薬品性とりわけ
耐温水性が重要な水回り樹脂成形品であり、これらに本
発明を適用した場合において加飾層の層間剥離の問題を
生ぜしめず、加飾模様の当初の美観を長期に亘って良好
に保つことができる。
【0022】請求項6の加飾方法は、予め成形された水
回り樹脂成形品の加飾対象面に昇華転写シートを当てた
上、その昇華転写シートをクッション部材を介して加飾
対象面に押圧し、その状態で熱プレスを加えて転写を行
って加飾を施すもので、この方法によれば、成形品表面
に凹凸がある場合にも昇華転写シートをクッション部材
を介しての押圧により成形品の表面、即ち加飾対象面に
且つ面全体に亘って良好に密着状態とすることができ、
従って加飾対象面に昇華転写シートの所定パターン模様
をむらなく良好に転写することができ、加飾対象面にき
れいなパターン模様を形成することができる。
【0023】請求項7の加飾方法は、可撓性のシート材
とその背部に形成されたエア圧室とを有するものをクッ
ション部材として用いてそのエア圧室内部に加熱体を配
置し、エア圧の作用で可撓性シートを昇華転写シートに
押圧した状態で熱プレスして、昇華転写シートの所定パ
ターン模様を水回り樹脂成形品表面、即ち加飾対象面に
転写するもので、この加飾方法によれば、シートの可撓
性と背後のエア圧室のエア圧とによって、成形品表面の
凹凸や傾斜等の形状にも拘らず昇華転写シートを成形品
表面に密着状態に強く押圧することができ、しかもその
押圧状態の下で加熱体からの熱を昇華転写シートに効率
的に作用させることができ、転写加飾を良好に行うこと
ができる。
【0024】請求項8の加飾方法は、容器内面を加飾対
象面として加飾を施す場合の加飾方法であって、昇華転
写シートを袋状に加工形成しておくとともに上記可撓性
シートを対応する袋状となし、その袋状の可撓性シート
により、同じく袋状の昇華転写シートを上記エア圧の作
用で加飾対象面に押圧しつつ熱プレスを施して加飾を行
うもので、このようにすれば、容器内面に対しても良好
に昇華性の加飾材料のパターン模様を転写し得て、加飾
模様を簡単に且つきれいに施すことができる。この請求
項8の加飾方法は、特に浴槽内面に加飾模様を形成する
に際して好適である。
【0025】本発明においては、樹脂成形品における加
飾対象部を成形品本体部と別体に予め成形しておいて、
その加飾対象部に昇華転写による加飾を施し、その後に
加飾対象部を成形品本体部と一体化することで水回り樹
脂成形品に加飾を施すことができる(請求項9)。
【0026】この場合において、加飾対象部を透明なシ
ートとしておいてそこに昇華転写による加飾を施し、こ
れを不透明且つ隠蔽性の成形品本体部に一体化するよう
になすことができる。このようにした場合、加飾模様の
立体感が高められ、模様の深み感が更に増す利点が得ら
れる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の1つの実施の形態
を示している。同図において10は昇華転写シートで、
紙シート12の表面に昇華性を有する加飾材料14が印
刷により所定パターン模様で施してある。
【0028】本実施形態では、水回り樹脂成形品16の
加飾対象面18に昇華転写シート10をセットする(同
図(II))。そして加圧加熱部20を昇華転写シート10
の背面に押し当ててこれを加飾対象面18に対し加圧し
加熱する(同図(III))。
【0029】その加熱により昇華性の加飾材料14は気
化して水回り樹脂成形品16の加飾対象面18からその
内部に染み込み、そこで冷却して定着する。即ち昇華転
写シート10の加飾材料14のパターン模様が成形品1
6に転写され、水回り樹脂成形品16に加飾模様が形成
される(同図(IV))。ここで加飾材料のパターン模様の転
写は150〜250℃の温度で1〜10分程度の時間で
行うことができる。
【0030】その後に加飾対象面18に対してクリア塗
装を施し、その後これを硬化してクリアコート層22を
形成する(同図(V))。ここでクリアコート材料としてア
クリル変性のウレタン塗料を好適に用いることもでき
る。勿論他の材料を用いることもできる。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図2〜図8は本発明を浴室の防水床パンの加
飾に適用した場合の実施例である。先ず図2において、
24は浴槽26が一体に成形されて成る防水床パンで、
18は洗い場床における加飾対象面である。
【0032】本例の方法では、先ず同図(II)に示して
いるように加飾対象面18以外の周囲の部分にマスキン
グ治具30及びマスキングテープ32を施して加飾対象
面18以外の部分を隠蔽する。続いて加飾対象面18を
例えば100〜120℃程度に予熱し、続いて同図(II
I)に示しているように加飾対象面18に昇華転写シー
ト10をセットする。
【0033】そしてそれらを図3(IV)に示しているよ
うに加圧加熱転写機34にセットする。ここで36は加
圧加熱転写機34の機枠であり、38は加圧加熱部であ
る。
【0034】図5(A)はその加圧加熱部38の構成を
示している。同図に示しているように加圧加熱部38
は、上板40と側板42とから成る函体44の開放形状
の下面にゴム弾性シート(可撓性シート、ここではシリ
コンゴムシート)46を張設して内部にエア圧室48を
形成し、そしてそのエア圧室48内部において上板40
の下面に加熱体としてのセラミックヒータ50を設けて
ある。またエア圧室48にはエア管52を通じてエア圧
が導入されるようになっている。尚、54はエア管52
上に設けたバルブである。ここでゴム弾性シート46は
厚みが2〜3mm程度の薄いもので、またその硬さ(ゴ
ム硬度)も30〜50度の軟らかいものである。
【0035】さて、上記のように昇華転写シート10と
ともに防水床パン24を加圧加熱転写機34にセットし
たら、加圧加熱転写機34における加圧加熱部38を下
降させる。尚、このときゴム弾性シート46をエア圧室
48のエア圧で予め膨らませておいても良いし、或いは
加圧加熱部38の下降後にエア圧によりゴム弾性シート
46を膨らませるようにしても良い。
【0036】この加圧加熱部38により上記加飾対象面
18上にセットされた昇華転写シート10は、エア圧室
48内部のエア圧の作用及びゴム弾性シート46の作用
により加飾対象面18上に強く押圧されて加飾対象面1
8に密着した状態となる。このとき、加飾対象面18に
図5(B)に示すような凹凸があっても、ゴム弾性シー
ト46の変形により昇華転写シート10は加飾対象面1
8全面に亘って良好に密着状態とされる。
【0037】或いはまた洗い場床部において排水勾配が
付いている場合であっても、ゴム弾性シート46の変形
に基づいて昇華転写シート10を加飾対象面18に良好
に密着させることができる。
【0038】この状態で昇華転写シート10は加圧加熱
部38のセラミックヒータ50による加熱作用を受け、
ここにおいて昇華転写シート10に施されている昇華性
の加飾材料14が昇華して、即ち気化して防水床パン2
4の加飾対象面18からその内部に染み込み、そこにお
いて再び固化して定着する。尚、加圧加熱部38による
加熱は180〜200℃,2〜3分程度とすることがで
きる。
【0039】さて所定時間かけて加圧加熱を行ったとこ
ろで、加圧加熱転写機34における加圧加熱部38を上
昇させ、続いて防水床パン24を加圧加熱転写機34か
ら取り出して冷却する。この段階で防水床パン24の加
飾対象面18には昇華転写シート10の加飾材料14の
パターン模様が転写されて、図3(V)に示しているよ
うにそこに加飾56が形成された状態にある。
【0040】そこで次に、同図(ア),(イ)に示している
ように加飾56の面上にクリア塗料をスプレーガン58
によるスプレー塗装により、或いは塗装ローラ60によ
って塗装し、その後これを硬化させることによって加飾
56の面上にクリアコート層22を形成する。
【0041】本例の加飾方法によれば、昇華性の加飾材
料14が加飾対象面18から樹脂製の防水床パン24内
部に染み込んで加飾56を形成する。従って上記図18
に示したような従来の加飾方法と異なって加飾層が加飾
対象面18上に独立した層を形成しない。
【0042】即ち加飾層は防水床パン24の素地と混然
一体化しており、従ってこの加飾方法によれば、防水床
パン24に施した加飾層が劣化等により層間剥離を起す
といった心配がなく、かかる加飾層が良好な耐水性,耐
薬品性とりわけ耐温水性を有する。
【0043】表1は本例に従って昇華転写を行った場合
の耐温水性(90℃×500時間の煮沸テスト実施)の
結果を、図4に示す従来の熱転写による加飾方法((A)
参照),水転写による加飾方法((B)参照)との比較にお
いて示したものである。
【0044】
【表1】
【0045】同表に示しているように昇華転写による加
飾方法の場合優れた耐温水性を示し、浴室の防水床パン
の如き水回り樹脂成形品における加飾方法として優れて
いることが分かる。
【0046】また本例の加飾方法の場合、加飾材料14
が防水床パン24の表面からその内部に染み込んで加飾
模様を形成するため、深み感のある加飾模様が得られ
る。
【0047】また本例の加飾方法は、予め成形された防
水床パン24の加飾対象面18に昇華転写シート10を
当てた上、その昇華転写シート10を加圧加熱部38を
介して加飾対象面18に押圧し、その状態で熱プレスを
加えて転写を行って加飾を施すものであることから、防
水床パン24表面に凹凸がある場合にも昇華転写シート
10を加圧加熱部38を介しての押圧により加飾対象面
18に且つ面全体に亘って良好に密着させることがで
き、従って加飾対象面18に昇華転写シート10の所定
パターン模様をむらなく良好に転写することができ、加
飾対象面18にきれいな加飾模様を形成することができ
る。
【0048】また本例の加飾方法によれば、ゴム弾性シ
ート46の可撓性と背後のエア圧室48のエア圧とによ
って、防水床パン24表面の凹凸や傾斜等の形状にも拘
らず昇華転写シート10を防水床パン24表面に密着状
態に強く押圧することができ、しかもその押圧状態の下
でセラミックヒータ50からの熱を昇華転写シート10
に効率的に作用させることができ、転写加飾を良好に行
うことができる。
【0049】例えば加圧加熱部として通常のプレートヒ
ータを用い、そしてそのプレートヒータと昇華転写紙と
の間にシリコンゴム等の発泡体をクッション部材として
介在させるといったことも可能であるが、この場合、シ
リコンゴム等の発泡体が断熱材として働いてしまい、プ
レートヒータと樹脂成形品(防水床パン24)との間隔
が数mm異なるだけで昇華転写紙に対する熱の伝熱が異
なったものとなり、転写の鮮明度が部分的に異なってく
るといった不都合を生じる。しかるに本例の方法によれ
ばこうした不都合を生じず、加飾対象面18全体に亘っ
て均一且つ鮮明度高く加飾を施すことができる。
【0050】以上は浴槽26が一体に成形された防水床
パン24への適用例であるが、本発明は図6に示してい
るように浴槽とは別体且つエプロン64のみ一体に成形
された防水床パン66への加飾に際して、或いは図7
(A)に示しているように浴槽載置部68が一体に成形
された防水床パン70への加飾に際して、更には図7
(B)に示しているようにそのようなエプロン64,浴
槽載置部68を有しない洗い場単独の防水床パン72へ
の加飾に際しても適用可能である。
【0051】図8は本発明の他の実施例を示したもの
で、この例は加圧加熱部としてプレートヒータ73を用
い、そのプレートヒータ73と防水床パンの加飾対象面
18にセットした昇華転写シート10との間に、肉厚の
弾性発泡体(例えばシリコンゴム発泡体)シート74を
介在させて、昇華転写シート10による昇華転写を行う
ようにした例である。
【0052】この場合においても、プレートヒータ73
の下面形状を防水床パンの例えば排水傾斜形状に成形し
ておくことで、昇華転写シート10を加飾対象面18に
おける排水傾斜面に或いはその加飾対象面18に形成さ
れている凹凸面に対しても密着させることが可能であ
る。
【0053】図9は本発明の更に他の実施例を示したも
のである。この例は浴槽26における手摺部75の上面
所定箇所に加飾を施す場合の例で、この場合手摺部75
の上面は平坦面であることから、プレートヒータ76を
用いて転写加飾を行うことができる。
【0054】具体的には手摺部75の上面所定箇所、即
ち加飾対象面18に昇華転写シート10をセットしてお
き、その状態でプレートヒータ76を手摺部75の上面
に押し当てて加圧し且つ加熱することで、手摺部75の
上面に昇華転写シート10のパターン模様を転写し加飾
を施すことができる。
【0055】図10は本発明の更に他の実施例を示した
もので、この例は浴槽26の底面を加飾対象面18とし
て加飾を施す場合の例で、この例では底面が平坦面であ
ることから、浴槽26内部に挿入可能なプレートヒータ
78を用い、昇華転写シート10をそのプレートヒータ
78により加飾対象面18に加圧加熱して転写を行い、
加飾を施すものである。
【0056】図11及び図12は本発明の更に他の実施
例を示している。この例は、浴槽26の内側面及び底面
に対して加飾を施す場合の例である。そこで本例では、
昇華転写シート10を浴槽26の内面形状に対応した袋
状且つ上面開放形状に加工形成しておく一方、加圧加熱
部79におけるゴム弾性シート46を対応する袋形状と
なしておき、そして図12に示しているように昇華転写
シート10を浴槽26の内部にセットした状態で、加圧
加熱部79における袋状のゴム弾性シート46をエア圧
により膨らませて昇華転写シート10を浴槽26の内面
に密着させ、その状態でセラミックヒータ50による加
熱を行って、即ち加圧加熱部79による熱プレスを施し
て、昇華転写シート10のパターン模様を浴槽26内面
に転写し加飾するようにしたものである。
【0057】尚図11,図12の実施例において、昇華
転写シート10を加熱により軟らかくした状態で浴槽2
6内面に密着させるようにすると、昇華転写シート10
にしわがよらず、これを良好に延ばした状態で浴槽26
内面に密着させることができる。
【0058】このように本例によれば浴槽26内面に対
しても良好に昇華性の加飾材料14のパターン模様を加
飾対象面18に転写して、加飾模様を簡単に且つきれい
に施すことができる。
【0059】尚、この例では浴槽26の内側面と底面と
の何れにも模様を形成する場合を例として説明したが、
場合によって浴槽26の内側面のみに加飾を施す場合、
或いは底面のみに加飾を施す場合にも同様の方法を適用
することができる。
【0060】図13は洗面カウンターへの本発明の適用
例を示したもので、この例では先ず同図(I)に示して
いるように、成形型81の成形面上にゲルコート層80
を成形した後、その上側から樹脂成形材料82を注入し
(同図(II))、且つこれを硬化させて洗面カウンター84
を成形する。
【0061】そして脱型後加飾対象面18上に昇華転写
シート10をセットして、これをプレートヒータ86に
より加飾対象面18に押圧して加熱し(同図(III))、ゲ
ルコート層80表面に昇華転写による加飾を施す。その
後表面にクリアコート層22を形成する(同図(IV))。
【0062】図14もまた洗面カウンターへの適用例で
あって、この例の場合、下型88と上型90とで成形型
81を構成し、そして成形キャビティ内に樹脂成形材料
82を注入して硬化させ(同図(I))、洗面カウンター8
4を成形する。但しこの例の場合洗面カウンター84は
ゲルコート層を有していない。
【0063】さて洗面カウンター84を脱型したら、上
記と同様にして加飾対象面18上に昇華転写シート10
をセットした上、これをプレートヒータ86により加飾
対象面18に押し付けて加圧加熱し(同図(II))、加飾対
象面18に加飾材料14を昇華転写する。そしてその後
クリアコート層22を形成する。
【0064】図15及び図16は浴室の壁パネルへの本
発明の適用例を示したもので、この例では壁パネル92
の表面、即ち加飾対象面18に昇華転写シート10を当
てるようにセットし(同図(II))、そしてプレートヒータ
94を昇華転写シート10に押し当てて加圧加熱し(同
図(III))、以って昇華転写を行って壁パネル92に加飾
を施す。尚、プレートヒータ94の下面には弾性発泡体
シート96を設けておいて、この弾性発泡体シート96
を介して昇華転写シート10を壁パネル92の加飾対象
面18に押圧する。
【0065】尚、プレートヒータ94による加圧加熱に
代えて、図16に示しているように熱転写ロール98を
用い、これを昇華転写シート10に沿って加圧しつつ回
転させることで、或いは昇華転写シート10を壁パネル
92とともに熱転写ロール98に対し相対移動させるこ
とで、昇華転写を行うようになすことも可能である。
【0066】以上はFRPから成る壁パネルへの加飾の
例であるが、熱可塑性樹脂から成る壁パネルへの加飾の
方法として、図17に示す方法を用いることも可能であ
る。
【0067】同図(I)において、100aは透明性を
有する熱可塑性樹脂シートであって、本例の方法では先
ずこの透明性の熱可塑性樹脂シート100aに対し昇華
転写シート10を用いてプレートヒータ102による加
圧加熱により昇華性の加飾材料14を転写し、熱可塑性
樹脂シート100aに予め加飾を施しておく。
【0068】続いて同図(II)(A)に示しているように雌
型104と雄型106とから成る成形型108の成形キ
ャビティ内に上記昇華転写を施した透明性の熱可塑性樹
脂シート100aをセットし、その状態において熱可塑
性樹脂の成形材料をインジェクション成形して、壁パネ
ル92における隠蔽性の本体部100bを成形し、同時
にその表面に上記転写を施してある熱可塑性樹脂シート
100aを一体化し、熱可塑性樹脂から成る壁パネル9
2の表面に加飾を行う。
【0069】或いは同図(II)(B)に示しているように透
明性の熱可塑性樹脂シート100aをブロー成形型11
0の内部にセットし、その状態で熱可塑性樹脂の袋状の
パリソン100b′をブロー成形して壁パネル92にお
ける本体部100bを成形し、同時にその表面に、予め
昇華転写の施してある透明性の熱可塑性樹脂シート10
0aを一体化して加飾を有する壁パネル92を得る。
【0070】この例の方法の場合、隠蔽性の壁パネル9
2の本体部の表面に透明層を形成して、その透明層に昇
華性の加飾材料14を染み込ませて加飾を行っているこ
とから、立体感,深み感のある加飾模様を得ることがで
きる。
【0071】尚、上例では成形と同時に透明性の熱可塑
性樹脂シート100aを本体部100bに固着一体化す
るようにしているが、場合によって本体部100bを別
途に成形した後に、樹脂シート100aを接着により或
いは溶着により固着するようになすこともできる。
【0072】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明は上記各例示した実施例を
組み合わせて実施することも可能であるなど、その主旨
を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例の工程説明図である。
【図3】同実施例の図2に続く工程の説明図である。
【図4】同実施例にて得られる加飾層の形態を従来の加
飾法にて得られる加飾層と比較して示す図である。
【図5】図3における加圧加熱部の構成と作用を示す図
である。
【図6】本発明の適用対象である防水パンの図2,図3
とは異なるものの例を示す図である。
【図7】同防水パンの更に他の例を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例方法の要部説明図である。
【図9】本発明の更に他の実施例方法を示す図である。
【図10】本発明の更に他の実施例方法を示す図であ
る。
【図11】本発明の更に他の実施例方法を示す図であ
る。
【図12】同実施例方法における図11に続く工程の説
明図である。
【図13】本発明の更に他の実施例方法の工程説明図で
ある。
【図14】本発明の更に他の実施例方法の工程説明図で
ある。
【図15】本発明の更に他の実施例方法の工程説明図で
ある。
【図16】図15の実施例方法における熱プレスの他の
例を示す図である。
【図17】本発明の更に他の実施例方法の工程説明図で
ある。
【図18】本発明の背景説明のための説明図である。
【符号の説明】
10 昇華転写シート 12 紙シート(基材シート) 14 加飾材料 16 水回り樹脂成形品 18 加飾対象面 20,38,79 加圧加熱部 24,66,70,72 防水床パン 26 浴槽 46 ゴム弾性シート(可撓性シート) 48 エア圧室 50 セラミックヒータ(加熱体) 73,76,78,86,94,102 プレートヒー
タ 74,96 弾性発泡体シート 84 洗面カウンター 92 壁パネル 98 熱転写ロール 100a 熱可塑性樹脂シート 100b 本体部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水回り樹脂成形品に対する加飾方法であ
    って、熱により昇華する昇華性の加飾材料を基材シート
    上に所定パターン模様で印刷して成る昇華転写シートを
    該水回り樹脂成形品の加飾対象面に当て、熱プレスによ
    り加飾材料を昇華及び該加飾対象面内部に染み込ませる
    ことにより該昇華転写シートのパターン模様を該加飾対
    象面に転写することを特徴とする昇華転写法による水回
    り樹脂成形品の加飾方法。
  2. 【請求項2】 前記水回り樹脂成形品が浴室の防水床パ
    ンであることを特徴とする昇華転写法による水回り樹脂
    成形品の加飾方法。
  3. 【請求項3】 前記水回り樹脂成形品が浴槽であること
    を特徴とする昇華転写法による水回り樹脂成形品の加飾
    方法。
  4. 【請求項4】 前記水回り樹脂成形品が浴室の壁パネル
    であることを特徴とする昇華転写法による水回り樹脂成
    形品の加飾方法。
  5. 【請求項5】 前記水回り樹脂成形品がカウンターであ
    ることを特徴とする昇華転写法による水回り樹脂成形品
    の加飾方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記昇
    華転写シートを予め成形された水回り樹脂成形品の加飾
    対象面に当てるとともに、該昇華転写シートをクッショ
    ン部材を介して該加飾対象面に押圧し、その状態で熱プ
    レスを加えて前記転写による加飾を行うことを特徴とす
    る昇華転写法による水回り樹脂成形品の加飾方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記クッション部材
    として、可撓性シートと該可撓性シートの背後に形成さ
    れたエア圧室とを有するものを用いるとともに、該エア
    圧室内部に加熱体を配置し、該エア圧の作用で該可撓性
    シートを前記昇華転写シートに押圧した状態で熱プレス
    による転写加飾を行うことを特徴とする昇華転写法によ
    る水回り樹脂成形品の加飾方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、容器内面を加飾対象
    面として加飾を施すに際し、前記昇華転写シートを袋状
    に加工形成しておくとともに前記可撓性シートを対応す
    る袋状となし、該袋状の可撓性シートにより該袋状の昇
    華転写シートを前記エア圧で加飾対象面に押圧しつつ熱
    プレスを施して加飾を行うことを特徴とする昇華転写法
    による水回り樹脂成形品の加飾方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記水
    回り樹脂成形品における加飾対象部を、成形品本体部と
    別体に予め成形しておいて、その加飾対象部に昇華転写
    による加飾を施し、その後に該加飾対象部を該成形品本
    体部と一体化することによって該水回り樹脂成形品に加
    飾を施すことを特徴とする昇華転写法による水回り樹脂
    成形品の加飾方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107284107A (zh) * 2017-06-27 2017-10-24 湖南鑫铃住房设备有限公司 基于整体浴室装饰应用的smc无饰纸彩色模压墙板

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