JP2000233598A - 加飾成形品及びその製造方法 - Google Patents

加飾成形品及びその製造方法

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JP2000233598A
JP2000233598A JP11038282A JP3828299A JP2000233598A JP 2000233598 A JP2000233598 A JP 2000233598A JP 11038282 A JP11038282 A JP 11038282A JP 3828299 A JP3828299 A JP 3828299A JP 2000233598 A JP2000233598 A JP 2000233598A
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Yoshihiko Sugioka
佳彦 杉岡
Ryozo Amano
良三 天野
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Inax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加飾部での接着強度及び模様に関する品質を低
下させることのない加飾成形品及びその製造方法。 【解決手段】合成樹脂製の透明又は半透明な基部の裏面
側が加飾されると共に基部1bの裏面側がバックアップ
層1dで補強された加飾成形品1において、加飾が基部
1bの裏面側内部まで着色した着色部分6からなり、基
部1bの裏面に着色プライマー層1cを介し又は介する
ことなくバックアップ層1dが施されたこと。合成樹脂
製の透明又は半透明な板材2の裏面側を加飾する加飾工
程と、この加飾された板材2Aを加熱成形して基部1b
を得る成形工程と、この基部1bの裏面側にバックアッ
プ層1dを施す裏面処理工程とを行う製造方法におい
て、加飾工程では、板材2の裏面に、昇華性インクで印
刷された転写シート3を合わせ、この状態で転写加熱し
て昇華成分を基板内部に浸透させることにより、基板2
の裏面側内部まで着色した着色部分6を設け、その後に
転写シート3を除去し、裏面処理工程では、基部1bの
裏面に着色プライマー層1cを介し又は介することなく
バックアップ層1dを施すこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製の透明
又は半透明な基部の裏面側を加飾した加飾成形品及びそ
の製造方法に関するものである。この加飾成形品として
は、浴槽、カウンター、ミラーキャビネット、収納棚、
ユニットを構成する天井板や壁板等がある。
【0002】
【従来の技術】従来、加飾成形品の製造方法としては、
アクリル樹脂等の合成樹脂製の透明又は半透明な板材の
裏面側に、模様の印刷された印刷シートをラミネートし
て加飾する加飾工程と、この板材を浴槽形状やキャビネ
ット形状等に加熱成形して成形品の基部を得る成形工程
と、この基部の裏面側に繊維強化プラスチック(FR
P)等からなるバックアップ層を形成する補強工程と
を、この順序で序列的に行うものがある。また、別の加
飾成形品の製造方法としては、予め成形された基部の裏
面側に印刷シートをラミネートして加飾する加飾工程
と、この基部の裏面側に繊維強化プラスチック(FR
P)等からなるバックアップ層を形成する補強工程と
を、この順序で行うものがある。強い強度を必要としな
い成形品については、バックアップ層を施す補強工程を
省略することもある。
【0003】更に、加飾工程としては、印刷シートをラ
ミネートする代わりに、転写シートを用いて、転写シー
トに印刷されているインクを板材の裏面側に転写する方
法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の製
造方法には、次の如き問題がある。
【0005】(1) ラミネートされた印刷シートや転写さ
れたインクと基部の裏面との接着強度が本来的に弱いた
め、接着境界部で剥離することがある。この剥離によ
り、成形品は、基部とバックアップ層とに分離して破損
することがある。 (2) ラミネートされる印刷シートや転写されるインクと
基部の裏面との境界に空気を噛み込ませることがある。
この噛み込んだ空気は、印刷シートやインクと基部の裏
面との接着強度を低下させると共に、基部表面から見る
模様に惚け等の欠陥を生じさせて模様に関する品質を著
しく低下させることになる。更に、浴槽等のように加熱
される成形品の場合には、この噛み込んだ空気が昇温で
膨張し、欠陥を生じさせることがある。 (3) 加飾後の加熱成形で湾曲成形を行うとき、湾曲する
板材の裏面の延びに印刷シートやインクが追従できずに
截断して亀裂を生じることがある。この亀裂は、基部表
面から見える模様の欠陥となる。従って、従来の製造方
法では、板材の裏面の延びが大きくなる加熱成形に自ず
と制限があった。
【0006】本発明は、上記問題を解決するために、強
度を強くすると共に模様に関する品質を低下させること
のない加飾成形品及びその製造方法並びに加熱成形時の
板材の裏面の延びを大きくすることができる製造方法の
提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】模様に関する品質を低下
させないために請求項1記載の本発明が採用した手段
は、合成樹脂製の透明又は半透明な基部の裏面側が加飾
されると共に基部の裏面側がバックアップ層で補強され
た加飾成形品において、前記加飾が前記基部の裏面側内
部まで着色した着色部分からなり、前記基部の裏面に着
色プライマー層が施されたことを特徴とする加飾成形品
である。本発明にあつては、着色部分が基部の一部とな
るため、基部の裏面に直接施された着色プライマー層と
基部との接着強度を大きくして両者の剥離をなくし、基
部の表面側に安定した色調の模様を出現させることがで
きる。
【0008】強い強度の成形品にすると共に模様に関す
る品質を低下させないために請求項2記載の本発明が採
用した手段は、前記基部の裏面に前記着色プライマー層
を介してバックアップ層が施され請求項1記載の加飾成
形品である。本発明にあっては、基部の裏面とバックア
ップ層との密着性を着色プライマー層で向上させること
により、基部とバックアップ層との接着強度を大きくす
ることができると共に、バックアップ層の色的影響を着
色プライマー層で遮断して基部の表面側に安定した色調
の模様を出現させることができる。
【0009】模様に関する品質を低下させないために請
求項3記載の本発明が採用した手段は、合成樹脂製の透
明又は半透明な基部の裏面側を加飾する加飾工程と、こ
の加飾された基部の裏面側に処理を施す裏面処理工程と
を、この順序で行う加飾成形品の製造方法であって、前
記加飾工程では、前記基部の裏面に、昇華性インクで印
刷された転写シートを合わせ、この状態で転写加熱して
昇華成分を基部内部に浸透させることにより、基板の裏
面側内部まで着色した着色部分を設け、その後に転写シ
ートを除去し、前記裏面処理工程では、前記基部の裏面
に着色プライマー層を施すことを特徴とする加飾成形品
の製造方法である。本発明にあつては、着色部分が基部
の一部となるため、基部の裏面に直接施された着色プラ
イマー層と基部との接着強度を大きくして両者の剥離を
なくし、基部の表面側に安定した色調の模様を出現させ
ることができる。
【0010】模様に関する品質を低下させず、更に加熱
成形時の板材の変形を大きくすることができるようにす
るために請求項4記載の本発明が採用した手段は、合成
樹脂製の透明又は半透明な板材の裏面側を加飾する加飾
工程と、この加飾された板材を加熱成形して基部を得る
成形工程と、この基部の裏面側に処理を施す裏面処理工
程とを、この順序で序列的に行う加飾成形品の製造方法
であって、前記加飾工程では、前記板材の裏面に、昇華
性インクで印刷された転写シートを合わせ、この状態で
転写加熱して昇華成分を基板内部に浸透させることによ
り、基板の裏面側内部まで着色した着色部分を設け、そ
の後に転写シートを除去し、前記裏面処理工程では、前
記基部の裏面に着色プライマー層を施すことを特徴とす
る加飾成形品の製造方法である。本発明にあつては、裏
面側内部に設ける着色部分が板材の一部となるため、加
熱成形時に着色部分が板材と一体に変形することにな
り、板材の変形度合いを大きくしても亀裂のない模様を
得ることができる。更に、着色部分が基部の一部となる
ため、基部の裏面に直接施された着色プライマー層と基
部との接着強度を大きくして両者の剥離をなくし、基部
の表面側に安定した色調の模様を出現させることができ
る。
【0011】加飾のバリエーションを広げるために請求
項5記載の本発明が採用した手段は、前記成形工程で
は、前記加熱成形時に基部の裏面に凹凸部を形成する請
求項4記載の加飾成形品の製造方法である。本発明にあ
つては、基部の凹凸状態の裏面で反射する光の方向が裏
面位置で異なるため、基部の表面側に出現させる模様に
変化を持たせることができる。
【0012】強い強度の成形品を得ると共に模様に関す
る品質を低下させないために請求項6記載の本発明が採
用した手段は、前記裏面処理工程では、前記基部の裏面
に前記着色プライマー層を介してバックアップ層を施す
請求項3,4または5記載の加飾成形品の製造方法であ
る。本発明にあっては、基部の裏面とバックアップ層と
の密着性を着色プライマー層で向上させることにより、
基部とバックアップ層との接着強度を大きくすることが
できると共に、バックアップ層の色的影響を着色プライ
マー層で遮断して基部の表面側に安定した色調の模様を
出現させることができる。
【0013】前記昇華性インクに昇華染料を用いると共
に、板材又は基部に昇華染料で染色される合成樹脂を用
いるときには、昇華した染料が基部の裏面側内部まで浸
透して板材又は基部の裏面側を染色し、着色部分とな
る。また、板材又は基部に昇華染料で染色されない合成
樹脂を用いるときには、昇華した成分が基部の裏面側内
部まで浸透して固着し、着色部分となる。更に、染料で
ない昇華性インクを用いたときには、昇華した成分が基
部の裏面側内部まで浸透して固着し、着色部分となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る加飾成形品及
びその製造方法を図面に示す実施の形態に基づいて説明
する。
【0015】(第1の実施の形態)図1乃至図4は本発
明の第1の実施の形態を示すものである。図1は板材の
裏面側を加飾する加飾工程を示すものであって、(A)
は転写を行う前の状態の概略図、(B)は得られた加飾
した板材を示す側面断面図である。図2は加飾した板材
を加熱成形して基部を得る成形工程を示すものであっ
て、(A)は加熱成形する前の状態の概略図、(B)は
成形途中の状態を示す概略図、(C)は得られた基部を
示す断面図である。図3は基部の裏面側にバックアップ
層を施す裏面処理工程を示すものであって、(A)は前
段階で着色プライマー層を施している状態を示す概略
図、(B)は後段階でバックアップ層を施している状態
を示す概略図である。図4は加飾成形品である浴槽を示
す断面図であって、(A)は全体の側面図、(B)は
(A)中の一点鎖線Bで囲まれた箇所の拡大図である。
【0016】加飾成形品である浴槽1(図4参照)を製
造するに当たり準備する材料としては、板材2(図1
(A)参照)、転写シート3、着色用プライマー材4
(図3参照)及びバックアップ材5があり、使用する装
置類としては、転写装置10(図1(A)参照)、成形
装置15(図2(A)参照)、塗布装置20(図3参
照)及び硬化炉(図示略)である。
【0017】上記板材2は、浴槽1(図4参照)の人目
に触れる内側面1aを形成する基部1bを得るための材
料であり、熱可塑性の合成樹脂素材であるアクリル樹脂
からなり、透明又は半透明なものである。半透明とは、
浴槽内側面1aから後述する加飾された着色部分6を見
ることができる程度のものをいい、乳白色や隠蔽性のな
い透明性を残した色に着色したものがある。上記転写シ
ート3は、紙等の耐熱性のベースシート3aの表面に、
昇華性インクを用いて加飾のための模様3bが印刷され
たものである。昇華性インクとしては、アクリル樹脂を
染色することができる昇華性の分散染料を含むものや、
染料以外の昇華性の物質を含むものが選択される。
【0018】前記着色用プライマー材4は、遮光性及び
意匠性を向上させ着色層であって、密着性及び接着性に
優れたプライマー層1c(図4参照)を得ることができ
るビニルエステル樹脂系等が選択される。着色用プライ
マー材4は、必要に応じて加飾フィラーを混入すること
もある。前記バックアップ材5は、浴槽1の裏面側に強
度向上のためのバックアップ層1dを成形するためのも
のであり、ガラス繊維と不飽和ポリエステルとの組合せ
からなる繊維強化プラスチック(FRP)材料、または
ウレタン樹脂材料等が選択される。
【0019】前記転写装置10は、図1(A)に示す如
く、離反と接近とができると共に加熱できる二枚の加圧
盤11,12を備え、板材2と転写シート3とを合わせ
た被加圧物を二枚の加圧盤11,12で挟圧しつつ、昇
華に適した温度で加熱するものである。転写装置10
は、板材2と転写シート3との密着性を向上させるため
に、ガラスウール,発泡シリンコン,フェルト等からな
る耐熱性のクッション層13を備えている。前記成形装
置15は、図2(A)に示す如く、成形型16と加熱装
置17とを備え、加熱装置17で加熱された板材2を成
形型16で真空成形するものである。
【0020】前記塗布装置20は、図3に示す如く、着
色用プライマー材4を塗布するものと、バックアップ材
5を塗布するものとがある。着色用プライマー材4を塗
布するものとしては、液状の着色用プライマー材4を吹
き付け塗布するための吹付け装置20Aや刷毛(図示
略)等がある。バックアップ材5を塗布するものとしい
ては、バックアップ材5の種類に応じて、スプレーアッ
プ装置20B、ハンドレアップ装置(図示略)またはレ
ジントランスファーモールディング装置等が選択され
る。前記硬化炉(図示略)は、塗布された着色用プライ
マー材4やバックアップ材5を硬化させるためのもので
ある。
【0021】加飾成形品である浴槽1を得るための製造
方法は、板材2の裏面側を加飾する加飾工程と、この加
飾された板材2を加熱成形して基部1bを得る成形工程
と、この基部1bの裏面側にプライマー層1c及びバッ
クアップ層1dを施す裏面処理工程とを、この順序で序
列的に行うものである。
【0022】前記加飾工程では、図1に示す如く、離反
した二枚の加圧盤11,12の間に、板材2の裏面側に
転写シート3の印刷面側を合わせた被加圧物をセット
し、次に二枚の加圧盤11,12を接近させて被加圧物
を挟圧し、昇温した二枚の加圧盤11,12で挟圧しつ
つ被加圧物を設定時間だけ加熱し、続けて二枚の加圧盤
11,12を離反し、被加圧物を冷却すると共に板材2
と転写シート3とを分離して加飾された板材2Aを得
る。被加圧物に対する加熱は、転写シート3に印刷され
た昇華性インクを昇華させることができると共に、昇華
した成分を板材2の裏面側の内部まで浸透させることが
できる温度(例えば、150〜250℃の範囲で設定さ
れる温度)で行われる。上記設定時間とは、昇華した成
分を板材2の裏面側の内部まで浸透させことができる時
間(例えば、3〜20分の範囲で設定される時間)であ
る。
【0023】前記加飾工程において転写シート3の模様
3bを形成する昇華性インクは、被加圧物が昇温した二
枚の加圧盤11,12で加熱されるのに伴い昇華し、加
熱されている板材2の裏面側の内部に浸透して固着する
ことにより、板材2の裏面側内部に模様となる着色部分
6を形成する。着色部分6の模様には、花等の柄模様,
液体が流れるような流れ模様、梨地等の地模様等または
これらの組合せ等がある。加飾工程では、板材2と転写
シート3との境界部に空気が噛み込まないように両者を
合わせるが、もし境界部に小さな空気の粒が噛み込んで
いたとして、昇華性インクが昇華して板材2の裏面側の
内部に浸透するため、板材2に鮮明な模様6を形成する
ことができる。この加飾工程では、平板形状に転写を行
うため、二枚の加圧盤11,12として形状の簡単な平
板状のものを用いることができ、加飾コストの低減を図
ることができる。
【0024】前記成形工程では、図2に示す如く、模様
の転写された板材2Aを加熱装置17で成形可能な温度
まで予め加熱し、次に板材2Aを成形型16で真空成形
した後に、脱型することで浴槽用基部1bを得る。この
真空成形は、成形型16の表面に板材2Aの裏面側が当
接するようにして行われる。板材2Aは、裏面側内部に
模様となる着色部分6が一体となっているため、加熱成
形時に湾曲成形される部分の着色部分6も板材2Aと共
に変形するため、変形の大きな隅部においても亀裂のな
い着色部分6の模様が得られる。成形後の浴槽用基部1
bは、応力緩和のためのアニーリングが行われる。
【0025】なお、図示は省略したが、成形型16の成
形面16aに凹凸部を設けておくことにより、加熱成形
時に基部1bの裏面に凹凸部を形成することも可能であ
る。この場合、得られた基部1bは、凹凸状態の裏面で
反射する光の方向が裏面位置で異なるため、表面側に出
現させる模様に変化を持たせることができる。
【0026】前記裏面処理工程では、図3に示す如く、
前半のプライマー塗布工程と、後半のバックアップ成形
工程とがある。プライマー塗布工程は、基部1bの裏面
側に吹付け装置20A等で着色用プライマー材4を塗布
すると共に、塗布された着色用プライマー材4を硬化炉
(図示略)で硬化させて着色プライマー層1cを形成す
る。プライマー塗布工程は、種類の異なるプライマー材
4を複数回に分けて塗布することもある。バックアップ
成形工程では、スプレーアップ装置20Bでバックアッ
プ材5を塗布すると共に、塗布されたバックアップ材5
を硬化炉(図示略)で硬化してバックアップ層1dを形
成する。バックアップ層1dが形成されると、図4に示
す様な加飾成形品である浴槽1が完成する。着色用プラ
イマー材4の塗布及びバックアップ材5の塗布は、塗着
面との間に気泡が噛み込まないようにして行う。
【0027】完成した加飾成形品である浴槽1は、図4
に示す如く、模様となる着色部分6が基部1bの一部と
なるため、基部1bの裏面に着色プライマー層1cを直
接施すことにより基部1bとバックアップ層1dとの接
着強度を大きくすることができると共に、基部1bの表
面側である浴槽1の内側面1a側に安定した色調の模様
を出現させることができる。更に、浴槽1は、基部1b
の裏面に着色プライマー層1cを介してバックアップ層
1dが施されているので、バックアップ層1dの色的影
響を着色プライマー層1cで遮断することにより、基部
1bの表面(浴槽1の内側面1a)側に安定した色調の
模様6を出現させることになる。浴槽1は、熱転写によ
る加飾のため加飾部に空気の噛み込みが無いことから、
基部1bの表面側に均一な模様を出現させることができ
ると共に、空気膨張による欠陥も無い。
【0028】(第2の実施の形態)図5乃至図7は本発
明の第2の実施の形態を示すものである。図5は基部の
裏面側を加飾する加飾工程を示すものであって、(A)
は転写を行う前の状態の概略図、(B)は加飾した基部
を示す側面断面図である。図6は基部の裏面側にバック
アップ層を施す裏面処理工程を示すものであって、
(A)は前段階で着色プライマー層を施している状態を
示す概略図、(B)は後段階でバックアップ層を施して
いる状態を示す概略図である。図7は加飾成形品である
カウンターを示す断面図であって、(A)は全体の側面
図、(B)は(A)中の一点鎖線Bで囲まれた箇所の拡
大図である。
【0029】本実施の形態におけるカウンター21の製
造方法は、基部21bの裏面側を加飾する加飾工程と、
この加飾された基部21bの裏面側にプライマー層21
c及びバックアップ層21dを施す裏面処理工程とを、
この順序で序列的に行うものである。
【0030】加飾成形品であるカウンター21を製造す
るに当たり準備する材料としては、予め成形された基部
21b、転写シート3、着色用プライマー材4及びバッ
クアップ材5があり、使用する装置類としては、転写装
置10、塗布装置20及び硬化炉(図示略)である。転
写シート3、着色用プライマー材4及びバックアップ材
5並びに転写装置10、塗布装置20及び硬化炉(図示
略)は、前記第1の実施の形態と実質的に同一である。
なお、転写装置10は、基部21b及び転写面の形状に
応じて加圧盤11,12の形状が変更される。
【0031】予め成形された基部21bは、図5に示す
如く、人目に触れる表面側21aを形成するものであ
り、熱可塑性の合成樹脂素材であるアクリル樹脂、また
は熱硬化性の合成樹脂素材である不飽和ポリエステル樹
脂からなり、透明又は半透明なものである。半透明と
は、表面側21aから加飾模様6を見ることができる程
度のものをいう。
【0032】前記加飾工程では、離反した二枚の加圧盤
11,12の間に、基部21bの裏面側に転写シート3
の印刷面側を合わせた被加圧物をセットし、次に二枚の
加圧盤11,12を接近させて被加圧物を挟圧し、昇温
した二枚の加圧盤11,12で挟圧しつつ被加圧物を設
定時間だけ加熱し、続けて二枚の加圧盤11,12を離
反し、被加圧物を冷却すると共に基部21bと転写シー
ト3とを分離して加飾された基部21bを得る。被加圧
物の加熱温度や設定時間は、前記第1の実施の形態と同
様に設定される。転写シート3による加飾は、基部21
bの裏面側の全体に施す以外に、必要箇所に部分的に施
すこともある。
【0033】前記裏面処理工程では、図6に示す如く、
前半のプライマー塗布工程と、後半のバックアップ成形
工程とがある。プライマー塗布工程は、基部21bの裏
面側に吹付け装置20A等で着色用プライマー材4を塗
布すると共に、塗布されている着色用プライマー材4を
硬化炉(図示略)で硬化させて着色プライマー層21c
を形成する。プライマー塗布工程は、種類の異なるプラ
イマー材4を複数回に分けて塗布することもある。バッ
クアップ成形工程では、スプレーアップ装置20Bでバ
ックアップ材5を塗布すると共に、塗布されているバッ
クアップ材5を硬化炉(図示略)で硬化してバックアッ
プ層21dを形成する。バックアップ21dが形成され
ると、加飾成形品であるカウンター21が完成する。
【0034】完成した加飾成形品であるカウンター21
は、図7に示す如く、着色部分が基部21bの一部とな
るため、基部21bの裏面に着色プライマー層21cを
直接施して基部21bとバックアップ層21dとの接着
強度を大きくすることができると共に、基部21bの表
面側に安定した色調の模様を出現させることができる。
更に、カウンター21は、基部21bの裏面に着色プラ
イマー層21cを介してバックアップ層21dが施され
ているので、バックアップ層21dの色的影響を着色プ
ライマー層21cで遮断することにより、基部21bの
表面側に安定した色調の模様を出現させることができ
る。
【0035】(その他の実施の形態)本発明は、浴槽や
カウンターに限定されるものはなく、ミラーキャビネッ
ト、収納棚、ユニットを構成する天井板や壁板等にも適
用することが可能である。すなわち、ミラーキャビネッ
ト、収納棚、天井板又は壁板を成形するための板材を準
備し、前記第1の実施の形態と同様に、板材の裏面側を
加飾する加飾工程と、この加飾された板材を加熱成形し
て基部を得る成形工程と、この基部の裏面側にプライマ
ー層及びバックアップ層を施す裏面処理工程とを、この
順序で序列的に行い加飾成形品を得ることである。更
に、ミラーキャビネット、収納棚、天井板又は壁板の基
部となるように成形されたものを準備し、前記第2の実
施の形態と同様に、基部の裏面側を加飾する加飾工程
と、この基部の裏面側にプライマー層及びバックアップ
層を施す裏面処理工程とを、この順序で序列的に行い加
飾成形品を得ることである。
【0036】加飾成形品に大きな強度を必要としないと
きには、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の裏面
処理工程中のバックアップ層を施す処理を省略して、バ
ックアップ層の無いものとすることもある。
【0037】加飾される基部としては、前記アクリル樹
脂,不飽和ポリエステル樹脂以外に、ポリプロピレン,
ポリスチレン,エポキシ樹脂等の透明または半透明な樹
脂であって、昇華したインクが基部の内部まで浸透して
固着するものであれば、その種類は適宜選択される。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の本発明は、着色部分が基
部の一部となるため、基部の裏面に直接施された着色プ
ライマー層と基部との接着強度を大きくして両者の剥離
をなくすることが可能となり、基部の表面側に安定した
色調の模様を出現させて模様に関する品質の向上を図る
ことができる。請求項2記載の本発明は、基部の裏面と
バックアップ層との密着性を着色プライマー層で向上さ
せることにより、成形品強度の向上を図ることができる
と共に、バックアップ層の色的影響を着色プライマー層
で遮断して基部の表面側に安定した色調の模様を出現さ
せて模様に関する品質の向上を図ることができる。
【0039】請求項3記載の本発明は、基部の裏面側内
部に着色部分を設けるため、基部の裏面に直接施された
着色プライマー層と基部との接着強度を大きくして両者
の剥離をなくすることが可能となり、基部の表面側に安
定した色調の模様を出現させて模様に関する品質の向上
を図ることができる。請求項4記載の本発明は、裏面側
内部に設ける着色部分が板材の一部となるため、加熱成
形時の板材の変形を大きくしても亀裂のない模様が得ら
れ歩留りの向上を図ることができる。また、着色部分が
基部の一部となるため、基部の裏面に直接施された着色
プライマー層と基部との接着強度を大きくして両者の剥
離をなくすることが可能となり、基部の表面側に安定し
た色調の模様を出現させて模様に関する品質の向上を図
ることができる。
【0040】請求項5記載の本発明は、基部の凹凸状態
の裏面により、基部の表面側に出現させる模様に変化を
持たせることができため、加飾のバリエーションを広げ
ることができる。請求項6記載の本発明は、基部の裏面
とバックアップ層との密着性を着色プライマー層で向上
させることにより、成形品強度の向上が図れると共に、
バックアップ層の色的影響を着色プライマー層で遮断し
て基部の表面側に安定した色調の模様を出現させて模様
に関する品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における製造方法の
加飾工程を示すものであって、(A)は転写を行う前の
状態の概略図、(B)は得られた加飾した板材を示す側
面断面図である。
【図2】同実施の形態における製造方法の成形工程を示
すものであって、(A)は加熱成形する前の状態の概略
図、(B)は成形途中の状態を示す概略図、(C)は得
られた基部を示す断面図である。
【図3】同実施の形態における製造方法の裏面処理工程
を示すものであって、(A)は前段階で着色プライマー
層を施している状態を示す概略図、(B)は後段階でバ
ックアップ層を施している状態を示す概略図である。
【図4】同実施の形態における完成した加飾成形品を示
す断面図であって、(A)は全体の側面図、(B)は
(A)中の一点鎖線Bで囲まれた箇所の拡大図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における製造方法の
加飾工程を示すものであって、(A)は転写を行う前の
状態の概略図、(B)は加飾した基部を示す側面断面図
である。
【図6】同実施の形態における製造方法の裏面処理工程
を示すものであって、(A)は前段階で着色プライマー
層を施している状態を示す概略図、(B)は後段階でバ
ックアップ層を施している状態を示す概略図である。
【図7】同実施の形態における完成した加飾成形品を示
すカウンターであって、(A)は全体の側面図、(B)
は(A)中の一点鎖線Bで囲まれた箇所の拡大図であ
る。
【符号の説明】
1,21…加飾成形品、1b,21b…基部、1c,2
1c…着色プライマー層、1d,21d…バックアップ
層、2…板材、3…転写シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂製の透明又は半透明な基部の裏面
    側が加飾されると共に基部の裏面側がバックアップ層で
    補強された加飾成形品において、前記加飾が前記基部の
    裏面側内部まで着色した着色部分からなり、前記基部の
    裏面に着色プライマー層が施されたことを特徴とする加
    飾成形品。
  2. 【請求項2】前記基部の裏面に前記着色プライマー層を
    介してバックアップ層が施され請求項1記載の加飾成形
    品。
  3. 【請求項3】合成樹脂製の透明又は半透明な基部の裏面
    側を加飾する加飾工程と、この加飾された基部の裏面側
    に処理を施す裏面処理工程とを、この順序で行う加飾成
    形品の製造方法であって、前記加飾工程では、前記基部
    の裏面に、昇華性インクで印刷された転写シートを合わ
    せ、この状態で転写加熱して昇華成分を基部内部に浸透
    させることにより、基板の裏面側内部まで着色した着色
    部分を設け、その後に転写シートを除去し、前記裏面処
    理工程では、前記基部の裏面に着色プライマー層を施す
    ことを特徴とする加飾成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】合成樹脂製の透明又は半透明な板材の裏面
    側を加飾する加飾工程と、この加飾された板材を加熱成
    形して基部を得る成形工程と、この基部の裏面側に処理
    を施す裏面処理工程とを、この順序で序列的に行う加飾
    成形品の製造方法であって、前記加飾工程では、前記板
    材の裏面に、昇華性インクで印刷された転写シートを合
    わせ、この状態で転写加熱して昇華成分を基板内部に浸
    透させることにより、基板の裏面側内部まで着色した着
    色部分を設け、その後に転写シートを除去し、前記裏面
    処理工程では、前記基部の裏面に着色プライマー層を施
    すことを特徴とする加飾成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記成形工程では、前記加熱成形時に基部
    の裏面に凹凸部を形成する請求項4記載の加飾成形品の
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記裏面処理工程では、前記基部の裏面に
    前記着色プライマー層を介してバックアップ層を施す請
    求項3,4または5記載の加飾成形品の製造方法。
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