WO2024009353A1

WO2024009353A1 - 遠心送風機および換気扇

Info

Publication number: WO2024009353A1
Application number: PCT/JP2022/026590
Authority: WO
Inventors: 和真宮本; 一輝岡本; 健一迫田
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2022-07-04
Filing date: 2022-07-04
Publication date: 2024-01-11
Also published as: JPWO2024009353A1

Abstract

遠心送風機は、駆動モータと、駆動モータの回転軸に固定されて回転する主板（２６）と、主板（２６）の外周部に間隔を置いて環状に立設される複数の翼（２７）と、を有する羽根車（４）と、主板（２６）に対向する吸込口を有し、羽根車（４）を収容するファンケーシングと、を備える。主板（２６）は、全体的に内径側から外径側に向かって吸込口からの距離が長くなるように傾斜し、半径方向の中央部に回転軸に直角な平面である水平面部（１１４）を有し、複数の翼（２７）が立設される外周部は、内径側から外径側に向かって吸込口からの距離が長くなるように傾斜している。

Description

遠心送風機および換気扇

　本開示は、羽根車を有する遠心送風機および換気扇に関する。

　換気扇の羽根車としては、軸流羽根車、遠心羽根車が広く利用される。特に、気密性を高めた室内における換気を満足するには、送風機に高い静圧が求められるため、遠心羽根車を用いた遠心送風機が一般的に用いられる。遠心送風機は、吸い込んだ空気を回転軸の遠心方向に吹き出す構造であるため、吸込流れに慣性力が作用する。よって、羽根車内を通る流れは、羽根車の主板側に偏った速度分布を形成し、吸込口に近い羽根車の翼端側は、流れの曲率半径が小さくなることから、空気が流れにくい。遠心送風機では上述のような速度分布を形成することから、羽根車の半径方向に流れが向かいやすいように、羽根車の主板に傾斜面、曲面が設けられる。

　特許文献１には、ボス部と、複数のブレードと、ボス部と複数のブレードとを接続する主板としてのボスプレートを有する羽根車が示されている。ボスプレートは、滑らかに湾曲するほぼ一様な傾斜面で構成されている。また、複数のブレードが配置されるボスプレートの外周部は、内径側の傾斜面より傾斜を緩くしている。

特許第３４５８４２６号公報

　特許文献１では、ボスプレートがほぼ一様な傾斜面で構成されているので、羽根車内の気流の流速が速くなり、圧力損失が増加し、騒音が増加し、風量が減少するという課題がある。また、ボスプレートがほぼ一様な傾斜面で構成されているので、成型加工が難しいという課題がある。また、ボスプレートの外周部の傾斜を内径側の傾斜面より緩くしているので、羽根車内の気流がブレードの根元側に向かって流れ難くなり、羽根車の翼の根元部が十分に機能し難くなり、風量が減少するという課題がある。

　本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、風量を増加させ、騒音を低減することができ、成型加工が容易な遠心送風機を得ることを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示における遠心送風機は、駆動モータと、駆動モータの回転軸に固定されて回転する主板と、主板の外周部に間隔を置いて環状に立設される複数の翼と、を有する羽根車と、主板に対向する吸込口を有し、羽根車を収容するファンケーシングと、を備える。主板は、全体的に内径側から外径側に向かって吸込口からの距離が長くなるように傾斜し、半径方向の中央部に回転軸に直角な平面である水平面部を有し、複数の翼が立設される外周部は、内径側から外径側に向かって吸込口からの距離が長くなるように傾斜している。

　本開示に係る遠心送風機は、風量を増加させ、騒音を低減することができ、成型加工が容易になるという効果を奏する。

実施の形態にかかる遠心送風機が搭載される換気扇の構成を示す断面図実施の形態にかかる遠心送風機が搭載される換気扇の構成を示す平面図実施の形態にかかる遠心送風機が搭載される換気扇の構成を示す平面図実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の構成を示す斜視図実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の構成を示す上面図実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の構成を示す断面図実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の主板の構成を示す拡大断面図実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の主板および翼の構成を示す断面図実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の主板の変形例を示す断面図実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の主板の変形例の一部断面図実施の形態にかかる遠心送風機と比較例との性能比較を示す図

　以下に、実施の形態にかかる遠心送風機および換気扇を図面に基づいて詳細に説明する。

実施の形態．
　図１は、実施の形態にかかる遠心送風機が搭載される換気扇の構成を示す断面図である。図２は、実施の形態にかかる遠心送風機が搭載される換気扇の構成を示す平面図である。図３は、実施の形態にかかる遠心送風機が搭載される換気扇の構成を示す平面図である。図２では、換気扇の化粧グリルが省略されている。図３では、換気扇の化粧グリルが省略され、端子カバーが開いている。図４は、実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の構成を示す斜視図である。図５は、実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の構成を示す上面図である。図６は、実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の構成を示す断面図である。図６は、図５のＶＩ－ＶＩ断面図である。図７は、実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の主板の構成を示す拡大断面図である。図７は、図５のＶＩＩ－ＶＩＩ断面図である。図８は、実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の主板および翼の構成を示す断面図である。

　図１から図３に示すように、換気扇１００は、ダクト用の換気扇である。換気扇１００は、天井２２に形成された開口２３を通じて天井裏に配置され、屋外に通じるダクト１４に接続され、室内の空気を換気する。換気扇１００は、換気扇本体２と、ダクト接続口８と、遠心送風機１と、を有する。以下、遠心送風機１を単に送風機１と呼ぶ。ダクト接続口８は、換気扇本体２の側部に設けられ、換気扇本体２の側面から直角方向に延びている。ダクト接続口８は、気流Ｗの吐出口となる排気口１０をダクト１４に連通する位置まで延長する。ダクト接続口８がダクト１４に挿入されることで、換気扇１００とダクト１４とが接続される。送風機１は、換気する空気を流通させる換気駆動体である。換気扇本体２は、送風機１を収容し、固定する。

　換気扇１００は、天井２２に開けられた開口２３に配置され、換気扇本体２のフランジ２ａに設けられたねじ穴２４を通じて天井２２にねじを挿入することで固定される。換気扇１００は、ファンケーシング６を含む内部部品が見えて見栄えが悪くならないようにするために、意匠部品である化粧グリル１２を備える。化粧グリル１２は、２本のスプリング１３を備えており、ファンケーシング６に取付けられているスプリング固定部品７にスプリング１３を引っ掛けることにより換気扇本体２に固定される。化粧グリル１２によって換気扇１００の前面が覆われている。スプリング１３はスプリング固定部品２１により化粧グリル１２に取付けられている。

　換気扇本体２は、底面が開口した箱状であり、側面に排気口１０が設けられている。換気扇本体２は、底面の開口が吸気口をなす。排気口１０にはダクト接続口８が接続される。換気扇本体２の天板２５には、送風機１の駆動モータ３が取付けられている。

　送風機１は、駆動モータ３と、駆動モータ３の回転軸３ａに結合された羽根車４と、羽根車４を収容するファンケーシング６と、を有する。ファンケーシング６は、吸込口５を有する。羽根車４は、吸込口５からファンケーシング６の中に流入して換気扇本体２の排気口１０から流出する気流Ｗを形成する。駆動モータ３は、羽根車４を駆動する。駆動モータ３は、前述したように、天板２５に固定されている。

　電線接続装置２０と駆動モータ３とは、電線により電気的に接続されている。電線接続装置２０は、端子カバー１１にて風路部と隔離されており、埃、湿気の侵入を抑制している。外部電源電線を通じて供給された電力が電線接続装置２０を介して駆動モータ３に流れることで、電気エネルギーが駆動モータ３の回転軸３ａの回転運動に変換される。駆動モータ３が回転運動を羽根車４に伝えることで羽根車４が回転し、ファンケーシング６および吸込口５によって形成された風路内に気流Ｗが形成される。

　ダクト接続口８は、径の異なる段状の外形を有している。ダクト接続口８の外形が径の異なる段状であることにより、径が異なるダクト１４に接続することが可能であり、テーピングなどの作業性が向上する。ダクト接続口８内には、風圧にて開閉するシャッタ９が設けられている。シャッタ９は、換気扇１００の運転時には風圧で開き、停止時はシャッタ９の自重でダクト接続口８を閉鎖する。ダクト接続口８内にシャッタ９を設けることで、換気扇１００の停止時に屋外からの外風が室内に侵入するのを防止することができる。

　ダクト１４は、屋外まで延びており、建物の屋外外壁に設けられたフードなどと連結し、住宅内の空気を換気する換気風路を形成している。

　ファンケーシング６は、下面が開放されて吸込口５が形成されている。吸込口５からファンケーシング６内に吸い込まれた空気は、気流Ｗとして示されるように、送風機１によってファンケーシング６の内壁に沿って排気口１０に送られ、ダクト接続口８およびダクト１４を介して屋外へ排気される。ファンケーシング６は、ねじによって換気扇本体２の天板２５に固定されている。ファンケーシング６の開口側には、化粧グリル１２を取付けるためのスプリング固定部品７が形成されている。

　端子カバー１１の回転軸１６は、ファンケーシング６に設けられた回転穴１５に挿入されている。端子カバー１１は、回転軸１６を中心とした回転により開閉される。端子カバー１１が開閉可能であるため、電線接続装置２０へのアクセスが可能となり、室内側より容易に外部電源電線の挿入が可能となる。端子カバー１１は、開き易くするための指引掛け部１７を備えている。端子カバー１１の閉時には、ファンケーシング６に設けられた保護壁１８により密閉度が向上する。また、保護壁１８には、係止め突起１９が設けられており、端子カバー１１を係止め可能としており、閉状態の維持が可能である。

　図４から図８に示すように、羽根車４は、主板２６と、複数の翼２７と、補強リング２８と、を備える。なお、図４、図６、図７、図８においては、羽根車４は、図１での配置と、上下反転して、図示されている。主板２６は、換気扇本体２の天板２５に取り付けられた駆動モータ３の回転軸３ａに固定され、回転軸３ａを中心として回転する。ファンケーシング６の吸込口５は、主板２６に対向している。複数の翼２７は、主板２６の外周部に設けられ、定められた間隔を置いて環状に立設されている。翼２７は、回転軸３ａに沿った方向に延びる形状を有する。環状形状を有する補強リング２８は、翼２７の外周部に取り付けられ、複数の翼２７の端部を固定する。

　実施の形態においては、主板２６は、全体的に見れば、内径側から外径側に向かって吸込口５からの距離が長くなるように概ね傾斜している。主板２６は、半径方向のほぼ中央部分に、回転軸３ａに垂直な方向に延びる水平面部１１４を備え、水平面部１１４の半径方向内側および半径方向外側に、内径側から外径側に進むに従ってファンケーシング６の吸込口５から遠ざかるように傾斜した傾斜面部を有する。水平面部１１４が設けられる主板２６の半径方向の中央部分とは、主板２６における駆動モータ３の回転軸３ａが固定される部分に形成される平坦部分（図８に示す主板２６おける第１傾斜部１１１より内径側の部分）を除いた範囲における半径方向の真ん中部分を示している。

　また、実施の形態においては、主板２６において、複数の翼２７が立設される外周部は、内径側から外径側に向かって吸込口５からの距離が長くなるように傾斜している。すなわち、翼２７の外周側の位置に対応する主板２６上の軸方向位置が、翼２７の内周側の位置に対応する主板２６上の軸方向位置より、ファンケーシング６の吸込口５から遠ざかるように、主板２６の外周部の形状が作成される。軸方向位置とは、回転軸３ａの軸方向に沿った位置である。図６において、仮想線Ｂは、ファンケーシング６の吸込口５の位置に対応する。吸込口５から翼２７の内周側の位置に対応する主板２６上の軸方向位置までの長さをｈ１とする。吸込口５から翼２７の外周側の位置に対応する主板２６上の軸方向位置までの長さをｈ２とする。実施の形態においては、ｈ２＞ｈ１となるように、主板２６における外周部の形状、傾斜が設計されている。

　また、実施の形態においては、図５に示すように、主板２６における水平面部１１４よりも内径側に複数の開口部２９を設ける。複数の開口部２９は、主板２６の周方向に沿って間隔をおいて形成される。また、実施の形態においては、主板２６における吸込口５に対面する面とは反対の裏面に、共振防止のための環状の突出部３０を設ける。

　図８を用いて、羽根車４の形状をより詳細に説明する。主板２６は、回転軸３ａの中心側から外径側に向けて、順に、第１傾斜部１１１、第２傾斜部１１２、第３傾斜部１１３、水平面部１１４、外周部に対応する第４傾斜部１１５を有する。

　各部の傾斜度合いを、回転軸３ａ方向の長さ／半径方向の長さで表現すると、第１傾斜部１１１の傾き＞第３傾斜部１１３の傾き＞第４傾斜部１１５の傾き≒第２傾斜部１１２の傾き＞水平面部１１４の傾き、という関係となる。

　第１傾斜部１１１は、モータの回転軸３ａに含まれる中心軸Ｏから半径Ｒ１までの範囲の部分である。主板２６の半径、すなわち、中心軸Ｏから翼２７の外周までの長さをＲ５とする。第１傾斜部１１１の半径Ｒ１は、半径Ｒ５の１／３程度である。すなわち、Ｒ１≒（１／３）×Ｒ５である。第１傾斜部１１１は、断面形状が直線的な平面であり、中心軸Ｏに対して回転対称の形状を有する。第１傾斜部１１１は、主板２６を駆動モータ３の回転軸３ａに固定するための構造を有する。一方、風路的には、半径方向の中心付近では圧力が高くなく、風量、騒音への影響は小さいので、第１傾斜部１１１の形状に大きな制限はない。

　第２傾斜部１１２は、半径Ｒ１の位置から半径Ｒ２の位置までの範囲の部分である。Ｒ２＞Ｒ１である。半径Ｒ２は半径Ｒ５の２／３程度である。すなわち、Ｒ２≒（２／３）×Ｒ５である。第２傾斜部１１２から第３傾斜部１１３にかけて、周方向に間隔を置いて複数の開口部２９が設けられる。図５では、６個の開口部２９が設けられている。第２傾斜部１１２は、断面形状が直線的な平面であり、開口部２９以外は中心軸Ｏに対して回転対称の形状を有する。第２傾斜部１１２は、第４傾斜部１１５とほぼ同一の円錐面を形成する。すなわち、第２傾斜部１１２の傾斜は、第４傾斜部１１５の傾斜と同程度である。傾斜が同程度とは、傾斜が同じことを含み、２度以下の傾斜角度が異なることを含むものとする。

　第３傾斜部１１３は、半径Ｒ２の位置から半径Ｒ３の位置までの範囲の部分である。Ｒ３＞Ｒ２である。第３傾斜部１１３の半径方向の幅は、翼幅ＬＷの１／２程度である。翼幅ＬＷは、翼２７の半径方向の幅である。すなわち、（Ｒ３－Ｒ２）≒（１／２）×ＬＷである。前述したように、第２傾斜部１１２から第３傾斜部１１３にかけて、周方向に間隔を置いて複数の開口部２９が設けられる。第３傾斜部１１３は、断面形状が直線的な平面であり、開口部２９以外は中心軸Ｏに対して回転対称の形状を有する。第３傾斜部１１３の傾斜は、第２傾斜部１１２の傾斜よりも大きい。

　水平面部１１４は、半径Ｒ３の位置から半径Ｒ４の位置までの範囲の部分である。Ｒ４＞Ｒ３である。水平面部１１４の幅は、翼幅ＬＷと同程度である。すなわち、（Ｒ４－Ｒ３）≒ＬＷである。水平面部１１４は、断面形状が直線的な平面であり、中心軸Ｏに対して回転対称の形状を有する。水平面部１１４は、回転軸３ａに直交する平面である。

　第４傾斜部１１５は、半径Ｒ４の位置から半径Ｒ５の位置までの範囲の部分である。Ｒ５＞Ｒ４である。第４傾斜部１１５の幅は、翼幅ＬＷの１．５倍程度である。すなわち、（Ｒ５－Ｒ４）≒（３／２）×ＬＷである。第４傾斜部１１５の吸込口５側には、間隔を置いて環状に配列された複数枚の翼２７が設けられる。翼幅ＬＷと、半径Ｒ５とは以下の関係を満たす。
　　（１／１０）×Ｒ５≦ＬＷ≦（２／１０）×Ｒ５

　第４傾斜部１１５は、中心軸Ｏに対して回転対称の形状を有する。第４傾斜部１１５は、前述したように、吸込口５から翼２７の内周側の位置に対応する第４傾斜部１１５の位置までの長さｈ１より、吸込口５から翼２７の外周側の位置に対応する第４傾斜部１１５の位置までの長さｈ２が、長くなるように形成される。第４傾斜部１１５は、断面形状が直線的な平面であり、第２傾斜部１１２とほぼ同一の円錐面で形成される。

　第４傾斜部１１５の裏面には、環状の突出部３０が設けられている。すなわち、環状の突出部３０が設けられる半径Ｒ３０の位置は、半径Ｒ４の位置から半径Ｒ５の位置までの範囲の部分が好ましい。

　実施の形態によれば、主板２６は、全体的に見れば、内径側から外径側に向かって吸込口５からの距離が長くなるように概ね傾斜しており、半径方向のほぼ中央部分に、回転軸３ａに垂直な方向に延びる水平面部１１４を備えている。別言すれば、勾配が強い傾斜面と水平な水平面部１１４を組み合わせて羽根車４の主板２６を構成して、羽根車４内に空間を設けるようにしている。このため、羽根車４の翼２７に入る前の流れの風速を減速させることができ、圧力損失の増加を防ぐことができる。また、羽根車４内の気流は外径方向に向かって流れ易くなる。

　主板２６に水平面部１１４を設けることで、羽根車４内の流れは外径方向に向かって流れ易くなるものの、羽根車４内の流れが翼２７の根元側に向かって流れ難くなるため、羽根車４の翼２７の軸方向全体が十分に機能し難くなる。このため、実施の形態では、ｈ２＞ｈ１となるように、主板２６における外周部の形状が形成されている。こうすることで、図７に示すように、羽根車４の翼２７の根元側に向かって、空気を引き込む気流Ｅを生み出し、羽根車４の翼２７の軸方向全体を十分に機能させることが期待できる。

　また、主板２６に水平面部１１４を設けることで、翼２７の根元以外から吹き出される気流の流れが改善される。また、ｈ２＞ｈ１とすることで、翼２７の根元側から吹き出される気流の流れが改善される。したがって、羽根車４の翼２７から吹き出された空気の流れの分布が軸方向において均一化され、騒音の低減効果と風量の増加効果が期待できる。

　主板２６に水平な面がない場合、金型の合わせ位置が斜面になってしまうため、成形時に高い精度が求められる上に、金型の摩耗も激しくなる。実施の形態では、主板２６に水平面部１１４を持っているので、金型の合わせ位置を水平な面にすることができる。これにより容易に主板２６を成形できるようになり、また金型の摩耗も少なくなる。

　また、実施の形態では、主板２６に複数の開口部２９を設けているので、羽根車４の重さが軽量化され、樹脂量が削減できる。また、開口部２９により駆動モータ３への空冷効果を得られる。

　図９は、実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の主板の変形例を示す断面図である。図１０は、実施の形態にかかる遠心送風機の羽根車の主板の変形例の一部断面図である。図９および図１０に示す変形例においては、第４傾斜部１１５ａを吸込口５に向かって凸の曲面としている。

　このとき、第４傾斜部１１５ａの傾斜は、内径側の半径Ｒ４の位置から外径側の半径Ｒ５の位置に向けて徐々に大きくなる。半径Ｒ４の位置での傾斜は、第２傾斜部１１２の傾斜と同程度である。すなわち、第２傾斜部１１２の傾斜≒第４傾斜部１１５ａの半径Ｒ４の位置での傾斜＜第４傾斜部１１５ａの半径Ｒ５の位置での傾斜、となる。

　また、図１０に示すように、Ｒ４＜Ｒａ１＜Ｒａ２＜Ｒ５とするとき、半径Ｒａ１の位置の傾斜より、半径Ｒａ２の位置の傾斜が大きい。

　変形例によれば、第４傾斜部１１５ａを吸込口５に向かって凸の曲面としているので、翼２７の根元側の流れにコアンダ効果を付加し、送風機の風量の増加を期待することができる。

　図１１は、実施の形態にかかる遠心送風機と比較例との性能比較を示す図である。比較例としては、特許文献１のように、外周部以外は一様な傾斜面を有し、外周部は内径側の傾斜面より緩い傾斜を持つ主板を持つ羽根車を用いた。実施の形態の羽根車としては、図６、図７に示した羽根車４を用いた。比較例の羽根車の複数の翼と実施の形態の羽根車の複数の翼とは、同じものを用いた。両者の羽根車の外径は、１４０ｍｍのものを用いた。静圧が０ｐａのときは、比較例の羽根車の回転数は、１６５９ｍｉｎ^－１であり、実施の形態の羽根車の回転数は、１６５６ｍｉｎ^－１であった。静圧が５０ｐａのときは、比較例の羽根車の回転数は、１６５９ｍｉｎ^－１であり、実施の形態の羽根車の回転数は、１６５７ｍｉｎ^－１であった。静圧が１００ｐａのときは、比較例の羽根車の回転数は、１６６０ｍｉｎ^－１であり、実施の形態の羽根車の回転数は、１６５７ｍｉｎ^－１であった。図１１から判るように、同一静圧時に、風量としては、約６ｍ^３／ｈの増加が得られ、騒音値としては、約０．１～０．６ｄＢの低減の効果が得られた。

　以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

　１　遠心送風機（送風機）、２　換気扇本体、２ａ　フランジ、３　駆動モータ、３ａ，１６　回転軸、４　羽根車、５　吸込口、６　ファンケーシング、７，２１　スプリング固定部品、８　ダクト接続口、９　シャッタ、１０　排気口、１１　端子カバー、１２　化粧グリル、１３　スプリング、１４　ダクト、１５　回転穴、１７　指引掛け部、１８　保護壁、１９　係止め突起、２０　電線接続装置、２２　天井、２３　開口、２４　ねじ穴、２５　天板、２６　主板、２７　翼、２８　補強リング、２９　開口部、３０　突出部、１００　換気扇、１１１　第１傾斜部、１１２　第２傾斜部、１１３　第３傾斜部、１１４　水平面部、１１５，１１５ａ　第４傾斜部。

Claims

　駆動モータと、
　駆動モータの回転軸に固定されて回転する主板と、前記主板の外周部に間隔を置いて環状に立設される複数の翼と、を有する羽根車と、
　前記主板に対向する吸込口を有し、前記羽根車を収容するファンケーシングと、
　を備え、
　前記主板は、
　全体的に内径側から外径側に向かって前記吸込口からの距離が長くなるように傾斜し、
　半径方向の中央部に前記回転軸に直角な平面である水平面部を有し、
　複数の前記翼が立設される前記外周部は、内径側から外径側に向かって前記吸込口からの距離が長くなるように傾斜している
　ことを特徴とする遠心送風機。
　前記主板は、内径側から外径側に向かって、第１傾斜部、第２傾斜部、第３傾斜部、前記水平面部、前記外周部としての第４傾斜部を有し、
　前記第２傾斜部の傾きは、前記第４傾斜部の傾きと同程度であり、前記第１傾斜部の傾きは、前記第３傾斜部の傾きより大きく、前記第３傾斜部の傾きは、前記第２傾斜部の傾きおよび前記第４傾斜部の傾きより大きい
　ことを特徴とする請求項１に記載の遠心送風機。
　前記主板の前記外周部は、前記吸込口に向かって凸の曲面である
　ことを特徴とする請求項１または２に記載の遠心送風機。
　前記主板は、前記水平面部よりも内径側に、周方向に沿って配される複数の開口部を有する
　ことを特徴とする請求項１から３の何れか一つに記載の遠心送風機。
　請求項１から４の何れか一つに記載の遠心送風機と、
　前記遠心送風機が収容される換気扇本体と、
　を備えることを特徴とする換気扇。