WO2023282231A1

WO2023282231A1 - 虚像表示装置

Info

Publication number: WO2023282231A1
Application number: PCT/JP2022/026611
Authority: WO
Inventors: 康徳二宮; 俊一岡田; 悠介大田; 健太二村
Original assignee: 株式会社デンソー
Priority date: 2021-07-09
Filing date: 2022-07-04
Publication date: 2023-01-12
Also published as: JP2023010311A; US20240116364A1; JP7459846B2

Abstract

虚像表示装置のハウジング（３０）は、相対的に第１の方向の側に配置される第１ハウジング（３１）と、相対的に第１の方向とは反対の第２の方向の側に配置される第２ハウジング（３２）と、を有している。また、ハウジングには、第１の方向と直交する第３の方向の側に、複合壁（２００）が形成されている。複合壁は、第１前壁部（４１）と第２前壁部（５１）とを含む。第１前壁部は、第１ハウジングに形成される。第２前壁部は、第２ハウジングに形成される。第１前壁部と第２前壁部とは、荷重を受けて互いに接近したときに干渉を回避する干渉回避構造を有する。

Description

虚像表示装置

関連出願の相互参照

　本国際出願は、２０２１年７月９日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第２０２１－１１４３６１号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第２０２１－１１４３６１号の全内容を本国際出願に参照により援用する。

　本開示は、虚像表示装置に関する。

　特許文献１には、車体の投影部材に向けて表示光を出射することにより、投影部材に反射した表示光を視認者に虚像として視認させる虚像表示装置が記載されている。当該虚像表示装置は、虚像表示装置のハウジングに設けられた取付け部が、車体に設けられたブラケット部にボルトによって固定される。取付け部には、ボルトが挿通される取付け孔から繋がって、車体の前方側に開口して、歩行者衝突時にボルトに対する取付け部の移動を可能とする切込み部が設けられる。切込み部が設けられることにより、歩行者衝突時には、後方側へ向かう外力によって、取付け部が後方へスライドしてボルトによる固定から外れ、虚像表示装置がブラケット部から脱落する。よって、衝突した歩行者へ与える衝撃を少なくすることができる。

特開２０２０－１２８１８０号公報

　しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、以下の課題が見出された。すなわち、特許文献１の虚像表示装置は、後方への移動のみに着目し衝撃抑制を試みているが、上下方向に関しても衝撃吸収機能を発揮できることが望ましい。

　本開示の一局面は、より高度に衝撃吸収機能を発揮できる虚像表示装置を提供することが好ましい。

　本開示の一態様は、車両の投影部材に向けて表示光を出射することにより、投影部材に反射した表示光を視認者に虚像として視認させる虚像表示装置であって、当該虚像表示装置は、ハウジングを有している。ハウジングは、相対的に第１の方向の側に配置される第１ハウジングと、相対的に第１の方向とは反対の第２の方向の側に配置される第２ハウジングと、を有している。また、ハウジングは、第１の方向と直交する第３の方向の側に、複合壁が形成されている。複合壁は、第１壁部と、第２壁部と、を含む。第１壁部は、第１ハウジングに形成される。第２壁部は、第２ハウジングに形成される。第１壁部と第２壁部とは、荷重を受けて互いに接近したときに干渉を回避する干渉回避構造を有する。

　このような構成によれば、より高度に衝撃吸収機能を発揮できる。

第１実施形態における虚像表示装置の車両への搭載状態を示す説明図である。第１実施形態における虚像表示装置の外観を示す斜視図である。第１実施形態における虚像表示装置の外観を示す上面図である。図２におけるIV－IVを示す断面図の斜視図である。第１実施形態における上方から見た断面図の模式図である。第２実施形態における側方から見た断面図の模式図である。第２実施形態における干渉回避構造を示す説明図である。変形例における側方から見た断面図の模式図であって、第１前壁部の上端が回転軸よりも下方に位置する場合の模式図である。変形例における側方から見た断面図の模式図であって、第２前壁部が下方側ほど、第１前壁部が位置する平面から離れている場合の模式図である。変形例における側方から見た断面図の模式図であって、リブを備える構成の模式図である。図１１Ａは凹曲面を有するリブの断面図であり、図１１Ｂは凸曲面を有するリブの断面図であり、図１１Ｃは階段状のリブの断面図であり、図１１Ｄは出っ張りを有するリブの断面図である。変形例における側方から見た断面図の模式図であって、第１前壁部の上端と第２前壁部の下端とが上下方向に関して重複しない位置に配置される場合の模式図である。

　以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。

　［１．第１実施形態］
　［１－１．構成］
　図１に示すように、虚像表示装置１００は、例えば、自動車等の車両に搭載される。虚像表示装置１００は、車両のウインドシールド１０に向けて表示光を出射することにより、ウインドシールド１０に反射した表示光を視認者に虚像１０ｂとして視認させる装置である。虚像表示装置１００は、ウインドシールド１０の下方に設けられる。本実施形態では、虚像表示装置１００は、車体１に設けられたインストルメントパネル２０、及びエンジンルーム２と車室３とを区画する隔壁４によって形成される空間部４０に収容されている。以下、虚像表示装置１００の説明において、虚像表示装置１００を車両に取り付けた場合の車両の前後方向を虚像表示装置１００の前後方向とし、車両の車幅方向を虚像表示装置１００の左右方向とし、車両の上下方向を虚像表示装置１００の上下方向とする。方向の定義は説明の便宜上用いているに過ぎず、本開示の実施の態様について何ら限定するものではない。

　虚像表示装置１００はハウジング３０を有している。虚像表示装置１００のハウジング３０内には、表示器２０１、凹面鏡２０２等が収容される。

　虚像表示装置１００は、表示器２０１から出射される表示情報を表す表示光を、凹面鏡２０２で反射させて、インストルメントパネル２０に形成された開口部２１を介して、車体１に設けられたウインドシールド１０の投射位置１０ａに入射させる。凹面鏡２０２は、凹面鏡２０２を回転可能に形成する回転軸２０３を有する。そして、虚像表示装置１００は、ウインドシールド１０の前方に、表示情報の表示像を結像させて、表示像を虚像１０ｂとして運転者に視認させる。運転者は、表示像と車両の前景とを重畳して視認可能である。

　図２，図３に示すように、ハウジング３０は、第１ハウジング３１と、第２ハウジング３２と、を備える。第１ハウジング３１及び第２ハウジング３２は、樹脂材によって形成されている。第１ハウジング３１は、第２ハウジング３２よりも下方側に配置される。

　ハウジング３０の前方側には、複合壁２００が形成されている。複合壁２００は、第１ハウジング３１及び第２ハウジング３２それぞれの一部分の組み合わせにより構成される壁面である。複合壁２００は、第１前壁部４１と、第１右壁部４２と、第１左壁部４４と、第２前壁部５１と、第２右壁部５２と、第２左壁部５４と、を含む。第１前壁部４１と第２前壁部５１とによって前側の壁面が形成され、第１左壁部４４と第２左壁部５４とによって左側面の前方側の壁面が形成される。図２では示されないが、第１右壁部４２と第２右壁部５２とによって右側面の前方側の壁面が形成される。

　第１ハウジング３１の前側には第１前壁部４１が形成される。第１前壁部４１は、第１ハウジング３１の下方側から上方側に延びる壁である。第２ハウジング３２の前側には第２前壁部５１が形成される。第２前壁部５１は、第２ハウジング３２の上方側から下方側に延びる壁である。つまり、第１前壁部４１と第２前壁部５１とでハウジング３０の前側の壁を形成している。図４に示すように、第１前壁部４１の上端は、回転軸２０３の高さ位置よりも上方に設けられる。

　第１前壁部４１と第２前壁部５１とは、荷重を受けて互いに接近したときに干渉を回避する干渉回避構造を有する。本実施形態では、第１前壁部４１と第２前壁部５１とは、干渉回避構造として、第１前壁部４１と第２前壁部５１との厚さ方向に関して異なる位置に配置される構造を有する。つまり、第１前壁部４１と第２前壁部５１とは、前後方向に関して異なる位置に配置されており、第１前壁部４１と第２前壁部５１との間には、前後方向に関して隙間が形成されている。第２前壁部５１の方が、第１前壁部４１よりも前方に出っ張っている。第１前壁部４１と第２前壁部５１とは、上下方向の一部が前後に重なっている。第１前壁部４１が位置する平面４１１と、第２前壁部５１が位置する平面５１１とは略平行である。第１前壁部４１が位置する平面４１１とは、板状の第１前壁部４１と一致する仮想的な平面のことである。第２前壁部５１が位置する平面５１１とは板状の第２前壁部５１と一致する仮想的な平面のことである。

　図２，図３に示すように、第１ハウジング３１と第２ハウジング３２とは、複数の締結部６０により固定されている。複数の締結部６０は、それぞれ、穴部６１と、留め具部６２と、を備える。穴部６１は、第２ハウジング３２に設けられる貫通孔である。留め具部６２は、穴部６１を貫通し、第１ハウジング３１に締結される。その結果、第２ハウジング３２が留め具部６２と第１ハウジング３１とで挟持される。本実施形態では、穴部６１は上方から見たときの第２ハウジング３２の端部に設けられる。また、留め具部６２としてビスが用いられる。図５に示すように、複数の締結部６０のうち最も前方の２つの締結部６０１は、回転軸２０３よりも後方に設けられる。具体的には、２つの締結部６０１の中心部が、回転軸２０３よりも後方に設けられる。なお、複数の締結部６０のうちの全部は、回転軸２０３に関して第１前壁部４１及び第２前壁部５１とは反対側に形成される。

　図２，図５に示すように、第１ハウジング３１は、第１右壁部４２と、第１右囲部４３と、第１左壁部４４と、第１左囲部４５と、を備える。

　第１右壁部４２は、第１ハウジング３１の右側の壁面における、２つの締結部６０１よりも前方の部分である。２つの締結部６０１よりも前方の部分とは、２つの締結部６０１の前方側の先端部分よりも前方の部分を意味する。第１右囲部４３は、第１ハウジング３１の右側の壁面における、２つの締結部６０１よりも後方の部分である。

　第１左壁部４４は、第１ハウジング３１の左側の壁面における、２つの締結部６０１よりも前方の部分である。第１左囲部４５は、第１ハウジング３１の左側の壁面における、２つの締結部６０１よりも後方の部分である。

　第２ハウジング３２は、第２右壁部５２と、第２右囲部５３と、第２左壁部５４と、第２左囲部５５と、を備える。

　第２右壁部５２は、第２ハウジング３２の右側の壁面における、２つの締結部６０１よりも前方の部分である。第２右囲部５３は、第２ハウジング３２の右側の壁面における、２つの締結部６０１よりも後方の部分である。

　第２左壁部５４は、第２ハウジング３２の左側の壁面における、２つの締結部６０１よりも前方の部分である。第２左囲部５５は、第２ハウジング３２の左側の壁面における、２つの締結部６０１よりも後方の部分である。

　第１右壁部４２と、第２右壁部５２とは、荷重を受けて互いに接近したときに干渉を回避する干渉回避構造を有する。本実施形態では、第１右壁部４２と第２右壁部５２とは、干渉回避構造として、第１右壁部４２と第２右壁部５２との厚さ方向に関して異なる位置に配置される構造を有する。つまり、第１右壁部４２と第２右壁部５２とは、左右方向に関して異なる位置に配置されており、第１右壁部４２と第２右壁部５２との間には、左右方向に関して隙間が形成されている。第２右壁部５２の方が、第１右壁部４２よりも右方に出っ張っている。第１右壁部４２と第２右壁部５２とは、上下方向の一部が左右に重なっている。第１右壁部４２が位置する平面と、第２右壁部５２が位置する平面とは略平行である。

　第１右囲部４３は、第２右囲部５３を下方から支持する。第１右囲部４３の上方側の端部と、第２右囲部５３の下方側の端部とは、当接している。

　第１左壁部４４と、第２左壁部５４とは、荷重を受けて互いに接近したときに干渉を回避する干渉回避構造を有する。本実施形態では、第１左壁部４４と第２左壁部５４とは、干渉回避構造として、第１左壁部４４と第２左壁部５４との厚さ方向に関して異なる位置に配置される構造を有する。つまり、第１左壁部４４と第２左壁部５４とは、左右方向に関して異なる位置に配置されており、第１左壁部４４と第２左壁部５４との間には、左右方向に関して隙間が形成されている。第２左壁部５４の方が、第１左壁部４４よりも左方に出っ張っている。第１左壁部４４と第２左壁部５４とは、上下方向の一部が左右に重なっている。第１左壁部４４が位置する平面と、第２左壁部５４が位置する平面とは略平行である。

　第１左囲部４５は、第２左囲部５５を下方から支持する。第１左囲部４５の上方側の端部と、第２左囲部５５の下方側の端部とは、当接している。

　［１－２．効果］
　以上詳述した第１実施形態によれば、以下の効果が得られる。

　（１ａ）虚像表示装置１００において、第１前壁部４１と第２前壁部５１とは、前後方向に関して異なる位置に配置される。このような構成によれば、第１前壁部４１と第２前壁部５１とは、荷重を受けて互いに接近したときに、互いに前後にずれて、上下にすり抜ける。よって、第１前壁部４１と第２前壁部５１とが干渉せずに、虚像表示装置１００がつぶれるため、より高度に衝撃を吸収する機能を発揮することができる。

　また、第１右壁部４２と第２右壁部５２とは、左右方向に関して異なる位置に配置される。第１左壁部４４と第２左壁部５４とも、左右方向に関して異なる位置に配置される。このような構成によれば、第１前壁部４１と第２前壁部５１との場合と同様に、虚像表示装置１００がつぶれるやすくなるため、より高度に衝撃を吸収する機能を発揮することができる。

　また、干渉回避構造はハウジング３０の前方側に形成される。このような構成によれば、最も歩行者と衝突しやすい車体１の前方側において、歩行者からの荷重を受けたときに虚像表示装置１００がつぶれやすくなっている。よって、より高度に衝撃を吸収する機能を発揮することができる。

　（１ｂ）虚像表示装置１００は、回転軸２０３よりも後方に、複数の締結部６０のうち最も前方の２つの締結部６０１を備える。このような構成によれば、虚像表示装置１００の前方側に複数の締結部６０が存在しない。よって、虚像表示装置１００の前方側がつぶれることを複数の締結部６０が阻害してしまうことを回避できる。

　（１ｃ）干渉回避構造は、第１前壁部４１及び第２前壁部５１と、第１右壁部４２及び第２右壁部５２と、第１左壁部４４及び第２左壁部５４と、に形成される。つまり、図５に示すように、干渉回避構造は２つの締結部６０１の前方における全域４００に形成される。このような構成によれば、最も歩行者からの荷重を受けやすい虚像表示装置１００の前方側において、虚像表示装置１００がつぶれやすくなっている。よって、より衝撃を吸収する機能を発揮することができる。

　（１ｄ）第１前壁部４１と第２前壁部５１とは、上下方向の一部が前後に重なっている。このような構成によれば、虚像表示装置１００内への異物の侵入を抑制することができる。

　［１－３．対応関係］
　第１実施形態では、ウインドシールド１０が投影部材に相当し、第１前壁部４１、第１右壁部４２及び第１左壁部４４が第１壁部に相当し、第２前壁部５１、第２右壁部５２及び第２左壁部５４が第２壁部に相当し、下方向が第１の方向に相当し、上方向が第２の方向に相当し、前方向が第３の方向に相当する。

　［２．第２実施形態］
　［２－１．第１実施形態との相違点］
　第１実施形態では、第１前壁部４１と第２前壁部５１とは、干渉回避構造として、前後方向に関して異なる位置に配置される構造を有していた。一方、第２実施形態では、第１前壁部７１と第２前壁部７２とは、干渉回避構造として、第１前壁部７１の上方側の先端部及び第２前壁部７２の下方側の先端部に傾斜面が設けられる構造を有する点で、第１実施形態と相違する。以下では、第２実施形態の虚像表示装置３００における第１実施形態との相違点について説明する。

　図６に示すように、第１前壁部７１と第２前壁部７２とは、前後方向に関して略同じ位置に配置される。図７Ａに示すように、第１前壁部７１は、上端に傾斜面を有する。第１前壁部７１の傾斜面は、前方から後方にかけて先端が細くなるように形成されている。第２前壁部７２は、下端に傾斜面を有する。第２前壁部７２の傾斜面は、後方から前方にかけて先端が細くなるように形成されている。第１前壁部７１の傾斜面と第２前壁部７２の傾斜面との間には隙間が形成されている。

　また、図示しないが、第１右壁部４２の上端及び第２右壁部５２の下端と、第１左壁部４４の上端及び第２左壁部５４との下端とにも、同様の傾斜面が設けられている。

　［２－２．効果］
　以上詳述した第２実施形態によれば、第１実施形態の効果に加え、以下の効果が得られる。

　（２ａ）第１前壁部７１と第２前壁部７２との先端部には、傾斜面が設けられる。このような構成によれば、第１前壁部７１と第２前壁部７２とは、荷重を受けて互いに接近したときに、傾斜面で滑って、上下にすり抜ける。よって、第１前壁部７１と第２前壁部７２とが干渉せずに、虚像表示装置３００がつぶれるため、衝撃を吸収する機能を発揮することができる。

　［２－３．対応関係］
　第２実施形態では、第１前壁部７１、第１右壁部４２及び第１左壁部４４が第１壁部に相当し、第２前壁部７２、第２右壁部５２及び第２左壁部５４が第２壁部に相当する。

　［３．他の実施形態］
　以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。

　（３ａ）上記実施形態では、凹面鏡２０２の回転軸２０３よりも後方に複数の締結部６０が設けられる構成を例示した。しかし、複数の締結部６０が設けられる位置は上述した位置に限定されるものではない。例えば、複数の締結部６０は、凹面鏡２０２の回転軸２０３の延長線上に設けられてもよいし、凹面鏡２０２の回転軸２０３よりも前方に設けられてもよい。複数の締結部６０の位置は、左右で異なっていてもよい。

　（３ｂ）第１実施形態では、凹面鏡２０２の回転軸２０３の高さ位置よりも上方に、第１前壁部４１、第１右壁部４２及び第１左壁部４４の上端が位置する構成を例示した。しかし、第１前壁部４１、第１右壁部４２及び第１左壁部４４の上端の位置は上述した位置に限定されるものではない。例えば、第１前壁部４１、第１右壁部４２及び第１左壁部４４の上端は、凹面鏡２０２の回転軸２０３の高さ位置と略同一の位置に設けられてもよいし、凹面鏡２０２の回転軸２０３の高さ位置よりも下方に設けられていてもよい。第１前壁部４１、第１右壁部４２及び第１左壁部４４の上端は、それぞれ高さが異なっていてもよい。図８に示すように、回転軸２０３の高さ位置よりも下方に、第１前壁部４１の上端が位置する場合、虚像表示装置１００の上方側に第１前壁部４１が存在しない。よって、虚像表示装置１００がつぶれることを第１前壁部４１が阻害してしまうことを回避できる。

　（３ｃ）上記実施形態では、２つの締結部６０１よりも前方の全域４００に、干渉回避構造が形成される構成を例示したが、干渉回避構造は２つの締結部６０１よりも前方の一部にのみ形成されていてもよい。この場合でも、干渉回避構造においては、より衝撃吸収機能を発揮することができる。

　（３ｄ）第１実施形態では、第１前壁部４１が位置する平面４１１と、第２前壁部５１が位置する平面５１１とは略平行である構成を例示したが、図９に示すように、第２前壁部５１は、下方側ほど、第１前壁部４１が位置する平面から離れていてもよい。つまり、第１前壁部４１が位置する平面４１１と、第２前壁部５１が位置する平面５１１とがなす角度θは０度よりも大きくてもよい。このような構成によれば、歩行者が衝突して第１前壁部４１と第２前壁部５１とが接近する方向に荷重を受けても、第２前壁部５１が第１前壁部４１の方に倒れかかりにくくなる。よって、第１前壁部４１と第２前壁部５１とが干渉しにくくなるため、より衝撃吸収機能を発揮することができる。

　なお、第２前壁部５１は、下方側ほど、第１前壁部４１が位置する平面に接近していてもよい。この場合は、ハウジング３０内への異物の侵入を良好に抑制できる。

　（３ｅ）図１０に示すように、第２ハウジング３２の前方において、第２ハウジング３２の上面の部分である天面部３３から第２前壁部５１にかけてリブ８０を備えていてもよい。このような構成によれば、歩行者が衝突して第１前壁部４１と第２前壁部５１とが接近する方向に荷重を受けても、第２前壁部５１が第１前壁部４１の方に倒れかかりにくくなる。よって、第１前壁部４１と第２前壁部５１とが干渉しにくくなるため、より衝撃吸収機能を発揮することができる。リブ８０は、側方からみて断面が三角形であってもよいし、図１１Ａに示すようにハウジング３０の中心を向く側が凹状であってもよい。また、リブ８０は、図１１Ｂに示すようにハウジング３０の中心を向く側が凸状であってもよい。また、リブ８０は、図１１Ｃ及び図１１Ｄに示すように、ハウジング３０の中心側に張り出した部分を有していてもよい。

　（３ｆ）上記第１実施形態では、第２前壁部５１の方が、第１前壁部４１よりも前方に出っ張っている構成を例示したが、第１前壁部４１の方が、第２前壁部５１よりも前方に出っ張っていてもよい。

　（３ｇ）上記第２実施形態では、第１前壁部７１の傾斜面は、前方から後方にかけて先端が細くなるように形成され、第２前壁部７２の傾斜面は、後方から前方にかけて先端が細くなるように形成されている構成を例示した。しかし、傾斜面の形状は上述した形状に限定されるものではない。例えば、図７Ｂに示すように、第１前壁部７１の傾斜面は、後方から前方にかけて先端が細くなるように形成され、第２前壁部７２の傾斜面は、前方から後方にかけて先端が細くなるように形成されていてもよい。

　また、第１前壁部７１の上方側の先端部と第２前壁部７２の下方側の先端部とのうちの、いずれか一方のみが傾斜面を備えていてもよい。

　（３ｈ）上記実施形態では、第１前壁部４１の上端よりも第２前壁部５１の下端が下部に位置する構成を例示したが、第１前壁部４１の上端と第２前壁部５１の下端との配置は上述した配置に限定されるものではない。図１２に示すように、第１前壁部４１の上端よりも第２前壁部５１の下端が上部に位置していてもよい。このように、第１前壁部４１の上端と第２前壁部５１の下端とが上下方向に関して重複しない位置に配置される場合、第１前壁部４１の上端と第２前壁部５１の下端との間の距離は３ｍｍよりも小さくてもよい。

　（３ｉ）上記実施形態では、複数の締結部６０としてビスが用いられる構成を例示したが、第１ハウジング３１と第２ハウジング３２とを締結する部材は上述した部材に限定されるものではない。例えば、第１ハウジング３１と第２ハウジング３２とを締結する部材として、クリップが用いられてもよい。クリップは、例えば、第１ハウジング３１における水平に延び出す端部の下面と第２ハウジング３２における水平に延び出す端部の上面とに当接し、両部材を上下方向から挟持する。また、例えば、第１ハウジング３１と第２ハウジング３２とは爪により係止されていてもよい。

　（３ｊ）上記実施形態では、干渉回避構造が虚像表示装置１００の前方側に設けられる構成を例示したが、干渉回避構造が設けられる位置は上述した位置に限定されるものではない。例えば、干渉回避構造は虚像表示装置１００の右方側、左方側、及び後方側の少なくともいずれかの位置に設けられてもよい。

　（３ｋ）上記実施形態では、投影部材としてウインドシールド１０を例示したが、表示光を反射する部材は上述した部材に限定されるものではない。例えば、表示光を反射する部材として、コンバイナ等が用いられてもよい。

　（３ｌ）上記実施形態では、反射鏡として凹面鏡２０２を例示したが、反射鏡は凹面鏡に限定されるものではない。例えば、反射鏡として平面鏡が用いられてもよい。

　（３ｍ）上記実施形態における１つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を１つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。

Claims

　車両の投影部材（１０）に向けて表示光を出射することにより、前記投影部材に反射した前記表示光を視認者に虚像として視認させる虚像表示装置であって、
　当該虚像表示装置は、ハウジング（３０）を有しており、
　前記ハウジングは、相対的に第１の方向の側に配置される第１ハウジング（３１）と、相対的に前記第１の方向とは反対の第２の方向の側に配置される第２ハウジング（３２）と、を有しており、
　前記ハウジングは、前記第１の方向と直交する第３の方向の側に、複合壁（２００）が形成されており、
　前記複合壁は、前記第１ハウジングに形成される第１壁部（４１，４２，４４，７１）と、前記第２ハウジングに形成される第２壁部（５１，５２，５４，７２）と、を含み、
　前記第１壁部と前記第２壁部とは、荷重を受けて互いに接近したときに干渉を回避する干渉回避構造を有する、虚像表示装置。
　請求項１に記載の虚像表示装置であって、
　前記第１壁部と前記第２壁部とは、前記干渉回避構造として、前記第１壁部及び前記第２壁部の厚さ方向に関して異なる位置に配置される構造を有する、虚像表示装置。
　請求項１又は請求項２に記載の虚像表示装置であって、
　前記第１壁部と前記第２壁部とは、前記干渉回避構造として、前記第１壁部の前記第２の方向側の先端部及び前記第２壁部の前記第１の方向側の先端部のうち少なくとも一方に傾斜面が設けられる構造を有する、虚像表示装置。
　請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載の虚像表示装置であって、
　前記ハウジング内には、前記投影部材に向けて前記表示光を反射させる反射鏡（２０２）を備え、
　前記複合壁は、前記車両の前方に向けて配置され、
　前記第１ハウジングと前記第２ハウジングとを締結する少なくとも１つの締結部（６０）の全部は、前記反射鏡の回転軸（２０３）に関して前記複合壁とは反対側に形成される、虚像表示装置。
　請求項１から請求項４までのいずれか１項に記載の虚像表示装置であって、
　前記ハウジング内には、前記投影部材に向けて前記表示光を反射させる反射鏡を備え、
　前記第２ハウジングは前記第１ハウジングよりも上方に形成され、
　前記反射鏡の回転軸の高さ位置よりも下方に、前記第１壁部の前記第２の方向側の先端部が位置する、虚像表示装置。
　請求項１から請求項５までのいずれか１項に記載の虚像表示装置であって、
　前記複合壁は、前記車両の前方に向けて配置され、
　前記干渉回避構造は、前記第１ハウジングと前記第２ハウジングとを締結する少なくとも１つの締結部のうち、最も前記車両の前方に近い締結部よりも前方側における全域（４００）に形成される、虚像表示装置。
　請求項１から請求項６までのいずれか１項に記載の虚像表示装置であって、
　前記第２壁部は、前記第１の方向側の先端部側ほど、前記第１壁部が位置する平面（４１１）から離れる、虚像表示装置。
　請求項１から請求項７までのいずれか１項に記載の虚像表示装置であって、
　前記第２ハウジングは前記第１ハウジングよりも上方に形成され、
　前記第２ハウジングの上面を形成する天面部から前記第２壁部にかけてリブを備える、虚像表示装置。
　請求項１から請求項８までのいずれか１項に記載の虚像表示装置であって、
　前記第１壁部の前記第２の方向側の先端部と前記第２壁部の前記第１の方向側の先端部とが前記第１の方向に関して重複しない位置に配置される場合、前記第１壁部の前記第２の方向側の先端部と前記第２壁部の前記第１の方向側の先端部との間の距離は３ｍｍよりも小さい、虚像表示装置。