WO2023218741A1

WO2023218741A1 - 表示制御装置及び表示制御方法

Info

Publication number: WO2023218741A1
Application number: PCT/JP2023/008780
Authority: WO
Inventors: 竜治黒崎
Original assignee: 日産自動車株式会社
Priority date: 2022-05-12
Filing date: 2023-03-08
Publication date: 2023-11-16

Abstract

表示制御装置は、予備操作と、予備操作後の確定操作により、操作指令を出力するスイッチ（１０）と、表示装置（２）を制御するコントローラ（３０）とを備え、コントローラ（３０）は、車両（１）の現在の状態及び車両（１）の周囲環境の状態のうち少なくとも一方の状態を示す車両状態情報を取得し、スイッチ（１０）が予備操作で操作された場合には、車両状態情報に基づき、操作指令により実行される車両（１）の制御内容を特定し、確定操作の前に、制御内容を表示装置（２）に表示させる。

Description

表示制御装置及び表示制御方法

　本発明は、表示制御装置及び表示制御方法に関するものである。
　本出願は、２０２２年５月１２日に出願された日本国特許出願の特願２０２２－０７８８００に基づく優先権を主張するものであり、文献の参照による組み込みが認められる指定国については、上記の出願に記載された内容を参照により本出願に組み込み、本出願の記載の一部とする。

　従来より、操作の状態が把握しやすい車両用情報表示装置が知られている（例えば、特許文献１）。特許文献１記載の車両用情報表示装置は、ステアリングホイールに、車内に設置されているエアコン装置などの操作対象装置を制御するための操作スイッチが配置されている。車両のウインドシールドＷＳには、操作スイッチに対応するスイッチ画像が、ステアリングホイールにおけるレイアウトを反映させた形で表示される。また、操作スイッチにはタッチセンサが組込まれており、使用者が触れると、対応するスイッチ画像が強調表示される。操作スイッチが操作されると、装置へ操作信号が送信され、該操作信号に応じた動作を行うとともにその動作状態を返信し、ウインドシールドＷＳには当該動作状態を表す動作応答画像が表示される。

特開２００７－１０６３５３号公報

　しかしながら、車両用情報表示装置は、操作スイッチのレイアウトを反映させたスイッチ画像がウインドシールドに表示するだけで、乗員は、車両制御のための操作指令を確定させる確定操作をした後でなければ、操作スイッチの操作により実行される車両の制御内容を乗員に認識させることができないという問題がある。

　本発明が解決しようとする課題は、スイッチの確定操作前に、スイッチの操作により実行される車両の制御内容を乗員に認識させることができる表示制御装置及び表示制御方法を提供することである。

　本発明は、車両状態情報を取得し、スイッチが予備操作で操作された場合には、車両状態情報に基づき、スイッチの操作指令により実行する車両の制御内容を特定し、スイッチの確定操作の前に、車両の制御内容を表示装置に表示させることによって上記課題を解決する。

　本発明によれば、スイッチの確定操作前に、スイッチの操作により実行される車両の制御内容を乗員に認識させることができる。

図１は、本実施形態における表示制御装置を含む車両のブロック図である。図２Ａは、ドライバからみた前方の車室内の様子を示す概念図である。図２Ｂは、ドライバからみた前方の車室内の様子を示す概念図である。図２Ｃは、ドライバからみた前方の車室内の様子を示す概念図である。図３Ａは、ドライバからみた前方の車室内の様子を示す概念図である。図３Ｂは、ドライバからみた前方の車室内の様子を示す概念図である。図３Ｃは、ドライバからみた前方の車室内の様子を示す概念図である。図４は、コントローラの表示制御の処理フローを示すフローチャートである。

　本発明に係る表示制御装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。図１は、本実施形態に係る表示制御装置を含む車両の構成の一例を示すブロック図である。図１で示されるように、車両１は、表示装置２、カメラ３、測距装置４、ＧＰＳ５、車速センサ６、地図データベース７、スイッチ１０、駆動制御装置２０、及びコントローラ３０を有している。本実施形態に係る表示制御装置は、コントローラ３０を含む装置であって、少なくとも２段階操作が可能なスイッチ１０から操作指令を受信し、１段階目の操作でスイッチ１０の操作指令により実行される制御内容を表示装置２に表示する。また表示制御装置は、スイッチ１０の２段階目の操作で、操作指令に基づく制御内容で車載機器の制御処理を実行する。つまり、表示制御装置は、車両制御のための操作指令を確定させるために、２段階目のスイッチ操作をする前に、操作指令で実行される制御内容を表示装置２に表示する。車両１の乗員は、２段階目のスイッチ操作をする前に、２段階目のスイッチ操作で実行される車両の制御内容を、表示装置２を通じて認識できるため、安心してスイッチ１０を操作できる。

　表示装置２は、スイッチ１０の操作指令により実行される車両１の制御内容を表示するためのディスプレイであり、例えばヘッドアップディスプレイ、インストルメントパネルに設置されるディスプレイ、及び、ナビゲーションシステムに含まれるディスプレイのうち少なくとも１つのディスプレイである。ヘッドアップディスプレイは、車両の前方に位置するガラス又は投影板に画像を表示する表示装置である。表示装置２は、車両１の制御内容を、文字列で形成されるメッセージ画像や、アイコンなどの図形画像で表示する。表示装置２は、コントローラ３０から送信される制御指令に基づき、表示用の画像を生成して画面に表示する。

　カメラ３は、車両１の周囲環境を撮像するためのカメラであって、車両１に設置され、車両１の前方カメラ、後方カメラ、及び／又は側方カメラを含む。カメラ３の撮像画像は、車両１の周囲環境の状態を示した車両状態情報を含み、車両の１の自動運転制御に使用される。

　測距装置４は、自車両の周囲環境を検出するためのセンサであって、車両１に設置され、自車両の前方の障害物を検出する前方レーダー、及び／又は、自車両の後方の障害物を検出する後方レーダー、自車両の左右の側方に存在する障害物を検出する側方レーダーを含む。測距装置４の検出データは、車両の周囲環境の状態を示した車両状態情報を含み、車両の１の自動運転制御に使用される。

　ＧＰＳ（ナビゲーションシステム）５は、衛星からの信号を受信するＧＰＳ受信機（ＧＰＳ）を有し、車両１の現在位置を測位するシステムである。車速センサ６は、車両の現在の状態（走行状態）として、車両１の車速を検出する。なお、図１では、車両の現在の状態を検出するセンサとして、車速センサ６を一例として挙げているが、他に加速度センサ、トルクセンサ等でもよい。

　地図データベース７は、各種施設や特定の地点の位置情報を含む三次元高精度地図情報を格納する。三次元高精度地図情報は、データ取得用車両を用いて実際の道路を走行した際に検出された道路形状に基づく三次元地図情報である。三次元高精度地図情報は、地図情報とともに、カーブ路及びそのカーブの大きさ（たとえば曲率又は曲率半径）、道路の合流地点、分岐地点、料金所、車線数の減少位置などの詳細かつ高精度の位置情報が、三次元情報として関連付けられた地図情報である。なお、高精度地図は全ての道路をカバーしておらず、地図データベース７は、高精度地図（ＨＤマップ）でカバーしていない道路などの情報をカバーするために標準地図（ＳＤマップ）を格納する。

　スイッチ（ＳＷ）１０は、操作対象装置を操作するためのスイッチであり、多段階操作が可能なスイッチである。スイッチ１０は、少なくとも２段階の操作機能を有している。スイッチ１０の２段階操作のうち、１番目の操作は予備操作に相当し、２番目の操作は確定操作に相当する。スイッチ１０は、乗員により予備操作で操作された場合には、予備操作を示す予備指令をコントローラ３０に出力し、確定操作で操作された場合には、確定操作を示す操作指令（操作確定指令）をコントローラ３０に出力する。スイッチ１０は、予備操作の操作方法と確定操作の操作方法は互いに異なる方法になるような操作機構を有している。スイッチ１０は、静電式又は感圧式のタッチセンサを備えたスイッチ（静電スイッチ、感圧スイッチ）、半押しと全押しを可能とする２段式スイッチ（機械的なスイッチ）等のスイッチである。

　例えば、スイッチ１０がタッチセンサを備えたスイッチである場合に、スイッチ１０は、タッチ操作による入力操作を予備操作として検出し、予備指令をコントローラ３０に出力する。また、スイッチ１０は、予備操作のためのタッチ操作よりも接触時間の長いタッチ操作を確定操作として検出し、確定指令をコントローラ３０に出力する。予備操作のためのタッチ操作は、例えば接触時間の短いタップ操作であり、確定操作のためのタッチ操作は例えば接触時間の長いタッチ操作である。なお、予備操作のためのタッチ操作と確定操作のためのタッチ操作は、互いに異なる操作方法にすることが好ましく、例えば予備操作をタップ操作、確定操作をダブルタップ操作としてもよい。

　また例えば、スイッチ１０が２段式スイッチである場合に、スイッチ１０は、タッチ操作による入力操作（半押し）を予備操作として検出し、予備指令をコントローラ３０に出力する。また、スイッチ１０は、予備操作で触れた部分を押し込む操作（全押し）を確定操作として検出し、操作指令をコントローラ３０に出力する。

　スイッチ１０は、車両１に搭載される各種スイッチであって、ステアリングスイッチ（ステアリングＳＷ）１１、ＶＤＣスイッチ（ＶＤＣＳＷ）１２、走行モードスイッチ（走行モードＳＷ）１３、自動運転スイッチ（自動運転ＳＷ）１４、及び車線変更スイッチ（車線変更ＳＷ）１５を有している。ステアリングＳＷ１１は、ステアリングに設けられているスイッチであって、例えばリムに設置されたタッチセンサ、スポークの部分に設置された機械式スイッチ等である。リムのタッチセンサは、ドライバ（乗員）がハンドルに触れたことを検知する。リムのスイッチは、ナビゲーションシステムや映像／音声システム等を操作するためのスイッチや、自動運転制御における走行モードを切り替えるスイッチ、自動運転制御における設定車速を調整するためのスイッチ、自動運転制御における車間距離を調整するためのスイッチ等である。

　ＶＤＣＳＷ１２は、車両１の横滑りを防止するシステム（ビークルダイナミクスコントロールシステム：ＶＤＣシステム）のオン、オフを切り替えるスイッチである。走行モードＳＷ１３は、例えばスノーモードやスポーツモードなどの走行モードのオンオフを切り替えるスイッチである。自動運転スイッチ１４は、自動運転のオンオフを切り替えるためのスイッチである。車線変更スイッチ１５は、自動運転中に、車線変更支援機能のオンオフを切り替えるためのスイッチである。なお、スイッチ１０に含まれるステアリングスイッチ１１等の全てのスイッチが、多段階操作可能なスイッチである必要はない。

　駆動制御装置２０は、自車両の走行を制御する。たとえば、駆動制御装置２０は、自動速度制御機能により自車両が設定速度で定速走行する場合には、自車両が設定速度となるように、加速および減速、並びに走行速度を維持するために、駆動機構の動作およびブレーキ動作を制御する。また、駆動制御装置２０は、自動速度制御機能により自車両が先行車両に追従走行する場合にも、同様に駆動機構及びブレーキの動作を制御する。なお、駆動機構の動作制御は、エンジン自動車にあっては内燃機関の動作、電気自動車系にあっては走行用モータの動作を含む。また、ハイブリッド自動車にあっては、内燃機関と走行用モータとのトルク配分を含む。

　また、駆動制御装置２０は、自動操舵制御機能により、駆動機構とブレーキの動作制御に加えて、ステアリングアクチュエータの動作を制御することで、自車両の操舵制御を実行する。例えば、駆動制御装置２０は、自動操舵制御機能によりレーンキープ制御を実行する場合に、自車両が走行する自車線のレーンマーカを検出し、自車両が自車線内の所定位置を走行するように、自車両の幅員方向における走行位置を制御する。また、駆動制御装置２０は、自動操舵制御機能により、車線変更支援機能、追い越し支援機能又はルート走行支援機能を実行する場合に、自車両が車線変更を行うように、自車両の幅員方向における走行位置を制御する。さらに、駆動制御装置２０は、自動操舵制御機能により右左折支援機能を実行する場合には、交差点などにおいて右折又は左折する走行制御を行う。また、駆動制御装置２０は、ハンズオンモードとハンズオフモードに応じて、自動運転を実行することも可能である。ハンズオンモードとは、ドライバがハンドルを持っていないと自動操舵制御が作動しないモードをいい、ハンズオフモードとは、ドライバがハンドルから手を離しても自動操舵制御が作動するモードをいう。駆動制御装置２０は、コントローラ３０の制御指令により自車両の走行を制御する。なお、駆動制御装置２０による走行制御方法として、その他の公知の方法を用いることもできる。

　コントローラ３０は、車両状態情報を取得する機能、車両の制御内容を特定する機能、表示装置２を制御する機能、自動運転を制御する機能等を有している。コントローラ３０は、本実施形態に係る表示制御方法を実行させるプロセッサを有しており、機能ブロックとして、少なくとも情報取得部３１、制御内容特定部３２、表示制御部３３、及び自動運転制御部３４とを含む。各機能ブロックは、ソフトウェアと、ハードウェア（プロセッサ）との協働により各機能を実行する。なお、コントローラ３０が有する機能ブロックは、必ずしも、図１に示すような機能ブロックで分ける必要は無く、機能ブロック数も限定しない。またコントローラ３０、各機能ブロックを機能させるために、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を有している。

　情報取得部３１は、カメラ３等から車両状態情報を取得する。車両状態情報は、車両１の現在の状態及び車両１の周囲環境の状態のうち少なくとも一方の状態を示しており、カメラ３の撮像画像、測距装置４の検出値、ＧＰＳ５で測位される車両位置、車速センサ６で検出される車速に相当する。また、車両状態情報は、駆動制御装置２０で制御されている自動運転に関する情報も含まれる。車両１の現在の状態は、車両１の走行中及び／又は駐停車中の状態であり、例えば車両１の現在位置、車両１の車速、又は加速度で表される。情報取得部３１は、ＧＰＳ５から車両の現在位置を取得し、車速センサ６から車速を取得する。車両１の周囲環境の状態は、カメラ３の撮像画像又は測距装置４の検出値で表される。

　制御内容特定部３２は、スイッチ１０が予備操作で操作された場合に、車両状態情報に基づき、スイッチ１０の操作指令により実行される車両１の制御内容を特定する。乗員がスイッチ１０を予備操作で操作した場合に、制御内容特定部３２は、スイッチ１０から予備指令を受信する。スイッチ１０は多段階操作を可能とするスイッチのため、制御内容特定部３２は、予備指令を受信することで、予備指令の後に、スイッチ１０が確定操作で操作される可能性を特定できる。例えば、ステアリングスイッチ１１の予備操作が行われた場合には、制御内容特定部３２は、ステアリングスイッチ１１の予備操作の後に、ステアリングスイッチの１０の確定操作が行われることを特定できる。

　制御内容特定部３２は、スイッチ１０の予備指令に基づき、スイッチ１０の操作指令により実行される車両１の制御内容を特定する。制御内容特定部３２は、スイッチの操作指令を受信する前に、車両１の制御内容を特定する。車両１の制御内容は、少なくともスイッチ１０の操作対象装置の制御内容を含んでいる。また、操作指令により、操作対象装置以外の車載装置の制御が影響を受ける場合には、車両１の制御内容は、影響を受ける車載装置の制御内容も含む。以下、一例を挙げて説明する。

　自動運転を維持するための条件の一例として、ＶＤＣＳＷ１２がオンであることを条件とする。車両１が自動運転で走行している間に、ドライバが、ＶＤＣＳＷ１２をオンからオフに切り替えるために、ＶＤＣＳＷ１２の予備操作を行う。制御内容特定部３２は、ＶＤＣＳＷ１２から予備指令を受信した場合に、予備操作の時点における車両状態情報を、情報取得部３１から取得する。自動運転中であれば、車両状態情報は、自動運転の実行中を示す情報を含む。制御内容特定部３２は、ＶＤＣＳＷ１２の予備操作から、ＶＤＣＳＷ１２の制御対象であるＶＤＣシステムがオンからオフに切り替わることを特定する。ＶＤＣシステムのオンからオフへの切り替わりが、制御内容特定部３２により特定される制御内容である。

　また、制御内容特定部３２は、ＶＤＣＳＷ１２の予備操作から、ＶＤＣシステムのオンからオフへの切り替わりによって、自動運転が解除されることを特定する。すなわち、駆動制御装置２０が、ＶＤＣＳＷ１２の操作指令により影響を受ける、操作対象装置以外の車載装置に相当する。自動運転の解除が、制御内容特定部３２により特定される制御内容である。これにより、制御内容特定部３２は、ＶＤＣＳＷ１２の確定操作の前に、ＶＤＣＳＷ１２の操作指令により実行される操作対象装置（ＶＤＣシステム）の制御内容を特定できる。また、制御内容特定部３２は、操作対象装置（ＶＤＣシステム）以外の車載装置にうち、ＶＤＣＳＷ１２の操作指令により実行される装置（駆動制御装置２０）の制御内容を、ＶＤＣＳＷ１２の確定操作の前に特定できる。

　表示制御部３３は、スイッチ１０の確定操作の前に、制御内容特定部３２により特定された制御内容を表示装置２に表示させる。表示制御部３３は、ドライバがスイッチ１０の確定操作をすることで、車両１の制御内容を認識できるように、制御内容を表示装置２に表示させる。上述の例と同様に、車両１が自動運転で走行している間に、ドライバがＶＤＣＳＷ１２をオンからオフに切り替えるためのＶＤＣＳＷ１２の予備操作を行ったとする。制御内容特定部３２は、車両１の制御内容として、「ＶＤＣシステムのオンからオフに切り替わり」と「自動運転の解除」を特定する。そして、表示制御部３３は、表示装置２に、ＶＤＣシステムのオンからオフに切り替わること、及び、自動運転が解除すること、を示す画像を表示装置２に表示させる。具体的には、表示制御部３３は、「ＶＤＣシステムがオンからオフに切り替わります」及び「自動運転が解除されます」のようなメッセージ画像を表示する。制御内容の表示は、スイッチ１０の確定操作の前に行われるため、ドライバは、スイッチ１０の確定操作により、ＶＤＣシステムのオンからオフへの切り替わりに加えて、自動運転が解除されることを認識する。これにより、ドライバは、車両制御に関わるスイッチ１０の確定操作を行う前に、確定操作により生じる車両状態を把握できるため、安心して、スイッチ１０を操作できる。

　自動運転制御部３４は、スイッチ１０の操作指令において駆動制御装置２０を制御する。例えば、自動運転中に、車線変更スイッチ１５をオンからオフに切り替わる確定操作が行われた場合には、自動運転制御部３４は、車線変更支援機能を実行させるための制御指令を、駆動制御装置２０に送信する。また、スイッチ１０の操作指令により、自動運転を解除する場合には、自動運転制御部３４は、自動運転を解除するための制御指令を駆動制御装置２０に送信する。例えば、上述の例と同様に、車両１が自動運転で走行している間に、ドライバがＶＤＣＳＷ１２をオンからオフに切り替えるためのＶＤＣＳＷ１２の予備操作を行い、表示制御部３３は、表示装置２に、ＶＤＣシステムのオンからオフに切り替わること、及び、自動運転が解除すること、を示す画像を表示装置２に表示させる。その後、ドライバがＶＤＣＳＷ１２の確定操作を行った場合には、自動運転制御部３４は、ＶＤＣシステムのオンからオフに切り替えるための制御指令をＶＤＣシステムに送信し、自動運転を解除するための制御指令を駆動制御装置２０に送信する。

　図２Ａ～図２Ｃ及び図３Ａ～図３Ｃを参照して、コントローラ３０による制御処理と表示装置２の表示画面の具体例を説明する。図２Ａ～図２Ｃ及び図３Ａ～図３Ｃは、ドライバからみた前方の車室内の様子を示す概念図である。図２Ａ～図２Ｃ及び図３Ａ～図３Ｃは、スイッチ１０の操作に応じて切り替わる表示画面の遷移をそれぞれ説明するための図である。なお、以下に説明する具体例において、表示装置２はヘッドアップディスプレイとする。またステアリングＳＷ１１は自動運転における設定速度を上げるためのスイッチであって、設定速度は１回の確定操作で１０ｋｍ／ｈ上がる。

　図２Ａの例では、自動運転における設定速度は８０ｋｍ／ｈに設定されており、車両１の現在の車速は８０ｋｍ／ｈである。また制限速度は８０ｋｍ／ｈである。情報取得部３１は、車両の走行中、ＧＰＳ５、車速センサ６、地図データベース７、及び駆動制御装置２０から車両状態情報を取得する。車両状態情報は、車両の現在の状態を示す情報として、車両の現在位置、現在の車速、及び、自動運転の実行中であることを含み、車両１の周囲環境の状態を示す情報として地図情報を含む。なお、車両１の現在の状態を示す情報は、例えば現在の操舵角を含んでもよく、車両１の周囲環境を示す情報は、カメラ３の撮像画像を含んでもよい。

　制御内容特定部３２は、車両状態情報から現在の設定速度と法定速度を特定する。そして、図２Ａに示すように、表示制御部３３は、車両１の現在の制御内容を示す画像として、現在の設定速度（８０ｋｍ／ｈ）のメッセージ画像４１と制限速度（８０ｋｍ／ｈ）を示すアイコン画像４２を表示装置２に表示する。

　ドライバがステアリングＳＷ１１に触れると、ステアリングＳＷ１１は予備操作を検出して予備指令をコントローラ３０に出力する。制御内容特定部３２は、予備指令を受信した時点の車両状態情報から、ステアリングＳＷ１１の確定操作をすることで、車両１の制御内容がどのように変化するか特定する。図２Ａの例では、ドライバがステアリングＳＷ１１の確定操作をした場合には、設定車速が９０ｋｍ／ｈになり制限速度（８０ｋｍ／ｈ）より高くなるため、自動運転が解除される。制御内容特定部３２は、ステアリングＳＷ１１の確定操作により、設定速度が法定速度より高くなること、及び、自動運転が解除されることを、ステアリングＳＷ１１の操作指令により実行される車両の制御内容として特定する。図２Ｂに示すように、表示制御部３３は、アイコン画像４２に加えて、ステアリングＳＷ１１の操作指令に実行される制御内容を示す画像として、メッセージ画像「制限速度をオーバーするため自動運転が解除されます」４３を表示装置２に表示する。

　ドライバがステアリングＳＷ１１を押し込むと、ステアリングＳＷ１１は確定操作を検出して操作指令をコントローラ３０に出力する。駆動制御装置２０は、ステアリングＳＷ１１の操作指令に基づき、設定速度を８０ｋｍ／ｈから９０ｋｍ／ｈに変更し、自動運転を解除する。情報取得部３１は、駆動制御装置２０から車両状態情報を取得する。車両状態情報は、設定速度を８０ｋｍ／ｈから９０ｋｍ／ｈに変更したこと、自動運転を解除したことを含む。制御内容特定部３２は、車両状態情報から現在の設定速度、法定速度、及び、自動運転を解除したことを特定する。そして、図２Ｃに示すように、表示制御部３３は、車両１の現在の制御内容を示す画像として、現在の設定速度（９０ｋｍ／ｈ）及び自動運転解除のメッセージ画像４４とアイコン画像４２を表示装置２に表示させる。

　またドライバがステアリングＳＷ１１に触れることで、表示装置２が図２Ｂに示す画像を表示した状態から、ドライバがステアリングＳＷ１１から指を離すと、表示制御部３３は表示装置２の表示画面を図２Ａの状態に戻す。

　次に、図３Ａ～図３Ｃを参照して、コントローラ３０による制御処理と表示装置２の表示画面の具体例を説明する。図３Ａ～図３Ｃの具体例は、図２Ａ～図２Ｃを参照して説明した上記具体例に対して、制限速度が１００ｋｍ／ｈで異なっており、その他の車両の状態は同じである。なお、以下の説明では、図２Ａ～図２Ｃの具体例と異なる点を説明する。

　図３Ａに示すように、表示制御部３３は、車両１の現在の制御内容を示す画像として、現在の設定速度（８０ｋｍ／ｈ）のメッセージ画像５１と制限速度（１００ｋｍ／ｈ）を示すアイコン画像５２を表示装置２に表示する。ドライバがステアリングＳＷ１１に触れ、コントローラ３０がステアリングＳＷ１１の予備指令を受信すると、制御内容特定部３２は、予備指令を受信した時点の車両状態情報から、ステアリングＳＷ１１の確定操作をすることで、車両１の制御内容がどのように変化するか特定する。図３Ａの例では、ドライバがステアリングＳＷ１１の確定操作をした場合には、設定車速が９０ｋｍ／ｈになるが、変更後の設定車速（９０ｋｍ／ｈ）は制限速度（１００ｋｍ／ｈ）より低いため、自動運転は維持される。制御内容特定部３２は、ステアリングＳＷ１１の確定操作により、設定速度が法定速度より低い状態を維持されることを、ステアリングＳＷ１１の操作指令により実行される車両の制御内容として特定する。図３Ｂに示すように、表示制御部３３は、アイコン画像４２に加えて、ステアリングＳＷ１１の操作指令に実行される制御内容を示す画像として、メッセージ画像「９０ｋｍ／ｈまで加速します」５３を表示装置２に表示させる。ドライバは、メッセージ画像５３により、ステアリングＳＷ１１の確定操作を行った結果どのような車両状態になるのか把握できる。

　ドライバがステアリングＳＷ１１を押し込むと、駆動制御装置２０は、ステアリングＳＷ１１の操作指令に基づき、設定速度を８０ｋｍ／ｈから９０ｋｍ／ｈに変更し、自動運転を維持する。制御内容特定部３２は、車両状態情報から現在の設定速度、法定速度、及び、自動運転が実行中であることを特定する。そして、図３Ｃに示すように、表示制御部３３は、車両１の現在の制御内容を示す画像として、現在の設定速度（９０ｋｍ／ｈ）のメッセージ画像５４とアイコン画像５２を表示装置２に表示させる。

　ステアリングＳＷ１１以外の他のスイッチ１０の具体例を説明する。例えば、駆動制御装置２０は、自動速度制御機能及び自動操舵制御機能により、先行車との距離を測定し、設定速度を上限として、車速に応じた車間距離を保ちながら走行するように、アクセル／ブレーキ動作及びステアリングアクチュエータの動作を制御する。このような自動運転を維持するための条件の一例として、走行モードがノーマルモードであることを条件とする。車両１が自動運転で走行している間に、ドライバが走行モードスイッチ１３をノーマルモードからスノーモードに切り替えるために、走行モードスイッチ１３の予備操作を行う。情報取得部３１は、走行モードスイッチ１３から予備指令を受信した時点の車両状態情報を取得する。車両状態情報は、自動運転の実行中を示す情報を含む。制御内容特定部３２は、車両状態情報に基づき、ノーマルモードからスノーモードへの切り替わりによって、自動運転が解除されることを特定する。すなわち、制御内容特定部３２は、車両１の制御内容として、「走行モードをノーマルモードからスノーモードへの切り替わり」と「自動運転の解除」を特定する。そして、表示制御部３３は、走行モードがノーマルモードからスノーモードに切り替わること、及び、自動運転が解除することを示す画像を表示装置２に表示させる。

　自動運転スイッチ１４の具体例を説明する。例えば、自動操舵制御機能による自動運転を実行させるための条件として、カメラ３の撮像画像から車線を検出できること、及び、ＧＰＳ５により車両１の位置を測位できることを条件とする。車両１が自動運転ではなく通常の運転で走行中に、ドライバが通常運転から自動運転に切り替えるために、自動運転スイッチ１４の予備操作を行う。このとき、周囲環境が、悪天候により、カメラ３の撮像画像から車線を検出できない状態（車線検出不可状態）とする。情報取得部３１は、自動運転スイッチ１４から予備指令を受信した時点の車両状態情報を取得する。車両状態情報は、カメラ３の撮像画像を含んでいる。自動運転制御部３４は、カメラ３の撮像画像から車線検出不可状態を特定し、自動運転実行不可と判定する。制御内容特定部３２は、車両１の制御内容として、「自動運転実行不可」を特定する。そして、表示制御部３３は、自動運転を実行できないことを示す画像を表示装置２に表示させる。

　また、ＧＰＳ５により車両１の位置を測位できない場合には、情報取得部３１は、車両状態情報として、位置測位不可を示す情報をＧＰＳ５から取得する。自動運転制御部３４は、ＧＰＳ５の測位結果から位置測位不可状態を特定し、自動運転実行不可と判定する。制御内容特定部３２は、車両１の制御内容として、「自動運転実行不可」を特定する。そして、表示制御部３３は、自動運転を実行できないことを示す画像を表示装置２に表示させる。

　また他の例として、測距装置４及び車速センサ６等のセンサが正常に動作しない場合も、自動運転を実行させることはできない。情報取得部３１は、自動運転スイッチ１４から予備指令を受信した時点で、測位距離４及び車速センサ６等から、センサの検出結果を車両状態情報として取得する。センサの検出結果は検出エラーを示している。自動運転制御部３４は、センサの検出エラーを特定し、自動運転実行不可と判定する。制御内容特定部３２は、車両１の制御内容として、「自動運転実行不可」を特定する。そして、表示制御部３３は、自動運転を実行できないことを示す画像を表示装置２に表示させる。

　また他の例として、車両１の現在位置が高精度地図でカバーされていない場合には、ハンズオフモードを維持できない。情報取得部３１は、自動運転スイッチ１４から予備指令を受信した時点で、ＧＰＳ５から車両１の現在位置を、地図データベース７から地図情報を、車両状態情報として取得する。自動運転制御部３４は、車両の現在位置が高精度地図でカバーされているか否か判定し、高精度地図でカバーされていない場合には、ハンズオフモードによる自動運転不可と判定する。制御内容特定部３２は、自動運転制御の判定結果から、車両１の制御内容として、「ハンズオフモードによる自動運転実行不可」を特定する。そして、表示制御部３３は、ハンズオフモードにより自動運転を実行できないことを示す画像を表示装置２に表示させる。

　また他の例として、他車両が車両１に接近している場合には、車線変更支援機能による自動運転を実行できない。情報取得部３１は、自動運転中、車線変更スイッチ１５から予備指令を受信した時点で、カメラ３の撮像画像及び／又は測距装置４の検出結果を、車両状態情報として取得する。自動運転制御部３４は、カメラ３の撮像画像及び／又は測距装置４の検出結果から、他車両が車両１の周囲に接近しているか否か判定し、他車両が車両１の周囲に接近している場合には、自動運転による車線変更不可と判定する。制御内容特定部３２は、自動運転制御の判定結果から、車両１の制御内容として「自動運転による車線変更不可」を特定する。そして、表示制御部３３は、自動運転による車線変更制御を実行できないことを示す画像を表示装置２に表示させる。

　次に、図４を参照して、コントローラ３０により実行される表示制御方法を説明する。図４は、コントローラ３０の制御処理のフローを示すフローチャートである。

　ステップＳ１にて、ドライバがスイッチ１０に触れることで、スイッチ１０が予備操作で操作されると、コントローラ３０はスイッチ１０から予備指令を受信する。ステップＳ２にて、コントローラ３０の情報取得部３１は、予備指令を受信した時点の車両状態情報を取得する。ステップＳ３にて、コントローラ３０の制御内容特定部３２は、車両状態情報に基づき、スイッチ１０の操作指令により実行する、車両１の制御内容を特定する。

　ステップＳ４にて、コントローラ３０の表示制御部３３は、制御内容特定部により特定された制御内容を表示装置２に表示する。ステップＳ５にて、コントローラ３０はスイッチ１０の操作指令を受信した否かの判定で、スイッチ１０の確定操作が有るか否か判定する。スイッチ１０の確定操作が無いと判定した場合には、ステップＳ６にて、コントローラ３０はスイッチ１０に触れている状態（タッチ状態）が解除されたか否か判定する。例えば、コントローラ３０がスイッチ１０の予備指令を受信した時点から所定時間以内に操作指令を受信しない場合には、タッチ操作が解除されたと判定する。タッチ状態が解除されていない場合には、コントローラ３０はステップＳ４の制御処理を実行する。タッチ状態が解除された場合には、ステップＳ７にて、コントローラ３０の表示制御部３３は、ステップＳ３の制御処理で表示した表示画面から元の表示画面に戻す。そして、コントローラ３０は制御フローを終了する。

　ステップＳ５の判定処理で、スイッチ１０の確定操作が有ると判定した場合には、ステップＳ８にて、コントローラ３０の自動運転制御部３４は、スイッチ１０の操作指令に応じた制御内容を実行する。そして、コントローラ３０は制御フローを終了する。

　上記のように、本実施形態に係る表示制御方法及び表示制御装置は、車両１の現在の状態及び車両１の周囲環境の状態のうち少なくとも一方の状態を示す車両状態情報を取得し、スイッチ１０が予備操作で操作された場合には、車両状態情報に基づき、操作指令により実行される車両１の制御内容を特定し、スイッチ１０の確定操作の前に、車両１の制御内容を表示装置２に表示する。これにより、操作スイッチの確定操作前に、車両１の制御内容を乗員に認識させることができる。その結果として、ドライバは、スイッチ１０の確定操作後に生じる車両状態を把握できるため、安心してスイッチ１０を操作できる。

　また本実施形態では、スイッチ１０の操作対象装置以外の車載装置のうち、スイッチ１０の操作指令により実行される装置の制御内容を、スイッチ１０の確定操作の前に、表示装置２に表示する。これにより、操作スイッチの確定操作前に、スイッチ１０の操作により影響を受ける、操作対象装置以外の車載装置の制御内容を、乗員に認識させることができる。

　なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。

１…車両
２…表示装置
３…カメラ
４…測距装置
５…操作スイッチ
６…車速センサ
７…地図データベース
１０…スイッチ（ＳＷ）
　１１…ステアリングスイッチ（ステアリングＳＷ）
　１２…ＶＤＣスイッチ（ＶＤＣＳＷ）
　１３…走行モードスイッチ（走行モードＳＷ）
　１４…自動運転スイッチ（自動運転ＳＷ）
　１５…車線変更スイッチ（車線変更ＳＷ）
　２０…駆動制御装置
３０…コントローラ
　３１…情報取得部
　３２…制御内容特定部
　３３…表示制御部
　３４…自動運転制御部

Claims

　予備操作で操作され、前記予備操作後の確定操作により操作指令を出力するスイッチと、
　表示装置を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、
　車両の現在の状態及び前記車両の周囲環境の状態のうち少なくとも一方の状態を示す車両状態情報を取得し、
　前記スイッチが前記予備操作で操作された場合には、前記車両状態情報に基づき、前記操作指令により実行される前記車両の制御内容を特定し、
　前記確定操作の前に、前記制御内容を表示装置に表示させる表示制御装置。
　請求項１記載の表示制御装置において、
　前記表示装置は、前記車両の前方に位置するガラス又は投影板に画像を表示するヘッドアップディスプレイ、インストルメントパネルに設置されたディスプレイ、及び、ナビゲーションシステムに含まれるディスプレイのうち、少なくとも１つのディスプレイである表示制御装置。
　請求項１又は２記載の表示制御装置において、
　前記予備操作の操作方法と前記確定操作の操作方法は互いに異なる操作方法である表示制御装置。
　請求項１又は２記載の表示制御装置において、
　前記スイッチは、タッチ操作を前記予備操作として検出し、前記予備操作のためのタッチ操作よりも接触時間が長いタッチ操作又は前記予備操作で触れた部分を押し込む操作のいずれか一方の操作を前記確定操作として検出する表示制御装置。
　請求項１又は２記載の表示制御装置であって、
　前記スイッチは操作対象装置を操作するスイッチであり、
前記コントローラは、
　前記操作対象装置以外の車載装置のうち、前記操作指令により実行される装置の前記制御内容を、前記確定操作の前に前記表示装置に表示させる表示制御装置。
　プロセッサにより実行される表示制御方法であって、
前記プロセッサは、
　車両の現在の状態及び前記車両の周囲環境の状態のうち少なくとも一方の状態を示す車両状態情報を取得し、
　予備操作後の確定操作により操作指令を出力するスイッチが、前記予備操作で操作された場合には、前記車両状態情報に基づき、前記操作指令により実行される前記車両の制御内容を特定し、
　前記確定操作の前に、前記制御内容を表示装置に表示させる表示制御方法。