WO2023190289A1 - 車載装置 - Google Patents

Abstract

第１電子機器と、前記第１電子機器と電気的に接続される第２電子機器と、を備え、前記第１電子機器と前記第２電子機器は、車両の壁状部材の少なくとも一部を挟む位置関係で、前記第１電子機器と前記第２電子機器の少なくとも一方が前記壁状部材の取付孔に取り付けられ、前記第２電子機器と前記壁状部材との間に被挟持部が配置され、前記被挟持部は、少なくとも第１領域と第２領域とに位置し、前記取付孔は、前記第１領域と前記第２領域との間にある、車載装置。

Description

車載装置

　本発明は、車載装置に関する。

　従来、特許文献１のように、アンテナ部と信号処理部といった２つの電子機器を含む車載用アンテナ装置が提案されている。

特開２０１９－４７４５９号公報

　しかしながら、振動などにより、２つの電子機器の安定的な保持が困難であった。

　したがって本発明の目的の一例は、車載装置において複数の電子機器を安定的に保持することである。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。

　本発明の一態様は、第１電子機器と、前記第１電子機器と電気的に接続される第２電子機器と、を備え、前記第１電子機器と前記第２電子機器は、車両の壁状部材の少なくとも一部を挟む位置関係で、前記第１電子機器と前記第２電子機器の少なくとも一方が前記壁状部材の取付孔に取り付けられ、前記第２電子機器と前記壁状部材との間に被挟持部が配置され、前記被挟持部は、少なくとも第１領域と第２領域とに位置し、前記取付孔は、前記第１領域と前記第２領域との間にある、車載装置である。

　本発明の一態様によれば、車載装置において複数の電子機器を安定的に保持することが出来る。

図１は、車両ルーフへの取付前の第１実施形態の車載装置の側面図である。 図２は、車両ルーフへの取付前の第１実施形態の車載装置を、上方から見た斜視図である。 図３は、車両ルーフへの取付前の第１実施形態の車載装置を、下方から見た斜視図である。 図４は、ベースと仮固定部材と爪付きワッシャーを、下方から見た分解斜視図である。 図５は、車両ルーフに仮固定された第１電子機器を、下方から見た斜視図である。 図６は、取付部を、上方から見た分解斜視図である。 図７は、車両ルーフに本固定された第１電子機器を、下方から見た斜視図である。 図８は、車両ルーフへの取付後の第１実施形態の第１電子機器と取付部を、左方から見た側面図である。 図９は、車両ルーフへの取付前の第２実施形態の車載装置を、上方から見た斜視図である。 図１０は、車両ルーフへの取付後の第２実施形態の第１電子機器と取付部を、左方から見た側面図である。 図１１は、車両ルーフへの取付前の第３実施形態の車載装置を、上方から見た斜視図である。

　以下、本実施形態について、図を用いて説明する。ただし、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。

　方向を説明するために、車載装置１が取り付けられる車両の前後方向をｘ方向、ｘ方向と垂直な左右方向をｙ方向、ｘ方向とｙ方向に垂直な略鉛直方向（第１電子機器１０と取付孔９１が並ぶ第１方向）をｚ方向として説明する。図２などにおいて、ｘｙｚ軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、右方向、上方向と定義する。

　図１では、第１電子機器１０のケース１１の内部に収容されて外部から見えない部材（アンテナ素子１５、第１基板１７など）、及び第２電子機器５０の筐体５１の内部に収容されて外部から見えない部材（第２基板５３）が点線で示される。図１は、車載装置１を構成する主な部材の構成を模式的に示すものであり、図２以降に示す具体的な部材の形状と一致しない場合がある。また、図２、図９、図１１では、ケース１１の左半分の図示を省略している。図３、図４では、ケース１１、パッド１３、アンテナ素子１５、第１基板１７の図示を省略している。図３では、筐体５１の下面を覆う底部、第２基板５３の図示を省略している。図５と図７では、取付部３０、第２電子機器５０の図示を省略している。図８、図１０では、ケース１１の左半分の図示を省略し、パッド１３、アンテナ素子１５、第１基板１７の図示を省略している。

　（第１実施形態）
　第１実施形態の車載装置１は、図１～図４に示すように、第１電子機器（アンテナ部）１０と、取付部３０と、第２電子機器（信号処理部）５０とを備える。第１電子機器１０は、ケース１１と、アンテナ素子１５と、第１基板１７と、ベース１９と、を有する。本実施形態において、車載用アンテナ装置１は、パッド１３と、防水部材２０と、第１コネクタ２１と、仮固定部材２５と、爪付きワッシャー（変形可能部材）２７と、をさらに有する。取付部３０は、ガイド部３１、本体部（ブラケット）３２、第１腕部３５、第１脚部３６、第１締結部３７、第１被挟持部材（被挟持部）４１を有する。第２電子機器５０は、筐体５１、第２コネクタ５２、第２基板５３、第２腕部５５、第２脚部５６、第２締結部５７を有する。

　第１電子機器１０は、第２電子機器５０から受信した信号を外部に送信する。第１電子機器１０は、外部から信号を受信し、受信した信号を第２電子機器５０に送信する。

　取付部３０は、第１電子機器１０と、第２電子機器５０とを車両ルーフ９０（車両の壁状部材）に固定する。取付部３０は、車両ルーフ９０を介して第１電子機器１０と対向する位置に配置される。したがって、取付部３０と、第１電子機器１０とは、車両ルーフ９０を挟む位置関係となっている。取付部３０の上部は、車両ルーフ９０を挟む位置関係で第１電子機器１０を固定する。取付部３０の下部は、第２電子機器５０を固定する。取付部３０は、第１電子機器１０と第２電子機器５０との間に介在する。

　第２電子機器５０は、第１電子機器１０から外部に送信する信号を第１電子機器１０に送信する。第２電子機器５０は、第１電子機器１０が受信した信号の処理を行う。第２電子機器５０は、車内ＬＡＮ（Local Area Network）のケーブル（不図示）を介して車両のゲートウェイＥＣＵ（不図示）への信号の送信、及びゲートウェイＥＣＵからの信号の受信の少なくとも一方を行う。

　（ケース１１）
　ケース１１は、電波透過性を有する合成樹脂製である。ケース１１は、ｘ方向前方がｘ方向後方よりも低くなるように傾斜し、ｙ方向断面が略台形形状を有する。ケース１１は、下面が開口し、下面の開口にはベース１９が取り付けられる。ケース１１と、ベース１９とは、例えば、スナップフィットにより接合される。ただし、ケース１１とベース１９との接合はこれに限定されず、例えば、嵌合、ねじ止め、または溶接等が用いられてもよい。ケース１１とベース１９とで形成された空間内には、アンテナ素子１５、第１基板１７が収納される。ケース１１の形状は、上述のものに限らず、略直方体形状など、他の形状であってもよい。ケース１１とベース１９とで形成された空間内には、アンテナ素子１５、第１基板１７以外の部材が収納されてもよい。

　（パッド１３）
　パッド１３は、エラストマー（Elastomer）またはゴムなどで形成された弾性部材である。パッド１３の上部には、ケース１１が取り付けられる。ケース１１が取り付けられた際、パッド１３の上部は、ケース１１の下端周縁部と接する。パッド１３は、第１電子機器１０を車両ルーフ９０に取り付けたときの車両ルーフ９０との隙間を埋める。

　（アンテナ素子１５）
　アンテナ素子１５は、電気信号の送信と、電気信号の受信の少なくとも一方を行う。例えば、アンテナ素子１５としては、ＳＸＭ（Ｓｉｒｉｕｓ ＸＭ）ラジオなどの衛星放送を受信するための平面アンテナ、ＧＮＳＳなどの衛星からの位置情報（時間情報）を受信するための平面アンテナが考えられる。さらに、アンテナ素子１５としては、ＡＭ／ＦＭ放送または地上デジタルテレビ放送などを受信するための、容量装荷素子及びヘリカル素子の少なくとも一方を含むアンテナが考えられる。アンテナ素子１５は、Ｖ２Ｘ（車車間・路車間通信）用、及びテレマティックス、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、スマートエントリーシステムなどの通信端末用のアンテナなどが考えられる。

　アンテナ素子１５は、第１基板１７などを介して、ベース１９に保持される。ただし、アンテナ素子１５は、第１基板１７を介さずに直接ベース１９に保持されてもよいし、ケース１１の内壁に保持されてもよい。ベース１９などに取り付けられたホルダーによってアンテナ素子１５が保持されてもよい。

　（第１基板１７）
　第１基板１７は、増幅回路や同調回路などアンテナ素子に関する電子部品、及びアンテナ素子１５などが実装される。第１基板１７は、ベース１９によって保持される。第１基板１７には、第１コネクタ２１が取り付けられ、第１基板１７と第１コネクタ２１とが電気的に接続される。ただし、本実施形態では、第１基板１７は、一枚の基板から構成されているが、複数の基板から構成されていてもよい。第１基板１７が複数の基板から構成されている場合、各々の基板は、必要に応じて電気的に接続される。

　（ベース１９）
　ベース１９は、例えばアンテナベースである。ベース１９は、ケース１１にｚ方向上方から覆われて、アンテナ素子１５などを収容する収容空間を形成する。ベース１９は、金属で構成されていてもよいし、一部が金属で構成され、それ以外の部分が樹脂で構成されてもよい。ベース１９を構成する金属材料には、例えば、アルミニウム合金が用いられるが、他の金属材料が用いられてもよい。ベース１９を構成する金属材料は、例えば、ダイカストまたは板金加工等を含む金属加工によって形成される。ベース１９は、例えば、ダイカストにより成形された金属ベースと、樹脂で構成された樹脂ベースとを含んでいてもよいし、金属ベースと、樹脂ベースとに加え、さらに板金加工により形成された金属プレートと、を含んでいてもよい。

　ベース１９の上部には、第１基板１７が取り付けられる。ベース１９は、ｚ方向下方に突出した凸部１９ａを有する。凸部１９ａは、第１電子機器１０を車両ルーフ９０の取付孔９１に挿入する際の位置決め部材として用いられる。さらに、凸部１９ａは、第１コネクタ２１の保護部材として用いられる。ベース１９は、ｘ方向前方に２つの凸部１９ａ、及びｘ方向後方に１つの凸部１９ａを有する例を示すが、凸部１９ａの数は、これに限るものではない。ｘ方向前方の２つの凸部１９ａ（ｙ方向右方の凸部１９ａとｙ方向左方の凸部１９ａ）は、ｙ方向で第１コネクタ２１を挟む。図１は、ｘ方向前方で且つｙ方向右方の凸部１９ａの図示を省略している。

　ベース１９は、ｚ方向に貫通するベース孔１９ｂを有する。ベース孔１９ｂは、ｘ方向前方の２つの凸部１９ａの間に形成され、第１コネクタ２１が通る。ｘ方向前方で且つｙ方向右方の凸部１９ａのｙ方向右方の側面、及びｘ方向前方で且つｙ方向左方の凸部１９ａのｙ方向左方の側面には、爪受け部１９ｃが形成される。ｘ方向後方の凸部１９ａのｘ方向前方には、爪受け部１９ｃが形成される。ベース１９は、第１締結部３７が螺合する螺合孔１９ｄが形成される。螺合孔１９ｄは、ｘ方向前方の凸部１９ａとｘ方向後方の凸部１９ａの間に形成される。ベース１９の螺合孔１９ｄが形成された領域の上部には、仮固定部材２５がネジ止めされる。ベース１９の螺合孔１９ｄが形成された領域の下部には、仮固定部材２５との係合により、爪付きワッシャー２７が取り付けられる。

　（防水部材２０）
　ベース１９の下面であって、凸部１９ａの周囲には、シールなどの防水部材２０が取り付けられる。防水部材２０は、エラストマー（Elastomer）、ゴム、ウレタンフォーム（発砲ポリウレタン）などで形成された囲繞形状の弾性部材である。防水部材２０は、ｚ方向から見て、凸部１９ａ及び取付孔９１を含む領域を囲む。防水部材２０は、車両ルーフ９０の上面（車両ルーフ９０の他方の面）と接する。防水部材２０により、ベース１９と車両ルーフ９０の間であって、車両ルーフ９０の取付孔９１が設けられた領域の周囲が水密防止される。

　（第１コネクタ２１）
　第１コネクタ２１は、第１基板１７の下面に取り付けられ、第２電子機器５０の第２基板５３との電気的な接続に用いられる。第１コネクタ２１の端部は、ｚ方向下方に突出する。第１コネクタ２１の下部は、取付部３０のガイド部３１のガイド切り欠き３１ｂと本体部３２の第３ガイド孔３３ｃを通り、第２電子機器５０の第２コネクタ５２と嵌合する。取付部３０のガイド部３１のガイド切り欠き３１ｂと本体部３２の第３ガイド孔３３ｃの詳細は後述する。

　第１コネクタ２１と第２コネクタ５２とが接続されることにより、第１電子機器１０と第２電子機器５０とが電気的に接続される。これにより、第２基板５３から第１基板１７に設けられた電子部品への電力供給、アンテナ素子１５から第２電子機器５０への信号の送信、及び第２電子機器５０からアンテナ素子１５への信号の送信などが可能な状態となる。ただし、第１コネクタ２１の代わりにケーブル（不図示）が、第１基板１７と第２基板５３との電気的な接続に用いられてもよい。

　（仮固定部材２５）
　仮固定部材２５は、板金で構成され、第１上面部２５ａ、車両仮止め爪部２５ｂ、ワッシャー仮止め爪部２５ｃを有する。第１上面部２５ａは、ｚ方向に平行な面を含む略四角形形状を有する。第１上面部２５ａは、第１締結部３７の軸部が貫通する孔を含む。第１上面部２５ａからは、車両仮止め爪部２５ｂ及びワッシャー仮止め爪部２５ｃがｚ方向下方に延びる。車両仮止め爪部２５ｂは、４つの車両仮止め爪（第１車両仮止め爪２５ｂ１、第２車両仮止め爪２５ｂ２、第３車両仮止め爪２５ｂ３、第４車両仮止め爪２５ｂ４）を有する。ワッシャー仮止め爪部２５ｃは、２つのワッシャー仮止め爪（第１ワッシャー仮止め爪２５ｃ１、第２ワッシャー仮止め爪２５ｃ２）を有する。車両仮止め爪部２５ｂの爪は、ｙ方向外側に向けて突出し、ワッシャー仮止め爪部２５ｃの爪は、ｙ方向内側に向けて突出する。

　（車両仮止め爪部２５ｂ）
　第１車両仮止め爪２５ｂ１は、第１上面部２５ａのｘ方向前方の端部で且つｙ方向右方の端部からｚ方向下方に延びる。第１車両仮止め爪２５ｂ１の下端部は、テーパー部分を有している。第１車両仮止め爪２５ｂ１のテーパー部分は、ｚ方向上方に向けて広がり、ｙ方向右方への突出量がｚ方向下方からｚ方向上方に向けて大きくなるテーパー形状を有する。
　第２車両仮止め爪２５ｂ２は、第１上面部２５ａのｘ方向後方の端部で且つｙ方向右方の端部からｚ方向下方に延びる。第２車両仮止め爪２５ｂ２の下端部は、テーパー部分を有している。第２車両仮止め爪２５ｂ２のテーパー部分は、ｚ方向上方に向けて広がり、ｙ方向右方への突出量がｚ方向下方からｚ方向上方に向けて大きくなるテーパー形状を有する。

　第３車両仮止め爪２５ｂ３は、第１上面部２５ａのｘ方向前方の端部で且つｙ方向左方の端部からｚ方向下方に延びる。第３車両仮止め爪２５ｂ３の下端部は、テーパー部分を有している。第３車両仮止め爪２５ｂ３のテーパー部分は、ｚ方向上方に向けて広がり、ｙ方向左方への突出量がｚ方向下方からｚ方向上方に向けて大きくなるテーパー形状を有する。
　第４車両仮止め爪２５ｂ４は、第１上面部２５ａのｘ方向後方の端部で且つｙ方向左方の端部からｚ方向下方に延びる。第４車両仮止め爪２５ｂ４の下端部は、テーパー部分を有している。第４車両仮止め爪２５ｂ４のテーパー部分は、ｚ方向上方に向けて広がり、ｙ方向左方への突出量がｚ方向下方からｚ方向上方に向けて大きくなるテーパー形状を有する。

　第１車両仮止め爪２５ｂ１と第３車両仮止め爪２５ｂ３は、ｙ方向で対向する。第２車両仮止め爪２５ｂ２と第４車両仮止め爪２５ｂ４は、ｙ方向で対向する。

　（ワッシャー仮止め爪部２５ｃ）
　第１ワッシャー仮止め爪２５ｃ１は、第１上面部２５ａのｘ方向中央で且つｙ方向右方の端部からｚ方向下方に延びる。第１ワッシャー仮止め爪２５ｃ１の下端部は、テーパー部分を有している。第１ワッシャー仮止め爪２５ｃ１のテーパー部分は、ｚ方向上方に向けて広がり、ｙ方向左方への突出量がｚ方向下方からｚ方向上方に向けて大きくなるテーパー形状を有する。
　第２ワッシャー仮止め爪２５ｃ２は、第１上面部２５ａのｘ方向中央で且つｙ方向左方の端部からｚ方向下方に延びる。第２ワッシャー仮止め爪２５ｃ２の下端部は、テーパー部分を有している。第２ワッシャー仮止め爪２５ｃ２のテーパー部分は、ｚ方向上方に向けて広がり、ｙ方向右方への突出量がｚ方向下方からｚ方向上方に向けて大きくなるテーパー形状を有する。

　第１ワッシャー仮止め爪２５ｃ１と第２ワッシャー仮止め爪２５ｃ２は、ｙ方向で対向する。第１上面部２５ａが、ベース１９にネジ止めされると、第１ワッシャー仮止め爪２５ｃ１と第２ワッシャー仮止め爪２５ｃ２が、ベース１９の螺合孔１９ｄが形成された領域をｙ方向で挟む。

　（爪付きワッシャー２７）
　爪付きワッシャー２７は、第１締結部３７を締結する際に変形し、車両ルーフ９０の下面と接する。爪付きワッシャー２７は、下面部２７ａ、折曲げ部２７ｂを有する。下面部２７ａは、ｚ方向に平行な面を含む略四角形形状を有する。下面部２７ａは、第１締結部３７の軸部が貫通する孔を含む。下面部２７ａのｙ方向右方の端部、及び下面部２７ａのｙ方向左方の端部からは、折曲げ部２７ｂがｚ方向上方に延びる。折曲げ部２７ｂの上端部２７ｂ１は、仮固定部材２５に掛け止めされる。折曲げ部２７ｂは、第１締結部３７を締結する際に折れ曲がり、一部が車両ルーフ９０の下面と接する。すなわち、爪付きワッシャー２７は、変形した時に、車両ルーフ９０の下面と接することで、第１電子機器１０と車両ルーフ９０の固定が行われる。

　（ワッシャー仮止め爪部２５ｃによる爪付きワッシャー２７の仮固定）
　爪付きワッシャー２７がｚ方向下方からベース１９に取り付けられる際に、第１ワッシャー仮止め爪２５ｃ１のテーパー部分が、爪付きワッシャー２７の折曲げ部２７ｂの上端部２７ｂ１と接触して、ｙ方向右方に押し込まれる。このとき、第２ワッシャー仮止め爪２５ｃ２のテーパー部分が、爪付きワッシャー２７の折曲げ部２７ｂの上端部２７ｂ１と接触して、ｙ方向左方に押し込まれる。これによって、第１ワッシャー仮止め爪２５ｃ１の下端と第２ワッシャー仮止め爪２５ｃ２の下端は、互いに離れるように撓み、爪付きワッシャー２７の上端部２７ｂ１を通り抜ける。通り抜け後は、撓みが解消され、爪付きワッシャー２７は、ワッシャー仮止め爪部２５ｃに仮固定される。

　この仮固定により、爪付きワッシャー２７は、ワッシャー仮止め爪部２５ｃから外れにくい状態になる。ただし、第１ワッシャー仮止め爪２５ｃ１の下端と第２ワッシャー仮止め爪２５ｃ２の下端を撓ませることで、仮固定の状態を解除することは可能である。仮固定の後、第１締結部３７の螺合により、爪付きワッシャー２７はベース１９に本固定される。

　（ガイド部３１）
　取付部３０のガイド部３１は、第１電子機器１０のｚ方向に突出する部材（凸部１９ａなど）の案内部材として用いられる。ガイド部３１は、樹脂で構成される。ガイド部３１の詳細は、後述する。

　（本体部３２）
　本体部３２は、ｙ方向から見て、四角形の一辺を除いた形状（窪み形状）を有する。本体部３２は、金属で構成される。本体部３２は、第２上面部３３と側部３４を有する。第２上面部３３と側部３４と後述する第１腕部３５と後述する第１脚部３６は、一体的に構成される。例えば、第２上面部３３と側部３４と第１腕部３５と第１脚部３６は、金属の板状部材を折り曲げるなどして形成される。

　（第２上面部３３、側部３４）
　第２上面部３３は、略四角形状で、ｚ方向に垂直な面を有する。第２上面部３３は、ｚ方向下方に窪んだ第１上面凹部３３ａを有する。第１上面凹部３３ａの詳細は後述する。側部３４は、第２上面部３３のｘ方向前方の端部及びｘ方向後方の端部からｚ方向下方に延びる。

　（第１腕部３５）
　第１腕部３５は、ｚ方向に垂直な面を有する。第１腕部３５は、例えば、本体部３２のｘ方向前方とｘ方向後方に２つずつ形成される。より詳細には、第１腕部３５は、ｘ方向前方の側部３４と、ｘ方向後方の側部３４とにそれぞれ２つずつ形成される。ｘ方向前方の第１腕部３５の一方は、ｘ方向前方の側部３４のｙ方向右方の下端からｘ方向前方に延びる。ｘ方向前方の第１腕部３５の他方は、ｘ方向前方の側部３４のｙ方向左方の下端からｘ方向前方に延びる。ｘ方向後方の第１腕部３５の一方は、ｘ方向後方の側部３４のｙ方向右方の下端からｘ方向後方に延びる。ｘ方向後方の第１腕部３５の他方は、ｘ方向後方の側部３４のｙ方向左方の下端からｘ方向後方に延びる。第１腕部３５は、第２上面部３３よりも、ｚ方向下方に形成される。すなわち、第１腕部３５は、第２上面部３３よりも、車両ルーフ９０から離れた位置に設けられる。第１腕部３５のｚ方向に垂直な面と、第２上面部３３のｚ方向に垂直な面とは、略平行となっている。第１腕部３５は、第１腕部孔３５ａを有する。第２締結部５７は、第１腕部孔３５ａを貫通する。

　（第１脚部３６）
　第１脚部３６は、ｘ方向に垂直な面を有する。第１脚部３６は、第１腕部３５に形成され、ｘ方向前方とｘ方向後方に２つずつ形成される。より詳細には、第１脚部３６は、ｘ方向前方に形成された２つの第１腕部３５と、ｘ方向後方に形成された２つの第１腕部３５とにそれぞれ形成される。ｘ方向前方の第１脚部３６の一方は、ｘ方向前方の第１腕部３５の一方の前端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向前方の第１脚部３６の他方は、ｘ方向前方の第１腕部３５の他方の前端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向後方の第１脚部３６の一方は、ｘ方向後方の第１腕部３５の一方の後端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向後方の第１脚部３６の他方は、ｘ方向後方の第１腕部３５の他方の後端からｚ方向下方に延びる。したがって、第１脚部３６のｘ方向に垂直な面と、第１腕部３５のｚ方向に垂直な面とのなす角度は、略直角となる。第１脚部３６のそれぞれには、ｘ方向に貫通する脚部孔３６ａが形成される。脚部孔３６ａには、第２電子機器５０の脚部爪５６ａが係合する。

　ただし、第１脚部３６は、ｘ方向に垂直な面に加えて、もしくは、ｘ方向に垂直な面に代えて、ｙ方向に垂直な面を有してもよい。この場合、ｘ方向前方の第１脚部３６の一方は、ｘ方向前方の第１腕部３５の一方の右端と左端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向前方の第１脚部３６の他方は、ｘ方向前方の第１腕部３５の他方の右端と左端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向後方の第１脚部３６の一方は、ｘ方向後方の第１腕部３５の一方の右端と左端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向後方の第１脚部３６の他方は、ｘ方向後方の第１腕部３５の他方の右端と左端からｚ方向下方に延びる。第１脚部３６が、ｘ方向に垂直な面を有さず、ｙ方向に垂直な面を有する場合には、脚部孔３６ａは、第１脚部３６のｙ方向に垂直な面に形成される。

　（第１締結部３７）
　第１締結部３７は、ボルトなどで構成され、ベース１９の螺合孔１９ｄとの螺合に用いられる。第１実施形態では、第１締結部３７がボルトである例を示す。ベース１９と第１締結部３７との螺合により、車両ルーフ９０を挟む位置関係で、第１電子機器１０と取付部３０とが接続される。具体的には、第１締結部３７の螺合により、第１電子機器１０の車両ルーフ９０への固定、取付部３０の第１電子機器１０への固定が行われる。

　（第１被挟持部材４１）
　第１被挟持部材４１は、弾性部材である。具体的には、第１被挟持部材４１は、エラストマー（Elastomer）、ゴム、ウレタンフォーム（発砲ポリウレタン）などで形成される。第１被挟持部材４１の詳細は、後述する。

　（筐体５１）
　筐体５１は、略直方体形状を有し、第２基板５３を内蔵する。筐体５１は、上面にｚ方向下方に凹んだ第２上面凹部５１ａを有する。具体的には、筐体５１は、筐体５１の上面の中心部に、上面の周縁部よりもｚ方向下方に凹んだ第２上面凹部５１ａを有する。第２上面凹部５１ａの上面には、第１上面凹部３３ａが嵌め込まれる。第２上面凹部５１ａは、収納孔５１ａ１を有する。収納孔５１ａ１のｘ方向前方には、ｚ方向下方から第２コネクタ５２の上端が挿入される。収納孔５１ａ１のｘ方向前方には、ｚ方向上方からｘ方向前方の凸部１９ａの下端が挿入される。収納孔５１ａ１のｘ方向後方には、ｚ方向上方からｘ方向後方の凸部１９ａの下端が挿入される。収納孔５１ａ１のｘ方向前方の凸部１９ａの下端が挿入される領域と、ｘ方向後方の凸部１９ａの下端が挿入される領域の間には、第１締結部３７の頭部が収納される。

　（第２コネクタ５２）
　第２コネクタ５２は、第２基板５３の上面に取り付けられ、第１電子機器１０の第１基板１７との電気的な接続に用いられる。第２コネクタ５２の端部は、ｚ方向上方に突出する。

　（第２基板５３）
　第２基板５３は、車内ＬＡＮのケーブル（不図示）を介して車両のゲートウェイＥＣＵと接続される。第２基板５３は、デジタル信号とアナログ信号を相互に変換する。具体的には、第２基板５３は、アンテナ素子１５が受信したアナログ信号をデジタル信号に変換してゲートウェイＥＣＵに送信し、ゲートウェイＥＣＵから受信したデジタル信号をアナログ信号に変換してアンテナ素子１５に送信する。

　ゲートウェイＥＣＵは、車内ＬＡＮを介して、情報処理装置などの車内に設置された電子機器に信号を送信し、電子機器から送信された信号を受信する。情報処理装置は、カーナビゲーションシステム、オーディオ機器など、情報を音声、映像などで出力する装置である。

　第２基板５３は、例えば、ＡＭ／ＦＭチューナー、通信モジュール、位置演算モジュール、Ｖ２Ｘモジュール、ＳＸＭ・ＤＡＢモジュールなどを有する。ただし、第２基板５３と、ゲートウェイＥＣＵとの接続は、車内ＬＡＮのケーブルを介して行われる形態に限らず、他のケーブルを介して行われてもよい。第２基板５３は、ゲートウェイＥＣＵに限らず、オーディオ機器など、車両の他の電気機器と接続されてもよい。

　（第２腕部５５）
　第２腕部５５は、ｚ方向に垂直な面を有する。第２腕部５５は、例えば、筐体５１のｘ方向前方とｘ方向後方に２つずつ形成される。より詳細には、第２腕部５５は、ｘ方向前方の筐体５１の前面と、ｘ方向後方の筐体５１の後面とにそれぞれ２つずつ形成される。ｘ方向前方の第２腕部５５の一方は、筐体５１の前面のｙ方向右方からｘ方向前方に延びる。ｘ方向前方の第２腕部５５の他方は、筐体５１の前面のｙ方向左方からｘ方向前方に延びる。ｘ方向後方の第２腕部５５の一方は、筐体５１の後面のｙ方向右方からｘ方向後方に延びる。ｘ方向後方の第２腕部５５の他方は、筐体５１の後面のｙ方向左方からｘ方向後方に延びる。第２腕部５５は、筐体５１の上面よりも、ｚ方向下方に設けられる。すなわち、第２腕部５５は、筐体５１の上面よりも、車両ルーフ９０から離れた位置に設けられる。第２腕部５５は、第２腕部孔５５ａを有する。第２締結部５７は、第２腕部孔５５ａを貫通する。第２腕部孔５５ａは、第２電子機器５０が取付部３０に取り付けられる時に、第１腕部孔３５ａとｚ方向で対向する位置に設けられる。したがって、第２電子機器５０が取付部３０に取り付けられた状態において、第２腕部５５のｚ方向に垂直な面と、第１腕部３５のｚ方向に垂直な面とは、互いに対向し、略平行となる。

　（第２脚部５６）
　第２脚部５６は、ｘ方向に垂直な面を有する。第２脚部５６は、第２腕部５５に形成され、ｘ方向前方とｘ方向後方に２つずつ設けられる。より詳細には、第２脚部５６は、ｘ方向前方に形成された２つの第２腕部５５と、ｘ方向後方に形成された２つの第２腕部５５とにそれぞれ形成される。ｘ方向前方の第２脚部５６の一方は、ｘ方向前方の第２腕部５５の一方の前端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向前方の第２脚部５６の他方は、ｘ方向前方の第２腕部５５の他方の前端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向後方の第２脚部５６の一方は、ｘ方向後方の第２腕部５５の一方の後端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向後方の第２脚部５６の他方は、ｘ方向後方の第２腕部５５の他方の後端からｚ方向下方に延びる。したがって、第２脚部５６のｘ方向に垂直な面と、第２腕部５５のｚ方向に垂直な面とのなす角度は、略直角となる。第２電子機器５０が取付部３０に取り付けられた状態において、第２脚部５６のｘ方向に垂直な面と、第１脚部３６のｘ方向に垂直な面とは、互いに対向し、略平行となる。第２脚部５６のそれぞれには、ｘ方向に突出する脚部爪５６ａが形成される。

　（脚部爪５６ａによる第２電子機器５０の仮固定）
　第２電子機器５０がｚ方向下方から取付部３０に取り付けられる際に、第２電子機器５０は、ｘ方向前方の第１脚部３６とｘ方向後方の第１脚部３６の間に挿入される。このとき、ｘ方向前方の脚部爪５６ａは、ｘ方向前方の第１脚部３６の下端部と接触して、ｘ方向後方に押し込まれる。このとき、ｘ方向後方の脚部爪５６ａは、ｘ方向後方の第１脚部３６の下端部と接触して、ｘ方向前方に押し込まれる。これによって、ｘ方向前方の脚部爪５６ａとｘ方向後方の脚部爪５６ａは、互いに近づくように撓み、第１脚部３６の下端部を通り抜ける。通り抜けた後は、撓みが解消され、脚部爪５６ａは脚部孔３６ａと係合する。脚部爪５６ａと脚部孔３６ａの係合により、第２電子機器５０が取付部３０に仮固定される。

　この仮固定により、第２電子機器５０は、取付部３０から外れにくい状態になる。ただし、ｘ方向前方の脚部爪５６ａとｘ方向後方の脚部爪５６ａを撓ませることで、仮固定の状態を解除することは可能である。仮固定の後、第２締結部５７の嵌め込みにより、第２電子機器５０は取付部３０に本固定される。

　ただし、第２脚部５６は、ｘ方向に垂直な面に加えて、もしくは、ｘ方向に垂直な面に代えて、ｙ方向に垂直な面を有してもよい。この場合、ｘ方向前方の第２脚部５６の一方は、ｘ方向前方の第２腕部５５の一方の右端と左端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向前方の第２脚部５６の他方は、ｘ方向前方の第２腕部５５の他方の右端と左端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向後方の第２脚部５６の一方は、ｘ方向後方の第２腕部５５の一方の右端と左端からｚ方向下方に延びる。ｘ方向後方の第２脚部５６の他方は、ｘ方向後方の第２腕部５５の他方の右端と左端からｚ方向下方に延びる。脚部孔３６ａが、第１脚部３６のｙ方向の垂直な面に形成された場合には、脚部爪５６ａは、第２脚部５６のｙ方向の垂直な面に形成される。

　（第２締結部５７）
　第２締結部５７は、例えば、クリップ、樹脂製のリベットなどで構成される。第２締結部５７は、ｚ方向下方から、第２腕部孔５５ａと第１腕部孔３５ａを貫通する。第２締結部５７が、第２腕部孔５５ａと第１腕部孔３５ａを貫通することで、第２電子機器５０が取付部３０に固定される。

　（車両仮止め爪部２５ｂによる第１電子機器１０の仮固定）
　第１電子機器１０がｚ方向上方から車両ルーフ９０に取り付けられる際に、第１車両仮止め爪２５ｂ１と第２車両仮止め爪２５ｂ２のテーパー形状が、車両ルーフ９０の取付孔９１の周縁部と接触して、ｙ方向左方に押し込まれる。このとき、第３車両仮止め爪２５ｂ３と第４車両仮止め爪２５ｂ４のテーパー形状が車両ルーフ９０の取付孔９１の周縁部と接触して、ｙ方向右方に押し込まれる。これによって、第１車両仮止め爪２５ｂ１の下端と第３車両仮止め爪２５ｂ３の下端は、互いに近づくように撓み、取付孔９１のｘ方向前方の領域を通り抜ける。また、第２車両仮止め爪２５ｂ２の下端と第４車両仮止め爪２５ｂ４の下端は、互いに近づくように撓み、取付孔９１のｘ方向後方の領域を通り抜ける。図５に示すように、通り抜け後は、撓みが解消され、車両仮止め爪部２５ｂは、車両ルーフ９０に掛け止めされる。すなわち、第１電子機器１０は、車両ルーフ９０に仮固定される。

　この仮固定により、第１電子機器１０は、車両ルーフ９０から外れにくい状態になる。ただし、第１車両仮止め爪２５ｂ１の下端などを撓ませることで、仮固定の状態を解除することは可能である。仮固定の後、第１締結部３７の螺合により、第１電子機器１０は車両ルーフ９０に本固定される。

　（ガイド部３１の詳細）
　図６に示すように、取付部３０のガイド部３１は、第１ガイド孔３１ａ、ガイド切り欠き３１ｂを有する。ガイド部３１は、ネジ止めにより、本体部３２の第１上面凹部３３ａに取り付けられる。第１ガイド孔３１ａは、ガイド部３１におけるｘ方向後方にｚ方向に貫通する孔で形成される。第１ガイド孔３１ａには、ｘ方向後方の凸部１９ａが挿入される。ガイド切り欠き３１ｂは、ガイド部３１におけるｘ方向前方にｚ方向に貫通する切り欠きで形成される。ガイド切り欠き３１ｂには、ｘ方向前方の凸部１９ａ及び第１コネクタ２１が挿入される。ガイド切り欠き３１ｂにより、ガイド部３１は、ｚ方向から見て、略Ｃ字形状または略Ｕ字形状を有する。

　第１ガイド孔３１ａとガイド切り欠き３１ｂには、ｚ方向に延びるガイド壁３１ｃが形成される。第１ガイド孔３１ａのガイド壁３１ｃは、ｘ方向後方の凸部１９ａを第１ガイド孔３１ａに挿入する際の誘導部材として用いられる。ガイド切り欠き３１ｂのガイド壁３１ｃは、ｘ方向前方の凸部１９ａをガイド切り欠き３１ｂに挿入する際の誘導部材として用いられる。

　ガイド切り欠き３１ｂのｙ方向右方のガイド壁３１ｃには、ｙ方向左方に突出する爪（ガイド爪３１ｄ）が形成される。ガイド切り欠き３１ｂのｙ方向左方のガイド壁３１ｃには、ｙ方向右方に突出する爪（ガイド爪３１ｄ）が形成される。第１ガイド孔３１ａのガイド壁３１ｃには、ｘ方向後方に突出する爪（ガイド爪３１ｄ）が形成される。ガイド爪３１ｄは、ベース１９の爪受け部１９ｃと係合する。

　（第１上面凹部３３ａの詳細）
　第２上面部３３の第１上面凹部３３ａは、ｚ方向に貫通する孔（第２ガイド孔３３ｂ、第３ガイド孔３３ｃ、ボルト孔３３ｄ、ネジ孔３３ｅ）を有する。第２ガイド孔３３ｂは、第１ガイド孔３１ａとｚ方向で対向する位置に設けられる。第２ガイド孔３３ｂには、ｘ方向後方の凸部１９ａが挿入される。第３ガイド孔３３ｃは、ガイド切り欠き３１ｂの一部とｚ方向で対向する位置に設けられる。第３ガイド孔３３ｃには、ｘ方向前方の凸部１９ａ及び第１コネクタ２１が挿入される。ボルト孔３３ｄには、第１締結部３７の軸部が挿入される。ネジ孔３３ｅには、ガイド部３１を本体部３２に固定するためのネジの軸部が挿入される。

　（爪受け部１９ｃによる取り付け部３０の仮固定）
　取付部３０がｚ方向下方からベース１９に取り付けられる際に、ｘ方向後方の凸部１９ａが第１ガイド孔３１ａと第２ガイド孔３３ｂに挿入され、ｘ方向前方の凸部１９ａがガイド切り欠き３１ｂと第３ガイド孔３３ｃに挿入される。このとき、ｘ方向後方のガイド爪３１ｄが、ｘ方向後方の凸部１９ａの下端部と接触して、ｘ方向前方に押し込まれる。ｘ方向前方で且つｙ方向右方のガイド爪３１ｄが、ｘ方向前方で且つｙ方向右方の凸部１９ａの下端部と接触して、ｙ方向右方に押し込まれる。ｘ方向前方で且つｙ方向左方のガイド爪３１ｄが、ｘ方向前方で且つｙ方向左方の凸部１９ａの下端部と接触して、ｙ方向左方に押し込まれる。これによって、ｘ方向後方のガイド爪３１ｄは、上端がｘ方向前方に撓み、凸部１９ａの下端部を通り抜ける。ｘ方向前方で且つｙ方向右方のガイド爪３１ｄと、ｘ方向前方で且つｙ方向左方のガイド爪３１ｄは、互いに離れるように撓み、凸部１９ａの下端部を通り抜ける。通り抜け後は、撓みが解消され、ガイド爪３１ｄは、爪受け部１９ｃと係合する。ガイド爪３１ｄと爪受け部１９ｃの係合により、取付部３０が第１電子機器１０に仮固定される。

　この仮固定により、取付部３０は、第１電子機器１０から外れにくい状態になる。ただし、ガイド爪３１ｄを撓ませることで、仮固定の状態を解除することは可能である。仮固定の後、第１締結部３７の螺合により、取付部３０は第１電子機器１０に本固定される。

　（第１被挟持部材４１の詳細）
　第１被挟持部材４１は、車両ルーフ９０の下面と、取付部３０の本体部３２の第２上面部３３の間に配置される。第１被挟持部材４１は、防水部材２０の圧縮による車両ルーフ９０の変形を防ぐため、防水部材２０と同程度の硬さ（変形しにくさ）の素材で構成されるのが望ましい。第１被挟持部材４１は、ｙ方向に延びる棒形状など、ｚ方向から見て、取付孔９１の全周を囲まず、取付孔９１の一部を囲む非囲繞形状を有する。

　例えば、第１被挟持部材４１は、２つの部材で構成される。２つの第１被挟持部材４１の一方は、第１領域に位置し、２つの第１被挟持部材４１の他方は、第２領域に位置する。第１被挟持部材４１は、ｚ方向から見て、取付孔９１の少なくとも一部を挟む。

　第１実施形態では、第１被挟持部材４１が、ｙ方向に延びる直方体形状である例を示す。第１実施形態では、２つの第１被挟持部材４１の一方がｘ方向前方に配置され、他方がｘ方向後方に配置され、これらが、ｚ方向から見て、取付孔９１を含む領域をｘ方向で挟む例（取付孔９１が、２つの第１被挟持部材４１の間にある例）を示す。すなわち、第１実施形態の２つの第１被挟持部材４１の一方は、取付孔９１の長手方向の一方の側に配置され、２つの第１被挟持部材４１の他方は、取付孔９１の長手方向の他方の側に配置される。

　ただし、第１被挟持部材４１は、ｚ方向から見て、略Ｃ字形状または略Ｕ字形状などを含む１つの部材で構成され、第１領域に位置する当該１つの部材の一部の領域と、第２領域に位置する当該１つの部材の他の領域とが、ｚ方向から見て取付孔９１の一部を囲んでもよい。

　第１被挟持部材４１は、３つ以上の部材で構成され、当該３つ以上の部材のうちの１つの部材（第１領域）と、当該３つ以上の部材の他の１つの部材（第２領域）とが、ｚ方向から見て取付孔９１の少なくとも一部を挟むように囲んでもよい。

　第１被挟持部材４１は、取付部３０の上面に取り付けられる。具体的には、第１被挟持部材４１は、貼り付けなどにより、取付部３０の本体部３２の第２上面部３３に取り付けられる。より詳細には、第１被挟持部材４１の一方は、第２上面部３３の上面であって、第１上面凹部３３ａよりもｘ方向前方に取り付けられる。第１被挟持部材４１の他方は、第２上面部３３の上面であって、第１上面凹部３３ａよりもｘ方向後方に取り付けられる。第１被挟持部材４１は、取付部３０の本体部３２の第２上面部３３と接し、且つ車両ルーフ９０の下面（車両ルーフ９０の一方の面）と接する。

　ただし、第１被挟持部材４１は、取付部３０に取り付けられる形態に代えて、貼り付けなどにより、車両ルーフ９０の下面に取り付けられてもよい。

　（取り付け手順）
　次に、車載装置１を車両ルーフ９０に取り付ける手順について説明する。予め、第１電子機器１０が組み立てられている。爪付きワッシャー２７は、仮固定部材２５に仮固定されている。取付部３０が組み立てられている。すなわち、ネジ止めにより、ガイド部３１が本体部３２に取り付けられ、貼り付けにより、第１被挟持部材４１が、第２上面部３３に取り付けられている。第２電子機器５０が組立てられている。

　まず、第１電子機器１０のｚ方向下方に突出する領域が、取付孔９１に挿入される。ここでいう第１電子機器１０のｚ方向に突出する領域は、ベース１９の凸部１９ａと、第１コネクタ２１と、仮固定部材２５の下端部分と、爪付きワッシャー２７と、を含む。車両仮止め爪部２５ｂの爪（第１車両仮止め爪２５ｂ１～第４車両仮止め爪２５ｂ４）が取付孔９１の周縁部に掛け止めされて、第１電子機器１０が車両ルーフ９０に仮止めされる。

　次に、ｘ方向後方の凸部１９ａが第１ガイド孔３１ａと第２ガイド孔３３ｂに挿入され、ｘ方向前方の凸部１９ａがガイド切り欠き３１ｂと第３ガイド孔３３ｃに挿入される。取付部３０のガイド爪３１ｄは、ベース１９の爪受け部１９ｃに掛け止めされて、取付部３０が第１電子機器１０に仮固定される。

　その後、第１締結部３７が、本体部３２のボルト孔３３ｄ、ガイド部３１のガイド切り欠き３１ｂ、爪付きワッシャー２７のボルト孔、ベース１９の螺合孔１９ｄに挿入され、螺合される。これにより、第１電子機器１０と取付部３０とが、ｚ方向で車両ルーフ９０の少なくとも一部を挟む位置関係で、第１電子機器１０と取付部３０とが車両ルーフ９０に固定される。図７に示すように、第１締結部３７の締付により、爪付きワッシャー２７が車両ルーフ９０の下面に接触し、爪付きワッシャー２７を介して、ベース１９と車両ルーフ９０とが電気的に接続される。防水部材２０は、ベース１９の下面と車両ルーフ９０の上面の間で、ｚ方向に圧縮される。第１被挟持部材４１は、車両ルーフ９０の下面と第２上面部３３の間で、ｚ方向に圧縮される。

　次に、第２電子機器５０が、ｘ方向前方の第１脚部３６とｘ方向後方の第１脚部３６の間に挿入される。このときに、以下の３つの状態になるように、第２電子機器５０の挿入が行われる。（１）第１コネクタ２１が、第２コネクタ５２に接続した状態になる。（２）第１締結部３７の頭部が筐体５１の収納孔５１ａ１に収納された状態になる。（３）第１腕部３５の第１腕部孔３５ａと第２腕部５５の第２腕部孔５５ａとがｚ方向で対向した状態になる。

　第２電子機器５０の第２脚部５６の脚部爪５６ａは、取付部３０の第１脚部３６の脚部孔３６ａに掛け止めされて、第２電子機器５０が取付部３０に仮固定される。その後、第２締結部５７が、第２腕部５５の第２腕部孔５５ａと第１腕部３５の第１腕部孔３５ａに挿入され、掛け止めされる。これにより、第２電子機器５０と車両ルーフ９０とが、ｚ方向で取付部３０の少なくとも一部を挟む位置関係で、第２電子機器５０が取付部３０に固定される。これにより、車載装置１の車両ルーフ９０への取り付けが完了する。

　ただし、第２締結部５７は、予め、ｚ方向下方から、第２腕部孔５５ａに挿入された状態にしておいてもよい。この場合、第２電子機器５０が取付部３０に仮固定された後、第２締結部５７が、第１腕部３５の第１腕部孔３５ａに挿入され、掛け止めされる。

　（第１被挟持部材４１を設けることの効果）
　図８に示すように、被挟持部（第１被挟持部材４１）は、車両ルーフ９０の下面側（ｚ方向上方から見て、車両ルーフ９０の反対側）で第１被挟持部材４１と接する部材（取付部３０の本体部３２）などが車両ルーフ９０と接触することを防止出来る。さらに、第１被挟持部材４１は、第１被挟持部材４１と接する部材（取付部３０の本体部３２）などと車両ルーフ９０との間の距離を一定に保つことが可能になる。第１被挟持部材４１は、車両の振動などに基づく、第１被挟持部材４１と接する部材（取付部３０）などのばたつきを抑え、２つの電子機器（第１電子機器１０、第２電子機器５０）を安定的に保持しやすくなる。

　（防水部材２０と第１被挟持部材４１とで車両ルーフ９０を挟むことの効果）
　ベース１９の下面と車両ルーフ９０の上面との間で、防水部材２０はｚ方向に圧縮される。車両ルーフ９０の下面と、車両ルーフ９０の下面側で被挟持部（第１被挟持部材４１）と接する部材（取付部３０の本体部３２）との間で、第１被挟持部材４１はｚ方向に圧縮される。車両ルーフ９０には、防水部材２０によりｚ方向下方に押し下げる力と、第１被挟持部材４１によりｚ方向上方に押し上げる力とが加えられる。車両ルーフ９０の上面の防水部材２０と、車両ルーフ９０の下面の第１被挟持部材４１とにより、車両ルーフ９０にはｚ方向下方とｚ方向上方の力が加わる。このため、第１被挟持部材４１を設けない形態に比べて、防水部材２０による車両ルーフ９０の変形を抑え、防水部材２０による防水性能を維持しやすく出来る。

　（取付孔９１の長手方向の端部近傍に第１被挟持部材４１を設けることの効果）
　取付孔９１の長手方向の端部（ｘ方向前方の端部、ｘ方向後方の端部）近傍の領域は、爪付きワッシャー２７が車両ルーフ９０と接触する領域から離れている。そのため、取付孔９１の長手方向の端部近傍の領域は、防水部材２０によりｚ方向下方に押し下げる力が加えられると、取付孔９１の中心に近い領域と比べて、大きく変形するおそれがある。第１実施形態では、第１被挟持部材４１が、取付孔９１の長手方向の端部近傍に設けられる。このため、車両ルーフ９０における防水部材２０により大きく変形する可能性がある箇所を、第１被挟持部材４１を使って、変形しにくく出来る。

　（ガイド部３１が樹脂で形成され、本体部３２が金属で形成されることの効果）
　ガイド部３１のガイド壁３１ｃ及びガイド爪３１ｄが樹脂で構成されるため、金属で構成される形態に比べて、バリが形成されにくい。これにより、ガイド壁３１ｃ及びガイド爪３１ｄの可撓性が向上し、摺動性を良くすることが出来る。このため、強度を保ちつつ、組立の容易性も実現出来る。

　（仮固定部材２５を設けたことの効果）
　仮固定部材２５が爪付きワッシャー（変形可能部材）２７を掛け止めすることにより、ボルトなどの第１締結部３７を用いずに、容易に爪付きワッシャー２７を仮固定することが出来る。

　（仮固定部材２５が車両仮止め爪部２５ｂを有することの効果）
　１つの部材で、爪付きワッシャー（変形可能部材）２７の仮固定と、第１電子機器１０の車両ルーフ９０への仮固定の両方を行うことが可能になる。

　（被挟持部の応用例）
　第１実施形態では、棒状など、非囲繞形状で構成される第１被挟持部材４１が、被挟持部として、取付部３０の本体部３２の第２上面部３３と車両ルーフ９０の下面との間に配置される例を説明した。しかしながら、囲繞形状で構成された第２被挟持部材４２が、被挟持部として、取付部３０の本体部３２の第２上面部３３と車両ルーフ９０の下面との間に配置されてもよい（第２実施形態）。

　（第２被挟持部材４２）
　図９に示すように、第２実施形態の取付部３０は、第１被挟持部材４１に代えて、第２被挟持部材４２を有する。第２被挟持部材４２は、第１被挟持部材と同様の材質で形成される。第２被挟持部材４２は、車両ルーフ９０の下面と、取付部３０の本体部３２の第２上面部３３の間に配置される。

　第２被挟持部材４２は、ｚ方向から見て、少なくとも、以下で定義する孔を囲む。当該孔は、車両ルーフ９０の下面側（ｚ方向上方から見て、車両ルーフ９０の反対側）で第２被挟持部材４２と接する部材の孔であり、且つ取付孔９１とｚ方向で対向する孔である。
　具体的には、当該孔は、第２ガイド孔３３ｂ、第３ガイド孔３３ｃ、ボルト孔３３ｄを含み、さらに、当該孔は、第１ガイド孔３１ａ、ガイド切り欠き３１ｂ、収納孔５１ａ１、取付孔９１を含んでもよい。第２被挟持部材４２により、取付部３０と車両ルーフ９０の間であって、当該孔の周囲が水密防止される。

　第２被挟持部材４２は、取付部３０の上面に取り付けられる。具体的には、第２被挟持部材４２は、貼り付けなどにより、取付部３０の本体部３２の第２上面部３３に取り付けられる。より詳細には、第２被挟持部材４２は、第２上面部３３の上面であって、第１上面凹部３３ａの周囲に取り付けられる。第２被挟持部材４２は、取付部３０の本体部３２の第２上面部３３と接し、且つ車両ルーフ９０の下面（車両ルーフ９０の一方の面）と接する。

　ただし、第２被挟持部材４２は、貼り付けなどにより、車両ルーフ９０の下面に取り付けられてもよい。

　（第２被挟持部材４２を設けることの効果）
　図１０に示すように、被挟持部（第２被挟持部材４２）は、車両ルーフ９０の下面側（ｚ方向上方から見て、車両ルーフ９０の反対側）で第２被挟持部材４２と接する部材（取付部３０の本体部３２）などが車両ルーフ９０と接触することを防止出来る。さらに、第２被挟持部材４２は、第２被挟持部材４２と接する部材（取付部３０の本体部３２）などと車両ルーフ９０の間の距離を一定に保つことが可能になる。第２被挟持部材４２は、車両の振動などに基づく、第２被挟持部材４２と接する部材（取付部３０）などのばたつきを抑え、２つの電子機器（第１電子機器１０、第２電子機器５０）を安定的に保持しやすくなる。
　第２被挟持部材４２が、車両ルーフ９０の下面側で第２被挟持部材４２と接する部材（取付部３０の本体部３２）の周囲の水滴を吸収し、第２被挟持部材４２がある領域から、第２電子機器５０の内部に水が浸入するのを防止出来る（結露防止）。

　（防水部材２０と第２被挟持部材４２とで車両ルーフ９０を挟むことの効果）
　ベース１９の下面と車両ルーフ９０の上面との間で、防水部材２０はｚ方向に圧縮される。車両ルーフ９０の下面と、車両ルーフ９０の下面側で被挟持部（第２被挟持部材４２）と接する部材（取付部３０の本体部３２）との間で、第２被挟持部材４２はｚ方向に圧縮される。車両ルーフ９０には、防水部材２０によりｚ方向下方に押し下げる力と、第２被挟持部材４２によりｚ方向上方に押し上げる力とが加えられる。車両ルーフ９０の上面の防水部材２０と、車両ルーフ９０の下面の第２被挟持部材４２とにより、車両ルーフ９０にはｚ方向下方とｚ方向上方の力が加わる。このため、第２被挟持部材４２を設けない形態に比べて、防水部材２０による車両ルーフ９０の変形を抑え、防水部材２０による防水性能を維持しやすく出来る。

　ただし、第１被挟持部材４１と第２被挟持部材４２の両方が、被挟持部として、取付部３０の本体部３２の第２上面部３３と車両ルーフ９０の下面との間に配置されてもよい（第３実施形態）。

　第３実施形態の取付部３０は、第１被挟持部材４１と第２被挟持部材４２の両方を有する。図１１に示すように、第１被挟持部材４１は、第２被挟持部材４２の囲繞形状の外側に配置される。具体的には、第１被挟持部材４１の一方は、第２被挟持部材４２のｘ方向前方に配置される。第１被挟持部材４１の他方は、第２被挟持部材４２のｘ方向後方に配置される。

　第３実施形態の第２被挟持部材４２は、車両ルーフ９０を支える必要性は低く、車両ルーフ９０に接していれば良い。すなわち、車両ルーフ９０に取り付けられた際に車両ルーフ９０が変形するのを防ぐため、防水部材２０と比べて硬さの値が小さい（変形しやすい）素材で構成されるのが望ましい。第１被挟持部材４１は、取付部３０と車両ルーフ９０の間のスペーサーとして機能する。第２被挟持部材４２は、取付部３０と車両ルーフ９０の間の結露防止部材として機能する。

　（アンテナ装置以外への応用例）
　第１実施形態～第３実施形態では、車載装置１が車載用アンテナ装置であるとして説明し、第１電子機器１０がアンテナ部であり、第２電子機器５０が信号処理部である例を説明した。

　しかしながら、車載装置１は、これらの構成に限るものではない。例えば、第１電子機器１０が、後方確認カメラなどの撮影装置であり、第２電子機器５０が、当該撮影装置で得られたデータの画像処理を行う信号処理部である形態が考えられる。この場合、第１電子機器１０にアンテナ素子１５が収納されていなくてもよい。他にも、第１電子機器１０が信号処理部であり、第２電子機器５０がアンテナ部である形態も考えられる。

　（第１電子機器１０の配置の応用例）
　第１実施形態～第３実施形態では、第１電子機器１０が車両の外側に配置され、第２電子機器５０が車両の内側に配置される例を説明した。また、第１実施形態～第３実施形態では、第１電子機器１０と取付部３０が車両ルーフ９０を挟む位置関係で取り付けられ、その後に第２電子機器５０が取付部３０に取り付けられる例を説明した。

　しかしながら、車載装置１は、これらの構成に限るものではない。例えば、第１電子機器１０と第２電子機器５０が、車両の内側に配置され、第１電子機器１０と取付部３０が車両の壁状部材（取り付け対象物）を挟む位置関係で取り付けられ、その後に第２電子機器５０が取付部３０に取り付けられる形態が考えられる。

　（第２電子機器５０の配置の応用例）
　第１実施形態～第３実施形態では、第１電子機器１０と取付部３０と第２電子機器５０が、ｚ方向などの一直線上に並べられる、すなわち、第１電子機器１０のｚ方向下方に第２電子機器５０が配置される例を説明した。

　しかしながら、第１電子機器１０と取付部３０と第２電子機器５０の配置は、これに限るものではない。例えば、第１電子機器１０よりもｚ方向下方であって、ｘ方向及びｙ方向の少なくとも一方にずれた位置に、第２電子機器５０が配置され、取付部３０に取り付けられる形態が考えられる。

　（取付部３０及び筐体５１の応用例）
　第１実施形態～第３実施形態では、取付部３０は、ｘ方向前方とｘ方向後方とにそれぞれ２つずつ第１腕部３５及び第１脚部３６を有し、筐体５１は、第１腕部３５及び第１脚部３６と対応する位置であって、ｘ方向前方とｘ方向後方とにそれぞれ２つずつ第２腕部５５及び第２脚部５６を有している。しかしながら、取付部３０の第１腕部３５及び第１脚部３６と、筐体５１の第２腕部５５及び第２脚部５６との数、ならびに、第１腕部３５及び第１脚部３６と、第２腕部５５及び第２脚部５６とが設けられる位置は、これに限定されない。
　例えば、取付部３０の第１腕部３５及び第１脚部３６は、ｘ方向前方とｘ方向後方とにそれぞれ１つずつ形成されていてもよいし、ｘ方向前方とｘ方向後方とでそれぞれ異なる数で設けられていてもよい。第１腕部３５及び第１脚部３６は、ｙ方向右方とｙ方向左方とにそれぞれ設けられていてもよい。この場合、筐体５１の第２腕部５５及び第２脚部５６は、第１腕部３５及び第１脚部３６と対応する位置に、第１腕部３５及び第１脚部３６と対応する数だけ設けられる。

　（取付部３０を省略した応用例）
　第１実施形態～第３実施形態では、取付部３０を介して、第１電子機器１０と第２電子機器５０とが車両ルーフ９０に取り付けられる例を説明した。しかしながら、取付部３０を介さずに、第１電子機器１０が車両ルーフ９０に取り付けられ、第２電子機器５０が第１電子機器１０若しくは車両ルーフ９０に取り付けられてもよい。
　この場合、被挟持部（第１被挟持部材４１、第２被挟持部材４２）は、第２電子機器５０の筐体５１の上面に取り付けられる。第２被挟持部材４２の囲繞形状は、車両ルーフ９０の下面側（ｚ方向上方から見て、車両ルーフ９０の反対側）で第２被挟持部材４２と接する部材の孔であり、且つ取付孔９１とｚ方向で対向する孔となる筐体５１の収納孔５１ａ１をｚ方向から見て囲む。

　第１実施形態～第３実施形態では、第１電子機器１０が車両ルーフ９０の取付孔９１に取り付けられる例を説明したが、第２電子機器５０が取付孔９１に取り付けられてもよいし、第１電子機器１０と第２電子機器５０とが取付孔９１に取り付けられてもよい。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

　本明細書によれば、以下の態様の車載装置が提供される。
　（態様１）
　態様１は、第１電子機器と、前記第１電子機器と電気的に接続される第２電子機器と、を備え、前記第１電子機器と前記第２電子機器は、車両の壁状部材の少なくとも一部を挟む位置関係で、前記第１電子機器と前記第２電子機器の少なくとも一方が前記壁状部材の取付孔に取り付けられ、前記第２電子機器と前記壁状部材との間に被挟持部が配置され、前記被挟持部は、少なくとも第１領域と第２領域とに位置し、前記取付孔は、前記第１領域と前記第２領域との間にある、車載装置である。

　態様１によると、壁状部材の下面側（ｚ方向上方から見て、車両ルーフ９０の反対側）で被挟持部と接する部材などが壁状部材と接触することを防止出来、さらに、当該部材などと壁状部材の間の距離を一定に保つことが可能になる。これにより、車両の振動などに基づく、当該部材などのばたつきを抑え、２つの電子機器（第１電子機器１０、第２電子機器５０）を安定的に保持しやすくなる。

　（態様２）
　態様２は、前記第１電子機器は、防水部材を有し、前記防水部材は、前記取付孔を囲む囲繞形状を有する、車載装置である。

　態様２によると、壁状部材には、防水部材による力と、被挟持部による力とが加えられる。このため、被挟持部を設けない形態に比べて、防水部材による壁状部材の変形を抑え、防水部材による防水性能を維持しやすく出来る。

　（態様３）
　態様３は、前記被挟持部は、第１の方向から見て、前記取付孔の一部を囲む非囲繞形状を有する、車載装置である。

　態様３によると、被挟持部は、取付孔の一部を囲む非囲繞形状を有することで、壁状部材の下面側（ｚ方向上方から見て、車両ルーフ９０の反対側）で被挟持部と接する部材などが壁状部材と接触することを防止出来、さらに、当該部材などと壁状部材の間の距離を一定に保つことが可能になる。これにより、車両の振動などに基づく、当該部材などのばたつきを抑え、２つの電子機器（第１電子機器１０、第２電子機器５０）を安定的に保持しやすくなる。
　取付孔９１の端部近傍の領域は、防水部材２０によりｚ方向下方に押し下げる力が加えられると、取付孔９１の中心に近い領域と比べて、大きく変形するおそれがある。被挟持部が、取付孔の一部を囲む非囲繞形状を有することで、防水部材２０により大きく変形する可能性がある車両ルーフの箇所を、変形しにくくすることが出来る。また、被挟持部は、取付孔の一部を囲む非囲繞形状であるため、取付孔の全周を囲む形状と比較して、コストを抑制することが可能になる。

　（態様４）
　態様４は、前記被挟持部は、少なくとも、前記第１領域に位置する第１部材と、前記第２領域に位置する第２部材とを有し、第１の方向から見て、前記第１部材と、前記第２部材とが、前記取付孔の一部を囲む、車載装置である。

　態様４によると、被挟持部は、少なくとも、第１領域に位置する第１部材と、第２領域に位置する第２部材とを有し、第１の方向から見て、第１部材と、第２部材とが、取付孔の一部を囲む。これにより、防水部材２０によりｚ方向下方に押し下げる力が加えられて大きく変形するおそれのある、取付孔９１の端部近傍の領域である第１領域及び第２領域に、第１部材及び第２部材をピンポイントで配置することができ、車両ルーフの変形を抑制することが出来る。被挟持部は、少なくとも第１の領域に位置する第１の部材と、第２の領域に位置する第２の部材とに分割されている。これにより、被挟持部が取付孔を囲む囲繞形状を有する場合と比較して、コストを抑制することが可能となる。

　（態様５）
　態様５は、前記被挟持部は、囲繞形状を有し、前記被挟持部の囲繞形状は、第１方向から見て、少なくとも、前記壁状部材の反対側（車両ルーフ９０の下面側）で前記被挟持部と接する部材の孔であり、且つ前記取付孔と前記第１方向で対向する孔を囲む、車載装置である。

　態様５によると、被挟持部が、壁状部材の反対側で被挟持部と接する部材の周囲の水滴を吸収し、被挟持部がある領域から、第２電子機器の内部に水が浸入するのを防止出来る（結露防止）。

　（態様６）
　態様６は、前記被挟持部は、第１方向から見て、前記取付孔の一部を囲む非囲繞形状を有する第１被挟持部材と、囲繞形状を有する第２被挟持部材と、を有し、前記第２被挟持部材の囲繞形状は、前記第１方向から見て、前記壁状部材の反対側（車両ルーフ９０の下面側）で前記第２被挟持部材と接する部材の孔であり、且つ前記取付孔と前記第１方向で対向する孔を囲み、前記第１被挟持部材は、前記第２被挟持部材の囲繞形状の外側に配置され、前記第２被挟持部材は、前記防水部材よりも硬さの値が小さい素材で構成される、車載装置である。

　態様６によると、第２被挟持部材が防水部材と同程度の硬さ又は防水部材よりも硬さの値が大きい素材で構成される形態に比べて、第２被挟持部材による壁状部材の変形を抑えることができる。

　（態様７）
　態様７は、前記第１被挟持部材は、少なくとも、前記第１領域に位置する第１部材と、前記第２領域に位置する第２部材とを有し、第１の方向から見て、前記第１部材と、前記第２部材とが、前記取付孔の少なくとも一部を挟む、車載装置である。

　態様７によると、第１被挟持部材は、少なくとも、第１領域に位置する第１部材と、第２領域に位置する第２部材とを有し、第１の方向から見て、第１部材と、第２部材とが、取付孔の一部を挟む。これにより、防水部材２０によりｚ方向下方に押し下げる力が加えられて大きく変形するおそれのある、取付孔９１の端部近傍の領域である第１領域及び第２領域に、第１部材及び第２部材をピンポイントで配置することができ、車両ルーフの変形を抑制することが出来る。第１被挟持部材は、少なくとも、第１領域に位置する第１部材と、第２領域に位置する第２部材とに分割されている。これにより、第１被挟持部材が取付孔を囲む囲繞形状を有する場合と比較して、コストを抑制することが可能となる。

　（態様８）
　態様８は、取付部を備え、前記第１電子機器と前記取付部が、車両の壁状部材の少なくとも一部を挟む位置関係で、前記第１電子機器が前記車両に取り付けられ、前記第２電子機器と前記壁状部材が、前記取付部の少なくとも一部を挟む位置関係で、前記第２電子機器が前記取付部に取り付けられ、前記被挟持部は、前記取付部と前記壁状部材の間に配置される、車載装置である。

　態様８によると、第１電子機器と取付部とが、車両の壁状部材の少なくとも一部を挟む位置関係で、第１電子機器が車両に取り付けられ、第２電子機器と壁状部材とが、取付部の少なくとも一部を挟む位置関係で、第２電子機器が取付部に取り付けられる。これにより、第１電子機器及び第２電子機器は、取付部を介して車両に取り付けられることとなり、取付部を有していない場合と比較して、より安定的に保持される。
　さらに、被挟持部が、取付部と壁状部材の間に配置されることで、取付部と車両の壁状部材との接触を防止することができる。

　（態様９）
　態様９は、前記取付部は、前記壁状部材を間に挟む状態で、前記第１電子機器を仮固定するガイド部と、前記第２電子機器を保持する本体部とを有し、前記ガイド部は、樹脂で構成され、前記本体部は、金属で構成される、車載装置である。

　態様９によると、ガイド部が樹脂で構成されるため、金属で構成される形態に比べて、バリが形成されにくい。また、可撓性が向上し、摺動性を良くすることが出来る。このため、強度を保ちつつ、組立の容易性も実現出来る。

　（態様１０）
　態様１０は、前記第１電子機器は、変形した時に、前記壁状部材の一方の面と接することで、第１電子機器と前記壁状部材の固定が行われる変形可能部材（爪付きワッシャー）と、前記変形可能部材を仮固定する仮固定部材とを有する、車載装置である。

　態様１０によると、仮固定部材が変形可能部材を掛け止めすることにより、ボルトなどを用いずに、容易に変形可能部材の仮固定することが出来る。

　（態様１１）
　態様１１は、前記仮固定部材は、前記変形可能部材を仮固定するための爪部（ワッシャー仮止め爪部）と、前記第１電子機器を前記壁状部材に仮固定するための爪部（車両仮止め爪部）とを含む、車載装置である。

　態様１１によると、１つの部材で、変形可能部材の仮固定と、第１電子機器の壁状部材への仮固定の両方を行うことが可能になる。

　（態様１２）
　態様１２は、前記第１電子機器は、アンテナ素子を含むアンテナ部であり、前記第２電子機器は、信号処理部であって、前記第１電子機器は、前記変形可能部材を介して、前記壁状部材の少なくとも一部と電気的に接続される、車載装置である。

　（態様１３）
　態様１３は、前記第１領域は、第１方向から見て、前記取付孔の長手方向の一方の側に配置され、第２領域は、第１方向から見て、取付孔の長手方向の他方に配置される、車載装置である。

　態様１３によると、前記防水部材により大きく変形する可能性がある前記壁状部材の箇所を、前記被挟持部を使って、変形しにくく出来る。

　１　車載装置（車載用アンテナ装置）
　１０　第１電子機器（アンテナ部）
　２５　仮固定部材
　３０　取付部
　３１　ガイド部
　３２　本体部（ブラケット）
　４１　第１被挟持部材
　４２　第２被挟持部材
　５０　第２電子機器（信号処理部）
　９０　壁状部材（車両ルーフ）
　９１　取付孔

 

Claims (10)

1. 　第１電子機器と、
   　前記第１電子機器と電気的に接続される第２電子機器と、を備え、
   　前記第１電子機器と前記第２電子機器は、車両の壁状部材の少なくとも一部を挟む位置関係で、前記第１電子機器と前記第２電子機器の少なくとも一方が前記壁状部材の取付孔に取り付けられ、
   　前記第２電子機器と前記壁状部材との間に被挟持部が配置され、
   　前記被挟持部は、少なくとも第１領域と第２領域とに位置し、
   　前記取付孔は、前記第１領域と前記第２領域との間にある、車載装置。
2. 　前記第１電子機器は、防水部材を有し、
   　前記防水部材は、前記取付孔を囲む囲繞形状を有する、請求項１に記載の車載装置。
3. 　前記被挟持部は、第１の方向から見て、前記取付孔の一部を囲む非囲繞形状を有する、請求項１または請求項２に記載の車載装置。
4. 　前記被挟持部は、少なくとも、前記第１領域に位置する第１部材と、前記第２領域に位置する第２部材とを有し、第１の方向から見て、前記第１部材と、前記第２部材とが、前記取付孔の一部を囲む、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の車載装置。
5. 　前記被挟持部は、囲繞形状を有し、
   　前記被挟持部の囲繞形状は、第１方向から見て、少なくとも、前記壁状部材の反対側で前記被挟持部と接する部材の孔であり、且つ前記取付孔と前記第１方向で対向する孔を囲む、請求項１または請求項２に記載の車載装置。
6. 　前記被挟持部は、第１方向から見て、前記取付孔の一部を囲む非囲繞形状を有する第１被挟持部材と、囲繞形状を有する第２被挟持部材と、を有し、
   　前記第２被挟持部材の囲繞形状は、前記第１方向から見て、前記壁状部材の反対側で前記第２被挟持部材と接する部材の孔であり、且つ前記取付孔と前記第１方向で対向する孔を囲み、
   　前記第１被挟持部材は、前記第２被挟持部材の囲繞形状の外側に配置され、
   　前記第２被挟持部材は、前記防水部材よりも硬さの値が小さい素材で構成される、請求項２に記載の車載装置。
7. 　前記第１被挟持部材は、少なくとも、前記第１領域に位置する第１部材と、前記第２領域に位置する第２部材とを有し、
   　前記第１の方向から見て、前記第１部材と、前記第２部材とが、前記取付孔の少なくとも一部を挟む、請求項６に記載の車載装置。
8. 　取付部を備え、
   　前記第１電子機器と前記取付部が、車両の壁状部材の少なくとも一部を挟む位置関係で、前記第１電子機器が前記車両に取り付けられ、
   　前記第２電子機器と前記壁状部材が、前記取付部の少なくとも一部を挟む位置関係で、前記第２電子機器が前記取付部に取り付けられ、
   　前記被挟持部は、前記取付部と前記壁状部材の間に配置される、請求項１から請求項７のいずれか一項に記載の車載装置。
9. 　前記取付部は、前記壁状部材を間に挟む状態で、前記第１電子機器を仮固定するガイド部と、前記第２電子機器を保持する本体部とを有し、
   　前記ガイド部は、樹脂で構成され、
   　前記本体部は、金属で構成される、請求項８に記載の車載装置。
10. 　前記第１電子機器は、変形した時に、前記壁状部材の一方の面と接することで、第１電子機器と前記壁状部材の固定が行われる変形可能部材と、前記変形可能部材を仮固定する仮固定部材とを有する、請求項１から請求項９のいずれかに記載の車載装置。
     
    
     

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