WO2024070766A1

WO2024070766A1 - アンテナ装置

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Publication number: WO2024070766A1
Application number: PCT/JP2023/033697
Authority: WO
Inventors: 元久小野; 雅史野田; 賢治早川; 優太中谷
Original assignee: 株式会社ヨコオ
Priority date: 2022-09-27
Filing date: 2023-09-15
Publication date: 2024-04-04

Abstract

アンテナ装置を軽量にする。　アンテナ装置は、アンテナ素子部と、前記アンテナ素子部のグランド板として用いられる樹脂ベースを有するベース部とを備える。

Description

アンテナ装置

　本発明は、アンテナ装置に関する。

　従来、特許文献１のように、樹脂ベースと金属ベースを含むアンテナ装置が提案されている。

特開２０１２－２０４９９６号公報

　しかしながら、金属ベースを大きくする必要があり、アンテナ装置が重くなっていた。

　本発明の目的の一例は、アンテナ装置を軽量にすることである。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。

　本発明の一態様は、アンテナ素子部と、前記アンテナ素子部のグランド板として用いられる樹脂ベースを有するベース部とを備える、アンテナ装置である。

　本発明の上記態様によれば、アンテナ装置を軽量にすることが出来る。

本実施形態のアンテナ装置の上方で且つ前方から見た斜視図で、ケースとベース部との組立体と、アウターカバーとが取り付けられる前の状態を示す。本実施形態における、ケースと基板部とパッドとベース部と取付部とが組み立てられる前の状態を示す、上方から見た斜視図である。本実施形態における、ケースと基板部とパッドとベース部と取付部とが組み立てられる前の状態を示す、下方から見た斜視図である。本実施形態における、金属ベースと樹脂ベースとパッドとを組み立てた状態の斜視図である。

　以下、本実施形態について、図を用いて説明する。なお、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。

　（アンテナ装置１）
　本実施形態のアンテナ装置１は、ルーフなど車両の上面に取り付けられる車載用アンテナ装置である。アンテナ装置１は、アンテナ素子部２０、ベース部５０を備える。さらに本実施形態のアンテナ装置１は、例えば、図１～図４に示すように、アウターカバー３、ケース５、パッド７、基板部４５、コネクタ４７、取付部６０を備える。

　なお、以下では方向を説明するために、アンテナ装置１が取り付けられる車両の前後方向をｘ方向、ｘ方向と垂直な左右方向をｙ方向、ｘ方向とｙ方向に垂直な略鉛直方向をｚ方向と定義して説明する。ｚ方向は、後述する金属ベース５２と樹脂ベース５５とが重なる方向である。また、図１～図４において、ｘｙｚ軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、右方向、上方向と定義する。

　（アウターカバー３）
　アウターカバー３は、電波透過性を有する合成樹脂製である。アウターカバー３は、例えば、ｘ方向前方がｘ方向後方よりも低くなるように傾斜し、両側面が内側に湾曲したシャークフィン形状を有する。アウターカバー３は、下面が開口し、ケース５、アンテナ素子部２０などを、ｚ方向上方から覆う。アウターカバー３は、スナップフィットなどの取付方法によって、ベース部５０に取り付けられる。アウターカバー３と車両のルーフの間などには、外周パッド（不図示）が設けられる。なお、図１以外は、アウターカバー３の図示を省略している。また、アンテナ装置１は、アウターカバー３が省略され、ケース５が露出する形態であってもよい。

　また、車両のルーフのｚ方向上方に隆起した領域の内側に、ケース５などが設けられてもよい。この場合、アウターカバー３は省略され、ベース部５０などが、車両のインナーパネルなどに取り付けられる。また、車両のルーフにｚ方向下方に凹む凹部が形成され、当該凹部にケース５などが設けられてもよい。この場合、アウターカバー３は省略され、ベース部５０などが当該凹部に取り付けられる。当該凹部の上部は、樹脂、ガラスなどで覆われる。

　（ケース５）
　ケース５は、電波透過性を有する合成樹脂製である。ケース５は、下面が開口する。ケース５は、第２アンテナ２２などを覆う。ケース５とベース部５０とで囲まれた領域（収容空間）には、アンテナ素子部２０、基板部４５などが収容される。ただし、アンテナ素子部２０の一部（第１アンテナ２１）は、アウターカバー３の内側であって、且つケース５の外側に配置され、ケース５に保持される。また、アンテナ素子部２０の一部（第１アンテナ２１）は、ケース５の内側に配置されてもよく、この場合、アンテナ素子部２０の一部（第１アンテナ２１）は、ケース５に保持されてもよいし、基板部４５などケース５とは別の部材に保持されてもよい。

　（パッド７）
　パッド７は、エラストマー（Elastomer）やゴムなどで形成された囲繞形状の弾性部材である。パッド７は、ベース部５０の金属ベース５２の第１平面部５２ａを囲み、ベース部５０の樹脂ベース５５の壁部５５ｂに配置される。パッド７は、ケース５の下端周縁部とベース部５０の樹脂ベース５５の壁部５５ｂに挟み込まれる。パッド７は、ケース５とベース部５０の間の空間への水の浸入を防止する。

　（アンテナ素子部２０）
　アンテナ素子部２０は、アンテナエレメントを構成する。アンテナ素子部２０は、第１アンテナ２１、第２アンテナ２２、第３アンテナ２３、第４アンテナ２４を有する。

　（第１アンテナ２１）
　第１アンテナ２１は、例えば、ＡＭ／ＦＭラジオ放送用のアンテナである。第１アンテナ２１は、第１１エレメント２１ａ、第１２エレメント２１ｂを有する。例えば、第１１エレメント２１ａと第１２エレメント２１ｂは、容量装荷素子である。第１１エレメント２１ａと第１２エレメント２１ｂは、錫めっき鋼板、ステンレスなどで構成された導体板を加工して形成される。第１１エレメント２１ａと第１２エレメント２１ｂは、ｘ方向から見て下方が離れ上方が近づくように傾斜する。第１１エレメント２１ａは、ｘ方向から見て、斜め右上方向に膨らむ緩やかな凸形状を有する。第１２エレメント２１ｂは、ｘ方向から見て、斜め左上方向に膨らむ緩やかな凸形状を有する。

　第１１エレメント２１ａは、ケース５の外側の右側面に取り付けられる。第１２エレメント２１ｂは、ケース５の外側の左側面に取り付けられる。ケース５の内部に配置された接続ターミナル（不図示）を介して、第１１エレメント２１ａと第１２エレメント２１ｂが電気的に接続される。基板保持部４６がケース５に取り付けられた時に、当該接続ターミナルは、第２基板４５ｂに接続する。これにより、第１アンテナ２１が第２基板４５ｂと電気的に接続される。ケース５が樹脂ベース５５に取り付けられた時に、第２基板４５ｂが第１基板４５ａに接続する。これにより、第１アンテナ２１が第２基板４５ｂを介して第１基板４５ａと電気的に接続される。

　（第２アンテナ２２）
　第２アンテナ２２は、例えば、移動体通信用のアンテナである。第２アンテナ２２は、第１１エレメント２１ａと第１２エレメント２１ｂとがｙ方向で挟む位置に設けられる。第２アンテナ２２は、ｙ方向に垂直な面を有する。第２アンテナ２２のｙ方向に垂直な面は、第２基板４５ｂに保持される。第２アンテナ２２の下端は、第１基板４５ａに取り付けられる。

　（第３アンテナ２３）
　第３アンテナ２３は、例えば、ＳＸＭ（Sirius XM）用のアンテナである。第３アンテナ２３は、第２アンテナ２２よりもｘ方向前方に設けられる。第３アンテナ２３は、第１基板４５ａに取り付けられる。第３アンテナ２３の上部には、無給電素子２３ａが配置される。無給電素子２３ａは、ケース５の内壁に取り付けられる。

　（第４アンテナ２４）
　第４アンテナ２４は、例えば、ＧＮＳＳ（Global Navigation Satellite System）用のアンテナである。第４アンテナ２４は、第２アンテナ２２よりもｘ方向前方で、第３アンテナ２３よりもｘ方向後方に設けられる。第４アンテナ２４は、第１基板４５ａに取り付けられる。

　（基板部４５）
　基板部４５は、第１基板４５ａと第２基板４５ｂを有する。第１基板４５ａは、ｚ方向に垂直な面を有する。第１基板４５ａには、第１アンテナ２１、第２アンテナ２２、第３アンテナ２３、第４アンテナ２４に関連する回路が実装される。第１基板４５ａは、第２アンテナ２２、第３アンテナ２３、第４アンテナ２４、第２基板４５ｂを保持する。第１基板４５ａは、ベース部５０の樹脂ベース５５にネジ止め等の取付方法で固定される。本実施形態では、第１基板４５ａが１枚の基板で構成される例を説明するが、複数の基板で構成されてもよい。

　第２基板４５ｂは、ｙ方向に垂直な面を有する。第２基板４５ｂには、第１アンテナ２１、第２アンテナ２２に関連する回路が実装される。第２基板４５ｂは、第１基板４５ａに保持される。また、第２基板４５ｂは、基板保持部４６を介して、ケース５にネジ止め等の取付方法で固定される。本実施形態では、第２基板４５ｂが１枚の基板で構成される例を説明するが、複数の基板で構成されてもよい。

　（コネクタ４７）
　コネクタ４７は、第１基板４５ａの下面に実装される。コネクタ４７は、樹脂ベース５５の樹脂ベース孔５５ａ１を貫通し、ｚ方向下方に突出する。コネクタ４７は、車両の電気機器（オーディオ機器など、不図示）から延びるケーブル（不図示）と電気的に接続される。

　（ベース部５０）
　ベース部５０は、アンテナベースであり、金属ベース５２と樹脂ベース５５とを有する。金属ベース５２と樹脂ベース５５とは、アンテナ装置１のアンテナ素子部２０を構成するアンテナエレメントの少なくとも１つのグランド板として用いられる。また、金属ベース５２は、ベース部５０の強度を確保する目的でも用いられる。

　（金属ベース５２）
　金属ベース５２は、例えば、樹脂ベース５５の上であって、パッド７が配置される領域の内側に収まるように構成される。金属ベース５２は、第１平面部５２ａと下突出部５２ｂを含む。ダイキャストなどにより、金属ベース５２の第１平面部５２ａと下突出部５２ｂとが形成される。本実施形態では、ｚ方向から見て、金属ベース５２は、防水部材６５の内側領域に配置される。

　（第１平面部５２ａ）
　第１平面部５２ａは、ｚ方向に垂直な面を有する。第１平面部５２ａは、樹脂ベース５５の樹脂ベース孔５５ａ１と樹脂ベース孔５５ａ１の周縁部のｚ方向上方に位置する。第１平面部５２ａは、樹脂ベース５５にネジ止め等の取付方法で固定される。

　（下突出部５２ｂ）
　下突出部５２ｂは、第１平面部５２ａの下面からｚ方向下方に突出する。下突出部５２ｂは、第１下突出部５２ｂ１と、４つの第２下突出部５２ｂ２とを含む。第１下突出部５２ｂ１は、ボルト６３との螺合のために用いられる。第２下突出部５２ｂ２は、第１下突出部５２ｂ１よりもｘ方向前方で且つｙ方向右方に１つ配置され、第１下突出部５２ｂ１よりもｘ方向前方で且つｙ方向左方に１つ配置され、第１下突出部５２ｂ１よりもｘ方向後方で且つｙ方向右方に１つ配置され、第１下突出部５２ｂ１よりもｘ方向後方で且つｙ方向左方に１つ配置される。第１下突出部５２ｂ１と第２下突出部５２ｂ２とは、樹脂ベース孔５５ａ１を貫通する。第２下突出部５２ｂ２は、車両のルーフの取り付け孔の各領域と接し、ボルト６３の回転により、ベース部５０が回転することを防止する。

　（金属ベース５２の大きさ）
　本実施形態における、ｚ方向から見た金属ベース５２の大きさ、すなわち、ｚ方向から見た第１平面部５２ａの大きさは、樹脂ベース孔５５ａ１と略同等であり、ｚ方向から見た防水部材６５の内側領域よりも小さい。ただし、ｚ方向から見た第１平面部５２ａの大きさは、樹脂ベース孔５５ａ１よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。

　（樹脂ベース５５）
　樹脂ベース５５は、金属ベース５２と第１基板４５ａとを保持する。第１基板４５ａは、金属ベース５２をｚ方向で挟む位置関係で、樹脂ベース５５のｚ方向上方に配置される。樹脂ベース５５は、第２平面部５５ａと壁部５５ｂとを含む。

　（第２平面部５５ａ）
　第２平面部５５ａは、ｚ方向に垂直な面を有する。第２平面部５５ａは、第１平面部５２ａのｚ方向下方に位置する。第２平面部５５ａには、樹脂ベース孔５５ａ１が形成される。

　樹脂ベース孔５５ａ１には、コネクタ４７、金属ベース５２の下突出部５２ｂ、及びボルト６３の軸部が貫通する。

　（壁部５５ｂ）
　壁部５５ｂは、第２平面部５５ａの周縁に形成され、第２平面部５５ａの周縁を囲む。壁部５５ｂは、第２平面部５５ａの周縁からｚ方向上方に延びる。壁部５５ｂの上部には、ｚ方向下方に凹む溝が形成され、当該溝には、パッド７が嵌め込まれる。

　樹脂ベース５５は、カーボン、ＳＵＳ（Steel Special Use Stainless）などで構成された繊維状の導電部材を含む樹脂（導電性樹脂）で構成される。繊維状の導電部材は、樹脂ベース５５の全体（特に第２平面部５５ａの全体）に含まれる。繊維状導電部材は、第１基板４５ａと樹脂ベース５５とを固定するためのネジ、及び金属ベース５２と樹脂ベース５５とを固定するためのネジと金属ベース５２の少なくとも一方と電気的に接続する。樹脂ベース５５に含まれる繊維状の導電部材の量は、不要共振の発生を抑えるために、アンテナ装置１の仕様に合わせて、調整される。ただし、導電部材は、繊維状の導電部材に限るものではなく、金属粉末、導電性カーボンブラックであってもよい。

　(取付部６０)
　取付部６０は、仮止め部６１、爪付きワッシャー６２、ボルト６３を有する。仮止め部６１は、ｚ方向下方から金属ベース５２の下突出部５２ｂに取り付けられる。仮止め部６１は、ボルト６３を締結する前段階で、車両のルーフに掛け止め（仮止め）するための爪部を含む。仮止め部６１の下には、爪付きワッシャー６２、ボルト６３が取り付けられる。爪付きワッシャー６２は、ボルト６３を締結する際に変形し、車両のルーフの下面に接する。ボルト６３は、金属ベース５２の第２下突出部５２ｂ２に螺合される。

　（防水部材６５）
　樹脂ベース５５の第２平面部５５ａの下面であって、樹脂ベース孔５５ａ１の周囲には、シールなどの防水部材６５が取り付けられる。防水部材６５は、エラストマー（Elastomer）、ゴム、ウレタンフォームなどで形成された囲繞形状の弾性部材である。防水部材６５により、樹脂ベース５５と車両のルーフの間であって、車両のルーフの取り付け孔が設けられた領域の周囲が水密防止される。本実施形態では、ｚ方向から見て、防水部材６５の内側領域に、金属ベース５２が配置される。

　（樹脂ベース５５をグランド板として用いることの効果）
　第１基板４５ａと樹脂ベース５５とがネジ止め等の取付方法により固定された領域と、金属ベース５２と樹脂ベース５５とが固定された領域、若しくは金属ベース５２と樹脂ベース５５とが接する領域を介して、第１基板４５ａは車両のルーフと電気的に接続される。かかる電気的な接続により、樹脂ベース５５に電流が生じ、樹脂ベース５５と車両のルーフとの間に容量結合が発生する。導電性が低く電流が生じにくい樹脂ベースを用いる形態では、当該樹脂ベースと車両のルーフとの間に容量結合が発生しにくく、当該樹脂ベースと車両のルーフとに関係して発生する不要な共振の影響が大きくなり、アンテナ性能が悪化することがある。しかし、本実施形態の電流が生じる樹脂ベース５５では、樹脂ベース５５と車両のルーフとの間に容量結合が発生するため、アンテナ装置１で受信する電波の周波数内において、樹脂ベース５５と車両のルーフとに関係して発生する不要な共振の影響を小さくでき、アンテナ性能の悪化を抑制することが出来る。また、樹脂ベース５５は金属部材と比べて電気抵抗が大きいため、樹脂ベース５５に発生する電流は金属部材製のベースに比べ小さくなる。このため、樹脂ベース５５に相当する領域を金属製に代えた形態に比べて、アンテナ装置１で受信する電波の周波数に不要な共振を起こりにくく出来る。

　また、樹脂ベース５５がグランド板として機能する。このため、金属ベース５２に相当する部材を省略したり、樹脂ベース５５が用いられない形態に比べて金属ベース５２を小さくしたりすることが可能になる。すなわち、金属よりも比重が小さい樹脂を多用することで、アンテナ装置１を軽量にすることが出来る。
　金属ベース５２を小さく構成することが出来れば、水が浸入しにくい領域に金属ベース５２を配置させることが出来、金属ベース５２に耐薬品性・耐腐食性を考慮した表面処理を省略出来る。

　（樹脂ベース５５が繊維状の導電部材を含むことの効果）
　樹脂ベース５５に含まれる導電部材の量を調整することで、アンテナ装置１のアンテナ素子部２０の仕様に最適な樹脂ベース５５の導電性を設定することが可能になる。導電部材を繊維状の部材で構成することで、樹脂ベース５５に含まれる導電部材の量の調整が容易に行える。また、導電部材を含まない樹脂性のベースと同じ成形設備を用いて、樹脂ベース５５を生産出来るメリットがある。

　（アンテナ装置１を取り付ける対象の応用例）
　本実施形態では、車両のルーフ上面に取り付けられるアンテナ装置１を説明した。しかし、アンテナ装置１はルーフ以外の車両の部位、例えば、車室内、スポイラー、バンパーなどの部位に設置されてもよい。

　（アウターカバー３とケース５の形状の応用例）
　本実施形態では、アウターカバー３がシャークフィン形状を有し、ケース５がアウターカバー３の内壁に沿った形状を有する例を説明した。しかしながら、アウターカバー３及びケース５は、これらの形状に限定するものではない。例えば、アウターカバー３及びケース５が略直方体形状を有してもよい。

　（ケース５を省略した応用例）
　本実施形態では、ケース５が樹脂ベース５５に取り付けられ、ケース５を覆うアウターカバー３が更に樹脂ベース５５に取り付けられる例を説明した。しかしながら、ケース５が省略されて、アウターカバー３が樹脂ベース５５に取り付けられる形態であってもよい。

　（アンテナ素子部２０の応用例）
　本実施形態では、アンテナ素子部２０が、ＡＭ／ＦＭラジオ放送用の第１アンテナ２１、移動体通信用の第２アンテナ２２、ＳＸＭ用の第３アンテナ２３、ＧＮＳＳ用の第４アンテナ２４を有する例を説明した。しかしながら、アンテナ素子部２０は、これらの用途のアンテナに限るものではない。例えば、第１アンテナ２１は、ＤＡＢ用のアンテナなど、直線偏波に対応するアンテナであればよい。第２アンテナ２２は、テレマティクス用や電話用のアンテナなど、直線偏波に対応するアンテナであってもよい。例えば、ＩＴＳ、ＤＴＶ、Ｖ２Ｘ、ＭＩＭＯ、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、キーレスエントリ、スマートエントリなどが挙げられる。第３アンテナ２３は、衛星用アンテナとして、円偏波に対応するアンテナであればよい。また、アンテナ素子部２０が、Ｖ２Ｘ用のアンテナだけを有する形態であってもよい。

　（電流の流れの応用例）
　本実施形態では、第１基板４５ａと樹脂ベース５５とが接する例を説明した。この場合、第１基板４５ａから樹脂ベース５５を介して金属ベース５２に電流が流れる。しかしながら、第１基板４５ａと金属ベース５２とが接する形態でもよい。この場合、第１基板４５ａから金属ベース５２を介して樹脂ベース５５に電流が流れる。

　（金属ベース５２を省略した応用例）
　本実施形態では、ベース部５０が金属ベース５２と樹脂ベース５５とを有する例を説明した。しかしながら、金属ベース５２を省略し、樹脂ベース５５だけで、ベース部５０が構成されてもよい。この場合、第１下突出部５２ｂ１に相当する部材としてナットが樹脂ベース５５に嵌め込まれ、当該ナットが、ボルト６３に螺合される。また、樹脂ベース５５の繊維状の導電部材は、第１基板４５ａと樹脂ベース５５とを固定するためのネジ、及びボルト６３と電気的に接続する。

　（組み立て手順の応用例）
　本実施形態では、第２基板４５ｂがケース５に取り付けられた後に、ケース５が樹脂ベース５５に取り付けられ、これにより、第２基板４５ｂが樹脂ベース５５上の第１基板４５ａに接続する例を説明した。しかしながら、ケース５が樹脂ベース５５に取り付けられる前段階で、第２基板４５ｂが第１基板４５ａに取り付けられてもよい。

　（樹脂ベース５５の応用例）
　本実施形態では、樹脂ベース５５が導電部材を含む例を説明した。しかしながら、グランド板として用いられる限り、他の形態で樹脂ベース５５が構成されてもよい。例えば、第１基板４５ａと樹脂ベース５５とが固定される領域と、金属ベース５２と樹脂ベース５５とが固定される領域とを繋ぐ導電部材が、樹脂ベース５５上に貼り付けられる形態が考えられる。すなわち、樹脂ベース５５は、導電性を有している限り、どのような形態であってもよい。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

　本明細書によれば、以下の態様が提供される。
　（態様１）
　態様１は、アンテナ素子部と、前記アンテナ素子部のグランド板として用いられる樹脂ベースを有するベース部とを備える。

　上述の態様によれば、樹脂ベースに電流が生じ、樹脂ベースと車両との間に容量結合が発生する。導電性が低く電流が生じにくい樹脂ベースを用いる形態では、当該樹脂ベースと車両のルーフとの間に容量結合が発生しにくく、当該樹脂ベースと車両のルーフとに関係して発生する不要な共振の影響が大きくなり、アンテナ性能が悪化することがある。しかし、電流が生じる樹脂ベースでは、電流が生じる樹脂ベースと車両のルーフとの間に容量結合が発生するため、アンテナ装置で受信する電波の周波数内において、電流が生じる樹脂ベースと車両のルーフとに関係して発生する不要な共振の影響を小さくでき、アンテナ性能の悪化を抑制することが出来る。また、樹脂ベースは金属部材と比べて電気抵抗が大きいため、樹脂ベースに発生する電流は金属部材製のベースに比べ小さくなる。このため、樹脂ベースに相当する領域を金属製に代えた形態に比べて、アンテナ装置で受信する電波の周波数に不要な共振を起こりにくく出来る。
　また、樹脂ベースがグランド板として機能する。このため、金属ベースに相当する部材を省略したり、樹脂ベースが用いられない形態に比べて金属ベースを小さくしたりすることが可能になる。すなわち、金属よりも比重が小さい樹脂を多用することで、アンテナ装置を軽量にすることが出来る。金属ベースを小さく構成することが出来れば、水が浸入しにくい領域に金属ベースを配置させることが出来、金属ベースに耐薬品性・耐腐食性を考慮した表面処理を省略出来る。

　（態様２）
　態様２では、前記樹脂ベースは、導電部材を含む。

　（態様３）
　態様３では、前記樹脂ベースは、繊維状の前記導電部材を含む。

　上述の態様によれば、樹脂ベースに含まれる導電部材の量を調整することで、アンテナ装置のアンテナ素子部の仕様に最適な樹脂ベースの導電性を設定することが可能になる。導電部材を繊維状の部材で構成することで、樹脂ベースに含まれる導電部材の量の調整が容易に行える。

　（態様４）
　態様４では、前記ベース部は、金属ベースを有する。

　上述の態様によれば、ベース部の強度を確保することができる。

　（態様５）
　態様５では、前記アンテナ素子部に関連する回路が実装される基板を備え、前記基板は、前記車両のルーフと電気的に接続される。

　（態様６）
　態様６では、前記導電部材は、カーボン、ＳＵＳの少なくとも一方で構成される。

　１　アンテナ装置
　３　アウターカバー
　５　ケース
　７　パッド
　２０　アンテナ素子部
　２１　第１アンテナ（ＡＭ／ＦＭ）
　２２　第２アンテナ（移動体通信）
　２３　第３アンテナ（ＳＸＭ）
　２４　第４アンテナ（ＧＮＳＳ）
　４５　基板部
　４５ａ　第１基板
　４５ｂ　第２基板
　４６　基板保持部
　４７　コネクタ
　５０　ベース部
　５２　金属ベース
　５５　樹脂ベース
　６０　取付部
　６５　防水部材

Claims

　アンテナ素子部と、
　前記アンテナ素子部のグランド板として用いられる樹脂ベースを有するベース部とを備える、アンテナ装置。
　前記樹脂ベースは、導電部材を含む、請求項１に記載のアンテナ装置。
　前記樹脂ベースは、繊維状の前記導電部材を含む、請求項２に記載のアンテナ装置。
　前記ベース部は、金属ベースを有する、請求項１に記載のアンテナ装置。
　前記アンテナ素子部に関連する回路が実装される基板を備え、
　前記基板は、前記車両のルーフと電気的に接続される、請求項１から４のいずれかに記載のアンテナ装置。