JP2022025706A - 車載用アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通信周波数帯域内でのアンテナ利得をほぼ一定の状態にすることができる車載用アンテナ装置の技術を提供すること。【解決手段】第1アンテナ16と、金属部を有するベースである金属ベース60と、金属ベース60側に向けられる第1面と、金属ベース60とは反対側に向けられる第2面と、を有し、金属ベース60の上に取り付けられるアンテナ用回路基板である第1基板20と、を備える車載用アンテナ装置10である。第1面の一部が、第1基板20の基材層が露出した露出部となっている。【選択図】図3

Description

本発明は、車載用アンテナ装置に関する。
自動車等の車両のルーフに取り付けられる車載用アンテナ装置として、流線型のケース内にアンテナを収容した車載用アンテナ装置が知られている。このような車載用アンテナ装置として、例えば特許文献1には、導電ベースであるアンテナベース11とアンテナカバー14とで形成された空間内にアンテナを実装したアンテナ用回路基板である基板15を収容する構成が開示されている。導電ベースは、金属製であることが一般的であるため、金属ベースとも呼称される。
特開2019-47459号公報
特許文献1のような従来の車載用アンテナ装置では、アンテナ用回路基板が、ビスを介して金属ベースの上に取り付けられることで、ビスを介してアースを取っている。金属ベースには、腐食を防止するために絶縁性の塗装(例えば、カチオン塗装等)処理が施される場合がある。その場合、塗装の上にアンテナ用回路基板が位置するため、塗装による絶縁層により、金属ベースとアンテナ用回路基板との間には容量成分(キャパシタンス)が生じることになる。また、金属ベースとアンテナ用回路基板との間に僅かに空隙が生じることによっても容量成分が生じる。その僅かな空隙が車両の走行に伴う振動によって僅かでも変化すると、容量成分が大きく変化し得る。これらの容量成分に起因して、不要な共振がアンテナの通信周波数帯域内やその近傍に発生して、アンテナ利得が周波数毎にばらついてしまうことがあった。アンテナの通信周波数帯域内では、周波数に関わらずアンテナ利得がほぼ一定の平坦な状態にすることが、良好なアンテナ特性の条件の一つである。
本発明の目的の一例は、通信周波数帯域内でのアンテナ利得をほぼ一定の状態にすることができる車載用アンテナ装置の技術を提供することである。
本発明の第1の態様は、アンテナと、金属部を有するベースと、前記ベース側に向けられる第1面と、前記ベースとは反対側に向けられる第2面と、を有し、前記ベースの上に取り付けられるアンテナ用回路基板と、を備え、前記第1面の一部が、前記アンテナ用回路基板の基材層が露出した露出部となっている、車載用アンテナ装置である。
この第1の態様によれば、アンテナ用回路基板の第1面の一部が、アンテナ用回路基板の基材層が露出した露出部となる。アンテナ用回路基板の第1面はベースに対向している。このため、第1面の一部を基材層が露出した露出部とすることで、ベースとアンテナ用回路基板との間に生じ得る容量成分(キャパシタンス)を低減させることができる。結果、不要共振の共振周波数をアンテナの通信周波数帯域以外に移動させることができ、アンテナ利得の低下や周波数毎のばらつきを防ぎ、通信周波数帯域内でのアンテナ利得をほぼ一定の状態にすることができる。
車載用アンテナ装置の使用状態の例。 車載用アンテナ装置の斜視図。 車載用アンテナ装置の分解斜視図。 第2基板の側面図。 第1基板の下面図。 第1基板の上面図。 第1基板の断面図。 アンテナ利得の周波数特性のグラフ。 比較用基板を用いた場合のアンテナ利得の周波数特性のグラフ。 金属ベースの変形例。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
先ず、以下の説明における方向を次の通り定義する。本実施形態の車載用アンテナ装置10は、乗用車等の車両の外面(例えば、車両のルーフ上)に取り付けられて使用される低背型のアンテナ装置であり、その外観形状から所謂シャークフィンアンテナ等と呼ばれるアンテナ装置である。本実施形態の車載用アンテナ装置10は、車両への取付方向が定められている。車載用アンテナ装置10の前後・左右・上下は、車両への取付時における車両の前後・左右・上下の方向と同じとする。この直交3軸の方向が分かり易いように、各軸方向を示す参照方向を各図に付記した。参照方向としているのは、その各軸の交点が座標原点を意味するものではないことによる。本実施形態の車載用アンテナ装置10の外観は、前方が先細りで、且つ車両の取付面から上方に向かって徐々に左右の幅が細くなるようにデザインされているので、デザインの特徴を方向の理解の助けとすることができる。
図1は、本実施形態における車載用アンテナ装置10の使用状態を示す図である。図1の細線の楕円で囲った部分を、図1の上部に拡大表記している。また、図1中の白色の太矢印は、車両の前後方向を示しており、黒色の細矢印は、車載用アンテナ装置10の前後方向、左右方向、上下方向を示す参照方向である。図1に示すように、車載用アンテナ装置10は、車両3(例えば、乗用車、トラック、農作業機械等)のルーフ5の後方上面に取り付けられるアンテナ装置である。車載用アンテナ装置10の概形は、車両走行時の走行風を整流し流体抵抗を低減する形状をしている。具体的には、車載用アンテナ装置10の外観は、全体として前後に長く、取付面が平らであり、側面視において前方が低く後方中央部が上方に突出したシャークフィン形状をなしている。そして、その長手方向が車両3の前後方向に沿うようにしてルーフ5の上面に取り付けられる。勿論、車載用アンテナ装置10の外観デザインはこれに限定されるものではない。
図2,図3は、車載用アンテナ装置10の構成例を示す図である。図2は、車載用アンテナ装置10の斜視図であって、内部構造の理解を容易にするために、アウターケース11の図示を省略している。図3は、車載用アンテナ装置10の分解斜視図であって、内部構造の理解を容易にするために、アウターケース11の図示を省略している。
車載用アンテナ装置10は、アウターケース11と、インナーケース12と、アンテナ用回路基板である第1基板20と、第2基板40と、金属ベース60と、パッド70と、シール部材72とを備える。アウターケース11と金属ベース60とで囲まれた収容空間内に、アンテナエレメントが収容されて構成される。アンテナエレメントとしては、例えば、AM/FMアンテナ、GNSS(Global Navigation Satellite System)アンテナ、SXM(Sirius XM Radio)アンテナ、TEL(Telephone)アンテナ(移動通信用アンテナ)が収容される。
アウターケース11は、電波透過性を有する合成樹脂製のケースであり、図1に示すように車両3に取り付けられた車載用アンテナ装置10の外観を構成する上部外殻である。アウターケース11は、下面が開口しており、第1基板20と、第2基板40と、アンテナエレメントとを収容する空間を画成する。
金属ベース60は、車載用アンテナ装置10の台座となる下部外殻である。金属ベース60は、例えば板金によって形成され、その上面に、アンテナ用回路基板である第1基板20がビス34によって取り付けられる。また、金属ベース60の外表面は、腐食防止のため、例えばカチオン塗装等の絶縁性の塗装処理が施されている。なお、金属ベース60は、ダイキャスト製とすることができる。金属ベース60は、樹脂ベースと金属ベースとを有するベースや、樹脂ベースと金属プレートとを有するベースであっても良く、金属部を有するベースであれば良い。
金属ベース60の下面には、エラストマーやゴム、ウレタンフォーム等で形成された概形が略長方形状の弾性部材であるシール部材72が設けられている。シール部材72は囲繞部材である。シール部材72の概形は、角が四角の略長方形状だけでなく角が丸みを帯びた略長方形状であっても良く、略正方形状であっても良い。シール部材72が金属ベース60と車両3のルーフ5との間に設けられることにより、両者の間を水密封止する。また、第1基板20と電気的に接続された不図示の信号ケーブルが、金属ベース60に設けられたケーブル孔を介して車両3のルーフ5へと延び、車両3内に引き込まれる。
パッド70は、エラストマーやゴム等の弾性材により形成された概形が略長方形状の部材である。パッド70は囲繞部材である。パッド70の概形は、角が四角の略長方形状だけでなく角が丸みを帯びた略長方形状であっても良く、略正方形状であっても良い。パッド70は、インナーケース12が金属ベース60にビス35で固定される際、インナーケース12の下端周縁部と金属ベース60とに挟み込まれる。パッド70は、インナーケース12の下端周縁部と金属ベース60との隙間を目隠しするとともに、インナーケース12内への水の侵入を防止する働きをする。
インナーケース12は、電波透過性を有する合成樹脂製のケースであり、アウターケース11の内側を区画して収容空間を形成する。
インナーケース12の外表面には、ビス36等により容量装荷素子14が取り付けられる。ビス36を介して、容量装荷素子14と第2基板40とが電気的に接続される。容量装荷素子14は、AM/FM波帯の受信に対応した容量装荷素子であり、第2基板40に実装される第1コイル44、第2コイル46及び第3コイル48(図4参照)と併せて、AM/FMアンテナを構成する。容量装荷素子14は、インナーケース12の外表面である右側部及び左側部に取り付けられる2つのエレメントで構成される。各エレメントは、錫めっき銅板や亜鉛めっき銅板、ステンレス鋼等の金属板(導体板)を、例えばミアンダ形状に加工して形成される。
図4に示すように、第1コイル44、第2コイル46及び第3コイル48は、第2基板40の右面に実装される。第1コイル44、第2コイル46及び第3コイル48は、容量装荷素子14と併せてAM/FM用の逆F型アンテナを構成する。第1コイル44、第2コイル46及び第3コイル48は、例えばヘリカルコイル素子である。第1コイル44及び第2コイル46は、容量装荷素子14と電気的に接続されている第2基板40の上部の接続部50と、第2基板40の下部の給電部52との間に直列接続されている。また、第1コイル44及び第2コイル46は、その軸方向が略直交するように実装される。略直交するように配置することにより、第1コイル44と第2コイル46とは、両者が互いに近接しても影響を受け難くなっている。第3コイル48は、第2コイル46に対して軸方向が略平行に、且つ電気的に並列に接続されるとともに、接地部54に図示していないフィルタを介して接続されている。フィルタはFM信号を通し、AM信号を通さないものであればどのようなものであっても良い。接地部54は、第1基板20を介して電気的な接地がなされている第2基板40の下部に設けられている。第3コイル48は、FM波帯を受信する際のインピーダンス調整のために設けられている。第1コイル44、第2コイル46及び第3コイル48を電気的に接続する配線は、導体パターンとして第2基板40に実装される。
インナーケース12と金属ベース60とで囲まれた収容空間内には、第1基板20及び第2基板40が収容される。第1基板20及び第2基板40は、アンテナエレメントの受信信号を増幅するアンテナアンプ(増幅回路)等のアンテナエレメントに関する電子部品を実装する。第1基板20は、金属ベース60の上に、複数のビス34による複数箇所のビス止めで取り付けられる。第2基板40は、インナーケース12の内側に図示しない樹脂ホルダを介して取り付けられる。
第1基板20は、詳細を後述するが、両面基板であり、第2面である上面に、第1アンテナ16と、第2アンテナ18とを実装し、金属ベース60と対向する第1面である下面に、第1アンテナ16及び第2アンテナ18の受信信号を増幅するアンテナアンプ(増幅回路)等のアンテナエレメントに関する電子部品を実装する。第1アンテナ16は、SXM波帯を受信するためのSXMアンテナである平面アンテナや無給電素子を含む。第2アンテナ18は、GPS衛星等の測位衛星から送出される衛星波を受信するためのGNSSアンテナである平面アンテナを含む。第2アンテナ18は、第1アンテナ16の後方において第1基板20の上面に実装される。なお、第1基板20に実装されるアンテナの数やアンテナが受信する信号の種別は、これに限るものではない。
図4は、第2基板40の構成を詳細に説明するための図であり、右方から見た第2基板40の概略側面図である。第2基板40は、両面基板であり、TELアンテナであるTELエレメント42を実装する。TELエレメント42は、第2基板40の右面及び左面に実装された2つのエレメントにより構成される。これらの2つのエレメントは、導電性材料を用いた導体の印刷による導体パターンとして実装される。また、これらの2つのエレメントは、第2基板40に設けられたスルーホールを介して電気的に接続される。また、これらの2つのエレメントの下部には給電部43が設けられている。
図5~図7は、アンテナ用回路基板である第1基板20について、本実施形態の特徴部分の構成を詳細に説明するための図である。図5は、下方から見た第1基板20の前方部分の概略下面図である。図6は、上方から見た第1基板20の前方部分の概略上面図である。図6では、第1基板20の下面に形成された露出部28の輪郭の一部を破線29で示している。図5,図6では、第1基板20の下方に位置する金属ベース60のリブ部62(図3,7参照)の輪郭を一点鎖線63で示している。つまり、図5における一点鎖線63は、リブ部62に当接或いは近接する対向位置となる。図7は、第1基板20の概略断面図であり、図5,図6におけるVII-VII矢視断面図である。図7では、金属ベース60及び右方向に見えるビス34の輪郭を一点鎖線で示す。また、上方から第1アンテナ16が実装される位置を点線で示している。
第1基板20は、金属ベース60の上にビス止めによって取り付けられている。具体的には、金属ベース60の上面には、その周縁部に沿って一部切り欠かれた概形が略長方形状のリブ部62が立ち上がるように形成されている(図3参照)。リブ部62及び第1基板20それぞれには、取り付け位置に合わせた複数のビス孔が設けられている。図5に示す4つのビス孔32がそれである。リブ部62に設けられたビス孔に、ビス孔32が合うように第1基板20がリブ部62上に載置され、ビス34が締め込まれることで第1基板20と金属ベース60とが固定される。ビス止めされたビス34によって、第1基板20の接地部と金属ベース60とが電気的に接続される。図5、図6にはビス34の図示を省略してビス孔32のみを示している。
第1基板20は、第1面である下面を金属ベース60に向け、第2面である上面を金属ベース60とは反対側に向けて金属ベース60に取り付けられる。図7に示すように、第1基板20は両面基板であることから、絶縁体で形成される平板状の基材層22から下方に向けて、配線層24a及び絶縁層26aが順に積層されて形成される。同じように、基材層22から上方に向けて、配線層24b及び絶縁層26bが順に積層されて形成される。
第1基板20は、第2面である上面に、第1アンテナ16及び第2アンテナ18を実装する。また、第1面である下面に、第1アンテナ16及び第2アンテナ18の増幅回路を含む受信回路を実装する。受信回路には、第1アンテナ16用の受信回路30と、第2アンテナ18用の受信回路とがある。本実施形態において、第1アンテナ16と受信回路30とは、第1基板20の上面及び下面において、反対側に対応する位置に実装される。同じく、第2アンテナ18と、この第2アンテナ18用の受信回路とは、第1基板20の上面及び下面において、反対側に対応する位置に実装される。
以下、第1アンテナ16用の受信回路30に着目して説明するが、第2アンテナ18用の受信回路も同様である。第1基板20の下面において、受信回路30は、第1基板20を金属ベース60に取り付けた状態でリブ部62に取り囲まれるような位置に実装される。図5には、第1アンテナ16用の受信回路30が示されており、この受信回路30がリブ部62の対向位置となる一点鎖線63に囲まれている。第1基板20の下面の周縁部がリブ部62の上面と当接する。そのため、第1基板20の下面の周縁部より内側に、受信回路30が実装される。リブ部62は、受信回路30に対して、外部からの電磁ノイズ等の電気的な影響や接触等の物理的な影響から保護するシールドカバーの役割を果たしている。
第1基板20は、下面の一部が、配線層24a及び絶縁層26aの無い、基材層22が露出した露出部28となっている(図5,7参照)。露出部28は、第1基板20の前方側の端部(前方部)であって、金属ベース60のリブ部62との対向部分にある。露出部28の左右方向の長さは、第1基板20の前方部の左右方向の全体に亘る。露出部28の前後方向の長さは、この露出部28に対向するリブ部62の前後方向の幅(長さ)を超えている。露出部28が設けられている第1基板20の前方部は、ビス孔32が設けられていない。そのため、第1基板20が金属ベース60に取り付けられる固定箇所ともいえるビス孔32からある程度離れた位置(所定距離以上の位置)に露出部28が形成されているといえる。
本実施形態では、金属ベース60に対向する第1基板20の下面であって、リブ部62と対向する当該下面の一部を、配線層24a及び絶縁層26aの無い露出部28とする。配線層24a及び絶縁層26aが無いため、露出部28には、対向する金属ベース60(より詳細には、対向するリブ部62)との間で、電気的な容量成分(キャパシタンス)が生じる可能性を低減できる。結果、露出部28の近傍に設置された受信回路30及び第1アンテナ16による受信特性において、アンテナ利得の低下を防止することができる。
図8は、車載用アンテナ装置10に係るシミュレーションの結果であり、車載用アンテナ装置10に実装された第1アンテナ16のアンテナ利得のグラフである。比較例として、露出部28を設けず、露出部28の部分に配線層24a及び絶縁層26aが有ること以外は第1基板20と同じ比較用基板に置き換えた車載用アンテナ装置についてのアンテナ利得のグラフを、図9に示す。2つのグラフは、何れも、横軸が周波数、縦軸が第1アンテナ16のアンテナ利得である。
第1アンテナ16であるSXMアンテナの通信周波数帯域は、2320~2345MHzである。この通信周波数帯域に着目すると、本実施形態の車載用アンテナ装置10についてのグラフ(図8参照)では、アンテナ利得は周波数毎にほぼ等しく、ほぼ平坦な一定の状態となっている。ほぼ理想的な特性といえる。これに対して、比較用の車載用アンテナ装置についてのグラフ(図9参照)では、通信周波数帯域内においてアンテナ利得の周波数特性に偏差があり、周波数毎のアンテナ利得にばらつきが生じている。この周波数毎のアンテナ利得のばらつきは、金属ベース60と比較用基板との間の容量成分(キャパシタンス)に起因する不要共振によるものである。
車載用アンテナ装置10は、金属ベース60の外表面に絶縁性の塗装処理が施されているが、場所による塗装の厚みの不均一が生じ得る。金属ベース60のリブ部62の上に第1基板20が位置するため、塗装である絶縁層の厚みの不均一により金属ベース60と第1基板20との間に容量成分(キャパシタンス)の変化が生じかねない。また、第1基板20の反りにより、金属ベース60と第1基板20との間に僅かではあるが空隙が生じ得る。また、金属ベース60と第1基板20とは複数箇所でビス34によりビス締めされるが、これらの箇所毎の締結の不均一によっても、金属ベース60と第1基板20との間に僅かではあるが空隙が生じ得る。このように生じ得る金属ベース60のリブ部62と第1基板20との間の僅かな空隙によっても容量成分の変化が生じかねない。容量成分の変化が生じた場合には、更に次のような問題も起こりかねない。すなわち、車両3の走行に伴う振動によって、その僅かな空隙の間隔が僅かでも変化すると、容量成分が大きく変化し得ることがある。金属ベース60に対する第1基板20のビス止めの位置に近ければ、その空隙の間隔が変化する可能性は低いが、ビス止めの位置から離れるほど、その空隙の間隔が変化する可能性は高くなる。
しかし、本実施形態の車載用アンテナ装置10では、第1基板20の第1面である下面の一部が、配線層24b及び絶縁層26bの無い、基材層22が露出した露出部28となっている。特に、露出部28は、金属ベース60のリブ部62と対向する位置にある。このため、第1基板20と金属ベース60のリブ部62との対向面積を減少させることができる。よって、金属ベース60と第1基板20との間に生じ得る容量成分(キャパシタンス)を減少させることができ、空隙の間隔の変化による容量成分の変化度合いも減少する。このことは、不要共振の共振周波数をSXMアンテナの通信周波数帯域より高くなるほうへ移動させる作用効果を奏するとともに、SXMアンテナの通信周波数帯域内でのアンテナ利得に対する不要共振の影響を低下させる作用効果も奏する。この結果、SXMアンテナである第1アンテナ16のアンテナ利得の周波数毎のバラツキを防止し、通信周波数帯域内でのアンテナ利得をほぼ一定の状態にすることができる。
また、金属ベース60と第1基板20との間に生じ得る容量成分は、金属ベース60のリブ部62と第1基板20とのビス止め位置から離れるほど、大きく変化し得る。しかし、露出部28は、このビス止め位置から所定距離以上の位置である第1基板20の前方にある。そのため、露出部28において、容量成分の変化を抑制し、効果的に第1アンテナ16のアンテナ利得の周波数毎のばらつきを防止することができる。
[変形例]
本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
例えば、金属ベース60を図10に示すような構成としてもよい。図10は、この変形例に係る金属ベース60Aの構成を説明する図であり、金属ベース60Aの斜視図である。図10に示すように、上述の実施形態の金属ベース60と異なる点として、金属ベース60Aは、リブ部62Aのうちの前方部の一部に切り欠き64を形成した構成となっている。金属ベース60のリブ部62のうちの前方部に切り欠き64を形成するのは、SXMアンテナである第1アンテナ18が生じる磁界がその前方に集中しているためである。この場合、金属ベース60Aの上に取り付けられるアンテナ用回路基板は、第1基板20であってもよいし、露出部28に相当する部分にも配線層24a及び絶縁層26aを積層した構成とした以外は第1基板20と同じ構成とした基板としてもよい。金属ベース60Aにより、上述の実施形態と同様に、金属ベース60Aのリブ部62Aに対して近接位置となるアンテナ用回路基板の下面部分(対向面積)を減らすことができる。これにより、アンテナ用回路基板に実装されたSXMアンテナである第1アンテナ16のアンテナ利得の周波数毎のばらつきを防止し、通信周波数帯域内でのアンテナ利得をほぼ一定の状態にすることができる。
また、第1基板20の後方部の上面に第1アンテナ16を実装し、後方部の下面に受信回路30を実装する構成とするならば、露出部28の位置を第1基板20の後方に設けるようにしてもよい。
幾つかの実施形態及びその変形例について説明した。これらの開示は、次のように概括することができる。
本開示の態様は、アンテナと、金属部を有するベースと、前記ベース側に向けられる第1面と、前記ベースとは反対側に向けられる第2面と、を有し、前記ベースの上に取り付けられるアンテナ用回路基板と、を備え、前記第1面の一部が、前記アンテナ用回路基板の基材層が露出した露出部となっている、車載用アンテナ装置である。
本開示の態様によれば、アンテナ用回路基板の第1面の一部が、アンテナ用回路基板の基材層が露出した露出部となる。アンテナ用回路基板の第1面はベースに対向している。このため、第1面の一部を基材層が露出した露出部とすることで、ベースとアンテナ用回路基板との間に生じ得る容量成分(キャパシタンス)を低減させることができる。結果、不要共振の共振周波数をアンテナの通信周波数帯域以外に移動させることができ、アンテナ利得の周波数毎のばらつきを防ぎ、通信周波数帯域内でのアンテナ利得をほぼ一定の状態にすることができる。
前記アンテナは、前記第2面に設置され、前記アンテナ用回路基板は、前記第1面に前記アンテナの増幅回路を含む回路を有することとしてもよい。
これにより、アンテナ及び当該アンテナの増幅回路を基板の同じ面に実装した場合と比較して、アンテナ用回路基板の面積を小さくすることができる。
前記ベースは、リブ部を有し、前記アンテナ用回路基板は、前記リブ部の上に取り付けられ、前記露出部は、前記リブ部に対向する位置にあることとしてもよい。
これにより、アンテナ用回路基板はベースのリブ部の上に取り付けられるため、ベースに当接或いは近接するアンテナ用回路基板の対向位置の面積を小さくすることができる。また、露出部がその対向位置にあるため、ベースとアンテナ用回路基板との間に生じ得る容量成分(キャパシタンス)を一層低減させることができる。
前記ベースは、前記アンテナ用回路基板が取り付けられた場合に前記増幅回路を取り囲むように形成されたリブ部を有し、前記アンテナ用回路基板は、前記リブ部の上に取り付けられ、前記露出部は、前記リブ部に対向する位置にあることとしてもよい。
これにより、ベースのリブ部は、アンテナ用回路基板の第1面に設けられた増幅回路に対するシールドカバーとして機能する。アンテナ用回路基板はベースのリブ部の上に取り付けられるため、ベースに当接或いは近接するアンテナ用回路基板の対向位置の面積を小さくすることができる。また、露出部がその対向位置にある。これらの総合的な作用により、ベースとアンテナ用回路基板との間に生じ得る容量成分(キャパシタンス)を一層低減させることができる。
前記アンテナ用回路基板を前記ベースの上に固定し、且つ、前記アンテナ用回路基板の接地部と前記ベースとを電気的に接続するビス、を更に備え、前記アンテナ用回路基板は、前記ビスを通すビス孔を有し、前記露出部は、前記ビス孔から所定距離離れた位置にあるとしてもよい。
ビス孔から離れた位置ほどベースとアンテナ用回路基板との間に隙間が生じる可能性が高くなり、また組み立て時のバラツキによってその隙間の大きさも変わり得る。加えて、そうした位置では、車両の振動によって、その隙間の大きさが変化する可能性も高くなる。そうしたビス孔から離れた位置に露出部が設けられるため、ベースとアンテナ用回路基板との間に生じ得る容量成分(キャパシタンス)の低減を効果的に実現することができる。
3…車両
5…ルーフ
10…車載用アンテナ装置
11…アウターケース
12…インナーケース
14…容量装荷素子
16…第1アンテナ
18…第2アンテナ
20…第1基板
22…基材層
24a,24b…配線層
26a,26b…絶縁層
28…露出部
30…受信回路
32…ビス孔
34…ビス
40…第2基板
42…TELエレメント
44…第1コイル
46…第2コイル
48…第3コイル
50…接続部
52…給電部
54…接地部
60…金属ベース
62…リブ部
70…パッド
72…シール部材

Claims (5)

  1. アンテナと、
    金属部を有するベースと、
    前記ベース側に向けられる第1面と、前記ベースとは反対側に向けられる第2面と、を有し、前記ベースの上に取り付けられるアンテナ用回路基板と、
    を備え、
    前記第1面の一部が、前記アンテナ用回路基板の基材層が露出した露出部となっている、
    車載用アンテナ装置。
  2. 前記アンテナは、前記第2面に設置され、
    前記アンテナ用回路基板は、前記第1面に前記アンテナの増幅回路を含む回路を有する、
    請求項1に記載の車載用アンテナ装置。
  3. 前記ベースは、リブ部を有し、
    前記アンテナ用回路基板は、前記リブ部の上に取り付けられ、
    前記露出部は、前記リブ部に対向する位置にある、
    請求項1又は2に記載の車載用アンテナ装置。
  4. 前記ベースは、前記アンテナ用回路基板が取り付けられた場合に前記増幅回路を取り囲むように形成されたリブ部を有し、
    前記アンテナ用回路基板は、前記リブ部の上に取り付けられ、
    前記露出部は、前記リブ部に対向する位置にある、
    請求項2に記載の車載用アンテナ装置。
  5. 前記アンテナ用回路基板を前記ベースの上に固定し、且つ、前記アンテナ用回路基板の接地部と前記ベースとを電気的に接続するビス、
    を更に備え、
    前記アンテナ用回路基板は、前記ビスを通すビス孔を有し、
    前記露出部は、前記ビス孔から所定距離離れた位置にある、
    請求項1~4の何れか一項に記載の車載用アンテナ装置。
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