WO2023176064A1

WO2023176064A1 - シリンジ用外筒、シリンジおよびプレフィルドシリンジ

Info

Publication number: WO2023176064A1
Application number: PCT/JP2022/045543
Authority: WO
Inventors: 淳一小川
Original assignee: テルモ株式会社
Priority date: 2022-03-18
Filing date: 2022-12-09
Publication date: 2023-09-21

Abstract

シリンジ用外筒１は、ノズル部２２と、ロック用筒状部４を備える外筒２と、外筒に着脱可能なキャップ３と、キャップ内に収納された弾性シール部材６を備える。キャップは、シール部材収納部３１、シール部材収納部の上部に位置する閉塞部３２、キャップ側螺合部３３ａ、外筒への非装着時に、ノズル部収納部３３、シール部材収納部の上部と弾性シール部材の上面周縁部間に形成された空隙部１３を備える。ロック用筒状部４は、ロック用筒状部側螺合部４１ａを備える。キャップの外筒への装着時に、キャップの内面とノズル部の先端による挟圧により形成された弾性シール部材の膨出部６２は、空隙部１３内に位置する。

Description

シリンジ用外筒、シリンジおよびプレフィルドシリンジ

　本発明は、シリンジ用外筒、それを用いたシリンジおよびプレフィルドシリンジに関する。

　本願出願人は、ＷＯ２０１４－１０２９８７（特許文献１）を提案している。特許文献１のシリンジ用外筒は、外筒本体６０と、外筒本体６０の先端部に設けられ、先端に先端開口部６３を有するノズル部６４と、ノズル部６４を被包するロックアダプタ７０と、ノズル部６４の先端開口部６３をシールするキャップ８０とを備えている。そして、キャップ８０は、内側筒状部８４内に収納され、外筒本体６０のノズル部６４の先端開口部６３をシールするシール部材８７を備える。
　そして、キャップ８０の外側筒状部８３の内周面と内側筒状部８４の外周面との間の間隔は、ロックアダプタ７０の筒状本体部７１が進入可能な大きさに形成されるとともに、内側筒状部８４の外周面には、ロックアダプタ７０のアダプタ側螺合部（筒状部側螺合部）７９と螺合可能なキャップ側螺合部８５が設けられている。そして、キャップ８０の連結部８９とロックアダプタ７０の筒状本体部７１の先端とが当接することで、アダプタ側螺合部７９とキャップ側螺合部８５との過剰な締め付けが防止されている。

ＷＯ２０１４－１０２９８７（US2015-190566A、EP2939649A）

　特許文献１のものは、アダプタ側螺合部とキャップ側螺合部との過剰な締め付け防止として有効である。しかし、外筒本体のノズル部の先端開口の確実な封止のためには、シール部材をノズル部の先端開口にある程度の力で押しつけることが必要である。過剰な締め付けとならないレベルでのキャップの外筒への装着時において、シール部材は押圧され、弾性変形する。そして、弾性変形したシール部材は、元の形状に復帰しようとする反発力を生ずる。この反発力により、キャップが外筒より離脱することがあった。特に、シール部材の潰し量が大きくなることにより、キャップの外筒からの離脱が生じやすくなることを本願発明者が知見した。

　本発明の目的は、外筒のノズル部に、キャップを装着し、十分にシール部材が圧縮され、ノズルの先端開口を確実にシール可能であり、かつ、シール部材の潰し量が大きくてもキャップの外筒からの離脱が生じる可能性が少ないシリンジ用外筒、それを用いたシリンジおよびプレフィルドシリンジを提供するものである。

　上記目的を達成するものは、以下のものである。
　先端に設けられたノズル部と、前記ノズル部を被包するロック用筒状部とを備える外筒と、前記外筒に着脱可能なキャップと、前記キャップ内に収納され、前記ノズル部の先端開口を封止するための弾性シール部材とを備えるシリンジ用外筒であって、
　前記キャップは、筒状部材であり、前記弾性シール部材を収納するシール部材収納部と、前記シール部材収納部の上部に位置する閉塞部と、前記シール部材収納部より下方に延び、前記ノズル部を収納するノズル部収納部と、前記ノズル部収納部の外面に形成されたキャップ側螺合部と、少なくとも前記外筒への装着前において、前記シール部材収納部の上部と前記弾性シール部材の上面周縁部間または前記シール部材収納部の内側部と前記弾性シール部材の外側部間により形成された空隙部とを備え、
　前記外筒の前記ロック用筒状部は、内面に前記キャップ側螺合部と螺合可能なロック用筒状部側螺合部を備え、
　前記弾性シール部材は、前記キャップの前記外筒への装着時において、前記キャップの内面と前記ノズル部の先端により挟圧され、弾性変形し、弾性変形により形成された膨出部が、前記空隙部内に位置するシリンジ用外筒。

　また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
　上記のシリンジ用外筒と、前記シリンジ用外筒内に摺動可能に収納されたガスケットとからなるシリンジ。

　また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
　前記キャップが前記外筒に装着された状態となっている上記のシリンジ用外筒と、前記シリンジ用外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記シリンジ用外筒内に収納された医療用液体とからなるプレフィルドシリンジ。

図１は、本発明の実施例のシリンジ用外筒の正面図である。図２は、図１のＡ－Ａ線断面図である。図３は、図２に示したシリンジ用外筒の先端部の拡大断面図である。図４は、本発明の他の実施例のシリンジ用外筒の先端部の拡大断面図である。図５は、図１に示したシリンジ用外筒に用いられているキャップの拡大正面図である。図６は、図５に示したキャップの平面図である。図７は、図５に示したキャップの底面図である。図８は、図５のＢ－Ｂ線断面図である。図９は、図６のＣ－Ｃ線断面図である。図１０は、図６のＤ－Ｄ線断面図である。図１１は、本発明の実施例のシリンジ用外筒に用いられるシール部材の正面図である。図１２は、図１１に示したシール部材の平面図である。図１３は、図１１に示したシール部材の底面図である。図１４は、本発明の他の実施例のシリンジ用外筒のシール部材を説明するための拡大断面説明図である。図１５は、本発明の実施例のシリンジ用外筒を用いたプレフィルドシリンジの正面図である。図１６は、図１５のＥ－Ｅ線断面図である。図１７は、本発明の他の実施例のシリンジ用外筒の平面図である。図１８は、図１７のＦ－Ｆ線にて切断したシリンジ用外筒の先端部の拡大断面図である。図１９は、図１７のＧ－Ｇ線にて切断したシリンジ用外筒の先端部の拡大断面図である。図２０は、図１８のＨ－Ｈ線断面図である。図２１は、図１８に示したシリンジ用外筒に用いられるシール部材の正面図である。図２２は、図２１に示したシール部材の平面図である。図２３は、図２１に示したシール部材の底面図である。図２４は、図１７のシリンジ用外筒における外筒に装着前のキャップ内におけるシール部材の状態を説明するための拡大断面説明図である。図２５は、図１８に示したシリンジ用外筒に用いられるキャップの底面図である。図２６は、図２５のＪ－Ｊ線断面図である。図２７は、図２５のＫ－Ｋ線断面図である。図２８は、本発明のシリンジ用外筒に用いられる他の例のシール部材の正面図である。図２９は、図２８に示したシール部材の平面図である。図３０は、図２８に示したシール部材の底面図である。図３１は、図２５に示すキャップに、図２８に示すシール部材を装着した状態を説明するための拡大断面説明図である。図３２は、図２５に示すキャップに、図２８に示すシール部材を装着し、さらに、外筒に装着した状態を説明するための拡大断面説明図である。図３３は、本発明のシリンジ用外筒に用いられる他の例のシール部材の正面図である。図３４は、図３３に示したシール部材の平面図である。図３５は、図３３に示したシール部材の底面図である。図３６は、本発明のシリンジ用外筒に用いられる他の例のシール部材の正面図である。図３７は、図３６に示したシール部材の平面図である。図３８は、図３６に示したシール部材の底面図である。図３９は、図２５に示すキャップに、図３６に示すシール部材を装着した状態を説明するための拡大断面説明図である。図４０は、図２５に示すキャップに、図３６に示すシール部材を装着し、さらに、外筒に装着した状態を説明するための拡大断面説明図である。図４１は、本発明の実施例のシリンジ用外筒に用いられる他の例のシール部材の正面図である。図４２は、図４１に示したシール部材の平面図である。図４３は、図４１に示したシール部材の底面図である。図４４は、本発明の実施例のシリンジ用外筒に用いられる他の例のシール部材の正面図である。図４５は、図４４に示したシール部材の平面図である。図４６は、図４４に示したシール部材の底面図である。図４７は、本発明のシリンジ用外筒を用いた他の実施例のプレフィルドシリンジの縦断面図である。

　本発明のシリンジ用外筒、それを用いたシリンジおよびプレフィルドシリンジを図面に示す実施例を用いて説明する。
　本発明のシリンジ用外筒１，１ａは、先端に設けられたノズル部２２と、ノズル部２２を被包するロック用筒状部（４，２５）とを備える外筒２，２ａと、外筒２に取り外し可能に取り付けられたキャップ３と、キャップ３内に収納され、ノズル部２２の先端開口を封止した弾性シール部材６とを備えるシリンジ用外筒である。

　キャップ３は、筒状部材であり、弾性シール部材６を収納するシール部材収納部３１と、シール部材収納部３１の上部に位置する閉塞部３２と、シール部材収納部３１より、下方に延び、ノズル部２２を収納するノズル部収納部３３と、ノズル部収納部３３の外面に形成されたキャップ側螺合部３３ａと、少なくとも外筒への装着前において、シール部材収納部３１の上部と弾性シール部材６の上面周縁部間またはシール部材収納部３１の内側部と弾性シール部材６の外側部間に形成された空隙部１３，１４とを備える。外筒２のロック用筒状部４は、内面にキャップ側螺合部３３ａと螺合可能なロック用筒状部側螺合部４１ａを備える。キャップの外筒への装着時において、弾性シール部材６は、キャップ３の内面とノズル部２２の先端により挟圧され、弾性変形し、弾性変形により形成された膨出部６２，６４が、空隙部１３，１４内に位置するものとなっている。

　また、本発明のシリンジは、図１５，図１６、図４７に示すように、上記のシリンジ用外筒１，１ａと、シリンジ用外筒１内に摺動可能に収納されたガスケット７とからなるものである。そして、ガスケット７に装着されるプランジャ５を有するものであってもよい。

　また、本発明のプレフィルドシリンジは、図１５，図１６、図４７に示すように、上記のシリンジ用外筒１，１ａと、シリンジ用外筒１，１ａ内に摺動可能に収納されたガスケット７と、シリンジ用外筒内に収納された医療用液体とからなるものである。そして、ガスケット７に装着されるプランジャ５を有するものであってもよい。

　本発明のシリンジ用外筒１は、図１～図３に示すように、外筒２と、外筒２に着脱可能なキャップ３とを備える。なお、図示するものでは、キャップ３は、外筒２に装着されている。
　この実施例では、図１、図２に示すように、外筒２は、外筒本体２０と、外筒本体２０（具体的には、ノズル部２２）に回転可能に装着されたロックアダプタ４を備える。ロックアダプタ４は、ノズル部２２を被包するロック用筒状部を構成している。

　外筒本体２０は、先端に開口を有する中空状のノズル部２２と、中空本体部２１と、中空本体部２１の基端に設けられたフランジ２３を備えている。
　ノズル部２２は、他の医療器具（例えば、注射針、コネクタ、三方活栓）を接続可能なものとなっている。

　ロックアダプタ４は、内面に、ノズル部に接続される医療器具（例えば、注射針、コネクタ、三方活栓などのフランジに形成されたリブまたは螺合部）と螺合可能なロック用筒状部側螺合部（ロックアダプタ側螺合部）４１ａを備えている。
　フランジ２３は、中空本体部２１の基端全周より外筒本体部の中心軸に対して垂直方向に突出するように形成された円弧状外縁を有するものとなっている。

　外筒本体２０の中空本体部２１は、この実施例では、比較的細径の円筒状に形成されており、少量（具体的には、０．５ｍｌ～２ｍｌ）の薬液等を充填するものであり、中空本体部２１の外径は、６～１２ｍｍとなっている。なお、外筒本体２０は、このような細径、収容量のものに限定されるものではない。

　ノズル部２２は、中空本体部２１の外径よりも小径であり、先端に向かって縮径している。ノズル部２２は、先端に外筒内の薬液等を排出するための先端開口を備える。そして、ノズル部２２は、基端部（中空本体部２１の先端より、若干先端側）に、ロックアダプタ４を係止可能な係止用リブを備えている。この実施形態では、係止用リブは、環状リブとなっている。

　外筒本体２０、ロックアダプタ４の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ－（４－メチルペンテン－１）、アクリル樹脂、アクリロニトリル－ブタジエン－スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、環状ポリオレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマーのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマーのような樹脂が好ましい。なお、内部に充填された薬液を外側から目視にて確認できるように透明性が高く、高圧蒸気滅菌に耐えられる耐熱性を有する環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマーが、外筒本体２０の形成材料として特に好ましい。

　そして、ロックアダプタ４は、図１～図３に示すように、筒状部材であり、外筒本体２０のノズル部２２に、回転可能に取り付けられている。また、ロックアダプタ４は、その下部において、ノズル部２２に設けられた係止用リブにより保持されている。さらに、ロックアダプタ４は、後述するキャップ３のキャップ側螺合部３３ａと螺合可能なアダプタ側螺合部４１ａを備えている。この実施形態では、螺合部４１ａは、２本の螺旋状リブにより形成されている。

　なお、外筒２のロック用筒状部は、上述したようなロックアダプタ４に限定されるものではない。例えば、図４７に示す実施例のプレフィルドシリンジ１０ａに用いられているシリンジ用外筒１ａの外筒２ａのように、ロック用筒状部は、外筒２ａに一体に形成されたカラー部２５であってもよい。

　カラー部２５は、ノズル部２２を被包している。カラー部２５は、ノズル部２２を取り囲むようにノズル部２２と同心的に円筒状に形成されている。また、カラー部２５は、先端が開口しており、カラー部２５の内径および外径は基端から先端までほぼ同一径となっている。また、カラー部２５の先端開口からはノズル部２２の先端部が突出している。そして、カラー部２５の内周面には、シールキャップ３のノズル部収納部３３に形成されたキャップ側螺合部３３ａと螺合するためのカラー部側螺合部２６が形成されている。

　これにより、外筒２ａのノズル部２２とキャップ３はカラー部２５の内周面とノズル収納部外周面との間で螺合する。また、カラー部２５の螺合部２６は、注射針ハブ、血液回路、薬液投与ラインに設けられているコネクタ（例えば、ニードルレスコネクタ）側の螺合部と螺合可能である。この実施例では、キャップ側螺合部３３ａ、カラー部側螺合部２６は、ともに螺旋状リブにより形成され、螺合可能なものとなっている。

　キャップ３は、筒状部材であり、弾性シール部材６を収納するシール部材収納部３１と、シール部材収納部３１の上部に位置する閉塞部３２と、シール部材収納部３１より、下方に延び、ノズル部２２（具体的には、ノズル部２２の先端側部分２２ａ）を収納するノズル部収納部３３と、ノズル部収納部３３の外面に形成されたキャップ側螺合部３３ａとを備える。また、この実施例では、キャップ３は、閉塞部３２より上方に延びる上部筒状部３４を備えている。上部筒状部３４は、キャップ３の外筒２からの離脱操作時の把持部として用いられる。

　図２および図３に示すように、キャップ３のキャップ側螺合部３３ａは、上述したロックアダプタ４のアダプタ側螺合部４１ａと螺合可能なものとなっている。この実施形態では、キャップ側螺合部３３ａは、２本の螺旋状リブにより形成されている。
　キャップ３の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ－（４－メチルペンテン－１）、アクリル樹脂、アクリロニトリル－ブタジエン－スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。

　キャップ３は、図９に示すように、少なくとも、外筒２への装着前（非装着時）において、シール部材収納部３１の上部（上部周縁部）と弾性シール部材６の上部間により形成された空隙部１３を備えている。そして、この実施例のシリンジ用外筒１では、図３に示すように、外筒２への装着時において、弾性シール部材６は、キャップ３の内面１１とノズル部２２の先端１２により挟圧され、弾性変形している。そして、弾性変形により形成された、弾性シール部材６の膨出部６２は、図３に示すように、空隙部１３に位置する（進入する）ものとなっている。

　弾性シール部材６は、キャップ３の内面１１とノズル部２２の先端１２間の挟圧により、弾性変形可能であり、かつ、ノズル部２２の先端開口を液密に密封可能な弾性材料が用いられる。
　弾性シール部材６としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等の弾性変形性材料が用いられる。

　そして、この実施例のシリンジ用外筒１では、キャップ３は、図２、図３、図９および図１０に示すように、閉塞部３２に設けられ、平面状下面を有する中央下部突出部３２ａを備えている。また、中央下部突出部３２ａの上部周縁部には、環状部３２ｂが設けられている。具体的には、閉塞部３２の中央下部突出部３２ａは、外面および内面が、中央下部突出部３２ａの下端に向かって縮径するものとなっており、中央下部突出部３２ａの下端は、平面状下面となっている。言い換えれば、中央下部突出部３２ａは、側面が、平面状下面より、上方（環状部３２ｂ）に向かって拡径するものとなっている。そして、中央下部突出部３２ａの側部には、上方に向かって内周面が拡径する内周面テーパー状の環状の空隙部１３が形成されている。

　そして、この実施例のシリンジ用外筒１では、図８～図１３に示すように、弾性シール部材６は、円柱状のものとなっている。具体的には、図１１～図１３に示すように、この実施例の弾性シール部材６は、円柱状に形成されているとともに上面環状リブ６６、上面環状リブ６６に囲まれた上面中央部（上面平面部）６１、先端テーパー部６８、下面環状リブ６７、下面環状リブ６７に囲まれた下面平面部６３を備えている。

　そして、この実施例のキャップ３では、図９および図１０に示すように、キャップ３が外筒２に装着されていない状態において、シール部材収納部３１の上部と弾性シール部材６の上部間により形成された環状の空隙部１３を有するものとなっている。
　具体的には、環状空隙部１３は、中央下部突出部３２ａの環状側面と、ノズル部収納部３３の上部内側面と、弾性シール部材６の上部間により、外径はほぼ均一で、内径が下方に向かって徐々に縮径し、上方に向かって幅が徐々に狭くなる環状の空隙部となっている。また、環状空隙部１３は、周縁方向に向かって厚くなっている。

　また、この実施例のキャップ３では、図３に示すように、キャップ３が外筒２に装着され、キャップ３のキャップ側螺合部３３ａとロックアダプタ４のアダプタ側螺合部４１ａとが螺合し、弾性シール部材６がノズル部２２の先端開口を液密に封止した状態において、キャップ３の閉塞部３２の中央下部突出部３２ａの平面状下面により、弾性シール部材６の上面中央部（上面平面部）６１が、下方に押圧され、下面平面部６３が、外筒２のノズル部２２の先端面にて押圧された状態となっている。

　このため、弾性シール部材６は、キャップ３の内面とノズル部２２の先端により挟圧され、弾性変形している。具体的には、弾性シール部材６は、上面中央部６１が、下方に押圧され、図３に示すように、中央部が窪んだ状態となるとともに、上部が、上方に膨出し、言い換えれば、弾性シール部材６は軸方向に変形し、軸方向に延びた環状膨出部６２が形成され、この環状膨出部６２は、環状空隙部１３内に進入している。

　この実施例では、図３に示すように、キャップ３が外筒２に装着された状態において、弾性シール部材６の膨出部（変形部）は、環状空隙部１３に進入可能なため、弾性シール部材６の挟圧による反発力の発生が抑制される。このため、弾性シール部材６の挟圧による反発に起因するキャップ３のロックアダプタ４からの離脱が防止される。

　また、この実施例では、弾性シール部材６の上面中央部６１が、キャップ３の閉塞部３２の中央下部突出部３２ａの平面状下面により、円状に押圧され、弾性シール部材６の下面平面部６３が、外筒２のノズル部２２の先端面にてリング状に押圧されている。

　なお、この実施例では、図３に示すように、環状膨出部６２は、環状空隙部１３の全体を埋めることなく、環状空隙部１３の一部、図３に示すものでは、環状空隙部の上部周縁部が残存するものとなっている。さらに、この実施例では、図３に示すように、弾性シール部材６の下面平面部６３であり、ノズル部２２の先端開口内に位置する部分は、少し膨出し、ノズル部２２の先端開口内に進入している。なお、図４に示すように、キャップ３としては、キャップ３が外筒２に装着された状態において、環状膨出部６２が環状空隙部１３の全体を埋め、環状空隙部１３が実質的に消失するものであってもよい。

　さらに、この実施例のキャップ３では、図５～図１０に示すように、キャップ３は、ノズル部収納部３３側より閉塞部３２方向に延びる複数のリブ３５を備えている。図８に示すように、弾性シール部材６は、側面が、複数のリブ３５に当接し、保持されている。弾性シール部材６は、複数のリブ３５により押圧され、窪みが形成された状態となっていてもよい。なお、この実施例では、キャップ３が外筒２に装着されていない状態において、図８、図１０に示すように、複数のリブ３５部分を除き、弾性シール部材６は、外側面がキャップ３の内面と離間したものとなっている。

　また、この実施例のキャップ３では、複数本のリブ３５がキャップの中心軸に対してほぼ等角度となるように設けられている。リブ３５の数としては、３～６本程度が好適であり、この実施例では、４本のリブとなっている。また、リブ３５は、キャップ３の内面上端部より、下端方向に延び、かつ、下端に到達しない部位にて終端している。さらに、リブ３５の終端面は、終端方向に向かって低くなる傾斜面となっていてもよい。

　さらに、図１４に示すキャップ３ａのように、弾性シール部材６ａは、側面に複数のリブ３５の先端側部分を受け入れ可能な複数のリブ用凹部４４を備えるものであってもよい。この実施例では、キャップ３ａが外筒２に装着されていない状態において、図１４に示すように、複数のリブ３５部分を除き、弾性シール部材６ａは、外側面がキャップ３ａの内面と近接したものとなっている。

　本発明のシリンジは、図１５，図１６、図４７に示すように、上記のシリンジ用外筒１，１ａと、シリンジ用外筒１，１ａ内に摺動可能に収納されたガスケット７と、ガスケット７に装着されるプランジャ５を有している。
　また、本発明のプレフィルドシリンジ１０、１０ａは、図１５，図１６、図４７に示すように、上記のシリンジ用外筒１，１ａと、シリンジ用外筒１，１ａ内に摺動可能に収納されたガスケット７と、シリンジ用外筒内に収納された医療用液体と、ガスケット７に装着されるプランジャ５を有している。

　ガスケット７としては、公知のものが使用される。図示するガスケット７は、筒状本体部７１と、閉塞先端部７２と、筒状本体部７１の外面に形成された先端側リブ７４と、後端側リブ７５と、内面に形成された内腔部７３を備えている。このガスケットは、内腔部７３の内面に螺合用リブを備えている。

　プランジャ５としては、公知のものが使用される。図示するプランジャ５は、ガスケット７の基端面を押圧可能なフランジ部を先端側に有する本体部５１と、本体部５１より、前方に突出し、ガスケット７の内腔部７３内に進入可能な先端部５２とを有する。本体部５１の基端には、プランジャ押圧部５３が設けられている。先端部５２は、小径筒状部であり、ガスケット７の内腔部７３の内面に設けられた螺合用リブと螺合可能な螺合用リブを備えている。
　医療用液体としても公知のものを用いることができる。医療用液体としては、具体的には、薬液、フラッシュ液、造影剤などが用いられる。

　次に、図１７ないし図２７に示す実施例のシリンジ用外筒１ｂについて説明する。
　この実施例のシリンジ用外筒１ｂにおいても、外筒２は、上述したシリンジ用外筒１と同じものが用いられている。
　そして、このシリンジ用外筒１ｂでは、キャップ３ｂおよびシール部材６ｂが用いられている。

　シール部材６ｂは、図２１～図２３に示すように、ノズル部２２の先端開口を有する環状先端面に当接する下面を備える柱状体である。具体的には、シール部材６ｂは、ほぼ同一外径にて延びる円柱状のものとなっている。シール部材６ｂは、上面平坦部と、下面平坦部を備えている。下面平坦部が、ノズル部２２の先端開口を有する環状先端面に当接する。

　キャップ３ｂは、図２５～図２７に示すように、シール部材収納部３１に設けられた複数の内側面突出部３６を備え、空隙部１４は、隣り合う内側面突出部３６間により形成された複数の側部空隙部１４となっている。また、この実施例のキャップ３ｂでは、複数の内側面突出部３６がキャップの中心軸に対してほぼ等角度となるように設けられている。内側面突出部３６の数としては、３～６程度が好適であり、この実施例では、４となっている。

　キャップ３ｂは、筒状部材であり、弾性シール部材６ｂを収納するシール部材収納部３１と、シール部材収納部３１の上部に位置する閉塞部３７と、シール部材収納部３１より、下方に延び、ノズル部２２（具体的には、ノズル部２２の先端側部分）を収納するノズル部収納部３３と、ノズル部収納部３３の外面に形成されたキャップ側螺合部３３ａとを備える。
　キャップ３ｂのキャップ側螺合部３３ａは、上述したロックアダプタ４のアダプタ側螺合部４１ａと螺合可能なものとなっている。この実施形態では、キャップ側螺合部３３ａは、２本の螺旋状リブにより形成されている。
　キャップ３ｂの形成材料としては、キャップ３にて説明したものが好適に使用できる。

　そして、キャップ３ｂは、図１８、図１９、図２５～図２７に示すように、閉塞部３７に設けられた中央上部突出部３７ａを備えている。中央上部突出部３７ａの周縁部には、環状部３７ｂが設けられている。中央上部突出部３７ａは、外面および内面が、中央上部突出部３７ａの上端に向かって縮径するものとなっており、中央上部突出部３７ａの上端は、平面状となっている。
　また、閉塞部３７の下面には、環状平坦面１１ａが設けられており、この環状平坦面１１ａは、図１８および図１９に示すように、シール部材６ｂの上部と接触するものとなっている。また、中央上部突出部３７ａの内部には、隙間１７が形成されている。

　そして、この実施例のキャップ３ｂでは、図２４に示すように、キャップ３ｂが外筒２に装着されていない状態において、弾性シール部材６ｂの側面と隣り合う内側面突出部３６間により形成された複数の側部空隙部１４を備えている。複数の側部空隙部１４は孤立しており、連通しないものとなっている。また、キャップ３ｂの複数の内側面突出部３６は、キャップ３ｂの中心方向に延びるとともに、中心方向に向かって幅が広くなっている。さらに、複数の内側面突出部３６の先端面は、軸方向に延びる円弧状の凹部を備えている。このため、複数の内側面突出部３６の先端面は、図２４に示すように、弾性シール部材６の側面と向かい合い、良好に当接可能なものとなっている。この実施例では、複数の側部空隙部１４は、図２４に示すように、周縁方向に向かって、幅が広くなっている。

　そして、この実施例では、図１８に示すように、複数の内側面突出部３６の下部であるシール部材収納部３１の下部には、環状の隙間部１６が形成されており、この環状の隙間部１６は、複数の側部空隙部１４と連通している。なお、複数の内側面突出部３６は、外筒への装着時において、ノズル部２２の先端面に当接しないものであればよく、外筒への装着時において、複数の内側面突出部３６の下端は、ノズル部２２の先端面に近接するものであってもよい。

　また、この実施例のキャップ３ｂでは、図１８，図１９および図２０に示すように、キャップ３ｂが外筒２に装着され、キャップ３ｂのキャップ側螺合部３３ａとロックアダプタ４のアダプタ側螺合部４１ａとが螺合し、弾性シール部材６ｂがノズル部２２の先端開口を液密に封止した状態において、キャップ３ｂの閉塞部３７の下面の環状平坦面１１ａにより、弾性シール部材６ｂの上部が下方に押圧され、弾性シール部材６ｂの下面が、外筒２のノズル部２２の先端１２ａにて押圧された状態となっている。また、弾性シール部材６ｂの側面部は、内側面突出部３６の先端面と当接部１５にて当接するとともに、押圧されている。

　このため、弾性シール部材６ｂは、キャップ３ｂの内面とノズル部２２の先端により挟圧され、弾性変形している。具体的には、図２０に示すように、弾性シール部材６ｂは、側部が部分的に膨出し、言い換えれば、弾性シール部材６ｂは、周方向（側部方向、空隙部方向）に部分的に変形し、周方向（側部方向、空隙部方向）に延びた複数の膨出部６４が形成され、各膨出部６４は、対応する空隙部１４内に進入している。

　この実施例では、図２０に示すように、キャップ３ｂが外筒２に装着された状態において、弾性シール部材６ｂの膨出部６４（変形部）は、空隙部１４に進入可能なため、弾性シール部材６ｂの挟圧による反発力の発生が抑制される。このため、弾性シール部材６ｂの挟圧による反発に起因するキャップ３ｂのロックアダプタ４からの離脱が防止される。
　また、この実施例では、弾性シール部材６ｂの上部が、閉塞部３７の環状部３７ｂの下面である環状平坦面１１ａにより、リング状に押圧され、弾性シール部材６ｂの下面平面部が、外筒２のノズル部２２の先端面にてリング状に押圧され、弾性シール部材６ｂの側面部は、内側面突出部３６の先端面により押圧されている。

　なお、この実施例では、図２０に示すように、各膨出部６４は、進入した空隙部１４の全体を埋めることなく、空隙部１４の一部、図２０に示すものでは、空隙部１４の側部が残存するものとなっている。さらに、この実施例では、図１８，図１９に示すように、弾性シール部材６ｂのノズル部２２の先端開口内に位置する部分は、少し膨出し、ノズル部２２の先端開口内に進入している。なお、キャップ３ｂとしては、キャップ３ｂが外筒２に装着された状態において、各膨出部６４が進入する空隙部１４の全体を埋め、空隙部１４が実質的に消失するものであってもよい。

　さらに、この実施例のキャップ３ｂでは、図２５～図２７に示すように、キャップ３ｂは、複数の内側面突出部３６の下端より、キャップ３ｂの下端方向に延びる複数のリブ３５を備えている。また、この実施例のキャップ３ｂでは、複数本のリブ３５がキャップの中心軸に対してほぼ等角度となるように設けられている。リブ３５の数としては、３～６本程度が好適であり、この実施例では、４本のリブとなっている。また、この実施例では、リブ３５は、キャップ３ｂの内面上端部より、下端方向に延び、かつ、下端に到達しない部位にて終端している。さらに、リブ３５の終端面は、終端方向に向かって低くなる傾斜面となっている。
　弾性シール部材６ｂは、キャップ３ｂの内面とノズル部２２の先端間の挟圧により、弾性変形可能であり、かつ、ノズル部２２の先端開口を液密に密封可能な弾性材料が用いられる。弾性シール部材６ｂの形成材料としては、弾性シール部材６にて説明したものが好適に使用される。

　また、本発明のシリンジ用外筒としては、図２８～図３０に示す弾性シール部材６ｃを用いるものであってもよい。
　シール部材６ｃは、図２８～図３０に示すように、ノズル部２２の先端開口を有する環状先端面に当接する下面を備える柱状体であり、円柱状本体部８１と、円柱状本体部８１の下部に設けられた環状フランジ８２を備えている。このシール部材６ｃは、図３１および図３２に示すように、上述した図２５～図２７に示したキャップ３ｂに用いることができる。環状フランジ８２を備えることにより、ノズル部２２の先端面との接触面積が増加する。さらに、弾性シール部材としては、図３３～図３５に示す弾性シール部材６ｄのように、環状フランジ８２に、キャップ３ｂの内面に形成されたリブ３５に対応する凹部８４を有するものであってもよい。

　また、本発明のシリンジ用外筒としては、図３６～図３８に示す弾性シール部材６ｅを用いるものであってもよい。このシール部材６ｅは、図３９および図４０に示すように、上述した図２５～図２７に示したキャップ３ｂに用いることができる。

　この実施例のシール部材６ｅは、図３６～図３８に示すように、ノズル部２２の先端開口を有する環状先端面に当接する下面を備える柱状体であり、円柱状本体部８１ａと、円柱状本体部８１ａの側部に設けられた複数の凹部８５を備える。具体的には、キャップ３ｂは、上述したように、複数の内側面突出部３６を備え、空隙部１４は、隣り合う内側面突出部３６間により形成された複数の側部空隙部である。この実施例の弾性シール部材６ｅは、円柱状本体部８１ａの側部に、側面突出部３６の先端側部分を受け入れ可能な複数の突出部用凹部８５を備えている。そして、図３６に示すように、突出部用凹部８５は、弾性シール部材（円柱状本体部８１ａ）の上面より、下面方向に延びかつ、下面に到達しないものとなっており、突出部用凹部底面部（突出部用凹部８５の底部）を備えている。このため、キャップ３ｂの外筒２への装着時において、突出部用凹部底面部（突出部用凹部８５の底部）は、複数の突出部用凹部８５の下面とノズル部２２の先端面間にて、挟圧される。

　そして、図３９に示すように、キャップ３ｂの外筒２への装着前において、キャップの側面突出部３６の先端側部分は、突出部用凹部８５内に収納されたものとなる。また、突出部用凹部８５間に位置する部分のシール部材６ｅは、空隙部１４の一部である側面突出部３６間に進入した状態となる。そして、この実施例においても、キャップ３ｂの外筒２への装着時において、図４０に示すように、弾性シール部材６ｅは、側部が部分的に膨出し、言い換えれば、弾性シール部材６ｅは、周方向に部分的に変形し、周方向に延びた複数の膨出部６４が形成され、各膨出部６４は、対応する空隙部１４内に進入する。

　さらに、上述したシール部材６ｅは、図４１～図４３に示すシール部材６ｆのように、円柱状本体部８１ｂの下部に設けられた環状フランジ８２を備えるものであってもよい。環状フランジ８２を備えることにより、ノズル部２２の先端面との接触面積が増加する。さらに、弾性シール部材としては、図４４～図４６に示す弾性シール部材６ｇのように、環状フランジ８２に、キャップ３ｂの内面に形成されたリブ３５に対応する凹部８４を有するものであってもよい。

　本発明のシリンジ用外筒は、先端に設けられたノズル部と、ノズル部を被包するロック用筒状部とを備える外筒と、外筒に着脱可能なキャップと、キャップ内に収納され、ノズル部の先端開口を封止するための弾性シール部材とを備えるシリンジ用外筒である。そして、キャップは、筒状部材であり、弾性シール部材を収納するシール部材収納部と、シール部材収納部の上部に位置する閉塞部と、シール部材収納部より、下方に延び、ノズル部を収納するノズル部収納部と、ノズル部収納部の外面に形成されたキャップ側螺合部と、少なくとも外筒への装着前において、シール部材収納部の上部と弾性シール部材の上面周縁部間またはシール部材収納部の内側部と弾性シール部材の外側部間に形成された空隙部とを備え、外筒のロック用筒状部は、内面にキャップ側螺合部と螺合可能なロック用筒状部側螺合部を備え、弾性シール部材は、キャップの外筒への装着時において、キャップの内面とノズル部の先端により挟圧され、弾性変形し、弾性変形により形成された膨出部が、空隙部内に位置するものとなっている。
　上記シリンジ用外筒では、外筒のノズル部にキャップを装着し、シール部材が圧縮されシール部材の潰し量が大きくても、潰しに起因する膨出部（変形部）は、上記の空隙部に進入するので、シール部材の反発力の発生を少なくすることができる。このため、このキャップを装着後のシリンジ用外筒からのキャップの離脱が生じる可能性が極めて少ない。

　本発明のシリンジ用外筒は、以下のものである。
　（１）　先端に設けられたノズル部と、前記ノズル部を被包するロック用筒状部とを備える外筒と、前記外筒に着脱可能なキャップと、前記キャップ内に収納され、前記ノズル部の先端開口を封止するための弾性シール部材とを備えるシリンジ用外筒であって、
　前記キャップは、筒状部材であり、前記弾性シール部材を収納するシール部材収納部と、前記シール部材収納部の上部に位置する閉塞部と、前記シール部材収納部より下方に延び、前記ノズル部を収納するノズル部収納部と、前記ノズル部収納部の外面に形成されたキャップ側螺合部と、少なくとも前記外筒への装着前において、前記シール部材収納部の上部と前記弾性シール部材の上面周縁部間または前記シール部材収納部の内側部と前記弾性シール部材の外側部間により形成された空隙部とを備え、
　前記外筒の前記ロック用筒状部は、内面に前記キャップ側螺合部と螺合可能なロック用筒状部側螺合部を備え、
　前記弾性シール部材は、前記キャップの前記外筒への装着時において、前記キャップの内面と前記ノズル部の先端により挟圧され、弾性変形し、弾性変形により形成された膨出部が、前記空隙部内に位置するシリンジ用外筒。

　このシリンジ用外筒は、先端に設けられたノズル部と、ノズル部を被包するロック用筒状部とを備える外筒と、外筒に着脱可能なキャップと、キャップ内に収納され、ノズル部の先端開口を封止するための弾性シール部材とを備えるシリンジ用外筒である。そして、キャップは、筒状部材であり、弾性シール部材を収納するシール部材収納部と、シール部材収納部の上部に位置する閉塞部と、シール部材収納部より、下方に延び、ノズル部を収納するノズル部収納部と、ノズル部収納部の外面に形成されたキャップ側螺合部と、少なくとも外筒への装着前において、シール部材収納部の上部と弾性シール部材の上面周縁部間またはシール部材収納部の内側部と弾性シール部材の外側部間に形成された空隙部とを備え、外筒のロック用筒状部は、内面にキャップ側螺合部と螺合可能なロック用筒状部側螺合部を備え、弾性シール部材は、キャップの外筒への装着時において、キャップの内面とノズル部の先端により挟圧され、弾性変形し、弾性変形により形成された膨出部が、空隙部内に位置するものとなっている。
　上記シリンジ用外筒では、外筒のノズル部にキャップを装着し、シール部材が圧縮されシール部材の潰し量が大きくても、潰しに起因する膨出部（変形部）は、上記の空隙部に進入するので、シール部材の反発力の発生を少なくすることができる。このため、このキャップを装着後のシリンジ用外筒からのキャップの離脱が生じる可能性が極めて少ない。

　また、上記の実施態様は、以下のものであってもよい。
　（２）　前記ロック用筒状部は、前記ノズル部に回転可能に装着されたロックアダプタである上記（１）に記載のシリンジ用外筒。
　（３）　前記ロック用筒状部は、前記外筒に一体に形成されたカラー部である上記（１）に記載のシリンジ用外筒。
　（４）　前記弾性シール部材は、円柱状である上記（１）ないし（３）のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
　（５）　前記弾性シール部材は、円柱状本体部と、前記円柱状本体部の下部に設けられた環状フランジを備えている上記（１）ないし（３）のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
　（６）　前記キャップは、前記ノズル部収納部側より前記閉塞部方向に延びる複数のリブを備え、前記弾性シール部材は、側面が、前記複数のリブにより押圧されている上記（１）ないし（５）のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
　（７）　前記キャップは、前記ノズル部収納部側より前記閉塞部方向に延びる複数のリブを備え、前記弾性シール部材は、前記リブの先端側部分を受け入れ可能な複数のリブ用凹部を備えている上記（１）ないし（６）のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
　（８）　前記弾性シール部材は、前記ノズル部の先端開口を有する環状先端面に当接する下面を備える柱状体である上記（１）ないし（７）のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
　（９）　前記閉塞部は、平面状下面を有する中央下部突出部を備え、前記弾性シール部材は、上面中央部が、前記中央下部突出部の前記平面状下面により、下方に押圧されている上記（１）ないし（８）のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
　（１０）　前記空隙部は、前記閉塞部の前記中央下部突出部の側面と、前記キャップの内側面上部と、前記弾性シール部材の上面周縁部間により形成された環状空隙部となっている上記（９）に記載のシリンジ用外筒。
　（１１）　前記空隙部は、前記閉塞部の前記中央下部突出部の側面と、前記キャップの内側面上部と、前記弾性シール部材の上面周縁部間により形成された環状空隙部となっており、前記キャップの前記外筒への装着時において、前記弾性シール部材の弾性変形により形成された軸方向上方に延びる上部環状膨出部が、前記空隙部に進入している上記（９）または（１０）に記載のシリンジ用外筒。
　（１２）　前記キャップは、前記シール部材収納部に設けられた複数の内側面突出部を備え、前記空隙部は、隣り合う前記内側面突出部間により形成された複数の側部空隙部である上記（１）ないし（８）のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
　（１３）　前記キャップは、前記シール部材収納部に設けられた複数の内側面突出部を備え、前記空隙部は、隣り合う前記内側面突出部間により形成された複数の側部空隙部であり、前記キャップの前記外筒への装着時において、前記弾性シール部材の弾性変形により形成された複数の側部膨出部が、前記側部空隙部に進入している上記（１）ないし（８）または（１２）のいずれかに記載のシリンジ用外筒。

　本発明のシリンジは、以下のものである。
　（１４）　上記（１）ないし（１３）のいずれかに記載のシリンジ用外筒と、前記シリンジ用外筒内に摺動可能に収納されたガスケットとからなるシリンジ。

　本発明のプレフィルドシリンジは、以下のものである。
　（１５）　前記キャップが前記外筒に装着された状態となっている上記（１）ないし（１３）のいずれかに記載のシリンジ用外筒と、前記シリンジ用外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記シリンジ用外筒内に収納された医療用液体とからなるプレフィルドシリンジ。

Claims

先端に設けられたノズル部と、前記ノズル部を被包するロック用筒状部とを備える外筒と、前記外筒に着脱可能なキャップと、前記キャップ内に収納され、前記ノズル部の先端開口を封止するための弾性シール部材とを備えるシリンジ用外筒であって、
　前記キャップは、筒状部材であり、前記弾性シール部材を収納するシール部材収納部と、前記シール部材収納部の上部に位置する閉塞部と、前記シール部材収納部より下方に延び、前記ノズル部を収納するノズル部収納部と、前記ノズル部収納部の外面に形成されたキャップ側螺合部と、少なくとも前記外筒への装着前において、前記シール部材収納部の上部と前記弾性シール部材の上面周縁部間または前記シール部材収納部の内側部と前記弾性シール部材の外側部間により形成された空隙部とを備え、
　前記外筒の前記ロック用筒状部は、内面に前記キャップ側螺合部と螺合可能なロック用筒状部側螺合部を備え、
　前記弾性シール部材は、前記キャップの前記外筒への装着時において、前記キャップの内面と前記ノズル部の先端により挟圧され、弾性変形し、弾性変形により形成された膨出部が、前記空隙部内に位置することを特徴とするシリンジ用外筒。
前記ロック用筒状部は、前記ノズル部に回転可能に装着されたロックアダプタである請求項１に記載のシリンジ用外筒。
前記ロック用筒状部は、前記外筒に一体に形成されたカラー部である請求項１に記載のシリンジ用外筒。
前記弾性シール部材は、円柱状である請求項１ないし３のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
前記弾性シール部材は、円柱状本体部と、前記円柱状本体部の下部に設けられた環状フランジを備えている請求項１ないし３のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
前記キャップは、前記ノズル部収納部側より前記閉塞部方向に延びる複数のリブを備え、前記弾性シール部材は、側面が、前記複数のリブにより押圧されている請求項１ないし５のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
前記キャップは、前記ノズル部収納部側より前記閉塞部方向に延びる複数のリブを備え、前記弾性シール部材は、前記リブの先端側部分を受け入れ可能な複数のリブ用凹部を備えている請求項１ないし６のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
前記弾性シール部材は、前記ノズル部の先端開口を有する環状先端面に当接する下面を備える柱状体である請求項１ないし７のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
前記閉塞部は、平面状下面を有する中央下部突出部を備え、前記弾性シール部材は、上面中央部が、前記中央下部突出部の前記平面状下面により、下方に押圧されている請求項１ないし８のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
前記空隙部は、前記閉塞部の前記中央下部突出部の側面と、前記キャップの内側面上部と、前記弾性シール部材の上面周縁部間により形成された環状空隙部となっている請求項９に記載のシリンジ用外筒。
前記空隙部は、前記閉塞部の前記中央下部突出部の側面と、前記キャップの内側面上部と、前記弾性シール部材の上面周縁部間により形成された環状空隙部となっており、前記キャップの前記外筒への装着時において、前記弾性シール部材の弾性変形により形成された軸方向上方に延びる上部環状膨出部が、前記空隙部に進入している請求項９または１０に記載のシリンジ用外筒。
前記キャップは、前記シール部材収納部に設けられた複数の内側面突出部を備え、前記空隙部は、隣り合う前記内側面突出部間により形成された複数の側部空隙部である請求項１ないし８のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
前記キャップは、前記シール部材収納部に設けられた複数の内側面突出部を備え、前記空隙部は、隣り合う前記内側面突出部間により形成された複数の側部空隙部であり、前記キャップの前記外筒への装着時において、前記弾性シール部材の弾性変形により形成された複数の側部膨出部が、前記側部空隙部に進入している請求項１ないし８または１２のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
請求項１ないし１３のいずれかに記載のシリンジ用外筒と、前記シリンジ用外筒内に摺動可能に収納されたガスケットとからなることを特徴とするシリンジ。
前記キャップが前記外筒に装着された状態となっている請求項１ないし１３のいずれかに記載のシリンジ用外筒と、前記シリンジ用外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記シリンジ用外筒内に収納された医療用液体とからなることを特徴とするプレフィルドシリンジ。