WO2023166671A1

WO2023166671A1 - 空気調和機および空気調和システム

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Publication number: WO2023166671A1
Application number: PCT/JP2022/009176
Authority: WO
Inventors: 亨貴大島; 卓也神田; 吉博森本
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2022-03-03
Filing date: 2022-03-03
Publication date: 2023-09-07
Also published as: JPWO2023166671A1

Abstract

空気調和機（１０）は、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部（１１２）と、生体情報をユーザに特有の生体情報の傾向を反映した個人適合後生体情報に変換する変換部（１１４）と、を備える。変換部（１１４）は、予め決められた過去の取得期間に取得された複数の生体情報の値に基づいて、ユーザに特有の生体情報の傾向を反映した上下限値を設定し、上下限値の範囲における生体情報の値の割合を個人適合後生体情報として算出する。

Description

空気調和機および空気調和システム

　本開示は、ユーザの生体情報値を取得可能な空気調和機および空気調和システムに関する。

　従来、センサによって取得された人の生体情報に基づいて空気調和機を制御する装置が知られている。特許文献１には、ドップラーセンサの検出値が閾値を超えた場合に人の体動を検出する睡眠状態判定システムが開示されている。

　特許文献１に開示された睡眠状態判定システムでは、検出された体動に対応して人の睡眠状態を判定し、人の睡眠状態の判定結果に対応して空気調和機の運転が制御される。閾値は、決められた期間の人の着床時におけるドップラーセンサの検出値の最大値の最新平均値と、最初の決められた期間の人の着床時におけるドップラーセンサの検出値の最大値の初期平均値との差分が予め決められた値以上である場合に更新される。睡眠状態判定システムでは、人とドップラーセンサとの距離の変化に対応して、閾値が新たに決定し直されるので、人とドップラーセンサとの間の距離が変化した場合であっても、正確に体動を検出することができる。

特開２０１９－１３００４５号公報

　しかしながら、一般的にセンサによって検出される人の生体情報の値には個人差がある。例えば、ある期間中、あるユーザについてセンサにより取得された生体情報の値の１００分率値において、２０％以上６０％以下の値しか提示されない場合がある。この場合、このユーザにとっては６０％の値が当該ユーザの生体情報が取り得る最大値である１００％であるにもかかわらず、生体情報の最大値であると評価されないことがユーザの不満につながる懸念がある。このような懸念は、特許文献１に開示された睡眠状態判定システムのようなシステムでは解消されない。

　本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、取得された生体情報にユーザ個人に特有の生体情報の傾向を反映して、取得された生体情報をユーザごとに適切な生体情報に変換できる空気調和機を得ることを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる空気調和機は、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、生体情報をユーザに特有の生体情報の傾向を反映した個人適合後生体情報に変換する変換部と、を備える。変換部は、予め決められた過去の取得期間に取得された複数の生体情報の値に基づいて、ユーザに特有の生体情報の傾向を反映した上下限値を設定し、上下限値の範囲における生体情報の値の割合を個人適合後生体情報として算出する。

　本開示によれば、取得された生体情報にユーザ個人に特有の生体情報の傾向を反映して、取得された生体情報をユーザごとに適切な生体情報に変換できる、という効果を奏する。

実施の形態１にかかる空気調和システムの構成を示す構成図実施の形態１にかかる空気調和機の室内機の機能構成を示すブロック図実施の形態１にかかる空気調和機のリモートコントローラの機能構成を示すブロック図実施の形態１にかかるサーバの構成を示すブロック図実施の形態１にかかる外部端末の構成を示すブロック図実施の形態１にかかる空気調和システムの動作の手順を示すフローチャート実施の形態２における空気調和システムの動作の手順を示すフローチャート実施の形態１，２にかかる制御部のそれぞれの機能をハードウェアで実現した構成を示す図実施の形態１，２にかかる制御部のそれぞれの機能をソフトウェアで実現した構成を示す図

　以下に、実施の形態にかかる空気調和機および空気調和システムを図面に基づいて詳細に説明する。

実施の形態１．
　図１は、実施の形態１にかかる空気調和システム１００の構成を示す構成図である。図１に示すように、実施の形態１にかかる空気調和システム１００は、空気調和機１０と、サーバ２０と、外部端末３０と、を備える。

　空気調和機１０は、空気調和機１０の空気調和対象領域である室内に設置された室内機１１と、室外に設置された室外機１２と、空気調和機１０に対する制御指示命令を室内機１１に送信するリモートコントローラ１３と、を備える。室外機１２は、不図示の通信線を介して室内機１１と通信可能とされている。以下では、リモートコントローラをリモコンと呼ぶ場合がある。

　室内機１１とサーバ２０とは、通信可能である。また、室内機１１とサーバ２０と外部端末３０とは、グローバルな情報通信網であるインターネット４０等のネットワークを介して、互いに通信可能に接続される。すなわち、室内機１１とサーバ２０と外部端末３０とは、ネットワークに接続し、互いに情報の送受信が可能とされている。

　空気調和機１０は、１つの完結した冷凍サイクルを室内機１１と室外機１２とで形成している。空気調和機１０は、不図示の冷媒管を通って室内機１１と室外機１２との間を循環する冷媒を使用して、空気調和対象領域である室内の空気と室外の空気との間で熱移動を行い、室内に対する空気調和を実現している。

　図２は、実施の形態１にかかる空気調和機１０の室内機１１の機能構成を示すブロック図である。室内機１１は、室内機空気調和部１１１と、生体情報取得部１１２と、室内機記憶部１１３と、変換部１１４と、室内機通信部１１５と、空気調和制御部１１６と、を有する。室内機記憶部１１３と変換部１１４と室内機通信部１１５と空気調和制御部１１６とは、室内機１１用の１つの制御基板である室内機制御基板１１７に実装されている。

　室内機空気調和部１１１は、一般的な空気調和機の室内機における空気調和機能を有し、空気調和対象領域である室内の空気調和を行う。室内機空気調和部１１１は、室内機１１に取り込まれた空気と冷媒回路中を流れる冷媒との熱交換を行う不図示の室内熱交換器、室内熱交換器で熱交換された調和空気を室内機１１から室内に送り出す不図示の送風ファン、調和空気を室内機１１から送り出す方向を調整する不図示の風向調整部などを備えている。室内機１１に取り込まれる空気は、室内機１１が設置された部屋の室内空気である。

　生体情報取得部１１２は、空気調和制御部１１６の制御に従って、空気調和機１０の空気調和対象空間である室内に在室しているユーザの生体情報を、予め決められた周期で検出し、収集する。生体情報取得部１１２は、空気調和制御部１１６によって指示された１種以上の種類の生体情報を取得する。生体情報取得部１１２は、室内に在室しているユーザが複数人である場合には、室内に在室している複数人のユーザの生体情報を、ユーザごとに取得する。生体情報取得部１１２は、取得したユーザの生体情報の検出値を変換前生体情報値５１として、室内機記憶部１１３に記憶させる。生体情報取得部１１２は、複数人のユーザの生体情報を取得している場合には、ユーザごとに、変換前生体情報値５１を室内機記憶部１１３に記憶させる。

　ここで、生体情報取得部１１２で検出された生体情報は、実測値であり、変換部１１４によって変換されていない。このため、実施の形態１では、生体情報取得部１１２が検出した生体情報の値を、変換前生体情報値５１と呼ぶ。

　また、後述するように変換部１１４によって変換前生体情報値５１が変換された生体情報の値は、変換前生体情報値５１が予め決められた条件で変換されている。このため、実施の形態１では、変換部１１４によって変換前生体情報値５１が変換された生体情報の値を、変換後生体情報値６０と呼ぶ。

　また、後述する適合後生体情報値６１は、変換前生体情報値５１に対してユーザに特有の生体情報の傾向を反映して、ユーザに特有の生体情報の傾向に適合させた生体情報の値である。このため、実施の形態１では、ユーザに特有の生体情報の傾向を反映して、ユーザに特有の生体情報の傾向に適合させた生体情報の値を、適合後生体情報値６１と呼ぶ。

　また、後述する既定変換後生体情報値６２は、変換前生体情報値５１に対してユーザに特有の生体情報の傾向を反映して、ユーザに特有の生体情報の傾向に適合させた生体情報の値ではなく、予め決められた既定上下限値に基づいて変換前生体情報値５１が変換されている。このため、実施の形態１では、変換前生体情報値５１に対してユーザに特有の生体情報の傾向を反映して、ユーザに特有の生体情報の傾向に適合させた生体情報の値ではなく、予め決められた既定上下限値に基づいて変換前生体情報値５１が変換された生体情報の値を、既定変換後生体情報値６２と呼ぶ。

　なお、実施の形態１では生体情報取得部１１２が室内機１１に設けられている場合について説明しているが、生体情報取得部１１２の配置位置は室内機１１に限定されない。生体情報取得部１１２は、室内における室内機１１の外部に設けられてもよい。

　生体情報取得部１１２で取得されるユーザの生体情報は、例えばストレス、集中度、眠気度、疲労度および喜怒哀楽といった生体情報が例示される。生体情報取得部１１２が取得するユーザの生体情報は、１種類に限定されない。生体情報取得部１１２は、１人のユーザに対して複数種類の生体情報を同時に取得することができる。

　変換前生体情報値５１は、生体情報取得部１１２において取得されたユーザの生体情報であり、生体情報取得部１１２において取得された実測値である。生体情報取得部１１２において測定された変換前生体情報値５１は、日時情報が関連付けられて室内機記憶部１１３に送られ、室内機記憶部１１３に記憶される。日時情報は、生体情報取得部１１２においてユーザの変換前生体情報値５１が測定された日時の情報である。

　生体情報取得部１１２が、予め決められた周期でユーザの変換前生体情報値５１を収集することにより、ユーザの体調の変化を記録として残すことができ、ユーザの異常状態を検出する際の情報として利用することができる。なお、生体情報取得部１１２は、ユーザにより指定されるタイミング、または予め決められたタイミングでユーザの変換前生体情報値５１を取得し、収集してもよい。

　生体情報取得部１１２は、例えばドップラーセンサによって構成される。なお、生体情報取得部１１２を構成するセンサは、所望の生体情報を適切に取得できるセンサであれば、センサの種類等は問わない。また、生体情報取得部１１２は、複数種類の生体情報を取得する場合には、生体情報の種類ごとに、生体情報の取得に適したセンサを備える。

　例えば、ドップラーセンサにより、ユーザの脈拍のデータを取得することができる。生体情報取得部１１２は、ドップラーセンサにより取得したユーザの脈拍のデータに基づいて、ユーザの生体情報、すなわちユーザの変換前生体情報値５１を取得することが可能である。一例としてストレス度について考えると、生体情報取得部１１２は、ユーザの脈拍の変動からユーザの自律神経のバランスであるストレス度を推定することができる。生体情報取得部１１２は、ストレス度＝ＬＦ／ＨＦの式を用いて、ユーザのストレス度の変換前生体情報値５１を取得することができる。

　この場合、生体情報取得部１１２は、脈拍の変動の時系列データから、呼吸変動に対応する高周波（High　Frequency：ＨＦ）変動成分と、血圧変動であるメイヤー波（Mayer　wave）に対応する低周波（Low　Frequency：ＬＦ）成分を抽出し、両者の大きさを比較する。そして、生体情報取得部１１２は、ＬＦ／ＨＦの値を、交感神経の活性度であるストレス指標として取得することができる。

　また、生体情報取得部１１２には、ドップラーセンサの他に、周波数変調連続波（Frequency　Modulated　Continuous　Wave：ＦＭＣＷ）、音波センサといったセンサを用いることも可能である。

　室内機記憶部１１３は、空気調和機１０の運転を制御するための各種の制御設定値およびプログラムなどの情報が記憶されている記憶部である。室内機記憶部１１３は、生体情報取得部１１２において取得された変換前生体情報値５１を、ユーザごとに分けて記憶する。すなわち、室内機記憶部１１３は、生体情報取得部１１２において取得された変換前生体情報値５１を記憶する記憶部としての機能を有する。室内機記憶部１１３は、不揮発性の記憶部であり、フラッシュメモリなどの半導体記憶媒体で構成される。

　なお、実施の形態１では生体情報取得部１１２において取得された変換前生体情報値５１を記憶する記憶部としての機能を室内機記憶部１１３に持たせる場合について説明しているが、生体情報取得部１１２において取得された変換前生体情報値５１を記憶する記憶部の配置位置は室内機記憶部１１３に限定されない。生体情報取得部１１２において取得された変換前生体情報値５１を記憶する記憶部は、サーバ２０あるいは外部端末３０に設けられてもよい。

　変換部１１４は、予め決められた過去の取得期間の変換前生体情報値５１を室内機記憶部１１３から取得する。すなわち、変換部１１４は、生体情報取得部１１２においてユーザの生体情報の取得が開始されてから、予め決められた取得期間の変換前生体情報値５１を室内機記憶部１１３から取得する。変換部１１４は、生体情報の取得対象であるユーザが複数人である場合には、ユーザごとに変換前生体情報値５１を室内機記憶部１１３から取得する。

　取得期間は、空気調和制御部１１６において生体情報取得モードの設定がオンに設定され、ユーザの生体情報の取得が開始されてから、変換前生体情報値５１の取得数が、変換前生体情報値５１の後述する適切な個人設定上下限値を設定し得る程度の取得数に達するまでの、任意の長さの期間である。

　そして、変換部１１４は、室内機記憶部１１３から取得した取得期間における変換前生体情報値５１に基づいて、ユーザに対して適切な個人設定上下限値を設定する。そして、変換部１１４は、室内機記憶部１１３から取得した変換前生体情報値５１のそれぞれについて、設定した上下限値に対する１００分率化を行って、適合後生体情報値６１を算出する。

　すなわち、変換部１１４は、予め決められた過去の取得期間に取得された複数の変換前生体情報値５１に基づいて、ユーザに特有の生体情報の傾向を反映した上下限値を設定し、上下限値の範囲における変換前生体情報値５１の割合を個人適合後生体情報として算出する。また、変換部１１４は、複数のユーザについて過去の取得期間に取得された複数の変換前生体情報値５１をユーザごとに空気調和制御部１１６から取得して、ユーザごとに個人適合後生体情報を算出する。

　また、変換部１１４は、ユーザによって入力されたユーザの身体状態の情報の入力の操作に対応した情報であるユーザ入力生体情報と、変換前生体情報値５１とに基づいて、個人設定上下限値を設定し、記憶する。そして、変換部１１４は、室内機記憶部１１３から取得した変換前生体情報値５１について、設定した上下限値に対する１００分率化を行って、適合後生体情報値６１を算出する。

　すなわち、変換部１１４は、空気調和制御部１１６から取得した変換前生体情報値５１と、空気調和機１０の外部から入力されるユーザによって入力された生体情報値とに基づいて、変換前生体情報値５１をユーザに特有の生体情報の傾向を反映した個人適合後生体情報を算出する。

　なお、実施の形態１では変換部１１４が室内機１１の室内機制御基板１１７に設けられている場合について説明しているが、変換部１１４の配置位置は室内機制御基板１１７に限定されない。変換部１１４は、空気調和システム１００において、サーバ２０あるいは外部端末３０に設けられてもよい。なお、変換前生体情報値５１を記憶する記憶部がサーバ２０に設けられる場合には、変換部１１４はサーバ２０あるいは外部端末３０に設けられることが好ましい。また、変換前生体情報値５１を記憶する記憶部が外部端末３０に設けられる場合には、変換部１１４は外部端末３０に設けられることが好ましい。

　室内機通信部１１５は、空気調和システム１００における室内機１１以外の各構成部に設けられた通信部である外部の通信部との間で通信を行う。すなわち、室内機通信部１１５は、リモコン１３の後述するリモコン通信部１３４、室外機１２の不図示の通信部、サーバ２０の後述するサーバ通信部２１および外部端末３０の後述する端末通信部３４との間で、通信を行う。室内機通信部１１５は、外部の通信部から受信した情報を空気調和制御部１１６に送信する。外部の通信部と室内機通信部１１５との間の通信方法は、有線通信であってもよく、赤外線通信、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）（Ｗｉｒｅｌｅｓｓ　Ｆｉｄｅｌｉｔｙ）あるいはＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）などを用いた無線通信であってもよい。

　室内機通信部１１５は、サーバ２０と接続可能とされている。すなわち、室内機通信部１１５は、サーバ２０と通信可能とされている。室内機通信部１１５とサーバ２０とは、例えばインターネット４０を介して通信可能とされている。室内機通信部１１５は、変換部１１４によって変換された変換後生体情報値６０を、インターネット４０を介してサーバ２０に送信する。すなわち、室内機通信部１１５は、変換後生体情報値６０をサーバ２０に送信する通信部としての機能を有する。

　空気調和制御部１１６は、空気調和機１０の全体の動作を制御する制御部であり、室内機１１および室外機１２の動作を制御して空気調和機１０の運転を制御する。すなわち、空気調和制御部１１６は、空気調和制御部１１６に設定される設定温度と、室内温度と、室外温度とに基づいて、室外機１２が備える圧縮機を動作させ、冷房または暖房運転を実施する。

　空気調和制御部１１６は、リモコン１３あるいは外部端末３０から送信される設定オン情報および設定オフ情報を受信する。設定オン情報は、生体情報取得部１１２において生体情報を取得する機能である生体情報取得モードの設定をオンにする旨の指示情報である。設定オフ情報は、生体情報取得部１１２において生体情報を取得する機能である生体情報取得モードの設定をオフにする旨の指示情報である。

　空気調和制御部１１６は、設定オン情報を受信すると、空気調和制御部１１６における生体情報取得モードの設定をオンに設定し、生体情報取得部１１２における生体情報の取得を開始する制御を行う。すなわち、空気調和制御部１１６は、生体情報取得部１１２における生体情報の取得の開始を指示する旨の情報である取得開始指示情報を生体情報取得部１１２に送信する。

　取得開始指示情報には、取得対象の生体情報の種類である、生体情報取得部１１２において取得が行われる生体情報の種類を指示する種類情報が含まれる。取得対象の生体情報の種類の情報は、予め決められて空気調和制御部１１６に記憶されている。なお、取得対象の生体情報の種類の情報は、室内機記憶部１１３に記憶されてもよい。また、取得対象の生体情報の種類は、リモコン１３または外部端末３０から任意の種類に変更可能である。

　空気調和制御部１１６は、設定オフ情報を受信すると、空気調和制御部１１６における生体情報取得モードの設定をオフに設定し、生体情報取得部１１２における生体情報の取得を停止する制御を行う。すなわち、空気調和制御部１１６は、生体情報取得部１１２における生体情報の取得の停止を指示する旨の情報である取得停止指示情報を生体情報取得部１１２に送信する。

　リモコン１３は、空気調和機１０に対する制御指示情報を室内機１１に送信して空気調和機１０の運転を制御する、空気調和機１０の操作装置である。図３は、実施の形態１にかかる空気調和機１０のリモートコントローラ１３の機能構成を示すブロック図である。リモコン１３は、リモートコントローラ操作部１３１と、リモートコントローラ表示部１３２と、リモートコントローラ記憶部１３３と、リモートコントローラ通信部１３４と、リモートコントローラ制御部１３５と、を備える。上記のリモコン１３の各構成部は、互いに情報の授受が可能である。

　リモコン操作部１３１は、ユーザが要求する空気調和機１０の空気調和に関する設定操作を受け付ける。すなわち、リモコン操作部１３１は、空気調和機１０の運転を遠隔制御するためのインタフェースであり、ユーザから空気調和機１０の運転に関わる操作を受け付ける。リモコン操作部１３１は、ユーザからの操作を受け付けると、ユーザの操作に対応した情報を操作情報としてリモコン制御部１３５に送信する。

　リモコン操作部１３１は、空気調和機１０の運転開始、空気調和機１０の運転停止、空気調和機１０の運転モードの選択、設定温度の変更、設定湿度の変更、風量の設定、風向の設定、操作禁止事項の設定変更といった、空気調和機１０における空気調和運転に係わる様々な機能をユーザが任意に選択できるように構成されている。

　リモコン操作部１３１は、生体情報取得部１１２において生体情報を取得する機能である生体情報取得モードの設定をオンにする旨の操作である設定オン操作をユーザから受け付ける。リモコン操作部１３１は、ユーザによる設定オン操作を受け付けると、設定オン操作に対応した情報である設定オン情報をリモコン制御部１３５に送信する。

　リモコン操作部１３１は、生体情報取得部１１２において生体情報を取得する機能である生体情報取得モードの設定をオフにする旨の操作である設定オフ操作をユーザから受け付ける。リモコン操作部１３１は、ユーザによる設定オフ操作を受け付けると、設定オフ操作に対応した情報である設定オフ情報をリモコン制御部１３５に送信する。

　リモコン表示部１３２は、各種情報を表示する表示部であり、空気調和機１０の設定温度および運転モードといった空気調和機１０による空気調和において必要となる情報および状態の表示を行い、リモコン操作部１３１での操作に対応した画面を切り替えて表示する。

　リモコン記憶部１３３は、空気調和機１０における空気調和処理に必要な各種の情報を記憶し、リモコン表示部１３２に表示するための設定内容、設定内容に関する画像データなどの情報を一時的または長期的に記憶する。

　リモコン通信部１３４は、室内機１１の室内機通信部１１５との間で、リモコン通信部１３４から室内機通信部１１５への、情報の片方向通信あるいは情報の双方向通信が可能である。なお、室内機通信部１１５とリモコン通信部１３４との間の通信は、無線通信であってもよく、有線通信であってもよい。

　リモコン制御部１３５は、リモコン１３全体の動作を制御する。リモコン制御部１３５は、リモコン操作部１３１から送信される操作情報に基づいて、リモコン１３の制御を行う。また、リモコン制御部１３５は、リモコン操作部１３１から送信された操作情報を室内機１１の空気調和制御部１１６に送信する。

　リモコン制御部１３５は、設定オン情報をリモコン操作部１３１から受信すると、リモコン通信部１３４を介して設定オン情報を室内機１１の室内機通信部１１５に送信する制御を行う。また、リモコン制御部１３５は、設定オフ情報をリモコン操作部１３１から受信すると、リモコン通信部１３４を介して設定オフ情報を室内機１１の室内機通信部１１５に送信する制御を行う。

　サーバ２０は、空気調和機１０の室内機１１から取得した変換後生体情報値６０を記憶し、当該変換後生体情報値６０を外部端末３０へ送信する。サーバ２０は、インターネット４０を介して通信可能に接続された空気調和機１０の室内機１１から、変換後生体情報値６０が送信される。すなわち、サーバ２０は、インターネット４０を介して室内機１１から変換後生体情報値６０を取得することができる。これにより、サーバ２０は、変換後生体情報値６０を室内機１１と共有している。そして、サーバ２０は、室内機１１から取得した変換後生体情報値６０を、インターネット４０を介して外部端末３０に送信することができる。サーバ２０には、クラウドサーバまたは物理サーバを用いることができる。

　図４は、実施の形態１にかかるサーバ２０の構成を示すブロック図である。サーバ２０は、サーバ通信部２１と、サーバ記憶部２２と、サーバ制御部２３と、を備える。上記のサーバ２０の各構成部間においては、互いに情報の授受が可能である。

　サーバ通信部２１は、室内機１１の室内機通信部１１５と通信可能とされている。室内機１１の室内機通信部１１５とサーバ通信部２１とは、例えばインターネット４０を介して通信可能とされている。サーバ通信部２１は、室内機１１の室内機通信部１１５から送信された変換後生体情報値６０を、インターネット４０を介して受信する。サーバ通信部２１は、受信した変換後生体情報値６０を、サーバ記憶部２２に送信して記憶させる。また、サーバ通信部２１は、サーバ制御部２３から送信された空気調和の制御指示情報などの情報を、室内機１１の室内機通信部１１５に送信する。

　サーバ通信部２１は、外部端末３０の後述する端末通信部３４と通信可能とされている。外部端末３０の端末通信部３４とサーバ通信部２１とは、例えばインターネット４０を介して通信可能とされている。サーバ通信部２１は、サーバ制御部２３から送信された空気調和の制御指示情報などの情報を、インターネット４０を介して外部端末３０の端末通信部３４に送信する。

　サーバ記憶部２２は、空気調和機１０の室内機１１から取得した変換後生体情報値６０などの各種の情報を記憶する。

　サーバ制御部２３は、サーバ２０の全体の処理を制御する。また、サーバ制御部２３は、空気調和機１０の室内機１１から変換後生体情報値６０を取得して、サーバ記憶部２２に記憶させる制御を行う。また、サーバ制御部２３は、空気調和機１０の室内機１１から取得した変換後生体情報値６０を、インターネット４０を介して外部端末３０に送信する制御を行う。

　なお、上記においては、空気調和機１０の室内機１１がサーバ２０を介して外部端末３０との間で通信を行う構成について説明しているが、空気調和機１０の室内機１１がサーバ２０を介さずに外部端末３０との間で直接通信を行う構成とすることも可能である。空気調和機１０の室内機１１と外部端末３０とが直接通信する場合には、サーバ２０は不要である。

　外部端末３０は、ユーザによる外部端末３０の操作に基づいてサーバ２０に接続し、サーバ２０から変換後生体情報値６０を取得する。外部端末３０は、サーバ２０から取得した変換後生体情報値６０を表示して、変換後生体情報値６０をユーザに提示する。すなわち、外部端末３０は、ユーザが変換後生体情報値６０を視認可能な装置である。外部端末３０の機能は、例えばスマートフォンのアプリケーション、ワールドワイドウェブ（Ｗｏｒｌｄ　Ｗｉｄｅ　Ｗｅｂ：Ｗｅｂ）に接続可能な通信機器、空気調和機１０のリモコン１３などによって実現可能である。

　図５は、実施の形態１にかかる外部端末３０の構成を示すブロック図である。外部端末３０は、端末操作部３１と、端末表示部３２と、端末記憶部３３と、端末通信部３４と、端末制御部３５と、を備える。上記の外部端末３０の各構成部間においては、互いに情報の授受が可能である。

　端末操作部３１は、ユーザ操作、すなわちユーザからの操作を受け付ける操作受付部である。ユーザからの操作には、遠隔で空気調和機１０の運転制御を行う操作、サーバ２０から変換後生体情報値６０を取得する操作、サーバ２０から取得した変換後生体情報値６０を端末表示部３２に表示させる操作、生体情報取得部１１２において生体情報を取得する機能である生体情報取得モードの設定をオンにする操作、生体情報取得モードの設定をオフにする操作といった操作が含まれる。端末操作部３１は、ユーザ操作の入力を受け付けて、ユーザ操作に対応する情報を端末制御部３５に送信する。端末操作部３１は、キーボード、マウス、タッチパネル機能を備えたタッチパネルディスプレイなどの入力機器により構成され、外部端末３０に対する操作がユーザによって行われる。

　端末操作部３１は、生体情報取得部１１２において生体情報を取得する機能である生体情報取得モードの設定をオンにする旨の操作である設定オン操作をユーザから受け付ける。端末操作部３１は、ユーザによる設定オン操作を受け付けると、設定オン操作に対応した情報である設定オン情報を端末制御部３５に送信する。

　端末操作部３１は、生体情報取得部１１２において生体情報を取得する機能である生体情報取得モードの設定をオフにする旨の操作である設定オフ操作をユーザから受け付ける。端末操作部３１は、ユーザによる設定オフ操作を受け付けると、設定オフ操作に対応した情報である設定オフ情報を端末制御部３５に送信する。

　端末表示部３２は、外部端末３０の内部の各種情報を表示する表示部である。また、端末表示部３２は、サーバ２０から取得した変換後生体情報値６０を表示する。

　端末記憶部３３は、外部端末３０の内部の各種情報を記憶する記憶部である。端末記憶部３３は、サーバ２０から送信された変換後生体情報値６０を記憶する。

　端末通信部３４は、インターネット４０に接続し、サーバ２０との間で通信を行う。端末通信部３４は、サーバ２０から送信された各種情報を端末制御部３５に送信する。端末通信部３４は、サーバ２０から送信された変換後生体情報値６０を端末制御部３５に送信する。端末通信部３４は、端末制御部３５から送信された空気調和の制御指示情報を、サーバ２０に送信する。

　端末制御部３５は、外部端末３０の全体の処理を制御する。また、端末制御部３５は、ユーザからの操作に基づいて、サーバ２０から変換後生体情報値６０を取得する制御、および変換後生体情報値６０を端末表示部３２に表示させる制御を行う。すなわち、端末制御部３５は、情報を端末表示部３２に表示させる制御を行う表示制御部としての機能を有する。

　端末制御部３５は、設定オン情報を端末操作部３１から受信すると、端末通信部３４およびサーバ２０を介して設定オン情報を室内機１１の室内機通信部１１５に送信する制御を行う。また、端末制御部３５は、設定オフ情報を端末操作部３１から受信すると、端末通信部３４およびサーバ２０を介して設定オフ情報を室内機１１の室内機通信部１１５に送信する制御を行う。

　なお、上記においては、外部端末３０がサーバ２０から変換後生体情報値６０を取得する構成について説明しているが、外部端末３０の端末通信部３４がサーバ２０を介さずに空気調和機１０の室内機１１との間で直接通信を行う構成とすることも可能である。外部端末３０の端末通信部３４と空気調和機１０の室内機１１とが直接通信する場合には、サーバ２０は不要である。

　つぎに、空気調和システム１００の動作について説明する。図６は、実施の形態１にかかる空気調和システム１００の動作の手順を示すフローチャートである。図６に示す空気調和システム１００の動作は、空気調和機１０の室内機１１の空気調和制御部１１６が設定オン情報を受信して空気調和制御部１１６における生体情報取得モードの設定をオンに設定してから、空気調和制御部１１６が設定オフ情報を受信して空気調和制御部１１６における生体情報取得モードの設定をオフに設定するまで、繰り返し実施される。

　ステップＳ１１０において、空気調和機１０の室内機１１の生体情報取得部１１２においてユーザの生体情報の取得が、開始される。具体的に、生体情報取得部１１２が、室内機１１の空気調和制御部１１６の制御に従って、ユーザの生体情報の取得を開始する。

　空気調和制御部１１６は、設定オン情報を受信すると、空気調和制御部１１６における生体情報取得モードの設定をオンに設定し、取得開始指示情報を生体情報取得部１１２に送信する。生体情報取得部１１２は、取得開始指示情報を受信すると、当該取得開始指示情報制御に含まれる種類情報において指示された種類の生体情報について、ユーザの生体情報の取得を開始する。生体情報取得部１１２は、生体情報の取得対象であるユーザが複数人である場合には、各ユーザの生体情報の取得を行う。その後、ステップＳ１２０に進む。

　ステップＳ１２０では、空気調和機１０の室内機１１の室内機記憶部１１３における生体情報取得部１１２からの生体情報の取得が、行われる。具体的に、室内機記憶部１１３が、生体情報取得部１１２からの生体情報の取得を行う。生体情報取得部１１２は、ユーザの生体情報の取得を開始すると、予め決められた周期でユーザの生体情報を取得する。生体情報取得部１１２は、取得結果であるユーザの生体情報を変換前生体情報値５１として室内機記憶部１１３に送信して、室内機記憶部１１３に記憶させる。なお、室内機記憶部１１３における生体情報取得部１１２からの生体情報の取得は、室内機記憶部１１３あるいは空気調和制御部１１６などの機能部が主体となって行われてもよい。

　生体情報取得部１１２は、生体情報が取得された時刻の時刻情報を生体情報に関連付けて、変換前生体情報値５１として室内機記憶部１１３に送信する。すなわち、変換前生体情報値５１には、生体情報と、当該生体情報が取得された時刻の時刻情報が含まれる。

　室内機記憶部１１３は、生体情報取得部１１２から送信された変換前生体情報値５１を受信して、記憶する。室内機記憶部１１３は、生体情報の取得対象であるユーザが複数人である場合には、ユーザごとに変換前生体情報値５１を記憶する。その後、ステップＳ１３０に進む。

　ステップＳ１３０では、予め決められた期間である過去の取得期間が経過したか否かが、判定される。具体的に、変換部１１４が、予め決められた取得期間が経過したか否かを判定する。変換部１１４は、当該変換部１１４が有する時計機能を用いて、取得期間が経過したか否かを判定する。

　取得期間は、空気調和制御部１１６において生体情報取得モードの設定がオンに設定され、ステップＳ１１０においてユーザの生体情報の取得が開始されてから、変換前生体情報値５１の取得数が、変換前生体情報値５１の後述する適切な個人設定上下限値を設定し得る程度の取得数に達するまでの、任意の長さの期間である。変換部１１４は、生体情報の取得対象であるユーザが複数人である場合には、予め決められた取得期間が経過したか否かを、ユーザごとに判定する。取得期間は、リモコン１３または外部端末３０から任意の期間に変更可能である。

　また、変換部１１４は、取得期間の代わりに、室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１の数量が予め決められた生体情報取得数に達したか否かを判定してもよい。この場合の生体情報取得数は、上述したようにユーザごとに適切な個人設定上下限値を設定し得る程度の変換前生体情報値５１の取得数となる。

　予め決められた取得期間が経過したと判定された場合は、ステップＳ１３０においてＹｅｓとなり、ステップＳ１４０に進む。予め決められた取得期間が経過していないと判定された場合は、ステップＳ１３０においてＮｏとなり、ステップＳ１７０に進む。

　ステップＳ１４０では、変換前生体情報値５１に基づいて、個人設定上下限値が設定され、変換後生体情報値６０である適合後生体情報値６１が算出される。具体的に、変換部１１４が、変換前生体情報値５１に基づいて、個人設定上下限値を設定し、記憶する。変換部１１４は、取得期間において室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１を、室内機記憶部１１３から取得する。変換部１１４は、室内機記憶部１１３から取得した取得期間における変換前生体情報値５１に基づいて、ユーザに対して適切な個人設定上下限値を設定する。そして、変換部１１４は、室内機記憶部１１３から取得した変換前生体情報値５１のそれぞれについて、設定した上下限値に対する１００分率化を行って、適合後生体情報値６１を算出する。すなわち、変換部１１４は、ユーザ個人の生体情報が取りうる範囲における、変換前生体情報値５１の１００分率値を算出する。

　個人設定上下限値は、取得期間が経過している場合に、室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１を変換部１１４がユーザごとに個別に１００分率化して後述する適合後生体情報値６１に変換する場合に基準となる生体情報の上下限値である。すなわち、個人設定上下限値は、ユーザ個人に特有の生体情報の傾向を反映して、ユーザ個人において取り得る変換前生体情報値５１に基づいて適合後生体情報値６１を算出して、変換前生体情報値５１をユーザごとに個人適合させる場合に基準となる生体情報の上下限値である。したがって、個人設定上下限値は、ユーザ個人に特有の生体情報の傾向を反映して、変換後生体情報値６０を算出する場合に基準となる値である。

　そして、変換部１１４は、算出した適合後生体情報値６１をサーバ２０に送信する。すなわち、変換部１１４は、算出した適合後生体情報値６１を、室内機１１の室内機通信部１１５に送信する。室内機通信部１１５は、室内機１１から送信された適合後生体情報値６１を受信すると、インターネット４０を介して当該適合後生体情報値６１をサーバ２０に送信する。

　変換部１１４において設定される個人設定上下限値の算出方法については、例えば取得期間において室内機記憶部１１３に記憶された複数の変換前生体情報値５１の値の最大値を上限値とし、取得期間において室内機記憶部１１３に記憶された複数の変換前生体情報値５１の値の最小値を下限値とする方法が例示される。また、他の個人設定上下限値の算出方法として、取得期間において室内機記憶部１１３に記憶された複数の変換前生体情報値５１の平均値と標準偏差とから個人設定上下限値を算出する方法が例示される。ただし、取得期間において室内機記憶部１１３に記憶された複数の変換前生体情報値５１から、ユーザごとに適切な個人設定上下限値の算出および数値の加工ができる方法であれば、個人設定上下限値の算出方法は問わない。

　例えば、あるユーザについての、ある種類の生体情報について、取得期間において室内機記憶部１１３に記憶された複数の変換前生体情報値５１の値が、２０以上８０以下の変換前生体情報値５１を含んでいる場合を想定する。この場合、変換部１１４は、変換前生体情報値５１の下限値として、「２０」の値を算出することができる。また、変換部１１４は、変換前生体情報値５１の上限値として、「８０」の値を算出することができる。これにより、変換部１１４は、個人設定上下限値として、下限値２０と、上限値８０と、を算出して設定することができる。そして、下限値２０以上、上限値８０以下の範囲が、当該ユーザの変換前生体情報値５１を１００分率化する際の基準範囲となる。

　適合後生体情報値６１の算出例として、例えば、個人設定上下限値である下限値２０と上限値８０とを用いて変換前生体情報値５１の値：「２０」を１００分率化して適合後生体情報値６１を算出する場合は、適合後生体情報値６１は、（２０－２０）／（８０－２０）×１００の計算式により、０％と算出される。

　また、個人設定上下限値である下限値２０と上限値８０とを用いて変換前生体情報値５１の値：「３０」を１００分率化して適合後生体情報値６１を算出する場合は、適合後生体情報値６１は、（３０－２０）／（８０－２０）×１００≒１７％と算出される。

　また、個人設定上下限値である下限値２０と上限値８０とを用いて変換前生体情報値５１の値：「７０」を１００分率化して適合後生体情報値６１を算出する場合は、適合後生体情報値６１は、（７０－２０）／（８０－２０）×１００≒８３％と算出される。

　また、個人設定上下限値である下限値２０と上限値８０とを用いて変換前生体情報値５１の値：「８０」を１００分率化して適合後生体情報値６１を算出する場合は、適合後生体情報値６１は、（８０－２０）／（８０－２０）×１００の計算式により、１００％と算出される。

　すなわち、変換部１１４は、空気調和制御部１１６において生体情報取得モードの設定がオンに設定されてから取得期間が経過した場合は、取得期間において室内機記憶部１１３に記憶された複数の変換前生体情報値５１に基づいて、ユーザごとに適切な個人設定上下限値を設定し、設定した個人設定上下限値に対して変換前生体情報値５１を１００分率化した値を適合後生体情報値６１としてサーバ２０に送信する。

　変換部１１４は、上述したステップＳ１４０の処理をユーザごとに、且つ生体情報の種類ごとに行う。その後、ステップＳ１５０に進む。

　ステップＳ１５０では、サーバ２０が、適合後生体情報値６１を取得する。具体的に、サーバ２０のサーバ通信部２１は、変換部１１４から送信された適合後生体情報値６１を受信すると、当該適合後生体情報値６１をサーバ制御部２３に送信する。サーバ制御部２３は、サーバ通信部２１から送信された適合後生体情報値６１を受信すると、当該適合後生体情報値６１をサーバ記憶部２２に記憶させる。これにより、サーバ２０において、適合後生体情報値６１が取得される。

　そして、サーバ制御部２３は、サーバ記憶部２２に記憶された適合後生体情報値６１を外部端末３０に送信する。すなわち、サーバ制御部２３は、サーバ記憶部２２に記憶された適合後生体情報値６１を、サーバ２０のサーバ通信部２１に送信する。サーバ通信部２１は、サーバ制御部２３から送信された適合後生体情報値６１を受信すると、インターネット４０を介して当該適合後生体情報値６１を外部端末３０に送信する。その後、ステップＳ１６０に進む。

　ステップＳ１６０では、外部端末３０が、適合後生体情報値６１を取得し、適合後生体情報値６１を表示する。具体的に、外部端末３０の端末通信部３４は、サーバ２０から送信された適合後生体情報値６１を受信すると、当該適合後生体情報値６１を外部端末３０の端末制御部３５に送信する。端末制御部３５は、端末通信部３４から送信された適合後生体情報値６１を受信すると、当該適合後生体情報値６１を外部端末３０の端末記憶部３３に記憶させる。これにより、外部端末３０において、適合後生体情報値６１が取得される。

　そして、端末制御部３５は、端末記憶部３３に記憶された適合後生体情報値６１を端末表示部３２に表示させる制御を行う。端末表示部３２は、端末制御部３５の制御に従って、適合後生体情報値６１を表示して、ユーザに当該ユーザの適合後生体情報値６１を提示する。端末制御部３５における適合後生体情報値６１の表示の制御の更新頻度、すなわち外部端末３０における適合後生体情報値６１の表示の更新頻度は、任意の頻度でかまわない。その後、ステップＳ１２０に戻る。

　その後、ステップＳ１２０→ステップＳ１３０→ステップＳ１４０→ステップＳ１５０→ステップＳ１６０の順で、処理が繰り返される。すなわち、取得期間が経過した後、空気調和制御部１１６における生体情報取得モードの設定がオンに設定されている間は、室内機１１では、生体情報取得部１１２が変換前生体情報値５１を取得し続け、変換部１１４が取得期間における変換前生体情報値５１に基づいて個人設定上下限値を設定し、適合後生体情報値６１を算出する、というサイクルが繰り返される。

　なお、変換部１１４は、前回に算出した個人設定上下限値を記憶して保持しておいてもよい。変換部１１４は、前回に算出した個人設定上下限値を保持しておくことにより、前回に算出した個人設定上下限値と今回に算出した個人設定上下限値とを組み合わせてより適切な上下限値を設定することもできる。例えば、変換部１１４は、前回に算出した個人設定上下限値の上限値と、今回に算出した個人設定上下限値の上限値との平均値を、新たな上限値に決定することができる。また、変換部１１４は、前回に算出した個人設定上下限値の下限値と、今回に算出した個人設定上下限値の下限値との平均値を、新たな下限値に決定することができる。ただし、前回に算出した個人設定上下限値と今回に算出した個人設定上下限値とを組み合わせて適切な上下限値を設定する方法は、限定されない。

　ステップＳ１７０では、変換前生体情報値５１と、予め決められた既定上下限値とに基づいて、変換後生体情報値６０である既定変換後生体情報値６２が算出される。具体的に、変換部１１４が、変換前生体情報値５１と、予め決められた既定上下限値とに基づいて、既定変換後生体情報値６２を算出する。変換部１１４は、取得期間が経過していない室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１を、室内機記憶部１１３から取得する。変換部１１４は、室内機記憶部１１３から取得した取得期間が経過していない期間の変換前生体情報値５１のそれぞれについて、予め決められた既定上下限値に対する１００分率化を行って、既定変換後生体情報値６２を算出する。

　既定上下限値は、取得期間が経過していない場合に、室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１を変換部１１４が１００分率化して既定変換後生体情報値６２に変換する際に基準となる生体情報の上下限値である。そして、既定上下限値における上限値である既定上限値以上、既定上下限値における下限値である既定下限値以下の範囲が、既定上下限値を用いてユーザの変換前生体情報値５１を１００分率化する際の基準範囲となる。すなわち、既定上下限値は、ユーザの個人特有の生体情報の傾向を反映せずに、変換後生体情報値６０を算出する場合に基準となる値である。既定上下限値は、予め決められて変換部１１４に記憶されている。また、既定上下限値は、室内機記憶部１１３に記憶されていてもよい。既定上下限値は、リモコン１３または外部端末３０から任意の期間に変更可能である。

　そして、変換部１１４は、算出した既定変換後生体情報値６２をサーバ２０に送信する。すなわち、変換部１１４は、算出した既定変換後生体情報値６２を、室内機１１の室内機通信部１１５に送信する。室内機通信部１１５は、室内機１１から送信された既定変換後生体情報値６２を受信すると、インターネット４０を介して当該既定変換後生体情報値６２をサーバ２０に送信する。

　変換部１１４は、上述したステップＳ１７０の処理をユーザごとに、且つ生体情報の種類ごとに行う。その後、ステップＳ１８０に進む。

　ステップＳ１８０では、サーバ２０が、既定変換後生体情報値６２を取得する。具体的に、サーバ２０のサーバ通信部２１は、変換部１１４から送信された既定変換後生体情報値６２を受信すると、当該既定変換後生体情報値６２をサーバ制御部２３に送信する。サーバ制御部２３は、サーバ通信部２１から送信された既定変換後生体情報値６２を受信すると、当該既定変換後生体情報値６２をサーバ記憶部２２に記憶させる。これにより、サーバ２０において、既定変換後生体情報値６２が取得される。

　そして、サーバ制御部２３は、サーバ記憶部２２に記憶された既定変換後生体情報値６２を外部端末３０に送信する。すなわち、サーバ制御部２３は、サーバ記憶部２２に記憶された既定変換後生体情報値６２を、サーバ２０のサーバ通信部２１に送信する。サーバ通信部２１は、サーバ制御部２３から送信された既定変換後生体情報値６２を受信すると、インターネット４０を介して当該既定変換後生体情報値６２を外部端末３０に送信する。その後、ステップＳ１９０に進む。

　ステップＳ１９０では、外部端末３０が、既定変換後生体情報値６２を取得し、既定変換後生体情報値６２を表示する。具体的に、外部端末３０の端末通信部３４は、サーバ２０から送信された既定変換後生体情報値６２を受信すると、当該既定変換後生体情報値６２を外部端末３０の端末制御部３５に送信する。端末制御部３５は、端末通信部３４から送信された既定変換後生体情報値６２を受信すると、当該既定変換後生体情報値６２を外部端末３０の端末記憶部３３に記憶させる。これにより、外部端末３０において、既定変換後生体情報値６２が取得される。

　そして、端末制御部３５は、端末記憶部３３に記憶された既定変換後生体情報値６２を端末表示部３２に表示させる制御を行う。端末表示部３２は、端末制御部３５の制御に従って、既定変換後生体情報値６２を表示して、ユーザに当該ユーザの既定変換後生体情報値６２を提示する。端末制御部３５における既定変換後生体情報値６２の表示の制御の更新頻度、すなわち外部端末３０における既定変換後生体情報値６２の表示の更新頻度は、任意の頻度でかまわない。その後、ステップＳ１２０に戻る。

　上述したように、実施の形態１にかかる空気調和システム１００は、変換部１１４が、取得期間において室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１に基づいて個人設定上下限値を設定し、個人設定上下限値に基づいて変換前生体情報値５１を１００分率化した適合後生体情報値６１を算出する。適合後生体情報値６１は、既定変換後生体情報値６２よりもユーザの個人特有の生体情報の傾向が反映された変換後生体情報値６０である。

　これにより、空気調和システム１００は、ユーザ個人に特有の生体情報の傾向を反映して、ユーザの個人において取り得る変換前生体情報値５１に基づいて適合後生体情報値６１を算出することができ、変換前生体情報値５１をユーザごとに適切な適合後生体情報値６１に変換してユーザに提供できる。このため、空気調和システム１００は、ユーザ個人に適切な生体情報をユーザことに提供することができ、生体情報の管理に関するユーザの満足度を向上させることができる。

　したがって、実施の形態１にかかる空気調和システム１００および空気調和機１０によれば、生体情報取得部１１２において取得されたユーザの生体情報にユーザ個人に特有の生体情報の傾向を反映して、生体情報取得部１１２において取得された生体情報をユーザごとに適切な生体情報に変換できる、という効果を奏する。

実施の形態２．
　上述した実施の形態１では、変換部１１４が、取得期間に取得された変換前生体情報値５１を使用して、ユーザごとに適切な個人設定上下限値を設定し、設定した個人設定上下限値に対する変換前生体情報値５１の１００分率化を行って、変換前生体情報値５１をユーザごとに個人適合させる場合について説明した。実施の形態２では、空気調和システム１００の他の処理形態である、ユーザから直接入力されたデータと変換前生体情報値５１とを用いて個人設定上下限値を設定する場合について説明する。

　実施の形態２においては、ユーザにより外部端末３０に入力されるユーザが感じる個人感覚の生体情報値と、変換前生体情報値５１とに基づいて、既定変換後生体情報値６２が決定されて、外部端末３０に表示される。

　個人感覚の生体情報値は、空気調和機１０の室内機１１の生体情報取得部１１２において取得されるユーザの生体情報ではなく、ユーザ自身が直感的に感じた生体情報の値である。

　つぎに、実施の形態２における空気調和システム１００の動作について説明する。図７は、実施の形態２における空気調和システム１００の動作の手順を示すフローチャートである。図７に示す空気調和システム１００の動作は、空気調和機１０の室内機１１の空気調和制御部１１６が設定オン情報を受信して空気調和制御部１１６における生体情報取得モードの設定をオンに設定してから、空気調和制御部１１６が設定オフ情報を受信して空気調和制御部１１６における生体情報取得モードの設定をオフに設定するまで、繰り返し実施される。

　まず、ステップＳ３１０およびステップＳ３２０が行われる。ステップＳ３１０では、上述した実施の形態１におけるステップＳ１１０と同じ処理が行われる。ステップＳ３２０では、上述した実施の形態１におけるステップＳ１２０と同じ処理が行われる。その後、ステップＳ３３０に進む。

　ステップＳ３３０では、ユーザ自身により入力されたユーザの生体情報であるユーザ入力生体情報が受信されたか否かが、判定される。具体的に、空気調和機１０の室内機１１の変換部１１４が、ユーザ自身により入力されたユーザの生体情報であるユーザ入力生体情報が受信されたか否かを判定する。

　外部端末３０の端末表示部３２は、ステップＳ３１０において空気調和機１０の室内機１１の生体情報取得部１１２においてユーザの生体情報の取得が開始された後、外部端末３０の端末制御部３５の制御に従って、任意のタイミングでユーザに少なくとも１つ以上のユーザの身体状態の情報の入力を促す画面を表示する。外部端末３０における、ユーザにユーザの身体状態の情報の入力を促す通知の頻度は任意である。ユーザの身体状態の情報は、ユーザの生体情報に対応する。

　ユーザの身体状態の情報の入力方法については、「集中度」を例にとった場合、「今の集中度はどのくらいですか？」などの質問の画面が端末表示部３２に表示され、当該質問に対して、「かなり集中できている」、「少し集中できている」、「普通」、「あまり集中できていない」および「全く集中できていない」などの５段階評価の回答をユーザに選択してもらう方法が挙げられる。「かなり集中できている」、「少し集中できている」、「普通」、「あまり集中できていない」、および「全く集中できていない」といった各評価には、予め決められた生体情報の値の情報が付与されている。端末操作部３１は、ユーザが回答した評価に付与されている生体情報の値の情報を操作情報として端末制御部３５に送信する。この場合の操作情報は、ユーザの身体状態の情報に対応する。

　また、ユーザの身体状態の情報の入力方法については、「集中度」を例にとった場合、０％以上１００％以下のスライダーが端末表示部３２に表示され、当該スライダーを用いてユーザに集中度を直感的に入力してもらう方法が挙げられる。ただし、ユーザの身体状態の情報の入力方法は、ユーザが直感的にユーザの身体状態を入力できるものであれば、方法は問わない。

　ユーザによって外部端末３０に入力されたユーザの身体状態の情報は、外部端末３０の端末制御部３５からサーバ２０を介して変換部１１４に送信される。すなわち、端末操作部３１は、ユーザの身体状態の情報に関するユーザ操作の入力を受け付ける。端末操作部３１は、ユーザによるユーザの身体状態の情報の入力の操作を受け付けると、ユーザの身体状態の情報の入力の操作に対応した情報であるユーザ入力生体情報を端末制御部３５に送信する。

　端末操作部３１は、ユーザの身体状態の情報が端末操作部３１に入力された時刻の時刻情報、すなわちユーザの身体状態の情報の入力の操作を端末操作部３１が受け付けた時刻の時刻情報をユーザの身体状態の情報に関連付けて、ユーザ入力生体情報を生成する。すなわち、ユーザ入力生体情報には、ユーザの身体状態の情報が端末操作部３１に入力された時刻の時刻情報が含まれる。

　端末制御部３５は、ユーザ入力生体情報を端末操作部３１から受信すると、端末通信部３４およびサーバ２０を介してユーザ入力生体情報を室内機１１の変換部１１４に送信する制御を行う。

　室内機１１の空気調和制御部１１６は、サーバ２０から送信されるユーザ入力生体情報を室内機通信部１１５を介して受信すると、当該ユーザ入力生体情報を空気調和制御部１１６に記憶させる。

　変換部１１４は、ユーザ入力生体情報が空気調和制御部１１６に記憶されている場合に、ユーザ入力生体情報が受信されたと判定する。変換部１１４は、ユーザ入力生体情報が空気調和制御部１１６に記憶されていない場合に、ユーザ入力生体情報が受信されていないと判定する。

　ユーザ入力生体情報が受信されたと判定された場合は、ステップＳ３３０においてＹｅｓとなり、ステップＳ３４０に進む。ユーザ入力生体情報が受信されていないと判定された場合は、ステップＳ３３０においてＮｏとなり、ステップＳ３８０に進む。

　ステップＳ３４０では、変換部１１４において、ユーザ入力生体情報が、取得される。具体的に、変換部１１４が、空気調和制御部１１６に記憶されているユーザ入力生体情報を取得する。その後、ステップＳ３５０に進む。

　ステップＳ３５０では、ユーザ入力生体情報を用いて個人設定上下限値が設定され、変換後生体情報値６０である適合後生体情報値６１が算出される。具体的に、変換部１１４が、ユーザ入力生体情報と変換前生体情報値５１とに基づいて、個人設定上下限値を設定し、記憶する。

　変換部１１４は、ユーザの身体状態の情報が端末操作部３１に入力された時刻に相当する時刻に室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１を、室内機記憶部１１３から取得する。そして、変換部１１４は、ユーザ入力生体情報と変換前生体情報値５１とに基づいて、ユーザに対して適切な個人設定上下限値を設定し、記憶する。そして、変換部１１４は、室内機記憶部１１３から取得した変換前生体情報値５１について、設定した上下限値に対する１００分率化を行って、適合後生体情報値６１を算出する。

　変換部１１４は、ユーザ入力生体情報に含まれる、ユーザの身体状態の情報が端末操作部３１に入力された時刻の時刻情報に基づいて、ユーザの身体状態の情報が端末操作部３１に入力された時刻に相当する時刻を判定する。変換部１１４は、時刻情報に直接対応する時刻において室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１が無い場合、時刻情報に一番近い時刻において室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１を取得する。

　例えば、変換部１１４における適合後生体情報値６１の算出方法については、変換部１１４は、室内機記憶部１１３から取得した変換前生体情報値５１を予め決められた既定上下限値に基づいて１００分率化した第１の値を算出する。また、変換部１１４は、ユーザが入力したユーザ入力生体情報を予め決められた既定上下限値に基づいて１００分率化した第２の値を算出する。そして、変換部１１４は、第１の値と、第２の値との平均値を適合後生体情報値６１とする。また、このようにして算出した適合後生体情報値６１に従って適切な上下限値を設定することも考えられる。ただし、室内機記憶部１１３から取得された実測された変換前生体情報値５１と、ユーザが直感的に入力したユーザ入力生体情報の値とを用いて、ユーザごとに適切な個人設定上下限値の算出および数値の加工ができる方法であれば、適合後生体情報値６１の算出方法は問わない。

　ユーザの身体状態の情報、すなわちユーザ入力生体情報が「眠気」である場合を考える。ユーザ入力生体情報である「眠気」の情報の入力方法は、例えば５段階の選択式とすることができる。ここで、外部端末３０の機能を実行するためのアプリケーションがスマートフォンにインストールされている場合を想定する。

　この場合、「現在のあなたの眠気はどのくらいですか？」といった文言の質問のポップアップウィンドウが、外部端末３０として機能するスマートフォンの端末表示部３２に、任意のタイミングで表示される。ポップアップウィンドウには、「かなり眠い」、「少し眠い」、「普通」、「あまり眠くない」および「全く眠くない」といった、眠気の状態を５段階で評価する回答候補が併せて表示される。「かなり眠い」、「少し眠い」、「普通」、「あまり眠くない」および「全く眠くない」といった各評価には、予め決められた生体情報の値の情報が付与されている。

　ユーザは、当該質問に対して、ポップアップウィンドウに表示された５段階の評価の回答候補の中から、現在の自分の眠気の状態に対応する評価の回答を選択する。ユーザが、「少し眠い」という評価の回答を選択した場合を考える。ここで、既定上限値が１００とされ、既定下限値が０とされた既定上下限値が、変換部１１４に記憶されているものとする。この場合、眠気の状態が５段階で評価されているため、ユーザが選択した評価である「少し眠い」という評価に対応するユーザ入力生体情報の入力値は「７５」となる。

　変換部１１４は、ユーザによって眠気の評価の回答がスマートフォンの端末操作部３１に入力された時刻に相当する時刻に室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１を、室内機記憶部１１３から取得する。ここで、変換部１１４が取得した変換前生体情報値５１、すなわちユーザの「眠気」の実測値が、「４５」であるものとする。

　この場合、変換部１１４は、ユーザ入力生体情報の入力値である「７５」と、ユーザの「眠気」の実測値である「４５」との中間値を、（７５＋４５）／２の計算式により、中間値：６０と算出する。そして、変換部１１４は、既定上下限値である下限値０と上限値１００とを用いて中間値：６０を１００分率化して適合後生体情報値６１を算出する。適合後生体情報値６１は、６０／１００×１００の計算式により、６０％と算出される。

　上記の処理が行われた後は、変換部１１４は、「眠気」の実測値：「４５」が、ユーザにとっては「７５」であると判定して、個人設定上下限値を設定することができる。変換部１１４は、既定上下限値の既定下限値：０を、そのまま個人設定の下限値とする。また、変換部１１４は、既定上下限値の既定上限値：６０を、個人設定の上限値とする。

　上記のように「眠気」の実測値：「４５」が、ユーザにとっては「７５」になる。したがって、ユーザにとっての「眠気」の生体情報は、「眠気」の実測値に対して、（７５／４５）倍された数値となる。このことから、既定上下限値の既定上限値：６０×（７５／４５）＝１００の計算式により、既定上下限値の既定上限値：６０が、個人設定の上限値：１００に対応する。

　したがって、個人設定上下限値は、個人設定の下限値：０、個人設定の上限値：６０と設定される。変換部１１４は、上記のように算出した個人設定上下限値を変換部１１４に設定して記憶する。変換部１１４は、個人設定上下限値を設定した後は、個人設定上下限値を用いて、ユーザの「眠気」の実測値である変換前生体情報値５１を１００分率化して適合後生体情報値６１を算出することができる。

　また、ユーザ入力生体情報の入力方法については、５段階評価の他に、１％単位のスライダーバーをスマートフォンの端末表示部３２に表示させて、ユーザにユーザ入力生体情報を数値で入力させる方法を採用することも可能である。

　変換部１１４は、上述したステップＳ３５０の処理をユーザごとに、且つ生体情報の種類ごとに行う。その後、ステップＳ３６０およびステップＳ３７０が行われる。ステップＳ３６０では、上述した実施の形態１におけるステップＳ１５０と同じ処理が行われる。ステップＳ３７０では、上述した実施の形態１におけるステップＳ１６０と同じ処理が行われる。その後、ステップＳ３２０に戻る。

　ステップＳ３８０では、上述した実施の形態１におけるステップＳ１７０と同じ処理が行われる。その後、ステップＳ３９０およびステップＳ４００が行われる。ステップＳ３９０では、上述した実施の形態１におけるステップＳ１８０と同じ処理が行われる。ステップＳ４００では、上述した実施の形態１におけるステップＳ１９０と同じ処理が行われる。その後、ステップＳ３２０に戻る。

　上述したように、実施の形態２においては、空気調和システム１００は、ユーザが直感的に入力したユーザ入力生体情報の値と、ユーザの身体状態の情報が端末操作部３１に入力された時刻に相当する時刻に生体情報取得部１１２において取得されて室内機記憶部１１３に記憶された変換前生体情報値５１とに基づいて適合後生体情報値６１を算出することができる。すなわち、実施の形態２においては、空気調和システム１００は、ユーザが感じる個人感覚の生体情報値と、生体情報取得部１１２において取得された実測値の変換前生体情報値５１とに基づいて適合後生体情報値６１を算出することができる。

　これにより、実施の形態２においては、空気調和システム１００は、ユーザが感じるユーザ個人に特有の生体情報の傾向を反映して、適合後生体情報値６１を算出することができ、変換前生体情報値５１をユーザごとに適切な適合後生体情報値６１に変換してユーザに提供できる。このため、実施の形態２においても、空気調和システム１００は、生体情報の管理に関するユーザの満足度を向上させることができる。

　したがって、実施の形態２においても、空気調和システム１００および空気調和機１０によれば、生体情報取得部１１２において取得されたユーザの生体情報にユーザ個人に特有の生体情報の傾向を反映して、生体情報取得部１１２において取得された生体情報をユーザごとに適切な生体情報に変換できる、という効果を奏する。

　続いて、実施の形態１，２にかかる制御部８０のそれぞれのハードウェア構成について説明する。実施の形態１，２にかかる制御部８０は、空気調和機１０の室内機１１における変換部１１４、空気調和制御部１１６、リモコン１３のリモコン制御部１３５、サーバ２０のサーバ制御部２３および外部端末３０の端末制御部３５のそれぞれに対応する。実施の形態１，２にかかる制御部８０のそれぞれの機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、記憶装置に格納されるプログラムを実行する処理装置であってもよい。

　処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらを組み合わせたものが該当する。図８は、実施の形態１，２にかかる制御部８０のそれぞれの機能をハードウェアで実現した構成を示す図である。処理回路８１には、制御部８０の機能を実現する論理回路８１ａが組み込まれている。

　処理回路８１が処理装置の場合、制御部８０の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。

　図９は、実施の形態１，２にかかる制御部８０のそれぞれの機能をソフトウェアで実現した構成を示す図である。処理回路８１は、プログラム８１ｂを実行するプロセッサ８１１と、プロセッサ８１１がワークエリアに用いるランダムアクセスメモリ８１２と、プログラム８１ｂを記憶する記憶装置８１３とを有する。記憶装置８１３に記憶されているプログラム８１ｂをプロセッサ８１１がランダムアクセスメモリ８１２上に展開し、実行することにより、制御部８０の機能が実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラム言語で記述され、記憶装置８１３に格納される。プロセッサ８１１は、中央処理装置を例示できるがこれに限定はされない。記憶装置８１３は、ＲＡＭ（Random　Access　Memory）、ＲＯＭ（Read　Only　Memory）、フラッシュメモリ、ＥＰＲＯＭ（Erasable　Programmable　Read　Only　Memory）、またはＥＥＰＲＯＭ（登録商標）（Electrically　Erasable　Programmable　Read　Only　Memory）といった半導体メモリを適用できる。半導体メモリは、不揮発性メモリでもよいし揮発性メモリでもよい。また、記憶装置８１３は、半導体メモリ以外にも、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはＤＶＤ（Digital　Versatile　Disc）を適用できる。なお、プロセッサ８１１は、演算結果といったデータを記憶装置８１３に出力して記憶させてもよいし、ランダムアクセスメモリ８１２を介して不図示の補助記憶装置に当該データを記憶させてもよい。プロセッサ８１１、ランダムアクセスメモリ８１２および記憶装置８１３を１チップに集積することにより、制御部８０の機能をマイクロコンピュータにより実現することができる。

　処理回路８１は、記憶装置８１３に記憶されたプログラム８１ｂを読み出して実行することにより、制御部８０の機能を実現する。プログラム８１ｂは、制御部８０の機能を実現する手順および方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。

　なお、処理回路８１は、制御部８０の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、制御部８０の機能の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。

　このように、処理回路８１は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。

　以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

　１０　空気調和機、１１　室内機、１２　室外機、１３　リモートコントローラ、２０　サーバ、２１　サーバ通信部、２２　サーバ記憶部、２３　サーバ制御部、３０　外部端末、３１　端末操作部、３２　端末表示部、３３　端末記憶部、３４　端末通信部、３５　端末制御部、４０　インターネット、５１　変換前生体情報値、６０　変換後生体情報値、６１　適合後生体情報値、６２　既定変換後生体情報値、８０　制御部、８１　処理回路、８１ａ　論理回路、８１ｂ　プログラム、１００　空気調和システム、１１１　室内機空気調和部、１１２　生体情報取得部、１１３　室内機記憶部、１１４　変換部、１１５　室内機通信部、１１６　空気調和制御部、１１７　室内機制御基板、１３１　リモートコントローラ操作部、１３２　リモートコントローラ表示部、１３３　リモートコントローラ記憶部、１３４　リモートコントローラ通信部、１３５　リモートコントローラ制御部、８１１　プロセッサ、８１２　ランダムアクセスメモリ、８１３　記憶装置。

Claims

　ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、
　前記生体情報を前記ユーザに特有の生体情報の傾向を反映した個人適合後生体情報に変換する変換部と、
　を備え、
　前記変換部は、予め決められた過去の取得期間に取得された複数の前記生体情報の値に基づいて、前記ユーザに特有の生体情報の傾向を反映した上下限値を設定し、前記上下限値の範囲における前記生体情報の値の割合を前記個人適合後生体情報として算出する、
　空気調和機。
　前記生体情報を記憶する記憶部を備え、
　前記変換部は、前記過去の取得期間に取得された複数の前記生体情報を前記記憶部から取得する、
　請求項１に記載の空気調和機。
　前記記憶部は、複数のユーザの前記生体情報をユーザごとに記憶し、
　前記変換部は、複数のユーザについて前記過去の取得期間に取得された複数の前記生体情報をユーザごとに前記記憶部から取得して、ユーザごとに前記個人適合後生体情報を算出する、
　請求項２に記載の空気調和機。
　前記変換部は、前記記憶部から取得した生体情報値と、前記空気調和機の外部から入力されるユーザによって入力された生体情報値とに基づいて、前記個人適合後生体情報を算出する、
　請求項２または３に記載の空気調和機。
　室内に配置されて空気調和を行う空気調和機と、
　ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、
　前記生体情報を前記ユーザに特有の生体情報の傾向を反映した個人適合後生体情報に変換する変換部と、
　前記個人適合後生体情報を表示する携帯端末と、
　を備え、
　前記変換部は、予め決められた過去の取得期間に取得された複数の前記生体情報の値に基づいて、前記ユーザに特有の生体情報の傾向を反映した上下限値を設定し、前記上下限値の範囲における前記生体情報の値の割合を前記個人適合後生体情報として算出する、
　空気調和システム。
　前記生体情報を記憶する記憶部を備え、
　前記変換部は、前記過去の取得期間に取得された複数の前記生体情報を前記記憶部から取得する、
　請求項５に記載の空気調和システム。
　前記記憶部は、複数のユーザの前記生体情報をユーザごとに記憶し、
　前記変換部は、複数のユーザについて前記過去の取得期間に取得された複数の前記生体情報をユーザごとに前記記憶部から取得して、ユーザごとに前記個人適合後生体情報を算出する、
　請求項６に記載の空気調和システム。
　前記変換部は、前記記憶部から取得した生体情報値と、前記空気調和機の外部から入力されるユーザによって入力された生体情報値とに基づいて、前記個人適合後生体情報を算出する、
　請求項６または７に記載の空気調和システム。