WO2023101026A1 - トウプリプレグ及びその製造方法 - Google Patents
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- C08J5/24—Impregnating materials with prepolymers which can be polymerised in situ, e.g. manufacture of prepregs
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- Patent Documents 1 to 4 various tow prepregs or materials similar to tow prepregs have been proposed. It is also desirable to consider the difference in the matrix resin content in the tow prepregs produced and the resin flow during the heat curing process.
- biphenol compounds used as raw materials include biphenol, dimethylbiphenol and tetramethylbiphenol.
- Other bifunctional phenol compounds include, for example, hydroquinone, methylhydroquinone, dibutylhydroquinone, resorcin, methylresorcin, catechol, benzenediols such as methylcatechol, and naphthalenediols such as naphthalenediol.
- the bifunctional acetyl compound may be an acetylated phenol compound, or may be synthesized by another method.
- Component (C) a curing catalyst selected from the group consisting of an amine-based curing catalyst, a phosphorus-based curing catalyst, and an imidazole-based curing catalyst
- the curing catalyst is a bifunctional epoxy resin (A) and a bifunctional epoxy group reactive. It is contained in the resin composition in order to promote the reaction (polymerization) with the compound (B).
- the curing catalyst (C) is an amine-based curing catalyst, a phosphorus-based curing catalyst, or an imidazole-based curing catalyst that causes a reaction between an epoxy group and a phenolic hydroxyl group.
- Both phenoxy resin and in-situ polymerizable phenoxy resin are linear polymers made up of a bifunctional phenol compound and a bifunctional epoxy resin, but the molecular weight and molecular weight distribution of the phenoxy resin are controlled within a certain range. However, even if it is heated, the polymerization does not progress any further.
- any of phenoxy resins prepared in solution, phenoxy resins prepared in the absence of solvents, and in-situ polymerizable phenoxy resins can be used as the matrix resin.
- Bifunctional epoxy resin (A) per 1 mol
- a resin composition for forming a phenoxy resin particularly an in-situ polymerizable phenoxy resin (thermoplastic epoxy resin).
- any conventionally known device such as a planetary mixer or kneader can be used, but one having a temperature control function is preferred.
- the components (A) to (C) may be mixed together or may be mixed in any order.
- the reinforcing fiber bundle was impregnated with the precursor composition (F1) by passing through a resin bath containing the precursor composition (F1) diluted with MEK to a solid concentration of 40%. After impregnating the precursor, excess resin is removed with a touch roll, the solvent is removed in a drying oven adjusted to 140 ° C., the precursor is heated and polymerized, and the winding tension is 19.6 N. , manufactured a tow prepreg in which a reinforcing fiber bundle was impregnated with a matrix resin. A tow prepreg having a total length of 1000 m was wound around a bobbin by such a continuous process.
- Example 10 A precursor composition (F1) was obtained in the same manner as in Example 8, except that a solution of 0.3 parts by mass of C3 dissolved in 0.3 parts by mass of MEK was added as a polymerization catalyst.
- Table 1 shows the glass transition temperature (TgA) and weight average molecular weight of the precursor composition (F1).
- a tow prepreg was manufactured under the same manufacturing conditions as in Example 7 except for the above.
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Abstract
2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物の反応生成物であるマトリックス樹脂が強化繊維束に含浸されているトウプリプレグであり、マトリックス樹脂は、重量平均分子量が300~2000、かつガラス転移点が15~35℃であり、トウプリプレグの20~50℃の雰囲気温度における解舒張力が8.0N以下であり、2本のトウプリプレグの所定の条件での引張せん断剥離荷重が1.0~24.5N/mmであるトウプリプレグ。
Description
本開示は、トウプリプレグ及びその製造方法に関する。
ガラス繊維又は炭素繊維などの強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化プラスチック(FRP)は、軽量で力学特性に優れることから、民生分野から産業用途まで広く利用されている。例えば、天然ガス又は水素ガスの貯蔵タンクには、タンクライナー(以下、「ライナー」という。)をFRPで補強した圧力容器が利用されている。
繊維強化プラスチックを製造するための中間材としてトウプリプレグが知られている。トウプリプレグは、炭素繊維又はガラス繊維の強化繊維の束(「トウ」と呼ばれる)にマトリックス樹脂を含浸させて構成されている。
トウプリプレグには種々の用途があるが、例えば、紙管などのボビンに巻かれたトウプリプレグを巻き出し、回転するマンドレルに所定の張力、角度で巻きつけた後、強化繊維束に含浸されているマトリックス樹脂を硬化させる成形法(フィラメントワインディング:FW)により、軽量であり、耐圧性等に優れた成形体を製造することができる。
トウプリプレグはマンドレルなどに巻き付けた際に滑りを防止するためのタック性のほか、ボビンから巻き出すための解舒性も重要である。
マトリックス樹脂がエポキシ樹脂系のトウプリプレグを製造する場合、マトリックス樹脂の粘度を低粘度の原料の使用又は溶剤の添加などによって調整することでタック性と解舒性のバランスを取っている。
また、最近では以下のような手法も提案されている。
マトリックス樹脂がエポキシ樹脂系のトウプリプレグを製造する場合、マトリックス樹脂の粘度を低粘度の原料の使用又は溶剤の添加などによって調整することでタック性と解舒性のバランスを取っている。
また、最近では以下のような手法も提案されている。
特許文献1では、エポキシ樹脂マトリックスに配合した熱可塑性樹脂が溶解して環境温度及び硬化開始時の粘度が制御されることで、解舒性、工程通過性、形態保持性を改善したトウプリプレグが提案されている。
特許文献2では、UVなどのエネルギー線の照射による反応性を持たせることによってマトリックス樹脂表面の反応を進行させ、タック性と解舒性を改善したトウプリプレグが提案されている。
特許文献3では、ビニル系共重合粒子を炭素繊維間に配置させることにより、繊維間空隙に樹脂を保持することで、表層に露出するマトリックス樹脂組成物を減らしてタックの抑制が図られたトウプリプレグが提案されている。
特許文献2では、UVなどのエネルギー線の照射による反応性を持たせることによってマトリックス樹脂表面の反応を進行させ、タック性と解舒性を改善したトウプリプレグが提案されている。
特許文献3では、ビニル系共重合粒子を炭素繊維間に配置させることにより、繊維間空隙に樹脂を保持することで、表層に露出するマトリックス樹脂組成物を減らしてタックの抑制が図られたトウプリプレグが提案されている。
また、トウプリプレグに類似する材料として、特許文献4では、開繊された強化繊維、及び、ビスフェノールA型エポキシ化合物と、ビスフェノール化合物との重合物を含み、該重合物は5,000~25,000の重量平均分子量を有し、厚み方向における強化繊維の平均含有数が10本以下であるテープ状の一方向プリプレグが提案されている。
特許文献1:特開2019-089951号公報
特許文献2:特開2019-218483号公報
特許文献3:特許6720508号
特許文献4:特許6895682号
特許文献2:特開2019-218483号公報
特許文献3:特許6720508号
特許文献4:特許6895682号
トウプリプレグをボビンから巻き出す場合、巻き出し開始時のトウプリプレグと巻き出し終了時のトウプリプレグにおけるマトリックス樹脂含有量(含有率)が異なる。すなわち、トウプリプレグを製造する場合、通常、数百gから1kg程度の張力をかけて紙管等のボビンに巻き取るが、この際に、特に300m以上巻き付けると、トウプリプレグからマトリックス樹脂組成物が絞り出され、紙管側に位置するトウプリプレグより、他方(外周側)に位置するトウプリプレグの方がマトリックス樹脂の含有量が高くなってしまう。このようにマトリックス樹脂の含有率の差が大きいと、ライナーなどに巻き付けて加熱硬化させて成形体(複合材料)を製造した場合に厚さムラ又は物性のバラつきの原因となる。
トウプリプレグは紙管等のボビンに巻き取られ、使用する際には巻かれた状態から解舒されるが、生産性向上のため高速で解舒するためにはトウプリプレグのタック性(粘着性)が弱いことが必要である。
その一方で、トウプリプレグのタック性が少なすぎるとFW工程においてライナーに巻き付けたトウプリプレグが滑ってしまい、加工トラブルが生じたり、成形品の性能又は品質に悪影響を及ぼすため、解舒性とタック性のバランスを取ることが重要である。
その一方で、トウプリプレグのタック性が少なすぎるとFW工程においてライナーに巻き付けたトウプリプレグが滑ってしまい、加工トラブルが生じたり、成形品の性能又は品質に悪影響を及ぼすため、解舒性とタック性のバランスを取ることが重要である。
また、トウプリプレグの形態保持性が低い場合、FW工程中にトウプリプレグが折りたたまれたままライナーに巻き付けられる等の不具合が生じ易い。
また、マンドレルにトウプリプレグを巻きつけた後、トウプリプレグに含まれるマトリックス樹脂組成物を加熱し硬化させる工程(加熱硬化工程)においてマトリックス樹脂の過剰な粘度低下が生じると、重力及びトウプリプレグのライナーへの巻きつけ張力により樹脂が強化繊維束外へ流れ出てしまう(「樹脂フロー」とも呼ばれる)。このような樹脂フローが生じると、ライナーに巻きつけられたトウプリプレグ中のマトリックス樹脂が不足して、成形品(繊維強化複合材料)中にボイドが多く発生したり、繊維強化複合材料中のマトリックス樹脂組成物の量が変化したりして、得られる複合材料補強圧力容器の性能及び品質に悪影響を及ぼす。逆に加熱硬化時の樹脂粘度が高すぎる場合、樹脂の流動性不足によりトウプリプレグ巻き付け時のトウプリプレグ間の残存空気層が抜けきらずに成形品内部にボイドが多く残ったまま成形されるため、得られる複合材料補強圧力容器の性能及び品質に悪影響を及ぼす。
例えば特許文献1~4に開示されているように、トウプリプレグあるいはトウプリプレグに類似する材料が種々提案されているが、解舒性と粘着性のバランスに加え、形態保持性、ボビンに巻き取られたトウプリプレグ中のマトリックス樹脂の含有率の差、及び加熱硬化工程における樹脂フローも考慮することが望ましい。
そこで、本開示は、解舒性と粘着性のバランスに加え、形態保持性を有し、ボビンに巻き取られたトウプリプレグ中のマトリックス樹脂の含有率の差、及び加熱硬化工程における樹脂フローも考慮したトウプリプレグを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物の反応生成物であるマトリックス樹脂が強化繊維束に含浸されているトウプリプレグであって、
前記マトリックス樹脂は、重量平均分子量が300~2000、かつガラス転移点が15~35℃であり、
前記トウプリプレグの20~50℃の雰囲気温度における解舒張力が8.0N/mm以下であり、2本の前記トウプリプレグを長さ10mmで重ねた部分を40℃かつ9.8Nの荷重で3秒間圧着させた後の雰囲気温度23℃での引張せん断剥離荷重が1.0~24.5N/mmであるトウプリプレグ。
<2> 巻取張力9.8N以上でボビンに300m以上巻き取った後の巻始めの前記マトリックス樹脂の含有率(質量%)と巻き終わりの前記マトリックス樹脂の含有率(質量%)との差が2%未満である<1>に記載のトウプリプレグ。
<3> 前記トウプリプレグを160℃で60分間加熱して硬化させた後の前記マトリックス樹脂の重量平均分子量が45000以上、かつガラス転移点が80~160℃である<1>又は<2>に記載のトウプリプレグ。
<4> 前記エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)が、フェノール化合物及びアセチル化合物の少なくとも一方である<1>~<3>のいずれか1つに記載のトウプリプレグ。
<5> 前記トウプリプレグにおける前記マトリックス樹脂の含有率が、20~40質量%である<1>~<4>のいずれか1つに記載のトウプリプレグ。
<6> 前記樹脂組成物が、さらに可塑剤(D)を含む<1>~<5>のいずれか1つに記載のトウプリプレグ
<7> <1>~<6>のいずれか1つに記載のトウプリプレグが硬化した繊維強化複合材料。
<8> <1>~<6>のいずれか1つに記載のトウプリプレグの硬化物の層を有する複合材料。
<9> <1>~<6>のいずれか1つに記載のトウプリプレグを製造する方法であって、
強化繊維束を準備する工程(a)と、
2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物から前記マトリックス樹脂の前駆体を得る工程(b)と、
前記前駆体を前記強化繊維束に含浸させて前駆体含浸強化繊維束とする工程(c)と、
前記前駆体含浸強化繊維束を加熱して前記前駆体を加熱重合させた前記マトリックス樹脂とすることにより前記トウプリプレグを得る工程(d)と、
を含むトウプリプレグの製造方法。
<10> 前記工程(b)における前記前駆体のガラス転移点をTgAとし、前記トウプリプレグに含まれる前記マトリックス樹脂のガラス転移点をTgBとした場合に、前記工程(d)において、TgA/TgB=0.85~1.40となるように前記前駆体を加熱重合させる<9>に記載のトウプリプレグの製造方法。
<1> 2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物の反応生成物であるマトリックス樹脂が強化繊維束に含浸されているトウプリプレグであって、
前記マトリックス樹脂は、重量平均分子量が300~2000、かつガラス転移点が15~35℃であり、
前記トウプリプレグの20~50℃の雰囲気温度における解舒張力が8.0N/mm以下であり、2本の前記トウプリプレグを長さ10mmで重ねた部分を40℃かつ9.8Nの荷重で3秒間圧着させた後の雰囲気温度23℃での引張せん断剥離荷重が1.0~24.5N/mmであるトウプリプレグ。
<2> 巻取張力9.8N以上でボビンに300m以上巻き取った後の巻始めの前記マトリックス樹脂の含有率(質量%)と巻き終わりの前記マトリックス樹脂の含有率(質量%)との差が2%未満である<1>に記載のトウプリプレグ。
<3> 前記トウプリプレグを160℃で60分間加熱して硬化させた後の前記マトリックス樹脂の重量平均分子量が45000以上、かつガラス転移点が80~160℃である<1>又は<2>に記載のトウプリプレグ。
<4> 前記エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)が、フェノール化合物及びアセチル化合物の少なくとも一方である<1>~<3>のいずれか1つに記載のトウプリプレグ。
<5> 前記トウプリプレグにおける前記マトリックス樹脂の含有率が、20~40質量%である<1>~<4>のいずれか1つに記載のトウプリプレグ。
<6> 前記樹脂組成物が、さらに可塑剤(D)を含む<1>~<5>のいずれか1つに記載のトウプリプレグ
<7> <1>~<6>のいずれか1つに記載のトウプリプレグが硬化した繊維強化複合材料。
<8> <1>~<6>のいずれか1つに記載のトウプリプレグの硬化物の層を有する複合材料。
<9> <1>~<6>のいずれか1つに記載のトウプリプレグを製造する方法であって、
強化繊維束を準備する工程(a)と、
2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物から前記マトリックス樹脂の前駆体を得る工程(b)と、
前記前駆体を前記強化繊維束に含浸させて前駆体含浸強化繊維束とする工程(c)と、
前記前駆体含浸強化繊維束を加熱して前記前駆体を加熱重合させた前記マトリックス樹脂とすることにより前記トウプリプレグを得る工程(d)と、
を含むトウプリプレグの製造方法。
<10> 前記工程(b)における前記前駆体のガラス転移点をTgAとし、前記トウプリプレグに含まれる前記マトリックス樹脂のガラス転移点をTgBとした場合に、前記工程(d)において、TgA/TgB=0.85~1.40となるように前記前駆体を加熱重合させる<9>に記載のトウプリプレグの製造方法。
本開示によれば、解舒性と粘着性のバランスに加え、形態保持性、ボビンに巻き取られたトウプリプレグ中のマトリックス樹脂の含有率の差、及び加熱硬化工程における樹脂フローも考慮したトウプリプレグが提供される。
以下、本開示の一例である実施形態について説明する。
なお、本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、ある段階的な数値範囲の下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
なお、本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、ある段階的な数値範囲の下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
[トウプリプレグ]
本開示に係るトウプリプレグは、2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物の反応生成物であるマトリックス樹脂が強化繊維束に含浸されている。
そして、本開示に係るトウプリプレグに含まれるマトリックス樹脂は、重量平均分子量が300~2000、かつガラス転移点が15~35℃である。
さらに、本開示に係るトウプリプレグは、トウプリプレグの20~50℃の雰囲気温度における解舒張力が8.0N/mm以下であり、2本の前記トウプリプレグを長さ10mmで重ねた部分を40℃かつ9.8Nの荷重で3秒間圧着させた後の雰囲気温度23℃での引張せん断剥離荷重が1.0~24.5N/mmである。
本開示に係るトウプリプレグは、2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物の反応生成物であるマトリックス樹脂が強化繊維束に含浸されている。
そして、本開示に係るトウプリプレグに含まれるマトリックス樹脂は、重量平均分子量が300~2000、かつガラス転移点が15~35℃である。
さらに、本開示に係るトウプリプレグは、トウプリプレグの20~50℃の雰囲気温度における解舒張力が8.0N/mm以下であり、2本の前記トウプリプレグを長さ10mmで重ねた部分を40℃かつ9.8Nの荷重で3秒間圧着させた後の雰囲気温度23℃での引張せん断剥離荷重が1.0~24.5N/mmである。
以下、本開示に係るトウプリプレグの強化繊維束、マトリックス樹脂、特性、製造方法などについて説明する。
<強化繊維束>
強化繊維束は、フィラメントとも呼ばれる一本が直径5~10μmの連続した強化繊維が数千本~数万本の束となって構成されている。強化繊維束を構成する強化繊維は特に制限はないが、強度、マトリックス樹脂との親和性などの観点から、例えば、炭素繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが好ましく、炭素繊維がより好ましい。なお、炭素繊維は、一般的に、ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系と、コールタールピッチ又は石油ピッチを原料とするピッチ系に分類される。本開示に係るトウプリプレグにおいて強化繊維束として用い得る炭素繊維は、PAN系、ピッチ系のいずれも使用可能であり、目的又は用途に応じて、これらを単独で使用してもよいし、併用してもよい。
強化繊維束は、フィラメントとも呼ばれる一本が直径5~10μmの連続した強化繊維が数千本~数万本の束となって構成されている。強化繊維束を構成する強化繊維は特に制限はないが、強度、マトリックス樹脂との親和性などの観点から、例えば、炭素繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが好ましく、炭素繊維がより好ましい。なお、炭素繊維は、一般的に、ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系と、コールタールピッチ又は石油ピッチを原料とするピッチ系に分類される。本開示に係るトウプリプレグにおいて強化繊維束として用い得る炭素繊維は、PAN系、ピッチ系のいずれも使用可能であり、目的又は用途に応じて、これらを単独で使用してもよいし、併用してもよい。
<マトリックス樹脂>
マトリックス樹脂は、2官能エポキシ樹脂(A)(成分(A)と称する場合がある。)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)(成分(B)と称する場合がある。)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)(成分(C)と称する場合がある。)を含む樹脂組成物の反応生成物である。
以下、マトリックス樹脂を形成するための樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
マトリックス樹脂は、2官能エポキシ樹脂(A)(成分(A)と称する場合がある。)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)(成分(B)と称する場合がある。)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)(成分(C)と称する場合がある。)を含む樹脂組成物の反応生成物である。
以下、マトリックス樹脂を形成するための樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
成分(A):2官能エポキシ樹脂
2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールアセトフェノン型エポキシ樹脂、ジフェニルスルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、などのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ジフェニルジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アルキレングリコール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂及びこれらのメチル基による置換体を挙げることができる。ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂及びこれらのメチル基による置換体が好ましい。
なお、これら2価エポキシ樹脂は単独でも。2種以上を組合わせて使用しても良い。
2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールアセトフェノン型エポキシ樹脂、ジフェニルスルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、などのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ジフェニルジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アルキレングリコール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂及びこれらのメチル基による置換体を挙げることができる。ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂及びこれらのメチル基による置換体が好ましい。
なお、これら2価エポキシ樹脂は単独でも。2種以上を組合わせて使用しても良い。
成分(B):エポキシ基と反応性を有する2官能化合物
エポキシ基と反応性を有する2官能化合物としては、成分(A)の2官能エポキシ樹脂のエポキシ基と反応性を有する2官能化合物であれば特に限定されないが、2価のフェノール化合物及びアセチル化合物の少なくとも一方であることが好ましい。
エポキシ基と反応性を有する2官能化合物としては、成分(A)の2官能エポキシ樹脂のエポキシ基と反応性を有する2官能化合物であれば特に限定されないが、2価のフェノール化合物及びアセチル化合物の少なくとも一方であることが好ましい。
(フェノール化合物)
2価フェノール化合物を以下に例示するが、2官能であれば下記に示す限りではない。ビスフェノールA、ビスフェノールF(以上、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾ-ルフルオレン(以上、大阪ガスケミカル株式会社製)、Bis-E、Bis-Z、BisOC-FL、BisP-AP、BisP-CDE、BisP-HTG、BisP-MIBK、BisP-3MZ、SBOC、Bis25X-F(以上、本州化学工業株式会社製)、ビスフェノールSなどのビスフェノール類、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、カテコール、メチルカテコールなどのベンゼンジオール類、ナフタレンジオールなどのナフタレンジオール類、ビフェノール、ジメチルビフェノール、テトラメチルビフェノールなどのビフェノール類などがあり、これらの内、ビスフェノール化合物類又はビフェノール化合物類が好ましい。
これら2価フェノール化合物は単独でも、2種以上を組合わせて使用しても良い。
2価フェノール化合物を以下に例示するが、2官能であれば下記に示す限りではない。ビスフェノールA、ビスフェノールF(以上、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾ-ルフルオレン(以上、大阪ガスケミカル株式会社製)、Bis-E、Bis-Z、BisOC-FL、BisP-AP、BisP-CDE、BisP-HTG、BisP-MIBK、BisP-3MZ、SBOC、Bis25X-F(以上、本州化学工業株式会社製)、ビスフェノールSなどのビスフェノール類、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、カテコール、メチルカテコールなどのベンゼンジオール類、ナフタレンジオールなどのナフタレンジオール類、ビフェノール、ジメチルビフェノール、テトラメチルビフェノールなどのビフェノール類などがあり、これらの内、ビスフェノール化合物類又はビフェノール化合物類が好ましい。
これら2価フェノール化合物は単独でも、2種以上を組合わせて使用しても良い。
(アセチル化合物)
本開示において成分(B)として使用し得るアセチル化合物は、1分子中に2つのアセチル基を有する2官能の化合物である。
本開示において成分(B)として使用し得るアセチル化合物は、1分子中に2つのアセチル基を有する2官能の化合物である。
2官能アセチル化合物は、ビスフェノール化合物又はビフェノール化合物などの2官能フェノール化合物を原料とし、無水酢酸と反応させることで容易に得ることができる。
原料となるビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF(以上、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、ビスフェノールフルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製)、Bis-E、Bis-Z、BisOC-FL、BisP-AP、BisP-CDE、BisP-HTG、BisP-MIBK、BisP-3MZ、S-BOC(以上、本州化学工業株式会社製)、ビスフェノールSなどが挙げられる。
原料となるビフェノール化合物としては、例えば、ビフェノール、ジメチルビフェノール、テトラメチルビフェノールなどが挙げられる。この他の2官能フェノール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、カテコール、メチルカテコールなどのベンゼンジオール類、ナフタレンジオールなどのナフタレンジオール類などが挙げられる。
2官能アセチル化合物は、上記のフェノール化合物をアセチル化したものを用いてもよいし、それ以外の方法で合成されたものを用いてもよい。
原料となるビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF(以上、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、ビスフェノールフルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製)、Bis-E、Bis-Z、BisOC-FL、BisP-AP、BisP-CDE、BisP-HTG、BisP-MIBK、BisP-3MZ、S-BOC(以上、本州化学工業株式会社製)、ビスフェノールSなどが挙げられる。
原料となるビフェノール化合物としては、例えば、ビフェノール、ジメチルビフェノール、テトラメチルビフェノールなどが挙げられる。この他の2官能フェノール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、カテコール、メチルカテコールなどのベンゼンジオール類、ナフタレンジオールなどのナフタレンジオール類などが挙げられる。
2官能アセチル化合物は、上記のフェノール化合物をアセチル化したものを用いてもよいし、それ以外の方法で合成されたものを用いてもよい。
成分(C):アミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒
硬化触媒は、2官能エポキシ樹脂(A)とエポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)との反応(重合)を促進させるために樹脂組成物に含まれる。
成分(B)として例えば2価のフェノール化合物を用いる場合、硬化触媒(C)は、アミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒のうち、エポキシ基とフェノール性水酸基との反応を進めるような触媒能を持つ化合物であればよい。
例えば、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、有機リン化合物、イミダゾール類などが挙げられる。中でもトリフェニルフォスフィン(TPP)、トリ-o-トリルホスフィン(TOTP)、トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン(TPAP)等の有機リン化合物、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール(TB-Z)等のイミダゾール類の使用が好ましい。
なお、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
硬化触媒は、2官能エポキシ樹脂(A)とエポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)との反応(重合)を促進させるために樹脂組成物に含まれる。
成分(B)として例えば2価のフェノール化合物を用いる場合、硬化触媒(C)は、アミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒のうち、エポキシ基とフェノール性水酸基との反応を進めるような触媒能を持つ化合物であればよい。
例えば、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、有機リン化合物、イミダゾール類などが挙げられる。中でもトリフェニルフォスフィン(TPP)、トリ-o-トリルホスフィン(TOTP)、トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン(TPAP)等の有機リン化合物、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール(TB-Z)等のイミダゾール類の使用が好ましい。
なお、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
可塑剤(D)
樹脂組成物は、可塑剤を含んでもよい。樹脂組成物が可塑剤を含むことでトウプリプレグの柔軟性を向上させることができる。可塑剤としては、2官能エポキシ樹脂(A)との相溶性を有するものが好ましく、例えば、単官能エポキシ化合物、単官能フェノール化合物、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂、スチレンなどが挙げられる。なお、可塑剤の使用については、トウプリプレグ又はトウプリプレグを成形したCFRPの機械特性の低下を招かない限り特に制限はないが、0.1~10質量部とすることが望ましい。
樹脂組成物は、可塑剤を含んでもよい。樹脂組成物が可塑剤を含むことでトウプリプレグの柔軟性を向上させることができる。可塑剤としては、2官能エポキシ樹脂(A)との相溶性を有するものが好ましく、例えば、単官能エポキシ化合物、単官能フェノール化合物、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂、スチレンなどが挙げられる。なお、可塑剤の使用については、トウプリプレグ又はトウプリプレグを成形したCFRPの機械特性の低下を招かない限り特に制限はないが、0.1~10質量部とすることが望ましい。
(その他の成分)
樹脂組成物は、例えば反応遅延剤を含んでもよい。2液混合の際に前駆体組成物を均一液状化するとともに粘度をできるだけ低下させる必要性から、しばしば加温されるため、反応を遅らせて低粘度な状態を維持させることが好ましく、トリ-n-ブチルボレート、トリ-n-オクチルボレート、トリ-n-ドデシルボレート等のトリアルキルボレート類、トリフェニルボレート等のトアリールボレート類が反応遅延剤として使用される。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
樹脂組成物は、例えば反応遅延剤を含んでもよい。2液混合の際に前駆体組成物を均一液状化するとともに粘度をできるだけ低下させる必要性から、しばしば加温されるため、反応を遅らせて低粘度な状態を維持させることが好ましく、トリ-n-ブチルボレート、トリ-n-オクチルボレート、トリ-n-ドデシルボレート等のトリアルキルボレート類、トリフェニルボレート等のトアリールボレート類が反応遅延剤として使用される。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
なお、成分(A)及び成分(B)はいずれも2官能の化合物を用いるが、3官能以上の化合物を含むと三次元架橋を引き起こし、加熱硬化時に熱可塑性が妨げられることになる。そのため、3官能以上の化合物は含まないか、含ませるにしても樹脂組成物全体に対して1質量%以下とすることが好ましい。
(マトリックス樹脂の重量平均分子量)
マトリックス樹脂は、重量平均分子量が300~2000である。マトリックス樹脂の重量平均分子量が300以上であれば、20~50℃の雰囲気温度でトウプリプレグをマンドレル等に巻き付ける際に高い形状保持性を発揮し、2000以下であればトウプリプレグを巻き付ける際に高いドレープ性を発揮する。
かかる観点から、マトリックス樹脂の重量平均分子量は、500~1500であることが好ましく、900~1200であることがより好ましい。
マトリックス樹脂は、重量平均分子量が300~2000である。マトリックス樹脂の重量平均分子量が300以上であれば、20~50℃の雰囲気温度でトウプリプレグをマンドレル等に巻き付ける際に高い形状保持性を発揮し、2000以下であればトウプリプレグを巻き付ける際に高いドレープ性を発揮する。
かかる観点から、マトリックス樹脂の重量平均分子量は、500~1500であることが好ましく、900~1200であることがより好ましい。
(マトリックス樹脂のガラス転移点)
マトリックス樹脂のガラス転移点は15~35℃である。マトリックス樹脂のガラス転移点が15℃以上であれば、20~50℃の雰囲気温度でのタック性が過剰とならずトウプリプレグの解舒不良が発生せず、35℃以下であれば適度なタック性によりトウプリプレグをマンドレル又はライナーに巻き付ける際のトウプリプレグの滑りを抑制する。
かかる観点から、マトリックス樹脂のガラス転移点は、15~30℃であることが好ましく、20~25℃であることがより好ましい。
マトリックス樹脂のガラス転移点は15~35℃である。マトリックス樹脂のガラス転移点が15℃以上であれば、20~50℃の雰囲気温度でのタック性が過剰とならずトウプリプレグの解舒不良が発生せず、35℃以下であれば適度なタック性によりトウプリプレグをマンドレル又はライナーに巻き付ける際のトウプリプレグの滑りを抑制する。
かかる観点から、マトリックス樹脂のガラス転移点は、15~30℃であることが好ましく、20~25℃であることがより好ましい。
(160℃で60分間加熱硬化させた場合のマトリックス樹脂の物性)
本開示に係るトウプリプレグは、160℃、60分間加熱して硬化させた後のマトリックス樹脂の重量平均分子量が45000以上、かつガラス転移点が80~160℃であり、160℃、60分間加熱して硬化させた後のマトリックス樹脂を昇温速度2℃/分で昇温して粘度測定した際に得られる最低粘度(「マトリックス樹脂の最低溶融粘度」と称する場合がある。)が、0.1~3.0Pa・sとなることが好ましい。
本開示に係るトウプリプレグを上記条件(160℃×60分)で加熱することでマトリックス樹脂は一旦粘度が低下した後、硬化するが、硬化後のマトリックス樹脂の重量平均分子量及びガラス転移点、並びにマトリックス樹脂の最低溶融粘度がそれぞれ上記範囲内にあることで加熱硬化して複合材料(成形体)とする際に、樹脂フローを効果的に抑制し、かつ、樹脂の過剰流動又は流動性不足によるトウプリプレグ間のボイドの発生を抑制することができる。
本開示に係るトウプリプレグは、160℃、60分間加熱して硬化させた後のマトリックス樹脂の重量平均分子量が45000以上、かつガラス転移点が80~160℃であり、160℃、60分間加熱して硬化させた後のマトリックス樹脂を昇温速度2℃/分で昇温して粘度測定した際に得られる最低粘度(「マトリックス樹脂の最低溶融粘度」と称する場合がある。)が、0.1~3.0Pa・sとなることが好ましい。
本開示に係るトウプリプレグを上記条件(160℃×60分)で加熱することでマトリックス樹脂は一旦粘度が低下した後、硬化するが、硬化後のマトリックス樹脂の重量平均分子量及びガラス転移点、並びにマトリックス樹脂の最低溶融粘度がそれぞれ上記範囲内にあることで加熱硬化して複合材料(成形体)とする際に、樹脂フローを効果的に抑制し、かつ、樹脂の過剰流動又は流動性不足によるトウプリプレグ間のボイドの発生を抑制することができる。
(マトリックス樹脂の昇温粘度測定)
マトリックス樹脂の最低溶融粘度は、Anton Pear社製のMCR 102または同等の装置により、測定周波数3Hz、負荷ひずみ1%、20mm直径の平プレート、プレート間ギャップは0.5mm、昇温速度2℃/分の条件で30℃~140℃までの温度範囲で測定し、最低溶融粘度を求める。
マトリックス樹脂の最低溶融粘度は、Anton Pear社製のMCR 102または同等の装置により、測定周波数3Hz、負荷ひずみ1%、20mm直径の平プレート、プレート間ギャップは0.5mm、昇温速度2℃/分の条件で30℃~140℃までの温度範囲で測定し、最低溶融粘度を求める。
本開示に係るトウプリプレグに含まれるマトリックス樹脂は、フェノキシ樹脂が好ましい。
ここで「フェノキシ樹脂」とは、2価フェノール化合物とエピハロヒドリンとの縮合反応、あるいは2価フェノール化合物と2官能エポキシ樹脂との重付加反応から得られる線形の高分子であり、非晶質の熱可塑性樹脂である。
ここで「フェノキシ樹脂」とは、2価フェノール化合物とエピハロヒドリンとの縮合反応、あるいは2価フェノール化合物と2官能エポキシ樹脂との重付加反応から得られる線形の高分子であり、非晶質の熱可塑性樹脂である。
フェノキシ樹脂の平均分子量は、加熱硬化後の重量平均分子量(Mw)として、例えば10,000~200,000の範囲内であるが、複合部材の強度、作業性、加工性の観点から、好ましくは20,000~100,000の範囲内であり、より好ましくは30,000~80,000の範囲内である。フェノキシ樹脂のMwが低すぎると複合部材の強度が劣り、高すぎると作業性及び加工性に劣るものとなり易い。なお、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値である。
フェノキシ樹脂は、溶液中あるいは無溶媒下にて原料化合物から公知の方法で製造されるが、無溶媒下で製造されるフェノキシ樹脂のうち、原料化合物をin situで重合させて得られるフェノキシ樹脂については、現場重合型フェノキシ樹脂もしくは熱可塑性エポキシ樹脂とも呼称される。
フェノキシ樹脂と現場重合型フェノキシ樹脂は、いずれも2官能フェノール化合物と2官能エポキシ樹脂による直鎖状のポリマーであるということは同じであるが、フェノキシ樹脂は分子量及び分子量分布が一定範囲内に制御され、加熱してもそれ以上重合が進まないのに対して、現場重合型フェノキシ樹脂は、加熱により分子量の増加が確認されることが異なる。
本開示では、マトリックス樹脂として、溶液中で製造したフェノキシ樹脂、無溶媒下で製造されたフェノキシ樹脂、現場重合型フェノキシ樹脂のいずれであっても使用することができる。
本開示では、マトリックス樹脂として、溶液中で製造したフェノキシ樹脂、無溶媒下で製造されたフェノキシ樹脂、現場重合型フェノキシ樹脂のいずれであっても使用することができる。
フェノキシ樹脂を溶液中で製造する場合、その反応溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、アルコール、ブチルアルコール、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ブチロラクトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトフェノン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの有機溶媒が挙げられる。これらを複数組み合わせた有機溶媒、または有機溶媒と無機系溶媒(水など)との混合溶媒であっても良い。
重合反応は、使用する触媒が分解しない程度の反応温度で行う。反応温度は、50~240℃、反応圧力は通常、常圧であり、反応熱の除去が必要な場合は、使用する溶剤のフラッシュ蒸発・凝縮還流法、間接冷却法、またはこれらの併用法により行われる。
また、メチルエチルケトンのような低沸点溶媒を使用する場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反応を行うことで反応温度を確保することもできる。
また、メチルエチルケトンのような低沸点溶媒を使用する場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反応を行うことで反応温度を確保することもできる。
本方法で得られたフェノキシ樹脂はそのままワニスとして、または蒸発器等を用いた脱溶媒処理をすることにより、溶媒を含まない固形状の樹脂とされる。
マトリックス樹脂のガラス転移点(Tg)が低いほど、複合部材の成形性は良くなるが、タック性が過剰になるためトウプリプレグの解舒不良が発生する。一方、Tgが高くなると解舒性は良くなるがタック性が過小となりトウプリプレグ巻き付け時の滑りが生じたりドレープ性が低下するため、Tg以上の高温のプロセスが必要とされる。かかる観点から、マトリックス樹脂のTgは15~35℃の範囲内であることが好ましい。なお、マトリックス樹脂のTgは、示差走査熱量測定装置を用い、10℃/分の昇温条件で、-20~100℃の範囲内の温度で測定し、ファーストスキャンのピーク値より計算された数値である。
フェノキシ樹脂は、ワニス状態であれば強化繊維束にそのまま含浸させたのちに乾燥工程を経てプリプレグ化され、固形状の樹脂であれば、溶融状態で強化繊維基材に含浸ダイなどを用いて含浸されてプリプレグ化される。
さらに、固形状の樹脂を繊維、フィルム、又はパウダーにして、強化繊維束と混織(コミングルド法)したり、フィルムと強化繊維束を重ねてロールプレス機などにより加圧含浸(フィルムスタック法)したり、粉体塗工法を用いて強化繊維束に塗工されることでトウプリプレグにしても良い。
さらに、固形状の樹脂を繊維、フィルム、又はパウダーにして、強化繊維束と混織(コミングルド法)したり、フィルムと強化繊維束を重ねてロールプレス機などにより加圧含浸(フィルムスタック法)したり、粉体塗工法を用いて強化繊維束に塗工されることでトウプリプレグにしても良い。
一方、フェノキシ樹脂を無溶媒下にて製造する場合は、原料化合物と反応触媒を混合して前駆体組成物とし、これを加熱により重付加反応させることによって行う。このとき、原料及び反応触媒の混合状態を最適化させるために予め加熱融解させた原料を混合してもよいし、最大で10質量%程度のクロヘキサノンン又はメチルエチルケトン等の溶剤を添加してもよい。
無溶媒下でのフェノキシ樹脂の製造も溶媒中でのフェノキシ樹脂の製造方法と大きく条件が変わるものではないが、反応器などを使わずにin situでフェノキシ樹脂を得ることができる現場重合型フェノキシ樹脂は、その重合度合いを任意の範囲で調整できる。そのため、現場重合型フェノキシ樹脂は、オリゴマーの状態で強化繊維束に含浸させてトウプリプレグを作製することができ、好ましいフェノキシ樹脂である。
一般的に高分子量体(ポリマー)を強化繊維束に含浸するためにはそのままであれば高温高圧が必要となるため、含浸不良によるボイドの発生又は強化繊維の折損などが起きやすく、溶剤を使用する場合は残留溶媒によるボイドの発生が起こりやすいが、オリゴマーの場合はポリマーよりも溶融粘度が低いので、加熱溶融で容易に強化繊維束に含浸することができる。
一般的に高分子量体(ポリマー)を強化繊維束に含浸するためにはそのままであれば高温高圧が必要となるため、含浸不良によるボイドの発生又は強化繊維の折損などが起きやすく、溶剤を使用する場合は残留溶媒によるボイドの発生が起こりやすいが、オリゴマーの場合はポリマーよりも溶融粘度が低いので、加熱溶融で容易に強化繊維束に含浸することができる。
本開示に係るトウプリプレグの厚みは特に限定されず、用途、要求される機械特性などに応じて選択することができるが、例えば、0.05~0.2mmである。
(マトリックス樹脂の含有率)
本開示に係るトウプリプレグにおけるマトリックス樹脂の含有率は、20~40質量%であることが好ましい。トウプリプレグ全体に対するマトリックス樹脂の含有率が20質量%以上であればマトリックス樹脂量不足による成形品のボイド発生を抑制し、40質量%以下であれば繊維体積含有率が高く、機械物性に優れた成形品が得られる。
かかる観点から、トウプリプレグにおけるマトリックス樹脂の含有率は、25~40質量%であることが好ましく、30~35質量%であることがより好ましい。
本開示に係るトウプリプレグにおけるマトリックス樹脂の含有率は、20~40質量%であることが好ましい。トウプリプレグ全体に対するマトリックス樹脂の含有率が20質量%以上であればマトリックス樹脂量不足による成形品のボイド発生を抑制し、40質量%以下であれば繊維体積含有率が高く、機械物性に優れた成形品が得られる。
かかる観点から、トウプリプレグにおけるマトリックス樹脂の含有率は、25~40質量%であることが好ましく、30~35質量%であることがより好ましい。
(解舒張力)
本開示に係るトウプリプレグは、20~50℃の雰囲気温度における解舒張力が8.0N/mm以下である。
本開示に係るトウプリプレグは、上記雰囲気温度での解舒張力が8.0N/mm以下であるため、トウプリプレグ解舒時に繊維の裂け又は破断が起こり難く、ボビンから容易に巻き出すことができる。かかる観点から、上記解舒張力は、6.5N/mm以下であることが好ましく、5.4N/mm以下であることがより好ましい。
図1は、本開示に係るトウプリプレグの解舒張力の測定方法を説明する概略図である。図1に示すようにボビン24に巻かれたトウプリプレグ22をボビン24から水平に引っ張って解舒する際の荷重を測定する。解舒する際の荷重が解舒張力である。
本開示に係るトウプリプレグは、20~50℃の雰囲気温度における解舒張力が8.0N/mm以下である。
本開示に係るトウプリプレグは、上記雰囲気温度での解舒張力が8.0N/mm以下であるため、トウプリプレグ解舒時に繊維の裂け又は破断が起こり難く、ボビンから容易に巻き出すことができる。かかる観点から、上記解舒張力は、6.5N/mm以下であることが好ましく、5.4N/mm以下であることがより好ましい。
図1は、本開示に係るトウプリプレグの解舒張力の測定方法を説明する概略図である。図1に示すようにボビン24に巻かれたトウプリプレグ22をボビン24から水平に引っ張って解舒する際の荷重を測定する。解舒する際の荷重が解舒張力である。
(せん断剥離荷重)
本開示に係るトウプリプレグは、2本のトウプリプレグを長さ10mmで重ねた部分を40℃かつ9.8Nの荷重で3秒間圧着させた後の雰囲気温度23℃での引張せん断剥離荷重(本開示において単に「せん断剥離荷重」と称する場合がある。)が1.0~24.5N/mmである。
本開示に係るトウプリプレグは、上記せん断剥離荷重が1.0N/mm以上であることでライナー等に巻き付ける際に滑りを抑制することができ、24.5N/mm以下であることでトウプリプレグの解舒力が低下し解舒不良の発生が抑制される。かかる観点から、本開示に係るトウプリプレグの上記せん断剥離荷重は、2.9~19.6N/mmであることが好ましく、4.9~14.7N/mmであることがより好ましい。
本開示に係るトウプリプレグは、2本のトウプリプレグを長さ10mmで重ねた部分を40℃かつ9.8Nの荷重で3秒間圧着させた後の雰囲気温度23℃での引張せん断剥離荷重(本開示において単に「せん断剥離荷重」と称する場合がある。)が1.0~24.5N/mmである。
本開示に係るトウプリプレグは、上記せん断剥離荷重が1.0N/mm以上であることでライナー等に巻き付ける際に滑りを抑制することができ、24.5N/mm以下であることでトウプリプレグの解舒力が低下し解舒不良の発生が抑制される。かかる観点から、本開示に係るトウプリプレグの上記せん断剥離荷重は、2.9~19.6N/mmであることが好ましく、4.9~14.7N/mmであることがより好ましい。
図2は、本開示に係るトウプリプレグを圧着させた場合のせん断剥離荷重の測定方法を説明する概略図である。図2(A)に示すように2本のトウプリプレグ22A,22Bの長手方向における端部付近を10mm重ね、重ねた部分をホットプレート30A,30Bによって40℃かつ9.8Nの荷重で3秒間圧着する。次いで、図2(B)に示すように2本のトウプリプレグ22A,22Bのそれぞれの他端部を引き離すように逆方向に引張り、重なり部のせん断剥離荷重を測定する。
[トウプリプレグの製造方法]
本開示に係るトウプリプレグの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の製造方法によって好適に製造することができる。
本開示に係るトウプリプレグの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の製造方法によって好適に製造することができる。
すなわち、本開示に係るトウプリプレグの好適な製造方法は、
強化繊維束を準備する工程(a)と、
2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物から前記マトリックス樹脂の前駆体を得る工程(b)と、
前記前駆体を前記強化繊維束に含浸させて前駆体含浸強化繊維束とする工程(c)と、
前記前駆体含浸強化繊維束を加熱して前記前駆体を加熱重合させた前記マトリックス樹脂とすることにより前記トウプリプレグを得る工程(d)と、
を含む。
以下、各工程について具体的に説明する。
強化繊維束を準備する工程(a)と、
2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物から前記マトリックス樹脂の前駆体を得る工程(b)と、
前記前駆体を前記強化繊維束に含浸させて前駆体含浸強化繊維束とする工程(c)と、
前記前駆体含浸強化繊維束を加熱して前記前駆体を加熱重合させた前記マトリックス樹脂とすることにより前記トウプリプレグを得る工程(d)と、
を含む。
以下、各工程について具体的に説明する。
工程(a):強化繊維束を準備する。
本開示に係るトウプリプレグを製造する際に使用する強化繊維束は、例えば、市販品の強化繊維束を開繊処理したものを使用することができる。強化繊維の市販品として、例えば、以下の各炭素繊維が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示に係るトウプリプレグを製造する際に使用する強化繊維束は、例えば、市販品の強化繊維束を開繊処理したものを使用することができる。強化繊維の市販品として、例えば、以下の各炭素繊維が挙げられるが、これらに限定されない。
<ピッチ系炭素繊維>
ピッチ系炭素繊維(“GRANOC(登録商標)”XN-60-60S、日本グラファイトファイバー(株)製、引張弾性率:620GPa、引張強度:3430MPa、密度:2.12g/cm3)
ピッチ系炭素繊維(“DIALEAD(登録商標)”K63712、三菱ケミカル(株)製、引張弾性率:640GPa、引張強度:2600MPa、密度:2.12g/cm3)
ピッチ系炭素繊維(“GRANOC(登録商標)”XN-60-60S、日本グラファイトファイバー(株)製、引張弾性率:620GPa、引張強度:3430MPa、密度:2.12g/cm3)
ピッチ系炭素繊維(“DIALEAD(登録商標)”K63712、三菱ケミカル(株)製、引張弾性率:640GPa、引張強度:2600MPa、密度:2.12g/cm3)
<PAN系炭素繊維>
PAN系炭素繊維(“トレカ(登録商標)”T700SC-12000、東レ(株)製、引張弾性率:230GPa、引張強度:4900MPa、密度:1.8g/cm3)
PAN系炭素繊維(“PYROFIL(登録商標)”TR50S12L、三菱ケミカル(株)製、引張弾性率:235GPa、引張強度:4900MPa、密度:1.8g/cm3)
PAN系炭素繊維(“テナックス(登録商標)”HTS40、帝人(株)製、引張弾性率:240GPa、引張強度:4400MPa、密度:1.8g/cm3)
PAN系炭素繊維(“トレカ(登録商標)”T700SC-12000、東レ(株)製、引張弾性率:230GPa、引張強度:4900MPa、密度:1.8g/cm3)
PAN系炭素繊維(“PYROFIL(登録商標)”TR50S12L、三菱ケミカル(株)製、引張弾性率:235GPa、引張強度:4900MPa、密度:1.8g/cm3)
PAN系炭素繊維(“テナックス(登録商標)”HTS40、帝人(株)製、引張弾性率:240GPa、引張強度:4400MPa、密度:1.8g/cm3)
本開示のトウプリプレグは、基本的に炭素繊維束の開繊処理を必須とするものではないが、使用する強化繊維束の種類及びフィラメント数などによっては開繊処理を行ってもよい。炭素繊維束の開繊方法は特に限定されず、例えば、繊維束に振動ロールを接触させる振動開繊方式、エアーを吹き付ける方法による空気開繊方式などの公知の方法を使用することができる。
工程(b):2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物からマトリックス樹脂の前駆体(マトリックス樹脂前駆体)を得る。
成分(A)、(B)、(C)は、それぞれトウプリプレグに関して前述したものであり、樹脂組成物に含み得るその他の成分についても前述したものと同様である。
なお、樹脂組成物における各成分の含有量は使用する化合物によるが、例えば、以下のような含有量が挙げられる。
2官能エポキシ樹脂(A):1モルに対して、
エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B):0.95~1.05モル
硬化触媒(C):2官能エポキシ樹脂(A)と2官能化合物(B)の総量に対して0.05~5質量部
前述したように、マトリックス樹脂として、フェノキシ樹脂、特に現場重合型フェノキシ樹脂(熱可塑性エポキシ樹脂)を形成するための樹脂組成物を用いることが好ましい。
なお、樹脂組成物における各成分の含有量は使用する化合物によるが、例えば、以下のような含有量が挙げられる。
2官能エポキシ樹脂(A):1モルに対して、
エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B):0.95~1.05モル
硬化触媒(C):2官能エポキシ樹脂(A)と2官能化合物(B)の総量に対して0.05~5質量部
前述したように、マトリックス樹脂として、フェノキシ樹脂、特に現場重合型フェノキシ樹脂(熱可塑性エポキシ樹脂)を形成するための樹脂組成物を用いることが好ましい。
成分(A)~(C)の配合には、例えばプラネタリーミキサー又はニーダーなど従来公知の任意の装置を用いることができるが、温度制御機能を備えているものが好ましい。また、各成分の配合順番についても成分(A)~(C)を一括で配合してもよいし、任意の順番で配合してもよい。
各成分を含む樹脂組成物を養生して、2官能エポキシ樹脂(A)とエポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)を部分的に反応(重合)させることで、強化繊維束に含浸させるためのマトリックス樹脂の前駆体(マトリックス樹脂前駆体)を得る。
マトリックス樹脂前駆体は、樹脂成分、重合触媒、養生条件、乾燥条件などにもよるが、重量平均分子量(Mw)が300~2000程度の範囲となるまで養生して重合を進めることが好ましい。養生は、例えば23~65℃の範囲の任意の温度で24~216hr静置することによって行われる。なお、養生温度が低い場合は養生時間を長く、養生温度が高い場合は養生時間を短くすることで、前駆体の重量平均分子量(Mw)が上記範囲内となるいように調整することが好ましい。
マトリックス樹脂前駆体は、樹脂成分、重合触媒、養生条件、乾燥条件などにもよるが、重量平均分子量(Mw)が300~2000程度の範囲となるまで養生して重合を進めることが好ましい。養生は、例えば23~65℃の範囲の任意の温度で24~216hr静置することによって行われる。なお、養生温度が低い場合は養生時間を長く、養生温度が高い場合は養生時間を短くすることで、前駆体の重量平均分子量(Mw)が上記範囲内となるいように調整することが好ましい。
なお、次の工程(c)において強化繊維束にマトリックス樹脂前駆体を含浸させるため、前駆体の粘度を調整することが好ましい。
工程(c):マトリックス樹脂前駆体を強化繊維束に含浸させて前駆体含浸強化繊維束とする。
マトリックス樹脂前駆体の強化繊維束への含浸は、ミキサー又はニーダーを用い、2官能エポキシ樹脂(A)及びエポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)を含むマトリックス樹脂原料化合物と、硬化触媒(C)とを混合したマトリックス樹脂前駆体組成物を重量平均分子量(Mw)が例えば300~2000程度の範囲となるまで重合を進めたのちに行う。
樹脂前駆体の強化繊維束への含浸方法は、含浸ダイ又は樹脂浴等を用いて40~80℃にて前駆体組成物を加熱溶融した状態で強化繊維束に直接含浸させる。また、本開示のトウプリプレグは強化繊維束を溶剤希釈した前記マトリックス樹脂前駆体組成物に浸漬させることで強化繊維束内に樹脂を含浸させる、所謂「Wet法」によって製造することも可能である。
含浸後のプリプレグはタッチロールなどを用いて余分な前駆体樹脂を除いたのち、工程(d)に移行する。
なお、溝付きロールなどを使用して含侵後のプリプレグの断面形状を整えてもよい。断面形状は、丸、楕円、紡錘状、矩形、平板状など特に制限なく、任意の形状にすることができる。
なお、溝付きロールなどを使用して含侵後のプリプレグの断面形状を整えてもよい。断面形状は、丸、楕円、紡錘状、矩形、平板状など特に制限なく、任意の形状にすることができる。
工程(d):前駆体含浸強化繊維束を加熱して前駆体を加熱重合させたマトリックス樹脂とすることによりトウプリプレグを得る。
工程(b)におけるマトリックス樹脂前駆体のガラス転移点をTgAとし、トウプリプレグに含まれるマトリックス樹脂のガラス転移点をTgBとした場合に、工程(d)において、TgA/TgB=0.85~1.40となるようにマトリックス樹脂前駆体を加熱重合させることが好ましい。TgA/TgBは、0.90~1.30であることがより好ましく、0.95~1.20であることがさらに好ましい。
工程(b)におけるマトリックス樹脂前駆体のガラス転移点をTgAとし、トウプリプレグに含まれるマトリックス樹脂のガラス転移点をTgBとした場合に、工程(d)において、TgA/TgB=0.85~1.40となるようにマトリックス樹脂前駆体を加熱重合させることが好ましい。TgA/TgBは、0.90~1.30であることがより好ましく、0.95~1.20であることがさらに好ましい。
図3は、本開示に係るトウプリプレグの製造方法の一例を示す概略図である。100はトウプリプレグ製造装置、10はボビン巻き強化繊維、12は強化繊維束、14は樹脂浴、16はフリーロール、18は駆動ロール、20は乾燥炉、22はトウプリプレグである。
ボビン10から巻き出された強化繊維束12は、フリーロール16及び駆動ロール18により樹脂浴14に導かれ、樹脂組成物(マトリックス樹脂の前駆体)が含浸される。
このとき、樹脂組成物の粘度は回転式粘度計にて50~3000mPa・sであることが好ましく、必要に応じてMEKなどの有機溶剤を用いて粘度調整が行われるが、Wet法であればマトリックス樹脂前駆体を固形分濃度30~50%に希釈されることで粘度調整が行われる。
このとき、樹脂組成物の粘度は回転式粘度計にて50~3000mPa・sであることが好ましく、必要に応じてMEKなどの有機溶剤を用いて粘度調整が行われるが、Wet法であればマトリックス樹脂前駆体を固形分濃度30~50%に希釈されることで粘度調整が行われる。
次いで、樹脂組成物が含浸した強化繊維束は、余分に付着した樹脂組成物を除去したのち、130~160℃に調整した乾燥炉20内で一定の張力を与えられながら連続的に0.5min以上加熱乾燥される。乾燥炉内では強化繊維束に含浸した前駆体に含まれる溶媒が除去されるとともに重合反応が進み、マトリックス樹脂となる。これにより強化繊維束にマトリックス樹脂が含浸したトウプリプレグ22を製造することができる。
その後、トウプリプレグ22は、放冷されながら、巻取張力9.8~39.2Nでボビンに300~3000mの範囲内の任意の長さで巻き付けられる。
このような方法により、20~50℃の雰囲気温度における解舒張力が8.0N/mm以下であり、2本のトウプリプレグを長さ10mmで重ねた部分を40℃かつ9.8Nの荷重で3秒間圧着させた後の雰囲気温度23℃での引張せん断剥離荷重が1.0~24.5N/mmである本開示のトウプリプレグを製造することができる。
(マトリックス樹脂の含有率の差)
本開示に係るトウプリプレグは、巻取張力9.8N以上でボビンに300m以上巻き取った後の巻始めのマトリックス樹脂の含有率(質量%)と巻き終わりのマトリックス樹脂の含有率(質量%)との差が2%未満とすることが可能である。ボビンに巻き取れたトウプリプレグにおけるマトリックス樹脂の含有率の差が2%未満であれば、ボビンから巻き出したトウプリプレグをライナーなどに巻き付けて加熱硬化させた場合にマトリックス樹脂の含有率の差によるムラが小さくなり、強度等の均一性が高い成形体を得ることができる。
本開示に係るトウプリプレグは、巻取張力9.8N以上でボビンに300m以上巻き取った後の巻始めのマトリックス樹脂の含有率(質量%)と巻き終わりのマトリックス樹脂の含有率(質量%)との差が2%未満とすることが可能である。ボビンに巻き取れたトウプリプレグにおけるマトリックス樹脂の含有率の差が2%未満であれば、ボビンから巻き出したトウプリプレグをライナーなどに巻き付けて加熱硬化させた場合にマトリックス樹脂の含有率の差によるムラが小さくなり、強度等の均一性が高い成形体を得ることができる。
[用途]
本開示に係るトウプリプレグの用途は特に限定されず、トウプリプレグが硬化した繊維強化複合材料又はトウプリプレグの硬化物の層を有する複合材料として用いることもできる。
例えば、補強が必要な対象物(タンクなど)に本開示に係るトウプリプレグを巻き付けた後、加熱硬化させた繊維強化複合材料としてもよいし、マンドレルに巻き付けて加熱硬化させた後、引き抜くことでパイプ状の繊維強化複合材料を製造してもよい。
また、本開示に係るトウプリプレグを適当な長さに切断して堆積させたのち、加熱プレス機などを用いて圧縮硬化させて層状の硬化物としてもよい。このような硬化物の層を備えた複合材料を作製してもよい。
さらに、本開示に係るトウプリプレグを撚り糸等の紐状にした後に加熱硬化させた熱可塑性のストランドとして補強材又は3Dプリンタ用材料として使用しても良い。
本開示に係るトウプリプレグの用途は特に限定されず、トウプリプレグが硬化した繊維強化複合材料又はトウプリプレグの硬化物の層を有する複合材料として用いることもできる。
例えば、補強が必要な対象物(タンクなど)に本開示に係るトウプリプレグを巻き付けた後、加熱硬化させた繊維強化複合材料としてもよいし、マンドレルに巻き付けて加熱硬化させた後、引き抜くことでパイプ状の繊維強化複合材料を製造してもよい。
また、本開示に係るトウプリプレグを適当な長さに切断して堆積させたのち、加熱プレス機などを用いて圧縮硬化させて層状の硬化物としてもよい。このような硬化物の層を備えた複合材料を作製してもよい。
さらに、本開示に係るトウプリプレグを撚り糸等の紐状にした後に加熱硬化させた熱可塑性のストランドとして補強材又は3Dプリンタ用材料として使用しても良い。
以下、本開示に係る複合部材について実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本開示は、以下の実施例によって限定されるものではない。
まず、実施例で用いた材料について説明する。
まず、実施例で用いた材料について説明する。
[エポキシ樹脂]
A1:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、YD-128)
A2:テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、YX4000)
[フェノール化合物]
B1:ビスフェノールA(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)
B2:4,4’-(3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデン)ビスフェノール(本州化学工業株式会社製、BisP-HTG)
[重合触媒]
C1:トリ-o-トリルホスフィン(北興化学工業(株)製、商品名:「TOTP」)
C2:2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ-[1,2-a]ベンズイミダゾール(四国化成工業株式会社製、TBZ)
C3:4-ジメチルアミノピリジン(東京化成工業株式会社製、DMAP)
[強化繊維基材]
E1:PAN系炭素繊維(東レ株式会社製、T700SC-12K-60E)
A1:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、YD-128)
A2:テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、YX4000)
[フェノール化合物]
B1:ビスフェノールA(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)
B2:4,4’-(3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデン)ビスフェノール(本州化学工業株式会社製、BisP-HTG)
[重合触媒]
C1:トリ-o-トリルホスフィン(北興化学工業(株)製、商品名:「TOTP」)
C2:2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ-[1,2-a]ベンズイミダゾール(四国化成工業株式会社製、TBZ)
C3:4-ジメチルアミノピリジン(東京化成工業株式会社製、DMAP)
[強化繊維基材]
E1:PAN系炭素繊維(東レ株式会社製、T700SC-12K-60E)
〔実施例1〕
(トウプリプレグの製造)
A1:188質量部、B1:112質量部を配合した混合物に、C1:3質量部をメチルエチルケトン(MEK)3質量部に溶解した溶液を添加し、プラネタリーミキサーを用いて均一に混錬したのち、23℃で144hr養生して前駆体組成物(F1)を得た。前駆体組成物(F1)のガラス転移点温度(TgA)、重量平均分子量を表1に示す。
(トウプリプレグの製造)
A1:188質量部、B1:112質量部を配合した混合物に、C1:3質量部をメチルエチルケトン(MEK)3質量部に溶解した溶液を添加し、プラネタリーミキサーを用いて均一に混錬したのち、23℃で144hr養生して前駆体組成物(F1)を得た。前駆体組成物(F1)のガラス転移点温度(TgA)、重量平均分子量を表1に示す。
続いて、強化繊維束を、MEKで固形分濃度を40%に希釈した前駆体組成物(F1)を入れた樹脂浴を通過させて前駆体組成物(F1)を含浸させた。前駆体含浸後、タッチロールで余分な樹脂を除去し、140℃に調整した乾燥炉内で溶剤を除去するとともに前駆体を加熱重合させて、巻取張力19.6Nでボビンに巻取ることで、マトリックス樹脂が強化繊維束に含浸したトウプリプレグを製造した。このような連続工程により全長が1000mのトウプリプレグをボビンに巻き付けた。
〔実施例2~7及び比較例1~4〕
製造条件を表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトウプリプレグを製造した。
製造条件を表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトウプリプレグを製造した。
〔実施例8〕
A2:178質量部、B1:61質量部、B2:61質量部を配合した混合物に、C1:3質量部をメチルエチルケトン(MEK)3質量部に溶解した溶液を添加し、プラネタリーミキサーを用いて均一に混錬したのち、60℃で24hr養生して前駆体組成物(F1)を得た。前駆体組成物(F1)のガラス転移点温度(TgA)、重量平均分子量を表1に示す。それ以外の製造条件は実施例7と同様にしてトウプリプレグを製造した。
A2:178質量部、B1:61質量部、B2:61質量部を配合した混合物に、C1:3質量部をメチルエチルケトン(MEK)3質量部に溶解した溶液を添加し、プラネタリーミキサーを用いて均一に混錬したのち、60℃で24hr養生して前駆体組成物(F1)を得た。前駆体組成物(F1)のガラス転移点温度(TgA)、重量平均分子量を表1に示す。それ以外の製造条件は実施例7と同様にしてトウプリプレグを製造した。
〔実施例9〕
重合触媒としてC2:3質量部をMEK3質量部に溶解した溶液を添加したこと以外は、実施例8と同様にして前駆体組成物(F1)を得た。前駆体組成物(F1)のガラス転移点温度(TgA)、重量平均分子量を表1に示す。それ以外の製造条件は実施例7と同様にしてトウプリプレグを製造した。
重合触媒としてC2:3質量部をMEK3質量部に溶解した溶液を添加したこと以外は、実施例8と同様にして前駆体組成物(F1)を得た。前駆体組成物(F1)のガラス転移点温度(TgA)、重量平均分子量を表1に示す。それ以外の製造条件は実施例7と同様にしてトウプリプレグを製造した。
〔実施例10〕
重合触媒としてC3:0.3質量部をMEK0.3質量部に溶解した溶液を添加したこと以外は、実施例8と同様にして前駆体組成物(F1)を得た。前駆体組成物(F1)のガラス転移点温度(TgA)、重量平均分子量を表1に示す。それ以外の製造条件は実施例7と同様にしてトウプリプレグを製造した。
重合触媒としてC3:0.3質量部をMEK0.3質量部に溶解した溶液を添加したこと以外は、実施例8と同様にして前駆体組成物(F1)を得た。前駆体組成物(F1)のガラス転移点温度(TgA)、重量平均分子量を表1に示す。それ以外の製造条件は実施例7と同様にしてトウプリプレグを製造した。
[評価]
製造したトウプリプレグについて、雰囲気温度23℃にて、解舒性、粘着性、ドレープ性、形態保持性を評価した。
図1に示した方法により解舒力(解舒張力)を、図2に示した方法により粘着力(引張せん断剥離荷重)をそれぞれ測定した。各トウプリプレグについてそれぞれ4回測定し、平均値をそのトウプリプレグの解舒力、粘着力とした。
ドレープ性は、直径10mmのステンレス棒にトウプリプレグを巻き付けて評価した。
形態保持性は、1mにカットしたトウプリプレグを雰囲気温度23℃にて両端を29.4Nの張力で引張った時のトウ幅の変化により評価した。
粘着性、解舒性、ドレープ性、形態保持性の評価基準としては以下の通りとした。
(1)粘着性
A:適度な粘着性(べたつきすぎず、体温程度で粘着性回復)
B:若干粘着性過多(解舒は可能であるがタック強め)
C:粘着性過多(粘着性がかなり強く解舒性も悪い)
D:タック無し
製造したトウプリプレグについて、雰囲気温度23℃にて、解舒性、粘着性、ドレープ性、形態保持性を評価した。
図1に示した方法により解舒力(解舒張力)を、図2に示した方法により粘着力(引張せん断剥離荷重)をそれぞれ測定した。各トウプリプレグについてそれぞれ4回測定し、平均値をそのトウプリプレグの解舒力、粘着力とした。
ドレープ性は、直径10mmのステンレス棒にトウプリプレグを巻き付けて評価した。
形態保持性は、1mにカットしたトウプリプレグを雰囲気温度23℃にて両端を29.4Nの張力で引張った時のトウ幅の変化により評価した。
粘着性、解舒性、ドレープ性、形態保持性の評価基準としては以下の通りとした。
(1)粘着性
A:適度な粘着性(べたつきすぎず、体温程度で粘着性回復)
B:若干粘着性過多(解舒は可能であるがタック強め)
C:粘着性過多(粘着性がかなり強く解舒性も悪い)
D:タック無し
(2)解舒性
A:容易に解舒可
B:解舒自体は可能であるが、解舒力としては高め
C:解舒が困難
A:容易に解舒可
B:解舒自体は可能であるが、解舒力としては高め
C:解舒が困難
(3)ドレープ性
A:柔軟性があり巻き付け・積層も容易
B:加温による巻き付け・積層は可能なレベルだが若干弾力性がある
C:かなり硬く弾力性が強い、体温程度では柔軟性は回復しない
A:柔軟性があり巻き付け・積層も容易
B:加温による巻き付け・積層は可能なレベルだが若干弾力性がある
C:かなり硬く弾力性が強い、体温程度では柔軟性は回復しない
(4)形態保持性
A:29.4Nの張力をかける前後のトウ幅の変化量が1.5mm未満
B:29.4Nの張力をかける前後のトウ幅の変化量が1.5mm以上3.0mm未満
C:29.4Nの張力をかける前後のトウ幅の変化量が3.0mm以上
A:29.4Nの張力をかける前後のトウ幅の変化量が1.5mm未満
B:29.4Nの張力をかける前後のトウ幅の変化量が1.5mm以上3.0mm未満
C:29.4Nの張力をかける前後のトウ幅の変化量が3.0mm以上
トウプリプレグの構成、製造条件及び評価結果を表1に示す。下線は本開示の範囲外であることを意味する。
表1において重量減少率は、トウプリプレグ(1m)をステンレス棒に巻き付けて180℃、30分間の加熱硬化させた前後のトウプリプレグの重量減少率である。重量減少率が大きいほど熱硬化時に気泡が生じやすいため、小さいほど好ましい。
その他、表1に示す各物性を評価した。なお、表1において強化繊維の「T700-12K」は「T700SC-12K-60E」を意味する。
表1において重量減少率は、トウプリプレグ(1m)をステンレス棒に巻き付けて180℃、30分間の加熱硬化させた前後のトウプリプレグの重量減少率である。重量減少率が大きいほど熱硬化時に気泡が生じやすいため、小さいほど好ましい。
その他、表1に示す各物性を評価した。なお、表1において強化繊維の「T700-12K」は「T700SC-12K-60E」を意味する。
本開示の条件を満たす実施例1~7のトウプリプレグは、解舒性と粘着性のバランスに優れ、形態保持性の評価も高かった。また、ボビンに巻き取られたトウプリプレグ中のマトリックス樹脂の含有率の差は2%未満であり、加熱硬化前後の重量減少率はいずれも4.0wt%以下に抑えられていた。
比較例1では、前駆体の養生を行わなかったため、マトリックス樹脂のTgが低く、解舒力、粘着力がいずれも高過ぎ、形態保持性も実施例に比べて劣っていた。
比較例2では、前駆体の養生が不足し、マトリックス樹脂のTgが低く、解舒力、粘着力がいずれも高過ぎ、形態保持性も実施例に比べて劣っていた。
比較例3では、前駆体の養生により重合が進み過ぎ、マトリックス樹脂の重量平均分子量、Tgが過大となり、粘着力が得られなかった。
比較例4では、乾燥時間が長過ぎて、マトリックス樹脂の重量平均分子量、Tgが過大となり、粘着力が得られなかった。
比較例2では、前駆体の養生が不足し、マトリックス樹脂のTgが低く、解舒力、粘着力がいずれも高過ぎ、形態保持性も実施例に比べて劣っていた。
比較例3では、前駆体の養生により重合が進み過ぎ、マトリックス樹脂の重量平均分子量、Tgが過大となり、粘着力が得られなかった。
比較例4では、乾燥時間が長過ぎて、マトリックス樹脂の重量平均分子量、Tgが過大となり、粘着力が得られなかった。
実施例8~10は、実施例1とは樹脂組成物の組成が異なり、養生条件、乾燥条件を調整することで、実施例1~7と同等レベルの特性が得られた。
2021年12月3日に出願された日本特許出願2021-197313の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10 ボビン巻き強化繊維
12 強化繊維束
14 樹脂浴
16 フリーロール
18 駆動ロール
20 乾燥炉
22 トウプリプレグ
100 トウプリプレグ製造装置
12 強化繊維束
14 樹脂浴
16 フリーロール
18 駆動ロール
20 乾燥炉
22 トウプリプレグ
100 トウプリプレグ製造装置
Claims (10)
- 2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物の反応生成物であるマトリックス樹脂が強化繊維束に含浸されているトウプリプレグであって、
前記マトリックス樹脂は、重量平均分子量が300~2000、かつガラス転移点が15~35℃であり、
前記トウプリプレグの20~50℃の雰囲気温度における解舒張力が8.0N/mm以下であり、
2本の前記トウプリプレグを長さ10mmで重ねた部分を40℃かつ9.8Nの荷重で3秒間圧着させた後の雰囲気温度23℃での引張せん断剥離荷重が1.0~24.5N/mmである、トウプリプレグ。 - 巻取張力9.8N以上でボビンに300m以上巻き取った後の巻始めの前記マトリックス樹脂の含有率(質量%)と巻き終わりの前記マトリックス樹脂の含有率(質量%)との差が2%未満である請求項1に記載のトウプリプレグ。
- 前記トウプリプレグを160℃で60分間加熱して硬化させた後の前記マトリックス樹脂の重量平均分子量が45000以上、かつガラス転移点が80~160℃である請求項1又は請求項2に記載のトウプリプレグ。
- 前記エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)が、フェノール化合物及びアセチル化合物の少なくとも一方である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のトウプリプレグ。
- 前記トウプリプレグにおける前記マトリックス樹脂の含有率が、20~40質量%である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のトウプリプレグ。
- 前記樹脂組成物が、さらに可塑剤(D)を含む請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のトウプリプレグ
- 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のトウプリプレグが硬化した繊維強化複合材料。
- 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のトウプリプレグの硬化物の層を有する複合材料。
- 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のトウプリプレグを製造する方法であって、
強化繊維束を準備する工程(a)と、
2官能エポキシ樹脂(A)、エポキシ基と反応性を有する2官能化合物(B)、並びにアミン系硬化触媒、リン系硬化触媒、及びイミダゾール系硬化触媒からなる群より選択される硬化触媒(C)を含む樹脂組成物から前記マトリックス樹脂の前駆体を得る工程(b)と、
前記前駆体を前記強化繊維束に含浸させて前駆体含浸強化繊維束とする工程(c)と、
前記前駆体含浸強化繊維束を加熱して前記前駆体を加熱重合させた前記マトリックス樹脂とすることにより前記トウプリプレグを得る工程(d)と、
を含むトウプリプレグの製造方法。 - 前記工程(b)における前記前駆体のガラス転移点をTgAとし、前記トウプリプレグに含まれる前記マトリックス樹脂のガラス転移点をTgBとした場合に、前記工程(d)において、TgA/TgB=0.85~1.40となるように前記前駆体を加熱重合させる請求項9に記載のトウプリプレグの製造方法。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2022
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- 2022-12-02 WO PCT/JP2022/044637 patent/WO2023101026A1/ja not_active Ceased
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