WO2023100326A1

WO2023100326A1 - センサ装置

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Publication number: WO2023100326A1
Application number: PCT/JP2021/044297
Authority: WO
Inventors: 俊男野々山
Original assignee: 株式会社ジェイテクト
Priority date: 2021-12-02
Filing date: 2021-12-02
Publication date: 2023-06-08
Also published as: JPWO2023100326A1; CN118318148A

Abstract

センサ装置（１０）は、検出対象であるシャフト（１００）が貫通するように構成される。センサ装置は、ハーネス引出部（４０）を有するハウジング（２０）と、ハウジング内に位置するセンサ（３０）と、を備えている。センサは、センサ本体（３１）と、センサ本体からハーネス引出部を介して外部に引き出されるハーネス（３２）と、を有している。ハウジングは、開口部（２１Ａ）を有するハウジング本体（２１）と、開口部を塞ぐカバー（２２）と、を有している。ハーネス引出部は、ハウジング本体の周壁に設けられる第１の引出部（４１）と、カバーの周壁に設けられる第２の引出部（４２）とを有している。第１の引出部と第２の引出部とは、ハーネスの対応する一部分を全周にわたって圧縮するかたちで挟み込むように構成される。

Description

センサ装置

　本開示は、センサ装置に関する。

　特許文献１のセンサ装置は、ステアリングシャフトに設けられる。センサ装置は、検出部を収容する合成樹脂製のハウジングを有している。検出部は、シャフトのトルクまたは回転角を検出するための構成を含む。ハウジングの外部には、コネクタ嵌合部が設けられている。コネクタ嵌合部には、外部のコントローラを接続するためのコネクタが嵌合される。

特開２０１９－７４３６５号公報

　特許文献１のセンサ装置では、コネクタ嵌合部がハウジングの外部に設けられる。このため、センサ装置を、たとえば車両あるいは屋外で使用する場合、防水コネクタを使用する必要がある。防水コネクタは、防水機能を有する高価なコネクタである。

　本開示の一態様に係るセンサ装置は、検出対象であるシャフトが貫通するように構成される。前記センサ装置は、ハーネス引出部を有するハウジングと、前記ハウジング内に位置するセンサと、を備えている。前記センサは、前記シャフトの運動に関する物理量を検出するように構成されるセンサ本体と、前記センサ本体から前記ハーネス引出部を介して外部に引き出されるハーネスと、を有している。前記ハウジングは、前記シャフトの軸方向に開口する開口部を有するハウジング本体と、前記開口部を塞ぐカバーと、を有している。前記ハーネス引出部は、前記ハウジング本体の周壁に設けられる第１の引出部と、前記カバーの周壁に設けられる第２の引出部とを有している。前記第１の引出部と前記第２の引出部とは、前記ハーネスの対応する一部分を全周にわたって圧縮するかたちで挟み込むように構成される。

一実施の形態に係るセンサ装置の断面図である。図１のセンサ装置のハーネス引出部を分解した斜視図である。図１のセンサ装置のハーネス引出部を分解した側面図である。図１のセンサ装置のハーネス引出部を分解した断面図である。図１のセンサ装置を分解した断面図である。図１のセンサ装置のハーネス引出部を示す断面図である。他の実施の形態に係るセンサ装置のハーネス引出部を示す断面図である。他の実施の形態に係るセンサ装置のハーネス引出部を分解した側面図である。図８の構成の変更例を示す側面図である。他の実施の形態に係るハーネスの斜視図である。他の実施の形態に係るハーネスの斜視図である。

　一実施の形態に係るセンサ装置を説明する。
　図１に示すように、センサ装置１０は、検出対象であるシャフト１００に設けられる。シャフト１００は、たとえば車両のステアリングシャフトである。ステアリングシャフトは、ステアリングホイールの操作に連動して回転する。シャフト１００は、センサ装置１０を軸方向に貫通するように設けられる。シャフト１００は、その軸方向の移動が制限された状態に保持される。

　＜ハウジング＞
　センサ装置１０は、ハウジング２０を有している。ハウジング２０は、ハウジング本体２１およびカバー２２を有している。

　ハウジング本体２１は、箱状体であり、開口部２１Ａを有している。開口部２１Ａは、ハウジング本体２１の端壁２１Ｂに対して直交する方向に開口している。端壁２１Ｂは、シャフト１００が挿通される第１の挿通孔２１Ｃを有している。第１の挿通孔２１Ｃは、端壁２１Ｂの中央部に位置している。第１の挿通孔２１Ｃは、端壁２１Ｂを軸方向に貫通している。シャフト１００は、第１の挿通孔２１Ｃの内周面に対して回転可能に支持される。シャフト１００の外周面と第１の挿通孔２１Ｃの内周面との間の液密性は、ハウジング２０の内部に設けられる図示しない密封装置により確保される。

　カバー２２は、箱状体であり、開口部２２Ａを有している。開口部２２Ａは、カバー２２の端壁２２Ｂに対して直交する方向に開口している。カバー２２は、開口部２２Ａをハウジング本体２１へ向けた状態でハウジング本体２１の開口端面に取り付けられている。カバー２２は、ハウジング本体２１の開口部２１Ａを塞いでいる。端壁２２Ｂは、シャフト１００が挿通される第２の挿通孔２２Ｃを有している。第２の挿通孔２２Ｃは、第１の挿通孔２１Ｃに対して同軸上に位置している。第２の挿通孔２２Ｃは、カバー３３を軸方向に貫通している。シャフト１００は、第２の挿通孔２２Ｃの内周面に対して回転可能に支持される。シャフト１００の外周面と第２の挿通孔２２Ｃの内周面との間の液密性は、ハウジング２０の内部に設けられる図示しない密封装置により確保される。

　＜センサ＞
　センサ装置１０は、センサ３０を有している。センサ３０は、ハウジング２０の内部に収容されている。センサ３０は、センサ本体３１およびハーネス３２を有している。

　センサ本体３１は、筒状である。センサ本体３１は、シャフト１００の外周面に装着される。シャフト１００の外周面は、センサ本体３１の内周面に対して回転可能である。センサ本体３１は、シャフト１００の運動に関する物理量を検出する。物理量は、シャフト１００のトルクまたは回転角を含む。センサ本体３１は、シャフト１００の運動に関する物理量に応じた電気信号を生成する。

　ハーネス３２は、複数の絶縁電線を絶縁皮膜であるシースで束ねた多芯電線である。ハーネス３２は、センサ本体３１の外周面から径方向外側へ引き出されている。ハーネス３２の第１の端部は、センサ本体３１に接続されている。ハーネス３２の第２の端部は、ハウジング２０に設けられたハーネス引出部４０を介して、ハウジング２０の外部に引き出されている。ハーネス３２の第２の端部は、外部機器に接続される。センサ本体３１により生成される電気信号は、ハーネス３２を介して外部機器に伝送される。外部機器は、たとえばコントローラである。コントローラは、センサ本体３１により生成される電気信号を使用して制御対象の動作を制御する。

　＜ハーネス引出部４０の構成＞
　図２に示すように、ハーネス引出部４０は、第１の引出部４１および第２の引出部４２を有している。

　第１の引出部４１は、ハウジング本体２１の一部である。第１の引出部４１は、ハウジング本体２１の側面からハーネス３２の引出方向へ突出している。第１の引出部４１は、第１のクランプ部４１Ａ、および２つの第１のフランジ部４１Ｂを有している。

　第１のクランプ部４１Ａは、半筒状である。第１のクランプ部４１Ａは、周方向に２つの端部を有する。第１のクランプ部４１Ａは、開口部２１Ａの向きと同じ方向に開口している。第１のクランプ部４１Ａの内面は、ハウジング本体２１の周壁の内面に連続している。

　第１のフランジ部４１Ｂは、平板状を有している。２つの第１のフランジ部４１Ｂは、第１のクランプ部４１Ａの２つの周方向端部から第１のクランプ部４１Ａの軸方向に対して直交する方向に互いに反対方向へ延びている。第１のフランジ部４１Ｂは、ハウジング本体２１の開口端面に対して段差のない平面を有している。

　第２の引出部４２は、カバー２２の一部である。第２の引出部４２は、カバー２２の取り付け方向からみて、第１の引出部４１に対応する位置に設けられている。第２の引出部４２は、カバー２２の側面からハーネス３２の引出方向へ突出している。第２の引出部４２は、第２のクランプ部４２Ａ、２つの第２のフランジ部４２Ｂ、および爪部４２Ｃを有している。

　第２のクランプ部４２Ａは、半筒状である。第２のクランプ部４２Ａの内径は、第１のクランプ部４１Ａの内径と同じである。第２のクランプ部４２Ａは、周方向に２つの端部を有する。第２のクランプ部４２Ａは、開口部２１Ａの向きと反対の方向に開口している。第２のクランプ部４２Ａの内面は、カバー２２の周壁の内面に連続している。

　第２のフランジ部４２Ｂは、平板状を有している。２つの第２のフランジ部４２Ｂは、第２のクランプ部４２Ａの２つの周方向端部から第２のクランプ部４２Ａの軸方向に対して直交する方向に互いに反対方向へ延びている。第２のクランプ部４２Ａの内面は、カバー２２の周壁の内面に連続している。

　図３に示すように、爪部４２Ｃは、第２のクランプ部４２Ａの内周面に設けられた突部である。第２のクランプ部４２Ａの軸方向からみて、爪部４２Ｃは、２つの第２のフランジ部４２Ｂの並び方向に直線状に延びる先端部を有している。

　図４に示すように、爪部４２Ｃは第２のクランプ部４２Ａの軸方向において厚みを有し、その厚みは、爪部４２Ｃの基端から先端に向かうにつれて薄くなる。第２のクランプ部４２Ａの軸方向に沿った爪部４２Ｃの断面形状は、たとえば直角三角形状である。爪部４２Ｃは、第１の平面４２Ｃ１と第１の傾斜面４２Ｃ２とを有している。第１の平面４２Ｃ１は、第２のクランプ部４２Ａの軸方向に対して直交する。第１の平面４２Ｃ１は、第１の傾斜面４２Ｃ２よりも第２のクランプ部４２Ａの軸方向の先端部に近い。第１の傾斜面４２Ｃ２は、爪部４２Ｃの先端から基端へ向かうにつれて、第１の平面４２Ｃ１から離れるように傾斜している。

　＜ハーネス３２の構成＞
　図２に示すように、ハーネス３２は、ハーネス本体３２Ａおよびブッシュ３２Ｂを有している。ハーネス３２は、ハーネス本体３２Ａとブッシュ３２Ｂとが一体的に設けられた複合部品である。ブッシュ３２Ｂは、ハーネス本体３２Ａのうちハーネス引出部４０に対応する特定の一部分を全周にわたって覆うように、ハーネス本体３２Ａと一体的に設けられる。

　ブッシュ３２Ｂは、たとえば樹脂成型品である。ハーネス３２は、たとえばインサート成形により製造される。インサート成形とは、開いた状態の金型にインサート品であるハーネス本体３２Ａの一部分を装着し、その後、金型を閉じて射出成形を行う成形技術をいう。金型の内部において、ハーネス本体３２Ａの一部分は金型に注入される溶融樹脂により包み込まれる。この溶融樹脂が冷却固化することにより、ハーネス本体３２Ａの特定の一部分の外周にブッシュ３２Ｂが形成される。

　ブッシュ３２Ｂは、２段の筒形状を有している。ブッシュ３２Ｂの内周面は、ハーネス本体３２Ａの外周面に溶着している。これにより、ブッシュ３２Ｂの内周面と、ハーネス本体３２Ａの外周面との間の液密性が確保される。

　ブッシュ３２Ｂは、大径部３２Ｂ１および小径部３２Ｂ２を有している。大径部３２Ｂ１および小径部３２Ｂ２は、同軸上に位置している。
　大径部３２Ｂ１は、軸方向において互いに反対側に位置する第１の端面と第２の端面とを有している。ブッシュ３２Ｂの軸方向において、第２の端面は第１の端面よりも小径部３２Ｂ２に近い。

　小径部３２Ｂ２は、第１のクランプ部４１Ａおよび第２のクランプ部４２Ａに対応する位置に配置される。小径部３２Ｂ２の外径は、第１のクランプ部４１Ａおよび第２のクランプ部４２Ａの内径と同じである。小径部３２Ｂ２は、第１のクランプ部４１Ａと第２のクランプ部４２Ａとにより挟み込まれることが可能である。

　図４に示すように、小径部３２Ｂ２は、切欠溝３２Ｂ３を有している。切欠溝３２Ｂ３は、カバー２２の爪部４２Ｃに対応する位置に配置されている。切欠溝３２Ｂ３の輪郭形状は、爪部４２Ｃの輪郭形状に対応している。第２のクランプ部４２Ａの軸方向に沿った切欠溝３２Ｂ３の断面形状は、カバー２２の爪部４２Ｃと同様の直角三角形状である。

　切欠溝３２Ｂ３は、第２の平面３２Ｂ４と第２の傾斜面３２Ｂ５とを有している。第２の平面３２Ｂ４は、小径部３２Ｂ２の軸方向に対して直交する。小径部３２Ｂ２は、大径部３２Ｂ１に連結された第１の端部と、第１の端部と反対側の第２の端部とを有している。第２の平面３２Ｂ４は、第２の傾斜面３２Ｂ５よりも小径部３２Ｂ２の第２の端部に近い。第２の傾斜面３２Ｂ５は、切欠溝３２Ｂ３の底から開口へ向かうにつれて、第２の平面３２Ｂ４から離れるように傾斜している。第２の傾斜面３２Ｂ５と小径部３２Ｂ２の外周面とがなす角度は、鈍角である。鈍角は、９０°よりも大きく、１８０°よりも小さい角度である。

　図４に示すように、小径部３２Ｂ２は、環状溝３２Ｂ６を有している。環状溝３２Ｂ６は、小径部３２Ｂ２と大径部３２Ｂ１との境界に設けられている。環状溝３２Ｂ６は、小径部３２Ｂ２の全周にわたって設けられている。

　また、小径部３２Ｂ２は、Ｏリング５１を有している。Ｏリング５１は、円形の断面形状を有する環状のシール部材であって、たとえばゴム製である。Ｏリング５１は、環状溝３２Ｂ６に装着されている。Ｏリング５１の内径は、環状溝３２Ｂ６の内径と同じあるいは若干小さい。Ｏリング５１は、小径部３２Ｂ２の軸方向からみて、環状溝３２Ｂ６から径方向外側へはみ出している。このＯリング５１のはみ出した部分は、圧縮代である。

　＜センサ装置１０の組立手順＞
　つぎに、センサ装置１０の組立手順を説明する。
　センサ装置１０の組み立てる際の前提は、つぎの通りである。すなわち、センサ３０のハーネス本体３２Ａには、ブッシュ３２Ｂが予め設けられている。また、ブッシュ３２Ｂの環状溝３２Ｂ６には、Ｏリング５１が予め装着されている。Ｏリング５１は、小径部３２Ｂ２の第２の端部から装着される。Ｏリング５１は、小径部３２Ｂ２の外周面に案内されて環状溝３２Ｂ６に至る。

　図５に示すように、センサ装置１０を組み立てる際、まずハウジング本体２１がシャフト１００に取り付けられる。ハウジング本体２１の第１の挿通孔２１Ｃに対してシャフト１００を挿入する。

　つぎに、センサ本体３１をシャフト１００に装着する。センサ本体３１がハウジング本体２１の内部に位置するようにセンサ本体３１に対してシャフト１００を挿入する。
　つぎに、ブッシュ３２Ｂの小径部３２Ｂ２をハウジング本体２１の第１のクランプ部４１Ａに載せる。このとき、大径部３２Ｂ１の第２の端面は、ハウジング本体２１の周壁の内面の一部に接触した状態に維持する。

　最後に、カバー２２をハウジング本体２１に取り付ける。カバー２２の取付方向において、第２のクランプ部４２Ａを第１のクランプ部４１Ａに対向させる。この状態で、カバー２２の第２の挿通孔２２Ｃに対してシャフト１００を挿入する。カバー２２は、図示しないボルトなどの締結部材によってハウジング本体２１の軸方向に押し付けられるように、ハウジング本体２１に固定される。

　カバー２２がハウジング本体２１に取り付けられることにより、第１のクランプ部４１Ａと第２のクランプ部４２Ａとは、小径部３２Ｂ２を全周にわたって覆う単一の円筒を構成する。第１のクランプ部４１Ａと第２のクランプ部４２Ａとが協同して、ブッシュ３２Ｂの小径部３２Ｂ２を挟み込む。また、第２のフランジ部４２Ｂと第１のフランジ部４１Ｂとは、それらの互いに対向する面にて、カバー２２の取付方向において接触した状態に維持される。

　以上で、センサ装置１０の組立作業が完了する。
　＜ハーネス引出部の組立状態＞
　つぎに、ハーネス引出部４０の組立状態を説明する。

　図６に示すように、センサ装置１０が組み立てられた状態において、ブッシュ３２Ｂの小径部３２Ｂ２は、ハウジング本体２１の第１のクランプ部４１Ａと、カバー２２の第２のクランプ部４２Ａとによって挟み込まれた状態に維持される。第１のクランプ部４１Ａと第２のクランプ部４２Ａとは、小径部３２Ｂ２の外周面の全周を径方向内側へ圧縮するように、小径部３２Ｂ２を挟み込む。第１のクランプ部４１Ａの内周面および第２のクランプ部４２Ａの内周面は、小径部３２Ｂ２の外周面に対して接触した状態に維持される。

　センサ装置１０が組み立てられた状態において、カバー２２の爪部４２Ｃは、ブッシュ３２Ｂの切欠溝３２Ｂ３に嵌っている。爪部４２Ｃは、２つの第２のフランジ部４２Ｂの並び方向に直線状に延びる先端部を有している。この先端部は、切欠溝３２Ｂ３に食い込んで切欠溝３２Ｂ３の底に当接した状態に維持される。このため、ブッシュ３２Ｂの軸回りの回転が制限される。

　図４に示される爪部４２Ｃの第１の平面４２Ｃ１は、ブッシュ３２Ｂの第２の平面３２Ｂ４に対して接触した状態に維持される。このため、ブッシュ３２Ｂがその軸方向にハウジング２０の内部へ移動することが制限される。また、爪部４２Ｃの第１の傾斜面４２Ｃ２は、ブッシュ３２Ｂの第２の傾斜面３２Ｂ５に対して接触した状態に維持される。

　センサ装置１０が組み立てられた状態において、大径部３２Ｂ１の第２の端面の一部は、カバー２２の周壁の内面の一部に対して、ブッシュ３２Ｂの軸方向に接触した状態に維持される。また、大径部３２Ｂ１の第２の端面の他の一部は、ハウジング本体２１の周壁の内面の一部に対して、ブッシュ３２Ｂの軸方向に接触した状態に維持される。すなわち、大径部３２Ｂ１の第２の端面は、第１の引出部４１および第２の引出部４２に対応するハウジング２０の内面の領域に対して、ブッシュ３２Ｂの軸方向に接触した状態に維持される。このため、ブッシュ３２Ｂがその軸方向にハウジング２０の外部へ移動することが制限される。

　センサ装置１０が組み立てられた状態において、Ｏリング５１の全周は、第１のクランプ部４１Ａと第２のクランプ部４２Ａとによって径方向内側へ圧縮された状態に維持される。これにより、ハウジング２０とブッシュ３２Ｂとの間の液密性が確保される。

　＜実施の形態の作用および効果＞
　本実施の形態は、つぎの作用および効果を奏する。
　（１）ハーネス３２は、ハウジング２０に収容されるセンサ本体３１からハウジング２０のハーネス引出部４０を介して外部に引き出される。ハウジング本体２１の第１のクランプ部４１Ａとカバー２２の第２のクランプ部４２Ａとが、ハーネス３２の一部分であるブッシュ３２Ｂを挟み込むことにより、ハーネス引出部４０の液密性が確保される。このため、高価な防水コネクタを使用する必要がない。また、第１のクランプ部４１Ａと第２のクランプ部４２Ａとは、ブッシュ３２Ｂを介してハーネス本体３２Ａを挟み込むため、ハーネス本体３２Ａを傷つけることが抑制される。

　（２）ブッシュ３２Ｂの内周面は、ハーネス本体３２Ａの外周面に溶着した状態に維持される。このため、ブッシュ３２Ｂの内周面とハーネス本体３２Ａの外周面との間の隙間の発生が抑制される。したがって、ブッシュ３２Ｂの内周面と、ハーネス本体３２Ａの外周面との間の液密性が確保される。

　（３）第１のクランプ部４１Ａとカバー２２の第２のクランプ部４２Ａとは、ブッシュ３２Ｂの小径部３２Ｂ２を挟み込むことによって、小径部３２Ｂ２に装着されたＯリング５１を圧縮する。このため、第１のクランプ部４１Ａの内周面と、小径部３２Ｂ２の外周面との間の液密性が確保される。また、第２のクランプ部４２Ａの内周面と、小径部３２Ｂ２の外周面との液密性が確保される。

　（４）第１のクランプ部４１Ａの爪部４２Ｃは、小径部３２Ｂ２の切欠溝３２Ｂ３に対して食い込むかたちで嵌る。このため、第２のクランプ部４２Ａの内周面と、小径部３２Ｂ２の外周面との液密性がより向上する。

　（５）ハーネス３２に外力が加わることがある。図６に示すように、外力は、引抜き力Ｆ１を含む。引抜き力Ｆ１は、ハーネス３２をハウジング２０から引き抜く方向の力である。ハーネス３２に引抜き力Ｆ１が加わるとき、大径部３２Ｂ１の端面の一部が、カバー２２の内側面の一部およびハウジング本体２１の内側面の一部に対して、ハーネス３２の引抜方向に当接する。このため、ハーネス３２がハウジング２０から引き出されることが抑制される。

　また、引抜き力Ｆ１は、大径部３２Ｂ１を介してハウジング２０に受け止められる。このため、ハーネス３２のハウジング２０の内部に収容されている部分に引抜き力Ｆ１が直接的に伝わることが抑制される。したがって、ハーネス３２の少なくともハウジング２０の内部に収容されている部分の断線の発生を抑えることが可能である。

　（６）ハーネス３２に加わる外力は、押込み力Ｆ２を含む。図６に示すように、押込み力Ｆ２は、ハーネス３２をハウジング２０の内部へ押し込む方向の力である。ハーネス３２に押込み力Ｆ２が加わるとき、切欠溝３２Ｂ３の第２の平面３２Ｂ４が爪部４２Ｃの第１の平面４２Ｃ１に対して、ハーネス３２の押込み方向に当接する。このため、ハーネス３２がハウジング２０の内部に押し込まれることが抑制される。

　また、押込み力Ｆ２は、爪部４２Ｃを介して、カバー２２、ひいてはハウジング２０に受け止められる。このため、ハーネス３２のハウジング２０の内部に収容されている部分に押込み力Ｆ２が直接的に伝わることが抑制される。したがって、ハーネス３２の少なくともハウジング２０の内部に収容されている部分の断線の発生を抑えることが可能である。

　（７）Ｏリング５１は、小径部３２Ｂ２の第２の端部から装着される。切欠溝３２Ｂ３は、Ｏリング５１の装着方向に傾斜する第２の傾斜面３２Ｂ５を有する。第２の傾斜面３２Ｂ５と小径部３２Ｂ２の外周面とがなす角度は、鈍角である。このため、Ｏリング５１を小径部３２Ｂ２に装着する過程において、Ｏリング５１が第２の傾斜面３２Ｂ５と小径部３２Ｂ２とがなす角部に接触することにより傷つくことが抑制される。

　（８）ハーネス３２は、センサ本体３１の外周面からセンサ本体３１の径方向外側に位置するハーネス引出部４０を介して、センサ装置１０の外部に引き出されている。このため、ハウジング２０の内部に収容されるハーネス３２の長さをより短くすることが可能である。ハーネス引出部４０と、ハーネス３２が引き出されるセンサ本体３１の部分とが同一の直線上に位置するとき、ハウジング２０の内部に収容されるハーネス３２の長さを最も短くすることが可能である。

　（９）センサ装置１０を組み立てるとき、ハウジング本体２１の第１のクランプ部４１Ａと、カバー２２の第２のクランプ部４２Ａとによりハーネス３２を挟み込むだけでよい。このため、センサ装置１０の組立作業が簡単である。

　たとえばハウジングの周壁に貫通孔を設け、その貫通孔を介してハーネスを外部に引き出すようにしたセンサ装置が存在する。このタイプのセンサ装置に比べて、本実施の形態のセンサ装置１０は、貫通孔にハーネス３２を通す手間がかからない。

　（１０）ハーネス３２の複数の絶縁電線は、それらの全長にわたってシースにより覆われている。絶縁電線がセンサ装置１０の外部に露出することがないため、絶縁電線を適切に保護することができる。

　たとえば複数の絶縁電線のハウジング２０の外部に引き出される部分のみ、シースで覆うようにしたセンサ装置が存在する。このタイプのセンサ装置では、ハウジングとシースとの間に隙間が形成されることがある。この隙間から露出する絶縁電線が適切に保護されないおそれがある。

　＜他の実施の形態＞
　本実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
　・図３に示すように、ハウジング本体２１の第１のフランジ部４１Ｂと、カバー２２の第２のフランジ部４２Ｂとの間に液体ガスケット５２を介在させてもよい。第１のフランジ部４１Ｂと第２のフランジ部４２Ｂとの間の液密性が確保される。

　・第１のクランプ部４１Ａは、爪部４２Ｃと同様の突部を有していてもよい。この場合、ブッシュ３２Ｂの小径部３２Ｂ２は、第１のクランプ部４１Ａの突部に対応する切欠溝を有する。

　・図７に示すように、ブッシュ３２Ｂの向きを逆にしてもよい。この場合、爪部４２Ｃの向きが逆になるため、切欠溝３２Ｂ３も逆向きに設けられる。大径部３２Ｂ１の第２の端面は、第１のクランプ部４１Ａおよび第２のクランプ部４２Ａの先端面に対して、ブッシュ３２Ｂの軸方向に接触している。すなわち、大径部３２Ｂ１の第２の端面は、第１の引出部４１および第２の引出部４２に対応するハウジング２０の外面の領域に対して、ブッシュ３２Ｂの軸方向に接触した状態に維持される。

　ハーネス３２に引抜き力Ｆ１が加わるとき、切欠溝３２Ｂ３の第２の平面３２Ｂ４（図４を参照）が、爪部４２Ｃの第１の平面４２Ｃ１（図４を参照）に対して、ブッシュ３２Ｂの軸方向に当接する。これにより、ハーネス３２がハウジング２０から引き出されることが抑制される。

　ハーネス３２に押込み力Ｆ２が加わるとき、大径部３２Ｂ１の第２の端面が、第１のクランプ部４１Ａの先端面、および第２のクランプ部４２Ａの先端面に対して、ブッシュ３２Ｂの軸方向に当接する。これにより、ハーネス３２がハウジング２０の内部に押し込まれることが抑制される。

　・図８に示すように、第２の引出部４２として、爪部４２Ｃを割愛した構成を採用してもよい。この場合、図９に示すように、小径部３２Ｂ２は、軸方向からみて楕円状の輪郭形状を有していてもよい。また、第１のクランプ部４１Ａおよび第２のクランプ部４２Ａは、軸方向からみて、小径部３２Ｂ２の輪郭形状に対応する楕円状の内面を有していてもよい。このようにすれば、第１のクランプ部４１Ａおよび第２のクランプ部４２Ａの内面に対する小径部３２Ｂ２の相対回転が制限される。

　・図８に示すように、第１の引出部４１として、第１のフランジ部４１Ｂを割愛した構成を採用してもよい。また、第２の引出部４２として、第２のフランジ部４２Ｂを割愛した構成を採用してもよい。

　・図１０に示すように、複数のハーネス３２と、単一のコネクタ６０とを有するハーネス６１を構築してもよい。各ハーネス３２は、先の実施の形態と同様に、ハーネス本体３２Ａおよびブッシュ３２Ｂを有している。コネクタ６０は、複数の端子６０Ａを有している。各ハーネス３２の端部から露出する絶縁電線が、コネクタ６０の各端子６０Ａに接続されている。

　なお、図１１に示すように、ハーネス６１は、複数のハーネス本体３２Ａを一括して包み込む単一のブッシュ６３を有していてもよい。ブッシュ６３は、大径部６３Ａ、小径部６３ＢおよびＯリング６３Ｃを有している。大径部６３Ａ、小径部６３ＢおよびＯリング６３Ｃは、ブッシュ３２Ｂの大径部３２Ｂ１、小径部３２Ｂ２およびＯリング５１に対応する部分である。

Claims

　検出対象であるシャフトが貫通するように構成されるセンサ装置であって、
　ハーネス引出部を有するハウジングと、
　前記ハウジング内に位置するセンサと、を備え、
　前記センサは、前記シャフトの運動に関する物理量を検出するように構成されるセンサ本体と、前記センサ本体から前記ハーネス引出部を介して外部に引き出されるハーネスと、を有し、
　前記ハウジングは、前記シャフトの軸方向に開口する開口部を有するハウジング本体と、前記開口部を塞ぐカバーと、を有し、
　前記ハーネス引出部は、前記ハウジング本体の周壁に設けられる第１の引出部と、前記カバーの周壁に設けられる第２の引出部とを有し、
　前記第１の引出部と前記第２の引出部とは、前記ハーネスの対応する一部分を全周にわたって圧縮するかたちで挟み込むように構成されるセンサ装置。
　前記ハーネスは、ハーネス本体と、前記ハーネス本体の前記ハーネス引出部に対応する一部分を全周にわたって覆うように、前記ハーネス本体と一体的に設けられるブッシュとを有し、
　前記第１の引出部と前記第２の引出部とは、前記ブッシュの一部分を全周にわたって挟み込むように構成される請求項１に記載のセンサ装置。
　前記ブッシュの外周面は、切欠溝を有し、
　前記第１の引出部は、半筒状の第１のクランプ部を有し、
　前記第２の引出部は、半筒状の第２のクランプ部を有し、
　前記第１のクランプ部と前記第２のクランプ部とは、前記ブッシュの前記一部分を全周にわたって覆う単一の円筒を構成し、
　前記第１のクランプ部および前記第２のクランプ部のうち少なくとも一方の内周面は、突部を有し、前記突部は、前記切欠溝に食い込むかたちで嵌るように構成される請求項２に記載のセンサ装置。
　前記ブッシュは、前記ハウジングの内部に位置する大径部と、前記第１の引出部と前記第２の引出部とにより挟み込まれる小径部とを有し、
　前記大径部は、前記第１の引出部および前記第２の引出部に対応する前記ハウジングの内面の領域に対して、前記ブッシュの軸方向に当接する平面を有している請求項２または請求項３に記載のセンサ装置。
　前記ブッシュは、前記ハウジングの外部に位置する大径部と、前記第１の引出部と前記第２の引出部とにより挟み込まれる小径部とを有し、
　前記大径部は、前記第１の引出部および前記第２の引出部に対応する前記ハウジングの外面の領域に対して、前記ブッシュの軸方向に当接する平面を有している請求項２または請求項３に記載のセンサ装置。
　前記小径部は、外周に装着される環状のシール部材を有し、
　前記第１の引出部と第２の引出部は、前記シール部材を全周にわたって圧縮するように構成される請求項４または請求項５に記載のセンサ装置。
　前記ブッシュは樹脂成型品であって、前記ブッシュの内周面は、前記ハーネスの外周面に対して溶着した状態で固定されている請求項２に記載のセンサ装置。