WO2023054403A1

WO2023054403A1 - 乗り物用シート

Info

Publication number: WO2023054403A1
Application number: PCT/JP2022/036030
Authority: WO
Inventors: 亮祐小島; 聡一郎田中; 元芳田
Original assignee: テイ・エステック株式会社
Priority date: 2021-09-28
Filing date: 2022-09-27
Publication date: 2023-04-06

Abstract

シート本体内部にシートヒータを取り付ける作業を効率化することが可能な乗り物用シートを提供する。　乗り物用シートＳは、シート本体の内部においてパッド材１０及び表皮材２０の間に配置され、表皮材２０の裏面に取り付けられるシートヒータ３０を備えている。パッド材１０は、表皮材２０の表皮端末部を吊り込むための吊り込み溝を有している。吊り込み溝は、パッド材１０を第１のパッド部と第２のパッド部とに区分けするように設けられている。シートヒータ３０は、第１のパッド部の表面に配置される第１ヒータ部と、第２のパッド部の表面に配置される第２のヒータ部と、吊り込み溝を跨ぐように配置され、第１のヒータ部及び第２のヒータ部を連結するヒータ連結部と、を有している。ヒータ連結部は、表皮端末部に取り付けられ、表皮端末部とともに吊り込み溝に吊り込まれている。

Description

乗り物用シート

　本発明は、乗り物用シートに係り、シート本体の内部においてパッド材及び表皮材の間に配置されるシート状のシートヒータを備えた乗り物用シートに関する。

　従来、シート本体の内部にシート状のシートヒータを取り付けることで、シート本体に着座した乗員の快適性を向上させた乗り物用シートが知られている。
　当該乗り物用シートの一例として、骨格となるシートフレームにパッド材を載置して表皮材で被覆されて構成されるシート本体と、パッド材と表皮材の間に配置され、表皮材の裏面に接着剤等で取り付けられるシートヒータと、を備えたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

国際公開第２０２１／０８５０９３号

　ところで、特許文献１のような乗り物用シートでは、シートヒータが、シートクッションにおいてパッド材の前方部分に配置される前方ヒータ部と、パッド材の後方部分に配置される後方ヒータ部と、前方ヒータ部及び後方ヒータ部を連結する左右のヒータ連結部（ヒータ渡り部）と、から構成されていた。
　そして、パッド材の表面には、当該パッド材を前方部分と後方部分とに区分けし、表皮材の表皮端末部を吊り込むための吊り込み溝が形成されており、左右のヒータ連結部は、吊り込み溝に表皮端末部とともに吊り込まれていた（押し込まれていた）。
　そうすると、シートクッションを製造するにあたってパッド材にシートヒータ付きの表皮材を被覆するときには、シートヒータのヒータ連結部を吊り込み溝内に押し込む作業が必要とされていた。そのため、作業費の増加につながっていた。
　なお、ヒータ連結部を吊り込み溝内に押し込む作業は、例えばシートヒータがパッド材の表面に取り付けられる（格納される）場合であっても必要とされる作業であった。
　そのため、シート本体の内部にシートヒータ（ヒータ連結部）を取り付ける作業を効率化するための技術が求められていた。

　また、特許文献１のような乗り物用シートでは、シートヒータの左右のヒータ連結部が、シートクッションのパッド材のシート幅方向の中央部に配置され、かつ、パッド材の吊り込み溝と重なる位置に配置されていた。
　そうすると、乗員がシート本体に着座したときに着座荷重によってヒータ連結部に負荷がかかってしまっていた。
　そのため、シートヒータのうち、ヒータ連結部に着座荷重による負荷がかかってしまうことを抑制する技術が求められていた。

　本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、シート本体の内部にシートヒータを取り付ける作業を効率化することが可能な乗り物用シートを提供することにある。
　また、本発明の他の目的は、シート本体の内部にシートヒータのヒータ連結部を効率良く取り付けることが可能な乗り物用シートを提供することにある。
　また、シートヒータのヒータ連結部に着座荷重による負荷がかかってしまうことを抑制することが可能な乗り物用シートを提供することにある。

　前記課題は、本発明の乗り物用シートによれば、パッド材と、前記パッド材を被覆する表皮材とを有するシート本体と、前記シート本体の内部において前記パッド材及び前記表皮材の間に配置され、前記表皮材側の裏面に取り付けられるシート状のシートヒータと、を備えた乗り物用シートであって、前記パッド材は、前記パッド材の表面に形成され、前記表皮材の表皮端末部を吊り込むための吊り込み溝を有し、前記吊り込み溝は、前記パッド材の表面において所定方向に沿って延びており、前記パッド材を第１のパッド部と第２のパッド部とに区分けするように設けられ、前記シートヒータは、前記第１のパッド部の表面に配置される第１のヒータ部と、前記第２のパッド部の表面に配置される第２のヒータ部と、前記吊り込み溝を跨ぐように配置され、前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部を連結し、前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部よりも幅狭となるように形成されるヒータ連結部と、を有し、前記ヒータ連結部は、前記表皮材のうち前記表皮端末部に取り付けられ、前記表皮端末部とともに前記吊り込み溝に少なくとも一部が吊り込まれていること、により解決される。
　上記構成により、シート本体内部にシートヒータを取り付ける作業を効率化することが可能な乗り物用シートを実現することができる。
　詳しく述べると、ヒータ連結部は、表皮材のうち表皮端末部に取り付けられ、表皮端末部とともに吊り込み溝に吊り込まれているため、従来のようにヒータ連結部を吊り込み溝内に押し込む作業工程が不要となる。すなわち、表皮端末部を吊り込み溝内に吊り込むことでヒータ連結部も同時に吊り込まれる。そのため、シートヒータ（ヒータ連結部）を効率良く取り付けることが可能となる。
　また上記構成により、パッド材の所定位置に表皮材を取り付けるときにシートヒータの取り付け位置も定まることになる。そのため、パッド材に対する表皮材及びシートヒータの取り付け作業が向上する。

　このとき、前記吊り込み溝は、前記パッド材をシート幅方向において中央パッド部と、前記中央パッド部よりも外側に位置するサイドパッド部とに区分けする第１の吊り込み溝と、前記中央パッド部を前記シート幅方向及び前記パッド材の厚み方向とは直交する方向において第１の中央パッド部と第２の中央パッド部とに区分けする第２の吊り込み溝と、を有し、前記ヒータ連結部は、前記表皮端末部とともに前記第１の吊り込み溝に少なくとも一部が吊り込まれ、前記第２の吊り込み溝と並ぶ位置又は重なる位置に配置されていると良い。
　上記構成により、左右のヒータ連結部が、シート本体のシート幅方向の中央部分よりも外側に寄らせた位置に配置されているため、ヒータ連結部に対し着座荷重の負荷がかかってしまうことを抑制することが可能となる。

　このとき、前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部は、前記シート本体に乗員が着座したときに、前記シート本体のうち前記乗員が当接する部分と対向する位置に配置され、かつ、前記第２の吊り込み溝とは対向しない位置に配置されていると良い。
　上記構成により、パッド材のうち、乗員が着座したときに着座荷重がより加わり易い部分（第２の吊り込み溝）を避けて第１のヒータ部及び第２のヒータ部を配置することができる。その結果、シートヒータに加わる負荷を抑制することが可能となる。

　このとき、前記ヒータ連結部は、前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部よりもシート幅方向の外側に配置されていると良い。
　上記構成により、吊り込み溝を跨ぐように配置されるヒータ連結部に対し着座荷重の負荷がかかってしまうことを抑制することができる。

　このとき、前記第１の吊り込み溝は、シート幅方向の左右側方に形成され、前記ヒータ連結部は、シート幅方向の左右側方に配置され、左右の前記ヒータ連結部は、左右の前記第１の吊り込み溝にそれぞれ少なくとも一部が吊り込まれていると良い。
　上記のように左右のヒータ連結部を備えていることで、シートヒータがパッド材に対して意図せずに動いてしまう（ずれてしまう）ことを抑制することができる。

　このとき、前記第２の吊り込み溝は、前記中央パッド部を前記直交する方向において前記第１の中央パッド部と、前記第２の中央パッド部と、第３の中央パッド部とに区分けする複数の前記第２の吊り込み溝を有し、前記シートヒータは、前記第１の中央パッド部の表面に配置される前記第１のヒータ部と、前記第２の中央パッド部の表面に配置される前記第２のヒータ部と、前記第３の中央パッド部の表面に配置される第３のヒータ部と、前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部を連結する第１のヒータ連結部と、前記第２のヒータ部及び前記第３のヒータ部を連結する第２のヒータ連結部と、を有し、前記第１のヒータ連結部と、前記第２のヒータ連結部とが、前記直交する方向に並ぶ位置に配置されていると良い。
　また、前記第１の吊り込み溝は、シート幅方向の左右側方に形成され、前記ヒータ連結部は、シート幅方向の左右側方に配置され、左右の前記ヒータ連結部は、前記直交する方向及び前記パッド材の厚み方向において重なる位置に配置されていると良い。
　上記構成により、シートヒータがパッド材に対して意図せずに動いてしまうことを一層抑制することができる。

　このとき、前記シートヒータは、シート状のシート基材と、前記シート基材に取り付けられ、前記シート基材に沿って延びているヒータ線と、を有し、前記ヒータ線のうち、前記ヒータ連結部の前記シート基材に取り付けられた部分は、前記ヒータ連結部の延出方向に沿って延びており、かつ、複数の屈曲部を形成しながら延びていると良い。
　また、前記ヒータ線のうち、前記ヒータ連結部の前記シート基材に取り付けられた部分は、蛇行形状又はジグザグ形状を形成しながら延びていると良い。
　上記のように、ヒータ連結部においてヒータ線の面積を出来る限り確保することで、ヒータ線全体で見たときの負荷を分散させることができる。

　このとき、前記ヒータ連結部のうちシート幅方向の外側端部が、前記表皮端末部に縫製によって取り付けられていると良い。
　上記構成により、シートヒータを取り付ける作業を一層効率化することができる。特に、シート本体の内部にシートヒータのヒータ連結部を一層効率良く取り付けることができる。

　本発明によれば、シート本体内部にシートヒータを取り付ける作業を効率化することが可能な乗り物用シートを実現できる。詳しく述べると、従来のようにヒータ連結部を吊り込み溝内に押し込む作業工程が不要となる。すなわち、表皮端末部を表皮吊り込み溝内に吊り込むことでヒータ連結部も同時に吊り込まれる。
　また本発明によれば、パッド材に対する表皮材及びシートヒータの取り付け作業が向上する。
　また本発明によれば、ヒータ連結部に対し着座荷重の負荷がかかってしまうことを抑制することが可能となる。
　また本発明によれば、シートヒータに加わる負荷を抑制することが可能となる。
　また本発明によれば、シートヒータがパッド材に対して意図せずに動いてしまうことを抑制することができる。
　また本発明によれば、ヒータ連結部においてヒータ線の面積を出来る限り確保することで、ヒータ線全体で見たときの負荷を分散させることができる。
　また本発明によれば、シートヒータを取り付ける作業を一層効率化することができる。特に、シートヒータのヒータ連結部を一層効率良く取り付けることができる。

本実施形態の乗り物用シートの外観斜視図である。シートクッションの上面図である。シートクッションのパッド材の上面図である。シートクッションの表皮材及びシートヒータの底面図であって、表皮端末部にヒータ連結部が取り付けられた状態を示す図である。図２のＶ－Ｖ断面図であって、表皮端末部及びヒータ連結部の一部が吊り込み溝に吊り込まれた状態を示す図である。シートヒータの上面図である。シートヒータの要部拡大図であって、ヒータ連結部を示す図である。ヒータ連結部の変形例を示す図である。第２実施形態の乗り物用シートの斜視図である。図８のＩＸ－ＩＸ断面図であって、表皮端末部及びヒータ連結部の一部が吊り込み溝に吊り込まれた状態を示す図である。第３実施形態の乗り物用シートの斜視図である。乗り物用シートの側断面図である。シートクッションのパッド材の分解斜視図である。シートクッションのパッド材の平面図である。図１３のＸＩＶ－ＸＩＶ断面図である。変形例１のシートクッションのパッド材の平面図である。図１５ＡのＸＶ－ＸＶ断面図である。変形例２のシートクッションのパッド材の平面図である。図１５ＡのＸＶＩ－ＸＶＩ断面図である。第４実施形態の乗り物用シートの側面図である。第５実施形態の乗り物用シートの斜視図である。振動発生体の斜視図である。変形例１の振動発生体の側面図である。変形例２の振動発生体の側面図である。第６実施形態の乗り物用シートの斜視図である。シートフレーム、ランバサポート、振動発生体の斜視図である。後方から見たときのランバサポート、振動発生体の斜視図である。第７実施形態の乗り物用シートの斜視図である。第８実施形態の乗り物用シートの斜視図である。図２５のＸＸＶＩ－ＸＸＶＩ断面図である。図２６のＸＸＶＩＩ－ＸＸＶＩＩ断面図である。第９実施形態の乗り物用シートの斜視図である。第２パッド材、振動発生体の分解斜視図である。第１パッド材、第２パッド材、振動発生体の分解斜視図である。シートクッションの平面図であって、第１パッド材、第２パッド材、振動発生体を示す図である。振動発生体の取り付け構造の変形例１である。振動発生体の取り付け構造の変形例２である。振動発生体の取り付け構造の変形例３である。振動発生体の取り付け構造の変形例４である。第１０実施形態の乗り物用シートの斜視図である。シートクッションの平面図であって、第１パッド材、第２パッド材、振動発生体を示す図である。図３４のＸＸＸＶ－ＸＸＸＶ断面図である。振動発生体の取り付け構造の変形例５である。振動発生体の取り付け構造の変形例６である。第１１実施形態の乗り物用シートの斜視図である。シートクッションの側断面図である。シートクッションの側断面図であって、クッションエアバッグ装置が膨出展開された状態を示す図である。第１２実施形態の乗り物用シートの斜視図である。シートクッションのパッド材の平面図である。図４０のＸＬＩ－ＸＬＩ断面図であって、振動発生体の配置を示す図である。振動発生体の配置パターンの変形例１である。振動発生体の配置パターンの変形例２である。第１３実施形態の乗り物用シートの斜視図である。シートクッションのパッド材の断面図であって、振動発生体、空調装置の配置を示す図である。振動発生体、空調装置の配置パターンの変形例である。第１４実施形態の乗り物用シートの斜視図である。シートクッションのパッド材の平面図であって、シートヒータ、振動発生体を示す図である。シートヒータ、振動発生体の配置パターンの変形例である。第１５実施形態の乗り物用シートの斜視図である。バックフレームの正面図であって、振動発生体及び受圧プレートの位置関係を示す図である。

　以下、本発明に係る実施形態について図１～図５０を参照して説明する。
　本実施形態は、パッド材及び表皮材の間にシート状のシートヒータを備えた乗り物用シートであって、パッド材が、パッド材の表面を第１のパッド部と第２のパッド部とに区分けするように設けられ、表皮材の表皮端末部を吊り込むための吊り込み溝を有し、シートヒータが、第１のパッド部の表面に配置される第１のヒータ部と、第２のパッド部の表面に配置される第２のヒータ部と、吊り込み溝を跨ぐように配置され、第１のヒータ部及び第２のヒータ部を連結するヒータ連結部とを有しており、当該ヒータ連結部が、表皮材のうち表皮端末部に取り付けられ、表皮端末部とともに吊り込み溝に一部が吊り込まれていることを主な特徴とする乗り物用シートに関するものである。
　なお、乗り物用シートのシートバックに対して着座者が着座する側がシート前方側となる。

　＜第１実施形態＞
　まず、第１実施形態の乗り物用シートＳ１について、図１～図９に基づいて説明する。

　乗り物用シートＳ１は、図１に示すように、車両用シートであって、シートクッション１と、シートバック２と、ヘッドレスト３とを備えるシート本体と、シートクッション１及びシートバック２の内部にそれぞれ取り付けられるシート状のシートヒータ３０、４０と、から主に構成されている。
　なお、シートヒータ３０、４０は、ハーネスを介して電源及び制御装置と接続されている。

　シートクッション１は、図１～図４に示すように、乗員を下方から支持する着座部であって、骨格となる不図示のクッションフレームにパッド材１０を載置して表皮材２０で被覆されて構成されている。
　シートクッション１は、シート幅方向の中央部分にある中央部１Ａと、中央部１Ａのシート幅方向の外側にある左右のサイド部１Ｂ（サイドボルスター部）と、から構成されている。
　クッションフレームは、矩形状の枠状体からなり、左右側方に配置されるサイドフレームと、各サイドフレーム部の前方部分に架設される板状のパンフレームと、各サイドフレームの後方部分を連結する後方連結フレームと、パンフレーム及び後方連結フレームに掛け止めされ、シート前後方向に蛇状に延びている複数の弾性バネ（弾性支持部材）と、から主に構成されている。

　シートバック２は、図１に示すように、着座者の背中を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となる不図示のバックフレームにパッド材２ａを載置して表皮材２ｂで被覆されて構成されている。
　シートバック２は、シート幅方向の中央部分にある中央部２Ａと、中央部２Ａのシート幅方向の外側にある左右のサイド部２Ｂ（サイドボルスター部）と、から構成されている。
　バックフレームは、矩形状の枠状体からなり、左右側方に配置されるバックサイドフレームと、各バックサイドフレームの上端部分を連結する逆Ｕ字形状の上部フレームと、各バックサイドフレームの下端部分を連結するプレート形状の下部フレームと、各バックサイドフレームに掛け止めされる複数のワイヤ部材（弾性ワイヤ）と、複数のワイヤ部材によって保持され、着座者を支持する支持プレートと、から主に構成されている。
　なお、シートクッション１及びシートバック２の連結部分にはリクライニング装置４が取り付けられており、シートクッション１の下方部分にはハイトリンク装置５を介してレール装置６が取り付けられている。

　ヘッドレスト３は、図１に示すように、乗員の頭を後方から支持する頭部であって、芯材となる不図示のピラーにパッド材３ａを載置して表皮材３ｂで被覆されて構成されている。

　シートクッション１のパッド材１０は、図２、図３に示すように、例えば発泡ウレタン等からなるクッション材である。
　パッド材１０は、パッド材１０の表面に形成され、表皮材２０の表皮端末部２０ａを吊り込むための第１吊り込み溝１１及び第２吊り込み溝１２を有している。

　第１吊り込み溝１１は、パッド材１０のシート幅方向の左右側方に形成され、シート前後方向に長尺となるように延びている。
　左右の第１吊り込み溝１１は、パッド材１０を中央パッド部１０Ａと、中央パッド部１０Ａよりも外側に位置するサイドパッド部１０Ｂとに区分けするように配置されている。

　第２吊り込み溝１２は、パッド材１０のシート幅方向の中央部分に複数形成され、それぞれシート幅方向に長尺となるように延びている。
　複数の第２吊り込み溝１２は、中央パッド部１０Ａをシート前後方向において第１中央パッド部１０ＡＡと、第２中央パッド部１０ＡＢと、第３中央パッド部１０ＡＣとに区分けするように配置されている。
　複数の第２吊り込み溝１２は、左右の第１吊り込み溝１１を連結するように延びている。

　表皮材２０は、図２、図４に示すように、例えば伸縮性を有するナイロン材料等からなり、パッド材１０を上方側から被覆することが可能な形状に形成されている。
　具体的には、表皮材２０は、中央パッド部１０Ａ及び左右のサイドパッド部１０Ｂに対応する位置において分割されたものであって、分割された表皮材２０同士の表皮端末部２０ａが、第１吊り込み溝１１内で縫製されて連結されている。
　また、表皮材２０は、第１中央パッド部１０ＡＡ、第２中央パッド部１０ＡＢ及び第３中央パッド部１０ＡＣに対応する位置においてさらに分割されており、分割された表皮材２０同士の表皮端末部２０ａが、第２吊り込み溝１２内で縫製されて連結されている。

　表皮材２０の裏面において中央パッド部１０Ａ及び左右のサイドパッド部１０Ｂに対応する位置には、略全面にわたって綿状のスラブ材２１（ワディング材）が縫製されて取り付けられている。
　また、表皮材２０の裏面において表皮端末部２０ａに対応する位置には、表皮端末部２０ａの延出方向に沿って吊り込み部材２２が取り付けられている。
　さらに、表皮材２０の中央パッド部１０Ａの裏面には、シートヒータ３０が取り付けられている。

　吊り込み部材２２は、図２、図５に示すように、例えば樹脂製のトリムコードであって、パッド材１０の吊り込み溝１１、１２に対向する位置に配置され、当該吊り込み溝１１、１２の延出方向に沿って延びている。
　吊り込み部材２２は、表皮端末部２０ａとともに吊り込み溝１１、１２内に吊り込まれることになる。
　詳しく説明すると、パッド材１０の吊り込み溝１１、１２よりも下方位置には、図５に示すように、長尺な断面円形状のインサートワイヤ１３が埋め込まれている。インサートワイヤ１３は、吊り込み溝１１、１２に沿って延びている。
　当該インサートワイヤ１３と、表皮端末部２０ａに設けられた吊り込み部材２２とが、長尺な断面略Ｃ字形状のＣリング１４によって掛け止めされ、連結される。
　このようにして、表皮材２０の表皮端末部２０ａが、パッド材１０の吊り込み溝１１、１２内に吊り込まれることになる。

　　＜＜シートヒータの形状、配置＞＞
　シートヒータ３０は、図１、図２、図４に示すように、シートクッション１を暖める面状発熱体であって、シートクッション１の内部に取り付けられ、パッド材１０及び表皮材２０の間に配置され、表皮材２０の裏面に取り付けられている。
　シートヒータ４０は、図１に示すように、シートバック２を暖める面状発熱体であって、シートバック２の内部に取り付けられ、パッド材２ａ及び表皮材２ｂの間に配置され、表皮材２ｂの裏面に取り付けられている。
　シートヒータ３０、シートヒータ４０は、同様の構成となっているため、以下、シートヒータ３０について詳しく説明することとする。

　シートヒータ３０は、第１中央パッド部１０ＡＡの表面に配置される第１ヒータ部３０ａと、第２中央パッド部１０ＡＢの表面に配置される第２ヒータ部３０ｂと、第３中央パッド部１０ＡＣの表面に配置される第３ヒータ部３０ｃと、を有している。
　また、シートヒータは、吊り込み溝１２を跨ぐように配置され、第１ヒータ部３０ａ及び第２ヒータ部３０ｂを連結する左右の第１ヒータ連結部３０ｄと、第２ヒータ部３０ｂ及び第３ヒータ部３０ｃを連結する左右の第２ヒータ連結部３０ｅと、をさらに有している。
　左右の第１ヒータ連結部３０ｄ、左右の第２ヒータ連結部３０ｅは、それぞれ第１ヒータ部３０ａ、第２ヒータ部３０ｂよりも幅狭となるように形成されている。

　第１ヒータ部３０ａ、第２ヒータ部３０ｂ、第３ヒータ部３０ｃは、乗員がシート本体に着座したときに、シートクッション１のうち乗員が当接する部分（具体的には、シート幅方向の中央部分）と対向する位置に配置されている。そして、第１吊り込み溝１１及び第２吊り込み溝１２とは対向しない位置に配置されている。
　左右の第１ヒータ連結部３０ｄ、左右の第２ヒータ連結部３０ｅは、それぞれシート幅方向の左右側方に配置され、上記ヒータ部３０ａ、３０ｂ、３０ｃよりもシート幅方向の外側に配置されている。
　また、左右の第１ヒータ連結部３０ｄ、左右の第２ヒータ連結部３０ｅは、それぞれシート前後方向において重なる位置（具体的には、同じ位置）に配置されている。
　第１ヒータ連結部３０ｄと、第２ヒータ連結部３０ｅとは、シート前後方向において並ぶ位置に配置されている。

　シートヒータ３０のうち、ヒータ部３０ａ、３０ｂ、３０ｃは、図４に示すように、表皮材２０の裏面に接着剤等で取り付けられている。
　ヒータ連結部３０ｄ、３０ｅは、図４、図５に示すように、表皮材２０の表皮端末部２０ａに縫製によって取り付けられている。具体的には、ヒータ連結部３０ｄ、３０ｅのうちシート幅方向の外側端部が、表皮端末部２０ａに縫製によって取り付けられている。
　詳しく述べると、ヒータ連結部３０ｄ、３０ｅは、図４に示すように、第２吊り込み溝１２のシート幅方向の端部と重なる位置に配置されている。
　そして、ヒータ連結部３０ｄ、３０ｅの一部（外側端部）は、図５に示すように、表皮材２０の表皮端末部２０ａとともに第１吊り込み溝１１に吊り込まれて固定されている。

　上記構成により、シートクッション１の内部にシートヒータ３０を取り付ける作業を効率化することが可能となる。
　詳しく述べると、左右のヒータ連結部３０ｄ、３０ｅは、表皮材２０のうち表皮端末部２０ａに縫製で取り付けられ、表皮端末部２０ａとともに第１吊り込み溝１１に吊り込まれている。そのため、従来のようにヒータ連結部３０ｄ、３０ｅを第１吊り込み溝１１内に押し込む作業工程が不要となる。すなわち、表皮端末部２０ａを吊り込み溝１１内に吊り込むことでヒータ連結部３０ｄ、３０ｅも同時に吊り込まれることになる。そのため、シートヒータ３０（ヒータ連結部３０ｄ、３０ｅ）を効率良く取り付けることが可能となる。
　また上記構成により、パッド材１０の所定位置に表皮材２０を取り付けるときにシートヒータ３０の取り付け位置も定まることになる。そのため、パッド材１０に対する表皮材２０及びシートヒータ３０の取り付け作業が向上する。

　　＜＜シートヒータの構成＞＞
　シートヒータ３０は、図６に示すように、シート状のシート基材３１と、シート基材３１上にそれぞれ取り付けられ、不図示の電源と接続されている電線３２と、電線３２と接続されているヒータ線３３と、電線３２及びヒータ線３３と接続される温度測定センサ３４及び温度調整装置３５と、から主に構成されている。

　シート基材３１は、伸縮可能な布材からなり、シートヒータ３０の土台部分である。
　電線３２は、電源からヒータ線３３、温度測定センサ３４及び温度調整装置３５に向けて電気を供給するものであって、その一端部分において複数の電線３２が束ねられることでハーネス３２ａが形成されている。
　ハーネス３２ａは、その一端部分がシート基材３１上に取り付けられ、その他端部分がシート基材３１上から突出するように延びて、電源及び制御装置と接続されている。

　ヒータ線３３は、図６、図７Ａに示すように、シート基材３１上に接着によって固定されている。なお、シート基材３１上に縫製等によって取り付けられていても良い。
　ヒータ線３３は、シート基材３１の後端部分から前方側に向かって蛇行しながら延びていき、シート基材３１の前端部分において屈曲して折り返され、再び後端部分に戻るように延びている。
　ヒータ線３３のうち、ヒータ連結部３０ｄ（３０ｅ）のシート基材３１に取り付けられたヒータ線部分３３ａは、ヒータ連結部３０ｄの延出方向に沿って延びており、かつ、複数の屈曲部を形成しながら延びている。
　詳しく述べると、ヒータ線部分３３ａは、ヒータ連結部３０ｄの延出方向に沿ってジグザグ形状を形成しながら延びている。

　なお、図７Ｂに示すように、ヒータ線部分３３ａが、ヒータ連結部３０ｄの延出方向に沿って２つの屈曲部を形成しながらシンプルに延びていても良い。あるいは、ヒータ線部分３３ａが、ヒータ連結部３０ｄの延出方向に沿って複数の屈曲部を形成し、蛇行形状を形成しながら延びていても良い。

　温度測定センサ３４は、ヒータ線３３の温度を測定するサーミスタであって、ヒータ温度の測定結果に基づく出力信号を制御装置に向けて出力するものである。
　温度調整装置３５は、ヒータ線３３の温度を調整する熱動式のサーモスタットであって、ヒータ温度が所定値を超えるとヒータ線３３への電気供給を遮断することで、ヒータ温度を一定以下に保持するものである。
　なお、不図示の制御装置は、ＥＣＵ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ　Ｃｏｎｔｒｏｌ　Ｕｎｉｔ）に相当し、温度測定センサ３４で検出された出力信号を受信して、ヒータ温度を設定値と比較することで、電源から各ヒータ線３３への電気供給を制御するものである。

　上記構成により、シンプルな構成のシートヒータ３０、４０によって、シート本体に着座した乗員の快適性を向上させることができる。
　また、シートヒータ３０のうち、ヒータ部３０ａ、３０ｂ、３０ｃがパッド材１０の吊り込み溝１１、１２を避けて配置されることで、ヒータ部の変形を抑制し、ヒータ部の負荷を抑制することが出きる。
　また、シートヒータ３０のうち、ヒータ連結部３０ｄ、３０ｅにおいてヒータ線３３の面積を出来る限り確保することで、ヒータ線全体で見たときの負荷を分散させることができる。

　　＜＜その他＞＞
　上記実施形態では、図３に示すように、パッド材１０が、第１吊り込み溝１１及び第２吊り込み溝１２を有しているが、特に限定されず、第１吊り込み溝１１のみを有していても良いし、第２吊り込み溝１２のみを有していても良い。あるいは、第１吊り込み溝１１及び第２吊り込み溝１２のほか、所定方向に延びている第３吊り込み溝を有していても良い。

　上記実施形態では、図２、図４に示すように、シートヒータ３０が、第１ヒータ部３０ａと、第２ヒータ部３０ｂと、第３ヒータ部３０ｃとを有しているが、特に限定されず、２つのヒータ部を有していても良いし、４つ以上のヒータ部を有していても良い。

　上記実施形態では、図２、図４に示すように、シートヒータ３０が、左右の第１ヒータ連結部３０ｄを有しているが、特に限定されず、左右ではなくどちらか一方に第１ヒータ連結部３０ｄを有していても良い。
　また、シートヒータ３０が、第１ヒータ連結部３０ｄと、第２ヒータ連結部３０ｅと、を有しているが、特に限定されず、１つのヒータ部を有していても良いし、３つ以上のヒータ部を有していても良い。

　上記実施形態では、図２、図４に示すように、左右のヒータ連結部３０ｄ（３０ｅ）が、左右の第１吊り込み溝１１内にそれぞれ一部が吊り込まれているが、特に限定されず、全体が吊り込まれていても良い。
　また、左右のヒータ連結部３０ｄ（３０ｅ）が、シート前後方向において重なる位置に配置されているが、特に限定されず、シート前後方向において異なる位置に配置されていても良い。
　また、第１ヒータ連結部３０ｄと、第２ヒータ連結部３０ｅとが、シート前後方向に並ぶ位置に配置されているが、特に限定されず、シート前後方向に並ばない位置、すなわち、シート幅方向において異なる位置に配置されていても良い。

　上記実施形態では、乗り物用シートＳ１が、シート本体の内部にシートヒータ３０、４０を備えているが、シートヒータ３０、４０の代わりに、シート状の着座センサ（着座センサモジュール）や、着座した乗員の生体情報を検出する各種の生体センサ（生体センサモジュール）を備えていても良い。あるいは、代わりにエアセル（エアセルモジュール）、電気製品（電気製品モジュール）を備えていても良い。

　＜第２実施形態＞
　次に、第２実施形態の乗り物用シートＳ２について、図８、図９に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ２は、シートクッション１０１及びシートバック１０２の内部にそれぞれ取り付けられるシート状のシートヒータ１３０、１４０を備えている。

　シートクッション１０１のパッド材１１０は、表皮材１２０の表皮端末部１２０ａを吊り込むための吊り込み溝１１１を有している。
　吊り込み溝１１１は、パッド材１１０のシート幅方向の左右側方に形成され、シート前後方向に長尺となるように延びている。
　左右の第１吊り込み溝１１は、パッド材１１０を中央パッド部１１０Ａと、中央パッド部１１０Ａよりも外側に位置するサイドパッド部１１０Ｂとに区分けするように配置されている。

　シートヒータ１３０は、パッド材１１０及び表皮材１２０の間に配置され、表皮材１２０の裏面に取り付けられている。
　シートヒータ１３０は、中央パッド部１１０Ａの表面に配置される矩形状の中央ヒータ部１３０ａと、左右のサイドパッド部１１０Ｂの表面に配置される載置されるＬ字形状のサイドヒータ部１３０ｂ、１３０ｃと、中央ヒータ部１３０ａ及びサイドヒータ部１３０ｂ、１３０ｃを連結するヒータ連結部１３０ｄ、１３０ｅと、を有している。

　中央ヒータ部１３０ａは、乗員がシート本体に着座したときに、シートクッション１のうち乗員が当接する部分と対向する位置に配置されている。そして、吊り込み溝１１１とは対向しない位置に配置されている。
　左右のヒータ連結部１３０ｄ、１３０ｅは、それぞれシート幅方向の左右側方に配置され、中央ヒータ部１３０ａよりもシート幅方向の外側に配置されている。
　また、左右のヒータ連結部１３０ｄ、１３０ｅは、それぞれシート前後方向において重なる位置（具体的には、同じ位置）に配置されている。

　シートヒータ１３０のうち、中央ヒータ部１３０ａ、サイドヒータ部１３０ｂ、１３０ｃは、表皮材１２０の裏面に接着剤等で取り付けられている。
　ヒータ連結部１３０ｄ、１３０ｅは、表皮材１２０の表皮端末部１２０ａに縫製によって取り付けられている。具体的には、ヒータ連結部１３０ｄ、１３０ｅのうちシート幅方向の中央部が、表皮端末部１２０ａに縫製によって取り付けられている。そして、ヒータ連結部１３０ｄ、１３０ｅは、表皮端末部１２０ａとともに吊り込み溝１１１に吊り込まれて固定されている。

　上記実施形態によっても、シート本体の内部にシートヒータ１３０、ｌ４０を取り付ける作業を効率化することが可能となる。
　詳しく述べると、表皮端末部１２０ａを吊り込み溝１１１内に吊り込むことでヒータ連結部１３０ｄ、１３０ｅも同時に吊り込まれることになる。そのため、シートヒータ１３０（ヒータ連結部１３０ｄ、１３０ｅ）を効率良く取り付けることが可能となる。

　＜第３実施形態＞
　次に、第３実施形態の乗り物用シートＳ３について、図１０～図１６Ｂに基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１、Ｓ２と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ３は、シート本体の内部において送風装置及び振動発生体を備え、これら送風装置及び振動発生体の配置レイアウトを工夫することで、両者を円滑に動作させることが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ３は、図１０、図１１に示すように、車両用シートであって、シートクッション２０１と、シートバック２０２とを有するシート本体と、シート本体の内部にそれぞれ取り付けられ、着座者に向けて空気を吹き出す送風装置２５０と、着座者に振動を付与する振動発生体２６０と、を備えている。

　シートクッション２０１は、図１０～図１２に示すように、クッションフレーム２１０と、パッド材２２０と、表皮材２０１ａとから主に構成されている。
　シートクッション２０１の内部には、送風装置２５０が配置されている。
　シートバック２０２は、バックフレーム２３０と、パッド材２４０と、表皮材２０２ａとから主に構成されている。
　シートバック２０２の内部には、送風装置２５０の構成部品（ダクト２５３）が配置されている。

　パッド材２２０は、図１１、図１２に示すように、複数のパッド材が上下方向に積層されて形成されるパッド積層体であって、第１パッド材２２１と、第１パッド材２２１よりも柔らかく形成される第２パッド材２２２と、第１パッド材２２１よりも柔らかく形成される第３パッド材２２３と、を備えている。
　第２パッド材２２２、第３パッド材２２３は、カバー材とも称され、第１パッド材２２１のシート幅方向の中央部の表面に取り付けられており、第１パッド材２２１の中央部を上方から覆っている。

　第１パッド材２２１は、図１２に示すように、例えば発泡ポリプロピレン等の樹脂材料から形成される。
　第１パッド材２２１の表面には、左右の第１表皮吊り込み溝２２１ａと、左右の第１表皮吊り込み溝２２１ａを連結する第２表皮吊り込み溝２２１ｂと、送風装置２５０のダクト２５３を挿通させるダクト挿通穴２２１ｃとが形成されている。
　ダクト挿通穴２２１ｃは、断面略長方形状の穴であって、第１パッド材２２１の厚さ方向に貫通して形成されている。

　第２パッド材２２２、第３パッド材２２３は、例えばウレタンフォーム等の樹脂材料から形成されており、第１パッド材２２１よりも柔らかくなっている。
　第２パッド材２２２の表面には、ダクト２５３（吹き出し部２５４）から吹き出される空気を案内する通気路２２２ａが形成されている。
　通気路２２２ａは、ダクト挿通穴２２１ｃに対応する位置（対向する位置）に形成されている。そして、通気路２２２ａは、シート前方及びシート側方に向かって分岐しながら延びている。通気路２２２ａによって、シートクッション２０１の中央部の略全体にわたって空気が案内される。

　第３パッド材２２３の表面において通気路２２２ａに対応する位置には、シート前後方向及びシート幅方向に間隔を空けて通気穴２２３ａが複数形成されている。
　通気穴２２３ａは、ダクト挿通穴２２１ｃとは対向しない位置に配置されている。
　上記構成により、着座者に向けて良好に空気を吹き出すことができる。

　シートバック２０２のパッド材２４０についても同様である。
　つまりは、パッド材２４０は、図１１に示すように、パッド積層体であって、第１パッド材２４１と、第１パッド材２４１の前面に配置され、第１パッド材２４１よりも柔らかく形成された第２パッド材２４２と、を備えている。
　第１パッド材２４１の表面には、ダクト挿通穴２４１ａと、通気路２４１ｂとが形成されている。
　第２パッド材２４２の表面には、複数の通気穴２４２ｂが形成されている。

　送風装置２５０は、図１１に示すように、クッションフレーム２１０の底面に取り付けブラケット２５１を介して取り付けられ、空気を吹き出すブロア２５２と、ブロア２５２に接続され、空気を通過させるためのダクト２５３と、を備えている。

　ダクト２５３は、ブロア２５２からシート後方に向かって延びて、シートクッション２０１の後端部周辺で屈曲し、上方に向かってさらに延びている。
　また、ダクト２５３は、所定位置で分岐され、分岐点から上方に延びてシートクッション２０１のパッド材２２０を貫通する吹き出し部２５４と、ダクトの先端部においてシート前方に延びてシートバック２０２のパッド材２４０を貫通する吹き出し部２５５と、を有している。
　吹き出し部２５４、２５５は、着座者に向けて空気を吹き出す吹き出し口であって、それぞれパッド材２２０、２４０の表面に露出している。

　振動発生体２６０は、図１２～図１４に示すように、着座者に物理的力を付与する振動モータであって、例えば偏心モータ、リニア・バイブレータ、ピエゾ素子（圧電素子）等である。
　振動発生体２６０は、シートクッション２０１の第１パッド材２２１の表面に複数配置されており、第１パッド材２２１の表面に接着剤等で取り付けられている。
　また、振動発生体２６０は、第２パッド材２２２に形成された通気路２２２ａの内部に納まるように配置されている。
　また、振動発生体２６０は、第３パッド材２２３によって上方から覆われている。

　なお、振動発生体２６０は、第１パッド材２２１の表面に取り付けられているが、特に限定されない。例えば、振動発生体２６０は、第２パッド材２２２に直接取り付けられても良いし、第２パッド材２２２に取り付け部材を介して取り付けられても良い。あるいは、第３パッド材２２３の裏面に取り付けられても良い。

　　＜＜変形例１＞＞
　乗り物用シートＳ３は、図１５Ａ、図１５Ｂに示すように、シートヒータ２７０を備えていても良い。
　シートヒータ２７０は、シートクッション２０１を暖める面状発熱体であって、シートクッション２０１の内部に取り付けられ、パッド材２２０及び表皮材２０１ａの間に配置されている。
　シートヒータ２７０は、パッド材２２０の表面又は表皮材２０１ａの裏面に取り付けられている。

　シートヒータ２７０は、第１ヒータ部２７０ａと、第２ヒータ部２７０ｂと、第３ヒータ部２７０ｃと、第１ヒータ部２７０ａ及び第２ヒータ部２７０ｂを連結する左右の第１ヒータ連結部２７０ｄと、第２ヒータ部２７０ｂ及び第３ヒータ部２７０ｃを連結する左右の第２ヒータ連結部２７０ｅと、を有している。
　また、シートヒータ２７０は、シート状のシート基材２７１と、シート基材２７１上に取り付けられるヒータ線２７２と、を有している。

　上記構成において、図１５Ｂに示すように、振動発生体２６０は、パッド材２２０上においてシートヒータ２７０とは重ならない位置に配置されている。
　そうすることで、パッド材２２０の表面上において振動発生体２６０及びシートヒータ２７０が重なる場合と比較して、シートクッション２０１の厚さが大きくなることを抑制できる。

　　＜＜変形例２＞＞
　乗り物用シートＳ３は、図１６Ａ、図１６Ｂに示すように、シートヒータ２７０を備えていても良い。
　図１６Ｂに示すように、振動発生体２６０は、パッド材２２０上においてシートヒータ２７０と重なる位置に配置されている。つまりは、振動発生体２６０が、シートヒータ２７０によって上方から覆われている。
　そうすることで、着座者が、振動発生体２６０による異物を感じ、着座感を損なってしまうようなことを抑制することができる。

　　＜＜付記＞＞
　本発明の乗り物用シートによれば、パッド材を備えた乗り物用シートであって、前記パッド材には、送風装置から吹き出される空気を通過させる通気路が形成され、前記通気路の所定位置には、振動発生体が配置されていると良い。
　上記構成によれば、パッド材に通気路を形成するとともに振動発生体を好適に配置することができる。

　また、上記の乗り物用シートにおいて、前記パッド材は、第１パッド材と、第１パッド材上に配置され、前記通気路を形成する第２パッド材と、を備え、前記振動発生体は、前記第２パッド材の通気路内に配置されていると良い。
　上記構成によれば、通気路内に振動発生体を配置できるため、パッド材の表面に振動発生体を配置する場合と比較して、乗り物用シートの厚さが増加してしまうことを抑制できる。

　また、上記の乗り物用シートにおいて、前記パッド材は、前記第２パッド材上に配置された第３パッド材をさらに備え、前記第３パッド材は、前記振動発生体を上方から覆うように配置されていると良い。
　上記構成によれば、第３パッド材が振動発生体を好適に保護することができる。

　また、上記の乗り物用シートにおいて、前記振動発生体は、前記第２パッド材の前記通気路よりも幅狭となるように形成されていると良い。
　上記構成によれば、振動発生体が空気の通り道を阻害してしまうことを抑制できる。

　また、上記の乗り物用シートにおいて、前記送風装置は、前記乗り物用シートの内部に設けられ、ブロアから吹き出す空気を通過させるダクトを備え、前記第１パッド材には、前記第１パッド材の厚さ方向に貫通し、前記ダクトを挿通させるダクト挿通穴が形成され、前記振動発生体は、前記第１パッド材上に配置され、前記ダクト挿通穴を避けて配置されていると良い。
　上記構成によれば、振動発生体が空気の通り道を阻害してしまうことを抑制できる。

　また、上記の乗り物用シートにおいて、前記乗り物用シートは、前記パッド材の表面に配置されたシートヒータを備え、前記振動発生体は、前記パッド材において前記シートヒータとは重ならない位置に配置されていると良い。
　上記構成によれば、パッド材の表面上において振動発生体及びシートヒータが重なる場合と比較して、乗り物用シートの厚さが増加してしまうことを抑制できる。

　また、上記の乗り物用シートにおいて、前記乗り物用シートは、前記パッド材の表面に配置されたシートヒータを備え、前記振動発生体は、前記パッド材において前記シートヒータと重なる位置に配置されていると良い。
　上記構成によれば、着座者が振動発生体による異物を感じてしまい、着座感を損なうことを抑制できる。

　＜第４実施形態＞
　次に、第４実施形態の乗り物用シートＳ４について、図１７に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ３と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ４は、シート本体の内部に振動発生体を備え、乗り物の速度と、着座者の着座状態とに応じて振動発生体の出力を制御することが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ４は、車両用シートであって、シートクッション３０１と、シートバック３０２と、ヘッドレスト３０３と、を備えている。
　また、乗り物用シートＳ４は、着座センサ３１０と、振動発生体３３０と、制御装置３４０と、重量センサ３５０と、座高検知センサ３６０と、をさらに備えている。
　着座センサ３１０、制御装置３４０、重量センサ３５０は、シートクッション３０１の内部に取り付けられている。
　振動発生体３３０は、シートクッション３０１及びシートバック３０２の内部にそれぞれ取り付けられている。
　座高検知センサ３６０は、ヘッドレスト３０３の内部に取り付けられている。
　そのほか、乗り物Ｖには、車速センサ３２０が取り付けられている。

　制御装置３４０は、上記センサ３１０、３２０、３５０、３６０によって検出された検出信号を受信し、当該検出信号に基づいて振動発生体３３０の駆動を制御する。
　以下、複数の制御パターンについて説明する。

　制御装置３４０は、着座センサ３１０によって検出された着座者の着座状態と、車速センサ３２０によって検出された車速とに基づいて振動発生体３３０の出力を制御する。
　例えば、車速が、閾値として時速４０キロ未満の場合には、制御装置３４０は、振動発生体３３０の出力を出力限界の５０％となるように制御する。特に、車両の停止時には（車速が時速０キロの場合には）、振動発生体３３０の出力をより下げるように制御する。
　例えば、車速が、閾値として時速４０キロ以上、時速１００キロ未満の場合には、制御装置３４０は、振動発生体３３０の出力を出力限界の７０％となるように制御する。
　例えば、車速が、閾値として時速１００キロ以上の場合には、制御装置３４０は、振動発生体３３０の出力を出力限界の１００％となるように制御する。
　一般に、車速が上昇するに従って、ロードノイズや車体振動が大きくなり、着座者が振動をより感じ難くなる。そのため、このように振動発生体３３０の出力を上げていくことで、着座者が良好に振動を感じることができる。

　なお、着座センサ３１０が、乗員が着座していない状態（未着座状態）であることを検出した場合に、制御装置３４０は振動発生体３３０を駆動させないように制御すると良い。
　そうすることで、これら電装部品のエネルギーの消費を抑制することができる。また、未着座状態のときに振動発生体３３０が駆動すると振動音が発生するため、当該振動音の発生を防止することができる。

　制御装置３４０は、重量センサ３５０によって検出された乗員の重量と、座高検知センサ３６０によって検出された乗員の体格（座高）とに基づいて振動発生体３３０の出力を制御する。
　具体的には、座高検知センサ３６０が乗員の座高を検出し、座高の数値を算出する。また、重量センサ３５０が乗員の体重を検出し、体重の数値を算出する。
　例えば、座高を体重で除した数値（座高／体重によって求められる数値）が所定の閾値よりも高い場合には、制御装置３４０は、振動発生体３３０の出力を出力限界の１００％となるように制御する。
　例えば、座高を体重で除した数値が所定の閾値と同じ場合には、制御装置３４０は、振動発生体３３０の出力を出力限界の７０％となるように制御する。
　例えば、座高を体重で除した数値が所定の閾値より低い場合には、制御装置３４０は、振動発生体３３０の出力を出力限界の５０％となるように制御する。

　なお、乗員の体格や、乗り物用シートＳ４に積載される積載物の大きさを検出するにあたっては、その他の装置を組み合わせて行うと良い。
　例えば、重量センサ３５０及びシートポジションセンサを組み合わせても良い。あるいは、カメラ、シートのスライド位置を記憶するシートスライドメモリ装置、エアメモリ装置、赤外線センサ、体圧センサ、静電容量センサ等を組み合わせても良い。
　なお、これらの検出センサ、検出装置を用いて乗り物用シートＳ４にチャイルドシートが装着されていると判定された場合、あるいは着座者の覚醒状態を検出し、着座者が寝ていると判定された場合には、制御装置３４０は、振動発生体３３０を駆動させないように制御すると良い。

　＜第５実施形態＞
　次に、第５実施形態の乗り物用シートＳ５について、図１８～図２０Ｂに基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ４と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ５は、シート本体の内部に振動発生体を備え、１つの振動発生体によって２カ所以上の部分を振動させることが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ４は、シートクッション４０１と、シートバック４０２と、ヘッドレスト４０３と、シートクッション４０１の内部に設けられた振動発生体４１０と、を備えている。
　振動発生体４１０は、シートクッション４０１においてパッド材４０１ａ及び表皮材４０１ｂの間に配置されている。具体的には、パッド材４０１ａの表面に形成された凹部に収納されている。なお、振動発生体４１０は、パッド材４０１ａの内部に埋め込まれていても良い。
　振動発生体４１０は、シートバック４０２やヘッドレスト４０３の内部に設けられていても良い。

　振動発生体４１０は、図１９に示すように、本体部４１１（モータ部）と、本体部４１１から延びている第１伝達部４１２（第１伝達ワイヤ部）と、第１伝達部４１２から延びている第２伝達部４１３（第２伝達ワイヤ部）と、を備えている。
　第２伝達部４１３は、第１伝達部４１２とは交差するように延びている。
　上記のように、第１伝達部４１２、第２伝達部４１３は、それぞれ交差するように延びている。そのため、伝達部４１２、４１３を利用して、本体部４１１から発生する振動を２カ所以上の部分に伝播させることができる。つまりは、振動発生体４１０は、１つの本体部４１１（モータ部）から２カ所以上の部分を振動させることができる。

　図２０Ａは、振動発生体４１０の変形例１である。
　変形例１の振動発生体４１０は、本体部４１１（モータ部）と、ロータリソレノイド式の伝達部４１２と、を備えている。
　そうすることで、振動発生体４１０は、１つの本体部４１１から２カ所以上の部分を振動させることができる。

　図２０Ｂは、振動発生体４１０の変形例２である。
　変形例２の振動発生体４１０は、本体部４１１（モータ部）と、正回転及び逆回転可能な回転ギヤ式の伝達部４１２と、を備えている。
　そうすることで、振動発生体４１０は、１つの本体部４１１から２カ所以上の部分を振動させることができる。

　＜第６実施形態＞
　次に、第６実施形態の乗り物用シートＳ６について、図２１～図２３に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ５と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ６は、シート本体の内部にランバサポート及び振動発生体を備え、これら可動体を好適に配置することが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ６は、シートクッション５０１と、シートバック５０２と、シートバック５０２の内部に取り付けられ、シートバック５０２の下方部分を通常位置よりも着座者側へ突出させるために可動するランバサポート５２０と、ランバサポート５２０を駆動する駆動装置５３０（アクチュエータ）と、振動発生体５４０と、を備えている。

　シートバック５０２は、バックフレーム５１０と、バックフレーム５１０に載置されるパッド材５０２ａと、バックフレーム５１０及びパッド材５０２ａを被覆する表皮材５０２ｂと、から主に構成されている。
　バックフレーム５１０は、図２２に示すように、左右のバックサイドフレーム５１１と、上部フレーム５１２と、下部フレーム５１３と、各バックサイドフレーム５１１にそれぞれ掛け止めされる複数のワイヤ部材５１４と、複数のワイヤ部材５１４によって保持され、着座者を支持する支持プレート５１５と、を備えている。

　ランバサポート５２０は、シートバック５０２の下方部分に配置され、着座者の腰部を支持する部材である。
　ランバサポート５２０は、支持プレート５１５とパッド材５０２ａの間に配置されており、シートバック５０２の中央部を着座者側へ突出させるために可動する部材である。
　具体的には、ランバサポート５２０は、支持プレート５１５の前面に支持され、シート前方側に突出するように湾曲することが可能な可動プレートである。
　ランバサポート５２０は、駆動装置５３０が駆動することで上下方向に撓むように湾曲し、シートバック５０２の中央部をシート前方側へ突出させることができる。

　駆動装置５３０は、バックサイドフレーム５１１の内側面に固定され、ランバサポート５２０をシート前後方向及び上下方向に可動させるために駆動するアクチュエータである。
　駆動装置５３０は、駆動本体部５３１と、駆動本体部５３１及びランバサポート５２０を連結し、駆動本体部５３１の動作に伴ってランバサポート５２０を可動させるように作用する複数のケーブル５３２、５３３、５３４と、を有している。

　駆動本体部５３１の駆動に伴って第１ケーブル５３２が牽引されることで、ランバサポート５２０は、上下方向に撓むように湾曲し、シート前方側へ可動する。また、第１ケーブル５３２の牽引が解除されることで、ランバサポート５２０は、再び平板形状に戻る。
　また、駆動本体部５３１の駆動に伴って第２ケーブル５３３、第３ケーブル５３４が牽引されることで、ランバサポート５２０は、上方へ可動する。また、第２、第３ケーブル５３３、５３４の牽引が解除されることで、ランバサポート５２０は、下方へ可動する。

　振動発生体５４０は、図２３に示すように、シートバック５０２の下方部分に配置され、着座者の腰部に振動を付与する部材である。
　振動発生体５４０は、支持プレート５１５の裏面に設けられ、支持プレート５１５の左右の側方部分に取り付けられている。
　左右の振動発生体５４０は、シート幅方向においてランバサポート５２０を間に挟む位置に配置されている。

　振動発生体５４０は、本体部５４１（モータ部）と、本体部５４１を収容する第１ケース５４２及び第２ケース５４３と、本体部５４１を支持プレート５１５に取り付けるための取り付けブラケット５４４と、を有している。
　本体部５４１は、例えばアンバランスマス型のモータ部材である。

　上記のように、ランバサポート５２０が、支持プレート５１５の裏面の中央部に取り付けられている。そして、左右の振動発生体５４０が、支持プレート５１５の裏面の左右側方部分に取り付けられ、ランバサポート５２０とは異なる位置に配置されている。
　そうすることで、ランバサポート５２０及び振動発生体５４０の可動に影響を与えることなく、これら可動体５２０、５４０を好適に配置することができる。

　＜第７実施形態＞
　次に、第７実施形態の乗り物用シートＳ６について、図２４に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ６と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ７は、シート本体の内部に異なる種類の振動発生体を備え、これら振動発生体を好適に配置することで、着座者に振動を付与することが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ７は、シートクッション６０１と、シートバック６０２と、シートクッション６０１及びシートバック６０２の内部に取り付けられる第１振動発生体６１０と、シートバック６０２の内部に取り付けられる第２振動発生体６２０と、を備えている。
　また、乗り物用シートＳ７は、これら振動発生体６１０、６２０を制御する制御装置６３０をさらに備えている。

　第１振動発生体６１０は、着座者に物理的力を付与する振動モータであって、例えば偏心モータである。
　第２振動発生体６２０は、第１振動発生体６１０とは異なる振動モータであって、例えばリニア・バイブレータやピエゾ素子（圧電素子）である。
　第１振動発生体６１０は、図２４に示すように、シートクッション６０１の前方位置の左右側方部分と、シートクッション６０１の後方位置の中央部分と、シートバック６０２の上方位置の左右側方部分とに配置されている。
　第２振動発生体６２０は、シートバック６０２の下方位置の左右側方部分に配置されている。
　振動発生体６１０、６２０は、制御装置６３０と無線通信によって接続されている。
　このように、振動発生体６１０、６２０を区分けして配置することで、振動発生体６１０、６２０の配置レイアウトが良好になる。

　上記構成により、振動発生体６１０、６２０は、着座者に異なる振動を付与することができる。
　例えば、制御装置６３０は、乗り物とのデータ通信によって交通事故の可能性があると判定した場合に、全ての振動発生体６１０、６２０を動作させ、着座者にアラートを発信すると良い。
　例えば、制御装置６３０は、乗り物の後方から別の乗り物が近接したものと判定した場合に、第１振動発生体６１０よりも振動力が強い第２振動発生体６２０を少なくとも動作させると良い。
　例えば、制御装置６３０は、乗り物内に流れる音楽と連動させたい場合に、第１振動発生体６１０よりも細かい振動を付与することが可能な第２振動発生体６２０を少なくとも動作させると良い。

　＜第８実施形態＞
　次に、第８実施形態の乗り物用シートＳ８について、図２５～図２７に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ７と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ８は、シート本体の内部に振動発生体及びハーネスを備え、ハーネスを好適に配策することが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ８は、図２５、図２６に示すように、シートクッション７０１と、シートバック７０２と、シートクッション７０１及びシートバック７０２の内部に取り付けられる振動発生体７１０と、振動発生体７１０を制御する制御装置７２０と、振動発生体７１０及び制御装置７２０を電気的に接続するハーネス７３０と、を備えている。

　シートクッション７０１は、パッド材７０１ａと、パッド材７０１ａを被覆する表皮材７０１ｂと、を有している。
　パッド材７０１ａには、左右の表皮吊り込み溝７０１ａａと、左右の表皮吊り込み溝７０１ａａの所定位置に設けられ、パッド材７０１ａを貫通する貫通孔７０１ａｂとが形成されている。

　振動発生体７１０は、図２５に示すように、シートクッション７０１の前方位置の左右側方部分と、シートクッション７０１の後方位置の中央部分とに配置されている。
　また、振動発生体７１０は、シートバック６０２の上方位置の左右側方部分と、シートバック６０２の下方位置の左右側方部分とに配置されている。
　振動発生体７１０は、図２６に示すように、パッド材７０１ａの表面（上面）に取り付けられている。一方で、制御装置７２０は、パッド材７０１ａの裏面（底面）に取り付けられている。
　制御装置７２０は、シート幅方向において左右の振動発生体７１０の間に配置されている。

　ハーネス７３０は、図２６に示すように、振動発生体７１０からシート幅方向の外側に延びて下方に屈曲し、パッド材７０１ａの貫通孔７０１ａｂを通過し、パッド材７０１ａの裏面においてシート幅方向の内側に屈曲し、シート幅方向の内側に延びて制御装置７２０に接続されている。

　上記において、図２６に示すように、パッド材７０１ａ及び表皮材７０１ｂの間においてハーネス７３０に対応する部分（対向する部分）には、ハーネス７３０を上方から覆う保護部材７４０が設けられると良い。
　保護部材７４０は、例えば布、ボランス、不織布等であると良い。
　そうすることで、着座者が着座したときにハーネス７３０を好適に保護することができる。

　また上記において、図２７に示すように、パッド材７０１ａの裏面においてハーネス７３０に対応する部分には、ハーネス収容溝７５０が形成されると良い。
　ハーネス収容溝７５０は、シート幅方向に延びる溝である。
　そうすることで、ハーネス７３０を好適に配策することができる。
　なお、パッド材７０１ａの裏面においてハーネス収容溝７５０に対応する部分には、第２保護部材７６０が設けられると良い。

　＜第９実施形態＞
　次に、第９実施形態の乗り物用シートＳ９について、図２８～図３２Ｃに基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ８と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ９は、シート本体の内部に振動発生体を備え、振動発生体の振動音を従来よりも抑えながら、着座者に好適に振動を付与することが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ９は、図２８に示すように、シートクッション８０１と、シートバック８０２と、シートクッション８０１及びシートバック８０２の内部に取り付けられる振動発生体８４０と、を備えている。
　シートクッション８０１は、パッド材８１０（第１パッド材）と、パッド材８１０を被覆する表皮材８２０と、を備えている。
　なお、シートバック８０２も同様の構成となっている。

　パッド材８１０は、シート幅方向の中央に位置するパッド中央部８１０Ａと、パッド中央部８１０Ａよりもシート幅方向の外側に位置する左右のパッドサイド部８１０Ｂと、を備えている。
　パッド材８１０の表面には、パッド中央部８１０Ａ及びパッドサイド部８１０Ｂを区画する左右の第１表皮吊り込み溝８１１と、左右の第１表皮吊り込み溝８１１を連結する第２表皮吊り込み溝８１２とが形成されている。
　また、図２８、図３０に示すように、パッド中央部８１０Ａの左右側方部分には、第２パッド材８３０を収納するための収納凹部８１３が形成されている。

　第２パッド材８３０は、図２９に示すように、直方体状のパッド材であって、凹部形状の収納凹部８１３に対応する大きさ、形状となっている。
　第２パッド材８３０の表面（例えば前面）には、振動発生体８４０（振動モータ）を収納するための収納溝８３１が形成されている。
　収納溝８３１は、例えば略円柱形状の振動発生体８４０に対応する大きさ、形状の溝となっている。
　振動発生体８４０が収納溝８３１に収納されたとき、振動発生体８４０は第２パッド材８３０によって囲まれた状態（包まれた状態）で第２パッド材８３０に取り付けられる。
　なお、収納溝８３１は、振動発生体８４０よりも小さく形成されていると良い。そうすることで、振動発生体８４０が第２パッド材８３０から抜けることを抑制できる。

　詳しく述べると、図３０に示すように、パッド材８１０の収納凹部８１３は、その開口部が底部よりも幅狭となるように形成されている。つまりは、収納凹部８１３は、その開口部から底部に向かうに従って幅広となるように形成されている。
　第２パッド材８３０の外形は、収納凹部８１３よりも大きく形成されている。
　第２パッド材８３０は、その表面部（上面部）が裏面部（底面部）よりも幅広となるように形成されている。つまりは、第２パッド材８３０は、その表面部から裏面部に向かうに従って幅狭となるように形成されている。
　そのため、収納凹部８１３に第２パッド材８３０を強固に収納させることができる。

　より詳しく述べると、図３１Ａに示すように、第２パッド材８３０は、収納凹部８１３に連結部材８１４によって連結されている。
　連結部材８１４は、例えば両面テープや面ファスナーである。あるいは、連結部材８１４は、接着剤であっても良い。
　連結部材８１４は、収納凹部８１３及び第２パッド材８３０の間に介在し、振動発生体８４０とはパッド材８１０の厚さ方向で（上下方向で）重ならない位置に配置されている。
　また、連結部材８１４は、複数設けられ、振動発生体８４０を挟む位置に配置され、かつ、シート幅方向において同じ位置に配置されている。

　図３１Ｂは、振動発生体８４０の取り付け構造の変形例１である。
　図３１Ｂに示すように、複数の連結部材８１４は、振動発生体８４０を挟む位置に配置され、かつ、シート幅方向において異なる位置に配置されている。
　すなわち、一方の連結部材８１４が、第２パッド材８３０のシート幅方向の一端部に配置され、他方の連結部材８１４が、第２パッド材８３０のシート幅方向の他端部に配置されている。
　上記構成であっても、振動発生体８４０を好適に取り付けることができる。また、振動発生体８４０と連結部材８１４を離間させることで振動音の発生を抑制することができる。

　図３２Ａは、振動発生体８４０の取り付け構造の変形例２である。
　図３２Ａに示すように、収納凹部８１３の底面に設けられた連結部材８１４（クリップ）が、第２パッド材８３０の下端部に設けられた被連結部材８３２（インサートワイヤ）に連結されている。
　上記構成であっても、振動発生体８４０を好適に取り付けることができる。

　図３２Ｂは、振動発生体８４０の取り付け構造の変形例３である。
　図３２Ｂに示すように、収納凹部８１３の底面に設けられた連結部材８１４（インサートワイヤ）と、第２パッド材８３０の下端部に設けられた被連結部材８３２（インサートワイヤ）とが、リング部材（Ｃリング）によって連結されている。
　上記構成であっても、振動発生体８４０を好適に取り付けることができる。

　図３２Ｃは、振動発生体８４０の取り付け構造の変形例４である。
　図３２Ｃに示すように、収納凹部８１３の底面に設けられた連結部材８１４（クリップ）が、第２パッド材８３０の下端部に設けられた被連結部材８３２（トリムコード）に連結されている。
　上記構成であっても、振動発生体８４０を好適に取り付けることができる。

　　＜＜付記＞＞
　本発明の乗り物用シートによれば、パッド材を備えた乗り物用シートであって、前記乗り物用シートの内部に設けられる振動発生体と、前記振動発生体を収納する第２パッド材と、を備え、前記パッド材は、パッド中央部と、前記パッド中央部よりもシート幅方向の外側に位置するパッドサイド部と、を有し、前記パッド中央部の表面には、前記振動発生体を収納した前記第２パッド材を収納するための収納凹部が形成されていると良い。
　上記構成により、シート本体の内部に振動発生体を備え、振動発生体の振動音を従来よりも抑えながら、着座者に好適に振動を付与することが可能なシートを実現することができる。
　詳しく述べると、振動発生体が第２パッド材に収納されているため、従来よりも振動発生体の振動音を抑えることができる。また、第２パッド材がパッド材（パッド中央部）の表面に収納されているため、着座者に好適に振動を付与することができる。

　このとき、前記第２パッド材の外形が、前記パッド材に形成された前記収納凹部よりも大きく形成されていると良い。
　上記構成により、パッド材に対し第２パッド材を強固に取り付けることができ、第２パッド材が意図せず移動してしまうことを抑制できる。

　このとき、前記第２パッド材には、前記振動発生体を収納するための収納溝が形成され、前記収納溝の大きさが、前記振動発生体の大きさよりも小さく形成されていると良い。
　上記構成により、振動発生体が第２パッド材の内部で移動すること、また第２パッド材から抜けてしまうことを抑制できる。

　このとき、前記収納凹部の開口部は、前記収納凹部の底部よりも幅狭となるように形成されていると良い。つまりは、前記収納凹部は、前記収納凹部の開口部から底部に向かうに従って幅広となるように形成されていると良い。
　上記構成により、第２パッド材が収納凹部から抜けてしまうことを抑制できる。

　このとき、前記第２パッド材の表面部（上面部）は、前記第２パッド材の裏面部（底面部）よりも幅広となるように形成されていると良い。つまりは、前記第２パッド材は、前記第２パッド材の表面部から裏面部に向かうに従って幅狭となるように形成されていると良い。
　上記構成により、第２パッド材が収納凹部から抜けてしまうことを抑制できる。

　このとき、前記第２パッド材が、前記収納凹部に両面テープによって連結されていると良い。
　または、前記第２パッド材が、前記収納凹部に面ファスナーによって連結されていると良い。
　または、前記第２パッド材が、前記収納凹部に接着剤によって連結されていると良い。
　または、前記第２パッド材が、前記収納凹部に連結部材によって連結され、前記連結部材が、クリップ部材、リング部材又はトリムコードであると良い。
　上記構成により、パッド材（収納凹部）に対し第２パッド材を強固に取り付けることができる。

　このとき、前記第２パッド材が、前記収納凹部に連結部材によって連結され、前記連結部材が、前記振動発生体と前記パッド材の厚さ方向で（上下方向で）重ならない位置に配置されていると良い。
　上記構成により、パッド材（収納凹部）に対し第２パッド材を安定して取り付けることができる。また、振動発生体の振動音を抑えることができる。

　＜第１０実施形態＞
　次に、第１０実施形態の乗り物用シートＳ１０について、図３３～図３６Ｂに基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ９と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ１０は、シート本体の内部に振動発生体を備え、振動発生体の振動音を従来よりも抑えながら、着座者に好適に振動を付与することが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ１０は、図３３に示すように、シートクッション９０１と、シートバック９０２と、シートクッション９０１及びシートバック９０２の内部に取り付けられる振動発生体９４０と、を備えている。
　シートクッション９０１は、パッド材９１０（第１パッド材）と、パッド材９１０を被覆する表皮材９２０と、を備えている。
　なお、シートバック９０２も同様の構成となっている。

　パッド材９１０は、パッド中央部９１０Ａと、左右のパッドサイド部９１０Ｂと、を備えている。
　パッド材９１０の表面には、左右の第１表皮吊り込み溝９１１と、左右の第１表皮吊り込み溝９１１を連結する第２表皮吊り込み溝９１２とが形成されている。なお、表皮吊り込み溝９１１、９１２の内部には、表皮材９２０の表皮端末を取り付けるための表皮取り付け部材９１１ａ、９１２ａが設けられている。
　また、図３４に示すように、パッド中央部９１０Ａの左右側方部分には、第２パッド材９３０を収納するための収納凹部９１３が形成されている。

　第２パッド材９３０は、図３４、図３５に示すように、直方体状のパッド材であって、凹部形状の収納凹部９１３に収納されている。
　第２パッド材９３０の表面（例えば前面）には、振動発生体９４０を収納するための収納溝９３１が形成されている。
　第２パッド材９３０は、収納凹部９１３に連結部材９１４によって連結されている。

　上記構成において、図３４、図３５に示すように、表皮吊り込み溝（第１表皮吊り込み溝９１１）及び収納凹部９１３が連続して形成されている。言い換えれば、第１表皮吊り込み溝９１１と収納凹部９１３が繋がっている。
　つまりは、図３５に示すように、第２パッド材９３０が収納凹部９１３に収納されることで、第２パッド材９３０及びパッドサイド部９１０Ｂの間に表皮吊り込み溝９１１が形成される。
　そうすることで、シートクッション９０１のシート幅方向の大きさを小型にすることができる。

　図３６Ａ、図３６Ｂは、振動発生体９４０の取り付け構造の変形例５、変形例６である。
　図３６Ａでは、第２パッド材９３０が逆凹部形状であって、逆凹部形状の収納凹部９１３に嵌まるように収納されている。そして、振動発生体９４０は、第２パッド材９３０の左右側方部分に配置されている。
　図３６Ｂでは、第２パッド材９３０が逆凸部形状であって、逆凸部形状の収納凹部９１３に嵌まるように収納されている。そして、振動発生体９４０は、第２パッド材９３０の中央位置に配置されている。
　このように、第２パッド材９３０は、直方体形状のほか、楕円形状、三角形状、逆三角形状等、任意の形状を有していても良い。つまりは、収納凹部９１３が第２パッド材９３０に対応する形状、大きさを有していれば良い。

　そのほか、第２パッド材９３０の収納溝９３１は、有底の穴であるところ、第２パッド材９３０を成形し易くするために貫通した穴に変更しても良い。
　例えば、パッド材９１０の収納凹部９１３よりも長尺なパッド材をまず成形し、当該パッド材を切断することで複数の第２パッド材９３０を形成する。このとき、第２パッド材９３０の収納溝９３１が貫通穴であれば、第２パッド材９３０の成形がし易くなる。
　また、第２パッド材９３０に別途貫通穴を形成することで、振動発生体９４０から延びるハーネスを当該貫通穴に通すことができる。

　＜第１１実施形態＞
　次に、第１１実施形態の乗り物用シートＳ１１について、図３７～図３８Ｂに基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ１０と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ１１は、シート本体の内部に振動発生体及びエアバッグ装置を備え、当該振動発生体及びエアバッグ装置を好適に機能させるべく、配置レイアウトを工夫したシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ１０は、図３７に示すように、シートクッション１００１と、シートバック１００２と、シートクッション１００１及びシートバック１００２の内部に取り付けられる振動発生体１０４０と、を備えている。
　また、乗り物用シートＳ１０は、シートクッション１００１及びシートバック１００２の内部に取り付けられるエアセル１０５０と、シートクッション１００１の内部に取り付けられるエアバッグ装置１０６０と、を備えている。

　シートクッション１００１は、図３７、図３８Ａに示すように、クッションフレーム１０１０と、クッションフレーム１０１０に載置されるパッド材１０２０と、クッションフレーム１０１０及びパッド材１０２０を被覆する表皮材１０３０と、を備えている。
　パッド材１０２０の表面には、振動発生体１０４０を収納するための収納凹部１０２１と、エアセル１０５０を収納するための第２収納凹部１０２２と、が形成されている。
　表皮材１０３０の表皮端末には、所定の間隔を空けて表皮吊り込みクリップ１０３１が取り付けられている。
　なお、シートバック９０２も同様の構成となっている。

　振動発生体１０４０は、着座者に振動を付与する振動モータであって、シートクッション１００１の前方部分の左右側方位置に配置されている。
　振動発生体１０４０は、それぞれ収納凹部１０２３に収納されている。

　エアセル１０５０は、シートクッション１００１を「通常位置」から、通常位置よりも着座者側へ突出させた「突出位置」へ移動させるために膨出する袋体である。
　エアセル１０５０は、シートクッション１００１の後方部分の左右側方位置に配置されており、それぞれ第２収納凹部１０２４に収納されている。
　なお、エアセル１０５０は、エアセル１０５０に対し圧縮空気を供給する流体供給装置と接続されている。
　上記エアセル１０５０を利用することで、シートクッション１００１の上下方向の位置を調整することができる、また着座者の臀部をマッサージすることができる。

　エアバッグ装置１０６０は、図３７～図３８Ｂに示すように、外部から衝撃が加わったときに、折り畳まれた状態のエアバッグ１０６１が上方に向かって膨出展開する装置である。エアバッグ装置１０６０は、クッションエアバッグ装置とも称される。
　エアバッグ装置１０６０は、シートクッション１００１のシート幅方向の中央位置に配置され、クッションフレーム１０１０の上面に取り付けられている。
　エアバッグ装置１０６０は、上方側に（パッド材１０２０側に）膨出展開するエアバッグ１０６１と、エアバッグ１０６１の内部にガスを供給するインフレータ１０６２と、インフレータ１０６２に接続され、インフレータ１０６２に点火用電力を供給する不図示のハーネスと、を備えている。
　なお、ハーネスは、不図示の車両用バッテリーと接続されている。

　上記エアバッグ装置１０６０を利用することで、車両の衝突時に着座者がシートベルトを潜ってシート前方へ投げ出されることを抑制することができる。いわゆる着座者のサブマリン現象を抑制できる。
　具体的には、図３８Ｂに示すように、車両の衝突時にエアバッグ装置１０６０が作動することで、シートクッション１００１が上方に持ち上がる。そのため、着座者がシートベルトを潜ってシート前方へ投げ出されることを抑制できる。

　上記構成において、図３７に示すように、振動発生体１０４０と、エアセル１０５０と、エアバッグ装置１０６０とが、シートクッション１００１において異なる位置（重ならない位置）に配置されている。言い換えれば、これら装置１０４０、１０５０、１０６０が、それぞれシート前後方向又はシート幅方向において異なる位置に配置されている。
　そのため、パッド材１０２０の厚さを確保することができ、乗り物用シートＳ１０の着座感を良好にすることができる。また、乗り物用シートＳ１０を生産し易くなる。

　なお、変形例として、振動発生体１０４０と、エアセル１０５０と、エアバッグ装置１０６０とが、シートクッション１００１において重なる位置に配置されても良い。
　その場合には、これら装置１０４０、１０５０、１０６０の配置レイアウトを自由にすることができる。つまりは、乗り物用シートＳ１０を設計し易くなる。

　＜第１２実施形態＞
　次に、第１２実施形態の乗り物用シートＳ１２について、図３９～図４２Ｂに基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ１１と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ１２は、シート本体の内部において送風装置及び振動発生体を備え、これら送風装置及び振動発生体の配置レイアウトを工夫することで、両者を円滑に動作させることが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ１２は、図３９、図４０に示すように、シートクッション１１０１と、シートバック１１０２と、シートクッション１１０１の内部にそれぞれ取り付けられ、着座者に向けて空気を吹き出す送風装置１１４０と、着座者に振動を付与する振動発生体１１５０と、を備えている。

　シートクッション１１０１は、クッションフレーム１１１０と、パッド材１１２０と、表皮材１１３０と、を備えている。
　パッド材１１２０は、図４０に示すように、パッド積層体であって、第１パッド材１１２１と、第１パッド材２２１よりも柔らかく形成される第２パッド材１１２２と、を備えている。
　第２パッド材１１２２は、第１パッド材１１２１のシート幅方向の中央部の表面に取り付けられ、第１パッド材１１２１の中央部を上方から覆っている。

　第１パッド材１１２１の表面には、表皮材１１３０の表皮端末を吊り込むための表皮吊り込み溝１１２１ａと、送風装置１１４０のダクト１１４２を挿通させるダクト挿通穴１１２１ｂとが形成されている。
　第２パッド材１１２２の表面には、ダクト１１４２の吹き出し部から吹き出される空気を案内する通気路１１２２ａが形成されている。
　また、第２パッド材１１２２の表面において通気路１１２２ａに隣接する位置には、振動発生体１１５０を収納するための収納溝１１２２ｂが形成されている。
　収納溝１１２２ｂは、通気路１１２２ａよりもシート幅方向の外側に形成されており、通気路１１２２ａと繋がっている。

　送風装置１１４０は、クッションフレーム１１１０に取り付けられ、空気を吹き出すブロア１１４１と、ブロア１１４１に接続され、空気を通過させるダクト１１４２と、を備えている。
　ダクト１１４２の吹き出し部は、着座者に向けて空気を吹き出す吹き出し口であって、パッド材１１２０の表面に露出している。

　振動発生体１１５０は、振動モータであって、シートクッション１１０１のパッド材１１２０（第２パッド材１１２２）に形成された収納溝１１２２ｂ（収納空間）に収納されている。
　例えば、振動発生体１１５０は、通気路１１２２ａから収納溝１１２２ｂに向かって押し込まれることで収納溝１１２２ｂに収納される。

　振動発生体１１５０は、ハーネス１１６０によって不図示の制御装置と接続されている。
　ハーネス１１６０は、第１パッド材１１２１及び第２パッド材１１２２に形成された挿通孔１１２１ｃ、１１２２ｃを通過してパッド材１１２０よりも下方に延びている。

　上記構成において、図４１に示すように、振動発生体１１５０は、パッド材１１２０の収納溝１１２２ｂに収納されており、パッド材１１２０によって全周囲まれた状態となっている。
　そのため、振動発生体１１５０から発生する振動音を抑制することができる。

　また上記構成において、図４１に示すように、収納溝１１２２ｂは、通気路１１２２ａに隣接して形成されている。言い換えれば、収納溝１１２２ｂは、通気路１１２２ａの内側面に形成された溝となっている。
　そのため、通気路１１２２ａを利用して収納溝１１２２ｂを容易に形成することができる。また、通気路１１２２ａに隣接して収納溝１１２２ｂ形成することでシートクッション１１０１（パッド材１１２０）を小型にすることができる。
　なお、収納溝１１２２ｂは、通気路１１２２ａの内側面に形成されているが、特に限定されず、表皮吊り込み溝１１２１ａの内側面に形成されても良い。

　また上記構成において、図４１に示すように、収納溝１１２２ｂの開口部は、収納溝１１２２ｂの収納部よりも幅狭となるように形成されている。
　そのため、収納溝１１２２ｂに振動発生体１１５０を強固に収納させることができる。つまりは、振動発生体１１５０がパッド材１１２０の内部に好適に保持される。

　また上記構成において、図４１に示すように、ハーネス１１６０は、通気路１１２２ａの底面に形成された挿通孔１１２１ｃ、１１２２ｃを介してパッド材１１２０よりも下方に延びている。
　そのため、ハーネス１１６０がパッド材１１２０の表面に露出することを避けることができる。つまりは、シンプルな構造でハーネスを好適に保護することができる。

　なお、振動発生体１１５０は、収納溝１１２２ｂに向かって押し込まれることで収納溝１１２２ｂに収納される。
　一方で、振動発生体１１５０は、パッド材１１２０と一体発泡成形されることで、パッド材１１２０（収納溝１１２２ｂ）の内部に収納されても良い。
　その場合には、振動発生体１１５０を取り付ける作業が容易になる。

　図４２Ａは、振動発生体１１５０の配置パターンの変形例１である。
　図４２Ａによれば、収納溝１１２２ｂが、通気路１１２２ａの内側面に形成され、かつ、パッド材１１２０の厚さ方向に対して傾斜しながら下方に延びている。言い換えれば、収納溝１１２２ｂは、通気路１１２２ａに対して傾斜するように形成されている。
　そうすることで、収納溝１１２２ｂに振動発生体１１５０を容易に収納させることができる。

　図４２Ｂは、振動発生体１１５０の配置パターンの変形例２である。
　図４２Ｂによれば、収納溝１１２２ｂが、通気路１１２２ａの内側面に形成されている。そして、通気路１１２２ａの内側面には、収納溝１１２２ｂを開閉するための可動体１１２３（回転体）が取り付けられている。
　可動体１１２３は、収納溝１１２２ｂを開放した「開放位置」と、収納溝１１２２ｂを閉鎖した「閉鎖位置」との間で可動する。
　そうすることで、収納溝１１２２ｂに振動発生体１１５０を収納させた後には、可動体１１２３が収納溝１１２２ｂの開口部を閉鎖することができる。つまりは、収納溝１１２２ｂに振動発生体１１５０を容易に収納させることができる。

　また図４２Ｂによれば、収納溝１１２２ｂは、通気路１１２２ａの内側面において通気路１１２２ａの開口部よりも通気路１１２２ａの底部側に形成されている。
　詳しく述べると、収納溝１１２２ｂが、通気路１１２２ａの底部に対向する位置に形成されている。
　そうすることで、収納溝１１２２ｂに収納された振動発生体１１５０が好適に保持される。つまりは、振動発生体１１５０がパッド材１１２０から抜けてしまうことを抑制できる。

　＜第１３実施形態＞
　次に、第１３実施形態の乗り物用シートＳ１３について、図４３～図４５に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ１２と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ１３は、シート本体の内部において空調装置及び振動発生体を備え、これら空調装置及び振動発生体の配置レイアウトを工夫することで、両者を円滑に動作させることが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ１３は、図４３に示すように、シートクッション１２０１と、シートバック１２０２と、シートクッション１２０１の内部にそれぞれ取り付けられ、シートクッション１２０１の内部の空気の温度や湿度を調整する空調装置１２４０と、着座者に振動を付与する振動発生体１２５０と、を備えている。

　シートクッション１２０１は、クッションフレーム１２１０と、パッド材１２２０と、表皮材１２３０と、を備えている。

　パッド材１２２０の表面には、図４４に示すように、表皮材１２３０の表皮端末を吊り込むための表皮吊り込み溝１２２１が形成されている。
　パッド材１２２０の裏面には、振動発生体１２５０を収納する収納溝１２２２が形成されている。
　パッド材１２２０の裏面には、空調装置１２４０が取り付けられている。

　空調装置１２４０は、例えば熱制御インサート（サーマルコントロールインサート：Ｔｈｅｒｍａｌ　Ｃｏｎｔｒｏｌ　ｉｎｓｅｒｔ）であって、パッド材１２２０の裏面からパッド材１２２０の表面へ空気を送ることで、シートクッション１２０１の空調機能を果たす装置である。
　空調装置１２４０は、パッド材１２２０のシート幅方向の中央部に配置されている。

　振動発生体１２５０は、振動モータであって、パッド材１２２０の収納溝１２２２（収納空間）に収納されている。
　振動発生体１２５０は、パッド材１２２０のシート幅方向の左右側方位置に配置されている。

　上記構成において、図４４に示すように、空調装置１２４０と、振動発生体１２５０とが、シートクッション１２０１のシート幅方向において異なる位置（重ならない位置）に配置されている。
　そうすることで、乗り物用シートＳ１３は、シートクッション１２０１の内部においてこれら装置１２４０、１２５０を円滑に動作させることができる。

　なお、図４５に示す変形例のように、空調装置１２４０と、振動発生体１２５０とが重なる位置に配置されても良い。
　その場合には、これら装置１２４０、１２５０の配置レイアウトを自由にすることができる。つまりは、乗り物用シートＳ１０を設計し易くなる。

　＜第１４実施形態＞
　次に、第１４実施形態の乗り物用シートＳ１４について、図４６～図４８に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ１３と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ１４は、シート本体の内部においてシートヒータ及び振動発生体を備え、シートヒータ及び振動発生体の配置レイアウトを工夫することで、両者を円滑に動作させることが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ１４は、図４６に示すように、シートクッション１３０１と、シートバック１３０２と、シートクッション１３０１の内部に取り付けられるシートヒータ１３４０と、シートクッション１３０１の内部に取り付けられる振動発生体１３５０と、を備えている。
　シートクッション１３０１は、クッションフレーム１３１０と、パッド材１３２０と、表皮材１３３０と、を備えている。

　パッド材１３２０の表面には、図４７に示すように、表皮材１３３０の表皮端末を吊り込む表皮吊り込み溝１３２１と、振動発生体１３５０を収納する収納溝１３２２とが形成されている。
　パッド材１３２０の表面には、シートヒータ１３４０が取り付けられている。

　シートヒータ１３４０は、面状の発熱体であって、パッド材１３２０及び表皮材１３３０の間に配置されている。
　シートヒータ１３４０は、パッド材１３２０のシート幅方向の中央位置に配置されている。
　シートヒータ１３４０は、シート状のシート基材１３４１と、シート基材１３４１上に取り付けられるヒータ線１３４２と、を有している。

　振動発生体１３５０は、振動モータであって、パッド材１３２０の収納溝１３２２（収納空間）に収納されている。
　振動発生体１３５０は、パッド材１３２０のシート幅方向の左右側方位置に配置されている。

　上記構成において、図４７に示すように、シートヒータ１３４０と、振動発生体１３５０とが、シートクッション１３０１において異なる位置（重ならない位置）に配置されている。
　具体的には、左右の振動発生体１３５０は、シートヒータ１３４０よりもシート幅方向の外側位置に配置されている。
　そうすることで、乗り物用シートＳ１４は、シートクッション１３０１の内部においてこれら装置１３４０、１３５０を円滑に動作させることができる。

　なお、図４８に示す変形例のように、シートヒータ１３４０と、振動発生体１３５０とが重なる位置に配置されても良い。
　具体的には、シートヒータ１３４０のシート基材１３４１と、振動発生体１３５０とが重なっていても良い。
　その場合には、これら装置１３４０、１３５０の配置レイアウトを自由にすることができる。また、シートヒータ１３４０のヒータ線１３４２と、振動発生体１３５０とは重なっていないため、両者が互いに影響を受けることなく動作することができる。

　＜第１５実施形態＞
　次に、第１５実施形態の乗り物用シートＳ１５について、図４９～図５０に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１～Ｓ１４と重複する内容については説明を省略する。

　乗り物用シートＳ１５は、図４９に示すように、シートクッション１４０１と、シートバック１４０２と、シートバック１４０２の内部に取り付けられる振動発生体１４４０と、を備えている。
　シートバック１４０２は、バックフレーム１４１０と、パッド材１４２０（ウレタンパッド）と、表皮材１４３０と、を備えている。

　バックフレーム１４１０は、左右のサイドフレーム１４１１と、上部フレーム１４１２と、下部フレーム１４１３と、左右のサイドフレーム１４１１を連結する連結フレーム１４１４と、上下方向に延びて連結フレーム１４１４及び下部フレーム１４１３に掛け止めされる左右のワイヤ部材１４１５と、ワイヤ部材１４１５によって保持され、着座者を支持する支持プレート１４１６と、を備えている。
　支持プレート１４１６は、矩形状のプレート本体部１４１６ａと、プレート本体部１４１６ａの左右の上端部に設けられるプレート突出部１４１６ｂと、プレート本体部１４１６ａの左右の側端部に設けられる第２プレート突出部１４１６ｃと、を有している。
　プレート突出部１４１６ｂは、第２プレート突出部１４１６ｃよりもシート幅方向の外側に突出している。

　振動発生体１４４０は、振動モータであって、シートバック１４０２の左右側方部分に配置されている。
　詳しく述べると、左右の振動発生体１４４０は、それぞれパッド材１４２０の表面に形成された左右の収納凹部１３２１に収納されている。

　上記構成において、図５０に示すように、左右の振動発生体１４４０は、正面視においてバックフレーム１４１０（特に支持プレート１４１６）とは異なる位置に配置されている。言い換えれば、左右の振動発生体１４４０は、シート前後方向において支持プレート１４１６とは重ならない位置に配置されている。
　詳しく述べると、左右の振動発生体１４４０は、プレート本体部１４１６ａよりもシート幅方向の外側に配置され、かつ、上下方向においてプレート突出部１４１６ｂ及び第２プレート突出部１４１６ｃの間に配置されている。
　そうすることで、着座者による着座荷重がシートバック１４０２に加わった場合であっても、振動発生体１４４０が支持プレート１４１６と干渉することを抑制できる。その結果、振動発生体１４４０の損傷を抑制できる。

　＜その他＞
　乗り物用シートＳ１～Ｓ１５は、車両のフロントシートに採用されることを想定しているが、車両のリアシート等に採用されても良い。
　そうすることで、運転者以外の乗員に対しても振動を付与することが可能な乗り物用シートとなる。当該乗り物用シートには、異なる種類の振動発生体が取り付けられると良い。そして、乗り物内に流れる音楽と連動させて所定の振動発生体を動作させると良い。

　上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる車両用シートについて説明したが、特に限定されることなく、二輪車用の二輪シート、電車やバス等の車両用シート、飛行機や船等の乗り物用シートのほか、作業用の事務イス、車イス、ショッピングカートの子供用イス等の種々のシートに対して利用することができる。

　本実施形態では、主として本発明に係る乗り物用シートに関して説明した。
　ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。

＜第１実施形態＞
Ｓ１　乗り物用シート
１　シートクッション
１Ａ　中央部
１Ｂ　サイド部
２　シートバック
２Ａ　中央部
２Ｂ　サイド部
　２ａ、３ａ　パッド材
　２ｂ、３ａ　表皮材
３　ヘッドレスト
４　リクライニング装置
５　ハイトリンク装置
６　レール装置
１０　パッド材
１０Ａ　中央パッド部
１０Ｂ　サイドパッド部
　１０ＡＡ　第１中央パッド部（第１のパッド部）
　１０ＡＢ　第２中央パッド部（第２のパッド部）
　１０ＡＣ　第３中央パッド部（第３のパッド部）
１０Ｂ　サイドパッド部
１１　第１吊り込み溝（吊り込み溝）
１２　第２吊り込み溝（吊り込み溝）
１３　インサートワイヤ
１４　Ｃリング
２０　表皮材
２０ａ　表皮端末部
２１　スラブ材（ワディング材）
２２　吊り込み部材
３０、４０　シートヒータ
　３０ａ　第１ヒータ部
　３０ｂ　第２ヒータ部
　３０ｃ　第３ヒータ部
　３０ｄ　第１ヒータ連結部（ヒータ連結部）
　３０ｅ　第２ヒータ連結部
３１　シート基材
３２　電線
　３２ａ　ハーネス
３３　ヒータ線
　３３ａ　ヒータ線部分
３４　温度測定センサ
３５　温度調整装置
＜第２実施形態＞
Ｓ２　乗り物用シート
１０１　シートクッション
１０２　シートバック
１１０　パッド材
１１０Ａ　中央パッド部
１１０Ｂ　サイドパッド部
１１１　第１吊り込み溝（吊り込み溝）
１２０　表皮材
１２０ａ　表皮端末部
１３０、１４０　シートヒータ
　１３０ａ　中央ヒータ部
　１３０ｂ、１３０ｃ　サイドヒータ部
　１３０ｄ、１３０ｅ　ヒータ連結部
＜第３実施形態＞
Ｓ３　乗り物用シート
２０１　シートクッション
　２０１ａ　表皮材
２０２　シートバック
　２０２ａ　表皮材
２１０　クッションフレーム
２２０　パッド材
２２１　第１パッド材
　２２１ａ　第１表皮吊り込み溝
　２２１ｂ　第２表皮吊り込み溝
　２２１ｃ　ダクト挿通穴
２２２　第２パッド材
　２２２ａ　通気路
２２３　第３パッド材
　２２３ａ　通気穴
２３０　バックフレーム
２４０　パッド材
２４１　第１パッド材
　２４１ａ　ダクト挿通穴
　２４１ｂ　通気路
２４２　第２パッド材
　２４２ｂ　通気穴
２５０　送風装置
２５１　取り付けブラケット
２５２　ブロア
２５３　ダクト
２５４　吹き出し部（シートクッション側）
２５５　第２吹き出し部（シートバック側）
２６０　振動発生体
２７０　シートヒータ
　２７０ａ　第１ヒータ部
　２７ｂ　第２ヒータ部
　２７０ｃ　第３ヒータ部
　２７０ｄ　第１ヒータ連結部
　２７０ｅ　第２ヒータ連結部
２７１　シート基材
２７２　ヒータ線
＜第４実施形態＞
Ｓ４　乗り物用シート
３０１　シートクッション
３０２　シートバック
３０３　ヘッドレスト
３１０　着座センサ
３２０　車速センサ
３３０　振動発生体
３４０　制御装置
３５０　重量センサ
３６０　座高検知センサ
Ｖ　乗り物
＜第５実施形態＞
Ｓ５　乗り物用シート
４０１　シートクッション
　４０１ａ　パッド材
　４０１ｂ　表皮材
４０２　シートバック
４０３　ヘッドレスト
４１０　振動発生体
４１１　本体部
４１２　第１伝達部
４１３　第２伝達部
＜第６実施形態＞
Ｓ６　乗り物用シート
５０１　シートクッション
５０２　シートバック
　５０２ａ　パッド材
　５０２ｂ　表皮材
５１０　バックフレーム
５１１　バックサイドフレーム
５１２　上部フレーム
５１３　下部フレーム
５１４　ワイヤ部材
５１５　支持プレート
５２０　ランバサポート（可動体）
５３０　駆動装置
５３１　駆動本体部
５３２　第１ケーブル
５３３　第２ケーブル
５３４　第３ケーブル
５４０　振動発生体（可動体）
５４１　本体部
５４２　第１ケース
５４３　第２ケース
５４４　取り付けブラケット
＜第７実施形態＞
Ｓ７　乗り物用シート
６０１　シートクッション
６０２　シートバック
６１０　第１振動発生体
６２０　第２振動発生体
６３０　制御装置
＜第８実施形態＞
Ｓ８　乗り物用シート
７０１　シートクッション
　７０１ａ　パッド材
　　７０１ａａ　表皮吊り込み溝
　　７０１ａｂ　貫通孔
　７０１ｂ　表皮材
７０２　シートバック
７１０　振動発生体
７２０　制御装置
７３０　ハーネス
７４０　保護部材
７５０　ハーネス収容溝
７６０　第２保護部材
＜第９実施形態＞
Ｓ９　乗り物用シート
８０１　シートクッション
８０２　シートバック
８１０　パッド材（第１パッド材）
　８１０Ａ　パッド中央部
　８１０Ｂ　パッドサイド部
８１１　第１表皮吊り込み溝
８１２　第２表皮吊り込み溝
８１３　収納凹部
８１４　連結部材（両面テープ、面ファスナー、接着剤、クリップ、インサートワイヤ）
８２０　表皮材
８３０　第２パッド材
８３１　収納溝
８３２　被連結部材（インサートワイヤ、トリムコード）
８４０　振動発生体
＜第１０実施形態＞
Ｓ１０　乗り物用シート
９０１　シートクッション
９０２　シートバック
９１０　パッド材（第１パッド材）
　９１０Ａ　パッド中央部
　９１０Ｂ　パッドサイド部
９１１　第１表皮吊り込み溝（表皮吊り込み溝）
９１２　第２表皮吊り込み溝
　９１１ａ、９１２ａ　表皮取り付け部材
９１３　収納凹部
９１４　連結部材
９２０　表皮材
９３０　第２パッド材
９３１　収納溝
９４０　振動発生体
＜第１１実施形態＞
Ｓ１１　乗り物用シート
１００１　シートクッション
１００２　シートバック
１０１０　クッションフレーム
１０２０　パッド材
１０２１　収容凹部
１０２２　第２収容凹部
１０３０　表皮材
１０３１　表皮吊り込みクリップ（表皮吊り込み部材）
１０４０　振動発生体
１０５０　エアセル
１０６０　エアバッグ装置
１０６１　エアバッグ（クッションエアバッグ）
１０６２　インフレータ
＜第１２実施形態＞
Ｓ１２　乗り物用シート
１１０１　シートクッション
１１０２　シートバック
１１１０　クッションフレーム
１１２０　パッド材
１１２１　第１パッド材
　１１２１ａ　表皮吊り込み溝
　１１２１ｂ　ダクト挿通穴
　１１２１ｃ　挿通孔
１１２２　第２パッド材
　１１２２ａ　通気路
　１１２２ｂ　収納溝
　１１２２ｃ　挿通孔
１１２３　可動体
１１３０　表皮材
１１４０　送風装置
１１４１　ブロア
１１４２　ダクト
１１５０　振動発生体
１１６０　ハーネス
＜第１３実施形態＞
Ｓ１３　乗り物用シート
１２０１　シートクッション
１２０２　シートバック
１２１０　クッションフレーム
１２２０　パッド材
１２２１　表皮吊り込み溝
１２２２　収納溝
１２３０　表皮材
１２４０　空調装置
１２５０　振動発生体
＜第１４実施形態＞
Ｓ１４　乗り物用シート
１３０１　シートクッション
１３０２　シートバック
１３１０　クッションフレーム
１３２０　パッド材
１３２１　表皮吊り込み溝
１３２２　収納溝
１３３０　表皮材
１３４０　シートヒータ
１３４１　シート基材
１３４２　ヒータ線
１３５０　振動発生体
＜第１５実施形態＞
Ｓ１５　乗り物用シート
１４０１　シートクッション
１４０２　シートバック
１４１０　バックフレーム
１４１１　サイドフレーム
１４１２　上部フレーム
１４１３　下部フレーム
１４１４　連結フレーム
１４１５　ワイヤ部材
１４１６　支持プレート
　１４１６ａ　プレート本体部
　１４１６ｂ　プレート突出部
　１４１６ｃ　第２プレート突出部
１４２０　パッド材
１４３０　表皮材
１４４０　振動発生体

Claims

　パッド材と、前記パッド材を被覆する表皮材とを有するシート本体と、
　前記シート本体の内部において前記パッド材及び前記表皮材の間に配置され、前記表皮材側の裏面に取り付けられるシート状のシートヒータと、を備えた乗り物用シートであって、
　前記パッド材は、前記パッド材の表面に形成され、前記表皮材の表皮端末部を吊り込むための吊り込み溝を有し、
　前記吊り込み溝は、前記パッド材の表面において所定方向に沿って延びており、前記パッド材を第１のパッド部と第２のパッド部とに区分けするように設けられ、
　前記シートヒータは、
　前記第１のパッド部の表面に配置される第１のヒータ部と、
　前記第２のパッド部の表面に配置される第２のヒータ部と、
　前記吊り込み溝を跨ぐように配置され、前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部を連結し、前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部よりも幅狭となるように形成されるヒータ連結部と、を有し、
　前記ヒータ連結部は、前記表皮材のうち前記表皮端末部に取り付けられ、前記表皮端末部とともに前記吊り込み溝に少なくとも一部が吊り込まれていることを特徴とする乗り物用シート。
　前記吊り込み溝は、
　前記パッド材をシート幅方向において中央パッド部と、前記中央パッド部よりも外側に位置するサイドパッド部とに区分けする第１の吊り込み溝と、
　前記中央パッド部を前記シート幅方向及び前記パッド材の厚み方向とは直交する方向において第１の中央パッド部と第２の中央パッド部とに区分けする第２の吊り込み溝と、を有し、
　前記ヒータ連結部は、
　前記表皮端末部とともに前記第１の吊り込み溝に少なくとも一部が吊り込まれ、
　前記第２の吊り込み溝と並ぶ位置又は重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。
　前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部は、
　前記シート本体に乗員が着座したときに、前記シート本体のうち前記乗員が当接する部分と対向する位置に配置され、かつ、
　前記第２の吊り込み溝とは対向しない位置に配置されていることを特徴とする請求項２に記載の乗り物用シート。
　前記ヒータ連結部は、前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部よりもシート幅方向の外側に配置されていることを特徴とする請求項２に記載の乗り物用シート。
　前記第１の吊り込み溝は、シート幅方向の左右側方に形成され、
　前記ヒータ連結部は、シート幅方向の左右側方に配置され、
　左右の前記ヒータ連結部は、左右の前記第１の吊り込み溝にそれぞれ少なくとも一部が吊り込まれていることを特徴とする請求項２に記載の乗り物用シート。
　前記第２の吊り込み溝は、前記中央パッド部を前記直交する方向において前記第１の中央パッド部と、前記第２の中央パッド部と、第３の中央パッド部とに区分けする複数の前記第２の吊り込み溝を有し、
　前記シートヒータは、
　前記第１の中央パッド部の表面に配置される前記第１のヒータ部と、
　前記第２の中央パッド部の表面に配置される前記第２のヒータ部と、
　前記第３の中央パッド部の表面に配置される第３のヒータ部と、
　前記第１のヒータ部及び前記第２のヒータ部を連結する第１のヒータ連結部と、
　前記第２のヒータ部及び前記第３のヒータ部を連結する第２のヒータ連結部と、を有し、
　前記第１のヒータ連結部と、前記第２のヒータ連結部とが、前記直交する方向に並ぶ位置に配置されていることを特徴とする請求項２に記載の乗り物用シート。
　前記第１の吊り込み溝は、シート幅方向の左右側方に形成され、
　前記ヒータ連結部は、シート幅方向の左右側方に配置され、
　左右の前記ヒータ連結部は、前記直交する方向及び前記パッド材の厚み方向において重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項２に記載の乗り物用シート。
　前記シートヒータは、シート状のシート基材と、前記シート基材に取り付けられ、前記シート基材に沿って延びているヒータ線と、を有し、
　前記ヒータ線のうち、前記ヒータ連結部の前記シート基材に取り付けられた部分は、前記ヒータ連結部の延出方向に沿って延びており、かつ、複数の屈曲部を形成しながら延びていることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。
　前記ヒータ線のうち、前記ヒータ連結部の前記シート基材に取り付けられた部分は、蛇行形状又はジグザグ形状を形成しながら延びていることを特徴とする請求項８に記載の乗り物用シート。
　前記ヒータ連結部のうちシート幅方向の外側端部が、前記表皮端末部に縫製によって取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。