WO2023033063A1 - 薬剤払出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬剤を1つずつ払出口へと払出す可能性を高める。 【解決手段】薬剤払出カセット(1)が備える搬送部(13)は、第1搬送部(133)と、第2搬送部(134)と、案内部(132)と、を備える。第1搬送部から払出口(18)へ案内される薬剤の第1速度が、第2搬送部から第1搬送部へ案内される薬剤の第2速度よりも大きくなるように、第1搬送部及び第2搬送部は薬剤を搬送可能である。

Description

薬剤払出装置
 本発明は、薬剤払出装置に関する。
 特許文献1には、央部が薬剤をランダムに収容し得るように凹み、かつ周縁部が薬剤を円弧状に並べて置けるようにフランジ状になっている回転容器と、周縁部の上から外へ薬剤を導出物として導く導出部と、を備える薬剤フィーダが開示されている。特許文献1の薬剤フィーダは、導出物の幅を規制する幅規制部材と、導出物の高さを規制する高さ規制部材と、ベルト送り機構からなり、回転容器の周縁部の内側に至っていて、導出物を幅規制部材と共に挟持して回転容器の回転時の周縁部よりも高速で送る挟持送出機構と、を備える。
特許5950876号公報
 特許文献1の薬剤フィーダは、薬剤のサンプルの大きさにあわせて、幅規制部材と挟持送出機構との幅、及び、回転容器の周縁部と高さ規制部材との高さを調整する。これにより、薬剤フィーダは、薬剤を導出部から1つずつ落下させることができる。しかしながら、薬剤のサンプルの大きさが、回転容器の央部に実際に収容された薬剤の大きさと異なる場合もあり得る。例えば、半錠の薬剤の場合、薬剤のサンプルの大きさと回転容器の央部に実際に収容された薬剤の大きさとが異なり得る。1つの薬剤を半分に切断することにより2つの半錠の薬剤が生成されるが、1つの薬剤が均等に切断されていない場合には半錠の薬剤の大きさが互いに異なるためである。
 上記2つの薬剤の大きさが異なる場合、幅規制部材と挟持送出機構との幅よりも小さい幅を有する薬剤が、幅規制部材と挟持送出機構とによって挟持されることなく、幅規制部材と挟持送出機構との間に挿入される虞がある。当該薬剤が幅規制部材と挟持送出機構との間に挿入された場合、当該薬剤が後続の薬剤に押され、当該薬剤が後続の薬剤と共に導出部から落下する虞がある。
 本発明の一態様は、薬剤を1つずつ払出口へと払出す可能性を高められ、その結果、正確な数の薬剤の払出が可能な薬剤払出装置を実現することを目的とする。
 上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る薬剤払出装置は、投入された薬剤を払出口まで搬送することにより、前記払出口から前記薬剤を払出す薬剤払出装置であって、前記薬剤を受容する受容部と、平面視したときに前記受容部の外側に位置する円環状の部分を有し、前記薬剤を前記払出口へと搬送する搬送部と、を備え、前記搬送部は、前記払出口に隣接し、前記薬剤を載置した状態で、前記薬剤を搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部の内側に位置し、前記薬剤を載置した状態で、前記薬剤を搬送する第2搬送部と、前記第2搬送部から前記第1搬送部へと薬剤を案内すると共に、前記第1搬送部から前記払出口へと前記薬剤を案内する案内部と、を備え、前記第1搬送部から前記払出口へ案内される薬剤の第1速度が、前記第2搬送部から前記第1搬送部へ案内される薬剤の第2速度よりも大きくなるように、前記第1搬送部及び前記第2搬送部は前記薬剤を搬送可能である。
 また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る薬剤払出装置は、投入された薬剤を払出口まで搬送することにより、前記払出口から前記薬剤を払出す薬剤払出装置であって、前記薬剤を受容する受容部と、平面視したときに前記受容部の外側に位置する円環状の部分を有し、前記薬剤を前記払出口へと搬送する搬送部と、を備え、前記搬送部は、前記払出口に隣接し、前記薬剤を載置した状態で、前記薬剤を搬送する円環状搬送部と、前記円環状搬送部から前記払出口へと前記薬剤を案内する案内部と、を備え、前記円環状搬送部の、前記薬剤を載置する載置面において、前記薬剤の搬送経路を規定する少なくとも1つの側壁と、前記載置面に垂直な方向に延伸する回転軸周りに回転し、前記円環状搬送部の、前記払出口と隣接する位置において、前記少なくとも1つの側壁から一部が突出している回転板と、を備える。
 本発明の一態様によれば、薬剤を1つずつ払出口へと払出す可能性を高めることができ、その結果、正確な数の薬剤の払出が可能となる。
符号1001は、モーターベースに薬剤払出カセットが取り付けられた状態を示す斜視図であり、符号1002は、モーターベースの構成例を示す斜視図であり、符号1003は、カウントセンサーの配置例を示す図である。 薬剤払出カセットが払出し対象とする薬剤の具体例を示す図である。 薬剤払出カセットの構成例を示す斜視図である。 符号4001は、カバー部を取り外した状態の薬剤払出カセットの構成例を示す斜視図であり、符号4002は、当該状態の薬剤払出カセットの一部を示す平面図である。 受容部と搬送部の円環状搬送部と回転板とを組み合わせた構造の一例を示す斜視図である。 符号6001は、受容部及び搬送部の円環状搬送部のそれぞれの構造を示す概略図であり、符号6002は符号6001に示す構造を別の方向から見た状態を示す概略図である。 搬送部の一部拡大図である。 高さ規制体及び幅規制体の構成例を示す図である。 符号9001は、ガイド部材の構成例を示す斜視図であり、符号9002は、第1変位部材及び第2変位部材の構成例を示す平面図である。 薬剤払出カセットの一部拡大図である。 薬剤払出カセット及びモーターベースの構成例を示すブロック図である。 薬剤払出カセットにおける動作例を示すフローチャートである。 カバー部を取り外した状態の薬剤払出カセットの全体を示す平面図である。
 〔実施形態1〕
 本発明の一実施態様について、図1~図12を用いて以下に詳細に説明する。まず、モーターベース10に薬剤払出カセット1(薬剤払出装置)が取り付けられた状態について、図1に基づき説明する。図1の符号1001は、モーターベース10に薬剤払出カセット1が取り付けられた状態を示す斜視図であり、符号1002は、モーターベース10の構成例を示す斜視図であり、符号1003は、カウントセンサー101の配置例を示す図である。
 図1の符号1001に示すように、モーターベース10に薬剤払出カセット1が接続されることにより、モーターベース10の制御を受けて薬剤払出カセット1による薬剤の払出処理が実現する。薬剤払出カセット1は、投入された薬剤を払出口18(図1の符号1003参照)まで順送りすることにより、払出口18から当該薬剤を払出す部材である。モーターベース10は、薬剤払出カセット1が載置されると共に接続されることにより、薬剤払出カセット1の動作を制御する部材である。
 なお、本明細書では、駆動条件の変更により、任意の種類の薬剤を単位量毎(例:1つずつ)に払出す薬剤払出カセットを例に挙げて説明する。つまり、例えば処方箋情報に従って患者が服用するための薬剤を分包する薬剤分包装置に、予め決められた種類の薬剤を払出す固定カセット、及び薬剤が手撒きされる手撒きユニット等と共に備えられる薬剤払出カセットを例に挙げて説明する。しかしながら、本明細書で説明する薬剤払出カセットの機能は、例えば、錠剤の個数をカウントする錠剤カウント機、及び、一処方分の薬剤を1つの容器に払い出す払出機にも適用できる。
 以下、薬剤払出カセット1及びモーターベース10の具体的構成について説明する前に、薬剤払出カセット1が払出し対象とする薬剤の具体例について説明する。
 〔分割錠剤の具体例〕
 薬剤払出カセット1が払出し対象とする薬剤は、主に錠剤(内服薬)であり、服用できない薬剤容器に収容された薬剤(例:注射薬)ではなく、服用できない薬剤容器等には収容されていない薬剤、又は、服用できない包装等が施されていない薬剤自体を指す。本明細書では、上記払出し対象とする薬剤は、分割された錠剤(例:略半分に分割された錠剤(半錠))(以降、分割錠剤と称す)であるものとして説明する。なお、薬剤払出カセット1は、分割されていない錠剤(1錠分の錠剤)又はカプセルを払出し対象としても構わないが、破損しやすい、又は割れやすい薬剤を取り扱う場合に有効に機能する。
 図2は、薬剤払出カセット1が払出し対象とする薬剤の具体例を示す図である。図2の符号2001は、図2の符号2002は、糖衣錠の一例と、当該糖衣錠の分割錠剤の一例と、を示す図である。符号2002の糖衣錠は、分割したときの断面形状において上面部及び底面部の中央部分が平坦でない。そのため、糖衣錠又は糖衣錠の分割錠剤は、載置面に載置したときに不安定で転がりやすい。
 図2の符号2003は、平面視したときの形状が略長方形であり、かつ、分割したときの断面形状において上面部及び底面部が凸形状を有する錠剤の一例と、当該錠剤の分割錠剤の一例と、を示す図である。図2の符号2004は、平面視したときの形状が楕円形状であり、かつ、分割したときの断面形状において上面部及び底面部が凸形状を有する錠剤の一例と、当該錠剤の分割錠剤の一例と、を示す図である。符号2003及び符号2004に示す錠剤は、符号2002に示す糖衣錠と同様に、分割したときの断面形状において上面部及び底面部の中央部分が平坦でなく、載置面に載置したときに不安定で転がりやすい。
 図2の符号2005は、平面視したときの形状が略正方形であり、かつ、分割したときの断面形状において上面部及び底面部が略平坦になっている錠剤の一例と、当該錠剤の分割錠剤の一例と、を示す図である。図2の符号2007は、平面視したときの形状が六角形であり、かつ、分割したときの断面形状において上面部及び底面部が略平坦になっている錠剤の一例と、当該錠剤の分割錠剤の一例と、を示す図である。符号2005及び符号2007に示すように、分割したときの断面形状が略平坦となっている錠剤は、載置面に載置したとしても転がりにくく安定している。但し、略平坦となっている中央部分の領域が小さくなると、当該錠剤を載置したときの安定性は低下する。
 図2の符号2006は、平面視したときの形状が略三角形であり、かつ、分割したときの断面形状において上面部及び底面部が凸形状を有する錠剤の一例と、当該錠剤の分割錠剤の一例と、を示す図である。符号2007に示す錠剤は、分割したときの断面形状において上面部及び底面部の中央部分が平坦でなく、載置面に載置したときに安定せず転がりやすい。
 従来の薬剤払出カセットを用いて符号2001に示す錠剤及び分割錠剤(但し、略平坦である中央部分が比較的小さい錠剤及び分割錠剤)、及び、符号2002~符号2007に示す錠剤及び分割錠剤を払出す場合を考える。この場合、これらの錠剤又は分割錠剤が薬剤払出カセットから払出口に払出されるときに、複数の錠剤又は分割錠剤が連なって(すなわち同時に)払出されてしまう虞がある。すなわち、薬剤の形状、又は薬剤を載置面に載置したときの安定性によっては、複数の薬剤が連なって払出口から払出されてしまう虞がある。この場合、カウントセンサーが複数の薬剤を1つの薬剤として計数してしまうことになる。またこの場合、目標錠数(払出す薬剤の数として指定された数)よりも多くの薬剤を払出してしまうことになる。薬剤払出カセット1は、上述した薬剤の形状又は安定性に依らず、払出口18に薬剤を1つずつ払出すことを可能にしており、その結果、正確な数の払出が可能になる。
 なお、以下の説明においては、特に断りが無い限り、分割錠剤を払出す場合を例に挙げて説明する。
 〔モーターベースの構成〕
 モーターベース10は、図1の符号1002に示すように、カウントセンサー101、コネクタ102、駆動部材103~106を備える。
 カウントセンサー101は、図1の符号1003に示すように、薬剤払出カセット1の円環状搬送部131から送り出され、払出口18を通過(落下)した分割錠剤を検出するセンサーである。カウントセンサー101は、払出口18を通過した分割錠剤を検出することにより、その個数をカウントする。カウントセンサー101は、円環状搬送部131から送り出された分割錠剤の通過経路上に対象物の検出範囲が形成されるように配置される(図1の符号1003に示す「光軸」参照)。
 カウントセンサー101は、発光部から発せられた光を、発光部と対向する位置にある受光部が受光する(又は受光しない)ことにより、検出範囲内の対象物の有無を特定する、所謂受光型のセンサーである。但し、カウントセンサー101は、発光部から発せられた光が対象物で反射し、当該反射した光を受光部で受光することにより、検出範囲内の対象物の有無を特定する、所謂反射型のセンサーであってもよい。この場合、発光部と受光部とは並設される。
 コネクタ102は、薬剤払出カセット1のコネクタ(不図示)に接続されることにより、薬剤払出カセット1に電力を供給する。駆動部材103及び104は、それぞれ、薬剤払出カセット1の第1回転体121を回転させる第1回転機構、及び円環状搬送部131の第1搬送部133を回転させる第2回転機構に接続され、第1回転機構及び第2回転機構に動力を供給する。駆動部材105及び106は、それぞれ、薬剤払出カセット1の高さ規制体14(図8参照)を移動させる高さ規制体移動機構、及び幅規制体15(図8参照)を移動させる幅規制体移動機構に接続されている。駆動部材105及び106は、高さ規制体移動機構及び幅規制体移動機構に動力を供給する。
 また、図11に示すように、モーターベース10は、制御部50及び記憶部60を備えるが、これらの部材については後述する。
 なお、モーターベース10が制御部50及び記憶部60を備えるものとして説明するが、これに限られない。例えば、制御部50及び記憶部60は、モーターベース10及び薬剤払出カセット1とは別に設けられた、薬剤払出カセット1の動作を制御する制御装置によって実現されても構わない。この場合、制御装置は、モーターベース10に接続され、モーターベース10の動作を制御することにより、薬剤払出カセット1の動作を制御する。
 また、薬剤払出カセット1及びモーターベース10は別機構となっているが、一体型であっても構わない。この場合、例えば、薬剤払出カセット1が、カウントセンサー101、制御部50及び記憶部60を備えていても構わない。
 〔薬剤払出カセットの構成〕
 図3は、薬剤払出カセット1の構成例を示す斜視図である。図4の符号4001は、カバー部11を取り外した状態の薬剤払出カセット1の構成例を示す斜視図であり、符号4002は、当該状態の薬剤払出カセット1の一部を示す平面図である。図13は、当該状態の薬剤払出カセット1の全体を示す平面図である。
 薬剤払出カセット1は、図3、図4及び図13に示すように、主として、カバー部11、受容部12、搬送部13、高さ規制体14、幅規制体15、ガイド部材16、及び搬送補助機構17を備える。なお、以降の説明において、図3及び図4を参照している箇所については、適宜図13も参照されたい。
 薬剤払出カセット1では、分割錠剤は分割錠剤を受容可能な受容部12に投入される。その後、分割錠剤は、受容部12の第1回転体121の回転により移動領域Ar1において第1回転体121から搬送部13の円環状搬送部131へと乗り移る。そして、分割錠剤は、円環状搬送部131の回転及び搬送部13の案内部132の案内により、円環状搬送部131上から払出口18へと落下する。上記第1回転体121及び円環状搬送部131の回転は、図13において紙面の上から見て時計回り方向の回転であり、後述する順送り動作時の回転である。また、円環状搬送部131上の分割錠剤は、高さ規制体14及び幅規制体15により1列に整列させられる。以下、各部材について詳細に説明する。
 <カバー部・払出口>
 カバー部11は、薬剤払出カセット1の上部(分割錠剤の投入側)に設けられた筐体の一部であり、薬剤払出カセット1の内部を保護する。払出口18は、円環状搬送部131により搬送された分割錠剤が落下する開口部である。
 <受容部・搬送部>
 受容部12及び搬送部13は、投入された分割錠剤を払出口18まで搬送する薬剤搬送機構として機能する。具体的には、受容部12及び搬送部13は、順送りの場合、投入された分割錠剤を、払出口18へ向けて搬送する。逆送りの場合、搬送部13は、搬送部13上に載置された分割錠剤を、順送りする方向とは逆方向へ搬送する。つまり、搬送部13は、分割錠剤を順送りする順送り動作と、分割錠剤を逆送りする逆送り動作とを切替え可能である。但し、受容部12についても搬送部13と同様に、順送り動作と逆送り動作とを切替え可能であっても構わない。なお、順送りを正転、逆送りを逆転と称しても構わない。
 図4の符号4001に示すように、受容部12は、第1回転体121及び仕切壁122を備える。第1回転体121は、受容部12の底部を規定し、仕切壁122は、受容部12の側壁を規定する。
 第1回転体121は、回転することにより、投入された分割錠剤を外周側(径方向外側)へ移動させる回転部材(内円盤、内輪)である。具体的には、図3及び図4に示すように、第1回転体121は、第1軸部121Aを中心として回転する円盤状の回転部材である。
 また、図3、及び図4の符号4001に示すように、仕切壁122が、第1回転体121の外周部に沿って立設している。これにより、投入された分割錠剤が第1回転体121に載置される。具体的には、投入された分割錠剤は、第1回転体121と仕切壁122とで区画された収容空間に収容される。また、後述する図6に示すように、仕切壁122は、仕切壁122の上部(+Z軸方向)の外周に位置する複数の歯122Aを有する。複数の歯122Aは、後述するように、第2搬送部134の遊星歯車134B~134Dと嵌合する。仕切壁122は、複数の歯122Aを備えることにより、遊星歯車機構の太陽歯車として機能する。
 第1回転体121は、XY平面(例:薬剤払出カセット1の載置面)に対して傾斜するように配設されている。つまり、第1回転体121の第1軸部121Aは、Z軸方向(垂直方向)に対して所定角度傾斜するように配置されている。
 また、図3~図4に示すように、第1回転体121の上面には、当該上面における、投入された分割錠剤の転動を抑止するための複数の凸条部121Bが放射状に設けられている。第1回転体121に投入された分割錠剤は、第1回転体121の回転により発生する遠心力により外周部へと移動する。
 各凸条部121Bの周端部は、搬送部13の第2搬送部134の載置面134Aと略平行となるような傾斜を有している。これにより、受容部12と搬送部13の第2搬送部134との間での分割錠剤の移動時に、分割錠剤が破損してしまう可能性を低減できる。特に逆送り時に第2搬送部134から受容部12へ分割錠剤が戻されるときに、分割錠剤が破損してしまう可能性を低減できる。
 一般に、錠剤は、破損しにくいように、その周囲に保護膜がコーティングされている。しかしながら、分割錠剤の場合、分割した表面に保護膜がコーティングされていない。そのため、分割錠剤は、分割されていない錠剤に比べ外部からの衝撃に弱く、破損しやすい。つまり、分割錠剤は、分割した表面から粉又は欠片が発生しやすい。そのため、分割錠剤を取り扱う薬剤払出カセット1において、上記周端部が上述のような傾斜を有していることは有用である。
 また、少なくとも移動領域Ar1において隙間が生じるように、第1回転体121及び搬送部13の円環状搬送部131の大きさ及び位置関係が規定されている。移動領域Ar1とは、分割錠剤が第1回転体121から搬送部13の第2搬送部134に乗り移る領域である。
 一般に、受容部12と第2搬送部134との間には、第1回転体121が第2搬送部134と接触しない程度の隙間が設けられている。しかしながら、移動領域Ar1において薬剤が乗り移ることを考慮して、積極的に隙間を設けるように第1回転体121及び第2搬送部134を設計してはいない。薬剤払出カセット1のように分割錠剤を取り扱う場合、上述のように粉又は欠片が発生しやすい。そのため、積極的に隙間を設ける(少なくとも従来よりも大きく設ける)ことで、当該粉又は欠片を第1回転体121の下方へと落下させて回収することが可能になる。
 ここで例えば、分割錠剤(第1分割錠剤)を払出した後に、第1分割錠剤とは種類が異なる分割錠剤(第2分割錠剤)の払出しを行う場合を考える。隙間がない場合、隙間がある場合に比べ、第1回転体121及び円環状搬送部131上における、第1分割錠剤の粉又は欠片の残量が多くなる。そのため、隙間がない場合、隙間がある場合に比べ、第1分割錠剤の粉又は欠片が第2分割錠剤と共に払出されてしまう可能性が高い。払出し対象の分割錠剤が他の分割錠剤の粉又は欠片と共に払出されることは、安全性の観点から好ましくない。そのため、分割錠剤を取り扱う薬剤払出カセット1において、隙間が設けられていることは有用である。但し、隙間は分割錠剤が落下しない程度の大きさに限定される。
 また、薬剤払出カセット1は、第1回転体121を回転させる第1回転機構を内蔵している。第1回転機構は、例えば、第1軸部121Aと、第1軸部121Aの第1回転軸を中心として第1軸部121Aを回転させる駆動部材(不図示)とによって実現される。第1回転機構の駆動部材にモーターベース10の駆動部材103が接続されることにより、モーターベース10からの動力を受けて第1回転体121が回転する。なお、第1回転機構の駆動は、回転体制御部51(図11参照)によって制御される。
 第1回転体121及び円環状搬送部131は、順送り時には、投入された分割錠剤が払出口18へ向けて搬送されるように同一方向に回転する。移動領域Ar1にて第1回転体121から円環状搬送部131の第2搬送部134へと乗り移った分割錠剤の少なくとも一部は、払出口18まで順送りされる。一方、残余の分割錠剤は、高さ規制体14、幅規制体15及びガイド部材16(第1変位部材16A及び第2変位部材16B)により、受容部12側へと落下させられる。
 <搬送部の詳細>
 図3~図7を用いて、搬送部13について詳細に説明する。図5は受容部12と搬送部13の円環状搬送部131と回転板17A(後述)とを組み合わせた構造の一例を示す斜視図である。図6の符号6001は、受容部12及び搬送部13の円環状搬送部131のそれぞれの構造を示す概略図であり、符号6002は符号6001に示す構造を別の方向から見た状態を示す概略図である。図7は、搬送部13の一部拡大図である。図7の符号7001は、先に払出(搬送)される分割錠剤MD1と、後続の分割錠剤MD2とが近接した状態を示し、符号7002は、先に払出される分割錠剤MD1と、後続の分割錠剤MD2とが離隔した状態を示す。
 搬送部13は、+Z軸方向から平面視した場合、受容部12の外側に位置する円環状の部分を有しており、第1回転体121から受け渡された分割錠剤を払出口18へ搬送する。図3~図6に示すように、搬送部13は、円環状搬送部131及び案内部132を備える。また、図3~図6に示すように、円環状搬送部131は、第1搬送部133及び第2搬送部134を備える。円環状搬送部131は、払出口18に隣接し、分割錠剤を載置した状態で、当該分割錠剤を搬送する。
 (第1搬送部)
 第1搬送部133は、円環状の回転部材であり、±Z軸方向の回転軸を中心に回転する。また、図5及び図6に示すように、第1搬送部133は、分割錠剤を載置する載置面133Aを有する。第2搬送部134の載置面134Aから第1搬送部133の載置面133A上に分割錠剤が乗り移ることにより、第1搬送部133の載置面133A上に分割錠剤が載置される。第1搬送部133の載置面133Aは、XY平面と略平行となるように水平配置されている。また、第1搬送部133は、回転軸周りに回転することにより、載置面133A上に分割錠剤を載置した状態で分割錠剤を搬送する。具体的には、第1搬送部133は払出口18に隣接しており、第1搬送部133により搬送される載置面133A上の分割錠剤は、後述の案内部132に案内されることによって払出口18から払出される。第1搬送部133は、円環状搬送部131の最外周に位置している。そのため、第1搬送部133は、「最外輪」とも称される。
 図6に示すように、第1搬送部133は、第1搬送部133の内周側の側面(内周面)に、複数の第1歯133Bを有する。複数の第1歯133Bは第2搬送部134の遊星歯車134B~134Dと嵌合する。第1搬送部133は、遊星歯車134B~134Dを介して第2搬送部134と接続されている。第1搬送部133は、複数の第1歯133Bを有し、複数の第1歯133Bが遊星歯車134B~134Dと嵌合することにより、遊星歯車機構の内歯車として機能する。
 薬剤払出カセット1は、第1搬送部133を回転させる第2回転機構を内蔵している。第2回転機構は、例えば、第1搬送部133が有する複数の第2歯133C(図5及び図6参照)によって実現される。複数の第2歯133Cは、具体的には、第1搬送部133の、複数の第1歯133Bが設けられる内周面とは反対側の外周側の側面(外周面)に設けられている。複数の第2歯133Cにモーターベース10の駆動部材104が嵌合されることにより、モーターベース10から複数の第2歯133Cに対して与えられる駆動力によって第1搬送部133が回転する。そして、第1搬送部133が回転することにより、第2搬送部134も、第1搬送部133と同一方向に回転する。第2搬送部134が回転する機構については後述する。なお、第2回転機構の駆動は、回転体制御部51によって制御される。
 また、図5及び図13に示すように、第1搬送部133には、後述する回転板17Aの回転軸171より外側の位置に、磁極の異なる複数の第1磁石133Dが交互に設けられている。「回転軸171より外側の位置」とは、第1回転体121の第1軸部121Aから複数の第1磁石133Dまでの距離が、第1軸部121Aから回転軸171までの距離よりも長くなるような位置を意味する。また、「磁極の異なる」とは、複数の第1磁石133DにN極とS極とが含まれることを意味する。すなわち、本実施形態では、複数の第1磁石133Dとして、N極とS極とが交互に第1搬送部133に設けられている。
 第1磁石133Dは、例えば、第1搬送部133の内部、又は載置面133Aに対して反対側の面に設けられている。なお本実施形態では、第1磁石133Dは、第1搬送部133の全周に亘って設けられている。図5では、第1搬送部133の全周に亘って設けられる複数の第1磁石133Dのうちの一部のみを図示している。但し、第1磁石133Dは、第1搬送部133の周方向において、第1搬送部133の一部に設けられる構成であってもよい。
 (第2搬送部)
 第2搬送部134は、円環状の回転部材であり、回転軸が±Z軸方向に延伸している。図3~図5に示すように、第2搬送部134は、第1搬送部133の内側に位置している。第2搬送部134は、例えば、第1搬送部133の内側において第1搬送部133と隣接して配置されていてよい。また、図5及び図6に示すように、第2搬送部134は、分割錠剤を載置する載置面134Aを有する。第2搬送部134の載置面134Aは、XY平面と略平行となるように水平配置されている。第2搬送部134は、受容部12よりも外側に位置し、第1搬送部133よりも内側に位置するため、「外内輪」とも称される。
 第2搬送部134は、第1搬送部133と同一の回転軸を中心に、第1搬送部133と同一方向に回転する。分割錠剤は、受容部12の第1回転体121から、第1回転体121の回転によって搬送され、第2搬送部134に乗り移ることにより、第2搬送部134の載置面134A上に載置される。そして、第2搬送部134は、載置面134A上に分割錠剤を載置した状態で当該分割錠剤を搬送する。
 図6に示すように、第2搬送部134は、遊星歯車134B、134C、及び134Dを備える。なお、遊星歯車は3つに限られず、少なくとも1つ設けられていればよい。遊星歯車134B~134Dは、第2搬送部134の側面に設けられる複数の穴134Eの内部にそれぞれ取り付けられる。遊星歯車134B~134Dは、第2搬送部134の側面よりも外側に突出し、第1搬送部133の複数の第1歯133Bとそれぞれ嵌合する。
 また、遊星歯車134B~134Dは、第2搬送部134の側面よりも内側に突出し、受容部12の仕切壁122の外側に設けられる複数の歯122Aと嵌合する。複数の歯122Aは仕切壁122に固定されており、また、仕切壁122は薬剤払出カセット1に固定されている。
 モーターベース10の駆動部材104によって第2歯133Cに対して回転力が与えられることにより第1搬送部133が回転すると、その回転によって、複数の第1歯133B及び複数の歯122Aと嵌合する遊星歯車134B~134Dが回転する。遊星歯車134B~134Dが回転することにより、第2搬送部134は、第1搬送部133と同一方向に回転する。また、第2搬送部134は、遊星歯車134B~134Dの回転に伴って回転するため、第1搬送部133よりも遅い速度で回転する。第2搬送部134は、例えば第1搬送部133の約半分の速度で回転する。以上のように、薬剤払出カセット1では、第1搬送部133の回転に連動させて、第2搬送部134を回転させることができる。なお、第2搬送部134の回転速度は、例えば第1搬送部133の複数の第1歯133Bの数に対する複数の歯122Aの数の比率、及び/又は、複数の第1歯133Bのピッチ円直径に対する複数の歯122Aのピッチ円直径の比率により決定される。
 以上のように、第2搬送部134は、第1搬送部133及び仕切壁122の外側に設けられる複数の歯122Aと共に、遊星歯車機構として機能する。そのため、第2搬送部134は、第1搬送部133の回転に連動して、第1搬送部133と同一方向に回転することができる。また、第2搬送部134は、遊星歯車機構の一部として回転することにより、分割錠剤を搬送する。そのため、モーターベース10が第2搬送部134を回転させるための駆動部を備える必要がない。
 このように、遊星歯車機構を用いることにより、簡易な構成で、かつ第1搬送部133を駆動させるだけで、第1搬送部133と第2搬送部134との回転速度が異なるように、同一方向に回転させることができる。
 なお、複数の歯122Aは、遊星歯車134B~134Dと嵌合することにより薬剤払出カセット1の一部を太陽歯車として機能させることができればよく、仕切壁122に設けられていなくともよい。例えば、複数の歯122Aは、仕切壁122とは別体の部材として、薬剤払出カセット1の他の部分に設けられていてもよい。但し、複数の歯122Aが仕切壁122の上部の外周に設けられていることにより、より簡易な構成で、第1搬送部133及び第2搬送部134を回転させることができる。
 (案内部)
 案内部132は、第2搬送部134から第1搬送部133に分割錠剤を案内する。また、案内部132は、第1搬送部133から払出口18へ分割錠剤を案内する。具体的には、図4及び図7に示すように、案内部132は、円環状搬送部131上に設置された非変位部材であり、通過経路Roを形成する側壁のうち、円環状搬送部131の回転方向下流側の側壁を形成している。本実施形態では、案内部132は、通過経路Roを規定する側壁のうち、後述のガイド部材16と共に、第1回転体121により近い方の側壁の一部を形成している。通過経路Roは、載置面133A及び134Aにおいて分割錠剤が搬送される搬送経路である。具体的には、案内部132は、図4の符号4002に示すように、後述の幅規制体15の第2壁面15S2と対向する位置に、かつガイド部材16の第1変位部材16A及び第2変位部材16Bよりも払出口18側に立設されている。そして、案内部132は、第2壁面15S2と共に、通過経路Roの一部を規定する。換言すれば、案内部132は、通過経路Roの側壁を規定する側壁部材である。後述する幅規制体15もまた、当該側壁を規定する側壁部材といえる。通過経路Roの内、案内部132が規定する領域は、払出口18へと分割錠剤が案内される、円環状搬送部131上の端部領域(薬剤ガイド領域)ともいえる。
 図7に示すように、案内部132は、+Z軸方向から平面視した場合に、第1搬送部133及び第2搬送部134を横断するように載置面133A及び載置面134Aの上方(+Z軸方向)に配置されており、払出口18側へと延伸している。案内部132がこのように配置されることで、後述するように、薬剤払出カセット1は、第1搬送部133及び第2搬送部134の回転により、案内部132に沿って、第2搬送部134から第1搬送部133へと分割錠剤を搬送することができる。また、第2搬送部134から第1搬送部133へと分割錠剤が搬送された後、第1搬送部133から払出口18へと分割錠剤を搬送することができる。
 (搬送部の動作例)
 以下、搬送部13の動作例、及び当該動作による分割錠剤の搬送の流れについて説明する。まず、モーターベース10の駆動部材104の動作により、第1搬送部133が回転すると、第1搬送部133よりも遅い速度で第2搬送部134も回転する。受容部12に投入された分割錠剤は、受容部12の第1回転体121から、回転している第2搬送部134の載置面134A上へと乗り移る。そして、載置面134A上の分割錠剤は、第2搬送部134の回転方向に沿って搬送される。第2搬送部134によって搬送された分割錠剤は、案内部132に接すると、第2搬送部134の回転力によって案内部132に沿って移動し、第2搬送部134の載置面134Aから第1搬送部133の載置面133A上へと案内される。分割錠剤が第2搬送部134から第1搬送部133に案内されている状態における第2搬送部134上での分割錠剤の移動速度を「第2速度P2」と称する。
 第1搬送部133の載置面133A上に案内された分割錠剤は、第1搬送部133の回転によって、案内部132に沿って搬送される。第1搬送部133によって搬送された分割錠剤は、案内部132に沿って払出口18側に移動し、払出口18から払出される。分割錠剤が第1搬送部133の回転によって、案内部132に沿って移動し、第1搬送部133から払出口18へ案内されている状態における第1搬送部133上での分割錠剤の移動速度を「第1速度P1」と称する。上述したように、第1搬送部133の回転速度は、第2搬送部134の回転速度よりも大きい。そのため、第1速度P1は第2速度P2よりも大きくなる。換言すると、第1搬送部133及び第2搬送部134は、第1速度P1が第2速度P2よりも大きくなるように分割錠剤を搬送することができる。
 分割錠剤が払出口18から払出されるときに、当該分割錠剤と後続の分割錠剤との距離が近い場合、これらの2つの分割錠剤が同時に払出される可能性がある。具体的には、図7の符号7001に示すように、2つの分割錠剤が互いに接触又は近接した状態で払出口18付近に到達することがある。また、1つの薬剤が分割された分割錠剤は、載置面133A上に載置されたときに安定せず転がりやすいため、払出口18付近に到達したときに落下しやすい。従って、2つの分割錠剤が互いに接触又は近接した状態で払出口18付近に到達した場合、1つの分割錠剤が払出されるべきタイミングで2つの分割錠剤が同時に払出される可能性が高くなり、誤カウントの原因となる。払出しの対象が、上述した図2に示す分割錠剤(符号2001については略平坦である中央部分が比較的小さい分割錠剤)である場合、切断面以外の表面において、2つの分割錠剤が互いに接触又は近接したときには特に、2つの分割錠剤が同時に払出される可能性が高くなる。
 ここで、本実施形態に係る薬剤払出カセット1は、上述のような搬送部13を備えている。搬送部13は、第1速度P1が第2速度P2よりも大きくなるように分割錠剤を搬送可能な第1搬送部133及び第2搬送部134を備えている。また、薬剤払出カセット1は、第2搬送部134から第1搬送部133へ、そして第1搬送部133から払出口18へと分割錠剤を案内する案内部132を備えている。
 図7の符号7001に示すように、当該構成によると、第2搬送部134から案内部132に沿って第1搬送部133に案内される分割錠剤MD2は、第2速度P2で搬送される。これに対し、第2搬送部134上から案内部132に沿って第1搬送部133に案内された後の分割錠剤MD1は、第2搬送部134よりも高速回転する第1搬送部133によって加速される。その結果、第1搬送部133から案内部132に沿って払出口18に案内される分割錠剤MD1は、第2速度P2よりも大きい第1速度P1で搬送される。つまり、分割錠剤MD1及びMD2のうち、先に払出される分割錠剤MD1は、第1搬送部133において、後続の分割錠剤MD2よりも速い速度で移動する。分割錠剤MD1が分割錠剤MD2よりも速い速度で移動することにより、分割錠剤MD1は、単位時間あたり分割錠剤MD2よりも長い距離を移動する。そのため、図7の符号7002に示すように、分割錠剤MD1と分割錠剤MD2との間の距離が離隔する。従って、薬剤払出カセット1によれば、先に払出される分割錠剤MD1と後続の分割錠剤MD2との距離が離隔する可能性を高めることができる。このように、連続する2つの分割錠剤間の距離が離隔する可能性が高まることにより、複数の分割錠剤が同時に払出される可能性を低減することが可能となる。従って、薬剤払出カセット1によれば、より正確に1つずつ分割錠剤を払出す可能性を高めることができる。
 (変形例)
 上述した搬送部13において、モーターベース10によって駆動される部分は、第1搬送部133でなく第2搬送部134であってもよい。この場合、第2搬送部134は、モーターベース10の駆動部材(不図示)と嵌合する複数の歯を備えてよい。これにより、第2搬送部134は、モーターベース10から与えられる回転力によって回転する。また、第2搬送部134の回転に連動して、第1搬送部133も回転させることができる。またこの場合、第2搬送部134を駆動させるだけで、上述した遊星歯車機構という簡単な構造を用いて、第1搬送部133と第2搬送部134との回転速度が異なるように、第1搬送部133と第2搬送部134を同一方向に回転させることができる。
 また、搬送部13において、第1搬送部133と第2搬送部134とは、別々に(独立に)駆動されてもよい。例えば、第1搬送部133と第2搬送部134とは、それぞれモーターベース10の別の駆動部材と嵌合し、これらの駆動部材がそれぞれ駆動することにより、第1搬送部133及び第2搬送部134の各々が回転してもよい。また、第1搬送部133と第2搬送部134とが別々の駆動部材によって駆動される場合、第1搬送部133及び第2搬送部134の回転速度を適宜変更してもよい。例えば、薬剤払出カセット1が分割錠剤を払出す場合、第1搬送部133が第2搬送部134よりも速い速度で回転するように制御されてもよい。一方、薬剤払出カセット1が分割されていない錠剤を払出す場合、第1搬送部133は第2搬送部134と同じ速度で回転するように制御されてもよい。また、第1搬送部133と第2搬送部134とが別々の駆動部材によって駆動される場合、例えば第1搬送部133及び第2搬送部134の一方のみを駆動させ、他方を停止することも可能となる。
 <高さ規制体・幅規制体>
 図8もあわせて、高さ規制体14及び幅規制体15について説明する。図8の符号8001及び符号8002は、高さ規制体14及び幅規制体15の構成例を示す図である。なお、図8では、搬送補助機構17の図示を省略している。高さ規制体14及び幅規制体15は、第1回転体121及び円環状搬送部131により順送りされた分割錠剤の通過をその分割錠剤の大きさに応じて規制するために分割錠剤の通過経路幅を規定し、かつ通過経路幅を変更すべく移動可能な規制体である。高さ規制体14及び幅規制体15は、円環状搬送部131上に、分割錠剤が一列に並んで払出口18へ搬送可能な、分割錠剤の通過経路Roを規定する。
 高さ規制体(高さガイド)14は、通過経路幅として、図8の符号8001に示す移送高さW1を規制するものである。幅規制体15は、通過経路幅として、図4の符号4002に示す移送幅W21及びW22を規制するものである。移送高さW1は、高さ規制体14の第1高さ規制部14Aの下面と円環状搬送部131の上面との間隔である。換言すれば、移送高さW1は、高さ規制体14の、通過経路Roの表面からの距離である。移送幅W21は、円環状搬送部131の内周部から、幅規制体15の第1壁面15S1までの間隔であり、移送幅W22は、ガイド部材16から、幅規制体15の第2壁面15S2までの間隔である。
 高さ規制体14は、図8の符号8001及び符号8002に示すように、第1高さ規制部14A及び第2高さ規制部14Bを備える。第1高さ規制部14Aは、順送り時に、円環状搬送部131に載置された分割錠剤が高さ方向(+Z軸方向)に重なった状態で払出口18へ搬送される可能性を低減する部材である。第1高さ規制部14Aは、移動領域Ar1に対して、順送り時の分割錠剤移送方向下流側に、かつ円環状搬送部131の上方に位置するように配設されている。第1高さ規制部14Aは、図8の符号8001に示すように、円環状搬送部131の外周部から内周部にかけて、かつ、分割錠剤移送方向に沿って延伸している。
 高さ規制体14は、円環状搬送部131の上面において移送高さW1を規定するために、±Z軸方向に移動する。薬剤払出カセット1は、第1高さ規制部14Aの移動を制御する高さ規制体移動機構を内蔵している。高さ規制体移動機構は、例えば、ネジ部材14Cを備える。ネジ部材14Cは、図8の符号8001に示すように、高さ規制体14に形成されたネジ受け部と係合して設けられている。本実施形態では、ネジ部材14Cがモーターベース10の駆動部材105に接続されることにより、モーターベース10からの動力を受けてネジ部材14Cが回転し、高さ規制体14が±Z軸方向に移動する。これにより、移送高さW1が、投入された分割錠剤の大きさに合わせて調整される。高さ規制体移動機構の駆動は、例えば規制体制御部52(図11参照)により制御される。
 第2高さ規制部14Bは、第1高さ規制部14Aと同様、順送り時に、円環状搬送部131に載置された分割錠剤が高さ方向に重なった状態で払出口18へ搬送される可能性を低減する部材である。第2高さ規制部14Bは、払出口18に対して、順送り時の分割錠剤移送方向上流側に、かつ円環状搬送部131の上方に位置するように配設されている。つまり、第2高さ規制部14Bは、高さ規制体14の先端部に設けられている。
 幅規制体(幅ガイド)15は、図4及び図8の符号8001に示すように、高さ規制体14とともに、移動領域Ar1に対して、順送り時の分割錠剤移送方向下流側に、かつ円環状搬送部131の上方に位置するように配設されている。幅規制体15は、図4の符号4002に示すように、円環状搬送部131の内周部の直径より大きい直径を有する第1壁面15S1(湾曲面)と、第1壁面15S1の、順送り時の分割錠剤移送方向下流側に位置する第2壁面15S2とを有する。幅規制体15が略±Y軸方向に移動することにより、移送幅W21及びW22を調整できる。第1壁面15S1の周方向の一部において最小の移送幅W21を形成可能なように、幅規制体15と円環状搬送部131との位置関係が規定される。
 幅規制体15は、円環状搬送部131の上面において移送幅W21及びW22を規定するために、略±Y軸方向に移動する。薬剤払出カセット1は、幅規制体15の移動を制御する幅規制体移動機構を内蔵している。幅規制体移動機構は、図4の符号4001に示すように、例えばネジ部材15A1及びピストン部15A2を備える。
 ピストン部15A2は、ピストン部15A2に沿って幅規制体15を移動させるものである。本実施形態では、ネジ部材15A1がモーターベース10の駆動部材106に接続されることにより、モーターベース10からの動力を受けてネジ部材15A1が回転する。ピストン部15A2には、ネジ部材15A1の回転により生じた動力が伝達され、当該動力によってピストン部15A2に接続された幅規制体15が移動する。これにより、移送幅W21及びW22が、投入された分割錠剤の大きさに合わせて調整される。幅規制体移動機構の駆動は、例えば規制体制御部52により制御される。
 また、幅規制体15は、図8の符号8002に示すように、第2高さ規制部14Bが±Z軸方向に移動可能なように、第2高さ規制部14Bの一部を収容する開口部15Bを備える。開口部15Bが設けられることにより、移送幅W22の変動に依らず、通過経路Ro上に第2高さ規制部14Bを配置できる。そのため、2つの分割錠剤が重なって搬送された場合であっても、第2高さ規制部14Bにより、上側の分割錠剤を確実に落下させることができる。
 <ガイド部材>
 図9もあわせて、ガイド部材16について説明する。図9の符号9001は、ガイド部材16の構成例を示す斜視図であり、符号9002は、第1変位部材16A及び第2変位部材16Bの構成例を示す平面図である。なお、図9では、搬送補助機構17の図示を省略している。
 図9に示すように、薬剤払出カセット1は、払出口18の近傍に、払出口18に接続された、円環状搬送部131により形成される分割錠剤の通過経路Roの一部を規定し、かつ、払出口18へと分割錠剤をガイドするガイド部材16を備える。ガイド部材16は、図4の符号4002に示すように、幅規制体15の第2壁面15S2と対向する位置に、かつ、案内部132の、払出口18とは反対側の端部において(案内部132より上流側において)、案内部132と隣接する位置に設けられている。そして、ガイド部材16は、第2壁面15S2と共に、通過経路Roの一部を規定する。すなわち、ガイド部材16は、案内部132と共に、通過経路Roを規定する側壁の一部を構成する。
 ガイド部材16は、第1変位部材16A、第2変位部材16B、及び支持部材16Dを備える。支持部材16Dは、案内部132から上流側に延伸しており、第1変位部材16A及び第2変位部材16Bを、支持部材16Dの下方に吊下げるように支持する。第1変位部材16A及び第2変位部材16Bは、支持部材16Dから吊下げられていることにより、円環状搬送部131により搬送される分割錠剤が接触することにより変位すると共に、分割錠剤に対してその変位を打ち消す向きに働く力を及ぼす。これにより、第1変位部材16A及び第2変位部材16Bは、分割錠剤の向き又は位置を調整して所定幅(移送幅W22)に規定された下流側(薬剤ガイド領域)への分割錠剤の搬送を補助する。
 第1変位部材16A及び第2変位部材16Bの変位(揺動)により、分割錠剤に与えられる衝撃を吸収できる。そのため、分割錠剤が破損する可能性を低減できる。また、上記力が分割錠剤に与えられることにより、分割錠剤の向き(姿勢)を矯正できる。また、案内部132によって分割錠剤の搬送が妨げられないように、分割錠剤の位置も矯正できる。そのため、案内部132における分割錠剤の詰まり発生を抑制できる。
 具体的には、第1変位部材16A及び第2変位部材16Bは、案内部132の上流側に配置されている。これにより、順送りされてきた分割錠剤を案内部132に接触させる前に、第1変位部材16A及び第2変位部材16Bに接触させることができる。そのため、案内部132への接触により分割錠剤が破損する可能性を低減できる。
 また、第1変位部材16A及び第2変位部材16Bは、分割錠剤が案内部132の一端(上流側の一端)に接触することを抑制するように、分割錠剤の向き又は位置を変化させる。このように向き又は位置を変化させることにより、案内部132の一端への接触により分割錠剤が破損する可能性を低減しつつ、当該一端における分割錠剤の詰まり発生を抑制できる。
 また、第1変位部材16A及び第2変位部材16Bという2つの変位部材を設けていることにより、段階的に分割錠剤の向き又は位置を変化させることができる。そのため、上記分割錠剤の詰まり発生を効率良く抑制できる。
 <搬送補助機構>
 図3~図5に加え、図10を用いて、搬送補助機構17について説明する。図10は、回転板17Aの動作を説明するための、薬剤払出カセット1の一部拡大図である。図10の符号10001は、先に払出される分割錠剤MD1と、後続の分割錠剤MD2とが近接した状態を示し、符号10002は、先に払出される分割錠剤MD1と、後続の分割錠剤MD2とが離隔した状態を示す。
 搬送補助機構17は、第1搬送部133に載置された分割錠剤に作用することにより、払出口18へ払出される分割錠剤の搬送速度を高める機構である。図3~図5に示すように、薬剤払出カセット1は、搬送補助機構17の一具体例として、回転板17Aを備える。
 回転板17Aは、図5に示すように、第1搬送部133の載置面133A及び第2搬送部134の載置面134Aに対して垂直な方向(±Z軸方向)に延伸する回転軸171を有し、回転軸171を中心に第1搬送部133と同一方向に回転する。また、回転板17Aは、第1搬送部133の、払出口18と隣接する位置において、通過経路Roを規定する側壁から一部が突出している。
 一例として、図10に示すように、回転板17Aの一部は、案内部132の一部から突出している。回転板17Aの、案内部132から突出した部分は、第1搬送部133の上方(+Z軸方向)に位置している。但し、当該部分の全てが第1搬送部133の上方に位置している必要は必ずしもない。当該部分の位置は、第1搬送部133上の分割錠剤と接触することにより分割錠剤の搬送速度を高めることができ、かつ、当該分割錠剤に後続する第2搬送部134上の分割錠剤と離隔できるように規定されていればよい。例えば、回転板17Aの内、少なくとも案内部132から最も突出する部分が、第1搬送部133の上方(+Z軸方向)に位置していればよい。
 このように、回転板17Aの一部が、上記払出口18と隣接する位置において、案内部132の一部から突出している。そのため、簡易な構成により、払出口18へ払出される分割錠剤の搬送速度を高めることができる。
 回転板17Aは、図5に示すように、回転板17Aの円周方向に沿った位置であり、かつ第1搬送部133を回転させたときに第1磁石133Dと対向する位置に、磁極の異なる複数の第2磁石172が交互に設けられている。「磁極の異なる」とは、複数の第2磁石172にN極とS極とが含まれることを意味する。すなわち、本実施形態では、複数の第2磁石172として、N極とS極とが交互に回転板17Aに設けられている。第1搬送部133と回転板17Aとの位置関係は、第2磁石172が第1搬送部133の第1磁石133Dと対向するように規定される。
 第1搬送部133が回転すると、第2磁石172は第1磁石133Dの磁力による影響を受ける。これにより、回転板17Aは、第1搬送部133と同一方向に、回転軸171周りに回転する。このように、第1搬送部133の回転に連動させて、回転板17Aを回転させることができる。すなわち、簡易な構成により、回転板17Aを回転させることができる。
 また、図5に示すように、回転板17Aは、第1搬送部133よりも小さな径を有する。これにより、回転板17Aは、第1搬送部133が回転したときに、第1搬送部133よりも速い速度で回転することができる。
 なお、第1磁石133D及び第2磁石172を用いて回転板17Aを回転させることが可能であればよい。すなわち、第1磁石133D及び第2磁石172がそれぞれ磁極の異なる複数の磁石により構成され、磁極の異なる磁石が交互に設けられる必要は必ずしもない。例えば、少なくとも1つの第1磁石133Dが第1搬送部133の一部に設けられ、少なくとも1つの第2磁石172が回転板17Aの一部に設けられてもよい。また、第1磁石133D及び第2磁石172の一方は、鉄板等の磁性体であってもよい。
 図10の符号10001に示すように、第1搬送部133によって搬送されている分割錠剤MD1は、回転板17Aに接触する。分割錠剤MD1は、当該分割錠剤MD1が回転板17Aに接触した位置における回転板17Aの接線方向であって、かつ払出口18側の方向に向かう力を回転板17Aから受ける。このときの回転板17Aにおける当該接線方向に沿った速度を「周速P3」と称する。回転板17Aは、第1搬送部133よりも速い速度で回転しているため、周速P3は第1速度P1よりも大きい。周速P3における、通過経路Roが延伸する方向の速度成分が、第1速度P1における、通過経路Roが延伸する方向の速度成分よりも大きければよい。
 図10の符号10001に示すように、第1搬送部133によって搬送されている分割錠剤MD1と回転板17Aが接触すると、回転板17Aの影響により分割錠剤MD1は加速する。これにより、分割錠剤MD1は、第1速度P1よりも大きな周速P3に近い速度P4で移動し、払出口18から払出される。このとき、分割錠剤MD1が移動する速度P4は、第1搬送部133の載置面A上において搬送されている後続の分割錠剤MD2の移動速度である第1速度P1よりも速い。従って、先に払出される分割錠剤MD1は、後続の分割錠剤MD2よりも長い距離を移動することができる。そのため、図10の符号10002に示すように、回転板17Aに接触した後の分割錠剤MD1と回転板17Aに接触する前の分割錠剤MD2との距離は離隔する。
 以上のように、回転板17Aは、払出口18から払出される分割錠剤MD1の速度をより高めることができるため、当該分割錠剤MD1と後続の分割錠剤MD2との距離を離隔させる可能性をより高めることができる。そのため、1錠ずつの正確な払出が可能となる。すなわち、案内部132に設けられた回転板17Aの位置まで搬送された薬剤が回転板17Aと接触することにより、当該薬剤の払出口18の方向への搬送速度が高められた結果、1錠ずつの正確な払出が可能になる。
 また、図5及び図10に示すように、回転板17Aの側面(分割錠剤と接触する側面)には、回転軸171と略平行な向きの溝が形成されている。これにより、回転板17Aと分割錠剤との間の摩擦力を大きくすることができるので、回転板17Aの回転力を、より効率よく分割錠剤に伝えることができる。
 ここで、図10の符号10001に示すように、分割錠剤の形状、及び、連続する2つの分割錠剤の位置関係によっては、第1搬送部133に複数の分割錠剤が載置される可能性がある。
 例えば、図7に示すように、先行する分割錠剤MD1の切断面が幅規制体15と対向し、後続の分割錠剤MD2の切断面がガイド部材16及び案内部132と対向している状態を考える。この状態において、図7の符号7001に示すように、切断面以外の表面において分割錠剤MD1及びMD2が互いに接触又は近接している場合、分割錠剤MD2が第1搬送部133に載置される前に、分割錠剤MD1が第1搬送部133に載置される。そのため、図7の符号7002に示すように、分割錠剤MD1が回転板17Aに接触しなくても、分割錠剤MD1と分割錠剤MD2との間を離隔させることが可能である。
 しかし、図10に示すように、先行する分割錠剤MD1の切断面がガイド部材16及び案内部132と対向し、後続の分割錠剤MD2の切断面が幅規制体15と対向している状態においては、次のような現象が生じ得る。すなわち、この状態において、図10の符号10001に示すように、切断面以外の表面において分割錠剤MD1及びMD2が互いに接触又は近接している場合、分割錠剤MD1が第1搬送部133に載置された直後に、分割錠剤MD2も第1搬送部133に載置される可能性がある。この場合、分割錠剤MD1及びMD2の間を十分に離隔できず、分割錠剤MD1及びMD2が同時に払出されてしまう可能性がある。
 上述したように、第1搬送部133の上方において回転板17Aの一部が案内部132から突出することにより、図10の符号10002に示すように、先行する分割錠剤MD1の搬送速度を高めることができる。そのため、分割錠剤MD1と共に後続の分割錠剤MD2が第1搬送部133に載置された場合であっても、分割錠剤MD1と分割錠剤MD2との間を離隔させることが可能となる。つまり、第1搬送部133に複数の分割錠剤が載置された場合であっても、先に搬送されている分割錠剤のみ搬送速度を高めることにより、当該分割錠剤のみを払出すことができる。従って、より正確に、分割錠剤を1つずつ払出口18へと払出す可能性を高めることができる。
 従来の薬剤払出カセットにおいては、図2に示すような分割錠剤が複数同時に払出される可能性があった。特に、図2の符号2002に示すような糖衣錠を分割した分割錠剤は、切断面において上面部及び底面部の中央部分が平坦でないため、平面上に載置した場合に安定せず転がりやすい。また、符号2001又は符号2003に示すような中央に膨らみのある形状の錠剤を分割した分割錠剤についても、切断面が円形に近い形状となるため、平面上に載置した場合に安定せず転がりやすい。そのため、1つの分割錠剤が払出されるときに、後続の分割錠剤も払出口から転がり落ちる可能性があった。但し、符号2001に示す錠剤については、略平坦となっている中央部分の領域が小さい錠剤を分割した分割錠剤の場合に、このような現象が生じ得る。
 また、符号2003、符号2004、及び符号2006に示すような中央部に対して端部が細くなっている錠剤が分割された分割錠剤は、連続して払出されるとき、先行する分割錠剤と後続の分割錠剤とがより近くに位置する可能性がある。具体的には、例えば図7及び図10に示すように、2つの分割錠剤について、分割されていない状態における端部同士が互い違いになるように位置すると、先行する分割錠剤と後続の分割錠剤との間の距離が十分に離隔しない可能性がある。従来の薬剤払出カセットにおいては、これらの分割錠剤の間の距離を離隔するための機構を有していないため、複数の分割錠剤が同時に払出される可能性があった。また、符号2005又は符号2007に示すような多角形の錠剤を分割した分割錠剤を払出す場合にも同様の問題が発生する場合があった。
 ここで、本実施形態に係る薬剤払出カセット1は、上述のように、第1搬送部133及び第2搬送部134を有する搬送部13と、回転板17Aと、を備える。第1搬送部133は第2搬送部134よりも速い速度で回転するため、先に搬送され、第1搬送部133に載置された分割錠剤と、その後に搬送され、第2搬送部134に載置されている分割錠剤と、の間の距離を、離隔させることが可能である。また、回転板17Aは、第1搬送部133よりも速い速度で回転するため、回転板17Aに接触した分割錠剤は、第1搬送部133上で搬送されていたときの搬送速度よりもさらに加速する。そのため、第1搬送部133に同時に2つの分割錠剤が載置されたとしても、これらの分割錠剤間の距離を離隔させることが可能である。
 以上のように、薬剤払出カセット1は、搬送される分割錠剤間の距離を離隔させることができる。そのため、転がりやすい分割錠剤、又は、互いに接触もしくは近接しやすい分割錠剤を払出す場合であっても、分割錠剤間の距離を十分に離隔させることができる。そのため、複数の分割錠剤が同時に払出される可能性を低減し、より正確に、分割錠剤を1つずつ払出すことが可能である。
 (変形例)
 回転板17Aは、薬剤払出カセット1に複数設けられていてもよい。例えば、回転板17Aは、通過経路Roに沿って2つ以上設けられていてもよい。また、回転板17Aは、Z軸方向に重なった状態で2つ以上設けられていてもよい。また、回転板17Aは、通過経路Roを規定する側壁の一部に設けられていればよく、例えば、幅規制体15の第2第2壁面15S2において、案内部132に対向する領域に設けられていてもよい。このように、回転板17Aは、通過経路Roを規定する少なくとも1つの側壁から一部が突出するように設けられていればよい。
 また、搬送補助機構17は分割錠剤に作用することにより、払出口18へ払出される分割錠剤の搬送速度を高めることができるものであればよい。例えば、搬送補助機構17は、第1搬送部133に載置された分割錠剤に対して払出口18へ向かう方向の風を送風可能な送風部でもよい。
 また、回転板17Aは、第1搬送部133とは別に駆動されてもよい。例えば、回転板17Aは、モーターベース10の、第1搬送部133を駆動する駆動部材とは別の駆動部材に接続される。また、この場合、第1搬送部133は第1磁石133Dを、回転板17Aは第2磁石172をそれぞれ備えていなくてよい。回転板17Aは、第1搬送部133とは別に駆動できることにより、例えば錠剤の種類に応じて、回転板17Aの回転速度を変更できる。従って、例えば、複数の分割錠剤が同時に落下しやすい錠剤については回転板17Aの回転速度を規定の速度よりも速くできる。また例えば、破損しやすい錠剤については回転板17Aの回転速度を規定の速度よりも遅くできる。規定の速度は、例えば、第1磁石133D及び第2磁石172により第1搬送部133に連動して回転するときの回転板17Aの回転速度であってよい。
 〔モーターベース(制御部・記憶部)の構成〕
 図11に基づき、モーターベース10の制御部50及び記憶部60について説明する。図11は、薬剤払出カセット1及びモーターベース10の構成例を示すブロック図である。
 モーターベース10は、図11に示すように、上述した構成の他、制御部50及び記憶部60を備えている。制御部50は、モーターベース10及び薬剤払出カセット1の各部を統括的に制御する。制御部50の機能は、記憶部60に記憶されたプログラムを、CPU(Central Processing Unit)が実行することにより実現されてよい。記憶部60は、制御部50が実行する各種のプログラム、及び当該プログラムによって使用されるデータを格納する。制御部50は、主として、回転体制御部51、規制体制御部52、及び計時部53を備えている。
 回転体制御部51は、駆動部材103の駆動を制御することにより、第1回転機構を駆動させる。これにより、第1回転体121の回転を制御する。また、回転体制御部51は、駆動部材104の駆動を制御することにより、第2回転機構を駆動させる。これにより、円環状搬送部131の第1搬送部133の回転を制御する。回転体制御部51は、例えば、第1回転体121及び円環状搬送部131の回転方向及び回転速度を制御する。
 回転体制御部51は、第1回転体121及び円環状搬送部131を独立して制御する。回転体制御部51は、第1回転体121については、例えば、分割錠剤の払出処理中、常時順送り方向に、かつ一定速度で回転させる。一方、円環状搬送部131については、順送り動作と逆送り動作とを切替える。また、第1搬送部133の、順送り時の回転速度、及び逆送り時の回転速度は、個別に設定されてよい。例えば、順送り時の回転速度、及び逆送り時の回転速度は、それぞれ複数段階(例:7段階)に設定可能である。また、順送り時の回転速度は、分割錠剤の大きさ(分割錠剤の直径)に応じて設定されてよい。例えば、順送り時の回転速度は、分割錠剤の大きさが大きくなるほど大きくなるように設定されてよい。
 回転体制御部51は、カウントセンサー101が分割錠剤を所定時間(第1所定時間)検出しなかった場合、順送り動作を一時的に逆送り動作に切替えてもよい。この場合、例えば第2搬送部134は、第1距離分逆送りされてよい。つまり、例えば第2搬送部134は、通過経路Ro上の分割錠剤を第1距離分逆送りさせてよい。このときの切替え動作を、第1切替え動作(逆転動作1)と称する。
 第1距離は、第1変位部材16Aから第2変位部材16Bまでの距離に対応する距離である。回転体制御部51は、例えば、第1搬送部133を通じて第2搬送部134を、回転軸の周りを約15°回転させることにより、第1距離分の逆送り動作を実現する。また、第1所定時間としては、順送り時の第1搬送部133の回転速度が最も低速である場合に、第1変位部材16A付近に存在する分割錠剤が払出口18から払出されるのに十分な時間が設定されてよい。なお、第1所定時間の計時は、例えば、円環状搬送部131の順送り動作(正転動作)開始時、又は、カウントセンサー101が1つ前に払出された分割錠剤を検出した時に開始されてよい。
 また、回転体制御部51は、カウントセンサー101が分割錠剤をさらに所定時間(第2所定時間)検出しなかった場合、順送り動作を一時的に逆送り動作に切替えてよい。この場合、例えば第2搬送部134は、第1距離よりも長い第2距離分逆送りされてよい。つまり、例えば第2搬送部134は、通過経路Ro上の分割錠剤を第2距離分逆送りさせてよい。このときの切替え動作を、第2切替え動作(逆転動作2)と称する。
 回転体制御部51が第1切替え動作及び第2切替え動作を実行することにより、案内部132に起因した分割錠剤の詰まりが生じた場合に、第1変位部材16A及び第2変位部材16Bを用いて、分割錠剤の向きを変更できる。そのため、当該分割錠剤の詰まりが解消する可能性が高まる。
 また、回転体制御部51は、カウントセンサー101が分割錠剤を第1所定時間内に検出した場合も、順送り動作を一時的に逆送り動作に切替えてよい。この場合、例えば第2搬送部134は、第3距離分逆送りされてよい。つまり、例えば第2搬送部134は、通過経路Ro上の分割錠剤を第3距離分逆送りさせてよい。このときの切替え動作を、第3切替え動作(逆転動作3)と称する。
 回転体制御部51は、例えば、カウントセンサー101から分割錠剤をカウントした旨の検出結果を取得すると、第3切替え動作を実行する。これにより、円環状搬送部131は一時的に逆送りとなるため、次の払出し対象である分割錠剤が、払出された分割錠剤と共に、払出口18から落下する可能性を低減できる。そのため、誤カウントの可能性を低減できる。
 なお、第3距離は、実験等を経て、上述の誤カウントが発生しない程度の距離に設定されていればよい。本実施形態では、回転体制御部51は、例えば、第1搬送部133を通じて第2搬送部134を、回転軸を中心に約5°回転させることにより、第3距離分の逆送り動作を実現する。但し、回転体制御部51は、第3切替え動作を実行せず、順送り動作している円環状搬送部131の回転を停止させてもよい。
 また、第3切替え動作を行うかどうかは、薬剤の種類毎に設定されていてもよい。また、第3切替え動作は、カウントセンサー101が払出された分割錠剤をカウントする度に実行されるのではなく、払出された分割錠剤を複数回カウントする度に(複数の分割錠剤が払出される度に)実行されてもよい。
 また、回転体制御部51は、第1搬送部133、第2搬送部134及び回転板17Aが独立して駆動可能な場合、第1搬送部133、第2搬送部134及び回転板17Aのそれぞれの駆動を制御してよい。
 規制体制御部52は、駆動部材105の駆動を制御することにより、高さ規制体移動機構を駆動させる。これにより、高さ規制体14の±Z軸方向への移動を制御する。また、規制体制御部52は、駆動部材106の駆動を制御することにより、幅規制体移動機構を駆動させる。これにより、幅規制体15の、ピストン部15A2が延伸する方向への移動を制御する。規制体制御部52は、分割錠剤の払出処理の前処理として、移送高さW1、移送幅W21及びW22を調整するときに、高さ規制体14及び幅規制体15の移動を制御する。また、規制体制御部52は、高さ規制体14及び幅規制体15の移動を独立して制御する。
 計時部53は、第1所定時間又は第2所定時間を計測してよい。計時部53は、例えば、カウントセンサー101が分割錠剤を検出してからの時間を計測する。また、計時部53は、第1所定時間、又は第2所定時間を計測した場合に、これらの時間が経過したことを回転体制御部51に通知してよい。
 〔薬剤払出カセットにおける動作〕
 次に、図12に基づいて、薬剤払出カセット1における動作例について説明する。図12は、薬剤払出カセット1における動作例を示すフローチャートである。本実施形態では、第1搬送部133の回転速度は、段階1(最低速)~段階7(最高速)の7段階に設定可能となっていてよい。
 分割錠剤が第1回転体121(内輪)に投入された後、分割錠剤の払出処理が開始されると、規制体制御部52は、高さ規制体14及び幅規制体15を制御することにより、移送高さW1と移送幅W21及びW22とを調整する。その後、回転体制御部51は、第1回転体121を回転させることにより、第1回転体121から円環状搬送部131(外輪)へ分割錠剤を乗り移らせる、分割錠剤のかき上げ動作を開始する(S1)。
 その後、回転体制御部51は、円環状搬送部131を順送りさせる。回転速度は、投入された分割錠剤の大きさに基づき、例えば段階1~段階3のいずれかに設定される。
 具体的には、回転体制御部51は、モーターベース10の駆動部材104を駆動させることにより、第1搬送部133を回転(正転)させる(S2)。第1搬送部133が回転することにより、遊星歯車134B~134Dが回転し、第2搬送部134が第1搬送部133よりも遅い速度で回転(正転)する(S3)。また、第1搬送部133が回転することにより、第1磁石133Dと第2磁石172とが作用し、回転板17Aが回転(正転)する(S4)。
 受容部12においてかき上げられた分割錠剤は、第1回転体121から第2搬送部134に乗り移る。分割錠剤が第2搬送部134の載置面134A上に乗り移ると、第2搬送部134の回転により分割錠剤が通過経路Roに沿って搬送される。分割錠剤が案内部132に到達すると、当該分割錠剤は、案内部132に沿って移動し、第2速度P2で第2搬送部134から第1搬送部133に乗り移る。その後、第1搬送部133に乗り移った分割錠剤は、第1速度P1で搬送される。これにより、第1搬送部133上で搬送される分割錠剤と第2搬送部134上の分割錠剤との距離が離隔する。その後、第1搬送部133上で搬送される分割錠剤は、払出口18付近に到達する。払出口18付近に到達した分割錠剤は、回転板17Aに接触する。回転板17Aの回転の作用により、当該分割錠剤は加速し、第1速度P1よりも大きい周速P3に近い速度で移動し、払出口18から払出される。これにより、回転板17Aに接触した分割錠剤と後続の分割錠剤との間の距離がより大きく離隔した状態で払出が行われる。なお、連続して搬送される2つの分割錠剤が十分に離隔せず、第1搬送部133に搬送された場合であっても、回転板17Aの回転の作用により、当該2つの分割錠剤を離隔させることができる。
 回転体制御部51は、カウントセンサー101が第1搬送部133から払出口18へと落下した分割錠剤を検出したか否かを判定する(S5)。回転体制御部51は、カウントセンサー101が分割錠剤を検出し、その検出結果を取得した場合、払出口18へと落下した分割錠剤を検出したと判定する。回転体制御部51は、払出口18へと落下した分割錠剤を検出したと判定した場合(S5でYES)、第3切替え動作を実行する。つまり、回転体制御部51は、第2搬送部134を第3距離分(例:5°分)逆送りさせる。具体的には、回転体制御部51は、駆動部材104を逆回転させることにより、第1搬送部133の回転方向を逆転させる(S6)。第1搬送部133の回転方向が逆転することにより、第2搬送部134の回転方向も逆転する(S7)。このとき、回転板17Aの回転方向も逆転する。なお、本実施形態では、逆送り時の回転速度は、一律に段階7に設定されていてよい。また、回転体制御部51は、上述したように、第3切替え動作を実行せず、第1搬送部133の回転を停止させてもよい。S7の後、回転体制御部51は、指定された数の分割錠剤を払出したか否かを判定し(S8)、払出していない場合(S8でNO)、再度S2以降の処理を行う。
 なお、回転体制御部51は、カウントセンサー101が払出口18へと落下した分割錠剤を検出していない場合(S5でNO)、カウントセンサー101が分割錠剤を検出するまで、S4の順送り動作(正転動作)を続ける。S5でNOの場合、回転体制御部51は、カウントセンサー101が分割錠剤を第1所定時間検出しなかった場合には、第1切替え動作を実行してもよい。また、カウントセンサー101が分割錠剤をさらに第2所定時間検出しなかった場合、第2切替え動作を実行してもよい。
 回転体制御部51は、指定された数の分割錠剤を払出すまで、S2~S8の処理を繰り返す。薬剤払出カセット1は、指定された数の分割錠剤を払出すと(S8でYES)、払出し動作処理を終了する。
 〔変形例〕
 上述の実施形態において、薬剤払出カセット1によって払出される分割錠剤は、OD(Orally Disitegration)錠を分割した錠剤であってもよい。OD錠は、分割されると砕けて微細な欠片を生じる。そのため、薬剤払出カセット1を用いてOD錠の分割錠剤の払出しを行う場合、当該分割錠剤をふるいにかけ、欠片を取り除いておいてもよい。
 払出される分割錠剤がOD錠を分割したものである場合、分割により発生した欠片が分割錠剤として読取られ、誤カウントの原因となる場合がある。ここで、分割されたOD錠を予めふるいにかけることにより、欠片を取り除いたうえで薬剤払出カセット1の受容部12に投入することができる。そのため、薬剤払出カセット1は、欠片の影響を低減して払出を行うことができる。
 OD錠の分割錠剤をふるいにかけた場合、欠片が取り除かれることにより分割錠剤全体の重量は減少する、すなわち欠損が発生するが、当該欠損は、OD錠を分割する場合の欠損よりも少ない。そのため、OD錠の分割錠剤をふるいにかけたとしても、重量への影響は比較的小さい。つまり、欠片を分割錠剤として誤カウントする可能性を低減するためには、薬剤払出カセット1によるOD錠の分割錠剤の払出しのために、当該分割錠剤をふるいにかけることは有用であるといえる。
 このように、分割し、ふるいにかけたOD錠を、薬剤払出カセット1を用いて払出すことにより、OD錠の分割錠剤を、より正確に1つずつ払出すことができる。上述の方法を用いてOD錠の分割錠剤を払出す場合、薬剤払出カセット1は、払出可能な分割錠剤のうち、95%以上の分割錠剤を正確に1つずつ払出すことが可能である。
 薬剤払出カセット1によって払出される薬剤は、分割錠剤に限られない。例えば、当該薬剤は、分割されていない状態の錠剤(整数錠)であってもよい。この場合、薬剤払出カセット1は、ガイド部材16を備えなくともよい。図2の符号2002に示すような糖衣錠など、分割されていない錠剤であっても、転がりやすく誤カウントが発生しやすい錠剤は存在する。薬剤払出カセット1は、このような転がりやすい整数錠についても、先行する整数錠と後続の整数錠との距離を離隔できる。そのため、薬剤払出カセット1は、このような整数錠についても、正確に1つずつ払出を行うことができる。
 また、例えば図2の符号2004及び符号2006のような整数錠については、先行する整数錠と後続の整数錠との接触又は近接状態によっては、当該2つの整数錠が同時に払出される虞もある。また、整数錠が比較的小さい場合にも、当該2つの整数錠が同時に払出される虞もある。薬剤払出カセット1は、搬送部13及び搬送補助機構17を備えることにより、どのような先行する整数錠と後続の整数錠との接触又は近接状態であっても、また、整数錠が比較的小さい場合であっても、当該2つの整数錠が同時に払出される可能性を低減できる。
 また、薬剤払出カセット1は、第1搬送部133及び第2搬送部134と、搬送補助機構17とのいずれか一方のみを備えていてもよい。例えば、薬剤払出カセット1は、搬送補助機構17を備えなくともよい。この場合であっても、薬剤払出カセット1は、第1搬送部133及び第2搬送部134の速度差による第1速度P1と第2速度P2の差により、連続する2つの分割錠剤を離隔させる可能性を高めることができる。また、当該構成を採用した場合、第1搬送部133は、回転板17Aを回転させるための第1磁石133Dを備えなくともよい。
 但し、薬剤払出カセット1は、第1搬送部133及び第2搬送部134と、搬送補助機構17との両方を備えている場合、第1搬送部133に同時に複数の分割錠剤が載置されたとしても、回転板17Aにより、先行する分割錠剤が加速される。そのため、薬剤払出カセット1は、各分割錠剤間の距離を離隔させ、より正確に分割錠剤を1つずつ払出すことができる。
 また、薬剤払出カセット1が第1搬送部133及び第2搬送部134を備えない場合、搬送部13の円環状搬送部131は、分割錠剤の順送り動作又は逆送り動作を実現する1つの円環状の部材によって構成されていてもよい。この場合、受容部12から円環状搬送部131に分割錠剤が乗り移り、円環状搬送部131の回転によって通過経路Roに沿って搬送される。また、当該分割錠剤は、案内部132によって案内され、回転する回転板17Aに接触することにより加速し、払出口18から払出される。
 但し、薬剤払出カセット1は、第1搬送部133及び第2搬送部134と、搬送補助機構17との両方を備えている場合、回転板17Aによる加速だけでなく、第1搬送部133と第2搬送部134との速度差によって各分割錠剤間の距離を離隔させることが可能となる。そのため、薬剤払出カセット1は、より正確に分割錠剤を1つずつ払出すことができる。
 まとめると、薬剤払出カセット1は、第1搬送部133及び第2搬送部134と、搬送補助機構17とのいずれか一方のみを備えていればよい。この場合、薬剤払出カセット1は、種々の形状の薬剤について、払出口18へ払出される薬剤を、当該薬剤に後続する薬剤から離隔させる可能性を高めることができる。そのため、薬剤を1つずつ払出口18へと払出す可能性を高めることができる。但し、薬剤払出カセット1は、第1搬送部133及び第2搬送部134と、搬送補助機構17との両方を備える場合、払出口18へ払出される薬剤を、当該薬剤に後続する薬剤から離隔させる可能性をより高めることができる。そのためこの場合、薬剤払出カセット1は、より正確に薬剤を1つずつ払出口18へと払出すことができる。
 ここで、上述したように、1つの薬剤が払出口18から落下した場合、回転体制御部51は、円環状搬送部131を逆転又は停止させる。しかし、連続する2つの薬剤が接近又は近接している状態においては、薬剤の形状によっては、この逆転又は停止前の順送り方向の回転により、払出口18から落下した薬剤に後続する薬剤が惰性で順送り方向に転がってしまう虞がある。この場合、先行する薬剤の落下直後に後続の薬剤が落下し、カウントセンサー101が2つの薬剤を1つの薬剤として誤カウントしてしまう虞がある。本実施形態の薬剤払出カセット1によれば、先行する薬剤と後続する薬剤とを離隔させることが可能であるため、上記のように惰性によって後続の薬剤が多少転がったとしても、後続の薬剤を円環状搬送部131上に留め置くことが可能となる。すなわち、後続の薬剤の転がりによって誤カウントが発生する可能性を低減できる。
 また、薬剤払出カセット1は、以上のように、比較的簡易な構成により薬剤の正確な払出しを行うことができる。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「つくる責任つかう責任」等の達成に貢献できる。
 〔ソフトウェアによる実現例〕
 薬剤払出カセット1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部50に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
 この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
 上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1又は複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線又は無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
 また、上記各制御ブロックの機能の一部又は全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
 〔付記事項〕
 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
 1 薬剤払出カセット(薬剤払出装置)
 12 受容部
 13 搬送部
 15 幅規制体(側壁)
 16 ガイド部(側壁)
 17 搬送補助機構
 17A 回転板
 18 払出口
 122 仕切壁(受容部の側壁)
 122A 複数の歯
 131 円環状搬送部
 132 案内部(側壁)
 133 第1搬送部
 133A 載置面
 133B 第1歯
 133C 第2歯
 133D 第1磁石
 134 第2搬送部
 134A 載置面
 134B~134D 遊星歯車
 171 回転軸
 172 第2磁石
 P1 第1速度
 P2 第2速度
 P3 周速
 Ro 通過経路(搬送経路)

Claims (12)

  1.  投入された薬剤を払出口まで搬送することにより、前記払出口から前記薬剤を払出す薬剤払出装置であって、
     前記薬剤を受容する受容部と、
     平面視したときに前記受容部の外側に位置する円環状の部分を有し、前記薬剤を前記払出口へと搬送する搬送部と、を備え、
     前記搬送部は、
     前記払出口に隣接し、前記薬剤を載置した状態で、前記薬剤を搬送する第1搬送部と、
     前記第1搬送部の内側に位置し、前記薬剤を載置した状態で、前記薬剤を搬送する第2搬送部と、
     前記第2搬送部から前記第1搬送部へと薬剤を案内すると共に、前記第1搬送部から前記払出口へと前記薬剤を案内する案内部と、を備え、
     前記第1搬送部から前記払出口へ案内される薬剤の第1速度が、前記第2搬送部から前記第1搬送部へ案内される薬剤の第2速度よりも大きくなるように、前記第1搬送部及び前記第2搬送部は前記薬剤を搬送可能である、薬剤払出装置。
  2.  前記第1搬送部の回転速度は、前記第2搬送部の回転速度よりも大きい、請求項1に記載の薬剤払出装置。
  3.  前記第2搬送部は、少なくとも1つの遊星歯車を備え、
     前記第1搬送部は、前記遊星歯車と嵌合する複数の第1歯を備え、前記複数の第1歯により内歯車として機能し、
     前記第2搬送部の内側に位置し、前記遊星歯車と嵌合する複数の歯を有する太陽歯車をさらに備える、請求項1又は2に記載の薬剤払出装置。
  4.  前記太陽歯車として機能する前記複数の歯は、前記受容部の側壁の上部に位置している、請求項3に記載の薬剤払出装置。
  5.  前記第1搬送部は、前記複数の第1歯とは反対側の位置に複数の第2歯を備え、
     前記第1搬送部及び前記第2搬送部は、前記複数の第2歯に対して与えられる駆動力により回転する、請求項4に記載の薬剤払出装置。
  6.  前記第1搬送部及び前記第2搬送部は、前記薬剤を載置する載置面をそれぞれ備え、
     前記案内部は、前記第1搬送部及び前記第2搬送部を横断するように前記載置面の上方に配置されている、請求項1から5の何れか1項に記載の薬剤払出装置。
  7.  前記第1搬送部に載置された薬剤に作用することにより、前記払出口へ払出される薬剤の搬送速度を高める搬送補助機構を備える、請求項1から6の何れか1項に記載の薬剤払出装置。
  8.  前記搬送補助機構は、前記払出口へ払出される薬剤に接触する少なくとも1つの回転板である、請求項7に記載の薬剤払出装置。
  9.  前記第1搬送部及び第2搬送部の、前記薬剤を載置する載置面において、前記薬剤の搬送経路を規定する少なくとも1つの側壁を備え、
     前記回転板は、前記載置面に垂直な方向に延伸する回転軸周りに回転し、前記第1搬送部の、前記払出口と隣接する位置において、前記少なくとも1つの側壁から一部が突出している、請求項8に記載の薬剤払出装置。
  10.  前記回転板の周速は、前記第1速度よりも大きい、請求項8又は9に記載の薬剤払出装置。
  11.  前記第1搬送部は、前記薬剤を載置する載置面を有し、
     前記回転板は、前記載置面に垂直な方向に延伸する回転軸を有し、
     前記第1搬送部には、前記回転軸より外側の位置に、第1磁石が設けられており、
     前記回転板には、前記回転板の円周方向に沿った位置であり、かつ前記第1搬送部又は前記回転板を回転させたときに前記第1磁石と対向する位置に、第2磁石が設けられている、請求項8から10の何れか1項に記載の薬剤払出装置。
  12.  投入された薬剤を払出口まで搬送することにより、前記払出口から前記薬剤を払出す薬剤払出装置であって、
     前記薬剤を受容する受容部と、
     平面視したときに前記受容部の外側に位置する円環状の部分を有し、前記薬剤を前記払出口へと搬送する搬送部と、を備え、
     前記搬送部は、
     前記払出口に隣接し、前記薬剤を載置した状態で、前記薬剤を搬送する円環状搬送部と、
     前記円環状搬送部から前記払出口へと前記薬剤を案内する案内部と、を備え、
     前記円環状搬送部の、前記薬剤を載置する載置面において、前記薬剤の搬送経路を規定する少なくとも1つの側壁と、
     前記載置面に垂直な方向に延伸する回転軸周りに回転し、前記円環状搬送部の、前記払出口と隣接する位置において、前記少なくとも1つの側壁から一部が突出している回転板と、を備える、薬剤払出装置。
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