JP2021164631A - 錠剤供給保管放出装置、錠剤供給保管放出装置を組み込んだ薬剤分包機 - Google Patents
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Abstract
【課題】錠剤を分包処理する際に、正確に、かつ、短時間で処理が可能なように、分包処理の前に事前に錠剤を1錠ずつ供給し、それを1錠ずつ保管しておき、分包時に速やかに放出できる、錠剤供給機構と錠剤保管放出機構とから構成される錠剤供給保管放出装置、及びその錠剤供給保管放出装置を組み込んだ薬剤分包機を提供する。【解決手段】複数の錠剤を一括して収容し、これを1錠ずつに分離して次工程に供給することのできる錠剤供給機構30と、複数の区画を有し、錠剤供給機構から供給される錠剤を、区画のそれぞれに錠剤を1錠ずつ、あるいは指定錠数ずつ、収容するとともに、区画から錠剤を1錠ずつ、あるいは指定錠数ずつ、放出させることができる錠剤保管放出機構20とを有し、錠剤供給機構の次工程に錠剤を供給する出口付近の搬送路の上流部分に第1の錠剤検知センサを有し、更に搬送路の下流部分に第2の錠剤検知センサを有する。【選択図】図3
Description
本発明は、錠剤等の薬剤を1錠ずつ供給し、それを保管し、放出する錠剤供給保管放出装置、及び、その錠剤供給保管放出装置を組み込んだ薬剤分包機に関する。
調剤業務において、数百種類にも及ぶ多様な形状やサイズの錠剤やカプセル剤等の薬剤を処方箋に従って、たとえば朝昼晩で2週間分42回分を、それぞれ1回分ずつ、所定の複数種類の錠剤やカプセル剤を所定数計数した上で、1ケの個包に封入することができる薬剤分包装置(特許文献1)が実用化して、調剤業務の効率化と誤服用の防止などに大きく寄与してきた。
これらの装置にあっては、各薬剤の形状やサイズに対応した専用錠剤放出装置が用いられるので、ジェネリック薬剤の増加などによって新薬が発売されるごとに、専用錠剤放出装置を新規に作成する必要があり、必要なタイミングでの分包ができないという問題があった。
また、持ち込みといって、他の薬局で処方された薬剤を分包だけを依頼されるケースでも、当該薬局でその錠剤に対応できる専用錠剤放出装置がないと、やはり分包を行うことができない。
ここで、専用錠剤放出装置に代えて、異なる寸法や形状の錠剤を1つの装置で対応できる汎用錠剤放出装置を用いることにより、ある程度、錠剤種別の増加に対応することは可能となる。
しかしながら、通常、汎用錠剤放出装置は、幅広い範囲の寸法の錠剤を扱うことから、専用錠剤放出装置よりも処理速度が低下することは否めず、他の専用錠剤放出装置の放出タイミングと併せることができす、一包分の動作時間が長くなってしまう。
これに対する対応策が、複数のマスを有する手撒きコンベア装置である。図12は従来型の手撒きコンベア装置の説明図である。
これによれば、処方動作をしていない空き時間などに、手撒きコンベア装置の各マスに予め1錠ずつ錠剤を手撒きにて充填しておけば、処方動作の際に速やかに放出することができるため、一包分の動作時間の短縮が期待できる。
しかしながら、この手撒きコンベア装置には問題点がある。図12(a)は7列6行で構成される従来型手撒きコンベアの概念図であり、右上のマスを基準にして、処方順(例えば1日朝昼晩3回×14日分)に各マスに該当錠剤を手撒きするものである。
この処方ではTa薬(朝昼晩・各2錠)、Tb薬(昼晩・各5錠)、Tc薬(朝晩・各1錠)を手撒きするが、Ta薬は全マスに同数を撒くのに対して、Tb薬は朝分のマス以外にのみ手撒きし、Tc薬は朝晩分のマスにのみ手撒きするので、間違えないように神経を使う。
これが1日朝昼晩の3回であれば1列当り6行のマスでは、各列の左右のマスの関係は朝なら朝の分が横に等しく並ぶので良いが、朝昼晩+就寝前の4回になると、各列の左右のマスの関係は等しくなくなるので混乱しやすくなってしまう。
誤りの要因は撒くべきマスの誤りと、撒くべき錠剤の数量の誤りであり、これを防止するには図12(b)〜(d)のように、各薬剤を1錠ずつ各マスに隙間なく撒いておくことで、このようにすれば、目視で直観的に数量が確認できる。
しかしながら、この直観的に分かりやすい方式であるが、錠剤数量が増加するとマスの数が増大し、これらの複数の手撒きコンベアを装填して、各マスから必要に応じて選択的に錠剤を放出するための機構が複雑になり、分包機の内部に組み込むことが困難であるばかりではなく、さらに各マスに1錠ずつ装填する作業にも時間を要するという問題があった。
また、これらの作業は神経を使う手作業が多く、調剤過誤に対して専門家としての責任を負う調剤師にとっての負担となっていた。
これらの問題点に鑑み、本発明が解決しようとする主な課題は、錠剤を分包処理する際に、正確に、かつ、短時間で処理が可能なように、分包処理の前に事前に錠剤を1錠ずつ(あるいは指定数量ずつ)供給し、それを1錠ずつ(あるいは指定数量ずつ)保管しておき、分包時に速やかに放出できる、錠剤供給機構と錠剤保管放出機構とから構成される錠剤供給保管放出装置、及びその錠剤供給保管放出装置を組み込んだ薬剤分包機を提供することである。
特に、錠剤を1錠ずつ(あるいは指定数量ずつ)供給する錠剤供給機構から、錠剤を1錠ずつ(あるいは指定数量ずつ)保管して分包時に放出する錠剤保管放出機構へと受け渡す際に、確実に、1錠ずつ(あるいは指定数量ずつ)受け渡されることを可能とする錠剤供給保管放出装置、及びその錠剤供給保管放出装置を組み込んだ薬剤分包機を提供することである。
ここでは、錠剤供給機構から錠剤保管放出機構への錠剤の受け渡しの際に、トラブルの発生を未然に防止したり、トラブル発生時の復旧を容易にするあるいは自動で行わせることも解決すべき課題のひとつである。
ここで、「1錠ずつ(あるいは指定錠数ずつ)」としたのは、錠剤供給機構においては1錠ずつに確実に分離するが、錠剤保管放出機構において錠剤を保管する際に、2錠ずつ、3錠ずつなどのように、指定錠数をまとめて保管する場合を想定したものである。
このようにすると、複数錠をまとめて処方する際には、大幅な時間短縮が期待できる。
また、本発明が解決しようとする副次的な課題は、錠剤の数量が増加した場合にも対応可能な、錠剤の保管容量の大きな錠剤保管機構を有する錠剤供給保管放出装置を提供することである。
更に、本発明が解決しようとする副次的な課題は、錠剤保管機構への錠剤の1錠ずつの供給について、異なる寸法・形状であっても対応可能な、汎用の錠剤供給機構を有する錠剤供給保管放出装置を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたもので、本発明の第1の態様は、錠剤供給保管放出装置であって、
−複数の錠剤を一括して収容し、これを1錠ずつに分離して次工程に供給することのできる錠剤供給機構と、
−複数の区画を有し、前記錠剤供給機構から供給される錠剤を、前記区画のそれぞれに錠剤を1錠ずつ、あるいは指定錠数ずつ、収容するとともに、前記区画から錠剤を1錠ずつ、あるいは指定錠数ずつ、放出させることができる錠剤保管放出機構と
を有し、前記錠剤供給機構の次工程に錠剤を供給する出口付近の搬送路の上流部分に第1の錠剤検知センサを有し、更に前記搬送路の下流部分に第2の錠剤検知センサを有することを特徴とする。
−複数の錠剤を一括して収容し、これを1錠ずつに分離して次工程に供給することのできる錠剤供給機構と、
−複数の区画を有し、前記錠剤供給機構から供給される錠剤を、前記区画のそれぞれに錠剤を1錠ずつ、あるいは指定錠数ずつ、収容するとともに、前記区画から錠剤を1錠ずつ、あるいは指定錠数ずつ、放出させることができる錠剤保管放出機構と
を有し、前記錠剤供給機構の次工程に錠剤を供給する出口付近の搬送路の上流部分に第1の錠剤検知センサを有し、更に前記搬送路の下流部分に第2の錠剤検知センサを有することを特徴とする。
このように構成すると、第1の錠剤検知センサにおける錠剤の検知状況と第2の錠剤検知センサにおける錠剤の検知状況とを用いて、錠剤搬送状態の種々の異常を検出することができ、それによって、トラブルや障害の未然防止あるいは被害の最小化を可能とする。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の錠剤供給保管放出装置であって、前記第1の錠剤検知センサが錠剤の搬送される間隔を検知し、搬送間隔が狭くなりすぎて1錠ずつに分離して前記錠剤保管放出機構に供給できない場合に、前記錠剤供給機構の動作を停止させることを特徴としてもよい。
このようにすると、錠剤が次工程(錠剤保管放出機構)に供給される前に未然に不具合を解消することができる。
なお、下流側の第2の錠剤検知センサは、次工程(錠剤保管放出機構)の直前に設けられているため、確実に1錠ずつの錠剤が、錠剤保管放出機構の各区画に入ったことを確認することができ、万一、この部分で不具合が検知された場合にも、装置を停止することができ、手順はやや複雑にはなるが、不具合の解消は可能である。
あるいは、本発明の第3の態様は、第1の態様の錠剤供給保管放出装置であって、前記錠剤供給機構が搬送速度切換手段を有しており、前記第1の錠剤検知センサが錠剤の搬送される間隔を検知し、錠剤間隔が接近していると判定した場合に、前記錠剤供給機構の搬送速度切換手段が搬送速度を低速に切り換え、更に、前記第2の錠剤検知センサが錠剤を検知したら前記錠剤供給機構の動作を一旦停止することを特徴としてもよい。
ここで搬送速度切換手段とは、錠剤供給機構の駆動部が正規速度と低速との2つの運転モードを有し、それらを切り換える手段のことである。
このようにすると、2錠以上の錠剤が錠剤保管放出機構に送りこまれる確率を更に低減することができるとともに、その後に錠剤供給機構の搬送部の動作、所定の速度で、あるいは低速で、再開させることで、係員による異常状態の復旧(搬送路上の錠剤の除去など)を要せず、自動復旧も可能となる。
なお、一旦停止後に、所定時間内に第2の錠剤検知センサが錠剤の通過を検知しないことを確認して、錠剤供給機構を低速で再起動させ、再度、第2の錠剤検知センサが錠剤を検知したら錠剤供給機構の動作を一旦停止するという動作を1回あるいは複数回繰り返した後に、既定の速度錠剤供給機構の動作を再開することで、より確実な自動復旧を実現することができる。
すなわち、錠剤及び錠剤の間隔を検知するセンサを二重に設けたことで、トラブルの発生を未然に防ぐとともに、確実に錠剤保管放出機構に供給できたことを確認することができ、正確で、安心な装置を提供することができる。
なお、第1の錠剤検知センサは反射型光センサ、第2の錠剤検知センサは透過型光センサが好適であるが、錠剤を確実に検知できるセンサであれば、どのようなものであってもよい。
また、このようにすると、予め、複数の区画に1錠ずつ、あるいは指定錠数ずつ、錠剤が供給され、保管されているため、調剤時に、短時間で錠剤を放出することができ、効率的な分包処理が可能となる。
次に、本発明の第4の態様は、第1の態様の錠剤供給保管放出装置であって、その錠剤保管放出機構が、
−略鉛直の円筒状外壁と、
−略鉛直の円筒状内壁と、前記内壁と前記外壁との間に設けられた複数の放射状の羽根とで、錠剤を1個ずつ保管できる、複数の、上面及び下面が開放された区画を形成した水車状マス体と、
−前記水車状マス体の下面を、1つの前記区画に対応する開口部を除いて、閉鎖するように設けられる閉鎖平板と、
−前記水車状マス体に保管された錠剤を、前記水車状マス体を回転させて前記開口部から放出するマス体回転モータと
を有する水車状マス体錠剤保管放出機構であることを特徴としてもよい。
−略鉛直の円筒状外壁と、
−略鉛直の円筒状内壁と、前記内壁と前記外壁との間に設けられた複数の放射状の羽根とで、錠剤を1個ずつ保管できる、複数の、上面及び下面が開放された区画を形成した水車状マス体と、
−前記水車状マス体の下面を、1つの前記区画に対応する開口部を除いて、閉鎖するように設けられる閉鎖平板と、
−前記水車状マス体に保管された錠剤を、前記水車状マス体を回転させて前記開口部から放出するマス体回転モータと
を有する水車状マス体錠剤保管放出機構であることを特徴としてもよい。
なお、ここで水車状マス体は、円筒状内壁と羽根とで構成され、円筒状内壁と円筒状内壁に保持される羽根が回転することが好適であるが、円筒状外壁を含むものとして一体で構成され、円筒状外壁と円筒状外壁に保持される羽根が回転するようにしてもよいし、あるいは、円筒状内壁と円筒状外壁と羽根とが一体となって回転するようにしてもよい。
また、区画は、円筒状外壁と円筒状内壁と羽根とで箱状に形成してもよく、いずれの場合でも、錠剤を1錠ずつ保管できる区画が形成されていればよい。
このようにすると、略水平面に円周状に形成された多数の区画を有する水車状マス体を回転させ、空の区画を、順次、錠剤供給機構に相対させることで、錠剤供給機構から1錠ずつ供給される錠剤を、確実に、高速で、かつ大容量で、錠剤保管放出機構に保管することができ、分包処理の際も、スピーディな処理が可能となる。
なお、マス体の寸法、及び、各区画の体積などは、保管すべき錠剤の寸法に応じて、変更する、あるいは、複数種類を用意しておくことが、効率的な運用のためには望ましい。
また、本発明の第5の態様は、第4の態様の錠剤供給保管放出装置であって、前記水車状マス体と前記閉鎖平板とを、更に1層以上積層し、前記開口部を上層から順に1区画分ずつずらして設けたことを特徴とする水車状マス体錠剤保管放出機構を有することを特徴としてもよい。
このようにすると、水車状マス体を多層としたから、機械の設置面積を増大させることなく、高さ方向のみの増加で、1錠ずつ分離した状態で保管できる錠剤の数が飛躍的に増大する。これによって、特に、大規模薬局での効率的な調剤が可能となる。
また、本発明の第6の態様は、第1の態様の錠剤供給保管放出装置であって、その錠剤供給機構が、
−略水平面を有し、上面に錠剤を載置して回転可能な円形平板と、
−前記円形平板の上面の外周側に設けた外周側円筒ガイド体と、
−前記円形平板の上面の前記外周側円筒ガイド体より内側に設けた内周側円筒ガイド体と、
−前記円形平板、前記外周側円筒ガイド体、前記内周側円筒ガイド体とで形成され、前記円形平板の回転によって錠剤を搬送する錠剤搬送部と、
−前記外周側円筒ガイド体及び/又は前記内周側円筒ガイド体から前記錠剤搬送部に突出させて設けた、錠剤の量、間隔、向きの、少なくともいずれか一つを規制する規制体と
を有する汎用錠剤供給機構であることを特徴としてもよい。
−略水平面を有し、上面に錠剤を載置して回転可能な円形平板と、
−前記円形平板の上面の外周側に設けた外周側円筒ガイド体と、
−前記円形平板の上面の前記外周側円筒ガイド体より内側に設けた内周側円筒ガイド体と、
−前記円形平板、前記外周側円筒ガイド体、前記内周側円筒ガイド体とで形成され、前記円形平板の回転によって錠剤を搬送する錠剤搬送部と、
−前記外周側円筒ガイド体及び/又は前記内周側円筒ガイド体から前記錠剤搬送部に突出させて設けた、錠剤の量、間隔、向きの、少なくともいずれか一つを規制する規制体と
を有する汎用錠剤供給機構であることを特徴としてもよい。
なお、ここで、錠剤の向きを規制するとは、立位の錠剤を寝かせることや、長円形錠剤を長手方向に揃えることや、半円形や多角形の錠剤を安定した方向に整位することなどが含まれるが、そのいずれかを実施できればよいものとする。
本発明における汎用錠剤供給機構は、単一種類の錠剤に特化して供給を行う専用錠剤供給機構とは異なり、錠剤の幅や厚さが変化しても、それぞれの錠剤を正確に計数して放出することができる装置である。
このようにすると、円形平板と外周側円筒ガイド体と内周側円筒ガイド体とで形成される錠剤搬送部に投入される錠剤が、規制体の働きによって1錠ずつに分離され、放出されることになる。
ここで、規制体は、錠剤搬送部の一部を遮蔽する、略鉛直方向に屹立する平板構造が好適であり、高さ規制部材や幅規制部材の規制寸法を変更する機構は有しておらず、単純な構造で、1錠ずつの放出が可能となる。
更に、規制体が単純な部材であり、錠剤が挟まったり引っかかったりする要素が少ないため、半円形状や菱形などの多様な形状の錠剤に対する搬送性能が維持される。
なお、本発明の汎用錠剤放出機構は、錠剤が前記円形平板上を搬送される際に、前記円形平板の外周側から内周側に錠剤を誘導する規制体と、前記円形平板の内周側から外周側へ錠剤を誘導する規制体とを交互に設けたことを特徴としてもよい。
具体的には、錠剤が供給される上流部分では外周側から内周側に錠剤を誘導する規制体を設けて、円形平板の回転時に遠心力で外周側円筒ガイド体の方に寄って行く錠剤を、緩やかに内周側円筒ガイド体の方へ誘導し、錠剤の塊をほぐすことができる。
次に、その下流では、円形平板の内周側から外周側へ錠剤を誘導する規制体を設けて、錠剤を外周側円筒ガイド体の方へ遠心力を用いて加速させて搬送し、錠剤の間隔を広げることができる。
このような操作を繰り返すことにより、錠剤を1錠ずつ、適切な間隔で放出することができ、併せて、多様な形状の錠剤に対しても、厳しい高さ規制や幅規制を行わないため、搬送性能が維持される。
なお、本発明の汎用錠剤放出機構は、前記規制体に、錠剤の片面のみを当接させて搬送することを特徴としてもよい。
これまで述べたように、規制体は単純な平板構造が好適であり、錠剤は、単一の規制体のみに当接しており、複数の規制体に挟まれるようには構成されていない。
このようにすると、単純な構造でありながら、錠剤の損傷などのトラブルが発生しにくく、また、多様な形状の錠剤の搬送にも対応が可能である。
なお、本発明の汎用錠剤放出機構は、前記規制体の下部に、錠剤の進行方向に従って隙間が広くなる、重なり錠剤分離用開口部を有することを特徴としてもよい。
なお、重なり錠剤分離用開口部は、錠剤搬送部の終端に近く、また、錠剤を外周側から内周側へ減速しながら誘導する規制体に設けることが、分離の効果を高める点から好適であるが、これに限定されず、他の規制体に設けてもよい。全体の構成から有利になる場合もあり得る。
また、本発明の第7の態様は、薬剤分包機であって、本発明の第1の態様の錠剤供給保管放出装置を複数搭載し、前記複数の錠剤供給保管放出装置からの錠剤をまとめて分包しうることを特徴としてもよい。
このようにすると、薬剤分包機に、高速で、かつ、多数の錠剤を放出しうる装置を複数台搭載したから、分包作業の効率が極めて向上する。
なお、この場合に、錠剤供給保管放出装置への錠剤の供給は、薬剤分包機に搭載した後に行うことが通常ではあるが、薬剤分包機に搭載せずに、独立して行わせることもできる。
そのようにすれば、専用錠剤放出装置で扱えない、特殊形状の錠剤が多数あった場合などに、薬剤分包機の動作中に、この錠剤供給保管放出装置を用いて準備することができ、効率的な運用を行うことができる。
本発明によれば、錠剤供給保管放出装置、及びその錠剤供給保管放出装置を組み込んだ薬剤分包機において、錠剤を分包処理する際に、正確に、かつ、短時間で処理が可能なように、分包処理の前に事前に錠剤を1錠ずつ供給し、それを1錠ずつ保管しておき、分包時に速やかに放出することができ、効率的な分包作業が実現できる。
また、錠剤供給保管放出装置の錠剤供給機構から錠剤保管放出機構への錠剤の移送について、錠剤検知センサを2重に設けたから、錠剤が1錠ずつに分離されずに錠剤保管放出機構に供給される事態を防止することができる。
また、錠剤の保管容量の大きな錠剤保管放出機構を設けたから、多量の錠剤の処理も可能となった。
更に、錠剤保管放出機構の前段に、異なる寸法・形状であっても対応可能な、汎用の錠剤供給機構を設けたから、専用錠剤供給機構の場合と比べ、種々の錠剤への対応がフレキシブルに行えるようになった。
以下、実施形態に係る錠剤供給保管放出装置及び錠剤供給保管放出装置を組み込んだ薬剤分包機を、図面を用いて説明する。
なお、本実施形態では、錠剤として説明するが、錠剤に限定するものではなく、カプセル剤などの薬剤にも適用可能である。
図1は本発明に係る薬剤分包機1の一実施形態の斜視図であり、一部、内部装置を外した状態を示している。また、図2は本発明に係る薬剤分包機の一実施形態の部分断面図であり、専用錠剤放出装置3および錠剤供給保管放出装置20を配列した棚2の部分と錠剤落下経路とを示す断面図である。
薬剤分包機1の筐体には、前面から見て横方向に配列した棚2が取り付けられており、上から4段分の棚には各列10個の専用錠剤放出装置3が搭載できるようになっていて、下から2段分の棚には各列5個の錠剤供給保管放出装置20が搭載されている。
専用錠剤放出装置3は専用錠剤放出装置設置台4に設置される。専用錠剤放出装置3の駆動用のモータ5の軸端のカップリング6は、専用錠剤放出装置3が専用錠剤放出装置設置台4に装着されると、回転羽根7の下部カップリング8と係合するようになっている。
そして、錠剤払い出し指令によってモータ5が回転すると、回転羽根7が回転し内蔵する錠剤Pが専用錠剤放出装置設置台4を通過して1錠ずつ放出される。このとき図示しないセンサで、この錠剤通過を検出した上で、垂直シュート9の内部を落下していき、下部開口10から、落下していき、シュート11を介して、公知の錠剤包装装置12に導入され、出口13から、1回服用分だけ個包されて連続分包紙14として排出されるものである。
同様に、錠剤供給保管放出装置20からも下部開口10から、シュート11を介して、公知の錠剤包装装置12に導入される。なお、錠剤供給保管放出装置20の構成及び動作については以下に詳述する。
図3は本発明に係る錠剤供給保管放出装置20の斜視図であって、図3(a)が全ての機構を組み込んだ状態、図3(b)が一部を取り外した状態を示す。また、図4は本発明に係る錠剤供給保管放出装置20における一部機構の引き出し状態を示す斜視図であり、更に、図5は本発明に係る錠剤供給保管放出装置20の内部構造を示す断面図であり、図6も本発明に係る錠剤供給保管放出装置20の内部構造を示す断面図である。
<錠剤供給保管放出装置の構成>
錠剤供給保管放出装置20は、上部が錠剤供給機構30、下部が錠剤保管放出機構40であり、錠剤供給保管放出装置本体部60を共用している。
錠剤供給保管放出装置20は、上部が錠剤供給機構30、下部が錠剤保管放出機構40であり、錠剤供給保管放出装置本体部60を共用している。
<錠剤供給機構の構成>
まず、錠剤供給機構30の構成について説明する。錠剤供給機構30としては、錠剤の幅や厚さが変化しても、それぞれの錠剤を正確に計数して放出することができる汎用錠剤供給機構であることが好適であり、これ以降は、錠剤供給機構を、汎用錠剤供給機構として説明するが、それに限定されず、錠剤を1錠ずつ供給できる機構であればどのようなものでもよい。
まず、錠剤供給機構30の構成について説明する。錠剤供給機構30としては、錠剤の幅や厚さが変化しても、それぞれの錠剤を正確に計数して放出することができる汎用錠剤供給機構であることが好適であり、これ以降は、錠剤供給機構を、汎用錠剤供給機構として説明するが、それに限定されず、錠剤を1錠ずつ供給できる機構であればどのようなものでもよい。
錠剤供給機構30は、錠剤保管放出機構と共用で設けられた錠剤供給保管放出装置本体部60と、錠剤供給カセット31と、円形フタ32とから構成されており、図3(b)及び図4(a)に示すように、錠剤供給カセット31は本体部60からスライドして着脱可能となっており、円形フタ32ははめ込み式で着脱可能になっている。
図7は本発明に係る錠剤供給機構の一実施形態の平面図、図8は本発明に係る錠剤供給機構の一実施形態を説明する模式図、図9は本発明に係る錠剤供給機構の一実施形態の部分の説明図であり、図3から図6と併せて、錠剤供給機構の構成を説明する。
錠剤供給カセット31には錠剤収容部の底面を形成する回転円盤107が設けられている。この回転円盤107は、中心部108が下に円錐状に窪んでおり、外周部には外周平板109が形成されていて、その回転軸心には、平歯車110が取り付けられ、中間歯車111等を介して、本体部60に取付けられたモータM1の軸101の駆動歯車102に噛み合わされて、回転円盤107を矢印103方向に回転駆動することができる。
なお、回転円盤107の外周平板109は、「回転平板」の一例である。
この中央円錐窪み108の表面には放射状の突起リブ108aが設けられ、収容された錠剤に対する摩擦搬送力を強化している。
なおこの回転円盤107は中心部が窪んでいない平板であっても、この円盤内の錠剤量が少なければ、問題ない。これも「回転平板」の一例である。
錠剤供給カセット31には錠剤の搬送を規制するために、円形フタ32が閉じた状態で回転円盤107に接して、その外周部を円筒状に囲う外周側円筒ガイド体132が設けられ、また、外周側円筒ガイド体132と同心で、中心寄りに、内周側円筒ガイド体131が設けられる。
なお、これらのガイド体には各種のガイド体(規制体)が設けられているか、これは後で詳述する。
更に、円盤外周には、放出された錠剤を受け取る出口シュート113が設けられている。
<錠剤保管放出機構の構成>
錠剤保管放出機構としては、水車状のマス体を用いて錠剤の保管・放出を行わせる、水車状マス体錠剤保管放出機構が好適であり、これ以降は、錠剤保管放出機構を、水車状ます体錠剤保管放出機構として説明するが、それに限定されず、錠剤を1錠ずつ保管して、その後、放出できるものであればどのようなものでもよい。
錠剤保管放出機構としては、水車状のマス体を用いて錠剤の保管・放出を行わせる、水車状マス体錠剤保管放出機構が好適であり、これ以降は、錠剤保管放出機構を、水車状ます体錠剤保管放出機構として説明するが、それに限定されず、錠剤を1錠ずつ保管して、その後、放出できるものであればどのようなものでもよい。
図10は本発明に係る錠剤保管放出機構40の正面及び背面の斜視図であり、これまでの図3から図6までと併せて、錠剤保管放出機構40の構成を説明する。
錠剤保管放出機構40は、共用する本体部60と、本体部60からスライド式に脱着可能な錠剤保管カセット41とを有する。
錠剤保管カセット41は、上面が開放された略鉛直の円筒状外壁42、略円板状でその外周が、略鉛直方向に立ち上がる円筒状内壁43を形成し、中心軸44を中心としてする回転円板45、その回転円板45の外周(円筒状内壁43)と円筒状外壁42との間に、円周上に均等に設けられた複数の放射状の羽根46とで、錠剤を1個ずつ保管できる複数の区画47を形成している。
このように、円筒状内壁43と羽根46によって放射状に区画47が形成された構造を水車状マス体48と名付ける。この実施形態では水車状マス体48a、48bの2層が設けられており、それを構成する各々の要素にもa、bを付して説明することがある。
本実施形態では、水車状マス体48の各層には円筒状内壁43と羽根46によって、22個所の区画47が形成されるので、これが上下に2層で合計44個所の区画47が形成される。なお、この区画47の数については、各層22個所に限定するものではない。装置全体の寸法、錠剤の寸法などによって適宜選択すればよい。
2層の水車状マス体48a、48bの回転軸心には、平歯車49が取り付けられ、中間歯車50などを介して、本体部60側に取付けられたモータM2の軸51の駆動歯車52に噛み合わされており、水車状マス体48a、48bを矢印103方向に回転駆動することができる。
さらに水車状マス体48a・48bの上下にはほぼ接して、その外周の1ケ所に水車状マス体48a・48bの1マス(1区画)分の寸法に対応した切欠き穴53a・53b・53cを有する3枚の回転せず固定の、区画47の下方を閉鎖する閉鎖円板54a・54b・54cが設けられている。
図11は本発明の錠剤保管放出機構の閉鎖円板及び切欠き穴の関係の説明図であり、切欠き穴53a・53b・53cの位置は、切欠き穴53aが、錠剤供給機構30の出口シュート113に対向して、錠剤供給機構30から錠剤が落下した時に、これを水車状マス体48aの区画47aに収容できる位置として、切欠き穴53bは、切欠き穴53aから、上方から見て反時計方向に1マス分ずれた位置で、切欠き穴53cは切欠き穴53bから、上方から見て反時計方向に1マス分ずれた位置で、錠剤保管放出機構40の放出口55から錠剤を下方に落下させることができる。
図10(b)及び図10(c)は、錠剤保管カセット41の背面を示す斜視図ならびに背面透視図でありる。水車状マス体48bの裏面側の円周状に磁石56と磁石57が配列していて、磁石56は円周上に1ケ所、水車状マス体48a・48bの原点として、磁石57は円周状に22ケ所、水車状マス体48a・48bの1マス分に対応して埋め込まれている。
これらは、本体部60の磁気センサS3・S4によって検出され、駆動開始時に水車状マス体48a・48bが原点に位置するように制御するとともに、1錠落下毎に1マス分だけ水車状マス体48a・48bを回転停止するように制御するために供される。
ここで、水車状マス体48a・48bの原点とは切欠き穴53aが、錠剤供給機構30の出口シュート113に対向する位置である。
なお、本体部60の表面に取付けられたバーコード読取り器61bは錠剤保管カセット41の背面に貼り付けられたバーコード58を読み取るためのものである。同様に、本体部60の表面に取付けられたバーコード読取り器61aは錠剤供給カセット31の背面に貼り付けられたバーコード(図示せず)を読み取るためのものである。
<錠剤供給保管放出装置制御部の構成>
錠剤供給機構及び錠剤保管放出機構の動作を制御するために、図示しない錠剤供給保管放出装置制御部が設けられており、錠剤供給機構から錠剤を1錠ずつ錠剤保管放出機構へと供給し、錠剤保管放出機構に保管させる。
錠剤供給機構及び錠剤保管放出機構の動作を制御するために、図示しない錠剤供給保管放出装置制御部が設けられており、錠剤供給機構から錠剤を1錠ずつ錠剤保管放出機構へと供給し、錠剤保管放出機構に保管させる。
錠剤保管放出機構からは必要に応じて、水車状マス体48a、48bの区画47a、47bに保管された錠剤を1錠ずつ放出するように制御する。
なお、後述する薬剤分包機に組み込まれた際は、薬剤分包機に設けられた薬剤分包機制御部からの指示で、供給、保管、または、放出動作を行うこともあり、薬剤分包機の制御部が、錠剤供給保管放出装置制御部の機能を兼ねるようにしてもよい。
<薬剤分包機及び錠剤供給保管放出装置の動作>
次に、錠剤供給保管放出装置20の動作を説明する。まず、錠剤供給機構30の動作を説明し、引き続き、錠剤保管放出機構40の動作を説明し、最後に薬剤分包機1に組み込まれた場合の動作を説明する。
次に、錠剤供給保管放出装置20の動作を説明する。まず、錠剤供給機構30の動作を説明し、引き続き、錠剤保管放出機構40の動作を説明し、最後に薬剤分包機1に組み込まれた場合の動作を説明する。
<錠剤供給機構の動作>
まず、錠剤供給機構30の円形フタ32を取り外して、上部から特定種の複数の錠剤を投入する。すると、そのほぼ真下は回転円盤107の中央の円錐窪み108であるので、錠剤はそこに収容される。
まず、錠剤供給機構30の円形フタ32を取り外して、上部から特定種の複数の錠剤を投入する。すると、そのほぼ真下は回転円盤107の中央の円錐窪み108であるので、錠剤はそこに収容される。
次に回転円盤が駆動されると錠剤は円錐窪108に接して設けられた曲線ガイド112に沿って外周側の外周平板109側の入口136に順次搬送され、後で詳述する各種のガイド体の働きによって、整列されて円盤外周から出口シュート113の入り口に1錠ずつ落下していく。
また回転円盤107の出口端115では外周側円筒ガイド体132が、錠剤Pが落下できるように開放されているが、錠剤放出時以外には、回転円盤107上の錠剤が誤って落下することのないように、ソレノイド116によって開閉駆動される回動型シャッタ117が設けられている。
また、回転円盤107の出口端115近傍(後述する第5室129内)に第1の錠剤検知センサS11が設けられ、これによって錠剤の通過の有無を検出して、一定時間錠剤の通過がなかったら、それによって、錠剤の放出完了を判定して、円盤の回転を停止する制御がされたり、錠剤の間隔が制御上で設定した間隔より狭くなったことを検出した場合は、これを制御部に報知して、制御部は、モータM1を停止したり、回転数を低下させる制御を行って錠剤間隔を拡大するということも行うことができる。
なお、第1の錠剤検知センサS11としては、このような構成においては、反射型の光センサが、検知精度などの点で好適である。ただし、それに限定するものではなく、透過型光センサ、光以外のセンサ(超音波センサ、接触センサなど)であっても状況によってはふさわしい場合もある。
出口シュート113の入り口の下方には、第2の錠剤検知センサS12が設けられ、これで通過する錠剤の数量をカウントする。
なお、第2の錠剤検知センサS12としては、このような構成においては、透過型の光センサが、検知精度などの点で好適である。ただし、それに限定するものではなく、反射型光センサ、光以外のセンサ(超音波センサ、接触センサなど)であっても状況によってはふさわしい場合もある。
さらにシュートを落下する錠剤Pは出口シュート出口118から、斜めシュート119を滑り落下し、前後スライド棚2aの垂直シュート9の内部を落下していき、さらに下部開口10から、落下していく。
次に、外周側円筒ガイド体132と内周側円筒ガイド体131の構造と、それぞれの役割を詳述する。外周側円筒ガイド体132と内周側円筒ガイド体131とのいずれも、回転円盤107の外周平板109に対向して、僅かな隙間を設けて接して、外周平板109の内周側の内周側円筒ガイド体131と外周平板109の外周側の外周側円筒ガイド体132によって形成される円環部に対して、複数の部屋に区分けして、各部屋から次の部屋に錠剤を移送する。
ここで、複数の部屋を通過していくに従って、最初は複数のかたまりだった錠剤群の通過量を規制し、さらに上下に重なり合った錠剤を重なり錠剤分離の機構(後述する)で、1錠ずつに分離させ、最終的に円盤出口端115では、錠剤が1錠ずつ落下できるようにするものである。
矢印120は回転円盤107の回転方向を示すもので、あり、錠剤の搬送方向には、錠剤供給場所に形成される第1室121、第1室の出口へと錠剤を誘導する第1室出口ガイド部122、第1室出口ガイド部122の先に形成される第2室123、第2室の出口へと錠剤を誘導する第2室出口ガイド部124、第2室出口ガイド部124の先に形成される第3室125、第3室125の出口へと錠剤を誘導する第3室出口ガイド部126、第3室出口ガイド部126の先に形成される第4室127、第4室127の出口へと誘導する第4室出口ガイド部128、第4室出口ガイド部128の先に形成される第5室129が設けられている。
第1室121の搬送途中には、可撓性の高い弾性体ガイド130が設けられ、また、第5室129の搬送途中には第1の錠剤検知センサS11が設けられており、錠剤の通過及び錠剤の通過間隔が検知され、その後、錠剤は、円盤出口端115へと進行する。
なお、これらの第1室出口ガイド部122、第2室出口ガイド部124、第3室出口ガイド部126、及び第4室出口ガイド部128は、錠剤の搬送を規制する部材であることから、総称して「規制体」とする。
また、第1室出口ガイド部122と第3室出口ガイド部126については、回転円盤107の回転方向に、若干、膨出している。これによると、各室の狭い空間で錠剤が各規制体に接触する沿面距離を増大して規制効果を高めるとともに、錠剤の搬送方向の変換を滑らかにするためであるが、それに限定せず、直線形状であってもよく、その場合は、構造が簡素化される利点はある。
ここで、模式図によって、規制体による錠剤Pの搬送の規制の効果を説明する。図9は本発明に係る汎用錠剤放出装置の一実施形態の回転円盤107、内周側円筒ガイド体131、及び外周側円筒ガイド体132の円周方向を直線に展開した模式図である。
回転円盤107の外周円盤109、内周側円筒ガイド体131及び外周側円筒ガイド体132によって形成された円環状の錠剤搬送部133は、展開によって直線経路として示され、複数の矢印134で示すように、各部の周速度は外周側にいくに従って高速になる。
小さなカッコ記号部135は円錐状に窪んだ中心部108に相当し、ハッチングをした直線部は、内周側円筒ガイド体131に相当する。
第1室121では、円錐状に窪んだ中心部108に無秩序に積層した錠剤Pが、入口部136から外周円盤109側に移動して、弾性体ガイド130に補助されて外周側に移動して、概ね矢印137のような方向で、第1室出口ガイド部122側に寄せ付けられる。
ここで、第1室出口ガイド部122は、外周円盤109の外周側から内周側に錠剤を誘導するように設けられているため、回転円盤107の回転時の遠心力で外周側円筒ガイド体132の方に寄って行く錠剤を、緩やかに内周側円筒ガイド体131の方へ誘導し、錠剤の塊をほぐすことができる。
また、直接第1室出口ガイド部122に接している錠剤P1は、矢印137のように第2室123側に移動するが、直接第1室出口ガイド部122に接していない錠剤P2は、矢印138のように円錐状に窪んだ中心部108側に戻される。
すなわち第1室121では、第2室123側に移動する錠剤の量を第2室出口ガイド部124の面に錠剤が接しうる程度の量に規制する働きを有する。
第2室123では、錠剤は第2室出口ガイド部124に接して搬送されるが、第2室出口ガイド部124は、外周円盤109の内周側から外周側に錠剤を誘導するように設けられており、かつ、錠剤は遠心力によって外周側に移動するに従って増速されるため、徐々に錠剤間隔が広げられる。
図9は本発明に係る汎用錠剤放出装置の一実施形態の第3室出口ガイド部126の説明図である。
第3室125では、錠剤は第3室出口ガイド部126に接して外周側から内周側に向けて搬送されるが、第3室出口ガイド部126の下部は、錠剤の進行方向に従って隙間が広くなる、略円弧状の重なり錠剤分離用開口部139(重なり錠剤分離機構)になっている。
稀ではあるが図9(a)のようにP3・P4のごとくに2枚重なって搬送された錠剤については、図9(b)のように、外周平板109に接した錠剤P3は、外周平板109の回転力と第3室出口ガイド部126の誘導とによって内周側へと進んでいって、錠剤P3の上角が、重なり錠剤分離用開口部139の上側から離れることで、次の第4室127側に移動できるが、その瞬間では上側の錠剤P4は重なり錠剤分離用開口部139の上側によって前進を阻止されて、図9(c)から図9(d)に示すように、2枚重なりを崩して1枚ずつにすることができる。
なお、重なり錠剤分離用開口部139は、錠剤搬送部133の終端に近く、また、錠剤を外周側から内周側へ減速しながら誘導する第3室出口ガイド部126に設けることが、分離の効果を高める点から好適であるが、これに限定されず、他の規制体に設けてもよい。全体の構成から有利になる場合もあり得る。
なお、この部分は、厳密な高さ規制ではなく、錠剤に合わせて変更する必要はほとんどない。万一、複数の錠剤が続けて落下してしまった場合には、第1の錠剤検知センサS11、あるいは、第2の錠剤検知センサS12の出力波形の異常として検出して信号を出して、装置を停止することで、計数不一致を防止することができる。
第4室127では、錠剤は第4室出口ガイド部128に接して搬送され、内周側から外周側に誘導されるが、外周側に移動するに従って増速されることによって、徐々に錠剤間隔を広げる働きをする。
第4室出口ガイド部128の終端128aから第5室129側となるが、ガイド体128aの搬送方向に対してなす角度が小さくなることで、錠剤への搬送力が大きくなるため、さらに増速され、次の錠剤との間隔を十分に広げて開けて、出口115から出口シュート113に落下していく。
なお、出口115の手前の錠剤搬送間隔は第1の錠剤検知センサS11で監視しており、錠剤間隔があらかじめ指定した値より小さくなった場合には、第2の錠剤検知センサS12のカウント以前に、制御部に対して、駆動モータM1の停止を指示することで、駆動モータM1が停止したときには、次の錠剤が落下する恐れを排除する。
第2の錠剤検知センサS12は、落下してくる錠剤をカウントすることで、別に指示される錠剤数量に達すると、制御部を介して駆動モータM1の停止を指示し、駆動モータM1が停止したときには、次の錠剤が落下する恐れはない。
すなわち、錠剤供給機構30の出口115よりも上流部で、第1の錠剤検知センサS11が、錠剤と、錠剤の搬送される間隔(時間または距離)とを検知することができ、錠剤の搬送間隔が狭くなりすぎて1錠ずつに分離して次工程(錠剤保管放出機構40)に供給できないと判定された場合に、錠剤供給機構30の動作を停止させ、例えば、係員に間隔が狭くなった近傍の錠剤を取り除かせて、再度、錠剤供給機構30に投入し直させるなどにより、次工程に供給される前に未然に不具合を解消することができる。
また、別の対応としては、駆動モータM1が、正規速度と低速の2運転モードを有し、それらを切り換える搬送速度切換手段を有するようにしてもよい。そのようにすると、2個の錠剤間隔が接近していると判定した場合に、駆動モータM1を低速に切り替えて、錠剤が下流側の第2の錠剤検知センサS12で検出されると、駆動モータM1を停止し、その間に第2の錠剤検知センサS12に錠剤の通過がないことを確認してから、駆動モータM1を低速駆動して、次の錠剤が第2の錠剤検知センサS12で通過が確認されたら、再度、駆動モータM1を停止するという動作を所定時間ないし、所定錠数分繰り返したうえで、駆動モータM1を正規の速度に戻すように制御することで、係員の介在なしに、異常復旧を行うことができる。
なお、駆動モータM1の運転モードは2に限定せず、3以上あるいは無段階に変更できるようになっていてもよい。きめ細かな制御が可能になる場合もあり得る。
以上に詳述したごとく、規制体の錠剤に対する規制・整列効果によって、従来の問題点を解決することができるが、その要点は、円盤上の錠剤が、その両側を案内されることなく、常に片面だけが規制体に接触して案内するようにしたことである。
これによって、円形ではない半円状の半錠や、異形形状の錠剤であっても、つまりなく搬送することができる。
このようにして、1錠ずつ分離して搬送される錠剤は、次工程の錠剤保管放出機構へと供給される。
<錠剤保管放出機構の動作>
切欠き穴の位置は固定であり、切欠き穴53aは、錠剤供給機構30の出口シュート113に対応する位置に設けられており、切欠き穴53bは、切欠き穴53aから、上方から見て反時計方向に1マス分ずれた位置に設けられている。
切欠き穴の位置は固定であり、切欠き穴53aは、錠剤供給機構30の出口シュート113に対応する位置に設けられており、切欠き穴53bは、切欠き穴53aから、上方から見て反時計方向に1マス分ずれた位置に設けられている。
また、切欠き穴53cは切欠き穴53bから、上方から見て反時計方向に1マス分ずれた位置で、錠剤保管放出機構40の放出口55から錠剤を下方に落下させることができるようになっている。
ここで、錠剤供給機構30から供給される最初の錠剤は、切欠き穴53aを通って、水車状マス体48aの先頭のマス(区画)に充填される。
1錠が区画47aの先頭に充填されると、錠剤の落下を第2の錠剤検知センサS12で検知し、この検知出力を受けて、錠剤供給保管放出装置制御部が、各マスに対応した磁石57と磁気センサS4とを用いて、水車状マス体48aが1マス分だけ、上方から見て半時計方向に回転させられる。
引き続き、錠剤が供給され、充填されると、水車状マス体48aは、更に、1マス分だけ、回転させられる。
このようにして、22個所のマス(区画)のうち、21個所に供給がなされると、上層の水車状マス体48aは満杯となる。
22個目の錠剤の供給を受けるために、1マス分回転させると、水車状マス体48aの22番目のマスは未充填であるため、錠剤の供給を受けることはできるが、その後ろのマス、すなわち、先頭のマスに充填されていた最初の錠剤は、閉鎖円板54bに設けられた切欠き穴53bの位置に来るため、下層の水車状マス体48bへと落下する。
水車状マス体48bは、水車状マス体48aと同期して1マスずつ回転しているが、全て未充填の状態であり、落下した錠剤が先頭のマスに収容される。
その後も錠剤の供給を続けると、水車状マス体48a及び48bが、一体となって1マス分回転させられ、水車状マス体48aが1錠の錠剤を受け入れ、1錠の錠剤を水車状マス体48bに落下させ、水車状マス体48bには、1錠ずつ収容されていくことになる。
最終的に、42個所のマスに錠剤が充填されると、この機構としては満杯になる。
次に、薬剤分包機2に組み込んで、分包を作成する際には、全部のマスが満杯になっている場合は、水車状マス体48a、48bを1マス分回転させることによって、閉鎖円板54cに設けられた切欠き穴53cを通り、錠剤保管放出機構40の放出口55から、1錠放出させることができる。
更に、錠剤を追加放出する場合は、引き続き、水車状マス体48a、48bを1マスずつ回転させ、錠剤を放出させればよい。
なお、水車状マス体48a、48bが満杯でない場合には、先頭の錠剤の入ったマスが切欠き穴53cの位置にくるまで回転させればよく、それ以降は、1マス進ませることで、1錠を放出させることができる。
<薬剤分包機の動作>
薬剤分包機の制御部は、処方データに従って、専用錠剤放出装置3と錠剤供給保管放出装置20とを、1包に収容すべき錠剤に対応させて動作させる。
薬剤分包機の制御部は、処方データに従って、専用錠剤放出装置3と錠剤供給保管放出装置20とを、1包に収容すべき錠剤に対応させて動作させる。
そのようにすると、両方から放出される錠剤は、薬剤分包機1の垂直シュート9の下部開口10に落下し、他の錠剤と合流することができる。
その後は、シュート11を介して、公知の錠剤包装装置12に導入され、出口13から、1回服用分だけ個包されて連続分包紙14として排出される。
<変形例>
なお、これまで説明した錠剤供給保管放出装置20は、水車状マス体48を2層設けるとしたが、1層のみでもよい。容量は小さくなるが、高さ方向がコンパクトになる利点はある。
なお、これまで説明した錠剤供給保管放出装置20は、水車状マス体48を2層設けるとしたが、1層のみでもよい。容量は小さくなるが、高さ方向がコンパクトになる利点はある。
または、水車状マス体48を3層以上設けてもよい。高さ方向は増大するが、他の寸法関係は変化させずに収容能力を増大することができるため、大規模な薬局などで、多量の分包が必要になる場合には、有利になる。
以上の説明は全て1マス1錠とすることで、過誤の防止、作業の効率化を図るものであったが、薬局の運用上、特定の錠剤では2錠以上の指定錠数を1セットと扱う場合もあり、その特定の錠剤については、1錠ずつ分離して計数された錠剤を、1マス2錠以上の指定錠数を装填するように制御してもよい。これによって、本装置の収容能力は増大し、処理速度も向上させることができる。
本発明に係る装置は、調剤薬局などで幅広く利用されることが期待されており、大いに産業上の利用可能性を有する。
1 薬剤分包機
3 専用錠剤放出装置
12 錠剤包装装置
20 錠剤供給保管放出装置
30 錠剤供給機構(汎用錠剤供給機構)
40 錠剤保管放出機構(水車状マス体錠剤保管放出機構)
3 専用錠剤放出装置
12 錠剤包装装置
20 錠剤供給保管放出装置
30 錠剤供給機構(汎用錠剤供給機構)
40 錠剤保管放出機構(水車状マス体錠剤保管放出機構)
Claims (7)
- −複数の錠剤を一括して収容し、これを1錠ずつに分離して次工程に供給することのできる錠剤供給機構と、
−複数の区画を有し、前記錠剤供給機構から供給される錠剤を、前記区画のそれぞれに錠剤を1錠ずつ、あるいは指定錠数ずつ、収容するとともに、前記区画から錠剤を1錠ずつ、あるいは指定錠数ずつ、放出させることができる錠剤保管放出機構と
を有し、前記錠剤供給機構の次工程に錠剤を供給する出口付近の搬送路の上流部分に第1の錠剤検知センサを有し、更に前記搬送路の下流部分に第2の錠剤検知センサを有することを特徴とする錠剤供給保管放出装置。 - 前記第1の錠剤検知センサが錠剤の搬送される間隔を検知し、搬送間隔が狭くなりすぎて1錠ずつに分離して前記錠剤保管放出機構に供給できない場合に、前記錠剤供給機構の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の錠剤供給保管放出装置。
- 前記錠剤供給機構が搬送速度切換手段を有しており、前記第1の錠剤検知センサが錠剤の搬送される間隔を検知し、錠剤間隔が接近していると判定した場合に、前記錠剤供給機構の搬送速度切換手段が搬送速度を低速に切り換え、更に、前記第2の錠剤検知センサが錠剤を検知したら前記錠剤供給機構の動作を一旦停止することを特徴とする請求項1に記載の錠剤供給保管放出装置。
- 前記錠剤保管放出機構が、
−略鉛直の円筒状外壁と、
−略鉛直の円筒状内壁と、前記内壁と前記外壁との間に設けられた複数の放射状の羽根とで、錠剤を1個ずつ保管できる、複数の、上面及び下面が開放された区画を形成した水車状マス体と、
−前記水車状マス体の下面を、1つの前記区画に対応する開口部を除いて、閉鎖するように設けられる閉鎖平板と、
−前記水車状マス体に保管された錠剤を、前記水車状マス体を回転させて前記開口部から放出するマス体回転モータと
を有する水車状マス体錠剤保管放出機構であることを特徴とする請求項1に記載の錠剤供給保管放出装置。 - 前記水車状マス体と前記閉鎖平板とを、更に1層以上積層し、前記開口部を上層から順に1区画分ずつずらして設けたことを特徴とする水車状マス体錠剤保管放出機構を有する請求項4に記載の錠剤供給保管放出装置。
- 前記錠剤供給機構が、
−略水平面を有し、上面に錠剤を載置して回転可能な円形平板と、
−前記円形平板の上面の外周側に設けた外周側円筒ガイド体と、
−前記円形平板の上面の前記外周側円筒ガイド体より内側に設けた内周側円筒ガイド体と、
−前記円形平板、前記外周側円筒ガイド体、前記内周側円筒ガイド体とで形成され、前記円形平板の回転によって錠剤を搬送する錠剤搬送部と、
−前記外周側円筒ガイド体及び/又は前記内周側円筒ガイド体から前記錠剤搬送部に突出させて設けた、錠剤の量、間隔、向きの、少なくともいずれか一つを規制する規制体と
を有する
汎用錠剤供給機構であることを特徴とする請求項1に記載の錠剤供給保管放出装置。 - 請求項1に記載の錠剤供給保管放出装置を複数搭載し、前記複数の錠剤供給保管放出装置からの錠剤をまとめて分包しうることを特徴とする薬剤分包機。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210309 |