WO2022085700A1 - 3次元造形材料、樹脂成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用い、樹脂成形体の表面のシラノール縮合触媒量Aと、樹脂成形体の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たす樹脂成形体である。
A/B>1・・・式(1) 反りが抑制され、造形外観も良好であり、Z軸方向の強度(引張特性)に優れた樹脂成形体およびその製造方法を提供することができる。
Description
本発明は、3次元造形材料と、それを用いた樹脂成形体およびその製造方法に関するものである。
押出による熱積層堆積システム、即ち今日一般的に3次元プリンタ(3Dプリンター)と呼称されているシステム(例えば米国のストラタシス・インコーポレイテッド社製の熱積層堆積システム)は、流動性を有する原料を押出ヘッドに備えたノズル部位から押し出してコンピュータ支援設計(CAD)モデルを基にして3次元物体を層状に構築するために用いられている。その中でも材料押出法(ME法)は、原料を熱可塑性樹脂からなるフィラメントとして押出ヘッドへ挿入し、加熱溶融しながら押出ヘッドに備えたノズル部位からチャンバー内のX-Y平面基盤上に連続的に押し出し、押し出した樹脂を既に堆積している樹脂積層体上に堆積させると共に融着させ、これが冷却するにつれ一体固化する、という簡単なシステムであるため、広く用いられるようになってきている。ME法では、通常、基盤に対するノズル位置がX-Y平面に垂直方向なZ軸方向に上昇しつつ前記押出工程が繰り返されることによりCADモデルに類似した3次元物体が構築される(特許文献1、2)。
従来、ME法の原料としては、一般的にアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系樹脂やポリ乳酸等の熱可塑性樹脂が、成形加工性や流動性の観点から好適に用いられてきた(特許文献3~5)。
ME法は、上述の通り、熱溶融により樹脂を押し出して堆積した層をある程度冷却固化させてから次の層を積層するため、積層間の熱融着性に劣り、結果としてそのフィラメントよりなる樹脂成形体は、高さ(Z軸)方向の強度が弱くなる問題があった。
ME法は、上述の通り、熱溶融により樹脂を押し出して堆積した層をある程度冷却固化させてから次の層を積層するため、積層間の熱融着性に劣り、結果としてそのフィラメントよりなる樹脂成形体は、高さ(Z軸)方向の強度が弱くなる問題があった。
そこで、Z軸方向の強度を改善するために、これまで、造形に用いる材料に対して様々な工夫がなされてきた。
例えば、結晶性を調整し、造形時の冷却固化速度を調整することで、反りが抑制された3次元プリンタ用材料が開示されている(特許文献6)。この材料は、積層間の熱融着性に優れると共に、造形時の反りが抑制されることで樹脂成形体内部のひずみが低減し、Z軸方向の強度向上が期待できる。
例えば、結晶性を調整し、造形時の冷却固化速度を調整することで、反りが抑制された3次元プリンタ用材料が開示されている(特許文献6)。この材料は、積層間の熱融着性に優れると共に、造形時の反りが抑制されることで樹脂成形体内部のひずみが低減し、Z軸方向の強度向上が期待できる。
また例えば、不飽和シラン化合物によりポリオレフィンがグラフト変性された変性ポリオレフィンを用いて、反応基同士の反応により樹脂成形体中の積層間の接着性を向上することが開示されている。また、この反応基同士の架橋反応を促進させるため、3次元プリンタ用材料にシラノール縮合触媒を含むことも開示されている(特許文献7)。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献6に記載の、反りが抑制された3次元プリンタ用材料より作製された樹脂成形体では、未だZ軸方向の強度が十分でないことがわかった。また、特許文献7では、3次元プリンタ造形時に熱融着と同時にシラン官能基同士を反応させて成形し、フィラメント同士の熱接着性を向上させ、Z軸方向の強度を向上させ、優れた強度および靱性を示す3次元プリンタ成形体を提供することが記載されている。しかし、特許文献7のようにシラノール縮合触媒が3次元プリンタ用フィラメント中に含有すると、フィラメント製造中に架橋反応が起こり、造形時の押出特性や造形性が低下し、造形物が反ってしまったり、造形外観が悪化する。さらには、造形以前、造形中に大気中の湿気でフィラメント中の反応基同士の架橋反応が進んでしまうことで、樹脂成形体のZ軸方向の強度の向上に十分に寄与せず、また、連続での造形に向かない。従って、更なる改良が期待されていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、反りが抑制され、造形外観も良好であり、Z軸方向の強度(引張特性)に優れた樹脂成形体、また、それに用いられる造形材料、およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明の第一の態様としては、不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用い、樹脂成形体の表面のシラノール縮合触媒量Aと、樹脂成形体の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たす樹脂成形体がZ軸方向の強度(引張特性)を向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。
A/B>1 ・・・式(1)
A/B>1 ・・・式(1)
また、本発明の別の態様としては、不飽和シラン化合物により変性された樹脂を含む樹脂組成物を用いた3次元プリンタ用フィラメントを用いて樹脂成形体を造形した後、シラノール縮合触媒をこの樹脂成形体表面に塗布し、そのあとに架橋処理することで、造形前の架橋反応を抑制でき、かつ造形後の樹脂成形体において積層間での架橋反応を起こすことによりZ軸方向の強度(引張特性)が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明のさらに別の態様としては、不飽和シラン化合物により変性された樹脂を含有し、かつ、シラノール縮合触媒の含有量が0.015質量%未満である3次元造形材料を用いることで、造形性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用い、樹脂成形体の表面のシラノール縮合触媒量Aと、樹脂成形体の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たす樹脂成形体。
A/B>1 ・・・式(1)
[2]樹脂成形体が3次元プリンタにより造形されたものである[1]に記載の樹脂成形体。
[1]不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用い、樹脂成形体の表面のシラノール縮合触媒量Aと、樹脂成形体の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たす樹脂成形体。
A/B>1 ・・・式(1)
[2]樹脂成形体が3次元プリンタにより造形されたものである[1]に記載の樹脂成形体。
[3]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量は、ベース樹脂100質量%に対し、0.1質量%以上、5.0質量%以下である[1]または[2]に記載の樹脂成形体。
[4]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)は、0J/g以上、100J/g以下である[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[4]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)は、0J/g以上、100J/g以下である[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[5]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上、5000MPa以下である[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[6]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の結晶融解温度(Tm)が、50℃以上、200℃以下である[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[6]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の結晶融解温度(Tm)が、50℃以上、200℃以下である[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[7]上記シラノール縮合触媒が、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸、有機酸および無機酸エステルからなる群から選択される1種以上の化合物である[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[8]上記樹脂が、ポリオレフィン、エチレン・α-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族系重合体、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂である[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[8]上記樹脂が、ポリオレフィン、エチレン・α-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族系重合体、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂である[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂成形体。
[9]不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用い、造形後にシラノール縮合触媒を樹脂成形体表面に付与し、湿気架橋を行う樹脂成形体の製造方法。
[10]上記の造形が3次元プリンタによる造形である[9]に記載の樹脂成形体の製造方法。
[11]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量は、ベース樹脂100質量%に対し、0.1質量%以上、5.0質量%以下である[9]または[10]に記載の樹脂成形体の製造方法。
[10]上記の造形が3次元プリンタによる造形である[9]に記載の樹脂成形体の製造方法。
[11]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量は、ベース樹脂100質量%に対し、0.1質量%以上、5.0質量%以下である[9]または[10]に記載の樹脂成形体の製造方法。
[12]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)は、0J/g以上、100J/g以下である[9]~[11]のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
[13]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上、5000MPa以下である[9]~[12]のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
[13]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上、5000MPa以下である[9]~[12]のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
[14]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の結晶融解温度(Tm)が、50℃以上、200℃以下である[9]~[13]のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
[15]上記シラノール縮合触媒が、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸、有機酸および無機酸エステルからなる群から選択される1種以上の化合物である[9]~[14]のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
[15]上記シラノール縮合触媒が、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸、有機酸および無機酸エステルからなる群から選択される1種以上の化合物である[9]~[14]のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
[16]上記樹脂が、ポリオレフィン、エチレン・α-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族系重合体、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂である[9]~[15]のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
[17]不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用いた3次元造形材料であって、シラノール縮合触媒の含有量が0.015質量%未満であることを特徴とする、3次元造形材料。
[18]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量は、ベース樹脂100質量%に対し、0.1質量%以上、5.0質量%以下である[17]に記載の3次元造形材料。
[19]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)は、0J/g以上、100J/g以下である[17]又は[18]に記載の3次元造形材料。
[20]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上、5000MPa以下である[17]~[19]のいずれかに記載の3次元造形材料。
[21]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の結晶融解温度(Tm)が、50℃以上、200℃以下である[17]~[20]のいずれかに記載の3次元造形材料。
[18]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量は、ベース樹脂100質量%に対し、0.1質量%以上、5.0質量%以下である[17]に記載の3次元造形材料。
[19]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)は、0J/g以上、100J/g以下である[17]又は[18]に記載の3次元造形材料。
[20]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上、5000MPa以下である[17]~[19]のいずれかに記載の3次元造形材料。
[21]不飽和シラン化合物により変性された樹脂の結晶融解温度(Tm)が、50℃以上、200℃以下である[17]~[20]のいずれかに記載の3次元造形材料。
反りが抑制され、造形外観も良好であり、層間架橋によりZ軸方向の強度(引張特性)に優れた3次元造形材料、樹脂成形体およびその製造方法を提供できる。
[発明が効果を奏する理由]
本発明が効果を奏する理由は、未だ明らかではないが、以下のような理由と推察できる。
すなわち、本発明の樹脂成形体の製造方法によれば、造形前あるいは造形中に、樹脂の架橋による粘度上昇などが起きにくいため、連続して造形を行う際の造形性(連続造形性)が良好となり、造形品の反りも抑制され、樹脂成形体の生産性に優れ、かつ造形外観も良好な樹脂成形体を得ることができる。また、造形後にシラノール縮合触媒を添加し、樹脂成形体の層間を架橋させることで、Z軸強度(引張強度)が優れた樹脂成形体を得ることができるものと推察される。また、不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用い、かつシラノール縮合触媒の含有量が0.015質量%未満である3次元造形材料を用いることにより、上記製造方法による樹脂成形体の作成が可能となる。
本発明が効果を奏する理由は、未だ明らかではないが、以下のような理由と推察できる。
すなわち、本発明の樹脂成形体の製造方法によれば、造形前あるいは造形中に、樹脂の架橋による粘度上昇などが起きにくいため、連続して造形を行う際の造形性(連続造形性)が良好となり、造形品の反りも抑制され、樹脂成形体の生産性に優れ、かつ造形外観も良好な樹脂成形体を得ることができる。また、造形後にシラノール縮合触媒を添加し、樹脂成形体の層間を架橋させることで、Z軸強度(引張強度)が優れた樹脂成形体を得ることができるものと推察される。また、不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用い、かつシラノール縮合触媒の含有量が0.015質量%未満である3次元造形材料を用いることにより、上記製造方法による樹脂成形体の作成が可能となる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の樹脂成形体は、不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用いた樹脂成形体であって、該造形物の表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たすことを特徴とするとしている。
A/B>1・・・式(1)
本発明の樹脂成形体は、不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用いた樹脂成形体であって、該造形物の表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たすことを特徴とするとしている。
A/B>1・・・式(1)
<不飽和シラン化合物により変性された樹脂>
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂に含まれるベース樹脂としては、特に限定されるものではないが、具体例として以下のようなものが挙げられる。すなわち、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン共重合体、プロピレン/ブテン共重合体のようなポリオレフィン樹脂、エチレン・α-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族系重合体(スチレン系、SEBS、SBS、ABS等)、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(EVOH等)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン系樹脂が好ましい。このうち、変性のしやすさや造形性の観点から、ポリオレフィン樹脂やポリエステル系樹脂がより好ましい。また、ベース樹脂は、上記から選ばれる1つの樹脂からなっていてもよいし、複数を組み合わせてもよい。
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂に含まれるベース樹脂としては、特に限定されるものではないが、具体例として以下のようなものが挙げられる。すなわち、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン共重合体、プロピレン/ブテン共重合体のようなポリオレフィン樹脂、エチレン・α-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族系重合体(スチレン系、SEBS、SBS、ABS等)、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(EVOH等)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン系樹脂が好ましい。このうち、変性のしやすさや造形性の観点から、ポリオレフィン樹脂やポリエステル系樹脂がより好ましい。また、ベース樹脂は、上記から選ばれる1つの樹脂からなっていてもよいし、複数を組み合わせてもよい。
なお、後述のベース樹脂の物性は、単一種の樹脂であれば、その樹脂の物性値であり、複数種の樹脂を用いている場合は、混合物としての物性値を示している。
上述のベース樹脂に用いるオレフィン系樹脂は特に制限されるものではないが、プロピレンやエチレン、αオレフィン等の単量体を用いて、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により得ることができる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。オレフィン系樹脂の分子量には制限はないが、重量平均分子量は20,000以上が好ましく、より好ましくは50,000以上であって、1,000,000以下が好ましい。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてオルトジクロロベンゼン等を用いてGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を指す。本発明の3次元造形用材料に用いられるオレフィン系樹脂の具体例としては、たとえば、超低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン(エチレン-α-オレフィン共重合体)樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体などを挙げることができる。プロピレンと共重合可能な他の単量体としては、エチレンや1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-ペンテン-1、1-オクテン等の炭素数4~12のα-オレフィン及びジビニルベンゼン、1,4-シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネン等のジエン類等が例示できる。なお、これらの共重合形式(ランダム、ブロックなど)、分岐、分岐度分布や立体構造には特に制限がなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれらの混在した構造の重合体とすることができる。
上述のベース樹脂に用いるオレフィン系樹脂は特に制限されるものではないが、プロピレンやエチレン、αオレフィン等の単量体を用いて、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により得ることができる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。オレフィン系樹脂の分子量には制限はないが、重量平均分子量は20,000以上が好ましく、より好ましくは50,000以上であって、1,000,000以下が好ましい。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてオルトジクロロベンゼン等を用いてGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を指す。本発明の3次元造形用材料に用いられるオレフィン系樹脂の具体例としては、たとえば、超低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン(エチレン-α-オレフィン共重合体)樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体などを挙げることができる。プロピレンと共重合可能な他の単量体としては、エチレンや1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-ペンテン-1、1-オクテン等の炭素数4~12のα-オレフィン及びジビニルベンゼン、1,4-シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネン等のジエン類等が例示できる。なお、これらの共重合形式(ランダム、ブロックなど)、分岐、分岐度分布や立体構造には特に制限がなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれらの混在した構造の重合体とすることができる。
上述のベース樹脂に用いるオレフィン系樹脂は、本発明の要旨の範囲内であれば、特に制限されるものではないが、市販品を用いることができる。具体例として以下のようなものが挙げられる。すなわち、エンゲージ(登録商標、デュポンダウエラストマー社製)、インフューズシリーズ(登録商標、ダウケミカル社製)、タフマーシリーズ(登録商標、三井化学社製)、カーネルシリーズ(登録商標、日本ポリエチレン社製)、キャタロイ(登録商標、リオンデールバゼル社製)、アドフレックスシリーズ(登録商標、サンアロマー社製)、ウィンテックシリーズ(登録商標、日本ポリプロ社製)、ウェルネクスシリーズ(登録商標、日本ポリプロ社製)、ゼラスシリーズ(登録商標、三菱ケミカル社製)が好ましい。
上述のベース樹脂の密度の下限は特に限定されないが、フィラメントが屈曲しにくいことや造形する樹脂成形体の強度の観点から0.850g/cm3以上が好ましく、0.855g/cm3以上がより好ましく、0.860g/cm3以上がさらに好ましい。また、ベース樹脂の密度の上限は特に限定されないが、造形物の反り抑制や層間熱融着性の観点から0.940g/cm3以下が好ましく、0.935g/cm3以下がより好ましく、0.930g/cm3以下がさらに好ましい。
上述のベース樹脂のメルトインデックス(MI)の下限は特に限定されないが、高速造形性の観点から、190℃、荷重2.16kgfで測定した値で0.1g/10分以上であることが好ましく、1g/10分以上であることがより好ましく、2g/10分以上であることがさらに好ましい。また、ベース樹脂のメルトインデックス(MI)の上限は特に限定されないが、ベース樹脂の機械物性の観点から、190℃、荷重2.16kgfで測定した値で100g/10分以下であることが好ましく、50g/10分以下であることがより好ましく、35g/10分以下であることがさらに好ましい。
本発明のベース樹脂の結晶融解温度(Tm)の下限は特に限定されないが、耐熱性の観点から、50℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、105℃以上であることがさらに好ましい。また、結晶融解温度(Tm)の上限は特に限定されないが、利用可能な3Dプリンタの汎用性の観点から、300℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることがさらに好ましく、170℃以下であることがより好ましく、168℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂に用いる不飽和シラン化合物は限定されないが、下記式(A)で表される不飽和シラン化合物が好適に用いられる。
RSi(R’)3 ・・・(A)
上記式(A)において、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1~10の炭化水素基又は炭素数1~10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1~10のアルコキシ基である。
RSi(R’)3 ・・・(A)
上記式(A)において、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1~10の炭化水素基又は炭素数1~10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1~10のアルコキシ基である。
式(1)において、Rは好ましくは炭素数2~10のエチレン性不飽和炭化水素基であり、より好ましくは炭素数2~6のエチレン性不飽和炭化水素基である。具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基が挙げられる。
式(A)において、R’は好ましくは炭素数1~6の炭化水素基又は炭素数1~6のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1~4の炭化水素基又は炭素数1~4のアルコキシ基である。また、R’のうちの少なくとも1つは、好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1~4のアルコキシ基である。
式(A)において、R’は好ましくは炭素数1~6の炭化水素基又は炭素数1~6のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1~4の炭化水素基又は炭素数1~4のアルコキシ基である。また、R’のうちの少なくとも1つは、好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1~4のアルコキシ基である。
R’の炭素数1~10の炭化水素基は脂肪族基、脂環族基、芳香族基のいずれであってもよいが、脂肪族基であることが望ましい。また、R’の炭素数1~10のアルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましい。R’が炭化水素基の場合、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基、i-ブチル基、シクロヘキシル基等に代表されるアルキル基、又はフェニル基等に代表されるアリール基等が挙げられる。R’がアルコキシ基の場合、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、β-メトキシエトキシ基が挙げられる。
不飽和シラン化合物が前記式(A)で表される場合、3つのR’のうち少なくとも1つはアルコキシ基であるが、2つのR’がアルコキシ基であることが好ましく、全てのR’がアルコキシ基であることがより好ましい。
不飽和シラン化合物としては、式(A)で表されるものの中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、プロペニルトリメトキシシラン等に代表されるビニルトリアルコキシシランが望ましい。これはビニル基によってポリエチレンへの変性を可能とし、アルコキシ基によって後述の架橋反応が進行するからである。即ち、不飽和シラン化合物により変性ポリエチレンにグラフト変性されて導入されたアルコキシ基が、シラノール縮合触媒の存在下、水と反応して加水分解してシラノール基を生成させ、シラノール基同士が脱水縮合することにより、変性ポリエチレン同士が結合して架橋反応が起こる。
不飽和シラン化合物としては、式(A)で表されるものの中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、プロペニルトリメトキシシラン等に代表されるビニルトリアルコキシシランが望ましい。これはビニル基によってポリエチレンへの変性を可能とし、アルコキシ基によって後述の架橋反応が進行するからである。即ち、不飽和シラン化合物により変性ポリエチレンにグラフト変性されて導入されたアルコキシ基が、シラノール縮合触媒の存在下、水と反応して加水分解してシラノール基を生成させ、シラノール基同士が脱水縮合することにより、変性ポリエチレン同士が結合して架橋反応が起こる。
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量の下限は特に限定されないが、架橋後のZ軸強度を良好にする観点から、ベース樹脂100質量%に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。また、本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量の上限は特に限定されないが、造形前の不要な架橋を抑制する観点から、ベース樹脂100質量%に対し、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下が特に好ましく、1質量%以下が最も好ましい。
ここで、不飽和シラン化合物による樹脂の変性量とは、変性前のベース樹脂に対する変性により導入された不飽和シラン化合物の質量割合であり、サンプルを加熱燃焼させて灰化し、灰分をアルカリ融解して純水に溶解後定量し、高周波プラズマ発光分析装置を用いるICP発光分析法により測定した。
上記変性の際には、本発明の要旨の範囲内であれば不飽和シラン化合物以外の化合物を加えることができる。具体例として以下のようなものが挙げられる。すなわち、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸、及び、これらの酸無水物等である。また、不飽和シラン化合物以外の化合物は、上記から選ばれる1つの樹脂からなっていてもよいし、複数を組み合わせてもよい。
上記変性の際には、本発明の要旨の範囲内であれば不飽和シラン化合物以外の化合物を加えることができる。具体例として以下のようなものが挙げられる。すなわち、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸、及び、これらの酸無水物等である。また、不飽和シラン化合物以外の化合物は、上記から選ばれる1つの樹脂からなっていてもよいし、複数を組み合わせてもよい。
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂は、上記のベース樹脂に上記の不飽和シラン化合物を変性することにより製造することができる。変性の方法には特に制限は無く、公知の手法に従って行うことができ、例えば、溶液変性、溶融変性、電子線や電離放射線の照射による固相変性、超臨界流体中での変性等が好適に用いられる。これらの中でも設備やコスト競争力に優れた溶融変性が好ましく、連続生産性に優れた押出機を用いた溶融混練変性が更に好ましい。溶融混練変性に用いられる装置としては、例えば単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー等が挙げられる。これらの中でも連続生産性に優れた単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機が好ましい。
上記変性の際には、電子線や電離放射線の他、高温度とする方法や、有機、無機過酸化物等のラジカル発生剤を用いることで行うこともできる。コストや操作性の観点で有機過酸化物を用いることが好ましい。
変性に用いるラジカル発生剤は特に限定されないが、キュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド群、ジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル -2,5-ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン-3等のジアルキルパーオキサイド群、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド群、ターシャリーパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエイト、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル群、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド群に含まれる有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレート等アゾ化合物等が挙げられる。
変性に用いるラジカル発生剤は特に限定されないが、キュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド群、ジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル -2,5-ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン-3等のジアルキルパーオキサイド群、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド群、ターシャリーパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエイト、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル群、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド群に含まれる有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレート等アゾ化合物等が挙げられる。
<不飽和シラン化合物により変性された樹脂の製造方法>
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の製造方法は特に限定されるものではないが、一般的に用いられる溶融押出変性の操作としては、上記ベース樹脂、不飽和シラン化合物、及び有機過酸化物を配合、ブレンドして混練機や押出機に投入し、加熱溶融混練しながら押出しを行い、先端ダイスから出てくる溶融樹脂を水槽等で冷却して変性樹脂を得るものが挙げられる。
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の製造方法は特に限定されるものではないが、一般的に用いられる溶融押出変性の操作としては、上記ベース樹脂、不飽和シラン化合物、及び有機過酸化物を配合、ブレンドして混練機や押出機に投入し、加熱溶融混練しながら押出しを行い、先端ダイスから出てくる溶融樹脂を水槽等で冷却して変性樹脂を得るものが挙げられる。
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂のベース樹脂と不飽和シラン化合物との配合比率は特に限定されるものではないが、十分な変性量を得る観点から、ベース樹脂100質量部に対し、不飽和シラン化合物が1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましい。また、未反応の不要な化合物の残存を抑制する観点から、ベース樹脂100質量部に対し、不飽和シラン化合物が30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の不飽和シラン化合物と有機過酸化物との配合比率は特に限定されるものではないが、十分な変性量を得る観点から、不飽和シラン化合物100質量部に対し、有機過酸化物が1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましい。また、不要な成分の残存を抑制する観点から、不飽和シラン化合物100質量部に対し、有機過酸化物が30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂を溶融押出変性により製造する際の温度の下限は特に限定されないが、押出特性や生産性の観点から、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、140℃以上がさらに好ましく、150℃以上が特に好ましい。また、本発明の樹脂成型体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂を溶融押出変性により製造する際の温度の上限は特に限定されないが、樹脂の熱分解や生産時のハンドリングの観点から、420℃以下が好ましく、400℃以下がより好ましく、380℃以下がさらに好ましく、360℃以下が特に好ましい。
<不飽和シラン化合物により変性された樹脂の物性>
本発明の樹脂成形体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)の下限は特に限定されないが、耐熱性の観点から、0J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましく、20J/g以上がさらに好ましく、30J/g以上が特に好ましく、40J/g以上が最も好ましい。また、上限は特に限定されないが、樹脂成形体の反り低減の観点から、100J/g以下であることが好ましく、90J/g以下であることがより好ましく、80J/g以下であることがさらに好ましく、75J/g以下であることが特に好ましく、70J/g以下であることが最も好ましい。これにより、3次元造形時の結晶化収縮による造形物(樹脂成形体)の反りを低減することができる。また、該結晶化熱量(ΔHc)は、樹脂の組成や、上述のベース樹脂と不飽和シラン化合物とのブレンド比率などによって調整できる。
本発明の樹脂成形体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)の下限は特に限定されないが、耐熱性の観点から、0J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましく、20J/g以上がさらに好ましく、30J/g以上が特に好ましく、40J/g以上が最も好ましい。また、上限は特に限定されないが、樹脂成形体の反り低減の観点から、100J/g以下であることが好ましく、90J/g以下であることがより好ましく、80J/g以下であることがさらに好ましく、75J/g以下であることが特に好ましく、70J/g以下であることが最も好ましい。これにより、3次元造形時の結晶化収縮による造形物(樹脂成形体)の反りを低減することができる。また、該結晶化熱量(ΔHc)は、樹脂の組成や、上述のベース樹脂と不飽和シラン化合物とのブレンド比率などによって調整できる。
本発明の樹脂成形体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)の下限は特に限定されないが、造形時の屈曲抑制の観点から、10MPa以上が好ましく,20MPa以上がより好ましく、100MPa以上がさらに好ましく、200MPa以上が好ましく、300MPa以上がより好ましく、400MPa以上がさらに好ましく、500MPa以上が特に好ましく、600MPa以上が最も好ましい。これにより、フィラメント送り時の屈曲が抑制されて造形性に優れ、また造形した樹脂成形体の強度に優れる。また、上限は特に限定されるものではないが、5000MPa以下が好ましく、4000MPa以下がより好ましく、3000MPa以下がさらに好ましく、2000MPa以下が特に好ましく、1500MPa以下が最も好ましい。この範囲内であれば、フィラメントが適度な硬度となり、造形作業の際のハンドリング(プリンタへのフィラメントのセッティング等)がしやすいため、好ましい。また、該貯蔵弾性率(E’)は、樹脂の組成や、上述のベース樹脂と不飽和シラン化合物とのブレンド比率などによって調整できる。
本発明の樹脂成形体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、造形する際のノズル温度で2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)の下限は特に限定されないが、造形性を良好にする観点から、0.1g/10分以上が好ましく、0.2g/10分以上がより好ましく、0.3g/10分以上がさらに好ましい。また、上限は特に限定されないが、樹脂の機械物性を良好に維持する観点から、80g/10分以下が好ましく、50g/10分以下がより好ましく、40g/10分以下がさらに好ましい。このMIは、上述したベース樹脂のMIの調整等によって達成できる。
本発明の樹脂成形体に用いる不飽和シラン化合物により変性された樹脂の結晶融解温度(Tm)の下限は特に限定されないが、耐熱性の観点から、50℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、105℃以上であることがさらに好ましい。また、結晶融解温度(Tm)の上限は特に限定されないが、利用可能な3Dプリンタの汎用性の観点から、200℃以下であることが好ましく、190℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることがさらに好ましく、170℃以下であることがより好ましく、168℃以下であることがさらに好ましい。
<3次元造形材料>
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元造形材料は、、上述の不飽和シラン化合物により変性された樹脂を含有し、かつ、含有される不飽和シラン化合物により変性された樹脂量に対して、後述するシラノール縮合触媒の含有量が、0.015質量%以下である。シラノール縮合触媒の含有量は、好ましくは0.01質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以下であり、0質量%であることが最も好ましい。これにより、樹脂成型体の造形前に、造形材料内で架橋が進行することを抑制できるため、樹脂成形体の生産性に優れ、かつ造形外観も良好な樹脂成形体を得ることができる。また、造形後にシラノール縮合触媒を添加し、樹脂成形体の層間を架橋させることで、Z軸強度(引張強度)が優れた樹脂成形体を得ることができる。
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元造形材料は、、上述の不飽和シラン化合物により変性された樹脂を含有し、かつ、含有される不飽和シラン化合物により変性された樹脂量に対して、後述するシラノール縮合触媒の含有量が、0.015質量%以下である。シラノール縮合触媒の含有量は、好ましくは0.01質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以下であり、0質量%であることが最も好ましい。これにより、樹脂成型体の造形前に、造形材料内で架橋が進行することを抑制できるため、樹脂成形体の生産性に優れ、かつ造形外観も良好な樹脂成形体を得ることができる。また、造形後にシラノール縮合触媒を添加し、樹脂成形体の層間を架橋させることで、Z軸強度(引張強度)が優れた樹脂成形体を得ることができる。
本発明の3次元造形材料の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)の下限は特に限定されないが、耐熱性の観点から、0J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましく、20J/g以上がさらに好ましく、30J/g以上が特に好ましく、40J/g以上が最も好ましい。また、上限は特に限定されないが、樹脂成形体の反り低減の観点から、100J/g以下であることが好ましく、90J/g以下であることがより好ましく、80J/g以下であることがさらに好ましく、65J/g以下であることが特に好ましく、60J/g以下であることが最も好ましい。これにより、3次元造形時の結晶化収縮による造形物(樹脂成形体)の反りを低減することができる。また、該結晶化熱量(ΔHc)は、樹脂の組成や、上述のベース樹脂と不飽和シラン化合物とのブレンド比率などによって調整できる。
本発明の3次元造形材料の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)の下限は特に限定されないが、造形時の屈曲抑制の観点から、10MPa以上が好ましく,20MPa以上がより好ましく、100MPa以上がさらに好ましく、200MPa以上が好ましく、300MPa以上がより好ましく、400MPa以上がさらに好ましく、500MPa以上が特に好ましく、600MPa以上が最も好ましい。これにより、造形材料や、造形した樹脂成形体の強度に優れる。また、上限は特に限定されるものではないが、5000MPa以下が好ましく、4000MPa以下がより好ましく、3000MPa以下がさらに好ましく、2000MPa以下が特に好ましく、1500MPa以下が最も好ましい。この範囲内であれば、造形材料が適度な硬度となり、造形作業の際のハンドリング(プリンタへのフィラメントのセッティング等)がしやすいため、好ましい。また、該貯蔵弾性率(E’)は、樹脂の組成や、上述のベース樹脂と不飽和シラン化合物とのブレンド比率などによって調整できる。
本発明の3次元造形材料の、造形する際のノズル温度で2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)の下限は特に限定されないが、造形性を良好にする観点から、0.1g/10分以上が好ましく、0.2g/10分以上がより好ましく、0.3g/10分以上がさらに好ましい。また、上限は特に限定されないが、樹脂の機械物性を良好に維持する観点から、80g/10分以下が好ましく、50g/10分以下がより好ましく、40g/10分以下がさらに好ましい。このMIは、上述したベース樹脂のMIの調整等によって達成できる。
本発明の3次元造形材料の、結晶融解温度(Tm)の下限は特に限定されないが、耐熱性の観点から、50℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、105℃以上であることがさらに好ましい。また、結晶融解温度(Tm)の上限は特に限定されないが、利用可能な3Dプリンタの汎用性の観点から、200℃以下であることが好ましく、190℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることがさらに好ましく、170℃以下であることがより好ましく、168℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元造形材料は、実施の形態に合わせた形状で用いて構わない。形状は例えば、ペレット、粉体、顆粒、フィラメント等が挙げられる。中でも、フィラメント形状(以下、3次元プリンタ用フィラメントと記載する)で用いることが好ましい。
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元造形材料は、不飽和シラン化合物により変性された樹脂以外に、本発明の効果を損なわない程度にフィラー(有機系粒子、無機系粒子および補強材など)やその他の樹脂、その他の成分を含んでもよい。フィラー(有機系粒子、無機系粒子および補強材など)としては、以下に詳細を詳述する。その他の成分としては、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤(フェノール系、硫黄系、リン系)、帯電防止剤、結晶核剤、防錆剤、粘度調整剤、顔料等、その他の樹脂、ゴム、充てん剤、酸性化合物及びその誘導体、滑剤、難燃剤、衝撃改良剤、発泡剤、着色剤、有機過酸化物、無機添加剤、展着剤、ブロッキング防止剤、粘着付与剤などが挙げられる。
ここで、フィラーのうち有機系粒子の具体例としては、アクリル樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子などが挙げられる。
ここで、フィラーのうち無機系粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、カオリン、二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
ここで、フィラーのうち無機系粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、カオリン、二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
ここで、フィラーのうち補強材の具体例としては、無機充填材や無機繊維が挙げられる。無機充填材の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ガラスバルーン、ガラスフレーク、ガラス粉末、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、石膏、焼成カオリン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、ワラストナイト、シリカ、タルク、金属粉、アルミナ、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどが挙げられる。無機繊維の具体例としては、ガラスカットファイバー、ガラスミルドファイバー、ガラスファイバー、石膏ウィスカー、金属繊維、金属ウィスカー、セラミックウィスカー、炭素繊維、セルロースナノファイバーなどが挙げられる。
ここで、フィラーの含有量は、特に規定されないが、造形する樹脂成形体の強度の観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、造形する樹脂成形体の層間接着性低下を抑制する観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
上述のその他の樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、各種エラストマー等が挙げられる。上述のその他の樹脂は1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述のその他の樹脂の含有量は特に限定されないが、本発明の効果を得る観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
上述のその他の樹脂の含有量は特に限定されないが、本発明の効果を得る観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
上述のその他の成分は1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、その他の成分の配合量は、本発明の不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量部に対して50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましく、5質量部以下であることが特に好ましい。
また、その他の成分の配合量は、本発明の不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量部に対して50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましく、5質量部以下であることが特に好ましい。
ここで、その他の成分のうち酸化防止剤の具体例としては、フェノール系、硫黄系、リン系の酸化防止剤などが挙げられる。
また、酸化防止剤の含有量は、特に規定されないが、造形する樹脂成形体の強度の観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、0.1質量%~1質量%が好ましい。
また、酸化防止剤の含有量は、特に規定されないが、造形する樹脂成形体の強度の観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、0.1質量%~1質量%が好ましい。
ここで、その他の成分のうち紫外線吸収剤の具体例としては、2-ヒドロキシ-4-ノルマル-オクチルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアリゾール系、フェニルサルチレート、p-オクチルフェニルサルチレート等のサリチル酸エステル系などが挙げられる。
また、紫外線吸収剤の含有量は、特に規定されないが、造形する樹脂成形体の強度の観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、0.01質量%~1質量%が好ましい。
ここで、その他の成分のうち粘度調整剤の具体例としては、ゴム配合油、より具体的にはパラフィン系プロセスオイルなどが挙げられる。
また、粘度調整剤の含有量は、特に規定されないが、造形する樹脂成形体の強度の観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、0.5質量%~5質量%が好ましい。
ここで、その他の成分のうち粘度調整剤の具体例としては、ゴム配合油、より具体的にはパラフィン系プロセスオイルなどが挙げられる。
また、粘度調整剤の含有量は、特に規定されないが、造形する樹脂成形体の強度の観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、0.5質量%~5質量%が好ましい。
ここで、その他の成分のうち粘着付与剤の具体例としては、ロジンとその誘導体、テルペン樹脂や石油樹脂とその誘導体、アルキッド樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、合成テルペン樹脂、アルキレン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリブテン、イソブチレンとブタジエンの共重合物、鉱油、プロセスオイル、パイン油、アントラセン油、松根油、可塑剤、動植物油、重合油等などが挙げられる。
また、粘度調整剤の含有量は、特に規定されないが、造形する樹脂成形体の強度の観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、0.5質量%~5質量%が好ましい。
また、粘度調整剤の含有量は、特に規定されないが、造形する樹脂成形体の強度の観点から、不飽和シラン化合物により変性された樹脂100質量%に対して、0.5質量%~5質量%が好ましい。
<製造方法>
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元プリンタ用フィラメントは、上述の不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用いて製造される。不飽和シラン化合物により変性された樹脂の混合方法としては特に制限されるものではないが、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの溶融混練装置を用いることができる。本発明においては、各成分の分散性や混和性などの観点から同方向二軸押出機を用いることが好ましい。分散性や混和性に優れると、フィラメント径の精度や真円度を高めることができるため好ましい。
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元プリンタ用フィラメントは、上述の不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用いて製造される。不飽和シラン化合物により変性された樹脂の混合方法としては特に制限されるものではないが、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの溶融混練装置を用いることができる。本発明においては、各成分の分散性や混和性などの観点から同方向二軸押出機を用いることが好ましい。分散性や混和性に優れると、フィラメント径の精度や真円度を高めることができるため好ましい。
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元プリンタ用フィラメントの製造方法は特に制限されるものではないが、上述の不飽和シラン化合物により変性された樹脂を、押出成形等の公知の成形方法により成形する方法や、不飽和シラン化合物により変性された樹脂の製造時にそのままフィラメントとする方法等によって得ることができる。例えば、本発明の3次元プリンタ用フィラメントを押出成形により得る場合、その条件は、用いる樹脂組成物の流動特性や成形加工性等によって適宜調整されるが、通常80~400℃、好ましくは100~300℃である。
<3次元プリンタ用フィラメントの物性等>
本発明の樹脂成形体の製造に3次元プリンタ用フィラメントを用いる場合、3次元プリンタ用フィラメントは以下の物性を満たしていることが好ましい。
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元プリンタ用フィラメントの、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)の下限は特に限定されないが、耐熱性の観点から、0J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましく、20J/g以上がさらに好ましく、40J/g以上が特に好ましく、50J/g以上が最も好ましい。また、上限は特に限定されないが、樹脂成形体の反り低減の観点から、75J/g以下であることが好ましく、60J/g以下であることがより好ましく、55J/g以下であることがさらに好ましい。これにより、3次元造形時の結晶化収縮による造形物(樹脂成形体)の反りを低減することができる。
本発明の樹脂成形体の製造に3次元プリンタ用フィラメントを用いる場合、3次元プリンタ用フィラメントは以下の物性を満たしていることが好ましい。
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元プリンタ用フィラメントの、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)の下限は特に限定されないが、耐熱性の観点から、0J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましく、20J/g以上がさらに好ましく、40J/g以上が特に好ましく、50J/g以上が最も好ましい。また、上限は特に限定されないが、樹脂成形体の反り低減の観点から、75J/g以下であることが好ましく、60J/g以下であることがより好ましく、55J/g以下であることがさらに好ましい。これにより、3次元造形時の結晶化収縮による造形物(樹脂成形体)の反りを低減することができる。
また、該結晶化熱量(ΔHc)は、樹脂の組成や、上述のベース樹脂と不飽和シラン化合物とのブレンド比率、フィラメントへのフィラーや他樹脂の添加などによって調整できる。
本発明の樹脂成型体の製造に用いる3次元プリンタ用フィラメントの、40℃10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)の下限は特に限定されないが、造形時の屈曲抑制の観点から、400MPa以上が好ましく、500MPa以上がより好ましく、800MPa以上がより好ましく、1000MPa以上が特に好ましく、1300MPa以上が最も好ましい。これにより、フィラメント送り時の屈曲が抑制されて造形性に優れ、また造形した樹脂成形体の強度に優れる。また、上限は特に限定されるものではないが、5000MPa以下が好ましく、4500MPa以下がより好ましく、4000MPa以下がさらに好ましく、3500MPa以下が特に好ましく、3000MPa以下が最も好ましい。この範囲内であれば、フィラメントが適度な硬度となり、造形作業の際のハンドリング(プリンタへのフィラメントのセッティング等)がしやすいため、好ましい。また、該貯蔵弾性率(E’)は、樹脂の組成や、上述のベース樹脂と不飽和シラン化合物とのブレンド比率、フィラメントへのフィラーや他樹脂の添加などによって調整できる。
本発明の3次元プリンタ用フィラメントの、造形する際のノズル温度で2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(MI)の下限は特に限定されないが、造形性を良好にする観点から、0.1g/10分以上が好ましく、0.2g/10分以上がより好ましく、0.3g/10分以上がさらに好ましい。また、上限は特に限定されないが、樹脂の機械物性を良好に維持する観点から、50g/10分以下が好ましく、40g/10分以下がより好ましく、30g/10分以下がさらに好ましい。このMIは、上述したベース樹脂のMIの調整や、フィラメントへのフィラーや添加剤、他樹脂等の添加などによって達成できる。また、本発明のフィラメントはフィラメント中に後述する架橋促進剤を含まないため、造形前のフィラメント中で架橋反応によるMIの低下が抑制され、造形性に優れたフィラメントとなっている。
本発明の3次元プリンタ用フィラメントのゲル分率は、特に規定されないが、フィラメントの溶融粘度上昇を抑制して造形性を良好にする観点から、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましく、0%が最も好ましい。本発明のフィラメントはフィラメント中に後述する架橋促進剤を含まないため、造形前のフィラメント中で架橋反応によるゲル分率の上昇が抑制され、造形性に優れたフィラメントとなっている。なお、ゲル分率は後述の方法で測定できる。
本発明の3次元プリンタ用フィラメントの密度は、特に規定されないが、結晶化収縮による変形を抑制して造形性を良好にする観点から、1.0以下が好ましく、0.95以下がより好ましく、0.90以下がさらに好ましい。また、造形時の屈曲抑制の観点から、0.80以上が好ましく、0.83以上がより好ましく、0.85以上がさらに好ましい。
本発明の3次元プリンタ用フィラメントの直径は、熱溶解積層法による樹脂成形体の成形に使用するシステムの仕様に依存するが、通常1.0mm以上、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは1.6mm以上、特に好ましくは1.7mm以上であり、一方、上限は5.0mm以下、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.5mm以下、特に好ましくは3.0mm以下である。更に径の精度はフィラメントの任意の測定点に対して±5%以内の誤差に収めることが原料供給の安定性の観点から好ましい。特に、本発明の3次元造形用フィラメントは、径の標準偏差が0.07mm以下、特に0.06mm以下であることが好ましい。
また、本発明の3次元プリンタ用フィラメントは、真円度が0.93以上、特に0.95以上であることが好ましい。真円度の上限は1.0である。このように、径の標準偏差が小さく、真円度が高い3次元プリンタ用フィラメントであれば、造形時の吐出ムラが抑制され、外観や表面性状等に優れた樹脂成形体を安定して製造することができるが、前述の不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用いることで、このような標準偏差及び真円度を満たす3次元プリンタ用フィラメントを比較的容易に製造することができる。
<樹脂成形体の製造方法>
本発明の樹脂成形体の製造方法においては、3次元プリンタ用フィラメントを用い、3次元プリンタにより成形することにより、架橋前の樹脂成形体を得る。3次元プリンタによる成形方法としては材料押出(ME法)、粉末焼結方式、インクジェット方式、光造形方式(SLA法)などが挙げられる。本発明の3次元プリンタ用フィラメントは、これらの中でも熱溶解積層法や粉末焼結方式に好適に用いることができ、材料押出(ME)法に用いることが特に好ましい。以下、材料押出(ME)法の場合を例示して説明する。
本発明の樹脂成形体の製造方法においては、3次元プリンタ用フィラメントを用い、3次元プリンタにより成形することにより、架橋前の樹脂成形体を得る。3次元プリンタによる成形方法としては材料押出(ME法)、粉末焼結方式、インクジェット方式、光造形方式(SLA法)などが挙げられる。本発明の3次元プリンタ用フィラメントは、これらの中でも熱溶解積層法や粉末焼結方式に好適に用いることができ、材料押出(ME)法に用いることが特に好ましい。以下、材料押出(ME)法の場合を例示して説明する。
3次元プリンタは一般に、チャンバーを有しており、該チャンバー内に、加熱可能な基盤、ガントリー構造に設置された押出ヘッド、加熱溶融器、フィラメントのガイド、フィラメントカートリッジ設置部等の原料供給部を備えている。3次元プリンタの中には押出ヘッドと加熱溶融器とが一体化されているものもある。また、本発明の造形物の製造は、チャンバー内の温度(造形雰囲気温度)が制御可能なものが好ましく用いられる。
押出ヘッドはガントリー構造に設置されることにより、基盤のX-Y平面上に任意に移動させることができる。基盤は目的の3次元物体や支持材等を構築するプラットフォームであり、加熱保温することで積層物との接着性を得たり、得られる樹脂成形体を所望の3次元物体として寸法安定性を改善したりできる仕様であることが好ましい。また、基盤と積層物との接着性を向上させるため、基盤上に粘着性のある糊を塗布したり、積層物との接着性が良好なシート等を貼りつけたりしてもよい。ここで積層物との接着性が良好なシートとしては、無機繊維のシートなど表面に細かな凹凸を有するシートや、積層物と同種の樹脂からなるシートなどが挙げられる。なお、押出ヘッドと基盤とは、通常、少なくとも一方がX-Y平面に垂直なZ軸方向に可動となっている。
フィラメントは原料供給部から繰り出され、対向する1組のローラー又はギアーにより押出ヘッドへ送り込まれ、押出ヘッドにて加熱溶融され、先端ノズルより押し出される。CADモデルを基にして発信される信号により、押出ヘッドはその位置を移動しながら原料を基盤上に供給して積層堆積させていく。
本発明の樹脂成形体は、前述のフィラメントのみを用いて造形されてもよいし、造形物の形状をサポートするための支持材料からなるフィラメントと同時に造形してもよい。支持材料を用いて造形された部分は、必要に応じて、造形完了後に除去される。
本発明の樹脂成形体は、前述のフィラメントのみを用いて造形されてもよいし、造形物の形状をサポートするための支持材料からなるフィラメントと同時に造形してもよい。支持材料を用いて造形された部分は、必要に応じて、造形完了後に除去される。
本発明の樹脂成形体は、前述した架橋前の樹脂成形体に、架橋促進剤を付与し、架橋させることで製造される。
架橋促進剤の種類は特に限定されないが、シラノール縮合触媒が好ましい。
ここで、架橋促進剤のうちシラノール縮合触媒の具体例としては、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸及び有機酸、並びに無機酸エステルからなる群から選択される1種以上の化合物等が挙げられる。
架橋促進剤の種類は特に限定されないが、シラノール縮合触媒が好ましい。
ここで、架橋促進剤のうちシラノール縮合触媒の具体例としては、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸及び有機酸、並びに無機酸エステルからなる群から選択される1種以上の化合物等が挙げられる。
また、金属有機酸塩の具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、酢酸第一錫、オクタン酸第一錫、ナフテン酸コバルト、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸亜鉛、カプリル酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸鉄、オクチル酸鉄、ステアリン酸鉄等が挙げられる。チタネートとしては例えば、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ-イソプロピルチタネート等が挙げられる。有機アミンとしては例えば、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルソーヤアミン、テトラメチルグアニジン、ピリジン等が挙げられる。アンモニウム塩としては例えば、炭酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。ホスホニウム塩としては例えば、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。無機酸及び有機酸としては例えば、硫酸、塩酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、アルキルナフチルスルホン酸などのスルホン酸等が挙げられる。無機酸エステルとしては例えば、リン酸エステル等が挙げられる。
好ましくは金属有機酸塩、スルホン酸、リン酸エステルが挙げられ、更に好ましくは錫の金属カルボン酸塩、例えばジオクチル錫ジラウレート、アルキルナフチルスルホン酸、エチルヘキシルリン酸エステルが挙げられる。
シラノール縮合触媒の、樹脂成形体への付与方法は規定されないが、例えば以下のような方法が挙げられる。すなわち、製造した樹脂成型体をシラノール縮合触媒溶液へ浸漬した後、室温において自然乾燥する方法である。
シラノール縮合触媒の、樹脂成形体への付与方法は規定されないが、例えば以下のような方法が挙げられる。すなわち、製造した樹脂成型体をシラノール縮合触媒溶液へ浸漬した後、室温において自然乾燥する方法である。
シラノール縮合触媒溶液は、シラノール縮合触媒を含有する溶液である。これはシラノール縮合触媒のみからなる溶液であってもよいし、任意の溶剤に分散/混合して使用してもよい。溶液の粘度調整が容易な点などから、後者の方が望ましい。
任意の溶剤としては特に規定されないが、樹脂成形体を溶解しにくいものが好ましい。例えば、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、キシレン、酢酸、エチレングリコール、アセチレン、ホルムアルデヒドなどが挙げられる。
シラノール縮合触媒溶液中のシラノール縮合触媒の含有量は、樹脂成形体の架橋しやすさの観点から、溶液全体の体積に対して、10vol%以上が好ましく、20vol%以上がより好ましい。また溶液の粘度を含浸に適した範囲に制御する観点から、95vol%以下が好ましく、90vol%以下がより好ましい。
任意の溶剤としては特に規定されないが、樹脂成形体を溶解しにくいものが好ましい。例えば、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、キシレン、酢酸、エチレングリコール、アセチレン、ホルムアルデヒドなどが挙げられる。
シラノール縮合触媒溶液中のシラノール縮合触媒の含有量は、樹脂成形体の架橋しやすさの観点から、溶液全体の体積に対して、10vol%以上が好ましく、20vol%以上がより好ましい。また溶液の粘度を含浸に適した範囲に制御する観点から、95vol%以下が好ましく、90vol%以下がより好ましい。
浸漬する時間は特に規定されないが、縮合触媒が十分に樹脂成形体に浸透させる観点から、1s以上が好ましい。また生産性の観点から、24h以下が好ましく、12h以下がより好ましい。
浸漬後に自然乾燥する時間は特に規定されないが、余分な液体を十分に除去する観点から、1時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましい。
浸漬後に自然乾燥する時間は特に規定されないが、余分な液体を十分に除去する観点から、1時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましい。
上記触媒付与の際の温度条件は特に規定されないが、十分に架橋を進行させる観点から、温度は40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。湿度は30%RH以上がこのましく、50%RH以上がより好ましい。
また、上記触媒付与の際の処理時間は特に規定されないが、1時間以上が好ましく、5時間以上がより好ましい。樹脂成形体の熱変形を抑制する観点から、温度は100℃未満が好ましく、90℃以下が好ましい。
また、上記触媒付与の際の処理時間は特に規定されないが、1時間以上が好ましく、5時間以上がより好ましい。樹脂成形体の熱変形を抑制する観点から、温度は100℃未満が好ましく、90℃以下が好ましい。
また、上記触媒付与の際の湿度条件は特に規定されないが、一般的な恒温恒湿槽で制御がしやすい観点から、95%RH以下が好ましく、90%RH以下がより好ましい。また処理時間は生産性の観点から、48時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましい。
本発明の、架橋後の樹脂成形体のゲル分率は、0%より大きくなる。特に規定はされないが、本手法で十分に架橋された樹脂成形体のゲル分率は、10%~80%程度となる。層間を十分に架橋させる観点から、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、50%以上が最も好ましい。上限は特に規定されないが、本手法はフィラメント中にシラノール縮合触媒を含有しないことから、フィラメント中にシラノール縮合触媒を含有したもので製造された樹脂成形体と比較して、ゲル分率は低くなる傾向があり、通常80%以下となる。
<樹脂成形体の物性>
本発明の樹脂成形体は、表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たす。本式を満たすことで、造形中の架橋を抑制しながら、造形した樹脂成形体を十分に架橋することができ、造形性と樹脂成形体の強度を両立できる。
本発明の樹脂成形体は、表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たす。本式を満たすことで、造形中の架橋を抑制しながら、造形した樹脂成形体を十分に架橋することができ、造形性と樹脂成形体の強度を両立できる。
A/B>1・・・式(1)
本発明のようにシラノール縮合触媒を、造形した樹脂成形体に後から付与することで、上記式を満たす造形物となる。
なお、触媒量AおよびBは、XPS測定において、検出されたSi量に対する、触媒に含まれる任意の元素量の割合で評価することができる。すなわち、樹脂成形体の表面のXPS測定で得られたスペクトルにおいて、Si量に対する、触媒に含まれる任意の元素量の割合を求めてAとし、樹脂成形体を任意の場所で切断し、断面中央部のXPS測定で得られたスペクトルにおいて、Si量に対する、触媒に含まれる任意の元素量の割合を求めてBとする。
本発明のようにシラノール縮合触媒を、造形した樹脂成形体に後から付与することで、上記式を満たす造形物となる。
なお、触媒量AおよびBは、XPS測定において、検出されたSi量に対する、触媒に含まれる任意の元素量の割合で評価することができる。すなわち、樹脂成形体の表面のXPS測定で得られたスペクトルにおいて、Si量に対する、触媒に含まれる任意の元素量の割合を求めてAとし、樹脂成形体を任意の場所で切断し、断面中央部のXPS測定で得られたスペクトルにおいて、Si量に対する、触媒に含まれる任意の元素量の割合を求めてBとする。
<樹脂成形体の用途>
本発明の造形物は、外観や強度などにも優れたものである。用途については特に制限されるものではないが、文房具;玩具;携帯電話やスマートフォン等のカバー;グリップ等の部品;学校教材、家電製品、OA機器の補修部品、自動車、オートバイ、自転車、航空機等の各種パーツ;電機・電子機器用資材、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、医療用品等の用途に好適に用いることができる。
本発明の造形物は、外観や強度などにも優れたものである。用途については特に制限されるものではないが、文房具;玩具;携帯電話やスマートフォン等のカバー;グリップ等の部品;学校教材、家電製品、OA機器の補修部品、自動車、オートバイ、自転車、航空機等の各種パーツ;電機・電子機器用資材、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、医療用品等の用途に好適に用いることができる。
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本明細書中に表示される種々の測定値および評価は次のようにして行った。
(1)結晶化熱量(ΔHc)
(株)パーキンエルマー製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7122に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で室温から結晶融解温度(融点Tm)+20℃まで昇温し、該温度で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で30℃まで降温した時に測定されたサーモグラムから結晶化熱量(ΔHc)(降温過程)を求めた。なお、各値は、少数第二位を四捨五入して記載した。
(株)パーキンエルマー製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7122に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で室温から結晶融解温度(融点Tm)+20℃まで昇温し、該温度で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で30℃まで降温した時に測定されたサーモグラムから結晶化熱量(ΔHc)(降温過程)を求めた。なお、各値は、少数第二位を四捨五入して記載した。
(2)引張貯蔵弾性率(E´)
原料ペレットあるいはフィラメントを、熱プレスによりそれぞれ厚み約0.5mmのシートに成形し、測定用サンプルとした。動的粘弾性測定機(アイティ計測(株)製、商品名:粘弾性スペクトロメーターDVA-200)を用いて、振動周波数:10Hz、昇温速度:3℃/分、歪0.1%の条件で、貯蔵弾性率(E´)を-100℃から250℃まで測定し、得られたデータから、30℃における貯蔵弾性率(E´30℃)を求めた。
原料ペレットあるいはフィラメントを、熱プレスによりそれぞれ厚み約0.5mmのシートに成形し、測定用サンプルとした。動的粘弾性測定機(アイティ計測(株)製、商品名:粘弾性スペクトロメーターDVA-200)を用いて、振動周波数:10Hz、昇温速度:3℃/分、歪0.1%の条件で、貯蔵弾性率(E´)を-100℃から250℃まで測定し、得られたデータから、30℃における貯蔵弾性率(E´30℃)を求めた。
(3)結晶融解温度(融点Tm)
(株)パーキンエルマー製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で室温から結晶融解温度(融点Tm)+20℃まで昇温し、該温度で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で30℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で280℃まで昇温した時に測定された各サーモグラムから結晶融解温度(融点Tm)(℃)(再昇温過程)を求めた。なお、各値は、少数第二位を四捨五入して記載した。
(株)パーキンエルマー製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で室温から結晶融解温度(融点Tm)+20℃まで昇温し、該温度で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で30℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で280℃まで昇温した時に測定された各サーモグラムから結晶融解温度(融点Tm)(℃)(再昇温過程)を求めた。なお、各値は、少数第二位を四捨五入して記載した。
(4)Z軸方向引張特性
3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)を用いて、造形テーブル温度60℃、ノズル温度230℃、造形速度7~20mm/s、内部充填率100%にて樹脂成形体の積層方向(Z軸方向)が長手方向となるようダンベル試験片を造形した。架橋処理前後の試験片について、試験速度50mm/分で引張試験を行った。応力ひずみ曲線を得たのち、降伏強度及び破断伸びを算出した。
(5)メルトインデックス(MI)
メルトインデクサ((株)東洋精機製作所製社製)を用いて、JIS K7210に準じて、230℃で2.16kg荷重にてMI(g/10min)を測定した。
3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)を用いて、造形テーブル温度60℃、ノズル温度230℃、造形速度7~20mm/s、内部充填率100%にて樹脂成形体の積層方向(Z軸方向)が長手方向となるようダンベル試験片を造形した。架橋処理前後の試験片について、試験速度50mm/分で引張試験を行った。応力ひずみ曲線を得たのち、降伏強度及び破断伸びを算出した。
(5)メルトインデックス(MI)
メルトインデクサ((株)東洋精機製作所製社製)を用いて、JIS K7210に準じて、230℃で2.16kg荷重にてMI(g/10min)を測定した。
(6)触媒量の表面/内部比率(A/B)
上記で造形したダンベルの表面および、引張試験部分(ダンベルの細くなっている部分)をダンベル長手方向に垂直に切断した断面の中央部を、それぞれ、XPS分光計(サーモフィッシャーサイエンティフィック「Kアルファ」)を用いて元素分析を行った。なお、触媒に含まれる任意の元素としてはSnを用いた。得られたスペクトルから、ダンベル表面の、Siピークに対するSnピークの比率を求めてAとし、ダンベル断面の、Siピークに対するSnピークの比率を求めてBとし、A/Bを算出することができる。なお、検出されたSnピークの比率が0.05%以下の場合は検出不可能とし、Snは存在しないと判断した。また、以下の表においては、ダンベル表面のSiピークに対するSnピークの比率Aとダンベル断面の、Siピークに対するSnピークの比率Bを比較し、A/Bを定性的に評価した。
上記で造形したダンベルの表面および、引張試験部分(ダンベルの細くなっている部分)をダンベル長手方向に垂直に切断した断面の中央部を、それぞれ、XPS分光計(サーモフィッシャーサイエンティフィック「Kアルファ」)を用いて元素分析を行った。なお、触媒に含まれる任意の元素としてはSnを用いた。得られたスペクトルから、ダンベル表面の、Siピークに対するSnピークの比率を求めてAとし、ダンベル断面の、Siピークに対するSnピークの比率を求めてBとし、A/Bを算出することができる。なお、検出されたSnピークの比率が0.05%以下の場合は検出不可能とし、Snは存在しないと判断した。また、以下の表においては、ダンベル表面のSiピークに対するSnピークの比率Aとダンベル断面の、Siピークに対するSnピークの比率Bを比較し、A/Bを定性的に評価した。
(7)ゲル分率
樹脂成形体を、140℃キシレン中で20時間加熱処理し、溶け残った成分量から、ゲル分率を測定した。
樹脂成形体を、140℃キシレン中で20時間加熱処理し、溶け残った成分量から、ゲル分率を測定した。
(8)造形性
評価用サンプルとして、サンプル長さ75mm、幅10mm、厚み5mmのダンベル状サンプルを、サンプルの厚さ方向をZ軸方向(積層方向)として、3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)を用いて造形した。その際、造形テーブルにPPテープ(3Mスコッチ315SN)を貼付けて、造形テーブル温度70℃、ノズル温度220℃、造形速度7~20mm/s、内部充填率100%の造形条件にて製造した。評価用サンプル製造後に、造形テーブルから取り外して、水平面に置いた際のサンプルの四隅と水平面との距離を測定し、得られた値の平均値を反り量とした。この反り量から、以下の基準で造形時の反りを評価した。
○(good):反り量が5mm未満であった。
×(bad):反り量が5mm以上、あるいは造形途中に大きな反りが発生したため造形が完了できなかった。
評価用サンプルとして、サンプル長さ75mm、幅10mm、厚み5mmのダンベル状サンプルを、サンプルの厚さ方向をZ軸方向(積層方向)として、3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)を用いて造形した。その際、造形テーブルにPPテープ(3Mスコッチ315SN)を貼付けて、造形テーブル温度70℃、ノズル温度220℃、造形速度7~20mm/s、内部充填率100%の造形条件にて製造した。評価用サンプル製造後に、造形テーブルから取り外して、水平面に置いた際のサンプルの四隅と水平面との距離を測定し、得られた値の平均値を反り量とした。この反り量から、以下の基準で造形時の反りを評価した。
○(good):反り量が5mm未満であった。
×(bad):反り量が5mm以上、あるいは造形途中に大きな反りが発生したため造形が完了できなかった。
(9)吐出性
温度23℃、相対湿度50%の大気中に24時間以上放置した3次元プリンタ用フィラメントを用いて、3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)の230℃に加熱したノズルから押出し、吐出の様子や安定性を目視で確認した。
温度23℃、相対湿度50%の大気中に24時間以上放置した3次元プリンタ用フィラメントを用いて、3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)の230℃に加熱したノズルから押出し、吐出の様子や安定性を目視で確認した。
実施例、比較例で用いる原料を下記する。
[原料]
<不飽和シラン化合物により変性された樹脂>
・PP-1:リンクロン(登録商標)PK500N(三菱ケミカル社製、シラン変性ポリプロピレン、ΔHc:35J/g、Tm:107℃、E’30℃:7MPa)
・PP-2:リンクロン(登録商標)XPM800HM(三菱ケミカル社製、シラン変性ポリプロピレン、ΔHc:94J/g、Tm:162℃、E’30℃:1600MPa)
・PP-3:シラン変性ポリプロピレン、シラン変性量0.8wt%、ΔHc:45J/g
・PP-4:シラン変性ポリプロピレン、シラン変性量0.7wt%、ΔHc:60J/g
<ポリオレフィン>
・PP-5:ウェルネクス(登録商標)RMG02(日本ポリプロ社製、プロピレン・エチレン共重合体、ΔHc:45J/g、Tm:129℃、E’30℃:440MPa)
[原料]
<不飽和シラン化合物により変性された樹脂>
・PP-1:リンクロン(登録商標)PK500N(三菱ケミカル社製、シラン変性ポリプロピレン、ΔHc:35J/g、Tm:107℃、E’30℃:7MPa)
・PP-2:リンクロン(登録商標)XPM800HM(三菱ケミカル社製、シラン変性ポリプロピレン、ΔHc:94J/g、Tm:162℃、E’30℃:1600MPa)
・PP-3:シラン変性ポリプロピレン、シラン変性量0.8wt%、ΔHc:45J/g
・PP-4:シラン変性ポリプロピレン、シラン変性量0.7wt%、ΔHc:60J/g
<ポリオレフィン>
・PP-5:ウェルネクス(登録商標)RMG02(日本ポリプロ社製、プロピレン・エチレン共重合体、ΔHc:45J/g、Tm:129℃、E’30℃:440MPa)
[実施例1]
<3次元プリンタ用フィラメントの作製>
原料として、PP-1を40質量部、PP-2を60質量部をドライブレンドしたものを用いて、溶融押出法にてフィラメントを製造した。製造条件は、設定温度220℃にて、ダイス径3mmから樹脂組成物を積層押出し、40℃の水槽を経て引取り装置で10m/minで引取った。得られたフィラメントの断面の直径は1.70mmから1.85mmの範囲であった。得られたフィラメントで実施した各種評価結果を表1に示す。
<3次元プリンタ用フィラメントの作製>
原料として、PP-1を40質量部、PP-2を60質量部をドライブレンドしたものを用いて、溶融押出法にてフィラメントを製造した。製造条件は、設定温度220℃にて、ダイス径3mmから樹脂組成物を積層押出し、40℃の水槽を経て引取り装置で10m/minで引取った。得られたフィラメントの断面の直径は1.70mmから1.85mmの範囲であった。得られたフィラメントで実施した各種評価結果を表1に示す。
<架橋前の樹脂成形体の製造>
上記フィラメントを用いて、熱溶解積層法による押出積層堆積システムとして、3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)を用いて、造形テーブル温度60℃、ノズル温度230℃、造形速度7~20mm/s、内部充填率100%にて樹脂成形体の積層方向(Z軸方向)が長手方向となるようダンベル試験片を造形した。なお、造形テーブルにはPP系粘着テープ(3M製スコッチ315SN)を貼り付けた。得られた架橋前の樹脂成形体にて引張試験を行った結果を表1に示す。また、造形性評価における反り量は4.8mmであり、反り評価結果は○(good)であった。また、引張試験に用いたダンベルの外観は、顕著な糸引きやダマ等がなく、良好であった。
上記フィラメントを用いて、熱溶解積層法による押出積層堆積システムとして、3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)を用いて、造形テーブル温度60℃、ノズル温度230℃、造形速度7~20mm/s、内部充填率100%にて樹脂成形体の積層方向(Z軸方向)が長手方向となるようダンベル試験片を造形した。なお、造形テーブルにはPP系粘着テープ(3M製スコッチ315SN)を貼り付けた。得られた架橋前の樹脂成形体にて引張試験を行った結果を表1に示す。また、造形性評価における反り量は4.8mmであり、反り評価結果は○(good)であった。また、引張試験に用いたダンベルの外観は、顕著な糸引きやダマ等がなく、良好であった。
<樹脂成形体への触媒浸漬及び乾燥>
シラノール縮合触媒としてジオクチル錫ジラウレートを用い、キシレンに対して1:4の体積比率となるよう混合し、触媒溶液を調製した。バットへ触媒溶液を入れ、上記で得られた樹脂成形体の全面に溶液が接触するように浸漬した。触媒溶液から樹脂成形体を取り出し、溶液が滴らない程度にふき取った後、24時間自然乾燥を行った。
シラノール縮合触媒としてジオクチル錫ジラウレートを用い、キシレンに対して1:4の体積比率となるよう混合し、触媒溶液を調製した。バットへ触媒溶液を入れ、上記で得られた樹脂成形体の全面に溶液が接触するように浸漬した。触媒溶液から樹脂成形体を取り出し、溶液が滴らない程度にふき取った後、24時間自然乾燥を行った。
<樹脂成形体の架橋処理>
上記で得られた触媒浸漬後の樹脂成形体を温度85℃、相対湿度85%にて16時間架橋処理を行った。得られた樹脂成形体で引張試験を行った結果を表1に示す。また、この架橋処理した樹脂成形体にて触媒量を評価したところ、樹脂成形体の表面のSn/Siの元素比率は約0.1であったが、樹脂成形体の断面からは、Siのピークは観察されたものの、Snの明確なピークは観察されなかった。これより、本樹脂成形体において、表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たすことがわかった。
A/B>1・・・式(1)
上記で得られた触媒浸漬後の樹脂成形体を温度85℃、相対湿度85%にて16時間架橋処理を行った。得られた樹脂成形体で引張試験を行った結果を表1に示す。また、この架橋処理した樹脂成形体にて触媒量を評価したところ、樹脂成形体の表面のSn/Siの元素比率は約0.1であったが、樹脂成形体の断面からは、Siのピークは観察されたものの、Snの明確なピークは観察されなかった。これより、本樹脂成形体において、表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たすことがわかった。
A/B>1・・・式(1)
[実施例2]
<3次元プリンタ用フィラメントの作製>
用いた樹脂をPP-3を100質量部とした以外は実施例1と同様にして、3次元プリンタ用フィラメントを作製した。得られたフィラメントで実施した各種評価結果を表1に示す。
<3次元プリンタ用フィラメントの作製>
用いた樹脂をPP-3を100質量部とした以外は実施例1と同様にして、3次元プリンタ用フィラメントを作製した。得られたフィラメントで実施した各種評価結果を表1に示す。
<架橋前の樹脂成形体の製造>
上記フィラメントを用いて、実施例1と同様にして、ダンベル試験片を造形した。得られた架橋前の樹脂成形体にて引張試験を行った結果、及び造形性評価における結果を表1に示す。
上記フィラメントを用いて、実施例1と同様にして、ダンベル試験片を造形した。得られた架橋前の樹脂成形体にて引張試験を行った結果、及び造形性評価における結果を表1に示す。
<樹脂成形体への触媒浸漬及び乾燥>
実施例1と同様にして、樹脂成形体への触媒浸漬及び乾燥を行った。
実施例1と同様にして、樹脂成形体への触媒浸漬及び乾燥を行った。
<樹脂成形体の架橋処理>
上記で得られた触媒浸漬後の樹脂成形体を、実施例1と同様にして架橋処理を行った。得られた樹脂成形体で引張試験を行った結果を表1に示す。また、この架橋処理した樹脂成形体にて触媒量を評価したところ、樹脂成形体の表面のSn/Siの元素比率は約0.1であったが、樹脂成形体の断面からは、Siのピークは観察されたものの、Snの明確なピークは観察されなかった。これより、本樹脂成形体において、表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たすことがわかった。
A/B>1 ・・・式(1)
上記で得られた触媒浸漬後の樹脂成形体を、実施例1と同様にして架橋処理を行った。得られた樹脂成形体で引張試験を行った結果を表1に示す。また、この架橋処理した樹脂成形体にて触媒量を評価したところ、樹脂成形体の表面のSn/Siの元素比率は約0.1であったが、樹脂成形体の断面からは、Siのピークは観察されたものの、Snの明確なピークは観察されなかった。これより、本樹脂成形体において、表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たすことがわかった。
A/B>1 ・・・式(1)
[実施例3]
<3次元プリンタ用フィラメントの作製>
用いた樹脂をPP-4を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして3次元プリンタ用フィラメントを作製した。得られたフィラメントで実施した各種評価結果を表2に示す。
<3次元プリンタ用フィラメントの作製>
用いた樹脂をPP-4を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして3次元プリンタ用フィラメントを作製した。得られたフィラメントで実施した各種評価結果を表2に示す。
<架橋前の樹脂成形体の製造>
上記フィラメントを用いて、実施例1と同様にして、ダンベル試験片を造形した。
上記フィラメントを用いて、実施例1と同様にして、ダンベル試験片を造形した。
<樹脂成形体への触媒浸漬及び乾燥>
実施例1と同様にして、樹脂成形体への触媒浸漬及び乾燥を行った。
実施例1と同様にして、樹脂成形体への触媒浸漬及び乾燥を行った。
<樹脂成形体の架橋処理>
上記で得られた触媒浸漬後の樹脂成形体を、実施例1と同様にして架橋処理を行った。また、この架橋処理した樹脂成形体にて触媒量を評価したところ、樹脂成形体の表面のSn/Siの元素比率は約2.5であり、樹脂成形体の断面のSn/Siの元素比率は約0.25であることがわかった。これより、本樹脂成形体において、表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率は約10であり、以下の式(1)を満たすことがわかった。
A/B>1 ・・・式(1)
上記で得られた触媒浸漬後の樹脂成形体を、実施例1と同様にして架橋処理を行った。また、この架橋処理した樹脂成形体にて触媒量を評価したところ、樹脂成形体の表面のSn/Siの元素比率は約2.5であり、樹脂成形体の断面のSn/Siの元素比率は約0.25であることがわかった。これより、本樹脂成形体において、表面のシラノール縮合触媒量Aと、造形物の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率は約10であり、以下の式(1)を満たすことがわかった。
A/B>1 ・・・式(1)
<3次元プリンタ用フィラメントの吐出性>
温度23℃、相対湿度50%の大気中に24時間以上放置した上記フィラメントを用いて、3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)の230℃に加熱したノズルから押出し、吐出の様子や安定性を目視で確認したところ、良好な吐出性を維持していることが分かった。
温度23℃、相対湿度50%の大気中に24時間以上放置した上記フィラメントを用いて、3Dプリンタ(武藤工業(株)製、商品名:MF-2200D)の230℃に加熱したノズルから押出し、吐出の様子や安定性を目視で確認したところ、良好な吐出性を維持していることが分かった。
[比較例1]
ポリオレフィンPP-5にてフィラメントを作製したのち、3次元プリンタにてダンベル片を造形し、引張試験を行った。得られたフィラメントの各物性値と、ダンベル片の引張試験結果を表1に示す。また、造形性評価における反り量は2.2mmであり、反り評価結果は○(good)であった。また、引張試験に用いたダンベルの外観は、顕著な糸引きやダマ等がなく、良好であった。
ポリオレフィンPP-5にてフィラメントを作製したのち、3次元プリンタにてダンベル片を造形し、引張試験を行った。得られたフィラメントの各物性値と、ダンベル片の引張試験結果を表1に示す。また、造形性評価における反り量は2.2mmであり、反り評価結果は○(good)であった。また、引張試験に用いたダンベルの外観は、顕著な糸引きやダマ等がなく、良好であった。
[比較例2]
フィラメント作製時にシラノール縮合触媒を0.1質量部ブレンドしてフィラメントの紡糸を行う以外は実施例3と同様の手法でフィラメント作製及び評価を行った。また、吐出評価を実施し、実施例3と比較した。架橋処理した樹脂成形体にて触媒量を評価したところ、樹脂成形体の表面及び内部のSnの明確なピークは検出されなかったため、表2には理論上の値を記した。
フィラメント作製時にシラノール縮合触媒を0.1質量部ブレンドしてフィラメントの紡糸を行う以外は実施例3と同様の手法でフィラメント作製及び評価を行った。また、吐出評価を実施し、実施例3と比較した。架橋処理した樹脂成形体にて触媒量を評価したところ、樹脂成形体の表面及び内部のSnの明確なピークは検出されなかったため、表2には理論上の値を記した。
表1より、本発明で規定した、架橋処理を施したシラン変性樹脂による樹脂成形体はZ軸破断伸びにおいて優れていることが確認できた(実施例1、2)。これに対して、本発明で規定する要素を満たしていないものは、樹脂成形体の評価において、Z軸の伸びが劣ることが確認できた(比較例1)。
また、表2より、架橋促進剤をフィラメント中に含有しない場合、フィラメントの紡糸時、保管時、または3次元造形時に架橋反応が進行しにくく、大気中にて保管しても吐出性が良好なまま維持されることが確認できた。さらには、長時間造形時の連続造形性にも優れることが確認できた(実施例3)。これに対して、シラノール縮合触媒が3次元プリンタ用フィラメント中にある場合、フィラメント製造中に架橋反応が起こり、造形時の吐出性や造形性が低下した。(比較例2)。
つまり、本発明の樹脂成形体およびその製造方法や、本発明の3次元造形材料では、成型体の反りが抑制され、造形外観が良好であり、さらにシラン変性樹脂による樹脂成形体に架橋処理を行うことで、層間架橋により接着性が向上する。したがってZ軸破断伸びの増加につながることが確認できた。また、本発明の樹脂成形体およびその製造方法では、大気中での長時間の保管後も良好な吐出性を維持するため、連続造形性が良好になる。
Claims (21)
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用い、樹脂成形体の表面のシラノール縮合触媒量Aと、樹脂成形体の内部のシラノール縮合触媒量Bの比率が以下の式(1)を満たす樹脂成形体。
A/B>1・・・式(1) - 樹脂成形体が3次元プリンタにより造形されたものである請求項1に記載の樹脂成形体。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量は、ベース樹脂100質量%に対し、0.1質量%以上、5.0質量%以下である請求項1または2に記載の樹脂成形体。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)は、0J/g以上、100J/g以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上、5000MPa以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の結晶融解温度(Tm)が、50℃以上、200℃以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
- 上記シラノール縮合触媒が、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸、有機酸および無機酸エステルからなる群から選択される1種以上の化合物である請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
- 上記樹脂が、ポリオレフィン、エチレン・α-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族系重合体、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂である請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用い、造形後にシラノール縮合触媒を樹脂成形体表面に付与し、湿気架橋を行う樹脂成形体の製造方法。
- 上記の造形が3次元プリンタによる造形である請求項9に記載の樹脂成形体の製造方法。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量は、ベース樹脂100質量%に対し、0.1質量%以上、5.0質量%以下である請求項9または10に記載の樹脂成形体の製造方法。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)は、0J/g以上、100J/g以下である請求項9~11のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上、5000MPa以下である請求項9~12のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の結晶融解温度(Tm)が、50℃以上、200℃以下である請求項9~13のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
- 上記シラノール縮合触媒が、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸、有機酸および無機酸エステルからなる群から選択される1種以上の化合物である請求項9~14のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
- 上記樹脂が、ポリオレフィン、エチレン・α-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族系重合体、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂である請求項9~15のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂を用いた3次元造形材料であって、シラノール縮合触媒の含有量が0.015質量%未満であることを特徴とする、3次元造形材料。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の変性量は、ベース樹脂100質量%に対し、0.1質量%以上、5.0質量%以下である請求項17に記載の3次元造形材料。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、示差走査熱量測定にて10℃/分の降温速度で測定した際の結晶化熱量(ΔHc)は、0J/g以上、100J/g以下である請求項17又は18に記載の3次元造形材料。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の、40℃、10Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上、5000MPa以下である請求項17~19のいずれか1項に記載の3次元造形材料。
- 不飽和シラン化合物により変性された樹脂の結晶融解温度(Tm)が、50℃以上、200℃以下である請求項17~20のいずれか1項に記載の3次元造形材料。
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