WO2022065193A1 - ガスホルダー - Google Patents

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俊朗 大谷
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Jfeスチール株式会社
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F17STORING OR DISTRIBUTING GASES OR LIQUIDS
    • F17BGAS-HOLDERS OF VARIABLE CAPACITY
    • F17B1/00Gas-holders of variable capacity
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    • F17B1/10Guiding moving parts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F17BGAS-HOLDERS OF VARIABLE CAPACITY
    • F17B1/00Gas-holders of variable capacity
    • F17B1/24Gas-holders of variable capacity of dry type
    • F17B1/26Gas-holders of variable capacity of dry type with flexible walls, e.g. bellows

Definitions

  • the piston fender is provided on the peripheral edge side of the upper surface of the piston so as to extend upward.
  • the T fender 21 extends toward the inner peripheral side of the piston 10 and includes a connecting member 21a located above the piston fender 11.
  • a connecting member 21a located above the piston fender 11.
  • the embodiment of the present invention is not limited to each of the above embodiments, and various modifications can be made.
  • the cushioning characteristics by the shock absorbers 30, 130, and 230 are exemplified in the case of setting by the length and the damping characteristic (elastic modulus), but are adjusted by the number of shock absorbers 30 installed along the circumferential direction. You may.
  • the gas holder 1 in FIG. 1 illustrates the case of a so-called two-stage type, it has a plurality of T-fenders having two or more stages, and shock absorbers 30, 130, and 230 are also provided between the T-fenders. You may do so.

Abstract

ピストンとホルダー本体の側板との間に上下動可能なTフェンダーを有するガスホルダーにおいて、ピストンとTフェンダーとの連結時または離脱時に、ガス貯蔵空間のガス圧の急激な圧力変動を回避する。 ガスホルダー(1)は、ガスの流入及び流出が行われる中空部(2X)を有するホルダー本体(2)と、ホルダー本体の中空部内に収容され、ガスの流入及び流出に応じて上下動するピストン(10)と、ホルダー本体とピストンとの間を密閉し、ガスを貯留するガス貯蔵空間(GS)をピストンとともに形成するシール装置(20)と、を有する。シール装置(20)は、ピストンの側縁を囲うように設けられ、ピストンと連結して上下動するTフェンダー(21)と、ピストンとTフェンダーとの間に設けられ、ピストンからTフェンダーへ加えられる力を緩衝する緩衝装置(30)と、を備える。

Description

ガスホルダー
 本発明は、内部にガスを貯留するガスホルダーに関する。
 製鉄所では、鉄鉱石から鉄鋼製品を生産する過程で各種の副生ガスが発生する。副生ガスには、例えば、高炉から発生する高炉ガス、コークス炉から発生するコークス炉ガス、転炉から発生する転炉ガス等があり、これらの副生ガスは、製鉄所内においてガスホルダーに貯留され再利用される。
 ガスホルダーは、内部にピストンを有しており、ピストンはガスの需要と供給の変動に合わせて上下動する。このような副生ガスを貯留するガスホルダーとして、オイルシール方式またはグリスシール方式のガスホルダーが知られている(例えば、特許文献1~3を参照)。しかしながら、ガスの発生が間欠的である転炉ガスのガスホルダーのピストンは1日当たり約20~30往復し、また、転炉ガスはダストを多く含んでいるため、ガスシール部に摺動部を有するオイルシール方式またはグリスシール方式のガスホルダーは適していない。
 そこで、転炉ガス等の副生ガスを貯留するガスホルダーとして、ウィギンス型ガスホルダーが用いられている。ウィギンス型ガスホルダーは、ホルダー本体と、ホルダー本体内に収容されたピストンと、ホルダー本体の内壁とピストンとの間に設けられたゴムシートと、を有する。そして、ウィギンス型ガスホルダーは、オイルシール方式またはグリスシール方式のように摺動部を有さず、ゴムシートが展開することによりガスシールを行う。このため、ウィギンス型ガスホルダーはピストンの往復回数が多く、ダストを多く含む転炉ガスに適用されることが多い。しかしながら、シールゴムの製造サイズには限界があり、この製造限界によってガスホルダー内に形成されるガス貯蔵空間の容量が制限されてしまう。
 そのため、ガスホルダーのデッドスペースを最小化すべく、インナーシール部材とアウターシール部材とを有する2段式のウィギンス型ホルダーが知られている。2段式のウィギンス型ガスホルダーは、ピストンとホルダー本体の側板との間に上下動可能なTフェンダーと、ピストンとTフェンダーとの間を密閉するインナーシール部材と、Tフェンダーとホルダー本体の側板との間を密閉するアウターシール部材と、を有する。
 そして、ガスホルダー内にガスが流入すると、ピストンがガス圧によって上昇するとともにインナーシール部材が展開し、底板とピストンとインナーシール部材とによってガス貯蔵空間が形成される。さらに、ガスホルダー内にガスが流入してピストンが上昇していくと、ピストンがTフェンダーに接触し、ピストンとTフェンダーとがともに上昇する。すると、アウターシール部材が展開してガス貯蔵空間が増大していく。なお、ピストンが下降する際は、ピストンとTフェンダーとがともに下降していき、さらに下降するとピストンがTフェンダーから離れて底板側へ下降する。
実開平6-14696号公報 特開昭52-133113号公報 特開2008-267416号公報
 上述した2段式のウィギンス型ガスホルダーにおいて、ピストンとTフェンダーとの双方を上昇させるのに必要なガス圧は、ピストンだけを上昇させる場合に比べて大きくなる。つまり、ピストンとTフェンダーとの連結時または離脱時において、ガス貯蔵空間のガス圧は急激に変動する。このガス貯蔵空間の急激な圧力変動が起きると、ガスホルダーに接続されたガス供給管の圧力が急激に変動してしまい、ガス供給管に接続されたガスバーナー等の挙動が不安定になる場合がある。
 また、Tフェンダーの重量は、許容される急激な圧力変化量に応じて決定されるため、圧力変化量が大きい場合は、Tフェンダーの重量を大きくすることができず、Tフェンダーの大型化が困難となり、ガスホルダー容量の増加(大型化)もできないという課題もあった。
 本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、急激な圧力変動を回避することができるガスホルダーを提供することを目的とする。
 上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
 [1] ガスの流入及び流出が行われる中空部を有するホルダー本体と、
 前記ホルダー本体の前記中空部内に収容され、ガスの流入及び流出に応じて上下動するピストンと、
 前記ホルダー本体と前記ピストンとの間を密閉し、ガスを貯留するガス貯蔵空間を前記ピストンとともに形成するシール装置と、
を有し、
 前記シール装置は、
 前記ピストンの側縁を囲うように設けられ、
 前記ピストンと連結して上下動するTフェンダーと、
 前記ピストンと前記Tフェンダーとの間に設けられ、前記ピストンから前記Tフェンダーへ加えられる力を緩衝する緩衝装置と、
を備えたガスホルダー。
 [2] 前記緩衝装置は、バネ式、油圧式または空圧式のダンパーからなる、上記[1]に記載のガスホルダー。
 [3] 前記緩衝装置は、前記ピストンの周縁に沿って複数設置されている、上記[1]または上記[2]に記載のガスホルダー。
 [4] 前記Tフェンダーは、前記ピストンの内周側へ向かって延び、前記ピストンの上面に設けられたピストンフェンダーの上部に位置する連結部材を備え、前記ピストンフェンダーが前記連結部材の高さ位置以上に上昇したときに前記ピストンフェンダーと連結する、上記[1]から上記[3]のいずれかに記載のガスホルダー。
 [5] 前記ピストンフェンダーは、前記ピストンの上面の周縁側に、上方に向かって延びて設けられており、
 前記緩衝装置は、前記ピストンフェンダーの上部に設置されており、前記ピストンフェンダーと前記連結部材との衝突を緩衝する、上記[4]に記載のガスホルダー。
 [6] 前記シール装置は、
 一端側が前記Tフェンダーに接続され、他端側が前記ピストンに接続されたインナーシール部材と、
 一端側が前記ホルダー本体に接続され、他端側が前記Tフェンダーに接続されたアウターシール部材と、
をさらに備える、上記[1]から上記[5]のいずれかに記載のガスホルダー。
 本発明に係るガスホルダーによれば、ピストンとTフェンダーとの間に緩衝装置を設置することにより、ピストンとTフェンダーとの連結時及び離脱時に生じるガス圧の急激な圧力変動を緩和することができる。また、ガス圧の急激な圧力変動を緩和することにより、Tフェンダーの大型化が可能となり、ガスホルダー容量の増加が可能となる。大型化したTフェンダーを従来の高さ方向を延長することで、ガスホルダーを高さ方向に大型化し容量増加が達成できる。ガスホルダーを縦方向に大型することで、省スペース化及び基礎工事費用の低廉化の達成も可能となる。
図1は、本発明に係るガスホルダーの好ましい実施形態を示す模式図である。 図2は、図1のシール装置における緩衝装置の動作例を示す模式図である。 図3は、図2のピストンの高さ位置とガス貯蔵空間GS内のガス圧との関係を示すグラフである。 図4は、従来のガスホルダーの一例を示す模式図である。 図5は、図4のピストンの高さ位置とガス貯蔵空間GS内のガス圧との関係を示すグラフである。 図6は、本発明に係るガスホルダーにおける緩衝装置の変形例を示す模式図である。 図7は、本発明に係るガスホルダーにおける緩衝装置の変形例を示す模式図である。 図8は、図6及び図7のピストンの高さ位置とガス貯蔵空間GS内のガス圧との関係を示すグラフである。
 以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るガスホルダーの好ましい実施形態を示す模式図である。図1のガスホルダー1は、いわゆるウィギンス型のガスホルダーであって、特に大きさは限定されるものではないが、例えば50m程度の高さを有する。このガスホルダー1には、例えば、転炉ガス(LDG)、高炉ガス(BFG)、石炭ガス等の各種のガスが貯留される。
 ガスホルダー1は、ガスの流入及び流出が行われる中空部2xを有するホルダー本体2と、ホルダー本体2の中空部2xの内部に収容され、ガスの流入及び流出によるガス圧に応じて上下動するピストン10と、ホルダー本体2とピストン10との間を密閉し、ガスを貯留するガス貯蔵空間GSをピストン10とともに形成するシール装置20と、を備える。
 ホルダー本体2は、中空部2xを有する側板2aと、側板2aの上部を覆う屋根2bと、側板2aの下部に設けられた底板2cと、を備える。側板2aは、例えば円筒状に形成されており、側板2aの下部には、ホルダー本体2の内部にガスを流入または流出させるためのガス配管41が接続されている。ガス発生量がガス使用量より多い場合はピストン10が上昇し、ガス発生量がガス使用量より少ない場合はピストン10が下降する。なお、図1は、ガスの流入口と流出口とが同一である場合について例示しているが、それぞれ別々に設けられていてもよい。
 屋根2bは例えば円形のドーム状に形成されており、屋根2bにはピストン10の上下動に伴い、ホルダー本体2とピストン10の上部との間の空気の吸排気を行う換気口3が設けられている。底板2cは、側板2aの下部に設けられており、例えばピストン10の下面と略同一の形状を有している。これにより、底板2cとピストン10との間が誤って負圧になった場合であっても、ピストン10が変形または破損するのを防止することができる。
 ピストン10は、例えば外形が略円形のドーム状に形成されており、ホルダー本体2の内部に収容されている。ピストン10は、ガス圧によりホルダー本体2の側板2aの内壁に沿って上下動する。この際、ピストン10は、ホルダー本体2の内部の中空部2xを、屋根2b側の空間と、ガスを貯留するガス貯蔵空間GSとに仕切る機能を有している。ピストン10の上面側の周縁側には屋根2b側に向かって上方に延びるピストンフェンダー11が設けられている。ピストンフェンダー11は、ピストン10の周縁に沿って円筒状に設けられている。
 シール装置20は、ピストン10の側縁とホルダー本体2の側板2aとの間に設置されており、ピストン10及びホルダー本体2と協働してガス貯蔵空間GSを形成する。つまり、ガス貯蔵空間GSは、ピストン10と底板2cとシール装置20とに囲まれた空間によって形成され、ガス配管41からガス貯蔵空間GSへガスの流入及び流出が行われることになる。シール装置20は、ピストン10の上下動に合わせて伸縮する構造を有し、ピストン10と側板2aとの間に設置されたTフェンダー21と、ピストン10及びTフェンダー21に接続されたインナーシール部材22と、Tフェンダー21及び側板2aに接続されたアウターシール部材23とを備える。
 Tフェンダー21は、ピストン10の外縁に沿って形成された円筒形状を有しており、ホルダー本体2の内部において上下動可能に配置されている。ガスが貯留されていない状態では、Tフェンダー21は、ピストン10と側板2aとの間に設置された架台2dの上に載置されており、Tフェンダー21の上端はピストンフェンダー11の上端よりも高い位置に位置している。
 Tフェンダー21は、ピストン10の内周側へ向かって延び、ピストンフェンダー11の上部に位置する連結部材21aを備える。ピストンフェンダー11の上部が連結部材21aの高さ位置以上まで上昇したときに、ピストンフェンダー11が連結部材21aに係止される。そして、ピストン10がさらに上昇したとき、ピストン10とTフェンダー21とは連結した状態でともに上昇する。一方、連結しているピストン10及びTフェンダー21が下降して、Tフェンダー21が架台2dの上に載置されたとき、ピストンフェンダー11が連結部材21aから離脱し、ピストン10のみが下降していく。
 インナーシール部材22は、例えば耐ガス性能を有するゴム等からなり、一端側がピストン10に接続され、他端側がTフェンダー21に接続されている。インナーシール部材22は、ピストン10とTフェンダー21との隙間からガスが漏れるのを防止する。ホルダー本体2の内部にガスが貯留されていないとき、インナーシール部材22は屈曲した状態でピストンフェンダー11とTフェンダー21との間に収納されている。そして、ガス貯蔵空間GSにガスが流入されてピストン10が上昇していくにつれ、インナーシール部材22は上方へ展開していく。
 アウターシール部材23は、例えば耐ガス性能を有するゴム等からなり、一端側がTフェンダー21に接続され、他端側が側板2aに接続されている。アウターシール部材23は、Tフェンダー21と側板2aとの隙間からガスが漏れるのを防止する。ピストンフェンダー11が連結部材21aよりも低い高さ位置にあるとき、アウターシール部材23は屈曲した状態でTフェンダー21と側板2aの間に収納されている。ガス貯蔵空間GSにガスが流入し、ピストン10とTフェンダー21とが連結して上昇していくにつれ、アウターシール部材23が上方へ展開されていく。
 上述の通り、ピストン10及びシール装置20は、ガスの貯留量によって上下動するものであり、ガス貯蔵空間GS内のガス圧は、上部のピストン10またはシール装置20(特にTフェンダー21)の重量に依存する。このため、ピストン10のみが上下動する場合と、ピストン10及びTフェンダー21が連結して上下動する場合とでは重量が大きく異なり、これに伴いガス貯蔵空間GS内のガス圧も大きく変動してしまう。そこで、図1のシール装置20においては、ピストン10がTフェンダー21へ衝突(接触)した際に、ピストン10からTフェンダー21へ加えられる力を緩衝するための緩衝装置30が、ピストン10とTフェンダー21との間に設けられている。
 緩衝装置30は、ピストンフェンダー11の上部に設置されており、例えば、バネ式、油圧式または空圧式のダンパーからなっている。そして、ピストンフェンダー11がTフェンダー21の連結部材21aに衝突する際に発生するガス貯蔵空間GS内のガスの圧力上昇と、離れる際に発生するガスの圧力降下の変動速度を緩やかにする。
 なお、緩衝装置30は、衝撃を緩衝するものであれば、ダンパー等に限定されるものではなく、必要に応じて、油圧ダンパーまたは空圧ダンパーを組み合わせてもよいし、ゴム等の樹脂からなっていてもよい。また、図1においては、緩衝装置30は、ピストンフェンダー11に設置されている場合について例示しているが、Tフェンダー21の連結部材21aの下側に設置されていてもよいし、ピストンフェンダー11とTフェンダー21の双方に設置されていてもよい。また、緩衝装置30は、ピストン10の円周方向に沿って複数設置されていることが好ましい。これは、1つの緩衝装置30で衝撃を吸収するのは難しいからであるが、衝撃を吸収できるのであれば1つであってもよい。また、ピストン10を水平に保ったままにするために、3つ以上の緩衝装置30をピストン10の円周方向に沿って等間隔に配置するのが望ましい。
 緩衝装置30の減衰性能(弾性率)及び長さは、ピストン10の重量と面積と、Tフェンダー21の重量とにより設定される。緩衝装置30の長さZA(図2を参照)によって、緩衝装置30の動作開始位置が定まり、緩衝装置30の減衰性能によって、許容されるガス貯蔵空間GS内の圧力変動の速度が定まる。
 図2は、図1のガスホルダーにおけるシール装置の動作を示す模式図である。なお、図2(A)~(D)は、それぞれピストン10が異なる高さ位置A~Dにある場合を示している。また、図3は、図2のピストン10の異なる高さ位置A~D毎のガス貯蔵空間GS内のガス圧の一例を示すグラフである。図2及び図3を参照してガスホルダーの動作例について説明する。なお、図2及び図3では、一定の流量でガスがガスホルダー1の内部に流入していく場合について例示している。
 まず、図2(A)のように、ガスが貯留されておらず、ピストン10が底板2c上に載置された高さ位置Aの位置にあるとする。この状態からガスホルダー1の内部にガスが流入されていくと、ガスホルダー1の内部のピストン10が上昇していく。ピストン10の上昇とともにインナーシール部材22が展開し、ガス貯蔵空間GSの容量が増加していく。その後、緩衝装置30が連結部材21aに接触するまで、ガスの流入とともにピストン10が上昇していく。この際、Tフェンダー21は架台2dに載置されたままの状態になっている。ピストン10だけが上昇していく間は、図3のように、ガス貯蔵空間GSのガス圧はピストン10の重量に依存したガス圧Pa(例えば4.9kPa)になる。
 さらに、ガスの流入によってピストン10が上昇していくと、図2(B)のように、ピストン10は、緩衝装置30の上端が連結部材21aに接触する高さ位置Bに達する。この状態からさらにピストン10が上昇すると、図2(C)のように、緩衝装置30が圧縮されていく。この際、図3に示すように、ガス貯蔵空間GS内のガス圧は、ピストン10の重量と緩衝装置30からの反発力とにより、緩衝装置30が圧縮されるにつれて、急激に上昇することなく、徐々に高くなっていく。
 そして、図2(D)のように、ピストン10が緩衝装置30の変形限界の高さ位置Dまで上昇したとき、Tフェンダー21が、架台2dから持ち上げられ、ピストン10とともに上昇していく。このときのガス貯蔵空間GS内のガス圧は、図3のように、ピストン10の重量に加えて、Tフェンダー21の重量に依存したガス圧Pb(例えば5.2kPa)になる。
 逆に、ガスの貯蔵量が減少していく場合、図2(D)、図2(C)、図2(B)、図2(A)の順にピストン10が下降していく。特に、図2(D)のように、Tフェンダー21が架台2d上に載置される高さ位置Dまでピストン10が下降し、さらに、図2(C)のように、ピストン10が下降したとき、ガス貯蔵空間GS内のガス圧は、ピストン10の重量と緩衝装置30からの力により、急激に下降することなく、徐々に低くなっていく。このように、ピストン10が下降する際も、緩衝装置30によってガス圧の下降が緩やかになる。
 上記実施の形態によれば、ピストン10とTフェンダー21との間に緩衝装置30が設けられていることにより、ピストン10がTフェンダー21を持ち上げる、またはTフェンダー21と離れる際に、従来のようなガス貯蔵空間GS内のガス圧の急激な圧力変動を回避することができる。
 図4は、緩衝装置30が設置されていない、従来のウィギンス型ガスホルダーにおけるピストン10の異なる高さ位置4A~4Cの状態を示す模式図であり、図5は、図4の高さ位置4A~4Cにおけるガス圧を示すグラフである。図4(A)に示すように、ピストン10が高さ位置4AからTフェンダー21に接触する高さ位置4Bに上昇するまでの間、図5のように、ガス貯蔵空間GSはピストン10の重量に依存したガス圧Paになる。一方、図4(B)のように、ピストン10とTフェンダー21の双方を持ち上げるとき、図5のように、ガス貯蔵空間GSはピストン10及びTフェンダー21の重量に依存するガス圧Pbに急激に変化する。このように、ピストン10がTフェンダーを持ち上げたときは内部のガス圧力がPaからPbへ急激に上昇(例えば0.4kPa程度)し、ピストン10が下降してTフェンダー21から離れたときには圧力がPbからPaへ急激に下降(例えば0.4kPa程度)する。
 このような急激な圧力変動が生じると、ガス配管41における母管圧力が変動する。発電所または加熱炉のバーナーがガス配管41からガスの供給を受けている場合、燃焼しているガスの流量が大きく変動してしまうことになる。特に、ピストン10とTフェンダー21との接触及び離脱が短時間の間に繰り返された場合、ガスの流量調節弁の開閉と、ガス圧力変動による流量の増減とにより、流量制御が追い付かなくなり、ハンチングを起こしてしまう場合がある。また、燃料ガスの圧力が上昇してガス流量が急激に増加すると、空気量の制御が追い付かずに未燃となって爆発のリスクが発生し、逆に、圧力の急激な低下によりガス流量が減少すると、空気過剰になり、吹き消えの原因となったり、排ガス損失が大きくなったりする。
 一方、図1及び図2のガスホルダー1においては、緩衝装置30が設けられているため、ピストン10とTフェンダー21との接続または離脱の前後において圧力変動が緩和されて緩やかになる(図3参照)。このため、ガスホルダー1に接続されたガス配管のガス圧力の上昇及び下降も緩やかにすることができる。その結果、ガスバーナー等での燃焼の安定性を保ち、制御のハンチングの発生、異常燃焼の発生及びロスの大きい操業を回避することができる。
 図6及び図7は、本発明に係るガスホルダーにおける緩衝装置の変形例を示す模式図である。なお、図6及び図7のガスホルダーにおいて、図1のガスホルダーと同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
 図6の緩衝装置130は、図1及び図2の緩衝装置30に比べて長さが長く、弾性率が低く設定されたものであり、図7の緩衝装置230は、図1及び図2の緩衝装置30に比べて長さが短く、弾性率が高く設定されたものである。そして、図8は、図6及び図7に示す緩衝装置130、230を設けた場合のピストンの高さ位置6A~6C、7A~7Cに対するガス貯蔵空間GS内のガス圧の状態を示すグラフである。なお、図8において、ガスの流入速度は、図3及び図5の場合と同一である場合について例示している。
 図6~図8に示すように、ガス圧の変動を最小限に抑えたい場合、図6に示すように、緩衝装置130の長さZBを長くし、減衰性能(弾性率)を低く設定する。一方、ガス圧の変動が急でも許容される場合、緩衝装置230の長さZCを短くし、減衰性能(弾性率)を高く設定する。このように、緩衝装置30、130、230の長さZA~ZC及び減衰性能(弾性率)を適宜設定することにより、ガス配管41に接続された機器側の制御に合致したガス圧の変動特性を得ることができる。
 本発明の実施形態は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。例えば、緩衝装置30、130、230による緩衝特性は、長さ及び減衰特性(弾性率)で設定する場合について例示しているが、周方向に沿って設置される緩衝装置30の個数で調整してもよい。また、図1のガスホルダー1はいわゆる2段式の場合について例示しているが、2段以上の複数のTフェンダーを有し、各Tフェンダーの間にも緩衝装置30、130、230を設けるようにしてもよい。
 1 ガスホルダー
 2 ホルダー本体
 2a 側板
 2b 屋根
 2c 底板
 2d 架台
 2x 中空部
 3 換気口
 10 ピストン
 11 ピストンフェンダー
 20 シール装置
 21 Tフェンダー
 21a 連結部材
 22 インナーシール部材
 23 アウターシール部材
 30、130、230 緩衝装置
 41 ガス配管
 42 ブロア
 GS ガス貯蔵空間
 Pa、Pb ガス圧

Claims (6)

  1.  ガスの流入及び流出が行われる中空部を有するホルダー本体と、
     前記ホルダー本体の前記中空部内に収容され、ガスの流入及び流出に応じて上下動するピストンと、
     前記ホルダー本体と前記ピストンとの間を密閉し、ガスを貯留するガス貯蔵空間を前記ピストンとともに形成するシール装置と、
    を有し、
     前記シール装置は、
     前記ピストンの側縁を囲うように設けられ、
     前記ピストンと連結して上下動するTフェンダーと、
     前記ピストンと前記Tフェンダーとの間に設けられ、前記ピストンから前記Tフェンダーへ加えられる力を緩衝する緩衝装置と、
    を備えたガスホルダー。
  2.  前記緩衝装置は、バネ式、油圧式または空圧式のダンパーからなる、請求項1に記載のガスホルダー。
  3.  前記緩衝装置は、前記ピストンの周縁に沿って複数設置されている、請求項1または請求項2に記載のガスホルダー。
  4.  前記Tフェンダーは、前記ピストンの内周側へ向かって延び、前記ピストンの上面に設けられたピストンフェンダーの上部に位置する連結部材を備え、前記ピストンフェンダーが前記連結部材の高さ位置以上に上昇したときに前記ピストンフェンダーと連結する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガスホルダー。
  5.  前記ピストンフェンダーは、前記ピストンの上面の周縁側に、上方に向かって延びて設けられており、
     前記緩衝装置は、前記ピストンフェンダーの上部に設置されており、前記ピストンフェンダーと前記連結部材との衝突を緩衝する、請求項4に記載のガスホルダー。
  6.  前記シール装置は、
     一端側が前記Tフェンダーに接続され、他端側が前記ピストンに接続されたインナーシール部材と、
     一端側が前記ホルダー本体に接続され、他端側が前記Tフェンダーに接続されたアウターシール部材と、
    をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガスホルダー。
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