JPH07178164A - 負圧の生じないポンプ、人工心臓および流体移動方法 - Google Patents

負圧の生じないポンプ、人工心臓および流体移動方法

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JPH07178164A
JPH07178164A JP5322925A JP32292593A JPH07178164A JP H07178164 A JPH07178164 A JP H07178164A JP 5322925 A JP5322925 A JP 5322925A JP 32292593 A JP32292593 A JP 32292593A JP H07178164 A JPH07178164 A JP H07178164A
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fluid
pump
chamber
piston
cylinder
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JP5322925A
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Nobuyuki Oga
信幸 大賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 供給側に負圧を生じることなく、供給効率の
よいポンプを提供する。 【構成】 駆動軸60が回転すると、リンク機構62に
よって第2のピストン42が下降する。さらに回転する
と、第2のピストン42が最も下降した状態となる。こ
の際、第1のピストン9は、第2のピストン42と分離
しているので、必ずしも第2のピストン42と同時に下
降しない。つまり、流体供給口12からの供給圧力によ
って流入弁21が開き、その圧力に応じて第2のピスト
ン42が押し下げられる。したがって、供給側に負圧を
与えることがない。さらに回転が進むと、リンク機構6
2によって、第2のピストン42が押し上げられる。こ
れにより、第2のピストン42の弾性部材46が第1の
ピストン9に当接し、第1のピストン9を押し上げる。
第2のピストン42によって第1のピストン9が押し上
げられると、流入弁21が閉じ、流出弁23が開く。こ
れにより、流体室18の流体が、流体排出口14に向け
て排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は流体ポンプに関するも
のであり、特にその供給側に対する負圧発生の防止に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図27に、流体ポンプ30の一般的な構
造を示す。駆動軸2の回転により、クランク4が矢印A
の方向に回転する。これにより、シリンダ10内のピス
トン8が矢印B方向に移動する。ピストン8は、シール
部材16によってシリンダ10と水密(気密)に保たれ
ているので、B方向への移動につれて流体室18の圧力
が低下する。このため、排出口14の流出弁22は閉
じ、供給口12の流入弁20は開く。したがって、供給
口12から流体室18に流体が入り込む。
【0003】さらに駆動軸2が回転すると、図28に示
すように、ピストン8は逆の方向(矢印Cの方向)に移
動し始める。これにより、流入弁20が閉じて流出弁2
2が開き、流体室18の流体が排出口14に向けて押し
出される。
【0004】上記の操作を繰り返すことにより、供給口
12から流体を取り込んで、排出口14から排出するこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の流体ポンプには、次のような問題点があっ
た。流体ポンプ30の流体移動能力よりも、供給側の流
体供給能力の方が小さい場合(ピストン8の矢印B方向
への移動による減圧力よりも、流体供給圧力の方が小さ
い場合)には、供給側に負圧を生じるおそれがある。
【0006】このため、上記のような従来の流体ポンプ
は、水道等の直結給水用のポンプとして用いることがで
きなかった。たとえば、図29に示すように、配水管3
2に直接、ポンプ30を接続して、屋上に置いた高置タ
ンク34に給水することは許されていない(水道法施行
令第4条第3号)。このような接続を認めると、ポンプ
30によって、配水管32の水圧、水流が攪乱され、他
の水道等に大きな影響(水の流出量の低下など)を引き
起こす可能性が高いからである。
【0007】そこで、ピストンポンプを例とすると、従
来は、ポンプ30による負圧等が直接、配水管32に影
響を与えないよう、1階(もしくは地下1階)に受水タ
ンク36を設け、この受水タンク36に貯めた水を、ポ
ンプ30によって高置タンク34へ送るようにしている
(図30参照)。
【0008】このような方式では、建築物にとって利用
価値の高い1階に、大面積の受水タンク36を設けなけ
ればならず、空間の有効利用を図ることができないとい
う問題を生じていた。また、地下1階に受水タンク36
を設ける場合には、設置コストが大きくなってしまうと
いう問題を生じていた。
【0009】以上のように、従来の流体ポンプ30を水
道等の揚水に用いる場合には、供給側に負圧等が生じる
場合が有るので、受水タンク36が必要となるという問
題点を有していた。
【0010】また、従来の流体ポンプ30を、人工透析
装置、人工心肺装置、人工心臓等の循環ポンプに用いる
場合には、次のような問題を生じる。つまり、供給側の
供給圧(血圧等)や供給量(血液量等)が、ポンプの排
出能力よりも小さい場合には、供給側に負圧を生じる。
これにより、血管等が閉塞してしまうおそれがあった。
【0011】これを解決するため、供給側に負圧の生じ
ない医療用ローラポンプ100を用いたり、供給側の負
圧の制御を行ってサック型血液ポンプ・ダイアフラム型
血液ポンプを用いていた。図31に、人工透析によく用
いられる医療用ローラポンプ100の一例を示す(特開
平5−42204号公報参照)。このローラポンプ10
0は、軸106を中心として回転するローラ102、1
04を有している。供給口108は動脈に連結されてお
り、排出口110は透析装置等を介して静脈に連結され
ている。ローラ102、104が矢印Eの方向に回転す
ると、弾性を有するチューブ112が圧縮される位置が
移動する。これにつれて血液が、供給口108から吸入
され、排出口110から送り出される。なお、ローラ1
02、104による圧縮時に、チューブ112は完全に
圧縮されないようになっている。つまり、間隔Tが生じ
るように、ローラ102、104が配置されている。こ
れは、チューブ112を完全に圧縮して、血液中の赤血
球等を破壊しないようにするためである。
【0012】このローラポンプ100によれば、供給側
に負圧を生じることがない。しかしながら、間隔Tが設
けられているため供給効率が悪く、場合によっては逆流
するおそれもあった。また、排出能力(排出圧力および
排出量)に限界があるという問題もあった。
【0013】この発明は、上記のような問題点を解決し
て、供給側に負圧を生じることなく、供給効率が良く、
さらに排出能力を大きくとることのできる流体ポンプお
よび流体移動方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1のポンプは、内
部空間を有するシリンダ、シリンダ内部空間を流体室と
開放室とに分離するとともに、シリンダ内壁との気密ま
たは水密を保ちつつ、シリンダ内部空間を往復移動可能
に設けられた第1のピストン、シリンダの流体室に、流
入弁を介して接続された流体供給口、シリンダの流体室
に、流出弁を介して接続された流体排出口、を備えてお
り、シリンダの開放室に、往復移動可能に第2のピスト
ンを設け、駆動手段によって該第2のピストンを往復移
動させることを特徴としている。
【0015】請求項2のポンプは、内部空間を有するシ
リンダ、シリンダ内部空間を流体室と開放室とに分離す
る分離壁、シリンダの流体室に、流入弁を介して接続さ
れた流体供給口、シリンダの流体室に、流出弁を介して
接続された流体排出口、往復移動することにより、流体
室に流体を保持した分離壁を押圧し、流体排出口に向け
て流体を押し出す駆動ピストン、を備えたことを特徴と
している。
【0016】請求項3のポンプは、前記分離壁が柔軟性
材料で構成されていることを特徴としている。
【0017】請求項4のポンプは、前記分離壁が、鋭角
に形成された折返点を持たない蛇腹構造に形成されてい
ることを特徴としている。
【0018】請求項5のポンプは、前記分離壁がダイア
フラムで構成されていることを特徴としている。
【0019】請求項6のポンプは、内部空間を有する容
器、容器内部空間を流体室、開放室、駆動用流体室とに
分離するために、流体室と開放室の間に設けられた第1
の分離壁および、開放室と駆動用流体室の間に設けられ
た第2の分離壁、シリンダの流体室に、流入弁を介して
接続された流体供給口、シリンダの流体室に、流出弁を
介して接続された流体排出口、を備えており、前記開放
室を大気に開放しておくとともに、駆動用流体室に駆動
用流体を流入、排出させることにより、第2の分離壁を
往復駆動して第1の分離壁を押圧し、流体供給口から流
体を流入して、流体排出口から流体を排出するように構
成されている。
【0020】請求項7のポンプは、前記第1の分離壁が
柔軟性材料で構成されていることを特徴とする。
【0021】請求項8のポンプは、前記分離壁が、鋭角
に形成された折返点を持たない蛇腹構造に形成されてい
ることを特徴としている。
【0022】請求項9のポンプは、前記分離壁がダイア
フラムで構成されていることを特徴としている。
【0023】請求項10の人工心臓は、流体供給口が上
下大静脈に連結され、流体排出口が肺もしくは人工肺に
連結された請求項2または請求項6のポンプを右ポンプ
とし、流体供給口が前記肺もしくは人工肺に連結され、
流体排出口が上行大動脈に連結された請求項2または請
求項6のポンプを左ポンプとして構成したことを特徴と
している。
【0024】請求項11の人工心臓は、右ポンプおよび
左ポンプとして、それぞれ、動作位相の異なる複数のポ
ンプを並列に接続したものを用いたことを特徴としてい
る。請求項12の流体移動方法は、容積可変の流体室を
設け、流入弁を介して流体供給側を流体室に接続すると
ともに、流出弁を介して流体排出側を流体室に接続し、
流体供給側からの供給能力によって流体室に流体を導く
とともに、流体室に対して押圧開放を繰り返すことによ
り、流体供給側に負圧等を生じることなく、流体を移動
することを特徴としている。
【0025】
【作用】請求項1のポンプは、シリンダの開放室に、往
復移動可能に第2のピストンを設け、駆動手段によって
該第2のピストンを往復移動させることを特徴としてい
る。したがって、第2のピストンの移動によって、流体
室が減圧されることがなく、供給側に負圧を与えるおそ
れがない。くわえて、供給側の供給能力に応じた最大限
の供給量を得ることが可能である。
【0026】請求項2、6のポンプは、駆動ピストン、
駆動用流体の駆動によって、流体室が減圧されることが
なく、供給側に負圧を与えるおそれがない。
【0027】請求項4、8のポンプは、分離壁が鋭角に
形成された折り返し点を持たない蛇腹構造に形成されて
いるので、血液等を排出する際にその細胞を破壊するお
それがない。
【0028】請求項10の人工心臓は、請求項2または
6のポンプを用いているので、人体に無理な負圧を与え
るおそれがなく、効率よく血液循環を図ることができ
る。
【0029】請求項11の人工心臓は、動作位相の異な
る複数のポンプを並列に接続している。したがって、供
給側の血管に血液がとどまるおそれがない。
【0030】請求項12の流体移動方法は、流体室の体
積を強制的に大きくするのではなく、流体室に対する押
圧力を開放することにより、供給側の供給能力に応じて
流体室の体積を大きくするようにしている。したがっ
て、供給側に負圧等を与えるおそれがない。
【0031】
【実施例】この発明の一実施例によるポンプ40の構造
を、図1に示す。シリンダ10は、円筒状に形成されて
おり、内部に内部空間11を有している。シリンダ10
の内部には、第1のピストン9が往復移動(A方向、B
方向)可能に設けられている。また、第1のピストン9
の外周には、シリンダ10の内壁と接して水密を保つた
めの水密部材16が設けられている。第1のピストン9
によって、シリンダ10の内部空間11は、流体室18
と開放室19とに分離されている。開放室19の下部に
は、穴27が設けられ、大気に開放されている(穴27
の矢印はこれをあらわしている)。
【0032】流体室18には、流入弁21を介して流体
供給口12が接続されている。流入弁21は、流体室1
8に流体が流入する方向にのみ開く弁である。また、流
体室18には、流出弁23を介して流体排出口14が接
続されている。流出弁23は、流体室18から流体が流
出する方向にのみ開く弁である。なお、弁は、流体の性
質、圧力等に応じて、適切なものを選択して使用すれば
よい。以下の、説明、図面等においてあらわした弁は、
説明上の一例であって、これらに限定するものではな
い。
【0033】開放室19には、第2のピストン42が設
けられている。第2のピストン42の先端部には円盤状
部材44が設けられ、さらにその先端には弾性部材46
が設けられている。弾性部材46は、第1のピストン9
と第2のピストン42とが接触した時の衝撃を緩和する
ためのものである。この実施例では、弾性部材46とし
てゴムを用いているが、バネ等の緩衝部材を用いてもよ
い。
【0034】第2のピストン42のシャフト48は、シ
リンダ10の内部に設けられたシャフト受け50によっ
て、往復移動(A方向、B方向)可能に保持されてい
る。駆動手段であるモータやエンジン等(図示せず)に
よって回転される駆動軸60の回転力は、リンク機構6
2によって、往復運動(A方向、B方向)として、第2
のピストン42のシャフト48に伝達される。
【0035】図2を参照して、このポンプ40の動作を
説明する。図2Aは、第2のピストン42が第1のピス
トン9を押し上げたところである。この状態から、駆動
軸60が矢印αの方向に回転すると、図2Bのように、
リンク機構62によって第2のピストン42が下降す
る。さらに、回転すると、図2Cのように、第2のピス
トン42が最も下降した状態となる。この際、第1のピ
ストン9は、第2のピストン42と分離しているので、
必ずしも第2のピストン42と同時に下降しない。つま
り、流体供給口12からの供給能力(供給圧力および供
給量)によって流入弁21が開き、その能力に応じて第
2のピストン42が押し下げられる。したがって、供給
側に負圧を与えることがない。なお、供給側の流体供給
圧力(水道の配水管であれば、1.5Kgf/cm2
2.0Kgf/cm2)により、第1のピストン9が下降
できる程度に、水密部材16とシリンダ10との摩擦を
決定しておくとよい。
【0036】さらに回転が進むと、リンク機構62によ
って、第2のピストン42が押し上げられる。これによ
り、第2のピストン42の弾性部材46が第1のピスト
ン9に当接し、第1のピストン9を押し上げる(図2
D)。この際、弾性部材46によって、衝突のショック
が緩和される。第2のピストン42によって第1のピス
トン9が押し上げられると、流入弁21が閉じ、流出弁
23が開く。これにより、流体室18の流体が、流体排
出口14に向けて排出される。
【0037】上記の動作を繰り返すことにより、流体の
供給量に応じて排出を行うことができる。つまり、供給
側に負圧を与えることなく、流体の移動を行うことがで
きる。
【0038】また、駆動軸60の回転が止った場合であ
っても、供給側からの圧力により流入弁21が開き、さ
らに流出弁23も開いて、流体を移動させることが可能
である。
【0039】なお、この実施例では流体として液体を例
として説明したが、ガスや空気等の気体であってもよ
い。気体を流入、排出する場合には、水密部材16に代
えて、気密部材を使用すればよい。
【0040】この発明の他の実施例によるポンプを、図
3に示す。この実施例では、図1と同じ構造のポンプ4
0a,40bを2つ並列に接続している。また、2つの
ポンプ40a,40bの回転位相角を180度異なるよ
うにしている。したがって、図に示すように、ポンプ4
0aが流体を排出している時には、ポンプ40bに流体
が供給されるようになる。これにより、供給側、排出側
に対する圧力変化を小さくして、脈動を防止することが
できる。このことにより、水道の給水に例をとれば、供
給能力および排出能力の変化によるウオーターハンマー
現象を防ぐことができる。
【0041】なお、上記実施例では、ポンプを2つ並列
に接続したが、3つ以上のポンプを並列に接続してもよ
い。この場合の、各ポンプの回転位相φ(度)は、次式
によればよい。
【0042】φi=(360度/N)・i ここで、Nは全ポンプ数であり、iは各ポンプを現す数
であって1〜Nである。図4に、上記実施例によるポン
プを、水道の給水用に用いた場合の例を示す。この実施
例では、図3に示すように2つのポンプ40a,40b
を並列に接続したものを用いた。図中、54、58、6
0、62、64は、逆流を防止するための弁である。配
水管32から、メータ56を介して、ポンプ40a,4
0bが接続されている。このポンプ40a,40bの駆
動により、高置タンク34に水道水が供給される。この
高置タンク34からの水道水を、各戸に配水するように
している。
【0043】水道法施工令第4条第3号によると、「配
水管の水圧に影響を及ぼすおそれのあるポンプに直結さ
れていないこと」という条件が課されている。したがっ
て、配水管32の水圧に影響を与えるポンプ(ピストン
ポンプを例にとると、従来の図27のポンプなど)は、
配水管32に直結できなかった。しかしながら、本発明
のポンプ40a,40bであれば、給水側(配水管32
側)に負圧を与えず、かつウオータハンマーが発生しな
いので、配水管32の水圧に影響を与えない。したがっ
て、図4のように直結可能である。つまり、従来例、図
30のように、受水タンク36を設ける必要がなく、構
成を簡素化することができる。また、土地の有効活用を
図ることも可能となる。
【0044】図4において、高置タンク34内には、フ
ロートスイッチ50が設けられている。また、ポンプ4
0a,40bの配水管32側には、水検出センサ52が
設けられている。フロートスイッチ50は、高置タンク
34内の水位が、所定よりも低下すればONになるスイ
ッチである。水検出センサ52は、管内に水道水が存在
すればONとなるセンサである。フロートスイッチ50
と水検出センサ52とによって、ポンプ40a,40b
の駆動の有無が制御される。
【0045】フロートスイッチ50と水検出センサ52
による制御の結線図を、図5に示す。電源62は、フロ
ートスイッチ50と水検出センサ52の双方がONにな
った場合のみ、ポンプ40a,40bのモータMを駆動
させる。つまり、配水管32から水が供給されており、
かつ、高置タンク34の水が少なくなった場合にのみ、
ポンプ40a,40bが駆動する。これにより、高置タ
ンク34の水が所定量に達すれば、フロートスイッチ5
0がOFFになって、ポンプ40a,40bが停止す
る。
【0046】なお、水検出センサ52を設けなくとも、
配水管32からの水供給が断水等により停止すると、ポ
ンプ40a,40bは空転して負圧を生じない。しかし
ながら、ポンプ40a,40bの空転は好ましくないの
で、この実施例では水検出センサ52を設けている。
【0047】また、図4に示すように、高置タンク34
の供給側には止水栓65が設けられている。この止水栓
65の動作を、図5を用いて説明する。フロートスイッ
チ50と連動して、制御スイッチ51が設けられてい
る。制御スイッチ51は、フロートスイッチ50と連動
して動作をする。つまり、高置タンク34の水位が所定
以上であればOFF、所定以下であればONとなる。制
御回路53は、制御スイッチ51がONであれば(高置
タンク34の水が少なければ)、止水栓65を開く。ま
た、制御スイッチ51がOFFであれば(高置タンク3
4の水が多ければ)、止水栓65を閉じる。これによ
り、モータ64が停止しているにもかかわらず、水道圧
(1.5Kgf/cm2〜2Kg/cm2)によって、水道水
が高置タンク34に供給されてあふれてしまうことを防
止している。
【0048】上記実施例では、止水栓65を高置タンク
34近傍の供給側に設けたが、配水管32と高置タンク
34との間であれば、どこに設けてもよい。
【0049】なお、水道圧によって水道水が自然上昇す
る高さよりも高い位置に高置タンク34を設ける場合に
は、上記止水栓65およびその制御は行なわなくともよ
い。また、断水時の逆流を防止するためには、ポンプ4
0a,40bと高置タンク34との間の配管70に、さ
らに逆止弁を設けることが好ましい。
【0050】さらに、上記実施例では、1組のポンプ4
0a,40bを使用している。しかしながら、2組のポ
ンプを並列に接続し、交互に動作させるようにしてもよ
い。このようにすれば、1方の組のポンプが故障した場
合であっても、他方の組のポンプによって運転可能であ
る。
【0051】建物が高層であって、ポンプ40a,40
bが高置タンク34まで揚水できない場合には、図6に
示すように、建物の途中階に中間受水タンク72を設け
ればよい。この中間受水タンク72から、ポンプ74に
よって、高置タンク34に揚水する。この場合、ポンプ
34は、従来のポンプを用いることができる。
【0052】なお、上記実施例では、屋上に高置タンク
34を設け、これに給水するようにしている。しかし、
1階に圧力タンクを設けてこれに給水し、その圧力によ
って、2階以上の各戸に給水するようにしてもよい。
【0053】高置タンク34や圧力タンクを用いない実
施例を、図7に示す。この例では、ポンプ40a,40
bを1組として、1つの組ポンプを形成し、これを並列
にn個設けている。また、組ポンプ801〜80nの出力
側に、圧力センサ78を設けて、その検出圧力に応じ
て、組ポンプ801〜80nの駆動数を変化させている。
その回路構成を、図8にブロック図で示す。制御回路8
4は、圧力センサ78からの検出圧力を受ける。各戸に
おける使用量が多く検出圧力が小さくなれば、制御回路
84は、駆動するモータの数(すなわち駆動ポンプの
数)を増やし、排出水量を多くするように制御する。ま
た、検出圧力が大きくなれば、制御回路84は、駆動す
るモータの数(すなわち駆動ポンプの数)を減らし、排
出水量を少なくするように制御する。このようにして、
圧力を一定に保ち、各戸の使用量が変っても、水圧が変
化しなように制御を行う。
【0054】この実施例によれば、高置タンク34や圧
力タンクを設置する必要がなく、空間をさらに有効利用
することができる(タンクレスシステムという)。
【0055】また、上記実施例では、駆動するポンプの
数によって排出水量を制御したが、ポンプの回転数(能
力)を制御してもよい。さらに、両者を組合せて制御し
てもよい。この場合、水道の配水管32の供給能力を参
考にする必要がある。なお、供給絶対水量が、建築物な
どの必要水量を下回る場合には、このタンクレスシステ
ムは採用しないほうがよい。
【0056】上記各実施例では、本発明のポンプを水道
の給水に適用した場合について説明した。しかし、上記
実施例は一例であって、本発明のポンプは供給側に負圧
を与えないことが望まれるような場合に、有用である。
たとえば、後で述べる血液循環用ポンプ等にも適用する
ことができる。
【0057】図9に、他の実施例によるポンプ41の構
造を示す。この実施例においては、図1の第1のピスト
ン9に代えて、分離壁であるサック113を設けてい
る。サック113は柔軟性材料から構成されており、シ
リンダ10の上部に流体室18を形成する。駆動ピスト
ン42が下がっている時(矢印B方向に移動した時)に
は、流体の供給圧力により流入弁21が開き、流体室1
8に流体が流入する。次に、駆動ピストン42が上がる
と(矢印A方向に移動した時)、駆動ピストン42がサ
ック113を押し上げ、流体室18内の流体を、流体排
出口14に押し出す。なお、サック113は、外力に対
して応力がきわめてゼロに近いことが好ましい。
【0058】図9のポンプ41においても、駆動ピスト
ン42とサック113が分離しているので、供給側に負
圧を与えることがない。したがって、このポンプ41
も、図1のポンプ40と同様に、負圧を与えないことを
目的として、適用することができる。
【0059】なお、図中δで示すように、サック113
端部の剛性をやや高くして(厚くする等)、シリンダ1
0の内壁に対しての角度αを直角を含む鈍角に保つよう
にすることが好ましい(図14B参照)。このようにし
ておけば、血液等の循環ポンプとして用いた場合であっ
ても、血栓を生じにくい。
【0060】また、図10に示すように、分離壁として
ダイアフラム116を設けてもよい。この場合の動作
は、図9と同様である。ダイアフラム116の中央部1
16aは、周辺部116bよりもやや厚く形成されてお
り、平面状を維持できるようになっている。周辺部11
6bは、外力に対して応力がきわめて小さい状態に構成
されている。その方法としては、図に示すように、波状
に形成する等の方法がある。
【0061】上記図9、図10のポンプも、図1のポン
プと同様に、種々の流体を移動させる用途に用いること
ができる。例えば、人工透析、人工心肺等あるいは心機
能を代替して血液循環を維持する装置等の血液等の循環
用ポンプとして使用することができる。このポンプは、
負圧を生じないので、供給側の人体の血管を閉塞するお
それがなく、安全である。さらに、供給側の血液量(血
圧)に応じた、最大量を排出できるので、血液循環能力
も高い。さらに、排出側に圧力をかける必要のある機器
を接続した場合であっても、十分に使用することができ
る。
【0062】ただし、図9のポンプ41を、血液の循環
用ポンプとして用いる場合には、図11に示すような問
題を生じることがある。図11Aに示すように、駆動ピ
ストン42が上昇した際に、サック113にしわが生じ
る。このしわの部分に、血液中の赤血球等(細胞)が入
り込むと損傷するおそれがある。また、図11Bに示す
ように、駆動ピストン42の円盤状部材44とシリンダ
10の内壁との間に、サック113が入り込み、εの部
分において、赤血球等(細胞)の損傷や血栓が生じるお
それがある。さらに、サック113自体が損傷するおそ
れもあった。
【0063】したがって、血液等の循環用ポンプとして
使用する場合には、図12A,Bに示すような構造とす
ることが好ましい。この実施例においても、サック11
4と駆動ピストン42とは分離している。この実施例で
は、サック114を丸面蛇腹の構造にして設けている。
つまり、鋭角に形成された折返点を持たない蛇腹構造と
している。丸面蛇腹とすることにより、サック114に
よって、血液中の赤血球等(細胞)が圧縮されて破損す
るおそれがない。また、血栓も生じにくい。
【0064】この際、サック114が自然状態において
丸面蛇腹を保持できる程度に、サック114に剛性を持
たせることが好ましい。さらに、図13に示すように、
駆動ピストン42が最も上昇した場合であっても、各蛇
腹の間隔Lを、血液中の赤血球等(細胞)を圧縮しない
最低限の寸法より大きくしておくべきである。
【0065】また、サック114の底面114aが、平
面状の状態を維持できるように、その剛性、形状を決定
するとよい。上記のようにすることにより、赤血球等
(細胞)の損傷や血栓の生じにくいポンプを実現するこ
とができる。
【0066】また、この実施例では、駆動ピストン48
の外径をシリンダ10の内径にほぼ近くしている。さら
に、図12Bに示すように、駆動ピストン48の外周に
溝49を設け、開放室42を大気に開放している。駆動
ピストン48の下部には、凸部48aを設けている。一
方、伝達シャフト63の先端部の係合部65には、凹部
65aが設けられている。この凹部65aに、凸部48
aをスライドして係合することにより、伝達シャフト6
3の往復運動を、駆動ピストン48に伝えている。
【0067】なお、感染等を避けるためには、血液に触
れる部分を取り替え式にすることが好ましい。比較のた
め示す図12Cのポンプでは、ポンプ全てを取り替えな
ければならない。これに対し、図12A,Bの実施例に
よれば、凹部65aと凸部48aをスライドすることに
より、容易に駆動ピストン48、シリンダ10(サック
114を含む)を取り外して、取り替えることができ
る。もちろん、駆動ピストン48はそのままにして、シ
リンダ10(サック114を含む)のみを取り替えても
よい。
【0068】なお、図10のポンプ43も同様に、血液
等の循環用ポンプとして使用することができる。この場
合には、図10の破線で示すように、駆動ピストン42
が最上部に達した場合にも、シリンダ10の上部との間
隔mを確保し、赤血球等(細胞)の損傷を生じないよう
にする必要がある。ダイアフラム116(やサック11
4等血液に直接触れる部分)は、抗血栓性材料であるポ
リジメチルシロキン、ポリエーテルウレタン、ポリエー
テルウレタンウレア、ポリウレタン−ポリジメチルシロ
キサン共重合体、可塑材含有ポリ塩化ビニル等を用いる
と好ましい。
【0069】図14に、他の実施例によるポンプ120
の構造を示す。容器124の内部には、第1の分離壁で
あるサック114、第2の分離壁であるサック122が
設けられている。サック114、122によって、容器
124の内部空間は、流体室18、開放室19、駆動用
流体室126に分離されている。流体室18には、流入
方向にのみ開く流入弁21を介して、流体供給口12が
接続されている。また、流体室18には、流出方向にの
み開く流出弁23を介して、流体排出口14が接続され
ている。容器124には、貫通穴128が設けられてお
り、開放室19はこの貫通穴128によって大気に開放
されている。なお、サック122、114の端部を図1
4Bに示すように、容器124の内壁に対しての角度α
を直角を含む鈍角に保つように構成すれば、血液用ポン
プとして用いる際にも、血栓発生を防止できる(図9の
実施例参照)。
【0070】この実施例では、駆動ピストン42が設け
られていない。駆動用流体口130から、駆動用流体室
126に駆動用流体(液体又は気体)を流入、排出させ
ることによりサック122を往復駆動して、駆動ピスト
ン42の役割を果たしている。つまり、サック122に
よってサック114を押圧することにより、流体室18
から流体排出口14に向けて流体を送り出すようにして
いる。
【0071】ところで、駆動用流体室126に駆動用流
体を流入させ、流体室18の流体を流体排出口14から
送り出す場合に、図15に示すように、サック122が
押しつぶされるおそれがある。これにより、サック11
4も押しつぶされる。したがって、図14のポンプ12
0を、血液等の循環用ポンプとして用いると、赤血球等
(細胞)が破壊されて好ましくない。
【0072】したがって、図14のポンプ120を血液
等の循環用ポンプとして用いる場合には、図16のよう
な構造にするとよい。この実施例においては、サック1
22の中央部に、硬質の円盤状プレート136を設けて
いる。さらに、この円盤状プレート136を係止糸13
4によって、容器124の下部に連結している。これと
ともに、図17に示すように、サック122の円盤状プ
レート136近傍に、糸状張力部材123を網状に設け
ている。この糸状張力部材123は、サック122と一
体化されている。
【0073】このポンプ121の動作を、図16を用い
て説明する。駆動用流体が駆動用流体室126に流入す
ると、サック122が駆動用流体によって押圧される。
これに伴って、サック114も押圧され、流体室18の
流体が押し出される。この際、円盤状プレート136
は、係止糸134によって連結されているので、円盤状
プレート136が容器124の上部壁124aに当た
り、流体室18内の赤血球等(細胞)を破壊するおそれ
がない。さらに、糸状張力部材123と円盤状プレート
136が設けられているので、サック122は、図16
Aの状態以上に間隔Pを狭くすることはない。したがっ
て、赤血球等(細胞)が破壊されるおそれがない。
【0074】駆動用流体室126から駆動用流体を流出
すると、図16Bに示すような状態となる。これによ
り、流体供給口12から、流体の供給能力に応じて流体
が流入される。
【0075】また、図18に示すような構造としてもよ
い。この実施例では、図12の実施例と同じように、サ
ック114を丸面蛇腹に形成している。容器124の下
部には、サック132によって駆動用流体室126を形
成している。サック114とサック132とは分離して
いる。
【0076】第1の分離壁および第2の分離壁を、それ
ぞれダイアフラム116およびダイアフラム140によ
って構成した実施例を、図19に示す。このポンプ15
0も、駆動用流体室126に駆動用流体を流入・流出す
ることにより、供給側に負圧を生じることなく、供給側
からの流体を流体排出口14から排出することができ
る。
【0077】ただし、このポンプ150を血液等の循環
用ポンプとして用いる場合には、血液の排出時に、破線
で示すようにダイアフラム140により押圧された11
6によって、流体室18内の赤血球等(細胞)を破壊す
るおそれがある。したがって、血液等の循環用ポンプと
して用いる場合には、図17の糸状張力部材123と同
じような部材を、ダイアフラム140に一体化して設け
て、ダイアフラム140の変形を規制すればよい。すな
わち、図20に示すように、赤血球等(細胞)を破壊す
るおそれがないように、空間mを残して、ダイアフラム
140の変形が停止するようにすればよい。
【0078】また、この実施例では、図20Bに示すよ
うに、容器124を、開放室19のところで、上部容器
124aと下部容器124bとに分離している。両容器
124a、124bは、図のように、はめ込みによって
固定されている。このようにすれば、上部容器124a
のみを取り替えることにより、感染を防止することやコ
ストを低くおさえることができる。
【0079】なお、上記各実施例では、流体として水道
水、血液等を移動する場合を示したが、潤滑油、ガソリ
ン、その他の流動体(気体も含む)にも適用することが
できる。
【0080】図21に、上記各実施例で示したポンプ
を、人工透析に使用した場合の例を示す。人体302の
動脈から、本発明のポンプ300に導く。ポンプ300
によって、血液を透析装置304に送り込む。透析され
た血液は、静脈に送り返す。この際、本発明のポンプ3
00は、供給側である血管に負圧を生じないので、血管
を閉塞するおそれがない。さらに、供給側の供給能力
(すなわち血圧および供給血液量)に応じて、負圧を生
じない最大限の供給能力を発揮できる。
【0081】図22に、上記各実施例で示したポンプ
を、人工心臓に使用した場合の例を示す。ここでは、図
20の実施例に示したポンプを2つ使用して、人工心臓
を構成している。右ポンプであるポンプ180aの流体
供給口12には、人体302の上・下大静脈が接続され
る。上・下大静脈からの血液は、ポンプ180aの動作
により、肺(もしくは人工肺)304に送り込まれる。
肺304からの血液は、左ポンプであるもう一つのポン
プ180bの動作により、人体302に送り込まれる。
このように、本発明のポンプを用いれば、人体302に
無理を生じることなく、効率のよい人工心臓を構成する
ことができる。
【0082】なお、図22では、図20の実施例による
ポンプを用いたが、他の実施例によるポンプを用いても
よい。ただし、赤血球等を破壊しない配慮がされている
ものが好ましい。
【0083】図23に、さらに他の人工心臓の例を示
す。この実施例では、ポンプ180aに並列にポンプ1
80cを接続して右ポンプとし、ポンプ180bに並列
にポンプ180dを接続して左ポンプとしている。ポン
プ180a,180bとポンプ180c,180dは、
ちょうど、逆の動作(一方が吸入の時は、他方は排出)
となるように制御されている。
【0084】図22の人工心臓では、ポンプ180aが
排出を行っている間は、上下大静脈からの血液は、血管
内にとどまることになる。これに対し、図23の実施例
では、ポンプ180cが肺304に向けて排出を行って
いる場合には、ポンプ180aに血液が流入される。ま
た、ポンプ180aが肺304に向けて排出を行ってい
る場合には、ポンプ180cに血液が流入される。した
がって、上下大静脈からの血液が、血管内にとどまるこ
とがない。すなわち、一方のポンプが排出を行っている
場合(心室に該当)には、他方のポンプに血液が流入
し、他方のポンプが心房の役割を果たしている。ポンプ
180b,180dについても、同様である。このよう
に、本実施例によれば、さらに人体に無理のない人工心
臓を提供することができる。
【0085】なお、肺304への影響を考慮すると、ポ
ンプ180a,180cの排出能力は、ポンプ180
b,180dの排出能力よりも小さくしておく方が好ま
しい。この調整は、駆動流体室126に流入させる駆動
流体の流体量、流入・流出速度、圧力等によって制御す
ればよい。
【0086】上記実施例では、2つのポンプを並列に接
続しているが、3つ以上を並列に接続してもよい。この
場合、各ポンプの駆動流体室の容積変化曲線の位相φ
(度)が下式にしたがってずれるように、駆動流体の流
入・流出を制御すればよい。
【0087】φi=(360度/N)・i ここで、Nはポンプの数、iは各ポンプを現す数であっ
て1〜Nである。
【0088】並列に接続するポンプの数Nを多くすれ
ば、脈動を少なくすることができる。また、上記のポン
プ180a〜180dに代えて、それぞれ図12Cの実
施例によるポンプ41a〜41dを用いて、人工心臓を
構成してもよい(図24参照)。駆動軸60のクランク
やクランクシャフトの長さを変えることで駆動ピストン
42のストロークを変え、また、流体室18の体積を変
えることにより、各ポンプ41a〜41dの排出能力を
調整することができる。この実施例では、ポンプ41
a,41cのストロークS2を、ポンプ41b,41d
のストロークS1よりも小さくして、その排出能力を小
さくしている。なお、図24では、全てのポンプ41a
〜41dを1つの駆動軸60に接続しているが、それぞ
れのポンプに別個に駆動軸を設けて制御してもよい。
【0089】また、人工肺装置350を用いて人工心肺
システムを構成する場合の実施例を、図25に示す。台
380の上においた人体302の上下大静脈から、重力
によって人工肺装置350に血液を送り込む。人工肺装
置からの血液を、本発明のポンプ300によって、人体
302の上行大動脈に送り込む。従来のロータリーポン
プを用いるよりも、効率よく血液の循環を行うことがで
きる。
【0090】図26に、他の実施例による血液ポンプを
示す。図26Aは、図20のポンプとほぼ同じ構造であ
るが、大気に開放するための貫通穴128が設けられて
いない。したがって、開放室ではなく、密閉室190が
形成されている。他の構造は、図20と同じである。
【0091】また、図26Bは、図16のポンプとほぼ
同じ構造であるが、大気に開放するための貫通穴128
が設けられていない。したがって、開放室ではなく、密
閉室190が形成されている。他の構造は、図16と同
じである。
【0092】図26に示すポンプは、本願発明の特徴で
ある供給側に負圧を生じないという効果は持たない。し
かしながら、分離壁116、140(114、122)
を2重に設け、糸状張力部材、円盤状プレート、係止糸
等を設けることにより、血栓の発生を抑えることができ
る。
【0093】
【発明の効果】請求項1のポンプは、シリンダの開放室
に、往復移動可能に第2のピストンを設け、駆動手段に
よって該第2のピストンを往復移動させることを特徴と
している。したがって、第2のピストンの移動によっ
て、流体室が減圧されることがなく、供給側に負圧を与
えるおそれがない。くわえて、供給側の供給能力に応じ
た最大限の供給量を得ることが可能である。
【0094】請求項2、6のポンプは、駆動ピストン、
駆動用流体の駆動によって、流体室が減圧されることが
なく、供給側に負圧を与えるおそれがない。
【0095】請求項4、8のポンプは、分離壁が鋭角に
形成された折り返し点を持たない蛇腹構造に形成されて
いるので、血液等を排出する際にその細胞を破壊するお
それがない。
【0096】請求項10の人工心臓は、請求項2または
6のポンプを用いているので、人体に無理な負圧を与え
るおそれがなく、効率よく血液循環を図ることができ
る。
【0097】請求項11の人工心臓は、逆の動作をする
ポンプを2つ並列に接続している。したがって、供給側
の血管に血液がとどまるおそれがない。
【0098】請求項12の流体移動方法は、流体室の体
積を強制的に大きくするのではなく、流体室に対する押
圧力を開放することにより、供給側の供給能力に応じて
流体室の体積を大きくするようにしている。したがっ
て、供給側に負圧等を与えるおそれがない。
【0099】すなわち、この発明によれば、供給側に負
圧等を与えず、供給側の供給能力に応じて効率のよい排
出量を確保できるポンプおよび流体移動方法を提供する
ことができる。
【0100】また、この発明によれば、人体に無理な影
響を与えない、人工心臓を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるポンプを示す断面図
である。
【図2】図1のポンプ40の動作を示す図である。
【図3】ポンプを2台並列に接続した状態を示す図であ
る。
【図4】図3のポンプを水道の給水システムに適用した
場合の例を示す図である。
【図5】図4のシステムの結線を示す図である。
【図6】中間受水タンク72を設けた場合を示す図であ
る。
【図7】高置タンク、圧力タンクを設けない場合の例を
示す図である。
【図8】図7のシステムのポンプ801〜80nの運転制
御を示すための図である。
【図9】他の実施例によるポンプ41の構造を示す図で
ある。
【図10】他の実施例によるポンプ43の構造を示す図
である。
【図11】図9のポンプ41を、血液等の循環ポンプと
して使用する場合の問題点を示す図である。
【図12】図11の問題点を解決したポンプ41の構造
を示す図である。
【図13】図12のポンプの丸面蛇腹の詳細を示す図で
ある。
【図14】駆動用流体によって駆動する場合のポンプ1
20を示す図である。
【図15】図14のポンプ120を、血液等の循環ポン
プとして使用する場合の問題点を示す図である。
【図16】図15の問題点を解決したポンプ121の構
造および動作を示す図である。
【図17】図16のポンプ121のサック122の詳細
を示す図である。
【図18】他の実施例による駆動用流体によって駆動す
るポンプ120を示す図である。
【図19】他の実施例による駆動用流体によって駆動す
るポンプ150を示す図である。
【図20】図19を血液等の循環ポンプとして使用する
に適した構成にした実施例を示す図である。
【図21】本発明のポンプ300を透析に用いた場合を
示す図である。
【図22】図20のポンプ180を用いて人工心臓を構
成した実施例を示す図である。
【図23】ポンプ180を並列に接続して人工心臓を構
成した実施例を示す図である。
【図24】図12のポンプ41を用いて人工心臓を構成
した実施例を示す図である。
【図25】人工肺装置350に本発明のポンプ300を
用いた場合を示す図である。
【図26】ポンプの他の構造を示す図である。
【図27】従来のポンプ30を示す図である。
【図28】従来のポンプ30を示す図である。
【図29】従来のポンプ30を配水管32に直結した場
合を示す図である。
【図30】従来のシステムにおいて、受水タンク36を
設けた場合を示す図である。
【図31】従来の血液循環用のロータリーポンプを示す
図である。
【符号の説明】
9・・・第1のピストン 10・・・シリンダ 11・・・内部空間 12・・・流体供給口 14・・・流体排出口 18・・・流体室 19・・・開放室 21・・・流入弁 23・・・流出弁 42・・・第2のピストン

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部空間を有するシリンダ、 シリンダ内部空間を流体室と開放室とに分離するととも
    に、シリンダ内壁との気密または水密を保ちつつ、シリ
    ンダ内部空間を往復移動可能に設けられた第1のピスト
    ン、 シリンダの流体室に、流入弁を介して接続された流体供
    給口、 シリンダの流体室に、流出弁を介して接続された流体排
    出口、 を備えたホンプにおいて、 シリンダの開放室に、往復移動可能に第2のピストンを
    設け、駆動手段によって該第2のピストンを往復移動さ
    せることを特徴とする負圧の生じないポンプ。
  2. 【請求項2】内部空間を有するシリンダ、 シリンダ内部空間を流体室と開放室とに分離する分離
    壁、 シリンダの流体室に、流入弁を介して接続された流体供
    給口、 シリンダの流体室に、流出弁を介して接続された流体排
    出口、 往復移動することにより、流体室に流体を保持した分離
    壁を押圧し、流体排出口に向けて流体を押し出す駆動ピ
    ストン、 を備えた負圧の生じないポンプ。
  3. 【請求項3】請求項2のポンプにおいて、 前記分離壁が柔軟性材料で構成されていることを特徴と
    するもの。
  4. 【請求項4】請求項3のポンプにおいて、 前記分離壁が、鋭角に形成された折返点を持たない蛇腹
    構造に形成されていることを特徴とするもの。
  5. 【請求項5】請求項2のポンプにおいて、 前記分離壁がダイアフラムで構成されていることを特徴
    とするもの。
  6. 【請求項6】内部空間を有する容器、 容器内部空間を流体室、開放室、駆動用流体室とに分離
    するために、流体室と開放室の間に設けられた第1の分
    離壁および、開放室と駆動用流体室の間に設けられた第
    2の分離壁、 シリンダの流体室に、流入弁を介して接続された流体供
    給口、 シリンダの流体室に、流出弁を介して接続された流体排
    出口、 を備えており、 前記開放室を大気に開放しておくとともに、 駆動用流体室に駆動用流体を流入、排出させることによ
    り、第2の分離壁を往復駆動して第1の分離壁を押圧
    し、流体供給口から流体を流入して、流体排出口から流
    体を排出する負圧の生じないポンプ。
  7. 【請求項7】請求項6のポンプにおいて、 前記第1の分離壁が柔軟性材料で構成されていることを
    特徴とするもの。
  8. 【請求項8】請求項7のポンプにおいて、 前記分離壁が、鋭角に形成された折返点を持たない蛇腹
    構造に形成されていることを特徴とするもの。
  9. 【請求項9】請求項6のポンプにおいて、 前記分離壁がダイアフラムで構成されていることを特徴
    とするもの。
  10. 【請求項10】流体供給口が上下大静脈に連結され、流
    体排出口が肺もしくは人工肺に連結された請求項2また
    は請求項6のポンプを右ポンプとし、 流体供給口が前記肺もしくは人工肺に連結され、流体排
    出口が上行大動脈に連結された請求項2または請求項6
    のポンプを左ポンプとして構成した人工心臓。
  11. 【請求項11】請求項10の人工心臓において、 右ポンプおよび左ポンプとして、それぞれ、動作位相の
    異なる2以上のポンプを並列に接続したものを用いたこ
    とを特徴とするもの。
  12. 【請求項12】容積可変の流体室を設け、流入弁を介し
    て流体供給側を流体室に接続するとともに、流出弁を介
    して流体排出側を流体室に接続し、流体供給側からの供
    給能力によって流体室に流体を導くとともに、流体室に
    対して押圧開放を繰り返すことにより、流体供給側に負
    圧を生じることなく、流体を移動する流体移動方法。
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