WO2022024628A1 - 作業車 - Google Patents

Abstract

エアクリーナ装置及び排出管の省スペース化を図ることができる作業車を提供する。　ラジエータ５０の前方に位置すると共に、前記ラジエータ５０側を向くように後ろ上がりに傾斜する底面６１ｂを有し、エンジン１０に送られる空気を浄化するエアクリーナ装置６０と、前記エアクリーナ装置６０の底面から前記ラジエータ５０の下部まで延びるように配置され、前記エアクリーナ装置６０によって分離されたダストを排出する排出管７０と、を具備する。

Description

作業車

　本発明は、作業車の技術に関する。

　従来、エンジンに送られる空気を浄化するエアクリーナ装置を有するトラクタ等の作業車の技術は公知となっている。例えば、特許文献１に記載の如くである。

　特許文献１には、取り込んだ外気を除塵処理してエンジンに供給するエアクリーナを、ボンネットの内部の空間に設けたトラクタが記載されている。

　上述のようなエアクリーナには、除塵処理により空気から分離された塵を外部に排出するための排出管が設けられる場合がある。

　しかしながら、エアクリーナにこのような排出管を設ける場合、当該エアクリーナ及び排出管をボンネット内の限られたスペースに納める必要がある。このため、エアクリーナ及び排出管の省スペース化を図ることが望まれる。

特開２０１９－２１７８１１号公報

　本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、エアクリーナ装置及び排出管の省スペース化を図ることができる作業車を提供することである。

　本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。

　即ち、本発明の作業車は、ラジエータの前方に位置すると共に、前記ラジエータ側を向くように後ろ上がりに傾斜する底面を有し、エンジンに送られる空気を浄化するエアクリーナ装置と、前記エアクリーナ装置の底面から前記ラジエータの下部まで延びるように配置され、前記エアクリーナ装置によって分離されたダストを排出する排出管と、を具備するものである。

　また、前記エアクリーナ装置は、吸気した空気に含まれるダストを分離して、前記ダストを前記排出管を介して排出する第一のエアクリーナ部と、前記第一のエアクリーナ部によりダストと分離された空気を浄化する第二のエアクリーナ部と、を具備するものである。

　また、前記排出管は、前記エアクリーナ装置に接続され、可撓性を有する第一の管と、前記第一の管に接続されると共に、前記ダストが排出される排出口を有する第二の管と、を具備するものである。

　また、前記第二の管は、金属材料で形成されているものである。

　また、前記第一の管は、前記エアクリーナ装置側から、前記第二の管側に向かって縮径する縮径部を具備するものである。

　また、前記ラジエータは、前記エンジン側へ空気を送るファンと、前記ファンを径方向外側から覆うように配置され、当該ファンに空気を導くシュラウドと、を具備し、前記シュラウドの下部には、前記第二の管を受け入れるように、前記径方向外側に凹む凹部が形成されているものである。

　また、前記第二の管のうち、前記排出口を含む端部は、前記ファンの回転軸と平行に延びるように配置されるものである。

　本発明の一実施形態における作業車は、エアクリーナ装置及び排出管の省スペース化を図ることができる。

　本発明の一実施形態における作業車は、効果的な空気の浄化を行うことができる。

　本発明の一実施形態における作業車は、排出管のメンテナンス性を向上させることができる。

　本発明の一実施形態における作業車は、第二の管を固定し易くすることができる。

　本発明の一実施形態における作業車は、エアクリーナ装置から空気を吸引し易くしながらも、省スペース化を図ることができる。

　本発明の一実施形態における作業車は、第一のエアクリーナ部により分離したダストを排出し易くすることができる。

　本発明の一実施形態における作業車は、ファンによる吸引力で排出管内のダストを吸引し易くなる。

本発明の第一実施形態に係るトラクタの全体的な構成を示した側面図。 トラクタのボンネット内の各部材を示した斜視図。 トラクタのボンネット内の各部材を示した側面図。 トラクタのボンネット内の各部材を後方から見た状態を示した斜視図。 ラジエータを示した背面図。 シュラウドを示した斜視図。 ラジエータ及び排出管を示した側面断面図。 本発明の第二実施形態に係るラジエータ及び排出管を示した側面断面図。

　以下では、図中の矢印Ｕ、矢印Ｄ、矢印Ｆ、矢印Ｂ、矢印Ｌ及び矢印Ｒで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。

　以下では、図１を用いて本発明の第一実施形態に係るトラクタ１の全体構成について説明する。

　トラクタ１は、主としてフロントフレーム２、トランスミッションケース３、前輪４、後輪５、ボンネット６、ステアリングホイール７、座席８、エンジン１０を具備する。

　フロントフレーム２は、複数の板材を適宜組み合わせて形成される枠状の部材である。フロントフレーム２は、その長手方向を前後方向に向けてトラクタ１の前下部に配置される。フロントフレーム２の後部には、エンジン１０が固定される。エンジン１０の後部には、トランスミッションケース３が固定される。

　また、フロントフレーム２の前部はフロントアクスル機構（不図示）を介して左右一対の前輪４に支持される。トランスミッションケース３は、リアアクスル機構（不図示）を介して左右一対の後輪５に支持される。

　また、エンジン１０は、ボンネット６に覆われる。ボンネット６の後方には、ステアリングホイール７、座席８、各種の操作具及びペダル等が配置される。

　エンジン１０の動力は、トランスミッションケース３に収容された変速装置（不図示）で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪４に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪５に伝達可能とされる。こうして、エンジン１０の動力によって前輪４及び後輪５を回転駆動させ、トラクタ１は走行することができる。

　次に、図１から図４までを参照して、ボンネット６の内部（エンジンルーム）の各部材の配置について説明する。

　ボンネット６の内部には、エンジン１０、底部２０、支持部３０、バッテリ４０、ラジエータ５０、エアクリーナ装置６０、排出管７０及び供給管８０が配置される。

　図１に示すように、エンジン１０は、ボンネット６の後部に配置される。エンジン１０は、フロントフレーム２に支持される。

　図２、図３及び図７に示す底部２０は、エンジンルームの前部の底の部分を構成するものである。底部２０は、厚さ方向を上下方向に向けた略板形状に形成される。底部２０は、エンジン１０の前方に配置される。底部２０は、フロントフレーム２に固定される。底部２０は、立上り部２１を具備する。

　立上り部２１は、底部２０の後端部において上方に立ち上がる部分である。立上り部２１は、厚さ方向を前後方向に向けた略板形状に形成される。立上り部２１は、図７に示すように、底部２０の上面（立上り部２１を除く部分の上面）と、後述するラジエータ５０のコア５１の下端部と、の間の上下の隙間を覆う。立上り部２１は、孔部２１ａを具備する。

　図２及び図７に示す孔部２１ａは、立上り部２１を前後方向に貫通するものである。孔部２１ａは、前後方向に見て、略円形状に形成される。立上り部２１には、後述する第二の管７２の第二の部分７２ｂが挿通される。

　図２及び図３に示す支持部３０は、後述するラジエータ５０やエアクリーナ装置６０を支持するものである。支持部３０は、前後方向に見て略矩形の枠形状に形成される。支持部３０は、板状や棒状の長尺な部材（フレーム）を適宜組み合わせて形成される。支持部３０は、底部２０の後部の上面に固定される。

　図２及び図３に示すバッテリ４０は、エンジン１０の始動等、トラクタ１に使用される電力の充電及び放電が可能なものである。バッテリ４０は、支持部３０の前方に配置される。バッテリ４０は、底部２０の上面に固定される。

　図２から図５までに示すラジエータ５０は、エンジン１０の冷却水を冷却するためのものである。ラジエータ５０は、エンジン１０の前方に配置される。ラジエータ５０は、適宜の部材を介して支持部３０に固定される。ラジエータ５０は、コア５１、ファン５２及びシュラウド５３を具備する。

　図２及び図３に示すコア５１は、エンジン１０の冷却水とボンネット６内を流通する空気との間で熱交換を行うためのものである。コア５１は、エンジン１０の前方に配置される。また、コア５１は、底部２０の後方に配置される。図７に示すように、コア５１の下端部は、底部２０の立上り部２１の上端部よりも下方に位置する。コア５１は、適宜のホース等を介してエンジン１０のウォータージャケット（不図示）と接続される。

　図４及び図５に示すファン５２は、後方へと空気を送る（吸引する）ものである。ファン５２は、コア５１の後面と対向するように、コア５１の後方に配置される。ファン５２は、前後方向に向く回転軸の軸心回りに回転自在に設けられる。ファン５２は、エンジン１０のシャフト（不図示）を介してエンジン１０からの動力が伝達されることで駆動する。

　図３から図６までに示すシュラウド５３は、ファン５２に空気を導くためのものである。シュラウド５３は、前後方向に開口する略箱形状に形成されている。シュラウド５３は、コア５１及びファン５２を径方向外側から覆うように配置される。シュラウド５３は、開口部５３ａ及び凹部５３ｂを具備する。

　開口部５３ａは、シュラウド５３の後面を貫通し、後方に向かって開口する部分である。開口部５３ａは、背面視において略円形状に形成される。開口部５３ａは、シュラウド５３の上下方向中央部よりも下方に寄った位置に形成される。図４及び図５に示すように、開口部５３ａの内側にはファン５２が配置される。このように、ファン５２は、シュラウド５３の開口部５３ａにより径方向外側から覆われる。開口部５３ａの内径は、ファン５２の外径よりも僅かに大きく形成される。図５及び図７に示すように、開口部５３ａの内面は、ファン５２の外周部と近接している。

　図６及び図７に示す凹部５３ｂは、開口部５３ａの下端部において、径方向外側（下方側）に凹むものである。凹部５３ｂは、後述する排出管７０の第二の管７２を受け入れる。凹部５３ｂは、上方及び前方に開口する略箱形状に形成される。また、図７に示すように、凹部５３ｂの底面は、前後方向に延びる形状に形成される。また、凹部５３ｂの後面は、後上がりに傾斜する形状に形成される。凹部５３ｂの内部には、ファン５２の駆動による吸引力がかかる。

　上述の如く構成されるラジエータ５０は、エンジン１０の駆動によりファン５２が駆動される。これにより、ファン５２は、コア５１の前方の空気（ボンネット６内を流通する空気）を吸引してコア５１を通過させ、当該通過させた空気を後方に送る。コア５１は、このようなファン５２によって吸引される空気と冷却水との間で熱交換を行って冷却水を冷却する。このように、本実施形態においては、ラジエータ５０（コア５１）の前面が、空気の導入面として形成されている。なお、本実施形態に係るラジエータ５０は、後述するエアクリーナ装置６０の排出管７０内の空気も吸引するように構成されている。

　図２から図４までに示すエアクリーナ装置６０は、エンジン１０に送られる空気を取り込み、当該空気を浄化するものである。エアクリーナ装置６０は、ラジエータ５０の前方に位置するように配置される。エアクリーナ装置６０は、一方向（本実施形態では斜め前後方向）に長尺な略直方体形状に形成される。

　エアクリーナ装置６０は、前下方を向く前面（後述する吸気部６１ａが形成される面）から空気を取り込む。また、エアクリーナ装置６０は、浄化した空気を後上方を向く後面（後述する供給管接続部６２ａが形成される面）から排出する。また、エアクリーナ装置６０は、上記前面と後面の間に位置すると共に、エアクリーナ装置６０の底を構成する面である底面（後述する底面６１ｂ及び底面６２ｂ）を有する。上記底面は、前面や後面に比べて大きな面積を有する。

　エアクリーナ装置６０は、上記底面（底面６１ｂ及び底面６２ｂ）がラジエータ５０側（斜め後下側）を向くように後ろ上がりに傾斜した状態で配置される。換言すれば、エアクリーナ装置６０は、長手方向が斜め前後方向を向くように配置される。エアクリーナ装置６０は、プレクリーナ部６１及びメインエアクリーナ部６２を具備する。

　プレクリーナ部６１は、吸気した空気を除塵するものである。プレクリーナ部６１は、エアクリーナ装置６０の前部を構成する。プレクリーナ部６１は、取り込んだ空気に含まれるダストを分離すると共に、当該ダストを排出する。プレクリーナ部６１によりダストと分離された空気は、後側（後述するメインエアクリーナ部６２側）へ供給される。

　プレクリーナ部６１は、内部に取り込んだ空気を渦巻状の気流にすることで遠心力を付与し、当該空気に含まれるダストを分離するサイクロン式のものが採用される。プレクリーナ部６１は、吸気部６１ａ及び底面６１ｂを具備する。

　図２及び図３に示す吸気部６１ａは、吸気する（空気を取り込む）部分である。吸気部６１ａは、プレクリーナ部６１の前面（斜め前下側を向く面）に設けられる。吸気部６１ａは、プレクリーナ部６１の前面において、当該プレクリーナ部６１の内部と連通するように形成される。

　図３に示す底面６１ｂは、プレクリーナ部６１のラジエータ５０側（斜め後下側）を向くように後ろ上がりに傾斜する面である。底面６１ｂは、排出管接続部６１ｃを具備する。

　排出管接続部６１ｃは、後述する排出管７０が接続される部分である。排出管接続部６１ｃは、底面６１ｂを貫通することで形成され、ラジエータ５０側（斜め後下側）に開口する。排出管接続部６１ｃを介して、プレクリーナ部６１の内部で空気から分離されたダストが排出される。

　図２から図４までに示すメインエアクリーナ部６２は、プレクリーナ部６１によりダストと分離された（除塵された）空気を更に除塵することで浄化するものである。メインエアクリーナ部６２は、エアクリーナ装置６０のうち、プレクリーナ部６１よりも後方の部分を構成する。メインエアクリーナ部６２は、前端部がプレクリーナ部６１の後端部と接続される。メインエアクリーナ部６２により浄化された空気は、後述する供給管８０を介してエンジン１０に供給される。

　メインエアクリーナ部６２は、内蔵するフィルタ（不図示）に、プレクリーナ部６１から供給される空気を通過させることで、当該空気を浄化する。メインエアクリーナ部６２は、供給管接続部６２ａ及び底面６２ｂを具備する。

　図２及び図３に示す供給管接続部６２ａは、後述する供給管８０が接続される部分である。供給管接続部６２ａは、メインエアクリーナ部６２の後面（斜め後上側を向く面）を貫通することで形成され、斜め後上側に開口する。供給管接続部６２ａを介して、メインエアクリーナ部６２の内部で浄化された空気が排出される。

　図３に示す底面６２ｂは、メインエアクリーナ部６２のラジエータ５０側（斜め後下側）を向くように後ろ上がりに傾斜する面である。底面６２ｂは、被固定部６２ｃを具備する。

　被固定部６２ｃは、支持部３０に固定される部分である。被固定部６２ｃは、ボルト等の適宜の止具を介して支持部３０に固定される。

　図２、図３及び図７に示す排出管７０は、プレクリーナ部６１によって分離されたダストを排出するものである。排出管７０は、プレクリーナ部６１の底面６１ｂからラジエータ５０の下部（凹部５３ｂ）まで、斜め後下方に延びるように配置される。排出管７０は、図２及び図３に示すように、傾斜させたエアクリーナ装置６０の底面（底面６１ｂ及び底面６２ｂ）とラジエータ５０の前面との間に形成されるスペース（ラジエータ５０とバッテリ４０との間のスペース）に配置される。排出管７０は、プレクリーナ部６１の排出管接続部６１ｃと、ラジエータ５０の凹部５３ｂと、を接続する。排出管７０は、第一の管７１及び第二の管７２を具備する。

　図３に示す第一の管７１は、プレクリーナ部６１の排出管接続部６１ｃに接続される部分である。第一の管７１は、略円筒形状に形成される。第一の管７１は、可撓性を有する。第一の管７１を形成する材料としては、例えば樹脂（ゴム）等の可撓性を有する材料を採用可能である。第一の管７１は、上端部が排出管接続部６１ｃに接続されると共に、下端部が後述する第二の管７２に接続される。第一の管７１は、縮径部７１ａを具備する。

　縮径部７１ａは、第一の管７１の上流側（排出管接続部６１ｃ側）から下流側（第二の管７２側）に向かって縮径する部分である。縮径部７１ａは、上流側から下流側へ向かうに従い、徐々に流路面積が小さくなるように形成される。図例では、縮径部７１ａを、第一の管７１の上部（排出管接続部６１ｃの近傍）に位置させた例を示している。

　図３に示すように、第一の管７１は、上部（縮径部７１ａ）がプレクリーナ部６１から斜め後下方に延び、上下方向中途部が下方（鉛直方向）に延び、下部が第二の管７２へ向かって斜め後下方に延びるように屈曲するように形成されている。

　図２及び図７に示す第二の管７２は、第一の管７１に着脱可能に接続される部分である。第二の管７２は、前後方向に延びると共に、前部が斜め上方に向かって屈曲した略円筒形状に形成される。第二の管７２は、金属材料で形成されている。第二の管７２は、第一の管７１とラジエータ５０の凹部５３ｂとを接続する。また、第二の管７２は、適宜の部材を介して底部２０の上面に固定される。第二の管７２は、第一の部分７２ａ、第二の部分７２ｂ及び固定部７２ｄを具備する。

　第一の部分７２ａは、第一の管７１の下端部に接続される部分である。第一の部分７２ａは、第一の管７１の前部を構成する。第一の部分７２ａは、斜め前上方向に延びる形状に形成される。

　第二の部分７２ｂは、ラジエータ５０の凹部５３ｂに接続される部分である。第二の部分７２ｂは、第二の管７２の後部を構成する。第二の部分７２ｂは、前後方向に延びる形状に形成される。すなわち、第二の部分７２ｂは、ファン５２の回転軸と平行に延びる。図２及び図７に示すように、第二の部分７２ｂは、立上り部２１の孔部２１ａを挿通する。第二の部分７２ｂの後端部は、凹部５３ｂの内部に受け入れられる。第二の部分７２ｂは、排出口７２ｃを具備する。

　排出口７２ｃは、第二の部分７２ｂの後端部において開口する部分である。排出口７２ｃを介して、第二の管７２が凹部５３ｂと連通する。

　図２に示す固定部７２ｄは、底部２０に固定される部分である。固定部７２ｄは、板形状の部材を、略Ｌ字形状に折り曲げた形状に形成される。固定部７２ｄは、第二の部分７２ｂの左右方向両側に位置するように一対設けられる。本実施形態では、固定部７２ｄは、略Ｌ字形状の一方の片部が第二の部分７２ｂに溶接により固定され、他方の片部がボルト等の止具を用いた締結により底部２０に対して固定される。なお、固定部７２ｄを用いた固定態様としては上述した例に限られず、例えば、固定部７２ｄを第二の部分７２ｂに締結により固定し、底部２０に溶接により固定するようにしてもよい。

　図２及び図３に示す供給管８０は、メインエアクリーナ部６２によって浄化された空気をエンジン１０に供給するものである。供給管８０は、概ね前後方向に延びる略円筒形状に形成される。供給管８０は、前端部が供給管接続部６２ａに接続されると共に、後端部がエンジン１０に接続される。図例では、供給管８０は、シュラウド５３の上部を前後方向に貫通するように設けられている。

　次に、以上の如く構成されたトラクタ１において、エンジン１０へ空気を供給すると共に、ダストを外部に排出する様子について説明する。

　図１に示すエンジン１０が駆動すると、当該エンジン１０は、エアクリーナ装置６０及び供給管８０を介して空気を吸引しようとする。その際には、ボンネット６内を流通する空気が、図２及び図３に示すプレクリーナ部６１の吸気部６１ａに導入される。当該空気は、プレクリーナ部６１の内部でダストと分離される。

　上記ダストと分離された空気は、メインエアクリーナ部６２に供給され、当該メインエアクリーナ部６２の内部で更に除塵されて浄化される。また、当該浄化された空気は、供給管８０を流通してエンジン１０へ送られる。これによって、エンジン１０には、プレクリーナ部６１及びメインエアクリーナ部６２で浄化された空気が供給される。このように、プレクリーナ部６１でダストを分離した後に、メインエアクリーナ部６２で空気を浄化することにより、効果的な空気の浄化を行うことができる。

　また、プレクリーナ部６１で空気から分離されたダストは、排出管７０を流通し下方へ移動する。ここで、図７に示すように、排出管７０の第二の管７２は、ラジエータ５０のシュラウド５３の凹部５３ｂと接続されている。このような構成としたことで、ラジエータ５０のファン５２による吸引力で、プレクリーナ部６１及び排出管７０内のダストが吸引される。これにより、上記ダストを排出し易くすることができる。

　また、図７に示すように、凹部５３ｂは、開口部５３ａの下端部（ファン５２の外周部の近傍）に設けられている。ここで、ファン５２の外周部側は、内周部側と比べて比較的吸引力が強い。このように、吸引力が比較的強いファン５２の外周部の近傍に凹部５３ｂを設けたことで、より効果的に排出管７０内のダストを吸引することができる。また、本実施形態では、第二の管７２の第二の部分７２ｂが、ファン５２の回転軸と平行に延びるように配置されている。これにより、ファン５２による吸引力で第二の管７２内の空気を吸引し易くなるので、当該第二の管７２内のダストをより排出し易くすることができる。

　図７に示すように、上記第二の管７２の排出口７２ｃを介して排出されたダストは、凹部５３ｂを通過すると共に、ファン５２により後方へ送られて、ボンネット６の隙間等からトラクタ１の外部へと排出される。

　以上の如く、本実施形態に係るトラクタ１（作業車）は、ラジエータ５０の前方に位置すると共に、前記ラジエータ５０側を向くように後ろ上がりに傾斜する底面６１ｂを有し、エンジン１０に送られる空気を浄化するエアクリーナ装置６０と、前記エアクリーナ装置６０の底面から前記ラジエータ５０の下部まで延びるように配置され、前記エアクリーナ装置６０によって分離されたダストを排出する排出管７０と、を具備するものである。

　このように構成することにより、エアクリーナ装置６０及び排出管７０の省スペース化を図ることができる。すなわち、傾斜させたエアクリーナ装置６０の底面６１ｂとラジエータ５０の前面との間に形成されるスペースを利用して、排出管７０を配置することができる。これにより、エアクリーナ装置６０及び排出管７０の省スペース化を図ることができ、ボンネット６の内部の空間を有効に利用することができる。また、排出管７０をラジエータ５０の下部まで延びるように配置することで、ダストの排出経路が下方を向くことになる。これにより、排出管７０の内部にダストが詰まり難くなる。

　また、前記エアクリーナ装置６０は、吸気した空気に含まれるダストを分離して、前記ダストを前記排出管７０を介して排出するプレクリーナ部６１（第一のエアクリーナ部）と、前記プレクリーナ部６１（第一のエアクリーナ部）によりダストと分離された空気を浄化するメインエアクリーナ部６２（第二のエアクリーナ部）と、を具備するものである。

　このように構成することにより、効果的な空気の浄化を行うことができる。すなわち、プレクリーナ部６１（第一のエアクリーナ部）でダストを分離した後に、メインエアクリーナ部６２（第二のエアクリーナ部）で空気を浄化することにより、効果的な空気の浄化を行うことができる。

　また、前記排出管７０は、前記エアクリーナ装置６０に接続され、可撓性を有する第一の管７１と、前記第一の管７１に接続されると共に、前記ダストが排出される排出口７２ｃを有する第二の管７２と、を具備するものである。

　このように構成することにより、排出管７０のメンテナンス性を向上させることができる。すなわち、第一の管７１を変形させながら各部の着脱や清掃を行うことができる。

　また、前記第二の管７２は、金属材料で形成されているものである。

　このように構成することにより、第二の管７２を固定し易くすることができる。すなわち、例えば、第二の管７２を比較的強度の低い樹脂等の材料で形成した場合には、当該第二の管７２を固定する際に、ボルト等の止具の他、ワッシャやゴム等の部材を用いる必要が生じる。このため、部材点数が増加することや、当該部材の着脱に手間がかかることが考えられ、メンテナンス性が損なわれる。一方、第二の管７２を比較的強度の高い金属材料で形成したことで、締結や溶接等の比較的容易な手段により第二の管７２を固定することができる。これにより、メンテナンス性を向上させることができる。

　また、前記第一の管７１は、前記エアクリーナ装置６０側から、前記第二の管７２側に向かって縮径する縮径部７１ａを具備するものである。

　このように構成することにより、エアクリーナ装置６０から空気を吸引し易くしながらも、省スペース化を図ることができる。すなわち、第一の管７１のエアクリーナ装置６０側（排出管接続部６１ｃ側）においては、流路面積を比較的大きくすることで空気を吸引し易くしながらも、第二の管７２側を縮径したことで、省スペース化を図ることができる。

　また、前記ラジエータ５０は、前記エンジン１０側へ空気を送るファン５２と、前記ファン５２を径方向外側から覆うように配置され、当該ファン５２に空気を導くシュラウド５３と、を具備し、前記シュラウド５３の下部には、前記第二の管７２を受け入れるように、前記径方向外側に凹む凹部５３ｂが形成されているものである。

　このように構成することにより、プレクリーナ部６１（第一のエアクリーナ部）により分離したダストを排出し易くすることができる。すなわち、ファン５２による吸引力で排出管７０内のダストを吸引し易くなり、当該ダストを排出し易くすることができる。

　また、前記第二の管７２のうち、前記排出口７２ｃを含む端部は、前記ファン５２の回転軸と平行に延びるように配置されるものである。

　このように構成することにより、ファン５２による吸引力で排出管７０内のダストを吸引し易くなる。

　なお、本実施形態に係るトラクタ１は、本発明に係る作業車の実施の一形態である。
　また、本実施形態に係るプレクリーナ部６１は、本発明に係る第一のエアクリーナ部の実施の一形態である。
　また、本実施形態に係るメインエアクリーナ部６２は、本発明に係る第二のエアクリーナ部の実施の一形態である。

　以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。

　例えば、排出管７０は、上述した構成に限られず、以下に示す第二実施形態に係る排出管７０Ａのようにしてもよい。

　図８に示す排出管７０Ａは、第一の管７１Ａ及び第二の管７２Ａの構成が、第一実施形態に係る排出管７０の第一の管７１及び第二の管７２と異なる。

　図８に示すように、第一の管７１Ａは、上部（縮径部７１ａ）がプレクリーナ部６１から斜め後下方に延びた後、下部（縮径部７１ａよりも下側の部分）が下方（鉛直方向）に延びるように屈曲している。

　第二の管７２Ａは、第一の部分７２ａが、上方に延びる形状に形成される。すなわち、第二の管７２Ａは、第一の部分７２ａが、前後方向に延びる第二の部分７２ｂに対して略直角に屈曲するように形成されている。第一の部分７２ａは、上述したように鉛直方向に延びる第一の管７１Ａの下端部と接続される。

　上述の如き排出管７０によれば、第一の管７１Ａの下部を鉛直方向に延びるように（直線状に）形成したことで、当該下部を前後に屈曲させ易くすることができる。これにより、第一の管７１Ａと第二の管７２Ａとを接続した状態で、第二の管７２Ａをシュラウド５３（凹部５３ｂ）に容易に出し入れすることができる。また、第一の管７１Ａと第二の管７２Ａとの着脱を容易に行うことができる。

　以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。

　例えば、上記実施形態では、プレクリーナ部６１を、サイクロン式のものとした例を示したが、このような態様に限られない。プレクリーナ部６１としては、空気に含まれるダストを分離可能な種々の構成を採用可能である。

　また、上記実施形態では、メインエアクリーナ部６２を、内蔵するフィルタに空気を通過させることで、当該空気を浄化する構成とした例を示したが、このような態様に限られない。メインエアクリーナ部６２としては、空気を浄化可能な種々の構成を採用可能である。

　また、上記実施形態では、第二の管７２を底部２０に対して溶接又は締結により固定する例を示したが、このような態様に限られない。第二の管７２の固定態様としては、その他種々の方法を採用可能である。

　また、上記実施形態では、第二の管７２を底部２０に固定する例を示したが、このような態様に限られない。第二の管７２の固定対象としてはその他種々の箇所を採用可能である。

　また、上記実施形態では、作業車として、トラクタ１を例示したが、このような態様に限られない。例えば作業車は、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であってもよい。

　本発明は、作業車に適用することができる。

　１　　　　　　トラクタ
　５０　　　　　ラジエータ
　５２　　　　　ファン
　５３　　　　　シュラウド
　５３ｂ　　　　凹部
　６０　　　　　エアクリーナ装置
　６１　　　　　プレクリーナ部
　６２　　　　　メインエアクリーナ部
　７０、７０Ａ　排出管
　７１、７１Ａ　第一の管
　７２、７２Ａ　第二の管
　７２ｃ　　　　排出口

Claims (7)

1. 　ラジエータの前方に位置すると共に、前記ラジエータ側を向くように後ろ上がりに傾斜する底面を有し、エンジンに送られる空気を浄化するエアクリーナ装置と、
   　前記エアクリーナ装置の底面から前記ラジエータの下部まで延びるように配置され、前記エアクリーナ装置によって分離されたダストを排出する排出管と、
   　を具備する作業車。
2. 　前記エアクリーナ装置は、
   　吸気した空気に含まれるダストを分離して、前記ダストを前記排出管を介して排出する第一のエアクリーナ部と、
   　前記第一のエアクリーナ部によりダストと分離された空気を浄化する第二のエアクリーナ部と、
   　を具備する、
   　請求項１に記載の作業車。
3. 　前記排出管は、
   　前記エアクリーナ装置に接続され、可撓性を有する第一の管と、
   　前記第一の管に接続されると共に、前記ダストが排出される排出口を有する第二の管と、
   　を具備する、
   　請求項１又は請求項２に記載の作業車。
4. 　前記第二の管は、
   　金属材料で形成されている、
   　請求項３に記載の作業車。
5. 　前記第一の管は、
   　前記エアクリーナ装置側から、前記第二の管側に向かって縮径する縮径部を具備する、
   　請求項３又は請求項４に記載の作業車。
6. 　前記ラジエータは、
   　前記エンジン側へ空気を送るファンと、
   　前記ファンを径方向外側から覆うように配置され、当該ファンに空気を導くシュラウドと、
   　を具備し、
   　前記シュラウドの下部には、前記第二の管を受け入れるように、前記径方向外側に凹む凹部が形成されている、
   　請求項３から請求項５までのいずれか一項に記載の作業車。
7. 　前記第二の管のうち、前記排出口を含む端部は、
   　前記ファンの回転軸と平行に延びるように配置される、
   　請求項６に記載の作業車。

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