WO2022024483A1

WO2022024483A1 - スパウト付きパウチ

Info

Publication number: WO2022024483A1
Application number: PCT/JP2021/016716
Authority: WO
Inventors: 宏樹田中; 源英畠
Original assignee: 東洋製罐株式会社
Priority date: 2020-07-28
Filing date: 2021-04-27
Publication date: 2022-02-03
Also published as: JP2022024490A; TW202204228A; JP7008926B1; US20230159248A1; CN115776964A; EP4190712A1

Abstract

簡素な構成で、パウチ本体の自立性を向上するスパウト付きパウチを提供すること。　パウチ底部（２０ａ）を下にして置かれた状態で、パウチ本体（２０）の側面に装着されたスパウト（６０）から内容液を注出するように構成されたスパウト付きパウチ（１０）であって、パウチ本体（２０）は、第１フィルム（３０）のうち第１サイドシール（２３ａ）よりも左右方向内側に位置する部分と側方フィルム（４０）とを溶着した第１形状制御シール部（２４）を更に有し、第１形状制御シール部（２４）は、スパウト用固着部（３２）の上半分および第１サイドシール（２３ａ）の間の領域に位置する部分を有し、スパウト用固着部（３２）の上下方向中央よりも下側に位置する部分を有さないように形成されているスパウト付きパウチ（１０）。

Description

スパウト付きパウチ

　本発明は、パウチ底部を下にして置かれた状態で、パウチ本体の側面に装着されたスパウトから内容液を注出するように構成されたスパウト付きパウチに関する。

　従来、飲料水や液体洗剤等の内容液を収容する容器として、複数の樹脂フィルムを熱溶着して成るパウチ本体に注出口としてのスパウトを装着したスパウト付きパウチを用いることが公知である（例えば、特許文献１を参照）。

　また、このようなスパウト付きパウチでは、図６に示すように、パウチ底部を下にして置いた状態で、パウチ本体の側面に装着されたスパウトから内容液を注出する、という使用態様についても公知である。

特開２０１２－１２１６１１号公報

　ところが、パウチ本体を構成する樹脂フィルムは可撓性を有しているため、特にパウチ本体を容量６Ｌ等の大容量に形成した場合に、図６の下左図や下右図の、パウチを横方向から見た図に示すように、内容液の自重によって、各フィルム１３０、１４０、１５０が外側に向けて膨らむように、パウチ本体１２０の下側部分に膨れが生じる所謂胴膨れが生じることがあり、また、このような胴膨れに起因して、図６の下真ん中図に示すように、各サイドシール１２３ａ、１２３ｂの下方側部分付近に、フィルム１３０、１４０、１５０が内側に向けて屈曲して凹んだ座屈誘発箇所Ｐが形成されることがある。

　そして、このような座屈誘発箇所Ｐが形成された場合、これら座屈誘発箇所Ｐを起点としたパウチ本体１２０の座屈が生じ易くなってしまうため、スパウト付きパウチの自立性が低下してしまうという問題があった。

　そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡素な構成で、パウチ本体の自立性を向上するスパウト付きパウチを提供することを目的とするものである。

　本発明は、パウチ底部を下にして置かれた状態で、パウチ本体の側面に装着されたスパウトから内容液を注出するように構成されたスパウト付きパウチであって、前記パウチ本体は、前記スパウトのスパウト被固着部が固着されるスパウト用固着部を有した第１フィルムと、前記第１フィルムの左右両側に形成された第１サイドシールによって前記第１フィルムに接続された側方フィルムとを有し、前記パウチ本体は、前記第１フィルムのうち前記第１サイドシールよりも左右方向内側に位置する部分と前記側方フィルムとを溶着した第１形状制御シール部を更に有し、前記第１形状制御シール部は、前記スパウト用固着部の上半分および前記第１サイドシールの間の領域に位置する部分を有し、前記スパウト用固着部の上下方向中央よりも下側に位置する部分を有さないように形成されていることにより、前記課題を解決するものである。

　本請求項１に係る発明によれば、パウチ本体が、第１フィルムのうち第１サイドシールよりも左右方向内側に位置する部分と側方フィルムとを溶着した第１形状制御シール部を更に有し、第１形状制御シール部が、スパウト用固着部の上半分と第１サイドシールとに挟まれた領域に位置する部分を有し、スパウト用固着部の上下方向中央よりも下側に位置する部分を有さないように形成されていることにより、スパウト被固着部の傾きを調整し、当該スパウト被固着部の傾きの調整を利用して、第１サイドシールの下方側部分付近に形成されがちな座屈誘発箇所の発生を抑制することができる。
　すなわち、本請求項１に係る発明では、第１フィルムのうち第１形状制御シール部を形成した付近が、周辺部位よりもパウチ内側に向けて谷状に凹み、その反動として、第１フィルムのうち第１形状制御シール部の下方側に位置する部分の付近が、パウチ外側に向けて山状に膨らむことを利用して、スパウト被固着部の上側をパウチ内側に移動させるとともに下側をパウチ外側に移動させるように、スパウト被固着部の傾きを調整することができる。これにより、上述したスパウト被固着部の傾きの調整を利用して、第１サイドシールの下方側部分付近に形成されがちな座屈誘発箇所の発生を抑制することができ、スパウト付きパウチの自立性を向上することができる。

　本請求項３に係る発明によれば、第１形状制御シール部が、スパウト用固着部を挟んだ左右両側にそれぞれ形成されていることにより、左右両側からスパウト被固着部の傾きを確実に調整することが可能であるため、左右両側の第１サイドシールの下方側部分付近に形成されがちな座屈誘発箇所の発生を確実に抑制することができる。
　本請求項４に係る発明によれば、第１形状制御シール部が、第１サイドシールに連続して形成されていることにより、第１サイドシールから独立して第１形状制御シール部を形成した場合に生じがちな、第１サイドシールと第１形状制御シール部との間に内容液が残留してしまうことを防止できる。
　本請求項５に係る発明によれば、パウチ本体が、第２フィルムのうち第２サイドシールよりも左右方向内側に位置する部分と側方フィルムとを溶着した第２形状制御シール部を更に有していることにより、第２フィルムのうち第２形状制御シール部を形成した付近が、周辺部位よりもパウチ内側に向けて谷状に凹み、その反動として、第２フィルムのうち第２形状制御シール部の下方側に位置する部分付近が、パウチ外側に向けて山状に膨らむことを利用して、第２サイドシールの下方側部分付近に形成されがちな座屈誘発箇所の発生を抑制することができる。
　また、スパウトが固着された第１フィルムにおいては、上述した第１フィルムのうち第１形状制御シール部の下方側に位置する部分の付近が山状に膨らむ現象の広がりが、スパウトが固着されたスパウト用固着部で抑えられてしまうが、スパウトが固着されていない第２フィルムにおいては、上述した第２フィルムのうち第２形状制御シール部の下方側に位置する部分の付近が山状に膨らむ現象を、第１フィルムと比較してより下方側まで広く得ることができる。これにより、第２サイドシールの下方側部分付近に形成されがちな座屈誘発箇所の発生を抑制しつつも、第２形状制御シール部を、上下方向において第１形状制御シール部よりも高い位置に形成することができる。

本発明の一実施形態に係るスパウト付きパウチを使用状態で載置面上に置いた状態を示す斜視図。スパウト付きパウチを構成する各フィルムを示す説明図。第１フィルムを示す説明図。第１形状制御シール部の形成による効果を説明する説明図。制御シール用溶着部の形成位置の変形例を示す説明図。従来のスパウト付きパウチの問題点を説明するための参考図。

　以下に、本発明の一実施形態であるスパウト付きパウチ１０について、図面に基づいて説明する。

　スパウト付きパウチ１０は、飲料水や液体洗剤等の内容液を収容するものであり、図１は、パウチ１０を外側から見た斜視図を示しているが、図１に示すように、その使用時に、パウチ底部２０ａを下にして置かれた状態で、パウチ本体２０の側面に装着されたスパウト６０から内容液を注出するように構成されている。

　スパウト付きパウチ１０は、図１に示すように、可撓性を有したフィルム３０、４０、５０を熱溶着して製袋用シール部２３を形成することで袋状に形成されたパウチ本体２０と、パウチ本体２０に装着されたスパウト６０と、パウチ本体２０内に配置される内側フィルム７０とを有している。スパウト付きパウチ１０は、その使用時や陳列時や運搬時に、外装ケース（図示しない）内に収容されて運用される。

　パウチ本体２０は、図１に示すように、両側部にマチ部２２が形成された所謂横ガゼット型のパウチとして構成され、スパウト６０が装着された第１フィルム３０と、第１フィルム３０の左右両側に形成される第１サイドシール２３ａによって第１フィルム３０に接続された２枚の側方フィルム４０と、内容液収容部２１を挟んで第１フィルム３０に対向して配置され、その左右両側に形成される第２サイドシール２３ｂによって側方フィルム４０に接続された第２フィルム５０とを有している。なお、図１においては、スパウト６０のうちフランジ６１のみを図示している。

　各フィルム３０、４０、５０は、少なくともその片面に熱溶着層を有した矩形状（またはほぼ矩形状）の樹脂フィルムとして形成され、互いに熱溶着される箇所において、熱溶着層同士を対向させるように配置されている。

　各フィルム３０、４０、５０の熱溶着領域については、以下の通りである。なお、図２等では、各熱溶着領域を塗り潰しで表している。
　まず、第１フィルム３０は、図２に示すように、側方フィルム４０に熱溶着される左右のサイドシール用熱溶着領域３１と、スパウト６０（フランジ６１）が固着されるスパウト用固着部３２とを有している。本実施形態では、フランジ６１は、第１フィルム３０のうち、パウチの内方側の表面に熱溶着されている。
　また、各側方フィルム４０は、図２に示すように、第１フィルム３０または第２フィルム５０に熱溶着されるサイドシール用熱溶着領域４１と、他方の側方フィルム４０に熱溶着されるトップシール用熱溶着領域４２およびボトムシール用熱溶着領域４３と、内側フィルム７０に熱溶着される内側フィルム用熱溶着領域４４とを有している。
　また、第２フィルム５０は、図２に示すように、側方フィルム４０に熱溶着される左右のサイドシール用熱溶着領域５１を有している。

　第１フィルム３０のサイドシール用熱溶着領域３１と側方フィルム４０のサイドシール用熱溶着領域４１とを熱溶着することで、第１サイドシール２３ａが構成され、また、第２フィルム５０のサイドシール用熱溶着領域５１と側方フィルム４０のサイドシール用熱溶着領域４１とを熱溶着することで、第２サイドシール２３ｂが構成される。
　また、側方フィルム４０のトップシール用熱溶着領域４２同士を熱溶着するとともに、パウチ本体２０の頂部に対応する位置で、側方フィルム４０の内側フィルム用熱溶着領域４４と内側フィルム７０とを熱溶着することで、トップシール２３ｃが構成され、また、側方フィルム４０のボトムシール用熱溶着領域４３同士を熱溶着するとともに、パウチ本体２０の底部に対応する位置で、側方フィルム４０の内側フィルム用熱溶着領域４４と内側フィルム７０とを熱溶着することで、ボトムシール（図示しない）が構成される。
　第１サイドシール２３ａと第２サイドシール２３ｂとトップシール２３ｃとボトムシール（図示しない）とは、製袋用シール部２３を構成する。

　パウチ本体２０は、図１～３に示すように、第１フィルム３０のうち第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１）よりも左右方向内側に位置する部分（制御シール用溶着部３３）と側方フィルム４０の一部分（制御シール用溶着部４５）とを溶着した第１形状制御シール部２４を更に有している。

　第１形状制御シール部２４（制御シール用溶着部３３）は、図１～３に示すように、スパウト用固着部３２（フランジ６１）を挟んだ左右両側において、各第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１）から左右方向内側に向けて（約０．５～２．０ｍｍ程度）連続して突出して形成されている。

　第１形状制御シール部２４（制御シール用溶着部３３）は、図３に示すように、スパウト用固着部３２（フランジ６１）の上半分および第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１）の間の領域に位置する部分を有しており、本実施形態では、第１形状制御シール部２４（制御シール用溶着部３３）の全体が、スパウト用固着部３２（フランジ６１）の上半分および第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１）の間の領域に位置している。
　また、第１形状制御シール部２４（制御シール用溶着部３３）は、図３に示すように、スパウト用固着部３２の上下方向中央よりも下側に位置する部分を有さないように形成されている。

　また、側方フィルム４０についても、図２に示すように、第１フィルム３０の制御シール用溶着部３３に対応する位置に、サイドシール用熱溶着領域４１から左右方向内側に向けて連続して突出した制御シール用溶着部４５を有している。

　第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１、４１）のうち、第１形状制御シール部２４（制御シール用溶着部３３、４５）を形成した付近の部分については、図１や図２に示すように、上下方向に沿って帯状に形成され、上下方向に沿って直線状に延びる内側縁を有している。

　また、パウチ本体２０は、図１や図２に示すように、第２フィルム５０のうち第２サイドシール２３ｂ（サイドシール用熱溶着領域５１）よりも左右方向内側に位置する部分（制御シール用溶着部５２）と側方フィルム４０の一部分（制御シール用溶着部４６）とを溶着した第２形状制御シール部２５を更に有している。

　第２形状制御シール部２５（制御シール用溶着部５２）は、図１や図２に示すように、各第２サイドシール２３ｂ（サイドシール用熱溶着領域５１）から左右方向内側に向けて（約０．５～２．０ｍｍ程度）連続して突出して形成されている。

　第２形状制御シール部２５は、図１や図２に示すように、その全体が、上下方向において第１形状制御シール部２４よりも高い位置に形成されている。
　なお、本実施形態では、パウチ底部２０ａからの第２形状制御シール部２５の下端までの寸法は、約９０ｍｍ程度であり、パウチ底部２０ａからの第１形状制御シール部２４の下端までの寸法は、約６０ｍｍ程度である。

　また、側方フィルム４０についても、図２に示すように、制御シール用溶着部５２に対応する位置に、サイドシール用熱溶着領域４１から内側に向けて連続して突出した制御シール用溶着部４６を有している。

　第２サイドシール２３ｂ（サイドシール用熱溶着領域４１、５１）のうち、第２形状制御シール部２５（制御シール用溶着部４６、５２）を形成した付近の部分については、図１や図２に示すように、上下方向に沿って帯状に形成され、上下方向に沿って直線状に延びる内側縁を有している。

　パウチ本体２０は、図１に示すように、スパウト６０を通じて内容液を注出可能なスパウト付きパウチ１０の使用状態（注出待機状態）でパウチ本体２０を載置面（図示しない）上に置いた時に底部として機能するパウチ底部２０ａを有している。
　このパウチ底部２０ａは、平らな載置面（水平面）上にスパウト付きパウチ１０を置いた状態で、内容液の重さによって各フィルム３０、４０、５０、７０が折れ曲がり、載置面（図示しない）上にくる箇所であり、本実施形態の場合、各フィルム３０、４０、５０、７０の一部が、パウチ底部２０ａを構成する。図２には、各フィルム３０、４０、５０、７０の折れ曲がり予定箇所３４、４７、５３、７２を示した。

　スパウト６０は、合成樹脂等から形成され、パウチ本体２０に装着されて内容液の注出口として機能するものである。
　スパウト６０は、（その大部分が）パウチ本体２０の外側に配置されるスパウト本体（図示しない）と、スパウト本体（図示しない）に一体に形成され、パウチ本体２０の内側に配置されて第１フィルム３０の内側面に熱溶着によって固着されるスパウト被固着部としてのフランジ６１とを有している。なお、図４（ａ）は、フラン６１をパウチの外側から見た斜視図を示し、図４（ｂ）は、パウチの横方向からフランジ６１の部分を見た図を示している。また、図４においては、スパウト６０のうちフランジ６１のみを図示している。
　フランジ６１は、図１に示すように、その中央に注出孔６２が形成された円盤状の部位として形成されている。なお、第１フィルム３０にも、図３に示すように、注出孔６２に対応する位置に、注出孔３５が形成されている。
　スパウト６０（フランジ６１）は、図１や図４に示すように、パウチ本体２０の側面における、高さ方向中央（第１フィルム３０の長手方向中央）よりもパウチ底部２０ａ寄りの位置に装着されている。そのため、図４に示すように、内容液の自重によって第１フィルム３０が外側に向けて膨らんだ時に、スパウト６０のフランジ６１は、その下側よりも上側がパウチ外側に位置するように、上下方向に対して傾斜している。

　内側フィルム７０は、少なくともその片面に熱溶着層を有した矩形状（またはほぼ矩形状）かつ可撓性の樹脂フィルムとして形成され、図１や図２から分かるように、２つ折りに折り曲げられた状態でパウチ本体２０（内容液収容部２１）内に配置され、その所定箇所が側方フィルム４０の内側フィルム用熱溶着領域４４に熱溶着されている。
　内側フィルム７０には、図２に示すように、フィルム厚み方向に貫通する孔状に形成された複数のフィルム貫通部７１が形成されている。

　また、スパウト付きパウチ１０の頂部側の製袋用シール部２３においてフィルム４０、７０が重なった部位には、図１に示すように、フィルム４０、７０が重なった部位を貫通して形成された、使用者が手や指を通してスパウト付きパウチ１０を持つための把手孔２６が形成されている。

　このようにして得られたスパウト付きパウチ１０では、第１形状制御シール部２４を形成することにより、図４に示すように、第１フィルム３０のうち第１形状制御シール部２４を形成した付近Ｒ１が、周辺部位よりもパウチ内側に向けて谷状に凹み、その反動として、第１フィルム３０のうち第１形状制御シール部２４の下方側に位置する部分の付近Ｒ２が、パウチ外側に向けて山状に膨らむ（ように第１フィルム３０にハリが生じる）ことを利用して、第１フィルム３０に固着されたフランジ（スパウト被固着部）６１の上側をパウチ内側に移動させるとともにフランジ（スパウト被固着部）６１の下側をパウチ外側に移動させるように、フランジ（スパウト被固着部）６１の傾きを調整することができる。これにより、このようなフランジ（スパウト被固着部）６１の傾きの調整を利用して、フランジ（スパウト被固着部）６１の下側付近の第１フィルム３０をパウチ外側に移動させて、図６に示すような、第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１）の下方側部分に形成されがちな座屈誘発箇所Ｐの発生を抑制することができ、スパウト付きパウチ１０の自立性を向上することができる。

　以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。また、上述した実施形態や後述する変形例の各構成を、任意に組み合わせてスパウト付きパウチ１０を構成しても何ら構わない。

　例えば、上述した実施形態では、スパウト付きパウチ１０が、その使用時や陳列時や運搬時に、外装ケース（図示しない）内に収容されて運用されるものとして説明したが、外装ケース（図示しない）内に収容することなく、スパウト付きパウチ１０そのものを使用し、又は陳列や運搬を行ってもよい。

　また、各フィルム３０、４０、５０、７０の具体的態様については、低密度ポリエチレンやポリプロピレンのオレフィン系やＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）などのポリエステル系等の熱溶着性を有する層を少なくとも片面に有するものであれば、熱溶着層の単膜又は熱溶着層に任意の層を積層してもよい。積層を構成する素材は如何なるものでもよく、公知のＰＥＴやＰＢＴ（ポリブチレンテレフタレート）等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、アルミ箔等を積層することで任意に形成すればよい。
　また、上述した実施形態では、パウチ本体２０が、フィルム３０、４０、５０の４枚のフィルムから形成されているものとして説明したが、パウチ本体２０を構成するフィルムの枚数等の、パウチ本体２０の具体的態様は、上記に限定されない。
　また、内側フィルム７０を設けなくてもよい。
　また、上述した実施形態では、スパウト６０を装着した第１フィルム３０（や第２フィルム５０）がマチ部用フィルムであるものとして説明したが、第１フィルム３０（や第２フィルム５０）はマチ部用フィルムである必要はない。

　また、上述した実施形態では、第１形状制御シール部２４（制御シール用溶着部３３）の全体が、スパウト用固着部３２（フランジ６１）の上半分および第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１）の間の領域に位置しているものとして説明したが、図５（ａ）に示すように、第１形状制御シール部２４の一部が、スパウト用固着部３２（フランジ６１）の上半分および第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１）の間の領域に位置するように、第１形状制御シール部２４を形成してもよい。なお、図５（ａ）の場合においても、第１形状制御シール部２４（制御シール用溶着部３３）のうち、最も第１フィルム３０の左右方向中央寄りに位置する箇所が、スパウト用固着部３２（フランジ６１）の上半分および第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１）の間の領域に位置しているのが好ましい。
　また、上述した実施形態では、第１形状制御シール部２４（制御シール用溶着部３３、４５）が、第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１、４１）に連続して形成されているものとして説明したが、図５（ａ）に示すように、第１形状制御シール部２４（制御シール用溶着部３３、４５）を第１サイドシール２３ａ（サイドシール用熱溶着領域３１、４１）から独立して（離れた位置に）形成してもよい。また、同様に、第２形状制御シール部２５（制御シール用溶着部４６、５２）を第２サイドシール２３ｂ（サイドシール用熱溶着領域４１、５１）から独立して（離れた位置に）形成してもよい。
　また、上述した実施形態では、スパウト用固着部３２を挟んだ左右両側に、第１形状制御シール部２４がそれぞれ１つずつ形成されているものとして説明したが、スパウト用固着部３２の左右両側の一方のみに、第１形状制御シール部２４を形成してもよく、言い換えると、上述した実施形態では２つの第１形状制御シール部２４を形成したが、第１形状制御シール部２４を１つのみ形成してもよい。また、同様に、第２形状制御シール部２５を２つではなく１つのみ形成してもよい。

　また、上述した実施形態では、フランジ６１が、その中央に注出孔６２が形成された円盤状に形成されているものとして説明したが、フランジ６１の具体的形状は、その中央に注出孔６２が形成された矩形状のものや多角形状のもの等、如何なるものでもよい。
　また、上述した実施形態では、パウチ本体２０に熱溶着されるスパウト被固着部６１が、スパウト６０のフランジ６１であるものとして説明したが、スパウト被固着部６１がフランジ６１である必要はなく、言い換えると、フランジ６１以外のスパウト６０の一部をパウチ本体２０に固着してもよい。
　また、上述した実施形態では、スパウト被固着部６１としてのフランジ６１が、第１フィルム３０の内側面に固着されるものとして説明したが、フランジ６１を第１フィルム３０の外側面に固着してもよい。
　また、スパウト被固着部としてのフランジ６１を第１フィルム３０に固着する方法は、熱溶着以外にも接着等の如何なるものでもよい。

　なお、本明細書内では、「頂部」「底部」「側部」等の上下を示す用語を使用しているが、これら用語は、陳列時や運搬時等におけるスパウト付きパウチ１０の設置の向きを限定するものではなく、例えば、陳列時や運搬時等に、スパウト付きパウチ１０の側部や頂部を下にして載置面上にスパウト付きパウチ１０を設置してもよい。

　１０　　・・・　スパウト付きパウチ
　２０　　・・・　パウチ本体
　２０ａ　・・・　パウチ底部
　２１　　・・・　内容液収容部
　２２　　・・・　マチ部
　２３　　・・・　製袋用シール部
　２３ａ　・・・　第１サイドシール
　２３ｂ　・・・　第２サイドシール
　２３ｃ　・・・　トップシール
　２４　　・・・　第１形状制御シール部
　２５　　・・・　第２形状制御シール部
　２６　　・・・　把手孔
　３０　　・・・　第１フィルム
　３１　　・・・　サイドシール用熱溶着領域
　３２　　・・・　スパウト用固着部
　３３　　・・・　制御シール用溶着部
　３４　　・・・　折れ曲がり予定箇所
　３５　　・・・　注出孔
　４０　　・・・　側方フィルム
　４１　　・・・　サイドシール用熱溶着領域
　４２　　・・・　トップシール用熱溶着領域
　４３　　・・・　ボトムシール用熱溶着領域
　４４　　・・・　内側フィルム用熱溶着領域
　４５　　・・・　制御シール用溶着部
　４６　　・・・　制御シール用溶着部
　４７　　・・・　折れ曲がり予定箇所
　５０　　・・・　第２フィルム
　５１　　・・・　サイドシール用熱溶着領域
　５２　　・・・　制御シール用溶着部
　５３　　・・・　折れ曲がり予定箇所
　６０　　・・・　スパウト
　６１　　・・・　フランジ（スパウト被固着部）
　６２　　・・・　注出孔
　７０　　・・・　内側フィルム
　７１　　・・・　フィルム貫通部
　７２　　・・・　折れ曲がり予定箇所

Claims

　パウチ底部を下にして置かれた状態で、パウチ本体の側面に装着されたスパウトから内容液を注出するように構成されたスパウト付きパウチであって、
　前記パウチ本体は、前記スパウトのスパウト被固着部が固着されるスパウト用固着部を有した第１フィルムと、前記第１フィルムの左右両側に形成された第１サイドシールによって前記第１フィルムに接続された側方フィルムとを有し、
　前記パウチ本体は、前記第１フィルムのうち前記第１サイドシールよりも左右方向内側に位置する部分と前記側方フィルムとを溶着した第１形状制御シール部を更に有し、
　前記第１形状制御シール部は、前記スパウト用固着部の上半分および前記第１サイドシールの間の領域に位置する部分を有し、前記スパウト用固着部の上下方向中央よりも下側に位置する部分を有さないように形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ。
　前記第１形状制御シール部のうち、最も前記第１フィルムの左右方向中央寄りに位置する箇所が、前記スパウト用固着部の上半分および前記第１サイドシールの間の領域に位置することを特徴とする請求項１に記載のスパウト付きパウチ。
　前記第１形状制御シール部は、前記スパウト用固着部を挟んだ左右両側にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のスパウト付きパウチ。
　前記第１形状制御シール部は、前記第１サイドシールに連続して形成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載のスパウト付きパウチ。
　前記パウチ本体は、内容液収容部を挟んで前記第１フィルムに対向して配置される第２フィルムを有し、
　前記第２フィルムは、前記第２フィルムの左右両側に形成された第２サイドシールによって前記側方フィルムに接続され、
　前記パウチ本体は、前記第２フィルムのうち前記第２サイドシールよりも左右方向内側に位置する部分と前記側方フィルムとを溶着した第２形状制御シール部を更に有し、
　前記第２形状制御シール部は、上下方向において前記第１形状制御シール部よりも高い位置に形成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のスパウト付きパウチ。