WO2022004693A1

WO2022004693A1 - 保管装置、保管方法、プログラム、および記憶媒体

Info

Publication number: WO2022004693A1
Application number: PCT/JP2021/024466
Authority: WO
Inventors: 隆夫佐藤; 威人藤田; 寛雨池; 広考遠藤; 綾香甲斐
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2020-06-30
Filing date: 2021-06-29
Publication date: 2022-01-06
Also published as: TW202204182A; JPWO2022004693A1

Abstract

保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置であって、複数の保管部のうち、新たな保管対象物を保管可能な保管部の数である保管可能数、または新たな保管対象物を保管可能な保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得する取得部、を備える保管装置。

Description

保管装置、保管方法、プログラム、および記憶媒体

　本発明は、保管装置、保管方法、プログラム、および記憶媒体に関する。
　本願は、２０２０年０６月３０日に、日本に出願された特願２０２０－１１２７５１号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　近年、ＥＶ（Electric Vehicle：電気自動車）やＨＥＶ（Hybrid Electric Vehicle：ハイブリッド電気自動車）など、バッテリ（電池）から供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する電動車両の開発が進んでいる。電動車両では、駆動源であるバッテリの電力が消耗してきた場合、その後の走行を継続するためにバッテリの充電をする必要がある。

　ところで、近年の電動車両の中には、着脱することができる構成にしたバッテリ（以下、「着脱式バッテリ」という）を採用しているものも存在している。着脱式バッテリを採用した電動車両では、現在装着している着脱式バッテリの電力が消耗してきた場合に、充電が完了している予備の着脱式バッテリなど、十分な電力を蓄電している他の着脱式バッテリに交換することによって、走行を継続することができる。これにより、着脱式バッテリを採用した電動車両を使用している使用者（ユーザー）は、現在装着している着脱式バッテリを予備の着脱式バッテリに交換する際に要する時間以外の時間、つまり、電動車両を使用している途中で起こり得る着脱式バッテリを充電するための充電時間を必要とせずに、電動車両を連続して使用することができる。つまり、着脱式バッテリを採用した電動車両を使用しているユーザーは、着脱式バッテリの充電時間による時間のロスをなくすことができる。このため、近年では、電動車両を使用する複数のユーザー同士で着脱式バッテリを共同で利用するバッテリ共同利用サービス（いわゆる、バッテリシェアサービス）の展開が検討されている。バッテリシェアサービスでは、ユーザーが消耗した着脱式バッテリを電動車両から取り外して充放電ステーションに返却し、充放電ステーションから充電済みの着脱式バッテリの貸し出しを受ける。そして、ユーザーは、貸し出しを受けた着脱式バッテリを電動車両に装着することにより、電動車両による走行を継続することができる。

　このようなバッテリシェアサービスに関する様々な技術が提案されている。例えば、特許文献１には、バッテリ共同利用サービスにおける着脱式バッテリの管理方法に関する技術が開示されている。特許文献１に記載された技術には、使用者（ユーザー）が、使用済みの着脱式バッテリをバッテリ交換装置に返却した後に、充電済みの着脱式バッテリの貸し出しを受けるバッテリ交換の流れが記載されている。

国際公開第２０２０／０５９８３３号

　しかしながら、バッテリシェアサービスにおいて着脱式バッテリの受け取り（返却）と貸し出しとを行う際の流れ（手順）は、特許文献１に開示された流れに限定されるものではなく、種々の手順が考えられる。これは、例えば、バッテリ交換装置における着脱式バッテリの保管状況には様々な状況が考えられるからである。このため、特許文献１に開示された技術のようなバッテリ交換の流れでは十分ではなく、着脱式バッテリを適切に管理することができるとは限らない。

　本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、バッテリの交換をより適切に行うことができる保管装置、保管方法、プログラム、および記憶媒体を提供することを目的としている。

　この発明に係る保管装置、保管方法、プログラム、および記憶媒体は、以下の構成を採用した。
　（１）：この発明の一態様に係る保管装置は、保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置であって、複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数、または新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得する取得部、を備える保管装置である。

　（２）：上記（１）の態様において、保管装置は、前記保管対象物の利用者に、前記保管部に保管中の前記保管対象物を提供する提供部と、前記利用者から、前記保管部に保管する新たな前記保管対象物を受領する受領部と、をさらに備えるものである。

　（３）：上記（２）の態様において、保管装置は、前記取得部が、前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合、前記提供部は、前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供し、前記受領部は、前記利用者からの新たな前記保管対象物を、前記提供部が前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領するものである。

　（４）：上記（２）または（３）の態様において、保管装置は、前記取得部が、前記保管可能数が１以上である、または保管可能な前記保管部が存在することを表す前記保管可能情報を取得した場合、前記受領部は、前記利用者からの新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領し、前記提供部は、前記受領部が前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供するものである。

　（５）：上記（３）の態様において、前記受領部は、前記利用者から受領した新たな前記保管対象物が、直前に前記提供部が前記利用者に提供した前記保管対象物と同一である場合、前記保管対象物が同一であることを報知させるための通知情報を出力する、および／または前記提供部に受領した同一である前記保管対象物を前記利用者に再度提供させるものである。

　（６）：上記（１）の態様において、保管装置は、前記保管対象物の利用者に提供する前記保管対象物を保管中の前記保管部、および前記利用者から受領する新たな前記保管対象物を保管する前記保管部を選定する選定部、をさらに備え、前記取得部が、前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合、前記選定部は、前記利用者に提供する前記保管対象物を保管中の前記保管部と、前記利用者から受領する新たな前記保管対象物を保管する前記保管部として、同一の前記保管部を選定するものである。

　（７）：上記（６）の態様において、保管装置は、前記取得部が、前記保管可能数が１以上である、または保管可能な前記保管部が存在することを表す前記保管可能情報を取得した場合、前記選定部は、前記利用者に提供する前記保管対象物を保管中の前記保管部と、前記利用者から受領する新たな前記保管対象物を保管する前記保管部として、異なる前記保管部を選定するものである。

　（８）：上記（１）から（７）のうちいずれか一態様において、前記取得部は、前記保管可能数を取得するものであって、保管装置は、前記新たな前記保管対象物の数である必要保管数を取得する他の取得部、をさらに備えるものである。

　（９）：上記（８）の態様において、保管装置は、前記保管対象物の利用者に、前記保管部に保管中の前記保管対象物を提供する提供部と、前記利用者から、前記保管部に保管する新たな前記保管対象物を受領する受領部と、をさらに備えるものである。

　（１０）：上記（９）の態様において、保管装置は、前記取得部が、前記保管可能数がゼロであることを取得した場合、前記提供部は、前記保管部に保管中の前記保管対象物のうち、前記必要保管数が表す数の前記保管対象物を前記利用者に提供し、前記受領部は、前記利用者からの前記必要保管数が表す数の新たな前記保管対象物を、前記提供部が前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領するものである。

　（１１）：上記（９）または（１０）の態様において、保管装置は、前記取得部が、前記保管可能数が１以上であり、かつ、前記必要保管数未満であることを取得した場合、前記受領部は、前記利用者からの前記必要保管数未満の新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領し、前記提供部は、前記受領部が前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供し、前記受領部は、前記必要保管数のうちの残りの新たな前記保管対象物を、前記保管対象物を提供した前記保管部で受領し、前記提供部は、前記受領部が前記新たな前記保管対象物、および前記残りの新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供するものである。

　（１２）：上記（９）から（１１）のうちいずれか一態様において、保管装置は、前記取得部が、前記保管可能数が前記必要保管数以上であることを取得した場合、前記受領部は、前記利用者からの前記必要保管数の新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領し、前記提供部は、前記受領部が前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供するものである。

　（１３）：上記（１）から（１２）のうちいずれか一態様において、前記保管対象物は、蓄電装置であり、前記保管部は、前記保管部で保管中の前記蓄電装置の充電を行う充電部、をさらに備えるものである。

　（１４）：上記（１３）の態様において、前記蓄電装置は、電力を利用する電力機器に対して着脱可能に装着されるものである。

　（１５）：この発明の一態様に係る保管方法は、保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータが、複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数、または新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得するステップと、前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合に、前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記保管対象物の利用者に提供するステップと、前記利用者からの新たな前記保管対象物を、前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領するステップと、を含む保管方法である。

　（１６）：上記（１５）の態様において、保管方法は、前記保管可能数が１以上である、または保管可能な前記保管部が存在することを表す前記保管可能情報を取得した場合に、前記利用者からの新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領するステップと、前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供するステップと、をさらに含むものである。

　（１７）：上記（１６）の態様において、保管方法は、前記利用者から受領した前記新たな前記保管対象物が、直前に前記利用者に提供した前記保管対象物と同一であるか否かを判定するステップと、前記利用者から受領した前記新たな前記保管対象物と前記利用者に提供した前記保管対象物とが同一である場合に、前記保管対象物が同一であることを報知させるための通知情報を出力する、および／または前記利用者から受領した前記保管対象物と同一である前記保管対象物を前記利用者に再度提供させるステップと、をさらに含むものである。

　（１８）：この発明の一態様に係る保管方法は、保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータが、複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数を取得するステップと、前記新たな前記保管対象物の数である必要保管数を取得するステップと、前記保管可能数が１以上であり、かつ、前記必要保管数未満であることを取得した場合に、前記利用者からの前記必要保管数未満の新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領するステップと、前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供するステップと、前記必要保管数のうちの残りの新たな前記保管対象物を、前記保管対象物を提供した前記保管部で受領するステップと、前記新たな前記保管対象物、および前記残りの新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供するステップと、を含む保管方法である。

　（１９）：この発明の一態様に係るプログラムは、保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータに、複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数、または新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得するステップと、前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合に、前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記保管対象物の利用者に提供するステップと、前記利用者からの新たな前記保管対象物を、前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領するステップと、を実行させるためのプログラムである。

　（２０）：この発明の一態様に係る記憶媒体は、保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータに、複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数、または新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得するステップと、前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合に、前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記保管対象物の利用者に提供するステップと、前記利用者からの新たな前記保管対象物を、前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領するステップと、を実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。

　上記（１）～（２０）の態様によれば、バッテリの交換をより適切に行うことができる。

実施形態に係る保管装置を適用したバッテリ交換装置の使用環境の一例を示す図である。実施形態に係る着脱式バッテリの構成の一例を示すブロック図である。実施形態に係るバッテリ交換装置の概略構成を示すブロック図である。実施形態に係る運用サーバーの概略構成を示すブロック図である。実施形態のバッテリ交換装置において着脱式バッテリを交換する手続きの処理の流れの一例を示すフローチャートである。実施形態のバッテリ交換装置において着脱式バッテリを交換する手続きのフェーズ（局面）の処理の一例を概念的に示す図である。実施形態のバッテリ交換装置において着脱式バッテリを交換する手続きのフェーズ（局面）の処理の一例を概念的に示す図である。実施形態のバッテリ交換装置において着脱式バッテリを交換する手続きのフェーズ（局面）の処理の一例を概念的に示す図である。実施形態のバッテリ交換装置において着脱式バッテリを交換する手続きの処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。実施形態のバッテリ交換装置において着脱式バッテリを交換する手続きのフェーズ（局面）の処理の一例を概念的に示す図である。実施形態のバッテリ交換装置において着脱式バッテリを交換する手続きのフェーズ（局面）の処理の一例を概念的に示す図である。実施形態のバッテリ交換装置において着脱式バッテリを交換する手続きのフェーズ（局面）の処理の一例を概念的に示す図である。実施形態のバッテリ交換装置において着脱式バッテリを交換する手続きの処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。

　以下、図面を参照し、本発明の保管装置、保管方法、プログラム、および記憶媒体の実施形態について説明する。

　以下の説明においては、実施形態の保管装置が、電力機器に着脱することができる構成の蓄電装置であるバッテリ（以下、「着脱式バッテリ」という）を共同利用するバッテリ共同利用サービスのシステム（バッテリシェアサービスのシステム）において、着脱式バッテリの受領と、代わりの着脱式バッテリの供与（提供）とを行うバッテリ交換装置に適用された場合について説明する。

（全体構成）
　図１は、実施形態に係る保管装置を適用したバッテリ交換装置の使用環境の一例を示す図である。図１には、バッテリ交換装置を備えるバッテリ共同利用サービスシステムにおける着脱式バッテリの交換サービス（バッテリ共同利用サービス）の概念を示している。バッテリ共同利用サービスシステム１０は、例えば、バッテリ交換装置１００と、運用サーバー２００と、を備える。バッテリ共同利用サービスシステム１０では、１つの運用サーバー２００が複数のバッテリ交換装置１００に対応する構成とすることもできるが、図１においては、１つのバッテリ交換装置１００のみを示している。バッテリ共同利用サービスシステム１０において、バッテリ交換装置１００と運用サーバー２００とは、ネットワークＮＷを介して互いに接続されている。ネットワークＮＷは、例えば、インターネット、セルラー網、Ｗｉ－Ｆｉ網、ＷＡＮ（Wide Area Network）、ＬＡＮ（Local Area Network）などを含む。ネットワークＮＷは、無線通信の通信網であってもよいし、有線通信の通信網であってもよい。

　図１には、バッテリ共同利用サービスにおいて共同利用する着脱式バッテリが着脱可能に装着される電力機器の一例として、鞍乗り型の電動二輪車５０を示している。電動二輪車５０は、着脱式バッテリ５００から供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する電動車両である。電動二輪車５０は、着脱式バッテリ５００と、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関とを組み合わせた駆動によって走行するハイブリッド電動車両であってもよい。電動車両には、電動二輪車５０のような鞍乗り型の電動車両に代えて、または加えて、四輪の電動車両（以下、「電気自動車」という）など、着脱式バッテリ５００の電力を利用して走行する種々の車両が含まれる。例えば、電動車両には、二輪や四輪の車両のみならず、三輪（前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む）の車両、さらには、アシスト式の自転車など、着脱式バッテリ５００から供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する車両型の移動体の全般が含まれる。電力機器としては、これら車両型の移動体に代えて、または加えて、例えば、移動ロボット、自律走行装置、電動自転車、自律走行車、その他の電動車両、ドローン飛行体、またはその他の電動式移動装置（電動モビリティ）など、着脱式バッテリ５００から供給される電力を利用して移動する移動体の全般が含まれる。電力機器は、上述した移動体に代えて、または加えて、例えば、人や車両によって運ばれる可搬型の充電給電装置など、自らの移動を伴わない機器であってもよい。電動二輪車５０は、「電力機器」の一例である。

　着脱式バッテリ５００は、電動二輪車５０に対して着脱可能に装着されるカセット式の蓄電装置（二次電池）である。着脱式バッテリ５００は、１つの電動二輪車５０に少なくとも１つ装着される。図１には、１つの着脱式バッテリ５００が電動二輪車５０に装着されている場合を示している。着脱式バッテリ５００は、複数の電力機器で共同利用される蓄電装置である。着脱式バッテリ５００は、例えば、排他的に割り当てられた識別情報（以下、「バッテリＩＤ」という）によって着脱式バッテリ５００自体を識別することができるようになっていてもよい。バッテリＩＤとしては、例えば、着脱式バッテリ５００のシリアル番号などが考えられるが、その他にも、バッテリＩＤの形式として種々の形式が考えられる。着脱式バッテリ５００は、「保管対象物」や「蓄電装置」の一例である。

　バッテリ交換装置１００は、複数の場所に設置され、１つ以上の着脱式バッテリ５００の保管および充電を行う保管装置の設備である。バッテリ交換装置１００は、バッテリ共同利用サービスシステム１０の利用者（電動二輪車５０の使用者（ユーザー）など）が交換を希望する着脱式バッテリ５００と、保管している着脱式バッテリ５００との交換の手続きを実施する設備でもある。バッテリ交換装置１００は、電動二輪車５０の使用者（ユーザー）が持ち込んできた電力が消耗している着脱式バッテリ５００と、充電が完了して保管している着脱式バッテリ５００とを交換することにより、ユーザーに別の充電済みの着脱式バッテリ５００を供与する。

　バッテリ交換装置１００は、例えば、着脱式バッテリ５００に割り当てられたバッテリＩＤに基づいて、ユーザーが持ち込んできた着脱式バッテリ５００を交換することができるか否かを判定する。このとき、バッテリ交換装置１００は、着脱式バッテリ５００の交換可否を単独で判定してもよいし、ネットワークＮＷを介した通信によって運用サーバー２００との間で情報のやり取りをして、着脱式バッテリ５００の交換可否を判定してもよい。バッテリ交換装置１００が単独で着脱式バッテリ５００の交換可否を判定する場合、例えば、バッテリ交換装置１００において交換することができる着脱式バッテリ５００のバッテリＩＤが記録されたリスト情報を、ネットワークＮＷを介して運用サーバー２００から事前に取得して記憶している。そして、バッテリ交換装置１００は、記憶しているバッテリＩＤのリスト情報にユーザーが持ち込んできた着脱式バッテリ５００のバッテリＩＤが含まれるか否かを確認することによって判定した判定結果に基づいて、保管している着脱式バッテリ５００との交換を行う。一方、バッテリ交換装置１００が運用サーバー２００との間で情報のやり取りをして着脱式バッテリ５００の交換可否を判定する場合、例えば、ユーザーが持ち込んできた着脱式バッテリ５００から取得したバッテリＩＤの情報を運用サーバー２００に送信する。そして、バッテリ交換装置１００は、運用サーバー２００により送信された交換可否の判定結果に従って、着脱式バッテリ５００の交換を行う。

　図１には、バッテリ交換装置１００の構成の一例を示している。図１に示したバッテリ交換装置１００は、筐体１０１に、表示器１１０と、充電機能を備えた八つのバッテリスロット１２０－１～バッテリスロット１２０－８とが設けられている。以下の説明において八つのバッテリスロット１２０－１～バッテリスロット１２０－８のそれぞれを区別せずに表すときには、「－」とそれに続く数字を示さず、単に「バッテリスロット１２０」という。

　バッテリ交換装置１００が備える表示器１１０は、ユーザーに報知（通知）する情報（画像）を表示する表示装置である。表示器１１０は、例えば、ＴＦＴ（薄膜トランジスター：Thin Film Transistor）液晶ディスプレイ（ＬＣＤ：Liquid Crystal Display）や有機ＥＬ（Electro Luminescence）ディスプレイ、電子インクによる電気泳動表示装置などを含む。表示器１１０は、バッテリ交換装置１００において着脱式バッテリ５００が現在交換可能な状態であるか否かを表す画像や、着脱式バッテリ５００を交換する際にアクセスするバッテリスロット１２０の位置を表す画像など、バッテリ共同利用サービスに関する通知情報をユーザーに提示するための画像を表示する。

　バッテリ交換装置１００が備えるそれぞれのバッテリスロット１２０は、着脱式バッテリ５００が収容されている（挿入されている）状態のバッテリスロット１２０と、着脱式バッテリ５００が収容されていない（挿入されていない）状態のバッテリスロット１２０とがある。着脱式バッテリ５００が収容されている状態のバッテリスロット１２０には、着脱式バッテリ５００を充電している状態のバッテリスロット１２０と、充電が完了した充電済みの着脱式バッテリ５００を保管して交換されるのを待っている（待機している）状態のバッテリスロット１２０とがある。着脱式バッテリ５００が収容されていない状態のバッテリスロット１２０は、例えば、交換を希望する着脱式バッテリ５００がユーザーによって挿入されるのを待機している状態である。着脱式バッテリ５００が収容されていない状態のバッテリスロット１２０には、例えば、異常や故障などの理由によって使用することができない状態、つまり、着脱式バッテリ５００の充電や、保管、供与を行うことができない状態のものも含まれる。

　それぞれのバッテリスロット１２０は、例えば、バッテリ収容部１２０Ｈと、開閉蓋１２０Ｌと、を備える。バッテリ収容部１２０Ｈは、前面に開口部が設けられており、この開口部からバッテリ収容部１２０Ｈに着脱式バッテリ５００を出し入れすることができる構造となっている。バッテリ収容部１２０Ｈの奥側には、収容された着脱式バッテリ５００と接続することによって充電や着脱式バッテリ５００のバッテリＩＤを取得するための構造が設けられている。開閉蓋１２０Ｌは、バッテリ収容部１２０Ｈの前面の開口部を開閉するための蓋であり、開口部を開状態にすることによってバッテリ収容部１２０Ｈに着脱式バッテリ５００を出し入れすることができ、閉状態にすることによってバッテリ収容部１２０Ｈに着脱式バッテリ５００を出し入れすることができないようにする構造となっている。この構造によりそれぞれのバッテリスロット１２０は、開閉蓋１２０Ｌを閉状態に施錠（ロック）することによって、バッテリ収容部１２０Ｈに収容された着脱式バッテリ５００の出し入れを制限することができる。

　図１には、バッテリスロット１２０－１におけるバッテリ収容部１２０Ｈと開閉蓋１２０Ｌとを示している。以下の説明において八つのバッテリスロット１２０－１～バッテリスロット１２０－８のそれぞれのバッテリ収容部１２０Ｈと開閉蓋１２０Ｌとを区別して表すときには、「－」とそれに続く数字を示す。例えば、バッテリスロット１２０－１のバッテリ収容部１２０Ｈを、「バッテリ収容部１２０－１Ｈ」といい、バッテリスロット１２０－１の開閉蓋１２０Ｌを、「開閉蓋１２０－１Ｌ」という。バッテリスロット１２０は、「保管部」の一例である。

　図１には、バッテリスロット１２０－１に着脱式バッテリ５００を出し入れする状態を示している。以下の説明においては、電力が消耗したことによりユーザーによってバッテリスロット１２０に収容される着脱式バッテリ５００を、「使用済みバッテリ５００ｕ」といい、バッテリ交換装置１００による充電が完了し、ユーザーによってバッテリスロット１２０から取り出されて供与される着脱式バッテリ５００を、「充電済みバッテリ５００ｃ」という。以下の説明においては、着脱式バッテリ５００を使用済みバッテリ５００ｕまたは充電済みバッテリ５００ｃのいずれかで表すことにより、着脱式バッテリ５００に蓄電している電力の状態を区別する。

　図１に示したバッテリ交換装置１００の構成は一例であり、バッテリ交換装置１００の構成としては、その他にも種々の構成が考えられる。例えば、バッテリ交換装置１００は、それぞれのバッテリスロット１２０に開閉蓋１２０Ｌを備えず、それぞれのバッテリスロット１２０のバッテリ収容部１２０Ｈ（開口部）に着脱式バッテリ５００を直接出し入れする構造であってもよい。

　運用サーバー２００は、バッテリ共同利用サービスシステム１０を構成するバッテリ交換装置１００や、バッテリ交換装置１００において交換する着脱式バッテリ５００を管理するサーバー設備である。運用サーバー２００は、例えば、バッテリ交換装置１００において交換することができる着脱式バッテリ５００のバッテリＩＤを記録したリスト情報を作成して保管する。運用サーバー２００は、例えば、バッテリ共同利用サービスシステム１０を採用したバッテリ共同利用サービスの運用者やバッテリ共同利用サービスシステム１０の管理者により承認された着脱式バッテリ５００を追加する場合や、劣化や破壊などによってバッテリ交換装置１００において交換することができなくなった着脱式バッテリ５００を抹消する場合に、リスト情報を更新する。運用サーバー２００は、バッテリ交換装置１００からのリスト情報の要求に応じて、作成または更新したリスト情報を、要求してきたバッテリ交換装置１００に、ネットワークＮＷを介して送信する。これにより、バッテリ交換装置１００は、運用サーバー２００により送信されたリスト情報を記憶部に記憶することで、記憶しているバッテリＩＤのリスト情報に基づいて着脱式バッテリ５００の交換可否を単独で判定し、ユーザーが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとの交換の手続きを実施することができる。運用サーバー２００は、バッテリ交換装置１００からの着脱式バッテリ５００の交換可否の判定の要求に応じて、バッテリ交換装置１００により送信されたバッテリＩＤが割り当てられた着脱式バッテリ５００の交換可否を判定する。運用サーバー２００は、交換可否の判定結果を、要求してきたバッテリ交換装置１００に、ネットワークＮＷを介して送信する。これにより、バッテリ交換装置１００は、運用サーバー２００により送信された交換可否の判定結果に従って、ユーザーが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとの交換の手続きを実施することができる。

　このような構成によってバッテリ共同利用サービスシステム１０では、ユーザーがバッテリ交換装置１００に持ち込んできた電力が消耗している使用済みバッテリ５００ｕが交換することができる着脱式バッテリ５００である場合に、使用済みバッテリ５００ｕと充電が完了してバッテリ交換装置１００に保管している充電済みバッテリ５００ｃとを交換する。

　次に、実施形態のバッテリ共同利用サービスシステム１０を構成するそれぞれの構成要素についてより詳細に説明する。

（着脱式バッテリの構成）
　まず、着脱式バッテリ５００の構成例について説明する。図２は、実施形態に係る着脱式バッテリ５００の構成の一例を示すブロック図である。着脱式バッテリ５００は、例えば、蓄電部５１０と、ＢＭＵ（Battery Management Unit）５２０と、接続部５３０と、を備える。ＢＭＵ５２０は、例えば、測定センサ５２２と、記憶部５２４と、を備える。

　蓄電部５１０は、例えば、複数の単電池を直列に接続した組電池である。蓄電部５１０を構成する単電池は、例えば、リチウムイオン電池（Lithium-Ion Battery：ＬＩＢ）や、ニッケル水素電池、全固体電池など、充電と放電とを繰り返すことができる二次電池である。蓄電部５１０を構成する二次電池は、例えば、鉛蓄電池、ナトリウムイオン電池などの他、電気二重層キャパシタなどのキャパシタ、または二次電池とキャパシタとを組み合わせた複合電池など、種々の二次電池の構成が考えられる。

　ＢＭＵ５２０は、蓄電部５１０の充電や放電を制御する。ＢＭＵ５２０は、測定センサ５２２の測定結果に基づいて、蓄電部５１０のセルバランシング、蓄電部５１０の異常検出、蓄電部５１０のセル温度の導出、蓄電部５１０の充放電電流の導出、蓄電部５１０のＳＯＣの推定などを行ってもよい。ＢＭＵ５２０における蓄電部５１０に対するそれぞれの機能は、例えば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）などのハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。ＢＭＵ５２０は、測定センサ５２２の測定結果に基づいて把握した蓄電部５１０の異常や故障などを表す情報を、バッテリ状態情報として記憶部５２４に記憶させてもよい。

　測定センサ５２２は、蓄電部５１０の充電状態を測定するための電圧センサ、電流センサ、温度センサなどである。測定センサ５２２は、測定された電圧、電流、温度などの測定結果を、ＢＭＵ５２０上のハードウェアプロセッサに出力する。

　記憶部５２４は、着脱式バッテリ５００に対して割り当てられた識別情報（バッテリＩＤ）などの情報を記憶する。記憶部５２４は、例えば、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）、フラッシュメモリなどの記憶装置である。記憶部５２４には、蓄電部５１０のバッテリ状態情報が記憶されてもよい。記憶部５２４には、ＢＭＵ５２０上のハードウェアプロセッサがＢＭＵ５２０におけるそれぞれの機能を実現するためのプログラム（ソフトウェア）が記憶されてもよい。

　接続部５３０は、例えば、電力線の接続端子（バッテリターミナル）や、通信線の接続端子などを含む。接続部５３０は、着脱式バッテリ５００が電動二輪車５０に装着された際に、電動二輪車５０の駆動源である電動モータに電気的に接続される。この状態で、着脱式バッテリ５００は、蓄電部５１０に蓄えた電力を電動モータに供給する。接続部５３０は、着脱式バッテリ５００がバッテリ交換装置１００のバッテリスロット１２０（図１参照）に収容された際に、バッテリ収容部１２０Ｈの奥側に設けられた着脱式バッテリ５００と接続する構造に電気的に接続される。この状態で、着脱式バッテリ５００は、バッテリ交換装置１００により供給された電力を、蓄電部５１０に電送する。さらに、この状態で、着脱式バッテリ５００は、バッテリ交換装置１００との間でやり取りするバッテリＩＤなどの情報を電送する。

（バッテリ交換装置の構成）
　次に、バッテリ交換装置１００の構成例について説明する。図３は、実施形態に係るバッテリ交換装置１００の概略構成を示すブロック図である。バッテリ交換装置１００は、例えば、表示器１１０と、接続部１２０Ｔと、充電器１２０Ｃと、交換装置通信部１３０と、交換装置制御部１４０と、交換装置記憶部１５０と、を備える。交換装置制御部１４０は、例えば、情報取得部１４１と、測定センサ１４２と、充電制御部１４３と、処理部１４４と、を備える。

　交換装置通信部１３０や、交換装置制御部１４０、交換装置制御部１４０が備える構成要素は、それぞれ、例えば、ＣＰＵなどのハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、ＬＳＩ（Large Scale Integration）やＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）、ＧＰＵ（Graphics Processing Unit）などのハードウェア（回路部；circuitryを含む）によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、専用のＬＳＩによって実現されてもよい。プログラムは、予めバッテリ交換装置１００が備えるＨＤＤ（Hard Disk Drive）やフラッシュメモリなどの記憶装置（非一過性の記憶媒体を備える記憶装置）に格納されていてもよいし、ＤＶＤやＣＤ－ＲＯＭなどの着脱可能な記憶媒体（非一過性の記憶媒体）に格納されており、記憶媒体がバッテリ交換装置１００が備えるドライブ装置に装着されることでバッテリ交換装置１００が備えるＨＤＤやフラッシュメモリにインストールされてもよい。

　接続部１２０Ｔは、バッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００が備える接続部５３０と電気的に接続する構造である。接続部１２０Ｔは、バッテリ交換装置１００が備えるそれぞれのバッテリスロット１２０において、バッテリ収容部１２０Ｈの奥側に設けられる。接続部１２０Ｔは、バッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００に、充電器１２０Ｃから供給された電力を電送する。つまり、接続部１２０Ｔは、着脱式バッテリ５００が備える蓄電部５１０に、充電するための電力を供給する。さらに、接続部１２０Ｔは、バッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００と交換装置制御部１４０との間でやり取りするバッテリＩＤなどの情報を電送する。

　充電器１２０Ｃは、交換装置制御部１４０からの制御に応じて着脱式バッテリ５００を充電するための電力を供給する。充電器１２０Ｃは、バッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容され、収容された着脱式バッテリ５００の接続部５３０と接続部１２０Ｔとが接続された状態のときに電力を供給する。充電器１２０Ｃは、バッテリ交換装置１００が備えるそれぞれのバッテリスロット１２０ごとに設けられる。充電器１２０Ｃは、着脱式バッテリ５００に電力を供給するための不図示の電源が接続されている構成であってもよい。充電器１２０Ｃは、「充電部」の一例である。

　図１に示したバッテリ交換装置１００には、八つのバッテリスロット１２０－１～バッテリスロット１２０－８が設けられている。このため、接続部１２０Ｔおよび充電器１２０Ｃも、それぞれのバッテリスロット１２０に対応して、八つ設けられている。以下の説明において八つのバッテリスロット１２０－１～バッテリスロット１２０－８のそれぞれに対応する接続部１２０Ｔおよび充電器１２０Ｃを区別して表すときには、「－」とそれに続く数字を示す。例えば、バッテリスロット１２０－１に対応する接続部１２０Ｔを、「接続部１２０－１Ｔ」といい、バッテリスロット１２０－１に対応する充電器１２０Ｃを、「充電器１２０－１Ｃ」という。

　交換装置通信部１３０は、運用サーバー２００との間で、ネットワークＮＷを介して種々の情報を送受信する。交換装置通信部１３０は、例えば、インターネット網や、３Ｇ／ＬＴＥ、４Ｇ、５Ｇなどのセルラー網、Ｗｉ－Ｆｉ網と接続するための無線通信モジュールを含む。交換装置通信部１３０は、ネットワークＮＷを介して運用サーバー２００と無線通信する。交換装置通信部１３０は、例えば、ターミナルアダプターやイーサネット（登録商標）通信装置などの有線通信モジュールを含んでもよい。この場合、交換装置通信部１３０は、ネットワークＮＷを介して運用サーバー２００と有線通信してもよい。バッテリ交換装置１００が単独で着脱式バッテリ５００の交換可否を判定する場合、交換装置通信部１３０は、例えば、予め定めた時間間隔ごとに（定期的に）、ネットワークＮＷを介して運用サーバー２００からリスト情報を取得し、取得したリスト情報を交換装置記憶部１５０に出力して記憶させる。一方、バッテリ交換装置１００が運用サーバー２００との間で情報のやり取りをして着脱式バッテリ５００の交換可否を判定する場合、交換装置通信部１３０は、交換装置制御部１４０が着脱式バッテリ５００から取得して出力してきたバッテリＩＤを、ネットワークＮＷを介して運用サーバー２００に送信する。そして、交換装置通信部１３０は、ネットワークＮＷを介して運用サーバー２００により送信された交換可否の判定結果の情報を受信し、受信した判定結果の情報を交換装置制御部１４０に出力する。

　交換装置制御部１４０は、バッテリ交換装置１００の全体を制御する。より具体的には、交換装置制御部１４０は、バッテリスロット１２０に収容されている着脱式バッテリ５００の充放電の制御や、ユーザーが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕと、充電が完了して保管している充電済みバッテリ５００ｃとの交換の手続きを実施する。

　情報取得部１４１は、バッテリ交換装置１００が備えるバッテリスロット１２０に関する情報や、バッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００の情報を取得する。バッテリスロット１２０に関する情報とは、例えば、バッテリ交換装置１００が備えるバッテリスロット１２０のうち、ユーザーが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを収容することができるバッテリスロット１２０、つまり、空いているバッテリスロット１２０の数や、空いているバッテリスロット１２０が存在するか否かを表す情報（以下、「空きスロット情報」という）である。バッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００の情報とは、着脱式バッテリ５００のバッテリＩＤなどの情報である。情報取得部１４１は、バッテリスロット１２０のバッテリ収容部１２０Ｈに使用済みバッテリ５００ｕが収容されて接続部５３０と接続部１２０Ｔが接続されたときに、使用済みバッテリ５００ｕのバッテリＩＤを、接続部１２０Ｔを介して取得する。そして、情報取得部１４１は、取得した空きスロット情報や、バッテリＩＤの情報を、処理部１４４に出力する。情報取得部１４１は、取得した空きスロット情報やバッテリＩＤの情報を、交換装置記憶部１５０に記憶させてもよい。情報取得部１４１は、使用済みバッテリ５００ｕからバッテリ状態情報を取得してもよい（さらには、交換装置記憶部１５０に記憶させてもよい）。情報取得部１４１は、「取得部」の一例である。空きスロット情報は、「保管可能情報」の一例である。空いているバッテリスロット１２０の数は、「保管可能数」の一例である。

　測定センサ１４２は、バッテリスロット１２０やバッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００の状態を測定する。測定センサ１４２は、充電器１２０Ｃが着脱式バッテリ５００を充電しているときの状態を測定するための、例えば、電圧センサや、電流センサ、温度センサを含む。測定センサ１４２は、測定された電圧、電流、温度などの測定結果を、充電制御部１４３や処理部１４４に出力する。

　充電制御部１４３は、充電器１２０Ｃを制御することによって、着脱式バッテリ５００の充電を制御する。充電制御部１４３は、測定センサ１４２により出力された着脱式バッテリ５００の測定値も考慮して、充電器１２０Ｃの制御（着脱式バッテリ５００の充電の制御）を行ってもよい。充電制御部１４３は、着脱式バッテリ５００の充電が完了したときに、充電が完了したことを処理部１４４に通知する。充電制御部１４３は、着脱式バッテリ５００を充電している現在の状態を表す情報を、処理部１４４に出力してもよい。着脱式バッテリ５００の現在の状態を表す情報とは、例えば、着脱式バッテリ５００が充電されている途中の状態であるか、充電が完了した状態であるかを表す情報である。充電制御部１４３は、充電器１２０Ｃと合わせて、「充電部」の一例でもある。

　バッテリ交換装置１００では、着脱式バッテリ５００の充電に先だって、着脱式バッテリ５００に残っている電力を一旦放電するようにしてもよい。この場合、充電制御部１４３は、着脱式バッテリ５００の放電の制御も行う。

　処理部１４４は、バッテリ交換装置１００における着脱式バッテリ５００の交換の手続きを実施する。より具体的には、処理部１４４は、ユーザーが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕと、保管している充電済みバッテリ５００ｃとの交換の手続きの処理（以下、「バッテリ交換処理」という）を実施する。処理部１４４におけるバッテリ交換処理では、情報取得部１４１により出力された空きスロット情報に基づいて、使用済みバッテリ５００ｕを受領してから充電済みバッテリ５００ｃを提供するか、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領するかを決定する。処理部１４４のバッテリ交換処理において使用済みバッテリ５００ｕを受領するとは、例えば、バッテリスロット１２０の開閉蓋１２０Ｌを開状態にさせて、ユーザーが使用済みバッテリ５００ｕを収容した後に開閉蓋１２０Ｌを閉状態に施錠（ロック）させることである。処理部１４４のバッテリ交換処理において充電済みバッテリ５００ｃを提供するとは、例えば、バッテリスロット１２０の開閉蓋１２０Ｌを開状態にさせて、ユーザーが充電済みバッテリ５００ｃを取り出した後に開閉蓋１２０Ｌを閉状態に施錠（ロック）させることである。

　空きスロット情報が、空いているバッテリスロット１２０の数が１以上である、または空いているバッテリスロット１２０が存在することを表している場合、処理部１４４は、使用済みバッテリ５００ｕを受領してから充電済みバッテリ５００ｃを提供すると決定する。この場合、処理部１４４は、まず、空いているバッテリスロット１２０の中から、使用済みバッテリ５００ｕを収容するバッテリスロット１２０（ここでは、例えば、バッテリスロット１２０－１とする）を選定し、選定したバッテリスロット１２０－１の位置をユーザーに通知する。ユーザーへのバッテリスロット１２０－１の位置の通知は、バッテリスロット１２０－１の位置を表す通知情報を表示器１１０に出力して画像を表示させることにより行う。ユーザーは、表示器１１０に表示された画像の通知情報に応じて、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを、着脱式バッテリ５００が収容されていない状態のバッテリスロット１２０－１のバッテリ収容部１２０－１Ｈに収容する。ユーザーにバッテリスロット１２０－１の位置を通知する方法は、表示器１１０に通知情報の画像を表示させる方法の他にも、種々の方法が考えられる。例えば、それぞれのバッテリスロット１２０に表示ランプを備えている場合、通知するバッテリスロット１２０－１が備える表示ランプを点灯させることにより、バッテリスロット１２０－１の位置を通知してもよい。その後、処理部１４４は、バッテリ収容部１２０－１Ｈに収容された使用済みバッテリ５００ｕが、交換することができる着脱式バッテリ５００であるか否かを判定する。バッテリ交換装置１００が単独で着脱式バッテリ５００の交換可否を判定する場合、処理部１４４は、情報取得部１４１がバッテリ収容部１２０－１Ｈに収容された使用済みバッテリ５００ｕから取得して出力してきたバッテリＩＤを、交換装置記憶部１５０に記憶されているリスト情報に含まれる着脱式バッテリ５００のバッテリＩＤと照合することにより判定する。一方、バッテリ交換装置１００が運用サーバー２００との間で情報のやり取りをして着脱式バッテリ５００の交換可否を判定する場合、処理部１４４は、交換装置通信部１３０により出力された判定結果の情報に従う。上記の判定の結果、バッテリ収容部１２０－１Ｈに収容された使用済みバッテリ５００ｕが交換することができる着脱式バッテリ５００であると判定した場合、処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃを選定し、選定した充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０（ここでは、例えば、バッテリスロット１２０－２とする）の位置を、表示器１１０によってユーザーに通知する。言い換えれば、処理部１４４は、使用済みバッテリ５００ｕを収容させるバッテリスロット１２０と異なるバッテリスロット１２０を、充電済みバッテリ５００ｃを取り出させるバッテリスロット１２０として選択し、ユーザーに通知する。ユーザーは、表示器１１０による通知に応じて、充電済みバッテリ５００ｃを、バッテリスロット１２０－２のバッテリ収容部１２０－２Ｈから取り出して、着脱式バッテリ５００の交換をする。

　一方、空きスロット情報が、空いているバッテリスロット１２０の数が０（ゼロ）である、または空いているバッテリスロット１２０が存在しないことを表している場合、処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領すると決定する。「空いているバッテリスロット１２０の数が０（ゼロ）である」、および「空いているバッテリスロット１２０が存在しない」とは、バッテリ交換装置１００が備える全てのバッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容されている状態であることをいう。これに加えて、または代えて、バッテリ交換装置１００が備えるバッテリスロット１２０に空いているバッテリスロット１２０が存在するが、例えば、異常や故障などの理由によって使用することができない状態であることをいってもよい。さらに、これらに加えて、または代えて、バッテリ交換装置１００の空いているバッテリスロット１２０が、他のユーザーによる着脱式バッテリの交換の手続きにおいて使用済みバッテリ５００ｕを受領するために使用することがすでに予約がされている状態、つまり、今回の着脱式バッテリの交換の手続きにおいて使用することができない状態であることをいってもよい。この場合、処理部１４４は、まず、充電済みバッテリ５００ｃを選定し、選定した充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０（ここでは、例えば、バッテリスロット１２０－３とする）の位置を、表示器１１０によってユーザーに通知する。ユーザーは、表示器１１０による通知に応じて、充電済みバッテリ５００ｃを、バッテリスロット１２０－３のバッテリ収容部１２０－３Ｈから取り出す。その後、処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃが取り出されて空いているバッテリスロット１２０となったバッテリスロット１２０－３、つまり、取り出した充電済みバッテリ５００ｃが保管されていたバッテリスロット１２０に、使用済みバッテリ５００ｕを収容することを、表示器１１０によってユーザーに通知する。言い換えれば、処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃを取り出したバッテリスロット１２０と同一のバッテリスロット１２０を、使用済みバッテリ５００ｕを収容させるバッテリスロット１２０として選択し、ユーザーに通知する。ユーザーは、表示器１１０による通知に応じて、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを、充電済みバッテリ５００ｃを取り出した同じバッテリスロット１２０－３のバッテリ収容部１２０－３Ｈに収容し、使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとの交換を完了する。

　ところで、バッテリスロット１２０に収容された使用済みバッテリ５００ｕが交換することができない着脱式バッテリ５００であると判定した場合、処理部１４４は、着脱式バッテリ５００の交換を禁止する。そして、処理部１４４は、着脱式バッテリ５００の交換をすることができないことを表す通知情報を表示器１１０に出力して画像を表示させることにより、着脱式バッテリ５００の交換が不可能であることを、ユーザーに通知する。

　バッテリ交換処理が終了した後、処理部１４４は、バッテリスロット１２０に使用済みバッテリ５００ｕが収容されたことを充電制御部１４３に通知する。その後、充電制御部１４３は、通知されたバッテリスロット１２０に収容された使用済みバッテリ５００ｕの充電を開始する。処理部１４４は、バッテリスロット１２０に使用済みバッテリ５００ｕが収容されたことを情報取得部１４１に通知して、情報取得部１４１が空きスロット情報を更新するようにしてもよいし、交換装置記憶部１５０に記憶されている空きスロット情報を自ら更新してもよい。

　処理部１４４は、「提供部」や、「受領部」、「選定部」の一例である。

　交換装置記憶部１５０は、バッテリ交換装置１００における種々の情報を記憶する。交換装置記憶部１５０は、例えば、ＲＯＭ、ＲＡＭ、ＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable Programmable Read Only Memory）、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）、フラッシュメモリなどの記憶装置である。交換装置記憶部１５０は、例えば、ネットワークＮＷを介して運用サーバー２００から事前に取得したリスト情報を記憶する。交換装置記憶部１５０には、交換装置通信部１３０や交換装置制御部１４０がバッテリ交換装置１００の機能を実現するためのプログラム（ソフトウェア）が記憶されてもよい。交換装置記憶部１５０には、バッテリ交換装置１００に対して排他的に割り当てられた識別情報（以下、「バッテリ交換装置ＩＤ」という）が記憶されてもよい。交換装置記憶部１５０には、空きスロット情報や、それぞれのバッテリスロット１２０に収容されている着脱式バッテリ５００のバッテリ状態情報が記憶されてもよい。交換装置記憶部１５０には、充電制御部１４３が着脱式バッテリ５００を充電している現在の状態を表す情報が記憶されてもよい。

（運用サーバーの構成）
　次に、運用サーバー２００の構成例について説明する。図４は、実施形態に係る運用サーバー２００の概略構成を示すブロック図である。運用サーバー２００は、例えば、サーバー通信部２１０と、サーバー制御部２２０と、サーバー記憶部２３０と、を備える。

　サーバー通信部２１０と、サーバー制御部２２０とは、それぞれ、例えば、ＣＰＵなどのハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、ＬＳＩやＡＳＩＣ、ＦＰＧＡ、ＧＰＵなどのハードウェア（回路部；circuitryを含む）によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、専用のＬＳＩによって実現されてもよい。プログラムは、予め運用サーバー２００が備えるＨＤＤやフラッシュメモリなどの記憶装置（非一過性の記憶媒体を備える記憶装置）に格納されていてもよいし、ＤＶＤやＣＤ－ＲＯＭなどの着脱可能な記憶媒体（非一過性の記憶媒体）に格納されており、記憶媒体が運用サーバー２００が備えるドライブ装置に装着されることで運用サーバー２００が備えるＨＤＤやフラッシュメモリにインストールされてもよい。

　サーバー通信部２１０は、バッテリ交換装置１００が備える交換装置通信部１３０との間でネットワークＮＷを介した種々の情報の送受信を行う。サーバー通信部２１０は、交換装置通信部１３０との間で無線通信や有線通信を行うための通信モジュールを含む。

　サーバー制御部２２０は、運用サーバー２００の全体を制御する。サーバー制御部２２０は、バッテリ交換装置１００において交換することができる着脱式バッテリ５００のバッテリＩＤを記録したリスト情報を作成や更新などを行い、作成や更新をしたリスト情報をサーバー記憶部２３０に出力して記憶させる。サーバー制御部２２０は、バッテリ交換装置１００からのリスト情報の要求に応じて、サーバー通信部２１０に、サーバー記憶部２３０に記憶しているリスト情報をバッテリ交換装置１００に向けて送信させる。サーバー制御部２２０は、バッテリ交換装置１００からの着脱式バッテリ５００の交換可否の判定要求に応じて、バッテリ交換装置１００により送信されたバッテリＩＤが割り当てられた着脱式バッテリ５００の交換可否を判定し、サーバー通信部２１０に、判定結果の情報をバッテリ交換装置１００に向けて送信させる。

　サーバー制御部２２０におけるリスト情報の作成や更新の方法、着脱式バッテリ５００の交換可否を判定する方法は、既存のバッテリ共同利用サービスシステム（バッテリシェアサービスのシステム）においてバッテリ交換装置（充放電ステーション）における着脱式バッテリ（バッテリ）の交換を管理するサーバー設備と同様の方法が考えられる。従って、サーバー制御部２２０におけるこれらの方法に関する詳細な説明は省略する。

　サーバー記憶部２３０は、運用サーバー２００における種々の情報を記憶する。サーバー記憶部２３０は、例えば、ＲＯＭ、ＲＡＭ、ＥＥＰＲＯＭ、ＨＤＤ、フラッシュメモリなどの記憶装置である。サーバー記憶部２３０は、サーバー制御部２２０が作成や更新をしたリスト情報を記憶する。サーバー記憶部２３０には、サーバー通信部２１０やサーバー制御部２２０が運用サーバー２００の機能を実現するためのプログラム（ソフトウェア）が記憶されてもよい。サーバー記憶部２３０には、バッテリ交換装置１００に対して排他的に割り当てられたバッテリ交換装置ＩＤと、このバッテリ交換装置１００に送信したリスト情報のバージョンとを紐付ける情報が記憶されてもよい。

（バッテリ交換装置における着脱式バッテリの交換の手続きの処理）
　次に、バッテリ交換装置１００におけるバッテリ交換処理の流れの一例について説明する。図５は、実施形態のバッテリ交換装置１００において着脱式バッテリ５００を交換する手続きの処理の流れの一例を示すフローチャートである。図５には、バッテリ交換装置１００が備える処理部１４４が、空きスロット情報に基づいて行うバッテリ交換処理の一例を示している。

　バッテリ交換装置１００は、バッテリ交換処理を開始すると、まず、処理部１４４は、情報取得部１４１により出力された空きスロット情報を取得する（ステップＳ１００）。処理部１４４は、取得した空きスロット情報に基づいて、現在のバッテリスロット１２０の状態を確認する（ステップＳ１０２）。

　ステップＳ１０２における現在のバッテリスロット１２０の状態の確認では、空きスロット情報に、ユーザーが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを収容するための、空いているバッテリスロット１２０の数が１以上であるか否か、あるいは空いているバッテリスロット１２０が存在するか否かが確認される。

　ステップＳ１０２において、空いているバッテリスロット１２０が存在する（空いているバッテリスロット１２０の数が１以上である）ことを確認した場合、処理部１４４は、使用済みバッテリ５００ｕを受領してから充電済みバッテリ５００ｃを提供すると決定する。そして、処理部１４４は、空きスロット情報に表された空いているバッテリスロット１２０の中から、使用済みバッテリ５００ｕを収容するバッテリスロット１２０を選定する（ステップＳ２００）。処理部１４４は、選定したバッテリスロット１２０の位置を表す通知情報を表示器１１０に出力して画像を表示させることにより、選定したバッテリスロット１２０の位置をユーザーに通知する（ステップＳ２０２）。ユーザーは、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを、表示器１１０によって通知されたバッテリスロット１２０に収容する。

　その後、処理部１４４は、選定したバッテリスロット１２０に使用済みバッテリ５００ｕが収容されたか否かを確認する（ステップＳ２０４）。処理部１４４における使用済みバッテリ５００ｕが収容されたか否かの確認は、例えば、情報取得部１４１により出力された空きスロット情報に示された、選定したバッテリスロット１２０が、空いている状態から着脱式バッテリ５００が収容（保管）されている状態に変化したかを確認することよって行うことができる。

　ステップＳ２０４において、選定したバッテリスロット１２０に使用済みバッテリ５００ｕが収容されたことを確認した場合、処理部１４４は、収容された使用済みバッテリ５００ｕの受領可否を判定する（ステップＳ２０６）。ステップＳ２０６における収容された使用済みバッテリ５００ｕの受領可否の判定は、上述したバッテリ交換装置１００による単独の方法、あるいは、運用サーバー２００との間で情報をやり取りする方法で行う。

　ステップＳ２０６において、収容された使用済みバッテリ５００ｕが受領可能であると判定した場合、処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０の中から、ユーザーに提供する充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０を選定する（ステップＳ２１０）。処理部１４４における提供する充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０を選定は、例えば、情報取得部１４１により出力された空きスロット情報に表された空いているバッテリスロット１２０以外を、充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０とし、その中から選定するようにしてもよい。処理部１４４は、表示器１１０によって、選定したバッテリスロット１２０の位置をユーザーに通知する（ステップＳ２１２）。ユーザーは、表示器１１０によって通知されたバッテリスロット１２０に収容されている充電済みバッテリ５００ｃを取り出す。

　その後、処理部１４４は、選定したバッテリスロット１２０に保管されている充電済みバッテリ５００ｃが取り出されたか否かを確認する（ステップＳ２１４）。処理部１４４における充電済みバッテリ５００ｃが取り出されたか否かの確認は、例えば、情報取得部１４１により出力された空きスロット情報に示された、選定したバッテリスロット１２０が、着脱式バッテリ５００が収容（保管）されている状態から空いている状態に変化したかを確認することよって行うことができる。

　ステップＳ２１４において、選定したバッテリスロット１２０に保管されている充電済みバッテリ５００ｃが取り出されたことを確認した場合、処理部１４４は、ユーザーによる使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとの交換が完了したものとして、バッテリ交換処理を終了する。これにより、ユーザーは、取り出した充電済みバッテリ５００ｃを電動二輪車５０に装着して、電動二輪車５０による走行を継続することができる。その後、処理部１４４は、バッテリ交換処理が終了したことを充電制御部１４３に通知する。充電制御部１４３は、処理部１４４からの通知を受けて、使用済みバッテリ５００ｕの充電を開始する。

　一方、ステップＳ２０６において、収容された使用済みバッテリ５００ｕが受領可能ではないと判定した場合、処理部１４４は、表示器１１０によって、収容された使用済みバッテリ５００ｕを交換することができない（受領不可である）ことをユーザーに通知する（ステップＳ２２０）。ユーザーは、表示器１１０による通知に応じて、収容した使用済みバッテリ５００ｕを取り出す。処理部１４４は、使用済みバッテリ５００ｕが取り出されたことを確認して、バッテリ交換処理を終了する。処理部１４４は、処理をステップＳ２０２に戻して、再度ステップＳ２０２以降の処理を行うようにしてもよい。

　一方、ステップＳ１０２において、空いているバッテリスロット１２０が存在しない（空いているバッテリスロット１２０の数が０（ゼロ）である）ことを確認した場合、処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領すると決定する。そして、処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０の中から、ユーザーに提供する充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０を選定する（ステップＳ３００）。処理部１４４は、表示器１１０によって、選定したバッテリスロット１２０の位置をユーザーに通知する（ステップＳ３０２）。ユーザーは、表示器１１０によって通知されたバッテリスロット１２０に収容されている充電済みバッテリ５００ｃを取り出す。

　その後、処理部１４４は、選定したバッテリスロット１２０に保管されている充電済みバッテリ５００ｃが取り出されたか否かを確認する（ステップＳ３０４）。ステップＳ３０４において、選定したバッテリスロット１２０に保管されている充電済みバッテリ５００ｃが取り出されたことを確認した場合、処理部１４４は、表示器１１０によって、同一のバッテリスロット１２０に使用済みバッテリ５００ｕを収容することをユーザーに通知する（ステップＳ３０６）。ユーザーは、表示器１１０による通知に応じて、充電済みバッテリ５００ｃを取り出したバッテリスロット１２０に、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを収容する。

　その後、処理部１４４は、同一のバッテリスロット１２０に使用済みバッテリ５００ｕが収容されたか否かを確認する（ステップＳ３０８）。ステップＳ３０８において、同一のバッテリスロット１２０に使用済みバッテリ５００ｕが収容されたことを確認した場合、処理部１４４は、ユーザーによる使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとの交換が完了したものとして、バッテリ交換処理を終了する。これにより、ユーザーは、取り出した充電済みバッテリ５００ｃを電動二輪車５０に装着して、電動二輪車５０による走行を継続することができる。その後、処理部１４４は、バッテリ交換処理が終了したことを充電制御部１４３に通知し、充電制御部１４３は、使用済みバッテリ５００ｕの充電を開始する。

（バッテリ交換装置における着脱式バッテリの交換の手続きのイメージ）
　次に、バッテリ交換装置１００において着脱式バッテリ５００を交換する際の手続きのイメージについて説明する。図６～図８は、実施形態のバッテリ交換装置１００において着脱式バッテリ５００を交換する手続きのフェーズ（局面）の処理の一例を概念的に示す図である。図６には、バッテリ交換装置１００が、使用済みバッテリ５００ｕを受領してから充電済みバッテリ５００ｃを提供する場合におけるそれぞれのフェーズを示し、図７には、使用済みバッテリ５００ｕが交換不可能である場合におけるフェーズを示している。図８には、バッテリ交換装置１００が、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領する場合におけるそれぞれのフェーズを示している。図６～図８に示したバッテリ交換装置１００においては、それぞれのバッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容されている（挿入されている）か否かを容易に識別することができるようにするため、それぞれのバッテリスロット１２０が備える開閉蓋１２０Ｌの図示を省略している。

　図６に示したフェーズ１において、ユーザーＰが、バッテリ交換装置１００が設置されている場所に使用済みバッテリ５００ｕを持ち込んでバッテリ交換を要求する。ユーザーＰがバッテリ交換装置１００に持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕは、同一のバッテリ交換装置１００によって貸し出されたものではない可能性があるが、使用済みバッテリ５００ｕをバッテリ交換装置１００に収容することを（便宜上）返却と称する（場合がある）。バッテリ交換装置１００（より具体的には、処理部１４４）は、ユーザーＰからのバッテリ交換の要求に応じて、バッテリ交換処理を開始する。そして、バッテリ交換装置１００に空いているバッテリスロット１２０（ここでは、バッテリスロット１２０－１）が一つある場合、バッテリ交換装置１００は、使用済みバッテリ５００ｕを受領してから充電済みバッテリ５００ｃを提供すると決定する。

　図６に示したフェーズ２において、バッテリ交換装置１００は、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを空いているバッテリスロット１２０－１に収容（返却）させるため、表示器１１０に通知情報の画像を表示させて、ユーザーＰにバッテリスロット１２０－１の位置を通知する。画像ＩＭ１は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ１による通知に応じて、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを、１番のスロット（バッテリスロット１２０－１）に返却する。

　図６に示したフェーズ３において、バッテリ交換装置１００は、提供する（貸し出しをする）充電済みバッテリ５００ｃが保管されたバッテリスロット１２０（ここでは、バッテリスロット１２０－２）の位置を通知する。画像ＩＭ２は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ２による通知に応じて、２番のスロット（バッテリスロット１２０－２）に保管されている充電済みバッテリ５００ｃを取り出して、貸し出しを受ける。

　図６に示したフェーズ４において、バッテリ交換装置１００は、ユーザーＰから要求されたバッテリ交換に応じたバッテリ交換処理を終了する。ユーザーは、２番のスロット（バッテリスロット１２０－２）から取り出して貸し出しを受けた充電済みバッテリ５００ｃを電動二輪車５０に装着して、電動二輪車５０による走行を継続する。

　図６に示したフェーズ２においてユーザーＰが１番のスロット（バッテリスロット１２０－１）に返却した使用済みバッテリ５００ｕが交換不可能な着脱式バッテリ５００である場合、図７に示したフェーズ５において、バッテリ交換装置１００は、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕの交換をすることができないことを表す通知情報の画像を表示器１１０に表示させて、ユーザーＰに通知する。画像ＩＭ３は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。画像ＩＭ３には、使用済みバッテリ５００ｕが交換不可能であることに加え、１番のスロット（バッテリスロット１２０－１）に収容した交換不可能な使用済みバッテリ５００ｕの取り出しを促す通知情報を表示させている。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ３による通知に応じて、１番のスロットに収容した使用済みバッテリ５００ｕを取り出して、バッテリ交換を中止、あるいはバッテリ交換を再度要求する。

　図８に示したフェーズ６においても、バッテリ交換装置１００は、使用済みバッテリ５００ｕを持ち込んできたユーザーＰからのバッテリ交換の要求に応じて、バッテリ交換処理を開始する。そして、バッテリ交換装置１００に空いているバッテリスロット１２０が０（ゼロ）である（全てのバッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容（保管）されている、あるいは空いているバッテリスロット１２０が異常や故障、他のユーザーによる予約などで使用することができない）場合、バッテリ交換装置１００は、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領すると決定する。

　図８に示したフェーズ７において、バッテリ交換装置１００は、提供する（貸し出しをする）充電済みバッテリ５００ｃが保管されたバッテリスロット１２０（ここでは、バッテリスロット１２０－３）の位置を通知する。画像ＩＭ４は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ４による通知に応じて、３番のスロット（バッテリスロット１２０－３）に保管されている充電済みバッテリ５００ｃを取り出して、貸し出しを受ける。

　図８に示したフェーズ８において、バッテリ交換装置１００は、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを同一のバッテリスロット１２０－３に収容（返却）させるため、表示器１１０に通知情報の画像を表示させて、ユーザーＰに通知する。画像ＩＭ５は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ５による通知に応じて、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを、充電済みバッテリ５００ｃを取り出したのと同じ３番のスロット（バッテリスロット１２０－３）に返却する。

　図８に示したフェーズ９において、バッテリ交換装置１００は、ユーザーＰから要求されたバッテリ交換に応じたバッテリ交換処理を終了する。ユーザーは、３番のスロット（バッテリスロット１２０－３）から取り出して貸し出しを受けた充電済みバッテリ５００ｃを電動二輪車５０に装着して、電動二輪車５０による走行を継続する。

　ところで、このバッテリ交換処理において充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領する場合、例えば、受領した着脱式バッテリ５００が直前に提供したはずの充電済みバッテリ５００ｃと同じであることも考えられる。この原因としては、ユーザーが、直前に取り出した充電済みバッテリ５００ｃを、返却すべき使用済みバッテリ５００ｕと間違って同じバッテリスロット１２０－３に返却してしまったことが想定される。この場合、ユーザーが間違えに気づかずに使用済みバッテリ５００ｕを再び電動二輪車５０に装着してしまうと、電動二輪車５０での走行ができない、あるいは走行することができる距離が非常に短いなど、電動二輪車５０の使用が制限されてしまうことが考えられる。このため、バッテリ交換装置１００は、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領する場合、ユーザーが返却した使用済みバッテリ５００ｕが、充電済みバッテリ５００ｃを取り出した同じバッテリスロット１２０－３に正しく収容された否かを確認するようにしてもよい。この場合、処理部１４４は、同一のバッテリスロット１２０－３に着脱式バッテリ５００が収容された後、情報取得部１４１により出力されたバッテリＩＤが、提供するために選定した充電済みバッテリ５００ｃのバッテリＩＤと異なるか否かを確認する。そして、処理部１４４は、バッテリＩＤが同一であると判定した場合、直前に提供した充電済みバッテリ５００ｃがバッテリスロット１２０－３に再度収容されたことを表す通知情報を表示器１１０に出力して画像を表示させることにより、収容した着脱式バッテリ５００が使用済みバッテリ５００ｕではないことをユーザーに通知する。ユーザーは、表示器１１０による通知に応じて、間違って返却してしまった充電済みバッテリ５００ｃを再度取り出し、持ち込んできた返却すべき使用済みバッテリ５００ｕを同一のバッテリスロット１２０－３に収容する。これにより、バッテリ交換装置１００は、本来貸し出されるべき充電済みバッテリ５００ｃを、ユーザーに正しく提供することができる。

（バッテリ交換装置における着脱式バッテリの交換の手続きの別の処理）
　次に、受領した着脱式バッテリ５００のバッテリＩＤの確認を含んだ、バッテリ交換装置１００におけるバッテリ交換処理の流れの一例について説明する。図９は、実施形態のバッテリ交換装置１００において着脱式バッテリ５００を交換する手続きの処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。図９に示したフローチャートには、図５に示した交換する手続きのフローチャートにおけるステップＳ３０８の処理の後に、例えば、ステップＳ４００とステップＳ４０２との処理を追加する。

　ステップＳ３０８において、同一のバッテリスロット１２０に使用済みバッテリ５００ｕが収容されたことを確認した場合、処理部１４４は、同一のバッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００が、使用済みバッテリ５００ｕであるか否かを確認する（ステップＳ４００）。

　ステップＳ４００における使用済みバッテリ５００ｕであるか否かの確認では、上述したように、情報取得部１４１がバッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００から取得して出力してきたバッテリＩＤが、ユーザーに提供した充電済みバッテリ５００ｃのバッテリＩＤと異なるか否かが確認される。ユーザーに提供した充電済みバッテリ５００ｃのバッテリＩＤは、ステップＳ３００において充電済みバッテリ５００ｃを選定する際に情報取得部１４１が取得したものであってもよいし、例えば、処理部１４４が、バッテリ交換装置１００が備えるバッテリスロット１２０に保管している充電済みバッテリ５００ｃを管理するために、バッテリスロット１２０に対応付けて交換装置記憶部１５０に記憶させた情報に含まれるものであってもよい。

　ステップＳ４００において、同一のバッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００が使用済みバッテリ５００ｕであることを確認した場合、処理部１４４は、図５に示したフローチャートと同様に、ユーザーによる使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとの交換が完了したものとして、バッテリ交換処理を終了する。これにより、ユーザーは、取り出した充電済みバッテリ５００ｃを電動二輪車５０に装着して、電動二輪車５０による走行を問題なく継続することができる。その後、処理部１４４は、バッテリ交換処理が終了したことを充電制御部１４３に通知し、充電制御部１４３は、使用済みバッテリ５００ｕの充電を開始する。

　一方、ステップＳ４００において、同一のバッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００が使用済みバッテリ５００ｕではないことを確認した場合、処理部１４４は、表示器１１０によって、収容された使用済みバッテリ５００ｕが直前に提供した充電済みバッテリ５００ｃである（充電済みバッテリ５００ｃが戻された）ことをユーザーに通知する（ステップＳ４０２）。そして、処理部１４４は、処理をステップＳ３０２に戻して、再度、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領するバッテリ交換処理を行う。これにより、ユーザーは、表示器１１０による通知に応じて、間違って返却してしまった充電済みバッテリ５００ｃを取り出し、同一のバッテリスロット１２０に返却すべき使用済みバッテリ５００ｕを収容する、つまり、本来貸し出されるべき充電済みバッテリ５００ｃの貸し出しを受けて、電動二輪車５０による走行を問題なく継続することができる。

（バッテリ交換装置における着脱式バッテリの交換の手続きの別のイメージ）
　次に、バッテリ交換装置１００において、同一のバッテリスロット１２０に収容された着脱式バッテリ５００を確認する際の手続きのイメージについて説明する。図１０は、実施形態のバッテリ交換装置１００において着脱式バッテリ５００を交換する手続きのフェーズ（局面）の処理の一例を概念的に示す図である。図１０には、バッテリ交換装置１００が、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領する場合において、ユーザーＰが間違って同じバッテリスロット１２０に充電済みバッテリ５００ｃを返却してしまった場合におけるそれぞれのフェーズを示している。図１０においても、バッテリ交換装置１００は、図６～図８と同様にそれぞれのバッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容されている（挿入されている）か否かを容易に識別することができるようにするため、それぞれのバッテリスロット１２０が備える開閉蓋１２０Ｌの図示を省略している。

　図８に示したフェーズ８に対応するフェーズ８－２のように、ユーザーＰが、３番のスロット（バッテリスロット１２０－３）に、図８に示したフェーズ７において取り出した充電済みバッテリ５００ｃを返却してしまった場合、フェーズ１０において、バッテリ交換装置１００は、バッテリスロット１２０－３に収容（返却）された着脱式バッテリ５００が間違っていることを表す通知情報の画像を表示器１１０に表示させて、ユーザーＰに通知する。画像ＩＭ６は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。画像ＩＭ６には、返却された着脱式バッテリ５００が直前に貸し出した充電済みバッテリ５００ｃである（間違っている）ことに加え、３番のスロット（バッテリスロット１２０－３）に返却した充電済みバッテリ５００ｃの取り出しを促す通知情報を表示させている。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ６による通知に応じて、３番のスロットに間違って返却してしまった充電済みバッテリ５００ｃを取り出す。

　再び、図８に示したフェーズ８に対応するフェーズ８－３のように、バッテリ交換装置１００は、返却すべき使用済みバッテリ５００ｕを同一のバッテリスロット１２０－３に収容（返却）させるため、表示器１１０に画像ＩＭ５を表示させて、ユーザーＰに通知する。これにより、ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ５による通知に応じて、同じ３番のスロット（バッテリスロット１２０－３）に、返却すべき使用済みバッテリ５００ｕ、つまり、正しい使用済みバッテリ５００ｕを返却する。これにより、図８に示したフェーズ９において、バッテリ交換装置１００は、ユーザーＰから要求されたバッテリ交換に応じたバッテリ交換処理を終了することができ、ユーザーは、３番のスロット（バッテリスロット１２０－３）から取り出して貸し出しを受けた充電済みバッテリ５００ｃを電動二輪車５０に装着して、電動二輪車５０による走行を問題なく継続することができる。

　上記に述べたとおり、実施形態によれば、バッテリ交換装置１００は、バッテリ交換処理において、処理部１４４が、情報取得部１４１により出力された空きスロット情報に基づいて、使用済みバッテリ５００ｕを受領してから充電済みバッテリ５００ｃを提供するか、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領するかを決定し、使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとの交換の手続きを実施する。ここで、使用済みバッテリ５００ｕを受領してから充電済みバッテリ５００ｃを提供する交換の手続きは、既存のバッテリ共同利用サービスシステム（バッテリシェアサービスのシステム）においてバッテリ交換装置（充放電ステーション）で行うバッテリ交換の手続きと同様であるともいえる。しかしながら、このバッテリ交換の手続きのみであると、全てのバッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容（保管）されていたり、空いているバッテリスロット１２０が異常や故障、他のユーザーによる予約などで使用することができなかったりして、先に使用済みバッテリ５００ｕを受領するバッテリスロット１２０がない場合には、バッテリ交換装置１００における着脱式バッテリ５００の交換の手続きが困難となってしまうことが考えられる。つまり、バッテリ交換装置１００における着脱式バッテリ５００の交換の手続きを継続することができないというような事態に陥ることも考えられる。これに対して、実施形態のバッテリ交換装置１００では、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領する交換の手続きをすることもできる。これにより、実施形態のバッテリ交換装置１００では、先に使用済みバッテリ５００ｕを受領するバッテリスロット１２０がない場合でも、着脱式バッテリ５００の交換の手続きを継続して行うことができ、着脱式バッテリ５００の交換をより適切に行うことができる。このため、実施形態のバッテリ交換装置１００や、実施形態のバッテリ交換装置１００を採用したバッテリ共同利用サービスシステム１０では、バッテリ共同利用サービス（バッテリシェアサービス）を利用するユーザーが、使用済みバッテリ５００ｕの交換を行いたいときに、使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとの交換をすることができる。このことにより、実施形態のバッテリ交換装置１００や、実施形態のバッテリ交換装置１００を採用したバッテリ共同利用サービスシステム１０では、ユーザーに、バッテリ共同利用サービスを提供し続けることができる。

　ところで、バッテリ交換処理において充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領する場合、バッテリ交換装置１００が備える情報取得部１４１は、充電済みバッテリ５００ｃを提供する前に使用済みバッテリ５００ｕのバッテリＩＤを取得することができない。つまり、情報取得部１４１は、充電済みバッテリ５００ｃを取り出したバッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容された後に、収容された着脱式バッテリ５００からバッテリＩＤを取得することができるようになる。このため、処理部１４４は、使用済みバッテリ５００ｕが交換することができる着脱式バッテリ５００であるか否かの判定を、充電済みバッテリ５００ｃを提供する前に行うことができない。しかしながら、バッテリ交換装置１００において充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領する場合、選定した充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０の位置をユーザーに通知する前に、処理部１４４が、例えば、ユーザーの識別情報（例えば、「ユーザーＩＤ」）を取得して確認するようにすることもできる。ユーザーＩＤは、バッテリ共同利用サービスシステム１０の利用者に対して予め排他的に割り当てられたものである。これにより、バッテリ交換装置１００では、保管している充電済みバッテリ５００ｃが取り出されたものの、使用済みバッテリ５００ｕを受領することができないというような事態を防ぐことができる。

　ユーザーＩＤの確認方法、つまり、使用済みバッテリ５００ｕを持ち込んできたユーザーが、バッテリ共同利用サービスシステム１０の利用者として登録されている利用者であるか否かの確認方法は、バッテリスロット１２０に収容された使用済みバッテリ５００ｕが交換することができる着脱式バッテリ５００であるか否かを判定する方法と同様に考えることができる。より具体的には、ユーザーＩＤが記録されたバッテリ共同利用サービスシステム１０の利用者として登録されている利用者の利用者リスト情報を、ネットワークＮＷを介して運用サーバー２００から事前に取得して交換装置記憶部１５０に記憶しておき、記憶している利用者リスト情報に取得したユーザーＩＤが含まれるか否かを確認することによって、バッテリ交換装置１００が単独で判定することができる。あるいは、取得したユーザーＩＤの情報を運用サーバー２００に送信し、運用サーバー２００により送信された正しい利用者であるか否かの判定結果に従う、つまり、バッテリ交換装置１００が運用サーバー２００との間で情報のやり取りをすることによって行うこともできる。

　そして、使用済みバッテリ５００ｕを持ち込んできたユーザーがバッテリ共同利用サービスシステム１０の利用者として登録されている利用者ではないことを確認した場合、バッテリ交換装置１００（より具体的には、処理部１４４）は、着脱式バッテリ５００の交換を禁止することができる。着脱式バッテリ５００の交換を禁止する方法は、充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領する場合において、バッテリスロット１２０に収容された使用済みバッテリ５００ｕが交換することができない着脱式バッテリ５００であると判定した場合と同様に考えることができる。より具体的には、バッテリ交換装置１００は、バッテリ共同利用サービスシステム１０の利用者として登録されていないことを表す通知情報を表示器１１０に出力して画像を表示させることにより、着脱式バッテリ５００の交換が不可能であることをユーザーに通知することができる。

（バッテリ交換装置における着脱式バッテリの交換の手続きの別のイメージ）
　上記に述べた実施形態では、１つの着脱式バッテリ５００が装着される電動二輪車５０のユーザーが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとを交換する手続きについて説明した。しかし、バッテリ共同利用サービスにおいて着脱式バッテリ５００を共同利用する電力機器には、複数の着脱式バッテリ５００を装着するものもある。ここで、複数の着脱式バッテリ５００が装着される電力機器の一例として、二つの着脱式バッテリ５００が装着される鞍乗り型の電動二輪車５０（以下、「電動二輪車５０Ａ」という）である場合について説明する。

　まず、バッテリ交換装置１００において着脱式バッテリ５００を交換する際の手続きのイメージについて説明する。図１１および図１２は、実施形態のバッテリ交換装置１００において着脱式バッテリ５００を交換する手続きのフェーズ（局面）の処理の一例を概念的に示す図である。二つの着脱式バッテリ５００（着脱式バッテリ５００－１および着脱式バッテリ５００－２）が装着される電動二輪車５０ＡのユーザーＰが二つの使用済みバッテリ５００ｕ（使用済みバッテリ５００ｕ－１および使用済みバッテリ５００ｕ－２）を持ち込んできた場合、バッテリ交換装置１００は、ユーザーＰが持ち込んできた二つの使用済みバッテリ５００ｕと、二つの充電済みバッテリ５００ｃ（充電済みバッテリ５００ｃ－１および充電済みバッテリ５００ｃ－２）との交換の手続きを実施する。

　図１１には、バッテリ交換装置１００が、二つの使用済みバッテリ５００ｕを受領してから二つの充電済みバッテリ５００ｃを提供する場合におけるそれぞれのフェーズを示し、図１２には、バッテリ交換装置１００が、二つの充電済みバッテリ５００ｃを提供してから二つの使用済みバッテリ５００ｕを受領する場合におけるそれぞれのフェーズを示している。図１１および図１２においても、バッテリ交換装置１００は、図６～図８および図１０と同様にそれぞれのバッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容されている（挿入されている）か否かを容易に識別することができるようにするため、それぞれのバッテリスロット１２０が備える開閉蓋１２０Ｌの図示を省略している。

　図１１に示したフェーズ１１において、ユーザーＰが、バッテリ交換装置１００が設置されている場所に二つの使用済みバッテリ５００ｕを持ち込んでバッテリ交換を要求する。バッテリ交換装置１００（より具体的には、処理部１４４）は、ユーザーＰからのバッテリ交換の要求に応じて、バッテリ交換処理を開始する。ここでは、バッテリ交換装置１００に空いているバッテリスロット１２０（ここでは、バッテリスロット１２０－１およびバッテリスロット１２０－３）が二つある場合、バッテリ交換装置１００は、二つの使用済みバッテリ５００ｕを受領してから二つの充電済みバッテリ５００ｃを提供すると決定する。

　図１１に示したフェーズ１２において、バッテリ交換装置１００は、持ち込んできた二つの使用済みバッテリ５００ｕのそれぞれを空いているバッテリスロット１２０－１とバッテリスロット１２０－３とに収容（返却）させるため、表示器１１０に通知情報の画像を表示させて、ユーザーＰにバッテリスロット１２０－１およびバッテリスロット１２０－３の位置を通知する。画像ＩＭ７は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ７による通知に応じて、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕ－１を１番のスロット（バッテリスロット１２０－１）に返却し、使用済みバッテリ５００ｕ－２を３番のスロット（バッテリスロット１２０－３）に返却する。

　図１１に示したフェーズ１３において、バッテリ交換装置１００は、提供する（貸し出しをする）二つの充電済みバッテリ５００ｃが保管されたバッテリスロット１２０（ここでは、バッテリスロット１２０－２およびバッテリスロット１２０－４）の位置を通知する。画像ＩＭ８は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ８による通知に応じて、２番のスロット（バッテリスロット１２０－２）に保管されている充電済みバッテリ５００ｃ－１を取り出し、４番のスロット（バッテリスロット１２０－４）に保管されている充電済みバッテリ５００ｃ－２を取り出して、貸し出しを受ける。

　図１１に示したフェーズ１４において、バッテリ交換装置１００は、ユーザーＰから要求された二つのバッテリ交換に応じたバッテリ交換処理を終了する。ユーザーは、２番のスロット（バッテリスロット１２０－２）と、４番のスロット（バッテリスロット１２０－４）とのそれぞれから取り出して貸し出しを受けた二つの充電済みバッテリ５００ｃのそれぞれを電動二輪車５０Ａに装着して、電動二輪車５０Ａによる走行を継続する。

　図１２に示したフェーズ１５においても、バッテリ交換装置１００は、二つの使用済みバッテリ５００ｕを持ち込んできたユーザーＰからのバッテリ交換の要求に応じて、バッテリ交換処理を開始する。そして、バッテリ交換装置１００に空いているバッテリスロット１２０が０（ゼロ）である（全てのバッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容（保管）されている、あるいは空いているバッテリスロット１２０が異常や故障、他のユーザーによる予約などで使用することができない）場合、バッテリ交換装置１００は、二つの充電済みバッテリ５００ｃを提供してから二つの使用済みバッテリ５００ｕを受領すると決定する。

　図１２に示したフェーズ１６において、バッテリ交換装置１００は、提供する（貸し出しをする）二つの充電済みバッテリ５００ｃが保管されたバッテリスロット１２０（ここでは、バッテリスロット１２０－６およびバッテリスロット１２０－８）の位置を通知する。画像ＩＭ９は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ９による通知に応じて、６番のスロット（バッテリスロット１２０－６）に保管されている充電済みバッテリ５００ｃ－１を取り出し、８番のスロット（バッテリスロット１２０－８）に保管されている充電済みバッテリ５００ｃ－２を取り出して、貸し出しを受ける。

　図１２に示したフェーズ１７において、バッテリ交換装置１００は、持ち込んできた二つの使用済みバッテリ５００ｕのそれぞれを同一のバッテリスロット１２０－６とバッテリスロット１２０－８とに収容（返却）させるため、表示器１１０に通知情報の画像を表示させて、ユーザーＰに通知する。画像ＩＭ１０は、このときに表示器１１０に表示させる通知情報の画像の一例である。ユーザーＰは、表示器１１０に表示された画像ＩＭ１０による通知に応じて、持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕ－１を、充電済みバッテリ５００ｃ－１を取り出したのと同じ６番のスロット（バッテリスロット１２０－６）に、使用済みバッテリ５００ｕ－２を、充電済みバッテリ５００ｃ－１を取り出したのと同じ８番のスロット（バッテリスロット１２０－８）に、それぞれ返却する。

　図１２に示したフェーズ１８において、バッテリ交換装置１００は、ユーザーＰから要求されたバッテリ交換に応じた二つのバッテリ交換処理を終了する。ユーザーは、６番のスロット（バッテリスロット１２０－６）と、８番のスロット（バッテリスロット１２０－８）とのそれぞれから取り出して貸し出しを受けた二つの充電済みバッテリ５００ｃのそれぞれを電動二輪車５０Ａに装着して、電動二輪車５０Ａによる走行を継続する。

　このようにして、バッテリ交換装置１００は、ユーザーＰが二つの使用済みバッテリ５００ｕを持ち込んできた場合でも、二つの充電済みバッテリ５００ｃとの交換の手続きを実施することができる。ユーザーＰが三つ以上使用済みバッテリ５００ｕを持ち込んできた場合でも、同様である。つまり、バッテリ交換装置１００は、図１１または図１２に示してそれぞれのフェーズにおいて等価な手続きを行うことによって、ユーザーＰが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕと同じ個数の充電済みバッテリ５００ｃの交換を実施することができる。

（バッテリ交換装置における着脱式バッテリの交換の手続きの別の処理）
　ところで、バッテリ共同利用サービスシステム１０では、バッテリ交換装置１００における使用済みバッテリ５００ｕを受領してから充電済みバッテリ５００ｃを提供する交換の手続きを、基本の手続きとする。言い換えれば、バッテリ交換装置１００における充電済みバッテリ５００ｃを提供してから使用済みバッテリ５００ｕを受領する交換の手続きは、あくまで特例の処理である。つまり、バッテリ交換装置１００において、空いているバッテリスロット１２０が０（ゼロ）である（全てのバッテリスロット１２０に着脱式バッテリ５００が収容（保管）されている、あるいは空いているバッテリスロット１２０が異常や故障、他のユーザーによる予約などで使用することができない）場合でも充電済みバッテリ５００ｃの交換の手続きを実施することができるようにするための例外的な処理である。

　このため、バッテリ交換装置１００は、ユーザーが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕの個数と、充電が完了してバッテリ交換装置１００に保管している充電済みバッテリ５００ｃの個数とに基づいて、着脱式バッテリ５００の交換の手続きを実施する。つまり、バッテリ交換装置１００は、交換する使用済みバッテリ５００ｕと充電済みバッテリ５００ｃとのそれぞれの個数を確認した上で、交換の手続きを実施する。

　ここで、着脱式バッテリ５００の個数の確認を含んだ、バッテリ交換装置１００におけるバッテリ交換処理の流れの一例について説明する。図１３は、実施形態のバッテリ交換装置１００において着脱式バッテリ５００を交換する手続きの処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。図１３に示したフローチャートには、図５に示した交換する手続きのフローチャートにおけるステップＳ１００の処理の前に、例えば、ステップＳ５００の処理を追加する。これに伴って、図５に示した交換する手続きのフローチャートにおけるステップＳ１０２の処理が、ステップＳ５０２の処理に代わる。

　バッテリ交換装置１００は、バッテリ交換処理を開始すると、まず、処理部１４４は、必要個数情報を取得する（ステップＳ５００）。必要個数情報は、交換の手続きを実施する際に必要な着脱式バッテリ５００の個数、つまり、ユーザーが持ち込んでくる使用済みバッテリ５００ｕの個数、あるいは、交換する充電済みバッテリ５００ｃの個数を表す情報である。必要個数情報は、例えば、ユーザーＩＤにユーザーが利用する（持ち込んでくる）着脱式バッテリ５００の個数の情報が関連付けられている場合、処理部１４４がユーザーＩＤを取得することによって取得することができる。必要個数情報は、例えば、装着する着脱式バッテリ５００の個数の情報が関連付けられている電力機器ごとの装着個数情報と、ユーザーＩＤに関連付けられている電力機器の識別情報（例えば、電動二輪車５０や電動二輪車５０Ａであれば車種の情報など）とに基づいて確認してもよい。この場合、装着個数情報は、運用サーバー２００に記憶しておいてもよいし、バッテリ交換装置１００が運用サーバー２００から事前に取得して交換装置記憶部１５０に記憶しておいてもよい。これにより、バッテリ交換装置１００は、運用サーバー２００との間で情報をやり取りする方法、あるいは、バッテリ交換装置１００による単独の方法で、必要個数情報を確認することができる。必要個数情報は、例えば、情報取得部１４１により取得されて処理部１４４に出力される。バッテリ交換装置１００における必要個数情報の取得方法は、上述した方法に限定されるものではなく、いかなる方法で必要個数情報を取得してもよい。例えば、バッテリ交換装置１００は、ユーザーにより入力された電力機器の識別情報に基づいて、電力機器の識別情報に対応する必要個数情報を取得してもよい。情報取得部１４１は、「他の取得部」の一例である。必要個数情報は、「必要保管数」の一例である。

　続いて、処理部１４４は、情報取得部１４１により出力された空きスロット情報を取得する（ステップＳ１００）。ステップＳ５００とステップＳ１００との処理の順番は逆であってもよい。

　その後、処理部１４４は、取得した必要個数情報と、空きスロット情報とに基づいて、現在のバッテリスロット１２０の状態を確認する（ステップＳ５０２）。

　ステップＳ５０２における現在のバッテリスロット１２０の状態の確認では、空きスロット情報に表されたユーザーが持ち込んできた使用済みバッテリ５００ｕを収容するための空いているバッテリスロット１２０の数が、必要個数情報が表す必要な着脱式バッテリ５００の個数以上であるか否か、あるいは空いているバッテリスロット１２０が存在するか否かが確認される。

　ステップＳ５０２において、空いているバッテリスロット１２０の数が必要な着脱式バッテリ５００の個数以上であることを確認した場合、処理部１４４は、複数の使用済みバッテリ５００ｕを同時に受領してから複数の充電済みバッテリ５００ｃを同時に提供すると決定する。この場合、処理部１４４は、ステップＳ２００～ステップＳ２２０における使用済みバッテリ５００ｕの受領、使用済みバッテリ５００ｕの受領可否の判定、および充電済みバッテリ５００ｃの提供のそれぞれの処理を１回行う。このときのバッテリ交換装置１００における着脱式バッテリ５００の交換の手続きのイメージは、図１１に示した、二つの使用済みバッテリ５００ｕを同時に受領してから二つの充電済みバッテリ５００ｃを同時に提供する場合のフェーズ１２およびフェーズ１３を行うイメージである。

　一方、ステップＳ５０２において、空いているバッテリスロット１２０の数が必要な着脱式バッテリ５００の個数未満であるものの、空いているバッテリスロット１２０が存在する（空いているバッテリスロット１２０の数が１以上である）ことを確認した場合、処理部１４４は、使用済みバッテリ５００ｕの受領と充電済みバッテリ５００ｃの提供とを複数回に分けて行うと決定する。この場合、処理部１４４は、ステップＳ２００～ステップＳ２２０の処理を、必要個数情報が表す必要な着脱式バッテリ５００の個数分の使用済みバッテリ５００ｕの受領と充電済みバッテリ５００ｃの提供とが完了するまで繰り返す。より具体的には、処理部１４４は、まず、空いているバッテリスロット１２０の数分の使用済みバッテリ５００ｕを受領し、受領した使用済みバッテリ５００ｕと同じ個数の充電済みバッテリ５００ｃを異なる他のバッテリスロット１２０から提供する。これにより、充電済みバッテリ５００ｃを提供したバッテリスロット１２０が空いているバッテリスロット１２０となる。そして、処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃを提供することにより空いているバッテリスロット１２０となった同じバッテリスロット１２０で残りの使用済みバッテリ５００ｕを受領し、受領した使用済みバッテリ５００ｕと同じ個数の充電済みバッテリ５００ｃを、さらに異なる他のバッテリスロット１２０、つまり、今回の交換の手続きにおいて使用済みバッテリ５００ｕを受領していないバッテリスロット１２０から提供する。このようにして処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃを提供したことにより空いているバッテリスロット１２０となったバッテリスロット１２０を順次、使用済みバッテリ５００ｕを受領するバッテリスロット１２０とすることにより、必要個数情報が表す必要な着脱式バッテリ５００の個数分の使用済みバッテリ５００ｕの受領と充電済みバッテリ５００ｃの提供とを行う。このときのバッテリ交換装置１００における着脱式バッテリ５００の交換の手続きのイメージは、図６に示した、一つの使用済みバッテリ５００ｕを受領してから一つの充電済みバッテリ５００ｃを提供する場合のフェーズ２およびフェーズ３を複数回行うイメージである。

　このように、処理部１４４は、使用済みバッテリ５００ｕを受領してから充電済みバッテリ５００ｃを提供することを基本として、着脱式バッテリ５００の交換の手続きを実行する。このとき、例えば、必要個数情報が表す必要な着脱式バッテリ５００の数が４であり、空いているバッテリスロット１２０の数が２である場合、処理部１４４は、一つずつ着脱式バッテリ５００を交換するようにしてもよいし、二つずつ着脱式バッテリ５００を交換するようにしてもよい。つまり、処理部１４４は、最初（１回目）の手続きで、二つの使用済みバッテリ５００ｕを受領し、二つの充電済みバッテリ５００ｃを異なる他のバッテリスロット１２０から提供する。そして、処理部１４４は、次（２回目）の手続きで、１回目の手続きにより空いているバッテリスロット１２０となったバッテリスロット１２０で残りの二つの使用済みバッテリ５００ｕを受領し、残りの二つの充電済みバッテリ５００ｃを、１回目および２回目で使用済みバッテリ５００ｕを受領したバッテリスロット１２０と異なる他のバッテリスロット１２０から提供するようにしてもよい。例えば、必要個数情報が表す必要な着脱式バッテリ５００の数が４であり、空いているバッテリスロット１２０の数が３である場合、処理部１４４は、二つずつ着脱式バッテリ５００を交換するようにしてもよいし、先に三つの着脱式バッテリ５００を交換するようにしてもよい。つまり、処理部１４４は、最初（１回目）の手続きで、三つの使用済みバッテリ５００ｕを受領し、三つの充電済みバッテリ５００ｃを異なる他のバッテリスロット１２０から提供する。そして、処理部１４４は、次（２回目）の手続きで、１回目の手続きにより空いているバッテリスロット１２０となったバッテリスロット１２０のいずれかで残りの一つの使用済みバッテリ５００ｕを受領し、残りの一つの充電済みバッテリ５００ｃを、１回目および２回目で使用済みバッテリ５００ｕを受領したバッテリスロット１２０と異なる他のバッテリスロット１２０から提供するようにしてもよい。

　そして、処理部１４４は、ステップＳ２１４において、全ての充電済みバッテリ５００ｃが取り出されたことを確認した場合、つまり、必要個数情報が表す必要な着脱式バッテリ５００の個数分の充電済みバッテリ５００ｃが取り出されたことを確認した場合、ユーザーによる複数の使用済みバッテリ５００ｕと複数の充電済みバッテリ５００ｃとの交換が完了したものとして、バッテリ交換処理を終了する。これにより、ユーザーは、取り出した複数の充電済みバッテリ５００ｃを電動二輪車５０Ａ（複数の着脱式バッテリ５００が装着される電力機器）に装着して、電動二輪車５０Ａによる走行を継続することができる。その後、処理部１４４は、バッテリ交換処理が終了したことを充電制御部１４３に通知する。充電制御部１４３は、処理部１４４からの通知を受けて、複数の使用済みバッテリ５００ｕの充電を開始する。

　一方、ステップＳ５０２において、空いているバッテリスロット１２０が存在しない（空いているバッテリスロット１２０の数が０（ゼロ）である）ことを確認した場合、処理部１４４は、複数の充電済みバッテリ５００ｃを提供してから複数の使用済みバッテリ５００ｕを受領すると決定する。この場合、処理部１４４は、ステップＳ３００～ステップＳ３０８の処理における充電済みバッテリ５００ｃの提供、および使用済みバッテリ５００ｕの受領のそれぞれの処理を１回行う。このときのバッテリ交換装置１００における着脱式バッテリ５００の交換の手続きのイメージは、図１２に示した、二つの充電済みバッテリ５００ｃを同時に提供してから二つの使用済みバッテリ５００ｕを同時に受領する場合のフェーズ１６およびフェーズ１７を行うイメージである。

　そして、処理部１４４は、ステップＳ３０８において、全ての使用済みバッテリ５００ｕが同一のバッテリスロット１２０に収容されたことを確認した場合、つまり、必要個数情報が表す必要な着脱式バッテリ５００の個数分の使用済みバッテリ５００ｕが同一のバッテリスロット１２０に収容されたことを確認した場合、ユーザーによる複数の使用済みバッテリ５００ｕと複数の充電済みバッテリ５００ｃとの交換が完了したものとして、バッテリ交換処理を終了する。これにより、ユーザーは、取り出した複数の充電済みバッテリ５００ｃを電動二輪車５０Ａに装着して、電動二輪車５０Ａによる走行を継続することができる。その後、処理部１４４は、バッテリ交換処理が終了したことを充電制御部１４３に通知し、充電制御部１４３は、処理部１４４からの通知を受けて、複数の使用済みバッテリ５００ｕの充電を開始する。

　処理部１４４は、複数の充電済みバッテリ５００ｃを提供してから複数の使用済みバッテリ５００ｕを受領すると決定した場合、充電済みバッテリ５００ｃの提供と使用済みバッテリ５００ｕの受領とを複数回に分けて行うようにしてもよい。例えば、処理部１４４は、ステップＳ３００～ステップＳ３０８の処理を、必要個数情報が表す必要な着脱式バッテリ５００の個数分の充電済みバッテリ５００ｃの提供と使用済みバッテリ５００ｕの受領とが完了するまで繰り返すようにしてもよい。より具体的には、処理部１４４は、充電済みバッテリ５００ｃを保管しているバッテリスロット１２０から一つ目の充電済みバッテリ５００ｃを提供し、提供した同一のバッテリスロット１２０で一つ目の使用済みバッテリ５００ｕを受領する。そして、処理部１４４は、他の充電済みバッテリ５００ｃを保管している異なるバッテリスロット１２０から二つ目の充電済みバッテリ５００ｃを提供し、提供した同一のバッテリスロット１２０で他の（二つ目の）使用済みバッテリ５００ｕを受領する。このときのバッテリ交換装置１００における着脱式バッテリ５００の交換の手続きのイメージは、図８に示した、一つの充電済みバッテリ５００ｃを提供してから一つの使用済みバッテリ５００ｕを受領する場合のフェーズ７およびフェーズ８を複数回行うイメージである。このようにして処理部１４４は、一つずつ充電済みバッテリ５００ｃを提供し、一つずつ使用済みバッテリ５００ｕを受領する処理を繰り返すことにより、必要個数情報が表す必要な着脱式バッテリ５００の個数分の充電済みバッテリ５００ｃの提供と使用済みバッテリ５００ｕの受領とを行う。これにより、バッテリ交換装置１００では、保管している充電済みバッテリ５００ｃが取り出されたものの、使用済みバッテリ５００ｕを受領することができないというような事態が起こった場合に、受領することができない使用済みバッテリ５００ｕの個数を少なくする（最小限に抑える）ことができる。

　上記に述べたとおり、実施形態の保管装置（１００）によれば、保管対象物（５００）を個別に保管可能な複数の保管部（１２０）を備える保管装置（１００）であって、複数の保管部（１２０）のうち、新たな保管対象物（５００）を保管可能な保管部（１２０）の数である保管可能数、または新たな保管対象物（５００）を保管可能な保管部（１２０）が存在するか否かを表す保管可能情報（空きスロット情報）を取得する取得部（１４１）、を備えることにより、保管対象物（５００）の交換をより適切に行うことができる。

　上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
　保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータが、
　ハードウェアプロセッサと、
　プログラムを記憶した記憶装置と、を備え、
　前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、
　複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数、または新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得し、
　前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合に、
　前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記保管対象物の利用者に提供し、
　前記利用者からの新たな前記保管対象物を、前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領する、
　ように構成されている、保管装置。

　さらに、上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
　保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータが、
　ハードウェアプロセッサと、
　プログラムを記憶した記憶装置と、を備え、
　前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、
　複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数を取得し、
　前記新たな前記保管対象物の数である必要保管数を取得し、
　前記保管可能数が１以上であり、かつ、前記必要保管数未満であることを取得した場合に、
　前記利用者からの前記必要保管数未満の新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領し、
　前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供し、
　前記必要保管数のうちの残りの新たな前記保管対象物を、前記保管対象物を提供した前記保管部で受領し、
　前記新たな前記保管対象物、および前記残りの新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供する、
　ように構成されている、保管装置。

　以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。

１０・・・バッテリ共同利用サービスシステム
１００・・・バッテリ交換装置
１０１・・・筐体
１１０・・・表示器
１２０，１２０－１，１２０－２，１２０－３，１２０－４，１２０－５，１２０－６，１２０－７，１２０－８・・・バッテリスロット
１２０Ｈ，１２０－１Ｈ，１２０－２Ｈ，１２０－３Ｈ・・・バッテリ収容部
１２０Ｌ，１２０－１Ｌ・・・開閉蓋
１２０Ｔ・・・接続部
１２０Ｃ・・・充電器
１３０・・・交換装置通信部
１４０・・・交換装置制御部
１４１・・・情報取得部
１４２・・・測定センサ
１４３・・・充電制御部
１４４・・・処理部
１５０・・・交換装置記憶部
２００・・・運用サーバー
２１０・・・サーバー通信部
２２０・・・サーバー制御部
２３０・・・サーバー記憶部
５０，５０Ａ・・・電動二輪車
５００，５００－１、５００－２・・・着脱式バッテリ
５００ｕ，５００ｕ－１、５００ｕ－２・・・使用済みバッテリ
５００ｃ，５００ｃ－１、５００ｃ－２・・・充電済みバッテリ
５１０・・・蓄電部
５２０・・・ＢＭＵ
５２２・・・測定センサ
５２４・・・記憶部
５３０・・・接続部
ＮＷ・・・ネットワーク

Claims

　保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置であって、
　複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数、または新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得する取得部、
　を備える保管装置。
　前記保管対象物の利用者に、前記保管部に保管中の前記保管対象物を提供する提供部と、
　前記利用者から、前記保管部に保管する新たな前記保管対象物を受領する受領部と、
　をさらに備える、
　請求項１に記載の保管装置。
　前記取得部が、前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合、
　前記提供部は、前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供し、
　前記受領部は、前記利用者からの新たな前記保管対象物を、前記提供部が前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領する、
　請求項２に記載の保管装置。
　前記取得部が、前記保管可能数が１以上である、または保管可能な前記保管部が存在することを表す前記保管可能情報を取得した場合、
　前記受領部は、前記利用者からの新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領し、
　前記提供部は、前記受領部が前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供する、
　請求項２または請求項３に記載の保管装置。
　前記受領部は、前記利用者から受領した新たな前記保管対象物が、直前に前記提供部が前記利用者に提供した前記保管対象物と同一である場合、前記保管対象物が同一であることを報知させるための通知情報を出力する、および／または前記提供部に受領した同一である前記保管対象物を前記利用者に再度提供させる、
　請求項３に記載の保管装置。
　前記保管対象物の利用者に提供する前記保管対象物を保管中の前記保管部、および前記利用者から受領する新たな前記保管対象物を保管する前記保管部を選定する選定部、をさらに備え、
　前記取得部が、前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合、
　前記選定部は、前記利用者に提供する前記保管対象物を保管中の前記保管部と、前記利用者から受領する新たな前記保管対象物を保管する前記保管部として、同一の前記保管部を選定する、
　請求項１に記載の保管装置。
　前記取得部が、前記保管可能数が１以上である、または保管可能な前記保管部が存在することを表す前記保管可能情報を取得した場合、
　前記選定部は、前記利用者に提供する前記保管対象物を保管中の前記保管部と、前記利用者から受領する新たな前記保管対象物を保管する前記保管部として、異なる前記保管部を選定する、
　請求項６に記載の保管装置。
　前記取得部は、前記保管可能数を取得するものであって、
　前記新たな前記保管対象物の数である必要保管数を取得する他の取得部、
　をさらに備える、
　請求項１から請求項７のうちいずれか１項に記載の保管装置。
　前記保管対象物の利用者に、前記保管部に保管中の前記保管対象物を提供する提供部と、
　前記利用者から、前記保管部に保管する新たな前記保管対象物を受領する受領部と、
　をさらに備える、
　請求項８に記載の保管装置。
　前記取得部が、前記保管可能数がゼロであることを取得した場合、
　前記提供部は、前記保管部に保管中の前記保管対象物のうち、前記必要保管数が表す数の前記保管対象物を前記利用者に提供し、
　前記受領部は、前記利用者からの前記必要保管数が表す数の新たな前記保管対象物を、前記提供部が前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領する、
　請求項９に記載の保管装置。
　前記取得部が、前記保管可能数が１以上であり、かつ、前記必要保管数未満であることを取得した場合、
　前記受領部は、前記利用者からの前記必要保管数未満の新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領し、
　前記提供部は、前記受領部が前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供し、
　前記受領部は、前記必要保管数のうちの残りの新たな前記保管対象物を、前記保管対象物を提供した前記保管部で受領し、
　前記提供部は、前記受領部が前記新たな前記保管対象物、および前記残りの新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供する、
　請求項９または請求項１０に記載の保管装置。
　前記取得部が、前記保管可能数が前記必要保管数以上であることを取得した場合、
　前記受領部は、前記利用者からの前記必要保管数の新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領し、
　前記提供部は、前記受領部が前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供する、
　請求項９から請求項１１のうちいずれか１項に記載の保管装置。
　前記保管対象物は、蓄電装置であり、
　前記保管部で保管中の前記蓄電装置の充電を行う充電部、をさらに備える、
　請求項１から請求項１２のうちいずれか１項に記載の保管装置。
　前記蓄電装置は、電力を利用する電力機器に対して着脱可能に装着される、
　請求項１３に記載の保管装置。
　保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータが、
　複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数、または新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得するステップと、
　前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合に、
　前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記保管対象物の利用者に提供するステップと、
　前記利用者からの新たな前記保管対象物を、前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領するステップと、
　を含む保管方法。
　前記保管可能数が１以上である、または保管可能な前記保管部が存在することを表す前記保管可能情報を取得した場合に、
　前記利用者からの新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領するステップと、
　前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供するステップと、
　をさらに含む、
　請求項１５に記載の保管方法。
　前記利用者から受領した前記新たな前記保管対象物が、直前に前記利用者に提供した前記保管対象物と同一であるか否かを判定するステップと、
　前記利用者から受領した前記新たな前記保管対象物と前記利用者に提供した前記保管対象物とが同一である場合に、前記保管対象物が同一であることを報知させるための通知情報を出力する、および／または前記利用者から受領した前記保管対象物と同一である前記保管対象物を前記利用者に再度提供させるステップと、
　をさらに含む、
　請求項１６に記載の保管方法。
　保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータが、
　複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数を取得するステップと、
　前記新たな前記保管対象物の数である必要保管数を取得するステップと、
　前記保管可能数が１以上であり、かつ、前記必要保管数未満であることを取得した場合に、
　前記保管対象物の利用者からの前記必要保管数未満の新たな前記保管対象物を、保管可能な前記保管部で受領するステップと、
　前記新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供するステップと、
　前記必要保管数のうちの残りの新たな前記保管対象物を、前記保管対象物を提供した前記保管部で受領するステップと、
　前記新たな前記保管対象物、および前記残りの新たな前記保管対象物を受領した前記保管部以外の前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記利用者に提供するステップと、
　を含む保管方法。
　保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータに、
　複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数、または新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得するステップと、
　前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合に、
　前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記保管対象物の利用者に提供するステップと、
　前記利用者からの新たな前記保管対象物を、前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領するステップと、
　を実行させるためのプログラム。
　保管対象物を個別に保管可能な複数の保管部を備える保管装置のコンピュータに、
　複数の前記保管部のうち、新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部の数である保管可能数、または新たな前記保管対象物を保管可能な前記保管部が存在するか否かを表す保管可能情報を取得するステップと、
　前記保管可能数がゼロである、または保管可能な前記保管部が存在しないことを表す前記保管可能情報を取得した場合に、
　前記保管部に保管中の前記保管対象物を前記保管対象物の利用者に提供するステップと、
　前記利用者からの新たな前記保管対象物を、前記利用者に提供した前記保管対象物が保管されていた前記保管部で受領するステップと、
　を実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。