JP2021078175A - バッテリ交換システム、管理装置、管理方法、およびプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】利用者の認証に必要な情報を効率的にバッテリ交換装置に配信することができるバッテリ交換システム、管理装置、管理方法、およびプログラムを提供する。【解決手段】バッテリ交換システム１において、電動車両に対して着脱自在に装着され、電動車両の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行い、利用者の認証が成功した場合に交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置２００と、複数のバッテリ交換装置との間でバッテリまたは利用者の情報を取得する取得部と、取得部により取得された情報に基づいて、利用者の認証に必要な認証情報を、複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信する配信部と、を備える管理装置（管理サーバ２００）と、を備える。バッテリ交換装置は、管理装置から配信された認証情報に基づいて利用者の認証を行う。【選択図】図１

Description

本発明は、バッテリ交換システム、管理装置、管理方法、およびプログラムに関する。

従来、携帯型電気エネルギー貯蔵装置として、例えば着脱式バッテリを電気スクータに搭載して使用し、電力を消費した際に、着脱式バッテリを収集、充電、分配する収集充電分配装置（バッテリ交換装置）がある（例えば、特許文献１参照）。このバッテリ交換装置は、着脱式バッテリを充電等のために着脱自在に収容する複数の収容器を有している。

利用者は、充電が必要な着脱式バッテリを電気スクータから取り外し、バッテリ交換装置の収容器に収容する。その一方で、充電済の着脱式バッテリを収容器から取り出し、電気スクータに取り付けて使用するというバッテリの交換を前提としたバッテリの共同利用サービスが提供されている。このサービスは、例えば、地域の複数個所にバッテリ交換装置を設置し、充電交換装置を訪れた利用者が着脱式バッテリを交換できるサービスである。

特表２０１４−５２９１１７号公報

ここで、利用者がバッテリ交換装置を利用する場合には、利用者認証が必要となる。しかしながら、全ての利用者の認証に必要なデータを、複数のバッテリ交換装置の全てに送信するとデータ量が膨大になるとともに、通信コストが大きくなる可能性がある。また別の手法として、認証の度に管理サーバ等に認証情報の問い合わせる手法も考えられるが、この場合には通信環境の悪い地域では、管理サーバから認証情報を取得することができず、認証できない状況になる可能性があった。

本発明の態様は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者の認証に必要な情報を効率的にバッテリ交換装置に配信することができるバッテリ交換システム、管理装置、管理方法、およびプログラムを提供することである。

この発明に係るバッテリ交換システム、管理装置、管理方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
（１）：この発明の一態様に係るバッテリ交換システムは、電動車両に対して着脱自在に装着され、前記電動車両の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う複数のバッテリ交換装置であって、利用者の認証が成功した場合に前記交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置と、前記複数のバッテリ交換装置との間で前記バッテリまたは前記利用者の情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記情報に基づいて、前記利用者の認証に必要な認証情報を、前記複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信する配信部と、を備える管理装置と、を備え、前記バッテリ交換装置は、前記管理装置から配信された認証情報に基づいて前記利用者の認証を行う、バッテリ交換システムである。

（２）：上記（１）の態様において、前記配信部は、前記複数のバッテリ交換装置のうち、前記利用者が利用する可能性があるバッテリ交換装置に、前記利用者の認証情報を配信するものである。

（３）：上記（２）の態様において、前記配信部は、前記複数のバッテリ交換装置のうち、前記利用者が最後に利用したバッテリ交換装置を起点とした前記電動車両の移動可能距離に基づいて、前記利用者が次に利用する可能性のあるバッテリ交換装置を推定し、推定したバッテリ交換装置に前記利用者の認証情報を配信するものである。

（４）：上記（１）〜（３）のうち何れか一つの態様において、前記バッテリ交換装置は、前記配信部から配信された認証情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された認証情報を用いて、前記バッテリの返却および貸出を受け付ける利用者を認証する認証部と、を備えるものである。

（５）：上記（４）の態様において、前記配信部により配信された認証情報を取得した場合に、前記記憶部に記憶された認証情報を新たに取得した認証情報に置き換えて更新する更新制御部を更に備えるものである。

（６）：上記（５）の態様において、前記配信部は、前記バッテリ交換装置に既に配信された認証情報からの差分情報を生成し、生成した差分情報を前記バッテリ交換装置に配信し、前記更新制御部は、前記配信部により配信された前記差分情報を取得した場合に、前記差分情報に基づいて前記記憶部に記憶された認証情報を更新するものである。

（７）：上記（６）の態様において、前記更新制御部は、前記差分情報に特定利用者が含まれる場合に、前記記憶部に記憶された認証情報から前記特定利用者に関する認証情報を削除するものである。

（８）：上記（１）〜（７）のうち何れか一つの態様において、前記配信部は、前記バッテリ交換装置から所定範囲内に存在する利用者の認証に必要な認証情報を生成し、生成した前記認証情報を前記バッテリ交換装置に配信するものである。

（９）：上記（８）の態様において、前記配信部は、前記利用者の前記電動車両の位置情報、前記利用者が利用する端末装置の位置情報、前記バッテリ交換装置の利用履歴、または前記利用者の住所に基づいて、前記バッテリ交換装置から所定範囲内に存在する利用者を推定し、推定した利用者の認証に必要な認証情報を生成するものである。

（１０）：この発明の一態様に係る管理装置は、利用者の認証が成功した場合に、電動車両の走行用の電力を供給する着脱式のバッテリの交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置との間で、前記バッテリの情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記バッテリの情報に基づいて、前記利用者の認証に必要な認証情報を、前記複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信し、配信した認証情報に基づいて前記一部のバッテリ交換装置に前記利用者の認証を実行させる配信部と、を備える管理装置である。

（１１）：この発明の一態様に係る管理方法は、コンピュータが、利用者の認証が成功した場合に、電動車両の走行用の電力を供給する着脱式のバッテリの交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置との間で、前記バッテリまたは前記利用者の情報を取得し、取得した前記情報に基づいて、前記利用者の認証に必要な認証情報を、前記複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信し、配信した認証情報に基づいて前記一部のバッテリ交換装置に前記利用者の認証を実行させる、管理方法である。

（１２）：この発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、利用者の認証が成功した場合に、電動車両の走行用の電力を供給する着脱式のバッテリの交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置との間で、前記バッテリまたは前記利用者の情報を取得させ、取得させた前記情報に基づいて、前記利用者の認証に必要な認証情報を、前記複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信させ、配信させた認証情報に基づいて前記一部のバッテリ交換装置に前記利用者の認証を実行させる、プログラムである。

上記（１）〜（１２）によれば、利用者の認証に必要な情報を効率的にバッテリ交換装置に配信することができる。

実施形態のバッテリ交換システム１の全体構成図の一例を示す図である。 実施形態の電動車両１０の構成の一例を示す図である。 実施形態の着脱式バッテリ１００の構成の一例を示すブロック図である。 実施形態のバッテリ交換装置２００の構成の一例を示す図である。 実施形態の管理サーバ３００の構成の一例を示す図である。 利用者管理テーブル３５２の内容の一例を示す図である。 状態テーブル３５４の内容の一例を示す図である。 配信履歴３５８の内容の一例を示す図である。 第１の配信パターンについて説明するための図である。 利用したバッテリ交換装置が更新された場合の移動可能距離および移動可能範囲について説明するための図である。 第２の配信パターンについて説明するための図である。 第３の配信パターンについて説明するための図である。 実施形態の管理サーバ３００により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態のバッテリ交換装置２００により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。

以下、図面を参照し、本発明のバッテリ交換システム、管理装置、管理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下の説明において、バッテリ交換システムは、電動車両の走行用の電力を供給する着脱式バッテリの返却および貸出を受け付ける複数のバッテリ交換装置（充放電ステーション）を管理するものとする。電動車両は、バッテリ交換装置から貸し出される一または複数の着脱式バッテリを搭載し、搭載された着脱式バッテリから供給された電力によって走行する。また、電動車両は、着脱式バッテリと、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関とを組み合わせた駆動によって走行するハイブリッド電動車両や燃料電池車両であってもよい。バッテリ交換システムに適用可能な電動車両は、電動二輪車のほか、電動自転車、電動三輪車、電動四輪車、ハイブリッド車両等の車両、電動キックスケータ、またはロボット等であってもよい。電動車両に搭載される複数の着脱式バッテリは、バッテリユニットとして利用者に貸し出されてもよい。

＜バッテリ交換システム１の全体構成＞
図１は、実施形態のバッテリ交換システム１の全体構成図の一例を示す図である。バッテリ交換システム１は、例えば、複数の着脱式バッテリ１００と、複数のバッテリ交換装置２００と、管理サーバ３００とを備える。管理サーバ３００は、ネットワークＮＷを介して複数のバッテリ交換装置２００と通信可能に接続される。ネットワークＮＷには、電動車両１０が通信可能に接続されてもよい。ネットワークＮＷは、例えば、インターネット、セルラー網、Ｗｉ−Ｆｉ網、ＷＡＮ（Wide Area Network）、ＬＡＮ（Local Area Network）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等を含む。管理サーバ３００は、「管理装置」の一例である。

バッテリ交換装置２００は、電動車両１０の駆動源である着脱式バッテリ１００の充電および交換（返却、貸出）を行う装置である。着脱式バッテリ１００は、電動車両１０に着脱自在に装着される。着脱式バッテリ１００は、移動型ポータブル電源等の用途に用いられる電源装置であってもよい。バッテリ交換装置２００は、系統連携等を行うために着脱式バッテリ１００から放電させることも行ってよい。図１の例に示すバッテリ交換システム１によって、着脱式バッテリ１００の交換サービスが行われる。以下、順を追って各構成要素について説明する。

［電動車両１０］
電動車両１０は、着脱式バッテリ１００を着脱可能に搭載する車両である。図１の例では、着脱式バッテリ１００の蓄電部１２０（後述）により供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する、鞍乗り型の電動車両（電動二輪車）１０−１と、車室内乗車型の電動車両（電動四輪車）１０−２とが示されている。例えば、図１に示す電動車両１０−１には、二つの着脱式バッテリ１００が搭載可能であり、電動車両１０−２には、三つの着脱式バッテリ１００が搭載可能である。このように、電動車両１０の種類や形状等によって、搭載可能な着脱式バッテリ数が異なる。また、車種によって使用可能な着脱式バッテリが異なるものであってもよい。以下では、主に電動二輪車を「電動車両１０」と称して説明するものとする。

図２は、実施形態の電動車両１０の構成の一例を示す図である。電動車両１０は、例えば、バッテリ接続部１２と、車両制御部１４と、走行駆動力出力装置１６と、車両センサ１８と、ＨＭＩ（Human machine Interface）２０と、電動車両ＧＮＳＳ（Global Navigation Satellite System）受信機２２と、車両側通信部２４とを備える。

バッテリ接続部１２は、着脱式バッテリ１００が電動車両１０に装着された際に、着脱式バッテリ１００の接続部１５０（後述）と電気的に接続される。バッテリ接続部１２は、例えば、着脱式バッテリ１００から電力供給を受けるための電力線の接続端子（バッテリターミナル）や、着脱式バッテリ１００と車両制御部１４との間でデータ通信を行うための通信線の接続端子等を含む。

車両制御部１４は、車両センサ１８から測定結果を取得し、着脱式バッテリ１００のＢＭＵ（Battery Management Unit）１１０（後述）から蓄電部１２０の充電状態を表す値（ＳＯＣ：State Of Charge）を取得し、ＧＮＳＳ受信機２２から電動車両１０の位置を取得する。車両制御部１４は、取得したデータに基づき、操作子（不図示）に対する操作に応じて、或いは自律走行によって走行駆動力出力装置１６を制御する。車両制御部１４は、ＧＮＳＳ受信機２２から取得した電動車両１０の位置情報を、バッテリ接続部１２を介して着脱式バッテリ１００に出力してもよい。

走行駆動力出力装置１６は、例えば、電動機と、インバータと、インバータを制御するＥＣＵ（Electronic Control Unit）とを備える。ＥＣＵは、例えば、インバータを制御することによって、着脱式バッテリ１００から電動機に供給される電力を制御する。これにより、ＥＣＵは、電動機が駆動輪に出力する駆動力（トルク）を制御する。また、走行駆動力出力装置１６は、インバータの出力周波数を、駆動輪の回転数より低くなるように制御することにより、電動機を回生ブレーキとして動作させ、駆動輪の制動エネルギーを電気エネルギーに変換し、着脱式バッテリ１００を充電することができる。

車両センサ１８は、電動車両１０に搭載された速度センサ、加速度センサ、回転速度センサ、オドメータ、その他各種センサを含む。車両センサ１８は、測定結果を車両制御部１４に出力する。

ＨＭＩ２０は、電動車両１０の利用者に対して各種情報を出力するとともに、乗員による入力操作を受け付ける。ＨＭＩ２０は、例えば、ＨＵＤ（Head Up Display）およびメーター表示部等の各種表示装置（タッチパネルであってよい）、スピーカ等を備える。

ＧＮＳＳ受信機２２は、例えばＧＰＳ衛星等のＧＮＳＳ衛星から到来する電波に基づいて電動車両１０の位置を測位する。

車両側通信部２４は、ネットワークＮＷを介して管理サーバ３００と通信を行う。車両側通信部２４は、例えば、ＧＮＳＳ受信機２２で測位された電動車両１０の位置情報を、車両を識別する識別情報としての車両ＩＤと共に、任意のタイミングで管理サーバ３００に送信する。ここでの任意のタイミングとは、例えば、所定時間間隔ごとや所定走行距離ごとのタイミング、電動車両１０の起動または停止タイミング、または予め決められた時間となるタイミングである。また、車両側通信部２４は、管理サーバ３００からの電動車両１０の位置の問い合わせを受け付けたタイミングで電動車両１０の位置を管理サーバ３００に送信してもよい。また、車両側通信部２４は、電動車両１０の位置情報に加えて、電動車両１０に搭載された二つの着脱式バッテリ１００の充電状態を管理サーバ３００に送信してもよい。また、車両側通信部２４は、ネットワークＮＷを介してバッテリ交換装置２００と通信を行ってもよい。

［着脱式バッテリ１００］
図３は、実施形態の着脱式バッテリ１００の構成の一例を示すブロック図である。着脱式バッテリ１００は、例えば、蓄電部１２０と、ＢＭＵ１１０と、接続部１５０とを備える。また、ＢＭＵ１１０は、測定センサ１３０と、記憶部１４０とを備える。

ＢＭＵ１１０は、蓄電部１２０の充電や放電の制御、セルバランシング、蓄電部１２０の異常検出、蓄電部１２０のセル温度の導出、蓄電部１２０の充放電電流の導出、蓄電部１２０のＳＯＣの推定等を行う。ＢＭＵ１１０は、測定センサ１３０の測定結果に基づいて把握した蓄電部１２０の異常や故障等を、バッテリ状態情報として記憶部１４０に記憶させる。

蓄電部１２０は、例えば、複数の単電池を直列に接続した組電池である。蓄電部１２０を構成する単電池は、例えば、リチウムイオン二次電池（Lithium-Ion Battery：ＬＩＢ）やニッケル水素電池、全固体電池等である。

測定センサ１３０は、蓄電部１２０の充電状態を測定するための電圧センサ、電流センサ、温度センサ等である。測定センサ１３０は、測定された電圧、電流、温度等の測定結果をＢＭＵ１１０に出力する。

記憶部１４０は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置を含む。記憶部１４０は、バッテリ状態情報を記憶する。また、記憶部１４０には、着脱式バッテリ１００に対して割り当てられたバッテリＩＤが記憶されてよい。

接続部１５０は、着脱式バッテリ１００が電動車両１０に装着された際に、バッテリ接続部１２に電気的に接続される。また、接続部１５０は、着脱式バッテリ１００がバッテリ交換装置２００に存在する複数のスロット２１０のうちの一つに収容された際に、バッテリ交換装置２００に電気的に接続され、バッテリ交換装置２００から電力の供給を受けて蓄電部１２０を充電する。接続部１５０は、バッテリ接続部１２と交換装置側接続部２２０（後述）に対応するように、例えば、電力線の接続端子（バッテリターミナル）や、通信線の接続端子等を含む。

［バッテリ交換装置２００］
図４は、実施形態のバッテリ交換装置２００の構成の一例を示す図である。バッテリ交換装置２００は、例えば、複数のスロット２１０と、複数の交換装置側接続部２２０と、充電器２３０と、表示部２３５と、読取部２４０と、認証部２４５と、交換装置側通信部２５０と、交換装置側制御部２６０とを備える。

スロット２１０は、着脱式バッテリ１００を受け入れて充電を行うための機構である。図１の例に示すバッテリ交換装置２００において、スロット２１０は、例えば、上段スロット２１０Ｕ（図１参照）と下段スロット２１０Ｌ（図１参照）を備えている。それぞれのスロットは、例えば鉛直軸周りに回転するターンテーブルを備える。ターンテーブル上には、着脱式バッテリ１００を収容するバッテリ収容部が設けられる。バッテリ収容部は、例えば、ターンテーブルを平面視して４等分に仕切った領域にそれぞれ設けられる。なお、バッテリ交換装置２００による着脱式バッテリ１００の受け入れ（返却）および貸出部分の構成についてはこれに限定されるものではなく、例えば、着脱式バッテリの収納部がマトリクス状に配列された構成であってもよい。以下では、上述したターンテーブル型の構成を用いて説明する。

バッテリ交換装置２００は、利用者からの着脱式バッテリ１００の返却および貸出を行う前に、後述する認証部２４５による利用者の認証を行う。認証部２４５は、例えば、認証に成功した利用者に対して使用した着脱式バッテリ１００の返却や充電済み着脱式バッテリ１００の貸し出しを許可する。また、バッテリ交換装置２００の正面側には、取出口が設けられている。取出口は、認証部２４５による利用者の認証処理において、利用が許可されると自動的に開放状態になるようにしてもよい。取出口に位置する収容部は、ターンテーブルを回転させることにより入れ替え可能である。例えば、認証部２４５による認証処理により、利用者の利用が許可された場合、バッテリ交換装置２００は、利用者からの着脱式バッテリ１００の返却を受け付ける状態において、空のバッテリ収容部を正面側の取出口に位置させる。着脱式バッテリ１００がバッテリ収容部に返却されると、着脱式バッテリ１００のバッテリＩＤが読み取られる。また、バッテリ交換装置２００は、ターンテーブルを回転させて、充電済みの着脱式バッテリ１００を収容するバッテリ収容部を正面側の取出口に位置させる。これにより、利用者は、充電済みの着脱式バッテリ１００を取り出し、電動車両１０に装着することができる。この貸出のタイミングで、交換装置側制御部２６０は、利用者の利用者ＩＤと、新しく貸し出された着脱式バッテリ１００のバッテリＩＤとを、利用情報として管理サーバ３００に送信する。

複数のスロット２１０のそれぞれのバッテリ収容部の底面には、スロットごとに交換装置側接続部２２０が設けられている。交換装置側接続部２２０は、着脱式バッテリ１００がバッテリ収容部に収容された際に、着脱式バッテリ１００の接続部１５０と電気的に接続される。交換装置側接続部２２０は、例えば、着脱式バッテリ１００に電力を供給するための電力線の接続端子（バッテリターミナル）や、着脱式バッテリ１００と交換装置側制御部２６０との間でデータ通信（例えばシリアル通信）を行うための通信線の接続端子等を含む。

充電器２３０は、複数の交換装置側接続部２２０を介して、着脱式バッテリ１００の蓄電部１２０と接続される。充電器２３０は、複数の交換装置側接続部２２０ごとに設けられてもよいし、複数の交換装置側接続部２２０に対して共通の構成として設けられてもよい。充電器２３０には、蓄電部１２０に電力を供給するための電源が接続されている。充電器２３０は、電源から供給される電力を例えば直流に変換し、蓄電部１２０に供給する。

表示部２３５は、例えば、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）や有機ＥＬ（Electro Luminescence）ディスプレイ等の各種表示装置である。また、表示部２３５は、タッチパネルであってもよい。表示部２３５は、利用者がバッテリ交換装置２００を利用する際の各種情報を表示したり、利用者から所定の情報（例えば、認証用情報）の入力を受け付ける。

読取部２４０は、利用者が保有する媒体の一例であるユーザカードから、認証用情報、その他の情報を読み取る。認証用情報は、例えば、利用者ＩＤやパスワード等を含む。ユーザカードは、例えば、非接触型のＩＣカードである。これに代えて、ユーザカードは、接触型のＩＣカードであってもよい。また、ユーザカードは、例えば、利用者が利用する電動車両１０ごとに発行されるものであってもよい。この場合、認証用情報には、ユーザカードを識別する識別情報としてのカードＩＤや車両ＩＤが含まれる。また、利用者が保有する媒体は、スマートフォンやタブレット端末等の電子機器であってもよい。また、読取部２４０が認証用情報を取得する態様は、通信によって取得する態様に限らず、ＱＲコード（登録商標）等のコード画像から情報を光学的に読み取る態様であってもよい。読取部２４０は、読み取った認証用情報を交換装置側制御部２６０に出力する。

認証部２４５は、表示部２３５から受け付けた認証用情報または読取部２４０により読み取られた認証用情報に基づいて、利用者によるバッテリ交換装置２００の利用を許可するか否かの判定を行う。なお、認証用情報は、例えば、バッテリ交換装置２００のマイク（不図示）が収集した利用者からの音声から取得してもよい。例えば、認証部２４５は、認証用情報を用いて、交換装置側記憶部２８０に記憶された認証リスト２８２と照合を行い、認証リスト２８２内に認証用情報と合致する情報が含まれる場合に、利用者の認証が成功したと判断する。認証リスト２８２は、管理サーバ３００により所定のタイミングまたは周期で配信される照合用認証情報である。照合用認証情報には、一または複数の利用者の認証情報等が含まれる。照合用認証情報には、例えば、バッテリ交換装置２００の利用を許可する利用者ＩＤ、カードＩＤ、パスワード、有効期限、貸出可能な着脱式バッテリ１００の数、ステータス等の情報が含まれる。有効期限とは、例えば、バッテリ交換装置２００を利用可能な期間の最終日である。貸出可能な着脱式バッテリ１００の数とは、例えば、カードＩＤに対応付けられた電動車両１０が搭載可能な着脱式バッテリ１００の数である。ステータスとは、カードＩＤに対応付けられた電動車両１０におけるバッテリ交換システム１の利用状態を示す情報である。利用状態には、例えば、着脱式バッテリ１００を貸出中であること、バッテリ交換のための認証中であること、利用者の不正利用等により一時的または永久的に利用停止であること等の状態が含まれる。

利用者の認証が成功したと判断した場合、認証部２４５は、その利用者が所定の利用条件を満たすか否かを判定する。所定の利用条件とは、例えば、現在の日付（利用日）が認証リスト２８２に含まれる有効期限を過ぎていないことである。また、所定の利用条件には、利用者が不正利用等を行い、利用できない状態（利用停止）になっていないことが含まれていてもよい。例えば、認証部２４５は、現在の日付が認証リスト２８２に含まれる有効期限を過ぎていない場合に、利用者によるバッテリ交換装置２００の利用（返却および貸出）を許可する。

また、認証部２４５は、認証リスト２８２内に認証用情報と合致する情報が含まれない場合に、交換装置側通信部２５０から管理サーバ３００に認証用情報を送信して認証の問い合わせを行ってもよい。この場合、認証部２４５は、問い合わせ結果として、管理サーバ３００からの認証結果と照合用認証情報を取得し、利用者の認証が成功していた場合に、照合用認証情報を用いて所定の利用条件を満たすか否かを判定する。また、所定の利用条件を満たす場合に、利用者によるバッテリ交換装置２００の利用を許可する。

また、認証部２４５は、利用者の認証が成功していない場合や、所定の利用条件を満たさない場合には、利用できないことを示す情報を表示部２３５に表示させて利用者に通知する。なお、上述した利用者ＩＤ等を用いた認証は、必ずしも交換の度に行われる必要はない。また、認証部２４５は、上述した認証に代えて（または加えて）、利用者の指紋情報や声紋情報、虹彩情報等の生体情報を用いた生体認証を行ってもよい。この場合、認証リスト２８２に照合用生体情報を格納しておき、認証部２４５は、生体情報と照合用生体情報とを比較することで認証を行う。

交換装置側通信部２５０は、ターミナルアダプターやイーサネット（登録商標）通信装置等の有線通信装置や、Ｗｉ−Ｆｉアダプターや３Ｇ／ＬＴＥ、４Ｇ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ等の無線通信装置を備え、ネットワークＮＷを介して管理サーバ３００、端末装置等と通信する。

交換装置側制御部２６０は、例えば、交換制御部２６２と、充電制御部２６４と、認証リスト更新制御部２６６と、バッテリ情報アップロード部２６８と、利用情報アップロード部２７０と、交換装置側記憶部２８０とを備える。認証リスト更新制御部２６６は、「更新制御部」の一例である。交換制御部２６２と、充電制御部２６４と、認証リスト更新制御部２６６と、バッテリ情報アップロード部２６８と、利用情報アップロード部２７０とは、例えば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等のハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。また、その機能うち一部又は全部は、ＬＳＩ（Large Scale Integration）やＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）、ＧＰＵ（Graphics Processing Unit）等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。上述のプログラムは、予めバッテリ交換装置２００のＨＤＤやフラッシュメモリ等の記憶装置（非一過性の記憶媒体を備える記憶装置）に格納されていてもよいし、ＤＶＤやＣＤ−ＲＯＭ、メモリカード等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体（非一過性の記憶媒体）がドライブ装置やカードスロット等に装着されることでバッテリ交換装置２００の記憶装置にインストールされてもよい。

交換装置側記憶部２８０は、上記の各種記憶装置、或いはＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable Programmable Read Only Memory）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、またはＲＡＭ（Random Access Memory）等により実現されてもよい。交換装置側記憶部２８０には、例えば、認証リスト２８２、バッテリ情報２８４、プログラム、その他各種情報等が格納される。認証リスト２８２は、管理サーバ３００により配信される。バッテリ情報２８４には、バッテリ交換装置２００内で管理されている一以上の着脱式バッテリ１００に割り当てられたバッテリＩＤと、着脱式バッテリ１００ごとのＳＯＣ情報（バッテリ状況の一例）が格納される。

交換制御部２６２は、認証部２４５による認証結果に基づき、電動車両１０に搭載された使用済み着脱式バッテリ１００の返却、および充電済み着脱式バッテリ１００の貸し出しを制御する。例えば、交換制御部２６２は、返却時に使用済み着脱式バッテリ１００を収納するためのスロット２１０を開放したり、貸出時に充電済み着脱式バッテリ１００が収納されたスロット２１０を開放したりする。また、交換制御部２６２は、収納された使用済み着脱式バッテリ１００が正規（純正品）の着脱式バッテリであるか否かを判定してもよい。この場合、交換制御部２６２は、収納された着脱式バッテリ１００のバッテリＩＤを取得し、取得したバッテリＩＤおよび利用者情報（利用者ＩＤ、カードＩＤ）に基づいて管理サーバ３００に問い合わせを行う。管理サーバ３００は、バッテリ交換装置２００から取得したバッテリＩＤおよび利用者情報に基づいて、利用者管理テーブル３５２等と照合し、合致する情報が存在する場合に正規の着脱式バッテリであると判定し、合致する情報が存在しない場合に正規の着脱式バッテリではないと判定する。正規の着脱式バッテリではない場合とは、例えば、純正品ではないバッテリである場合や、貸し出した利用者ではない利用者が返却してきた着脱式バッテリである場合が含まれる。正規の着脱式バッテリではない場合、管理サーバ３００は、その利用者の次回以降の使用を一時的または永久に停止する。管理サーバ３００は、上述した処理内容を問い合わせ結果としてバッテリ交換装置２００に送信する。交換制御部２６２は、受信した問い合わせ結果に基づき、正規の着脱式バッテリ１００である場合に、上述した貸し出しに関する制御を行う。また、交換制御部２６２は、正規の着脱式バッテリ１００でない場合に、貸し出しに関する制御を行わず、エラー情報等を通知したり、収納された使用済み着脱式バッテリを返却する制御を行う。

充電制御部２６４は、着脱式バッテリ１００から信号線を介して取得した蓄電部１２０の充電状態等に基づいて、蓄電部１２０が所定の充電状態（例えば、ＳＯＣ）まで充電されるように充電器２３０を制御する。蓄電部１２０のＳＯＣは、例えば、逐次、充電制御部２６４に伝えられ、充電制御部２６４は、着脱式バッテリ１００のバッテリＩＤとＳＯＣ情報とを互いに対応付けてバッテリ情報２８４として交換装置側記憶部２８０に記憶させる。

認証リスト更新制御部２６６は、管理サーバ３００から配信される照合用認証情報に基づいて認証リスト２８２の更新を行う。例えば、認証リスト更新制御部２６６は、管理サーバ３００により配信された照合用認証情報を取得した場合に、取得した照合用認証情報を新たな認証リストとして、交換装置側記憶部２８０に記憶された認証リスト２８２と置き換える更新を行う。認証リスト２８２そのものを置き換える更新を行うことで、認証リストの更新を簡略化させることができる。

また、認証リスト更新制御部２６６は、例えば、管理サーバ３００から配信される照合用認証情報が、バッテリ交換装置２００に既に配信された認証リストに対する差分情報である場合には、差分情報に基づいて認証情報リストを更新する。例えば、差分情報に利用者の追加情報が含まれる場合、認証リスト更新制御部２６６は、追加の利用者に関する照合用認証情報を認証リスト２８２に追加する。また、差分情報に特定利用者が含まれる場合、認証リスト更新制御部２６６は、認証リスト２８２から特定利用者に関する照合用認証リストを削除する。特定利用者とは、例えば、バッテリ交換装置２００を利用可能な有効期限が過ぎている利用者や、不正利用を行った利用者、利用費が支払われてなく滞納している利用者等である。また、特定利用者には、最後に利用してから所定時間以上利用していない利用者が含まれてもよい。上述したように、差分情報を配信して認証リスト２８２を更新させることで、更新時の通信データ量を削減することができる。

認証リスト更新制御部２６６は、管理サーバ３００から配信された照合用認証情報を受信したタイミングで上述の更新処理を行ってもよく、利用者が利用していないタイミングや時間帯（例えば、深夜）に上述の更新を行ってもよい。

また、認証リスト更新制御部２６６は、照合用認証情報を配信した管理サーバ３００によって指定された日時に更新を行ってもよい。これにより、管理サーバ３００からの距離や通信環境等の影響により照合用認証情報が複数のバッテリ交換装置２００に同時に配信されない場合であっても、同じタイミングで認証リスト２８２を更新させることができる。

バッテリ情報アップロード部２６８は、例えば、任意のタイミングで、充電が完了した（所定のＳＯＣまで充電された）着脱式バッテリ１００の数（充電済バッテリ数）をカウントし、自己の装置ＩＤ（バッテリ交換装置２００を識別する識別情報）やバッテリＩＤと共に管理サーバ３００に送信する。ここでの任意のタイミングとは、例えば、着脱式バッテリ１００の充電が完了した（或いは、所望のＳＯＣまで充電された）タイミング、または着脱式バッテリ１００の貸出が行われたタイミングとを含む。すなわち、任意のタイミングは、バッテリ交換装置２００内に格納している着脱式バッテリ数や充電済バッテリ数に変動が生じたタイミングであってよい。また、バッテリ情報アップロード部２６８は、充電途中の着脱式バッテリ１００のそれぞれに関して、充電速度と容量等から求めた「充電に必要な残り時間」を送信する情報に含めてもよい。

利用情報アップロード部２７０は、任意のタイミングで、利用者ごとのバッテリ交換装置２００の利用状況と自己の装置ＩＤとを利用情報として、管理サーバ３００に送信する。ここでの任意のタイミングとは、例えば、認証部２４５による認証が許可され着脱式バッテリの交換（例えば、返却および貸し出し）が行われたタイミングである。利用状況には、例えば、利用者ＩＤやカードＩＤ、返却された着脱式バッテリ１００のバッテリＩＤ、貸し出された着脱式バッテリ１００のバッテリＩＤ、交換した日時（利用日時）等が含まれてよい。バッテリ情報アップロード部２６８または利用情報アップロード部２７０により任意のタイミングでアップロードされる情報は、一時的に交換装置側記憶部２８０に記憶されてよい。

［管理サーバ３００］
図５は、実施形態の管理サーバ３００の構成の一例を示す図である。管理サーバ３００は、例えば、サーバ側通信部３１０と、管理部３２０と、配信部３３０と、サーバ側記憶部３５０とを備える。管理部３２０と、配信部３３０とは、例えば、ＣＰＵ等のハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。また、その機能うち一部又は全部は、ＬＳＩやＡＳＩＣ、ＦＰＧＡ、ＧＰＵ等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。上述のプログラムは、予め管理サーバ３００のＨＤＤやフラッシュメモリ等の記憶装置（非一過性の記憶媒体を備える記憶装置）に格納されていてもよいし、ＤＶＤやＣＤ−ＲＯＭ、メモリカード等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体（非一過性の記憶媒体）がドライブ装置やカードスロット等に装着されることで管理サーバ３００の記憶装置にインストールされてもよい。サーバ側通信部３１０と管理部３２０を合わせたものが「取得部」の一例である。

サーバ側記憶部３５０は、上記の各種記憶装置、或いはＥＥＰＲＯＭ、ＲＯＭ、またはＲＡＭ等により実現されてもよい。サーバ側記憶部３５０には、例えば、利用者管理テーブル３５２、状態テーブル３５４、地図情報３５６、配信履歴３５８、プログラム、その他各種情報等が格納される。

図６は、利用者管理テーブル３５２の内容の一例を示す図である。利用者管理テーブル３５２は、利用者ＩＤおよびカードＩＤに、パスワード、有効期限、搭載可能バッテリ数、使用可能バッテリ種別、ステータス、貸出中バッテリＩＤ、利用履歴、詳細情報等が対応付けられた情報である。例えば、利用者ＩＤ（またはカードＩＤ）、およびパスワードが利用者の認証時に必要な情報の一例である。

有効期限は、例えば、バッテリ交換システム１の利用登録時または利用費用の支払い時に設定される。有効期限は、例えば、固定期間（例えば、登録時または更新時から１年等）でもよく、電動車両１０の車検（国等が定める自動車継続検査）で定められた有効期限（車検日）に対応付けて設定された期限でもよい。搭載可能バッテリ数とは、カードＩＤに対応付けられた電動車両１０が搭載可能なバッテリ数である。使用可能バッテリ種別とは、カードＩＤに対応付けられた電動車両１０が使用可能な着脱式バッテリ１００の種類、大きさ、型番等の情報である。

貸出中バッテリＩＤは、カードＩＤに対応付けられた電動車両１０に対して貸出中である着脱式バッテリ１００の識別情報である。利用履歴は、利用者ＩＤおよびカードＩＤに対応付けられたバッテリ交換システム１の過去の利用履歴に関する情報である。利用履歴には、例えば、利用したバッテリ交換装置２００の装置ＩＤ、利用日時等の情報が含まれる。利用履歴には、例えば、利用情報アップロード部２７０によりアップロードされた情報が含まれてもよい。詳細情報には、例えば、利用登録時に取得した利用者の住所、年齢、性別等の個人情報等が含まれる。また、詳細情報には、カードＩＤに対応付けられた電動車両１０の性能情報や車種情報が含まれてもよい。電動車両１０の性能情報とは、例えば、充電済みの着脱式バッテリ１００を１個搭載したときの走行距離等である。

図７は、状態テーブル３５４の内容の一例を示す図である。状態テーブル３５４は、バッテリ交換システム１で管理される複数のバッテリ交換装置２００の状態に関する情報が格納される。状態テーブル３５４には、例えば、バッテリ情報アップロード部２６８によりアップロードされた情報が含まれてもよい。状態テーブル３５４は、例えば、装置ＩＤに対して、装置ＩＤに対応付けられたバッテリ交換装置２００における充電済バッテリ数と、バッテリ交換装置２００の位置とが対応付けられた情報である。前述のようにアップロードされる情報に着脱式バッテリ１００ごとの充電に必要な残り時間が含まれる場合、状態テーブル３５４には、充電中の着脱式バッテリ１００の数と着脱式バッテリ１００ごとの残り時間の情報が追加されてもよい。また、状態テーブル３５４には、着脱式バッテリ１００の性能情報が含まれてもよい。着脱式バッテリ１００の性能情報とは、例えば、満充電時の電力量や充電回数、劣化度合等の情報である。

地図情報３５６には、例えば、地図座標におけるバッテリ交換装置２００の位置の情報の他、コンビニエンスストア、飲食店、宿泊施設、各種アクティビティ施設等の施設情報（ＰＯＩ：Point Of Interest）が含まれてもよい。地図座標は、例えば、ＧＮＳＳ受信機で測位される三次元座標や二次元座標の座標系である。また、地図情報３５６には、地図座標における道路の位置、その他道路情報が含まれてもよい。道路情報には、例えば、道路種別（例えば、一般道路や高速道路）、車線数、交通規制情報、設置されている道路標識、法定速度、道路の曲率半径（或いは曲率）、幅員、勾配、凹凸等が含まれる。地図情報３５６は、サーバ側通信部３１０を介して他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。

図８は、配信履歴３５８の内容の一例を示す図である。配信履歴３５８は、装置ＩＤおよび配信日時に、配布した過去の照合用認証情報が対応付けられた情報である。配信履歴３５８は、配信部３３０の制御によって、配信日時が現在日時から所定処理以上経過している場合に削除されてもよく、照合用認証情報が所定の世代よりも前の情報である場合に削除されてもよい。例えば、配信履歴３５８は、後述する生成部３３６により照合用認証情報が生成される度に、過去の照合用認証情報を含めて世代で管理される。ここで、照合用認証情報の最も新しいものから順に第１世代、第２世代、…、として管理されている場合に、例えば、第５世代よりも古い世代の照合用認証情報を削除することで、配信履歴３５８のデータ量が増大するのを防止することができる。

サーバ側通信部３１０は、ターミナルアダプターやイーサネット（登録商標）通信装置等の有線通信装置や、Ｗｉ−Ｆｉアダプターや３Ｇ／ＬＴＥ、４Ｇ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ等の無線通信装置を備え、ネットワークＮＷを介してバッテリ交換装置２００や電動車両１０等と通信する。

管理部３２０は、図６に示す着脱式バッテリ１００の交換時における利用者の利用状況（認証等を含む）を管理する。例えば、管理部３２０は、各バッテリ交換装置２００において認証を行う場合に必要な照合用認証情報の内容を管理したり、照合用認証情報を配信するタイミング等を管理する。また、管理部３２０は、バッテリ交換装置２００から認証の問い合わせがあった場合に、問い合わせと共に取得した認証用情報と利用者管理テーブル３５２とを用いて認証を行い、認証結果や、認証結果に基づく照合用認証情報をバッテリ交換装置２００に送信してもよい。

また、管理部３２０は、利用者の新規登録や登録内容の変更要求を受け付け、受け付けた情報に基づいて、利用者管理テーブル３５２を更新する。新規登録や登録内容の変更は、例えば、利用者が端末装置等から管理サーバ３００と通信することで行われる。また、管理部３２０は、バッテリ交換装置２００から取得したアップロード情報に基づいて、状態テーブル３５４を更新する。また、管理部３２０は、例えば、利用者ＩＤまたはカードＩＤごとの課金状況や有効期限を管理してもよい。

配信部３３０は、バッテリ交換装置２００等から得られるバッテリに関する情報等に基づいて、照合用認証情報を、複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信する。配信部３３０は、例えば、推定部３３２と、選択部３３４と、生成部３３６とを備える。推定部３３２は、利用者が利用したバッテリ交換装置２００の位置情報に基づいて、利用者が利用する電動車両１０の移動可能距離（例えば、航続可能距離）を推定する。また、推定部３３２は、推定した移動可能距離に基づいてバッテリ交換装置２００を起点とした電動車両１０の移動可能範囲（例えば、航続可能範囲）を推定してもよい。

選択部３３４は、推定部３３２により推定された移動可能距離または移動可能範囲に基づいて、利用者が次に利用する可能性があるバッテリ交換装置２００を選択する。生成部３３６は、選択部３３４により選択されたバッテリ交換装置２００の情報に基づいて、バッテリ交換装置２００ごとに配信する照合用認証情報を生成する。選択部３３４による選択結果によっては、生成部３３６により照合用認証情報が生成されないバッテリ交換装置２００が存在する。

配信部３３０は、生成部３３６によりバッテリ交換装置２００ごとに生成された照合用認証情報を、対応するバッテリ交換装置２００に配信する。また、配信部３３０は、配信した照合用認証情報に関する情報を、配信履歴３５８に記憶させる。また、配信部３３０は、配信履歴３５８の一部の情報の削除や更新を行う。

［照合用認証情報の配信について］
次に、実施形態における照合用認証情報の配信について具体的に説明する。なお、以下では、幾つかの配信パターンごとに説明するものとする。

＜第１の配信パターン＞
第１の配信パターンは、利用者が最後に利用したバッテリ交換装置２００を起点として、利用者が次に利用する可能性のあるバッテリ交換装置２００を推定し、推定したバッテリ交換装置にその利用者の照合用認証情報を配信するものである。

図９は、第１の配信パターンについて説明するための図である。図９の例では、地図情報３５６に含まれる二次元座標（ＸＹ座標）における複数のバッテリ交換装置２００−１〜２００−７の位置がプロットされている。図９の例において、利用者Ｕ１がバッテリ交換装置２００−１で着脱式バッテリ１００の交換を行った場合、バッテリ交換装置２００−１は、利用者Ｕ１の利用情報を管理サーバ３００に送信する。

管理サーバ３００の管理部３２０は、バッテリ交換装置２００−１から送信された利用情報を取得する。そして、推定部３３２は、取得した利用情報に基づいて、着脱式バッテリ１００を交換した電動車両１０の移動可能距離を推定する。例えば、推定部３３２は、カードＩＤに対応付けられた電動車両１０の性能情報や、電動車両１０に搭載された着脱式バッテリ１００の性能情報、貸し出した着脱式バッテリ１００の数等に基づいて、バッテリ交換装置２００からの移動可能距離を推定する。例えば、電動車両１０の性能情報は、利用者管理テーブル３５２から取得され、着脱式バッテリ１００の性能情報は、状態テーブル３５４から取得される。例えば、推定部３３２は、所定の関数に各性能情報に対応付けた値を代入して移動可能距離を推定してもよく、性能情報と移動可能距離とを対応付けたテーブルを用いて移動可能距離を推定してもよい。なお、推定部３３２は、上述した処理に代えて、移動可能距離を固定値にしてもよい。

また、推定部３３２は、移動可能距離に基づいて移動可能範囲を推定する。図９の例では、バッテリ交換装置２００−１を起点とした移動可能距離Ｄ１、Ｄ２と、バッテリ交換装置２００−１を中心とし、移動可能距離Ｄ１、Ｄ２のそれぞれを半径とした円からなるそれぞれの移動可能範囲Ａ１、Ａ２が示されている。なお、移動可能範囲Ａ１、Ａ２は、円に代えて、楕円やその他の形状で表されてもよい。

また、推定部３３２は、利用者Ｕ１がバッテリ交換装置２００−１で利用した後、別のバッテリ交換装置２００を利用した場合には、その利用したバッテリ交換装置２００を起点として、移動可能距離や移動可能範囲を推定する。図１０は、利用したバッテリ交換装置が更新された場合の移動可能距離および移動可能範囲について説明するための図である。図１０の例では、利用者Ｕ１がバッテリ交換装置２００−１を利用した後、バッテリ交換装置２００−２を利用した場合を示している。この場合、推定部３３２は、例えば、バッテリ交換装置２００−２の位置情報と、利用情報に基づいて、バッテリ交換装置２００−２を起点として移動可能距離Ｄ３を推定し、推定した移動可能距離Ｄ３を半径とした円からなる移動可能範囲Ａ３を推定する。

また、推定部３３２は、利用情報に加えて、地図情報３５６から利用者が利用したバッテリ交換装置２００を中心とした周囲の道路情報を取得し、取得した道路情報に基づいて、移動可能距離や移動可能範囲を推定してもよい。また、推定部３３２は、サーバ側通信部３１０を介して、外部装置から道路の渋滞情報や事故情報、天候情報等を取得し、取得した情報に基づいて、移動可能距離や移動可能範囲を推定してもよい。これにより、道路情報や天候情報等に基づいて、より現実的な移動可能距離や移動可能範囲を推定することができる。

選択部３３４は、推定部３３２により推定された移動可能範囲に基づいて、利用者Ｕ１を認証するために必要な情報（以下、「第１認証情報」と称する）を含む照合用認証情報を配信するバッテリ交換装置２００を選択する。第１認証情報には、例えば、利用者Ｕ１の利用者ＩＤ、カードＩＤ、パスワード、有効期限、貸出可能な着脱式バッテリ１００の数（搭載可能バッテリ数）、ステータス等の情報が含まれる。例えば、推定部３３２により図９に示す移動可能範囲Ａ１が推定された場合、選択部３３４は、移動可能範囲Ａ１内に配置されたバッテリ交換装置２００−１、２００−２、２００−５を、第１認証情報を含む照合用認証情報の配信先として選択する。また、推定部３３２により図９に示す移動可能範囲Ａ２が推定された場合、選択部３３４は、移動可能範囲Ａ２内に配置されたバッテリ交換装置２００−１〜２００−５を、第１認証情報を含む照合用認証情報の配信先として選択する。

また、選択部３３４は、上述したバッテリ交換装置２００の選択に代えて（または加えて）、利用者ＩＤおよびカードＩＤに基づいて利用者管理テーブル３５２の利用者ＩＤおよびカードＩＤを参照し、合致する利用者ＩＤおよびカードＩＤに対応付けられた利用履歴に基づいて、第１認証情報を含む照合用認証情報の配信先を選択してもよい。例えば、利用履歴において、利用者Ｕ１がバッテリ交換装置２００−１を利用した後、バッテリ交換装置２００−６を利用する頻度が高い場合、選択部３３４は、上述したバッテリ交換装置２００の選択結果に代えて（または加えて）、バッテリ交換装置２００−６を、第１認証情報を含む照合用認証情報の配信先として選択する。

生成部３３６は、利用者管理テーブル３５２に含まれる情報等を用いて、バッテリ交換装置２００ごとに、上述した選択部３３４による選択結果に基づく照合用認証情報を生成する。例えば、選択部３３４がバッテリ交換装置２００−１、２００−２、２００−５を、第１認証情報の配信先として選択した場合、生成部３３６は、バッテリ交換装置２００−１、２００−２、２００−５用に生成される照合用認証情報に第１認証情報を含める。また、生成部３３６は、選択部３３４による全ての利用者の利用状況に基づく配信先の選択において、配信先として選択されていないバッテリ交換装置２００が存在する場合に、そのバッテリ交換装置２００に対する照合用認証情報を生成しなくてもよい。

配信部３３０は、生成部３３６によりバッテリ交換装置２００ごとに生成された照合用認証情報を、任意のタイミングで配信する。任意のタイミングとは、例えば、予め決められた時間（例えば、毎日１０時と２０時）または所定周期（例えば、半日、一日、一週間）のタイミングである。例えば、配信部３３０は、上述した照合用認証情報を生成するまでの処理を、配信するタイミングを基準にした所定時間前に実行してもよい。

これにより、複数のバッテリ交換装置２００の全てに、登録された全ての利用者に対する照合用認証情報を送信するよりも、データ量を削減することができる。したがって、利用者の認証に必要な情報を効率的にバッテリ交換装置に配信することができる。

＜第２の配信パターン＞
次に、第２の配信パターンについて説明する。第２の配信パターンは、第１の配信パターンと比較して、選択部３３４は、利用者の位置を基準に照合用認証情報の配信先を選択する点で異なる。以下では、主に上記の相違点を中心として説明するものとし、その他の説明については省略する。

図１１は、第２の配信パターンについて説明するための図である。図１１の例では、ＸＹ座標におけるバッテリ交換装置２００−１〜２００−７および利用者Ｕ１、Ｕ２のそれぞれが利用する電動車両１０の位置がプロットされている。以下、利用者Ｕ２を認証するために必要な情報を「第２認証情報」と称するものとする。

推定部３３２は、利用者Ｕ１、Ｕ２の位置として、利用者Ｕ１、Ｕ２が利用する電動車両１０の位置を取得する。管理部３２０は、車両側通信部２４から送信される電動車両１０の位置を取得する。なお、利用者Ｕ１、Ｕ２が端末装置を所有している場合、選択部３３４は、推定部３３２は、それぞれの端末装置の位置情報を取得し、取得した端末装置の位置情報を利用者Ｕ１、Ｕ２の位置としてもよい。また、推定部３３２は、利用者管理テーブル３５２の詳細情報を参照し、利用者Ｕ１、Ｕ２の住所を利用者Ｕ１、Ｕ２の位置としてもよい。

推定部３３２は、利用者Ｕ１、Ｕ２の位置に基づいて、移動可能距離または移動可能範囲のうち一方または双方を推定する。また、推定部３３２は、利用者Ｕ１、Ｕ２の位置に加えて、利用者Ｕ１、Ｕ２が利用する電動車両１０の性能情報や、その電動車両１０に搭載された着脱式バッテリの性能情報に基づいて、移動可能距離または移動可能範囲を推定してもよい。そして、選択部３３４は、推定された移動可能距離または移動可能範囲に基づいて、利用者Ｕ１、Ｕ２の照合用認証情報の配信先を選択する。

図１１の例では、利用者Ｕ１の現在位置に対し、移動可能距離Ｄ４および移動可能範囲Ａ４が推定され、利用者Ｕ２の現在位置に対し、移動可能距離Ｄ５および移動可能範囲Ａ５が推定されている。この場合、選択部３３４は、第１認証情報の配信先として、移動可能範囲Ａ４内に含まれるバッテリ交換装置２００−１〜２００−３および２００−６を選択し、第２認証情報の配信先として、移動可能範囲Ａ５内に含まれるバッテリ交換装置２００−６および２００−７を選択する。これにより、利用者の位置情報を起点とした移動可能距離や範囲に基づいて、配信する照合用認証情報の配信先を制限することで、より効率的で無駄の少ないデータ配信を行うことができる。また、第２の配信パターンでは、利用者がバッテリ交換装置２００をまだ利用していない場合（例えば、初期利用時）であっても、照合用認証情報の配信先を制限して、効率的に配信することができる。

＜第３の配信パターン＞
次に、第３の配信パターンについて説明する。第３の配信パターンは、第１および第２の配信パターンと比較して、各バッテリ交換装置２００の位置を起点として、所定範囲内に存在する利用者の照合用認証情報を、対象のバッテリ交換装置２００に配信する点で相違する。以下では、主に上記の相違点を中心として説明するものとし、その他の説明については省略する。

図１２は、第３の配信パターンについて説明するための図である。図１２の例では、ＸＹ座標に、バッテリ交換装置２００−１の位置と、利用者Ｕ１〜Ｕ５の位置とがプロットされている。第３の配信パターンにおいて、選択部３３４は、バッテリ交換装置２００−１を起点として、所定距離Ｄ６だけ離れた領域（領域Ａ６）内に存在する利用者Ｕ１〜Ｕ３の認証に必要な認証情報をバッテリ交換装置２００−１に送信することを選択する。所定距離Ｄ６は、固定値でもよく、バッテリ交換装置２００の位置や周辺状況に応じて可変させてもよい。このように、バッテリ交換装置２００の位置と、利用者の位置に基づいて、照合用認証情報の内容や配信先を限定することができるため、より効率的に認証情報を配信することができる。また、第３の配信パターンでは、利用者がバッテリ交換装置２００をまだ利用していない場合であっても、照合用認証情報の配信先を制限して、効率的に配信することができる。

＜第４の配信パターン＞
次に、第４の配信パターンについて説明する。第４の配信パターンは、第１〜第３の配信パターンと比較して、過去の配信履歴または利用者の行動パターンに基づいて、配信先を選択する点で相違する。以下では、主に上記の相違点を中心として説明するものとし、その他の説明については省略する。

第４の配信パターンにおいて、配信部３３０は、例えば、配信履歴３５８を参照し、装置ＩＤごとに、過去の照合用認証情報に含まれる利用者ＩＤを統計処理し、照合用認証情報に含まれる頻度または回数が所定値より高い利用者の認証情報を、次に配信する照合用認証情報にも含めるようにする。

また、配信部３３０は、利用者管理テーブルの利用履歴に基づいて、利用者ＩＤおよびカードＩＤごとに利用者の行動パターンを解析し、解析した行動パターンに基づいて、次に利用する可能性があるバッテリ交換装置２００を選択してもよい。この場合、配信部３３０は、選択したバッテリ交換装置２００にその利用者の認証情報を含む照合用認証情報を生成し、生成した照合用認証情報を、選択したバッテリ交換装置２００に配信する。

配信部３３０は、上述した第１〜第４の配信パターンのうち何れかを選択して実行する。また、配信部３３０は、配信する時間帯や周期に応じて、配信パターンを変えてもよい。例えば、配信部３３０は、新規に配置した直後のバッテリ交換装置２００に対しては、まだ誰も利用していないため、第３の配信パターンを用いて照合用認証情報の配信を行う。また、配信部３３０は、バッテリ交換装置２００の周囲範囲内に存在するユーザが所定数以上である場合には、第１〜第２または第４の配信パターンを用いて照合用認証情報の配信を行ってもよい。また、配信部３３０は、配信するタイミングごとに、第１〜第４の配信パターンをローテーションで行ってもよい。

［処理フロー］
以下、実施形態のバッテリ交換システム１により実行される処理の流れについて説明する。なお、バッテリ交換システムにより実行される処理は、管理サーバ３００側の処理と、バッテリ交換装置２００側の処理とに大別される。したがって、以下では、それぞれの処理に分けて説明するものとする。

［管理サーバ側の処理］
図１３は、実施形態の管理サーバ３００により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図１３の例において、管理サーバ３００の管理部３２０は、複数のバッテリ交換装置２００からバッテリまたは利用者の情報を取得する（ステップＳ１００）。次に、推定部３３２は、取得した情報に基づいて、利用者ごとに、電動車両１０の移動可能距離（または移動可能範囲）を推定する（ステップＳ１０２）。

次に、選択部３３４は、推定部３３２により選択された移動可能距離に基づいて、利用者ごとに、次に利用する可能性のあるバッテリ交換装置２００を推定する（ステップＳ１０４）。次に、生成部３３６は、推定されたバッテリ交換装置ごとに、照合用認証情報を生成する（ステップＳ１０６）。次に、配信部３３０は、生成した照合用認証情報を対象のバッテリ交換装置に配信する（ステップＳ１０８）。これにより、本フローチャートの処理は、終了する。

［バッテリ交換装置側の処理］
図１４は、実施形態のバッテリ交換装置２００により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図１４の例において、認証部２４５は、利用者からの認証用情報の入力を受け付ける（ステップＳ２００）。次に、認証部２４５は、受け付けた認証用情報で交換装置側記憶部２８０に記憶された認証リスト２８２と照合を行い（ステップＳ２０２）、認証リスト２８２の中に合致する認証情報が含まれるか否かを判定する（ステップＳ２０４）。合致する認証情報が存在しないと判定された場合、認証部２４５は、交換装置側通信部２５０により管理サーバ３００と通信を行い、受け付けた認証用情報を管理サーバ３００に送信して認証結果を問い合わせる（ステップＳ２０６）。次に、認証部２４５は、問い合わせに対応する認証結果を取得したか否かを判定する（ステップＳ２０８）。問い合わせに対応する認証結果には、認証が成功したか否かの情報と、成功した場合における照合用認証情報とが含まれてもよい。

ステップＳ２０４の処理において、合致する認証情報が存在すると判定された場合、またはステップＳ２０８の処理において、問い合わせに対応する認証情報を取得したと判定された場合に、認証部２４５は、利用条件を満たすか否かを判定する（ステップＳ２１０）。ここでの利用条件とは、例えば、バッテリ交換システム１の利用可能な有効期限が過ぎていないこと、および不正利用によりバッテリ交換システム１の利用が停止されていないことである。

利用条件を満たすと判定された場合、認証部２４５は、利用者の認証が成功したと判断し、利用者の利用を許可する（ステップＳ２１２）。ステップＳ２１２の処理において、利用者の利用が許可されると、交換制御部２６２は、空きスロット２１０を開放して、交換対象の使用済みの着脱式バッテリ１００を収納させる。次に、交換制御部２６２は、開放したスロットに収納された着脱式バッテリ１００が正規のバッテリであるか否かを判定する（ステップＳ２１４）。正規のバッテリが収納されたと判定された場合、交換制御部２６２は、充電済みの着脱式バッテリ１００が収納されたスロットを開放して貸し出しを行う（ステップＳ２１６）。次に、利用情報アップロード部２７０は、利用情報を管理サーバ３００にアップロードする（ステップＳ２１８）。また、ステップＳ２１４の処理において、正規のバッテリが収納されていないと判定された場合、交換制御部２６２は、エラー処理を行う（ステップＳ２２０）。ステップＳ２２０の処理では、交換制御部２６２は、正規のバッテリが収納されていないため、充電済みの着脱式バッテリ１００を貸し出すことができないことを示す情報を表示部２３５に表示させる。また、空きスロットに収納された使用済み着脱式バッテリ１００を取り出すようにスロットを開放してもよい。

また、ステップＳ２０８の処理において、問い合わせに対応する認証情報を取得していないと判定された場合、またはステップＳ２１０の処理において、利用条件を満たさないと判定された場合、利用者認証結果によりバッテリ交換装置２００が利用できないことを利用者に通知する（ステップＳ２２２）。これにより、本フローチャートの処理は、終了する。

[変形例]
上述した実施形態において、バッテリ交換装置２００は、利用者から入力された認証情報が交換装置側記憶部２８０に記憶された認証リスト２８２に記憶されていない場合に、管理サーバ３００に認証情報の問い合わせを行う。しかしながら、台風や地震等の災害やシステムエラー等によりバッテリ交換装置２００と管理サーバ３００との通信ができない状態となり、管理サーバ３００への問い合わせができない場合があり得る。そこで、バッテリ交換装置２００は、管理サーバ３００に利用者認証情報の問い合わせを行う際、管理サーバ３００と所定時間以上通信できない場合であって、且つ所定の条件を満たす場合に、認証が成功したか否かに拘わらず、充電済みの着脱式バッテリ１００の貸し出しを行ってもよい。所定の条件を満たす場合には、例えば、利用者認証のために利用者から入力された認証用情報が、バッテリ交換システム１の登録者情報と合致する場合、または認証用情報に通信不能時の貸し出しを許可するフラグが含まれている場合等が含まれる。これにより、通信エラー等により正規の利用者認証ができない場合であっても、通信の復旧を待たずに着脱式バッテリ１００を貸し出すことができる。

なお、上述した方法で着脱式バッテリ１００を貸し出す場合、交換制御部２６２は、利用者からの認証用情報を交換装置側記憶部２８０に記憶しておき、通信の復旧後に管理サーバ３００に対して認証用情報を交換装置側記憶部２８０の問い合わせを行う。管理サーバ３００は、利用者管理テーブル３５２に合致する認証情報が存在し、且つ、利用条件を満たす場合には、その利用者に対する利用履歴を更新する。一方、管理サーバ３００は、利用者管理テーブル３５２に合致する認証情報が存在しない場合、または、利用条件を満たさない場合には、次回以降の利用者の利用を停止させる。この場合、管理サーバ３００は、利用者管理テーブル３５２のステータスを「利用停止」とし、以降の着脱式バッテリの利用を禁止する。

また、配信部３３０は、任意のタイミングで、利用停止となった利用者のリスト（利用不可リスト）をバッテリ交換装置２００に配信してもよい。ここでの任意のタイミングとは、例えば、所定時間間隔ごとのタイミングや、ステータスが利用停止となった利用者の数が所定数以上となったタイミングである。利用不可リストが配信されたバッテリ交換装置２００は、認証時に利用者からの認証用情報と利用不可リストを照合し、合致しない場合に利用者の認証が成功したものとしてもよい。

上述した実施形態によれば、バッテリ交換システム１において、電動車両１０に対して着脱自在に装着され、電動車両１０の走行用の電力を供給する着脱式バッテリ１００の交換サービスを行う複数のバッテリ交換装置２００であって、利用者の認証が成功した場合に交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置２００と、複数のバッテリ交換装置２００との間で着脱式バッテリ１００または利用者の情報を取得する取得部（サーバ側通信部３１０と管理部３２０）と、取得部により取得された情報に基づいて、利用者の認証に必要な認証情報を、複数のバッテリ交換装置２００のうち、一部のバッテリ交換装置２００に配信する配信部３３０とを備える管理装置（管理サーバ３００）と、を備え、バッテリ交換装置２００は、管理装置から配信された認証情報に基づいて利用者の認証を行うことにより、利用者の認証に必要な情報を効率的にバッテリ交換装置に配信することができる。

上記実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
利用者の認証が成功した場合に、電動車両の走行用の電力を供給する着脱式のバッテリの交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置との間で、前記バッテリまたは前記利用者の情報を取得し、
取得した前記情報に基づいて、前記利用者の認証に必要な認証情報を、前記複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信し、
配信した認証情報に基づいて前記一部のバッテリ交換装置に前記利用者の認証を実行させる、
ように構成されている、管理装置。

以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。

１…バッテリ交換システム、１０…電動車両、１００…着脱式バッテリ、２００…バッテリ交換装置、２１０…スロット、２２０…交換装置側接続部、２３０…充電器、２３５…表示部、２４０…読取部、２４５…認証部、２５０…交換装置側通信部、２６０…交換装置側制御部、２６２…交換制御部、２６４…充電制御部、２６６…認証リスト更新制御部、２６８…バッテリ情報アップロード部、２７０…利用情報アップロード部、２８０…交換装置側記憶部、２８２…認証リスト、２８４…バッテリ情報、３００…管理サーバ、３１０…サーバ側通信部、３２０…管理部、３３０…配信部、３３２…推定部、３３４…選択部、３３６…生成部、３５０…サーバ側記憶部、ＮＷ…ネットワーク

Claims (12)

1. 電動車両に対して着脱自在に装着され、前記電動車両の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う複数のバッテリ交換装置であって、利用者の認証が成功した場合に前記交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置と、
   前記複数のバッテリ交換装置との間で前記バッテリまたは前記利用者の情報を取得する取得部と、
   前記取得部により取得された前記情報に基づいて、前記利用者の認証に必要な認証情報を、前記複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信する配信部と、を備える管理装置と、を備え、
   前記バッテリ交換装置は、前記管理装置から配信された認証情報に基づいて前記利用者の認証を行う、
   バッテリ交換システム。
2. 前記配信部は、前記複数のバッテリ交換装置のうち、前記利用者が利用する可能性があるバッテリ交換装置に、前記利用者の認証情報を配信する、
   請求項１に記載のバッテリ交換システム。
3. 前記配信部は、前記複数のバッテリ交換装置のうち、前記利用者が最後に利用したバッテリ交換装置を起点とした前記電動車両の移動可能距離に基づいて、前記利用者が次に利用する可能性のあるバッテリ交換装置を推定し、推定したバッテリ交換装置に前記利用者の認証情報を配信する、
   請求項２に記載のバッテリ交換システム。
4. 前記バッテリ交換装置は、
   前記配信部から配信された認証情報を記憶する記憶部と、
   前記記憶部に記憶された認証情報を用いて、前記バッテリの返却および貸出を受け付ける利用者を認証する認証部と、を備える、
   請求項１から３のうち何れか１項に記載のバッテリ交換システム。
5. 前記配信部により配信された認証情報を取得した場合に、前記記憶部に記憶された認証情報を新たに取得した認証情報に置き換えて更新する更新制御部を更に備える、
   請求項４に記載のバッテリ交換システム。
6. 前記配信部は、前記バッテリ交換装置に既に配信された認証情報からの差分情報を生成し、生成した差分情報を前記バッテリ交換装置に配信し、
   前記更新制御部は、前記配信部により配信された前記差分情報を取得した場合に、前記差分情報に基づいて前記記憶部に記憶された認証情報を更新する、
   請求項５に記載のバッテリ交換システム。
7. 前記更新制御部は、前記差分情報に特定利用者が含まれる場合に、前記記憶部に記憶された認証情報から前記特定利用者に関する認証情報を削除する、
   請求項６に記載のバッテリ交換システム。
8. 前記配信部は、前記バッテリ交換装置から所定範囲内に存在する利用者の認証に必要な認証情報を生成し、生成した前記認証情報を前記バッテリ交換装置に配信する、
   請求項１から７のうち何れか１項に記載のバッテリ交換システム。
9. 前記配信部は、前記利用者の前記電動車両の位置情報、前記利用者が利用する端末装置の位置情報、前記バッテリ交換装置の利用履歴、または前記利用者の住所に基づいて、前記バッテリ交換装置から所定範囲内に存在する利用者を推定し、推定した利用者の認証に必要な認証情報を生成する、
   請求項８に記載のバッテリ交換システム。
10. 利用者の認証が成功した場合に、電動車両の走行用の電力を供給する着脱式のバッテリの交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置との間で、前記バッテリの情報を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記バッテリの情報に基づいて、前記利用者の認証に必要な認証情報を、前記複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信し、配信した認証情報に基づいて前記一部のバッテリ交換装置に前記利用者の認証を実行させる配信部と、
    を備える管理装置。
11. コンピュータが、
    利用者の認証が成功した場合に、電動車両の走行用の電力を供給する着脱式のバッテリの交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置との間で、前記バッテリまたは前記利用者の情報を取得し、
    取得した前記情報に基づいて、前記利用者の認証に必要な認証情報を、前記複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信し、
    配信した認証情報に基づいて前記一部のバッテリ交換装置に前記利用者の認証を実行させる、
    管理方法。
12. コンピュータに、
    利用者の認証が成功した場合に、電動車両の走行用の電力を供給する着脱式のバッテリの交換サービスを実行する複数のバッテリ交換装置との間で、前記バッテリまたは前記利用者の情報を取得させ、
    取得させた前記情報に基づいて、前記利用者の認証に必要な認証情報を、前記複数のバッテリ交換装置のうち、一部のバッテリ交換装置に配信させ、
    配信させた認証情報に基づいて前記一部のバッテリ交換装置に前記利用者の認証を実行させる、
    プログラム。

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