WO2022003862A1

WO2022003862A1 - スライダー

Info

Publication number: WO2022003862A1
Application number: PCT/JP2020/025820
Authority: WO
Inventors: 陽平宮崎; 宏次山岸
Original assignee: Ykk株式会社
Priority date: 2020-07-01
Filing date: 2020-07-01
Publication date: 2022-01-06
Also published as: CN115734721A

Abstract

スライダー（１，１Ｂ～１Ｆ）は、胴体（１０，１０Ｂ，１０Ｃ）、引手（５０）およびロックピン（６０）を備える。胴体（１０，１０Ｂ，１０Ｃ）は、平面割りの金型を用いて製造される第一胴部材（２０，２０Ｂ，２０Ｃ）と、饅頭割りまたは平面割りの金型を用いて製造される第二胴部材（３０，３０Ｂ，３０Ｃ）とによって構成される。第一胴部材（２０，２０Ｂ，２０Ｃ）と第二胴部材（３０，３０Ｂ，３０Ｃ）とは直接に係合される。

Description

スライダー

　本発明は、衣服の腹部周りや袖部周りなどの特定の部位の寸法を調整するアジャスタブルジッパーに用いられるスライダーに関する。

　従来、物品の第１位置に配される操作部の操作により、紐類を介して物品の第２位置を変更させる紐端固着部位変更具が知られている（特許文献１参照）。紐端固着部位変更具は、互いに紐類６または離脱するエレメント列を有する２つのテープと、各エレメント列が挿通される第１、第２スライダーと、第１、第２スライダーを連結する連結部材とを備えており、連結部材には紐類の一端部が取り付けられ、この紐類の他端部は物品の第２位置に取り付けられている。連結部材は、第１、第２スライダーを上方から被覆するカバー体と、第１、第２スライダーを連結する連結体とを備えており、連結体はカバー体に取り付けられている。この紐端固着部位変更具では、物品の第１位置にある操作部の操作によって第１、第２スライダーがスライド移動し、物品の第２位置が変更されるようになっている。

国際公開第２００６／１３７２９３号

　ところで、特許文献１の記載の紐端固着部位変更具では、連結部材によって連結された第１、第２スライダーが外部に露出するので見栄えがよくなく、また、第１、第２スライダーという二つの部材を備えるのでスライダーの小型化を図り難い。

　本発明の目的は、見栄えがよく且つ小型化を図ることができるアジャスタブルジッパー用のスライダーを提供することにある。

　本発明のスライダーは、一対のテープに沿ったエレメント列が噛合および離間可能に挿通される案内溝が構成される胴体と、前記胴体をスライド方向に操作可能な引手と、前記案内溝において前記エレメント列に対して係合可能なロックピンとを備えており、前記胴体は、前記引手および前記ロックピンが取り付けられる第一胴部材と、前記第一胴部材と係合する第二胴部材とによって構成されており、前記第一胴部材および前記第二胴部材のうちの一方には、紐類を取付可能な紐類取付部が形成されており、前記第一胴部材は、上板部と、前記上板部に連続した柱部と、前記柱部に形成された第一係合部とを有しており、前記第二胴部材は、前記上板部に対向する下板部と、前記下板部のうち前記スライド方向において前記柱部に対して前後両側にそれぞれ形成された左右のガイド側部と、前記第一係合部と係合可能に形成された第二係合部とを有している。

　本発明のスライダーでは、前記第一係合部は、前記柱部の下部から前記スライド方向における前後両側に延出した係合本体片部と、前記係合本体片部の前後両側において下方に下げられた係合段部とを有しており、前記第二係合部は、前記前後両側の係合段部のうちの一方の係合段部と係合可能に前記下板部に形成された一方の係合孔部と、前記前後両側の係合段部のうちの他方の係合段部と係合可能に前記下板部に形成された他方の係合孔部とを有しており、前記一方の係合段部および前記一方の係合孔部の前記スライド方向における係合代は、前記他方の係合段部および前記他方の係合孔部の前記スライド方向における係合代よりも大きくされていてもよい。

　本発明のスライダーでは、前記第二胴部材には、前記一方の係合孔部の左右両側に加締め用溝が形成されていてもよい。

　本発明のスライダーでは、前記第一係合部は、前記柱部の下部に連続した板状の係合本体板部と、前記係合本体板部の前記スライド方向における前後両側にそれぞれ形成された左右の係合孔部とを有しており、前記第二係合部は、前記前後両側における左右のガイド側部にそれぞれ形成された係合爪部を有しており、前記各係合孔部には、前記各ガイド側部が差し込まれており、前記各係合爪部は前記係合本体板部に係合してもよい。

　本発明のスライダーは、一対のテープに沿ったエレメント列が噛合および離間可能に挿通される案内溝が構成される胴体と、前記胴体をスライド方向に操作可能な引手と、前記案内溝において前記エレメント列に対して係合可能なロックピンとを備えており、前記胴体は、前記引手および前記ロックピンが取り付けられる第一胴部材と、前記第一胴部材と係合する第二胴部材とによって構成されており、前記第一胴部材は、上板部および下板部と、前記上板部および前記下板部をつないだ柱部と、紐類を取付可能に前記下板部に形成された紐類取付部と、前記上板部および前記下板部のうちの少なくとも一方に形成された第一係合部とを有しており、前記第二胴部材は、前記スライド方向において前記上板部および前記下板部の間に差し込まれる差込本体部と、前記第一係合部と係合可能に形成された第二係合部とを有しており、前記胴体は、前記柱部に対して、前記スライド方向における前後両側にそれぞれ配置される左右のガイド側部を有しており、前記前後一方側の左右のガイド側部は前記下板部にそれぞれ形成されており、前記前後他方側の左右のガイド側部は前記差込本体部にそれぞれ形成されている。

　本発明のスライダーでは、前記差込本体部は、内上板部および内下板部と、前記内上板部および前記内下板部をつないだ補助柱部とを有しており、前記内上板部は、前記上板部に沿って配置されており、前記内下板部は、前記下板部に沿って配置されており、前記補助柱部は、前記柱部に対して前記前後他方側から嵌着されていてもよい。

　本発明のスライダーでは、前記ロックピンは、前記案内溝に配置される係合端部と、前記上板部に取り付けられる取付端部とを有した弾性片によって形成されており、前記上板部には、前記係合端部が挿通されるピン差込孔部と、前記取付端部が取り付けられるピン取付部とが形成されていてもよい。

　本発明のスライダーでは、前記ピン取付部は、前記取付端部を加締める加締め部を有していてもよい。

　本発明のスライダーでは、前記取付端部は前記弾性片を折り返して形成されており、前記ピン取付部は、前記取付端部の先端を引っ掛ける引掛部を有していてもよい。

　本発明のスライダーでは、前記ピン取付部は、前記取付端部が差し込まれるピン挿通部と、前記取付端部に対して上方から押し当たるピン押え部とを有していてもよい。

　本発明によれば、見栄えがよく且つ小型化を図ることができるアジャスタブルジッパー用のスライダーを提供することができる。

本発明の第１実施形態に係るスライダーを示す斜視図。第１実施形態に係るスライダーを展開して示す斜視図。第１実施形態に係るスライダーの組立てを示す説明図。第１実施形態に係るスライダーの組立てを示す説明図。本発明の第２実施形態に係るスライダーを示す斜視図。第２実施形態に係るスライダーを展開して示す斜視図。第２実施形態に係るスライダーを示す縦断面図。本発明の第３実施形態に係るスライダーを示す斜視図。第３実施形態に係るスライダーを展開して示す斜視図。第３実施形態に係るスライダーの組立てを示す説明図。本発明の第４実施形態に係るスライダーを示す斜視図。第４実施形態に係るスライダーを示す縦断面図。本発明の第５実施形態に係るスライダーを示す斜視図。第５実施形態に係るスライダーを示す縦断面図。本発明の第６実施形態に係るスライダーを示す斜視図。第６実施形態に係るスライダーを示す縦断面図。

［第１実施形態］
　以下、本発明の第１実施形態を図面に基づいて説明する。
　図１から図４において、第１実施形態に係るスライダー１は、衣服の腹部周りや袖部周りなどの物品の特定の部位の寸法を調整するアジャスタブルジッパーに用いられるものである。スライダー１は、一対のテープ（図示省略）に沿ったエレメント列（図示省略）が噛合および離間可能に挿通される案内溝１１が構成される胴体１０と、胴体１０をスライド方向に操作可能な引手５０と、案内溝１１においてエレメント列に対して係合可能なロックピン６０とを備えている。
　以下の説明において、スライダー１がスライド移動するスライド方向をＸ軸方向とし、Ｘ軸方向に直交する方向をＹ軸方向（左右方向、幅方向）とし、Ｘ軸方向およびＹ軸方向に直交する方向をＺ軸方向（上下方向、厚さ方向）とする。

　胴体１０は、平面割りの金型で製造される金属製の第一胴部材２０と、饅頭割りの金型で製造される第二胴部材３０とによって構成されている。
　引手５０は、板状の引手本体５１と、引手本体５１の端部に形成された軸部５２とを有している。軸部５２はその回動においてロックピン６０を上方に弾性変形可能なカム形状とされている。
　ロックピン６０は、係合端部６１および取付端部６２を有して湾曲形成された弾性片６３によって構成されている。

　第一胴部材２０は、上板部２１と、上板部２１に連続した柱部２２と、柱部２２に形成された第一係合部２３とを有している。上板部２１には、引手５０の軸部５２が回動可能に連結される連結部２１１が形成されている。上板部２１および柱部２２には、ロックピン６０が配置されるピン装着部２４が形成されている。上板部２１の上面２１５は、連結部２１１およびピン装着部２４が装着されている部分を除いて平坦面によって形成されている。

　連結部２１１は、図２に示すように、上板部２１から上方に突出し且つＸ軸方向で互いに対向した一対の連結片部２１２を有しており、一対の連結片部２１２の間に連結溝２１３が形成されている。この一対の連結片部２１２は、ピン装着部２４に対して左右にそれぞれ形成されている。この連結部２１１は、連結溝２１３に対して引手５０の軸部５２が上方から入れられ、一対の連結片部２１２の先端部が加締められて互いに接近することで、図１に示すように引手５０と連結される。

　ピン装着部２４は、本実施形態ではＸ軸方向に沿って溝状に形成されており、ロックピン６０の係合端部６１が差し込まれるピン差込孔部２４１と、取付端部６２が取り付けられるピン取付部２４２とを有している。ピン差込孔部２４１は、係合端部６１が案内溝１１に対して出没可能に上板部２１を上下に貫通して形成されている。ピン取付部２４２は、ロックピン６０の取付端部６２が前後の壁部に押し当たることで係止可能に上板部２１および柱部２２を上下に貫通して形成されている。
　ここで、ピン装着部２４に装着されたロックピン６０は、引手５０の軸部５２に上方から当接している。係合端部６１は、平常時には案内溝１１に突出してエレメント列に係合する配置とされており、スライダー１のＸ軸方向におけるスライド移動を規制している。また、係合端部６１は、操作される引手５０の回動においてロックピン６０が軸部５２によって上方に弾性変形されると、案内溝１１から引き抜かれてエレメント列との係合を解除する配置とされている。

　第一係合部２３は、柱部２２の下部からＸ軸方向における前後両側に延出した係合本体片部２３１と、係合本体片部２３１の前後両側において下方に下げられた係合段部２３２，２３３とを有している。図４に示すように、係合段部２３２は係合本体片部２３１の下面から前後一方側に延出しており、係合段部２３３は係合本体片部２３１の下面から前後他方側に延出している。
　係合本体片部２３１のＸ軸方向における寸法Ｌ１は、後述する下板部３１に形成された溝部３５のＸ軸方向における寸法Ｌ２よりも小さい寸法とされている。係合段部２３２の上面２３２ＡのＸ軸方向における寸法Ｌ３は、係合段部２３３の上面２３３ＡのＸ軸方向における寸法Ｌ４よりも大きい寸法とされている。寸法Ｌ１，Ｌ４を合わせた寸法は、寸法Ｌ２と同等以下の寸法とされている。寸法Ｌ１，Ｌ３，Ｌ４を合わせた寸法は、寸法Ｌ２よりも大きい寸法とされている。

　第二胴部材３０は、図２に示すように、下板部３１と、下板部３１のうちＸ軸方向において柱部２２に対して前後両側にそれぞれ形成された左右のガイド側部３２と、下板部３１における前後一方の端部に設けられた紐類取付部３３と、第一係合部２３と係合可能に形成された第二係合部３４とを有している。下板部３１には、左右のガイド側部３２の間においてＸ軸方向に延びた溝部３５が形成されている。下板部３１の下面３１０全体は突起などのない比較的平らな面とされるのが好ましい。

　紐類取付部３３は、Ｚ軸方向に貫通した孔部によって形成されており、この孔部に紐類（図示省略）が通されて取り付けられる。ここで、紐類は、衣服などの物品の特定の部位に連結され、スライダー１のスライド移動によって前記特定の部位を引き締めたり緩めたりするものである。

　前後一方側における左右のガイド側部３２のうちＹ軸方向で対向するガイド側面３２１は、前後一方側から前後他方側に向かうに連れて左右外側に向かうようにＸ軸方向に対して傾斜している。このため、前後一方側における左右のガイド側面３２１の間隔は、前後一方側から前後他方側に向かうに連れて徐々に大きくなっている。

　前後他方側における左右のガイド側部３２のうちＹ軸方向で対向するガイド側面３２１は、前後他方側から前後一方側に向かうに連れて左右外側に向かうようにＸ軸方向に対して傾斜している。このため、前後他方側における左右のガイド側面３２１の間隔は、前後他方側から前後一方側に向かうに連れて徐々に大きくなっている。

　第二係合部３４は、下板部３１に形成された前後の係合孔部３４１，３４２を有している。前後一方側の係合孔部３４１は、前後一方側の係合段部２３２を差込可能に溝部３５のＸ軸方向における前後一方の端部に連通して形成されている。前後他方側の係合孔部３４２は、前後他方側の係合段部２３３を差込可能に溝部３５のＸ軸方向における前後他方の端部に連通して形成されている。また、下板部３１には、係合孔部３４１の左右両側に加締め用溝３１３が形成されている。

　係合孔部３４１と係合段部２３２とのＸ軸方向における係合代、本実施形態では下板部３１のうち係合孔部３４１を形成する部分の下面３１１と係合段部２３２の上面２３２ＡとのＸ軸方向における係合代は、係合孔部３４２と係合段部２３３とのＸ軸方向における係合代、本実施形態では下板部３１のうち係合孔部３４２を形成する部分の下面３１２と係合段部２３３の上面２３３ＡとのＸ軸方向における係合代よりも大きくされている。

　以下、スライダー１の組立手順を説明する。
　まず、引手５０およびロックピン６０を第一胴部材２０の連結部２１１およびピン装着部２４に取り付けておき、図３に示すように、第一胴部材２０の係合段部２３２を係合孔部３４１に差し込む。続いて、第一胴部材２０の係合段部２３３を係合孔部３４２に配置すると共に係合本体片部２３１を下板部３１の溝部３５に配置する。
　次に、第一胴部材２０を第二胴部材３０に対して前後他方側（係合孔部３４２側）にスライド移動して、係合段部２３３を係合孔部３４２に係合する。このとき、係合段部２３２，２３３は図４に示すように係合孔部３４１，３４２にそれぞれ係合した状態となり、係合段部２３２の上面２３２Ａは下板部３１の下面３１１に当接し、係合段部２３３の上面２３３Ａは下板部３１の下面３１２に当接する。
　最後に、第二胴部材３０の左右の加締め用溝３１３に工具を差し込んで加締めることで、係合段部２３２が係合孔部３４１から抜け出ることを防止する。
　このように第一胴部材２０および第二胴部材３０を直接に係合することで胴体１０を構成するので、スライダー１を簡単に組み立てられる。

　このように組み立てられたスライダー１の案内溝１１には一対のテープのエレメント列が挿通される。スライダー１のスライド移動において、一対のエレメント列は柱部２２で左右に分離され、分離後は左右のガイド側部３２に案内されて噛合する。このため、エレメント列のうちスライダー１が配置されていない部分は常に噛合した状態とされる。

　第１実施形態に係るスライダー１によれば、第一係合部２３および第二係合部３４が引手５０などの他の部材を用いずに直接に係合するので、単一のスライダー１を構成でき、例えば二つのスライダー部材を連結部材によって連結してスライダーを構成する場合と比べて、外部に露出するのは単一のスライダー１となるので見栄えをよくでき、また、連結部材などが必要ないのでスライダー１の小型化を図ることができる。
　また、前述したように第一係合部２３および第二係合部３４が直接に係合するので、第一胴部材２０および第二胴部材３０の相互の位置合わせを容易に行えると共に他の部材の取付作業を省くことができ、第一胴部材２０および第二胴部材３０の連結の手間を軽減できる。このため、アジャスタブルジッパーに用いられるスライダー１の生産性を向上できる。また、第一胴部材２０および第二胴部材３０の連結前に、第一胴部材２０自体に対して引手５０およびロックピン６０を取り付けておくことができるので、スライダー１の生産性を向上できる。
　更に、第一胴部材２０が上板部２１、柱部２２および第一係合部２３を有する一方、第二胴部材３０が下板部３１、前後両側における左右のガイド側部３２および第二係合部３４を有するので、第一胴部材２０の製造に平面割りなどの通常の金型を採用できると共に、第二胴部材３０の製造に饅頭割りなどの通常の金型を採用でき、例えば特殊割りの専用金型を採用する場合と比べて、金型の製作が容易であると共に、金型の耐久性を向上できる。

［第２実施形態］
　以下、本発明の第２実施形態を図面に基づいて説明する。
　図５から図７において、第２実施形態に係るスライダー１Ｂは、前述同様にアジャスタブルジッパーに用いられるものであり、一対のテープに沿ったエレメント列が噛合および離間可能に挿通される案内溝１１が構成される胴体１０Ｂと、引手５０と、ロックピン６０とを備えている。胴体１０Ｂは、平面割りの金型で製造される金属製の第一胴部材２０Ｂと、饅頭割りの金型で製造される第二胴部材３０Ｂとによって構成されている。

　第一胴部材２０Ｂは、上板部２１Ｂと、上板部２１Ｂに連続した柱部２２Ｂと、柱部２２Ｂに形成された第一係合部２３Ｂとを有している。上板部２１Ｂには、前述した連結部２１１が形成されており、連結部２１１に引手５０が回動可能に連結されている。上板部２１Ｂおよび柱部２２Ｂには前述したピン装着部２４が形成されており、ピン装着部２４にロックピン６０が装着されている。上板部２１Ｂの上面２１５は連結部２１１およびピン装着部２４が装着されている部分を除いて平坦面によって形成されている。

　第一係合部２３Ｂは、柱部２２Ｂの下部に連続した板状の係合本体板部２３１Ｂと、係合本体板部２３１ＢのＸ軸方向における前後両側にそれぞれ形成された左右の係合孔部２３４Ｂとを有している。係合本体板部２３１Ｂの前後一方側の端部には紐類取付部３３が形成されている。係合本体板部２３１Ｂには、Ｘ軸方向に沿った左右の側壁部２３５Ｂが形成されている。図７では、左右一方における前後の係合孔部２３４Ｂを示している。図示しないが、左右他方にも同様に前後の係合孔部２３４Ｂがある。各係合孔部２３４Ｂの孔形状は、後述する各ガイド側部３２Ｂと相補的な形状に形成されている。

　第二胴部材３０Ｂは、下板部３１Ｂと、下板部３１ＢのうちＸ軸方向において柱部２２Ｂに対して前後両側にそれぞれ形成された左右のガイド側部３２Ｂと、第一係合部２３Ｂと係合可能に形成された第二係合部３４Ｂとを有している。下板部３１Ｂの下面３１０全体は突起などのない比較的平らな面とされるのが好ましい。前後両側における左右のガイド側部３２Ｂは、前述した左右のガイド側部３２と概略同様に構成されているので、詳細な説明を省略する。

　第二係合部３４Ｂは、各ガイド側部３２Ｂにそれぞれ形成された係合爪部３４５Ｂを有している。前後一方側における左右のガイド側部３２Ｂに形成された左右の係合爪部３４５Ｂは、前後他方側における左右のガイド側部３２Ｂに向かってＸ軸方向に突出している。前後他方側における左右のガイド側部３２Ｂに形成された左右の係合爪部３４５Ｂは、前後一方側における左右のガイド側部３２Ｂに向かってＸ軸方向に突出している。

　以下、スライダー１Ｂの組立手順を説明する。
　まず、引手５０およびロックピン６０を連結部２１１およびピン装着部２４に取り付けた第一胴部材２０Ｂを準備する。次に、第一胴部材２０Ｂの前後両側における左右の係合孔部２３４Ｂに対し、第二胴部材３０Ｂの前後両側における左右のガイド側部３２Ｂを下方から差し込む。続いて、前後両側における左右の係合爪部３４５Ｂを係合本体板部２３１Ｂに係合し、係合本体板部２３１Ｂと下板部３１Ｂとが沿った状態とする。
　このように第一胴部材２０Ｂおよび第二胴部材３０Ｂを直接に係合することで胴体１０Ｂを構成するので、スライダー１Ｂを簡単に組み立てられる。

　このように組み立てられたスライダー１Ｂの案内溝１１には一対のテープのエレメント列が挿通される。スライダー１Ｂのスライド移動において、一対のエレメント列は柱部２２Ｂで左右に分離され、分離後は左右のガイド側部３２Ｂに案内されて噛合する。このため、エレメント列のうちスライダー１Ｂが配置されていない部分は常に噛合した状態とされる。

　第２実施形態のスライダー１Ｂによれば、第一胴部材２０Ｂおよび第二胴部材３０Ｂが直接に係合するので、これらの連結の手間を軽減でき、また、第一胴部材２０Ｂおよび第二胴部材３０Ｂの製造に平面割り、饅頭割りなどの通常の金型を採用できる。
　このため、第２実施形態のスライダー１Ｂは前述した作用効果を発揮可能である。

［第３実施形態］
　以下、本発明の第３実施形態を図面に基づいて説明する。
　図８から図１０において、第３実施形態に係るスライダー１Ｃは、前述同様にアジャスタブルジッパーに用いられるものであり、一対のテープに沿ったエレメント列が噛合および離間可能に挿通される案内溝１１が構成される胴体１０Ｃと、引手５０と、ロックピン６０とを備えている。胴体１０Ｃは、平面割りの金型で製造される第一胴部材２０Ｃおよび第二胴部材３０Ｃによって構成されており、後述する柱部２２Ｃに対して、Ｘ軸方向における前後両側にそれぞれ配置される左右のガイド側部３２Ｃを有している。

　第一胴部材２０Ｃは、上板部２１Ｃおよび下板部２５Ｃと、上板部２１Ｃおよび下板部２５Ｃをつないだ柱部２２Ｃと、下板部２５Ｃに形成された紐類取付部３３と、下板部２５Ｃに形成された第一係合部２３Ｃとを有している。上板部２１Ｃには、前述した連結部２１１が形成されており、連結部２１１に引手５０が回動可能に連結されている。上板部２１Ｃおよび柱部２２Ｃには前述したピン装着部２４が形成されており、ピン装着部２４にロックピン６０が装着されている。上板部２１Ｃの上面２１５は連結部２１１およびピン装着部２４が装着されている部分を除いて平坦面によって形成されている。下板部２５Ｃの下面３１０全体は突起などのない比較的平らな面とされるのが好ましい。

　紐類取付部３３は、下板部２５ＣのＸ軸方向における前後一方の端部に配置されている。
　第一係合部２３Ｃは、下板部２５ＣのＸ軸方向における前後他方の端部に設けられた係合凹部によって構成されている。
　前後一方側の左右のガイド側部３２Ｃは、下板部２５Ｃの前後一方側に形成されており、Ｘ軸方向において柱部２２Ｃおよび紐類取付部３３の間に配置されている。この左右のガイド側部３２Ｃは、前述した左右のガイド側部３２と概略同様に構成されているので、詳細な説明を省略する。

　第二胴部材３０Ｃは、Ｘ軸方向において上板部２１Ｃおよび下板部２５Ｃの間に差し込まれる差込本体部３６Ｃと、第一係合部２３Ｃと係合可能に形成された第二係合部３４Ｃとを有している。

　差込本体部３６Ｃは、内上板部３７Ｃおよび内下板部３８Ｃと、内上板部３７Ｃおよび内下板部３８Ｃをつないだ補助柱部３９Ｃとを有している。内上板部３７Ｃは上板部２１Ｃに沿って配置される。内下板部３８Ｃは下板部２５Ｃに沿って配置される。補助柱部３９Ｃは柱部２２Ｃに対してＸ軸方向における前後他方側から嵌着される。補助柱部３９Ｃがこのように嵌着されることで、第二胴部材３０Ｃを第一胴部材２０Ｃに対して簡単に且つガタつきなく組み合わせることができる。

　第二係合部３４Ｃは、図１０に示すように内下板部３８Ｃに設けられた係合凸部によって構成されており、内下板部３８Ｃの下面から下方に突出している。
　前後他方側の左右のガイド側部３２Ｃは、内下板部３８Ｃにそれぞれ形成されている。この左右のガイド側部３２Ｃは、前述した左右のガイド側部３２と概略同様に構成されているので、詳細な説明を省略する。

　以下、スライダー１Ｃの組立手順を説明する。
　まず、引手５０およびロックピン６０を連結部２１１およびピン装着部２４に取り付けた第一胴部材２０Ｃを準備する。次に、第一胴部材２０Ｃに対し、第二胴部材３０ＣをＸ軸方向における前後他方側から差し込み、第二係合部３４Ｃを第一係合部２３Ｃと係合させる。このとき、内上板部３７Ｃは上板部２１Ｃに沿って配置され、内下板部３８Ｃは下板部２５Ｃに沿って配置され、補助柱部３９Ｃは柱部２２Ｃに嵌着される。案内溝１１は第一胴部材２０Ｃおよび第二胴部材３０Ｃによって形成される。
　このように第一胴部材２０Ｃおよび第二胴部材３０Ｃを直接に係合することで胴体１０Ｃを構成するので、スライダー１Ｃを簡単に組み立てられる。

　このように組み立てられたスライダー１Ｃの案内溝１１には一対のテープのエレメント列が挿通される。スライダー１Ｃのスライド移動において、一対のエレメント列は柱部２２Ｃで左右に分離され、分離後は左右のガイド側部３２Ｃに案内されて噛合する。このため、エレメント列のうちスライダー１Ｃが配置されていない部分は常に噛合した状態とされる。

　第３実施形態のスライダー１Ｃによれば、第一胴部材２０Ｃおよび第二胴部材３０Ｃが直接に係合するので、単一のスライダー１Ｃを構成でき、例えば二つのスライダー部材を連結部材によって連結してスライダーを構成する場合と比べて、外部に露出するのは単一のスライダー１Ｃとなるので見栄えをよくでき、また、連結部材などが必要ないのでスライダー１Ｃの小型化を図ることができる。
　また、前述したように第一胴部材２０Ｃおよび第二胴部材３０Ｃが直接に係合するので、これらの連結の手間を軽減できる。
　更に、第一胴部材２０Ｃに対してＸ軸方向における前後一方側の左右のガイド側部３２Ｃが形成される一方、第二胴部材３０Ｃに対してＸ軸方向における前後他方側の左右のガイド側部３２Ｃが形成されるので、第一胴部材２０Ｃおよび第二胴部材３０Ｃの製造に平面割りなどの通常の金型を採用でき、例えば特殊割りの専用金型を採用する場合と比べて、金型の製作が容易であると共に、金型の耐久性を向上できる。
　このため、第３実施形態のスライダー１Ｃは前述した作用効果を発揮可能である。

［第４実施形態］
　以下、本発明の第４実施形態を図面に基づいて説明する。
　図１１および図１２において、第４実施形態に係るスライダー１Ｄは、第１実施形態に係るスライダー１と概略同様に構成されているが、ロックピン６０の取付端部６２およびピン装着部２４のピン取付部２４２の構成が異なっている。

　本実施形態におけるロックピン６０の取付端部６２は、図４に示すように上板部２１から柱部２２の内部に向かって湾曲形成されるものではなく、図１２に示すようにＸ軸方向に延びて形成されており、その先端が下方に曲げられている。なお、取付端部６２は係合端部６１からＸ軸方向に離間するに連れて下方に向かうようにＸ軸方向に対して下方に傾斜している。

　本実施形態におけるピン取付部２４２は、ロックピン６０の取付端部６２を加締める加締め部２４３を有している。加締め部２４３は、図１１に示すように取付端部６２に対して左右に配置された加締め片部２４４によって構成されている。

　スライダー１Ｄでは、ピン装着部２４に配置したロックピン６０を加締め部２４３によって取付端部６２を左右から加締めることで、ロックピン６０を上板部２１に簡単に取り付けられる。

［第５実施形態］
　以下、本発明の第５実施形態を図面に基づいて説明する。
　図１３および図１４において、第５実施形態に係るスライダー１Ｅは、第１実施形態に係るスライダー１と概略同様に構成されているが、ロックピン６０の取付端部６２およびピン装着部２４のピン取付部２４２の構成が異なっている。

　本実施形態におけるロックピン６０の取付端部６２は、図１４に示すように弾性片６３を折り返して断面略Ｕ字状に形成されている。

　本実施形態におけるピン取付部２４２は、ロックピン６０の取付端部６２の先端を引っ掛ける引掛部２４５を有している。引掛部２４５は、図１３に示すように取付端部６２に対して左右に配置された引掛片部２４６によって構成されている。左右の引掛片部２４６の上縁部は左右内側に突出しており、上縁部のうちＸ軸方向における係合端部６１側の部分には下方に突出した先端掛部２４７が形成されている。

　スライダー１Ｅでは、ロックピン６０の取付端部６２を左右の引掛片部２４６の間に差し込み、取付端部６２の先端を先端掛部２４７に引っ掛けることで、ロックピン６０を上板部２１に簡単に取り付けられる。

［第６実施形態］
　以下、本発明の第６実施形態を図面に基づいて説明する。
　図１５および図１６において、第６実施形態に係るスライダー１Ｆは、第１実施形態に係るスライダー１と概略同様に構成されているが、ロックピン６０の取付端部６２の構成およびピン装着部２４のピン取付部２４２が異なっている。

　本実施形態におけるロックピン６０の取付端部６２は、図１６に示すようにＸ軸方向に延びており、係合端部６１からＸ軸方向に離間するに連れて下方に向かうようにＸ軸方向に対して下方に傾斜している。

　本実施形態におけるピン取付部２４２は、取付端部６２に対して左右に配置されたピン押え片部２４８によって構成されるピン押え部２４９と、左右のピン押え片部２４８の間に形成されるピン挿通部２５０とを有している。左右のピン押え片部２４８の上縁部は左右内側に突出したピン当接部２５１として構成されている。

　スライダー１Ｆでは、ロックピン６０の取付端部６２をピン挿通部２５０に差し込むことで、ピン当接部２５１が取付端部６２に対して上方から押し当たることで、ロックピン６０を上板部２１に簡単に取り付けられる。

　前述した第４実施形態から第６実施形態のスライダー１Ｄ～１Ｆによれば、例えば第１実施形態のようにロックピン６０の取付端部６２を上板部２１から柱部２２に差し込んで取り付ける場合と比べて、ロックピン６０を柱部２２に差し込む必要がなくなる。このため、柱部２２Ｃや連結部２１１の配置の制約が少なくなり、柱部２２Ｃおよび連結部２１１を胴体１０ＣのＸ軸方向における中央位置に配置することも容易となるので、スライダー１Ｆの操作性および意匠性の向上を図ることができる。
　また、第４実施形態から第６実施形態のスライダー１Ｄ～１Ｆによれば、前述した第１実施形態における作用効果と同様の作用効果を発揮可能である。

［変形例］
　第１実施形態では、紐類取付部３３は、第二胴部材３０の前後一方の端部に形成されているが、これに限らず、前後一方の端部に対して反対側の他方の端部や前後両端部に形成されていてもよく、また、第二胴部材３０のＹ軸方向における両縁または一方縁に形成されていてもよい。

　第２実施形態では、第一胴部材２０Ｂに紐類取付部３３が取り付けられているが、第一胴部材２０Ｂではなく第二胴部材３０Ｂに取り付けられていてもよい。また、第２実施形態における紐類取付部３３は、第一胴部材２０Ｂの第一係合部２３Ｂにおける係合本体板部２３１Ｂの前後一方の端部に形成されているが、前後一方の端部に対して反対側の他方の端部や前後両端部に形成されていてもよく、また、第一胴部材２０ＢのＹ軸方向における両縁または一方縁に形成されていてもよい。

　第３実施形態では、第一係合部２３Ｃが下板部２５Ｃに形成され且つ第二係合部３４Ｃが内下板部３８Ｃに形成されているが、これに代えてまたは加えて、第一係合部２３Ｃが上板部２１Ｃに形成され且つ第二係合部３４Ｃが内上板部３７Ｃに形成されていてもよい。

　第３実施形態では、前後一方側の左右のガイド側部３２Ｃが下板部２５Ｃに形成され、前後他方側の左右のガイド側部３２Ｃが内下板部３８Ｃに形成されているが、これに限らず、前後一方側の左右のガイド側部３２Ｃが上板部２１Ｃに形成され、前後他方側の左右のガイド側部３２Ｃが内上板部３７Ｃに形成されていてもよい。

　第２、第３実施形態では、第１実施形態と同様に、ロックピン６０の取付端部６２を上板部２１Ｂ，２１Ｃから柱部２２に差し込む構成としているが、これに限らず、例えば第４実施形態から第６実施形態のいずれかと同様にロックピン６０の取付端部６２およびピン取付部２４２を構成し、ロックピン６０を上板部２１Ｂ，２１Ｃに取り付けてもよい。

　１，１Ｂ～１Ｆ…スライダー、１０，１０Ｂ,１０Ｃ…胴体、１１…案内溝、２０，２０Ｂ，２０Ｃ…第一胴部材、２１，２１Ｂ，２１Ｃ…上板部、２１１…連結部、２１２…連結片部、２１３…連結溝、２１５，２３２Ａ，２３３Ａ…上面、２２，２２Ｂ，２２Ｃ…柱部、２３，２３Ｂ,２３Ｃ…第一係合部、２３１…係合本体片部、２３１Ｂ…係合本体板部、２３２，２３３…係合段部、２３４Ｂ…係合孔部、２３５Ｂ…側壁部、２４…ピン装着部、２４１…ピン差込孔部、２４２…ピン取付部、２４３…加締め部、２４４…加締め片部、２４５…引掛部、２４６…引掛片部、２４７…先端掛部、２４８…ピン押え片部、２４９…ピン押え部、２５０…ピン挿通部、２５１…ピン当接部、２５Ｃ，３１，３１Ｂ…下板部、３０，３０Ｂ,３０Ｃ…第二胴部材、３１０，３１１,３１２…下面、３１３…加締め用溝、３２，３２Ｂ，３２Ｃ…ガイド側部、３２１…ガイド側面、３３…紐類取付部、３４，３４Ｂ，３４Ｃ…第二係合部、３４１，３４２…係合孔部、３４５Ｂ…係合爪部、３５…溝部、３６Ｃ…差込本体部、３７Ｃ…内上板部、３８Ｃ…内下板部、３９Ｃ…補助柱部、５０…引手、５１…引手本体、５２…軸部、６０…ロックピン、６１…係合端部、６２…取付端部、６３…弾性片、Ｌ１～Ｌ４…寸法。

Claims

　一対のテープに沿ったエレメント列が噛合および離間可能に挿通される案内溝（１１）が構成される胴体（１０，１０Ｂ）と、前記胴体（１０，１０Ｂ）をスライド方向に操作可能な引手（５０）と、前記案内溝（１１）において前記エレメント列に対して係合可能なロックピン（６０）とを備えており、
　前記胴体（１０，１０Ｂ）は、前記引手（５０）および前記ロックピン（６０）が取り付けられる第一胴部材（２０，２０Ｂ）と、前記第一胴部材（２０，２０Ｂ）と係合する第二胴部材（３０，３０Ｂ）とによって構成されており、
　前記第一胴部材（２０，２０Ｂ）および前記第二胴部材（３０，３０Ｂ）のうちの一方には、紐類を取付可能な紐類取付部（３３）が形成されており、
　前記第一胴部材（２０，２０Ｂ）は、上板部（２１，２１Ｂ）と、前記上板部（２１，２１Ｂ）に連続した柱部（２２，２２Ｂ）と、前記柱部（２２，２２Ｂ）に形成された第一係合部（２３，２３Ｂ）とを有しており、
　前記第二胴部材（３０，３０Ｂ）は、前記上板部（２１，２１Ｂ）に対向する下板部（３１，３１Ｂ）と、前記下板部（３１，３１Ｂ）のうち前記スライド方向において前記柱部（２２，２２Ｂ）に対して前後両側にそれぞれ形成された左右のガイド側部（３２，３２Ｂ）と、前記第一係合部（２３，２３Ｂ）と係合可能に形成された第二係合部（３４，３４Ｂ）とを有しているスライダー。
　前記第一係合部（２３）は、前記柱部（２２）の下部から前記スライド方向における前後両側に延出した係合本体片部（２３１）と、前記係合本体片部（２３１）の前後両側において下方に下げられた係合段部（２３２，２３３）とを有しており、
　前記第二係合部（３４）は、前記前後両側の係合段部（２３２，２３３）のうちの一方の係合段部（２３２）と係合可能に前記下板部（３１）に形成された一方の係合孔部（３４１）と、前記前後両側の係合段部（２３２，２３３）のうちの他方の係合段部（２３３）と係合可能に前記下板部（３１）に形成された他方の係合孔部（３４２）とを有しており、
　前記一方の係合段部（２３２）および前記一方の係合孔部（３４１）の前記スライド方向における係合代は、前記他方の係合段部（２３３）および前記他方の係合孔部（３４２）の前記スライド方向における係合代よりも大きくされている請求項１に記載のスライダー。
　前記第二胴部材（３０）には、前記一方の係合孔部（３４１）の左右の少なくとも一方側に加締め用溝（３１３）が形成されている請求項２に記載のスライダー。
　前記第一係合部（２３Ｂ）は、前記柱部（２２Ｂ）の下部に連続した板状の係合本体板部（２３１Ｂ）と、前記係合本体板部（２３１Ｂ）の前記スライド方向における前後両側にそれぞれ形成された左右の係合孔部（２３４Ｂ）とを有しており、
　前記第二係合部（３４Ｂ）は、前記ガイド側部（３２Ｂ）のうち少なくとも２つには係合爪部（３４５Ｂ）が形成されており、
　前記各係合孔部（２３４Ｂ）には、前記各ガイド側部（３２Ｂ）が差し込まれ、
　前記各係合爪部（３４５Ｂ）は前記係合本体板部（２３１Ｂ）に係合する請求項１に記載のスライダー。
　一対のテープに沿ったエレメント列が噛合および離間可能に挿通される案内溝（１１）が構成される胴体（１０Ｃ）と、前記胴体（１０Ｃ）をスライド方向に操作可能な引手（５０）と、前記案内溝（１１）において前記エレメント列に対して係合可能なロックピン（６０）とを備えており、
　前記胴体（１０Ｃ）は、前記引手（５０）および前記ロックピン（６０）が取り付けられる第一胴部材（２０Ｃ）と、前記第一胴部材（２０Ｃ）と係合する第二胴部材（３０Ｃ）とによって構成されており、
　前記第一胴部材（２０Ｃ）は、上板部（２１Ｃ）および下板部（２５Ｃ）と、前記上板部（２１Ｃ）および前記下板部（２５Ｃ）をつないだ柱部（２２Ｃ）と、紐類を取付可能に前記下板部（２５Ｃ）に形成された紐類取付部（３３）と、前記上板部（２１Ｃ）および前記下板部（２５Ｃ）のうちの少なくとも一方に形成された第一係合部（２３Ｃ）とを有しており、
　前記第二胴部材（３０Ｃ）は、前記スライド方向において前記上板部（２１Ｃ）および前記下板部（２５Ｃ）の間に差し込まれる差込本体部（３６Ｃ）と、前記第一係合部（２３Ｃ）と係合可能に形成された第二係合部（３４Ｃ）とを有しており、
　前記胴体（１０Ｃ）は、前記柱部（２２Ｃ）に対して、前記スライド方向における前後両側にそれぞれ配置される左右のガイド側部（３２Ｃ）を有しており、
　前記前後一方側の左右のガイド側部（３２Ｃ）は前記第一胴部材（２０Ｃ）にそれぞれ形成されており、
　前記前後他方側の左右のガイド側部（３２Ｃ）は前記第二胴部材（３０Ｃ）にそれぞれ形成されているスライダー。
　前記差込本体部（３６Ｃ）は、内上板部（３７Ｃ）および内下板部（３８Ｃ）と、前記内上板部（３７Ｃ）および前記内下板部（３８Ｃ）をつないだ補助柱部（３９Ｃ）とを有しており、
　前記内上板部（３７Ｃ）は、前記上板部（２１Ｃ）に沿って配置されており、
　前記内下板部（３８Ｃ）は、前記下板部（２５Ｃ）に沿って配置されており、
　前記補助柱部（３９Ｃ）は、前記柱部（２２Ｃ）に対して前記前後他方側から嵌着される請求項５に記載のスライダー。
　前記ロックピン（６０）は、前記案内溝（１１）に配置される係合端部（６１）と、前記上板部（２１Ｃ）に取り付けられる取付端部（６２）とを有した弾性片（６３）によって形成されており、
　前記上板部（２１Ｃ）には、前記係合端部（６１）が挿通されるピン差込孔部（２４１）と、前記取付端部（６２）が取り付けられるピン取付部（２４２）とが形成されている請求項１から請求項６のいずれか一項に記載のスライダー。